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JP3728466B2 - Method for producing single crystal diamond film - Google Patents

Method for producing single crystal diamond film Download PDF

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JP3728466B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はトランジスタ、ダイオード又は各種センサ等の電子装置、ヒートシンク、表面弾性波素子、X線窓、光学関連材料、耐摩耗材料、装飾材料及びそのコーティング等に使用される単結晶ダイヤモンド膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイヤモンドは耐熱性が優れていると共に、バンドギャップが大きいため(5.5eV)、通常は絶縁体であり、不純物ドーピングにより半導体化できるという利点がある。また、ダイヤモンドは絶縁破壊電圧及び飽和ドリフト速度が大きいと共に、誘電率が小さいという優れた電気的特性を有する。このような特徴により、ダイヤモンドは高温・高周波・高電界用の電子デバイス・センサ材料として期待されている。
【0003】
また、ダイヤモンドはバンドギャッブが大きいことを利用して紫外線等の短波長領域に対応する光センサ又は発光素子への応用が促進され、熱伝導率が大きく、比熱が小さいことを利用して放熱基板材料としての応用が期待され、物質中で最も硬いという特性を生かして表面弾性波素子への応用が促進され、高い光透過性・屈折率を利用してX線窓又は光学材料への応用等が促進されている。更に、ダイヤモンドは工具の耐摩耗部にも使用されている。典型的なダイヤモンドの応用例を下記表1に示す。
【0004】
【表1】

Figure 0003728466
Figure 0003728466
Figure 0003728466
【0005】
これら種々の応用においてダイヤモンドの特性を最大限に発揮させるには、結晶の構造欠陥を低減した高品質の単結晶を合成することが必要である。また、これらの素子の実用化には低コストで大面積の単結晶ダイヤモンド膜が必要とされる。現在、ダイヤモンドの単結晶は天然ダイヤモンドの採掘か、高温高圧条件により人工的に合成されることにより得られ、これらはバルク・ダイヤモンドといわれる。しかし、これらの天然又は高温高圧合成で得られるバルク・ダイヤモンドはその結晶面の大きさは最大でもlcm2程度であり、しかも価格は極めて高い。このため、工業的利用は研磨用粉末及び精密切削用刃先等、特定の分野にのみ限られている。
【0006】
ダイヤモンドの気相合成法としては、マイクロ波化学気相蒸着(CVD)法(例えば、特公昭59−27754,特公昭61−3320)、高周波プラズマCVD法、熱フィラメントCVD法、直流プラズマCVD法、プラズマジェット法、燃焼法及び熱CVD法等が知られている。これらの気相合成法では、膜状の大面積のダイヤモンドを低コストで得ることができるという特徴がある。しかしながら、シリコン等の非ダイヤモンド基板に気相合成されたダイヤモンド膜は、図5に示すように、一般にダイヤモンド粒子がランダムに凝集した多結晶であり、粒界が高密度に存在する。また、図6に示すように、ダイヤモンド結晶粒子がほほ一定方向に揃った高配向膜の合成も公知であるが、この高配向膜も多結晶であることには相違はなく、膜中に高密度の粒界が存在する。
【0007】
この粒界によりダイヤモンド中を流れるキャリア(電子及びホール等の荷電粒子)がトラッブされたり、散乱されるために、多結晶膜及び高配向膜はバルク・ダイヤモンドと比べて電気的特性が劣り、電子デバイス及びセンサの性能が実用レベルに達しにくいという問題点がある。
【0008】
また、光学的にも粒界で光が散乱されるので、実用化には、光透過度が低すぎるという問題点がある。更に、耐摩耗部へ応用する場合に、チッピングが起こりやすいという問題がある。
【0009】
基板として単結晶のバルク・ダイヤモンド又は立方晶窒化ホウ素を用いれば、単結晶のダイヤモンド膜を気相合成できるが、前述の如く、バルク・ダイヤモンドも立方晶窒化ホウ素も大面積の結晶面は得られていないため、ダイヤモンド合成用の大面積の基板が存在せず、大面積の単結晶ダイヤモンドを合成することはできない。
【0010】
ダイヤモンド気相合成用の基板として、ニッケル又は銅を用いると、ある程度結晶が配向したダイヤモンド膜が得られる。しかし、ニッケルの場合にはダイヤモンドを気相合成する高温の水素プラズマ雰囲気で脆弱化し、更に生成したダイヤモンドと反応してグラファイトに転化させるという問題点がある(D.N.Belton and S.J.Schmieg, J.Appl.Phys., Vol.66,p.4223(1989))。また、銅を基板として使用した場合には、銅の線熱膨張係数がダイヤモンドの10倍以上あるため、通常600℃以上の高温でダイヤモンドが気相成長した後、常温に取り出したときにダイヤモンドの剥離が生じるという問題点がある(J.F.Denatale, et al, J.Materials,Science, Vol.27,p.553(1992))。
【0011】
基板として、白金その他の遷移金属を用いたダイヤモンドの気相合成も試みられているが、多結晶ダイヤモンド膜又はダイヤモンド粒子が成長するだけで、単結晶ダイヤモンド膜は得られていない(坂本,高松,「表面技術」,Vol.44,No.10,p.47(1993)、M.Kawarada, et al, Diamond and Related Materials, Vol.2,p.1083(1993)、 D.N.Belton and S.J.Schmeig, J.Appl.Phys.Vol.69,No.5,p.3032(1991)、D.N.Belton and S.J.Schmeig, Surface Science,Vol.233,p.131(1990)、Y.G.Ralchenko, et al, Diamond and Related Materials,Vol.2, p.904(1993))。
【0012】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、粒界がないか、又は粒界密度が極めて低い単結晶ダイヤモンド膜を人工的に合成することができ、単結晶の大面積のダイヤモンド膜を低コストで気相合成することでき、ダイヤモンドを用いた幅広い応用分野について、その特性の飛躍的向上と実用化を可能にすることができる単結晶ダイヤモンド膜の製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る単結晶ダイヤモンド膜の製造方法は、基体表面の結晶面が(111)若しくは(001)であるか、又は基体表面の結晶面が(111)若しくは(001)面から10゜以内で傾斜している単結晶シリコン基体の表面に白金又は白金シリサイドを蒸着して、その表面に厚さが1原子層以上、1mm以下の白金シリサイド層を形成して単結晶ダイヤモンド膜の気相合成用基板とし、この基板の前記白金シリサイド層の上に単結晶ダイヤモンド膜を気相合成することを特徴とする。
【0014】
【作用】
本発明に係る基板は、シリコンウエハに代表されるような(111)又は(001)結晶面を有する単結晶シリコン基体の表面に白金を蒸着し、下層のシリコンと白金とを反応させて単結晶の白金シリサイド層を形成した基板である。また、単結晶シリコン基体の上に白金シリサイド膜自体を蒸着してもよい。このようにして、形成された白金シリサイド膜の上に、ダイヤモンドを気相合成すると、ダイヤモンドの単結晶膜が成長する。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の実施例に係る単結晶ダイヤモンド膜気相合成用基板を示す模式図である。図1(a)に示すように、単結晶シリコン基体1の上に、白金シリサイド層2が形成されている。この単結晶シリコン基体1は(111)結晶面又は(100)結晶面を有する完全単結晶である。また、図1(b)に示す基板においては、(111)結晶面又は(100)結晶面を有する単結晶の集合組織からなるシリコン基体3の上に白金シリサイド層4が形成されている。
【0016】
完全単結晶シリコン基体1の上に形成された白金シリサイド層2は同様に完全単結晶になり、単結晶の集合組織からなるシリコン基体3の上に形成された白金シリサイド層4は同様に単結晶の集合組織になる。
【0017】
白金シリサイド層2、4はシリコン基板の上に白金を蒸着し、この白金と下層のシリコンとを反応させて白金シリサイド層を形成してもよい。
【0018】
そして、このように構成された基板の上に気相合成法によりダイヤモンドを蒸着すると、単結晶のダイヤモンド膜が形成される。この基体1は大面積のものを容易に得られるので、大面積の単結晶ダイヤモンド膜を得ることができる。
【0019】
図2は実際にこのような基板の(111)結晶面に単結晶ダイヤモンド膜が成長している途中段階の電子顕微鏡写真を示す。ダイヤモンドの(111)結晶面が相互に融合して連続的な単結晶膜を形成しようとしているのが認められる。
【0020】
従来の単結晶膜成長理論では、白金シリサイドの上にダイヤモンドの単結晶膜が成長することは、到底想到できるものではない。その理由は、第1に白金シリサイドの格子定数(Pt2Siの場合、構造は正方晶系構造で、a軸3.93Å、c軸5.91Åであり、PtSiは斜方晶系構造で、a軸5.59Å、b軸3.603Å、c軸5.932Åである)がダイヤモンドの格子定数(3.5667Å)と少なくとも約10%も異なっているためである。このように格子定数の差が大きすぎる場合には、単結晶が成長することは一般に考えられない。
【0021】
第2に白金シリサイドの結晶構造とダイヤモンドの結晶構造(ダイヤモンド構造)が全く異なるためである。このため、白金シリサイド構造とダイヤモンド構造は連続的につながることはなく、単結晶ダイヤモンド膜が成長することは一般には考えられない。
【0022】
本発明により初めて気相合成により単結晶ダイヤモンド膜を形成することが可能になった。白金シリサイドの(111)又は(001)結晶面に単結晶ダイヤモンド膜が形成される機構はつぎのように考えられる。
【0023】
白金は触媒作用のある金属であり、表面に吸着した炭素を含む分子は容易に分解される。このためダイヤモンド気相合成中には、基板表面に化学的に活性な炭素が高濃度に存在することになる。この炭素は白金及びシリコンと反応しつつ基板内部に拡散する。このため基板の表面層に炭素が過飽和に溶存し、これがダイヤモンド核として析出する。ダイヤモンドと同時にグラファイト等の非ダイヤモンド構造をもつ核も発生するが、これはプラズマ中の水素又は酸素等と容易に反応して、除去される。
【0024】
炭素が白金シリサイド内部に溶存するために、ダイヤモンド核自身の配向は基板の内部の(111)又は(001)結晶構造によって決定され、基板表面にキズ付け処理による凹凸があっても、殆ど影響を受けない。むしろ基板表面の凹凸は、基板内部への炭素の拡散を促進する効果をもつ。
【0025】
単結晶ダイヤモンド膜を形成するための基板材料として、白金シリサイド層を使用するのは以下の理由による。ニッケル等の金属では強い触媒作用があるため、一旦形成されたダイヤモンドがグラファイト等に転化してしまう。銅等の金属では触媒作用が弱すぎ、また炭素との結合が弱いので十分な濃度の炭素原子が溶存できない。一般にダイヤモンド気相合成用の基板として用いられるシリコンのみでは、炭素と強い共有結合をしすぎるので、基板内部でのダイヤモンド核形成が阻害される。これに対し、白金シリサイドは触媒作用を有するものの、ニッケルほど強くは炭素と反応せず、炭素を溶存するので、最も適切な基板材料であると考えられる。
【0026】
白金シリサイドに添加できる成分としては、クロミウム、モリブデン及びタングステンからなるVIA族の元素、マンガンからなるVIIA族の元素、鉄、コバルト、イリジウム、 ニッケル及びパラジウムからなるVIIIA族の元素、又は金、銀及び銅からなるIB族の元素から選ばれた少なくとも1種類の元素がある。VIA族の元素及びVIIA族の元素は安定な炭化物をつくる。VIIIA族の元素は炭素と強く反応する。IB族の元素は炭素とは反応しない。そこで、これらの元素を白金シリサイドに添加することにより、前述の白金シリサイドの化学作用を制御したり、新たな化学効果を加えたりできるという効果がある。
【0027】
白金シリサイドの膜厚には原理的には制限がないが、あまり厚い膜を蒸着するには長時間が必要になる。このため、実際上、膜厚はlmm以下とせざるを得ない。一方、本発明は単原子層でも効果がある。
【0028】
一般にダイヤモンドの気相合成においては、ダイヤモンドの(111)結晶面又は(001)結晶面が出現しやすく、その他の結晶面は出現しにくい。このため、白金シリサイド表面は(111)又は(001)であることが好ましい。白金シリサイド表面の(111)結晶面には(111)結晶面をもったダイヤモンド単結晶膜が成長し、白金シリサイド表面の(001)結晶面には(001)結晶面をもったダイヤモンド単結晶膜が成長する。
【0029】
基板表面はその全面が白金シリサイドの(111)又は(001)結晶面であることが望ましいが、各面積が概ね2500平方ミクロン以上である結晶面の集合体であっても、各結晶面上には(111)又は(001)の単結晶ダイヤモンド膜の集合体が成長する。このような単結晶ダイヤモンド膜の集合体であっても、各単結晶の面積が大きいために、その特性は完全単結晶のバルク・ダイヤモンドとほぼ同じである。
【0030】
単結晶シリコンの結晶面は完全に(111)又は(001)であることが望ましいが、これより10°以内のオフ・アクシスであれば、表面に原子レベルでのステップ(階段)構造が生じるのみで、なんら影響なく単結晶ダイヤモンド膜が合成される。10°以上である場合には所定の結晶面が失われるために、単結晶ダイヤモンド膜は合成できない。
【0031】
単結晶シリコン基体に白金シリサイドを蒸着し、又は単結晶シリコンと白金とを反応させて形成した白金シリサイド層は完全な単結晶でない場合がある。この場合には完全な(111)又は(001)結晶面が得られない。この場合には、蒸着時又は蒸着後、300℃以上の温度で膜をアニールすればよい。最適なアニール時間はアニール温度と膜厚に依存する。アニールは通常は真空中で行うことが好ましい。
【0032】
本発明においては、単結晶シリコンとして通常のシリコンウエハを用いることができ、その利点は大きい。即ち、8〜12インチ程度の大口径のシリコンウエハを比較的安価に得ることができる。そこで、本発明により、8〜12インチの大面積の大面積の単結晶ダイヤモンド膜の形成が可能になる。
【0033】
ダイヤモンド膜の気相合成に先立ち、白金シリサイドの表面をダイヤモンド粉末又はダイヤモンド・ペーストを用いてバフ研磨又は超音波処理によりキズ付け処理しても、単結晶ダイヤモンド膜を成長することができる。これはすでに述べたように、炭素が白金シリサイド基板内部に溶存するために、ダイヤモンド核自身の配向は基板の内部の(111)又は(001)結晶構造によって決定され、基板表面にキズ付け処理による凹凸があっても、ほとんど影響を受けないためである。むしろ基板表面の凹凸は、基板内部への炭素の拡散を促進する効果をもつ。
【0034】
ダイヤモンドの気相合成法としては、前述のマイクロ波CVD法、高周波プラズマCVD法、熱フィラメントCVD法、直流プラズマCVD法、ブラズマジェット法、燃焼法及び熱CVD法等公知技術を適用可能である。
【0035】
ダイヤモンドの気相合成の工程において、基板表面はプラズマ中から炭素原子を取り込み、炭素過飽和になった後、ダイヤモンドの核発生が始まる。しかし、基板表面にはプラズマ中の高エネルギーイオンの衝突が生じており、ダイヤモンド核が発生してもこれにダメージを与えるために、ダイヤモンドの結晶性が低下する。そこで、ダイヤモンド膜の気相合成開始後、できるだけ早くダイヤモンドを核発生させることが望ましい。このためには、基板に一定時間、電圧を印加する方法が有効である。これにより、ダイヤモンドの核形成に必要な炭素原子を含むイオンが基板に引き寄せられ、基板表面が速やかに炭素過飽和となる。これにより基板表面がプラズマにさらされる時間が短縮され、プラズマによるダメージの少ない。しかも、基板と方位がそろったダイヤモンド核が形成される。印加電圧は正でも負でも同じような効果が見られるが、負電圧の方がより望ましい。
【0036】
電圧を印加しなくても単結晶ダイヤモンド膜は合成できる。しかし、電圧を印加しない場合は、電圧を印加した場合に比べて膜の均一性がやや低下し、単結晶領域が小さくなる傾向がある。
【0037】
白金シリサイドが水素雰囲気に長時間曝露されると、白金シリサイド膜が脆弱化するので、電圧印加によるダイヤモンドの核発生又はダイヤモンドの気相合成、又はその両方を、水素を含まないガスを用いて行なうことが望ましい。このようなガスには一酸化炭素ガス、又は一酸化炭素と二酸化炭素の混合ガスがある。
【0038】
ダイヤモンドの気相合成に水素を含むガスを用いる場合には、0.1〜10%に水素希釈した炭素を含むガスを用い、ガス圧が0.133〜13.33kPa(1Torr=133.3Pa)、基板温度が400〜1100℃で、−70〜−350V又は+70〜+350Vの直流電圧を1〜90分間基板に印加することが望ましい。
【0039】
炭化水素成分が容量割合で0.1%以下では基板上で炭素成分が飽和しないため、ダイヤモンドが核形成されない。一方、炭化水素成分が容量割合で10%以上の場合は、アモルファスカーボン及び無定型のグラファイトが生成しやすく、形成されるダイヤモンドの結晶性が著しく低下し、単結晶膜が得られない。また、電界印加時のガス圧が0.133kPa以下では基板上で炭素成分が飽和しないため、ダイヤモンドが核形成されない。一方、ガス圧が7.998kPa以上ではガス圧が高すぎるので電界印加の効果が得られない。
【0040】
また、基板温度はダイヤモンドを形成できる400〜1100℃の範囲に保つ必要がある。印加電圧が70V未満では電界印加の効果が得られず、350Vを超えると形成されたダイヤモンドの核が活性種の衝突による損傷を受けるため、ダイヤモンドの結晶性が低下する。電界を印加する時間は核形成のために1分以上必要であるが、90分を超えると、印加電圧を小さくしても核の損傷を回避できない。
【0041】
白金シリサイド膜上へのダイヤモンドの気相合成においては、通常基板として用いられるシリコン等とは異なり、白金シリサイド膜のもつ触媒作用がダイヤモンドの気相成長に大きな影響を及ぼす。本発明者等はダイヤモンドの気相合成実験を繰り返し、基板の結晶面が(111)の場合は、ガスとして水素希釈したメタン(CH4)と酸素(O2)を使用し、メタンガス濃度[CH4]を0.1%≦[CH4]≦5%とし、かつ酸素ガス濃度[O2]を0.1%≦[O2]≦3%、基板温度を750℃以上とすれば、ダイヤモンドの(111)面が生成することを見出した。
【0042】
一方、基板の結晶面が(001)の場合は、ガスとして水素希釈したメタン(CH4)と酸素(O2)を使用し、メタンガス濃度[CH4]を5%≦[CH4]≦15%とし、且つ酸素ガス濃度[O2〕を1%≦[O2]≦7%、基板温度を850℃以下とすれば、ダイヤモンドの(001)面が生成することを見出した。
【0043】
単結晶ダイヤモンド膜の厚さは気相合成時間による以外に制限はない。一般には膜厚0.000lmmから数mmまでの厚さに形成することが可能である。また、例えば、一旦マイクロ波CVD法等により単結晶ダイヤモンド膜を基板上に合成した後、プラズマジェット法又は燃焼法等の高速性膜法で更に厚膜に成長させることもできる。
【0044】
また、単結晶ダイヤモンドをp型又はn型に半導体化する場合には、ダイヤモンドの核発生及び単結晶ダイヤモンドを気相成長する際に、原料ガスにボロン(B)元素を含むガス(例えば、B26)又はリン(P)を含むガス(例えば、PH3)を添加すればよい。
【0045】
本発明の単結晶ダイヤモンド膜の合成技術を応用して、基板上の所定の領域にのみ単結晶ダイヤモンド膜パターンを選択的に形成することは容易である。このためには基板上のダイヤモンド核形成領域にのみ、予め(111)又は(001)結晶面を有する白金シリサイドを蒸着し、それ以外の領域は予め窒化シリコン又は酸化シリコン膜でマスクしておけばよい。
【0046】
次に、本発明の実施例に係る単結晶ダイヤモンド膜気相合成用基板を製造し、ダイヤモンド膜を気相合成試験した結果について、その比較例と比較して説明する。
実施例1
図3は、気相合成試験に使用したダイヤモンド気相合成用のマイクロ波CVD装置を示す模式図である。マイクロ波電源10と、アイソレータ11と、チューナー12とからなるマイクロ波発生部から発生するマイクロ波は、導波管13を介してプランジャー17に向かう。そして、導波管13の途中には、石英管14が設けられており、石英管14の上部には原料ガスの導入口16が配設されており、下部には真空ポンプへの排出口15が設けられている。そして、石英管14内の導波管13が交差する位置に、基板ホルダ18が配設されており、この基板ホルダ18上に基板19が設置されるようになっている。なお、基板ホルダ18は昇降装置により昇降するようになっている。
【0047】
本実施例においては、白金シリサイド(111)結晶面をもつ基板19を基板ホルダ18上に設置し、ロータリーポンブにより反応器である石英管14中を真空排気した後、メタンガス0.2〜0.8%を含む水素・メタン混合ガスを石英管14内に100sccm流し、反応器中を3.999〜7.998kPaに保持した。そして、マイクロ波電源10から導波管13を通じて反応器である石英管14中にマイクロ波を導入し、プラズマを発生させた。そして、マイクロ波投入電力と基板位置を調整して基板温度が800〜890℃となるようにした。
【0048】
基板温度は反応器上方より放射温度計により測定した。こうして4時間合成を行ったところ、結晶方位の揃った粒状のダイヤモンドが析出した。同様の条件でさらに20時間気相合成を続けると、隣接した粒状のダイヤモンドが融合し、(111)結晶面を有する連続的な単結晶ダイヤモンド膜が形成された。
実施例2
白金シリサイドの(001)結晶面を有する基板を用い、実施例1に示した気相合成法で、メタンガス0.8〜7.0%を含む水素・メタン混合ガスを用い、基板温度が700〜850℃となるようにして4時間合成を行ったところ、結晶方位の揃った粒状のダイヤモンドが析出した。同様の条件でさらに10時間気相合成を続けると、隣接した粒状のダイヤモンドが融合し、(001)結晶面を有する単結晶ダイヤモンド膜が形成された。
実施例3
実施例1と同様の構成で、一酸化炭素ガス2.0%を含む水素・一酸化炭素混合ガスを100sccm流し、反応器中を3.999〜7.998kPaに保持した。基板温度は900〜930℃とした。3時間合成を行ったところ、結晶方位の揃った粒状のダイヤモンドが析出した。同様の条件でさらに15時間気相合成を続けると、隣接した粒状のダイヤモンドが融合し、(111)結晶面を有する単結晶ダイヤモンド膜が形成された。
実施例4
実施例1と同様の構成で、メタンガスを5.0%、酸素ガスを1.0%含む水素・メタン・酸素混合ガスを100sccm流し、反応器中を3.999〜7.998kPaに保持した。基板温度は750〜800℃とし、その他は実施例2と同様にダイヤモンドの気相合成を行った。こうして3時間合成を行ったところ、結晶方位の揃った粒状のダイヤモンドが析出した。同様の条件でさらに15時間気相合成を続けると、隣接した粒状のダイヤモンドが融合し、(001)結晶面を有する単結晶ダイヤモンド膜が形成された。
実施例5
実施例1と同様の構成で、ロータリーポンブにより反応器中を真空排気した後、メタンガスを3.0%、水蒸気を1.0%含む水素・メタン・水蒸気混合ガスを100sccm流し、反応器中を3.999〜7.998kPaに保持した。そして、基板上方に設けた熱フィラメントを2200℃に加熱した。基板ヒーターを調整して基板温度が780〜860℃となるようにした。こうして3時間合成を行ったところ、結晶方位が揃った粒状のダイヤモンドが析出した。同様の条件でさらに12時間気相合成を続けると、隣接した粒状のダイヤモンドが融合し、(001)結晶面を有する単結晶ダイヤモンド膜が形成された。
実施例6
実施例1と同様の構成で、エチルアルコールを1.0%含む水素・エチルアルコール混合ガスを100sccm流し、反応器中を6.665kPaに保持した。基板温度は750〜800℃とし、その他は実施例1と同様にダイヤモンドの気相合成を行った。こうして5時間合成を行ったところ、結晶方位が揃った粒状のダイヤモンドが析出した。同様の条件でさらに25時間気相合成を続けると、隣接した粒状のダイヤモンドが融合し、(001)結晶面を有する単結晶ダイヤモンド膜が形成された。
実施例7
実施例2と同様の実験を行う場合に、単結晶シリコン表面が(001)面からずれたオフ・アクシスの効果を検討した。[011]方向に2°、4°、6°、8°、10°、12°、14°、16°、18°、20°ずれた表面を基板として実施例2と同様の実験を行った。その結果、面方位のずれが10°以下の場合は単結晶ダイヤモンド膜が得られたが、面方位のずれが12°以上の場合は単結晶膜は形成されないことがわかった。
実施例8
実施例1〜7と同様の実験を行う際に、白金シリサイド層を形成した単結晶シリコン基板について、白金の蒸着中、又は蒸着後、アニールしてダイヤモンドの気相合成を行った。アニール温度を100〜1500℃の範囲で100℃刻みに変えて、その効果を調べた。その結果、300℃以上の温度で基板をアニールした場合、基板表面で結晶面が大きく成長し、大面積の単結晶ダイヤモンド膜を得ることができた。
実施例9
実施例1と同様の実験を行う際の基板の前処理がダイヤモンド膜の形成に及ぼす影響を調べた。ダイヤモンド粉末又はダイヤモンド・ペーストを用いてバフ研磨又は超音波処理によりキズ付け処理した白金シリサイドの(111)結晶面を有する基板を用い、ダイヤモンドの気相合成を行った。得られたダイヤモンド膜を実施例1で得られたダイヤモンド膜と比較した。その結果、実施例1の場合と比較して、同じ膜厚のダイヤモンド膜を得る時間が1〜2時間減少した。この結果より、白金シリサイド層を予めダイヤモンド粉末又はダイヤモンド・ペーストを用いてキズ付け処理しても、形成されるダイヤモンド膜の結晶性を損なうことがなく、しかも合成時間を短縮できることが確認された。
実施例10
図6に示す直流電圧を印加できる石英管型マイクロ波CVD装置を使用して、DCプラズマジェットCVD法によりダイヤモンドを合成した。本装置が、図7に示す装置と異なる点は、石英管14内の基板ホルダ18の上方に、対向電極31を設置し、この対向電極31と基板ホルダ18との間に、直流電源30を接続して、対向電極31が正、基板ホルダ18が負となる直流電圧を印加することができるようになっている点にある。
【0049】
この装置を用い、次に示す条件でダイヤモンド膜の合成を行った。基板には大きさ10mm径で、白金シリサイドの(001)又は(111)結晶面を有する基板を用いた。基板支持台にはモリブデンを用いた。
電界印加前プラズマ処理
反応ガス CH4/H2 (0.1〜10%比)
ガス流量 50〜300sccm
基板温度 600〜1100℃
ガス圧 1.333〜6.665kPa
プラズマ処理時間 30〜120分
電界印加時
反応ガス CH4/H2 (0.1〜10.0%比)
ガス流量 50〜300sccm
基板温度 400〜1100℃
ガス圧 0.133〜13.33kPa
印加電界 −70〜−350Vdc又は+70〜+350Vdc
電界印加時間 1〜90分
電界印加後
反応ガス CH4/H2(0.5〜15%比)
〇2(0.1〜7%比)
ガス流量 50〜300sccm
基板温度 750〜950℃
ガス圧 2.666〜13.33kPa
合成時間 3〜40時間
この結果、白金シリサイドの(001)結晶面を有する基板上には(001)結晶面を有する単結晶ダイヤモンド膜が、白金シリサイドの(111)結晶面を有する基板上には(111)結晶面を有する単結晶ダイヤモンド膜が形成された。但し、電界印加時の諸条件が上記の範囲外の場合、形成されたダイヤモンド膜は多結晶であった。
実施例11
実施例10と同じ装置を用い、同様の実験を試みて水素ガスを用いない場合の効果を調べた。以下に示す条件でダイヤモンド膜の合成を行った。基板には大きさ10mm径、白金シリサイドの(111)及び(001)結晶面を有する基板を用いた。
電界印加前プラズマ処理
反応ガス CO/CO2
ガス流量 50〜300sccm
基板温度 700〜1200℃
ガス圧 1.333〜6.665kPa
プラズマ処理時間 30〜120分
電界印加時
反応ガス CO/CO2
ガス流量 50〜300sccm
基板温度 400〜1100℃
ガス圧 0.133〜13.33kPa
印加電界 −70〜−350Vdc又は+70〜+350Vdc
電界印加時間 1〜90分
電界印加後
反応ガス CO/CO2
ガス流量 50〜300sccm
基板温度 800〜950℃
ガス圧 2.666〜13.33kPa
合成時間 3〜40時間
この結果、白金シリサイドの(111)結晶面を有する基板上には(001)結晶面を有する単結晶ダイヤモンド膜が、白金シリサイドの(001)結晶面を有する基板上には(111)結晶面を有する単結晶ダイヤモンド膜が形成された。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、単結晶シリコン基体の表面に白金シリサイド層の(111)又は(001)結晶面を有する基板であるので、この基板上に単結晶ダイヤモンド膜を気相合成することにより、大面積の単結晶ダイヤモンド膜を形成することが可能となる。従って、従来実用化が困難であった大面積の単結晶ダイヤモンド基板を実用的に得ることができ、その単結晶ダイヤモンドの特性を利用した広範な分野に応用することができ、本発明はこの種の分野において多大の貢献をなす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る基板の一例を示す模式図である。
【図2】白金の(111)結晶面に成長している単結晶ダイヤモンド膜の途中段階を示す金属組織顕微鏡写真である。
【図3】マイクロ波CVD装置を示す模式図である。
【図4】直流電圧を印加できる石英管型マイクロ波CVD装置を示す模式図である。
【図5】ダイヤモンド粒子がランダムに凝集した多結晶膜を示す金属組織顕微鏡写真である。
【図6】ダイヤモンド結晶粒子がほぼ一定方向に揃った高配向膜を示す金属組織顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1、3:基体
2、4:白金シリサイド層
10:マイクロ波電源
14:石英管
18、25:基板ホルダ
19、26:基板
23:フィラメント電源
24:熱フィラメント[0001]
[Industrial application fields]
  The present invention relates to a single crystal diamond film used for electronic devices such as transistors, diodes or various sensors, heat sinks, surface acoustic wave elements, X-ray windows, optical materials, wear-resistant materials, decorative materials and coatings thereof.Production methodAbout.
[0002]
[Prior art]
Since diamond has excellent heat resistance and a large band gap (5.5 eV), it is usually an insulator and has an advantage that it can be made into a semiconductor by impurity doping. Diamond also has excellent electrical characteristics such as high dielectric breakdown voltage and saturation drift velocity and low dielectric constant. Due to these characteristics, diamond is expected as an electronic device / sensor material for high temperature, high frequency, and high electric fields.
[0003]
In addition, diamond has a large band gap, so that it can be applied to optical sensors or light-emitting elements corresponding to short wavelength regions such as ultraviolet rays, and has a high thermal conductivity and low specific heat. Application to surface acoustic wave devices is promoted by taking advantage of the property of being the hardest material, and application to X-ray windows or optical materials using high light transmittance and refractive index. Has been promoted. Furthermore, diamond is also used in wear-resistant parts of tools. Table 1 below shows typical diamond application examples.
[0004]
[Table 1]
Figure 0003728466
Figure 0003728466
Figure 0003728466
[0005]
In order to maximize the characteristics of diamond in these various applications, it is necessary to synthesize high-quality single crystals with reduced crystal structure defects. Also, for practical use of these elements, a single crystal diamond film having a large area at a low cost is required. At present, diamond single crystals are obtained by mining natural diamond or artificially synthesized under high temperature and high pressure conditions, and these are called bulk diamonds. However, bulk diamonds obtained by these natural or high-temperature and high-pressure synthesis have crystal face sizes of at most lcm.2The price is extremely high. For this reason, industrial use is limited only to specific fields such as polishing powder and precision cutting edge.
[0006]
Diamond vapor phase synthesis methods include microwave chemical vapor deposition (CVD) methods (for example, JP-B-59-27754, JP-B-61-3320), high-frequency plasma CVD methods, hot filament CVD methods, direct-current plasma CVD methods, A plasma jet method, a combustion method, a thermal CVD method, and the like are known. These gas phase synthesis methods are characterized in that a film-like large-area diamond can be obtained at low cost. However, as shown in FIG. 5, a diamond film synthesized on a non-diamond substrate such as silicon is generally polycrystalline in which diamond particles are randomly aggregated, and grain boundaries exist at a high density. Also, as shown in FIG. 6, synthesis of a highly oriented film in which diamond crystal particles are aligned in a substantially constant direction is also known, but there is no difference that this highly oriented film is also polycrystalline, There are grain boundaries of density.
[0007]
Because carriers (charged particles such as electrons and holes) flowing in diamond are trapped or scattered by the grain boundaries, the polycrystalline film and the highly oriented film have inferior electrical characteristics as compared to bulk diamond, and electrons There exists a problem that the performance of a device and a sensor is difficult to reach a practical level.
[0008]
Moreover, since light is scattered at the grain boundary optically, there is a problem that the light transmittance is too low for practical use. Furthermore, there is a problem that chipping is likely to occur when applied to wear-resistant parts.
[0009]
If single-crystal bulk diamond or cubic boron nitride is used as the substrate, single-crystal diamond films can be synthesized in the vapor phase, but as described above, large-area crystal planes can be obtained for both bulk diamond and cubic boron nitride. Therefore, there is no large area substrate for diamond synthesis, and large area single crystal diamond cannot be synthesized.
[0010]
When nickel or copper is used as a substrate for diamond vapor phase synthesis, a diamond film having crystals oriented to some extent can be obtained. However, in the case of nickel, there is a problem that diamond is weakened in a high-temperature hydrogen plasma atmosphere in which gas phase synthesis is performed, and further, it reacts with the formed diamond and is converted into graphite (DNBelton and SJSchmieg, J. Appl. Phys., Vol. 66, p. 4223 (1989)). In addition, when copper is used as a substrate, the linear thermal expansion coefficient of copper is 10 times or more that of diamond. There is a problem that peeling occurs (JFDenatale, et al, J. Materials, Science, Vol. 27, p. 553 (1992)).
[0011]
Attempts have also been made to vapor phase synthesize diamond using platinum and other transition metals as substrates, but only a polycrystalline diamond film or diamond particles have grown, but no single-crystal diamond film has been obtained (Sakamoto, Takamatsu, "Surface Technology", Vol. 44, No. 10, p. 47 (1993), M. Kawarada, et al, Diamond and Related Materials, Vol. 2, p. 1083 (1993), DNBelton and SJ Schmeig, J Appl.Phys.Vol.69, No.5, p.3032 (1991), DNBelton and SJSchmeig, Surface Science, Vol.233, p.131 (1990), YGRalchenko, et al, Diamond and Related Materials , Vol.2, p.904 (1993)).
[0012]
  The present invention has been made in view of such a problem, and it is possible to artificially synthesize a single crystal diamond film having no grain boundary or having an extremely low grain boundary density. Low-cost vapor phase synthesis of membranesButOf a single crystal diamond film that can dramatically improve the characteristics of a wide range of application fields using diamond and put it to practical use.Production methodThe purpose is to provide.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
  The method for producing a single crystal diamond film according to the present invention includes:The crystal plane of the substrate surface is (111) or (001), or the crystal plane of the substrate surface is inclined within 10 ° from the (111) or (001) plane.Platinum or platinum silicide is vapor-deposited on the surface of a single crystal silicon substrate, and a platinum silicide layer having a thickness of 1 atomic layer or more and 1 mm or less is formed on the surface to form a substrate for vapor phase synthesis of a single crystal diamond film. A single crystal diamond film is vapor-phase synthesized on the platinum silicide layer of the substrate.
[0014]
[Action]
In the substrate according to the present invention, platinum is vapor-deposited on the surface of a single crystal silicon substrate having a (111) or (001) crystal plane as represented by a silicon wafer, and the lower silicon and platinum are reacted to form a single crystal. This is a substrate on which a platinum silicide layer is formed. Alternatively, the platinum silicide film itself may be deposited on the single crystal silicon substrate. When diamond is vapor-phase synthesized on the platinum silicide film thus formed, a single crystal film of diamond grows.
[0015]
【Example】
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings. FIG. 1 is a schematic view showing a substrate for vapor phase synthesis of a single crystal diamond film according to an embodiment of the present invention. As shown in FIG. 1A, a platinum silicide layer 2 is formed on a single crystal silicon substrate 1. The single crystal silicon substrate 1 is a complete single crystal having a (111) crystal plane or a (100) crystal plane. In the substrate shown in FIG. 1B, a platinum silicide layer 4 is formed on a silicon substrate 3 made of a single crystal texture having a (111) crystal plane or a (100) crystal plane.
[0016]
Similarly, the platinum silicide layer 2 formed on the complete single crystal silicon substrate 1 becomes a complete single crystal, and the platinum silicide layer 4 formed on the silicon substrate 3 made of a single crystal texture is similarly single crystal. It becomes a collective organization.
[0017]
The platinum silicide layers 2 and 4 may be formed by depositing platinum on a silicon substrate and reacting this platinum with the underlying silicon to form a platinum silicide layer.
[0018]
Then, when diamond is deposited on the thus configured substrate by vapor phase synthesis, a single crystal diamond film is formed. Since the substrate 1 having a large area can be easily obtained, a single crystal diamond film having a large area can be obtained.
[0019]
FIG. 2 shows an electron micrograph of an intermediate stage where a single crystal diamond film is actually grown on the (111) crystal plane of such a substrate. It can be seen that diamond (111) crystal planes are fused together to form a continuous single crystal film.
[0020]
In the conventional single crystal film growth theory, it is not conceivable that a single crystal film of diamond grows on platinum silicide. First, the platinum silicide lattice constant (Pt2In the case of Si, the structure is a tetragonal structure with an a-axis of 3.93Å and a c-axis of 5.91Å, and PtSi is an orthorhombic structure with an a-axis of 5.59Å, a b-axis of 3.603Å, and a c-axis of 5 .932) is at least about 10% different from the lattice constant of diamond (3.5667 Å). In this way, when the difference in lattice constant is too large, it is generally not considered that a single crystal grows.
[0021]
Secondly, the crystal structure of platinum silicide and the crystal structure of diamond (diamond structure) are completely different. For this reason, the platinum silicide structure and the diamond structure are not continuously connected, and it is generally not considered that a single crystal diamond film grows.
[0022]
The present invention makes it possible for the first time to form a single crystal diamond film by vapor phase synthesis. The mechanism for forming a single crystal diamond film on the (111) or (001) crystal plane of platinum silicide is considered as follows.
[0023]
Platinum is a catalytic metal and molecules containing carbon adsorbed on the surface are easily decomposed. For this reason, during diamond vapor phase synthesis, chemically active carbon is present in a high concentration on the substrate surface. This carbon diffuses inside the substrate while reacting with platinum and silicon. For this reason, carbon is dissolved in supersaturation in the surface layer of the substrate, and this precipitates as diamond nuclei. At the same time as diamond, nuclei having a non-diamond structure such as graphite are also generated, but this reacts easily with hydrogen or oxygen in the plasma and is removed.
[0024]
Since carbon is dissolved inside platinum silicide, the orientation of the diamond nuclei itself is determined by the (111) or (001) crystal structure inside the substrate, and even if there are irregularities due to scratching treatment on the substrate surface, it has almost no effect. I do not receive it. Rather, the irregularities on the substrate surface have the effect of promoting the diffusion of carbon into the substrate.
[0025]
The platinum silicide layer is used as the substrate material for forming the single crystal diamond film for the following reason. Since metals such as nickel have a strong catalytic action, once formed diamond is converted into graphite or the like. Metals such as copper have too weak a catalytic action and have a weak bond with carbon, so that a sufficient concentration of carbon atoms cannot be dissolved. In general, only silicon used as a substrate for diamond vapor phase synthesis has too strong a strong covalent bond with carbon, so that diamond nucleation inside the substrate is hindered. On the other hand, although platinum silicide has a catalytic action, it does not react with carbon as strongly as nickel and dissolves carbon, so it is considered to be the most suitable substrate material.
[0026]
Components that can be added to platinum silicide include Group VIA elements composed of chromium, molybdenum and tungsten, Group VIIA elements composed of manganese, Group VIIIA elements composed of iron, cobalt, iridium, nickel and palladium, or gold, silver and There is at least one element selected from the group IB elements made of copper. Group VIA elements and group VIIA elements form stable carbides. Group VIIIA elements react strongly with carbon. Group IB elements do not react with carbon. Therefore, by adding these elements to platinum silicide, it is possible to control the above-described chemical action of platinum silicide or to add a new chemical effect.
[0027]
The film thickness of platinum silicide is not limited in principle, but it takes a long time to deposit a very thick film. Therefore, in practice, the film thickness must be 1 mm or less. On the other hand, the present invention is also effective in a monoatomic layer.
[0028]
In general, in the gas phase synthesis of diamond, the (111) crystal face or (001) crystal face of diamond tends to appear, and other crystal faces hardly appear. Therefore, the platinum silicide surface is preferably (111) or (001). A diamond single crystal film having a (111) crystal plane grows on the (111) crystal plane of the platinum silicide surface, and a diamond single crystal film having a (001) crystal plane on the (001) crystal plane of the platinum silicide surface Will grow.
[0029]
The entire surface of the substrate is preferably a platinum silicide (111) or (001) crystal plane, but even if it is an aggregate of crystal planes each having an area of approximately 2500 square microns or more, (11) or (001) single crystal diamond film aggregates grow. Even such an aggregate of single crystal diamond films has almost the same characteristics as a full single crystal bulk diamond because the area of each single crystal is large.
[0030]
The crystal plane of the single crystal silicon is desirably completely (111) or (001), but if it is off-axis within 10 ° from this, only a step (step) structure at the atomic level is generated on the surface. Thus, a single crystal diamond film is synthesized without any influence. When the angle is 10 ° or more, a predetermined crystal plane is lost, so that a single crystal diamond film cannot be synthesized.
[0031]
A platinum silicide layer formed by depositing platinum silicide on a single crystal silicon substrate or reacting single crystal silicon and platinum may not be a complete single crystal. In this case, a complete (111) or (001) crystal plane cannot be obtained. In this case, the film may be annealed at a temperature of 300 ° C. or higher during or after vapor deposition. The optimum annealing time depends on the annealing temperature and film thickness. Annealing is usually preferably performed in a vacuum.
[0032]
In the present invention, a normal silicon wafer can be used as the single crystal silicon, and its advantages are great. That is, a silicon wafer having a large diameter of about 8 to 12 inches can be obtained relatively inexpensively. Therefore, according to the present invention, a large-area single crystal diamond film having a large area of 8 to 12 inches can be formed.
[0033]
Prior to vapor phase synthesis of the diamond film, a single crystal diamond film can also be grown by scratching the surface of platinum silicide by buffing or ultrasonic treatment using diamond powder or diamond paste. As described above, since carbon dissolves inside the platinum silicide substrate, the orientation of the diamond nucleus itself is determined by the (111) or (001) crystal structure inside the substrate, and the substrate surface is scratched. This is because even if there are irregularities, it is hardly affected. Rather, the irregularities on the substrate surface have the effect of promoting the diffusion of carbon into the substrate.
[0034]
As the diamond vapor phase synthesis method, known techniques such as the above-mentioned microwave CVD method, high frequency plasma CVD method, hot filament CVD method, direct current plasma CVD method, plasma jet method, combustion method, and thermal CVD method can be applied.
[0035]
In the process of gas phase synthesis of diamond, the substrate surface takes in carbon atoms from the plasma, and after becoming supersaturated with carbon, diamond nucleation begins. However, collisions of high-energy ions in the plasma occur on the substrate surface, and even if diamond nuclei are generated, they are damaged, so that the crystallinity of diamond is lowered. Therefore, it is desirable to nucleate diamond as soon as possible after the start of the gas phase synthesis of the diamond film. For this purpose, a method of applying a voltage to the substrate for a certain time is effective. As a result, ions containing carbon atoms necessary for nucleation of diamond are attracted to the substrate, and the substrate surface quickly becomes carbon supersaturated. As a result, the time during which the substrate surface is exposed to plasma is shortened, and damage caused by plasma is small. In addition, diamond nuclei aligned with the substrate are formed. The same effect can be seen whether the applied voltage is positive or negative, but a negative voltage is more desirable.
[0036]
A single crystal diamond film can be synthesized without applying a voltage. However, when no voltage is applied, the uniformity of the film is slightly lowered and the single crystal region tends to be smaller than when a voltage is applied.
[0037]
  When platinum silicide is exposed to a hydrogen atmosphere for a long time, the platinum silicide film becomes fragile, and therefore, nucleation of diamond by voltage application and / or gas phase synthesis of diamond are performed using a gas not containing hydrogen. It is desirable. Such gases include carbon monoxidegasOr a mixed gas of carbon monoxide and carbon dioxide.
[0038]
  When a gas containing hydrogen is used for the gas phase synthesis of diamond, a gas containing carbon diluted with hydrogen to 0.1 to 10% is used, and the gas pressure is0.133 to 13.33 kPa (1 Torr = 133.3 Pa)It is desirable to apply a DC voltage of −70 to −350 V or +70 to +350 V to the substrate for 1 to 90 minutes at a substrate temperature of 400 to 1100 ° C.
[0039]
  If the hydrocarbon component is 0.1% or less by volume, the carbon component is not saturated on the substrate, so that diamond is not nucleated. On the other hand, when the hydrocarbon component is 10% or more by volume ratio, amorphous carbon and amorphous graphite are easily generated, the crystallinity of the formed diamond is remarkably lowered, and a single crystal film cannot be obtained. In addition, the gas pressure when applying an electric field is0.133 kPaIn the following, diamond is not nucleated because the carbon component is not saturated on the substrate. On the other hand, the gas pressure is7.998 kPaAbove, the gas pressure is too high and the effect of applying an electric field cannot be obtained.
[0040]
Moreover, it is necessary to keep the substrate temperature in a range of 400 to 1100 ° C. at which diamond can be formed. When the applied voltage is less than 70V, the effect of applying an electric field cannot be obtained. When the applied voltage exceeds 350V, the formed diamond nuclei are damaged by collision of active species, so that the crystallinity of the diamond is lowered. The time for applying the electric field is 1 minute or more for nucleation, but if it exceeds 90 minutes, damage to the nuclei cannot be avoided even if the applied voltage is reduced.
[0041]
In the vapor phase synthesis of diamond on a platinum silicide film, unlike silicon or the like normally used as a substrate, the catalytic action of the platinum silicide film has a great influence on the vapor phase growth of diamond. The inventors of the present invention repeated diamond vapor phase synthesis experiments, and when the crystal plane of the substrate is (111), methane (CHFour) And oxygen (O2) And methane gas concentration [CHFour] 0.1% ≦ [CHFour] ≦ 5% and oxygen gas concentration [O2] 0.1% ≦ [O2It was found that if the substrate temperature is set to 750 ° C. or higher, a (111) plane of diamond is generated.
[0042]
On the other hand, when the crystal plane of the substrate is (001), methane (CHFour) And oxygen (O2) And methane gas concentration [CHFour] 5% ≦ [CHFour] ≦ 15% and oxygen gas concentration [O2] 1% ≦ [O2It was found that if the substrate temperature was 850 ° C. or lower, a (001) plane of diamond was generated.
[0043]
The thickness of the single crystal diamond film is not limited except by the vapor phase synthesis time. Generally, it can be formed to a thickness of 0.000 lmm to several mm. Further, for example, after a single crystal diamond film is once synthesized on a substrate by a microwave CVD method or the like, it can be further grown to a thick film by a high-speed film method such as a plasma jet method or a combustion method.
[0044]
When single crystal diamond is made into a p-type or n-type semiconductor, a gas containing boron (B) element in the source gas (for example, B2H6) Or a gas containing phosphorus (P) (for example, PHThree) May be added.
[0045]
By applying the single crystal diamond film synthesis technology of the present invention, it is easy to selectively form a single crystal diamond film pattern only in a predetermined region on the substrate. For this purpose, platinum silicide having a (111) or (001) crystal plane is deposited in advance only on the diamond nucleation region on the substrate, and the other regions are previously masked with a silicon nitride or silicon oxide film. Good.
[0046]
Next, a single crystal diamond film vapor phase synthesis substrate according to an example of the present invention is manufactured, and the results of a vapor phase synthesis test of the diamond film will be described in comparison with the comparative example.
Example 1
FIG. 3 is a schematic diagram showing a microwave CVD apparatus for diamond gas phase synthesis used in the gas phase synthesis test. A microwave generated from a microwave generation unit including a microwave power source 10, an isolator 11, and a tuner 12 travels toward the plunger 17 through the waveguide 13. A quartz tube 14 is provided in the middle of the waveguide 13, and a raw material gas inlet 16 is disposed above the quartz tube 14, and a discharge port 15 to the vacuum pump is disposed below. Is provided. A substrate holder 18 is disposed at a position where the waveguide 13 in the quartz tube 14 intersects, and a substrate 19 is placed on the substrate holder 18. The substrate holder 18 is moved up and down by a lifting device.
[0047]
  In this embodiment, a substrate 19 having a platinum silicide (111) crystal plane is placed on a substrate holder 18 and the quartz tube 14 as a reactor is evacuated by a rotary pump, and then methane gas 0.2 to 0. A hydrogen / methane mixed gas containing 8% was allowed to flow into the quartz tube 14 at 100 sccm, and the reactor was filled with3.999 to 7.998 kPaHeld on. Then, a microwave was introduced from the microwave power source 10 into the quartz tube 14 as a reactor through the waveguide 13 to generate plasma. Then, the microwave temperature and the substrate position were adjusted so that the substrate temperature was 800 to 890 ° C.
[0048]
  The substrate temperature was measured from above the reactor with a radiation thermometer. When synthesis was carried out for 4 hours in this way, granular diamond having a uniform crystal orientation was precipitated. When vapor phase synthesis was continued for 20 hours under the same conditions, adjacent granular diamonds were fused to form a continuous single crystal diamond film having a (111) crystal plane.
Example 2
  Using a substrate having a (001) crystal plane of platinum silicide and using a hydrogen / methane mixed gas containing 0.8 to 7.0% methane gas in the vapor phase synthesis method shown in Example 1, the substrate temperature is 700 to When synthesis was carried out for 4 hours at 850 ° C., granular diamond with a uniform crystal orientation was deposited. When the gas phase synthesis was continued for 10 hours under the same conditions, adjacent diamond grains were fused to form a single crystal diamond film having a (001) crystal plane.
Example 3
  In the same configuration as in Example 1, 100 sccm of a hydrogen / carbon monoxide mixed gas containing 2.0% of carbon monoxide gas was passed through the reactor.3.999 to 7.998 kPaHeld on. The substrate temperature was 900 to 930 ° C. When synthesis was carried out for 3 hours, granular diamond having a uniform crystal orientation was precipitated. When the gas phase synthesis was continued for 15 hours under the same conditions, adjacent diamond grains were fused to form a single crystal diamond film having a (111) crystal plane.
Example 4
  In the same configuration as in Example 1, 100 sccm of a hydrogen / methane / oxygen mixed gas containing 5.0% methane gas and 1.0% oxygen gas was flowed in the reactor.3.999 to 7.998 kPaHeld on. The substrate temperature was set to 750 to 800 ° C., and the others were subjected to vapor phase synthesis of diamond in the same manner as in Example 2. When synthesis was carried out for 3 hours in this way, granular diamond having a uniform crystal orientation was precipitated. When the gas phase synthesis was continued for 15 hours under the same conditions, adjacent diamond grains were fused to form a single crystal diamond film having a (001) crystal plane.
Example 5
  With the same configuration as the first embodiment, B-After evacuating the reactor with a tally pump, flow 100 sccm of hydrogen / methane / steam mixed gas containing 3.0% methane gas and 1.0% water vapor into the reactor.3.999 to 7.998 kPaHeld on. The hot filament provided above the substrate was heated to 2200 ° C. The substrate heater was adjusted so that the substrate temperature was 780 to 860 ° C. When synthesis was carried out for 3 hours in this way, granular diamond having a uniform crystal orientation was precipitated. When the gas phase synthesis was continued for 12 hours under the same conditions, adjacent diamond grains were fused to form a single crystal diamond film having a (001) crystal plane.
Example 6
  In the same configuration as in Example 1, 100 sccm of a hydrogen / ethyl alcohol mixed gas containing 1.0% of ethyl alcohol was flowed through the reactor.6.665 kPaHeld on. The substrate temperature was set to 750 to 800 ° C., and the others were subjected to vapor phase synthesis of diamond in the same manner as in Example 1. When synthesis was carried out for 5 hours in this way, granular diamonds having a uniform crystal orientation were precipitated. When the gas phase synthesis was further continued for 25 hours under the same conditions, the adjacent granular diamonds were fused to form a single crystal diamond film having a (001) crystal plane.
Example 7
  When the same experiment as in Example 2 was performed, the effect of off-axis in which the single crystal silicon surface was shifted from the (001) plane was examined. The same experiment as in Example 2 was performed using a substrate shifted in the [011] direction by 2 °, 4 °, 6 °, 8 °, 10 °, 12 °, 14 °, 16 °, 18 °, and 20 °. . As a result, it was found that a single crystal diamond film was obtained when the deviation of the plane orientation was 10 ° or less, but no single crystal film was formed when the deviation of the plane orientation was 12 ° or more.
Example 8
  When conducting the same experiment as in Examples 1 to 7, the single crystal silicon substrate on which the platinum silicide layer was formed was annealed during or after the deposition of platinum to perform diamond vapor phase synthesis. The effect was examined by changing the annealing temperature in the range of 100 to 1500 ° C. in increments of 100 ° C. As a result, when the substrate was annealed at a temperature of 300 ° C. or higher, the crystal plane grew greatly on the substrate surface, and a large-area single crystal diamond film could be obtained.
Example 9
  The effect of substrate pretreatment on the formation of the diamond film during the same experiment as in Example 1 was examined. Vapor phase synthesis of diamond was performed using a substrate having a (111) crystal face of platinum silicide that was scratched by buffing or ultrasonic treatment using diamond powder or diamond paste. The obtained diamond film was compared with the diamond film obtained in Example 1. As a result, compared with the case of Example 1, the time for obtaining a diamond film having the same film thickness was reduced by 1 to 2 hours. From this result, it was confirmed that even if the platinum silicide layer was scratched with diamond powder or diamond paste in advance, the crystallinity of the formed diamond film was not impaired and the synthesis time could be shortened.
Example 10
  Diamond was synthesized by DC plasma jet CVD using a quartz tube type microwave CVD apparatus capable of applying a DC voltage shown in FIG. This apparatus differs from the apparatus shown in FIG. 7 in that a counter electrode 31 is installed above the substrate holder 18 in the quartz tube 14, and a DC power supply 30 is connected between the counter electrode 31 and the substrate holder 18. In this connection, a DC voltage can be applied so that the counter electrode 31 is positive and the substrate holder 18 is negative.
[0049]
  Using this apparatus, a diamond film was synthesized under the following conditions. A substrate having a diameter of 10 mm and having a (001) or (111) crystal plane of platinum silicide was used. Molybdenum was used for the substrate support.
Plasma treatment before electric field application
  Reaction gas CH4 / H2 (0.1 to 10% ratio)
  Gas flow rate 50 ~ 300sccm
  Substrate temperature 600-1100 ° C
  Gas pressure1.333 to 6.665 kPa
  Plasma treatment time 30-120 minutes
When electric field is applied
  Reaction gas CH4 / H2 (0.1-10.0% ratio)
  Gas flow rate 50 ~ 300sccm
  Substrate temperature 400-1100 ° C
  Gas pressure0.133 to 13.33 kPa
  Applied electric field -70 to -350 Vdc or +70 to +350 Vdc
  Electric field application time 1 to 90 minutes
After applying an electric field
  Reaction gas CH4 / H2 (0.5-15% ratio)
                      ○ 2 (0.1-7% ratio)
  Gas flow rate 50 ~ 300sccm
  Substrate temperature 750-950 ° C
  Gas pressure2.666 to 13.33 kPa
  Synthesis time 3-40 hours
  As a result, a single crystal diamond film having a (001) crystal plane is formed on a substrate having a (001) crystal plane of platinum silicide, and a (111) crystal plane is formed on a substrate having a (111) crystal plane of platinum silicide. A single crystal diamond film was formed. However, when the conditions at the time of applying the electric field were outside the above range, the formed diamond film was polycrystalline.
Example 11
  Using the same apparatus as in Example 10, a similar experiment was attempted to examine the effect when no hydrogen gas was used. A diamond film was synthesized under the following conditions. A substrate having a size of 10 mm and platinum silicide (111) and (001) crystal planes was used as the substrate.
Plasma treatment before electric field application
  Reaction gas CO / CO2
  Gas flow rate 50 ~ 300sccm
  Substrate temperature 700-1200 ° C
  Gas pressure1.333 to 6.665 kPa
  Plasma treatment time 30-120 minutes
When electric field is applied
  Reaction gas CO / CO2
  Gas flow rate 50 ~ 300sccm
  Substrate temperature 400-1100 ° C
  Gas pressure0.133 to 13.33 kPa
  Applied electric field -70 to -350 Vdc or +70 to +350 Vdc
  Electric field application time 1 to 90 minutes
After applying an electric field
  Reaction gas CO / CO2
  Gas flow rate 50 ~ 300sccm
  Substrate temperature 800-950 ° C
  Gas pressure2.666 to 13.33 kPa
  Synthesis time 3-40 hours
  As a result, a single crystal diamond film having a (001) crystal plane is formed on a substrate having a (111) crystal plane of platinum silicide, and a (111) crystal plane is formed on a substrate having a (001) crystal plane of platinum silicide. A single crystal diamond film was formed.
[0050]
【The invention's effect】
According to the present invention, since the substrate has the (111) or (001) crystal plane of the platinum silicide layer on the surface of the single crystal silicon substrate, the single crystal diamond film is synthesized on the substrate by vapor phase synthesis. A single-crystal diamond film having an area can be formed. Therefore, a large-area single crystal diamond substrate that has been difficult to put into practical use can be obtained practically, and can be applied to a wide range of fields using the characteristics of the single crystal diamond. Make a great contribution in the field.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing an example of a substrate according to the present invention.
FIG. 2 is a metallographic micrograph showing an intermediate stage of a single crystal diamond film growing on a (111) crystal plane of platinum.
FIG. 3 is a schematic diagram showing a microwave CVD apparatus.
FIG. 4 is a schematic view showing a quartz tube type microwave CVD apparatus capable of applying a DC voltage.
FIG. 5 is a metallographic micrograph showing a polycrystalline film in which diamond particles are randomly aggregated.
FIG. 6 is a metallographic micrograph showing a highly oriented film in which diamond crystal particles are aligned in a substantially constant direction.
[Explanation of symbols]
1,3: Base
2, 4: Platinum silicide layer
10: Microwave power supply
14: Quartz tube
18, 25: Substrate holder
19, 26: Substrate
23: Filament power supply
24: Hot filament

Claims (3)

基体表面の結晶面が(111)若しくは(001)であるか、又は基体表面の結晶面が(111)若しくは(001)面から10゜以内で傾斜している単結晶シリコン基体の表面に白金又は白金シリサイドを蒸着して、その表面に厚さが1原子層以上、1mm以下の白金シリサイド層を形成して単結晶ダイヤモンド膜の気相合成用基板とし、この基板の前記白金シリサイド層の上に単結晶ダイヤモンド膜を気相合成することを特徴とする単結晶ダイヤモンド膜の製造方法。 The crystal surface of the substrate surface is (111) or (001), or the surface of the single crystal silicon substrate in which the crystal surface of the substrate surface is inclined within 10 ° from the (111) or (001) surface is platinum or Platinum silicide is vapor-deposited, and a platinum silicide layer having a thickness of 1 atomic layer or more and 1 mm or less is formed on the surface thereof to obtain a substrate for vapor phase synthesis of a single crystal diamond film, and on the platinum silicide layer of this substrate A method for producing a single crystal diamond film, characterized by vapor-phase synthesis of a single crystal diamond film. 前記白金シリサイド層がクロム、モリブデン及びタングステンからなるVIA族の元素、マンガンからなるVIIA族の元素、鉄、コバルト、イリジウム、ニッケル及びパラジウムからなるVIIIA族の元素、又は金、銀及び銅からなるIB族の元素からなる群から選択された少なくとも1種の元素を含むことを特徴とする請求項1に記載の単結晶ダイヤモンド膜の製造方法。  The platinum silicide layer is a group VIA element composed of chromium, molybdenum and tungsten, a group VIIA element composed of manganese, a group VIIIA element composed of iron, cobalt, iridium, nickel and palladium, or an IB composed of gold, silver and copper. The method for producing a single crystal diamond film according to claim 1, comprising at least one element selected from the group consisting of elements of a group. 前記単結晶シリコン基体が、白金又は白金シリサイドの蒸着時又は蒸着後300℃以上の温度でアニールされることを特徴とする請求項1又は2に記載の単結晶ダイヤモンド膜の製造方法。 3. The method for producing a single crystal diamond film according to claim 1, wherein the single crystal silicon substrate is annealed at a temperature of 300 ° C. or more during or after deposition of platinum or platinum silicide.
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