JP3732590B2 - 既存構造物の補修補強方法及びそれに用いる補修補強材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、橋脚、橋梁、建造物の柱等のコンクリートからなる既存構造物の補修補強方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
橋脚、橋梁、建造物の柱等のコンクリートからなる既存構造物の補修補強を繊維強化樹脂を用いて行うことは広く知られている。
その方法の1つとして、炭素繊維、ガラス繊維、有機繊維等の強化繊維の一方向引き揃えシート状物や織物等のシート状物あるいはこれらのシート状物に適量のエポキシ樹脂をあらかじめ含浸したいわゆるプリプレグを現場でエポキシ樹脂を含浸、補充しながら構造物の補修・補強箇所に貼り付け、必要に応じて複数枚積層する方法が行われている(例えば、特開平2−242828号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の補修補強方法では、使用実績と現場での施工性の面から常温硬化型エポキシ樹脂が一般的に使用されているが、常温硬化型とは言え、10℃以下特に5℃以下で硬化性が著しく低下し硬化不良を生じやすいこと、このため硬化養生に長期間を要し、施工期間が長期化する問題があった。また時節、地域によっては施工が困難になるといった問題があった。
【0004】
さらに水分により硬化が阻害されることもあって、コンクリート施工面の十分な管理、下地処理の必要があり、あるいは雨天時の施工が難しいなどの課題を有していた。
【0005】
そこで、本発明は上記の欠点を解決し、常温及び低温での硬化性に優れ、短期の施工性にも優れ、かつ優れた補強効果を発現しうる橋脚、橋梁、建造物の柱等のコンクリートからなる既存構造物の補修補強方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、既存構造物の補修補強部位を樹脂を含浸した強化繊維からなるシート状物を硬化した繊維強化樹脂層で補修補強する既存構造物の補修補強方法において、前記樹脂の硬化が下記成分(1)、(2)及び(3)からなる樹脂を含有する層と下記成分(1)、(2)及び(4)からなる樹脂を含有する層を既存構造物の補修補強を行う現場で接触又は混合することにより開始することを特徴とする既存構造物の補修補強方法を第1の要旨とする。
成分(1)(メタ)アクリレートを主成分とするビニル系単量体
成分(2)成分(1)に溶解する(メタ)アクリロイル基及び/又はアリルエーテル基を含有するオリゴマー及び/又は熱可塑性ポリマー
成分(3)有機過酸化物
成分(4)硬化促進剤
【0007】
また、強化繊維からなるシート状物を
下記成分(1)、(2)、(3)からなる樹脂、又は、
下記成分(1)、(2)、(4)からなる樹脂
に浸漬した既存構造物の補修補強材を第2の要旨とし、下記成分(1)、(2)及び(3)からなる樹脂を含有する層と成分(1)、(2)及び(4)からなる樹脂を含有する層を下記成分(3)及び成分(4)を浸透しないシート又はフィルムを介して貼り合わせた既存構造物の補修補強材を第3の要旨とする。
成分(1)(メタ)アクリレートを主成分とするビニル系単量体
成分(2)成分(1)に溶解する(メタ)アクリロイル基及び/又はアリルエーテル基を含有するオリゴマー及び/又は熱可塑性ポリマー
成分(3)有機過酸化物
成分(4)硬化促進剤
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に使用される強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維等の無機繊維、あるいはアラミド繊維等の有機繊維など通常強化繊維として使用される高強度あるいは高弾性の繊維が挙げられる。さらにこれらの強化繊維を混合したものを使用しても差し支えない。
【0009】
その中でも特に炭素繊維が好ましく、引張弾性率20ton/mm2以上、引張強度300kg/mm2以上のものがより好ましい。さらに炭素繊維表面にラジカル反応性基を有する低分子量化合物を付与されたものが最も好ましい。
【0010】
ラジカル反応性基を有する低分子量化合物としては、アクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレートなどのアクリル系単官能又は多官能単量体あるいはメタクリル酸、メチルメタクリレート等メタクリレート系単官能又は多官能単量体等のビニル単量体あるいは(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーが例示でき、処理する方法としては、ラジカル反応性基を有する低分子量化合物を含有する溶液等に炭素繊維を通過せしめ乾燥するなど通常用いられる方法が上げられる。特に好ましいものとしてビスフェノール型エポキシ樹脂とアクリル酸、メタクリル酸とを反応して得られる(メタ)アクリレートを末端に有するビスフェノール誘導体が挙げられる。
【0011】
本発明に使用される強化繊維からなるシート状物としては、前述の強化繊維からなる織布、一方向配列シート状物、不織布、マット等、これらを組み合わせたもの及びこれらの強化繊維にアクリル樹脂などを含浸したものが挙げられる。
【0012】
特に本発明においては、強化繊維を一方向に配列し、横方向に拘束した
(a)強化繊維からなるシート状物が、一方向に引き揃えた強化繊維のシート状物を横切って繊維を配置したもの
(b)強化繊維からなるシート状物が、一方向に引き揃えられた強化繊維からなるシート状物の少なくとも一方の面に強化繊維と直交する方向に熱融着性繊維を強化繊維の長手方向に沿って3mm以上150mm以下の間隔で配置し、熱融着したもの
(c)強化繊維からなるシート状物が、一方向に引き揃えられた強化繊維からなるシート状物の少なくとも一方の表面に熱可塑性樹脂からなる又は熱可塑性樹脂で被覆されたネット状支持体、ウエブ状支持体等の熱融着性繊維布帛を熱融着したものが好ましく使用される。
【0013】
ここで、上記(a)は、強化繊維を縦糸(経糸)に、強化繊維あるいはその他の繊維例えばガラス繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、アクリル系樹脂あるいはメタクリル系樹脂を繊維状に賦型したもの等を横糸(緯糸)として配置すること、すなわち例えば織ることあるいは絡める等により製造される。
【0014】
また、(b)は、強化繊維を一方向に引き揃えシート状とし、強化繊維と直交する方向に熱融着性繊維を配置し、熱融着することにより製造される。使用する熱融着性繊維としては、室温以上の温度で溶融し接着性を示す繊維あるいは、熱融着性を示す物質を表面に配する繊維、あるいは熱融着性繊維とそうでない繊維の交絡糸、あるいはこれらの繊維を組み合わせたもの等を意味する。ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル系あるいはメタクリル系樹脂等の繊維及びこれらの繊維を易融着処理した繊維、あるいはガラス繊維などの繊維表面にナイロン等熱融着可能な物質を付着した繊維、ガラス繊維などの繊維とナイロン糸等を交絡処理したものを例示できるがこれらに限定されるものでない。配置するとは単に表面に置くことあるいは強化繊維をたて糸(経糸)に熱融着性繊維をよこ糸(緯糸)に織るあるいは絡める等を意味する。 配置する間隔は、3〜150mmが好ましく、より好ましくは、3〜15mmである。配置する間隔がこれよりも小さいとシート状物の扱い性は良好であるが、強化繊維の拘束が強く成りすぎて樹脂の含浸性が低下する傾向にあり、又これよりも大きいとシート状物としての扱い性が低下する傾向にあり好ましくない。
【0015】
熱融着性繊維を配置した後、加熱し強化繊維と融着することにより(b)を得ることができる。
【0016】
そして、(c)は、強化繊維を一方向に引き揃えシート状とし、その少なくとも一方の表面に室温以上の温度で溶融し接着性を示す熱可塑性樹脂からなるあるいは熱可塑性樹脂で被覆されたネット状支持体、ウエブ状支持体等の熱融着性繊維布帛を熱融着することにより製造される。熱融着性繊維としては、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂等からなる繊維が例示され、ネット状支持体のネットの目開きは、樹脂の含浸性の観点からは広い方が好ましく目開き部分の多角形の一辺が1mm以上であって、その目開き面積が10mm2以上が好ましい。一辺が2.5mm以上で目開き面積が15mm2以上であればより好ましい。一方、強化繊維のほつれ防止、切断時の扱い性の観点からは、目開きは小さいことが好ましく、一辺が20mm以下で目開き面積が500mm2以下であることが好ましい。
【0017】
ウエブ状支持体とは、短繊維あるいは長繊維の絡み合ったシート状物である。ネット状あるいはウエブ状支持体の目付は、得られる成形物の機械的特性特に層間せん断強度保持及びシート状物の樹脂含浸性の点から、20g/m2以下が好ましい。
【0018】
強化繊維として炭素繊維を使用する場合、シート状物としての好適な炭素繊維の目付としては、100〜800g/m2が好ましく、より好ましくは150〜600g/m2である。
【0019】
炭素繊維の目付が100g/m2未満であると樹脂の含浸は良好であるものの、シート状物としての取り扱い性が低下し、特に炭素繊維のスリットが発生し易くなる傾向にあり好ましくない。また800g/m2を超えると、樹脂の含浸性が悪化する傾向にあり好ましくない。
【0020】
次に本発明に使用される樹脂について説明する。
本発明の補修補強方法においては、後述する成分(1)、(2)及び(3)からなる樹脂を含有する層と成分(1)、(2)及び(4)からなる樹脂を含有する層を接触又は混合することによりはじめて硬化反応が開始することが十分な作業時間の確保、作業の効率化の点で必要である。
【0021】
ここで、成分(1)、(2)及び(3)からなる樹脂を含有する層、又は成分(1)、(2)及び(4)からなる樹脂を含有する層とは、前記強化繊維からなるシート状物にそれぞれの成分の混合物を含む層であってもよいし、コンクリート既存構造物の補修補強部位に予め塗布したそれぞれの成分の混合物を含み、強化繊維からなるシート状物は含まない樹脂層やコンクリート既存構造物の補修補強部位の上の前記の強化繊維からなるシート状物にそれぞれの成分の混合物を含む層の上に塗布する更にそれぞれの成分の混合物を含み、強化繊維からなるシート状物は含まない樹脂層等のように強化繊維からなるシート状物を含まない樹脂層であってもよい。
【0022】
本発明の補修補強方法においては、成分(1)、(2)及び(3)からなる樹脂を含有する層と成分(1)、(2)及び(4)からなる樹脂を含有する層を接触又は混合することにより硬化反応が開始することが必要であるから、成分(1)、(2)及び(3)からなる樹脂を含有する層と成分(1)、(2)及び(4)からなる樹脂を含有する層が樹脂強化繊維層内で少なくとも1箇所隣り合っていればよい。
【0023】
本発明の補修補強方法で用いる樹脂中の成分(1)は樹脂の硬化性、粘度調整をする成分であり、反応性、硬化後の樹脂の耐候性から(メタ)アクリレートを主成分として含むことが必要である。ここで「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及び/又はメタクリレートを示す。
【0024】
具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2−ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルモルホリン等の1官能性(メタ)アクリレートモノマ−;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ブチン−1,4−ジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール(メタ)アクリレート、水素化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス−(4−(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−(メタ)アクリロキシ(2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、ビス−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)フタレート等の2官能性(メタ)アクリレートモノマー及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレングリコール付加物のトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリスアクリロイルエチルイソシアヌレート等3官能性以上の(メタ)アクリレートモノマー等が挙げられる。
【0025】
上記した中でも硬化性が良好であり、かつ低粘度であるメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
これらの1〜2官能性単量体は、1種又は2種以上を併用して用いることができる。
【0026】
また、成分(1)には(メタ)アクリレート以外のビニル系単量体を(メタ)アクリレートと同量を限度として含んでもよい。
このとき、用いることのできるビニル系単量体としては、(メタ)アクリル酸、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル等が挙げられる。
【0027】
成分(2)は成分(1)に溶解する(メタ)アクリロイル基及び/又はアリルエーテル基を含有するオリゴマー及び/又は熱可塑性ポリマーであり、樹脂の硬化性、粘度調整をする成分である。
【0028】
熱可塑性ポリマーの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2−ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルモルホリン等の1官能性(メタ)アクリレートモノマ−の他スチレン等(メタ)アクリレートモノマーと共重合可能なモノマーの単一重合体又は共重合体、更に、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系高分子、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル、酢酸ビニル樹脂等ビニル樹脂を含み、これら熱可塑性ポリマーが、単独または、併用して使用される。
【0029】
オリゴマーの具体例としては、フタル酸、アジピン酸等の多塩基酸とエチレングリコール、ブタンジオール等の多価アルコール及び(メタ)アクリル酸との反応で得られるポリエステルポリ(メタ)アクリレート、フタル酸、アジピン酸等の多塩基酸とエチレングリコール、ブタンジオール等の多価アルコールとペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル等のアリルエーテル基含有アルコール及び(メタ)アクリル酸との反応で得られるアリルエーテル基含有ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、フタル酸、アジピン酸等の多塩基酸とエチレングリコール、ブタンジオール等の多価アルコールとペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル等のアリルエーテル基含有アルコールとの反応で得られるアリルエーテル基含有ポリエステル、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応で得られるエポキシポリ(メタ)アクリレート、フタル酸、アジピン酸等の多塩基酸とエポキシ樹脂とペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル等のアリルエーテル含有アルコールと(メタ)アクリル酸との反応により得られるアリルエーテル基含有エポキシポリ(メタ)アクリレート、ポリオールとポリイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有単量体との反応で得られるウレタンポリ(メタ)アクリレート、ポリオールとポリイソシアネートとペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル等のアリルエーテル基含有アルコール及び2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有単量体との反応で得られるアリルエーテル基含有ウレタンポリ(メタ)アクリレート、、ポリオールとポリイソシアネートとペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル等のアリルエーテル基含有アルコールとの反応で得られるアリルエーテル基含有ウレタン等が挙げられる。
【0030】
成分(3)は成分(4)との組み合わせでレドックス系触媒となりうるものであればよく、特に限定しないが、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等に代表される有機過酸化物が挙げられる。ベンゾイルパーオキサイドは取り扱い上の危険を避けるため、不活性の液体又は固体で濃度50%程度に希釈されたペースト状又は粉末状のものを用いることが好ましい。
【0031】
成分(4)としては、ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルト等の金属石鹸やジメチルトルイジン、ジエチルトルイジン、ジイソプロピルトルイジン、ジヒドロキシエチルトルイジン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、ジイソプロピルアニリン、ジヒドロキシエチルアニリン等の芳香族第3級アミン等が一種又は二種以上の組み合わせで用いられる。
【0032】
また、種々の特性を改善するために、種々の添加剤、例えば可塑剤、耐候剤、帯電防止剤、潤滑剤、離型剤、染料、顔料、消泡剤、重合抑制剤、各種充填剤等を添加してもよい。特に、空気遮断作用、硬化物表面への光沢性付与、耐汚れ性の向上を目的としてパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス等のパラフィン類、ワックス類やステアリン酸、1,2−ヒドロキシステアリン酸等の高級脂肪酸の添加が好ましい。
【0033】
これらの成分(1)、(2)及び(3)又は成分(1)、(2)及び(4)を混合した樹脂の粘度としては、20℃で5〜104センチポイズであることが樹脂の塗工性、強化繊維からなるシート状物への樹脂の含浸性及びコンクリート構造物への浸透性の点から好ましい。より好ましくは20℃で5〜800センチポイズである。
【0034】
本発明の補修補強方法においては、前述したように成分(1)、(2)及び(3)からなる樹脂を含有する層と成分(1)、(2)及び(4)からなる樹脂を含有する層を接触又は混合することにより硬化反応を開始するが、その接触又は混合は、単に両樹脂層を重ね合わせた後起こる拡散や同様に重ね合わせた上からローラー、ブラシロール等によって両層間を積極的に混合することによっても達成される。
【0035】
次に既存構造物を補修補強する方法を複数の実施形態で説明する。本発明はこれらの実施形態に限定されるものではないのはいうまでもない。
【0036】
後述のコンクリートの下地処理は次のようにして行う。コンクリート既存構造物の補修補強部位にモルタル塗装がある場合はこれを削り取り、コンクリート表面を露出させ、これをグラインダー等を用いて平滑に削ったり、凹部に本発明で使用する樹脂と接着性がよい例えば本発明の樹脂組成と各種充填材等からなるパテ材で埋め平滑にならす。
【0037】
実施形態(i)
まず、コンクリートの下地処理を実施し、必要に応じてアクリル系樹脂プライマーを塗布する。その上に成分(1)、(2)及び(3)からなる樹脂を塗布して樹脂層を形成する。そして、その上に強化繊維からなるシート状物を配置し、塗布した成分(1)、(2)及び(3)からなる樹脂をローラーを用いて含浸させる。更に成分(1)、(2)及び(4)からなる樹脂をその上にローラーを用いて塗布し、強化繊維からなるシート状物に含浸するとともに両樹脂を混合する。場合によっては、さらに成分(1)、(2)及び(3)からなる樹脂をその表面に塗布し常温で放置し硬化する。
【0038】
実施形態(ii)
まず、コンクリートの下地処理を実施し、必要に応じてアクリル系樹脂プライマーを塗布する。その上に成分(1)、(2)及び(3)からなる樹脂を塗布して、樹脂層を形成する。そして、その上に成分(1)、(2)及び(4)からなる樹脂を強化繊維からなるシート状物に含浸した層を配置し、ローラーを用い両層間を密着させると同時に両層間を混合し、常温で放置し硬化する。
【0039】
実施形態(iii)
まず、コンクリートの下地処理を実施し、必要に応じてアクリル系樹脂プライマーを塗布する。その上に成分(1)、(2)及び(3)からなる樹脂を強化繊維からなるシート状物に含浸した層を形成する。そして、その上に成分(1)、(2)及び(4)からなる樹脂を強化繊維からなるシート状物に含浸した層を配置し、ローラーを用い両層間を密着させると同時に両層間を混合し、常温で放置し硬化する。
【0040】
実施態様(iv)
まず、コンクリートの下地処理を実施し、必要に応じてアクリル系樹脂プライマーを塗布する。その上に成分(1)、(2)及び(3)からなる樹脂を強化繊維からなるシート状物に含浸した層を形成する。そして、その上に成分(1)、(2)及び(4)からなる樹脂を塗布して、樹脂層を形成する。ブラシローラーを用い両層間を混合し、常温で放置し硬化する。
【0041】
次に本発明の補修補強方法に好適に用いることのできる補修補強材2種を説明する。
ひとつめは、強化繊維からなるシート状物を成分(1)、(2)及び(3)からなる樹脂又は成分(1)、(2)及び(4)からなる樹脂に浸漬した補修補強材である。前述したように強化繊維からなるシート状物はその取り扱い性と樹脂含浸性が相反する。すなわち強化繊維からなるシート状物を取り扱い性のよいしっかりしたものとするため熱融着繊維や熱融着繊維布帛を間隔をあけず熱融着すると樹脂の含浸性の乏しいものとなる。また、反対に含浸性を重視して熱融着繊維や熱融着繊維布帛で固定する間隔を疎とすると取り扱い性が低下してしまう。そこで、容器に入れた成分(1)、(2)及び(3)からなる樹脂又は成分(1)、(2)及び(4)からなる樹脂中に強化繊維からなるシート状物を巻きロールのまま浸漬、密閉し、容器内で放置することによるだけで樹脂を強化繊維からなるシート状物に含浸せしめ、現場では、その容器より強化繊維からなるシート状物を取り出し、場合によって余分の樹脂を除きながら樹脂含浸の済んだ強化繊維からなるシート状物を引き出すことができるものである。
【0042】
この場合、強化繊維からなるシート状物として、シート状物としての取り扱い性を重視して、熱融着繊維あるいは熱融着繊維布帛の間隔を詰めて熱融着して固定するなどして拘束を強くすることが可能となる。用いる熱融着繊維の素材としては、上記樹脂成分(1)〜(4)に侵されないもの、逆に成分(1)〜(4)を変質させないものであることが必要であり、ポリプロピレン、ナイロン、あるいはガラス繊維とナイロン繊維の撚糸などが例示できる。また、使用する容器あるいは強化繊維からなるシート状物を巻くロールとして金属製(成分(3)含有物には不向き)、ポリプロピレン、ナイロン樹脂等が挙げられる。
【0043】
いまひとつは、成分(1)、(2)及び(3)からなる樹脂を含有する層と成分(1)、(2)及び(4)からなる樹脂を含有する層を成分(3)及び成分(4)を浸透しないシート又はフィルムを介して貼り合わせた既存構造物の補修補強材であり、この補強材はこのまま既存構造物の補修補強部位に貼り付け、その後にその上から針を一定ピッチで設けたローラーや剣山で中間層のフィルム又はシートに穴又は切り込みを入れ、あるいは成分(1)、(2)及び(3)からなる樹脂を含有する層と成分(1)、(2)及び(4)からなる樹脂を含有する層が接するように積層して両樹脂間を拡散可能とすると同時に混合して硬化反応を開始させるものである。フィルム又はシートとしてはもちろん成分(3)及び成分(4)を浸透しない材質であることが必要である、ポリエステルフィルム等が挙げられる。
【0044】
【実施例】
以下実施例を挙げ本発明をさらに詳しく説明する。
(実施例1)
強化繊維からなるシート状物として三菱レイヨン社製炭素繊維パイロフィルTR−30G(フィラメント数12000本)を2.5mm間隔で300mm幅で一方向に目板を用いて引き揃え、炭素繊維束に直交する方向に10mm間隔でガラス長繊維450番手と低融点ナイロンフィラメント(融点125℃)50デニールを撚糸した熱融着性の繊維を平織りした後、温度180℃、圧1kg/cm2に設定した加熱ローラーを40秒かけて通過することにより、炭素繊維目付300g/m2の強化繊維からなるシート状物1を得、紙巻に巻き取った。
【0045】
一方、樹脂の調製は、まず、成分(1)メチルメタクリレート60部/2ーエチルヘキシルアクリレート10部/1,3−ブチレングリコールジメタクリレート2部とパラフィンワックスとしてn−パラフィン(融点54〜56℃)1部、シランカップリング剤としてγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1部を添加し、この混合物を50℃に加熱混合しながら、成分(2)としてメチルメタクリレート/n−ブチルメタクリレート=60/40(重量)からなり、平均分子量42000のアクリル共重合体25部を加え溶解した後、冷却しながら、成分(4)としてN,N−ジメチル−p−トルイジン2部を添加し樹脂液1を得た。20℃での粘度を測定したところ80センチポイズであった。
【0046】
「冷却しながら、成分(4)としてN,N−ジメチル−p−トルイジン2部を加える」代わりに、「冷却後、樹脂液100部に対して成分(3)としてベンゾイルパーオキシド50%可塑剤希釈品4部を加えて」、樹脂液2を調製した。
両樹脂液は、1週間常温で放置しても粘度はほとんど変わらず十分な安定性を示した。
【0047】
ドクターコーターを用い離型紙上に樹脂液1を樹脂目付が200g/m2となるようにコートし、その上に前記強化繊維からなるシート状物1、離型紙をのせ、室温でゴムロール対により圧力をかけることによりプリプレグ1を得た。
【0048】
コンクリート表面にまず樹脂液2を刷毛を用いて十分塗布し、さらにその上に前記プリプレグ1を載せた後、さらにその上に樹脂液2をローラを用いてプリプレグ全面に塗布し、良く含浸混合した。室温(23℃)で30分放置することによりプリプレグ1は硬化した。JIS A6909に準拠して硬化したプリプレグの一部をコンクリートから引き剥がし接着試験を実施した。800kg/1600mm2(50kg/cm2)の強度が得られ、プリプレグとともにコンクリートが引き剥がされ十分な硬化性と接着性が得られた。また十分な補強強度を発現した。補修補強層中の樹脂含有率は57重量%であった。
【0049】
(実施例2)
熱融着性の繊維(緯糸)の間隔を5mmに変更したほかは実施例1の強化繊維からなるシート状物1と同様にして強化繊維からなるシート状物2を得た。
【0050】
コンクリート表面に樹脂液1を約150g/m2目付でローラーを用いて塗布しその上に強化繊維からなるシート状物2を配置し、塗布した樹脂液1を軽くローラーを用いてシート状物2に含浸させた。さらにその上に樹脂液2をローラーを用いて約300g/m2目付となるように塗布し、含浸した。更に樹脂液1をその上に約150g/m2となる見当でローラーを用いて塗布し、良く押さえつけ良く混合した。室温(23℃)で30分放置することにより樹脂は硬化した。
【0051】
同様の作業を低温(5℃)で実施した。低温下でも1時間放置とすることにより樹脂は硬化した。
【0052】
硬化1時間半後JIS A6909に準拠して硬化したシートの一部をコンクリートから引き剥がし接着試験を実施した。常温硬化条件では750kg/1600mm2(47kg/cm2)、低温硬化条件では658kg/1600mm2(41kg/cm2)の強度が得られ、シートとともにコンクリートが引き剥がされ十分な硬化性と接着性が得られた。補修補強層中の樹脂含有率は約62重量%であった。
【0053】
JIS A1132に準拠したコンクリート製曲げ試験体の引張変形側に同様の作業で常温及び低温でシート状物2を強化繊維の配列方向がコンクリート試験体の長手方向となる様に1層貼り付け、硬化した。
JIS A1106に準拠して曲げ試験を実施した。シート状物を貼り付けない場合曲げ強度は88kgf/cm2であったが、貼り付けることにより常温硬化条件では130kgf/cm2、低温硬化条件では125kgf/cm2にそれぞれ向上し、良好な補強効果を示した。
【0054】
(実施例3)
シート状物2を30mはかり取り、15.4cmφの紙管に巻き取った。
前記強化繊維からなるシート状物2を巻き取った紙管をステンレス缶容器にいれさらに樹脂液1をその上から注ぎ入れ樹脂を容器に入れ密閉し強化繊維からなるシート状物2に樹脂を含浸せしめた。さらに2日間室温で放置することにより十分含浸を行った。
【0055】
含浸後、アルミ缶容器より樹脂液1を十分含んだ強化繊維からなるシート状物2のロールを取り出し、ゴムロールの間で軽くしごくことにより余分の樹脂を除きプリプレグ2を得た。
室温でコンクリート表面にまず樹脂液2を刷毛を用いて十分塗布し、さらにその上に前記プリプレグ2を載せた後、さらにその上に樹脂液2を刷毛とローラを用いてプリプレグ2全面に塗布し、良くなじませた。室温(23℃)で30分放置することによりプリプレグ2は硬化した。
【0056】
JIS A6909に準拠して硬化したプリプレグ2の一部をコンクリートから引き剥がし接着試験を実施した。783kg/1600mm2(49kg/cm2)の強度が得られ、プリプレグ2とともにコンクリートが引き剥がされ十分な硬化性と接着性が得られた。また十分な補強強度を発現した。補修補強層中の樹脂含有率は62重量%であった。
【0057】
(実施例4)
樹脂液1の代わりに樹脂液2を用いた他は実施例1でプリプレグ1を得た方法を行い、プリプレグ3を得た。
プリプレグ1、3を0.025mm厚のナイロンフィルムを介して貼り合わせ、樹脂液2を刷毛を用いて十分塗布したコンクリート表面にプリプレグ1側が樹脂液2と接するように載せた後、さらにプリプレグの上から針付きローラでローラーがけしナイロンフィルムに無数の穴をあけた。室温(23℃)で30分放置することによりプリプレグは硬化した。
【0058】
JIS A6909に準拠して硬化したプリプレグの一部をコンクリートから引き剥がし接着試験を実施した。501kg/1600mm2(31kg/cm2)の強度が得られ、プリプレグとともにコンクリートが引き剥がされ十分な硬化性と接着性が得られた。また十分な補強強度を発現した。補修補強層中の樹脂含有率は48重量%であった。
【0059】
(比較例1)
樹脂液1の代わりにエピコート828(油化シェルエポキシ社製)50重量部、ED505(旭電化社製)50重量部混合樹脂を用い、実施例1と同様にしてプリプレグ(樹脂含有量40%)を得た。
アセトン1重量部にメルカプタン系硬化剤(カプキュアWR−6、油化シェル社製)1重量部、硬化促進剤としてトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(エピキュア3010、油化シェル社製)を5重量部溶かし込んだ硬化剤溶液をプライマー処理したコンクリート表面に塗布し、次に上記プリプレグを載せさらに硬化剤溶液を塗り込んだ。室温(20℃)で乾燥、硬化させたが12時間経過後プリプレグは硬化していなかった。5日経過後表面の粘着性がなくなったので接着剥離試験を行った。プリプレグはコンクリートとの界面で剥がれその強度は、125kg/1600mm2(8kg/cm2)であり、充分には硬化していなかった。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、橋脚、橋梁、建造物の柱等のコンクリートからなる既存構造物を、短時間で周りの温度、環境に煩わされることなく樹脂を硬化し補修補強が可能であり加えて優れた補強効果を発現する補修補強が可能である。
Claims (12)
- 既存構造物の補修補強部位を樹脂を含浸した強化繊維からなるシート状物を硬化した繊維強化樹脂層で補修補強する既存構造物の補修補強方法において、前記樹脂の硬化が下記成分(1)、(2)及び(3)からなる樹脂を含有する層と下記成分(1)、(2)及び(4)からなる樹脂を含有する層を既存構造物の補修補強を行う現場で接触又は混合することにより開始することを特徴とする既存構造物の補修補強方法。
成分(1)(メタ)アクリレートを主成分とするビニル系単量体
成分(2)成分(1)に溶解する(メタ)アクリロイル基及び/又はアリルエーテル基を含有するオリゴマー及び/又は熱可塑性ポリマー
成分(3)有機過酸化物
成分(4)硬化促進剤 - 成分(1)、(2)及び(3)からなる樹脂及び成分(1)、(2)及び(4)からなる樹脂が20℃において5〜104センチポイズの粘度を有する樹脂である請求項1記載の既存構造物の補修補強方法。
- 成分(1)、(2)及び(3)からなる樹脂及び成分(1)、(2)及び(4)からなる樹脂が、パラフィンワックスを含有する樹脂である
請求項1又は2記載の既存構造物の補修補強方法。 - 強化繊維からなるシート状物が、一方向に引き揃えた強化繊維からなるシート状物の少なくとも1方の面に熱融着性繊維布帛を熱融着した強化繊維からなるシート状物である請求項1、2又は3記載の既存構造物の補修補強方法。
- 強化繊維からなるシート状物が、一方向に引き揃えた強化繊維からなるシート状物の少なくとも1方の面に強化繊維と直交する方向に熱融着性繊維を強化繊維の長手方向に沿って3〜150mmの間隔で配置し熱融着した強化繊維からなるシート状物である請求項1、2又は3記載の既存構造物の補修補強方法。
- 強化繊維が繊維表面にラジカル反応性基を有する低分子量化合物を付与されている炭素繊維である請求項1〜5記載の既存構造物の補修補強方法。
- 強化繊維からなるシート状物を
下記成分(1)、(2)、(3)からなる樹脂、又は、
下記成分(1)、(2)、(4)からなる樹脂
に浸漬した既存構造物の補修補強材。
成分(1)(メタ)アクリレートを主成分とするビニル系単量体
成分(2)成分(1)に溶解する(メタ)アクリロイル基及び/又はアリルエーテル基を含有するオリゴマー及び/又は熱可塑性ポリマー
成分(3)有機過酸化物
成分(4)硬化促進剤 - 下記成分(1)、(2)及び(3)からなる樹脂を含有する層と成分(1)、(2)及び(4)からなる樹脂を含有する層を下記成分(3)及び成分(4)を浸透しないシート又はフィルムを介して貼り合わせた既存構造物の補修補強材。
成分(1)(メタ)アクリレートを主成分とするビニル系単量体
成分(2)成分(1)に溶解する(メタ)アクリロイル基及び/又はアリルエーテル基を含有するオリゴマー及び/又は熱可塑性ポリマー
成分(3)有機過酸化物
成分(4)硬化促進剤 - 成分(1)、(2)及び(3)からなる樹脂及び成分(1)、(2)及び(4)からなる樹脂が20℃において5〜104センチポイズの粘度を有する樹脂である請求項7又は8記載の既存構造物の補修補強材。
- 強化繊維からなるシート状物が、一方向に引き揃えた強化繊維からなるシート状物の少なくとも1方の面に熱融着性繊維布帛を熱融着した強化繊維からなるシート状物である請求項7、8又は9記載の既存構造物の補修補強材。
- 強化繊維からなるシート状物が、一方向に引き揃えた強化繊維からなるシート状物の少なくとも1方の面に強化繊維と直交する方向に熱融着性繊維を強化繊維の長手方向に沿って3〜150mmの間隔で配置し熱融着した強化繊維からなるシート状物である請求項7、8又は9記載の既存構造物の補修補強材。
- 強化繊維が繊維表面にラジカル反応性基を有する低分子量化合物を付与されている炭素繊維である請求項7〜11記載の既存構造物の補修補強材。
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