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JP3797442B2 - 画像再生方法および装置 - Google Patents

画像再生方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカメラで撮影した写真フイルムから写真プリント等の可視像を再生する画像再生方法および装置、特にカラープリント等の再生写真画像における周辺減光を補正する手段を備えた画像再生方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カメラで撮影した写真フイルムからプリント等の可視像を再生すると、画像の周辺が暗くなっていることがある。特に小形化が進んだ最近のコンパクトカメラで撮影した写真にはその傾向が見られる。これはカメラレンズにはcos4 則という、光軸から離れて周辺になるほど暗くなる現象があることによるもので、高級1眼レフカメラの広角レンズでは前玉によって周辺減光を修正しているため、このような現象は見られないが、特に小形化を追及した最近のカメラではレンズを広角気味にしているため、周辺減光が目立つようになっている。また安価なレンズを採用しているレンズ付きフイルム(使い捨てカメラともいう。以下「レンズ付きフイルム」という)においても、この周辺減光は顕著で、避けられない現象となっている。具体的には、一様である筈の背景の青空が、画面の周辺に至るにしたがって暗くなるように写っていたり、一様に緑の芝生が画面の周辺に至るにしたがって影があるように写っていたりする。
【0003】
また、照明不足を補うためにストロボを使用した場合にも、小形化を追及したストロボの場合には周辺減光が目立つ。特に廉価なストロボを採用しているストロボ付きレンズ付きフイルムや、ストロボ内蔵型のカメラにおいて、この周辺減光の傾向が強い。
【0004】
このような周辺減光は、前述の青空や芝生のように均一な背景が大きく入った写真や、均一な明度の無模様の壁の前でストロボを発光させて撮影した写真などでは特に目立ち、気になるため、何らかの対策が望まれる。
【0005】
この周辺減光の問題を解決する一つの方法として、特に周辺減光の傾向が強いレンズ付きフイルムについては、プリント処理の際にレンズ付きフイルムであることが前もって分かるので、プリントに使用する光源の分布を周辺減光を補正するように調整してプリントすることが考えられる。しかし、一般のカメラで撮影したフイルムはどのようなカメラ(周辺減光の程度)で撮影したもの区別がつかないためこの方法は採用できない。
【0006】
このような場合にも対処できる周辺減光の問題を解決するものとして、CRTを照明光源として使用したプリンタにおいて、周辺減光を補正するようなCRTの発光パターンを複数用意しておき、モニタを見ながら周辺減光を補正するのに最適なパターンを選択する装置(特開昭64-35538号)が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこの装置では周辺減光の程度の判定は人手に頼っており、オペレータがモニタを見て判定するようになっているため、高い生産性が確保できないという難点がある。特に大量に写真フイルムを処理する工業用のプリントシステムにおいては、このような人手に頼る方法は現実的ではない。
【0008】
本発明はこのような従来技術の状況に鑑み、カメラの周辺減光を自動的に除去あるいは補正し、安価なカメラで撮影したフイルムからでも、周辺減光に関し、高級カメラで撮影したものと大差ない写真プリント、CRT表示等の再生画像を得ることを可能にする画像再生方法および装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による画像再生方法および装置は、写真フイルム上の写真画像から可視像を再生する画像再生方法において、撮影時に写真フイルムに周辺減光の強さに対応する情報を記憶しておき、再生時にその情報を読み取り、周辺減光の強さに対応する周辺減光補正を行なうことを特徴とするものである。
【0010】
画像再生の方法としては、写真フイルムから画像を読み取って写真画像を表すデジタル画像信号を得た後そのデジタル画像信号から可視像を再生するものでもよいし、写真フイルムをCRTで照明し、その写真フイルムを透過した光を感光材料に露光することにより感光材料に可視像を再生する方法でもよい。前者の場合は、周辺減光補正としてデジタル画像信号に周辺減光の強さに対応する補正を施す処理を採用し、後者の場合は、周辺減光補正としてCRTの発光パターンを周辺減光の強さに対応して補正するものを採用する。
【0011】
さらに前者の場合、可視像を再生する画像再生方法は、デジタル画像信号により変調された光を感光材料に露光することによりその感光材料に可視像を再生するデジタルフォトプリント方法のほか、デジタル画像信号により変調された映像信号をCRT上に表示することによりそのCRT上に可視像を再生する方法、すなわちモニタのための再生も含むものである。
【0012】
また、前記周辺減光を補正する処理としては、デジタル画像信号から可視像を再生する処理工程において、予め用意された複数種類の周辺減光補正用の信号の中から、周辺減光の強さに対応する信号をデジタル画像信号に加算する処理が可能である。その方法としては、例えば、周辺減光を補正する数種類のパターンを記憶したメモリを用意し、その中から周辺減光の強さに対応するものを選択する方法、前記複数種類の周辺減光補正用の信号を、前記デジタル画像信号から可視像を再生する処理工程において使用されるルックアップテーブルとして予め用意し、その中から最適のものを選択する方法等がある。
【0013】
そのルックアップテーブルとしては、自動覆い焼き方法(特願平7-165965号)により周辺減光を補正し、補正の程度はLPFの後ろのルックアップテーブルでコントロールする方法、あるいはメディアンフィルタを使用した自動覆い焼き方法(特願平8-16646号)により周辺減光を補正し、補正の程度はメディアンフィルタの後ろのルックアップテーブルでコントロールする方法等がある。
【0014】
また、前記後者のタイプの画像再生方法にあっては、前記周辺減光補正は、予め用意された複数種類の前記CRTの発光パターンの中から、周辺減光の強さに対応する発光パターンを選択するものとすることができる。
【0015】
また、前記周辺減光の強さに対応する情報としては、撮影に使用されたカメラレンズの周辺減光の強さに対応する情報のほか、撮影に使用されたストロボの周辺減光の強さに対応する情報あるいはさらに、撮影時にストロボが使用されたか否かに対応する情報を採用することができる。
【0016】
さらに、周辺減光の強さに対応する情報がフイルムに記録されていない場合でも、レンズ付きフイルムのようにフイルムの形態から受付工程で確認ができるものはその旨をプリンタが確認できる形で入力しておけば、それを前記「周辺減光の強さに対応する情報」と見なして、再生時にその情報を読み取り、周辺減光の強さに対応する周辺減光補正を行うことができる。
【0017】
覆い焼き処理には低周波の濃淡を打ち消す性質があるので、周辺減光によるシェーディングをかなり弱める効果がある。しかし、一般には絵柄の濃淡とカメラレンズやストロボの周辺減光は掛け合わさっているため、この効果だけでは十分でない。周辺減光の強さが予め分かっていれば、覆い焼きによる低周波の階調圧縮の程度を強くすることが可能になり、これにより周辺減光の影響を効果的に目立たなくすることができる。
【0018】
【発明の効果】
本発明による画像再生方法および装置は、撮影時に使用されたカメラレンズの周辺減光の強さや使用されたストロボの周辺減光の強さ等に対応する情報を写真フイルムに記憶しておき、その情報を再生時に読み取って周辺減光の強さに対応する周辺減光補正を行なうものであるから、自動的に周辺減光補正を行なうことができる。
【0019】
したがって、安価なカメラで撮影したフイルムからでも、周辺減光の除去あるいは修正された写真プリント、CRT表示等の再生画像を得ることができる。
【0020】
レンズ付きフイルムのようにフイルムの形態から受付工程で確認ができるものは、それを周辺減光の強さに対応する情報として、再生時にそれにしたがって周辺減光の強さに対応する周辺減光補正を行うことができる。
【0021】
また、自動覆い焼き方法においては覆い焼きの処理に使用されるルックアップテーブルを周辺減光の強さに対応して変えることにより容易に周辺減光を補正することができる。
【0022】
【発明の実施の形態の背景】
本発明の実施の形態について説明する前に、以下、本発明を適用する対象の例としてのデジタルフォトプリントシステム、CRTを照明光源としたプリンタ、およびそれらに適用される覆い焼き処理、マスキングプリント方法、シェーディング補正等の例について詳細に説明する。
【0023】
近年、ネガフイルム、リバーサルフイルム等の写真フイルムや写真プリント、印刷物等に記録された画像情報を、光電的に読み取って、読み取った画像をデジタル信号とした後、種々の画像処理を施して記録用の画像情報とし、この画像情報に応じて変調した記録光によって印画紙等の感光材料を走査露光してプリントするデジタルフォトプリンタの開発が進んでいる。
【0024】
デジタルフォトプリンタは、複数画像の合成や画像の分割等の編集や、文字と画像との編集等のプリント画像のレイアウトや、色/濃度調整、変倍率、輪郭強調等の各種の画像処理も自由に行うことができ、用途に応じて自由に編集および画像処理したプリントを出力することができる。また、従来の面露光によるプリントでは、感光材料の再現可能濃度域の制約のため、フイルム等に記録されている画像濃度情報をすべて再生することはできないが、デジタルフォトプリンタによればフイルムに記録されている画像濃度情報をほぼ100 %再生したプリントが出力可能である。
【0025】
このようなデジタルフォトプリンタは基本的に、フイルム等の原稿に記録された画像を読み取る読取手段、読み取った画像を画像処理して後の露光条件を決定し、決定された露光条件に従って感光材料を走査露光して現像処理を施したり、モニターに表示したりする画像再生手段より構成される。
【0026】
フイルム等に記録された画像の読取装置においては、例えばスリット走査による読み取りでは、1次元方向に延在するスリット状の読取光をフイルムに照射するとともに、フイルムをこの1次元方向と略直交する方向に移動(あるいは読取光と光電変換素子とを移動)することにより、フイルムを2次元的に走査する。フイルムを透過したフイルム画像を担持する透過光は、CCDラインセンサ等の光電変換素子の受光面上に結像して、光電変換されて読み取られる。読み取られた光量データは増幅され、A/D変換によりデジタル信号とされ、各CCD素子による特性のバラツキの補正、濃度変換、倍率変換等の各種の画像処理が施されて、再生手段に転送される。
【0027】
再生手段においては、転送された画像情報を、例えばCRT等のディスプレイに可視像として再生する。オぺレータは、再生画像を見て、必要であればこの再生画像に階調補正や色/濃度補正等の補正をさらに加え(セットアップ条件の設定)、再生画像が仕上りプリントとして合格(検定OK)であれば、記録用の画像情報として現像手段やモニターに転送する。
【0028】
画像再生装置においては、ラスタースキャン(光ビーム走査)による画像記録を利用するものの場合は、感光材料に形成される3原色の感光層、例えばR、GおよびBの3色の露光に対応する3種の光ビームを、記録用の画像情報に応じて変調して主走査方向(前記1次元方向に対応)に偏向すると共に、この主走査方向と略直交する方向に、感光材料を副走査搬送する(偏向された光ビームと感光材料とを相対的に副走査する)ことにより、記録画像に応じて変調された光ビームによって感光材料を2次元的に走査露光して、読み取ったフイルムの画像を感光材料に記録する。露光済の感光材料は、次いで感光材料に応じた現像処理、例えば銀塩写真感光材料であれば、発色・現像→漂白・定着→水洗→乾燥等の現像処理が施され、仕上りプリントとして出力される。
【0029】
このような感光材料が記録できる被写体の輝度レンジは比較的広いが、感光材料は最大濃度が制限されているため、通常のプリント方法では輝度差が大きいシーンのプリントは明るい部分(明部)あるいは暗い部分(暗部)のどちらかがつぶれてしまう傾向がある。例えば、人物を逆光で撮影したような場合、人物が明瞭となるようにプリントすると、空のような明るい部分は白くとんでしまい、空のような明るい部分が明瞭となるようにすると人物が黒くなってつぶれてしまう。この問題を解決するために、覆い焼きやマスキングプリントというような方法が用いられている。
【0030】
覆い焼きは、シーン中の中間的な濃度の領域には通常の露光を与え、プリント上で白くとびそうな領域(例えば人物の背景としての遠くの山などを含む遠景の部分)に孔あき遮蔽板を使って選択的に長時間露光を与えたり、プリント上で黒くつぶれそうな領域(例えば逆光の中の人物の部分)には遮蔽板を用いて選択的に露光時間を短くすることにより、個々の被写体のコントラストは維持し、かつ明部・暗部のつぶれのないプリント、例えば遠景も人物も適度なコントラストで見えるプリントを得るというものである。このように局部的に露光時間を制御する遮蔽板として、原画フイルムのネガポジを反転したボケ像を写真的に作成したものを用いて、原画フイルムとボケ画像フイルムとを重ねてプリントを行う方法が提案されている。
【0031】
また、写真原画の照明光源の明るさを部分的に変化させることにより、覆い焼きと同様の効果を得ることができるマスキングプリント方法も提案されている。(例えば、特開昭58-66929号、特開昭64-35542号、特公昭64-10819号)。
【0032】
特開昭58-66929号には、CRTを照明光源にして、メモリスキャンにより原画を測光してカラー原画のボケマスクデータを作成し、露光モードにおいてはこのボケマスクデータによりCRTの発光を制御して、原画が確実に感光材料のコントラスト再現限界に記録されるようにコントラストの制御を行う装置が記載されている。
【0033】
また、特開昭64-35542号には、CRTを照明光源とし、原画を測光する光路と感光材料に露光する光路とを切り換え可能にしておき、再生される画像の階調補正と彩度補正を行うための露光時のCRTの輝度制御信号を原画の測光データに基づいて作成するとともに、再生画像をモニタに表示するための信号を生成し、これを観察してCRTからの光量を制御して所望とする再生画像が得られるようにした装置が記載されている。
【0034】
さらに、特公昭64-10819号には、均一な面光源と原画との間に液晶のような光の透過率を部分的に変化させることができるマトリクスデバイスを配置し、原画の測光データに基づいてこの液晶の透過率を制御して再生画像のコントラストを調整することができるようにした装置が記載されている。
【0035】
一方、再生時のグレーバランスを補正するために、原画上の各色毎に濃度値の最大、最小値が再生画像上でそれぞれ予め設定された一定の値になるように変換する方法が提案されている(特開平6-242521号)。この方法は階調の制御をフイルムのコマごとに行うことができるため、輝度差が大きいシーンでは画像全体の階調を軟調化してシーンの輝度レンジが感光材料のダイナミックレンジ内に収まるようにして明部および暗部のつぶれをなくすようにしたものである。
【0036】
上述した覆い焼きやマスキングプリント法においては、再生される画像に関係なく用意される遮蔽板を操作するために極めて高度な技術を必要とし、またボケ画像フイルムを作成するためには非常に手間がかかり、プリント効率が極めて低くなってしまうという難点がある。
【0037】
また、上述した特開昭58-66929号、特開昭64-35542号、特公昭64-10819号においては、ある程度大きな構造物のコントラストは照明光源の輝度分布により調整することにより再生することはできる。しかしながら、再生画像の局所的な構造は原画フイルムの投影像に対応しているため、エッジ部も含めた色再現を自由にコントロールすることができない、エッジの鮮鋭度を自由にコントロールできない、あるいは原画のオーバー、アンダー部などの階調を自由にコントロールできないなどの欠点がある。
【0038】
さらに、特開昭58-66929号、特開昭64-35542号、特公昭64-10819号に記載された装置においては、測光および露光のための処理がシーケンシャルに行われるため処理能力が遅くなったり、または測光時と露光時とで原画の移動量がずれた場合にプリント像が乱れるという問題がある。また、特開昭64-35542号においてはモニタを用いるため補正の程度の判断はモニタを見て判断する人手に頼らなくてはならず、処理が自動的にできないという問題がある。また、液晶を用いる特公昭64-10819号においては、液晶の透過率は最大30%程度であるため露光時間が長くなってしまう。さらに、CRTの管面はガラスで覆われておりガラスの内側が光るようになっているものである。このためCRTの管面にフイルムを密着させてもCRTの光っている面とフイルムとの間には実質的に隙間ができることとなる。このため測光データを表示する特開昭64-35542号においては、測光時にCRT発光面とフイルム面との間の隙間により、測光結像系にボケが生じて鮮明なまた、CRTを照明光源としたプリンタにおいて周辺減光のシェーディング補正を行なう方法も提案されている。(例えば特開昭64-35538号)
特開昭64-35538号には、CRTを照明光源として写真フイルムの画像を感光材料に焼き付けるプリンタにおいて、強さのことなる周辺減光を補正するための数種類のCRTの発光パターンを記憶しておき、写真フイルムの画像を撮像してモニタに表示し、これを観察して最適な補正用発光パターンを選択することにより周辺減光を補正するようにした装置が記載されている。ここに記載された装置においては、補正の程度の判断はモニタを見て作業する人手に頼らなくてはならず、処理が自動的にできないという問題がある。
【0039】
また、特開平6-242521号においては、明部および暗部のつぶれをなくすことはできるものの、個々の被写体のコントラストが弱くなり、めりはりのないプリント像になってしまうという問題がある。
【0040】
そこで、コントラストが大きい画像であっても画像のめりはりを失うことなく、明部および暗部のつぶれをなくし、さらにはエッジ付近に違和感を生ずることなく色再現性も向上させることにより高画質のプリント像を得るための画像再生方法および装置が提案されている。(本出願人による特願平7-165965号)
特願平7-165965号の画像再生方法および装置は、上述したようなカラー画像を表すデジタル画像信号を可視像として再生する画像再生方法および装置においてカラー画像のボケ画像を表すボケ画像信号を作成し、このボケ画像信号をデジタル画像信号、および作成されたボケ画像信号に対して相対応する画素についての信号間で減算を行なって差信号を得、この差信号に対して所定の画像処理を施して処理済画像信号を得、それを可視像として再生するようにしたものである。
【0041】
このようにして得られる差信号は画像全体のコントラストは弱められているものの、高周波数成分により表される局所的なコントラストは原画像であるカラー画像と略同様なものとなっている。したがって、差信号に画像処理を施した処理済画像信号を再生することにより得られる再生画像は、原画像全体のコントラストが強いものであっても、画像全体のコントラストが弱められ、かつこの明部および暗部内の細かなコントラストは残っているため、明部および暗部の双方の画像がつぶれることがないものとなり、従来の覆い焼きと同等の効果を得ることができる。
【0042】
また、デジタル画像信号を明暗信号に変換し、この明暗信号をフィルタリング処理するなどしてボケ画像信号を作成することにより、処理済画像信号を再生した画像は、特に画像内の被写体のエッジ部分においてカラー画像と比較して明るさは変化しているものの、色の再現性は担保される。したがって、元のカラー画像と比較して不自然さのない画像を得ることができる。
【0043】
さらに、得られるカラー画像信号を予め測定するプレスキャンを行うものにおいては、デジタル信号を所定間隔で間引いてフイルム透過光の検出を行うプレスキャンにより得られる間引き信号のボケ信号を作成し、このボケ信号の間引かれた間隔を補間してボケ画像信号を作成することにより、カラー画像を表すデジタル画像信号を可視像として再生するために必要な処理において得られる信号を用いてボケ画像信号を作成することとなるため、効率のよい画像の再生を行うこともできる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0045】
図1は本発明による画像再生装置の第1の実施の形態を表す図である。これはデジタルフォトプリントの覆い焼き処理において周辺減光補正をするもので、補正の強さはローパスフィルタの後ろのルックアップテーブルでコントロールするものである。図1に示すように本発明の第1の実施の形態による画像再生装置1は、画像読取部1Aと画像処理部1Bとからなる。画像読取部1Aは、光源2と、光源2からの光量を調整するための調光部3と、光源2からの光をRGBの3色に変換するためのRGBフィルタ4と、RGBフィルタ4を透過した光を拡散させてフイルム6に照射するためのミラーボックス5と、フイルム6を透過した光をエリアタイプのCCD8に結像させるためのレンズ7とからなるものである。フイルム6はモータ23により回転駆動されるフイルム送りローラ24によりコマ送りされる。なお、画像読取方式はエリアタイプのCCDの代りに、ラインセンサを相対的に移動する方式でも、ドラムスキャナのようにスポット測光する方式でもよい。
【0046】
フイルム6は、撮影画像の記録される画像記録領域の外の側縁に沿った位置に種々のデータを記録する磁気ストライプを備え、画像再生装置には、そこに記録された情報を読み取る磁気ヘッド25が設けられている。磁気ヘッド25の出力は、CPU26に入力され、CPU26の出力が後述のルックアップテーブル(LUT)17に入力される。フイルム6の磁気ストライプには、撮影時にカメラによりそのカメラの種類(例えば周辺減光の強いレンズ使用のカメラであること)や、ストロボを使用したことが記録され、磁気ヘッド25はその情報を読み取り、CPU26に入力する。
【0047】
一方、画像処理部1Bは、CCD8において検出されたRGB3色の画像信号を増幅するためのアンプ10と、増幅された画像信号をデジタル画像信号にA/D変換するためのA/D変換手段11と、デジタル画像信号を濃度信号に変換するためのルックアップテーブル(LUT)12と、濃度変換されたデジタル画像信号をRGBの色ごとに記憶するフレームメモリ13R,13G,13Bと、デジタル画像信号を後述する感光材料上で適切な色に再現されるような色の信号となるように補正して信号SA を得るマトリクス(MTX)14と、信号SA を明暗信号に変換するためのMTX15と、明暗信号をボケ信号とするためのローパスフィルタ(LPF)16と、ボケ信号のコントラストを調整してボケ画像信号SB を得るLUT17と、信号SA から信号SB の減算を行なって差信号Ssub を得る減算手段18と、差信号Ssub のコントラストを補正するためのLUT19と、コントラストが補正された信号SをD/A変換するためのD/A変換手段20,21とからなるものである。
【0048】
ここで、LUT17は、図2に示すような階調曲線を与えるテーブルデータを記憶するものであり、入力される信号値が大きい程出力される信号値が若干大きくなる非線形となるようなγ特性となっている。ここでこのテーブルデータには、周辺減光の強い画像を補正するテーブルデータ、周辺減光の弱い画像を補正するテーブルデータが選択自在に用意されており、これら各種の補正データを記憶するLUT17のうち、いずれのLUT17を使用するかについて、前記CPU26が、周辺減光の強さについての情報を読み取った磁気ヘッド25からの信号を受けて指示し、その指示にしたがって最適なLUT17が選択されて使用される。
【0049】
また、LUT19は、図3に示すような階調曲線を与えるテーブルデータを記憶するものであり、入力される信号値が大きい程出力される信号値が小さくなる非線形となるようなγ特性となっている。ここで、LUT17,19による一連の画像処理の結果得られる画像信号のコントラストは、画面全体の大面積コントラストに関しては、1−(LUT17のγ)の値により決定され、局所的なコントラストは(1−(LUT17のγ))×(LUT19のγ)により決定される。LUT17のγは画面全体の大面積コントラスト(例えば、逆光シーンであれば背景と主要被写体の明るさの差)に応じて変化させればよいが、各種のシーンに対する本出願人の実験の結果、局所的なコントラストは画面全体のコントラストに関係なく略一定にすることが好ましいことが分かった。したがって、LUT19はLUT17に連動して(1−(LUT17のγ))×(LUT19のγ)の値が略一定となるように設定することが好ましい。したがって、本実施の形態においてはLUT17は図2に、LUT19は図3に示すようなγ特性を有するものとして上記(1−(LUT17のγ))×(LUT19のγ)の値が略一定となるようにしているものである。
【0050】
一方、MTX14は読み取られた画像信号を適切な色に仕上げるためのマトリクスであり、フイルム6が有する分光特性と最終的に画像が再生される感光材料の分光特性との組合わせで適切な色に再現されるように画像信号を補正するものである。また、MTX15は、RGBのカラー画像信号を明暗信号に変換するものであり、RGBの各画像信号の平均値の3分の1、あるいはYIQ規定などを用いてカラー画像信号を明暗信号に変換するものである。
【0051】
また、LPF16は、画像信号を2次元的にぼかすためのボケマスクフィルタであり、図4に示すような特性を有する。ここで、ボケマスクの直径が小さ過ぎると鮮鋭度が不自然に強調されたり、エッジ部分のオーバーシュートが目立つようになってしまう。一方、ボケマスクの直径が大き過ぎると主要被写体が小さいときにボケマスクの効果があまり現れなかったり、演算量が多くなって装置の規模が大きくなってしまうという欠点が生じる。本出願人による各種シーンに対する実験の結果、135フイルムの場合のマスクサイズの半値幅の直径はフイルム上で0.3 から3mm程度(さらに望ましくは0.5 から2mm程度が好ましい。なお、フイルムサイズが135フイルムよりも大きい場合は、ボケマスクサイズも大きくした方が好ましい。
【0052】
さらに、一連の画像処理の結果得られる画像信号の彩度の強弱は、
(MTX14)×(1-(LUT17のγ)×(MTX15))×(LUT19のγ)
により決定される。したがって上記式のMTXやLUTの係数を適切に定めることにより自由に色再現性をコントロールすることができる。また、MTX15をカラー信号を明暗信号に変換するマトリクスとすることにより被写体のエッジ部分の色再現性を維持しつつ、ボケマスクを作用させることができると同時に、上記演算を行う回路の構成を簡易なものとすることができる。
【0053】
また、画像によってボケマスクの効果の強弱をコントロールするためのLUT17のγの値を変化させたときにプリントの色再現性が一定となるようにするためには、上記式の値が略一定となるようにMTX12および/またはMTX15の値を互いに連動させて変更すればよい。
【0054】
次いで上記実施の形態の作用を図1および図5を参照して説明する。
【0055】
まず画像読取部1Aの光源2から光が発せられ、調光部3により所定光量の光とされる。この光量は例えば予め測定されたフイルム6に記録された画像の最低濃度点の透過光量が、CCD8の飽和レベルの僅かに下のレベルとなるように設定される。そしてこの光はRGBフィルタ4を透過し、ミラーボックス5により拡散されてフイルム6に照射される。フイルム6に記録されている画像に応じて変調されたフイルム6の透過光はレンズ7を通じてCCD8に照射され、フイルム6に記録された画像を表す画像信号に光電的に変換される。本実施の形態においては図5(a) に示すような逆光の画像であって、太陽光が反射するキャッチライト31を含むシーンがフイルム6に記録されているものとする。ここで、RGBフィルタ4をR、G、Bと切り換えることによりカラー画像を表す3色の画像信号が得られ、画像処理部1Bに送られる。画像処理部1Bにおいては以下の処理がなされる。
【0056】
画像読取部1Aにおいて得られた画像信号は微弱であるため、アンプ10により増幅された後にA/D変換器11においてデジタル画像信号に変換される。デジタル画像信号はLUT12により濃度信号に変換されてフレームメモリ13R,13G,13Bにそれぞれ記憶される。
【0057】
次いで、フレームメモリ13R,13G,13Bに記憶された画像信号が読み出されてMTX14により色の補正がなされる。ここでMTX14は上述したようにフイルム6が有する分光特性と、最終的に画像が再生される感光材料の分光特性とを合わせて色が再現されるようにデジタル画像信号を補正するものである。MTX14により色補正がなされたデジタル画像信号SA は後述する減算手段18に入力される。
【0058】
ここで、減算手段18に入力されるデジタル画像信号SA としては図5(b) に示す画像30のI-I 断面におけるようなプロフィールの信号32となる。このデジタル画像信号SA と最終的なプリント濃度との関係は以下のようになる。すなわち、信号値とプリント濃度との関係を表す階調曲線35において、被写体がつぶれることなく再現できる領域は図5(b) の破線で示す領域Gである。したがって、デジタル画像信号SA においては、画像30のキャッチライトの部分および人間の部分がこの領域Gから外れてしまっているため、このまま信号を感光材料にプリントすると、キャッチライトの部分が白く飽和し、人間の部分が黒くつぶれてしまい、像の一部の濃淡が再現されなくなってしまう。そこで本発明は以下の処理を行うことによりこのような明る過ぎる部分および暗過ぎる部分がつぶれることなく感光材料にプリントできるようにするものである。
【0059】
まず、デジタル画像信号SA が減算手段18に入力される一方で、信号SA が複製されてMTX15により明暗信号に変換される。ここでMTX15は前述したようにRGBの各画像信号の平均値の3分の1、あるいはYIQ規定などを用いてカラー画像信号を明暗信号に変換するものである。
【0060】
このようにして得られた明暗信号は次いでLPF16によりボケマスク信号に変換される。そしてこのボケマスク信号は周辺減光の強さに対応して明暗信号を補正する成分を含んだLUT17により階調変換され、これによりボケ画像信号SB に変換される。このボケ画像信号SB を図5(c) に示す。デジタル画像信号SA とボケ画像信号SB とを比較すると、デジタル画像信号SA のキャッチライトの部分あるいは人間の部分がボケ画像信号SD においてはボカされたようになっている。すなわち、デジタル画像信号SA 中の高周波数成分が消え、低周波数成分のみにより表されるものとなっている。
【0061】
次いで、減算手段18においてデジタル画像信号SA からボケ画像信号SB の減算が行われて差信号Ssub が得られる。この差信号を図5(d) に示す。図5(d) に示すように差信号Ssub は図5(a) に示すデジタル画像信号SA と比較してデジタル画像信号SA のキャッチライトの部分あるいは人間の部分が除去されて、信号のレンジも領域G内に収まるものとなっている。
【0062】
このようにして得られた差信号Ssub は、LUT19により階調変換、濃度変換等されてD/A変換器20あるいはD/A変換器21に入力されてアナログ信号に変換される。D/A変換器20により変換されたアナログ信号はモニタ22に入力されて可視像として再生される。
【0063】
一方、D/A変換器21により変換されたアナログ画像信号は、図6に示す現像部100 に入力される。現像部100 においては以下の処理がなされる。
【0064】
画像処理部1Bより出力された画像信号は、図示しないAOMドライバに転送される。AOMドライバは、転送された画像情報に応じて光ビームを変調するように、画像露光部98の音響光学変調器(AOM)104 を駆動する。
【0065】
一方、画像露光部98は、光ビーム走査(ラスタースキャン)によって感光材料Aを走査露光して、画像情報の画像を感光材料Aに記録するものであり、図7にに示すように、感光材料Aに形成されるR感光層の露光に対応する狭帯波長域の光ビームを射出する光源102 R、以下同様にG感光層の露光に対応する光源102 G、およびB感光層の露光に対応する光源102 Bの各光ビームの光源、各光源より射出された光ビームを、それぞれ記録画像に応じて変調するAOM104 R,104 Gおよび104 B、光偏向器としてのポリゴンミラー96、fθレンズ106 と、感光材料Aの副走査搬送手段108 を有する。
【0066】
光源102 (102 R,102 G,102 B)より射出され、互いに相異なる角度で進行する各光ビームは、それぞれに対応するAOM104 (104 R,104 G,104 B)に入射する。なお、光源102 としては、感光材料Aの感光層に対応する所定波長の光ビームを射出可能な各種の光ビーム光源が利用可能であり、各種の半導体レーザ、SHGレーザ、He−Neレーザ等のガスレーザ等が例示される。また各光ビームを合波する合波光学系であってもよい。各AOM104 には、AOMドライバより記録画像に応じたR,GおよびBそれぞれの駆動信号r,gおよびbが転送されており、入射した光ビームを記録画像に応じて強調変調する。
【0067】
AOM104 によって変調された各光ビームは、光偏向器としてのポリゴンミラー96に入射して反射され、主走査方向(図中矢印x方向)に偏向され、次いでfθレンズ106 によって所定の走査位置zに所定のビーム形状で結像するように調整され、感光材料Aに入射する。なお、光偏向器は、ポリゴンミラーのみならず、レゾナントスキャナ、ガルバノメータミラー等であってもよい。また、このような画像露光部98には、必要に応じて光ビームの整形手段や面倒れ補正光学系が配備されていてもよいのはもちろんである。
【0068】
一方、感光材料Aはロール状に巻回されて遮光された状態で所定位置に装填されている。このような感光材料Aは引き出しローラ等の引き出し手段に引き出され、カッタによって所定長に切断された後(図示省略)、副走査手段108 を構成する走査位置zを挟んで配置されるローラ対108 aおよび108 bによって、走査位置zに保持されつつ主走査方向と略直交する副走査方向(図中矢印y方向)に副走査搬送される。ここで、光ビームは前述のように主走査方向に偏向されているので、副走査方向に搬送される感光材料Aは光ビームによって全面を2次元的に走査され、LUT19により処理がなされた画像信号により表される画像情報の画像が記録される。
【0069】
露光を終了した感光材料Aは、次いで搬送ローラ対110 によって現像部100 に搬入され、現像処理を施され仕上りプリントPとされる。ここで、例えば感光材料Aが銀塩写真感光材料であれば、現像部100 は発色・現像槽112 、漂白・定着槽114 、水洗槽116 a,116 bおよび116 c、乾燥部118 等より構成され、感光材料Aはそれぞれの処理槽において所定の処理を施され、仕上りプリントPとして出力される。
【0070】
図6に示す実施の形態においては、光ビームをAOM104 によって変調した構成であったが、これ以外にも、光源がLD等の直接変調が可能なものであれば、これによって光ビームを記録画像に応じて変調してもよい。また、副走査搬送手段も走査位置を挟んで配置される2組のローラ対以外に、走査位置に感光材料を保持する露光ドラムと走査位置を挟んで配置される2本のニップローラ等であってもよい。
【0071】
さらに、上述した光ビーム走査以外にも、ドラムに感光材料を巻き付けて、光ビームを一点に入射して、ドラムを回転すると共に軸線方向に移動する、いわゆるドラムスキャナであってもよい。また、光ビーム走査以外にも、面光源と液晶シャッタとによる面露光であってもよく、LEDアレイ等の線状光源を用いた露光であってもよい。また図6では、感光材料は露光前にシート状にカットされるようになっているが、ロールのまま露光して現像部100 の前または後でカットするようにしてもよい。
【0072】
このようにして、モニタ22あるいは現像部100 において可視像として再生される画像は、図5(a) に示す逆光のシーンであっても被写体である人間が黒くつぶれてしまうこともなく、また明るい背景の部分の像がとんでしまうこともなくなる。さらに、ストロボを用いた撮影により得られた画像であっても、近くに写る人物や背景などがつぶれることなく画像を再生することができる。また、周辺減光の強さに応じて、補正がなされているから、カメラレンズの性能が不十分で周辺の明るさが低くなるように撮影されていても、それを補正した画像を得ることができる。
【0073】
ところで、照明光源の輝度分布を制御することにより覆い焼きを行う場合は、MTX15の係数の選択により色再現性のコントロールを行うしか方法がないため、色再現性を調整しようとするとエッジ部分は明るさと色再現性とが同時に変化してしまい不自然なプリントになってしまう。しかしながら、MTX15をカラー信号を明暗信号に変換するものとしたため、被写体のエッジ部分の明るさは変化するものの、色再現性は変化しないため、自然な仕上がりのプリントを得ることができる。さらに、LUT17,19を非線形なものとしたため、原画フイルムの特性の非線形な部分(例えばオーバー部分、アンダー部分など)の階調補正も可能なものとなる。また、鮮鋭度強調のための処理ブロックを加えることにより画像の局部的なコントラストを強調することができる。
【0074】
さらに、コマごとにLUTの形状を変更しなくても、ほとんどのコマで濃度的に美しく仕上げることができることが本出願人の実験により確認されている。すなわち、コントラストが強いシーンを基準に定めたLUTのγ設定において、コントラストが通常ないし弱いシーンを処理しても、LPFのサイズが大きければボケ画像信号がフラットな形状になるため、不自然さが発生しにくくなるという性質がある。この結果、面露光系では主要な被写体を適切な仕上がり濃度にするために、例えば平均濃度から決定される露光時間を平均濃度と主要被写体濃度との差に対応して大きく補正する必要があるケースが多いのに対して、本発明による方法では僅かな補正により十分良好な再生画像を得ることができる。
【0075】
さらに、本発明の第1の実施の形態においては、プレスキャンを行うことなくフィルム6からの画像の読取りを1回行うのみで画像信号の処理を行うことができるため、画像の処理を高速に行うことができる。また、読取りを1回だけ行えばよいため、上述した特開昭58-66929号、特開昭64-35542号、特公昭64-10819号などの記載された装置のように、スキャン時と露光時との間でフイルムを移動させる必要がなく、これにより画像信号とマスク信号との間で移動量誤差によるずれがなくなり、常に良好な再生画像を得ることができる。
【0076】
次いで、本発明による画像再生装置の第2実施の形態について説明する。
【0077】
図7は本発明による画像再生装置の第2の実施の形態を表す図である。図7に示すように本発明の第2の実施の形態による画像再生装置は、第1の実施の形態による画像再生装置と同様に、画像読取部1Aと画像処理部1Bとからなるもので、画像読取部1Aは第1の実施の形態における画像読取部1Aと同じである。同一の要素には、同一の参照符号を付してある。
【0078】
一方、画像処理部1Bは、CCD8において検出されたRGB3色の画像信号を増幅するためのアンプ10と、増幅された画像信号をデジタル画像信号にA/D変換するためのA/D変換手段11と、デジタル画像信号を濃度信号に変換するためのルックアップテーブル(LUT)12と、濃度変換されたデジタル画像信号をRGBの3色の間で切り替える切替器41と、RGBの色ごとに濃度変換されたデジタル画像信号を被写体輝度に変換するLUT42R,42G,42Bと、記憶するフレームメモリ43R,43G,43Bと、このフレームメモリ43R,43G,43Bからの出力に周辺減光補正信号を加えるための加算器44R,44G,44Bと、加算された信号のコントラストを補正するためのLUT45R,45G,45Bと、コントラストが補正された信号をD/A変換するためのD/A変換器46R,46G,46Bと、LUT45R,45G,45BとD/A変換器46R,46G,46Bの間にあってコントラストが補正された信号をD/A変換するためのもう一組のD/A変換器47と、そのD/A変換器47の出力を表示するためのモニタ用ディスプレイ48と、画像読取部1AのCPU26の出力に応じて選択される複数の異なる周辺減光補正用データを記憶した周辺減光補正用メモリ49a,49b,49cと、それら周辺減光補正用メモリ49a,49b,49cをCPU26の出力に応じて選択するように切り替える切替器50からなるものである。
【0079】
ここで、濃度変換されたデジタル画像信号を被写体輝度に変換するLUT42R,42G,42Bは、図8に示すような階調曲線を与えるテーブルデータを記憶するものであり、入力される信号値(濃度)が大きい程出力される信号値(被写体輝度)が大きくなる非線形となるような特性となっており、フイルム特性曲線の非直線性を補正するLUTである。そしてこれにより露光のオーバー/アンダーに拘らず周辺減光補正をすることができる。
【0080】
また、前記周辺減光補正用メモリ49a,49b,49cは、異なる周辺減光の強さを補正する異なる補正データをもったメモリであって、周辺減光の強さについての情報をフイルム6から読み取った磁気ヘッド25からの信号を受けたCPU26の指示にしたがって切り替えられる切替器50によって、最適なメモリ49a,49b,49が選択され、そのデータが加算器44R,44G,44Bに入力される。
【0081】
そのようにして補正データが加算された信号はコントラストを補正するためのLUT45R,45G,45Bを通して、D/A変換器46R,46G,46BとD/A変換器47を介して一つにモニタ用ディスプレイ48に表示され、もう一つはプリンタに出力される。モニタ48によって周辺減光の補正が適性であると確認されれば、プリンタによって周辺減光の補正された写真プリントを得ることができる。
【0082】
このようにして、周辺減光補正用メモリ49a,49b,49cまたはデジタル画像信号を被写体輝度に変換するLUT42R,42G,42Bにいずれによっても、周辺減光の補正を行ない、周辺減光のない、あるいは修正され低減された再生画像を得ることかできる。
【0083】
周辺減光補正用メモリ49a,49b,49cとLUT42R,42G,42Bは、いずれか一方によって周辺減光の補正を行なうことができる。
【0084】
次いで、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0085】
図9は本発明による画像再生装置の第3の実施の形態を表す図である。図9に示すように本発明の第3の実施の形態による画像再生装置は、CRTを照明光源として写真フイルムの画像を感光材料に焼き付けるプリンタにおいて、強さのことなる周辺減光を補正するための数種類のCRTの発光パターンを予め記憶しておき、周辺減光の強さについての情報を写真フイルムから読み取って、その読み取った信号によって最適な補正用の発光パターンを選択し、これにより自動的に周辺減光の補正を行なうようにしたものである。
【0086】
図9に示す画像再生装置の第3の実施の形態においては、CRT60のフェースプレートにネガキャリア62に挟持されたネガフイルム61が密接して支持され、ネガフイルム61上の画像がCRT60を照明光源として結像レンズ63によりプリント用のカラー印画紙65上に結像され、カラー印画紙65にフイルム61の画像が焼き付けられる。図では、簡単のため、カラーフィルタ等の補正手段は省略して示してある。露光されたカラー印画紙65は現像処理機70に送られ、通常の方法で現像、定着、水洗がなされた後、切断されて最終プリント66として排出される。
【0087】
前述の各実施の形態と同様に、フイルム61には撮影条件に起因する周辺減光の強さについての情報が記録されており、そのフイルム61から磁気ヘッド67によって周辺減光の強さに対応する信号を読み取り、それをCPU68に入力するようになっている。CRT60は、フイルム61から磁気ヘッド67によって読み取った周辺減光の強さに対応する信号を受けたCPU68により制御されるドライバ69により、最適の補正パターンで発光するように駆動される。
【0088】
したがって、CRT60は、周辺減光を補正する最適の補正パターンで発光し、カラー印画紙65には周辺減光の補正された画像が露光、記録され、周辺減光の補正されたカラープリント66を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像再生装置の第1の実施の形態を表す図
【図2】LUT17のγ特性を表す図
【図3】LUT19のγ特性を表す図
【図4】ローパスフィルタを表す図
【図5】本発明による画像再生装置において行われる処理を説明するための図
【図6】現像部の実施の形態を表す図
【図7】本発明による画像再生装置の第2実施の形態を表す図
【図8】階調曲線の例を表す図
【図9】本発明による画像再生装置の第3実施の形態を表す図
【符号の説明】
2 光源
3 調光部
4 RGBフィルタ
5 ミラーボックス
6 フイルム
7 レンズ
8,8A,8B CCD
10,10A,10B アンプ
11,11A,11B A/D変換器
12,12A,12B,17,19 LUT
13R,13G,13B,40R,40G,40B,45R,45G,45B
フレームメモリ
14,15 MTX
16 ローパスフィルタ(LPF)
18 減算手段
20,21 D/A変換器
22 モニタ
41 切替器
42R,42G,42B 被字体輝度変換LUT
43R,43G,43B フレームメモリ
44R,44G,44B 加算器
49a,49b,49n 周辺減光補正用メモリ
50 切替器
60 CRT
61 ネガフイルム
65 カラー印画紙
100 現像部

Claims (16)

  1. 撮影の際に写真フイルムに周辺減光の強さに対応する情報を記憶し、前記写真フイルムから画像を読み取ってカラー写真画像を表すデジタル画像信号を得た後、該デジタル画像信号から可視像を再生する際に前記情報を読み取り、前記周辺減光の強さに対応する周辺減光補正を行なって可視像を再生する画像再生方法において、
    前記周辺減光補正が、
    前記カラー写真画像を表すデジタル画像信号を明暗信号に変換し、
    該明暗信号に基づいて前記カラー写真画像のボケ画像を表すボケ画像信号を作成し、
    該ボケ画像信号に対して前記周辺減光の強さに対応した階調変換処理を行い、
    前記カラー写真画像を表すデジタル画像信号、および前記階調変換処理済のボケ画像信号に対して相対応する画素についての信号間で減算を行なって差信号を得るものであることを特徴とする画像再生方法。
  2. 前記デジタル画像信号から可視像を再生する画像再生方法が、該デジタル画像信号により変調された光を感光材料に露光することにより、該感光材料に可視像を再生する方法であることを特徴とする請求項記載の画像再生方法。
  3. 前記デジタル画像信号から可視像を再生する画像再生方法が、該デジタル画像信号により変調された映像信号をCRT上に表示することにより、該CRT上に可視像を再生する方法であることを特徴とする請求項記載の画像再生方法。
  4. 前記階調変換処理において、予め用意された複数種類の周辺減光補正用の階調曲線の中から、前記周辺減光の強さに対応する周辺減光補正用の階調曲線を選択して使用するものであることを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の画像再生方法。
  5. 前記複数種類の周辺減光補正用の階調曲線が、前記デジタル画像信号から可視像を再生する処理工程において使用されるルックアップテーブルとして予め用意されたものであることを特徴とする請求項記載の画像再生方法。
  6. 前記周辺減光の強さに対応する情報が、撮影に使用されたカメラレンズの周辺減光の強さに対応する情報であることを特徴とする請求項1からいずれか1項に記載の画像再生方法。
  7. 前記周辺減光の強さに対応する情報が、撮影に使用されたストロボの周辺減光の強さに対応する情報であることを特徴とする請求項1からいずれか1項に記載の画像再生方法。
  8. 前記周辺減光の強さに対応する情報が、撮影時にストロボが使用されたか否かに対応する情報であることを特徴とする請求項1からいずれか1項に記載の画像再生方法。
  9. 写真フイルム上の写真画像から画像を読み取ってカラー写真画像を表すデジタル画像信号を得た後、該デジタル画像信号から可視像を再生する際に、前記写真フイルムに撮影時に記録された周辺減光の強さに対応する情報を読み取って、前記周辺減光の強さに対応する周辺減光補正を行なう周辺減光補正手段を備えた画像再生装置において、
    前記周辺減光補正手段が、
    前記カラー写真画像を表すデジタル画像信号を明暗信号に変換し、
    該明暗信号に基づいて前記写真画像のボケ画像を表すボケ画像信号を作成し、
    該ボケ画像信号に対して前記周辺減光の強さに対応した階調変換処理を行い、
    前記写真画像を表すデジタル画像信号、および前記階調変換処理済のボケ画像信号に対して相対応する画素についての信号間で減算を行なって差信号を得るものであることを特徴とする画像再生装置。
  10. 前記デジタル画像信号から可視像を再生する画像再生装置が、該デジタル画像信号により変調された光を感光材料に露光することにより、該感光材料に可視像を再生する装置であることを特徴とする請求項記載の画像再生装置。
  11. 前記デジタル画像信号から可視像を再生する画像再生装置が、該デジタル画像信号により変調された映像信号をCRT上に表示することにより、該CRT上に可視像を再生する装置であることを特徴とする請求項記載の画像再生装置。
  12. 前記周辺減光補正手段が、前記階調変換処理において、予め用意された複数種類の周辺減光補正用の階調曲線の中から、前記周辺減光の強さに対応する周辺減光補正用の階調曲線を選択して使用するものであることを特徴とする請求項9から11いずれか1項記載の画像再生装置。
  13. 前記複数種類の周辺減光補正用の階調曲線が、前記デジタル画像信号から可視像を再生する処理工程において使用されるルックアップテーブルとして予め用意されたものであることを特徴とする請求項12記載の画像再生装置。
  14. 前記周辺減光の強さに対応する情報が、撮影に使用されたカメラレンズの周辺減光の強さに対応する情報であることを特徴とする請求項9から13いずれか1項に記載の画像再生装置。
  15. 前記周辺減光の強さに対応する情報が、撮影に使用されたストロボの周辺減光の強さに対応する情報であることを特徴とする請求項9から13いずれか1項に記載の画像再生装置。
  16. 前記周辺減光の強さに対応する情報が、撮影時にストロボが使用されたか否かに対応する情報であることを特徴とする請求項9から13いずれか1項に記載の画像再生装置。
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