[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP3707760B2 - 情報記録媒体及び情報の記録方法 - Google Patents

情報記録媒体及び情報の記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3707760B2
JP3707760B2 JP35008297A JP35008297A JP3707760B2 JP 3707760 B2 JP3707760 B2 JP 3707760B2 JP 35008297 A JP35008297 A JP 35008297A JP 35008297 A JP35008297 A JP 35008297A JP 3707760 B2 JP3707760 B2 JP 3707760B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
information recording
recording medium
general formula
medium according
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP35008297A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10309871A (ja
Inventor
由夫 稲垣
幸司 割石
寿男 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP35008297A priority Critical patent/JP3707760B2/ja
Publication of JPH10309871A publication Critical patent/JPH10309871A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3707760B2 publication Critical patent/JP3707760B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Furan Compounds (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
  • Indole Compounds (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高エネルギー密度のレーザ光を用いて情報の書き込み(記録)や読み取り(再生)が可能なヒートモード型の情報記録媒体及び情報記録方法に関するものである。特に本発明は、可視レーザ光を用いて情報を記録するのに適した追記型のデジタル・ビデオ・ディスク(DVD−R)のようなヒートモード型の情報記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、レーザ光により一回限りの情報の記録が可能な情報記録媒体(光ディスク)が知られている。該情報記録媒体は、追記型CD(所謂CD−R)とも称され、市販のCDプレーヤを使用して再生できる利点を有しており、最近のパーソナルコンピュータの普及に伴ってその需要も増大している。CD−R型の情報記録媒体の代表的な構造は、透明な円盤状基板上に有機色素からなる記録層、金などの金属からなる反射層、更に樹脂製の保護層をこの順に積層したものである。そして光ディスクへの情報の記録は、近赤外域のレーザ光(通常は780nm付近の波長のレーザ光)を光ディスクに照射して記録層を局所的に発熱変形させることにより行われる。一方情報の読み取り(再生)は通常、記録用のレーザ光と同じ波長のレーザ光を光ディスクに照射して、記録層が発熱変形された部位(記録部分)と変形されない部位(未記録部分)との反射率の違いを検出することにより行われている。
【0003】
近年、より高い記録密度を持つ情報記録媒体が求められている。記録密度を高めるには、照射されるレーザの光径を小さく絞ることが有効であり、また波長が短いレーザ光ほど光径を小さく絞ることができるため、高密度化に有利であることが理論的に知られている。従って、従来から用いられている780nmより短波長のレーザ光を用いて記録再生を行うための光ディスクの開発が進められており、例えば、追記型デジタル・ビデオ・ディスク(所謂DVD−R)と称される光ディスクが提案されている。この光ディスクは、トラックピッチがCD−Rの1.6μmより狭い0.8μmのプレグルーブが形成された透明な円盤状基板上に、色素からなる記録層、そして通常は該記録層の上に更に反射層および保護層を設けてなるディスクを二枚、あるいは該ディスクと略同じ寸法の円盤状保護基板とを該記録層を内側にして接着剤で貼り合わせた構造となるように製造されている。そしてDVD−Rは、可視レーザ光(通常は600nm〜700nmの範囲の波長のレーザ光)を照射することにより、記録及び再生が行われ、CD−R型の光ディスクより高密度の記録が可能であるとされている。
【0004】
DVD−R型の情報記録媒体は、従来のCD−R型に比べて数倍の情報量を記録することができるため、高い記録感度を有していることは勿論のこと、特に大量の情報を速やかに処理する必要から高速記録に対してもエラーの発生率が少ないことが望まれる。また色素からなる記録層は、一般に熱、あるいは光に対する経時的な安定性が低いため、長期間にわたって熱、あるいは光に対しても安定した性能を維持できる記録層の開発が望まれる。
【0005】
なお、特開昭63−209995号公報には、オキソノール色素からなる記録層が基板上に設けられたCD−R型の情報記録媒体が開示されている。この色素化合物を用いることにより、長期間にわたり安定した記録再生特性を維持し得るとされている。そしてここには、分子内に塩の形でアンモニウムが導入されたオキソノール色素化合物が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、高い記録感度で、かつエラーの発生率も低く、また特に耐光性においても優れた性能を示す記録層を持つDVD−R型の情報記録媒体を求めて検討を行なった。それによると、従来のCD−R用のシアニン色素をDVD−R用に適するように短波長化させた場合であっても充分な性能が得られないことが判明した。これは、DVD−R用のレーザ光を絞り込むための光学系の開口数(NA)はCD−R用に比べて大きく、従ってDVD−Rの場合、レーザ光の記録層への入射角はCD−Rよりも広くなり、記録層において受けるレーザ光の光学的な影響がCD−Rと異なってくるためと考えられる。また、上記公報に記載されているオキソノール色素の場合には、比較的高い記録再生特性を示すものの、長時間日光などの光に曝された場合には再生不良が発生し易く、従って耐光性に対してはなお充分でないことが判明した。
【0007】
従って、本発明の主な目的は、高い記録感度が得られ、またエラーの発生率が低く、更に耐光性においても高い安定性を有する、可視レーザ光により情報の記録及び再生を好適に行うことができるDVD−R型の情報記録媒体及びこれを用いる情報の記録方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者の研究により、従来の色素化合物において、その対イオンとして含窒素複素環にプロトンが付加して形成されるカチオンを導入したオキソノール色素化合物を用いることにより、特に、エラーの発生率が低減し、かつ耐光性においても改良された、可視レーザ光による情報の記録及び再生が可能なDVD−R型の情報記録媒体を製造できることが見出された。
【0009】
本発明は、トラックピッチが0.6〜0.9μmのプレグルーブが形成された透明な円盤状基板上に、レーザ光により情報の記録が可能なオキソノール化合物を含む記録層が設けられてなる情報記録媒体の改良にある。
【0010】
すなわち、本発明は、トラックピッチが0.6〜0.9μmのプレグルーブが形成された透明な円盤状基板上に下記一般式(I−1)及び/又は一般式(I−2)で表される色素化合物を含む、レーザ光により情報の記録が可能な記録層が設けられてなる情報記録媒体にある。
【0011】
【化3】
Figure 0003707760
【0012】
[式中、A1 、A2 、B1 及びB2 は各々独立に置換基を表し、Y1 及びZ1 は各々独立に、炭素環もしくは複素環を形成するために必要な原子団を表し、EおよびGは各々独立に、共役二重結合鎖を完成するために必要な原子団を表し、X1 は、=O、=NRまたは=C(CN)2 を表し、X2 は、−O、−NR又は−C(CN)2 を表し(但し、Rは置換基を表す)、L1 、L2 、L3 、L4 及びL5 は各々独立に、置換されていてもよいメチン基を表し、M+ は、含窒素複素環にプロトンが付加して形成される陽イオンを表し、m及びnは各々独立に0、1または2を表し、そしてx及びyは各々独立に0または1を表す。]
【0013】
更に、本発明は、トラックピッチが0.6〜0.9μmのプレグルーブが形成された透明な円盤状基板の該プレグルーブが設けられた側の表面に下記一般式(I−1)及び/又は一般式(I−2)で表される色素化合物を含む記録層が設けられてなる二枚の積層体を、あるいはトラックピッチが0.6〜0.9μmのプレグルーブが形成された透明な円盤状基板の該プレグルーブが設けられた側の表面に下記一般式(I−1)及び/又は一般式(I−2)で表される色素化合物を含む記録層が設けられてなる積層体と円盤状保護板とを、それぞれの記録層が内側となるように接合してなるヒートモード型の情報記録媒体にもある。
【0014】
【化4】
Figure 0003707760
【0015】
[式中、A1 、A2 、B1 及びB2 は各々独立に置換基を表し、Y1 及びZ1 は各々独立に、炭素環もしくは複素環を形成するために必要な原子団を表し、EおよびGは各々独立に、共役二重結合鎖を完成するために必要な原子団を表し、X1 は、=O、=NRまたは=C(CN)2 を表し、X2 は、−O、−NR又は−C(CN)2 を表し(但し、Rは置換基を表す)、L1 、L2 、L3 、L4 及びL5 は各々独立に、置換されていてもよいメチン基を表し、M+ は、含窒素複素環にプロトンが付加して形成される陽イオンを表し、m及びnは各々独立に0、1または2を表し、そしてx及びyは各々独立に0または1を表す。]
【0016】
更にまた本発明は、上記の情報記録媒体に、NA(開口数)が0.55〜0.7の光学系を通して600nm〜700nmの波長のレーザ光を照射することにより情報を記録する、情報の記録方法にもある。
【0017】
本発明の情報記録媒体及び情報の記録方法は、以下の態様であることが好ましい。
)含窒素複素環がピリジン環である。
)一般式(I−1)及び/又は(I−2)において、mが0でnが1であるか、又はmが1でnが0であるかのいずれかである。
)一般式(I−1)及び/又は(I−2)において、X1 が、=Oであり、X2 が、−Oである。
)記録層上に更に反射層が設けられている。
)円盤状基板(円盤状保護基板も含む)が、その直径が120±3mmで厚みが0.6±0.1mmであるか、あるいはその直径が80±3mmで厚みが0.6±0.1mmであるかのいずれかである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の情報記録媒体は、オキソノール色素、特に、下記一般式(I−1)及び/又は一般式(I−2)で表される色素化合物を含む記録層を基板上に有するものである。
【0019】
【化5】
Figure 0003707760
【0020】
以下に、本発明に用いられる上記色素化合物について説明する。
本発明に用いられる色素化合物は、色素成分であるアニオン性の成分(単に、アニオン部とカチオン性の成分(単に、カチオン部)からなる。
まず、アニオン部について詳述する。
上記式において、A1 、A2 、B1 及びB2 で表される置換基としては、例えば以下のものを挙げることができる。
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、シクロヘキシル、メトキシエチル、エトキシカルボニルエチル、シアノエチル、ジエチルアミノエチル、ヒドロキシエチル、クロロエチル、アセトキシエチル、トリフルオロメチル等);炭素数7〜18(好ましくは炭素数7〜12)の置換もしくは無置換のアラルキル基(例、ベンジル、カルボキシベンジル等);炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)のアルケニル基(例、ビニル等);炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)のアルキニル基(例、エチニル等);炭素数6〜18(好ましくは炭素数6〜10)の置換もしくは無置換のアリール基(例、フェニル、4−メチルフェニル、4−メトキシフェニル、4−カルボキシフェニル、3、5−ジカルボキシフェニル等);
【0021】
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアシル基(例、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、クロロアセチル等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基(例、メタンスルホニル、p−トルエンスルホニル等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルキルスルフィニル基(例、メタンスルフィニル、エタンスルフィニル、オクタンスルフィニル等);炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)のアルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等);炭素数7〜18(好ましくは炭素数7〜12)の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基(例、フェノキシカルボニル、4−メチルフェノキシカルボニル、4−メトキシフェニルカルボニル等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、n−ブトキシ、メトキシエトキシ等);炭素数6〜18(好ましくは炭素数6〜10)の置換もしくは無置換のアリールオキシ基(例、フェノキシ、4−メトキシフェノキシ等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ等);炭素数6〜10のアリールチオ基(例、フェニルチオ等);
【0022】
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアシルオキシ基(例、アセトキシ、エチルカルボニルオキシ、シクロヘキシルカルボニルキシ、ベンゾイルオキシ、クロロアセチルオキシ等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルオキシ基(例、メタンスルホニルオキシ等);炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基(例、メチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシ等);無置換のアミノ基、又は炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換アミノ基(例、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、アニリノ、メトキシフェニルアミノ、クロロフェニルアミノ、ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、n−ブトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、メチルカルバモイルアミノ、フェニルカルバモイルアミノ、エチルチオカルバモイルアミノ、メチルスルファモイルアミノ、フェニルスルファモイルアミノ、アセチルアミノ、エチルカルボニルアミノ、エチルチオカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、クロロアセチルアミノ、メタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ等);
【0023】
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のカルバモイル基(例、無置換のカルバモイル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、n−ブチルカルバモイル、t−ブチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、モルホリノカルバモイル、ピロリジノカルバモイル等);無置換のスルファモイル基、又は炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換スルファモイル基(例、メチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等);ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素等);水酸基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基;ヘテロ環基(例、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、インドレニン、ピリジン、モルホリン、ピペリジン、ピロリジン、スルホラン、フラン、チオフェン、ピラゾール、ピロール、クロマン、クマリンなど)。炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアミジノ基(例、無置換のアミジノ等)。
【0024】
1 及びA2 で表される置換基は、ハメットの置換基定数(σp )値が0.2以上のものであることが好ましい。ハメットの置換基定数は例えば、Chem.Rev.91,165(1991)に記載されている。特に好ましい置換基は、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、及びアリールスルホニル基である。
【0025】
1 及びB2 で表される置換基は、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、又はアミノ基であることが好ましい。
【0026】
1 に結合する[−C(=L1 )−(E)x −C(=X1 )−](以下、便宜的に、W1と称する)と、Z1 に結合する[−C(−L5 )=(G)y =C(−X2 - ) −](以下、便宜的に、W2と称する)とはそれぞれ共役状態にあるため、Y1 とW1とで形成される炭素環もしくは複素環、及びZ1 とW2とで形成される炭素環もしくは複素環はそれぞれ共鳴構造の1つとして考えられる。
上記Y1 とW1、及びZ1 とW2とで形成される炭素環もしくは複素環は、4〜7員環が好ましく、特に好ましくは、5員環または6員環である。これらの環は更に他の4〜7員環と縮合環を形成していても良い。またこれらは置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、A1 、A2 、B1 及びB2 で表される置換基として示したものが挙げられる。複素環を形成するヘテロ原子として好ましいものは、B、N、O、S、Se、及びTeである。特に好ましくは、N、O及びSである。x及びyは、それぞれ独立に0または1であり、好ましくは共に0である。
【0027】
1 は、=O、=NR又は=C(CN)2 を表す。またX2 は、−O、−NR又は−C(CN)2 を表す。Rは置換基を表す。Rで表される置換基は、前述したA1 、A2 、B1 及びB2 で表される置換基として示したものが挙げられる。Rは、アリール基であることが好ましい。特に好ましくはフェニルである。
本発明においては、X1 は、=Oであり、またX2 は、−Oである場合が好ましい。
【0028】
1 とW1、およびZ1 とW2で形成される炭素環としては例えば、以下のものが挙げられる。なお、例示中、Ra 及びRb は各々独立に、水素原子または置換基を表す。
【0029】
【化6】
Figure 0003707760
【0030】
好ましい炭素環は、A−1、及びA−4で示される炭素環である。
【0031】
1 とW1、およびZ1 とW2で形成される複素環としては例えば、以下のものが挙げられる。なお、例示中、Ra 、Rb 及びRc は各々独立に、水素原子または置換基を表す。
【0032】
【化7】
Figure 0003707760
【0033】
【化8】
Figure 0003707760
【0034】
【化9】
Figure 0003707760
【0035】
【化10】
Figure 0003707760
【0036】
【化11】
Figure 0003707760
【0037】
好ましい複素環は、A−5、A−6、及びA−7で示される複素環である。
Ra 、Rb 及びRc で表される置換基は、前記A1 、A2 、B1 及びB2 で表される置換基として挙げたものと同義である。
またRa 、Rb 及びRc はそれぞれ互いに連結して炭素環又は複素環を形成してもよい。上記炭素環としては、例えば、シクロヘキシル環、シクロペンチル環、シクロヘキセン環、及びベンゼン環などの飽和または不飽和の炭素環を挙げることができる。また複素環としては、例えば、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、テトラヒドロフラン環、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、及びピラジン環など飽和または不飽和の複素環を挙げることができる。これらの炭素環又は複素環は、更に置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、前記A1 、A2 、B1 、又はB2 で表される置換基として挙げたものと同義である。
【0038】
1 、L2 、L3 、L4 及びL5 で表されるメチン基は各々独立に、置換基を有していてもよいメチン基である。その置換基としては、例えば、前述したA1 、A2 、B1 及びB2 で表される置換基とした挙げたものが挙げられる。好ましい置換基は、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子、アミノ基、カルバモイル基及びヘテロ環基である。又置換基同志が連結して5〜7員環(例、シクロペンテン環、1−ジメチルアミノシクロペンテン環、1−ジフェニルアミノシクロペンテン環、シクロヘキセン環、1−クロロシクロヘキセン環、イソホロン環、1−モルホリノシクロペンテン環、シクロヘプテン環)を形成してもよい。
本発明においては、mが1でnが0、又はmが0でnが1である場合が好ましい。
【0039】
次に、カチオン部について詳述する。
+ は、含窒素複素環にプロトンが付加して形成される陽イオンを表す。
【0040】
+ は、含窒素複素環(ピリジン、ピコリン、2,2´−ビピリジル、4,4´−ビピリジル、1,10−フェナントロリン、キノリン、オキサゾール、チアゾール、N−メチルイミダゾール、ピラジン、テトラゾールなど)にプロトンが付加して形成される陽イオンである。
【0041】
+ で表される陽イオンは、ピリジンにプロトンが付加して形成される陽イオンであることが更に好ましい。
【0042】
本発明で用いられる一般式(I−1)又は(I−2)で表される色素化合物のアニオン部とカチオン部の具体例を以下に記載する。ただし、カチオン部に具体例として記載されているC−1、C−2、C−3、C−6、C−7、C−13、そしてC−17は本発明の色素化合物で用いられる陽イオンには含まれない。
【0043】
【化12】
Figure 0003707760
【0044】
【化13】
Figure 0003707760
【0045】
【化14】
Figure 0003707760
【0046】
【化15】
Figure 0003707760
【0047】
【化16】
Figure 0003707760
【0048】
【化17】
Figure 0003707760
【0049】
【化18】
Figure 0003707760
【0050】
【化19】
Figure 0003707760
【0051】
【化20】
Figure 0003707760
【0052】
【化21】
Figure 0003707760
【0053】
【化22】
Figure 0003707760
【0054】
【化23】
Figure 0003707760
【0055】
【化24】
Figure 0003707760
【0056】
【化25】
Figure 0003707760
【0057】
【化26】
Figure 0003707760
【0058】
【化27】
Figure 0003707760
【0059】
【化28】
Figure 0003707760
【0060】
【化29】
Figure 0003707760
【0061】
【化30】
Figure 0003707760
【0062】
【化31】
Figure 0003707760
【0063】
本発明で用いられる好ましい具体的な化合物例を下記の表1に示す。ただし、カチオン部がC−1、C−2、C−3、C−6、C−7、C−13、もしくはC−17である化合物は本発明の色素化合物には含まれない。
表1において、化合物例は、アニオン部とカチオン部とを組み合わせてなるものである。例えば、化合物No.1[アニオン部(B−3)/カチオン部(C−3)]で示される化合物例は下記の式で与えられる。
【0064】
【化32】
Figure 0003707760
なお、化合物No.2以降の化合物例についても同様な意味である。
【0065】
【表1】
Figure 0003707760
【0066】
【表2】
Figure 0003707760
【0067】
本発明に係る一般式(I−1)および一般式(I−2)で表される化合物は、下記の一般式(II−1)および一般式(II−2)で表される色素化合物を含窒素複素環を含む有機塩基と水または有機溶媒中(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジメチルホルムアミドなど)で混合することによって容易に合成することができる。
【0068】
【化33】
Figure 0003707760
【0069】
式中、A3 及びA4 、B3 及びB4 、Y2 及びZ2 、並びにL6 、L7 、L8 、L9 およびL10、X3 及びX4 、E1及びG1、m2及びn2、並びにx1及びy1は、それぞれ前述した一般式(I−1)または一般式(I−2)におけるA1 、A2 、B1 及びB2 、Y1 およびZ1 、L1 、L2 、L3 、L4 及びL5 、X1 及びX2 、E及びG、m及びn、並びにx及びyとそれぞれ同義である。
【0070】
なお、一般式(II−1)および一般式(II−2)で表される色素化合物は、一般に該当する活性メチレン化合物(例、ピラゾロン、チオバルビツール酸、バルビツール酸、インダンジオン、ヒドロキシフェナレンオン等)とメチン染料にメチン基またはポリメチン基を導入するためのメチン源との縮合反応によって合成することができる。この種の化合物についての詳細は、特公昭39−22069号、同43−3504号、同52−38056号、同54−38129号、同55−10059号、同58−35544号、特開昭49−99620号、同52−92716号、同59−16834号、同63−316853号、同64−40827号各公報、及び特願平8−276829号明細書、並びに英国特許第1133986号、米国特許第3247127号、同4042397号、同4181225号、同5213956号、及び同5260179号各明細書を参照することができる。具体的には、モノメチン基の導入には、オルトギ酸エチル、オルト酢酸エチルなどのオルトエステル類またはN,N−ジフェニルホルムアミジン塩酸塩等が、トリメチン鎖の導入には、トリメトキシプロペン、1,1,3,3−テトラメトキシプロパンまたはマロンアルデヒドジアニル塩酸塩(あるいはこれらの誘導体)等が、またペンタメチン鎖の導入には、グルタコンアルデヒドジアニル塩酸塩または1−(2,4−ジニトロフェニル)−ピリジニウムクロリド(あるいはこれらの誘導体)等がそれぞれ使用される。
【0071】
本発明に係る上記一般式(I−1)または一般式(I−2)で示される色素化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、あるいは二種以上を併用してもよい。また一般式(I−1)示される化合物と一般式(I−2)で示される化合物を組み合わせて用いてもよい。あるいはまた本発明に係る上記一般式(I−1)または一般式(I−2)で示される色素化合物とこれら以外の色素化合物と併用してもよい。
【0072】
本発明の情報記録媒体は、前述した色素化合物、特に、一般式(I−1)又は一般式(I−2)で表される色素化合物を含む記録層が、トラックピッチが0.6〜0.9μmのプレグルーブが形成された透明な円盤状基板の該プレグルーブが設けられた側の表面に設けてなるものである。本発明の情報記録媒体は、記録層の上に更に反射層が設けられていることが好ましく、更に反射層の上には、保護層を設けることもできる。
【0073】
本発明の情報記録媒体は、具体的には、下記の態様であることが好ましい。
(1)トラックピッチが0.6〜0.9μmのプレグルーブが形成された透明な円盤状基板の該プレグルーブが設けられた側の表面に本発明に係る前記一般式(I−1)及び/又は一般式(I−2)で示される色素化合物を含む記録層が設けられてなる二枚の積層体を、それぞれの記録層が内側となるように接合してなるDVD−R型の情報記録媒体。
(2)トラックピッチが0.6〜0.9μmのプレグルーブが形成された透明な円盤状基板の該プレグルーブが設けられた側の表面に本発明に係る前記一般式(I−1)及び/又は一般式(I−2)で表される色素化合物を含む記録層が設けられてなる積層体と、該円盤状基板と略同じ寸法の円盤状保護基板とを記録層が内側となるように接合してなるDVD−R型の情報記録媒体。
なお、上記の態様においても記録層の上には反射層が設けられていることが好ましい。また反射層の上には更に保護層が設けられていてもよい。
【0074】
本発明の情報記録媒体の製造法を以下に説明する。
本発明の情報記録媒体は、より高い記録密度を達成するために、CD−R型に比べてより狭いトラックピッチのプレグルーブが形成された基板を用いること以外は、基本的にCD−R型の情報記録媒体の製造に用いられる材料を使用して製造することができる。即ち、DVD−R型の情報記録媒体は、基板上に、記録層、及び反射層、そして所望により保護層を順に形成した積層体を二枚作成し、記録層を内側にしてこれらを接着剤により接合することにより、あるいはまた、該積層体と、該積層体の基板と略同じ寸法の円盤状保護基板とを同様にして接着剤により接合することにより、製造することができる。
【0075】
基板(保護基板も含む)は、従来の情報記録媒体の基板として用いられている各種の材料から任意に選択することができる。基板材料としては、例えば、ガラス;ポリカーボネート;ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィンおよびポリエステル等を挙げることができ、所望によりそれらを併用してもよい。なお、これらの材料はフィルム状としてまたは剛性のある基板として使うことができる。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および価格などの点からポリカーボネートが好ましい。基板としては、その直径が120±3mmで厚みが0.6±0.1mm、あるいはその直径が80±3mmで厚みが0.6±0.1mmのものを用いることが好ましい。
【0076】
記録層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善および接着力の向上および記録層の変質防止などの目的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料としては例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;およびシランカップリング剤などの表面改質剤をあげることができる。下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製したのち、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコートなどの塗布法を利用して基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
【0077】
また、基板(または下塗層)上には、トラッキング用溝またはアドレス信号等の情報を表す凹凸(プレグルーブ)が形成されている。このプレグルーブは、ポリカーボネートなどの樹脂材料を射出成形あるいは押出成形する際に直接基板上に前記のトラックピッチで形成することが好ましい。また、プレグルーブの形成を、プレグルーブ層を設けることにより行ってもよい。プレグルーブ層の材料としては、アクリル酸のモノエステル、ジエステル、トリエステルおよびテトラエステルのうち少なくとも一種のモノマー(またはオリゴマー)と光重合開始剤との混合物を用いることができる。プレグルーブ層の形成は、例えば、まず精密に作られた母型(スタンパー)上に上記のアクリル酸エステルおよび重合開始剤からなる混合液を塗布し、更にこの塗布液層上に基板を載せたのち、基板または母型を介して紫外線を照射することにより塗布層を硬化させて基板と塗布層とを固着させる。次いで、基板を母型から剥離することにより得ることができる。プレグルーブ層の層厚は、一般に0.05〜100μmの範囲にあり、好ましくは0.1〜50μmの範囲である。
【0078】
プレグルーブの深さは300〜2000Åの範囲にあることが好ましく、またその半値幅は、0.2〜0.9μmの範囲にあることが好ましい。またプレグルーブ層の深さを1500〜2000Åの範囲にすることにより反射率をほとんど低下させることなく感度を向上させることができ、特に好ましい。従って、このような光ディスク(深いプレグルーブの基板に一般式(I−1)及び/又は一般式(I−2)の色素からなる記録層およびその上に反射層が形成された光ディスク)は、高い感度を有することから、低いレーザパワーでも記録が可能となり、これにより安価な半導体レーザの使用が可能となる、あるいは半導体レーザの使用寿命を延ばすことができる。
【0079】
基板上(又は下塗層)のプレグルーブが形成されているその表面上には、本発明に係る色素化合物からなる記録層が設けられる。記録層には、更に耐光性を向上させるために一重項酸素クエンチャーとして従来から知られている種々の化合物を含有させることができる。クエンチャーの代表例としては、特開平3−224793号公報に記載の一般式(III)、(IV)もしくは(V)で表される金属錯体、ジインモニウム塩、アミニウム塩や特開平2−300287号公報や特開平2−300288号公報に示されているニトロソ化合物などを挙げることができる。
【0080】
記録層の形成は、本発明に係る色素、更に所望によりクエンチャー、結合剤などを溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板表面に塗布して塗膜を形成したのち乾燥することにより行うことができる。
色素記録層形成用の塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;シクロヘキサンなどの炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル;エタノ−ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3−テトラフロロプロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げることができる。上記溶剤は使用する化合物の溶解性を考慮して単独または二種以上を組み合わせて用いることができる。塗布液中には更に酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、及び潤滑剤などの各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
【0081】
結合剤の例としては、例えばゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂;ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、色素100重量部に対して20重量部が上限であり、好ましくは10重量部以下、更に好ましくは5重量部以下である。このようにして調製される塗布液中の色素の濃度は一般に0.01〜10重量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5重量%の範囲にある。
【0082】
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができる。記録層は単層でも重層でもよい。記録層の層厚は一般に20〜500nmの範囲にあり、好ましくは50〜300nmの範囲にある。
【0083】
上記記録層の上に、特に情報の再生時における反射率の向上の目的で、反射層が設けられる。反射層の材料である光反射性物質はレーザ光に対する反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼である。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組み合わせで、または合金として用いてもよい。反射層は、例えば上記反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより記録層の上に形成することができる。反射層の層厚は一般には10〜300nmの範囲にあり、好ましくは50〜200nmの範囲である。
【0084】
反射層の上には、記録層などを物理的および化学的に保護する目的で保護層が設けられていてもよい。この保護層は、基盤の記録層が設けられていない側にも耐傷性、耐湿性を高める目的で設けられてもよい。保護層に用いられる材料としては、例えば、SiO、SiO2 、MgF2 、SnO2 、Si3 4 などの無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができる。
【0085】
保護層は、たとえばプラスチックの押出加工で得られたフィルムを接着層を反射層上及び/または基板上にラミネートすることにより形成することができる。あるいは真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により設けられてもよい。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層の層厚は一般には0.1〜100μmの範囲にある。
【0086】
以上の工程により、基板上に記録層、及び反射層、そして所望により保護層を設けた積層体を作製することができる。そして得られた二枚の積層体を各々の記録層が内側となるように接着剤で貼り合わせることにより、二つの記録層を持つDVD−R型の情報記録媒体を製造することができる。また得られた積層体と、該積層体の基板と略同じ寸法の円盤状保護基板とを、その記録層が内側となるように接着剤で貼り合わせることにより、片側のみに記録層を持つDVD−R型の情報記録媒体を製造することができる。いずれの態様のDVD−R型の情報記録媒体においてもその全体の厚みは、1.2±0.2mmとなるように調製することが好ましい。
【0087】
本発明の情報記録方法は、上記情報記録媒体を用いて、例えば、次のように行われる。
まず、情報記録媒体を所定の定線速度(CDフォーマットの場合は1.2〜14m/秒)または所定の定角速度にて回転させながら、基板側から半導体レーザ光などの記録用のレーザ光を光学系を通して集光し、照射する。この光の照射により、記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的な変化が生じてその光学特性を変えることにより、情報が記録される。記録光としては、可視域のレーザ光、通常600nm〜700nm(好ましくは620〜680nm、更に好ましくは、630〜650nm)の範囲の発振波長を有する半導体レーザービームが用いられる。また記録光は、NAが0.55〜0.7の光学系を通して集光される。上記のように記録された情報の再生は、情報記録媒体を所定の定線速度で回転させながら記録時と同じ波長を持つ半導体レーザ光を基板側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。本発明の情報記録媒体は、通常のCDフォーマットの場合の1倍速はもとより、それ以上の高速での記録再生も可能である。
【0088】
【実施例】
以下に、本発明の実施例及び比較例を記載する。
【0089】
[実施例1](但し、実施例1は本発明の実施例ではなく、参考例である)
前記オキソノール系色素化合物(化合物No.1)2gを、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール100mLに溶解し、記録層形成用塗布液を得た。この塗布液を、表面にスパイラルプレグルーブ(トラックピッチ:0.8μm、グルーブ幅:0.4μm、プレグルーブ深さ:0.15μm)が射出成形により形成されたポリカーボネート基板(直径:120mm、厚さ:0.6mm)のそのプレグルーブ面に、スピンコートにより塗布し、乾燥して記録層を形成した。記録層の厚さは、プレグルーブ内で約200nmであった。 次いで、記録層上にAuをスパッタして、厚さ約100nmのAuからなる反射層を形成し、基板上に、記録層及び反射層が順に設けられた積層体を得た。
【0090】
別に、ポリカーボネート製の円盤状保護基板(直径:120mm、厚さ:0.6mm)を用意した。
次いで、上記積層体とポリカーボネート製の円盤状保護基板とを記録層が内側となるように接着剤を用いて貼り合わせ、厚さ1.2mmの参考用のDVD−R型の情報記録媒体(以下、単にサンプルと称す)を製造した。
【0091】
[実施例2〜13](但し、実施例3〜4、7、9、そして11〜13は本発明の実施例ではなく、参考例である)
実施例1において、前記オキソノール色素化合物(化合物No.1)の代わりに、表2に示すオキソノール色素化合物を同量使用した以外は実施例1と同様にしてDVD−R型の情報記録媒体を得た。
【0092】
[比較例1]
実施例1において、前記オキソノール色素化合物(化合物No.1)の代わりに、下記式で示されるシアニン色素(色素化合物A)を同量使用した以外は実施例1と同様にして比較用の情報記録媒体を得た。
【0093】
【化34】
Figure 0003707760
【0094】
[比較例2]
実施例1において、前記オキソノール色素化合物(化合物No.1)の代わりに、下記式で示されるシアニン色素(色素化合物B)を同量使用した以外は実施例1と同様にして比較用の情報記録媒体を得た。
【0095】
【化35】
Figure 0003707760
【0096】
[比較例3]
実施例1において、前記オキソノール色素化合物(化合物No.1)の代わりに、下記式で示されるシアニン色素(色素化合物C)を同量使用した以外は実施例1と同様にして比較用の情報記録媒体を得た。
【0097】
【化36】
Figure 0003707760
【0098】
[情報記録媒体としての評価]
(変調度及びジッター)
上記の実施例及び比較例のDVD−R型の情報記録媒体に、波長635nmの半導体レーザ光をNA0.6のレンズで集光し、線速度3.68m/s、変調周波数4MHzで信号を記録し、変調度のパワー依存性と最適パワーにおけるジッターを測定した。
得られた評価結果を表2に示す。
【0099】
【表3】
Figure 0003707760
【0100】
上記表2の結果から、含窒素複素環にプロトンが付加して形成される陽イオンを導入してなるオキソノール化合物を含有した記録層を有する本発明に従うサンプル(実施例2、5、6、8、10)の場合には、低パワーで高い変調度を示していることから高い記録感度が達成されることがわかる。また本発明に従うサンプル(実施例2、5、6、8、10)は、従来のシアニン色素を短波長化するためにメチン鎖を短縮したものを用いた比較用のサンプル(比較例1〜3)に比べて、小さいジッター値を示していることから、エラーの発生率が少なく、従ってより高速記録にも適しているということができる。なお、上記のように記録された情報記録媒体にXeランプ(14万ルックス)を8時間照射し、照射後の変調度及びジッターを上記と同様に測定したところ、良好な耐光性を有していることもわかった。
【0101】
【発明の効果】
含窒素複素環にプロトンが付加して形成されるカチオン成分を導入した本発明に係る色素化合物を使用することにより、高い記録感度が得られ、かつエラーの発生率の少ないDVD−R型の情報記録媒体を製造することができる。また本発明に従う情報記録媒体は、更に耐光性においても優れた性能を示す。

Claims (11)

  1. トラックピッチが0.6〜0.9μmのプレグルーブが形成された円盤状基板上に下記一般式(I−1)及び/又は一般式(I−2)で表される色素化合物を含む、レーザ光により情報の記録が可能な記録層が設けられてなる情報記録媒体。
    Figure 0003707760
    [式中、A1 、A2 、B1 及びB2 は各々独立に置換基を表し、Y1 及びZ1 は各々独立に、炭素環もしくは複素環を形成するために必要な原子団を表し、EおよびGは各々独立に、共役二重結合鎖を完成するために必要な原子団を表し、X1 は、=O、=NRまたは=C(CN)2 を表し、X2 は、−O、−NR又は−C(CN)2 を表し(但し、Rは置換基を表す)、L1 、L2 、L3 、L4 及びL5 は各々独立に、置換されていてもよいメチン基を表し、M+ は、含窒素複素環にプロトンが付加して形成される陽イオンを表し、m及びnは各々独立に0、1または2を表し、そしてx及びyは各々独立に0または1を表す。]
  2. 含窒素複素環がピリジン環である請求項1に記載の情報記録媒体。
  3. mが1でnが0であるか、又はmが0でnが1であるかのいずれかである請求項1に記載の情報記録媒体。
  4. 1 が、=Oであり、X2 が、−Oである請求項1に記載の情報記録媒体。
  5. トラックピッチが0.6〜0.9μmのプレグルーブが形成された透明な円盤状基板の該プレグルーブが設けられた側の表面に下記一般式(I−1)及び/又は一般式(I−2)で表される色素化合物を含む記録層が設けられてなる二枚の積層体を、あるいはトラックピッチが0.6〜0.9μmのプレグルーブが形成された透明な円盤状基板の該プレグルーブが設けられた側の表面に下記一般式(I−1)及び/又は一般式(I−2)で表される色素化合物を含む記録層が設けられてなる積層体と円盤状保護基板とを、それぞれの記録層が内側となるように接合してなるヒートモード型の情報記録媒体。
    Figure 0003707760
    [式中、A1 、A2 、B1 及びB2 は各々独立に置換基を表し、Y1 及びZ1 は各々独立に、炭素環もしくは複素環を形成するために必要な原子団を表し、EおよびGは各々独立に、共役二重結合鎖を完成するために必要な原子団を表し、X1 は、=O、=NRまたは=C(CN)2 を表し、X2 は、−O、−NR又は−C(CN)2 を表し(但し、Rは置換基を表す)、L1 、L2 、L3 、L4 及びL5 は各々独立に、置換されていてもよいメチン基を表し、M+ は、含窒素複素環にプロトンが付加して形成される陽イオンを表し、m及びnは各々独立に0、1または2を表し、そしてx及びyは各々独立に0または1を表す。]
  6. 含窒素複素環がピリジン環である請求項5に記載の情報記録媒体。
  7. mが1でnが0であるか、又はmが0でnが1であるかのいずれかである請求項5に記載の情報記録媒体。
  8. 1 が、=Oであり、X2 が、−Oである請求項5に記載の情報記録媒体。
  9. 記録層上に更に反射層が設けられている請求項1〜8のいずれかの項に記載の情報記録媒体。
  10. 円盤状基板が、その直径が120±3mmで厚みが0.6±0.1mmであるか、あるいはその直径が80±3mmで厚みが0.6±0.1mmであるかのいずれかである請求項1〜9のいずれかの項に記載の情報記録媒体。
  11. 請求項1〜10のいずれかの項に記載の情報記録媒体に、NAが0.55〜0.7の光学系を通して600nm〜700nmの波長のレーザ光を照射することにより情報を記録する方法。
JP35008297A 1997-03-12 1997-12-03 情報記録媒体及び情報の記録方法 Expired - Fee Related JP3707760B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35008297A JP3707760B2 (ja) 1997-03-12 1997-12-03 情報記録媒体及び情報の記録方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7892697 1997-03-12
JP9-78926 1997-03-12
JP35008297A JP3707760B2 (ja) 1997-03-12 1997-12-03 情報記録媒体及び情報の記録方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10309871A JPH10309871A (ja) 1998-11-24
JP3707760B2 true JP3707760B2 (ja) 2005-10-19

Family

ID=26419979

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35008297A Expired - Fee Related JP3707760B2 (ja) 1997-03-12 1997-12-03 情報記録媒体及び情報の記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3707760B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009022738A1 (ja) * 2007-08-16 2009-02-19 Fujifilm Corporation 着色組成物、インクジェット記録用インクおよびヘテロ環化合物
JP5337381B2 (ja) * 2008-01-18 2013-11-06 富士フイルム株式会社 メロシアニン色素及び光電変換素子

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10309871A (ja) 1998-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0833314B1 (en) Information recording medium
JP3666702B2 (ja) 情報記録媒体
JP4082872B2 (ja) 光情報記録媒体及び光情報記録方法
JP2002059652A (ja) 光情報記録媒体
JP3636857B2 (ja) 光情報記録媒体
JP2002249674A (ja) オキソノール色素化合物、及びそれを用いた光情報記録媒体、光情報記録方法
JP3807872B2 (ja) 情報記録媒体及び新規オキソノール化合物
JP3707759B2 (ja) 情報記録媒体及びオキソノール化合物
JP3707760B2 (ja) 情報記録媒体及び情報の記録方法
JP3768346B2 (ja) 情報記録媒体及び情報の記録方法
JP3705520B2 (ja) 光情報記録媒体
JP3847002B2 (ja) 情報記録媒体およびオキソノール化合物
JP3636877B2 (ja) 情報記録媒体及びオキソノール化合物
JP3620681B2 (ja) 情報記録媒体
JP2002052825A (ja) 光情報記録媒体及び光情報記録方法
JP3703609B2 (ja) 光情報記録媒体
US20030114710A1 (en) Optical information recording medium and novel immonium compound
JP3573600B2 (ja) 光情報記録媒体
JP2003075961A (ja) 光情報記録媒体および情報の記録方法
JP2001071639A (ja) 光情報記録媒体及び情報記録方法
JPH1125505A (ja) 情報記録媒体及びオキソノール化合物
JP2000280622A (ja) 情報記録媒体
JP2597517B2 (ja) 情報記録媒体
JP4516784B2 (ja) 新規オキソノール色素化合物および光情報記録媒体
JP2000108520A (ja) オキソノール化合物を含有する情報記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050302

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050729

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050801

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080812

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080812

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090812

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090812

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100812

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110812

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110812

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120812

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees