JP3703998B2 - Pipe welded structure - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば径の異なる2本のアルミニウムパイプ等の溶接構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、一枚のステンレス製の板を、ほぼ円筒形に曲げることにより製造され、これが製造されたときには、周方向にリング状のリブが延在すると共に、長手方向に合わせ部が開口している、2本のパイプの溶接のために用いられるステンレススリーブが知られている。
【0003】
この種のステンレススリーブは、2本のパイプを溶接する場合、当該パイプのつなぎ部の内周に挿入される。
【0004】
溶接にあたっては、2本のパイプの端部間にリング状のリブを延在させてパイプ内でのステンレススリーブのずれを防止する。そして、このリブの厚さの分だけパイプの端部間には隙間があくが、この隙間を含めて2本のパイプのつなぎ部の外周をアルゴン溶接する。
【0005】
このスリーブは、順送り金型により製造するので、その製造コストを低く抑えることができるという利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来構造によるステンレススリーブでは、長手方向に合わせ部が開口しているので、溶接時に、その合わせ部からステンレススリーブの内部に溶材が侵入するおそれがある。溶接時の溶材がパイプの内部に侵入すると、例えば、パイプを冷凍サイクルの冷媒管に使用するときには、冷媒詰まりを引き起こす等の問題がある。
【0007】
また、上述した溶接方法の場合、パイプの径が異径であるときには、小さい方のパイプの端部をたたいて変形させることによりパイプの端部を拡径して、その拡径した端部にスリーブを挿入している。
【0008】
しかし、たたいて変形させる場合には、溶接時にうまく接合できず、そこから例えば冷媒漏れが発生するおそれがある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、パイプの内部に溶接時の溶材を侵入させることのない、径の異なるパイプの溶接構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、小径のパイプの端部を、大径のパイプの外径と略等しくなるまで、ビーディング加工によって張り出し加工し、この張り出し加工した加工端部に、前記大径のパイプの内径より小さい外径のほぼ円筒状のスリット付きストレート管のスリーブであって、その外周に周方向に間隔を空けて、前記加工端部の内周部に食い込んで前記スリットの間隙を狭める複数の突部を有するスリーブにおける複数の突部を圧入して、前記スリットの間隙を狭めた状態で前記小径のパイプに前記スリーブを保持させ、前記加工端部と、この加工端部と外径が略等しい前記大径のパイプの端部とを突き合わせて、その外周部を溶接することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるパイプ溶接に用いるスリーブの一実施形態を図面を参照して説明する。なお、この明細書においては、以下、アルミニウムの語は純アルミニウムのほかにアルミニウム合金を含むものとする。
【0014】
図1において、100は冷蔵庫やショーケース用のエバポレータを示し、このエバポレータ100は、平行に配置した一群のアルミニウム製のフィン102,102…102の間に複数本のアルミニウム製のチューブ103を通して構成されている。これらチューブ103の直線部の各端部には、それぞれU字形チューブ103aがろう付けなどにより接合されている。エバポレータ100の入口チューブ105には、入口パイプ106を介して銅製のキャピラリーチューブ107が接続されており、エバポレータ100の出口チューブ108には、アルミニウム製のアキュームレータ109、及び出口パイプ110を介して銅製のサクションパイプ111が接続されている。
【0015】
この種のものにあっては、入口チューブ105と入口パイプ106とのつなぎ部Aなどの溶接において、2本のパイプ或いはチューブの径が異なるときに、そのつなぎ部Aを溶接しにくいという欠点がある。
【0016】
図2は参考例を示す。この参考例によれば、その欠点を解消するために、図2に示すような工夫が講じられる。2本のアルミニウム製のパイプ1,3の径が異なるとき、例えば一方のパイプ1の内径よりも他方のパイプ3の外径が小さいとき、まず、一方のパイプ1の外径D1 と他方のパイプ3の外径D2 とがほぼ同じ外径になるまで、他方のパイプ3の端部をビーディング加工により拡径する。
【0017】
このビーディング加工は、例えば、へら状の治具を他方のパイプ3の端部内周に挿入して、その内周を内側から半径方向外方に押し出すようにして拡径する加工(いわゆるへら絞り加工)である。
【0018】
つぎに、ビーディング加工した他方のパイプ3の端部内周にリブ付きのステンレススリーブ5のリブ7の部分を圧入する。
【0019】
図2のステンレススリーブ5は、図4aに示すように、一枚のステンレス製の板200の中央部に予め凸部201をプレス成形し、そのステンレス製の板200を、図4bに示すように、ほぼ円形に曲げることにより作られる。従って、ステンレススリーブ5が作られた後には、長手方向にスリット6が開口し、ほぼ中央部の外周にはリング状のリブ7(凸部201)が形成される。
【0020】
ステンレススリーブ5の圧入時において、ステンレススリーブ5はスリット6の分だけ一旦周方向に縮み、圧入後にはスプリングバック効果により復帰するので、リブ7はパイプ3の内周に圧接する。これによれば、ステンレススリーブ5の抜け止め作用を十分に期待することができる。
【0021】
しかるのち、このパイプ3の端部に一方のパイプ1の端部を当接し、図3に示すように、つなぎ部Aの外周を溶接する。
【0022】
これによれば、ステンレススリーブ5は圧入され、パイプ3の端部にスプリングバック効果により保持されるので、パイプ1,3の各端部を当接させて、その外周を溶接するときに、パイプ3の端部からステンレススリーブ5がずれることがなく、溶接不良が削減される。
【0023】
ちなみに、従来のものでは、パイプ3の端部にステンレススリーブ5を差し込むだけであるので、溶接前に、パイプを前後に移動させたりすると、ステンレススリーブ5が脱落するおそれがあるが、これによれば、そのような不都合はほぼ解消される。
【0024】
次に、本発明の一実施形態を説明する。この実施形態では、図5に示すように、パイプ溶接に用いるステンレススリーブ35の形状に特徴を有する。
【0025】
このステンレススリーブ35は、図2の場合と同様に、内径の異なる2本のパイプ1,3の内、小径のパイプ3の端部をその外径が大径のパイプ1の外径と略等しくなるまでビーディング加工によって張り出し加工し、この加工した端部と大径のパイプ1の端部とを突き合わせて、その外周部を溶接する場合、その2本のパイプのつなぎ部Aの内周に挿入される。
【0026】
図5において、ステンレススリーブ35は従来製法同様に板材から順送金型(縦送り)を用いて加工され、ほぼ円筒状に作られる。
【0027】
すなわち、ステンレススリーブ35は、図示を省略した一枚のステンレス製の板に、予め等間隔に3個の突部37をプレス成形しておいて、そのステンレス製の板を、ほぼ円形に曲げることにより作られる。
【0028】
従って、ステンレススリーブ35が作られた後には、長手方向に合わせ部36が開口し、周方向には等間隔に3個の突部37が設けられる。ただし、この突部37は合わせ部36から周方向に1mm以上離れて設けられている。なお、この合わせ部36は溶接してもよい。
【0029】
上記の突部37の形状は半球状であるが、これに限定されず、三角、矩形、或いは台形等の形状であってもよい。なお、上記突部37の個数は3個に限定されるものでないことは明らかである。
【0030】
この実施形態では、パイプ3の張り出し加工端部の内周に、上記突部37を圧入する。この場合、参考例で示した図4bのリング状リブ7を有するスリーブ5を圧入する場合に比べて、パイプ3の張り出し加工端部の内径をやや小さめに形成することが重要である。小さめに形成すれば、突部37は半球状であるため、張り出し加工端部の内周に圧入された場合、当該内周部に食い込む。図4bのスリーブ5は面で接触するため、内周部に食い込むことはない。
【0031】
従って、この実施形態によれば、図4bのリング状リブ7を有するスリーブ5に比べて、突部を食い込ませる方式であるので、スプリングバックはほとんどなくなり、圧入後の合わせ部36の間隙を狭めることができる。
【0032】
従来の構成によるスリット付きのステンレススリーブ(例えば、図4b)を用いた場合には、そのスリットの隙間から溶材が溶け込んで、ステンレススリーブの内周に溶材が侵入するおそれがある。
【0033】
この実施形態では、前述したように、圧入時に、突部37が張り出し加工端部の内周に食い込み、合わせ部36の間隙が狭められるので、上記不都合は解消され、溶接品質が向上する。
【0034】
また、このようにしても、ステンレススリーブ35は前述のように従来と同じ順送り金型により製造することができるので、製造コストは従来のものとほぼ同等に抑えることができる。
【0035】
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0036】
例えば、このステンレススリーブ35は、図示は省略したが、同径のパイプ間の溶接にも適用が可能である。
【0037】
この場合、パイプの端部間に突部37が延在することになるが、この突部37は、圧入によって、あらかじめ一方のパイプの端面から内周に向けて食い込ませておくことが可能になる。
【0038】
すなわち、この場合の突部は、スリーブをパイプに挿入した場合、パイプの内径よりも外側に張り出す。これによれば、スリーブが位置決めされ、しかも、そのパイプの端面から内周にかけて突部37を食い込ませることにより、合わせ部36を基準としたスプリングバックがなくなり、その合わせ部36の間隙が狭められるので、上記の実施形態と同様に、パイプの内周への溶材の侵入をほぼ防止することができる。
【0039】
なお、ビーディング加工するパイプ3の端部の内周には、図2のものでは、空所11が形成されているが、必ずしもこのように加工する必要はなく、図6に示すように、パイプ3の端部の内周に空所を設けないように、隙間なく加工するようにしてもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、パイプの内部に溶接時の溶材が侵入することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】エバポレータを示す斜視図。
【図2】 参考例によるパイプの溶接構造の一実施形態を示す断面図。
【図3】図2の溶接状態を示す断面図。
【図4】ステンレススリーブを示す図であり、aは展開図、bは斜視図。
【図5】 本発明によるパイプの溶接構造を示す図であり、aは正面図、bは側面図。
【図6】別の実施形態を示す断面図。
【符号の説明】
1,3 パイプ
35 ステンレススリーブ
36 合わせ部
37 突部
A つなぎ部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a welded structure such as two aluminum pipes having different diameters .
[0002]
[Prior art]
Generally, it is manufactured by bending a single plate made of stainless steel into a substantially cylindrical shape. When this plate is manufactured, ring-shaped ribs extend in the circumferential direction, and a matching portion opens in the longitudinal direction. Stainless steel sleeves used for the welding of two pipes are known.
[0003]
This type of stainless steel sleeve is inserted into the inner periphery of the joint between two pipes when welding two pipes.
[0004]
In welding, a ring-shaped rib is extended between the ends of two pipes to prevent the stainless sleeve from shifting in the pipe. A gap is created between the ends of the pipe by the thickness of the rib, and the outer periphery of the joint between the two pipes including the gap is argon welded.
[0005]
Since this sleeve is manufactured by a progressive die, there is an advantage that its manufacturing cost can be kept low.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the stainless steel sleeve having the conventional structure, since the mating portion is opened in the longitudinal direction, there is a possibility that the molten material may enter the stainless sleeve from the mating portion during welding. When the molten material during welding enters the inside of the pipe, for example, when the pipe is used for a refrigerant pipe of a refrigeration cycle, there is a problem of causing clogging of the refrigerant.
[0007]
In the case of the welding method described above, when the pipe diameter is different, the end of the pipe is expanded by striking and deforming the end of the smaller pipe, and the expanded end. A sleeve is inserted in
[0008]
However, when it is deformed by striking, it cannot be joined well at the time of welding, and for example, there is a risk of refrigerant leakage.
[0009]
Accordingly, an object of the present invention is to solve the problems of the above-described conventional technology and to provide a welded structure of pipes having different diameters without causing a molten material to enter the pipe.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In the invention according to
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of a sleeve used for pipe welding according to the present invention will be described with reference to the drawings. In this specification, hereinafter, the term “aluminum” includes aluminum alloys in addition to pure aluminum.
[0014]
In FIG. 1,
[0015]
This type has a drawback that when the diameters of the two pipes or tubes are different in welding of the joint A between the
[0016]
FIG. 2 shows a reference example. According to this reference example , a device as shown in FIG. 2 is taken in order to eliminate the drawback. When the diameters of the two
[0017]
This beading is performed, for example, by inserting a spatula-shaped jig into the inner periphery of the end of the
[0018]
Next, the rib 7 portion of the
[0019]
As shown in FIG. 4a, the
[0020]
When the
[0021]
After that, the end of one
[0022]
According to this, since the
[0023]
Incidentally, in the conventional one, since the
[0024]
Next, an embodiment of the present invention will be described. As shown in FIG. 5, this embodiment is characterized by the shape of a
[0025]
As in the case of FIG. 2, the
[0026]
In FIG. 5, the
[0027]
That is, the
[0028]
Therefore, after the
[0029]
The shape of the
[0030]
In this embodiment, the
[0031]
Therefore, according to this embodiment, compared with the
[0032]
When a stainless steel sleeve with a slit having a conventional structure (for example, FIG. 4B) is used, the melt may be melted from the gap of the slit and the melt may enter the inner periphery of the stainless sleeve.
[0033]
In this embodiment, as described above, the
[0034]
Even in this case, the
[0035]
As mentioned above, although this invention was demonstrated based on one Embodiment, this invention is not limited to this.
[0036]
For example, the
[0037]
In this case, the
[0038]
That is, the protrusion in this case protrudes outside the inner diameter of the pipe when the sleeve is inserted into the pipe. According to this, the sleeve is positioned, and furthermore, by causing the
[0039]
In addition, in the inner periphery of the end portion of the
[0040]
【The invention's effect】
As apparent from the above description, according to the present invention, the molten material does not enter the inside of the pipe.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing an evaporator.
FIG. 2 is a sectional view showing an embodiment of a pipe welding structure according to a reference example ;
3 is a cross-sectional view showing a welded state of FIG. 2;
4A and 4B are views showing a stainless steel sleeve, in which a is a development view and b is a perspective view.
5A and 5B are diagrams showing a welded structure of a pipe according to the present invention , wherein a is a front view and b is a side view.
FIG. 6 is a cross-sectional view showing another embodiment.
[Explanation of symbols]
1,3
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