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JP3703187B2 - インクジェットプリンター用インク - Google Patents

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JP3703187B2
JP3703187B2 JP34495795A JP34495795A JP3703187B2 JP 3703187 B2 JP3703187 B2 JP 3703187B2 JP 34495795 A JP34495795 A JP 34495795A JP 34495795 A JP34495795 A JP 34495795A JP 3703187 B2 JP3703187 B2 JP 3703187B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は良好な表面光沢、耐擦傷性及び耐光性を有する印刷物を形成することができるインクジェットプリンター用インクに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
最近パソコンその他のコンピュータの出力装置としてインクジェットプリンターが広く使用されるようになってきた。インクジェットプリンターはまた大型のポスター、広告板等を少数印刷するような場合に、有効な手段として広く利用されるようになってきた。
【0003】
インクジェットプリンター用インクは通常、水性媒体中に染料が分散したもので、染料として、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、フタロシアニン染料、カルボニウムイオン染料、ニトロ染料、キノリン染料、ナフトキノン染料等が使用されている。染料は水その他の溶剤に可溶であるので非常に薄い着色層を形成することができ、かつ透明感のある色調にすることができるという利点を有する。しかし、紙等の印刷媒体上に染料が付着しているだけなので、表面光沢に劣るのみならず、耐擦傷性も十分でない。従って、グラビア印刷のように表面光沢及び耐擦傷性を有する印刷物と比較して、インクジェット印刷物には見かけが劣るという問題がある。
【0004】
このような問題を解消する手段として、ポスターや広告板の場合には、インクジェットプリンター用インクの媒体に有機溶媒を使用し、印刷をベント装置の具備した工場で行うという方法が採用されている。その上、良好な表面光沢及び耐擦傷性を得るために、インクジェット印刷の後にアクリル樹脂等による表面処理を施すことも行われている。
【0005】
しかしながら、インク媒体に有機溶媒を使用する場合には印刷場所が限定され、事実上ベント装置が整った工場内で印刷せざるを得ない。また、アクリル樹脂等による表面処理を施す場合には、余分な工程が必要になるために、コスト高になるという欠点がある。
【0006】
従って、本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解消し、大型のポスターや広告板に印刷するのが容易であるのみならず、印刷物の表面光沢及び耐擦傷性が良好なインクジェットプリンター用インクを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、染料を吸着した多孔質セラミック微粒子に、ゾル−ゲル法により作成したセラミックスゾルの微粒子を付着させてなるコロイド粒子をインク媒体に分散させることにより、上記従来技術の欠点がない印刷物を形成することができるインクジェットプリンター用インクとすることができることを発見し、本発明に想到した。
【0008】
すなわち、本発明のインクジェットプリンター用インクは、多孔質セラミックス微粒子に染料を吸着させてなる着色剤粒子と、前記着色剤粒子の表面に付着したセラミックゾル微粒子とからなる平均粒径が5〜200 nmのコロイド粒子がインク媒体中に分散していることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
【0010】
[1] コロイド粒子
本発明のインクジェットプリンター用インク中には、多孔質セラミックス微粒子に染料を吸着させてなる着色剤粒子と、前記着色剤粒子の表面に付着したセラミックゾル微粒子とからなる平均粒径が5〜200 nmのコロイド粒子が分散している。
【0011】
[A] 着色剤粒子
本発明の着色剤粒子は、多孔質セラミックス微粒子に染料を吸着させてなるが、多孔質セラミック微粒子に染料を吸着させると、染料の鮮明な色調が失われることなく耐光性が著しく改善され、顔料粒子のように作用するようになる。
【0012】
(1) 多孔質セラミック微粒子
(a) 材質及び形態
多孔質セラミック微粒子の材質は、好ましくは珪素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム及び亜鉛からなる群から選ばれた1種又は2種以上の金属元素を含有するセラミックス等であり、特にシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタニア・ジルコニア、マグネシア、カルシアが好ましい。
【0013】
多孔質セラミック微粒子の平均粒径は、▲1▼着色剤粒子が十分な着色力を発揮でき、▲2▼コロイド粒子(着色剤粒子にセラミックゾル微粒子が付着したもの)がインクジェット用ノズルを自由に通過でき、かつ▲3▼インクの保存中にコロイド粒子が沈降しないように、設定する必要がある。このような条件を満たすコロイド粒子の平均粒径は5〜200 nmである。コロイド粒子の平均粒径が5nm未満であると着色力が不十分であり、コロイド粒子の平均粒径が200 nmを超えるとインクジェット用ノズルの目詰まり及び沈降の恐れがある。なお、コロイド粒子の最大粒径は、目詰まり及び沈降防止のため約300 nmとする。このため、着色剤粒子の好ましい平均粒径は5〜100 nmであり、最大粒径は200 nmである。また流動性及び均一性の観点から、着色剤粒子の粒径分布はできるだけ均一であるのが好ましく、粒径分布範囲はほぼ平均粒径の±40%以内であるのが好ましい。
【0014】
多孔質セラミック微粒子は20%以上の空孔率を有するのが好ましい。空孔率が20%未満であると、十分な染料の吸着が得られない。好ましい空孔率は40〜80%である。また多孔質セラミック微粒子の表面積は300m2 /g 以上であるのが好まし い。このように多孔質のセラミック微粒子は、表面に無数の微細な孔を有する。微細孔の平均直径は数nm程度であるので、染料は孔内に吸着される。セラミック微粒子が多孔質でないと、染料の吸着量が不十分である。
【0015】
(b) 製造方法
このような多孔質構造を有するセラミック微粒子は、例えばSi、Al、Ti、Zr、Mg、Ca等のアルコキシドから、ゾル−ゲル法により製造することができる。加水分解により金属アルコキシドはゾル化するが、その際水が遊離して微細な孔ができ、多孔質構造が得られる。生成したゾル微粒子は、60〜800 ℃で乾燥し、ゲル微粒子とする。なお、ゾル−ゲル法の詳細については下記[B] を参照。
【0016】
(2) 染料
(a) 種類
多孔質セラミック微粒子に吸着させる染料の種類は特に限定されず、例えば C.I. アシッド・イエロー C.I.アシッド・レッド、C.I.アシッド・ブルー、C.I.アシッド・ブラック、C.I.フード・イエロー、C.I.フード・レッド、C.I.フード・ブラック、C.I.ダイレクト・イエロー、C.I.ダイレクト・レッド、C.I.ダイレクト・オレンジ、C.I.ダイレクト・ブルー、C.I.ダイレクト・ブラック、C.I.ベーシック・イエロー、C.I.ベーシック・レッド、C.I.ベーシック・ブルー、C.I.ベーシック・ブラック、C.I.ベーシック・グリーン、C.I.リアクティブ・ブラック、C.I.リアクティブ・イエロー、C.I.リアクティブ・レッド、C.I.リアクティブ・ブルー、C.I.モーダント・ブルー、C.I.モーダント・レッド等が挙げられる。
【0017】
(b) 吸着状態及び吸着量
多孔質セラミック微粒子に吸着された染料は、ミクロ的に見るとほとんどが微粒子の微細な孔内に侵入している。微細な孔に侵入した染料には物理吸着力が作用し、水又は有機溶媒の中に分散させても多孔質セラミック微粒子から遊離することはない。
【0018】
染料の吸着量は、一般に多孔質セラミック微粒子の0.1 〜50重量%である。染料が0.1 重量%未満であると、着色効果が不十分であり、50量%を超えて吸着させることは難しい。着色効果の観点から染料の吸着量は0.5 〜30重量%であるのが好ましく、0.1 〜20重量%、特に0.1 〜10重量%が好ましい。
【0019】
(c) 吸着方法
染料を溶解又は分散した媒体中に、多孔質セラミック微粒子を投入する。この時染料が完全に多孔質セラミック微粒子に吸着されるように、染料と多孔質セラミック微粒子の量を設定するのが好ましい。媒体としては水の他にアルコール等の有機溶媒を使用することができる。
【0020】
多孔質セラミック微粒子の投入後室温〜40℃の温度で0.5 〜30時間撹拌すると、染料は多孔質セラミック微粒子に完全に吸着され、媒体は透明になる。染料を吸着した多孔質セラミック微粒子を濾別し、50〜150 ℃で乾燥する。なおゾル−ゲル法の場合、予め染料を多孔質セラミック微粒子の原料に混合し、前記原料の反応により染料が分散した多孔質セラミック微粒子を生成する方法も可能である。
【0021】
(3) 紫外線カット層
着色剤に耐紫外線性を付与するために、染料が吸着した多孔質セラミック微粒子の表面に紫外線カット層を設けるのが好ましい。紫外線カット層には有機系又は無機系の紫外線吸収剤を使用する。
【0022】
(a) 有機系紫外線吸収剤
紫外線吸収剤が有機系の場合には、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂に添加して使用する。有機系紫外線吸収剤としては、▲1▼ベンゾフェノン系化合物(2-ヒドロキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4-トリヒドロキシベンゾフェノン等)、▲2▼サルチレート系化合物(フェニルサルチレート、2,4-ジt-ブチルフェニル-3,5- ジt-ブチル-4- ヒドロキシベンゾエート等)、▲3▼ベンゾトリアゾール系化合物((2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等)、▲4▼アクリレート系化合物(メチル-2- カルボメトキシ-3- パラメトキシアクリレート等)、▲5▼ヒンダードアミン系化合物(ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジニル)セバケート等)、▲6▼ヒンダード・フェノール系化合物(テトラキス-[メチレン-3-(3',5'-ジt-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオネート] メタン、2,6-ジt-ブチル-4- メチルフェノール、オクタデシル-3-(3,5-ジt-ブチル-4- ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2'- メチレン- ビス(4- メチル-6-t- ブチルフェノール)、4,4'- ブチリデンビス(6-t- ブチル-6-t- ブチルフェノール)等)が挙げられる。熱可塑性樹脂としてはポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂等を使用するのが好ましく、熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタン樹脂等を使用するのが好ましい。これらは単体、共重合体又はポリマーアロイとして使用することができる。
【0023】
必要に応じて紫外線カット層に親水性樹脂を使用する。親水性樹脂としては、上記熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂に水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エーテル基、スルホン基等の親水性基を導入したものを使用することができる。
【0024】
紫外線カット層を樹脂ベースとする場合、紫外線カット層(有機系紫外線吸収剤を含有する樹脂層のほぼ均一な膜)の厚さは、染料が吸着した多孔質セラミック微粒子1g当たり0.05〜0.3 g であるのが好ましい。紫外線カット層が0.05g/g未満であると、紫外線カット効果が不十分であり、0.3 g/gを超えても紫外線カット効果は飽和して、さらなる向上が得られない。紫外線カット層中の紫外線吸収剤の含有量は0.1 〜30重量%であるのが好ましい。紫外線吸収剤が0.1 重量%未満であると、耐光性向上効果が十分に達成できず、30重量%を超えてもそれに応じた効果の向上が得られない。紫外線カット層の中の紫外線吸収剤のより好ましい含有量は0.5 〜30重量%である。
【0025】
樹脂ベースの紫外線カット層を形成するには、まず熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂あるいはこれらのモノマーを有機溶媒に溶解し、得られた溶液に紫外線吸収剤を溶解又は分散させる。また上記溶液を水に分散させて、縣濁液又は乳液としてもよい。そこに染料を吸着した多孔質セラミック微粒子を入れ、10〜40℃の温度で0.5 〜50時間撹拌する。多孔質セラミック微粒子の表面が完全に濡れた後で、多孔質セラミック微粒子を取り出して乾燥し、必要があれば微粉砕する。紫外線カット層の樹脂として熱硬化性樹脂を使用する場合には、乾燥後100 〜200 ℃に加熱して樹脂を硬化させる。
【0026】
(b) 無機系の紫外線吸収剤
紫外線カット層は樹脂をベースとする必要がなく、微粒子状の紫外線吸収剤を付着させればよい。無機系の紫外線吸収剤としては、酸化錫、酸化チタン及びチタン・ジルコニウム複合酸化物からなる群から選ばれた少なくとも1種を使用するのが好ましく、特にチタン・ジルコニウム複合酸化物(チタンジルコン系セラミックス、TiZrO 4 )が好ましい。無機系の紫外線吸収剤は電荷制御が容易である ので、好ましい。
【0027】
無機系の紫外線吸収剤の付着量は多孔質セラミック微粒子1g当たり0.05〜0.3 gであるのが好ましい。これはほぼ0.5 〜50nm程度の付着厚さに相当する。付着量が多孔質セラミック微粒子1g当たり0.05g未満であると、紫外線カット効果が不十分であり、0.3 gを超えても紫外線カット効果は飽和して、さらなる向上が得られない。なお、無機系の紫外線吸収剤は着色剤粒子の全表面を覆っている必要はなく、印刷後に着色剤粒子の表面を覆うようになっていれば良い。
【0028】
無機系の紫外線吸収剤の形態としては、ゾル微粒子でもゲル微粒子でもよい。ゲル微粒子の場合にはゾル微粒子の付着後に焼成すればよい。またゾル微粒子の場合にはシリカゾル等のセラミックゾル微粒子なしに単独で使用しても良く、またシリカゾル等のセラミックゾル微粒子と混合して使用しても良い。
【0029】
(4) 着色剤粒子の表面処理
着色剤粒子表面へのセラミックスゾル微粒子の吸着を良好にするために、着色剤粒子を予め表面処理しておく。表面処理剤としては、シランカップリング剤が好ましい。シランカップリング剤とは、有機置換基を有するオルガノアルコキシシランであり、具体的には、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は単独又は2種類以上複合して使用する。シランカップリング剤の着色剤粒子への塗布量は、着色剤粒子1g当たり0.001 〜0.1 gであるのが好ましい。シランカップリング剤の塗布量が0.001 g/g未満であると、セラミックゾル微粒子の吸着向上効果が不十分であり、また0.1 g/gを超えてもさらなる効果の向上は得られない。
【0030】
[B] セラミックゾル微粒子
セラミックゾルは金属アルコキシドのゾル−ゲル法による加水分解中間生成物である。ゾル−ゲル法では、金属アルコキシドを出発物質とし、溶液中での化合物の加水分解・重合により金属酸化物又は水酸化物のゾル微粒子とする。
【0031】
金属アルコキシドは、一般式:M(OR)n (ただしMは金属元素、Rはアルキル基、nは金属元素の酸化数である。)により表される。金属アルコキシドの具体例として、Si(OCH3 ) 4 、Si(OC 2 H 5 ) 4 、Si(i-OC 3 H 7 ) 4 、Si(t-OC 4 H 9 ) 4 、Al(OCH
3 ) 3 、Al(OC 2 H 5 ) 3 、Al(i-OC 3 H 7 ) 3 、Al(t-OC 4 H 9 ) 3 、Ti(OCH3 ) 4 、Ti(OC 2 H 5 ) 4 、Ti
(i-OC 3 H 7 ) 4 、Ti(t-OC 4 H 9 ) 4 、Zr(OCH3 ) 4 、Zr(OC 2 H 5 ) 4 、Zr(OC 3 H 7 ) 4 、Zr(OC 4 H 9 ) 4
、Mg(OCH3 ) 2 、Mg(OC 2 H 5 ) 2 、Ca(OCH3 ) 2 、Ca(OC 2 H 5 ) 2 、Sr(OC 2 H 5 ) 2 、Ba(OC 2 H 5 ) 2
、Zn(OC 2 H 5 ) 2 等が挙げられる。中でもSi、Ti、Al又はZrのアルコキシドが好まし い。
【0032】
金属アルコキシドを有機溶媒又は水若しくはこれらの混合物に溶解する。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコールや、エチレングリコール、エチレンオキサイド、トリエタノールアミン等が挙げられる。得られた溶液に加水分解用の触媒を添加する。触媒の例としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸等の酸の他、アルカリ、アンモニア、アミン等が挙げられる。触媒量は、金属アルコキシドを100 重量部として、0.01〜5重量部であるのが好ましい。触媒量が0.01重量部未満であると、金属アルコキシドの加水分解が十分に進まず、また5重量部を超えると所望のゾル微粒子を得るのが困難となる。
【0033】
金属アルコキシドの加水分解は、室温〜80℃の温度で数時間以上放置しておけば完了する。加水分解により、金属アルコキシドは金属の水酸化物及び/又は酸化物の微粒子となる。ゾル−ゲル法の反応機構は、例えばシリコンアルコキシドとしてSi(OC 2 H 5 ) 4 を使用した場合、以下の通りである。
Si(OC 2 H 5 ) 4 +4H 2 O → Si(OH) 4 +4C 2 H 5 OH・・・(1)
Si(OH)4 → SiO2 +2H 2 O ・・・(2)
【0034】
ただしセラミックゾルの場合、全て水酸化物及び/又は酸化物になっている必要はなく、一部アルコキシド基(OC2 H 5 等)が残留していてもよい。
【0035】
セラミックゾル微粒子の平均粒径は4〜50nm程度である。また、着色剤粒子の表面をできるだけ覆うために、セラミックゾル微粒子の平均粒径は着色剤粒子の平均粒径より小さいことが好ましい。
【0036】
インクの乾燥後光沢を出すのに十分なセラミックス層を形成するように、着色剤粒子の表面にセラミックゾル微粒子が吸着しているのが好ましい。具体的には、セラミックゾル微粒子と着色剤粒子との重量比は、100 :1〜100 :20であるのが好ましい。セラミックゾル微粒子100 重量部に対して着色剤粒子が1重量部未満であると、インクの着色効果が不十分であり、着色剤粒子が20重量部を超えると得られるインクジェット印刷物の表面光沢、耐光性及び耐擦傷性は不十分である。より好ましい着色剤粒子量は、セラミックゾル微粒子100 重量部当たり5〜15重量部である。このようにセラミックゾル微粒子が吸着した着色剤粒子はコロイド粒子としてインク媒体中に安定して分散される。
【0037】
[C] 好ましい組み合わせ
以上の通り、多孔質セラミック微粒子に紫外線吸収性がある場合とない場合とがあり、紫外線カット層がある場合とない場合とがあり、かつセラミックゾル微粒子に紫外線吸収性がある場合とない場合とがある。従って、多孔質セラミック微粒子、紫外線カット層及びセラミックゾル微粒子には種々の組み合わせがあるが、これらのうちいずれか1つに紫外線吸収性が必要である。この観点から、以下の組み合わせが好ましい。ただし、シリカ及び/又はアルミナは紫外線吸収作用のないセラミックスの例であり、TiZrO 4 は紫外線吸収作用を有するセラミック スの例であり、これら以外のセラミックスを使用することができるのは当然である。いずれの場合にも表面処理層を設けるのが好ましい
▲1▼シリカ及び/又はアルミナからなる多孔質セラミック微粒子+紫外線カット層(TiZrO 4 ゲル微粒子等)+シリカ及び/又はアルミナからなるゾル微粒子 。
▲2▼シリカ及び/又はアルミナからなる多孔質セラミック微粒子+紫外線吸収剤(TiZrO 4 等)からなるゾル微粒子。
▲3▼シリカ及び/又はアルミナからなる多孔質セラミック微粒子+[シリカ及び/又はアルミナからなるゾル微粒子+紫外線吸収剤(TiZrO 4 等)からなるゾ ル微粒子]。
▲4▼紫外線吸収剤(TiZrO 4 等)からなる多孔質セラミック微粒子+シリカ及び/ 又はアルミナからなるゾル微粒子。
【0038】
[2] インクの組成
インク中の着色剤(着色剤粒子+セラミックゾル微粒子)の濃度は1〜15重量%とするのが好ましい。着色剤が1重量%未満であると、着色が不十分であり、15重量%を超えるとインクの流動性が低下する。より好ましい着色剤の濃度は1〜5重量%である。
【0039】
インク媒体としては、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等)等の水親和性有機溶媒、水及びこれらの混合物が好ましい。より好ましくは、アルコールと水の混合物である。水親和性有機溶媒/水の重量比は200 :1〜1:1であるのが好ましい。水親和性有機溶媒がこの重量比の上限より多いと、インクジェット印刷の後インクの固化が遅く、また重量比の下限より少ないとインクの保存安定性が劣る。
【0040】
インク媒体には必要に応じて水溶性有機化合物を配合してもよい。好適な有機化合物としては、▲1▼多価アルコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロール等)、▲2▼多価アルコールアルキルエーテル類(エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等)、▲3▼多価アルコールアリールエーテル類(エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等)、▲4▼含窒素複素環化合物類(N-メチル-2- ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2- ピロリドン、1,3-ジメチルイミダゾジノン、ε- カプロラクム、γ- ブチロラクトン等)、▲5▼アミド類(ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド等)、▲6▼アミン類(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等)、▲7▼含硫黄化合物類(ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等)、及び▲8▼カーボネート類(プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等)等が挙げられる。これらのうち、特にジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、N-メチル-2- ピロリドン、チオジエタノール等が好ましい。水溶性有機化合物の配合量は、インク媒体を100 重量部として、0.1 〜20重量部程度とするのが好ましい。
【0041】
インクジェットプリンター用インクには表面張力調整用に界面活性剤を添加するのが好ましい。界面活性剤としては、▲1▼アニオン系(ラウリン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸、硫酸ドデシルナトリウム、モノラウリルリン酸ナトリウム等)、▲2▼ノニオン系(グリセリンモノステアレート、ソルビタンステアレート、しょ糖ステアレート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ドデシルポリオキシエチレンエーテル等)、及び▲3▼両性系(ラウリルジメチル酢酸ベタイン、2-ウンデシル-N- カルボキシメチル-N- ヒドロキシエチルイミダゾニウムベタイン等)が挙げられる。界面活性剤の配合量は、インク媒体を100 重量部として、0.01〜10重量部程度とするのが好ましい。
【0042】
[3] インクの製造方法
まず必要に応じて着色剤粒子に紫外線吸収剤の層を形成する。紫外線吸収剤が無機系の場合には室温〜200 ℃での焼成によりゲル微粒子とすることができる。またシリカゾル等のセラミックゾル微粒子との混合物として使用することもできる。いずれの場合も、着色剤粒子をゾル微粒子の分散液に混合する。得られた混合物を室温〜60℃の温度で0.1 〜24時間撹拌すれば、着色剤粒子の表面にゾル微粒子がくまなく吸着する。着色剤粒子とゾル微粒子の量をバランスさせれば、インク媒体中に余分なゾル微粒子が残留しないインク組成とすることができる。
【0043】
[4] インクジェット印刷方法
本発明のインクをインクジェットプリンターのノズルから噴出させると、媒体中のアルコールが蒸発するとともに、ゾルの濃度が大幅に上昇し、大気との接触によりセラミックゾルと空気中の水分及び/又はインク媒体中の水分との反応が起こり、セラミックゾルは直ちにゲル化する。ゲル化したセラミックスは非常に薄いガラス質で、良好な表面光沢及び耐擦傷性を有する。また種々の媒体に対して良好な密着性を有するので、紙に限らず、布、プラスチックフィルム(ポリエステルフィルムや塩化ビニルフィルム)、金属板、セラミック板等に印刷することができる。
【0044】
【実施例】
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0045】
製造例1〜3
着色剤粒子の製造
下記組成の均一な溶液を調製した。
Figure 0003703187
【0046】
上記溶液を80℃で30時間加熱撹拌し、得られたゲルを乾燥した。乾燥ゲルを乳鉢ですりつぶし、平均粒径0.03μm(30nm)の多孔質シリカ微粒子を得た。
【0047】
下記の染料を0.3 重量%の濃度でエタノールに溶解し、得られた各溶液100ml に対して上記多孔質シリカ微粒子を100 g の割合で入れ、室温で30分間撹拌した。上澄み液が透明になったら、多孔質シリカ微粒子を取り出し、80℃で1時間乾燥し、着色剤粒子A、B及びCを得た。
▲1▼シアン系染料(Solvent Blue 78 )(1) → 着色剤粒子A
▲2▼マゼンタ系染料(Solvent Red 145 )(2) → 着色剤粒子B
▲3▼イエロー系染料(Solvent Yellow 54 )(3) → 着色剤粒子C
注(1) 住友化学工業(株)製「Sumiplast Blue GP 」。
(2) 住友化学工業(株)製「Sumiplast Red 3B」。
(3) 住友化学工業(株)製「Sumiplast Lemon Yellow HGN」。
【0048】
実施例1〜3
下記組成の均一な溶液を調製した。
Figure 0003703187
【0049】
上記溶液を25℃で15時間加熱撹拌し、チタン・ジルコニウム複合酸化物(TiZrO 4 )の紫外線吸収剤ゾル微粒子(平均粒径:10nm)の分散液を調製した。
【0050】
各着色剤粒子A〜C100 重量部に対して、TiZrO 4 ゾル微粒子100 重量部の分散 液を添加し、25℃で5時間撹拌した。その後で固形分を分離し、150 ℃で3時間焼成して、TiZrO 4 ゲル微粒子が付着した着色剤粒子A〜Cを得た。TiZrO 4 ゲル微 粒子の付着量を測定した結果、ほぼ全てのTiZrO 4 が付着していることが分かった

【0051】
次に下記組成の均一な溶液を25℃で10時間加熱撹拌し、シリカゾル微粒子(平均粒径:5nm)の分散液を調製した。
Figure 0003703187
【0052】
TiZrO 4 ゲル微粒子が付着した各着色剤粒子A〜Cをシリカゾル微粒子の分散液 に添加し、25℃で5時間撹拌してコロイド粒子(平均粒径:50nm)を得た。シリカゾル微粒子の付着量は、着色剤粒子100 重量部当たり200 重量部であった。得られた各コロイド粒子の分散液100 重量部に、エチレングリコール25重量部を混合し、下記表1に示す組成のインクジェットプリンター用インクを製造した。
【0053】
Figure 0003703187
【0054】
エプソン(株)製のインクジェットプリンター(MJ-500C )を使用し、各インクでインク受容体を塗布したポリエステルフィルム及びガラス板上に印刷した。フィルム上に印字したサンプルについて、デューサイクル・サンシャイン・スーパーロングライフ・ウエザーメータ「WEL-SUN-DC」(スガ試験機(株)製)で耐光性テストを行った。耐光性テストの条件は、降雨なしで、暴露時間は240 時間であった。また表面光沢を目視で観察し、かつ耐擦傷性を爪による引っ掻き傷の有無により判定した。またガラス板上に印字したサンプルについては、クロスハッチテスト法により密着力の評価を行った。なおクロスハッチテスト法は、カッターナイフで1mm間隔に切れ目を入れて100 個の枡目を形成し、セロハンテープを貼付した後で剥離し、残留した枡目をカウントするものである。テスト結果を表2に示す。各テストの評価は以下の通りである。
【0055】
(1) 耐光性テスト
◎:非常に良い(240 時間後に褪色が全く認められなかった)。
○:良い(240 時間後に褪色が僅かに認められた)。
△:普通(240 時間後に通常のインクジェットプリンターの印刷物と同程度の褪色が認められた)。
【0056】
(2) 表面光沢テスト
◎:非常に良い(写真と同様な光沢があった)。
○:良い(写真にやや劣るが、光沢があった)。
△:普通(ほとんど光沢がなかった)。
【0057】
(3) 耐擦傷性テスト
◎:非常に良い(引っ掻き傷が全くできなかった)。
○:良い(引っ掻き傷がほとんどできなかった)。
△:普通(引っ掻き傷が容易にできた)。
【0058】
(4) 密着力テスト
◎:非常に良い(残留枡目100 個)。
○:良い(残留枡目50〜99個)。
△:普通(残留枡目50個未満)。
【0059】
Figure 0003703187
【0060】
以上の通り、実施例1〜3のインクジェットプリンター用インクにより、耐光性、表面光沢及び耐擦傷性に優れた印刷物を作製することができた。
【0061】
比較例1〜3
実施例1と同じ条件でTiZrO 4 ゲル微粒子が付着した着色剤粒子A〜Cを作製し 、各々の分散液100 重量部にエチレングリコール25重量部を混合し、下記表3に示す組成のインクジェットプリンター用インクを製造した。
【0062】
Figure 0003703187
注:TiZrO 4 ゲル微粒子の量は着色剤粒子100 重量部当たりの重量部で表す。
【0063】
実施例1と同じ条件で耐光性、表面光沢及び耐擦傷性のテストを行った。結果を表4に示す。
【0064】
Figure 0003703187
【0065】
以上の通り、シリカゾル微粒子が付着していない着色剤粒子を含有するインクジェットプリンター用インクにより作製した印刷物は、耐光性に優れているものの表面光沢、耐擦傷性及び密着力に劣ることが分かった。
【0066】
実施例4〜 12 及び比較例4
下記組成の均一な溶液を調製した。
Figure 0003703187
【0067】
上記溶液を25℃で20時間加熱撹拌し、チタン・ジルコニウム複合酸化物(TiZrO 4 )の紫外線吸収剤ゾル微粒子(平均粒径:12nm)の分散液を調製した。
【0068】
同様に下記組成の均一な溶液を25℃で10時間加熱撹拌し、シリカゾル微粒子(平均粒径:5nm)の分散液を調製した。
Figure 0003703187
【0069】
製造例1〜3で作製した各着色剤粒子A〜C100 量部を、TiZrO 4 ゾル微粒子及 び/又は及びシリカゾル微粒子の分散液に下記表5の割合で添加し、25℃で20時間撹拌し、コロイド粒子(平均粒径:12nm)を得た。各コロイド粒子の分散液に、エチレングリコール25重量部を混合し、下記表5の組成を有するインクジェットプリンター用インクを製造した。
【0070】
Figure 0003703187
【0071】
実施例1と同じ条件で耐光性、表面光沢、耐擦傷性及び密着性のテストを行った。結果を表6に示す。
【0072】
Figure 0003703187
【0073】
以上の通り、TiZrO 4 ゾル微粒子及びシリカゾル微粒子が付着している着色剤粒 子を含有するインクジェットプリンター用インク(実施例4、7、10)により作製した印刷物は、耐光性、表面光沢及び耐擦傷性に非常に優れていることが分かった。またTiZrO 4 ゾル微粒子及びシリカゾル微粒子のいずれもが付着していない 比較例4の場合には、印刷物の耐光性、表面光沢及び耐擦傷性は劣っていた。
【0074】
実施例 13 15
製造例1で得た着色剤粒子A〜Cに以下の手順で紫外線カット層を作成した。まず、溶剤可溶型ポリアミド樹脂(東レ(株)製 CM-8000)99重量%に紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(「Sumisolb 200」住友化学工業(株)製)1重量%を添加してなる組成物を、0.1 重量%の濃度となるようにエタノールに溶解した。得られた溶液100 mlの各々に、着色剤粒子A〜C100 g を入れ、室温で30分間撹拌した。その後80℃で1時間乾燥し、紫外線カット層を有する着色剤粒子A〜Cを得た。
【0075】
各着色剤粒子A〜Cを、実施例1で作製したのと同じシリカゾル微粒子の分散液に添加し、コロイド粒子とした。実施例1と同様にして各コロイド粒子からインクジェットプリンター用インクを作製し、得られた印刷物の評価を行った。結果を表7に示す。
【0076】
Figure 0003703187
以上の通り、実施例13〜15のインクジェットプリンター用インクにより、耐光性、表面光沢及び耐擦傷性に優れた印刷物を作製することができた。
【0077】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明のインクジェットプリンター用インクでは、セラミックゾル微粒子が付着した着色剤粒子がコロイド粒子としてインク媒体中に安定に分散しているので、着色剤粒子を含有するにもかかわらずインクジェットプリンターのノズルの目詰まりの恐れがないのみならず、保存中のコロイド粒子の沈降の恐れもない。またこのインクにより得られる印刷物は表面にセラミックス層を有するので、表面光沢、耐光性及び耐擦傷性に優れている。さらに非常に薄いセラミックス層であるので、印刷物を屈曲させても、表面にひび割れが生じる恐れがなく、かつ紙に限らず、布、ポリエチレンテレフタレートフィルムや塩化ビニルフィルム等のような種々のプラスチックフィルム、金属板、セラミック板等にも印刷することができる。

Claims (13)

  1. 多孔質セラミックス微粒子に染料を吸着させてなる着色剤粒子と、前記着色剤粒子の表面に付着したセラミックゾル微粒子とからなる平均粒径が5〜200 nmのコロイド粒子がインク媒体中に分散していることを特徴とするインクジェットプリンター用インク。
  2. 請求項1に記載のインクジェットプリンター用インクにおいて、前記着色剤粒子は紫外線カット層で被覆されていることを特徴とするインクジェットプリンター用インク。
  3. 請求項2に記載のインクジェットプリンター用インクにおいて、前記紫外線カット層は酸化錫、酸化チタン及びチタン・ジルコニウム複合酸化物からなる群から選ばれた少なくとも1種の無機系紫外線吸収剤により形成されていることを特徴とするインクジェットプリンター用インク。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェットプリンター用インクにおいて、前記多孔質セラミックス微粒子がシリカ及び/又はアルミナからなることを特徴とするインクジェットプリンター用インク。
  5. 請求項1に記載のインクジェットプリンター用インクにおいて、前記多孔質セラミックス微粒子が酸化錫、酸化チタン及びチタン・ジルコニウム複合酸化物からなる群から選ばれた少なくとも1種からなることを特徴とするインクジェットプリンター用インク。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェットプリンター用インクにおいて、前記セラミックゾル微粒子がシリカゾル、アルミナゾル、酸化錫ゾル、酸化チタンゾル及びチタン・ジルコニウム複合酸化物ゾルからなる群から選ばれた少なくとも1種のゾル微粒子であることを特徴とするインクジェットプリンター用インク。
  7. 請求項1に記載のインクジェットプリンター用インクにおいて、前記着色剤粒子の表面に、酸化錫、酸化チタン及びチタン・ジルコニウム複合酸化物からなる群から選ばれた少なくとも1種の紫外線吸収剤により形成された紫外線カット層が形成されており、その上にシリカゾル及び/又はアルミナゾルからなるセラミックゾル微粒子が付着していることを特徴とするインクジェットプリンター用インク。
  8. 請求項1に記載のインクジェットプリンター用インクにおいて、前記着色剤粒子の表面に、酸化錫、酸化チタン及びチタン・ジルコニウム複合酸化物からなる群から選ばれた少なくとも1種のゾル微粒子と、シリカ及び/又はアルミナからなるゾル微粒子との混合物が付着していることを特徴とするインクジェットプリンター用インク。
  9. 請求項1に記載のインクジェットプリンター用インクにおいて、前記多孔質セラミック微粒子はゾル−ゲル法により形成されたゲル微粒子であることを特徴とするインクジェットプリンター用インク。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のインクジェットプリンター用インクにおいて、前記着色剤粒子はシランカップリング剤により表面処理されていることを特徴とするインクジェットプリンター用インク。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のインクジェットプリンター用インクにおいて、前記コロイド粒子が分散しているインク媒体は水親和性有機溶媒と水との混合物であり、前記水親和性有機溶媒と水との重量比は200 :1〜1:1であることを特徴とするインクジェットプリンター用インク。
  12. 請求項11に記載のインクジェットプリンター用インクにおいて、前記水親和性有機溶媒はアルコールであることを特徴とするインクジェットプリンター用インク。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載のインクジェットプリンター用インクにおいて、前記着色剤粒子の平均粒径が前記セラミックゾル微粒子の平均粒径より大きいことを特徴とするインクジェットプリンター用インク。
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