JP3717846B2 - 反射防止膜を有するプラスチックレンズの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射防止膜を有するプラスチックレンズの製造方法に関する。さらに詳しくは、硬化被膜と反射防止膜との密着性に優れるとともに、耐摩耗性に優れた製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
硬化被膜と反射防止膜との密着性および耐摩耗性の劣化を防ぐために、硬化被膜表面に、酸素ラジカル、即ちオゾンガスまたはオゾン水で処理することは知られている。その例として、例えば、特開2001−141905号公報には、酸化チタン微粒子を含む硬化被膜を有するプラスチックレンズ基材の硬化被膜表面に、オゾンガス、オゾン水処理を施したのち、蒸着法によって反射防止膜を形成させるプラスチックレンズの製造方法が提案されている。
しかしながら、この製造方法では、酸化チタン微粒子以外の金属酸化微粒子、例えば、酸化ケイ素を含む硬化被膜を有するプラスチックレンズ基材の硬化被膜表面に、オゾンガスやオゾン水を処理した場合、硬化被膜と反射防止膜との密着性および耐摩耗性の劣化を防ぐことができない可能性があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる課題を解決するためになされたもので、その目的は、多くの種類の硬化被膜において反射防止膜との密着性に優れるとともに、耐摩耗性に優れた反射防止膜を有するプラスチックレンズの製造方法および反射防止膜を有するプラスチックレンズを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、反射防止膜を形成する前に、プラスチックレンズの硬化被膜表面に、水または水溶液よりなる液膜を施してから、オゾンガス処理することにより、前記目的を達成することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、有機ケイ素化合物を含む硬化被膜を有するプラスチックレンズの硬化被膜表面に、水または水溶液よりなる液膜を施し、該液膜にオゾンガスを接触させて、硬化被膜表面をオゾンガス処理した後、硬化被膜表面上に、蒸着法によって反射防止膜を形成する反射防止膜を有するプラスチックレンズの製造方法を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の反射防止膜を有するプラスチックレンズの製造方法は、有機ケイ素化合物を含む硬化被膜を有するプラスチックレンズの硬化被膜表面に、水または水溶液よりなる液膜を施し、該液膜にオゾンガスを接触させて、硬化被膜表面をオゾンガス処理した後、硬化被膜表面上に、蒸着法によって反射防止膜を形成する。
【0006】
以下、本発明の製造方法及びそれを実現する製造装置の具体例を、図面を用いて詳細に説明する。
図1に示すように、オゾン処理装置1は、公知のオゾンガス発生器2、オゾンガス供給管2a、レンズの硬化被膜表面にオゾンガスを接触させるためのオゾン処理槽3、廃オゾン水分解部4、レンズに乾燥処理などをする後処理部5,オゾンガス分解部6、溶液供給管7、オゾンガスをオゾン処理槽3内のレンズに向けて噴射させるための噴射管8より基本的に構成される。
また、オゾン処理槽3は、図2に示すように、硬化被膜を有するレンズ9をオゾンガス処理およびレンズ9の硬化被膜に水による被膜を施すための空間部3aと、オゾン処理槽3の下方に噴射管を漬浸するための溶液部3b、レンズを保持するための保持部3cより基本的に構成されている。
【0007】
このオゾン処理装置1は、以下のように動作する。
図2に示すように、溶液部3bの溶液は、ポンプ11を作動させることにより、循環管11aを介して、スプレーノズル10に誘導する。そしてスプレーノズル10より、溶液を噴霧させてレンズ9の硬化被膜上に溶液の被膜を形成する。噴霧させた溶液は、溶液部3bに貯まり、循環して使用することができる。溶液を噴霧させる量は、1分当たり、例えば、処理槽3(気体部分)の大きさが約120リットルの場合には、0.3〜3.5リットル/min.が好ましい。
【0008】
溶液部3bの溶液としては、水、オゾン水、遊離基捕獲剤含有水溶液が好ましく用いられる。遊離基捕獲剤としては、公知のものを用いられ、例えば、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸水素塩、燐酸ナトリウムなどの燐酸塩などが挙げられる。遊離基捕獲剤の好ましい添加濃度は、硬化被膜と反射防止膜との密着性の観点から0.01モル/リットル〜飽和濃度であり、さらに好ましくは、0.1モル/リットル〜1.00モル/リットルである。溶液部3bの温度は15〜30℃が好ましい。
【0009】
オゾンガス発生器2によりオゾンガスが作られる。そのオゾンガスは、供給管2aを介して、微細孔が設けられている噴射管8へと移動し、この微細孔により噴射してオゾン処理槽3内に入る。この際、供給管2aより供給されるオゾンガスの流量は、例えば、処理槽3(気体部分)の大きさが約120リットルの場合には、2〜3リットル/min.が好ましい。供給管2aから供給されるオゾンガス濃度は、硬化被膜および反射防止膜の種類にもよるが、良好な密着性を得るために、通常50g/Nm3以上、100g/Nm3以上が好ましく、140g/Nm3以上が特に好ましい。供給されるオゾンガスの温度は15〜40℃の範囲が好ましい。
【0010】
噴射管8から噴射されたオゾンガスは、オゾン処理槽3の溶液部3bに接触する。溶液部3bに接触するオゾンガスは、当初、溶液部3bに溶解するが、飽和点に達してしまうと、溶解せずに、上昇してレンズ9に接触する。かかる原理で、レンズ9の液膜のオゾンガス処理が行われる。処理時間は、オゾンガス濃度、硬化被膜の組成などにより異なるが、10秒〜10分であることが好ましい。処理時間が長くなると、硬化被膜が剥離する場合があるので、硬化被膜が剥離しない程度に処理を行う。
溶液部3bの溶液が不要となった場合は、供給管4aを介して、オゾン水分解部4で処理される。また、処理槽に充満しているオゾンガスは、オゾンガス供給管6aを介して、オゾン分解部6に送られ、屋外に排出される。新たに溶液部3bを要する場合は、溶液供給管7により溶液を供給する。
【0011】
硬化被膜を形成する有機ケイ素化合物としては、例えば、一般式(I)
(R1)a (R3)bSi(OR2)4-(a+b) (I)
(式中、R1 およびR3 は、それぞれ独立して、官能基を有する若しくは有しない炭素数1〜10の一価の炭化水素基、R2 は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基または炭素数1〜8のアシル基、aおよびbは、それぞれ0または1を示し、複数のOR2 はたがいに同一でも異なっていてもよい。)
で表される化合物、および一般式(II)
【0012】
【化1】
(式中、R4 およびR5 は、それぞれ独立して、官能基を有する若しくは有しない炭素数1〜5の一価の炭化水素基、X1 およびX2 は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基、Yは炭素数1〜20の二価の炭化水素基、xおよびyは、それぞれ0または1を示し、複数のX1 はたがいに同一でも異なっていてもよく、また、複数のX2 は互いに同一でも異なっていてもよい。)
で表される化合物並びにそれらの加水分解物の中から選ばれる少なくとも一種を用いることができる。
【0013】
前記一般式(I)において、R1 およびR3 で示される炭素数1〜10の一価の炭化水素基としては、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基を挙げることができる。上記のアルキル基およびアルケニル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。炭素数1〜10のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられ、炭素数2〜10のアルケニル基の例としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基などが挙げられる。また、炭素数6〜10のアリール基の例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などが挙げられ、炭素数7〜10のアラルキル基の例としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。
【0014】
これらの炭化水素基には官能基が導入されていてもよく、該官能基としては、例えばハロゲン原子、グリシドキシ基、エポキシ基、アミノ基、シアノ基、メルカプト基、(メタ) アクリルオキシ基などが挙げられる。この官能基を有する炭素数1〜10の一価の炭化水素基の例としては、グリシドキシメチル基、α−グリシドキシエチル基、β−グリシドキシエチル基、α−グリシドキシプロピル基、β−グリシドキシプルピル基、γ−グリシドキシプロピル基、α−グリシドキシブチル基、β−グリシドキシブチル基、γ−グリシドキシブチル基、δ−グリシドキシブチル基、(3,4−エポキシシクロヘキシル) メチル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル) エチル基、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル) プロピル基、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル) ブチル基、クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、γ−メタクリルオキシプロピル基、γ−アクリルオキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、β−シアノエチル基、N−( β−アミノエチル) −γ−アミノプロピル基、γ−アミノプロピル基などが挙げられる。
【0015】
一方、R2 のうち炭素数1〜8のアルキル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、その例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられ、炭素数6〜10のアリール基の例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基などが挙げられ、炭素数7〜10のアラルキル基の例としては、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。また、炭素数1〜8のアシル基としては、例えばアセチル基などが挙げられる。
【0016】
前記一般式(I)で表される化合物の例としては、メチルシリケート、エチルシリケート、n−プロピルシリケート、イソプロピルシリケート、n−ブチルシリケート、sec−ブチルシリケート、tert−ブチルシリケート、テトラアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリアミロキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリベンジルオキシシラン、メチルトリフェネチルオキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、β−シアノエチルトリエトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシランなどが挙げられる。
【0017】
一方、前記一般式(II)において、X1 およびX2 のうちの炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられ、炭素数1〜4のアシル基としては、例えばアセチル基などが好ましく挙げられる。このX1 およびX2 はたがいに同一でも異なっていてもよい。
【0018】
また、R4 およびR5 で示される炭素数1〜5の一価の炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基および炭素数2〜5のアルケニル基が挙げられる。これらは直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基などが挙げられ、アルケニル基の例としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基などが挙げられる。これらの炭化水素基には官能基が導入されていてもよく、該官能基および官能基を有する炭化水素基としては、前記一般式(I)のR1 およびR3 の説明で例示したものと同じものを挙げることができる。このR4 およびR5 は、たがいに同一であっても異なっていてもよい。
【0019】
Yで示される炭素数1〜20の二価の炭化水素基としては、アルキレン基およびアルキリデン基が好ましく、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、オクチレン基、エチリデン基、プロピリデン基などを挙げることができる。
前記一般式(II)で表される化合物の例としては、メチレンビス(メチルジメトキシシラン)、エチレンビス(エチルジメトキシシラン)、プロピレンビス(エチルジエトキシシラン)、ブチレンビス(メチルジエトキシシラン)などが挙げられる。
【0020】
本発明で用いられる硬化被膜に含まれる有機ケイ素化合物として、前記一般式(I)、(II)で表される化合物およびその加水分解物の中から適宜一種選択して用いてもよく、二種以上を選択し、組み合わせて用いてもよい。また、加水分解物は一般式(I)、(II)で表される化合物に、水酸化ナトリウムやアンモニウム水溶液などの塩基性水溶液、塩酸水溶液、酢酸水溶液やクエン酸水溶液などの酸性水溶液を添加し攪拌することにより調製することができる。
【0021】
また、硬化被膜の成分として、金属酸化物微粒子(コロイド)を含有させてもよい。この金属酸化物微粒子としては、特に制限はなく、従来公知のものの中から、任意のものを選択して用いることができる。この金属酸化物微粒子の例としては、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化セリウム、酸化鉄などの単体金属酸化物微粒子、あるいは、特開平6−25603号公報に開示されている酸化スズ−酸化ジルコニウム−酸化タングステンの複合体微粒子、特開平3−217230号公報に開示されている酸化スズ−酸化タングステンの複合体微粒子、特開平8−113760号公報に開示されている酸化チタン、酸化セリウム、および酸化ケイ素の複合金属酸化物微粒子、特開平10−306258号公報に開示されている酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズの複合体微粒子、特開平9−21901号公報に開示されている酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化ケイ素の複合体微粒子、酸化第二スズ−酸化ジルコニウム−酸化タングステンの複合体微粒子などの複合体微粒子を挙げることができる。これらの中でも、特に好ましい金属酸化物微粒子としては、酸化ケイ素微粒子、酸化チタン微粒子および酸化スズ微粒子から選ばれる少なくとも1種類である。
【0022】
この金属酸化物微粒子の平均粒径は、通常1〜500nmの範囲で選定される。この金属酸化物微粒子は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明における硬化被膜は、例えばコーティング組成物を塗布することにより形成されるが、コーティング組成物には、所望により、塗布時における濡れ性を向上させ硬化被膜の平滑性を向上させる目的で各種の有機溶剤や界面活性剤を含有させることもできる。
【0023】
前記有機溶剤は、加水分解を均一に、かつその度合を適度に調節するために、所望により添加されるものであり、このようは有機溶剤としては、例えばメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類が好ましく、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等と組み合わせたものが好適である。この場合、全有機溶剤中のセロソルブ類の含有量は、3重量%以上が好ましく、特に10重量%以上が好ましい。さらに、コーティング液には、所望により、塗膜の平滑性を向上させる目的でシリコーン系界面活性剤を添加することもでき、また、硬化被膜の耐光性の向上、あるいは劣化防止の目的で、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤老化防止剤などを硬化被膜の物性に影響を与えない限り添加することができる。このようにして調製されたコーティング液は、プラスチックレンズレンズ上に良好にコーティングしうるものであれば、その固形分濃度および粘度については特に制限はない。
【0024】
プラスチックレンズレンズ表面にコーティング組成物を塗布する手段としては、例えばディッピング法、スピンコーティング法、スプレー法など、通常行われる方法が適用できるが、面精度の面から、ディッピング法およびスピンコーティング法が特に好ましい。コーティング組成物の硬化は、熱風乾燥または活性エネルギー線照射によって行い、硬化条件としては、70〜200℃の熱風中にて行うのが好ましく、特に好ましくは90〜150℃である。なお活性エネルギー線としては遠赤外線等が挙げられ、熱による損傷を低く抑えることができる。
【0025】
本発明で使用するプラスチックレンズとしては、特に限定されない。その例としては、メチルメタクリレート単独重合体、メチルメタクリレートと一種以上の他のモノマーとをモノマー成分とする共重合体、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート単独重合体、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートと一種以上の他のモノマーとをモノマー成分とする共重合体、イオウ含有共重合体、ハロゲン含有共重合体、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、不飽和ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリチオウレタンなどが挙げられる。
【0026】
本発明の製造方法において、レンズの硬化被膜にオゾン処理を行った後、反射防止膜を施す前に、超音波洗浄槽ですすぎ、硬化被膜に付着している異物除去のためアルカリ洗浄を行うことも可能である。
【0027】
本発明において、反射防止膜を形成するための無機酸化物は、特に限定されず、通常反射防止膜の原料として公知の物質を用いることができる。例えば、Ta2 O5、Y 2 O 3 、ZrO2、SiO2、TiO2、Al2O3、Nb2O5などが挙げられる。反射防止膜は蒸着により施されるが、イオンビ−ムアシスト法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法を併用してもよい。
反射防止膜として、単層からなるものを形成してもよいし、多層からなるものを形成してもよいが、該硬化被膜表面に接する蒸着層は、反射率、硬化被膜との密着性、耐摩耗性などを考慮すると、主として二酸化ケイ素から構成されていることが好ましい。また、反射防止膜が単層からなる場合、その光学的膜厚は、0.25λ0 (λ0 =450〜650nm)であるのが好ましい。さらに、光学的膜厚が0.25λ0 /0.25λ0 の屈折率の異なる二層膜や、光学的膜厚が0.25λ0 /0.5λ0 /0.25λ0 または0.25λ0/0.25λ0 /0.25λ0 の屈折率の異なる三層膜よりなる多層反射防止膜、あるいは一部等価膜で置き換えた多層コートによる反射防止膜が好ましく用いられる。
【0028】
また、前記反射防止膜と本発明のコ−ティング組成物からなる硬化皮膜との間に、金属ニオブなどの金属膜または二酸化ケイ素、酸化アルミニウムなどの酸化金属膜からなる下地層を設けることができる。
さらに、硬化被膜とプラスチックレンズの間には、耐衝撃性の改善やコーティング膜のプラスチックレンズへの接着性向上の目的で特開平3−109502号公報などに開示されているプライマー膜を施してもよい。プライマー膜の例としては、ポリイソシアネートとポリオールを原料として、ウレタン系の膜を形成するものが挙げられる。ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4‘-シクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネートのそれぞれ数分子を種々の方法で結合させた付加物、イソシアヌレート、アロファネート、ビュウレット、カルボジイミドをアセト酢酸、マロン酸、メチルエチルケトオキシムなどでブロックしたものなどが挙げられ、一方、ポリオールとしては、水酸基を1分子内に複数個有するポリエステル、ポリエーテル、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート、ポリアクリレートなどが挙げられる。また、プライマー膜の屈折率向上のため、酸化チタン微粒子などの酸化金属微粒子をプライマ−層に含有することができる。
【0029】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例および比較例中の物性評価は、下記の方法に従って行った。
(a)耐摩耗性
実施例で得られた反射防止膜付きプラスチックレンズを50℃の温水に、48時間漬浸させた後、スチールウールの規格#0000で、スチ−ルウ−ルとレンズ面が直交する方向に、1kgf/cm2の力で20回(往復)擦り、傷の付きにくさを以下の基準で判定した。
UA:ほとんど傷がつかない。
A:極くわずかに傷がつく。
B:少し傷がつく。
C:多く傷がつく。
(b)密着性
実施例で得られた反射防止膜付きプラスチックレンズを50℃の温水に、48時間漬浸させた後、レンズ面硬化被膜表面を1mm間隔のゴバン目(10×10個)にカットし、セロハン粘着テープ(ニチバン(株)製No.405)を強くはりつけ、90度方向に急激にはがして残ったゴバン目の数を調べた。
(c)YI値
オゾン処理前の硬化被膜とオゾン処理後の硬化被膜のYI値を、分光計U3410(株式会社日立製作所製、商品名)を用い、C光源2°視野でのXYZ値より算出した。
【0030】
実施例1〜12および比較例1〜5
表1に記載のプラスチックレンズ基材イ〜ハ、硬化被膜A〜C、反射防止膜α〜γ並びにオゾンガスの濃度、オゾンガスの流量、液膜を形成する処理水の種類および流量にて反射防止膜を有するプラスチックレンズ基材を製造した。プラスチックレンズ基材イ〜ハ、硬化被膜A〜C、反射防止膜α〜γ並びにオゾンガス処理方法および反射防止膜の形成方法を以下に示す。
【0031】
(1)プラスチックレンズ基材
以下に記載するイ〜ハのプラスチック基材を使用した。
プラスチックレンズ基材イ:テスラリッド(屈折率1.71、商品名、製造者:ホ−ヤ株式会社、実施例1及び比較例1に使用)
プラスチックレンズ基材ロ:アイアス(屈折率1.60、商品名、製造者:ホ−ヤ株式会社、実施例2、3及び比較例2に使用)
プラスチックレンズ基材ハ:ジエチレングリコ−ルビスアリルカ−ボネ−トからなる重合体(屈折率1.499、実施例4〜12及び比較例3〜5に使用)
【0032】
(2)ハ−ドコ−ト液の調製および硬化被膜の形成
以下に記載するA〜Cの硬化被膜を形成した。
ハードコート液Aの調製およびそれからなる硬化被膜の形成(酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素からなる複合微粒子を含有した硬化被膜、実施例1及び比較例1に使用)
ステンレス鋼製容器にγ-グリシドキシプロピル(トリメトキシ)シラン1045重量部と、γ-グリシドキシプロピルメチル(ジエトキシ)シラン200重量部とを入れ攪拌しながら0.01モル/リットル塩酸299重量部を添加し、10℃のクリーンルーム内で一昼夜攪拌を続け、シラン加水分解物を得た。
別の容器内で酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素を主体とする複合微粒子ゾル(メタノール分散、全固形分30重量%、平均粒子径5〜8ミリミクロン)3998重量部にメチルセロソルブ4018重量部とイソプロパノール830重量部とを加え攪拌混合し、さらに、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー株式会社製「L−7001」)4重量部とアルミニウムアセチルアセトネート100重量部とを加え、上記と同様に10℃のクリーンルーム内で一昼夜攪拌を続けた後、上記加水分解物とを合わせ、さらに一昼夜攪拌した。その後3μmのフィルターでろ過を行いハードコート液Aを得た。
次に、プラスチックレンズを上記ハードコート液Aに浸漬させ20秒後に引き上げ速度20cm/min.で引き上げ、さらに110℃に設定したオーブン内で1時間加熱して硬化被膜Aを形成した。
【0033】
ハードコート液Bの調製およびそれからなる硬化被膜の形成(酸化第二スズ - 酸化ジルコニウム複合体微粒子を含有した硬化被膜、実施例2、3及び比較例2に使用)
マグネティックスターラーを備えたガラス製の容器に、γ-グリシドキシトリプロピルメトキシシラン142重量部を加え、攪拌しながら0.01規定塩酸1.4重量部水32重量部を滴下した。滴下終了後、24時間攪拌を行いγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランの加水分解物を得た。次に酸化第二スズ-酸化ジルコニウム複合体微粒子(メタノール分散、全金属酸化物31.5重量%、平均粒子径10〜15ミリミクロン)460重量部、エチルセルソルブ300重量部、さらに滑剤としてシリコーン系界面活性剤0.7重量部、硬化剤としてアルミニウムアセチルアセトネート8重量部を、上記γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランの加水分解物中に加え、充分に攪拌した後、ろ過を行なってハードコート液Bを得た。
次に、プラスチックレンズをアルカリ水溶液で浸漬処理し充分に洗浄を行なった後上記ハードコート液Bに浸漬させ、引き上げ速度14cm/min.で引き上げ、さらに120℃に設定したオーブン内で1時間加熱して硬化被膜Bを形成した。
【0034】
ハードコート液Cの調製および硬化被膜の形成(酸化ケイ素からなる微粒子を含有する硬化被膜、実施例4〜12及び比較例3〜5に使用)
マグネティックスターラーを備えたガラス製の容器にγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン120重量部を加え、攪拌しながら、0.1規定塩酸27重量部を滴下した。滴下終了後、24時間攪拌を行い加水分解物を得た。次に、水分散シリカ微粒子(固形分20%、平均粒子径15ミリミクロン)200重量部、溶媒としてイソプロピルアルコール100重量部、エチルセルソルブ100重量部、さらに滑剤としてシリコーン系界面活性剤1重量部、硬化剤としてアルミニウムアセチルアセトネート7重量部を加え、十分攪拌した後、ろ過を行い、ハードコート液Cを得た。
次に、プラスチックレンズをアルカリ水溶液で浸漬処理し充分に洗浄を行なった後上記ハードコート液Cに浸漬させ、引き上げ速度14cm/min.で引き上げ、さらに120℃に設定したオーブン内で1時間加熱して硬化被膜Cを形成した。
【0035】
(3)オゾンガス処理
図1および2に示したオゾンガス処理装置を用い、図1および2に示す処理槽3の溶液部3bの溶液として純水(実施例1、2および6)または0.05モル/リットル〜0.2モル/リットルの炭酸水素ナトリウム溶液(実施例3〜5、7〜12)を用いた。図2の噴射管8に流れるオゾン濃度は、70〜180g/Nm3であった。また、図2の噴射管8に流れるオゾン気体流量は、表1に示すよう2.5〜2.7リットル/min.、硬化被膜上に施す液膜を形成するための、スプレーノズル10から噴射される霧状の溶液は2〜2.6リットル/min.であった。また処理層3の空間部の大きさは118リットル(430×430×640mm)であった。溶液部3bでの温度は、19℃〜25℃、オゾン気体温度は、21℃〜36℃であった。
(4)オゾンガス処理後洗浄
オゾンガス処理後、すすぎのため温水(1〜10μs/cmの純水、55℃、30秒)に漬浸し、硬化被膜に付着している異物を除去するため、アルカリ溶液(0.3%アニオン系界面活性剤、48℃、75秒)に漬浸した。
【0036】
(5)反射防止膜の形成
(4)のオゾンガス処理洗浄後、以下に記載する3種のうちのいずれかの反射防止膜を作製した。
反射防止膜αの形成(実施例1及び比較例1に使用)
硬化被膜上に真空蒸着法により蒸着原料を蒸着させ、該硬化被膜側よりSiO2(0.125λ)/Ta2O5(0.05λ)/SiO2(0.5λ)/Ta2O5(0.125λ)/SiO2(0.05λ)/Ta2O5(0.25λ)/SiO2(0.25λ)の7層からなる反射防止膜を形成した。前記λは500nmで設定を行った。
反射防止膜βの形成(実施例2,3及び比較例2に使用)
硬化被膜上に真空蒸着法によりSiO2を3/4λ蒸着して第1層とし次にNb2O5、ZrO2、Y2O3の各粉末を混合し加圧成型後焼結して得られた蒸着組成物を次のSiO2層とのコンポジット層として1/4λ蒸着した後、上記蒸着組成物/SiO2/蒸着組成物をコンポジット層として1/2λ蒸着し、SiO2を1/4λ蒸着し反射防止膜を形成した。前記λは500nmで設定を行った。
反射防止膜γの形成(実施例4〜 12 及び比較例3〜5に使用)
硬化被膜上にSiO2を真空蒸着法により膜厚6/4λ蒸着して第1層とし、その上にZrO2を約1/17λ蒸着した後、SiO2をZrO2層との合計の膜厚がλ/4になるまで蒸着して第2層とした。その上にZrO2を約1/2λ蒸着して第3層とし、SiO2を1/4λ蒸着して反射防止膜を形成した。前記λは500nmで設定を行った。
【0037】
実施例4〜12は、基材、硬化被膜、反射防止膜の組成を同一とし、処理水、処理時間、オゾン濃度の条件を変えたものである。
比較例1では、実施例1と同一の基材、硬化被膜を施した後、液膜の形成及びオゾンガス処理を行わず、実施例1で行った洗浄を行った後、実施例1と同一の反射防止膜を施した。
比較例2では、実施例2と同一の基材、硬化被膜を施した後、液膜の形成及びオゾンガス処理を行わず、実施例2で行った洗浄を行った後、実施例2と同一の反射防止膜を施した。
比較例3では、実施例4〜12と同一の基材、硬化被膜を施した後、液膜の形成及びオゾンガス処理を行わず、実施例4〜12で行った洗浄を行った後、実施例4〜12と同一の反射防止膜を施した。
比較例4では、実施例4〜12と同一の基材、硬化被膜を施した後、液膜の形成を行わず、オゾンガスのみの処理(気体温度15〜40℃)を行い、実施例4〜12で行った洗浄を行った後、実施例4〜12と同一の反射防止膜を施した。比較例5では、実施例4〜12と同一の基材、硬化被膜を施した後、液膜の形成を行わず、オゾン水(温度15〜40℃)漬浸処理を行い、実施例4〜12で行った洗浄を行った後、実施例4〜12と同一の反射防止膜を施した。
実施例1〜12および比較例1〜5で得られたプラスチックレンズについて、上記(a)〜(c)の試験を行った。その結果を表2に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の製造方法によると、多くの種類の硬化被膜において反射防止膜との密着性に優れるとともに、耐摩耗性に優れた反射防止膜を有するプラスチックレンズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の反射防止膜を有するプラスチックレンズの製造方法を実施するためのオゾンガス処理装置を示す図である。
【図2】 本発明の反射防止膜を有するプラスチックレンズの製造方法を実施するためのオゾンガス処理装置のオゾン処理槽を示す図である。
【符号の説明】
1:オゾン処理装置
2:オゾンガス発生器
2a:オゾンガス供給管
3:オゾン処理槽
3a:空間部
3b:溶液部
3c:保持部
4:廃オゾン水分解部
4a:供給管
5:後処理部
6:オゾンガス分解部
6a:オゾンガス供給管
7:溶液供給管
8:噴射管
9:レンズ
10:スプレーノズル
11:ポンプ
11a:循環管
Claims (13)
- 有機ケイ素化合物を含む硬化被膜を有するプラスチックレンズの硬化被膜表面に、水または水溶液よりなる液膜を施し、該液膜にオゾンガスを接触させて、硬化被膜表面をオゾンガス処理した後、硬化被膜表面上に、蒸着法によって反射防止膜を形成する反射防止膜を有するプラスチックレンズの製造方法。
- 前記水または水溶液を噴霧して、硬化被膜上に液膜を施す請求項1記載の反射防止膜を有するプラスチックレンズの製造方法。
- 前記水または水溶液が、オゾンガスを含むオゾン水またはオゾン水溶液である請求項1記載の反射防止膜を有するプラスチックレンズの製造方法。
- 前記水溶液が、遊離基捕獲剤を含有する水溶液である請求項1〜3項のいずれか1項記載の反射防止膜を有するプラスチックレンズの製造方法。
- 前記遊離基捕獲剤が、炭酸水素塩または燐酸塩である請求項4記載の反射防止膜を有するプラスチックレンズの製造方法。
- 前記水溶液が、水溶液を基準にして遊離基捕獲剤を、0.01モル/リットル以上含有している請求項5記載の反射防止膜を有するプラスチックレンズの製造方法。
- 前記硬化被膜が、酸化金属微粒子を含有している請求項1記載のプラスチックレンズの製造方法。
- 前記酸化金属微粒子が、酸化ケイ素微粒子、酸化チタン微粒子および酸化スズ微粒子から選ばれる少なくとも1種類である請求項7記載のプラスチックレンズの製造方法。
- 前記プラスチックレンズが、ポリチオウレタン系樹脂、エピチオ基含有樹脂、およびジエチレングリコールビスアリルカーボネートを含む樹脂から選ばれる少なくとも1種類からなる請求項1記載のプラスチックレンズの製造方法。
- 前記オゾンガスの濃度を50g/Nm3以上とする請求項1記載のプラスチックレンズの製造方法。
- 前記オゾンガスの濃度を100g/Nm3以上とする請求項1記載のプラスチックレンズの製造方法。
- 前記オゾンガスの濃度を140g/Nm3以上とする請求項1記載のプラスチックレンズの製造方法。
- 液膜に対するオゾンガスの接触時間が10秒〜10分である請求項1〜12項のいずれか1項記載のプラスチックレンズの製造方法。
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