JP3706530B2 - パンツ型の使い捨て着用物品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パンツ型の使い捨ておむつやトレーニングパンツ、失禁パンツ等のパンツ型の使い捨て着用物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平11−113956号公報は、胴周り開口と一対の脚周り開口とを有するパンツの前後胴周り域の両側縁部が、パンツの外面に重なるように前後胴周り域の胴周り方向中央部へ向って折曲され、パンツの股下域が前後胴周り域のいずれか一方の外面に重なるように折曲された使い捨てパンツの折り畳み構造を開示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
同号公報に開示のパンツは、折り畳まれた状態が続くと、前後胴周り域の両側縁部にパンツの縦方向へ延びる折り目が付くとともに、股下域にパンツの横方向へ延びる折り目が付いてしまう。このパンツでは、前後胴周り域の両側縁部と股下域とを折り返してパンツを着用しようとしても、それら折り目が胴周り開口と脚周り開口とを閉じようとするので、胴周り開口と脚周り開口とを開き難く、パンツの着用に手間取ることがある。
【0004】
本発明の課題は、胴周り開口と脚周り開口とを容易に開くことができ、着用に手間取ることがないように畳まれたパンツ型の使い捨て着用物品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するための本発明は、互いに対向する前胴周り域および後胴周り域と、それら胴周り域の間に位置する股下域とを備え、前記前後胴周り域の両側縁部が連結されて胴周り開口と一対の脚周り開口とが画成されたパンツ型の使い捨て着用物品を改良することにある。
【0006】
改良にかかる本発明の特徴は、前記物品が、前記前後胴周り域の連結されている両側縁部の間に位置する前記前後胴周り域の胴周り方向中央部から前記股下域の幅方向中央部へ向って延びる線によって折曲され、前記線によって区分された前記前後胴周り域それぞれにおける前記物品の左半分と右半分との内面が互いに当接した状態に畳まれていることにある。
【0007】
本発明の実施の態様の一例としては、前記股下域の幅方向中央部が、前記物品の右半分と左半分との間に介在するように、前記胴周り開口の側へ向って前記物品の内側へ折り込まれている。
【0008】
本発明の実施の態様の他の一例としては、前記物品が、連結された前記両側縁部において折曲されて、前記物品の左半分と右半分とのいずれか一方の外面が互いに当接した状態に畳まれている。
【0009】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照し、本発明に係るパンツ型の使い捨て着用物品の詳細をパンツ型の使い捨ておむつを例として説明すると、以下のとおりである。
【0010】
図1,2は、前胴周り域5の側から示す使い捨ておむつ1の部分破断斜視図と、折り畳まれた状態で示す図1のおむつ1の斜視図とである。おむつ1では、それを着用した着用者を基準とし、線16を中心として着用者の左側に位置するおむつ1の部分を左半分Lといい、着用者の右側に位置するおむつ1の部分を右半分Rという。
【0011】
おむつ1は、透液性表面シート2と、不透液性裏面シート3と、それらシート2,3の間に介在し、全体が透水性のティッシュペーパー(図示せず)に被覆、接合された吸液性コア4とを主要な構成部材とする。コア4は、ティッシュペーパーを介して表面シート2と裏面シート3との少なくとも一方に接合されている。
【0012】
おむつ1は、互いに対向する前胴周り域5および後胴周り域7と、前後胴周り域5,7の間に位置する股下域6とを有する。おむつ1では、前後胴周り域5,7の縦方向へ延びる両側縁部8が合掌状に重なり合った状態で連結され、胴周り開口9と一対の脚周り開口10とが画成されている。
【0013】
胴周り開口9の縁部には、胴周り方向へ延びる複数条の胴周り用弾性伸縮性部材11が表面シート2と裏面シート3との間に介在し、それらシート2,3の少なくとも一方に伸長状態で取り付けられている。脚周り開口10の縁部には、脚周り方向へ延びる複数条の脚周り用弾性伸縮性部材12が表面シート2と裏面シート3との間に介在し、それらシート2,3の少なくとも一方に伸長状態で取り付けられている。図1では、弾性部材11,12各々が収縮し、胴周り開口9と脚周り開口10との縁部に沿って多数のギャザーが形成されている。
【0014】
おむつ1には、股下域6の幅方向中央部14から連結された両側縁部8の間に位置する前後胴周り域5,7の胴周り方向中央部13,15へ向って仮想線で示す線16が延びている。おむつ1は、図1の状態から線16において折曲されると、線16によって区分された前後胴周り域5,7それぞれにおけるおむつ1の左半分Lと右半分Rとが矢印A1で示す横方向内方へ向って近づく。おむつ1は、図2に示すように、前胴周り域5の左半分Lと右半分Rとの内面が互いに当接し、後胴周り域7の左半分Lと右半分Rとの内面が互いに当接した状態に畳まれる。
【0015】
おむつ1では、線16において折り目が付いたとしても、おむつ1の両側縁部8を摘持して、両側縁部8を図2に矢印A2で示すおむつ1の横方向外方へ引っ張り、左半分Lと右半分Rとを離間させることで、胴周り開口9を簡単に開くことができる。また、おむつ1では、脚周り開口10がその口を開けたままの状態で畳まれているので、脚周り開口10を開くことはなく、そのまま着用することができる。
【0016】
図3は、図2のおむつ1をさらに畳んだ状態で示すおむつ1の斜視図であり、図2の状態にあるときの前胴周り域5の側を仮想線で示す。おむつ1は、その両側縁部8において、前胴周り域5の側が矢印A3で示す後胴周り域7の側へ折曲され、左半分Lの外面が互いに当接した状態に畳まれている。おむつ1は、図2のそれよりも一層コンパクトにすることができる。
【0017】
図4は、図2のおむつ1をさらに畳んだ状態で示すおむつ1の部分破断斜視図であり、股下域6の一部が破断されている。図4では、図2の状態にあるときの股下域6を仮想線で示す。おむつ1は、股下域6の幅方向中央部14が左半分Lと右半分Rとの間に介在するように、矢印A4で示す胴周り開口9の側へ向っておむつ1の内側へ折り込まれている。
【0018】
おむつ1は、幅方向中央部14が胴周り開口9の側へ凸となり、図2のそれよりも一層コンパクトにすることができる。おむつ1では、その両側縁部8を横方向外方へ引っ張って左半分Lと右半分Rとを離間させると、股下域6の幅方向中央部14が矢印A5で示す横方向外方へ展開する。おむつ1では、幅方向中央部14が展開することで、股下域6が前後胴周り域5,7に対して略直交するように延び、おむつ1の内部に空間が形成される。このおむつ1では、胴周り開口9から脚周り開口10へ向って脚を通すことが容易である。
【0019】
図5は、図4のおむつ1をさらに畳んだ状態で示すおむつ1の斜視図であり、図4の状態にあるときの前胴周り域5の側を仮想線で示す。おむつ1は、その両側縁部8において、前胴周り域5の側が矢印A6で示す後胴周り域7の側へ折曲され、左半分Lの外面が互いに当接した状態に畳まれている。おむつ1は、図4のそれよりも一層コンパクトにすることができる。
【0020】
それら図示例のおむつ1は、個別に袋に収納されたり、多数のおむつ1を積み重ねた状態でパッケージに収納される。
【0021】
表面シート2には、不織布や開孔プラスチックフィルム等の透液性のシート、好ましくは透液性であって親水性のシートを使用することができる。裏面シート3には、疎水性不織布、不透液性のプラスチックフィルムまたは疎水性不織布とプラスチックフィルムとのラミネートシート、好ましくは通気不透液性のシートを使用することができる。また、裏面シートとしては、高い耐水性を有するメルトブローン不織布を、高い強度を有しかつ柔軟性に富んだスパンボンド不織布で挟んだ複合不織布を使用することもできる。
【0022】
不織布としては、スパンレース、ニードルパンチ、メルトブローン、サーマルボンド、スパンポンド、ケミカルボンド、エアースルー等の各製法により製造された不織布を使用することができる。不織布の構成繊維としては、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、の各繊維、ポリエチレン/ポリプロピレンやポリエチレン/ポリエステル等で形成された芯鞘型複合繊維、サイドバイサイド型複合繊維を使用することができる。
【0023】
コア4は、フラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子と熱可塑性合成樹脂繊維との混合物であり、所要の厚みに圧縮されている。高吸収性ポリマーとしては、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系のものを使用することができる。
【0024】
表裏面シート2,3の固着、コア4の接合、弾性部材11,12の取り付けには、ホットメルト型接着剤、または、ソニックシールやヒートシール等の熱溶着の技術を利用することができる。
【0025】
この発明は、パンツ型の使い捨ておむつの他に、トレーニングパンツや失禁パンツにも実施することができる。
【0026】
【発明の効果】
本発明に係るパンツ型の使い捨て着用物品によれば、物品が線によって折曲され、線によって区分された物品の左半分と右半分との内面が互いに当接した状態に畳まれているので、線において折り目が付いたとしても、物品の両側縁部を摘持して、該両側縁部を横方向外方へ引っ張ることにより、胴周り開口を簡単に開けることができ、着用に手間取ることはない。
【0027】
線によって折曲された物品をさらに両側縁部において折曲し、物品の左半分と右半分とのいずれかの外面が当接した状態に畳まれた物品では、物品を一層コンパクトにすることができる。
【0028】
線によって折曲された物品であって、股下域の幅方向中央部が胴周り開口の側へ向って物品の内側へ折り込まれた物品では、物品を一層コンパクトにすることができるとともに、それを着用するときに、物品の内部に空間が形成されるので、胴周り開口から脚周り開口へ向って脚を通すことが容易である。
【0029】
股下域の幅方向中央部が胴周り開口の側へ向って折り込まれた物品をさらに両側縁部において折曲し、物品の左半分と右半分とのいずれかの外面が当接した状態に畳まれた物品では、物品をさらにコンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 使い捨ておむつの部分破断斜視図。
【図2】 折り畳まれた状態で示す図1のおむつの斜視図。
【図3】 図2のおむつをさらに畳んだ状態で示すおむつの斜視図。
【図4】 図2のおむつをさらに畳んだ状態で示すおむつの斜視図。
【図5】図4のおむつをさらに畳んだ状態で示すおむつの斜視図。
【符号の説明】
1 パンツ型の使い捨ておむつ(パンツ型の使い捨て着用物品)
5 前胴周り域
6 股下域
7 後胴周り域
8 両側縁部
9 胴周り開口
10 脚周り開口
13 胴周り方向中央部
14 幅方向中央部
15 胴周り方向中央部
16 線
L 左半分
R 右半分
Claims (3)
- 互いに対向する前胴周り域および後胴周り域と、それら胴周り域の間に位置する股下域とを備え、前記前後胴周り域の両側縁部が連結されて胴周り開口と一対の脚周り開口とが画成されたパンツ型の使い捨て着用物品において、
前記物品が、前記前後胴周り域の連結されている両側縁部の間に位置する前記前後胴周り域の胴周り方向中央部から前記股下域の幅方向中央部へ向って延びる線によって折曲され、前記線によって区分された前記前後胴周り域それぞれにおける前記物品の左半分と右半分との内面が互いに当接した状態に畳まれていることを特徴とする前記物品。 - 前記股下域の幅方向中央部が、前記物品の右半分と左半分との間に介在するように、前記胴周り開口の側へ向って前記物品の内側へ折り込まれている請求項1記載の物品。
- 前記物品が、連結された前記両側縁部において折曲されて、前記物品の左半分と右半分とのいずれか一方の外面が互いに当接した状態に畳まれている請求項1または2記載の物品。
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