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JP3712466B2 - 熱可塑性樹脂フィルム用添加剤、これを含有するフィルムおよびその組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂フィルム用添加剤、これを含有するフィルムおよびその組成物 Download PDF

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JP3712466B2
JP3712466B2 JP06917196A JP6917196A JP3712466B2 JP 3712466 B2 JP3712466 B2 JP 3712466B2 JP 06917196 A JP06917196 A JP 06917196A JP 6917196 A JP6917196 A JP 6917196A JP 3712466 B2 JP3712466 B2 JP 3712466B2
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱可塑性樹脂フィルム用添加剤、これを含有するフィルム用熱可塑性樹脂組成物およびそのフィルムに関する。詳しくは、熱可塑性樹脂フィルムに優れた平滑性を付与することのできる熱可塑性樹脂フィルム用添加剤、これを含有するフィルムの生産性に優れたフィルム用熱可塑性樹脂組成物およびそのフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂フィルムは、軽量性,柔軟性,高強度,耐湿防水性,耐薬品性,耐寒性などの機能を有するため、食品,日用品,雑貨等の包装資材や農業用の被覆保温資材として使用されており、これ以外にも土木・建築用途等に広く用いられている。このような熱可塑性樹脂フィルムは、一般に、Tダイ法やインフレーション法などの押出し成形法によって製造される。また、複数の樹脂を溶融状態で積層する共押出し法も普及している。ところがこれらの押出し成形法においてダイから溶融樹脂が吐出する際に、その表面に一種のささくれ現象が起こり、これにより延伸後のフィルム表面に細かな荒れが発生するという欠点があった。これらの表面荒れは、特に樹脂の溶融粘度が高く、押出し速度が高い場合により顕著に発生し、「メルトフラクチャー」あるいは「シャークスキン」と呼ばれている。そしてこの表面荒れによりフィルムの表面平滑性や透明性が失われるという問題点があった。この問題点は押出し速度を低くすることにより解決できるが、これは生産性が低下する点から好ましくない。また、両末端がメチル基やフェニル基で封鎖されたジメチルポリシロキサンオイルやメチルフェニルポリシロキサンオイルを配合したプラスチックフィルムや、ポリオキシアルキレン基,アミノ基,エポキシ基等を含有する有機変性ジオルガノポリシロキサンを配合した熱収縮性ポリエチレンフィルムも提案されている(特開昭50−98570号公報,特開平2−128828号公報,特開平2−133433号公報参照)。しかし、両末端がメチル基やフェニル基で封鎖されたジメチルポリシロキサンやメチルフェニルポリシロキサンは平滑性付与効果に劣るという欠点があり、有機変性ジオルガノポリシロキサンは耐熱性に劣るため、押出し性を高くするために成形時の温度を上げるとフィルムが着色したり、ガスが発生したりするなどの問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは上記問題点を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち、本発明の目的は、熱可塑性樹脂フィルムに優れた平滑性を付与することのできる熱可塑性樹脂フィルム用添加剤、これを含有するフィルムの生産性に優れたフィルム用熱可塑性樹脂組成物およびそのフィルムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一般式:
【化3】
Figure 0003712466
(式中、Rは置換もしくは非置換の一価炭化水素基であり、Xは置換もしくは非置換の一価炭化水素基または水酸基であり、nは1以上の整数である。)で示される25℃における粘度が10 , 000センチストークス以上のジオルガノポリシロキサンであって、該ジオルガノポリシロキサンが、25℃における粘度が100 , 000センチストークス以上であるジオルガノポリシロキサン20〜80重量%と、25℃における粘度が100 , 000センチストークス未満であるジオルガノポリシロキサン80〜20重量%の混合物であることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルム用添加剤。
(A)熱可塑性樹脂 100重量部、
(B)上記一般式で表される25℃における粘度が10 , 000センチストークス以上のジオルガノポリシロキサンであって、25℃における粘度が100 , 000センチストークス以上であるジオルガノポリシロキサン20〜80重量%と、25℃における粘度が100 , 000センチストークス未満であるジオルガノポリシロキサン80〜20重量%の混合物であることを特徴とする前記ジオルガノポリシロキサン 0.01〜1.00重量部
からなるフィルム用熱可塑性樹脂組成物およびそのフィルムに関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
最初に、本発明の熱可塑性樹脂フィルム用添加剤について説明する。
本発明の添加剤は、一般式:
【化4】
Figure 0003712466
で示されるジオルガノポリシロキサンであることを特徴とする。上式中、Rは置換もしくは非置換の一価炭化水素基であり、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基等のアルキル基;3,3,3−トリフルオロプロピル基,クロロプロピル基等の置換アルキル基;ビニル基,プロペニル基,ブテニル基,ペンテニル基,ヘキセニル基,デセニル基等のアルケニル基;シクロペンチル基,シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基,キシリル基等のアリール基;ベンジル基,フェネチル基,3−フェニルプロピル基等のアラルキル基が挙げられる。これらの中でもメチル基もしくはフェニル基が好ましい。Xは置換もしくは非置換の一価炭化水素基または水酸基であり、一価炭化水素基としては前記Rと同様の基が挙げられる。nは1以上の整数である。このジオルガノポリシロキサンの25℃における粘度は、本発明添加剤の効果の持続性を向上させるために、10,000センチストークス以上であ、好ましくは20,000センチストークス以上である。また、10,000センチストークス以上とするためには、100,000センチストークス以上であるジオルガノポリシロキサンと、100,000センチストークス未満であるジオルガノポリシロキサンとを混合して調整する。本発明添加剤の効果の速効性および持続性の点から好ましいからである。これら2種のジオルガノポリシロキサンの混合比は、20〜80重量%:80〜20重量%の範囲であ、好ましくは30〜70重量%:70〜30重量%の範囲である。このような本発明添加剤のジオルガノポリシロキサンとしては、α,ω−ジメチルヒドロキシシロキシ−ジメチルポリシロキサン,α−ジメチルヒドロキシシロキシ−ω−トリメチルシロキシ−ジメチルポリシロキサン,α,ω−ジメチルヒドロキシシロキシ−メチルフェニルポリシロキサン,α,ω−ジメチルヒドロキシシロキシ−メチルフェニルシロキサン・ジメチルシロキン共重合体,α,ω−ジメチルヒドロキシシロキシ−ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体が例示される。
また、本発明の添加剤は、フィルム用熱可塑性樹脂と混合してマスターバッチペレットの形態にして使用することができる。かかるマスターバッチペレットは、通常、フィルム用熱可塑性樹脂組成物を溶融した後、これに上記ジオルガノポリシロキサンを配合し、次いで周知の混練機を用いて均一に混合することにより製造される。
【0006】
次に、本発明のフィルム用熱可塑性樹脂組成物について説明する。
本発明組成物の主成分である(A)成分の熱可塑性樹脂は、フィルム成形用に使用される、いわゆる押出し成形用の熱可塑性樹脂であればよい。このような熱可塑性樹脂としてはポリオレフィン樹脂が好ましく、例えば、低密度ポリエチレン,低密度直鎖状ポリエチレン,高密度ポリエチレン,エチレン−酢酸ビニル共重合体,エチレン−メチルメタクリレート共重合体,ポリプロピレン,ポリスチレンが挙げられる。またこの他にも、ポリ塩化ビニリデン,ポリ塩化ビニル,ポリエステル,ポリアミドが例示される。
【0007】
本発明組成物において、(B)成分の上記熱可塑性樹脂フィルム用添加剤の配合量は、(A)成分100重量部に対して0.01〜1.00重量部の範囲であり、好ましくは0.01〜0.80重量部の範囲である。これは、0.01重量部未満であると本成分の配合効果が十分発揮されず、また1.00重量部を越えるとフィルムの透明性が損なわれるためである。
【0008】
本発明組成物は上記(A)成分および(B)成分からなるものであるが、その他の成分として酸化防止剤,中和剤,帯電防止剤,防曇剤,染料,無機充填剤等を配合してもよい。
【0009】
本発明組成物は、上記(A)成分と(B)成分を均一に混合することにより容易に製造できる。このとき使用される混合装置としては、例えば、バンバリーミキサー,ヘンシェルミキサー,加圧ニーダー,連続押出機が挙げられる。加熱混練条件は一般に、(A)成分の熱可塑性樹脂を溶融混練する場合と同様の条件でよい。このとき(B)成分のジオルガノポリシロキサンを、前記したように予め(A)成分の熱可塑性樹脂と混合してマスターバッペレットとした後、(A)成分の熱可塑性樹脂に添加してもよい。
【0010】
本発明組成物は押出し成形法等の方法によりフィルム状に成形される。尚、押出し成形法としては、Tダイ法,インフレーション法が挙げられる。Tダイ法とは、T型ダイスから押し出されたフラットなフィルムをロール上で冷却した後、両耳を除去する方法である。インフレーション法とは、リング状の円形ダイから管状に溶融樹脂を押し出すと同時にその内部に空気を吹き込んで所定の寸法に膨らませた後、ローラに巻き取ってフィルムの形態にする方法である。
【0011】
以上のような本発明の熱可塑性樹脂フィルム用添加剤は、熱可塑性樹脂に配合すると、平滑性および透明性に優れたフィルムを持続的に形成することができるという利点を有する。得られた本発明のフィルムは、例えば、手提げ袋,規格袋,食品用の小分け袋,ゴミ袋もしくは農業用フィルムとして好適に使用される。また、この添加剤を含有する本発明のフィルム用熱可塑性樹脂組成物は、高温・高圧下での押出し成形が可能であるためフィルムの生産性に優れるという利点を有する。
【0012】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。実施例および比較例中、部とあるのは重量部を意味し、粘度は25℃における測定値であり、Meはメチル基を意味する。尚、得られたフィルムの特性(フィルムの色相,フィルムの表面状態,フィルムのシール強度)の評価は、次に示す方法に従って行った。
【0013】
<フィルムの色相>
フィルムを白色のプラスチック板に張り付け、色相を肉眼にて観察した。
【0014】
<フィルムの表面状態>
フィルムをガラス板に張り付けて光源にかざし、その状態で光学カメラを用いて撮影を行った。写真からフィルムの表面状態を観察した。
【0015】
<フィルムのシール強度>
温度130℃,シール幅1cm,圧力1kg/cm2の条件下で、ヒートシールを行った。接着したフィルムの剥離強度(kg/cm)を引っ張り試験機を用いて測定した。この測定値(剥離強度)をフィルムのシール強度とした。
【0016】
実施例1
粘度500万cStのα,ω−ジメチルヒドロキシシロキシ−ジメチルポリシロキサン50部,粘度2万cStのα,ω−ジメチルヒドロキシシロキシ−ジメチルポリシロキサン50部を混合して粘度50万cStのジメチルポリシロキサンの混合物を調製した。次いでこの混合物5部に、ポリエチレン樹脂[住友化学工業(株)製;商品名スミカセン−L,グレードFA101−1]95部を配合した後、押出し機を用いて240℃にて加熱混練し、得られたストランドをペレタイザーを用いて切断して、上記2種のジメチルポリシロキサンをそれぞれ2.5重量%ずつ含有するポリエチレン樹脂のマスターバッチペレット(B−3)を調製した。
ポリエチレン樹脂[住友化学工業(株)製;商品名スミカセン−L,グレードFA101−1]のペレット(A)に、上記のマスターバッチペレット(B−3)を、重量比が(A):(B−3)=99:1となるように添加してドライブレンド混合し、フィルム用熱可塑性樹脂組成物(ペレット状)を得た。直径75mm,リップ距離1mmのリングダイを有するインフレーション成形用押出し機のホッパーに、ポリエチレン樹脂[住友化学工業(株)製;商品名スミカセン−L,グレードFA101−1]のペレット(A)を投入して、フィルムの押出し成形を1時間行った。このとき、押出し機のシリンダ温度およびダイ温度は240℃とし、押出し速度は10kg/時間とした。また、フィルムの引き取り速度は9m/分とし、管状フィルムの横幅が250mm,厚さが40ミクロンとなるように空気圧や押出し条件を調整した。1時間経過後、ホッパー中のペレット(A)を上記のフィルム用熱可塑性樹脂組成物に入れ替えて、同一条件にて5時間押出し成形を行った。5時間経過後、再びホッパー中のペレットをポリエチレン樹脂のペレット(A)に入れ替えて、さらに5時間押出し成形を行った。
上記の方法において、フィルム用熱可塑性樹脂組成物に入れ替えた後、押出し成形されたフィルムを30分毎にサンプリングしてフィルムの表面状態を測定した。このとき比較例1で得られたフィルムの表面状態を基準にして測定を行った。そしてフィルムの表面状態が変化するまでの時間を測定し、この時間を「誘導時間」とした。また、誘導時間に到達してから1時間経過後に押出し成形されたフィルムの特性(色相、表面状態、シール強度)を測定した。さらに上記の方法において、再びポリエチレン樹脂のペレット(A)に入れ替えてから、押出し成形されたフィルムの表面が、上記フィルム用熱可塑性樹脂組成物に入れ替える前と同様の状態になるまでの時間を測定した。この時間を「持続時間」とした。これらの結果を表1に示した。
【0017】
実施例2
ポリエチレン樹脂[住友化学工業(株)製;商品名スミカセン−L,グレードFA101−1]のペレット(A)に、実施例3で得られたマスターバッチペレット(B−3)を、重量比が(A):(B−3)=99.5:0.5となるように添加してドライブレンド混合し、フィルム用熱可塑性樹脂組成物(ペレット状)を得た。得られたフィルム用熱可塑性樹脂組成物を用いて実施例1と同様にフィルムを製造して、その特性,誘導時間および持続時間を測定した。これらの結果を表1に示した。
【0018】
【比較例1】
直径75mm,リップ距離1mmのリングダイを有するインフレーション成形用押出し機のホッパーに、ポリエチレン樹脂[住友化学工業(株)製;商品名スミカセン−L,グレードFA101−1]のペレット(A)を投入して、フィルムの押出し成形を行った。このとき押出し速度が10kg/時間と3kg/時間の条件下で、それぞれ成形を行った。そして押出し開始から3時間経過後に押出し成形されたフィルムの特性を測定した。これらの結果を表1に示した。尚、押出し機のシリンダ温度,ダイ温度その他の条件は、実施例1と同様とした。
【0019】
【比較例2】
粘度2万cStのα,ω−トリメチルシロキシ−ジメチルポリシロキサン5部とポリエチレン樹脂[住友化学工業(株)製;商品名スミカセン−L,グレードFA101−1]95部をヘンシェルミキサーを用いて均一に混合した。次いで押出し機を用いて240℃にて加熱混練し、得られたストランドをペレタイザーを用いて切断して、上記のジメチルポリシロキサンを5重量%含有するポリエチレン樹脂のマスターバッチペレット(B−4)を調製した。
ポリエチレン樹脂[住友化学工業(株)製;商品名スミカセン−L,グレードFA101−1]のペレット(A)に、上記のマスターバッチペレット(B−4)を、重量比が(A):(B−4)=99:1となるように添加してドライブレンド混合し、フィルム用熱可塑性樹脂組成物(ペレット状)を得た。得られたフィルム用熱可塑性樹脂組成物を用いて実施例1と同様にフィルムを製造して、その特性,誘導時間および持続時間を測定した。これらの結果を表1に示した。
【0020】
【比較例3】
ポリエチレン樹脂[住友化学工業(株)製;商品名スミカセン−L,グレードFA101−1]のペレット(A)95部と、一般式:
【化5】
Figure 0003712466
で示される粘度1600cStのポリオキシエチレン基含有ジオルガノポリシロキサン5部を、ヘンシェルミキサーを用いて均一に混合した。次いで押出し機を用いて240℃にて加熱混練し、得られたストランドをペレタイザーを用いて切断して、上記のジオルガノポリシロキサンを5重量%含有するポリエチレン樹脂のマスターバッチペレット(B−5)を調製した。
ポリエチレン樹脂[住友化学工業(株)製;商品名スミカセン−L,グレードFA101−1]のペレット(A)に、上記のマスターバッチペレット(B−5)を、重量比が(A):(B−5)=99:1となるように添加してドライブレンド混合し、フィルム用熱可塑性樹脂組成物(ペレット状)を得た。得られたフィルム用熱可塑性樹脂組成物を用いて実施例1と同様にフィルムを製造して、その特性,誘導時間および持続時間を測定した。これらの結果を表1に示した。
【0021】
【比較例4】
粘度500万cStのα , ω−ジメチルヒドロキシシロキシ−ジメチルポリシロキサン5部とポリエチレン樹脂[住友化学工業(株)製;商品名スミカセン−L,グレードFA101−1]95部をヘンシェルミキサーを用いて均一に混合した。次いで押出し機を用いて240℃にて加熱混練し、得られたストランドをペレタイザーを用いて切断して、上記のジメチルポリシロキサンを5重量%含有するポリエチレン樹脂のマスターバッチペレット(B−1)を調製した。
ポリエチレン樹脂[住友化学工業(株)製;商品名スミカセン−L,グレードFA101−1]のペレット(A)に、上記のマスターバッチペレット(B−1)を、重量比が(A):(B−1)=99:1となるように添加してドライブレンド混合し、フィルム用熱可塑性樹脂組成物(ペレット状)を得た。得られたフィルム用熱可塑性樹脂組成物を用いて実施例1と同様にフィルムを製造して、その特性,誘導時間および持続時間を測定した。これらの結果を表1に示した。
【0022】
【比較例5】
粘度2万cStのα , ω−ジメチルヒドロキシシロキシ−ジメチルポリシロキサン5部とポリエチレン樹脂[住友化学工業(株)製;商品名スミカセン−L,グレードFA10 1−1]95部をヘンシェルミキサーを用いて均一に混合した。次いで押出し機を用いて240℃にて加熱混練し、得られたストランドをペレタイザーを用いて切断して、上記のジメチルポリシロキサンを5重量%含有するポリエチレン樹脂のマスターバッチペレット(B−2)を調製した。
ポリエチレン樹脂[住友化学工業(株)製;商品名スミカセン−L,グレードFA101−1]のペレット(A)に、上記のマスターバッチペレット(B−2)を、重量比が(A):(B−2)=99:1となるように添加してドライブレンド混合し、フィルム用熱可塑性樹脂組成物(ペレット状)を得た。得られたフィルム用熱可塑性樹脂組成物を用いて実施例1と同様にフィルムを製造して、その特性,誘導時間および持続時間を測定した。これらの結果を表1に示した。
【0023】
表1
Figure 0003712466
【0024】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性樹脂フィルム用添加剤は末端にケイ素原子結合水酸基を有するジオルガノポリシロキサンであり、熱可塑性樹脂フィルムを黄変させることなく優れた平滑性を付与するという特徴を有する。またこれを含有する本発明のフィルム用熱可塑性樹脂組成物はフィルムの生産性に優れるという特徴を有し、本発明のフィルムは平滑性,透明性に優れるという特徴を有する。

Claims (4)

  1. 一般式:
    Figure 0003712466
    (式中、Rは置換もしくは非置換の一価炭化水素基であり、Xは置換もしくは非置換の一価炭化水素基または水酸基であり、nは1以上の整数である。)で示される25℃における粘度が10 , 000センチストークス以上のジオルガノポリシロキサンであって、該ジオルガノポリシロキサンが、25℃における粘度が100 , 000センチストークス以上であるジオルガノポリシロキサン20〜80重量%と、25℃における粘度が100 , 000センチストークス未満であるジオルガノポリシロキサン80〜20重量%の混合物であることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルム用添加剤。
  2. (A)熱可塑性樹脂 100重量部、
    (B)一般式:
    Figure 0003712466
    (式中、Rは置換もしくは非置換の一価炭化水素基であり、Xは置換もしくは非置換の一価炭化水素基または水酸基であり、nは1以上の整数である。)で示される25℃における粘度が10 , 000センチストークス以上のジオルガノポリシロキサンであって、25℃における粘度が100 , 000センチストークス以上であるジオルガノポリシロキサン20〜80重量%と、25℃における粘度が100 , 000センチストークス未満であるジオルガノポリシロキサン80〜20重量%の混合物であることを特徴とする前記ジオルガノポリシロキサン 0.01〜1.00重量部
    からなるフィルム用熱可塑性樹脂組成物。
  3. (A)成分がポリオレフィン樹脂である請求項記載のフィルム用熱可塑性樹脂組成物。
  4. 請求項記載のフィルム用熱可塑性樹脂組成物からなるフィルム。
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