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JP3722960B2 - 発電用石炭の乾燥・パージ方法及びその装置 - Google Patents

発電用石炭の乾燥・パージ方法及びその装置 Download PDF

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JP3722960B2
JP3722960B2 JP25428197A JP25428197A JP3722960B2 JP 3722960 B2 JP3722960 B2 JP 3722960B2 JP 25428197 A JP25428197 A JP 25428197A JP 25428197 A JP25428197 A JP 25428197A JP 3722960 B2 JP3722960 B2 JP 3722960B2
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雅人 金子
鈴村  洋
亘 松原
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乾燥・パージ用ガスを用いて石炭を乾燥・パージし、乾燥石炭を乾留工程において乾留処理し、留出分並びに残分に分離し、該留出分及び又は該残分を発電用燃料として発電し、ボイラ燃焼排ガスを乾燥・パージ用ガスとして循環使用する発電用石炭の乾燥・パージ方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃焼によるエネルギーをタービン等の原動機を通じて電気エネルギーに変換する方法には、スチームタービンによる発電方法、ガスタービンによる発電方法及びこれらを組み合わせたコンバインド・サイクル発電方法がある。
スチームタービンは、燃料に重油、原油又は石炭等を使用し、ボイラで発生した高温、高圧のスチームによりタービンを駆動し発電するが、熱効率が38〜40%(送電端)/HHV基準(HHV:高位発熱量、以下特に断らない限り発電の熱効率はHHV基準で示す)と比較的低い。
また、ガスタービンは、燃料に液化天然ガス(LNG)、軽油等を使用して、燃料を圧縮空気で、さらには、圧縮空気を燃焼熱で予熱して燃焼させ、発生した高温、高圧のガスによりタービンを駆動して発電する。発電効率は20〜35%であるが、ガスタービンの排ガスは、例えば、450〜700℃と高温であるのでこの熱を利用することができる。
【0003】
これらを組み合わせたコンバインド・サイクル発電では、燃料にLNGを使用し、圧縮空気で燃料を燃焼させ、その高温高圧ガスでガスタービンを回転させて発電し、さらにその排ガスを廃熱回収ボイラに供給してスチームを発生させて、スチームタービンを駆動させることにより発電する方法が実施されており、熱効率が46〜47%(送電端)と高いことが特徴である。したがって発電設備の老朽化により設備を更新する際には、燃料使用量を増加することなく今後の電力需要増に対処するために、熱効率の高いコンバインド・サイクル発電への転換が進められている。
しかしながら、前記LNGによるコンバインド・サイクル発電では、燃料のLNGは貯蔵にコストがかかり、供給に問題を生じるおそれがある。
【0004】
欧米では、LNGや軽油以外に、原油や残渣油をガスタービンの燃料に使用している実績があるが、それらに含まれる不純物のためトラブルが多く発生し、軽油やLNGを使用する場合に比べ保守費用がかさむ問題点が指摘されている。ガスタービンに使用する燃料は、不純物含有量として、ナトリウム及びカリウム分の合計で0.5重量ppm以下、バナジウム分を0.5ppm重量以下に制限することが望ましいとされている。特にこれらはガスタービンのブレード金属の溶融点を低下させたり、灰分のブレードへの付着の原因となる。
なお、金属製ガスタービンとは、タービンノズル、ロータ、ブレード、熱交換器、高温ガス流路等の高温に接触する部分が金属材料で構成されているものであり、セラミック製ガスタービンとは上記高温に接触する部分の一部又は全部がセラミック材料で構成されているものである。
【0005】
一方、火力発電は、石油やLNGの他に、天然に多量に埋蔵されている石炭を燃料として使用することができる。しかしながら、石炭をコンバインド・サイクル発電に利用するには、石炭を一度ガスに変換する必要があり、ガスへの変換効率が問題である。このため、ガス化炉に噴流床方式を使用し、送電端効率約43%の石炭ガス化複合発電(IGCC)が検討されている。
【0006】
近年、地球の温暖化現象の原因の一つとして、CO2による温室効果が指摘され、地球環境を守る上で国際的にもその対策が急務となってきた。CO2の発生源としては、化石燃料を燃焼させるあらゆる人間の活動分野に及び、その排出抑制への要求が一層強まる傾向にある。また化石燃料はその種類により程度の差はあるものの、燃焼によりNOX(窒素酸化物)やSOX(硫黄酸化物)などの汚染物質を発生させる。これらは大気汚染や酸性雨の原因とされ、その排出基準が強化される傾向にある。これに伴い大量の化石燃料を使用する火力発電所などの動力発生設備を対象に、熱効率を高めて化石燃料の使用量を逓減させる方法とともに、ボイラの燃焼排ガスを処理して燃焼排ガス中のCO2を除去、回収する方法、及び回収されたCO2を大気へ放出することなく貯蔵する方法が精力的に研究され、また、ボイラの燃焼排ガスを脱硝工程や脱硫工程で処理する対策が採られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、化石燃料として豊富に存在し、価格の安い石炭を利用して、発電用燃料を製造し、得られた燃料を使用して高効率の発電を行い、中間産物や燃焼排ガスの廃熱回収を行い、燃料のエネルギーを有効に利用し、エネルギー効率を高め、燃料使用量を逓減し、燃焼排ガスを減らして、環境への影響が少なく、設備費の安い方法、装置を提供すること、特に、上記における燃料製造工程で得られる高温度の燃焼排ガスや残分の持つ熱を利用して、石炭を発火の危険を回避しながら乾燥して水分を減少させることにより、石炭の乾留時の発火の危険や燃料の不要な酸化を防ぐことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、石炭を利用した発電について鋭意検討した結果、石炭を乾留処理によりガス分と液体分と固体分に適切に分離することにより、ガス分と液体分の性質、品質、発生量及び熱量がガスタービンの燃料用に適するものであり、固体分の性質、発生量及び熱量がスチームタービンの燃料用に適するものであることを見い出した。また、本発明者らは、ボイラ燃焼排ガスの持つ廃熱及び低酸素濃度を利用して、乾留処理前の石炭を予め発火を防ぎながら乾燥して水分を減らすことができること、その結果留出分中の燃料有効成分が増加すること、得られた乾燥石炭の乾留が安全に行われることを見出し本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の第1は、まず、(1)乾燥・パージ用ガスを用いて石炭を乾燥・パージし、(2)乾燥・パージ後の石炭を乾留工程において乾留処理して留出分並びに残分に分離し、(3)該留出分をガスタービン燃料としてガスタービンに供給して発電し、(4)該残分をボイラ燃料としてボイラに供給して発生したスチームにより発電し、ボイラ燃焼排ガスを乾燥・パージ用ガスとして循環使用する発電用石炭の乾燥・パージ方法に関するものである。
これにより、安価で豊富に存在する石炭を使用して、技術的に容易で設備費の安い乾留処理方法により、必要な全ての基準を満たすガスタービン用燃料及びボイラ用燃料を得ることが可能であり、さらに、廃熱の利用により余分の乾燥用燃料を使用することなく且つ発火を防いで乾燥・パージを行うことが可能であり、高発熱量の留出分を得ることができる。
さらに、本発明の第1は、ボイラ燃焼排ガスを残分と熱交換して加熱し、乾燥・パージ用ガスとして使用している
これにより、ボイラ燃焼排ガスの温度を高くして石炭の乾燥を十分に行うことができる。
本発明の第2は、第1の発明において、残分が乾留用ガスと熱交換された後の残分を使用することによる発電用石炭の乾燥・パージ方法に関するものである。
これにより、乾留用ガスの温度を高めると共にその余熱を利用して乾燥・パージを行うことができるのでさらに熱が有効利用される。
本発明の第3は、第1又は2の発明において、乾燥・パージ用ガスとして使用するボイラ燃焼排ガスがボイラのエコノマイザ通過後又は脱硝処理後、脱硫処理前のものである発電用石炭の乾燥・パージ方法に関するものである。
これにより、石炭乾燥に適した温度の燃焼排ガスが利用できる。
本発明の第4は、第1〜3の発明において、ガスタービン燃焼排ガスをボイラに供給して残分を燃焼させる発電用石炭の乾燥・パージ方法に関するものである。
これにより、排気再燃が行われコンバインドサイクル発電の効率が約46%に向上する。
本発明の第5は、まず、乾燥・パージ用ガスを用いて石炭を乾燥・パージする乾燥装置、乾燥された石炭を乾留処理して留出分並びに残分に分離する乾留装置、該留出分をガスタービン燃料として使用するガスタービン、ガスタービンにより駆動されるガスタービン発電機、該残分をボイラ燃料として使用するボイラ、ボイラから得られたスチームにより発電するスチームタービン、スチームタービンにより駆動されるスチームタービン発電機からなり、ボイラ燃焼排ガスを乾燥・パージ用ガスとして循環使用する発電用石炭の乾燥・パージ装置に関するものである。
さらに、本発明の第5は、石炭乾燥・パージ用ガスとして循環させる燃焼排ガスと残分とを熱交換させる熱交換器を備えている。
本発明の第6は、第5の発明において、さらに、ボイラ燃焼排ガスを処理する脱硝装置及び脱硫装置からなり、石炭乾燥・パージ用ガスとして循環させるボイラ燃焼排ガスがボイラのエコノマイザ通過後又は脱硝処理後、脱硫処理前のものである発電用石炭の乾燥・パージ装置に関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる発電用燃料は、乾燥・パージ用ガスを用いて石炭を乾燥・パージし、乾燥・パージされた石炭を乾留工程において乾留処理し、留出分並びに残分に分離して得られ、該留出分をガスタービン燃料に、該残分をボイラ燃料に用いる。該留出分は気液分離してガス成分と液成分に分離し、あるいは、分離される液成分の一部を、そのまま、又は冷却して、洗浄液として該留出分を洗浄し、ガスタービン燃料に用いてもよい。
発電用燃料としては、揮発分を20重量%以上含む石炭を用いて乾留して得られたもの、また、乾留を500℃以下の熱分解炭化により行って製造したもの、乾留を低温乾留により行って製造したもの、乾留を高温乾留により行って製造したものなどが好ましい。
【0011】
本発明において留出分はガスタービン用発電用燃料に適しており、特にガス成分及び/又は液成分が、ナトリウムとカリウム分の合計含有量0.5重量ppm以下、バナジウム分含有量0.5ppm以下である場合は、ガスタービン用燃料として好適である。
【0012】
本発明における発電方法としては、留出分及び又は残分を発電用燃料として発電するが、該留出分をガスタービン発電用燃料としてガスタービンに供給、燃焼し、燃焼により発生した駆動用燃焼ガスによりガスタービンを駆動させ発電し、該残分をスチームタービン発電用燃料としてボイラに供給、燃焼し、発生したスチームによりスチームタービンを駆動させ発電するコンバインド・サイクル発電方法が好ましい。
さらに、本発明における発電方法としては、ガスタービン排ガスを廃熱ボイラに供給して熱回収しスチームを発生させ、発生したスチームによりスチームタービンを駆動して発電する前記発電方法、ガスタービン排ガスをボイラに供給して再燃する前記発電方法、ガスタービン排ガスをボイラに供給して、残分を空気を供給して燃焼させる前記発電方法、ボイラの燃焼をガスタービン排ガスのみで行う前記発電方法、廃熱ボイラ排出ガスをボイラに供給する前記発電方法などが挙げられる。特に、ガスタービン排ガスをボイラに供給して再燃する(即ち排気再燃)方法が好ましい。
【0013】
さらに、本発明における発電方法としては、石炭が揮発分を20重量%以上含むものである前記発電方法、また、乾留が500℃以下の熱分解炭化により行われる前記発電方法、乾留が低温乾留により行われる前記発電方法、乾留が高温乾留により行われる前記発電方法などが挙げられ、熱バランスの関係から乾留が低温乾留により行われる前記発電方法が好ましく、特に乾留が500℃以下の熱分解炭化により行われる前記発電方法がさらに好ましい。
【0014】
本発明で原料として用いられる石炭としては、褐炭、黒褐炭、低度瀝青炭、高度瀝青炭、半瀝青炭、半無煙炭、無煙炭等が挙げられる。好ましくは揮発分含有量が20重量%以上のものである。
【0015】
本発明で用いられる乾留は、石炭を、酸素の低減された状態、好ましくは、空気を断って、蒸し焼きにし、留出分を水冷等により冷却して、凝縮しないガス成分と、凝縮する液化成分と、デカンテーションにより分離される液体成分と固体成分とに化学的に転換する操作である。
乾留方法は、レトルトを使用する方法であっても、いわゆるコークス炉を使用する方法であってもよい。また、回分法、半回分法、連続法のいずれの操作方法によっても可能である。
本発明で用いられる石炭の乾留方法としては、原料である石炭を少なくともガスタービン用燃料に使用できる成分を含む留出分とボイラ用燃料に使用できる残分に分離できる方法であれば、上記のいかなる方法も使用できる。
【0016】
本発明において、留出とは固体の石炭から、乾留処理して生じた成分を気体又は液体で分離することをいう。したがって、留出分はガス成分と液成分であり、液成分には一度気化して凝縮して液化したものも、液体状態で発生したものも含まれる。
本発明において、残分とは固体の石炭から、上記留出分が発生した後の残りのものをいい、常温で固体である。
【0017】
本発明においては、乾留以下の熱効率を高めるために、乾留を行う前に、原料の石炭は予め乾燥・パージさせるが、乾燥・パージと乾留を別装置で行ってもよいし、乾留装置内で乾留処理の前に乾燥・パージ処理を行ってもよい。
乾燥・パージ用ガスとしては、ボイラの燃焼排ガス、好ましくはボイラのエコノマイザを通過させた後の燃焼排ガスの一部を用いて、その廃熱及び酸素濃度が低いことを利用する。燃焼排ガスとしては脱硝前のものでも、脱硝後のものでも、それらの混合したものでもよいが、好ましくは、脱硝後のものである。通常脱硝は燃焼排ガス温度200〜400℃でアンモニアにより接触還元して行われる。したがって、脱硝後のガスの温度は乾燥・パージに適する温度になる。脱硝後のガスは、脱塵前のものでも脱塵後のものでもよい。しかしながら、脱硫処理後燃焼排ガスを単独で使用する場合には、酸素分は低いが、燃焼排ガスの温度が低下しすぎるので脱硫処理前の方が好ましい。
上記燃焼排ガスをさらに乾留装置から排出される残分と熱交換加熱して用いること、又は後述するように乾留用ガスとして用いるための生成ガスの一部と乾留直後の残分を熱交換した後のある程度冷却された残分と燃焼排ガスを熱交換により加熱して用いることができる。燃焼排ガスと残分との熱交換及び生成ガスの一部と残分との熱交換の順序は乾留条件、ガスタービン発電条件等により熱交換できる相手の温度に応じて適宜変えてもよい。
【0018】
本発明において石炭を乾燥・パージするのに必要な石炭の加熱温度は150℃以下、好ましくは80〜105℃である。このため、乾燥・パージ用ガスの温度は100℃〜300℃、酸素濃度12容量%以下、好ましく4容量%以下である。したがって乾燥・パージするガスとしては脱硝、脱塵後の燃焼排ガスを使用することができる。あるいは脱硝、脱塵後、さらにエアーヒーターにより熱交換してボイラ燃焼用空気を加熱後の燃焼排ガスを使用することができる。乾燥・パージ用ガスの圧力は特に制限はない。
【0019】
乾燥する石炭はそのままの大きさでもよいが、例えば流動層乾燥器を使用する場合には、粒径0.1〜2インチに粉砕しておくことが好ましい。流動層乾燥器におけるガス空塔速度は4〜10m/secが適当であり、滞留時間は2〜10分である。
【0020】
本発明に用いる乾燥器は、気−固接触型の乾燥器であり、回分式、連続式の何れの形式のものでも使用できる。例えば、並行流箱型、通気箱型、回転式、通気回転式、気流式、流動層式、通気竪型式、トンネル式(並行流)、並行流バンド式、通気バンド式、溝型撹拌式、加熱管付き回転式等の乾燥機が挙げられる。
乾燥・パージ用ガスと残分とを接触熱交換させる熱交換器としては、気−固接触型の乾燥器に用いられるものなら、回分式、連続式を問わず何れの形式のものでも熱交換器として本発明において使用でき、例えば、前記例示のものが挙げられる。
【0021】
乾留のための石炭の加熱は、単に乾留用の炉を外部から加熱し、あるいは、所定温度の、例えば燃料を燃焼して得られた400〜1300℃の加熱用ガスを供給して加熱し、加熱用ガスに同伴して揮発分を留出させる。また、これらの加熱用ガスの一部又は全部として、生成ガス成分の一部を留出分、コークスなどの生成固体残分、ガスタービン排ガスと熱交換し、これらの持つ顕熱を有効利用して加熱し、循環使用することにより熱回収がより促進される。
【0022】
乾留は、最終加熱温度が800℃以下の低温乾留と、それ以上で通常1000℃付近で行われる高温乾留とがあり、本発明では両方法が使用できるが、好ましくは、低温乾留である。低温乾留では液成分や燃料に使用されるチャーが多く得られ、高温乾留ではコークス炉ガスや高炉又は鋳物用に使用されるコークスが多く得られる。また、本発明で行う乾留は、500℃以下の熱分解炭化過程のみでシンタリング過程を含まないでもよい。この場合には、残分は、炭種によっては粉末のままで得られたり、軟化溶融して塊となるが、ボイラの形式により使い分けることができる。
本発明において乾留とは、上記低温乾留、高温乾留、熱分解炭化又はこれらの組み合わされたものをいう。
【0023】
所定温度の、例えば、燃料を燃焼して得られた400〜1300℃の加熱用ガスを乾留工程に送入して石炭を加熱し、加熱用ガスに同伴して揮発分を留出させる。留出分は、ガス成分及び/又は液成分である。留出分は、一度気体又は液体となるので、固体分の混入は少ないが、必要によりサイクロン、フィルター、ストレーナー等により除去することができる。
【0024】
留出分は、そのままガスタービン用燃料として使用してもよい。また、留出分は、そのまま気液分離器でガス成分と液成分とに分離し、該ガス成分と該液成分をガスタービン用燃料として使用してもよい。また、留出分は、そのまま気液分離器でガス成分と液成分とに分離し、該ガス成分の一部はガスタービン排ガスと熱交換することにより加熱し、加熱用ガスの全部又は一部として乾留工程に循環使用し、該ガス成分の残部並びに該液成分をガスタービン用燃料として使用してもよい。また、留出分は、非凝縮性のガス成分と凝縮した液成分に分離し、凝縮した液成分の一部を、そのまま、又は冷却して、洗浄液として循環し該留出分(該非凝縮性のガス成分)を洗浄し、ガス成分と液成分に分離し、該ガス成分と該液成分をガスタービン用燃料として使用してもよい。また、該留出分をガス成分の一部と熱交換することにより冷却し非凝縮性のガス成分と凝縮した液成分に分離し、凝縮した液成分の一部を、そのまま、又は冷却して、洗浄液として循環し該留出分(該非凝縮性のガス成分)を洗浄し、ガス成分と液成分に分離し、洗浄分離されたガス成分の一部は該留出分と熱交換し、さらにガスタービン排ガスと熱交換することにより加熱し、加熱用ガスの全部又は一部として乾留工程に循環使用し、該ガス成分の残部並びに該液成分をガスタービン用燃料として使用してもよい。あるいは、洗浄分離されたガス成分の一部は該留出分と熱交換し、次いで乾留工程から排出される固体の残分と接触熱交換し、さらにガスタービン排ガスと熱交換することにより加熱した後、加熱用ガスの全部又は一部として乾留工程に循環使用し、該ガス成分の残部並びに該液成分はガスタービン用燃料として使用してもよい。洗浄分離されたガス成分の一部と残分との接触熱交換及びガスタービン排ガスと熱交換の順序は乾留条件、ガスタービン発電条件等により適宜変えてもよい。また、新規追加加熱用ガスと循環ガス成分の割合は乾留条件、ガスタービン発電条件等により適宜選定する。
【0025】
ガス成分は、炭種や製造条件によるが、一例を挙げると(特に断らない限りガス成分では以下容量%で示す)、水素50%、メタン30%、一酸化炭素8%、エチレン、ベンゼン等の炭化水素3%等が有効成分であり、水分、窒素、二酸化炭素、NH3、微量成分として一酸化窒素、青酸、ピリジン、硫化水素、二硫化炭素、硫化カルボニル、タール等を含んでいる。ガス成分は、後述する液成分又は油分により洗浄して精製してもよい。
【0026】
乾留によるガス成分の発生量は、低温乾留又は熱分解炭化による場合には100〜200Nm3/t石炭であり、高温乾留による場合には300〜400Nm3/t石炭であり、それらのガスの発熱量は、低温乾留又は熱分解炭化によるガスでは6200〜8000kcal/Nm3であり、高温乾留によるガスでは4700〜5400kcal/Nm3である。
【0027】
液成分は水分と油分であり、必要により水分を分離して油分のみをガスタービン燃料として利用することができる。水分にはナトリウム、カリウム、カルシウムなどの塩分、バナジウム分等の無機物が濃縮されるので、ガスタービンを使用する場合には油分のみを利用することが好ましい。分離された水分は、後述するアルコールやカルボン酸、タール等を含むのでボイラの燃料に混入することができる。また、液成分、水分もしくは油分はストレーナー、フィルター等により固形分を除去して使用することができる。
【0028】
油分は、主としてナフサ、タール及びアルコール分である。アルコールの発生量は、50〜150リットル/t石炭である。ナフサ及びタールの発生量は、低温乾留又は熱分解炭化による場合には90〜180リットル/t石炭であり、高温乾留による場合には40〜80リットル/t石炭である。
【0029】
油分は、さらに蒸留等により精製分離して使用してもよい。蒸留残渣にはナトリウム、カリウム、カルシウム等の塩分、鉛、バナジウム分等の無機物が濃縮されるので、蒸留精製すればさらに好ましいガスタービン用燃料が得られる。この場合、残渣はボイラの燃料に混入することができる。
【0030】
ガスタービン用燃料中の不純物は、例えば、ナトリウムとカリウム分の合計含有量0.5重量ppm以下及びバナジウム分含有量0.5重量ppm以下であり、カルシウム分も硬い析出物を生じるので0.5重量ppm以下が好ましく、鉛分は腐食を生じさらに腐食防止のためのマグネシウム添加物の効果を低下させるために0.5重量ppm以下であることが好ましい。
本発明の方法によりこのような好ましいガスタービン用燃料が容易に得られる。
【0031】
残分は、低温乾留による場合にはチャーであり、高温乾留による場合にはコークスであり、熱分解炭化による場合にはシンターリングが起こっていないのでほぼ石炭の形状を保ったものであり、本発明では熱分解炭化残分という。
炭種による影響が大きいが、低温乾留によるチャーの発生量は、高温乾留によるコークスの発生量よりも多く、熱分解炭化の場合には残分の発生量はさらに多く800kg/t石炭程度に達することがある。
残分には灰分が濃縮され、灰分には上記塩分、バナジウム分等のタービンブレード腐食成分が濃縮される。残分はボイラ用燃料として利用できる。
本発明の特徴は、残分をボイラで燃焼できるので、灰分の処理が容易なことである。これに対して石炭を全量ガス化する場合には、灰分の処理、生成したガスの精製が難しく、設備費も過大になる。
なお、本発明で単にボイラというときはボイラ・スチームタービンシステムのボイラをいう。他のボイラが使用されるときには名前を付して区別する。
【0032】
本発明においては、また、留出分、又はガス成分と液成分をガスタービンに供給して燃焼し、発生した駆動用燃焼ガスによりガスタービンを駆動して発電し、ガスタービン排ガスを廃熱ボイラに供給して熱回収しスチームを発生させ、発生したスチームによりスチームタービンを駆動して発電し、該残分をスチームタービンのボイラに供給して燃焼し、発生したスチームによりスチームタービンを駆動して発電する方法も好ましい。
【0033】
本発明においては、さらにまた、前記発電方法にガスタービン排ガスをボイラに供給して再燃する発電方法、ガスタービン排ガスをボイラに供給して、残分を空気を供給して燃焼させる発電方法、ボイラの燃焼をガスタービン排ガスのみで行う発電方法、廃熱ボイラ排出ガスをスチームボイラに供給する発電方法等も組み合わせて用いることができる。特に、ガスタービン燃料とボイラ燃料のバランスを考慮した排気再燃による方法が好ましい。
【0034】
ガスタービン−スチームタービンコンバインド・サイクル発電において、ガスタービン用熱量対スチームタービン用熱量の比率は、フル稼働時では、20〜60%対80〜40%、好ましくは30〜45%対70〜55%、特に好ましくは35〜40%対65〜60%である。
したがって、留出分対残分は上記熱量の比率で得られることが好ましい。
【0035】
以下、本発明を図によってさらに詳細に説明する。図では発電装置部分の主要部のみを示し、ポンプ、熱交換器、サイクロン、ストレーナー、フィルター、貯槽、固体搬送手段、加熱用ガス発生設備等の付属装置や排煙脱硝、脱硫等の付帯設備は一部省略した。
図1はボイラ燃焼排ガスを用いて原料石炭を乾燥・パージする場合のプロセスフロー図である。
図1において、石炭1は乾燥器2に供給され、脱硝装置26、集塵装置27で脱硝、脱塵された燃焼排ガスの一部を乾燥・パージ用ガス28として用いて乾燥・パージされた後、乾留装置3に供給され、加熱用ガス31により所定の温度に加熱され乾留される。
乾留装置3の上部から加熱用ガス31に同伴して留出分4が得られ、乾留装置3の底部から残分5が排出される。
【0036】
留出分3はサイクロン(省略)で固形分を除去され、ガスタービン(ガスタービンの本体、空気圧縮機、燃焼室、ガスタービン用発電機からなる)18の燃焼室に供給され、圧縮空気(酸素富化空気でもよい)と混合し、燃焼されて、高温高圧の駆動用燃焼ガスを発生し、駆動用燃焼ガスによりガスタービンを駆動し、ガスタービンの軸に取り付けられたガスタービン用発電機により発電する。
ガスタービン18から排出されたガスタービン排ガス19は、他の廃熱回収ボイラ(図示せず)に供給してスチーム発生等により熱回収してもよいが、好ましくは、ボイラ23に供給され、発生したスチームによりスチームタービン(スチームタービン、スチームタービン用発電機からなる)24により発電する。
なお、本発明では、金属製ガスタービンも、セラミック製ガスタービンも使用できる。
【0037】
一方、残分5はボイラ23に供給されて、ガスタービン排ガス温度が450〜700℃の熱と、10〜15容量%の残存酸素によりにより燃焼(即ち排気再燃)され、スチームを発生する。必要により、ガスタービン排ガスの他に、空気22を供給して燃焼させることもできる。
ボイラの燃焼ガスの出口には、エコノマイザが設けられており、ボイラへの給水と熱交換して、ボイラ給水が加熱されることにより熱回収される。
なお、廃熱ボイラに供給した場合にも、廃熱ボイラ排出ガスをスチームボイラに供給して、排出ガスの残余の熱と、残存酸素により、残分5をボイラ23で燃焼させることが好ましい。
ボイラで発生したスチームはスチームタービン24に供給され、スチームタービンの軸に取り付けられたスチームタービン用発電機により発電する。スチームタービン24には復水器25が設けられ、スチームタービン排気を復水させて、メイクアップ水と共にボイラ給水としてボイラ23へリサイクルする。
【0038】
図2は、図1でボイラ燃焼排ガスをさらに残分と熱交換して原料石炭を乾燥・パージする場合のプロセスフロー図である。
図2に示すごとく、乾燥・パージ用ガス28を乾留装置3より排出された残分5と熱交換器6で熱交換して加熱したものを使用することができる。
【0039】
図3は、乾留用ガスと熱交換した後の残分とボイラ燃焼排ガスを熱交換した後、原料石炭を乾燥・パージする場合のプロセスフロー図である。
図3に示すように、留出分4はサイクロン(図示せず)で固形分を除去され、さらに熱交換器9でガス成分11の一部により冷却されて、ガス洗浄塔10の下部に導入され、ガス洗浄塔10において洗浄液により洗浄されて、ガス成分11と液成分12に分離することができる。ガス洗浄塔10の洗浄液には液成分12の一部を冷却器14により冷却して使用し、ガス洗浄塔10の頂部に供給して気液接触させることができる。ガス成分11の一部は熱交換器9により留出分4と熱交換され、次いで熱交換器7により残分5と接触熱交換され、さらに熱交換器20によりガスタービン排ガス19と熱交換することにより加熱され、加熱用ガス21として乾留装置3に循環される。
ガス成分11の残部は,燃料ガスコンプレッサー16によりガスタービン(ガスタービンの本体、空気圧縮機、燃焼室、ガスタービン用発電機からなる)18の燃焼室に供給される。液成分12はそのままガスタービン用燃料にしてもよいが、要すればストレーナーにより固形分を除去し、分液槽により水層を分離して油分のみをガスタービン用燃料にしてもよい。水層はボイラ23の燃料として加えることができる。
このように処理することにより、ナトリウムとカリウム分、バナジウム分による腐食が防止され、ガスタービンの寿命を長くすることができる。
また、ガスタービンは、ガス成分と液成分を混合して燃焼させても、ガス成分専焼ガスタービン、液成分専焼ガスタービンを別々に設けて、別々に燃焼させてもよい。
【0040】
一方、残分5は、熱交換器9で留出分4と熱交換されたガス成分11の一部と熱交換器7で熱交換し、さらに乾燥・パージ用ガス28と熱交換器6で熱交換し、冷却されてボイラ23に供給され、燃焼されてスチームを発生する。スチームはスチームタービン24に供給され、スチームタービンの軸に取り付けられたスチームタービン用発電機により発電する。
熱交換器7によるガス成分11の一部と残分5との接触熱交換と熱交換器20によるガス成分11の一部とガスタービン排ガス19との熱交換の順序及び熱交換器7によるガス成分11の一部と残分5との接触熱交換と熱交換器6による乾燥・パージ用ガス28と残分5との熱交換の順序は、乾留条件、ガスタービン発電条件等により適宜変更することができる。
乾燥・パージ工程に循環する乾燥・パージ用ガス28の量は、原料石炭の含有水分量、熱交換器6等の条件により適宜選定することができる。
【0041】
このように本発明では、燃料はコンバンド・サイクル発電で使用されて最大の効果があるものであるから、本発明による石炭を乾留処理して、留出分並びに残分に分離する乾留装置は発電設備に併設して設けられることが好ましい。
【0042】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0043】
[実施例1]
乾燥に使用した原料炭及び排ガスの性状等は下記に示す通りである。
図1のプロセスで乾燥装置に流動層乾燥機を使用して、石炭ボイラのエコノマイザ通過後の150℃の燃焼排ガスを分岐して乾燥・パージ用ガスとして使用し、粒径1インチ以下に粉砕した原料炭を、原料炭の供給速度1283kg/hr、乾燥・パージ用ガス供給速度15000m3/hr、滞留時間3分で加熱乾燥する。
原料低質炭
温度:17℃
総水分:29.6wt%
平衡(内部)水分:23.5wt%
灰分:6.8wt%
揮発分:35.3wt%
固定炭素:34.4wt%
発熱量(平衡水分基準):4800kcal/kg
乾燥・パージ用ガス
温度:150℃
酸素:2.0vol%
水分:10.4vol%
得られた石炭の性状等は下記に示す通りである。
温度:93℃
総水分:9.7wt%
発熱量(平衡水分基準):5500kcal/kg
このように、ボイラの比較的低温の廃熱を利用して、乾留用の石炭を安全に得ることができる。
乾燥・パージして得られた乾燥石炭1000kg/hrを約1000℃で高温乾留し、留出分とコークスを得る。
留出分は、ガスタービン用燃料とし、コークスはボイラ用燃料とする。ガスタービン排ガスは、570℃であり、酸素を13容量%含んでいる。ガスタービン排ガスはボイラに供給する。このガスによりコークスを燃焼し、スチームを発生させて発電する。燃焼排ガスを脱硝した150℃の乾燥・パージ用排ガスを石炭の乾燥・パージ工程に循環する。
【0044】
[実施例2]
図2に示す装置を使用して、乾燥された石炭を450℃で熱分解炭化して留出分と残分を得る。留出分は、ガスタービン用燃料とし、残分はボイラ用燃料とする。ボイラ燃焼排ガスをエコノマイザ通過後の150℃の排ガスを熱分解炭化後の残分と熱交換して300℃の乾燥・パージ用排ガスを得て、石炭の乾燥・パージ工程に循環する。
この結果、乾燥・パージ用排ガス供給流量を15,000m3/hrから7,500m3/hrに減少することができる。
【0045】
[実施例3]
図3に示す装置を使用して、エコノマイザ通過後のボイラ燃焼排ガス(150℃)の一部を乾燥・パージ用ガスとして、乾留のための加熱用ガスと熱交換して冷却された残分と乾燥・パージ用ガスを熱交換して180℃に加熱し、乾燥・パージ工程に循環する。なお、石炭は実施例1で使用した石炭と同じものである。
乾燥・パージ用ガス
温度:180℃
酸素:2.0vol%
水分:10.4vol%
得られた石炭の性状等は下記に示す通りである。
温度:94℃
総水分:8.3wt%
発熱量(平衡水分基準):5600kcal/kg
乾留するための加熱用ガスとして、ガス成分の一部を留出分、残分、ガスタービン排ガスと熱交換して加熱したものを使用して、前記乾燥・パージ後の石炭1000kg/hrを、約600℃で低温乾留し、留出分とチャーを得る。
留出分は、ガス成分と熱交換し、液成分により冷却洗浄し、ガス成分と液成分を得る。液成分より分液槽により水層を分離して、油分を得る。ガス成分と油分は、ガスタービン用燃料とし、チャーは留出分と熱交換されたガス成分と熱交換される。
熱交換されたチャーは、エコノマイザ通過後のボイラ燃焼排ガス(150℃)の一部である乾燥・パージ用ガスと熱交換された後、留出分中の分離した水層とともにボイラ用燃料とする。
ガス成分と油分をガスタービンに供給、燃焼し、発電した。ガスタービン排ガスは、約600℃であり、酸素を15容量%含んでおり、乾留のための加熱用ガスと熱交換された後、ボイラに供給し、チャーと水層を燃焼する。
この結果、コンバインド・サイクル発電の熱効率は約45%(送電端)に達し、また石炭を総水分8.3wt%まで乾燥することとが可能であり、得られた石炭は貯蔵時に自然発火することはない。
【0046】
【発明の効果】
石炭を原料にして必要な全ての基準を満たすガスタービン用燃料及びボイラ用燃料を得、これらの燃料を使用して熱効率約45%(送電端)で発電することができ、この熱効率は、全量をボイラで焚いてスチームタービンで発電する場合の熱効率より著しく優れ、石炭ガス化発電と同程度以上の効率であって、しかもガスタービンに使用しても腐食が起こらず、かつ、廃熱の回収により、石炭乾燥・パージ用の燃料及び乾留用の加熱ガスの製造用燃料を節約でき、設備費が安く、原料の豊富さ、経済性、既存設備の利用、熱効率が高いため排ガス量が少なく地球環境への影響の点で産業上極めて有益である。かつ、中間産出物、燃焼排ガス等の廃熱を回収利用でき、石炭乾燥・パージ用の燃料及び乾留用の加熱ガスの製造用燃料を節約できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で、ボイラ燃焼排ガスを用いて原料石炭を乾燥・パージする場合のプロセスフロー図である。
【図2】本発明で、ボイラ燃焼排ガスをさらに残分と熱交換して原料石炭を乾燥・パージする場合のプロセスフロー図である。
【図3】本発明で、乾留用ガスと熱交換した後の残分とボイラ燃焼排ガスを熱交換した後、原料石炭を乾燥・パージする場合のプロセスフロー図である。
【符号の説明】
1 石炭
2 乾燥器
3 乾留装置
4 留出分
5 残分
6 熱交換器(又は冷却器)
7 熱交換器(又は冷却器)
9 熱交換器
10 ガス洗浄塔
11 ガス成分
12 液成分
13 油水分離器
14 冷却器
16 燃料ガスコンプレッサー
17 空気
18 ガスタービン(ガスタービンの本体、空気圧縮機、燃焼室、ガスタービン用発電機からなる)
19 ガスタービン排ガス
20 熱交換器
21 加熱用ガス
22 空気
23 ボイラ
24 スチームタービン(スチームタービン、スチームタービン用発電機からなる)
25 復水器
26 脱硝装置
27 集塵装置
28 乾燥・パージ用ガス
29 脱硫装置
30 煙突
31 追加加熱用ガス
32 排気

Claims (6)

  1. (1)乾燥・パージ用ガスを用いて石炭を乾燥・パージし、(2)乾燥・パージ後の石炭を乾留工程において乾留処理して留出分並びに残分に分離し、(3)該留出分をガスタービン燃料としてガスタービンに供給して発電し、(4)該残分をボイラ燃料としてボイラに供給して発生したスチームにより発電し、ボイラ燃焼排ガスを乾燥・パージ用ガスとして循環使用する発電用石炭の乾燥・パージ方法であって、
    ボイラ燃焼排ガスを残分と熱交換して加熱し、乾燥・パージ用ガスとして使用することを特徴とする発電用石炭の乾燥・パージ方法。
  2. 残分が乾留用ガスと熱交換された後のものである請求項に記載の発電用石炭の乾燥・パージ方法。
  3. 乾燥・パージ用ガスとして使用するボイラ燃焼排ガスがボイラのエコノマイザ通過後又は脱硝処理後、脱硫処理前のものである請求項1又は2のいずれかに記載の発電用石炭の乾燥・パージ方法。
  4. ガスタービン燃焼排ガスをボイラに供給して残分を燃焼させる請求項1〜3のいずれかに記載の発電用石炭の乾燥・パージ方法。
  5. 乾燥・パージ用ガスを用いて石炭を乾燥・パージする乾燥装置、乾燥された石炭を乾留処理して留出分並びに残分に分離する乾留装置、該留出分をガスタービン燃料として使用するガスタービン、ガスタービンにより駆動されるガスタービン発電機、該残分をボイラ燃料として使用するボイラ、該ボイラから得られたスチームにより発電するスチームタービン、スチームタービンにより駆動されるスチームタービン発電機からなり、ボイラ燃焼排ガスを乾燥・パージ用ガスとして循環使用する発電用石炭の乾燥・パージ装置であって、
    さらに、石炭乾燥・パージ用ガスとして循環させる燃焼排ガスと残分とを熱交換させる熱交換器を備えることを特徴とする発電用石炭の乾燥・パージ装置。
  6. さらに、ボイラ燃焼排ガスを処理する脱硝装置及び脱硫装置を備え、石炭乾燥・パージ用ガスとして循環させるボイラ燃焼排ガスがボイラのエコノマイザ通過後又は脱硝処理後、脱硫処理前のものである請求項5に記載の発電用石炭の乾燥・パージ装置。
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