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JP3723929B2 - 放電灯点灯装置および照明装置 - Google Patents

放電灯点灯装置および照明装置 Download PDF

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JP3723929B2
JP3723929B2 JP2001557843A JP2001557843A JP3723929B2 JP 3723929 B2 JP3723929 B2 JP 3723929B2 JP 2001557843 A JP2001557843 A JP 2001557843A JP 2001557843 A JP2001557843 A JP 2001557843A JP 3723929 B2 JP3723929 B2 JP 3723929B2
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広康 私市
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Mitsubishi Electric Corp
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  • Circuit Arrangements For Discharge Lamps (AREA)

Description

【技術分野】
【0001】
この発明は、商用交流を電源とする放電灯点灯装置およびこの放電灯点灯装置を具備した照明装置に関し、特に高力率で放電灯を点灯させるものである。
【背景技術】
【0002】
まず、従来の放電灯装置について図9を参照しながら説明する。図9は例えば特開平9−45490号公報に示された従来の放電灯装置の回路構成図である。
図9において、101は商用電源、102は整流回路、103は昇圧インバータ、104は降圧インバータ、105は矩形波回路、106は始動回路、107は放電灯、108は昇圧インバータ制御回路、109は降圧インバータ制御回路、110は矩形波制御回路、111は制御電源回路である。
【0003】
つぎに、この従来の放電灯装置の動作について図面を参照しながら説明する。商用交流電源101から電力が供給されると、制御電源回路111が制御電源を生成して、昇圧インバータ制御回路108、降圧インバータ制御回路109、矩形波制御回路110へ供給し、各回路が動作を開始する。
まず、商用交流電源101からの交流電力は整流回路102で整流され、昇圧インバータ103へ印加される。昇圧インバータ103はその直流電圧を例えば400ボルトの直流電圧に変換する。この時、昇圧インバータ制御回路108は、昇圧インバータ103への入力電流の波形歪みを修正して、入力力率がほぼ100%となるように、昇圧インバータ103を制御する。
【0004】
次に、降圧インバータ104は、昇圧インバータ103からの直流電圧を放電灯107の負荷変動に対応した直流電圧に変換する。この時、降圧インバータ制御回路109は、放電灯107に流れる電流が所定電流、例えば2アンペアの一定電流になるように、降圧インバータ104の出力電圧を制御する。
矩形波回路105は、降圧インバータ104からの直流電圧を交流矩形波に変換する。この時、矩形波制御回路110は、放電灯107に流れる電流が、例えば100ヘルツの所定周波数の交流矩形波となるように、矩形波回路105を制御する。
始動回路106は、矩形波回路105からの交流矩形波により、高電圧パルスを発生させて、放電灯107の点灯を始動させる。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−45490号公報(第2−3頁、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
放電灯装置は、力率が低い場合には商用交流の電力系統設備に悪影響を及ぼしてしまうため、悪影響を及ぼさないように、高力率の放電灯装置が求められている。そこで、機器を高力率にするためには、従来の放電灯装置のように、昇圧インバータ103を用いて、交流電圧を直流電圧に変換する必要がある。
しかし、昇圧インバータ103を搭載した場合には、昇圧インバータ103そのものが大きく、重く、高価格であるため、放電灯装置自身の大きさも大きくなり、また重く、さらには価格も高くなってしまう。
【0007】
この発明は、前述した課題、問題点を解決するためになされたもので、機器を高力率にしても小型化でき、安価な放電灯点灯装置および照明装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る放電灯点灯装置は、商用交流電源を全波整流する整流回路と、この整流回路による電圧を昇圧または降圧する昇降圧回路と、この昇降圧回路による昇降圧を制御する制御部と、前記昇降圧回路により昇降圧された電圧の極性を切り換える極性切換回路と、この極性切換回路による電流が流される放電灯と、商用交流電源のゼロクロスを検出する検出部とを備え、前記検出部によるゼロクロス検出信号を受け、前記放電灯に流れる電流を商用交流電源の周波数と同一の周波数で、0度および180度の位相付近よりも90度および270度の位相付近が大きくなるように前記制御部により前記昇降圧回路を制御するものである。
【0009】
また、この発明に係る放電灯点灯装置は、前記極性切換回路により前記放電灯に流れる電流の向きを商用交流電源の周波数と同一の周波数で極性を切り換える時に、少なくとも商用交流電源の0度の位相付近と180度の位相付近で放電灯に流れる電流を切り換えるものである。
【0010】
さらに、この発明に係る放電灯点灯装置は、前記極性切換回路により前記放電灯に流れる電流の向きを商用交流電源の周波数と同一の周波数で極性を切り換える時に、少なくとも商用交流電源の90度の位相付近と270度の位相付近で放電灯に流れる電流を切り換えるものである。
【0011】
また、この発明に係る放電灯点灯装置は、前記検出部に商用交流電源の位相を検出する機能を備え、前記放電灯に流れる電流を商用交流電源電圧と略同位相で、かつ、略正弦波になるように、前記制御部により前記昇降圧回路を制御し、前記極性切換回路により電流の極性を切り換えるものである。
【0012】
また、この発明に係る放電灯点灯装置は、前記放電灯に流れる電流が、90度および270度の位相付近で一定になるように制御するものである。
【0013】
また、この発明に係わる放電灯点灯装置は、前記放電灯に流れる電流が、正弦波の二乗波形になるように制御するものである。
【0014】
また、この発明に係る放電灯点灯装置は、前記放電灯に供給される電圧を検出する電圧検出部を備え、前記電圧検出部による検出値に応じて前記制御部により前記昇降圧回路を制御し、前記放電灯へ入力される電力を一定にするものである。
【0015】
また、この発明に係る照明装置は、上記のいずれかに記載の放電灯点灯装置を具備したものである。
【発明の効果】
【0016】
この発明に係る放電灯点灯装置は、商用交流電源を全波整流する整流回路と、この整流回路による電圧を昇圧または降圧する昇降圧回路と、この昇降圧回路による昇降圧を制御する制御部と、前記昇降圧回路により昇降圧された電圧の極性を切り換える極性切換回路と、この極性切換回路による電流が流される放電灯と、商用交流電源のゼロクロスを検出する検出部とを備え、前記検出部によるゼロクロス検出信号を受け、前記放電灯に流れる電流を商用交流電源の周波数と同一の周波数で、0度および180度の位相付近よりも90度および270度の位相付近が大きくなるように前記制御部により前記昇降圧回路を制御するので、放電灯点灯装置への入力電流が、商用交流電圧と同期して高力率となり、昇圧インバータの様な力率改善回路を用いなくても、入力力率が高くなり、安価で小型化できるという効果を奏する。
【0017】
また、この発明に係る放電灯点灯装置は、前記極性切換回路により前記放電灯に流れる電流の向きを商用交流電源の周波数と同一の周波数で極性を切り換える時に、少なくとも商用交流電源の0度の位相付近と180度の位相付近で放電灯に流れる電流を切り換えるので、切り換え時に放電灯に流れている電流はほぼゼロなので、流れている電流に比例して生じる切り換え損失がなく、ノイズの発生も押さえられ、高効率にできるという効果を奏する。
【0018】
さらに、この発明に係る放電灯点灯装置は、前記極性切換回路により前記放電灯に流れる電流の向きを商用交流電源の周波数と同一の周波数で極性を切り換える時に、少なくとも商用交流電源の90度の位相付近と270度の位相付近で放電灯に流れる電流を切り換えるので、極性による放電灯の発光効率が原因で生じる光束のピーク差がなくなり、チラツキを少なくできるという効果を奏する。
【0019】
また、この発明に係る放電灯点灯装置は、前記検出部に商用交流電源の位相を検出する機能を備え、前記放電灯に流れる電流を商用交流電源電圧と略同位相で、かつ、略正弦波になるように、前記制御部により前記昇降圧回路を制御し、前記極性切換回路により電流の極性を切り換えるので、商用交流電源から放電灯点灯装置に流れ込む電流も正弦波状になり、歪みを少なくできるという効果を奏する。
【0020】
また、この発明に係る放電灯点灯装置は、前記放電灯に流れる電流が、90度および270度の位相付近で一定になるように制御するので、光束のピーク付近でフラットになる部分が増えるので、チラツキを少なくできるという効果を奏する。
【0021】
また、この発明に係る放電灯点灯装置は、前記放電灯に流れる電流が、商用交流電源電圧に同期した正弦波の二乗になるように制御するので、入力電流が商用交流電源電圧に同期した正弦波の波形となり、最も入力電流の歪みが少なく、かつ、力率が良くなるという効果を奏する。
【0022】
また、この発明に係る放電灯点灯装置は、前記放電灯に供給される電圧を検出する電圧検出部を備え、前記電圧検出部による検出値に応じて前記制御部により前記昇降圧回路を制御し、前記放電灯へ入力される電力を一定にするので、放電灯への投入電力が、放電灯の経年変化、個体差により生じる放電灯電圧の違いに関係なく一定となり、放電灯の経年変化、個体差により生じる放電灯電圧の違いに関係なく、明るさを一定にできるという効果を奏する。
【0023】
また、この発明に係る照明装置は、上記のいずれかに記載の放電灯点灯装置を具備したので、チラツキの少なく、低価格な、小型の照明器具を提供できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、この発明の各実施例について図面に基づいて説明する。
実施例1.
この発明の実施例1に係る放電灯点灯装置について図1から図2を参照しながら説明する。図1はこの発明の実施例1に係る放電灯点灯装置の構成を示すブロック図、また、図2はこの発明の実施例1に係る放電灯点灯装置の動作を示す動作波形図である。
【0025】
図1において、1は商用交流電源、2は商用交流を全波整流するダイオードブリッジからなる整流回路、3は全波整流された電圧の昇圧および降圧を行う昇降圧コンバータであり、昇降圧コンバータ3はスイッチング素子3a、トランス3b、ダイオード3c、コンデンサ3dから構成されている。
4は放電灯6に流れる電流を検出する電流検出抵抗、5は放電灯6に流れる電流の極性を変える極性切り換え回路であり、スイッチング素子5a、スイッチング素子5b、スイッチング素子5c、スイッチング素子5dから構成されている。6は放電灯、7は高圧パルスを発生させて放電灯6を始動させる始動パルス発生回路、8は制御電源を生成する制御電源生成回路である。
9は制御回路であり、商用交流のゼロクロスを検出する検出部9a、昇降圧コンバータ3を制御する制御部9b、電流検出抵抗4による放電灯6の電流を検出する電流検出部9c、始動パルス発生回路7を制御する始動パルス制御部9d、目標電流演算部9e、極性切り換え回路5を制御する制御部9fから構成されている。
【0026】
図2において、(a)は商用交流電源1の電流電圧波形、(b)は極性切り換え回路5のスイッチング素子5aおよびスイッチング素子5dのON/OFF状態、(c)は極性切り換え回路5のスイッチング素子5bおよびスイッチング素子5cのON/OFF状態、(d)は目標電流演算部9eにより演算された目標電流、(e)は放電灯6を流れる電流をそれぞれ示す。
【0027】
次にこの発明の実施例1に係る放電灯点灯装置の動作について図面を参照しながら説明する。
まず、商用交流電源1から電力が供給されると、制御電源生成回路8が制御回路9への制御電源を生成して供給し、制御回路9が動作を開始する。制御回路9では、始動パルス制御部9dが始動パルス発生回路7を制御し、放電灯6に高圧パルスを印加して放電灯6を点灯させる。
放電灯6が点灯すると、電流検出抵抗4に電流が流れ始め、この電流を電流検出部9cが検出する。一方、目標電流演算部9eでは目標電流が演算される。そこで、制御部9bは、電流検出部9cにより検出された電流と目標電流演算部9eにより演算された目標電流を比較し、検出電流と目標電流が等しくなるように昇降圧コンバータ3を制御し、フィードバック制御を行う。
【0028】
昇降圧コンバータ3では、スイッチング素子3aは数十kHzの高周波でON/OFFを繰り返し、スイッチング素子3aがON状態の場合にはトランス3bの一次側に電流が流れて、トランス3bにエネルギーが蓄積される。一方、スイッチング素子3aがOFF状態の場合には、蓄えられたエネルギーがトランス3bの二次側に電力として放出される。放出された電力は、数十kHzの高周波なので、ダイオード3cとコンデンサ3dにより高周波成分が除去されて放電灯6に供給される。
そこで、制御部9bは、目標電流演算部9eによる目標電流よりも電流検出部9cによる検出電流が少ない場合には、スイッチング素子3aのON状態の時間を増やすことにより、二次側に放出される電力を増加させ、放電灯6に流れる電流を増やす。また、目標電流より検出電流が大きい場合には、スイッチング素子3aのON状態の時間を減らすことにより、二次側に放出される電力を減少させ、放電灯6に流れる電流を減らす。これらの動作を高速で行うことにより、放電灯6の電流が目標電流と一致するように制御する。
【0029】
次に、制御部9fは、極性切り換え回路5を制御し、スイッチング素子5aとスイッチング素子5dの組とスイッチング素子5cとスイッチング素子5bの組を交互にON状態にさせることにより、昇降圧コンバータ3から出力された直流電流を交流電流とし、放電灯6へ流す。
そこで、検出部9aは、商用交流電源1における電圧の周期的な変化において、零ボルトになった場合にゼロクロス検出信号を出力する。
目標電流演算部9eは、検出部9aからのゼロクロス検出信号を受け、例えば、図2の(a)に示すような商用交流電圧波形に対して、図2の(d)に示すように0度および180度付近では目標電流値を小さく、90度および270度付近では目標電流値を大きくなるように目標電流を演算する。
制御部9fは、検出部9aからのゼロクロス検出信号を受け、スイッチング素子5aとスイッチング素子5dの組は図2の(b)に示すようにON状態とOFF状態を切り替え、スイッチング素子5cとスイッチング素子5bの組は図2の(c)に示すようにON状態とOFF状態を切り替える。
【0030】
これにより、放電灯6に流れる電流は、図2の(e)に示すように極性が0度、180度で切り換えられ、図2の(a)の商用交流電源1に同期した正弦波状の電流となる。商用交流電源1から放電灯点灯装置に流れ込む電流と放電灯6に流れる電流は比例関係にあるので、放電灯点灯装置の入力電流も商用交流電源1に同期した正弦波状の電流となり、入力力率が高くなり、また、昇圧インバータのような力率改善回路が不要であるため、小型で安価な放電灯点灯装置を得ることができる。
【0031】
実施例2.
この発明の実施例2に係る放電灯点灯装置について図1、図3を参照しながら説明する。図1はこの発明の実施例2に係る放電灯点灯装置の構成を示すブロック図であり、実施例1と同じ図である。また、図3はこの発明の実施例2に係る放電灯点灯装置の動作を示す動作波形図である。
図3において、(a)は商用交流電源1の電流電圧波形、(b)改善前の放電灯6から放出される光束、(c)は極性切り換え回路5のスイッチング素子5aおよびスイッチング素子5dのON/OFF状態、(d)は極性切り換え回路5のスイッチング素子5bおよびスイッチング素子5cのON/OFF状態、(e)は目標電流演算部9eにより演算された目標電流、(f)は放電灯6に流れる電流、(g)は改善後の放電灯6から放出される光束をそれぞれ示す。
【0032】
次にこの発明の実施例2に係る放電灯点灯装置の動作について図面を参照しながら説明する。
まず、実施例1では、放電灯6へ流す電流の極性切り換えは、図2の(e)に示すように商用交流電源1の0度と180度で行っているが、この時の放電灯6の放つ光束の大きさは、図3の(b)に示すように極性によって段差が生じている。これは、放電灯へ正負で同じ大きさの電流を流したとしても、極性により発光効率が異なるために生じてしまう現象である。さらに、図3の(b)の光束のピークを結ぶと、図3の(i)のような脈流の波形となり、人間の目には、この低周波の脈流がチラツキとして感じやすくなる。
【0033】
そこで、実施例2では、制御部9fが極性切り換え回路5を制御し、図3の(a)の商用交流電圧波形に対して、スイッチング素子5aとスイッチング素子5dの組は図3の(c)に示すように、スイッチング素子5bとスイッチング素子5cの組は図3の(d)に示すように、それぞれ90度と270度でON状態とOFF状態を切り替える。これにより、目標電流演算部9eにより演算され、昇降圧コンバータ3から出力された図3の(e)に示す目標電流が、極性切り換え回路5により図3の(f)に示すように極性が切り替えられ、0度、180度付近では電流値を小さく、90度、270度付近では電流を大きくして、放電灯6に流れる。
【0034】
これにより、放電灯6に流れる電流が商用交流電源電圧と略同位相で、絶対値が略正弦波電流に制御され、放電灯6の放つ光束の大きさは、図3の(g)に示すようになり、光束のピーク値が揃う特性を有することになり、実施例1に比べて、人間の目にはチラツキが感じにくくなる。
【0035】
実施例3.
この発明の実施例3に係る放電灯点灯装置について図4を参照しながら説明する。図4はこの発明の実施例3に係る放電灯点灯装置の構成を示すブロック図である。
図4において、電流検出抵抗4は整流回路2と昇降圧コンバータ3の間に設けられており、他の構成については、上記実施例1または上記実施例2の放電灯点灯装置と同一である。
【0036】
次にこの発明の実施例3に係る放電灯点灯装置の動作について図面を参照しながら説明する。電流検出抵抗4以外の構成部分の動作については、上記実施例1または上記実施例2の放電灯点灯装置と同一である。
電流検出抵抗4の動作については、上記実施例1または上記実施例2の放電灯点灯装置では放電灯電流を検出していたが、実施例3では放電灯点灯装置の入力電流を検出し、この入力電流が0度および180度付近では電流値を小さく、90度および270度付近では電流値を大きくなるように目標電流を演算する。制御部9bは、この目標電流と電流検出部9cによる検出電流が等しくなるように昇降圧コンバータ3を制御し、フィードバック制御を行う。
【0037】
これにより、放電灯点灯装置の入力電流も商用交流電源1に同期した正弦波状の電流となり、入力力率が高くなり、また、昇圧コンバータのような力率改善回路が不要であるため、小型で安価な放電灯点灯装置を得ることができる。
【0038】
実施例4.
この発明の実施例4に係る放電灯点灯装置について図5を参照しながら説明する。図5はこの発明の実施例4に係る放電灯点灯装置の構成を示すブロック図である。
図5において、9gは制御回路9内に設けられた放電灯電圧検出部であり、他の構成については、上記実施例1または上記実施例2の放電灯点灯装置と同一である。
【0039】
次にこの発明の実施例4に係る放電灯点灯装置の動作について図5を参照しながら説明する。放電灯電圧検出部9g以外の構成部分の動作については、上記実施例1または上記実施例2の放電灯点灯装置と同一である。
制御回路9の動作については、目標電流演算部9eが放電灯電圧検出部9gからの放電灯6の電圧情報を受け、放電灯6の電圧が高い場合は目標電流の振幅を小さくする、例えば放電灯電圧が100ボルトの場合は目標電流の振幅を1.5アンペアとし、放電灯6の電圧が低い場合は目標電流の振幅を大きくする、例えば放電灯電圧が75ボルトの場合は目標電流の振幅を2.0アンペアとする。制御部9bは、この目標電流と電流検出部9cによる検出電流が等しくなるように昇降圧コンバータ3を制御し、フィードバック制御を行う。
【0040】
これにより、放電灯への投入電力が、放電灯の経年変化、個体差により生じる放電灯電圧の違いに関係なく一定となり、明るさが一定となる。
【0041】
実施例5.
この発明の実施例5に係る放電灯点灯装置について図6を参照しながら説明する。図6はこの発明の実施例5に係る放電灯点灯装置の構成を示すブロック図である。
図6において、1は商用交流電源、2は商用交流を全波整流するダイオードブリッジからなる整流回路、3は全波整流された電圧の昇圧および降圧を行う昇降圧コンバータであり、昇降圧コンバータ3はスイッチング素子3a、トランス3b、ダイオード3c、ダイオード3f、コンデンサ3d、コンデンサ3eから構成されている。
【0042】
4は放電灯6に流れる電流を検出する電流検出抵抗、5は放電灯6に流れる電流の極性を変える極性切り換え回路であり、スイッチング素子5a、スイッチング素子5bから構成されている。6は放電灯、7は高圧パルスを発生させて放電灯6を始動させる始動パルス発生回路、8は制御電源を生成する制御電源生成回路である。
9は制御回路であり、商用交流のゼロクロスを検出する検出部9a、昇降圧コンバータ3を制御する制御部9b、電流検出抵抗4による放電灯6の電流を検出する電流検出部9c、始動パルス発生回路7を制御する始動パルス制御部9d、目標電流演算部9e、極性切り換え回路5を制御する制御部9fから構成されている。
【0043】
次にこの発明の実施例5に係る放電灯点灯装置の動作について図面を参照しながら説明する。
まず、商用交流電源1から電力が供給されると、制御電源生成回路8が制御回路9への制御電源を生成して供給し、制御回路9が動作を開始する。制御回路9では、始動パルス制御部9dが始動パルス発生回路7を制御し、放電灯6に高圧パルスを印加して放電灯6を点灯させる。
放電灯6が点灯すると、電流検出抵抗4に電流が流れ始め、この電流を電流検出部9cが検出する。一方、目標電流演算部9eでは目標電流が演算される。そこで、制御部9bは、電流検出部9cにより検出された電流と目標電流演算部9eにより演算された目標電流を比較し、検出電流と目標電流が等しくなるように昇降圧コンバータ3を制御し、フィードバック制御を行う。
【0044】
昇降圧コンバータ3では、スイッチング素子3aは数十kHzの高周波でON/OFFを繰り返し、スイッチング素子3aがON状態の場合にはトランス3bの一次側に電流が流れて、トランス3bにエネルギーが蓄積される。一方、スイッチング素子3aがOFF状態の場合には、蓄えられたエネルギーがトランス3bの二次側に電力として放出される。
このとき、極性切り換え回路5のスイッチング素子5aがON状態の場合には、放出された数十kHzの高周波電力は、ダイオード3cとコンデンサ3dにより高周波成分が除去されて、図6の(a)の矢印方向に電流が流れる。一方、極性切り換え回路5のスイッチング素子5bがON状態の場合には、放出された数十kHzの高周波電力は、ダイオード3fとコンデンサ3eにより高周波成分が除去されて、図6の(b)の矢印方向に電流が流れる。
【0045】
制御部9bは、目標電流演算部9eによる目標電流よりも電流検出部9cによる検出電流が少ない場合には、スイッチング素子3aのON状態の時間を増やすことにより、二次側に放出される電力を増加させ、放電灯6に流れる電流を増やす。また、目標電流より検出電流が大きい場合には、スイッチング素子3aのON状態の時間を減らすことにより、二次側に放出される電力を減少させ、放電灯6に流れる電流を減らす。これらの動作を高速で行うことにより、放電灯6の電流が目標電流と一致するように制御する。
制御部9fは、極性切り換え回路5を制御し、スイッチング素子5aとスイッチング素子5bを交互にON状態にさせることで、放電灯6に交流の電流が流れる。
【0046】
検出部9aは、商用交流電源1のゼロクロスとゼロクロス間の周期を検出し、目標電流演算部9eは、検出部9aからのゼロクロス検出信号を受け、例えば、図2の(a)に示すように商用交流電圧波形に対して図2(d)に示すように0度、180度付近では目標電流を小さく、90度、270度付近では目標電流が大きくなるように目標電流を演算する。
制御部9fは検出部9aからのゼロクロス検出信号を受け、実施例1のようにスイッチング素子5aとスイッチング素子5bを商用交流電源の0度、180度で切り換えて、放電灯6に流れる電流を商用交流電源の0度、180度で反転させる。
【0047】
これにより、放電灯6に流れる電流は、商用交流電源1に同期した正弦波状の電流となり、商用交流電源1から放電灯点灯装置に流れ込む電流と放電灯6に流れる電流は比例関係にあるので、放電灯点灯装置の入力電流も商用交流電源1に同期した正弦波状の電流となり、入力力率が高くなり、また、昇圧インバータのような力率改善回路が不要であるため、小型で安価な放電灯点灯装置を得ることができる。
あるいは、制御部9fはゼロクロス検出信号を受け、実施例2のようにスイッチング素子5aとスイッチング素子5bを商用交流電源の90度、270度で切り換えて、放電灯6に流れる電流を商用交流電源の90度、270度で反転させる。
これにより、放電灯6の放つ光束の大きさは、光束のピーク値が揃う特性を有することになり、人間の目にはチラツキが感じにくくなる。
【0048】
実施例6.
この発明の実施例6に係る放電灯点灯装置について図7を参照しながら説明する。図7はこの発明の実施例6に係る放電灯点灯装置の動作を示す動作波形図である。
図7において、(a)は商用交流電源1の電流電圧波形、()は上記実施例1〜5による目標電流演算部9eにより演算された目標電流、(c)は本実施例による目標電流演算部9eにより演算された90度付近、270度付近でフラットとなる目標電流である。
【0049】
この実施例では、図7(c)以外の動作ついては、上記実施例1〜5と同様である。
目標電流演算部9eでは、図7(c)の目標電流が演算され、制御部9bは、電流検出部9cにより検出された電流と目標電流演算部9eにより演算された目標電流を比較し、検出電流と目標電流が等しくなるように昇降圧コンバータ3を制御し、フィードバック制御を行う。
これにより、電流波形と同様に光束のピーク部分がフラットになり、さらにチラツキが少なくなる。
【0050】
実施例7.
この発明の実施例7に係わる放電灯点灯装置について図8を参照しながら説明する。図8はこの発明の実施例7に係る放電灯点灯装置の動作を示す動作波形図である。
図8において、(a)は放電灯電流波形、(b)は放電灯電圧波形である。この実施例では、図8以外の動作ついては、上記実施例1〜6と同様である。
【0051】
図8からも明らかなように、放電灯電圧は放電灯電流が小さいところでは、再点弧電圧により眺ね上がりが見られるが、それ以外のところでは、放電灯電流にかかわらず、一定の電圧となる定電圧特性を示す。
放電灯電圧が所定の定電圧Aで、商用交流電源電圧がV・sinθの時、商用交流電源から放電灯点灯装置に流れる電流を商用交流電源電圧に同期したI・sinθの波形としたい場合には、V・sinθ×I・sinθ=A×放電灯電流の式から、放電灯電流はsinθの二乗の波形にすれば、入力電流が商用交流電源電圧に同期したsinθの波形となり、最も入力電流の歪みが少なく、かつ、力率が良くなる。
目標電流演算部9eでは、sinθの二乗の波形の目標電流が演算され、制御部9bは、電流検出部9cにより検出された電流と目標電流演算部9eにより演算された目標電流を比較し、検出電流と目標電流が等しくなるように昇降圧コンバータ3を制御し、フィードバック制御を行う。
【0052】
なお、上記実施例1〜7は放電灯点灯装置について説明したが、これらの放電灯点灯装置を照明装置に取りつけることにより、チラツキの少なく、低価格な、小型の照明器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】この発明の実施例1、2に係る放電灯点灯装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施例1に係る放電灯点灯装置の動作を示す動作波形図である。
【図3】この発明の実施例2に係る放電灯点灯装置の動作を示す動作波形図である。
【図4】この発明の実施例3に係る放電灯点灯装置の構成を示すブロック図である。
【図5】この発明の実施例4に係る放電灯点灯装置の構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施例5に係る放電灯点灯装置の構成を示すブロック図である。
【図7】この発明の実施例6に係る放電灯点灯装置の動作を示す動作波形図である。
【図8】この発明の実施例7に係る放電灯点灯装置の動作を示す動作波形図である。
【図9】従来の放電灯点灯装置を示す回路構成図である。
【符号の説明】
【0054】
1 商用交流電源、 2 整流回路、 3 昇降圧コンバータ、 4 電流検出抵抗、 5 極性切り換え回路、 6 放電灯、 7 始動パルス発生回路、 8 制御電源生成回路、 9 制御回路。

Claims (8)

  1. 商用交流電源を全波整流する整流回路と、この整流回路による電圧を昇圧または降圧する昇降圧回路と、この昇降圧回路による昇降圧を制御する制御部と、前記昇降圧回路により昇降圧された電圧の極性を切り換える極性切換回路と、この極性切換回路による電流が流される放電灯と、商用交流電源のゼロクロスを検出する検出部とを備え、前記検出部によるゼロクロス検出信号を受け、前記放電灯に流れる電流を商用交流電源の周波数と同一の周波数で、0度および180度の位相付近よりも90度および270度の位相付近が大きくなるように前記制御部により前記昇降圧回路を制御することを特徴とする放電灯点灯装置。
  2. 前記極性切換回路により前記放電灯に流れる電流の向きを商用交流電源の周波数と同一の周波数で極性を切り換える時に、少なくとも商用交流電源の0度の位相付近と180度の位相付近で放電灯に流れる電流を切り換えることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  3. 前記極性切換回路により前記放電灯に流れる電流の向きを商用交流電源の周波数と同一の周波数で極性を切り換える時に、少なくとも商用交流電源の90度の位相付近と270度の位相付近で放電灯に流れる電流を切り換えることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  4. 前記検出部に商用交流電源の位相を検出する機能を備え、
    前記放電灯に流れる電流を商用交流電源電圧と略同位相で、かつ、略正弦波になるように、前記制御部により前記昇降圧回路を制御し、前記極性切換回路により電流の極性を切り換えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の放電灯点灯装置。
  5. 前記放電灯に流れる電流が、90度および270度の位相付近で一定になるように制御することを特徴とする請求項4記載の放電灯点灯装置。
  6. 前記放電灯に流れる電流が、商用交流電源電圧に同期した正弦波の二乗になるように制御することを特徴とする請求項4記載の放電灯点灯装置。
  7. 前記放電灯に供給される電圧を検出する電圧検出部を備え、
    前記電圧検出部による検出値に応じて前記制御部により前記昇降圧回路を制御し、前記放電灯へ入力される電力を一定にすることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の放電灯点灯装置。
  8. 上記請求項1〜7のいずれかに記載の放電灯点灯装置を具備したことを特徴とする照明装置。
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