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JP3727402B2 - 絞り成形装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブランクを車体のサイドパネルやフロントフェンダといった所定の製品形状に絞り成形する絞り成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の絞り成形装置は、図6に示す如く、ダイス1と、ポンチ2と、ブランクホルダ3とを備え、ダイス1とポンチ2との一方を下型、他方を上下動自在な上型とし、上型の下降により、ブランクホルダ3とこれに対向するダイス1のダイフェース部1aとの間にブランクaの周辺部を挟持した状態でポンチ2によりブランクaをダイス1の成形凹部1bに押し込み、ブランクaを所定の製品形状に絞り成形するように構成されている。
【0003】
ところで、絞り成形には、ブランクの周辺部を完全にロックし得るように挟持し、ブランクの伸びだけで成形を行う張出し成形と、ブランクの周辺部を張力によるずれを許容し得るように挟持し、ブランクを引き込みつつ成形を行う深絞り成形とがある。
【0004】
そして、深絞り成形では、ダイス1のダイラジアス部1cにおける初期曲げによってブランクaに生ずるショックラインsがブランクの引き込みに伴ってダイラジアス部1cから引き離される。そのため、シャットハイト状態で製品カットラインcの近傍にダイラジアス部1cが位置するような、図6(A)に示す如き形状にダイス1を形成すると、製品部分にショックラインsが入り込んでしまう。
そこで、従来は、シャットハイト状態でダイラジアス部1cが製品カットラインcから充分に離間するように、図6(B)に示す如くダイス1の成形凹部1bを大きく成形し、製品部分にショックラインsが入り込まないようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した図6(B)に示す従来例では、成形凹部1bが大きくなる分スクラップになる部分の長さが増し、素材歩留りが悪くなる不具合がある。
本発明は、以上の点に鑑み、製品部分にショックラインが入り込まないようにして、且つ、歩留りを向上し得るようにした絞り成形装置を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、本発明は、ダイスと、ポンチと、ブランクホルダとを備え、ダイスとポンチとの一方を下型、他方を上下動自在な上型とし、上型の下降により、ブランクホルダとブランクホルダに対向するダイスのダイフェース部との間にブランクの周辺部を挟持した状態でポンチによりブランクをダイスの成形凹部に押し込んで絞り成形する装置において、ダイフェース部を構成する、ダイス本体に対し可動の可動ダイフェースと、可動ダイフェースに対向する、ブランクホルダ本体に対し可動の可動ブランクホルダとを設け、可動ダイフェース及び可動ブランクホルダをダイスの成形凹部に向けて外方から内方に進退自在とし、ブランクの押し込みに伴い可動ダイフェース及び可動ブランクホルダを外方から内方に前進させる駆動手段を設け、可動ダイフェース及び可動ブランクホルダは、外側端位置でブランクを挟持し、ブランクがポンチに当接した時点で外側端位置から内側へ向かって移動を開始するようにしたことを特徴とする。
【0007】
上記の如く可動ダイフェース及び可動ブランクホルダをブランクの押し込みに伴って外方から内方に前進させると、可動ダイフェースと可動ブランクホルダとの間からブランクを引き込まなくても、ブランクをこれに無理をかけずに深く絞り成形できる。そのため、可動ダイフェースと可動ブランクホルダとの間にブランクの周辺部をロック状態で挟持することが可能になり、ショックラインは可動ダイフェースの内縁のダイラジアス部に留まる。従って、シャットハイト状態でダイラジアス部が製品カットラインの近傍に位置するようにダイスを形成しても、ショックラインは製品部分に入り込まない。その結果、スクラップになる部分の長さを可及的に短くして素材歩留りを向上させることができる。
【0008】
ところで、ダイフェース部及びブランクホルダを周方向の複数区域に分割して、これら各区域を全て可動ダイフェース及び可動ブランクホルダで構成することも考えられるが、進退方向の異なる可動ダイフェース同士及び可動ブランクホルダ同士を隣接させると、可動ダイフェース及び可動ブランクホルダを外方に後退させたとき、可動ダイフェース間及び可動ブランクホルダ間に隙間があき、この部分ではブランクを挟持できなくなる。従って、進退方向の異なる可動ダイフェース間の区域をダイス本体に一体の固定ダイフェースで構成すると共に、固定ダイフェースに対向するブランクホルダの部分をブランクホルダ本体に一体の固定ブランクホルダで構成し、ブランクの周辺部を可動ダイフェース及び可動ブランクホルダと固定ダイフェース及び固定ブランクホルダとで全周に亘って挟持し得るようにすることが望ましい。
【0009】
この場合、可動ダイフェース及び可動ブランクホルダを成形凹部に向けて外方から内方に単純に前進させると、ブランクの押し込み途中で、可動ダイフェースが内方端位置(可動ダイフェースのダイラジアス部が固定ダイフェースのダイラジアス部に合致する位置)に達していない状態では、固定ダイフェースとポンチとの間で引張られるブランク部分の傾斜角と可動ダイフェースとポンチとの間で引張られるブランク部分の傾斜角とが一致しなくなり、固定ダイフェースと可動ダイフェースとの境界部においてブランクに皺が発生する。
【0010】
この場合、可動ダイフェース及び可動ブランクホルダを、ダイスの成形凹部に向けて外方から内方に進退自在とすると共に、固定ダイフェース及び固定ブランクホルダに対し高さ方向に変位自在とし、ブランクの押し込みに伴い可動ダイフェース及び可動ブランクホルダを外方から内方に前進させる第1駆動手段と、可動ダイフェースとポンチとの間で引張られるブランク部分の傾斜角と固定ダイフェースとポンチとの間で引張られるブランク部分の傾斜角とが一致するように可動ダイフェース及び可動ブランクホルダを高さ方向に変位させる第2駆動手段とを設ければ、上記境界部における皺の発生を防止でき、有利である。
尚、可動ダイフェースとダイス本体との間及び可動ブランクホルダとブランクホルダ本体との間に夫々楔状の摺動部材を介設し、両摺動部材を第2駆動手段により摺動させて、可動ダイフェース及び可動ブランクホルダを高さ方向に変位させるように構成すれば、高さ方向の変位制御を簡単な構造で確実に行うことができ、有利である。
【0011】
また、可動ダイフェースと固定ダイフェースとを混設する場合は、絞り深さの比較的浅い製品部分となるブランク部分の周辺部を挟持するダイフェース部を固定ダイフェースで構成し、絞り深さの比較的深い製品部分となるブランク部分の周辺部を挟持するダイフェース部を可動ダイフェースで構成して、固定ダイフェースのダイラジアス部で発生するショックラインが製品部分に入り込まないようにすることが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図1に示す如き車体のサイドパネルSPを絞り成形する装置に本発明を適用した実施形態について説明する。
絞り成形装置は、図2及び図3に示す如く、上型たるダイス10と、下型たるポンチ20と、ポンチ20を囲うように設けたブランクホルダ30とで構成され、ダイス10をラム等のプレス用駆動源で上下動させると共に、ブランクホルダ30を図外の付勢手段で上方に付勢し、ダイス10の下降で、先ず、ブランクホルダ30とこれに対向するダイス10のダイフェース部との間にブランクaの周辺部を挟持し、引続くダイス10の下降に伴いポンチ20によりブランクaをダイス10の成形凹部10aに押し込み、ブランクaをサイドパネルSPの形状に絞り成形するように構成されている。
【0013】
サイドパネルSPは、ルーフサイドレール部SPaやサイドシル部SPbや前後両端部の絞り深さが他部より深くなっており、これら絞り深さの深い製品部分の周辺に位置するダイフェース部の部分とブランクホルダ30の部分とを、夫々、内縁にダイラジアス部11aを有するダイス本体に対し可動の可動ダイフェース11と、ブランクホルダ本体に対し可動の可動ブランクホルダ31とで構成し、他の製品部分の周辺に位置するダイフェース部の部分とブランクホルダ30の部分とを、夫々、内縁にダイラジアス部12aを有するダイス本体に一体の固定ダイフェース12と、ブランクホルダ本体に一体の固定ブランクホルダ32とで構成している。
【0014】
可動ダイフェース11及び可動ブランクホルダ31は、ダイス10の成形凹部10aに向けて外方から内方に進退自在であり、即ち、ブランクaの長手方向をX軸方向、幅方向をY軸方向として、ルーフサイドレール部SPaとサイドシル部SPbの周辺に位置する可動ダイフェース11及び可動ブランクホルダ31をY軸方向外方から内方に進退自在とし、サイドパネルSPの前端部と後端部の周辺に位置する可動ダイフェース11及び可動ブランクホルダ31をX軸方向外方から内方に進退自在としている。可動ダイフェース11と可動ブランクホルダ31とは、ダイス10の下降でブランクaの周辺部を挟持する際に、可動ブランクホルダ31に形成した凸部31bが可動ダイフェース11に形成した凹部11bに嵌合して相互に連結されるようになっている。そして、ブランクホルダ30上に、可動ブランクホルダ31に連結される第1駆動手段たる油圧シリンダ34を設け、該油圧シリンダ34により可動ダイフェース11及び可動ブランクホルダ31を外方から内方に進退させるようにしている。
【0015】
また、可動ダイフェース11とダイス本体との間及び可動ブランクホルダ31とブランクホルダ本体との間には、夫々、外方から内方に摺動自在な楔状の摺動部材13,33が介設されている。可動ダイフェース11及び可動ブランクホルダ31は、両摺動部材13,33が外方端位置に存するとき、固定ダイフェース12及び固定ブランクホルダ32と面一になり、両摺動部材13,33を外方端位置から内方に摺動させたとき、固定ダイフェース12及び固定ブランクホルダ32に対し下方に変位する。
【0016】
両摺動部材13,33は、ダイス10を下降させたとき、ダイス10側の摺動部材13に垂設したピン13aがブランクホルダ30側の摺動部材33のピン穴33aに嵌合して相互に連結されるようになっている。そして、ダイス10に、摺動部材13に連結される第2駆動手段たる油圧シリンダ14を設け、該油圧シリンダ14により両摺動部材13,33を摺動させ、可動ダイフェース11及び可動ブランクホルダ31を固定ダイフェース12及び固定ブランクホルダ32に対し高さ方向に変位させるようにしている。
【0017】
尚、可動ダイフェース11及び可動ブランクホルダ31には、ピン13aに対する干渉逃げのための図示しない逃げ溝が形成されており、また、可動ブランクホルダ31の高さ方向の変位を許容し得るよう、油圧シリンダ34を可動ブランクホルダ31に上下方向の自由度を持って連結している。
【0018】
可動と固定の各ダイフェース11,12には、可動と固定の各ブランクホルダ31,32に形成した凹溝31c,32cと協働する、ブランクaの滑り止め用のビード11c,12cが形成されている。ここで、可動ダイフェース11のビード11cと可動ブランクホルダ31の凹溝31cは、ブランクaの周辺部をロック状態で挟持し得るように形成され、一方、固定ダイフェース12のビード12cと固定ブランクホルダ32の凹溝32cは、ブランクaの周辺部を張力によるずれを許容する状態で挟持し得るように形成される。尚、可動ダイフェース11及び可動ブランクホルダ31の両端部では張力によるブランクaのずれを許容し得るようにしている。
【0019】
絞り成形に際しては、可動ダイフェース11及び可動ブランクホルダ31を外方端位置に後退させると共に、両摺動部材13,33を外方端位置に後退させて可動ダイフェース11及び可動ブランクホルダ31を固定ダイフェース12及び固定ブランクホルダ32と面一にした状態でブランクaをセットし、次いでダイス10を下降させる。これによれば、先ず、図4(A)に示すように可動ダイフェース11と可動ブランクホルダ31との間及び固定ダイフェース12と固定ブランクホルダ32との間にブランクaの周辺部が挟持され、次いでブランクaがポンチ20に当接して絞り成形が開始される。そして、この成形開始時点から油圧シリンダ34により可動ダイフェース11及び可動ブランクホルダ31を内方に前進させ始める。
【0020】
この場合、可動ダイフェース11のダイラジアス部11aは固定ダイフェース12のダイラジアス部12aより外方に位置しているため、可動ダイフェース11が固定ダイフェース12と面一であると、図4(B)に仮想線で示すように、可動ダイフェース11とポンチ20との間で引張られるブランク部分の傾斜角が固定ダイフェース12とポンチ20との間で引張られるブランク部分の傾斜角よりも小さくなり、可動ダイフェース11と固定ダイフェース12との境界部においてブランクaに皺が発生する。そこで、油圧シリンダ14により両摺動部材13,33を内方に前進させて、可動ダイフェース11及び可動ブランクホルダ31を下方に変位させ、図4(B)に実線で示すように、可動ダイフェース11とポンチ20との間で引張られるブランク部分の傾斜角を固定ダイフェース12とポンチ20との間で引張られるブランク部分の傾斜角に等しくしている。
【0021】
また、可動ダイフェース11が図4(C)に示す位置に前進すると、可動ダイフェース11を下方に変位させたままそれ以上内方に前進させた場合には、可動ダイフェース11とポンチ20との間で引張られるブランク部分の傾斜角が固定ダイフェース12とポンチ20との間で引張られるブランク部分の傾斜角よりも大きくなる。そこで、図4(C)に示す位置からは、両摺動部材13,33を外方に後退させて可動ダイフェース11及び可動ブランクホルダ31を上方に変位させつつ内方に前進させ、シャットハイト状態で図4(D)に示すように可動ダイフェース11及び可動ブランクホルダ31を内方端位置に前進させると共に固定ダイフェース12及び固定ブランクホルダ32と面一にし、可動ダイフェース11のダイラジアス部11aを固定ダイフェース12のダイラジアス部12aに合致させる。
【0022】
かくて、油圧シリンダ34は、図5のa線で示す如く、成形開始時点からシャットハイト時点まで伸び側に作動されるが、油圧シリンダ14は、図5のb線で示す如く、成形開始時点から途中まで伸び側に作動され、その後縮み側に作動される。かかる油圧シリンダ14,34の作動制御は油圧サーボ回路を用いて行う。
【0023】
ところで、ブランクaの周辺部は可動ダイフェース11と可動ブランクホルダ31との間においてロック状態で挟持されるが、可動ダイフェース11及び可動ブランクホルダ31が内方に前進するため、ブランクaをこれに無理をかけずに深く絞り込むことができる。そして、可動ダイフェース11のダイラジアス部11aにおいてブランクaに発生するショックラインsは図2に示すようにダイラジアス部11aに留まり、シャットハイト状態でダイラジアス部11aが製品カットラインcの近傍に位置するようにダイ10を形成しても、製品部分にショックラインsが入り込むことはない。かくて、スクラップになる部分の長さを可及的に減少して素材歩留りを向上させることができる。
【0024】
尚、固定ダイフェース12と固定ブランクホルダ32との間に挟持されるブランクaの周辺部はそのずれが許容されるため、固定ダイフェース12のダイラジアス部12aにおいてブランクaに発生するショックラインsは、図3に示すように、ダイラジアス部12aから引き離される。そして、図示のものでは、ダイラジアス部12aと製品カットラインcとの間の間隔を余り広く取っていないため、ショックラインsが製品カットラインcの内側に入り込むが、ショックラインsが入り込んだ製品部分は、後加工で仮想線示の如く折曲げられて窓ガラスの装着部になる部分であって、外観上問題はない。また、この部分ではスクラップの長さが増加するが、この部分はブランクaのコーナー部分に位置するから、コイル材から打抜くブランクaのX軸方向やY軸方向の長さを増す必要はなく、素材歩留りへの悪影響は生じない。
【0025】
以上の如くして絞り成形を完了すると、ダイス10を上昇させて絞り成形されたブランクaを取出す。尚、シャットハイト状態において、摺動部材13,33は外方端位置に後退しているが、可動ダイフェース11及び可動ブランクホルダ31は内方端位置に前進しており、そのため、ブランクaを取出した後、次のブランクaのセットに備えて、可動ダイフェース11及び可動ブランクホルダ31を外方端位置に後退させる必要がある。この場合、可動ブランクホルダ31は油圧シリンダ34によって後退させることができるが、ダイス10の上昇によって可動ダイフェース11と可動ブランクホルダ31との連結が解かれるため、可動ダイフェース11を油圧シリンダ34によって後退させることはできない。従って、可動ダイフェース11を外方に付勢する図外の付勢手段を設け、ダイス10の上昇で可動ダイフェース11の凹部11bが可動ブランクホルダ31の凸部31bから離脱したとき、付勢手段の付勢力で可動ダイフェース11が外方端位置に戻されるようにする。また、ダイス10を上昇させると、ダイス10側の摺動部材14とブランクホルダ30側の摺動部材34との連結も解かれるため、ブランクホルダ30側の摺動部材34を外方端位置に保持しておく上で、該摺動部材34を外方に付勢する付勢手段を設けることが望ましい。
【0026】
以上、上型としてダイス10を用いた実施形態について説明したが、ダイスを下型、ポンチを上型とする絞り成形装置にも同様に本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明装置の一例の下型部分の平面図
【図2】 図1のII-II線截断側面図
【図3】 図1のIII-III線截断側面図
【図4】 (A)〜(D)図1のIV-IV線で截断した部分における成形時の可動ダイフェース及び可動ブランクホルダの動きを示す図
【図5】 第1と第2の各駆動手段たる各油圧シリンダの作動を示すグラフ
【図6】 (A)(B)従来例の截断側面図
【符号の説明】
a ブランク 10 ダイス
10a 成形凹部 11 可動ダイフェース
12 固定ダイフェース 13 摺動部材
14 油圧シリンダ(第2駆動手段)
20 ポンチ 30 ブランクホルダ
31 可動ブランクホルダ 32 固定ブランクホルダ
33 摺動部材 34 油圧シリンダ(第1駆動手段)

Claims (4)

  1. ダイスと、ポンチと、ブランクホルダとを備え、ダイスとポンチとの一方を下型、他方を上下動自在な上型とし、上型の下降により、ブランクホルダとブランクホルダに対向するダイスのダイフェース部との間にブランクの周辺部を挟持した状態でポンチによりブランクをダイスの成形凹部に押し込んで絞り成形する装置において、
    ダイフェース部を構成する、ダイス本体に対し可動の可動ダイフェースと、可動ダイフェースに対向する、ブランクホルダ本体に対し可動の可動ブランクホルダとを設け、
    可動ダイフェース及び可動ブランクホルダをダイスの成形凹部に向けて外方から内方に進退自在とし、
    ブランクの押し込みに伴い可動ダイフェース及び可動ブランクホルダを外方から内方に前進させる駆動手段を設け
    可動ダイフェース及び可動ブランクホルダは、外側端位置でブランクを挟持し、ブランクがポンチに当接した時点で外側端位置から内側へ向かって移動を開始するようにした
    ことを特徴とする絞り成形装置。
  2. ダイスと、ポンチと、ブランクホルダとを備え、ダイスとポンチとの一方を下型、他方を上下動自在な上型とし、上型の下降により、ブランクホルダとブランクホルダに対向するダイスのダイフェース部との間にブランクの周辺部を挟持した状態でポンチによりブランクをダイスの成形凹部に押し込んで絞り成形する装置において、
    ダイフェース部の一部をダイス本体に対し可動の可動ダイフェースで構成して、可動ダイフェースの端部に隣接するダイフェース部をダイス本体に一体の固定ダイフェースで構成すると共に、ブランクホルダの可動ダイフェースに対向する部分と固定ダイフェースに対向する部分とを夫々ブランクホルダ本体に対し可動の可動ブランクホルダとブランクホルダ本体に一体の固定ブランクホルダとで構成し、
    可動ダイフェース及び可動ブランクホルダを、ダイスの成形凹部に向けて外方から内方に進退自在とすると共に、固定ダイフェース及び固定ブランクホルダに対し高さ方向に変位自在とし、
    ブランクの押し込みに伴い可動ダイフェース及び可動ブランクホルダを外方から内方に前進させる第1駆動手段と、可動ダイフェースとポンチとの間で引張られるブランク部分の傾斜角と固定ダイフェースとポンチとの間で引張られるブランク部分の傾斜角とが一致するように可動ダイフェース及び可動ブランクホルダを高さ方向に変位させる第2駆動手段とを設ける、
    ことを特徴とする絞り成形装置。
  3. 可動ダイフェースとダイス本体との間及び可動ブランクホルダとブランクホルダ本体との間に夫々楔状の摺動部材を介設し、両摺動部材を第2駆動手段により摺動させて、可動ダイフェース及び可動ブランクホルダを高さ方向に変位させることを特徴とする請求項に記載の絞り成形装置。
  4. 絞り深さの比較的浅い製品部分となるブランク部分の周辺部を挟持するダイフェース部を固定ダイフェースで構成し、絞り深さの比較的深い製品部分となるブランク部分の周辺部を挟持するダイフェース部を可動ダイフェースで構成することを特徴とする請求項2又は3に記載の絞り成形装置。
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