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JP3716681B2 - 穴加工装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークの穴の内壁を切削する中ぐり加工用の穴加工装置、特に、複数の直列状に配備された複数の加工穴を同時に切削可能な穴加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の加工穴を同時に中ぐり加工する中ぐり加工機としては各ワークの形状に応じた専用機が使用されている。
たとえば、シリンダヘッドのようにカム軸の長手方向に沿って軸受穴を複数備えたような場合、図5に示すシリンダヘッド用の中ぐり専用機が用いられる。この専用機100は、ベッド101上に切削加工機本体102とテーブル103と先端軸受104とを備え、加工軸線Lに沿って配備したワークとしてのシリンダヘッド109の複数の軸受穴hを中ぐり加工する。切削加工機本体102はベッド101に対して図面左右方向である送り方向Xおよび上下方向Zに移動可能な主軸105を備え、同主軸にボーリング軸106の一端を固定する。テーブル103はテーブル駆動装置107を介してベッド101に支持され、テーブル駆動装置107により少なくとも上下方向Zに移動可能に保持される。テーブル103上には取付け具108が設けられ、これによってシリンダヘッド109をテーブル上に固定できる。先端軸受104にはボーリング軸106の先端を加工軸線Lに沿って差し込むことが可能な軸受穴h1が形成されている。
【0003】
ボーリング軸106はシリンダヘッド109の軸受穴hより小径の軸部を備え、図6(a)、(b)に示すように、同軸部の中間部にはシリンダヘッド109の各軸受穴hと対向する位置に切刃110がそれぞれ突設される。切刃110は、ボーリング軸106の中心線と加工軸線Lとが一致した状態(図6(b)の状態)で、ボーリング軸106と共に回転駆動した際に、各軸受穴hに所定の形状の加工穴を中ぐり加工できるようにその突設量eが予め調整される。
【0004】
このようなシリンダヘッド用の中ぐり専用機100は、予め、テーブル103上にシリンダヘッド109を載置し、この際、図6(a)に示すように、シリンダヘッド109の加工穴hの共通中心線(中心線位置をOaで示す)が加工軸線L(中心線位置をObで示す)よりオフセット量αだけ上方に保持されるような位置に保持される。この後、ボーリング軸106を加工軸線L上であって後退位置(先端部位置を符号D1で示す)に保持し、しかも、主軸105が切刃110を下に向けた状態で送り方向Xである加工軸線Lの方向に移動され、ボーリング軸106の先端が先端軸受104の軸受穴h1に差し込まれ,加工位置D2に保持される。この後、テーブル駆動装置107が駆動して、ベッド101に支持されたシリンダヘッド109をオフセット量αだけ降下させて各軸受穴hを図6(b)に示す状態に保持し、加工軸線Lと各軸受穴hの共通中心線を一致させる。その後で、ボーリング軸106が両持ち状態で回転および送り駆動して各軸受穴hを同時に中ぐり加工し、加工終了後は再度シリンダヘッド109をオフセット量αだけ上昇させ、主軸105が切刃110を下に向けた状態(図6(b)に示す状態)で送り方向Xに移動操作されて各軸受穴hよりボーリング軸106を抜き取ることで、シリンダヘッド109のボーリング加工が終了する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、シリンダヘッドの複数の軸受部の中ぐり加工で用いる専用機100はシリンダヘッドの複数の加工穴hを同時に加工精度を確保して加工できるが、テーブル駆動装置107を駆動制御する必要があり、加工制御が比較的複雑化している。しかも、装置が専用機として作成されるため、この点で比較的複雑で高価なものとなっていた。なお、マシニングセンタを用いて片持ちのリーマ加工を行う穴加工装置があるが、構造上先端軸受を使用できず、片持ちのリーマで加工穴を開けると、順次その加工済みの穴を軸受として利用して次の加工穴の加工に入り、各加工穴の入り口側と出口側とで穴中心位置にずれが生じ易く、加工精度が低下し易いという問題がある。
本発明は上述の課題を考察し、加工精度を確保した上で比較的簡素化された加工制御を行える穴加工装置を提供すること、さらに、設備費の低減をも図れることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1の発明では、共通中心線に沿って複数の加工穴が設けられたワークを支持したベッドと、上記ワークの共通中心線が上記ベッド上に設定される加工軸線に一致するようにワークをベッド上に解除可能に固定する取り付け具と、上記ベッドに装着され上記ワークに対して接離する方向である送り方向及び送り方向と直交する上下方向に移動可能な主軸を備えた切削機本体と、上記主軸に一端部が取付けられ、上記各加工穴を貫通する軸部に各加工穴を中ぐり加工する各切刃をそれぞれ突設したボーリング軸と、上記ベッド上に上記加工軸線に沿って移動可能に支持され、上記ボーリング軸の先端部を枢支する前進位置とボーリング軸より離脱する後退位置とに移動自在な先端軸受と、上記加工軸線に共通中心線を一致させた各加工穴を上記ボーリング軸で中ぐり加工するに先立ち、同ボーリング軸を上記加工軸線に対して各加工穴と上記切刃の干渉を防止できる量だけオフセットした状態で送り方向に移動し、次いで、上記ボーリング軸が上記オフセット量だけ移動することで加工軸線とボーリング軸の芯合わせをし、その上で、上記先端軸受を上記後退位置より前進位置に移動させてボーリング軸の先端を枢支するよう制御する制御手段と、を具備するようにしている。
【0007】
ここでは、加工軸線に共通中心線を一致させた各加工穴をボーリング軸で中ぐり切削加工するに先立ち、まず、ボーリング軸を加工軸線に対して加工穴と切刃の干渉を防止できる量だけオフセットした状態で送り移動して加工前の各加工穴に軸部を差し込み、次いで、ボーリング軸を送り方向と直交する方向に移動させて加工軸線とボーリング軸の芯合わせをし、その上で、先端軸受が後退位置より前進位置に移動してボーリング軸を枢支し、その後、両持ち状態のボーリング軸で複数の加工穴を中ぐり作動している。このため、全加工穴を同時に中ぐり切削加工するに当たり、ボーリング軸及び先端軸受だけの位置制御をし、ワーク側の位置を切り換え制御する必要がなく、加工制御が比較的簡素化される。しかも、ボーリング軸のみを送り方向及び同送り方向と直交する方向に移動させた上で前進後退式の先端軸受にボーリング軸を差し込み両持ち状態とし、その上で中ぐり駆動でき、加工穴の加工精度が向上し、専用機並の加工精度を確保できる。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1記載の穴加工装置において、上記切削機本体はマシニングセンタであることを特徴とする。この場合、マシニングセンタを用いてワークに対するボーリング軸の位置をそれに対応する数値情報で精度よく位置制御でき、精度のよい中ぐり加工を行え、しかも、既存のマシニングセンタを有効利用でき、設備費の低減を図れる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1、図2には本発明の一実施形態例としての穴加工装置を示した。この穴加工装置Mは略矩形の載置台であるベッド1と、その載置面2の一側に配設される切削加工機本体としてのマシニングセンタ3と、載置面2の他側に配設される先端軸受4と、中央に配備され載置部501を有するテーブル5と、ベッド1の側壁の一部に装着される制御盤6とを備える。ここで、マシニングセンタ3は後述するベース9と一体のカバー301に制御部17を装備し、同制御部17と制御盤6とは信号回線rで接続され、相互に信号の授受が可能な状態で連結される。
【0010】
ベッド1の載置面2の一側にはマシニングセンタ3を送り方向Xに案内する送りレール7が形成される。この送りレール7に摺動可能にマシニングセンタ3が載置される。ベース9は送り用アクチュエータ901を装着し、同アクチュエータ901は制御部17の送り駆動出力に応じて駆動し、ベース9側を送り方向Xに移動操作する。送りレール7に摺動可能に載置されるベース9には横方向(紙面垂直方向)に延びる横レール10が形成され、同レール10に摺動可能に載置されたコラムベース8は横送り用アクチュエータ801を装着し、同アクチュエータ801は制御部17の横送り駆動出力に応じて駆動し、コラムベース8側を横方向(紙面垂直方向)に移動操作する。コラムベース8の上面からはコラム11が立設され、コラムの縦レール12に摺動可能に主軸頭13が装着される。主軸頭13は縦送り用アクチュエータ130を装着し、同アクチュエータ130は制御部17の縦送り駆動出力に応じて駆動し、主軸頭13を上下方向Zに移動操作する。
【0011】
主軸頭13は主軸131及び同主軸を回転駆動する主軸駆動部15,主軸131内に装着される自動チャック機構16を備える。マシニングセンタ3の制御部を成す制御部17は主軸頭13の送り方向X、横方向(紙面垂直方向)及び上下方向Zにおける位置を切り換え制御する位置制御手段A1の機能を備える。位置制御手段A1は主軸頭13の送り方向X、横方向(紙面垂直方向)及び上下方向Zにおける位置に対応する数値情報を処理し、主軸頭13を数値化された位置指令信号によって、位置切り換え制御する。しかも、制御部17は主軸駆動部15及び自動チャック機構16の各駆動を制御する主軸制御手段A2の機能を備える。主軸制御手段A2はボーリング軸14及びその他の図示しない切刃の装着指令に応じて各切刃及びその位置に対応する数値情報を処理し、主軸131に装備中の他の切刃を指定の場所に戻し、新たに指定されたボーリング軸14を受取る操作と、それに伴う自動チャック機構16の解除、締め付けの切り換え制御を順次行う。
【0012】
ボーリング軸14は後述のシリンダヘッドHの複数の軸受穴hを同時に中ぐり切削加工する専用工具で、その軸部141の中間部にはシリンダヘッドHの複数の軸受穴hと同時に対向する位置に切刃cが夫々配備される。尚、各切刃cは軸部141の軸中心線と軸直角な放射方向に突出し、その突出し量は前以て調整される。即ち、図3に示すように、シリンダヘッドHの軸受bの軸受穴hにボーリング軸14が嵌挿された際に、その軸部141の中心線(その中心点をO2として示した)が軸受穴hの中心線(ここでは加工軸線Lと一致する)と一致した、即ち、芯合わせされた状態で回転駆動した際に、軸受穴hの内壁を所定の内径に切削できるような突出し量に調整されている。なお、ボーリング軸14の軸部141は軸受穴hの内径より十分に小さく、軸部141をオフセット量uだけずらし、その中心点をO1に移動した場合でも、切刃cを上に向けた状態の軸部141と軸受穴hの内壁との干渉を避けられるように形成されている。
【0013】
テーブル5はワークであるシリンダヘッドHを載置する凹形状の載置部501が形成され、その端部に取付け具18を装着する。尚、ここでのシリンダヘッドHはその上面側に図示しないカム軸を枢支する複数の軸受bを突設し、各軸受bは中央に軸受穴hを形成される。この軸受穴hは中ぐり切削に先立ち周知の前加工が施されている。しかも、ここでの複数の軸受bの軸受穴hは図示しない共通中心線に沿って互いに所定間隔を保って直状に順次配設されるように形成される。
【0014】
シリンダヘッドHは図示しない搬送手段で載置部501近傍に搬送され、手動で載置部501に載置される。この載置部501はここにシリンダヘッドHが載置された際に、複数の軸受穴hの共通中心線が予め設定されている加工軸線Lと一致するように載置できる。なお、取付け具18はエアアクチュエータ式のクランプ機構を有し、制御盤6の有するワーク固定操作手段A3により適時に切り換え制御され、これにより、加工時のシリンダヘッドが載置部501よりずれないように締め付け固定できる。
【0015】
載置面2の他側に配設される先端軸受4は、ベッド1に支持台19を介して固定されるガイドレール20と、同レール上に摺動可能に載置される軸受本体21と、支持台19の端部に装着され軸受本体21をガイドレール20に沿って摺動させるエア式アクチュエータからなる切り換え駆動部22とを備える。軸受本体21はボーリング軸14の先端部を捕まえて枢支する枢支穴h1を形成される。軸受本体21はガイドレール20に沿って移動幅dだけ移動可能に形成され、その際、枢支穴h1が常に予め設定される加工軸線Lと一致した状態で摺動できる。切り換え駆動部22は制御盤6の有する軸受操作手段A4により適時に切り換え制御される。軸受操作手段A4は非作動時に軸受本体21をボーリング軸14の先端部より離脱する後退位置Q1に保持し、作動時に軸受本体21をボーリング軸14の先端部を捕まえて枢支する前進位置Q2に切り換え移動し、これにより、作動時にボーリング軸14を両持ち状態で回転駆動できるようにしている。
【0016】
次に、図1の穴加工装置MによるシリンダヘッドHの軸受穴hの中ぐり加工を図2及び図4の穴加工説明図と共に説明する。
穴加工装置Mの制御手段を成す制御部17及び制御盤6にシリンダヘッドHの加工モードが入力される。これにより、制御盤6のワーク固定操作手段A3はワーク取付け処理に入る。ここでは取付け具18を駆動し、初期状態である解除状態に保持し、シリンダヘッドHがテーブル5に載置され図示しない載置検出センサの信号を受けると、その時点で取付け具18をクランプ作動させる。しかも、軸受操作手段A4が軸受本体21を後退位置Q1に切り換え保持する。
【0017】
一方、制御部17の主軸制御手段A2はボーリング軸14のセット処理に入り、主軸131に装備中の他の切刃を指定の場所に戻し、ボーリング軸14を受取り、それに伴う自動チャック機構16の解除、締め付けの切り換えを順次行い、ボーリング軸14を加工軸線L上で先端が加工待機位置である基準位置S1に達するように保持する。
【0018】
次ぎに、穴加工装置Mは、制御部17及び制御盤6が一切削工程と、軸受セット工程を連続して実行する。
まず、位置制御手段A1は加工軸線L上の基準位置S1のボーリング軸14の切刃cを上に向け,その状態のボーリング軸14をオフセット量uだけ下方に切り換え保持する状態にセットする(▲1▼工程)。
次いで、ボーリング軸14を加工開始位置S2に向けて前進移動させ(図2参照)、各軸受穴hを通過した軸部141の先端を加工開始位置S2に保持する(▲2▼工程)。
【0019】
次いで、ボーリング軸14をオフセット量uだけ上昇させ、図3に示すように、軸部141の中心線(その中心点をO2として示した)が軸受穴hの中心線と一致した状態、即ち、ボーリング軸14を加工軸線Lと芯合わせした状態に保持する(▲3▼工程)。
この状態を検出した制御盤6の軸受操作手段A4は先端軸受4を後退位置Q1より前進位置Q2に前進させ,ボーリング軸14の先端を捕まえ枢支する(▲4▼工程)。
【0020】
この状態を検出した制御部17の位置制御手段A1は両持ちされたボーリング軸14を加工開始位置S2より加工終了位置S3まで回転しつつ前進させ、幅Bの軸受穴hの内壁を連続して中ぐり加工し、軸受穴hを所定内径に加工する(▲5▼工程)。
次いで、加工終了位置S3より加工開始位置S2までボーリング軸14を引き戻す(▲6▼工程)。
この状態を検出した制御盤6の軸受操作手段A4は先端軸受4を前進位置Q2より後退位置Q1に後進させ,ボーリング軸14の先端より離脱する(▲7▼工程)。
【0021】
この状態を検出した制御部17の位置制御手段A1は先端が開放されたボーリング軸14の切刃cを上に向け,その状態のボーリング軸14をオフセット量uだけ下方に切り換え保持した状態にセットする(▲8▼工程)。
次いで、切刃cを上に向けたボーリング軸14を加工開始位置S2より基準位置S1に向けて後進移動させ、各軸受穴hを通過した軸部141の先端を基準位置S1に保持し(▲9▼工程)、一切削工程を完了する。
この後、制御盤6のワーク固定操作手段A3はワーク解除処理に入り、取付け具18を駆動し、取付け具18をクランプ作動させ、加工済みのシリンダヘッドHをテーブル5から取り出し、次の工程に進む。
【0022】
図1の穴加工装置Mでは、ワークとしてのシリンダヘッドHの全軸受穴hを同時に中ぐり加工する際、切刃cと各軸受穴hとの干渉を防止するためシリンダヘッドH側を上下に切り換えるという制御を行わず、ボーリング軸14側の位置制御と先端軸受4の前後進移動制御のみで済ませており、加工制御が比較的簡素化される。しかも、ボーリング軸14のみを送り方向X及び上下方向Zに移動させた上で前後進式の先端軸受4にボーリング軸14を差し込み両持ち状態とし、その上で中ぐり駆動でき、全軸受穴hの加工精度が向上し、専用機並の加工精度を確保できる。ここでは、特にマシニングセンタ3を用いてボーリング軸14の位置切り換え制御を精度よく数値制御でき、精度のよい中ぐり加工を行え、しかも、既存のマシニングセンタを有効利用でき、設備費の低減を図れる。しかも、ボーリング軸14を用い複数の軸受穴を同時加工するので、リーマ加工により一つずつ軸受穴を加工する場合より、工具全体の寿命が長くなり、工具費の低減を図れる。
【0023】
上述の穴加工装置Mは切削機本体としてマシニングセンタを用いたが、場合により、ボーリング軸14を送り方向Xと上下方向Zとに切り換え制御できるその他のNC加工機として切削機本体を形成してもよく、この場合も図1の穴加工装置Mと同様の作用効果を得られる。上述の穴加工装置MはワークであるシリンダヘッドHを中ぐり切削加工していたが、その他の複数加工穴を有したワークの中ぐり加工用の穴加工装置を構成でき、この場合も図1の穴加工装置Mと同様の作用効果を得られる。
【0024】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明では、ここでは、全加工穴を同時に中ぐり加工するに当たり、ワークの位置を切り換え制御する必要がなく、加工制御が比較的簡素化される。しかも、ボーリング軸のみを送り方向及び同送り方向と直交する方向に移動させた上で前進後退式の先端軸受を加工軸線上で後退位置より前進位置に移動することでボーリング軸を差し込み両持ち状態とし、その上で中ぐり切削加工でき、加工穴の加工精度が向上し、専用機並の加工精度を確保できる。
【0025】
請求項2の発明は、マシニングセンタを用いてワークに対するボーリング軸の位置をそれに対応する数値情報で精度よく位置制御でき、精度のよい中ぐり加工を行え、しかも、既存のマシニングセンタを有効利用でき、設備費の低減を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例としての穴加工装置の概略側面図である。
【図2】図1の穴加工装置の中ぐり加工工程におけるボーリング軸と先端軸受の切り換え移動説明図である。
【図3】図1の穴加工装置で中ぐり加工される軸受穴の加工時断面図である。
【図4】図1の穴加工装置が行う中ぐり加工工程のブロック説明図である。
【図5】従来の穴加工装置の概略切欠側断面図である。
【図6】従来の穴加工装置による軸受穴の加工時断面図で、(a)はボーリング軸オフセット時を、(b)はボーリング軸加工時を示す。
【符号の説明】
1 ベッド
3 マシニングセンタ
501 載置部
6 制御盤
131 主軸
14 ボーリング軸
141 軸部
17 制御部
18 取付け具
c 切刃
h 軸受穴
H シリンダヘッド
L 加工軸線
M 穴加工装置
O2 加工穴中心線
Q1 後退位置
Q2 前進位置
X 送り方向
Z 上下方向

Claims (2)

  1. 共通中心線に沿って複数の加工穴が設けられたワークを支持したベッドと、
    上記ワークの共通中心線が上記ベッド上に設定される加工軸線に一致するようにワークをベッド上に解除可能に固定する取り付け具と、
    上記ベッドに装着され上記ワークに対して接離する方向である送り方向及び送り方向と直交する上下方向に移動可能な主軸を備えた切削機本体と、
    上記主軸に一端部が取付けられ、上記各加工穴を貫通する軸部に各加工穴を中ぐり加工する各切刃をそれぞれ突設したボーリング軸と、
    上記ベッド上に上記加工軸線に沿って移動可能に支持され、上記ボーリング軸の先端部を枢支する前進位置とボーリング軸より離脱する後退位置とに移動自在な先端軸受と、
    上記加工軸線に共通中心線を一致させた各加工穴を上記ボーリング軸で中ぐり加工するに先立ち、同ボーリング軸を上記加工軸線に対して各加工穴と上記切刃の干渉を防止できる量だけオフセットした状態で送り方向に移動し、次いで、上記ボーリング軸が上記オフセット量だけ移動することで加工軸線とボーリング軸の芯合わせをし、その上で、上記先端軸受を上記後退位置より前進位置に移動させてボーリング軸の先端を枢支するよう制御する制御手段と、
    を具備したことを特徴とする穴加工装置。
  2. 上記切削機本体はマシニングセンタであることを特徴とする請求項1記載の穴加工装置。
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