JP3729566B2 - Laminated body - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は積層体に関し、より詳しくは、酸素ガスや水蒸気ガスを遮断する機能を有するものであり、さらに液晶のシール剤との間に強い密着力が得られることを特徴としており、液晶ディスプレイの基材として好適に利用できるものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)は平面型の表示デバイスとして広く利用されている。平面型の形状は、代表的な表示体であるブラウン管では実現できない形状であり、特に省スペースが要求される用途、例えばラップトップ型パソコン、時計、自動車表示機器、カーナビゲーション、壁掛けテレビ等の表示体として利用されている。
【0003】
LCDは基本的には、二枚の透明電極間に、配向処理を施した液晶を注入しシール剤で四方を封止した構造をとっており、透明電極間に印加する電界によって液晶の配向を変化させ、偏光板や偏光フィルムによって偏光された光の透過を制御する表示体である。
【0004】
LCDの基本構造の中に用いられている透明電極の材料としては、透明度と導電率が高く、パターンニング配線が酸によるエッチングで簡単に行えることから、インジウムとスズとの酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)が用いられている。このITO膜を形成するための基材としてはガラス板を用いるのが一般的であり、一部高分子成形体も使用されている。基材として高分子成形体を使用することはガラス板を使用するのに比べて、軽い、薄い、割れない、屈曲可能といった特長を備えており、携帯用情報機器の表示体として用いる場合に適している。LCDの基本構造を[図1]に掲げた。図中の01は基材、02は透明電極、03は液晶、04はシール剤、05は配向膜、06は偏光板を表す。
【0005】
LCDは前述したように二枚の透明電極間に液晶を注入して封止しているが、透明電極を形成する基材を通して空気中の酸素ガスや水蒸気ガスが液晶中に侵入しないようにしなければならない。気体が液晶中に侵入すると、それが気泡となって表示体の品質を落とすことになるからである。基材にガラス板を用いる場合には、ガラス板自体にガスを遮断する性質があるため、ガスの侵入による液晶中での気泡の発生は起こらなかった。
【0006】
一方、高分子成形体を基材として使用する場合には、ガラス板のようなガス遮断性を有していないために何らかのガスバリヤ性を付与する処理が必要である。その中には、高分子成形体の表面に薄いガラス質(酸化珪素)の層を形成したり、ガス遮断性を有する有機物を塗布するといった方法が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
高分子成形体をLCDの透明電極の基材として用いるために、高分子成形体の表面上に酸化珪素層や窒化珪素層を形成すればガス遮断性が得られ、しかも有機物をガスバリヤ層として使用するよりも加湿条件下でガス遮断性能を維持するためLCDの透明電極用基材として利用できるが、以下に掲げるような問題点があることを見いだした。
(1)シール剤との密着性が悪い。
(2)ITO膜をエッチングする際のアルカリ処理においてガスバリヤ層にひび割れや剥離が生じガス遮断性能が著しく悪くなる。
【0008】
本発明は上記事情を鑑み、高分子成形体を基材とし、酸化珪素、または窒化珪素、またはそれらの混合物をガスバリヤ層としたLCDの透明電極用基材において、基材とシール剤との密着性を改善することを目的としている。さらにはアルカリ処理においてガス遮断性能の悪化を生じない透明電極用基材をも得ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、酸化珪素、または窒化珪素、またはそれらの混合物からなるガスバリヤ層の、シール剤と接することになる表面に金属を付着させることでシール剤との密着性を強くできることを発見し本発明に到達した。すなわち本発明は、(1)少なくとも、高分子成形体(A)、酸化珪素、窒化珪素、または酸化珪素と窒化珪素との混合物からなるガスバリヤ層(B)をABなる順序で形成した積層体において、該ガスバリヤ層(B)の表面に金属を含むプラズマによって表面処理を行い、該表面処理によりガスバリヤ層(B)の表面処理面に付着する金属原子が、4×10 14 原子/cm 2 〜2×10 16 原子/cm 2 であり、該金属が少なくともチタン、アルミニウム、ニッケル、クロム、鉄、銅、亜鉛、タングステン、及びバナジウムから選択される一種からなる金属またはそれら二種以上の金属からなる合金であることを特徴とする積層体、(2)ガスバリヤ層(B)の上に、更に透明導電層(D)を積層することを特徴とする(1)記載の積層体、(3)透明導電層(D)が、インジウムとスズとの酸化物からなることを特徴とする(2)記載の積層体、(4)高分子成形体(A)とガスバリヤ層(B)との間に、少なくともニッケルを含む酸化物を中間層として形成することを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の積層体、(5)少なくともニッケルを含む酸化物層が、少なくともニッケルを含む金属層を形成した後、酸素雰囲気下で酸化物に転化せしめた層であることを特徴とする(4)記載の積層体、(6)高分子成形体(A)が透明なポリカーボネートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリアリレートフィルムから選択された一種であることを特徴とする(1)乃至(5)のいずれかに記載の積層体、(7)高分子成形体(A)が、有機ガスバリヤ層がコーティングされたコーティング加工フィルムであることを特徴とする(1)乃至(6)のいずれかに記載の積層体に関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
まず本発明を添付図面でもって説明する。[図2]は本発明の積層体の一例を示す構造断面図である。図中の、10は高分子成形体(A)、20はガスバリヤ層(B)、21は金属を含むプラズマによって処理した面である。金属を含むプラズマによって処理するのは、LCDを製造した時に、シール剤との密着力を強くするために実施する処理であるので、該処理は少なくともシール剤と接する部分に施されていればよく、必ずしも全面に施す必要はない。[図2]には全面に処理を施した場合を掲げた。
【0011】
また、本発明はガスバリヤ層の上に金属薄膜層を形成してもよく、[図3]はその一例を示す構造断面図である。図中の10は高分子成形体(A)、20はガスバリヤ層(B)、30は金属薄膜層(C)である。これもシール剤との密着力を強くするために形成される層であるため、シール剤との接触部分にのみ形成されていればよい。この場合、全面に金属薄膜層を形成すると、表示部分の透明性が損なわれるので必要な部分のみに形成するのが望ましい。
【0012】
本発明ではガスバリヤ層の上に透明導電層が形成されていてもよく、該層が形成されることで透明導電性を有する積層体ができる。[図4]はその一例を示す断面図である。図中の10は高分子成形体、20はガスバリヤ層、21は金属を含むプラズマによって処理した面、40は透明導電層である。[図4]ではシール剤との密着力向上のための処理が施された上に透明導電層を形成しているが、該処理は少なくとも、シール剤との接触部分に施されていればよいものであるので、透明導電層は未処理部分に形成しても何等問題はない。
【0013】
本発明においては、アルカリ処理におけるガスバリヤ層のひび割れや剥離を防止するために、高分子成形体とガスバリヤ層との間にニッケルを含む酸化物層を挿入してもよく、その一例を示す断面図を[図5]に示す。[図5]において、10は高分子成形体、15はニッケル酸化物層、20はガスバリヤ層、21は金属を含むプラズマによって処理した面である。
【0014】
本発明を実施するにあたってはまず基材となる高分子成形体を準備する。本発明で使用できる高分子成形体の材料を例示すれば、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルスルホン(PES)、ノロボルネン系樹脂成形体(商標名:ARTON)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン(PP)、ポリイミドなどが挙げられる。これら高分子成形体はガスバリヤ層を形成する面がある程度平滑で、可視光に対する透明性を有していればよいが、LCDの透明電極として使用するので、偏光板を通して偏光された光の偏光を維持するために複屈折率は小さいことが望まれ、その点を考慮に入れれば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ARTONが好適に使用できる。高分子成形体の厚さは特に限定されず、可とう性を有するフィルム状であっても、板状にカットされたシートでもよい。フィルムを使用すれば可とう性を有するため、屈曲可能なLCDが得られるのと、ロール・ツ・ロールでの加工が可能となる。また板状のシートを用いた場合には形状を保持するためこれも使用できる。高分子成形体の厚さを具体的に挙げれば10〜3000μm程度である。材料によって異なるが、通常250μmより薄い場合に可とう性を有するフィルム、厚い場合に形状を保持するシートと分類されるが、もちろんこの境界は厳密なものではない。高分子成形体を用いる場合、その厚さは通常10〜250μmのものが用いられる。フィルムの厚さが10μm未満では、基材としての機械的強度に不足し、250μmを超えると可撓性が不足するためフィルムをロール状に巻きとることが困難になる。一方、シート状の成形体を使用した場合には、厚さが3000μmを超えると、高分子成形体をLCDの透明電極用基材に使用することの利点である薄型化の効果が損なわれる。
【0015】
本発明に使用する高分子成形体には、ガス遮断性能をより高めるために有機ガスバリヤ層がコーティングされていてもよい。ここでいうガスとは主に大気中に存在する、酸素、窒素、水蒸気を指すが、コーティングする有機ガスバリヤ層の材料は、これらすべてを遮断するものであっても、いずれか一種類のガスを遮断するものであってもよい。ここで用いることのできる有機ガスバリヤ層の材料としては、透明で高分子成形体との密着力が得られるものであればよく、具体的にはエバールやポバールが挙げられる。該層の厚さに特に制限はないが、2μm〜40μm程度が好ましい。薄すぎるとピンホール等ができやすくガス遮断性能が得られない。逆に厚すぎると剥離が生じやすくなる。
【0016】
本発明では高分子成形体の少なくとも一方の面上に酸化珪素、または窒化珪素、またはそれらの混合物からなるガスバリヤ層を形成する。その形成方法としては物理蒸着法、湿式法、化学気相成長法等の従来公知の手法を採用することができる。
【0017】
物理蒸着法を具体的に挙げれば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等がある。抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法では、酸化珪素、または窒化珪素、またはそれらの混合物をそれぞれ抵抗加熱、電子ビーム加熱の手法で蒸発させ、対向して配置させた高分子成形体の表面上に析出させる手法である。また、珪素を酸化性ガス、あるいは窒化性ガスの雰囲気下で加熱蒸発させる反応性蒸着法や、酸化性ガスや窒化性ガスのプラズマ中で蒸着するイオンプレーティング法も使用できる。また、スパッタリング法においては、ターゲットに酸化珪素を用い、スパッタリングガスにアルゴン、ネオン等の不活性ガスを用いた高周波スパッタリング法が利用できる。あるいはターゲットに珪素を用い、スパッタガスに不活性ガスと酸化性ガスあるいは窒化性ガスを混合したガスを使用した直流スパッタリング法、又は高周波スパッタリング法も使用することができる。何れの方法によってもガス遮断性能に優れたガスバリヤ層を得ることができる。酸化性ガスを具体的に挙げれば、酸素(O2 )、オゾン(O3 )、水蒸気(H2 O)が、窒化性ガスを具体的に挙げれば、窒素(N2 )、アンモニア(NH3 )等がある。
【0018】
湿式法は、例えばゾル−ゲル法が挙げられる。また、湿式法では、ポリシラザンを溶融した溶液を塗布し、それを大気中で又は水蒸気雰囲気中で加熱して酸化珪素を形成する方法も挙げられる。ここでいうポリシラザンとは、(SiNa Hb )n (a=1〜3、b=0〜1)の構造をもつ、ペルヒドロポリシラザンであり、主鎖の(−Si−N−)に側鎖として水素のみが結合している。該ポリシラザンは、ベンセン、トルエン、キシレン、エーテル、THF、塩化メチレン、四塩化炭素等の溶媒に20重量%以上溶解することができるので、これら溶媒にポリシラザンを溶解した後にフィルム成形体に塗布し、加熱処理を施すことにより酸化珪素を得ることができる。一般に、無機物の酸化珪素を得るには450℃以上の加熱処理が必要なのであるが、アミンや遷移金属の触媒を用いることにより低温で、例えば、80℃〜150℃の加熱処理によって無機物の酸化珪素が得られる。この際の加熱処理時間は、概ね1〜3時間程度である。また、塗布に用いるポリシラザンの分子量は600〜900のものが好ましく用いられる。
【0019】
化学気相成長法は、原料に有機珪素化合物を用い、それにエネルギーを投入することによって分解し、無機物である酸化珪素を析出させる手法である。エネルギーを投入する手法は、熱、光、高周波プラズマ等があり適宜選択すればよい。化学気相成長法では、有機珪素化合物の蒸気を原料としているため、高分子成形体の表面の凹凸に関係なく酸化珪素が形成されるため、フィルム成形体の表面平滑性があまり高くない場合においても表面被覆性が高く、ガスバリヤ層の成膜手法としては好適に利用できる。なかでも減圧プラズマ化学気相成長法は、高分子成形体にダメージを与えることなくガスバリヤ性に優れた酸化珪素を成形することができる。
【0020】
減圧プラズマ化学気相蒸着法により酸化珪素、または窒化珪素を形成する場合には、少なくとも有機珪素化合物と酸化性ガスあるいは窒化性ガスを用いて作成されることが好ましい。具体的に使用される有機珪素化合物としては、アセトキシトリメチルシラン、アリルオキシトリメチルシラン、アリルトリメチルシラン、ビストリメチルシリルアジペート、ブトキシトリメチルシラン、ブチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルオキシトリメチルシラン、デカメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ジアセトキシジメチルシラン、ジアセトキシメチルビニルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、ジエトキシメチルオクタデシルシラン、ジエトキシメチルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジメチルエトキシフェニルシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルイソペンチルオキシビニルシラン、1,3−ジメチル−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、ジフェニルエトキシメチルシラン、ジフェニルシラネジオール、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラキサン、2−(3,4−エポキシシクロフェニルエチル)トリメトキシシラン、エトキシジメチルビニルシラン、エトキシトリメチルシラン、エチルトリアセトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリメチルシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキシルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メトキシトリメチルシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルイソプロペノキシシラン、メチルプロポキシシラン、オクタデシルトリエトキシエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、オクチルトリエトキシシラン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、ペンタメチルジシロキサン、1,1,3,5,5−ペンタフェニル−1,3,5−トリメチルトリシロキサン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリメチルシラン、プロポキシトリメチルシラン、プロピルトリエトキシシラン、テトラアセトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラテエトキシシラン、テトライソプラポキシシラン、テトラメトキシシラン、1,3,5,7−テトラメトキシシクロテトラシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジロキサン、テトラメチルシラン、1,3,3,5−テトラメチルー1,1,5,5−テトラフェニルトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、テトラプロポキシシラン、トリアセトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリエチルシラン、トリヘキシルシラン、トリメトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリメチルシラノール、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリビニルシクロトリシロキサン、トリメチルビニルシラン、トリフェニルシラノール、トリス(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン等を用いることができるが、これらに限定されるものではなく、アミノシラン、シラザン等も用いられる。
【0021】
これら有機化合物の上記を反応容器に導入するには、ヘリウムやアルゴン等の希ガスをキャリヤーガスとして用いることができる。また、有機珪素化合物を加熱し蒸気圧を上げて、有機珪素ガスを直接導入することもできる。ガスバリヤ層として酸化珪素を採用し、導入する酸化性ガスに酸素を用いる場合においては、有機珪素ガスと酸素ガスの流量の比は有機珪素化合物の種類にもよるが、酸素ガス/有機珪素ガス=0.2〜1.2の流量比の範囲が好ましい。ヘリウム等の希ガスをキャリヤーガスとして用いるときには、ヘリウム中の有機ガスの流量と酸素ガスの流量の範囲が上記0.2〜1.2の範囲が好ましい。酸素流量が少なすぎると、生成される膜の光線透過率ならびにガスバリヤ性が低下し、酸素流量が多いときには膜の密着性ならびにガスバリヤー性が低下する。また、反応中の圧力はプラズマ放電が起こる範囲であればよく、通常の平行平板型高周波プラズマ装置で成膜を行う場合には、0.05〜2.5Torrが好ましく、より好ましくは、0.1〜1.5Torrである。圧力が低すぎるとプラズマ放電の維持が困難になり、圧力が高すぎると膜の密着性が低下する傾向にある。しかしながら、より低圧で放電させることが可能な電子サイクロトロン共鳴放電やヘリコン波放電、マグネトロン放電を用いる場合においては圧力範囲は上記の範囲に限定されるものではない。流量の計測と制御は、マスフローコントローラー、浮き子式フローメター、バブルメーター等を使用することができる。圧力の測定には、ピラニ真空計、隔膜真空計、スピニングローター真空計、熱伝導真空計、電離真空計等が使用し得るが、隔膜真空計が好ましく用いられる。
【0022】
ガスバリヤ層の厚みについては特に限定するものではないが、透明性を損ねない範囲で、かつガスバリヤー性を保ち、高分子成形体との密着性を確保できる厚さであれば良い。具体的には、5nm〜500nmがよく、さらには5nm〜100nmがより好ましい。酸化珪素薄膜の厚さが薄すぎると均一で連続した膜を形成することができず十分なガスバリヤ性能が得られず、逆に厚すぎると高分子成形体との密着力が低下したり、ガスバリヤ層にひび割れが生じ易くなる。
【0023】
膜厚の測定には、触針粗さ計、繰り返し反射干渉計、マイクロバランス、水晶振動子法等があるが、水晶振動子法では成膜中の膜厚測定が可能なので、膜厚をリアルタイムでモニターしながら、所望の膜厚を得るのに適している。また、前もって成膜の条件を定めておき、試験基材上に成膜を行い、成膜時間と膜厚の関係を調べた上で、成膜時間により膜厚を制御する方法も採用できる。
【0024】
また、上記ガスバリヤ層には、鉄、ニッケル、クロム、チタン、マグネシウム、アルミニウム、インジュウム、亜鉛、錫、アンチモン、タングステン、モリブデン、銅等が微量含まれても良い。また、膜の可撓性を改善する目的で、炭素や弗素を適宜含有させても良い。
【0025】
酸化珪素、または酸化珪素、またはそれらの混合物からなるガスバリヤ層の組成は、ガス遮断性能が得られ、透明性が保たれる範囲内であれば特に制限されない。酸化珪素は一般的にSiOx と記述できるが、xの範囲は通常1.0〜2.5程度である。また窒化珪素は一般的にSiNx と記述できるが、xの範囲は通常0.8〜2.0程度である。またこれらの混合物でもよく、この場合はSiOx Ny と記述される。xの範囲は通常0.1〜2.5程度、yの範囲は通常0.1〜2.0程度である。
【0026】
本発明においては、ガスバリヤ層の表面に金属を含むプラズマによって表面処理を行う。ここでいう「金属を含む表面処理」は、金属を含むプラズマに、ガスバリヤ層を曝露させることにより達成される。金属を含むプラズマは、例えば、真空装置内に放電ガスを導入し、DCグロー放電またはRFグロー放電によりプラズマを生成したとことに、電子ビーム、抵抗加熱、誘導加熱等により蒸発させた金属の蒸発粒子を導入することで得られる。また、グロー放電によるプラズマ中で金属のハロゲン化物、水素化物等を分解反応させることによっても金属を含むプラズマを生成することができる。また、所望の金属を陰極にしたDCグロー放電またはRFグロー放電によりプラズマを発生させることにより、金属を含むプラズマを得ることもできる。簡便な手法としては、所望金属を陰極とするスパッタ法によって得ることができる他に、上記以外の既存の蒸着法(アーク蒸着法、レーザー蒸着法、クラスタービーム蒸着法等)とRF及びDCグロー放電によるプラズマを組み合わせることによっても金属を含むプラズマを得ることができる。
【0027】
金属を含むプラズマによる表面処理の処理量は、ガスバリヤ層の処理面に付着した金属原子量を用いて表すことができる。付着金属の量は、膜厚モニター等で測定できるが、一般的には連続膜として考えられる100nm程度の膜を形成する際に要する時間を参考に表面処理時間から計算で求めることができる。具体的には、t(秒)間、ある特定の条件において表面処理を行った際に付着した金属の膜厚がD(nm)であったとすると、該金属の密度ρ(g/cm3 )、原子量Mから、付着した金属の量Nは、N=D×ρ×6.02×1016/Mなる式で求めることができる。実際の計算例を示すと、ガスバリヤ層表面にチタンを含むプラズマ処理を施し、連続膜であると考えられる厚みの100nmの膜が形成されるほどチタン原子を付着させるのに1000秒要した。付着したチタン量は上記式により、約6×1017原子/cm2 である。従って、例えば該チタンを含むプラズマ処理によって3×1015原子/cm2 のチタン原子を付着させるためには、1000秒×(3×1015原子/cm2 )/(6×1017原子/cm2 )=5秒より、5秒間プラズマに曝露させればよいことになる。
【0028】
金属を含むプラズマによる表面処理を実施することによって、ガスバリヤ層の表面が改質され、シール剤との密着力を強くすることができる。この処理は、シール剤との密着力向上のための処理であるので、少なくともシール剤と接触することになる部分にさえ処理がなされればよい。すなわちシール剤が接触する部分のみが開口しているマスクを装着させて、プラズマ中に曝露させればよいのである。
【0029】
マスクを装着させるためには、そのためのマスクを製造しなければならないことと、ガスバリヤ層を形成した後にマスクを装着する工程が加わることになる。しかしながら、表示体となる部分の透明性がプラズマ処理によって損なわれなければ、金属を含むプラズマによる表面処理は全面にわたって実施しても問題ない。
【0030】
金属を含むプラズマによる処理を施した後においても透明性を維持するためには、金属を含むプラズマによる表面処理によって、処理表面に付着する金属の量は4×1014〜2×1016原子/cm2 の範囲が好ましく、より好ましくは1×1015〜8×1015原子/cm2 である。表面処理面に付着する金属の量があまり少なすぎると、本発明の目的とするシール剤の密着力向上の効果が得られず、逆に多すぎると透明性が損なわれるため好ましくない。
【0031】
また、LCDの表示部分となる箇所には形成されないこと、液晶を駆動させるための電極を外部へ取り出す際に不都合が生じないこと、の条件二点が満たされれば、シール材と接触する部分金属薄膜層を形成しても、金属を含むプラズマによる処理を施したのと同様の効果が得られることも見いだした。但し金属薄膜層を形成した部分の透明性は損なわれる。表示部分となる箇所に金属薄膜層を形成させないためには、その箇所を覆い隠すマスクを使用するか、全面に金属薄膜層を形成した後にエッチング処理等でその箇所の金属薄膜を除去してもよい。
【0032】
金属薄膜層の厚さは、5nm〜200nmの範囲が好ましい。薄すぎると、局部的にしか金属が付着しないため薄膜を構成しない。逆に厚すぎると金属薄膜層とガスバリヤ層との密着力が低下するのに加え、この範囲の厚さで十分な効果が得られるのでいたずらに時間をかけて厚い薄膜層を形成するのは好ましくない。
【0033】
金属薄膜層の形成方法としては物理蒸着法、湿式法、化学気相成長法等の従来公知の手法を採用することができるが、中でも物理蒸着法はガスバリヤ層に変質をきたす恐れが少ないので好適に用いられる。
【0034】
物理蒸着法を具体的に挙げれば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等がある。抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法では、所望の金属を抵抗加熱、電子ビーム加熱の手法で蒸発させ、対向して配置させた基体の表面上に析出させる手法である。また、スパッタリング法においては、ターゲットに所望の金属を用い、スパッタリングガスにアルゴン、ネオン等の不活性ガスを用いた直流、あるいは高周波スパッタリング法が利用できる。
【0035】
プラズマ処理に用いる金属の材料、または金属薄膜層の金属材料は、少なくともチタン、アルミニウム、ニッケル、クロム、鉄、銅、亜鉛、タングステン、及びバナジウムから選択された一種からなる金属、またはそれら二種以上の金属からなる合金を用いた場合にシール剤との密着力向上の効果が顕著に得られるため好ましく使用できる。なお、金属材料としては、これらの金属以外にさらに別の金属を含んでいてもよい。
【0036】
ガスバリヤ層の組成、表面処理によって付着した金属、あるいは金属薄膜層の原子あるいは組成は、X線光電子分光法やX線マイクロ分析法、オージェ電子分光法、ラザフォード後方散乱法等を用いて分析することができる。例えば、ラザフォード後方散乱法を用いる場合には、供試体フィルムを真空容器内に設置、供試体表面から、1〜4MeVに加速したα粒子を照射し、後方散乱されてくるイオンのエネルギーを分析することにより膜の深さ方向の組成やその組成の均一性を調査することができる。表面層の帯電を防ぐために適宜表面に金等を蒸着しても良い。また、オージェ電子分光法で分析を行う場合には超高真空の容器の中に供試体を設置し、供試体表面に1〜10keVに加速した電子線を照射し、その時に放出されるオージェ電子を検出することにより組成を調べることができる。この場合、供試体の電気抵抗が高い場合があるので帯電の影響が出ないように、1次電子線の電流を10pA以下に抑え更にエネルギーも2keV以下にすることが好ましい。電子線の代わりにX線を用いた光電子分光法は、オージェ電子分光よりも帯電の影響が出にくい点が有利である。
【0037】
LCDの透明電極とするためにはガスバリヤ層の上に、さらに透明導電層を形成する。該透明導電層はLCDの表示部分に必要な層であり、該層が形成されるのは、ガスバリヤ層の上の金属を含むプラズマ処理が施された部分表面上でも、なされていない部分表面上でも、いずれでもかまわない。ただし、ガスバリヤ層の形成、プラズマ処理、透明導電膜の形成まで一貫して行えば、効率的に積層体が得られるため、プラズマ処理をガスバリヤ層の全面に行い、その表面上に形成するのが好ましい。透明導電膜は酸によって溶解するので、湿式エッチング法によって所望の配線パターンに加工することは容易に実施できる。
【0038】
透明導電層の材料としては、インジウムとスズとの酸化物が、透明性及び導電性が高いこと、湿式エッチングが容易であることから好ましい。インジウムとスズとの酸化物の組成は、一般的インジウムに対するスズの組成が3重量%〜20重量%程度のものが導電性が高くなるため好ましく使用できる。該層の厚さは所望される抵抗値により異なるが、15nm〜400nm程度が好ましい。薄すぎると所望される抵抗値が得られず、厚すぎると透明性が損なわれる。
【0039】
透明導電層の形成方法としては物理蒸着法、湿式法、化学気相成長法等の従来公知の手法を採用することができるが、中でも物理蒸着法は導電性の高い透明導電層が得られるため好適に用いられる。
【0040】
物理蒸着法を具体的に挙げれば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等がある。抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法では、所望の酸化物を抵抗加熱、電子ビーム加熱の手法で蒸発させ、対向して配置させた基体の表面上に析出させる手法である。また、導電性及び可視光透過性向上させるために、酸素プラズマ中で蒸着を行うイオンプレーティング法も好適に使用できる。スパッタリング法においては、ターゲットに所望の酸化物を用い、スパッタリングガスにアルゴン、ネオン等の不活性ガスを用いた直流、あるいは高周波スパッタリング法が利用できる。導電性及び透明性を向上させる目的でスパッタリングガス中に酸素、水蒸気等の酸化性ガスを導入してもよい。また、ターゲットにインジウム・スズ合金を使用し、スパッタリングガスにアルゴン、ネオン等の不活性ガスと、酸素、水蒸気等の酸化性ガスを混合したガスを用いた、反応性スパッタリング法も好適に利用できる。
【0041】
LCDの場合、透明導電層は所望の画像パターンに適合するようにエッチングしてパターンを形成する。その加工工程は、(1)レジスト塗布、(2)レジストの乾燥、(3)露光、(4)、透明導電層のエッチング、(5)洗浄、(6)レジスト除去、(7)洗浄、であるが(4)の透明導電層のエッチングには塩酸等の酸溶液が、(6)のレジスト除去には水酸化カリウム等のアルカリ溶液が用いられる場合が多い。高分子成形体に酸化珪素、または窒化珪素からなるガスバリヤ層を形成した積層体をアルカリ溶液に浸漬すると、ガスバリヤ層が剥離したり、ひび割れが生じたりすることが多い。ガスバリヤ層の変質は、ガス遮断性能の低下につながりLCDの地名的な欠陥である気泡が液晶中に発生してしまう。
【0042】
アルカリ浸漬によるガスバリヤ層の剥離やひび割れを防止する目的で、高分子成形体とガスバリヤ層との間に、少なくともニッケルを含む酸化物を中間層として設けることができる。アルカリ浸漬工程がない場合には、該中間層は特に必要ない。ニッケルを含む酸化物層は、ニッケルを主体とする合金をスパッタ法等真空成膜法を用いて成膜したものであることが好ましい。ニッケルを主体とする合金とは、ニッケル含有量が構成元素中最も多い合金を意味する。ターゲットに用いる材料としては、純ニッケルの他に、Nickel200、Nickel201、Nickel210、Duranickel301(”Z”Nickel合金)、モネル・メタル、Monel1400(モネル)、Rモネル、Kモネル(Monel K−500)、Monel411、Hモネル、Sモネル(Monel505)、ニッケル系合金であるニクロムV(クロメルA)、ニクロム(クロメルC)、クロメルP、アルメル、ニッケル−クロム−鉄合金であるインコネル、Inconel610、625、705、等が挙げられる。
【0043】
形成したニッケルを主体とする合金層は、酸素雰囲気下で主としてニッケルの酸化物からなる層に転化されるが、転化の方法としては、酸素プラズマ処理が有効である。すなわち、真空容器内に酸素ガスを導入し、高周波電極から高周波電力を導入することで生成したプラズマに曝すことにより合金層を酸化物からなる層に転化させ、透明性を向上させることができる。その他の転化方法を例示するならば、オゾン処理、イオンビーム処理、熱酸化処理等が適用できる。
【0044】
ニッケルを主体とする合金層は、主としてニッケルの酸化物からなる層に転化することで可視光に対する透明性が向上するが、形成した中間層が厚いと透明性が低下する。このような光学的判断の他に、酸化物層に転化したことは、X線光電子スペクトロメトリー(XPS)、オージェ電子分光法(AES)等の分析手段で確かめられる。また、薄いと、透明性は十分ではあるが耐アルカリ性向上の効果が得られなくなる。このため、形成する中間層の厚さは0.2〜3nmが好ましく、より好ましくは1.0〜2.5nmである。このように、中間層は薄膜であるためため、バルクの金属と同じ性質をもつと考えることはできない。さらに、大気中では完全な金属状態ではなく酸化状態である部分も存在する。また、合金ターゲットを使用した場合には、一般的にできた薄膜の組成は異なったものになっている。
【0045】
本発明において酸素プラズマ中処理によって中間層を酸化物に転化せしめるためには、中間層の厚さ、材料にもよるが基材がプラズマや熱で変質しない程度の高周波電力を導入することが必要である。通常、電力は20〜400W、処理時間は10〜1200秒程度が適している。より簡便な酸化方法は、単に大気中に放置することであり、時間は20〜80時間程度要するが特別な処理装置が必要とされないため好適に使用できる処理方法である。
【0046】
【実施例】
つぎに、本発明を実施例により具体的に説明する。
[実施例1]
ポリカーボネートフィルム(厚さ・100μm)の一方の面に、二酸化珪素(化学式:SiO2 )を原料とした電子ビーム加熱による真空蒸着法により厚さ15nmの酸化珪素薄膜を形成した。引き続き酸化珪素薄膜の表面を、放電ガスとして純度99.9%のアルゴンを2×10-3Torr導入し、陰極にチタンを用いてDCグロー放電によりプラズマを生成して作りだしたチタンを含むプラズマ中に曝露し、チタン付着量が5×1014原子/cm2 となるようにプラズマ処理を行い、積層体を得た。
【0047】
[実施例2]〜[実施例9]
プラズマ処理に用いる金属を、アルミニウム(実施例2)、ニッケル(実施例3)、クロム(実施例4)、銅(実施例5)、亜鉛(実施例6)、タングステン(実施例7)、バナジウム(実施例8)、ニッケル・クロム合金(実施例9)とした以外は実施例1と同じ手法により積層体を得た。
【0048】
[実施例10]〜[実施例11]
チタン付着量を5×1015原子/cm2 (実施例10)、1×1016原子/cm2 となるようにプラズマ処理時間を調整した以外は実施例1と同じ手法により積層体を得た。
【0049】
[実施例12]
ポリカーボネートフィルム(厚さ・100μm)の一方の面に、二酸化珪素(化学式:SiO2 )を原料とした電子ビーム加熱による真空蒸着法により厚さ15nmの酸化珪素薄膜を形成した。酸化珪素薄膜のLCDの表示部分となる箇所をマスクで覆い、ターゲットにチタン、スパッタリングガスにアルゴンを用い、圧力2×10-3TorrのもとでDCスパッタリング法により厚さ100nmのチタン薄膜を形成し、積層体を得た。
【0050】
[実施例13]
酸化珪素薄膜の代わりに、シリコンをターゲットに、アルゴンをスパッタリングガスに、反応性ガスに窒素(導入量比、Ar:N2 =1:1)用い、圧力2mTorrのもとでDCスパッタリング法により、厚さ15nmの窒化珪素薄膜を形成した以外は、実施例1と同じ手法で積層体を得た。
【0051】
[実施例14]
ポリカーボネートフィルム(厚さ・100μm)の両方の面にエバールを厚さ10μmコーティングしたものを基材として使用した以外は、実施例1と同じ手法により積層体を得た。
【0052】
[実施例15]〜[実施例28]
酸化珪素薄膜を形成する前に、ニッケル・クロム合金をターゲットに、アルゴンをスパッタリングガスに用い、圧力2mTorrのもとでDCスパッタリング法により厚さ1nmのニッケルを含む中間層を形成した以外は実施例1〜実施例14と同じ手法により積層体を得た。
【0053】
実施例1〜実施例28により得た積層体のプラズマ処理面あるいはガスバリヤ層の上に、ターゲットに酸化インジウム・酸化スズ(組成比(重量比)、In2 O3 :SnO2 =95:5)を、スパッタリングガスにアルゴン・酸素(流量比、Ar:O2 =50:1)を用い、圧力2mTorrのもとでのDCスパッタリング法により厚さ100nmの透明導電層を形成したところ、シート抵抗が60Ω/□、可視光透過率は75%以上の積層体が得られた。
【0054】
[比較例1]
プラズマ処理を行わなかったこと以外は実施例1と同じ手法で積層体を作製した。
[比較例2]〜[比較例3]
チタン付着量を2×1014原子/cm2 (比較例2)、4×1016原子/cm2 となるようにプラズマ処理時間を調整した以外は実施例1と同じ手法により積層体を得た。
[比較例4]
比較としてポリカボネートフィルム(厚さ:100μm)を、ガスバリヤ層を形成することなく評価した。
【0055】
上記の如く作製した積層体の波長550nmにおける可視光の透過率を日立製作所(株)製分光光度計U−3400により測定した。また、ガス透過率の測定は、酸素と水蒸気に対して23℃の温度でASTM1434−75に準拠して行った。
シール剤との密着力を評価するために、得られた積層体の上に一液性特殊変性熱効果型エポキシ樹脂シール剤(三井東圧化学株式会社製、商品名:ストラクトボンド、型番:XN−21−S)を厚さ10μm塗布し、100℃で90分の熱処理で硬化させた。さらにシール剤塗布層に1mm間隔の碁盤目を入れ、それをテープで引き剥すテープ剥離試験により密着力を評価した。
また積層体のアルカリ溶剤に対する耐久性を評価するために、水酸化カリウム(5重量%)水溶液に30分間、及び60分間浸漬しガスバリヤ層の剥離、変質の有無を光学顕微鏡により観察した。
[表1]〜[表5]にその測定結果を示す。
【0056】
【表1】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】
【表5】
【0061】
以上の結果から本発明品は、高いガス遮断性能を有し、さらにシール剤との密着性にも優れたものであることが分かる。また、アルカリに対する耐久性を得る必要のある場合には、中間層を挿入することで極めてアルカリに強い積層体が得られることが分かる。
【0062】
【発明の効果】
本発明においては、高分子成形体にガスバリヤ層を形成し、さらに金属を含むプラズマで表面を処理することによりシール剤との密着力を向上した、LCDの基体として好適に使用できる積層体が得られる。またさらに、高分子成形体とガスバリヤ層との間に中間層を設けることで体アルカリ性をも向上させることができ、透明導電層をパターニングするのにも適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 LCDの基本構造の断面図
【図2】本発明の積層体の一例を示す構造断面図
【図3】本発明の積層体の一例を示す構造断面図
【図4】本発明の積層体の一例を示す構造断面図
【図5】本発明の積層体の一例を示す構造断面図
【符号の説明】
01 基材
02 透明電極
03 液晶
04 シール剤
05 配向膜
06 偏光板
10 高分子成形体
15 中間層
20 ガスバリヤ層
21 金属を含むプラズマによって処理した面
30 金属薄膜層
40 透明導電層[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a laminate, and more specifically, has a function of blocking oxygen gas and water vapor gas, and is characterized in that a strong adhesion can be obtained between the liquid crystal sealant and the liquid crystal display. It can be suitably used as a substrate.
[0002]
[Prior art]
A liquid crystal display (LCD) is widely used as a flat display device. The flat shape is a shape that cannot be realized with a cathode ray tube, which is a typical display body, and is particularly used for applications that require space saving, such as laptop computers, watches, automobile display devices, car navigation, wall-mounted TVs, etc. It is used as a body.
[0003]
The LCD basically has a structure in which liquid crystal that has been subjected to alignment treatment is injected between two transparent electrodes and the four sides are sealed with a sealing agent, and the liquid crystal is aligned by an electric field applied between the transparent electrodes. It is a display body that changes and controls transmission of light polarized by a polarizing plate or a polarizing film.
[0004]
The material of the transparent electrode used in the basic structure of the LCD is high in transparency and conductivity, and the patterning wiring can be easily etched by acid, so an oxide of indium and tin (ITO: Indium) Tin Oxide) is used. As a substrate for forming the ITO film, a glass plate is generally used, and a polymer molded body is partially used. Compared to using a glass plate, the use of a polymer molded body as a base material has features such as being light, thin, unbreakable, and bendable, and is suitable for use as a display body for portable information devices. ing. The basic structure of the LCD is shown in [FIG. 1]. In the figure, 01 represents a substrate, 02 represents a transparent electrode, 03 represents a liquid crystal, 04 represents a sealing agent, 05 represents an alignment film, and 06 represents a polarizing plate.
[0005]
As described above, LCD is sealed by injecting liquid crystal between two transparent electrodes, but oxygen gas and water vapor gas in the air must not enter the liquid crystal through the base material that forms the transparent electrode. I must. This is because when gas enters the liquid crystal, it becomes bubbles and deteriorates the quality of the display. In the case of using a glass plate as the base material, since the glass plate itself has a property of blocking gas, bubbles were not generated in the liquid crystal due to gas intrusion.
[0006]
On the other hand, when a polymer molded body is used as a base material, it does not have a gas barrier property like a glass plate, and therefore a treatment for imparting some gas barrier property is necessary. Among them, methods are known in which a thin glassy (silicon oxide) layer is formed on the surface of a polymer molded body or an organic substance having gas barrier properties is applied.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
Gas barrier properties can be obtained by forming a silicon oxide layer or silicon nitride layer on the surface of the polymer molded body so that the polymer molded body can be used as a substrate for transparent electrodes of LCDs, and organic substances can be used as a gas barrier layer. Rather than this, it can be used as a substrate for transparent electrodes of LCDs in order to maintain the gas barrier performance under humid conditions, but it has been found that there are the following problems.
(1) Adhesion with the sealing agent is poor.
(2) In the alkali treatment at the time of etching the ITO film, the gas barrier layer is cracked or peeled off, and the gas barrier performance is remarkably deteriorated.
[0008]
In view of the above circumstances, the present invention provides a substrate for a transparent electrode of an LCD having a polymer molded body as a base material and silicon oxide, silicon nitride, or a mixture thereof as a gas barrier layer. It aims to improve sex. Furthermore, it aims at obtaining the base material for transparent electrodes which does not produce the deterioration of gas interruption | blocking performance in alkali treatment.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive research to solve the above problems, the present inventors have attached metal to the surface of the gas barrier layer made of silicon oxide, silicon nitride, or a mixture thereof that will come into contact with the sealing agent. It was discovered that the adhesiveness with the sealing agent can be strengthened by making it to reach the present invention. That is, the present invention relates to (1) a laminate in which at least a polymer molded body (A), a gas barrier layer (B) made of silicon oxide, silicon nitride, or a mixture of silicon oxide and silicon nitride is formed in the order of AB. Then, the surface of the gas barrier layer (B) is subjected to surface treatment with plasma containing metal.The metal atoms adhering to the surface treatment surface of the gas barrier layer (B) by the surface treatment are 4 × 10 14 Atom / cm 2 ~ 2x10 16 Atom / cm 2 And the metal is at least one metal selected from titanium, aluminum, nickel, chromium, iron, copper, zinc, tungsten, and vanadium, or an alloy that includes two or more of these metals.A laminate characterized by the above, (2)The laminated body according to (1), wherein a transparent conductive layer (D) is further laminated on the gas barrier layer (B),(3)The transparent conductive layer (D) is made of an oxide of indium and tin, the laminate according to (2),(4)The laminate according to any one of (1) to (3), wherein an oxide containing at least nickel is formed as an intermediate layer between the polymer molded body (A) and the gas barrier layer (B). ,(5)The laminate according to (4), wherein the oxide layer containing at least nickel is a layer converted into an oxide under an oxygen atmosphere after forming a metal layer containing at least nickel,(6)The laminated body according to any one of (1) to (5), wherein the polymer molded body (A) is a kind selected from a transparent polycarbonate film, a polyethersulfone film, and a polyarylate film,(7)The laminated body according to any one of (1) to (6), wherein the polymer molded body (A) is a coated film coated with an organic gas barrier layerIt is about.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention is described in detail below.
First, the present invention will be described with reference to the accompanying drawings. FIG. 2 is a structural cross-sectional view showing an example of a laminate of the present invention. In the figure, 10 is a polymer molded body (A), 20 is a gas barrier layer (B), and 21 is a surface treated with plasma containing metal. The treatment with the plasma containing the metal is a treatment carried out in order to increase the adhesion with the sealing agent when the LCD is manufactured. Therefore, it is sufficient that the treatment is applied to at least a portion in contact with the sealing agent. It is not always necessary to apply the entire surface. [FIG. 2] shows the case where the entire surface is treated.
[0011]
In the present invention, a metal thin film layer may be formed on the gas barrier layer, and FIG. 3 is a structural sectional view showing an example thereof. In the figure, 10 is a polymer molded body (A), 20 is a gas barrier layer (B), and 30 is a metal thin film layer (C). Since this is also a layer formed in order to strengthen the adhesive force with the sealant, it may be formed only at the contact portion with the sealant. In this case, if the metal thin film layer is formed on the entire surface, the transparency of the display portion is impaired, so it is desirable to form it only on the necessary portion.
[0012]
In the present invention, a transparent conductive layer may be formed on the gas barrier layer, and a laminate having transparent conductivity can be formed by forming the layer. FIG. 4 is a cross-sectional view showing an example thereof. In the figure, 10 is a polymer molded body, 20 is a gas barrier layer, 21 is a surface treated with a plasma containing metal, and 40 is a transparent conductive layer. In FIG. 4, the transparent conductive layer is formed after the treatment for improving the adhesion with the sealing agent is performed, but it is sufficient that the treatment is applied at least to the contact portion with the sealing agent. Therefore, there is no problem even if the transparent conductive layer is formed on the untreated portion.
[0013]
In the present invention, in order to prevent cracking and peeling of the gas barrier layer in the alkali treatment, an oxide layer containing nickel may be inserted between the polymer molded body and the gas barrier layer. Is shown in FIG. In FIG. 5, 10 is a polymer molded body, 15 is a nickel oxide layer, 20 is a gas barrier layer, and 21 is a surface treated with plasma containing metal.
[0014]
In carrying out the present invention, first, a polymer molded body to be a base material is prepared. Examples of materials of the polymer molded body that can be used in the present invention include polycarbonate (PC), polyarylate (PAR), polyethersulfone (PES), norobornene resin molded body (trade name: ARTON), polyethylene terephthalate (PET). ), Polyether ether ketone (PEEK), polypropylene (PP), polyimide and the like. These polymer molded bodies need only have a smooth surface to form a gas barrier layer and have transparency to visible light. However, since they are used as transparent electrodes for LCDs, these polymer molded bodies can be used for polarizing light polarized through a polarizing plate. In order to maintain it, it is desired that the birefringence is small, and taking that point into consideration, polycarbonate, polyarylate, polyethersulfone, and ARTON can be suitably used. The thickness of the polymer molded body is not particularly limited, and may be a film having flexibility or a sheet cut into a plate. If a film is used, it has flexibility, so that a bendable LCD can be obtained and processing with a roll-to-roll process is possible. Further, when a plate-like sheet is used, it can be used to maintain the shape. Specifically, the thickness of the polymer molded body is about 10 to 3000 μm. Although it differs depending on the material, it is usually classified as a flexible film when it is thinner than 250 μm, and a sheet that retains its shape when it is thick, but of course this boundary is not strict. When a polymer molded body is used, a thickness of 10 to 250 μm is usually used. If the thickness of the film is less than 10 μm, the mechanical strength as a base material is insufficient, and if it exceeds 250 μm, the flexibility is insufficient and it is difficult to wind the film in a roll shape. On the other hand, when a sheet-like molded body is used, if the thickness exceeds 3000 μm, the effect of thinning, which is an advantage of using the polymer molded body as a substrate for transparent electrodes of LCD, is impaired.
[0015]
The polymer molded body used in the present invention may be coated with an organic gas barrier layer in order to further improve the gas barrier performance. The gas here refers to oxygen, nitrogen, and water vapor mainly present in the atmosphere, but the material of the organic gas barrier layer to be coated is any one kind of gas, even if all of these are blocked. It may be a blocker. The organic gas barrier layer material that can be used here may be any material that is transparent and can be adhered to the polymer molded body, and specifically includes eval and poval. Although there is no restriction | limiting in particular in the thickness of this layer, 2 micrometers-about 40 micrometers are preferable. If it is too thin, pinholes and the like are easily formed, and the gas barrier performance cannot be obtained. Conversely, if it is too thick, peeling tends to occur.
[0016]
In the present invention, a gas barrier layer made of silicon oxide, silicon nitride, or a mixture thereof is formed on at least one surface of the polymer molded body. As the formation method, a conventionally known method such as a physical vapor deposition method, a wet method, or a chemical vapor deposition method can be employed.
[0017]
Specific examples of physical vapor deposition include resistance heating vapor deposition, electron beam vapor deposition, ion plating, and sputtering. In the resistance heating vapor deposition method and the electron beam vapor deposition method, silicon oxide, silicon nitride, or a mixture thereof is evaporated by a resistance heating method and an electron beam heating method, respectively, on the surface of the polymer molded body disposed opposite to each other. This is a technique for precipitation. Further, a reactive vapor deposition method in which silicon is heated and evaporated in an atmosphere of an oxidizing gas or a nitriding gas, or an ion plating method in which vapor deposition is performed in plasma of an oxidizing gas or a nitriding gas can be used. In the sputtering method, a high-frequency sputtering method using silicon oxide as a target and an inert gas such as argon or neon as a sputtering gas can be used. Alternatively, a direct current sputtering method or a high frequency sputtering method using silicon as a target and using a gas obtained by mixing an inert gas and an oxidizing gas or a nitriding gas as a sputtering gas can be used. Any method can provide a gas barrier layer having excellent gas barrier performance. Specific examples of oxidizing gas include oxygen (O2), Ozone (OThree), Water vapor (H2If O) specifically mentions a nitriding gas, nitrogen (N2), Ammonia (NHThree) Etc.
[0018]
Examples of the wet method include a sol-gel method. In addition, the wet method includes a method in which a solution in which polysilazane is melted is applied and heated in the air or in a water vapor atmosphere to form silicon oxide. Polysilazane here means (SiNaHb)nIt is a perhydropolysilazane having a structure of (a = 1 to 3, b = 0 to 1), and only hydrogen is bonded as a side chain to (—Si—N—) of the main chain. Since the polysilazane can be dissolved in a solvent such as benzene, toluene, xylene, ether, THF, methylene chloride, carbon tetrachloride and the like by 20% by weight or more, the polysilazane is dissolved in these solvents and then applied to the film molded body, Silicon oxide can be obtained by heat treatment. Generally, in order to obtain inorganic silicon oxide, heat treatment at 450 ° C. or higher is necessary, but by using an amine or a transition metal catalyst at a low temperature, for example, heat treatment at 80 ° C. to 150 ° C., inorganic silicon oxide Is obtained. The heat treatment time at this time is about 1 to 3 hours. The molecular weight of polysilazane used for coating is preferably 600 to 900.
[0019]
The chemical vapor deposition method is a method in which an organic silicon compound is used as a raw material and decomposed by inputting energy into the raw material to deposit inorganic silicon oxide. The method of inputting energy includes heat, light, high-frequency plasma, etc., and may be selected as appropriate. In the chemical vapor deposition method, since vapor of an organosilicon compound is used as a raw material, silicon oxide is formed regardless of the unevenness of the surface of the polymer molded body. Therefore, when the surface smoothness of the film molded body is not so high Furthermore, it has a high surface coverage and can be suitably used as a film forming method for the gas barrier layer. Among these, the low pressure plasma chemical vapor deposition method can form silicon oxide having excellent gas barrier properties without damaging the polymer molded body.
[0020]
When silicon oxide or silicon nitride is formed by a low pressure plasma chemical vapor deposition method, it is preferably formed using at least an organosilicon compound and an oxidizing gas or a nitriding gas. Specific examples of organosilicon compounds used include acetoxytrimethylsilane, allyloxytrimethylsilane, allyltrimethylsilane, bistrimethylsilyladipate, butoxytrimethylsilane, butyltrimethoxysilane, cyclohexyloxytrimethylsilane, decamethylcyclopentasiloxane, Methyltetrasiloxane, diacetoxydimethylsilane, diacetoxymethylvinylsilane, diethoxydimethylsilane, diethoxydiphenylsilane, diethoxy-3-glycidoxypropylmethylsilane, diethoxymethyloctadecylsilane, diethoxymethylsilane, diethoxymethylphenyl Silane, diethoxymethylvinylsilane, dimethoxydimethylsilane, dimethoxydiphenylsilane, dimethoxymethylsilane Nylsilane, dimethylethoxyphenylsilane, dimethylethoxysilane, dimethylisopentyloxyvinylsilane, 1,3-dimethyl-1,1,3,3-tetraphenyldisiloxane, diphenylethoxymethylsilane, diphenylsilanediol, 1,3-divinyl -1,1,3,3-tetramethyldisilazane, 2- (3,4-epoxycyclophenylethyl) trimethoxysilane, ethoxydimethylvinylsilane, ethoxytrimethylsilane, ethyltriacetoxysilane, ethyltriethoxysilane, ethyl Trimethoxysilane, ethyltrimethylsilane, 3-glycidoxypropyltrimethoxysilane, 1,1,1,3,5,5,5-heptamethyltrisiloxane, hexamethylcyclotrisiloxane, hexamethyldisilo Sun, hexyltrimethoxysilane, 3-mercaptopropyltrimethoxysilane, 3-methacryloxypropyltrimethoxysilane, methoxytrimethylsilane, methyltriacetoxysilane, methyltriethoxysilane, methyltrimethoxysilane, methylisopropenoxysilane, methyl Propoxysilane, octadecyltriethoxyethoxysilane, octamethylcyclotetrasiloxane, 1,1,1,3,5,7,7,7-octamethyltetrasiloxane, octamethyltrisiloxane, octyltriethoxysilane, 1,3 5,7,9-pentamethylcyclopentasiloxane, pentamethyldisiloxane, 1,1,3,5,5-pentaphenyl-1,3,5-trimethyltrisiloxane, phenyltriethoxysilane, phenyl Rutrimethoxysilane, phenyltrimethylsilane, propoxytrimethylsilane, propyltriethoxysilane, tetraacetoxysilane, tetrabutoxysilane, tetrateethoxysilane, tetraisopropoxysilane, tetramethoxysilane, 1,3,5,7-tetramethoxy Cyclotetrasiloxane, 1,1,3,3-tetramethyldioxane, tetramethylsilane, 1,3,3,5-tetramethyl-1,1,5,5-tetraphenyltrisiloxane, 1,3,5,7 -Tetramethyl-1,3,5,7-tetravinylcyclotetrasiloxane, tetrapropoxysilane, triacetoxyvinylsilane, triethoxyvinylsilane, triethylsilane, trihexylsilane, trimethoxysilane, trimethoxyvinylsilane, trimethyl Silanol, 1,3,5-trimethyl-1,3,5-trivinylcyclotrisiloxane, trimethylvinylsilane, triphenylsilanol, tris (2-methoxyethoxy) vinylsilane and the like can be used, but are not limited thereto. Aminosilane, silazane and the like are also used.
[0021]
In order to introduce the above organic compounds into the reaction vessel, a rare gas such as helium or argon can be used as a carrier gas. It is also possible to directly introduce the organosilicon gas by heating the organosilicon compound to increase the vapor pressure. When silicon oxide is used as the gas barrier layer and oxygen is used as the oxidizing gas to be introduced, the ratio of the flow rate of the organic silicon gas to the oxygen gas depends on the type of the organic silicon compound, but oxygen gas / organic silicon gas = A range of flow ratios of 0.2 to 1.2 is preferred. When a rare gas such as helium is used as the carrier gas, the range of the flow rate of organic gas and oxygen gas in helium is preferably in the range of 0.2 to 1.2. If the oxygen flow rate is too small, the light transmittance and gas barrier property of the produced film are lowered, and if the oxygen flow rate is high, the film adhesion and gas barrier property are lowered. Further, the pressure during the reaction may be within a range in which plasma discharge occurs. When film formation is performed with a normal parallel plate type high-frequency plasma apparatus, 0.05 to 2.5 Torr is preferable, and more preferably, 0.00. 1 to 1.5 Torr. When the pressure is too low, it is difficult to maintain the plasma discharge, and when the pressure is too high, the adhesion of the film tends to be lowered. However, when using electron cyclotron resonance discharge, helicon wave discharge, or magnetron discharge that can be discharged at a lower pressure, the pressure range is not limited to the above range. For the measurement and control of the flow rate, a mass flow controller, a float type flow meter, a bubble meter or the like can be used. For pressure measurement, a Pirani vacuum gauge, a diaphragm vacuum gauge, a spinning rotor vacuum gauge, a heat conduction vacuum gauge, an ionization vacuum gauge, or the like can be used, but a diaphragm vacuum gauge is preferably used.
[0022]
The thickness of the gas barrier layer is not particularly limited, but may be a thickness that does not impair the transparency, can maintain the gas barrier property, and can secure the adhesion to the polymer molded body. Specifically, 5 nm to 500 nm is preferable, and 5 nm to 100 nm is more preferable. If the thickness of the silicon oxide thin film is too thin, a uniform and continuous film cannot be formed, and sufficient gas barrier performance cannot be obtained. The layer is likely to crack.
[0023]
There are stylus roughness meter, repetitive reflection interferometer, micro balance, crystal oscillator method, etc. for film thickness measurement, but since the crystal oscillator method can measure the film thickness during film formation, the film thickness can be measured in real time. It is suitable for obtaining a desired film thickness while monitoring with. In addition, it is possible to adopt a method in which film forming conditions are determined in advance, a film is formed on a test substrate, the relationship between the film forming time and the film thickness is examined, and the film thickness is controlled by the film forming time.
[0024]
The gas barrier layer may contain a trace amount of iron, nickel, chromium, titanium, magnesium, aluminum, indium, zinc, tin, antimony, tungsten, molybdenum, copper, and the like. Carbon and fluorine may be appropriately contained for the purpose of improving the flexibility of the film.
[0025]
The composition of the gas barrier layer made of silicon oxide, silicon oxide, or a mixture thereof is not particularly limited as long as gas barrier performance is obtained and transparency is maintained. Silicon oxide is generally SiOxThe range of x is usually about 1.0 to 2.5. Silicon nitride is generally SiN.xThe range of x is usually about 0.8 to 2.0. A mixture of these may also be used. In this case, SiOxNyIs described. The range of x is usually about 0.1 to 2.5, and the range of y is usually about 0.1 to 2.0.
[0026]
In the present invention, the surface treatment is performed by plasma containing metal on the surface of the gas barrier layer. The “surface treatment including metal” as used herein is achieved by exposing the gas barrier layer to plasma including metal. For plasma containing metal, for example, when a discharge gas is introduced into a vacuum apparatus and plasma is generated by DC glow discharge or RF glow discharge, evaporation of metal evaporated by electron beam, resistance heating, induction heating, etc. Obtained by introducing particles. In addition, plasma containing metal can be generated also by decomposing a metal halide, hydride, or the like in plasma generated by glow discharge. In addition, plasma containing metal can be obtained by generating plasma by DC glow discharge or RF glow discharge using a desired metal as a cathode. As a simple method, it can be obtained by sputtering using a desired metal as a cathode, and other existing vapor deposition methods (arc vapor deposition method, laser vapor deposition method, cluster beam vapor deposition method, etc.), RF and DC glow discharge other than the above. A plasma containing a metal can also be obtained by combining the plasma obtained by the above.
[0027]
The treatment amount of the surface treatment with the plasma containing metal can be expressed using the amount of metal atoms attached to the treatment surface of the gas barrier layer. The amount of the deposited metal can be measured by a film thickness monitor or the like, but can generally be calculated from the surface treatment time with reference to the time required to form a film of about 100 nm which can be considered as a continuous film. Specifically, when the thickness of the metal deposited when surface treatment is performed under a specific condition for t (seconds) is D (nm), the density of the metal ρ (g / cmThree) From the atomic weight M, the amount N of attached metal is N = D × ρ × 6.02 × 1016/ M. As an actual calculation example, it took 1000 seconds to deposit titanium atoms as a 100 nm film having a thickness considered to be a continuous film was formed by plasma treatment including titanium on the gas barrier layer surface. The amount of deposited titanium is approximately 6 × 10 6 according to the above formula.17Atom / cm2It is. Thus, for example, by plasma treatment containing the titanium, 3 × 1015Atom / cm2In order to deposit titanium atoms of 1000 seconds × (3 × 1015Atom / cm2) / (6 × 1017Atom / cm2) = 5 seconds from the exposure to the plasma for 5 seconds.
[0028]
By performing the surface treatment with the plasma containing metal, the surface of the gas barrier layer is modified, and the adhesion with the sealing agent can be increased. Since this process is a process for improving the adhesion with the sealant, it is only necessary to process even at least a portion that will come into contact with the sealant. In other words, it is only necessary to attach a mask that is open only at the portion where the sealant contacts and expose it to the plasma.
[0029]
In order to mount the mask, a mask for that purpose must be manufactured, and a process of mounting the mask after forming the gas barrier layer is added. However, as long as the transparency of the portion to be a display body is not impaired by the plasma treatment, there is no problem even if the surface treatment with the plasma containing metal is performed over the entire surface.
[0030]
In order to maintain transparency even after treatment with plasma containing metal, the amount of metal adhering to the treatment surface is 4 × 10 4 by surface treatment with plasma containing metal.14~ 2x1016Atom / cm2Is preferred, more preferably 1 × 1015~ 8x1015Atom / cm2It is. If the amount of the metal adhering to the surface-treated surface is too small, the effect of improving the adhesion of the sealing agent targeted by the present invention cannot be obtained, and conversely if too large, the transparency is impaired, which is not preferable.
[0031]
In addition, if the two conditions of not being formed in the LCD display part and not causing inconvenience when taking out the electrode for driving the liquid crystal to the outside are satisfied, the partial metal in contact with the sealing material It has also been found that even when the thin film layer is formed, the same effect as that obtained by the treatment with the plasma containing the metal can be obtained. However, the transparency of the portion where the metal thin film layer is formed is impaired. In order not to form the metal thin film layer at the location that becomes the display portion, use a mask that covers the location, or after forming the metal thin film layer on the entire surface, the metal thin film at that location can be removed by etching treatment etc. Good.
[0032]
The thickness of the metal thin film layer is preferably in the range of 5 nm to 200 nm. If it is too thin, the thin film is not formed because the metal adheres only locally. On the other hand, if the thickness is too large, the adhesion between the metal thin film layer and the gas barrier layer is reduced, and a sufficient effect can be obtained with a thickness in this range, so it is preferable to form a thick thin film layer over time. Absent.
[0033]
As a method for forming the metal thin film layer, conventionally known methods such as physical vapor deposition, wet method, chemical vapor deposition and the like can be adopted. Among them, physical vapor deposition is preferable because there is little risk of deterioration of the gas barrier layer. Used for.
[0034]
Specific examples of physical vapor deposition include resistance heating vapor deposition, electron beam vapor deposition, ion plating, and sputtering. The resistance heating vapor deposition method and the electron beam vapor deposition method are methods in which a desired metal is evaporated by a resistance heating method and an electron beam heating method, and is deposited on the surface of a substrate disposed to face the metal. In the sputtering method, a direct current or high frequency sputtering method using a desired metal as a target and using an inert gas such as argon or neon as a sputtering gas can be used.
[0035]
The metal material used for the plasma treatment or the metal material of the metal thin film layer is at least one metal selected from titanium, aluminum, nickel, chromium, iron, copper, zinc, tungsten, and vanadium, or two or more thereof When an alloy made of any of these metals is used, it can be preferably used because the effect of improving the adhesion with the sealant is remarkably obtained. In addition, as a metal material, another metal other than these metals may be included.
[0036]
The composition of the gas barrier layer, the metal deposited by the surface treatment, or the atom or composition of the metal thin film layer should be analyzed using X-ray photoelectron spectroscopy, X-ray microanalysis, Auger electron spectroscopy, Rutherford backscattering method, etc. Can do. For example, when the Rutherford backscattering method is used, a specimen film is placed in a vacuum vessel, and alpha particles accelerated to 1 to 4 MeV are irradiated from the specimen surface to analyze the energy of ions scattered back. Thus, the composition in the depth direction of the film and the uniformity of the composition can be investigated. In order to prevent charging of the surface layer, gold or the like may be appropriately deposited on the surface. When analyzing by Auger electron spectroscopy, a specimen is placed in an ultra-high vacuum container, the surface of the specimen is irradiated with an electron beam accelerated to 1 to 10 keV, and Auger electrons emitted at that time are emitted. The composition can be examined by detecting. In this case, since the electrical resistance of the specimen may be high, it is preferable to suppress the primary electron beam current to 10 pA or less and to further reduce the energy to 2 keV or less so as not to be affected by charging. Photoelectron spectroscopy using X-rays instead of electron beams is advantageous in that it is less susceptible to charging than Auger electron spectroscopy.
[0037]
In order to form a transparent electrode for an LCD, a transparent conductive layer is further formed on the gas barrier layer. The transparent conductive layer is a layer necessary for the display portion of the LCD, and the layer is formed on a partial surface that is subjected to a plasma treatment including a metal on a gas barrier layer but is not formed. But it doesn't matter. However, if the gas barrier layer formation, plasma treatment, and transparent conductive film formation are performed consistently, a laminate can be obtained efficiently. Therefore, the plasma treatment is performed on the entire surface of the gas barrier layer and formed on the surface. preferable. Since the transparent conductive film is dissolved by acid, it can be easily processed into a desired wiring pattern by a wet etching method.
[0038]
As a material for the transparent conductive layer, an oxide of indium and tin is preferable because of its high transparency and conductivity and easy wet etching. As the composition of oxides of indium and tin, those having a composition of tin of about 3% by weight to 20% by weight with respect to general indium can be preferably used since the conductivity becomes high. The thickness of the layer varies depending on the desired resistance value, but is preferably about 15 nm to 400 nm. If it is too thin, the desired resistance value cannot be obtained, and if it is too thick, the transparency is impaired.
[0039]
As a method for forming the transparent conductive layer, conventionally known methods such as physical vapor deposition, wet method, chemical vapor deposition and the like can be adopted, but among them, the physical vapor deposition method provides a highly conductive transparent conductive layer. Preferably used.
[0040]
Specific examples of physical vapor deposition include resistance heating vapor deposition, electron beam vapor deposition, ion plating, and sputtering. The resistance heating vapor deposition method and the electron beam vapor deposition method are methods in which a desired oxide is evaporated by a resistance heating method and an electron beam heating method, and is deposited on the surface of a substrate disposed to face the oxide. Moreover, in order to improve electroconductivity and visible-light transmittance, the ion plating method which vapor-deposits in oxygen plasma can also be used conveniently. In the sputtering method, a direct current or high frequency sputtering method using a desired oxide as a target and using an inert gas such as argon or neon as a sputtering gas can be used. An oxidizing gas such as oxygen or water vapor may be introduced into the sputtering gas for the purpose of improving conductivity and transparency. Further, a reactive sputtering method using an indium-tin alloy as a target and using a gas obtained by mixing an inert gas such as argon or neon and an oxidizing gas such as oxygen or water vapor as a sputtering gas can be suitably used. .
[0041]
In the case of LCD, the transparent conductive layer is etched to match the desired image pattern to form a pattern. The processing steps are (1) resist application, (2) resist drying, (3) exposure, (4), transparent conductive layer etching, (5) washing, (6) resist removal, and (7) washing. However, an acid solution such as hydrochloric acid is often used for etching the transparent conductive layer in (4), and an alkaline solution such as potassium hydroxide is often used for removing the resist in (6). When a laminate in which a gas barrier layer made of silicon oxide or silicon nitride is formed on a polymer molded body is immersed in an alkaline solution, the gas barrier layer is often peeled off or cracked. The alteration of the gas barrier layer leads to a decrease in the gas barrier performance, and bubbles, which are the name defects of the LCD, are generated in the liquid crystal.
[0042]
For the purpose of preventing peeling and cracking of the gas barrier layer due to alkali immersion, an oxide containing at least nickel can be provided as an intermediate layer between the polymer molded body and the gas barrier layer. When there is no alkali dipping step, the intermediate layer is not particularly necessary. The oxide layer containing nickel is preferably formed by depositing an alloy mainly composed of nickel using a vacuum film-forming method such as a sputtering method. The alloy mainly composed of nickel means an alloy having the largest nickel content among the constituent elements. As materials used for the target, in addition to pure nickel, Nickel 200, Nickel 201, Nickel 210, Duranickel 301 ("Z" Nickel alloy), Monel Metal, Monel 1400 (Monel), R Monel, K Monel (Monel K-500), Monel 411 , H monel, S monel (Monel 505), nickel alloy Nichrome V (Chromel A), Nichrome (Chromel C), Chromel P, alumel, Inconel, nickel-chromium-iron alloy, Inconel 610, 625, 705, etc. Is mentioned.
[0043]
The formed alloy layer mainly composed of nickel is converted into a layer mainly made of nickel oxide in an oxygen atmosphere, and oxygen plasma treatment is effective as a conversion method. That is, by introducing oxygen gas into the vacuum vessel and exposing it to plasma generated by introducing high-frequency power from the high-frequency electrode, the alloy layer can be converted into an oxide layer, and the transparency can be improved. If other conversion methods are exemplified, ozone treatment, ion beam treatment, thermal oxidation treatment and the like can be applied.
[0044]
The alloy layer mainly composed of nickel is converted into a layer mainly composed of an oxide of nickel, whereby the transparency to visible light is improved. However, when the formed intermediate layer is thick, the transparency is lowered. In addition to such optical judgment, the conversion to the oxide layer can be confirmed by an analytical means such as X-ray photoelectron spectrometry (XPS) or Auger electron spectroscopy (AES). On the other hand, if it is thin, the transparency is sufficient, but the effect of improving alkali resistance cannot be obtained. For this reason, the thickness of the intermediate layer to be formed is preferably 0.2 to 3 nm, more preferably 1.0 to 2.5 nm. Thus, since the intermediate layer is a thin film, it cannot be considered to have the same properties as a bulk metal. Furthermore, there is a portion in the atmosphere that is in an oxidized state rather than a complete metallic state. Moreover, when an alloy target is used, the composition of the thin film generally made is different.
[0045]
In order to convert the intermediate layer into oxide by treatment in oxygen plasma in the present invention, it is necessary to introduce high-frequency electric power that does not change the quality of the base material due to plasma or heat, depending on the thickness and material of the intermediate layer. It is. Usually, the power is 20 to 400 W and the processing time is about 10 to 1200 seconds. A simpler oxidation method is simply leaving it in the atmosphere, and it takes about 20 to 80 hours, but a special processing apparatus is not required, so that it can be used preferably.
[0046]
【Example】
Next, the present invention will be specifically described with reference to examples.
[Example 1]
On one side of a polycarbonate film (thickness: 100 μm), silicon dioxide (chemical formula: SiO2A silicon oxide thin film having a thickness of 15 nm was formed by a vacuum vapor deposition method using electron beam heating using as a raw material. Subsequently, argon with a purity of 99.9% was used as a discharge gas at the surface of the silicon oxide thin film at 2 × 10.-3Torr was introduced and exposed to plasma containing titanium produced by generating plasma by DC glow discharge using titanium as the cathode, and the amount of titanium deposited was 5 × 1014Atom / cm2Plasma treatment was performed to obtain a laminate.
[0047]
[Example 2] to [Example 9]
The metals used for the plasma treatment are aluminum (Example 2), nickel (Example 3), chromium (Example 4), copper (Example 5), zinc (Example 6), tungsten (Example 7), vanadium. (Example 8) A laminate was obtained in the same manner as in Example 1 except that the nickel-chromium alloy (Example 9) was used.
[0048]
[Example 10] to [Example 11]
Titanium adhesion amount is 5 × 1015Atom / cm2(Example 10) 1 × 1016Atom / cm2A laminate was obtained in the same manner as in Example 1 except that the plasma treatment time was adjusted so that
[0049]
[Example 12]
On one side of a polycarbonate film (thickness: 100 μm), silicon dioxide (chemical formula: SiO2A silicon oxide thin film having a thickness of 15 nm was formed by a vacuum vapor deposition method using electron beam heating using as a raw material. A portion of the silicon oxide thin film that is to be displayed on the LCD is covered with a mask, titanium is used as the target, argon is used as the sputtering gas, and the pressure is 2 × 10.-3A titanium thin film having a thickness of 100 nm was formed by DC sputtering under Torr to obtain a laminate.
[0050]
[Example 13]
Instead of a silicon oxide thin film, silicon is used as a target, argon is used as a sputtering gas, and reactive gas is used as nitrogen (introduction amount ratio, Ar: N2= 1: 1) A laminate was obtained in the same manner as in Example 1 except that a 15 nm thick silicon nitride thin film was formed by DC sputtering under a pressure of 2 mTorr.
[0051]
[Example 14]
A laminate was obtained in the same manner as in Example 1 except that a polycarbonate film (thickness: 100 μm) was coated with
[0052]
[Example 15] to [Example 28]
Before forming the silicon oxide thin film, an example was carried out except that a nickel-chromium alloy was used as a target, argon was used as a sputtering gas, and an intermediate layer containing nickel having a thickness of 1 nm was formed by DC sputtering under a pressure of 2 mTorr. A laminate was obtained in the same manner as in Examples 1 to 14.
[0053]
On the plasma-treated surface or gas barrier layer of the laminate obtained in Examples 1 to 28, indium oxide / tin oxide (composition ratio (weight ratio), In2OThree: SnO2= 95: 5), sputtering gas with argon and oxygen (flow ratio, Ar: O)2= 50: 1), and a transparent conductive layer having a thickness of 100 nm was formed by DC sputtering under a pressure of 2 mTorr, a laminate having a sheet resistance of 60Ω / □ and a visible light transmittance of 75% or more was obtained. Obtained.
[0054]
[Comparative Example 1]
A laminate was prepared in the same manner as in Example 1 except that the plasma treatment was not performed.
[Comparative Example 2] to [Comparative Example 3]
Titanium adhesion amount is 2 × 1014Atom / cm2(Comparative Example 2) 4 × 1016Atom / cm2A laminate was obtained in the same manner as in Example 1 except that the plasma treatment time was adjusted so that
[Comparative Example 4]
As a comparison, a polycarbonate film (thickness: 100 μm) was evaluated without forming a gas barrier layer.
[0055]
The visible light transmittance at a wavelength of 550 nm of the laminate produced as described above was measured with a spectrophotometer U-3400 manufactured by Hitachi, Ltd. Moreover, the measurement of the gas permeability was performed in accordance with ASTM 1434-75 at a temperature of 23 ° C. with respect to oxygen and water vapor.
In order to evaluate the adhesion with the sealant, a one-component specially modified heat-effect epoxy resin sealant (manufactured by Mitsui Toatsu Chemical Co., Ltd., trade name: struct bond, model number: XN) is obtained on the obtained laminate. -21-S) was applied to a thickness of 10 μm and cured by heat treatment at 100 ° C. for 90 minutes. Furthermore, the adhesive force was evaluated by a tape peeling test in which a grid of 1 mm intervals was placed in the sealant coating layer and the tape was peeled off with a tape.
Further, in order to evaluate the durability of the laminate against an alkaline solvent, the laminate was immersed in an aqueous solution of potassium hydroxide (5% by weight) for 30 minutes and 60 minutes, and the presence or absence of peeling or alteration of the gas barrier layer was observed with an optical microscope.
The measurement results are shown in [Table 1] to [Table 5].
[0056]
[Table 1]
[0057]
[Table 2]
[0058]
[Table 3]
[0059]
[Table 4]
[0060]
[Table 5]
[0061]
From the above results, it can be seen that the product of the present invention has a high gas barrier performance and is also excellent in adhesion to a sealing agent. In addition, when it is necessary to obtain durability against alkali, it is understood that a laminate that is extremely resistant to alkali can be obtained by inserting an intermediate layer.
[0062]
【The invention's effect】
In the present invention, a gas barrier layer is formed on a polymer molded body, and the surface is treated with plasma containing a metal to improve the adhesion with a sealing agent, and a laminate that can be suitably used as an LCD substrate is obtained. It is done. Furthermore, by providing an intermediate layer between the polymer molded body and the gas barrier layer, the body alkalinity can be improved, and it is suitable for patterning the transparent conductive layer.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of the basic structure of an LCD
FIG. 2 is a structural cross-sectional view showing an example of a laminate according to the present invention.
FIG. 3 is a structural cross-sectional view showing an example of a laminate according to the present invention.
FIG. 4 is a structural sectional view showing an example of a laminate according to the present invention.
FIG. 5 is a structural cross-sectional view showing an example of a laminate according to the present invention.
[Explanation of symbols]
01 Substrate
02 Transparent electrode
03 liquid crystal
04 Sealant
05 Alignment film
06 Polarizing plate
10 Polymer molding
15 Middle layer
20 Gas barrier layer
21 Surface treated with metal-containing plasma
30 Metal thin film layer
40 Transparent conductive layer
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JPH1034790A (en) | 1998-02-10 |
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