JP3703658B2 - Snow blower blower housing structure - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は除雪機の静音化技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、実公平5−35152号公報「除雪機」に、エンジン、オーガ、ブロアを備えた除雪機が示されている。この公報の第3図を次図に再掲する。ただし、構成要素の名称及び符号は変更した。
【0003】
図8は従来の除雪機のブロアの断面図であり、ブロアハウジング100は、羽根車101を収納する円筒部102と、この円筒部102から円筒の接線に沿って延ばした吐出部103とからなる。羽根車101を図時計方向に高速回転することにより、雪に遠心力を付与して吐出部103を通じて投射することができる。
なお、円筒部102と羽根車101との間のクリアランスは、大きいほどブロア効率が低下するので、効率を高めるためにクリアランスは小さくする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
遠心力は、羽根車101の径に比例し、回転数の2乗に比例することから、一定の大きさの除雪機において回転数を増加すれば、処理能力を増すことができ、このために近年、羽根車101の回転を高める傾向にある。
【0005】
その結果、雪の処理量は大幅に増加したものの、ブロアハウジング100からの騒音も増加するという新たな問題が発生した。
【0006】
図9(a),(b)は従来の除雪機を対象に調べた騒音のグラフである。
(a)はブロアを停止し、エンジンのみを運転したときに調べた騒音を示し、横軸は周波数、縦軸は騒音を示す。
(b)はブロアを運転したときに調べた騒音を示し、エンジン、ブロアともに運転しているため、(a)より全体的に騒音は大きくなっている。
例えば、(a)の横軸で周波数fにおける騒音と、(b)の横軸で周波数fにおける騒音とを比較すると、(b)がΔ1だけ大きい、即ちうるさいことが判明した。このΔ1がブロアハウジング100から発せられる騒音に相当する。
【0007】
この様にブロアの高速回転化に伴なって騒音が増加するため、ブロアの性能向上が難しい現状にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者等は上記課題を解決すべく、種々の検討を行った結果、図8において、舌状部105(円筒部102と吐出部103との境目でレ又はV字をなす部位をブロア用語で「舌部」または「舌状部」という)に、羽根車101で加速された空気(風)並びに雪(吐出部103に入らずに再度円筒部102に進入する雪)が衝突し、このときの衝突音が前記Δ1の要因であると知見するに至った。
上述した通りに、ブロア性能を維持するために円筒部102と羽根車101とのクリアランスを小さめに設定するため、吐出部103で開放された風(空気)や雪が小さなクリアランスに進入するときに音が発生するとも考えられる。
そこで、舌状部105の形状を種々改良して、実験を行ったところ、静音化を図ることに成功した。
【0009】
具体的には請求項1は、羽根車を収納する円筒部と、この円筒部の接線に沿って延ばした吐出部とからブロアハウジングを構成し、前記羽根車を回して雪に遠心力を付与し、この雪を吐出部及びシュータを通じて投射する形式の除雪機において、
前記吐出部が円筒部に交わる舌状部にて、円筒部側に外方へ膨出すると共に前記羽根車の回転に沿って膨出代が減少するスロープ状で且つV底の膨出溝を、溝の頂点が水平に且つ前記円筒部の接線方向に延びるようにして設けたことを特徴とする。
【0010】
羽根車から離れて舌状部に向う風や雪は、膨出溝に沿って滑らかに円筒部に戻る。
従って、舌状部での風や雪の衝突を抑えることができ、静音化を図ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る除雪機の側面図であり、除雪機10は、前部に遊動輪11、下部に3個の下部転輪12,13,14を各々回転自在に備えたクローラフレーム16の後部に、車体フレーム21を上下スイング可能に連結し、この車体フレーム21の前部に除雪部30を取付け、車体フレーム21にエンジン22を載せ、車体フレーム21の後部に駆動輪23を取付け、この駆動輪23と遊動輪11とにクローラベルト24を巻き掛け、クローラフレーム16に車体フレーム21を連結するピボット軸25を前に、駆動輪23を後に、最後尾の下部転輪14をピボット軸25と駆動輪23の中間下方に配置し、且つピボット軸25と駆動輪23の中間上方でクローラベルト24を支える上部転輪26をクローラフレーム16に取付けたことを特徴とするクローラ式車両である。
【0012】
除雪部30は、エンジン22を駆動源としたオーガ31、羽根車32、ブロアハウジング60、そり34及びシュータ35を基本要素とし、エンジン22、小径プーリ36、ベルト37、大径プーリ38、駆動軸39、ギヤケース41、オーガ軸42の順でエンジン22の動力を伝えることにより、オーガ31を回転させて路上の雪を図面表裏方向に掻き集めることで羽根車32に送り込み、羽根車32の遠心力でシュータ35を通じて雪を投射する。43はエンジンカバー、44はエンジン空冷用ファン、45は駆動輪23に繋がる出力プーリ、50はオーガ高さ調整用油圧シリンダである。
【0013】
図2は図1の2−2線断面図であり、ブロアハウジング60の主たる構成要素は、羽根車32を収納する円筒部61と、この円筒部61から円筒の接線に沿って延ばした吐出部62と、この吐出部62が円筒部61に交わる舌状部63において円筒部61側に、外方へ膨出すると共に羽根車32の回転(矢印▲1▼)に沿って膨出代(後述の図4の符号D1,D2)が減少するスロープ状の膨出溝64と、からなる。
【0014】
図3は本発明に係るブロアハウジングの平面図であり、円筒部61から角ダクト状の吐出部62へ延ばした三角柱状の部材が膨出溝形成部材65であり、この膨出溝形成部材65の下面に膨出溝がある。
【0015】
図4は本発明に係る膨出溝形成部材(第1実施例)の斜視図であり、膨出溝形成部材65に形成した膨出溝64が、三角断面を呈し、且つ羽根車の回転(矢印▲1▼)に沿って膨出代がD1→D2のごとく減少するスロープであることを示す。
【0016】
以上に述べたブロアハウジング構造の作用を次に説明する。
図2において、矢印▲1▼のごとく羽根車32を回すと、羽根車32で遠心力を付与した風や雪が舌状部63に向う。舌状部63にはスロープ状の膨出溝64があるために、風や雪は矢印▲2▼のごとく膨出溝64に沿って滑らかに移動し円筒部61に戻る。従って、舌状部63では従来のような衝突は発生せず、衝突したとしても軽微なものとなる。
【0017】
なお、円筒部61内面と羽根車32とのクリアランスを大きくすると、衝突音を低減することはできる。しかし、クリアランスの増加はブロア効率の低下に繋がり、投雪性能を低下させることになる。即ち、膨出溝64の長さLは、静音化にプラスの作用をし、ブロア効率にマイナスの作用をなす。そこで、膨出溝64の長さLは静音化とブロア効率の双方を考慮して設定すればよい。
【0018】
図5(a),(b)は騒音の比較図である。
(a)は比較例の騒音を示し、図9(b)と同じグラフである。すなわち、(a)比較例は図8のブロアハウジングでの騒音を示す。
(b)は膨出溝を備えた実施例の騒音を示し、全体的に(a)より騒音は小さくなっている。
例えば、(a)の横軸で周波数Fにおける騒音と(b)の横軸で周波数Fにおける騒音とを比較すると、Δ2だけ(b)の騒音レベルが下がっている。
従って、本発明の膨出溝64は静音効果があるといえ、この対策により除雪機のブロアの高速回転化が容易に達成できるという格別の効果が期待できる。
【0019】
図6は膨出溝形成部材の参考図であり、膨出溝形成部材65Bはコ字断面部材であり、形成した膨出溝64Bは横長矩形断面を呈することを示し、且つ羽根車32の回転(矢印丸数字1)に沿って膨出代がD1→D2のごとく減少するスロープ状を呈することを示す。
膨出溝形成部材65Bは、角ダクトの一部を切取った様な単純な板材であるから、容易に、且つ低コストで製造することができる。
【0020】
図7は本発明に係る膨出溝形成部材(第2実施例)の斜視図であり、膨出溝形成部材65Cは円弧断面部材であり、形成した膨出溝64Cは略半円断面を呈することを示し、且つ羽根車の回転に沿って膨出代がD1→D2のごとく減少するスロープ状を呈することを示す。
膨出溝形成部材65Cは、丸ダクトの一部を切取った様な単純な板材であるから、容易に、且つ低コストで製造することができる。
【0021】
一方、図4の膨出溝64は三角柱形状を呈するため、底はV底である。この様なV底に雪を集め入ることができる。これに対して図6の膨出溝64Bは矩形断面であるため、雪は広幅底の範囲で遊ぶ(羽根車の軸方向に往復する)可能性はある。雪を安定して円筒部61へ戻すと言う点では図4が図6より勝る。
図7の半円断面の膨出溝64Cは図4と図6の中間である。
従って、膨出溝64,64Cは適宜選択すればよく、三角、半円のほか、台形、楕円、五角以上の多角形であってもよい。
【0022】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、吐出部が円筒部に交わる舌状部において、円筒部側に外方へ膨出すると共に羽根車の回転に沿って膨出代が減少するスロープ状の膨出溝を設けたことを特徴とし、羽根車から離れて舌状部に向う風や雪を、膨出溝に沿って滑らかに円筒部に戻すことができ、従って、舌状部での風や雪の衝突を抑えることができ、静音化を図ることができる。
この結果、一定の騒音レベルまでは、羽根車の高速回転が可能となり、除雪機の能力を容易に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る除雪機の側面図
【図2】 図1の2−2線断面図
【図3】 本発明に係るブロアハウジングの平面図
【図4】 本発明に係る膨出溝形成部材(第1実施例)の斜視図
【図5】 騒音の比較図
【図6】 膨出溝形成部材の参考図
【図7】 本発明に係る膨出溝形成部材(第2実施例)の斜視図
【図8】 従来の除雪機のブロアの断面図
【図9】 従来の除雪機を対象に調べた騒音のグラフ
【符号の説明】
10…除雪機、32…羽根車、60…ブロアハウジング、61…円筒部、62…吐出部、63…舌状部、64,64C…膨出溝、65,65B,65C…膨出溝形成部材、D1,D2…膨出代。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a noise reduction technique for a snowplow.
[0002]
[Prior art]
For example, a snow removal machine including an engine, an auger, and a blower is shown in Japanese Utility Model Publication No. 5-35152 “Snow Removal Machine”. FIG. 3 of this publication is reproduced in the next figure. However, the names and symbols of the components were changed.
[0003]
FIG. 8 is a cross-sectional view of a blower of a conventional snow remover. A
Since the blower efficiency decreases as the clearance between the
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
Since the centrifugal force is proportional to the diameter of the
[0005]
As a result, although the amount of processed snow has increased significantly, there has been a new problem that noise from the
[0006]
9 (a) and 9 (b) are noise graphs for a conventional snowplow.
(A) shows the noise investigated when the blower was stopped and only the engine was operated, the horizontal axis represents the frequency, and the vertical axis represents the noise.
(B) shows the noise examined when the blower is operated. Since both the engine and the blower are operated, the noise is generally larger than that of (a).
For example, comparing the noise at the frequency f on the horizontal axis of (a) and the noise at the frequency f on the horizontal axis of (b), it was found that (b) was larger by Δ1, that is, noisy. This Δ1 corresponds to the noise emitted from the
[0007]
As described above, since the noise increases with the high speed rotation of the blower, it is difficult to improve the performance of the blower.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
Therefore, as a result of various studies conducted by the present inventors to solve the above-described problems, in FIG. 8, the tongue-shaped portion 105 (the portion that forms a letter or V-shape at the boundary between the
As described above, in order to maintain the blower performance, the clearance between the
Then, when the shape of the tongue-
[0009]
Specifically, in
In the tongue-shaped portion where the discharge portion intersects the cylindrical portion, a bulging groove on the V-bottom is formed in a slope shape in which the bulging margin decreases along the rotation of the impeller and bulges outward toward the cylindrical portion side. The groove is provided such that the apex of the groove extends horizontally and in the tangential direction of the cylindrical portion .
[0010]
Wind or snow that leaves the impeller and travels toward the tongue-like portion smoothly returns to the cylindrical portion along the bulging groove.
Therefore, it is possible to suppress the collision of wind and snow on the tongue-like portion, and it is possible to achieve noise reduction.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the accompanying drawings. The drawings are viewed in the direction of the reference numerals.
FIG. 1 is a side view of a snowplow according to the present invention. A
[0012]
The
[0013]
2 is a cross-sectional view taken along the line 2-2 of FIG. 1, and the main components of the
[0014]
FIG. 3 is a plan view of the blower housing according to the present invention. A triangular columnar member extending from the
[0015]
FIG. 4 is a perspective view of the bulging groove forming member (first embodiment) according to the present invention. The bulging
[0016]
Next, the operation of the blower housing structure described above will be described.
In FIG. 2, when the
[0017]
If the clearance between the inner surface of the
[0018]
FIGS. 5A and 5B are comparative diagrams of noise.
(A) shows the noise of a comparative example and is the same graph as FIG.9 (b). That is, (a) the comparative example shows noise in the blower housing of FIG.
(B) shows the noise of the Example provided with the bulging groove | channel, and the noise is entirely smaller than (a).
For example, comparing the noise at the frequency F on the horizontal axis of (a) and the noise at the frequency F on the horizontal axis of (b), the noise level of (b) is lowered by Δ2.
Therefore, it can be said that the bulging
[0019]
Figure 6 is a reference diagram Rise Demizo forming member, protruding the groove forming member 65B is U-section member, forming the bulging
Since the bulging groove forming member 65B is a simple plate material in which a part of a rectangular duct is cut off, it can be manufactured easily and at low cost.
[0020]
FIG. 7 is a perspective view of a bulging groove forming member ( second embodiment) according to the present invention. The bulging
Since the bulging
[0021]
On the other hand, since the bulging
The bulging
Therefore, the bulging grooves 6 4, 6 4C may be appropriately selected, triangular, other semicircle, a trapezoid, an ellipse, but it may also be polygonal or pentagonal.
[0022]
【The invention's effect】
The present invention exhibits the following effects by the above configuration.
According to the first aspect of the present invention, the tongue-shaped portion where the discharge portion intersects the cylindrical portion is provided with a slope-shaped bulging groove that bulges outward toward the cylindrical portion and reduces the bulging allowance along the rotation of the impeller. The wind and snow from the impeller toward the tongue can be smoothly returned to the cylindrical portion along the bulge groove, and therefore, the collision of wind and snow on the tongue can be suppressed. Can be achieved.
As a result, the impeller can be rotated at a high speed up to a certain noise level, and the capacity of the snowplow can be easily increased.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a side view of a snowplow according to the present invention. FIG. 2 is a sectional view taken along line 2-2 in FIG. 1. FIG. 3 is a plan view of a blower housing according to the present invention. forming member (first embodiment) of a perspective view and FIG. 5 comparison diagram of noise [6] Rise Demizo members of reference view 7 bulging groove forming member according to the present invention (second embodiment) [Fig. 8] Cross-sectional view of a conventional snow blower blower [Fig. 9] Noise graph for a conventional snow remover [Explanation of symbols]
10 ... snowplow, 32 ... wheel, 60 ... blower housing, 61 ... cylindrical part, 62 ... discharge unit, 63 ... tongue, 6 4, 6 4C ... bulging grooves, 65,65B, 65C ... bulging groove Forming members, D1, D2,.
Claims (1)
前記吐出部が円筒部に交わる舌状部にて、円筒部側に外方へ膨出すると共に前記羽根車の回転に沿って膨出代が減少するスロープ状で且つV底の膨出溝を、溝の頂点が水平に且つ前記円筒部の接線方向に延びるようにして設けたことを特徴とする除雪機のブロアハウジング構造。A blower housing is constituted by a cylindrical portion for storing the impeller and a discharge portion extending along a tangent line of the cylindrical portion, and the impeller is rotated to apply centrifugal force to the snow, and this snow is supplied to the discharge portion and the shooter. In the type of snowplow that projects through
In the tongue-shaped portion where the discharge portion intersects the cylindrical portion, a bulging groove on the V-bottom is formed in a slope shape in which the bulging margin decreases along the rotation of the impeller and bulges outward toward the cylindrical portion side. A blower housing structure for a snowplow, wherein the top of the groove is provided horizontally and extends in the tangential direction of the cylindrical portion .
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JP25459699A JP3703658B2 (en) | 1999-09-08 | 1999-09-08 | Snow blower blower housing structure |
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JP2006348663A (en) * | 2005-06-17 | 2006-12-28 | Yoka Ind Co Ltd | Snowplow |
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