JP3715912B2 - 箱体の封緘方法およびその封緘機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、箱体の封緘方法およびその封緘機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、箱体は、箱本体および箱本体の上面開口部を覆う蓋体から構成され、箱本体に商品を収容した後、箱本体の上面開口部に蓋体を被せ、箱本体と蓋体との重合部に封緘テープを貼着して封緘されている。そして、箱体の重合部を封緘テープで封緘するため、箱体の封緘機が提案されている。具体的には、一対の封緘テープの先端部の粘着面同士を貼着するとともに、その貼着部分を切断した後、一方の封緘テープを箱体の前面側重合部から左右一方の側面側重合部を経て後面側重合部にかけて貼着するとともに、他方の封緘テープを左右他方の側面側重合部に貼着した後、一対の封緘テープの粘着面同士を再び貼着し、貼着部分を切断するようにしている(例えば、出願人の出願にかかる特開平7−40936号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した封緘機においては、一の隅角部近傍で粘着面同士を貼着して切断し、一方のテーピングブロックを箱体のほぼ3辺に相当する長さにわたって移動させた後、一の隅角部に隣接する他の隅角部において粘着面同士を貼着して切断することから、タクトタイムが大きくなり、作業効率が低いという欠点があった。すなわち、テーピングブロックの移動速度を上げると、テーピングブロックが略方形状に形成されているため、封緘テープに作用する抵抗が大きくなり、封緘テープが伸びたり、切断されることから、テーピングブロックの移動速度を設定速度以上に上げることは困難であった。また、一方のテーピングブロックが箱体のほぼ3辺を移動し、また、他のテーピングブロックが一辺を移動することから、一方の封緘テープの消費量と他方の封緘テープの消費量とに差が発生し、各別に封緘テープロールを交換しなければならないという煩わしさがあった。
【0004】
このような問題に対応して、出願人は、テーピングブロックに代えて封緘テープに作用する抵抗の少ない回転自在なローラーを高速で移動させて箱体の重合部を封緘テープで封緘することを試みたが、この場合、図13に示すように、封緘テープTがローラーrを巻回することにより、当接状態にある一対のローラーr,rの直径に略相当する長さL分、箱体Cの重合部に封緘テープTの未貼着の箇所が発生するという新たな問題が発生した。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、一対の封緘テープを用いて箱体の重合部に未貼着の箇所を発生させることなく自動的に、かつ、高速で封緘することのできる箱体の封緘方法および箱体の封緘機を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の箱体の封緘方法は、粘着面を箱本体と箱本体の上面開口部を覆う蓋体との重合部に対向するように箱体の搬送路の左右それぞれから箱体の搬送路上に引き出した一対の封緘テープを、箱体の搬送路の略中間部において左右それぞれの封緘テープを貼着する前後一対の貼付ローラーで左右から挟み込み、粘着面同士を貼着させてテープタブを形成した後、切断端部のいずれにもテープタブが残るようにテープタブ途中で封緘テープを切断し、次いで、箱体を左右両方の前貼付ローラーに当接する位置まで搬送して、箱体の前面側重合部の略中間部にテープタブが形成された一対の封緘テープを貼着した後、左右いずれかの前後一対の貼付ローラーを前進させるとともに、他方の前後一対の貼付ローラーをこれに追従して後退させ、前進させた前貼付ローラーでテープタブと略中間部の封緘テープをなぞり、次いで、左右それぞれの前後一対の貼付ローラーを封緘テープの粘着面同士を貼着させた位置まで復帰させ、一連の往復移動により前貼付ローラーでテープタブと略中間部の封緘テープを二度なぞり、テープタブ近傍に存在する封緘テープの未貼着部分を箱体の重合部に貼着させ、次いで、左右それぞれの前後一対の貼付ローラーを箱体の前面側重合部の略中間部から左右の各前端縁部まで移動させて、各封緘テープを箱体の前面側重合部の略中間部から各前端縁部にかけて貼着した後、箱体を搬送しながら各封緘テープを箱体の左右側面側重合部の前端縁部から後端縁部にかけて貼着し、次いで、左右それぞれの前後一対の貼付ローラーを箱体の後面側重合部の各後端縁部から前後一対の貼付ローラーが当接する略中間部までそれぞれ移動させて、各封緘テープを箱体の各後端縁部から略中間部にかけて貼着するとともに、それぞれの封緘テープを前後一対の貼付ローラーで左右から挟み込み、粘着面同士を貼着させてテープタブを形成した後、切断端部のいずれにもテープタブが残るようにテープタブ途中で切断し、次いで、左右いずれかの前後一対の貼付ローラーを前進させるとともに、他方の前後一対の貼付ローラーをこれに追従して後退させ、前進させた後貼付ローラーでテープタブと略中間部の封緘テープをなぞり、次いで、左右それぞれの前後一対の貼付ローラーを封緘テープの粘着面同士を貼着させた位置まで復帰させ、一連の往復移動により後貼付ローラーでテープタブと略中間部の封緘テープを二度なぞり、テープタブ近傍に存在する封緘テープの未貼着部分を箱体の重合部に貼着させることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、左右の前後一対の貼付ローラーが箱体の搬送路の略中間部と箱体の左右端縁部との間を往復移動でき、箱体をその長さだけ搬送させることができるので、箱体の前面側重合部の略中間部に貼着した各封緘テープを順次箱体の前面側重合部の略中間部から各側面側重合部を経て後面側重合部の略中間部にかけてそれぞれ貼着することができる。また、左右の前後一対の貼付ローラーによって一対の封緘テープを挟み込んで貼着するとともに、その貼着部分を切断した状態で、箱体の前面側重合部の略中間部および後面側重合部の略中間部において左右の前後一対の貼付ローラーを一体に設定範囲にわたって往復移動させることにより、箱体の前面側重合部の略中間部およびその後面側重合部の略中間部に封緘テープの未貼着の箇所を発生させることなく封緘テープを貼着することができる。
【0008】
したがって、左右の前後一対の貼付ローラーを高速で移動させるとともに、箱体を高速で搬送させて短時間に、かつ、封緘テープの未貼着の箇所を発生させることなく箱体の封緘作業を自動的に行うことができる。また、一対の封緘テープの消費量が同一となり、各別に封緘テープロールを交換しなければならないといった煩わしさから解放することができる。
【0009】
また、本発明の箱体の封緘機は、搬入された箱体を搬送する搬送装置と、この搬送装置による箱体の搬送路を挾んで左右それぞれに設けられ、昇降装置を介して上下方向に昇降可能な昇降部材および該昇降部材に取り付けられた移動装置を介して箱体の搬送路を横切る方向に往復移動可能な貼付ローラーを備えた移動部材からなる一対の貼付装置と、から構成され、各移動部材の先端部に前後方向に間隔をおいて箱体の前面および後面に対応する前貼付ローラーおよび後貼付ローラーが回転自在に軸支され、また、左右それぞれの移動部材に設けられた前後一対の貼付ローラーは、それぞれの移動部材を搬送路へ前進させた時に封緘テープを左右から挟み込み、封緘テープの粘着面同士を貼着させることができるよう配設され、さらに、一方の貼付装置の移動装置のストロークが他方の貼付装置の移動装置のストロークよりも大きく、かつ、それぞれのストロークの合計長さが各移動部材を最も後退させた状態における前後一対の貼付ローラー間の間隔よりも大きく設定され、一方の前後一対の貼付ローラーが封緘テープを挟み込み、封緘テープの粘着面同士を貼着させることができる前進位置からさらに前進すると、これに追従して他方の前後一対の貼付ローラーが後退するよう各移動装置が連携しており、さらに、一方の貼付装置の移動部材には、前貼付ローラーと後貼付ローラー間に封緘テープを切断するカッター刃が進退可能に配設された切断装置が設けられてなることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、箱体の搬送装置を設ける一方、昇降装置を介して上下方向に昇降可能な左右の昇降部材を設けるとともに、各昇降部材に移動シリンダを介して箱体の搬送路を横切る方向に移動可能な移動部材をそれぞれ設け、各移動部材に前後一対の貼付ローラーを設け、また、一方の移動部材に切断装置を設けた構成により、箱体の前面側重合部の略中間部に貼着した各封緘テープを順次箱体の前面側重合部の略中間部から各側面側重合部を経て後面側重合部の略中間部にかけてそれぞれ貼着することができる。また、移動シリンダを介して左右の前後一対の貼付ローラーを一体に設定範囲にわたって往復移動させることにより、箱体の前面側重合部の略中間部およびその後面側重合部の略中間部に封緘テープの未貼着の箇所を発生させることなく封緘テープを貼着することができる。
【0011】
したがって、左右の前後一対の貼付ローラーを高速で移動させるとともに、箱体を高速で搬送させて短時間に、かつ、封緘テープの未貼着の箇所を発生させることなく箱体の封緘作業を自動的に行うことができる。また、一対の封緘テープの消費量が同一となり、各別に封緘テープロールを交換しなければならないといった煩わしさから解放することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0013】
図1には、本発明の封緘機1が示されており、この封緘機1は、基台2に設けられた箱体Cの搬送装置3と、この搬送装置3を挾んで左右に配設された封緘テープTの貼付装置4と、貼付装置4を昇降させる昇降装置5と、一方の貼付装置4に設けられた封緘テープの切断装置6と、から構成されている。
【0014】
箱体Cの搬送装置3は、図1に示すように、基台2に回転自在に軸支された複数本のローラーコンベア31と、ローラーコンベア31上に導かれた箱体Cを後方から前方(図1の紙面に直交する表面側から裏面側)へ搬送する移送装置32と、から構成されている。そして、移送装置32は、基台2の上部における左右方向中間部の前後にそれぞれ回転自在に軸支された図示しない一対のスプロケットと、一対のスプロケット回りに巻回されたチェーン33と、基台2の上部左右にそれぞれ前後方向にわたって固定された一対のガイドレール34,34と、各ガイドレール34に沿って転動自在なローラー35,35と、これらのローラー35,35を回転自在に軸支するとともに、一対のローラー35を接続する連結シャフト36と、連結シャフト36にシリンダ本体が接続された押圧シリンダ37と、押圧シリンダ37のピストンロッドが連結された押圧プレート38と、からなり、チェーン33に連結シャフト36が連結されている。したがって、図示しない可変速モーターを介してスプロケットを回転駆動させることにより、チェーン33およびチェーン33に連結された連結シャフト36が往復移動する。この際、連結シャフト36に軸支されたローラー35がガイドレール34に沿って転動し、押圧シリンダ37および押圧プレート38が支持されて同方向に往復移動する。また、押圧シリンダ37を伸縮作動させることにより、押圧プレート38を、ローラーコンベア31上に搬入された箱体Cを押圧する位置と、上方に退避する位置との間に昇降させることができる。
【0015】
貼付装置4は、図2乃至図4に詳細に示すように、上下に間隔をおいて一対のガイドロッド411が水平方向に固定された板状の昇降部材41と、各ガイドロッド411に対応するリニアベアリング421が固定された断面略L字状の移動部材42と、一対のガイドロッド411間に位置し、ピストンロッドが昇降部材41と連結され、シリンダ本体が移動部材42に固定された移動シリンダ43と、移動部材42の先端部に前後方向に間隔をおいてそれぞれ回転自在に設けられた前貼付ローラー44(図2においては後貼付ローラー45に隠れて見えない)および後貼付ローラー45と、からなり、昇降部材41のガイドロッド411に、移動部材42のリニアベアリング421が摺動自在に嵌挿されている。したがって、移動シリンダ43を伸縮作動させることにより、ガイドロッド411に沿ってリニアベアリング421が摺動し、昇降部材41に対して移動部材42を箱体Cの搬送路を横切るように、左右方向(図1の左右方向)に往復移動させることができる。この際、前後一対の貼付ローラー44,45は、対向する他方の貼付装置4における前後一対の貼付ローラー44,45にそれぞれ当接する位置と、箱体Cの搬送を許容する位置間を往復移動する。
【0016】
ここで、一方の貼付装置4の移動シリンダ43の伸縮ストロークは、他方の貼付装置4の移動シリンダ43の伸縮ストロークよりも若干大きく、好ましくは箱体Cの未貼着部分とほぼ同じ長さだけ大きく設定されている。
【0017】
一方、昇降部材41には、断面L字状の支持部材46が固定されており、支持部材46には、封緘テープTのガイドローラー461が回転自在に設けられるとともに、封緘テープロールRの支持台47が回転自在に軸支されている。そして、支持台47には、図示しないスプリングを介して引き出された封緘テープTを巻き取る方向に常時付勢するテンションローラー471が揺動自在に設けられている。
【0018】
なお、移動部材42には、前貼付ローラー44の近傍に位置してガイドローラー48が回転自在に設けられている。
【0019】
昇降装置5は、基台2の左右にそれぞれ回転自在に軸支されたスクリュー軸51と、スクリュー軸51に螺合された雌ねじ部材52と、からなり、雌ねじ部材52が前述した昇降部材41に取付ステー53を介して固定されている。したがって、スクリュー軸51を図示しない電動モーターを介して回転駆動させることにより、スクリュー軸51に沿って雌ねじ部材52、すなわち、取付ステー53を介して昇降部材41を昇降させることができる(図3参照)。
【0020】
また、基台2には、各スクリュー軸51に近接してガイドロッド54が立設されており、各ガイドロッド54には、昇降部材41に固定されたリニアベアリング55が摺動自在に嵌挿されている。このため、スクリュー軸51の回転に伴う昇降部材41の昇降を案内している。
【0021】
封緘テープTの切断装置6は、図1に示すように、移動部材42に固定された切断シリンダ61と、切断シリンダ61のピストンロッドに連結されたカッター刃62と、からなり、カッター刃62は、前貼付ローラー44と後貼付ローラー45間を進退できるように案内されている。したがって、切断シリンダ61を伸縮作動させることにより、後述するように、左右の前後一対の貼付ローラー44,45によって挟み込まれて粘着面同士が貼着された一対の封緘テープTのテープタブtを切断する位置に前進させ、あるいは、退避する位置に後退させることができる。
【0022】
ここで、切断装置6によって一対の封緘テープTのテープタブtが切断された場合、左右の後貼付ローラー45,45に挟持された前方のテープタブtが箱体Cの後面側重合部を封緘する封緘テープTの終端となり、また、左右の前貼付ローラー44,44に挟持された後方のテープタブtが箱体Cの前面側重合部を封緘する封緘テープTの始端となる。
【0023】
なお、基台2には、詳細には図示しないが、前貼付ローラー44から上流側に設定間隔をおいた位置に箱体Cの搬入を検出するセンサーが設けられている。したがって、箱体Cの搬入をセンサーによって検出されるまで間、搬送装置3の可変速モーターを介して箱体Cを高速で移動させることができ、次いで、前貼付ローラー44に箱体Cの前面が接触するまでの間、箱体Cを低速で移動させることができる。また、箱体Cの搬出をセンサーによって検出されるまで間、箱体Cを高速で移動させることができ、次いで、箱体Cの後面が後貼付ローラー45に臨むまでの間、箱体Cを低速で移動させることができる。このため、箱体Cの重量が大きい場合であっても、箱体Cが搬送装置3によって搬送され、前貼付ローラー44に当接した際、大きな慣性力が前貼付ローラー44に作用することを防止できる。
【0024】
この場合、前貼付ローラー44と対向する位置において、移動部材42にストッパを設けることが好ましいが、搬送装置3の可変速モーターを多段階に制御する場合は、必ずしもストッパを設ける必要はない。
【0025】
次に、本発明の封緘機1の作動について説明する。
【0026】
まず、スクリュー軸51を図示しない電動モーターを介して回転駆動させ、スクリュー軸51に沿って雌ねじ部材52、すなわち、左右の貼付装置4,4を昇降させ、左右の前後一対の貼付ローラー44,45を箱体Cの重合部に対向する位置に臨ませる。
【0027】
この状態で、左右の貼付装置4における移動シリンダ43を伸長作動させ、箱体Cの搬送路を閉鎖するように、左右の移動部材42を前進させ、箱体Cの搬送路の左右方向の略中間部において、左右の前後一対の貼付ローラー44,45をそれぞれ当接させる。この場合、一方の移動シリンダ43は、フルストロークすることなく、若干伸長作動する余地を残して停止されている。すなわち、他方の移動シリンダ43がフルストロークし、左右の前後一対の貼付ローラー44,45が当接した際、作動流体の圧力上昇を検出して一方の移動シリンダ43への作動流体の供給をバイパスさせている。
【0028】
また、封緘テープロールRの封緘テープTは、その粘着面が箱体Cの重合部に対向するように、テンションローラー471、支持部材46のガイドローラー461および移動部材42のガイドローラー48を経て引き出され、先端部の粘着面同士が貼着されてテープタブtが形成され、左右の前貼付ローラー44および後貼付ローラー45で挟持されている。
【0029】
ここで、始動スイッチを操作すると、切断シリンダ61が伸長作動し、カッター刃62が前貼付ローラー44と後貼付ローラー45との間に前進し、左右の前貼付ローラー44,44および後貼付ローラー45,45に挟持されて貼着されている一対の封緘テープTのテープタブtを切断した後、切断シリンダ61を縮小作動させ、カッター刃62を退避位置に後退させる。
【0030】
次いで、搬送装置3の押圧シリンダ37を伸長作動させて押圧プレート38を下降させ、搬入された箱体Cを押圧プレート38を介してローラーコンベア31との間で押圧した後、図示しない可変速モーターを高速駆動させ、チェーン33を高速で下流側に向けて移動させる。したがって、箱体Cは、押圧プレート38およびローラーコンベア31に挟まれて高速で搬送方向の下流側に搬送される。
【0031】
箱体Cが設定位置まで搬送されると、箱体Cの搬入を図示しないセンサーが検出し、可変速モーターを低速駆動に切り換え、箱体Cの前面側重合部の略中間部が左右の前貼付ローラー44に当接するまで箱体Cを低速で搬送する。そして、箱体Cの前面側重合部の略中間部が左右の前貼付ローラー44,44に当接すると、可変速モーターの駆動を停止させ、箱体Cの搬送を停止させる。この際、箱体Cの前面側重合部の略中間部に一対の封緘テープTが貼着される(図5参照)。
【0032】
この後、一方の移動シリンダ43に作動流体を供給するとともに、他方の移動シリンダ43の作動流体を排出すれば、一方の移動シリンダ43をフルストローク伸長作動させると同時に、その分、他方の移動シリンダ43を追従して縮小作動させる。次いで、他方の移動シリンダ43に作動流体を供給するとともに、一方の移動シリンダ43の作動流体を排出すれば、他方の移動シリンダ43をフルストローク伸長作動させると同時に、その分、一方の移動シリンダ43を追従して縮小作動させる。このような一対の移動シリンダ43の伸縮制御は、図示しない制御弁を設定時間切り換え制御することにより行われる。
【0033】
このため、左右の前後一対の貼付ローラー44,45は、箱体Cの搬送路の略中間部を越えて移動した後、略中間部に戻る。この際、左右の前貼付ローラー44,44は、箱体Cの前面側重合部に沿って転動することから、左右の前貼付ローラー44,44によって挟み込まれた一対の封緘テープTのうち、一方の前貼付ローラー44に巻回されている封緘テープTの粘着面が、一方の移動シリンダ43がさらに伸長することに伴って、箱体Cの前面側重合部の略中間部を越えて貼着された後、その貼着部を一方の前貼付ローラー44が転動して略中間部に戻ることになる。
【0034】
この結果、箱体Cの前面側重合部の略中間部に封緘テープTの未貼着部分を発生させることなく封緘テープTを粘着することができる(図10参照)。
【0035】
なお、左右の後貼付ローラー45,45によって挟み込まれた一対の封緘テープTの前方のテープタブtは、そのまま左右方向に往復移動する。
【0036】
次いで、左右の移動シリンダ43をストローク端まで縮小作動させ、箱体Cの搬送路を開放するように、左右の移動部材42を後退させる。この際、移動部材42にそれぞれ設けられた前貼付ローラー44および後貼付ローラー45も同方向に移動し、前貼付ローラー44が箱体Cの前面側重合部を転動しつつ移動する。したがって、一対の封緘テープTは、前貼付ローラー44によって箱体Cの前面側重合部の略中間部から左右の前端縁部にかけてそれぞれ貼着される(図6参照)。
【0037】
この際、左右の後貼付ローラー45,45によって挟み込まれた一対の封緘テープTの前方のテープタブtは、落下する。また、封緘テープTの弛みは、テンションローラー471によって吸収される。
【0038】
なお、切断された前方のテープタブtが装置内に落下することが好ましくない場合は、手動で予め一対の封緘テープTを貼り合わせておき、手動でテープタブtを切断し、前方のテープタブtを取り除いてから以降の封緘作業を行うように初期設定を定めておいてもよい。
【0039】
次いで、搬送装置3の図示しない可変速モーターを高速駆動させ、前述したように、箱体Cを高速で搬送方向の下流側に搬送する。と同時に、移動シリンダ43を伸長作動させ、左右の前後一対の貼付ローラー44,45を箱体Cの左右側面の前端縁部にそれぞれ当接させる。この際、箱体Cは搬送装置3によって下流側に搬送されており、左右の前後一対の貼付ローラー44,45が箱体Cの側面に沿って転動することから、各封緘テープTは、それぞれ封緘テープロールRから引き出され、箱体Cの側面側重合部の前端縁部から後端縁部方向に貼着される(図7参照)。
【0040】
一方、箱体Cが下流側に高速で搬送され、箱体Cの搬出が図示しないセンサーによって検出されると、搬送装置3の可変速モーターを低速で駆動させ、後貼付ローラー45が箱体Cの後面に臨む位置に達する位置まで箱体Cを低速で移動させる。
【0041】
各後貼付ローラー45が箱体Cの後面に臨む位置に達すれば、可変速モーターの駆動を停止させ、箱体Cの搬送を停止させた後、再び各移動シリンダ43を伸長作動させ、箱体Cの搬送路を閉鎖するように、左右の移動部材42を前進させる。この際、各移動部材42に設けられた前貼付ローラー44および後貼付ローラー45も同方向に移動し、後貼付ローラー45が箱体Cの後面側重合部を転動しつつ移動する。したがって、一対の封緘テープTは、後貼付ローラー45によって箱体Cの後面側重合部の後端縁部から略中間部にかけて貼着されるとともに、左右の前貼付ローラー44および後貼付ローラー45がそれぞれ当接することで挟み込まれ、粘着面同士が貼着される(図8参照)。
【0042】
次いで、切断シリンダ61を伸長作動させると、カッター刃62が左右の前後一対の貼付ローラー44,45間に前進し、左右の前後一対の貼付ローラー44,45に挟み込まれて貼着されている一対の封緘テープTのテープタブtを切断した後、切断シリンダ61を縮小作動させ、カッター刃62を退避位置に後退させる。
【0043】
この後、前述したように、一方の移動シリンダ43に作動流体を供給するとともに、他方の移動シリンダ43の作動流体を排出すれば、一方の移動シリンダ43をフルストローク伸長作動させると同時に、その分、他方の移動シリンダ43を追従して縮小作動させる。次いで、他方の移動シリンダ43に作動流体を供給するとともに、一方の移動シリンダ43の作動流体を排出すれば、一方の移動シリンダ43をフルストローク伸長作動させると同時に、その分、他方の移動シリンダ43を追従して縮小作動させる。
【0044】
このため、左右の前後一対の貼付ローラー44,45は、箱体Cの搬送路の略中間部を越えて移動した後、略中間部に戻る。この際、左右の後貼付ローラー45,45は、箱体Cの後面側重合部に沿って転動することから、左右の後貼付ローラー45,45によって挟み込まれた一対の封緘テープTのうち、一方の後貼付ローラー45に巻回されている封緘テープTの粘着面が、一方の移動シリンダ43がさらに伸長することに伴って、箱体Cの後面側重合部の略中間部を越えて貼着された後、その貼着部を一方の後貼付ローラー45が転動して略中間部に戻ることになる。
【0045】
この結果、箱体Cの後面側重合部の略中間部に、貼付ローラー44,45を巻回することによる封緘テープTの未貼着の箇所を残すことなく封緘テープTを貼着して封緘することができる(図11参照)。
【0046】
なお、左右の前貼付ローラー44,44によって挟み込まれた一対の封緘テープTは、粘着面同士が貼着されてテープタブtが形成された状態で、テンションローラー471によって封緘テープTの緩みを吸収しつつそのまま左右方向に往復移動する。
【0047】
この後、搬送装置3の押圧シリンダ37を縮小作動させ、押圧プレート38を上昇させて箱体Cから離脱させた後、図示しない可変速モーターを高速駆動させ、次の箱体C上に押圧プレート38を移動させ、次いで、押圧シリンダ37を伸長作動させて箱体Cを押圧した後、図6以下に示した作業を繰り返し、新たな箱体Cについて封緘作業を再開する。一方、重合部に余すところなく封緘テープTを貼着して封緘した箱体C(図12参照)は、図示しない搬出装置によって搬出される。
【0048】
なお、前述した実施形態においては、移動装置としてエアシリンダからなる移動シリンダ43を用いた場合を例示したが、電動式の移動シリンダであってもよく、また、移動部材42を案内するガイドロッド411を搬送路の上方で、搬送される箱体Cと干渉しない位置に設け、移動部材42に駆動装置を設けるか、移動部材42をチェーンなどの別の駆動装置に固定するかして、移動部材42をガイドロッド411に沿って往復移動できるようにした移動装置であってもよく、移動シリンダ43に限定するものではない。
【0049】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、左右の前後一対の貼付ローラーを高速で移動させるとともに、箱体を高速で搬送させて短時間に、かつ、封緘テープの未貼着の箇所を発生させることなく箱体の封緘作業を自動的に行うことができる。また、一対の封緘テープの消費量が同一となり、消費量に過不足が生じて各別に封緘テープロールを交換しなければならないといった煩わしさから解放することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の封緘機を一部省略して示す正面図である。
【図2】本発明の封緘機の貼付装置を一部省略して示す背面図である。
【図3】図2の貼付装置の平面図である。
【図4】図2の貼付装置の側面図である。
【図5】本発明の封緘機による箱体の封緘工程を示す説明図である。
【図6】本発明の封緘機による箱体の封緘工程を示す説明図である。
【図7】本発明の封緘機による箱体の封緘工程を示す説明図である。
【図8】本発明の封緘機による箱体の封緘工程を示す説明図である。
【図9】本発明の封緘機による箱体の封緘工程を示す説明図である。
【図10】本発明の封緘機における左右の前貼付ローラーによる箱体の前面側重合部の略中間部を封緘する要領を示す説明図である。
【図11】本発明の封緘機における左右の後貼付ローラーによる箱体の後面側重合部の略中間部を封緘する要領を示す説明図である。
【図12】本発明の封緘機により封緘テープで封緘された箱体の斜視図である。
【図13】従来の封緘機により封緘テープで封緘された箱体の部分平面図である。
【符号の説明】
1 封緘機
2 基台
3 搬送装置
38 押圧プレート
4 貼付装置
41 昇降部材
42 移動部材
43 移動シリンダ
44 前貼付ローラー
45 後貼付ローラー
5 昇降装置
51 スクリュー軸
52 雌ねじ部材
6 切断装置
62 カッター刃
C 箱体
T 封緘テープ
t テープタブ
R 封緘テープロール
Claims (2)
- 粘着面を箱本体と箱本体の上面開口部を覆う蓋体との重合部に対向するように箱体の搬送路の左右それぞれから箱体の搬送路上に引き出した一対の封緘テープを、箱体の搬送路の略中間部において左右それぞれの封緘テープを貼着する前後一対の貼付ローラーで左右から挟み込み、粘着面同士を貼着させてテープタブを形成した後、切断端部のいずれにもテープタブが残るようにテープタブ途中で封緘テープを切断し、次いで、箱体を左右両方の前貼付ローラーに当接する位置まで搬送して、箱体の前面側重合部の略中間部にテープタブが形成された一対の封緘テープを貼着した後、左右いずれかの前後一対の貼付ローラーを前進させるとともに、他方の前後一対の貼付ローラーをこれに追従して後退させ、前進させた前貼付ローラーでテープタブと略中間部の封緘テープをなぞり、次いで、左右それぞれの前後一対の貼付ローラーを封緘テープの粘着面同士を貼着させた位置まで復帰させ、一連の往復移動により前貼付ローラーでテープタブと略中間部の封緘テープを二度なぞり、テープタブ近傍に存在する封緘テープの未貼着部分を箱体の重合部に貼着させ、次いで、左右それぞれの前後一対の貼付ローラーを箱体の前面側重合部の略中間部から左右の各前端縁部まで移動させて、各封緘テープを箱体の前面側重合部の略中間部から各前端縁部にかけて貼着した後、箱体を搬送しながら各封緘テープを箱体の左右側面側重合部の前端縁部から後端縁部にかけて貼着し、次いで、左右それぞれの前後一対の貼付ローラーを箱体の後面側重合部の各後端縁部から前後一対の貼付ローラーが当接する略中間部までそれぞれ移動させて、各封緘テープを箱体の各後端縁部から略中間部にかけて貼着するとともに、それぞれの封緘テープを前後一対の貼付ローラーで左右から挟み込み、粘着面同士を貼着させてテープタブを形成した後、切断端部のいずれにもテープタブが残るようにテープタブ途中で切断し、次いで、左右いずれかの前後一対の貼付ローラーを前進させるとともに、他方の前後一対の貼付ローラーをこれに追従して後退させ、前進させた後貼付ローラーでテープタブと略中間部の封緘テープをなぞり、次いで、左右それぞれの前後一対の貼付ローラーを封緘テープの粘着面同士を貼着させた位置まで復帰させ、一連の往復移動により後貼付ローラーでテープタブと略中間部の封緘テープを二度なぞり、テープタブ近傍に存在する封緘テープの未貼着部分を箱体の重合部に貼着させることを特徴とする箱体の封緘方法。
- 搬入された箱体を搬送する搬送装置と、この搬送装置による箱体の搬送路を挾んで左右それぞれに設けられ、昇降装置を介して上下方向に昇降可能な昇降部材および該昇降部材に取り付けられた移動装置を介して箱体の搬送路を横切る方向に往復移動可能な貼付ローラーを備えた移動部材からなる一対の貼付装置と、から構成され、各移動部材の先端部に前後方向に間隔をおいて箱体の前面および後面に対応する前貼付ローラーおよび後貼付ローラーが回転自在に軸支され、また、左右それぞれの移動部材に設けられた前後一対の貼付ローラーは、それぞれの移動部材を搬送路へ前進させた時に封緘テープを左右から挟み込み、封緘テープの粘着面同士を貼着させることができるよう配設され、さらに、一方の貼付装置の移動装置のストロークが他方の貼付装置の移動装置のストロークよりも大きく、かつ、それぞれのストロークの合計長さが各移動部材を最も後退させた状態における前後一対の貼付ローラー間の間隔よりも大きく設定され、一方の前後一対の貼付ローラーが封緘テープを挟み込み、封緘テープの粘着面同士を貼着させることができる前進位置からさらに前進すると、これに追従して他方の前後一対の貼付ローラーが後退するよう各移動装置が連携しており、さらに、一方の貼付装置の移動部材には、前貼付ローラーと後貼付ローラー間に封緘テープを切断するカッター刃が進退可能に配設された切断装置が設けられてなることを特徴とする箱体の封緘機。
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