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JP3723084B2 - チューブフラムポンプ - Google Patents

チューブフラムポンプ Download PDF

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JP3723084B2 JP2001059670A JP2001059670A JP3723084B2 JP 3723084 B2 JP3723084 B2 JP 3723084B2 JP 2001059670 A JP2001059670 A JP 2001059670A JP 2001059670 A JP2001059670 A JP 2001059670A JP 3723084 B2 JP3723084 B2 JP 3723084B2
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Iwaki Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チューブフラムを非圧縮性の作動流体によって膨脹・収縮させて移送流体を移送するチューブフラムポンプに関し、特に半導体製造装置におけるフォトレジストディスペンサ等の高精度な液体移送に適したチューブフラムポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
スピンコータによって半導体ウェアの表面にフォトレジスト膜を形成するような場合には、フォトレジストディスペンサとして極めて高精度にレジスト液を移送できるポンプが要求される。このような用途に適した高精度ポンプとして、従来より、ゴムや樹脂等の可撓性材料からなるチューブフラムを用いたチューブフラムポンプが知られている。
【0003】
チューブフラムポンプは、円柱状空間を形成するポンプヘッドの内部に円筒状のチューブフラムを同軸配置し、チューブフラムの内側をポンプ室、外側を作動流体室とすると共に、チューブフラムの一端を吸込口、他端を吐出口としてそれぞれに逆止弁を配置したものである。チューブフラムの外側の作動流体室には、非圧縮性の作動流体が封入され、この作動流体の押出及び吸引をアクチュエータで繰り返すことにより、チューブフラムを径方向に膨脹・収縮させて、チューブフラムの内側のポンプ室に移送流体を吸込み及び吐出して流体の移送を行うものである。従来、非圧縮性の作動流体の押出及び吸引を行うアクチュエータとして、ベローズを用いた方式、プランジャを用いた方式等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のチューブフラムポンプのうち、アクチュエータとしてベローズを用いた方式は、ベローズの軸方向の伸縮に対し、径方向にも若干の変位が発生し、その変位がチューブフラムの膨脹・収縮に影響を与え、吐出応答性及び吐出精度を高めることができないという問題がある。また、プランジャを用いた方式では、プランジャとシリンダとの間のシール部にOリングやパッキン等の弾性体を使用するのが一般的である。このシール部の弾性体は、プランジャの動き、あるいは弾性体に加わる内圧の変動によって、作動流体室に若干の体積変化を発生させたり、プランジャの位置ずれを発生させる。このため、ベローズを用いた場合と同様、ポンプの吐出応答性及び吐出精度が低下してしまう。
【0005】
また、プランジャ方式の場合、上述した弾性シールを廃止するため、作動流体の漏れが殆ど発生しない程度に、プランジャとシリンダとの間のクリアランスを極小に設定することも有効な措置として考えられるが、この場合、プランジャとシリンダとの間に僅かでも芯ずれが生じると、いわゆるかじりが発生してプランジャとシリンダとがロックしてしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、吐出応答性及び吐出精度が極めて高いチューブフラムポンプを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るチューブフラムポンプは、チューブフラムを内蔵しこのチューブフラムの内側をポンプ室、外側を非圧縮性の作動流体が封入された作動流体室としたポンプ本体と、このポンプ本体の前記作動流体室に封入された作動流体で前記チューブフラムを膨脹・収縮させて前記ポンプ本体を駆動するアクチュエータとを備えたチューブフラムポンプにおいて、前記アクチュエータは、前記作動流体室に連通し内部に作動流体が封入されたシリンダと、先端側が前記シリンダ内に往復動自在に収容され基端側が前記シリンダの外部に突出したプランジャと、このプランジャと平行に配置され駆動軸に沿って可動体を直線的に往復駆動する直線駆動機構と、この直線駆動機構の可動体と前記プランジャの基端側とを連結すると共に前記プランジャの前記シリンダに対する自動心出し機能を備えた連結部材とを備えたものであり、前記連結部材は、前記可動体に装着された球面軸受と、前記プランジャの基端側からプランジャの軸心方向と直交する方向に突出し前記球面軸受に移動自在に挿入されたプランジャピンとを備えてなるものであることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、チューブフラムを膨脹・収縮させるアクチュエータを構成するプランジャが、自動心出し機能を備えた連結部材を介して直線駆動機構により駆動されるので、プランジャの往復動に際して、プランジャが常にシリンダに対して心出しされ、シリンダとプランジャとの間でかじりが発生することがなく、これにより、シリンダとプランジャとの間のクリアランスをプランジャが往復動できる最小限度まで小さくすることができる。このため、本発明によれば、作動流体室の体積変化やプランジャの位置ずれは殆ど発生せず、ポンプの吐出応答性及び吐出精度を極めて高めることができる。
【0009】
また、本発明によれば、前述したように、シリンダとプランジャとの間のクリアランスをプランジャが往復動できる最小限度まで小さくすることができるので、プランジャ先端で押し出し、且つ引き戻す非圧縮性の作動流体のプランジャ側面へのリークは殆ど発生しない。しかし、万一、微少量がリークすることが予想される場合には、例えばシリンダの基端部とプランジャとの間に、両者の間を補助的にシールする補助シール部材を装着しておけば良い。このような補助的なシール部材であれば、作動流体室の体積変化やプランジャの位置ズレは殆ど無視できる程度の値となる。
【0011】
なお、直線駆動機構としては、例えば前記駆動軸に沿って配置された雄ネジ及びこの雄ネジにボールを介して螺合する可動体としての雌ネジを有するボールネジユニットと、前記雄ネジを回転駆動するモータとを備えて構成することができる。
【0012】
本発明に係るチューブフラムポンプは、例えば半導体ウェハのフォトレジストディスペンサ等、移送流体を高精度に移送する必要がある用途に適している。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1はこの発明の一実施形態に係るチューブフラムポンプの断面図、図2は図1の左から見た側面図、図3は同じく右側から見た側面図である。
このチューブフラムポンプは、チューブフラム型のポンプ本体100と、これを駆動するアクチュエータ200とから構成されている。
【0014】
ポンプ本体100は、内部に円筒状空間を形成するポンプヘッド110の内部に例えばフッ素樹脂からなる可撓性のチューブフラム120を同軸的に収容してなる。ポンプヘッド110の下端にはインポート130がOリング135を介して接続され、上端にはアウトポート140がOリング145を介して接続されている。インポート130は、内部に吸込側のチャッキバルブ131,132を収容し、下端にキャップ133を介して吸込管134を接続してなる。アウトポート140は、内部に吐出側のチャッキバルブ141,142を収容し、上端にキャップ143を介して吐出管144を接続してなる。チューブフラム120の内側には、多量の移送流体、例えばフォトレジスト液の滞留を防止するため、ポンプヘッド110と一体につながる円柱体111が配置され、この円柱体111の外周面とチューブフラム120の内周面とで移送流体Aを移送するための円筒状のポンプ室121が形成されている。ポンプ室121は、その下端で吸込孔122を介してチャッキバルブ132の吐出側と連通し、その上端で吐出孔123を介してチャッキバルブ141の吸込側と連通している。チューブフラム120の外側とポンプヘッド110の内側の間には、円筒状の作動流体室112が形成され、この作動流体室112にフッ素オイル等の作動流体Bが封入されている。
【0015】
一方、この作動流体Bを移動させるアクチュエータ200は、次のように構成されている。即ち、ポンプヘッド110の側面には、ポンプヘッド110に形成された孔113を介して作動流体室112につながる作動流体室211が形成されたシリンダブラケット210がシール212を介して接続されている。このシリンダブラケット210の側面には、作動流体室211に作動流体Bを注入するための注入孔213が形成され、この注入孔213は、ボディキャップ214で塞がれている。シリンダブラケット210のポンプヘッド110と反対側には、作動流体室211につながる円筒状のシリンダ220がOリング221を介して装着され、ナット222によってシリンダブラケット210に固定されている。シリンダ220の内部には、プランジャ230の先端側が進退自在に挿入されている。プランジャ230とシリンダ220のクリアランスは、プランジャ230がシリンダ220内を往復動することができる最小限度の値、例えば直径で3μm〜5μmに設定されている。プランジャ230とシリンダ220とは、シリンダ220の基端部においてナット222により固定された補助シール231によって補助的にシールされ、プランジャ230とシリンダ220との間をリークした作動流体Bのシリンダ外部への漏れ出しを確実に防止する。
【0016】
一方、ベース240には、3枚のブラケット241,242,243が立設され、ブラケット241〜243の上にカバー244が装着されて、内部にリニア駆動機構250が収納されている。シリンダブラケット210のシリンダ220側の端部は、ブラケット241に連結されており、プランジャ230の基端部は、ナット222の中心孔を介してシリンダ220から突出し、ブラケット241,242の間の空間に臨んでいる。この基端部は、プランジャ230の心出し機能を備えた連結機構270を介してリニア駆動機構250に連結されている。
【0017】
リニア駆動機構250は、ボールネジユニット251及びこれを駆動するステッピングモータ252を主体として構成されている。ボールネジユニット251は、ブラケット241,242の間にプランジャ230と平行に軸受253,254を介して回転自在に懸架された雄ネジ255と、この雄ネジ255に図示しないボールを介して螺合する雌ネジからなる可動体256とから構成されている。雄ネジ255の一端は、ブラケット242を貫通し、プーリ257を装着している。モータ252は、ブラケット242に固定され、その回転軸の先端がブラケット242を貫通し、プーリ258を装着している。プーリ257,258は、タイミングベルト259によって連結されている。ブラケット241,242の間には、スタッドボルト261が懸架されており、このスタッドボルト261のブラケット242寄りに、フォトセンサ262がセンサホルダ263を介して装着されている。可動体256にはセンサ遮蔽板264が装着されており、可動体256の駆動軸方向の原点(下死点)は、このセンサ遮蔽板264がフォトセンサ262を横切ることにより検出されるようになっている。
【0018】
連結機構270は、図4にその部分的な斜視図を示すように、可動体256からその移動方向と直交する方向に延びるガイド271と、このガイド271に装着された球面軸受273と、この球面軸受273を移動自在に貫通し、プランジャ230の基端部からプランジャ230の中心軸と直交する方向に突出するプランジャピン274とを備えて構成されている。連結機構270がこのような構成であると、プランジャ230は、図中矢印で示すように、その中心軸に対して任意の角度に移動可能であるため、プランジャ230の進退運動に際して、プランジャ230はシリンダ220に対して自動心出し調整される。
【0019】
このように構成された本実施形態に係るチューブフラムポンプによれば、直線駆動機構250のステッピングモータ252が往復回転すると、この回転力がプーリ258、タイミングベルト259及びプーリ257を介してボールネジユニット251の雄ネジ255に伝達され、これにより可動体256が雄ネジ255に沿って往復駆動される。往復駆動は、フォトセンサ262で検出された原点(下死点)を基準として行われる。可動体256が往復駆動されると、この往復運動は連結機構270を介してプランジャ230に伝えられ、プランジャ230がシリンダ220内を進退移動する。このとき、連結機構270の自動心出し機能により、プランジャ230はシリンダ220に対して心出しされるので、プランジャ230とシリンダ220のかじりが発生することはない。
【0020】
プランジャ230が進退運動をすると、作動流体室211,112に封入された作動流体Bが移動してチューブフラム120を径方向に膨脹・収縮させるので、吸込管134、チャッキバルブ131,132、吸込孔122を介してポンプ室121に移送流体Aが導入され、このポンプ室121に導入された移送流体Aが吐出孔123、チャッキバルブ141,142及び吐出管144に介して外部に吐出される。
【0021】
プランジャ230の進退運動に際して、プランジャ230とシリンダ220との間のクリアランスは、作動流体Bが両者の間でリークしない程度の最小限度に設定されているので、作動流体Bがシリンダ220の基端側からリークすることはは殆どない。また、万一、微少のリークが発生したとしても、シリンダ220の基端側に装着された補助シール231によって確実にシールされ、外部への漏れだしは防止される。
【0022】
本実施形態のチューブフラムポンプによれば、プランジャ230とシリンダ220のクリアランスを最小に設定するという、可撓性シールに依存しないシール方法を採用することにより、作動流体室112,211の容積変動やプランジャ230の位置ずれという問題が発生せず、吐出応答性及び吐出精度を極めて高くすることができる。従って、フォトレジストディスペンサ等に適用した場合、精度の良い均一なレジスト膜を形成することが可能になる。
【0023】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、チューブフラムを膨脹・収縮させるアクチュエータを構成するプランジャが、自動心出し機能を備えた連結部材を介して直線駆動機構により駆動されるので、プランジャの往復動に際して、プランジャが常にシリンダに対して心出しされ、シリンダとプランジャとの間でかじりが発生することがなく、シリンダとプランジャとの間のクリアランスをプランジャが往復動できる最小限度まで小さくすることができる。このため、本発明によれば、作動流体室の体積変化やプランジャの位置ずれは殆ど発生せず、ポンプの吐出応答性及び吐出精度を極めて高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係るチューブフラムポンプの断面図である。
【図2】 図1の左側から見た側面図である。
【図3】 図1の右側から見た側面図である。
【図4】 同ポンプの連結機構の斜視図である。
【符号の説明】
100…ポンプ本体、110…ポンプヘッド、120…チューブフラム、130…インポート、140…アウトポート、200…アクチュエータ、210…シリンダブラケット、220…シリンダ、230…プランジャ、240…ベース、250…直線駆動機構、251…ボールネジユニット、252…ステッピングモータ、256…可動体、262…フォトセンサ、270…連結機構、271…ガイド、273…球面軸受、274…プランジャピン。

Claims (3)

  1. チューブフラムを内蔵しこのチューブフラムの内側をポンプ室、外側を非圧縮性の作動流体が封入された作動流体室としたポンプ本体と、
    このポンプ本体の前記作動流体室に封入された作動流体で前記チューブフラムを膨脹・収縮させて前記ポンプ本体を駆動するアクチュエータと
    を備えたチューブフラムポンプにおいて、
    前記アクチュエータは、前記作動流体室に連通し内部に作動流体が封入されたシリンダと、先端側が前記シリンダ内に往復動自在に収容され基端側が前記シリンダの外部に突出したプランジャと、このプランジャと平行に配置され駆動軸に沿って可動体を直線的に往復駆動する直線駆動機構と、この直線駆動機構の可動体と前記プランジャの基端側とを連結すると共に前記プランジャの前記シリンダに対する自動心出し機能を備えた連結部材とを備えたものであり、
    前記連結部材は、前記可動体に装着された球面軸受と、前記プランジャの基端側からプランジャの軸心方向と直交する方向に突出し前記球面軸受に移動自在に挿入されたプランジャピンとを備えてなるものであ
    ことを特徴とするチューブフラムポンプ。
  2. 前記直線駆動機構は、前記駆動軸に沿って配置された雄ネジ及びこの雄ネジにボールを介して螺合する可動体としての雌ネジを有するボールネジユニットと、前記雄ネジを回転駆動するモータとを備えてなるものであることを特徴とする請求項1記載のチューブフラムポンプ。
  3. 前記シリンダの基端部と前記プランジャとの間に、両者の間を補助的にシールする補助シール部材が装着されていることを特徴とする請求項1又は2記載のチューブフラムポンプ。
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