JP3710497B2 - D−パント酸、d−パントテン酸およびそれらの塩の製造法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はD−パント酸および/またはD−パントテン酸(またはその塩)の新規な製造方法、精製法およびその生産菌およびパントテン酸生合成系遺伝子領域またはその一部を有するDNAを組み込んだプラスミドに関する。パントテン酸は、ビタミンとして有用な物質であり、D−パント酸はパントテン酸やCoAの重要な合成中間体として有用な物質である。
【0002】
【従来の技術】
D−パントテン酸(またはその塩)はビタミンとして重要な物質であるが、従来の製造法としては、(1)DL−パントラクトンを光学分割して得られるD−パントラクトンとβ−アラニン(またはその塩)をメタノール中で化学的に縮合させる方法や(2)微生物あるいは酵素を用いて、D−パントテン酸エステルを加水分解してD−パントテン酸を得る方法やDL−パントテン酸エステルのD体のみを選択的に加水分解してD−パントテン酸を得る方法(特開平1-228487、特開平1-228488)、(3)微生物の休止菌体またはその酵素に、パント酸カリウム塩とβ−アラニンとATPをトリス緩衝液中で接触させてパントテン酸を得る方法〔ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journal of Biological Chemistry)、第198巻、23頁、(1952)と第176回アメリカン・ ケミカル・ソサイエティー・ナショナル・ミーティング要旨集(abstracts of Papers,176th American Chemical Society National meeting)、マイクロバイアル・アンド・バイオケミカル・テクノロジー部門(Division of microbial and biochemical technology)、48番、(1978)などに記載〕、などが知られている。
D−パント酸および/またはD−パントラクトンの従来の製造法としては化学的に合成されたDL−パントラクトンを(4)キニーネ、ブルシンなどの分割剤を使用し、光学分割する方法、(5)特定の微生物を用いてDL−パントラクトン中のL−パントラクトンを分解し、D−パントラクトンのみを取得する方法(特公昭47-19745)、(6)特定の微生物を用いて、DL−パントラクトン中のL−パントラクトンのみを酸化し、ケトパントラクトンに導き、更にこのものを不斉還元する事によってD−パントラクトンを得る方法(特開昭61-293386)、(7)化学的に合成されたケトパントラクトンを特定の微生物を用いて不斉還元してD−パントラクトンを得る方法(特公昭61-14797)、(8)特定の微生物を用いてDL−パントラクトン中のL−体を選択的に不斉加水分解し、D−パントラクトンを得る方法(特開昭57-152895および特開昭62-294092)、(9)特定の微生物を用いてDL−パントラクトン中のD−体を選択的に不斉加水分解し、D−パント酸を得る方法(特公平3-65198)などが知られている。
また、パントテン酸の塩を採取する方法に関しては、晶出前に塩化カルシウムを添加してパントテン酸カルシウム・塩化カルシウム複塩として高収率かつ高純度に晶出させる方法(米国特許2,957,025(Jonathan O.Brooks 1960年10月18日出願)や特公昭47−49571など)は知られているが、この得られた複塩から 塩化カルシウムを除去し高収率でパントテン酸カルシウムを得る方法はいまだ知られておらず、この複塩を最終製品として扱っているのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
工業的にD−パントテン酸(以下、その塩も含む)を製造するに当たり、(1)の方法は原料となるDL−パントラクトンの合成に煩雑な工程を要するのみならず、その光学分割には煩雑かつ、困難な工程を伴っていた。(2)の方法はDL−パントラクトンからD−パントテン酸エステルやDL−パントテン酸エステルを製造する工程を要するという欠点がある。(3)の方法は高価なATPやトリス緩衝液を使用する点で不利であり生成したパントテン酸の量も微量で、しかも高価なD−パント酸(またはその塩)を原料として用いた場合、実用的でない。
また、D−パント酸および/またはD−パントラクトンの製造法のほとんどは、合成に煩雑な工程を要するDL−パントラクトンを出発原料としている欠点を有するのみならず、(4)の方法は、高価な分割剤を使用し、D−パントラクトンの回収も容易でないなどの欠点を有し、(5)の方法はDL−パントラクトンの半分量が損失量となるという欠点を有している。(6)、(7)、(8)、(9)の方法は使用する微生物の性質上、あるいはパントラクトン(またはパント酸)の性質上、培養液中に光学純度100%でD−体のみ製造するのは非常に困難である。また、(4)、(8)、(9)の方法は、残ったL−体を回収、ラセミ化再利用する事を前提としているため、さらに煩雑な工程が増える事になる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、D−パントテン酸の工業的に有利なより効率的な製造法につき鋭意検討した結果、微生物をβ-アラニンを添加した培地にて培養すれば、D− パントテン酸が生成することを見いだした。また、サリチル酸に耐性を有する菌株を培養する事によってD−パント酸を蓄積せしめ得ること、また、β-アラニ ンを添加した培地にて培養することにより、D−パントテン酸がより高濃度生成すること、さらに、α−ケトイソ吉草酸、α−ケト酪酸、α−アミノ酪酸、β−ヒドロキシアスパラギン酸及び/又はO−メチルスレオニンに対する耐性を付与することによってD−パント酸、または/およびD−パントテン酸の生成量が増大することを見いだした。一方、遺伝子組換え技術の菌株の育種への利用の研究を重ねた結果、パントテン酸生合成系遺伝子の組み込まれたプラスミドを用いて形質転換せしめた菌株が、培地中にパントテン酸またはD−パント酸(または/およびD−パントラクトン)をさらに高濃度蓄積することを見いだし、さらに検討を重ね本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち本発明は、〔I〕サリチル酸に対する耐性を有し、D−パント酸合成能を有するエンテロバクテリアシー科に属する微生物を培養し、D−パント酸またはその塩を蓄積せしめ、これを採取することを特徴とするD−パント酸またはその塩の製造法、
〔II〕α−ケトイソ吉草酸に対する耐性,α−ケト酪酸に対する耐性,α−アミノ酪酸に対する耐性,β−ヒドロキシアスパラギン酸に対する耐性及びO−メチルスレオニンに対する耐性から選ばれる少くとも1つの耐性を有する微生物を用いる前記(I)記載の製造法、
〔III〕β−アラニンの存在下サリチル酸に対する耐性を有しD−パントテン酸合成能を有するエンテロバクテリアシー科に属する微生物をβ−アラニンと接触させることを特徴とするD−パントテン酸またはその塩の製造法、
〔IV〕α−ケトイソ吉草酸に対する耐性,α−ケト酪酸に対する耐性,α−アミノ酪酸に対する耐性,β−ヒドロキシアスパラギン酸に対する耐性及びO−メチルスレオニンに対する耐性から選ばれる少くとも1つの耐性を有する微生物を用いる前記(III)記載の製造法及び
〔V〕パントテン酸生合成系遺伝子領域(またはその一部)または/及び分岐鎖アミノ酸生合成系遺伝子領域(またはその一部)を有するDNAを組み込んだプラスミドにて形質転換せしめた微生物を用いる前記(I)〜(IV)記載の製造法に関する。又、本発明はこれらの製造法に用いる形質転換微生物、形質転換微生物を得るためのプラスミド及び目的化合物の精製単離法を提供する。
本発明は原料としてDL−パント酸やパントラクトン等を用いる必要がなく、光学純度100%のD−体が得られ、また、L−体を回収、ラセミ化再利用する工程が省けるなど工業的に実施する上での多くの長所を有する。
【0006】
以下本発明を詳細に説明する。
尚、本発明においてD−パント酸,D−パントテン酸及びβ−アラニンはその塩であってもよく、本明細書の記載においてD−パント酸,D−パントテン酸及びβ−アラニンと称する場合、遊離体のみならずその塩も含む。D−パント酸,D−パントテン酸,β−アラニンの塩としては、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩が挙げられる。いずれもカルシウム塩,ナトリウム塩,カリウム塩が好ましい。
本発明におけるD−パントテン酸及びD−パント酸合成法は、微生物の有するパントテン酸合成能及びD−パント酸合成能を利用し、グルコースなどの種々の炭素源からD−パント酸を生合成せしめ、これを培地中に蓄積させるか、培地中にβ-アラニンを添加する等してβ−アラニンと微生物を接触させることにより β−アラニンとD−パント酸とを微生物によって縮合せしめることによりD−パントテン酸を生成させることを特徴とするものである。本発明に用いられる微生物としては、β−アラニンの存在下にD−パントテン酸合成能を有する微生物やD−パント酸合成能を有する微生物をそれぞれ用いることができる。とりわけ実用面からエンテロバクテリアシー科の微生物が好適であり、例えばシトロバクター属、シゲラ属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、サルモネラ属及びエシェリヒア属に属する菌があげられる。本発明に用いられるより好ましい菌株の具体例としてはエシェリヒア属菌が挙げられ、その具体例としてはエシェリヒア・コリK−12(IFO3301)、エシェリヒア・コリ(IFO3547)など、財団法人発酵研究所発行の「リスト・オブ・カルチャーズ(List of cultures)、第8版、1988」に掲載されているようなエシェリヒア・コリの公知菌株およびこれらに由来する菌株が挙げられる。
【0007】
本発明者らは、エシェリヒア属等の微生物を用いて糖類などの炭素源から直接醗酵法により、更に効率的にかつ経済的にD−パント酸を製造する方法を開発すべく研究を行った結果、サリチル酸に対する耐性を付与した微生物の中に大量のD−パント酸を生産する能力を有する菌株があることを見いだし、さらにこのような微生物を炭素源を含む培地中でβ-アラニンと接触させることによって大量 のD−パントテン酸を蓄積せしめることが可能であることを見出した。
これに加えて本発明者らは、これらのサリチル酸耐性株にα−ケトイソ吉草酸、α−ケト酪酸,α−アミノ酪酸,β−ヒドロキシアスパラギン酸及び/又はO−メチルスレオニンに対する耐性を付与することによってより高濃度の生成がなされることを見出した。
本発明の方法に使用される変異株としては、例えばエンテロバクテリアシー科の微生物が挙げられ、とりわけエシェリヒア属に属し、D−パント酸又はD−パントテン酸を生産する能力を有する微生物が好ましい。具体的には、サリチル酸に対する耐性を有するエシェリヒア・コリ FV5714(IFO 15368)、サリチル酸、かつα−ケトイソ吉草酸に耐性を有するエシェリヒア・コリ FV525(IFO 15369)、サリチル酸、かつα−ケトイソ吉草酸、かつα−ケト酪酸に耐性を有するエシェリヒア・コリ FV814(IFO 15370)、サリチル酸、α−ケトイソ吉草酸、α−ケト酪酸かつα−アミノ酪酸に耐性を有するエシェリヒア・コリ FV521、サリチル酸、α−ケトイソ吉草酸、α−ケト酪酸かつβ−ヒドロキシアスパラギン酸に対する耐性を有するエシェリヒア・コリ FV221及びサリチル酸、α−ケトイソ吉草酸、α−ケト酪酸、β−ヒドロキシアスパラギン酸かつO−メチルスレオニンに耐性を有するエシェリヒア・コリ FV6051、エシェリヒア・コリ FV5069が挙げられる。
【0008】
本発明に使用される変異株FV5714はエシェリヒア・コリIFO3547を親株とし、これに通常の変異誘導処理、例えば紫外線照射、あるいはN−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン等の化学薬剤処理を施した後、親株が生育できないような濃度のサリチル酸を含有する寒天平板培地で培養し、該平板培地上に生育するコロニーを分離することによって得られる。FV525も同様にFV5714を親株として親株が生育できないような濃度のα−ケトイソ吉草酸を含有する寒天平板培地で培養し、該平板培地上に生育するコロニーを分離することによって得られる。FV814はFV525を親株として親株が生育できないような濃度のα−ケト酪酸を含有する寒天平板培地で培養し、該平板培地上に生育するコロニーを分離することによって得られる。FV521はFV814を親株として親株が生育できないような濃度のα−アミノ酪酸を含有する寒天平板培地で培養し、該平板培地上に生育するコロニーを分離することによって得られる。FV221はFV814を親株として親株が生育できないような濃度のβ−ヒドロキシアスパラギン酸を含有する寒天平板培地で培養し、該平板培地上に生育するコロニーを分離することによって得られる。FV6051はFV221を親株として親株が生育できないような濃度のO−メチルスレオニンを含有する寒天平板培地で培養し、該平板培地上に生育するコロニーを分離することによって得られる。FV5069はFV6051を親株として親株が生育できないような濃度のα−ケト酪酸を含有する寒天平板培地で培養し、該平板培地上に生育するコロニーを分離することによって得られる。
なお、最終的に本発明の目的にかなう菌株を得るには、サリチル酸、α−ケトイソ吉草酸、α−ケト酪酸、α−アミノ酪酸、β−ヒドロキシアスパラギン酸、O−メチルスレオニンといった薬剤への耐性の付与の順番は問題とならない。また、α−ケトイソ吉草酸、α−アミノ酪酸及びO−メチルスレオニンは4−アザロイシン、4−チアイソロイシン、ノルバリン等の公知の分岐鎖アミノ酸アナログに代替し得る。
【0009】
以下の実験例にて上記の菌株のサリチル酸、α−ケトイソ吉草酸、α−ケト酪酸、α−アミノ酪酸、β−ヒドロキシアスパラギン酸あるいはO−メチルスレオニンに対する耐性度を示す。
【実験例】
〔表1〕に示す組成(以下、特にことわりのない限り“%”は“w/v%”を示す)の培地を121℃で10分間加熱殺菌した後、〔表2〕,〔表3〕に示す濃度となるようにサリチル酸、α−ケトイソ吉草酸、α−ケト酪酸、α−アミノ酪酸、β−ヒドロキシアスパラギン酸あるいはO−メチルスレオニンを別途フィルター除菌して添加し、直径9cmの滅菌シャーレに分注した。これらの寒天培地に、最小培地で24時間培養した〔表2〕,〔表3〕に記載するエシェリヒア・コリIFO3547、FV5714、FV525、FV814、FV521、FV221、FV6051、FV5069から選ばれる菌株の培養液をそれぞれ0.1mlずつ塗布し37℃にて30時間培養を行った。生育度を〔表2〕,〔表3〕に示す。
尚、〔表2〕,〔表3〕において、各記号は次の意味を有する。
++ 生育非常に良好; + 生育良好; ± 生育不良; − 生育せず
一方、本発明者らは上述のようなD−パントテン酸製造法を応用し、特定の科の微生物の染色体より得たパントテン酸生合成系遺伝子領域もしくはその一部の遺伝子領域が組み込まれているベクターを含有している微生物が高濃度でD−パント酸または/およびD−パントテン酸を蓄積することを見いだした。
ここで言うパントテン酸生合成系遺伝子とは panB, panC, panD遺伝子を指し、それぞれKetopantoate hydroxymethyltransferase, Pantothenate synthase, Aspartate-α-decarboxylase の各酵素に対応する遺伝子である。
このようなDNAの供与菌の例としては、パントテン酸生産能を有する前記微生物が挙げられが、とりわけエシェリヒア属菌が挙げられる。その具体例としてはエシェリヒア・コリK−12(IFO3301)、エシェリヒア・コリ(IFO3547)など、財団法人発酵研究所発行の「リスト・オブ・カルチャーズ(List of cultures)、第8版、1988」に掲載されている公知菌株が挙げられる。あるいは前述のエシェリヒア・コリFV5714,FV525,FV814,FV521,FV221,FV6051,FV5069等の変異株を用いればさらに効果的である。
【0010】
パントテン酸生合成系遺伝子を含むDNA断片を調製する方法としては、例えば、エイチ・サイトー及びケイ・ミウラ、バイオヒミカ・エ・バイオフィジカ・アクタ(H.Saito and K.Miura,Biochim.Biophys.Acta)、72、619(1963)の方法またはそれに準じる方法等公知方法によりまず、供与菌から染色体DNAを抽出し、次いでこれを制限酵素 EcoRIを用いて切断する方法などが挙げられる。次に、この様にして得られたパントテン酸生合成系遺伝子を含む染色体DNA断片は、ベクターDNAに挿入される。
本発明に使用されるベクターDNAは、受容菌で増殖し得るものの中から適宜選択できる。受容菌で増殖可能なプラスミドとしては、例えば pSC101〔プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オ ブ・サイエンシズ・オブ・ザ・ユー・エス・エー(Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.)、70、3240(1973)〕、pBR322〔ジーン(Gene),4,121,(1978)〕などがあげられるが、とくに限定されるものではなく、新たに分離されたり合成されたりしたベクターDNAであっても本発明の目的を達成し得るものであれば用いることが出来る。
これらのプラスミドベクターにパントテン酸生合成系遺伝子を含むDNA断片を挿入するには、ティー・マニアティスら、「モレキュラー クローニング」(T.Maniatis et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,東大出版会、1982年)などに記載された公知の方法又はそれに準じる方法に従い行うことができる。
パントテン酸生合成系遺伝子が組み込まれたプラスミドベクターを受容菌へ導入する場合には、例えば〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J.Mol.biol.),53,159(1979)〕などに記載されているような公知の 形質転換法又はそれに準じる方法が採用できる。該受容菌の具体例としてはエシェリヒア・コリ C600株〔バクテリオロジー・レビュー(Bacteriol.Rev.)36、525(1972)〕〕などの公知菌株が挙げられる。
【0011】
形質転換株の中からパントテン酸生合成系遺伝子が挿入されているプラスミドが導入された形質転換株を選択するには、例えばDNA受容菌としてパントテン酸要求株を用い、形質転換によってパントテン酸を含有しない培地に生育し得る様になった菌株を選択すれば良い。又、プラスミドDNAのマーカーの性質を合わせ持つ菌株を選別できるような培地を用いればより選別が容易である。この様にして得られたパントテン酸生合成系遺伝子が組み込まれたベクターDNAは、その保有株から抽出し他の受容菌に導入したり、あるいは、抽出された組換えDNAからパントテン酸生合成系遺伝子を含むDNA断片を調製後、これを他のベクタープラスミドに連結して用いることが出来る。この様にして得られた形質転換株の例として、以下のような株が挙げられる。
エシェリヒア・コリ3547/pFV31株(IFO 15371)
エシェリヒア・コリ5714/pFV31株(IFO 15372)
エシェリヒア・コリ 525/pFV31株(IFO 15373)
エシェリヒア・コリ 814/pFV31株(IFO 15374,FERM BP 4401)
エシェリヒア・コリ 521/pFV31株
エシェリヒア・コリ 221/pFV31株(IFO 15524)
エシェリヒア・コリ6051/pFV31株(IFO 15525)
エシェリヒア・コリ5069/pFV31株(IFO 15526,FERM BP 4395)
上記のエシェリヒア・コリ3547/pFV31株はエシェリヒア・コリFV525株由来のパントテン酸生合成系遺伝子が挿入されているプラスミドpFV31をIFO3547株に導入した株であり、エシェリヒア・コリ5714/pFV31株はpFV31をFV5714株に導入した株、エシェリヒア・コリ525/pFV31株はpFV3 1をFV525株に導入した株、エシェリヒア・コリ814/pFV31株はpFV31 をFV814株に導入した株である。エシェリヒア・コリ521/pFV31株はpFV31をFV521株に導入した株、エシェリヒア・コリ221/pFV31株はpFV3 1をFV221株に導入した株、エシェリヒア・コリ6051/pFV31株はpFV31をFV6051株に導入した株、エシェリヒア・コリ5069/pFV31株はpFV5069株に導入した株である。
なお、本明細書においてIFO番号は財団法人発酵研究所(大阪市淀川区十三本町2丁目17番85号)への寄託番号を、また、FERM BP−番号はブタペスト条約の下での工業技術院微生物工業技術研究所(茨城県つくば市東1丁目1番3号)への寄託番号を表す。
【0012】
以上の様にして得られた菌株を培養するには通常の静置培養法、振とう培養法(回転振とう培養法等)あるいは通気撹拌培養法などにより連続的あるいは間欠的に行うことができる。用いる培地は使用する微生物の生育し得る通常の組成のものでよく、炭素源には炭水化物、油脂、脂肪酸、有機酸あるいはアルコール類の中から資化し得るものを適宜選択し、単独あるいは混合して使用される。又窒素源には、例えばペプトン、大豆粉綿実粉、コーン・スティープ・リカー、酵母エキス、肉エキス、麦芽エキス、尿素などの有機窒素源の他硫安、塩安、硝安、燐安などの無機窒素源が必要に応じて適宜混合してまたは単独で用いられる。また、燐源として燐酸1カリウム、燐酸2カリウムを用いるのが好都合である。培地には炭素源、窒素源、燐源の他生育に必要な金属塩(例、硫酸マグネシウム)、アミノ酸、ビタミンなどの生育必須因子や生育促進物質を通常添加しても良い。培養中のpH及び泡の管理の目的で、塩基性物質例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、炭酸カルシウムなどを適宜添加することができ、又消泡剤の添加も有効である。上記は培養途上に適宜添加しても良い。さらに環境を好気状態にする目的で、酸素を通気するのも有効である。培養の温度は通常15℃から45℃、好ましくは25℃から40℃で培養するのが有利である。また、培養の時間は実質的にパントテン酸および/またはパント酸の蓄積量が最大になるまで行われるが、通常6時間から120時間の培養で目的を達することができる。
本発明によりD−パントテン酸を製造する際に原料物質であるβ−アラニンを当該菌体に接触させる方法として、菌株の培養開始前や培養途上の適当な時期に原料物質を添加する方法、あるいは菌体処理物に原料物質を適当な時期に添加する方法を用いることができる。菌体処理物とは、菌を培養して得られる培養物の洗浄菌体、アセトンパウダー、ポリアクリルアミドゲルまたはκ−カラギーナン包括固定化菌体などを言う。原料物質は水などの適当な溶剤の溶液または懸濁液として、あるいは粉末状として、一時あるいは一定時間にわたり連続的にまたは間欠的に添加される。
【0013】
添加するβ−アラニンの濃度としては培地に添加する場合、微生物の生産能力に応じてβ−アラニンを添加するのが好ましいが、経済性を考慮すれば通常0.1〜5w/v%より好ましくは0.5〜3w/v%の濃度で添加するのがよい。
上記のような培養物あるいは反応物からD−パントテン酸またはその塩を単離する場合の採取方法は慣用方法に従って行うことができる。例えば、培養液から菌体を除いた後、イオン交換樹脂処理、活性炭などを用いる吸着剤処理、晶析、塩析、電気透析などの公知操作を単独または適宜組み合わせてD−パントテン酸またはその塩を単離することができる。
なお、D−パントテン酸の遊離体が上記反応によって得られた場合は、常法によって塩に、また、D−パントテン酸の塩が反応によって得られた場合は、常法によりその遊離体へとそれぞれ変換することができる。
例えば、パントテン酸カルシウムは以下の方法によって単離することができる。
パントテン酸またはその塩を含有する培養液から菌体を除いた液を、カチオンを除去する目的でカチオン交換樹脂(例えば、ダイヤイオンPK−216(H型)、PK−228(H型)(三菱化成製))のカラムに通し、次に無機アニオンおよびパントテン酸より酸性度の強い有機酸を除去する目的でアニオン交換樹脂(たとえば、ダイヤイオンPA−412(OH型),WA−30(OH型)(三菱化成製))のカラムに通す。この処理液(pH3±1)に水酸化カルシウムを添加し、pHを中性付近(pH7±2)に調整した後、活性炭(例えば、白鷺A(武田薬品製))を添加し、ろ過する。このろ液を濃縮し、適当量の低級アルコール(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール)を添加した後、種晶を添加し、D−パントテン酸カルシウム結晶を晶出させ、この結晶を分離、乾燥することにより、D−パントテン酸カルシウム結晶を得ることができる。このD−パントテン酸カルシウム結晶の晶出収率が不十分な場合は、米国特許2,957,025(Jonathan O.Brooks 1960年10月18日出願)や特公昭47−49571の方法に 準じて、晶出前に塩化カルシウムを適宜添加することによって、D−パントテン酸カルシウム・塩化カルシウム複塩を高収率かつ高純度で晶出させることもできる。ここで添加する塩化カルシウムは、無水、二水塩、六水塩のいずれの結晶でもよいが、無水、二水塩が好ましい。塩化カルシウムの添加量はパントテン酸カルシウムに対して、モル比で0.2〜5倍量、好ましくは1〜3倍量がよい。このパントテン酸カルシウム・塩化カルシウム複塩に関しては、米国特許2,957,025(Jonathan O.Brooks 1960年10月18日出願)に、非吸湿性であり、かつ飼料添加 物として有効であることが記載されており、英国特許933,669に、錠剤中でパン トテン酸カルシウムより安定であることが記載されている。
【0014】
このようにして得られたD−パントテン酸カルシウム・塩化カルシウム複塩から塩化カルシウムを除去してD−パントテン酸カルシウムを高収率で得る方法は未だかつて報告はない。本発明者らはこの目的を完成させる種々の方法を鋭意検討した結果、極めて効率的な電気透析法を考案した。すなわち、アニオン透過膜として塩素イオンは通すがパントテン酸は通さないアニオン透過膜(例、一価選択性透過膜ネオセプタACS(徳山曹達製))を用い、電極液として硝酸カルシウム水溶液を用いた電気透析をすることによって、D−パントテン酸カルシウム・塩化カルシウム複塩の水溶液から塩化カルシウムを効率的に除去できることを見出した。この複塩を水に溶解する時の濃度は任意の濃度でかまわないが、通常1%(w/v)から60%(w/v)、好ましくは4%(w/v)〜40%(w/v)の範囲の濃度で溶解すればよい。この電気透析処理で得られたD−パントテン酸カルシウム水溶液を、スプレー乾燥法などの慣用方法に付すことによって、D−パントテン酸カルシウムの粉末を得ることができる。
このような方法により、培養液からD−パントテン酸カルシウムを効率よく単離することができる。
D−パント酸の分離方法としては、たとえば培養液から菌体を除いた後、硫酸または塩酸でpH1〜2とし、パント酸の閉環体であるパントラクトンに導き、溶媒(酢酸イソプロピル、酢酸エチルなど)にて抽出後、濃縮および晶出の操作により結晶を得ることができる。なお、得られたパントラクトンは水酸化ナトリウムなどを加えることによって容易にパント酸へ戻すことができる。
【0015】
【実施例】
以下に実施例をもって本発明の内容をより具体的に説明するが、これらはいずれも本発明の内容を例示するものにすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
なお、D−パントテン酸の定量は高速液体クロマトグラフィ−法〔カラム:島津SCR101H(7.9mmφ*30cm) ; 移動層:0.008N硫酸; 流量:0.8ml/min;検出:示差屈折計〕および/または微生物学的定量法(Bioassey)〔被検菌:ラクトバチルス・プランタラム(Lactbacillus plantarum)IFO 3070;培地:市販パントテン酸定量用培地(DIFCO製)〕で行った。またパント酸の定量、および光学純度の測定は培養液より遠心分離により菌体を除いた後、上清液に6N−塩酸を加え、80℃湯浴中にてにて15分間加熱(この操作により平衡状態で存在するパント酸はパントラクトンに変換される。)後、酢酸エチルで抽出し、高速液体クロマトグラフィー法〔カラム:SUMICHIRAL OA-1200;移動層:n-ヘキサン/1,2-ジクロロエタン/エタノール=90/8/2;流量:1.0ml/min;検出:UV〕にて行った。
【0016】
実施例1
〔表4〕に示す組成からなる滅菌第一シード培地20mlを含む200ml容三角フラスコにエシェリヒア・コリIFO3547株、FV5714(IFO 15368)株、FV525(IFO 15369)株、FV814(IFO 15370)株及びFV521株をそれぞれ斜面培地からおのおの一白金耳量接種して、30℃で20時間、220rpmで回転振とう培養した。この第一シード培養物1mlを、〔表5〕に示す組成からなる滅菌培地20mlをふくむ200ml容ひだ付き三角フラスコに移植し、38℃にて20時間培養した。ここで54%グルコース水溶液を各フラスコに2.5ml添加し、更に培養を24時間継続した。培養終了後のパント酸及びその光学純度およびパントテン酸蓄積量を〔表6〕に示す。
【0017】
実施例2
〔表4〕に示す組成からなる滅菌第一シード培地20mlを含む200ml容三角フラスコにエシェリヒア・コリFV221株およびFV6051、FV5069株を斜面培地からおのおの一白金耳量接種して、30℃で20時間、220rpmで回転振とう培養した。この第一シード培養物2mlを、〔表7〕に示す組成からなる滅菌培地40mlをふくむ200ml容ひだ付き三角フラスコに移植し、38℃にて20時間培養した。ここで54%グルコース水溶液を各フラスコに5ml添加し、更に培養を24時間継続した。培養終了後のパント酸及びその光学純度およびパントテン酸蓄積量を〔表8〕に示す。
【0018】
実施例3
i)染色体DNAの調製
D−パントテン酸の生成能を有するエシェリヒア・コリFV525株を1リットルのL培地(バクト・トリプトン1.0%、酵母エキス0.5%、塩化ナトリウム0.5%)に接種し、37℃で一夜培養し、得られた菌体からフェノールを用いるサイトーらの方法(Biochim.Biophys.acta.72,619(1963))によって最終 3.3mgの染色体DNAを得た。
ii)染色体DNAのベクタープラスミドpMW118への挿入
以後の実験における実験操作の方法は、とくに断りのないかぎりティー・マニアティスら、「モレキュラー クローニング」(東大出版会発行、1982年)に記載の方法に従った。
上記 i)項で得た染色体DNA10μgとpMW118(ニッポンジーン製) を制限酵素 Eco RI(ニッポンジーン製)を用いてそれぞれ切断した後、両者を 混合してT4ファージ由来のDNAリガーゼ(ニッポンジーン製)によって連結させた。
iii)パントテン酸生合成系遺伝子のクローニング
形質転換には、コンピテントセル法を用いた。すなわち、エシェリヒア・コリC600株からニトロソグアニジン変異処理によって誘導したD−パントテン酸要求株A4C株(IFO 15251,FERM BP−3677)を用いてコンピテントセルを調製し、その懸濁液に上記 ii)項で作製したプラスミドDN Aを加えて取り込ませ、形質転換を行わせた。次にこの形質転換株を含む懸濁液をアンピシリン・ナトリウム塩50μg/mlを含むM−9寒天培地(燐酸水素2ナトリウム0.6%、燐酸2水素カリウム0.3%、塩化アンモニウム0.1%、塩化ナトリウム0.05%、硫酸マグネシウム1mM,塩化カルシウム0.1mM,グルコース0.5%、ビタミンB110μg/ml、トレオニン50 μg/ml,ロイシン50μg/ml、及び寒天1.5% pH7.2)の平板培地上に塗布して37℃にて2日間培養した。平板培地上に生じたコロニーからアンピシリン耐性、およびD−パントテン酸生成能を有する形質転換株を得た。エシェリヒア・コリFV525株染色体DNA由来の挿入断片を持つプラスミドで形質転換されたA4C株をA4C/pFV31株と命名した(IFO15367)。
【0019】
iv)形質転換株からのプラスミド抽出
形質転換株エシェリヒア・コリ A4C/pFV31株の培養液1リットルより最終的 にそれぞれ600μgのプラスミドを得、pFV31と命名した。
v)プラスミドpFV31の解析
pFV31を種々の制限酵素で切断し、ラムダファージのDNA(ニッポンジーン製)Hind III 分解物の分子量を基準にするアガロースゲル電気泳動のパターンから〔図1〕に示すような制限酵素切断地図を得た。pFV31はpMW118の EcoRIサイトに約2.5kbのDNA断片が挿入された組換えプラスミドであった。
vi)再形質転換
pFV31上にパントテン酸生合成系遺伝子が存在することを確認するために、上記プラスミドDNAを用いて、エシェリヒア・コリC600株からニトロソグアニジン変異処理によって誘導したα−ケトパント酸要求株A1B、β−アラニン要求株A17D株およびパントテン酸要求株A4C株を再度形質転換した。形質転換株はいずれも上記のM−9寒天培地で生育可能となり、pFV31上には Ketopantoate hydroxymethyltransferase、Aspartate-α-Decarboxylase、Pantothenate Synthase 遺伝子が存在することが確認された。 さらに、形質転換株のパントテン酸生成能に及ぼす影響を確認するためにpFV31を用いてエシェリヒア・コリ IFO3547株、FV5714、FV525、FV814、FV521、FV221、FV6051及びFV5069を形質転換した。得られた形質転換株をそれぞれエシェリヒア・コリ3547/pFV31株、5714/pFV31株、525/pFV31株、814/pFV31株、521/pFV31株、221/pFV31株、6051/pFV31株、5069/pFV31株と命名した。
【0020】
実施例4
〔表4〕に示す組成の液体培地をオートクレーブ中121℃で15分間加熱滅菌し、200ml容三角フラスコに20mlずつ分注した。ここに斜面培地から、実施例3の vi)で得られたエシェリヒア・コリ3547/pFV31株、5714/pFV31株、525/pFV31株、814/pFV31株、521/pFV31株をそれぞれ1白金耳量接種し、30℃で20時間、220rpmで回転振とう培養した。このシード培養物1mlを〔表4〕に示す組成の培地20mlに移植し、200ml容ひだ付き三角フラスコ中で38℃にて20時間培養した。ここで54%グルコース水溶液を各フラスコに2.5mlずつ添加し、更に培養を24時間継続した。培養終了後のパント酸およびその光学純度およびパントテン酸蓄積量を〔表9〕に示す。
【0021】
実施例5
〔表4〕に示す組成の液体培地をオートクレーブ中121℃で15分間加熱滅菌し、200ml容三角フラスコに20mlずつ分注した。ここに斜面培地から、実施例3の vi)で得られたエシェリヒア・コリ221/pFV31株、6051/pFV31株、5069/pFV31株をそれぞれ1白金耳量接種し、30℃で20時間、220rpmで回転振とう培養した。このシード培養物2mlを〔表7〕に示す組成の培地40mlに移植し、200ml容ひだ付き三角フラスコ中で38℃にて20時間培養した。ここで54%グルコース水溶液を各フラスコに5mlずつ添加し、更に培養を24時間継続した。培養終了後のパント酸およびその光学純度およびパントテン酸蓄積量を〔表10〕に示す。
【0022】
実施例6
〔表4〕に示す組成からなる滅菌第一シード培地20mlを含む200ml容三角フラスコにエシェリヒア・コリ814/pFV31株を斜面培地から一白金耳量接種して、30℃で24時間、220rpmで回転振とう培養した。この第一シード培養物20mlを、同じ組成の滅菌第二シード培地200mlを含む1000ml容三角フラスコに移植し、30℃にて24時間、220rpmで回転振とう培養した。この第2シード培養物125mlをグルコース250g、コーン・スチープ・リカー12.5g、硫酸アンモニウム37.5g、燐酸1カリウム1.25g、燐酸2カリウム2.5g、硫酸マグネシウム0.5g、炭酸カルシウム75g、β−アラニン33g(pH7.0)を含む滅菌培地2.3リットルを含む5リットル容ジャーファーメンターに移植し、38℃で通気(0.8Vol/Vol/Min)撹拌(800rpm)培養を開始した。培養開始後16時間目から62時間目にかけて、グルコースを濃度が2−3%に保てるよう連続的に添加した。68時間培養を行った結果、最終液量2.5リットルとなり、D−パントテン酸生成量は38.5g/リットルであった。
【0023】
実施例7
実施例6で得られた発酵液のうち2.0リットル(D−パントテン酸を77.0g含有)を加熱(80℃、10分)後、ろ過して菌体および不溶物を除き、洗浄液と合わせた2.4リットルを、ダイヤイオンPK−216(H型)を600ml充填したカラムに通過させ、次にダイヤイオンPA−412(OH型)340ml充填したカラムに通過させ、水押し出し液と合わせて4.1リットルの処理液(pH3.2)を得た。この処理液に水酸化カルシウムを加え、pHを6.8に調整した後、活性炭(白鷺A)5gを添加し、ろ過した。ろ液と洗浄液とをあわせた4.2リットルの液は、75.1gのD−パントテン酸を含有しており、この数値から計算するとD−パントテン酸カルシウムとして82.0g含有している。この液を晶出原料液とする。
この晶出原料液4.2リットルのうち2.1リットル(D−パントテン酸カルシウムとして41.0g含有)を、D−パントテン酸カルシウムとして約43%(w/w)となるまで減圧濃縮した。これにメタノールを410ml添加後、種晶0.5gを加え、30℃で5時間ゆっくりとかくはんした。その後、5℃で14時間放置した後、結晶をろ過、乾燥した。得られた結晶の重量は6.3g、結晶純度は98.5%であった。
【0024】
実施例8
実施例7で得られた晶出原料液4.2リットルのうちの2.1リットル(D−パントテン酸カルシウムとして41.0g含有)を、D−パントテン酸カルシウムとして約43%(w/w)となるまで減圧濃縮した。これにメタノールを100ml添加し、よく混合した後、塩化カルシウム2水塩37.94gを溶解したメタノール液310mlを添加し、種晶0.5gを添加して、50℃で5時間ゆっくりとかくはんした後、結晶をろ過、乾燥した。得られた結晶の重量は41.95gで、D−パントテン酸 74.3%(w/w)、Ca 13.6%(w/w)、Cl 12.1%(w/w)の組成であった。このことから、この結晶は、D−パントテン酸カルシウムと塩化カルシウムのモル比が1:1の複塩である。
この複塩40gを約2リットルの水に溶解し、電気透析機〔TS−2−10型(徳山曹達);カチオン透過膜:ネオセプタCM−1;アニオン透過膜:ネオセプタACS;電極液:0.2N硝酸カルシウム水溶液;流速:0.3リットル/分;電圧:10V〕を用いて、電気透析をした。その結果、塩化カルシウムが系外へ除去され、D−パントテン酸とカルシウムのモル比が2:1であるD−パントテン酸カルシウム水溶液(pH7.0)が得られた。このD−パントテン酸カルシウム水溶液を、濃度が約50%(w/w)になるまで減圧濃縮した後、スプレー乾燥機で噴霧乾燥することにより、D−パントテン酸カルシウムの粉末34.0gを得た。この粉末のD−パントテン酸カルシウムとしての純度は99.8%(w/w)、〔α〕D=+28.1(c=5、H20)であった。
【0025】
実施例9
〔表4〕に示す組成からなる滅菌第一シード培地20mlを含む200ml容三角フラスコにエシェリヒア・コリ 5069/pFV31株を斜面培地から一白金耳量接種して、30℃で24時間、220rpmで回転振とう培養した。この第一シード培養物20mlを、同じ組成の滅菌第二シード培地200mlを含む1000ml容三角フラスコに移植し、30℃にて24時間、220rpmで回転振とう培養した。 この第2シード培養物75mlをグルコース75g、コーン・スチープ・リカー30g、硫酸アンモニウム22.5g、燐酸1カリウム0.75g、燐酸2カリウム1.5g、硫酸マグネシウム0.3g、炭酸カルシウム45g、ビタミンB10.75mg、β−アラニン15g(pH7.0)を含む滅菌培地1.35リットルを含む3リットル容ジャーファーメンターに移植し、38℃で通気(0.8Vol/Vol/Min)撹拌(700rpm)培養を開始した。培養開始後15、27、38.5時間目にグルコースを濃度が5%になるように間欠的に添加した。また培養開始後27、46.5時間目に1%濃度に相当するβ−アラニンを添加した。さらに培養開始後30、50時間目に0.75mgのビタミンB1を添加した。72時間培養を行った結果、最終液量1.58リットルとなり、D−パントテン酸生成量は65.4g/リットルであった。
【0026】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、DL−パント酸やDL−パントラクトン等を原料として用いることなく微生物学的に直接D−パント酸、D−パントテン酸またはそれらの塩が効率的に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は実施例2で得たプラスミドpFV31の制限酵素切断地図を示す。
【符号の説明】
E はEcoRI
EVはEcoRV
P はPvuII
B はBglII
Claims (10)
- サリチル酸に対する耐性を有し、D−パント酸合成能を有するエシェリヒア属に属する微生物を培養し、D−パント酸またはその塩を蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする、D−パント酸またはその塩の製造法。
- α−ケトイソ吉草酸に対する耐性、α−ケト酪酸に対する耐性、α−アミノ酪酸に対する耐性、β−ヒドロキシアスパラギン酸に対する耐性、及びO−メチルスレオニンに対する耐性から選ばれる少なくとも1つの耐性を有する微生物を用いる、請求項1記載の製造法。
- サリチル酸に対する耐性を有しD−パントテン酸合成能を有するエシェリヒア属に属する微生物をβ−アラニンと接触させることを特徴とする、D−パントテン酸またはその塩の製造法。
- α−ケトイソ吉草酸に対する耐性、α−ケト酪酸に対する耐性、α−アミノ酪酸に対する耐性、β−ヒドロキシアスパラギン酸に対する耐性、及びO−メチルスレオニンに対する耐性から選ばれる少なくとも1つの耐性を有する微生物を用いる、請求項3記載の製造法。
- パントテン酸生合成系遺伝子領域もしくはその一部、および/または分岐鎖アミノ酸生合成系遺伝子領域もしくはその一部を有するDNAを組み込んだプラスミドにて形質転換せしめた微生物を用いる、請求項1〜4記載の製造法。
- エシェリヒア・コリを用いる、請求項1〜5記載の製造法。
- サリチル酸に対する耐性を有し、パントテン酸またはそれらの塩の生合成系遺伝子領域またはその一部を有するDNAを組み込んだプラスミドにて形質転換せしめたD−パントテン酸またはパント酸合成能を有する、エシェリヒア属に属する微生物。
- プラスミドが、panB、panC又はpanDがコードするパントテン酸またはその塩の生合成系遺伝子領域を有する、請求項7記載の微生物。
- エシェリヒア・コリ 814/pFV31 株( IFO 15374 )( FERM BP 4401 )及びエシェリヒア・コリ 5069/pFV31 株( IFO 15526 )( FERM BP 4395 )からなる群より選択されるものである、請求項7記載の微生物。
- 請求項3記載の方法により製造されたD−パントテン酸カルシウム・塩化カルシウム複塩の水溶液を、アニオン透過膜として塩素イオンは通すがパントテン酸イオンは通さないアニオン透過膜を用い、電極液として硝酸カルシウム水溶液を用いて、電気透析することを特徴とするD−パントテン酸カルシウムの精製法。
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