JP3720624B2 - 光ディスク記録再生装置と光ディスクの最適記録パワー値決定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、多層構造を持つ光ディスクにレーザ光によって情報の記録を行なう際、各層のデータ領域に対して最適な記録パワー値を求め、その最適記録パワー値で情報を記録する光ディスク記録再生装置と、多層構造を持つ光ディスクに情報を記録するときの最適記録レーザパワーを求める光ディスクの最適記録パワー値決定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、2層構造を持つ光ディスクメディアのグルーブ部とランド部について、それぞれ制御オフセット値を測定し、それぞれの制御オフセットの測定値を記憶する手段を設け、対物レンズの光スポットの照射されている位置によって制御オフセット値を最適化する光ディスク記録再生装置(例えば、特開平9−231588号公報参照)があった。
【0003】
また、記録層を複数有する多層記録媒体の各記録層に対して、適切なパワーの光ビームで記録,再生あるいは消去するため、各半径位置の各情報トラック毎に試し書き動作を行ない、その再生信号を検査することによって、各情報トラックに対する情報の記録,消去または再生動作に最適な光ビームの条件を求める光ディスク記録再生装置(例えば、特開平11−3550号公報参照)があった。
【0004】
現在、光ディスクの分野において、情報の記録が可能な様々な種類の光ディスク(例えば、CD−R,DVD−R等の追記型光ディスクやCD−RW,DVD−RAM等の書き換え型光ディスクなど)が増えてきている。
【0005】
このように情報の記録が可能な光ディスクには、光ディスクの組成が異なる種類の光ディスク(例えば、色素変化光ディスクや相変化光ディスク等)がある。
【0006】
また、光ディスクの記録層の構造が異なる光ディスクがある。
例えば、今まで単層の記録層であった光ディスクが2層構造を持つ光ディスクへと記録層の多層化が進み、光ディスクの構造がより複雑化してきている。
【0007】
しかし、記録層が2層構造になれば、今までよりも記録容量の増大が見込め、大容量化を目指している光ディスクにおいて非常に有用である。
【0008】
そのような2層構造の光ディスクを含む記録面が多層化した光ディスクにおいて、情報の記録に関して追記もしくは書き換えを行なう場合について、単層の光ディスクで行なっていた様々な記録時の設定を、多層構造を持つ光ディスクでも行なわなくてはならない。
その設定の一つに情報の記録を行なうレーザ出力の最適記録パワー値を求めて補正することがあげられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、多層構造を持つ光ディスクでは、単層構造の光ディスクと比較して情報の記録面において異なる特性を持っているため、最適記録パワーを求める方法においても従来と異なる方法の処理を用いなければならず、上述のような従来の光ディスク記録装置では実現できないという問題があった。
【0010】
ここで、多層構造を持つ光ディスクの主な特徴について述べると、多層構造の光ディスクでは、記録層が幾層にも重なっていることもありより上位にある記録面(ディスク表面に近い方の記録面)の反射率は低く抑えられている。
【0011】
また、下位の層の記録面にレーザ光を届かせるため、透過率が高く設定されている。その他に、記録マーク(ピット)も若干大きいため、一層に対する記録マーク密度が小さくなっている。
【0012】
そのため、より上位の記録面に対して情報の記録を行なう場合、正しい記録マークが形成できるように記録時のレーザパワーを調整しなくてはならない。
【0013】
記録時のレーザ出力を最適記録パワー値に補正する理由は、単層の光ディスクの場合と同じであり、情報を記録する際に照射するレーザの最適記録パワー制御(OPC:Optimum Power Control)が行なわれていないと、情報の記録を行なった後に光ディスクに記録した情報を再生する際、ジッタが大きくなり、正確な情報の再生が行なわれない可能性も出てくる。
【0014】
そのため、記録した情報を再生する時に、上記ジッタを極力抑えて正確な再生を行なうために、情報を書き込むデータ領域の特性に合わせてレーザビームを最適記録パワーに制御しなくてはならない。
そして、記録の発光パワーを制御する事は、再生ジッタを抑えることにおいて非常に有効な方法の一つであることから最適記録パワー値に補正を行なう。
【0015】
この発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、追記又は書き換え可能な多層構造を持つ光ディスクに情報の記録を行なう場合、情報を書き込む層のデータ領域に対して記録時のレーザ出力を最適な記録パワー値に調整することができるようにすることを目的とする
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、情報を記録するためのデータ領域と上記情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域とを各々有する複数の記録層を持つ光ディスクに対して情報の記録及び再生を行なう手段を備えた光ディスク記録再生装置であって、上記光ディスクのいずれかの層のデータ領域に上記情報を記録するとき、そのデータ領域と同層の試し書き領域内の複数の小領域の内、他層の試し書き領域の未だ試し書きがされていない小領域に対応する位置の小領域に試し書きを行なって最適記録パワー値を求める最適記録パワー値決定手段を設けるとよい。
【0017】
また、情報を記録するためのデータ領域と上記情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域とを各々有する複数の記録層を持つ光ディスクに対して情報の記録及び再生を行なう手段を備えた光ディスク記録再生装置であって、上記光ディスクのいずれかの層のデータ領域に上記情報を記録するとき、そのデータ領域と同層の試し書き領域内の複数の小領域の内、その試し書き領域よりも上位層の試し書き領域で未だ試し書きがされていない小領域に対応する位置の小領域に試し書きを行なって最適記録パワー値を求める最適記録パワー値決定手段を設けるとよい。
【0018】
さらに、情報を記録するためのデータ領域と上記情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域とを各々有する複数の記録層を持つ光ディスクに対して情報の記録及び再生を行なう手段を備えた光ディスク記録再生装置であって、上記光ディスクのいずれかの層のデータ領域に上記情報を記録するとき、そのデータ領域と同層の試し書き領域内の複数の小領域の内、その試し書き領域よりも上位層の試し書き領域で未だ試し書きがされていない小領域に対応する位置の小領域を検出し、上記データ領域の上記情報の記録箇所に対応する上位層のデータ領域の記録箇所に既に情報が記録されていたとき、上記データ領域と同層の上記検出された小領域に対応する上記上位層の試し書き領域の小領域にランダムな情報を記録した後、上記検出された小領域に試し書きを行なって最適記録パワー値を求める最適記録パワー値決定手段を設けるとよい。
【0019】
また、以下の(1)〜(5)の各手段を備えた光ディスク記録再生装置を提供する。
【0020】
(1) 情報を記録するためのデータ領域と上記情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域とを各々有する複数の記録層を持つ光ディスクに上記情報を記録するとき、その情報を記録するデータ領域と同層の試し書き領域に記録パワーの試し書きを行なって最適記録パワー値を求める第1の最適記録パワー値決定手段。
【0021】
(2) 情報を記録するためのデータ領域と上記情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域とを各々有する複数の記録層を持つ光ディスクのいずれかの層のデータ領域に上記情報を記録するとき、そのデータ領域と同層の試し書き領域内の複数の小領域の内、他層の試し書き領域の未だ試し書きがされていない小領域に対応する位置の小領域に試し書きを行なって最適記録パワー値を求める第2の最適記録パワー値決定手段。
【0022】
(3) 情報を記録するためのデータ領域と上記情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域とを各々有する複数の記録層を持つ光ディスクのいずれかの層のデータ領域に上記情報を記録するとき、そのデータ領域と同層の試し書き領域内の複数の小領域の内、その試し書き領域よりも上位層の試し書き領域で未だ試し書きがされていない小領域に対応する位置の小領域に試し書きを行なって最適記録パワー値を求める第3の最適記録パワー値決定手段。
【0023】
(4) 情報を記録するためのデータ領域と上記情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域とを各々有する複数の記録層を持つ光ディスクのいずれかの層のデータ領域に上記情報を記録するとき、そのデータ領域と同層の試し書き領域内の複数の小領域の内、その試し書き領域よりも上位層の試し書き領域で未だ試し書きがされていない小領域に対応する位置の小領域を検出し、上記データ領域の上記情報の記録箇所に対応する上位層のデータ領域の記録箇所に既に情報が記録されていたとき、上記データ領域と同層の上記検出された小領域に対応する上記上位層の試し書き領域の小領域にランダムな情報を記録した後、上記検出された小領域に試し書きを行なって最適記録パワー値を求める第4の最適記録パワー値決定手段。
【0024】
(5) 上記第1乃至4のいずれか一つの最適記録パワー値を選択して有効にする手段。
【0025】
また、情報を記録するためのデータ領域と上記情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域とを各々有する複数の記録層を持つ光ディスクのいずれかの層のデータ領域に上記情報を記録するとき、そのデータ領域と同層の試し書き領域内の複数の小領域の内、他層の試し書き領域の未だ試し書きがされていない小領域に対応する位置の小領域に試し書きを行なって最適記録パワー値を求める光ディスクの最適記録パワー値決定方法にするとよい。
【0026】
さらに、情報を記録するためのデータ領域と上記情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域とを各々有する複数の記録層を持つ光ディスクのいずれかの層のデータ領域に上記情報を記録するとき、そのデータ領域と同層の試し書き領域内の複数の小領域の内、その試し書き領域よりも上位層の試し書き領域で未だ試し書きがされていない小領域に対応する位置の小領域に試し書きを行なって最適記録パワー値を求める光ディスクの最適記録パワー値決定方法にするとよい。
【0027】
また、情報を記録するためのデータ領域と上記情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域とを各々有する複数の記録層を持つ光ディスクのいずれかの層のデータ領域に上記情報を記録するとき、そのデータ領域と同層の試し書き領域内の複数の小領域の内、その試し書き領域よりも上位層の試し書き領域で未だ試し書きがされていない小領域に対応する位置の小領域を検出し、上記データ領域の上記情報の記録箇所に対応する上位層のデータ領域の記録箇所に既に情報が記録されていたとき、上記データ領域と同層の上記検出された小領域に対応する上記上位層の試し書き領域の小領域にランダムな情報を記録した後、上記検出された小領域に試し書きを行なって最適記録パワー値を求める光ディスクの最適記録パワー値決定方法にするとよい。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、この発明の一実施形態の光ディスク記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【0029】
この光ディスク記録再生装置は、CPU,ROM,RAM等からなるマイクロコンピュータによって実現される以下の各機能部を有し、図2,図3,及び図7に示す2層構造を持つ光ディスク1に対して最適記録パワー値で情報を記録し、光ディスク1に記録された情報を再生する処理を行なう。
【0030】
光ディスク記録再生装置は、その光ディスク1を光ディスク回転機構部2に固定して、光ディスク1を自由に回転させることが出来る。
そして、レーザビーム光源部3から光ディスク1へレーザビームを照射し、光ディスク1に依存する制御初期条件を求めた後、サーボ制御部8で制御を行ない、再びレーザビームを照射し、光学ヘッド部4から光ディスク1の信号を読み取り、信号処理部5,再生処理部7,動作制御ユニット9において、再生信号の処理を行なう。
【0031】
一方、情報の記録については、制御初期条件を求めた後に、判別回路12において、この発明の参考技術と、この発明の請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光ディスク記録再生装置、及び請求項5乃至7のいずれか一項に記載の光ディスクの最適記録パワー値決定方法に関る判別を行ない、その判別結果に基づいて定められた試し書き領域に対して、記録時のレーザビームの最適記録パワーを求めるために順次段階的に記録パワーを変化させて試し書きを行なう。
【0032】
そして、試し書きを行なった記録情報を再生し、この発明の参考技術と、この発明の請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光ディスク記録再生装置、及び請求項5乃至7のいずれか一項に記載の光ディスクの最適記録パワー値決定方法に関る最適記録パワー値を求める処理を行なう。
このようにして、その求められた最適記録パワー値で情報の記録を行なうことが出来る。
【0033】
すなわち、上記光ディスク記録再生装置の各部が、それぞれ以下の(A)〜(F)の各手段の機能を果たし、それぞれ(G)〜(J)の最適記録パワー値決定方法の処理を実行する。
【0034】
(A) 情報を記録するためのデータ領域と上記情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域とを各々有する複数の記録層を持つ光ディスクに対して情報の記録及び再生を行なう手段。
【0035】
(B) 上記光ディスクに上記情報を記録するとき、その情報を記録するデータ領域と同層の試し書き領域に記録パワーの試し書きを行なって最適記録パワー値を求める第1の最適記録パワー値決定手段。
【0036】
(C) 上記光ディスクのいずれかの層のデータ領域に上記情報を記録するとき、そのデータ領域と同層の試し書き領域内の複数の小領域の内、他層の試し書き領域の未だ試し書きがされていない小領域に対応する位置の小領域に試し書きを行なって最適記録パワー値を求める第2の最適記録パワー値決定手段。
【0037】
(D) 上記光ディスクのいずれかの層のデータ領域に上記情報を記録するとき、そのデータ領域と同層の試し書き領域内の複数の小領域の内、その試し書き領域よりも上位層の試し書き領域で未だ試し書きがされていない小領域に対応する位置の小領域に試し書きを行なって最適記録パワー値を求める第3の最適記録パワー値決定手段。
【0038】
(E) 上記光ディスクのいずれかの層のデータ領域に上記情報を記録するとき、そのデータ領域と同層の試し書き領域内の複数の小領域の内、その試し書き領域よりも上位層の試し書き領域で未だ試し書きがされていない小領域に対応する位置の小領域を検出し、上記データ領域の上記情報の記録箇所に対応する上位層のデータ領域の記録箇所に既に情報が記録されていたとき、上記データ領域と同層の上記検出された小領域に対応する上記上位層の試し書き領域の小領域にランダムな情報を記録した後、上記検出された小領域に試し書きを行なって最適記録パワー値を求める第4の最適記録パワー値決定手段。
【0039】
(F) 上記第1乃至4のいずれか一つの最適記録パワー値を選択して有効にする手段。
【0040】
(G) 情報を記録するためのデータ領域と上記情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域とを各々有する複数の記録層を持つ光ディスクに対して上記情報を記録するとき、その情報を記録するデータ領域と同層の試し書き領域に記録パワーの試し書きを行なって最適記録パワー値を求める光ディスクの最適記録パワー値決定処理。
【0041】
(H) 情報を記録するためのデータ領域と上記情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域とを各々有する複数の記録層を持つ光ディスクのいずれかの層のデータ領域に上記情報を記録するとき、そのデータ領域と同層の試し書き領域内の複数の小領域の内、他層の試し書き領域の未だ試し書きがされていない小領域に対応する位置の小領域に試し書きを行なって最適記録パワー値を求める光ディスクの最適記録パワー値決定処理。
【0042】
(I) 情報を記録するためのデータ領域と上記情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域とを各々有する複数の記録層を持つ光ディスクのいずれかの層のデータ領域に上記情報を記録するとき、そのデータ領域と同層の試し書き領域内の複数の小領域の内、該試し書き領域よりも上位層の試し書き領域で未だ試し書きがされていない小領域に対応する位置の小領域に試し書きを行なって最適記録パワー値を求める光ディスクの最適記録パワー値決定処理。
【0043】
(J) 情報を記録するためのデータ領域と上記情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域とを各々有する複数の記録層を持つ光ディスクのいずれかの層のデータ領域に上記情報を記録するとき、そのデータ領域と同層の試し書き領域内の複数の小領域の内、その試し書き領域よりも上位層の試し書き領域で未だ試し書きがされていない小領域に対応する位置の小領域を検出し、上記データ領域の上記情報の記録箇所に対応する上位層のデータ領域の記録箇所に既に情報が記録されていたとき、上記データ領域と同層の上記検出された小領域に対応する上記上位層の試し書き領域の小領域にランダムな情報を記録した後、上記検出された小領域に試し書きを行なって最適記録パワー値を求める光ディスクの最適記録パワー値決定処理。
【0044】
次に、この光ディスク記録再生装置で使用する記録面が2層構造の光ディスク1について説明する。
図2は、記録面が2層構造の光ディスク1の一例の断面図である。
図3は、記録面が2層構造の光ディスク1のデータ領域と試し書き領域の構成の一例を示す説明図である。
【0045】
図2に示す通り、この光ディスク1は、情報を記録する記録面が第1層目20と第2層目21とに分けられている。
第1層目20と第2層目21との記録層の間は40〜60μmであり、また、光ディスク1の表面から第1層目20と第2層目21との中間点までの距離は、0.57mmである。そのうえ、第1層目20が半透明の記録層となっており、18〜30%の反射率に抑えられている。
【0046】
また、図3に示すように、2層構造を持つ光ディスク1の両層20と21の記録面において、情報を記録するデータ領域D1(第1層目20)、D2(第2層目21)と情報の記録時にレーザビームの発光パワーを決定するために用いる試し書き領域T1(第1層目20)、T2(第2層目21)を異なる位置にそれぞれ設けている。
【0047】
次に、この光ディスク記録再生装置における図2及び図3に示した2層構造を持つ光ディスク1に情報を記録する際の記録レーザパワーの最適値を求める処理について説明する。
【0048】
図4は、この光ディスク記録再生装置におけるこの発明の第1の参考技術の処理を示すフローチャートである。
【0049】
光ディスク記録再生装置は、光ディスク1への情報の記録時、ステップ(図中「S」で示す)1で記録するデータ領域を検出すると、ステップ2へ進んで記録を行なうデータ領域と同じ層にある試し書き領域を検出し、ステップ3へ進んで記録発光パワー(記録パワー値)を段階的に変化させて試し書きを行なう。
【0050】
ステップ4へ進んで試し書きの記録結果を読み込んで比較し、ステップ5へ進んで最適記録パワー値を求めて、ステップ6へ進んで予め設定されていた最適記録パワー値を上記求められた最適記録パワー値に補正し、その補正後の最適記録パワー値で上記データ領域に情報を記録し、この記録処理を終了する。
【0051】
さらに、この記録処理における最適記録パワー値決定処理を説明する。
この光ディスク記録再生装置は、多層構造の記録面の各層に情報を記録するためのデータ領域(D1,D2)と情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域(T1,T2)とをそれぞれ異なる位置に設けた光ディスク1に対して情報を記録するとき、その情報を記録するデータ領域(例えば、D2)と同層の試し書き領域(T2)に記録パワーの試し書きを行なって最適記録パワー値を求める。
【0052】
例えば、図3に示すように、情報を第2層目21にあるデータ領域D2aに記録するとき、データ領域D2aと同じ第2層目21にある試し書き領域T2aに、レーザビームを順次段階的に変化させて試し書き記録を行なう。
【0053】
その後、試し書き領域T2aへの記録が終了すると、書き込んだ情報を読み出して検出し、比較を行なって上記データ領域D2aでの最適記録パワー値を算出し記憶する。
【0054】
そして、予め設定されている最適記録パワー値のレーザパワーを、上記算出された最適記録パワー値に補正することにより、データ領域D2aに対する情報の記録を正しく行なえる。
【0055】
このようにして、この光ディスク記録再生装置は、多層構造を持ち、その各層に試し書き領域とデータ領域を設けた光ディスクに対して、情報を記録するデータ領域と同じ層にある試し書き領域に試し書き記録を行なって最適記録パワー値を求めることが出来る。
したがって、情報を記録する記録層に正しく記録マークを形成することができ、記録した情報をエラー無く再生することができる。
【0056】
次に、この光ディスク記録再生装置におけるこの発明の請求項1に記載した手段の機能による請求項5に記載した最適記録レーザパワー値決定方法に関る処理例について説明する。
【0057】
この記録処理では、図4に示した記録処理において、最適記録パワー値を求めるために試し書きを行なう際、どの層にも試し書きがされていない新しい試し書き領域を用いて試し書きを行なって最適記録パワー値を求める。
【0058】
この記録処理における最適記録パワー値決定処理を説明する。
この光ディスク記録再生装置は、多層構造の記録面の各層に情報を記録するためのデータ領域(D1,D2)と情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域(T1,T2)とをそれぞれ異なる位置に設けた光ディスク1のいずれかの層のデータ領域(例えば、D2)に情報を記録するとき、そのデータ領域(D2)と同層の試し書き領域(T2)内の複数の小領域(T2a,T2b)の内、他層の試し書き領域(T1)の未だ試し書きがされていない小領域(例えば、T1b)に対応する位置の小領域(T2b)に試し書きを行なって最適記録パワー値を求める。
【0059】
例えば、図3に示すように、データ領域D2のデータ記録小領域D2aに情報を記録するとき、データ記録小領域D2aと同じ層にある試し書き領域T2の小領域T2aに試し書きを行なう場合で説明する。
【0060】
ここで、試し書き領域T2の小領域T2aもしくは第1層目21の試し書き領域T1の小領域T1aにおいて既に試し書きがされていた場合、試し書き領域T2の小領域T2aは使用しない。
【0061】
一方、第1層目20の試し書き領域T1の小領域T1bかつ第2層目21の試し書き領域T2の小領域T2bが使用されていない条件であれば、試し書き領域T2の試し書き対象を小領域T2aから小領域T2bへと移し、試し書き領域の小領域T2bで記録パワーを段階的に順次変更して試し書きを行ない、その試し書きの結果に基づいて最適記録パワー値を求める。
【0062】
このようにして、この光ディスク記録再生装置は、多層構造を持つ光ディスクの試し書き領域にレーザビームを順次段階的に変化させて試し書き記録を行なって最適記録パワー値を求める場合には、常にどの階層の試し書き領域にも試し書きがされていない新しい試し書き領域を使用して最適記録パワー値を求めるので、他の階層の影響を受けずに、その階層の条件に適した最適記録パワー値の補正を行なうことが出来る。
【0063】
次に、この光ディスク記録再生装置におけるこの発明の請求項2に記載した手段の機能による請求項6に記載した最適記録レーザパワー値決定方法に関る処理について説明する。
【0064】
図5は、その処理を示すフローチャートである。
光ディスク記録再生装置は、光ディスク1への情報の記録時、ステップ(図中「S」で示す)11で記録するデ−タ領域を検出すると、ステップ12へ進んで記録を行なうデ−タ領域と同じ層に有る試し書き領域を検出し、ステップ13へ進んで試し書きを行なう層よりも上位層(例えば、第1層目20)の階層で試し書きされているか否かを判定する。
【0065】
上記判定で試し書きされていれば、ステップ14へ進んで次の新しい試し書き領域へ移行し、ステップ16へ進んで記録発光パワー(記録パワー値)を段階的に変化させて試し書きを行なう。
【0066】
また、上記判定で試し書きされていなければ、ステップ15へ進んで試し書き領域を移行せず、ステップ16へ進んで記録発光パワー(記録パワー値)を段階的に変化させて試し書きを行なう。
【0067】
ステップ17へ進んで試し書きの記録結果を読み込んで比較し、ステップ18へ進んで最適記録パワー値を求めて、ステップ19へ進んで予め設定されていた最適記録パワー値を上記求められた最適記録パワー値に補正し、その補正後の最適記録パワー値で上記データ領域に情報を記録し、この記録処理を終了する。
【0068】
さらに、この記録処理における最適記録パワー値決定処理を説明する。
この光ディスク記録再生装置は、多層構造の記録面の各層に情報を記録するためのデータ領域(D1,D2)と情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域(T1,T2)とをそれぞれ異なる位置に設けた光ディスク1のいずれかの層のデータ領域(例えば、D2)に情報を記録するとき、そのデータ領域(D2)と同層の試し書き領域(T2)内の複数の小領域(T2a,T2b)の内、その試し書き領域(T2)よりも上位層の試し書き領域(T1)で未だ試し書きがされていない小領域(例えば、T1b)に対応する位置の小領域(T2b)に試し書きを行なって最適記録パワー値を求める。
【0069】
例えば、図3に示すように、情報を第2層目21のデータ領域D2の小領域D2aに記録するとき、データ領域D2の小領域D2aと同じ第2層目21にある試し書き領域T2の小領域T2aを検出する。
【0070】
小領域T2aを検出した後で、試し書き領域T2の小領域T2aの上位層である第1層目20の試し書き領域T1の小領域T1aを検出し、その小領域T1aが既に試し書きされているか否かを判断する。
【0071】
試し書き領域T1の小領域T1aがすでに試し書きをされているのであれば、実際に試し書きを行なう試し書き領域を小領域T2aから小領域T2bへと移行する。
【0072】
そして、試し書き領域T2の小領域T2bでも同様に上位層(第1層目20)の階層の試し書き領域T1の小領域T1bに対して以前試し書きがされていたか否かを判断し、試し書きがされていないのであれば、試し書き領域T2の小領域T2bでレーザビームを順次段階的に変化させて試し書き記録を行なう。
【0073】
その後、試し書き領域T2の小領域T2bへの記録が終了すると、書き込んだ情報を読み出して検出し、比較を行なってデータ領域D2の小領域D2aでの最適記録パワー値を算出して記憶する。
【0074】
そして、予め設定されている最適記録パワー値のレーザパワーを、上記算出された最適記録パワー値に補正することにより、データ領域D2aに対する情報の記録を正しく行なえる。
【0075】
一方、情報を第1層目20のデータ領域D1の小領域D1aに記録するとき、データ領域D1の小領域D1aと同じ第1層目20にある試し書き領域T1の小領域T1aを検出する。
【0076】
ここで、試し書き領域T1の小領域T1aの上位層はないので、例え第2層目21の試し書き領域T2の小領域T2aに対して以前試し書きがされていたとしても、試し書き領域T1の小領域T1aに試し書きがされていなければ、そのまま試し書き領域T1の小領域T1aにレーザビームを順次段階的に変化させて試し書き記録を行なって最適記録パワー値を求める。
したがって、試し書き領域の省スペース化になり、データ領域を多く持つことが出来る。
【0077】
このようにして、この光ディスク記録再生装置は、多層構造を持つ光ディスクに情報を記録するデータ領域と同じ層の試し書き領域に試し書きをしていく際、目標とする試し書き領域の層よりも下位の階層に既に試し書きがされている場合は、そのままの試し書き領域で試し書きを行なうが、上位に試し書きが既に行なわれている場合、その試し書き領域は使用せずに新しい次の試し書き領域に試し書きを行なっていく。
したがって、試し書き領域を効率よく使用することが出来、データ領域を広く取ることが出来る。
【0078】
次に、この光ディスク記録再生装置におけるこの発明の請求項3に記載した手段の機能による請求項7に記載した最適記録パワー値決定方法に関る処理について説明する。
【0079】
図6は、その処理を示すフローチャートである。
光ディスク記録再生装置は、光ディスク1への情報の記録時、ステップ(図中「S」で示す)21で記録するデータ領域を検出すると、ステップ22へ進んで記録を行なうデータ領域の上位層(例えば、第1層目)の階層のデータ領域に情報が記録されているか否かを検出する。
【0080】
ステップ23へ進んで上位層(第1層目)の階層のデータ領域に情報が記録されていれば、その階層の試し書き領域にランダムデータ(予め設定されたルールに基づくランダムな情報)を記録し、ステップ25へ進んで情報を記録するデータ領域と同じ層にある試し書き領域に移行する。
【0081】
また、ステップ24へ進んで上位層(第1層)の階層にデータ(情報)が記録されていなければ、ステップ25へ進んで情報を記録するデータ領域と同じ層にある試し書き領域に移行する。
【0082】
その後、ステップ26へ進んで記録発光パワー(記録パワー値)を段階的に変化させて試し書きを行ない、ステップ27へ進んで試し書きの記録結果を読み込んで比較し、ステップ28へ進んで最適記録パワー値を求めて、ステップ29へ進んで予め設定されていた最適記録パワー値を上記求められた最適記録パワー値に補正し、その補正後の最適記録パワー値で上記データ領域に情報を記録し、この記録処理を終了する。
【0083】
さらに、この記録処理における最適記録パワー値決定処理を説明する。
この光ディスク記録再生装置は、多層構造の記録面の各層に情報を記録するためのデータ領域(D1,D2)と情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域(T1,T2)とをそれぞれ異なる位置に設けた光ディスク1のいずれかの層のデータ領域(例えば、D2)に情報を記録するとき、そのデータ領域(D2)と同層の試し書き領域(T2)内の複数の小領域(T2a,T2b)の内、その試し書き領域(T2)よりも上位層の試し書き領域(T1)で未だ試し書きがされていない小領域(例えば、T1a)に対応する位置の小領域(T2a)を検出し、上記データ領域(D2)の上記情報の記録箇所(例えば、D2a)に対応する上位層のデータ領域(D1)の記録箇所(D1a)に既に情報が記録されていたとき、上記データ領域(D2)と同層の前記検出された小領域(T2a)に対応する上記上位層の試し書き領域(T1)の小領域(T1a)にランダムな情報を記録した後、上記検出された小領域(T2a)に試し書きを行なって最適記録パワー値を求める。
【0084】
例えば、図3に示すように、情報を第2層目21のデータ領域D2の小領域D2aに記録するとき、データ領域D2の小領域D2aの上位層(第1層目20)にあるデータ領域D1の小領域D1aを検出し、その小領域D1aに情報が既に記録されているか否かを判断する。
【0085】
データ領域D1の小領域D1aに情報が未記録であれば、情報を記録するデータ領域D2の小領域D2aと同じ層にある試し書き領域T2の小領域T2aに試し書きを行なって最適記録パワー値を求める。
【0086】
しかし、データ領域D1の小領域D1aに情報が既に記録されているのであれば、本来データ領域D2の小領域D2aに対して試し書きを行なうはずであったが、試し書き領域T2の小領域T2aの上位層(第1層目20)にある試し書き領域T1の小領域T1aにランダムなデータを試し書きの前に記録する。
【0087】
これは、試し書き領域T1の小領域T1aにランダムなデータを記録することにより、データ領域D2の小領域D2aに対するデータ領域D1の小領域D1aと同じ条件を試し書き領域T2の小領域T2aと試し書き領域T1の小領域T1aに作るためである。
【0088】
そして、試し書き領域T1の小領域T1aにランダムなデータを記録した状態で、試し書き領域T2の小領域T2aにレーザビームを順次段階的に変化させて試し書き記録を行なって最適記録パワー値を求める。
【0089】
このようにして、この光ディスク記録再生装置は、多層構造を持つ光ディスクの情報の記録を行なうデータ領域に対して上位の階層のデータ領域に既にデータが記録されているのであれば、最適記録パワー値を求めるために行なう試し書き領域においても、既にデータが記録されている階層と同じ試し書き領域に一度記録をしてから最適記録パワー値を求める階層の試し書き領域に試し書きを行なって最適記録パワー値を求める。
【0090】
したがって、情報を記録する層についての最適記録パワー値ではなく、その層に関与すると思われる他の層の状況までも考慮して最適記録パワー値を求めることが出来る。
【0091】
次に、この光ディスク記録再生装置で使用する記録面が2層構造の光ディスク1の他の例について説明する。
図7は、記録面が2層構造の光ディスク1のデータ領域と試し書き領域の構成の他の例を示す説明図である。
【0092】
この光ディスク1は、図2に示した光ディスクと同じように2層構造であるが、図7に示すように、2層構造を持つ記録面の片方の記録面(第1層目20)だけに情報を記録するデータ領域D1と情報の記録時にレーザビームの発光パワーを決定するために用いる試し書き領域T1を異なる位置にそれぞれ設けている。
そして、もう一方の記録面(第2層目21)には、情報の記録を行なうデータ領域D2のみが存在する。
【0093】
次に、この光ディスク記録再生装置における図7に示した2層構造を持つ光ディスク1に情報を記録する際の記録レーザパワーの最適値を求める処理について説明する。
【0094】
図8は、この光ディスク記録再生装置におけるこの発明の第2の参考技術の処理を示すフローチャートである。
【0095】
光ディスク記録再生装置は、光ディスク1への情報の記録時、ステップ(図中「S」で示す)31で記録するデータ領域を検出すると、ステップ32へ進んで第1層目にある試し書き領域を検出し、ステップ33へ進んで記録発光パワー(記録パワー値)を段階的に変化させて試し書きを行なう。
【0096】
ステップ34へ進んで試し書きの記録結果を読み込んで比較し、ステップ35へ進んで最適記録パワー値を求めて、ステップ36へ進んで上記求められた最適記録パワー値に基づいて第2層目の最適記録パワー値を求めるのであれば、第2層目と第1層目との予め算出しておいた係数を用いるため、セットする。
そして、ステップ37へ進んで上記係数を用いて最適記録パワー値を算出して、この処理を終了する。
【0097】
さらに、この最適記録パワー値決定処理について説明する。
この光ディスク記録再生装置は、多層構造の記録面の一つの層だけに情報を記録するためのデータ領域(D1)と情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域(T1)とをそれぞれ異なる位置に設け、その他の層には情報を記録するデータ領域(D2)のみを設けた光ディスク1に情報を記録するとき、データ領域(D1)と試し書き領域(T1)の2つの領域を持つ層の試し書き領域(例えば、T1a)に記録パワーの試し書きを行なって最適記録パワー値を求め、その最適記録パワー値に基づいてデータ領域(D2)しか持たない層の最適記録パワー値を求める。
【0098】
例えば、図7に示すように、情報を第2層目21のデータ領域D2の小領域D2aに記録するとき、試し書き領域は第1層目20にしかないため、第1層目20の試し書き領域T1の小領域T1aにレーザビームを順次段階的に変化させて試し書き記録を行なう。
【0099】
その試し書きを終えた後に、試し書き領域T1の小領域T1aへ書き込んだ情報を読み出して、最適記録パワー値を求める。
さらに、予め求めておいた第1層目20と第2層目21との最適記録パワー値の差を考慮して、上記求めた最適記録パワー値に係数を用いて第1層目20の最適記録パワー値から第2層目21の最適記録パワー値を算出する。
【0100】
そして、予め設定されていた最適記録パワー値を、上記算出によって求められた最適記録パワー値のレーザパワーに補正して記録することにより、データ領域D2の小領域D2aに情報を正しく記録することが出来る。
【0101】
このようにして、この光ディスク記録再生装置は、ただ一つの記録層についてのみデータ領域と試し書き領域の2つの領域を持ち、その他の記録層においてはデータ領域のみを持つ多層構造を持つ光ディスクに対して記録するとき、データ領域と試し書き領域を唯一持つ記録層の最適記録パワーを試し書きによって求め、そこから実際に情報の記録を行なう記録面の最適記録パワーを算出するので、光ディスクの各層に試し書き領域を持つ必要が無く、データ領域を多く使用することが出来る。
【0102】
なお、上述の光ディスク記録再生装置において、多層構造を持つ光ディスクに対してこの発明の請求項1乃至3に記載の最適記録パワー値決定手段を単独もしくはこの発明の第1の参考技術の手段と共に組み合わせて設けるようにし、そのいずれかを選択して有効にするようにすれば、光ディスクメディアの種類を気にすること無く、情報の記録と再生を簡単に行なうことができる。
【0103】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明の光ディスク記録再生装置と光ディスクの最適記録パワー値決定方法によれば、追記又は書き換え可能な多層構造を持つ光ディスクに情報の記録を行なう場合、情報を書き込む層のデータ領域に対して記録時のレーザ出力を最適な記録パワー値に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態の光ディスク記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 図1に示す光ディスク記録再生装置が使用する記録面が2層構造の光ディスク1の一例の断面図である。
【図3】 図1に示す光ディスク記録再生装置が使用する記録面が2層構造の光ディスク1のデータ領域と試し書き領域の構成の一例を示す説明図である。
【図4】 図1に示す光ディスク記録再生装置におけるこの発明の第1の参考技術の処理を示すフローチャートである。
【図5】 図1に示す光ディスク記録再生装置におけるこの発明の請求項2に記載した手段の機能による請求項6に記載した最適記録レーザパワー値決定方法に関る処理を示すフローチャートである。
【図6】 図1に示す光ディスク記録再生装置におけるこの発明の請求項3に記載した手段の機能による請求項7に記載した最適記録パワー値決定方法に関る処理を示すフローチャートである。
【図7】 図1に示す光ディスク記録再生装置が使用する記録面が2層構造の光ディスク1のデータ領域と試し書き領域の構成の他の例を示す説明図である。
【図8】 図1に示す光ディスク記録再生装置におけるこの発明の第2の参考技術の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1:光ディスク 2:光ディスク回転機構部
3:レーザビーム光源部 4:光学ヘッド部
5:信号処理部 6:試し書き再生信号処理部
7:再生処理部 8:サーボ制御部
9:動作制御ユニット
10:レーザビーム制御部
11:試し書き記録制御部 12:判別回路
20:第1層目 21:第2層目
Claims (7)
- 情報を記録するためのデータ領域と前記情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域とを各々有する複数の記録層を持つ光ディスクに対して情報の記録及び再生を行なう手段を備えた光ディスク記録再生装置であって、
前記光ディスクのいずれかの層のデ−タ領域に前記情報を記録するとき、該データ領域と同層の試し書き領域内の複数の小領域の内、他層の試し書き領域の未だ試し書きがされていない小領域に対応する位置の小領域に試し書きを行なって最適記録パワー値を求める最適記録パワー値決定手段を設けたことを特徴とする光ディスク記録再生装置。 - 情報を記録するためのデータ領域と前記情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域とを各々有する複数の記録層を持つ光ディスクに対して情報の記録及び再生を行なう手段を備えた光ディスク記録再生装置であって、
前記光ディスクのいずれかの層のデ−タ領域に前記情報を記録するとき、該デ−タ領域と同層の試し書き領域内の複数の小領域の内、該試し書き領域よりも上位層の試し書き領域で未だ試し書きがされていない小領域に対応する位置の小領域に試し書きを行なって最適記録パワー値を求める最適記録パワー値決定手段を設けたことを特徴とする光ディスク記録再生装置。 - 情報を記録するためのデータ領域と前記情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域とを各々有する複数の記録層を持つ光ディスクに対して情報の記録及び再生を行なう手段を備えた光ディスク記録再生装置であって、
前記光ディスクのいずれかの層のデ−タ領域に前記情報を記録するとき、該デ−タ領域と同層の試し書き領域内の複数の小領域の内、該試し書き領域よりも上位層の試し書き領域で未だ試し書きがされていない小領域に対応する位置の小領域を検出し、前記デ−タ領域の前記情報の記録箇所に対応する上位層のデ−タ領域の記録箇所に既に情報が記録されていたとき、前記デ−タ領域と同層の前記検出された小領域に対応する前記上位層の試し書き領域の小領域にランダムな情報を記録した後、前記検出された小領域に試し書きを行なって最適記録パワー値を求める最適記録パワー値決定手段を設けたことを特徴とする光ディスク記録再生装置。 - 情報を記録するためのデータ領域と前記情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域とを各々有する複数の記録層を持つ光ディスクに前記情報を記録するとき、該情報を記録するデータ領域と同層の試し書き領域に記録パワーの試し書きを行なって最適記録パワー値を求める第1の最適記録パワー値決定手段と、
情報を記録するためのデータ領域と前記情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域とを各々有する複数の記録層を持つ光ディスクのいずれかの層のデ−タ領域に前記情報を記録するとき、該データ領域と同層の試し書き領域内の複数の小領域の内、他層の試し書き領域の未だ試し書きがされていない小領域に対応する位置の小領域に試し書きを行なって最適記録パワー値を求める第2の最適記録パワー値決定手段と、
情報を記録するためのデータ領域と前記情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域とを各々有する複数の記録層を持つ光ディスクのいずれかの層のデ−タ領域に前記情報を記録するとき、該デ−タ領域と同層の試し書き領域内の複数の小領域の内、該試し書き領域よりも上位層の試し書き領域で未だ試し書きがされていない小領域に対応する位置の小領域に試し書きを行なって最適記録パワー値を求める第3の最適記録パワー値決定手段と、
情報を記録するためのデータ領域と前記情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域とを各々有する複数の記録層を持つ光ディスクのいずれかの層のデ−タ領域に前記情報を記録するとき、該デ−タ領域と同層の試し書き領域内の複数の小領域の内、該試し書き領域よりも上位層の試し書き領域で未だ試し書きがされていない小領域に対応する位置の小領域を検出し、前記デ−タ領域の前記情報の記録箇所に対応する上位層のデ−タ領域の記録箇所に既に情報が記録されていたとき、前記デ−タ領域と同層の前記検出された小領域に対応する前記上位層の試し書き領域の小領域にランダムな情報を記録した後、前記検出された小領域に試し書きを行なって最適記録パワー値を求める第4の最適記録パワー値決定手段と、
前記第1乃至4のいずれか一つの最適記録パワー値を選択して有効にする手段とを設けたことを特徴とする光ディスク記録再生装置。 - 情報を記録するためのデータ領域と前記情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域とを各々有する複数の記録層を持つ光ディスクのいずれかの層のデ−タ領域に前記情報を記録するとき、該データ領域と同層の試し書き領域内の複数の小領域の内、他層の試し書き領域の未だ試し書きがされていない小領域に対応する位置の小領域に試し書きを行なって最適記録パワー値を求めることを特徴とする光ディスクの最適記録パワー値決定方法。
- 情報を記録するためのデータ領域と前記情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域とを各々有する複数の記録層を持つ光ディスクのいずれかの層のデ−タ領域に前記情報を記録するとき、該デ−タ領域と同層の試し書き領域内の複数の小領域の内、該試し書き領域よりも上位層の試し書き領域で未だ試し書きがされていない小領域に対応する位置の小領域に試し書きを行なって最適記録パワー値を求めることを特徴とする光ディスクの最適記録パワー値決定方法。
- 情報を記録するためのデータ領域と前記情報の記録時にレーザビームの発光パワーの最適記録パワー値を決定するために用いる試し書き領域とを各々有する複数の記録層を持つ光ディスクのいずれかの層のデ−タ領域に前記情報を記録するとき、該デ−タ領域と同層の試し書き領域内の複数の小領域の内、該試し書き領域よりも上位層の試し書き領域で未だ試し書きがされていない小領域に対応する位置の小領域を検出し、前記デ−タ領域の前記情報の記録箇所に対応する上位層のデ−タ領域の記録箇所に既に情報が記録されていたとき、前記デ−タ領域と同層の前記検出された小領域に対応する前記上位層の試し書き領域の小領域にランダムな情報を記録した後、前記検出された小領域に試し書きを行なって最適記録パワー値を求めることを特徴とする光ディスクの最適記録パワー値決定方法。
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