JP3710623B2 - 熱交換装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バーナでの燃焼により生ずる燃焼ガスと被加熱流体との間の熱交換を行う熱交換器を備える熱交換装置に関し、特にバーナでの燃焼をオンオフ制御することにより被加熱流体の温度を制御するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の熱交換装置としては、例えば被加熱流体として送り込まれた室内空気を燃焼ガスとの間で熱交換させて温風にして室内に吹き出し、室温が設定室温になるように暖房を行うFF式暖房器がある。このような暖房器のうち、燃料としてガスを用いるものでは、バーナへ供給するガス量を調節して燃焼量を調節することにより、室温を制御するものがある。
【0003】
ところが、燃焼量をしぼり過ぎると、バーナでの燃焼が不安定になり立ち消え等が生ずるおそれがある。つまり燃焼量の調節できる範囲には下限がある。従って、加熱量が少なくてよい場合は、燃焼量を下限値にしてもなお燃焼量が大き過ぎ、室温が設定室温を超えることになる。このような場合に対応したものとして、バーナでの燃焼をオンオフ制御するものがある。これによれば、燃焼量を下限値にしてもなお燃焼量が大き過ぎて室温が設定室温を超える場合は、バーナでの燃焼をオフさせることができるため、燃焼を断続的にオンオフさせることで室温を設定室温に維持した暖房を行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、バーナでの燃焼をオンオフ制御すると、燃焼をオフしている間は熱交換器温度が低下する。熱交換器温度が燃焼ガスの露点以下になると、次に燃焼をオンしたときに燃焼ガスが熱交換器に触れて露点以下に冷却され、燃焼ガスに含まれる水分が熱交換器の壁面に結露していわゆるドレンが生じ、ドレンに含まれる酸性成分により熱交換器を腐食させるおそれがある。
【0005】
本発明は、このような不具合を解決する熱交換装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、バーナでの燃焼により生ずる燃焼ガスと被加熱流体との間の熱交換を行う熱交換器と、被加熱流体の温度を検出する被加熱流体温度検出手段と、当該被加熱流体温度検出手段の検出温度が設定温度になるようにバーナでの燃焼をオンオフ制御する制御手段と、を備える熱交換装置において、前記熱交換器の温度を検出する熱交換器温度検出手段を備え、前記制御手段により、当該熱交換器温度検出手段の検出温度が結露防止温度以下になると前記バーナでの燃焼をオンすることを特徴とする。
【0007】
このような熱交換装置によれば、熱交換器の温度が常に結露防止温度以上に維持される。従って、例えば結露防止温度を燃焼ガスの露点に設定しておけば、熱交換器の温度が常に露点以上の温度に維持され、燃焼ガスに含まれる水分が熱交換器に結露することがない。
【0008】
ところで、熱交換器温度が結露防止温度以下であることを検出したときに熱交換器温度維持のためにバーナでの燃焼をオンすると、被加熱流体温度が上昇するため、被加熱流体温度を設定温度に保つ制御上好ましくない。従って、前記制御手段によって、前記熱交換器温度検出手段の検出温度が結露防止温度以下になったことによりオンになった前記バーナでの燃焼を、前記熱交換器温度検出手段の検出温度が前記結露防止温度を超えた所定温度より高くなるとオフする。このようにすれば、熱交換器での結露発生を防止しながら被加熱流体の温度上昇を最小限に抑えることができる。
【0009】
また、被加熱流体が室内空気であり、熱交換装置が室内空気を強制的に送風する送風手段を備える暖房機である場合は、熱交換器温度検出手段の検出温度が結露防止温度以下になってバーナでの燃焼をオンさせたときに、送風手段は停止状態であるのが好ましい。このようにすれば、新たな室内空気が熱交換器に供給されて燃焼ガスとの間で熱交換されないので、バーナでの燃焼により室温が上昇することがなく、熱交換器のみが加熱されて短時間で露点以上の所定温度に温度上昇させることができ結露が防止される。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1を参照して1は熱交換装置の一形態であるFF式の暖房機であり、暖房機の匡体1a内には、室内空気(被加熱流体)を匡体1a内に送通させる送風手段としての対流ファン2と、燃料であるガスを燃焼させるバーナ3が内部に設置された燃焼室4と、該燃焼室4におけるバーナ3での燃料ガスの燃焼により得られる燃焼ガスが送り込まれる熱交換器5とが設置されている。
【0011】
対流ファン2は匡体1aの側部に取り付けた第1モータ2aにより作動される。対流ファン2を作動させると室内空気が匡体1aの吸気口1bから吸い込まれて匡体1aの吹出口1cから吹き出される。第1モータ2aの回転等は暖房機1の制御手段としてのコントローラ6により制御される。
【0012】
吸気口1bに隣接する位置には、吸気口1bから吸い込んだ室内空気の温度を検出する室温センサ(被加熱流体温度検出手段)7が取り付けられている。室温センサ7で検出した室内温度を示す温度信号はコントローラ6に入力される。なお吸気口1bにはフィルタ8が装着されている。また吹出口1cには吹出方向を方向付けするためのブレード9が複数枚取り付けられている。各ブレード9,…は図示しない平行リンクにより相互に連結されており常に同一方向に向けられる。
【0013】
燃焼室4には燃焼用空気の吸入口4a及び燃焼ガスの送出口4bが形成されている。吸入口4aには室外に連通する吸気管10が接続されており、吸気管10内には燃焼用空気を燃焼室に強制的に供給する給気ファン11が設置されている。該給気ファン11はコントローラ6により制御される第2モータ11aで駆動される。他方、送出口4bには熱交換器5が接続されている。またバーナ3にはガス供給管13が配設されている。ガス供給管13には開度調整可能な比例電磁弁14aと、その上流側の開閉電磁弁14bとが取り付けられている。なお、比例電磁弁14aの開度調整及び開閉電磁弁14bの開弁、閉弁はコントローラ6によって制御される。
【0014】
また燃焼室4内にはコントローラ6により動作制御される点火プラグ15と、燃焼状態を検出する炎検知器16が取り付けられている。炎検知器16の検知信号はコントローラ6に入力されている。
【0015】
熱交換器5は、燃焼室4からの燃焼ガスの入口5a及び出口5bを備える。入口5aは燃焼室4の送出口4bに接続され、出口5bには室外に通ずる排気管17が接続されている。また熱交換器5には、熱交換器の壁面温度を検出する熱交温度センサ(熱交換器温度検出手段)18が取り付けられている。熱交温度センサ18で検出された温度は温度信号としてコントローラ6に入力される。
【0016】
またコントローラ6には室温等を設定するための操作パネル6aが備えられている。コントローラ6は、室温センサ7で検出した室温が操作パネル6aで設定された設定室温になるように、給気ファン11の回転数を制御して燃焼空気量を制御すると共に比例電磁弁14aの開度調節を行って燃料ガスの供給量を調節しバーナ3での燃焼量を可変制御する。そして、比例電磁弁14aの開度を下限燃焼量にしても室温が設定温度を超えて上昇する場合は、開閉電磁弁14bを開閉させてバーナ3での燃焼をオンオフ(ON−OFF)制御し、バーナを断続燃焼させて、室温が設定温度になるように燃焼を制御する。以下、暖房機1の動作を図2に示すフローチャートを用いて説明する。
【0017】
暖房機の運転スイッチがオン(ON)されると(S1)、バーナでの燃焼がオンされる(S2)。具体的には、開閉電磁弁が開弁され、給気ファンがオンされて回転され、点火プラグにスパークを発生させて燃焼を開始させる。続いて対流ファンがオンされ(S3)、温風が室内に吹き出されて室内が暖房される。暖房中は、室温センサ7の検出温度(室温)が設定室温と等しくなるように、比例電磁弁14aの開度が調節されて燃焼量が調節されるが、比例電磁弁14aの開度を最小にした状態で暖房を続けたときに室温が設定室温に1℃加えた温度よりも高くなる(S4での判断が「YES」になる)と、バーナでの燃焼がオフ(OFF)される(S5)。具体的には、開閉電磁弁14bが閉弁されると共に給気ファンがオフされる。続いて対流ファンがオフされる(S6)。
【0018】
この後、室温が設定室温以下(S7で「NO」)になれば、再びバーナをオンし(S2)、比例電磁弁14aの開度調節を行ってバーナ3での燃焼量を可変制御することにより暖房を行うが、室温が設定室温より高い(S7で「YES」)場合は、熱交換器5の温度を検出する(S8)。ここで熱交換器5の温度が結露防止温度として設定した露点より高い(S8で「NO」)場合は、再び室温が設定室温以下であるか否かを判断する(S7)。他方、熱交換器5の検出温度が露点以下(S8で「YES」)であればバーナ3での燃焼をオンし(S9)、その後、予め定めた条件に従ってバーナ3での燃焼をオフする。本実施形態では熱交換器5の温度が露点に10℃加えた温度(所定温度)より高くなる(S10で「YES」になる)と、バーナ3での燃焼をオフする(S11)。バーナ3での燃焼をオフすると、再び室温が設定室温以下になっているか否かを判断する(S7)。
【0019】
このようにすれば、熱交換器5の温度を常に燃焼ガスの露点以上に維持できるので、熱交換器5の内壁面に燃焼ガスに含まれる水分が結露することを防止でき、ドレンの発生を防止できる。従って、ドレンに含まれる燃焼ガス中の酸性成分による熱交換器5の腐食を防止でき、熱交換器5ひいては暖房機1の耐久性が向上する。
【0020】
ところで、上記説明から解るように、熱交換器5の温度が燃焼ガスの露点以下にならないように維持するためにバーナ3での燃焼をオンする場合は、対流ファン2を作動させない。このようにすれば、新たな室内空気と熱交換器5との間での熱交換が行われない。したがって、既に室温が設定温度より高いのに、燃焼熱により室温をさらに上昇させてしまうといった不具合を防止でき、燃焼熱が熱交換器5の温度上昇にのみ用いられるため熱交換器5の温度を短時間で露点以上の温度に上昇させることができる。また、熱交換器5の周囲の停滞空気を高温に加熱することができるので、バーナをオフした後も露点以上に温度上昇させた熱交換器5が冷え難い。
【0021】
なお、ステップ9(S9)でバーナ3での燃焼をオンさせるときは、比例電磁弁14aの開度を最小に設定することで室温の上昇を防止した方が良い。ただし、結露防止のためのバーナ3の燃焼時間をより短くする必要があるような場合は比例電磁弁14aの開度を必要に応じて大きく設定すれば良い。また、ステップ10では、熱交換器5の温度に基づいてバーナ3をオフする時期を決定しているが、例えばバーナ3での燃焼をオンしてから約1分経過後に熱交換器5の温度が露点に10℃加えた温度に達するとの実験結果に基づき、燃焼開始から1分経過後にバーナ3での燃焼をオフするというように、燃焼開始からの経過時間に基づいて燃焼をオフする時期を決定してもよい。
【0022】
また、本実施形態の暖房機1は、バーナ3での燃焼量を比例制御弁14aを用いて制御すると共に開閉電磁弁14bを用いてバーナ3での燃焼をオンオフ制御するものであるが、バーナ3での燃焼をオンオフ制御するだけで室内空気(被加熱流体)の温度を設定室温になるように制御するものにも適用できる。
【0023】
さらに、本実施形態の暖房機1は、熱交換器5内に燃焼ガスを流し、熱交換器5の外壁に被加熱流体としての室内空気を接触させて熱交換を行うものであるが、被加熱流体としての被加熱水を熱交換器内に流し、熱交換器の外壁に燃焼ガスを接触させて温水を生成する温水循環式の暖房機(例えば床暖房機)にも同様に本発明を適用できる。この場合は、熱交換器の最下流側に温度センサを設置すれば、これが熱交換器の出湯温度を検出する被加熱流体温度検出手段及び熱交換器温度検出手段として機能する。従って、上記実施形態の暖房機と同様に、バーナでの燃焼がオフの状態で温度センサの検出温度が露点(結露防止温度)以下になったときに、バーナを燃焼させれば良い。
【0024】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、熱交換器温度を常に結露防止温度以上の温度に維持できるので、結露防止温度を燃焼ガスの露点以上の温度に設定することにより、熱交換器内に燃焼ガスを送ったときに燃焼ガスに含まれる水分が熱交換器内に結露していわゆるドレンが生ずることを確実に防止でき、熱交換器内の腐食を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の暖房機の概略構成を示す図
【図2】 暖房機におけるバーナでの燃焼の制御を示すフローチャート
【符号の説明】
1 暖房機(熱交換装置)
2 対流ファン(送風手段)
3 バーナ
4 燃焼室
5 熱交換器
6 コントローラ(制御手段)
7 室温センサ(被加熱流体温度検出手段)
18 熱交温度センサ(熱交換器温度検出手段)
Claims (4)
- バーナでの燃焼により生ずる燃焼ガスと被加熱流体との間の熱交換を行う熱交換器と、被加熱流体の温度を検出する被加熱流体温度検出手段と、当該被加熱流体温度検出手段の検出温度が設定温度になるようにバーナでの燃焼をオンオフ制御する制御手段と、を備える熱交換装置において、
前記熱交換器の温度を検出する熱交換器温度検出手段を備え、
前記制御手段により、当該熱交換器温度検出手段の検出温度が結露防止温度以下になると前記バーナでの燃焼をオンすることを特徴とする熱交換装置。 - 前記結露防止温度は、燃焼ガスの露点であることを特徴とする請求項1に記載の熱交換装置。
- 前記制御手段は、前記熱交換器温度検出手段の検出温度が結露防止温度以下になったことによりオンになった前記バーナでの燃焼を、前記熱交換器温度検出手段の検出温度が前記結露防止温度を超えた所定温度より高くなるとオフすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱交換装置。
- 前記被加熱流体は室内空気であり、
前記熱交換装置は当該室内空気を強制的に送風する送風手段を備えるものであり、
前記制御手段は、前記熱交換器温度検出手段の検出温度に基づいてバーナでの燃焼をオンしたときは送風手段の動作を停止状態にするものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱交換装置。
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