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JP3797105B2 - Method for producing martensitic stainless welded steel pipe - Google Patents

Method for producing martensitic stainless welded steel pipe Download PDF

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JP3797105B2
JP3797105B2 JP2001000075A JP2001000075A JP3797105B2 JP 3797105 B2 JP3797105 B2 JP 3797105B2 JP 2001000075 A JP2001000075 A JP 2001000075A JP 2001000075 A JP2001000075 A JP 2001000075A JP 3797105 B2 JP3797105 B2 JP 3797105B2
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Japan
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welding
laser
martensitic stainless
squeeze roll
preheating
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修一 日下
幸夫 関根
謙一 岩崎
邦保 大石
清史 上井
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JFE Steel Corp
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルテンサイト系ステンレス鋼板を成形ロールで円筒状のオープンパイプに成形してスクイズロールでアプセット加圧しつつレーザー溶接を行うマルテンサイト系ステンレス溶接鋼管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザビーム等の高密度エネルギービームの集中熱源による溶接鋼管の製造は、アーク溶接等のエネルギー密度の低い溶接熱源に比べて高速溶接を行うことが可能であり、溶接入熱を少なくすることができるという長所がある。その結果、溶接部の幅が狭く熱影響による素管材質の劣化が少なく、品質の優れた鋼管の製造が可能である。また、高速溶接により溶接鋼管の生産性が向上する。しかし、この方法は、レーザビームを素管の突合わせ部に照射して板厚を貫通溶接させる方法であるため、溶接部にブローホール等の溶接欠陥が発生しやすい。その結果、溶接部の靭性が低下する傾向があった。
【0003】
その対策として、例えば、特開平9−168878号公報には、優れた靭性および耐食性を有する2相ステンレス溶接鋼管を高生産性で製造する方法が提案されている。この技術は、2相ステンレス鋼板をオープンパイプに成形し、鋼板の両エッジ部をそのままあるいは加熱してから、突き合わせてレーザー溶接し、溶接部に管外面側または管内面側もしくは両側からアーク溶接するというものである。
【0004】
また、特開平8−206861号公報には、低Cマルテンサイト系ステンレス鋼溶接管の製造方法として、レーザ出力P、素材帯鋼肉厚h、および素材帯鋼エッジ部の予熱温度T0によりレーザー溶接の溶接速度を決定する方法が提案されている。この技術では、溶接速度を、V=1.35(P/h)×[1000/(1000-T0)]の式で計算されるVの値以上とするいうものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、ブローホール等の溶接欠陥は、溶接部靭性を低下させるのみならず、溶接部溶接補修(TIG溶接等)の作業を必要とし、また製品不適合品の増加につながる。例えば、ユーザー仕様等で、ブローホールの許容寸法,単位長さ当りの許容数等が規定され、仕様によりTIG溶接を行わなければオーダー充当できない場合がある。仕様によっては、溶接補修を認めず不合格(オーダー充当不可)となる場合もある。また、溶接の際、溶込み不足となると、溶込み不足は手直しできないため、製品不適合品となる。
【0006】
しかし、従来技術においては、鋼板の突合わせ部に対してのレーザー照射の位置や、レーザー照射後のアプセット条件については開示されていない。そのため、レーザー溶接の実施に当たっては、過去の経験に頼る他ないという問題がある。
【0007】
また、特開平9−168878号公報記載の技術は、2相ステンレス溶接鋼管を対象としており、マルテンサイト系ステンレス鋼溶接管を対象とした技術ではない。即ち、ステンレス鋼帯自体の変形能およびレーザ溶接後の溶融金属の物性の為に、適正な予熱の大きさ、アップセット量、およびレーザ最適照射位置などが大きく異なり、マルテンサイト系ステンレス溶接鋼管の製造技術に本技術は適用できない。さらにこの技術では、レーザー溶接後にアーク溶接するので、溶接部のアンダカットは解消されるが、装置が複雑となることが避けられないという問題がある。
【0008】
特開平8−206861号公報記載の技術は、レーザー溶接については、溶接速度を帯鋼肉厚当たりのレーザ出力に比例させ、昇温必要量(1000℃−予熱温度)に反比例させるということである。しかし、これは溶接に必要以上の熱量を供給することを避けると言うだけであり、これだけで、溶接欠陥の発生が防止できるとは考えにくい。また、レーザー照射の位置およびアプセット条件については何ら記載されていないという問題がある。
【0009】
本発明は以上の問題を解決し、生産性を低下させることなくブローホールや溶込み不足等の溶接欠陥の発生を抑制することが可能な、マルテンサイト系ステンレス溶接鋼管の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は次の発明により解決される。
【0011】
その発明は、マルテンサイト系ステンレス鋼板を成形ロールで円筒状のオープンパイプに成形してスクイズロールでアプセット加圧しつつレーザー溶接を行うマルテンサイト系ステンレス溶接鋼管の製造方法において、オープンパイプの相対する両エッジ部を、高周波加熱法により予熱した後、スクイズロールの近傍の前記両エッジ部がV字型に突き合わされている部分で、予熱の大きさE・I、アプセット量、および前記両エッジ部のなす角度αにより決定される位置Xが式(4)を、溶接速度v、板厚tおよびレーザー出力Pが式(5)、(6)を満足する条件でレーザー照射し、スクイズロールで加圧後、内外ビードを切削することを特徴とするマルテンサイト系ステンレス溶接鋼管の製造方法である。
90≦E・I≦250 (1)
0.1≦U≦1.0 (2)
Xa=(30+E・I/15+10U)/exp(0.2α) (3)
0.8Xa≦X≦1.2Xa (4)
v≧0.17X (5)
0.5≦P・exp{(250+E・I)/500}/(v・t) (6)
ここで、 E:高周波加熱電圧(kV) I:高周波加熱電流(A) U:スクイズロールでのアプセット量(mm) α:V角(°)(予熱前のスクイズ点より40mm以内での鋼板エッジ部開口部角度) X:レーザー照射位置適正範囲(mm)(スクイズ ロール中心点から上流側への距離) P:レーザー出力(kW) v:溶接速度(m/min) t:鋼板厚(mm)
【0012】
この発明は、マルテンサイト系ステンレス溶接鋼管の製管プロセスについて鋭意検討する中でなされた。その過程で、スクイズロールの近傍のレーザを照射する位置により、溶接部の品質が大幅に変化することに着目した。レーザを照射する位置が適切であれば、溶接部の品質が向上することが可能であり、以下、このようなレーザの照射位置を(レーザー照射の)最適位置と呼ぶ。
【0013】
引き続き検討の結果、レーザー照射の最適位置は、固定的なものではなく、製造条件により種々変化することがわかった。さらに、レーザー照射の最適位置は、予熱の大きさ、アプセット量、および両エッジ部のなす角度により決定されることを見出した。
【0014】
種々の検討結果をまとめて、実験式として表すと次のようになる。
【0015】
Xa = f(EI,U)・g(α) (i)
ここで、Xaはレーザー照射の最適照射位置、EIは予熱の大きさであり、高周波加熱装置の消費電力(kW)を用いればよく、Uはアプセット量(mm)でありその数値を用いる。また、αは、スクイズロールの近傍でV字型に突き合わされた両エッジ部のなす角度である。
【0016】
この式のf(EI,U)は、予熱の大きさEIとアプセット量 U(mm)が、いずれも最適照射位置Xaに対して、単調増加の関係が見られるので、簡単のため、EIとUの1次式とすればよい。
【0017】
f(EI,U)=a・EI+b・U+c (ii)
ここで、a,b,cは係数で、実験等により予め求めておく。
【0018】
一方、g(α)については、αを通常の角度より大きくすると最適照射位置が大幅に変化するのに対して、αを小さくする場合は殆ど変化しないので、そのような挙動を示す関数とする。このような関数として、例えば、指数関数を用いると次のようになる
g(α)=h・exp(k・α) (iii)
ここで、h,kは係数で、これも実験等により予め求めておく。
【0021】
この発明は、前述の実験式(i)〜(iii)の係数について具体的な数値を求めたもので、式(1)〜(2) により予熱の大きさE・Iとアプセット量Uを決定すると、式(3)〜(4) からレーザー照射位置Xが決まる。その後、式(5)〜(6) から、使用する鋼板の厚みt(mm)に応じて、必要なレーザー出力P(kW)と溶接速度v(m/min)を求める。その際、溶接速度は式(5)を満たす値以上であればよく、生産性をよくするために少しでも早い溶接速度の条件を求めるためには、保有しているレーザー発振装置の最大出力を式(6)に代入すれば、溶接品質上問題が無い最大速度を求めることができる。以上の数式(1)〜(6)については、「発明の実施の形態」の項で詳細に説明する。
【0022】
最後に内・外面のビードに関しては、溶融金属中に残存しているガスがスクイズロールでのアプセットによりビードの中にブローホールとして残る恐れがあるので、内外ビードを切削する。
【0023】
このようにして、適切な溶接位置および溶接条件でレーザー溶接することにより、ブローホール等の溶接欠陥が抑止されて靭性が向上するのみならず、溶込み不足等も抑止される。その結果、溶接部溶接補修(TIG溶接等)の作業が削減でき、製品不適合品も低減することができる。
【0024】
これらの発明において、さらに、溶接後の鋼管の溶接部をAc1点以上830℃以下の温度に加熱した後、空冷又はそれ以上の冷却速度で150℃以下の温度まで冷却し、再び550℃以上Ac1点以下の温度に加熱することを特徴とするレーザー溶接マルテンサイト系ステンレス溶接鋼管の製造方法としてもよい。
【0025】
この発明は、オンラインでの短時間熱処理により、溶接部の靭性を向上させるための高温焼戻し処理を施す。最初の加熱では、Ac1点以上に加熱することで部分的にオーステナイト化させ、空冷ないしそれ以上の冷却速度で150℃以下の温度まで冷却することにより、完全なマルテンサイト組織に変態させる。
【0026】
その後の2度目の加熱は焼戻し処理である。この焼戻し処理の処理条件については、加熱温度が550℃未満では十分な焼戻しが行われず、Ac1点を超えると再度部分的にオーステナイト化され、その後の冷却で焼入ままのマルテンサイト組織が生成し靭性を著しく劣化させる。従って、焼戻し温度は、550℃以上Ac1点以下の温度とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
発明の実施に当たっては、マルテン発明の実施サイト系ステンレス鋼板を、ブレイクダウンロール群やケージロール群、フィンパスロール群等に通してオープンパイプ状に連続的に成形し、オープンパイプの両エッジ部を誘導加熱コイルあるいはコンタクトチップを用いた高周波加熱法により加熱する。その後、上方よりレーザービームを照射し、スクイズロールにてアプセットを加え、内・外面ビードを切削する。この製造工程において、生産性が良くかつ健全な溶接部を得るためには、多くの実験結果から、前述の(1)〜(6)式の条件を満足する必要がある。以下にその理由を述べる。
【0028】
▲1▼ 90≦E・I≦250 (1)
この式は高周波加熱の適正範囲を規定したもので、E・Iすなわち予熱の電力(kW)が90kW未満では、予熱の効果が非常に少なく、溶接速度が遅くなるため生産性が悪い。予熱の電力が250kWを越えるとオーバー入熱となり、予熱を受けた突合わせエッジ面が著しく酸化を受け、溶接品質を損ないかつエッジ表面の溶融等が発生する。そのため、適切なエッジ面形状が維持できなくなり、安定したレーザー溶接ができなくなる。
【0029】
▲2▼ 0.2≦U≦1.0 (2)
この式はスクイズロールでの適正アプセット量を規定したもので、0.2mm未満のアプセット量では、レーザー照射された溶融金属中にブローホールが残存する恐れがある上ビード切削部にアンダーカットを生じ易い。一方、1.0mmを越えてアプセットを加えると、メタルフローの立上り角度が大きくなり、ビード切削後、フッククラック等の欠陥が生じ易くなる。
【0030】
▲3▼ Xa=(30+E・I/15+10U)/exp(0.2α) (3)
この式は、前述の一般式の具体例であり、レーザーを照射する最適な突き合せエッジ部のスクイズロール中心からの距離Xa (mm)を示したものである。一般にレーザー溶接においては、突き合せ位置にレーザーを照射すると表現されているが、その明確な位置は規定されていない。そこで最適な照射位置の定量化を図るべく繰返し実験を行った。まず、マルテンサイト鋼板を成形ロールで成形しスクイズロールまで通した時に、スクイズロール上流側の突き合せエッジ部がV字型の形状(Vシェープ)を呈する。このエッジ部のなす角をV角(α°) と呼ぶ。
【0031】
但し、ここで言うαは、一般に電縫鋼管で用いているV角が、主としてロール等の幾何学的位置関係により定義されていたのに対して、スクイズロール中心から上流側40mm以内でのエッジ開口角とする。なお、従来技術におけるV角とは、フィンパスロールもしくはシームガイドロールカリバー、フィンパスロールもしくはシームガイドロールフィン、スクイズロール胴径、及びフィンパスロールもしくはシームガイドロール中心とスクイズロール中心もしくはV収束点の距離により決まる角度である。
【0032】
この際、スクイズロールでの突き合せ形状はI型がよい。レーザー照射位置としては、実験結果からエッジ突き合せ部に僅かなギャップがある位置が最適である。また、この最適位置は、高周波予熱による入熱とスクイズロールによるアプセットの影響により変化する。つまり、高周波予熱による入熱電力を上げるとギャップは狭まり、アプセット量を増やすとギャップは狭まる。よって、最適なレーザー照射位置はE・I,U,αの関係式で整理することができ、多くの実験結果から式(3)を得た。
【0033】
▲4▼ 0.8Xa ≦X≦1.2Xa (4)
上記の式(3)の説明において、レーザー照射位置Xaとしては、実験結果からエッジ突き合せ部に僅かなギャップがある位置が最適であると述べたが、その前後の許容範囲を示したのが式(4)である。まず、スクイズロール中心点から1.2Xa(mm)より離れた位置にレーザーを照射すると、突き合せ部のギャップが広過ぎ、レーザービームでのエッジ溶融が不十分な部分が発生したり、レーザーが突き抜けてしまうことがあり、溶接欠陥を生じ易い。
【0034】
その反対に、スクイズロール中心点から0.8Xa(mm)までの位置では、ギャップが狭すぎる状態の上、予熱及びスクイズアプセットの影響でエッジ部近傍の増肉が大きく、内面側の溶融が不十分なところが発生する。
【0035】
▲5▼ v≧0.17X (5)
マルテンサイト系ステンレス鋼のレーザー溶接部凝固割れを防止するためには、レーザー照射からスクイズロールでアプセットを加えるまでの時間を0.35sec以内にする必要がある。そのためには、照射位置は決まっているので、溶接速度を式(5)の速度以上で溶接する必要がある。
【0036】
▲6▼ 0.5≦P・exp{(250+E・I)/500}/(v・t) (6)
これは、レーザー出力、予熱電力、溶接速度、鋼板厚の関係を多くの実験より求めたものである。式(6)の右辺の値が0.5未満の時には、溶け込み不足を生じる。また、式(6)の右辺の値の上限値を規定していないのは、レーザー出力は設備能力の最大値まで上げても一向に差し支えなく、また、溶接速度の下限値は式(5)で規定されているからである。
【0037】
このようにして、適切な溶接位置および溶接条件でレーザー溶接することにより、ブローホール等の溶接欠陥が抑止されて靭性が向上するのみならず、溶込み不足等も抑止される。その結果、溶接部溶接補修(TIG溶接等)の作業が削減でき、製品不適合品も低減することができる。
【0038】
さらに、上述した方法で製造されたマルテンサイト系ステンレス溶接鋼管を、Ac1点以上830℃以下で熱処理した後、空冷以上の速さで150℃以下まで冷却し、再び550℃以上Ac1点以下に熱処理してもよい。これは、オンラインでの短時間熱処理で溶接部の靭性を向上させる高温焼戻し処理であり、1回目の熱処理でAc1点以上830℃以下に昇温後空冷以上の速さで150℃以下まで冷却するのは、部分的にオーステナイト化させてから完全なマルテンサイト組織を生成させるためである。
【0039】
その後550℃以上Ac1点以下に昇温させるのは、焼戻しによる靭性向上のためである。Ac1点を超えると部分的にオーステナイト化され、その後の冷却で焼戻し不十分のマルテンサイトが生成し、靭性が著しく劣化する。一方、550℃未満では十分な焼戻しが行われず靭性の向上が図れないため、550℃以上Ac1点以下とする。
【0040】
【実施例】
次に、本発明の実施例について説明する。表1に示す化学成分の熱延鋼板を用いて、外径273.0mm×管厚5.0 mm、外径323.8 mm×管厚6.0 mm、外径406.4 mm×管厚9.5mmの3種類の鋼管を製造した。
【0041】
【表1】

Figure 0003797105
【0042】
表2にレーザー溶接の溶接条件を示す。この表で、No.1〜7は本発明の条件を満たす発明例であり、No.8〜14は比較例である。比較例No.8は、照射位置がスクイズロールに近すぎ、X/Xaが0.76で下限の0.8より小さくなっている。比較例No.9は溶接の入熱量が少なく前述の式(6)の右辺の値が下限0.5以下、比較例No. 10はアプセット量が上限1.0mm超となっている。比較例No.11は予熱電力が上限250kW超、比較例No.12は溶接の入熱量が少ない(式(6)の右辺の値<0.5)。比較例No.13は溶接速度が遅すぎ(式(5)v≧0.17Xを満たさず) 、比較例No.14はアプセット量が0で下限0.1mm未満となっている。
【0043】
【表2】
Figure 0003797105
【0044】
これらの鋼管について、各溶接条件による溶接部20m分全長にわたり、JIS規格Z3104に従い放射線透過試験を、またJIS規格G0582に従い超音波探傷試験を実施した。
【0045】
表2では、試験結果の評価方法として、放射線透過試験については、φ0.4mm以下のブローホールが5個未満のものを◎、φ0.4mm以下のブローホールが5個以上10個未満またはφ0.8mm以下のブローホールが5個未満のものを○、φ0.4mm以下のブローホールが10個以上またはφ0.8mm以下のブローホールが5個以上10個未満のものを△で表し、φ0.8mm以下のブローホールが10個以上もしくはφ0.8mm越えのブローホールがあるもの、割れがあるもの、または溶け込み不足のいずれかがあるものを×で表す。
【0046】
また、超音波探傷試験に関しては、φ1.6ドリルホールの人工欠陥に対し、ピーク指示高さが、10%以下のものを◎、20%以下のものを○、40%以下のものを△、40%越えものを×で表す。試験結果は表2に併せて示す。表2から、本発明により製造された鋼管の溶接部品質は、非常に優れていることが明白である。
【0047】
また、この発明の製法で製造した鋼管を、種々条件で熱処理し、JIS規格Z2202に従い、5mmサブサイズ試験片に加工し、JIS規格Z2242に従い、衝撃試験を実施した。試験温度は-60℃とし、試験片の数は3本とした。熱処理条件およびその結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
Figure 0003797105
【0049】
ここで、No.21〜24は本発明の条件を満たす発明例であり、No.25〜28は比較例である。比較例No.25と26は1回目の熱処理温度がそれぞれ発明の下限Ac1 点未満と上限温度830℃超であり、比較例No.27と28は2回目の熱処理温度がそれぞれ下限温度550℃未満と上限Ac1 点超である。表3から、本発明により熱処理された鋼管の溶接部靭性は、非常に優れていることが明白である。
【0050】
【発明の効果】
この発明は、マルテンサイト系ステンレス溶接鋼管の製造において、スクイズロールの近傍でレーザを照射する位置を、予熱の大きさ、アプセット量、および両エッジ部のなす角度により決定される最適位置とすることにより、ブローホール等の溶接欠陥の発生を大幅に抑制し、溶接部靭性を向上させることができる。その結果、品質向上とともに、溶接補修の低減、不合格材の低減による歩留・生産性向上が可能であり、産業の発展に寄与するところ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発明の実施の形態の1例を示す図。
【符号の説明】
1 オープンパイプ
2 予熱用高周波電源
3 レーザービーム
4 スクイズロール
5 突合わせエッジ部
6 V角[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for manufacturing a martensitic stainless steel welded pipe that performs laser welding while forming a martensitic stainless steel sheet into a cylindrical open pipe with a forming roll and performing upset pressurization with a squeeze roll.
[0002]
[Prior art]
Production of welded steel pipes using a concentrated heat source of a high-density energy beam such as a laser beam enables high-speed welding compared to a welding heat source with a low energy density such as arc welding, and can reduce welding heat input. There is an advantage. As a result, the width of the welded portion is narrow, and there is little deterioration of the material of the raw pipe due to the heat effect, and it is possible to manufacture a steel pipe with excellent quality. Moreover, the productivity of the welded steel pipe is improved by high-speed welding. However, this method is a method in which a laser beam is applied to the butted portion of the raw tube to weld through the plate thickness, so that a welding defect such as a blow hole is likely to occur in the welded portion. As a result, there was a tendency for the toughness of the welded portion to decrease.
[0003]
As a countermeasure, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-168878 proposes a method for manufacturing a duplex stainless steel pipe having excellent toughness and corrosion resistance with high productivity. This technology forms a duplex stainless steel plate into an open pipe, heats both edges of the steel plate as they are, heats them together, laser welds them, and arc welds from the outer surface of the tube, the inner surface of the tube, or both sides to the weld. That's it.
[0004]
Japanese Patent Laid-Open No. Hei 8-206686 discloses a method for manufacturing a low-C martensitic stainless steel welded pipe by laser welding using laser output P, material strip steel thickness h, and preheating temperature T0 of the material strip steel edge. A method for determining the welding speed is proposed. In this technique, the welding speed is set to be equal to or higher than the value of V calculated by the equation V = 1.35 (P / h) × [1000 / (1000−T0)].
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
In general, weld defects such as blow holes not only reduce weld toughness but also require welding repair work (TIG welding, etc.) and lead to an increase in nonconforming products. For example, in the user specifications, the allowable dimensions of blowholes, the allowable number per unit length, etc. are specified, and the order may not be applied unless TIG welding is performed according to the specifications. Depending on the specifications, welding repair may not be accepted and rejected (orders cannot be applied). In addition, if the penetration is insufficient during welding, the lack of penetration cannot be corrected, resulting in a product nonconforming product.
[0006]
However, the prior art does not disclose the position of the laser irradiation on the butted portion of the steel sheet and the upset conditions after the laser irradiation. Therefore, when performing laser welding, there is a problem that there is no choice but to rely on past experience.
[0007]
In addition, the technique described in Japanese Patent Laid-Open No. 9-168878 is intended for a duplex stainless steel welded pipe and is not a technique for a martensitic stainless steel welded pipe. In other words, due to the deformability of the stainless steel strip itself and the physical properties of the molten metal after laser welding, the appropriate preheating size, upset amount, and optimum laser irradiation position differ greatly. This technology cannot be applied to manufacturing technology. Furthermore, in this technique, since arc welding is performed after laser welding, the undercut of the welded portion is eliminated, but there is a problem that the apparatus is inevitably complicated.
[0008]
The technique described in JP-A-8-206861 is that, for laser welding, the welding speed is proportional to the laser output per thickness of the steel strip and is inversely proportional to the required temperature increase (1000 ° C.-preheating temperature). . However, this is merely to avoid supplying more heat than necessary for welding, and it is unlikely that this alone can prevent the occurrence of welding defects. Moreover, there is a problem that nothing is described about the position of laser irradiation and upset conditions.
[0009]
The present invention provides a method for producing a martensitic stainless welded steel pipe that solves the above problems and can suppress the occurrence of welding defects such as blow holes and insufficient penetration without reducing productivity. With the goal.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The above problems are solved by the following invention.
[0011]
The invention relates to a martensitic stainless steel pipe manufacturing method in which a martensitic stainless steel sheet is formed into a cylindrical open pipe with a forming roll and subjected to laser welding while upset pressurizing with a squeeze roll. After the edge portion is preheated by a high-frequency heating method, the two edge portions in the vicinity of the squeeze roll are abutted in a V shape, and the preheating magnitude E · I , the upset amount U , and the both edge portions The position X determined by the angle α is expressed by the equation (4), laser irradiation under conditions where the welding speed v, the plate thickness t and the laser output P satisfy the equations (5) and (6), and added by a squeeze roll. It is the manufacturing method of the martensitic stainless steel welded pipe characterized by cutting inner and outer beads after pressing .
90 ≦ E ・ I ≦ 250 (1)
0.1 ≦ U ≦ 1.0 (2)
Xa = (30 + E · I / 15 + 10U) / exp (0.2α) (3)
0.8Xa≤X≤1.2Xa (4)
v ≧ 0.17X (5)
0.5 ≦ P · exp {(250 + E · I) / 500} / (v · t) (6)
Where: E: high frequency heating voltage (kV) I: high frequency heating current (A) U: upset amount on squeeze roll (mm) α: V angle (°) (steel plate edge within 40 mm from squeeze point before preheating) X: Laser irradiation position appropriate range (mm) (distance from squeeze roll center point to upstream side) P: Laser power (kW) v: Welding speed (m / min) t: Steel plate thickness (mm)
[0012]
This invention was made in earnest examination about the pipe making process of a martensitic stainless steel welded pipe. In the process, we focused on the fact that the quality of the welded portion varies greatly depending on the position of laser irradiation near the squeeze roll. If the position for laser irradiation is appropriate, the quality of the welded portion can be improved. Hereinafter, such a laser irradiation position will be referred to as an optimum position (for laser irradiation).
[0013]
As a result of further investigation, it was found that the optimum position of laser irradiation is not fixed and varies depending on the manufacturing conditions. Furthermore, it has been found that the optimum position for laser irradiation is determined by the size of preheating, the amount of upset, and the angle formed by both edge portions.
[0014]
Various examination results are summarized and expressed as an empirical formula as follows.
[0015]
Xa = f (EI, U) ・ g (α) (i)
Here, Xa is the optimum irradiation position of laser irradiation, EI is the magnitude of preheating, and power consumption (kW) of the high-frequency heating device may be used, and U is the amount of upset (mm), and its numerical value is used. Further, α is an angle formed by both edge portions that are butted in a V shape near the squeeze roll.
[0016]
Since f (EI, U) in this equation has a simple increase relationship between the preheating magnitude EI and the upset amount U (mm), both with the optimum irradiation position Xa, A linear expression of U may be used.
[0017]
f (EI, U) = a · EI + b · U + c (ii)
Here, a, b, and c are coefficients, which are obtained in advance through experiments or the like.
[0018]
On the other hand, as for g (α), when α is made larger than a normal angle, the optimum irradiation position changes significantly, whereas when α is made small, it hardly changes. Therefore, a function showing such behavior is used. . As such a function, for example, when an exponential function is used, it becomes as follows.
g (α) = h ・ exp (k ・ α) (iii)
Here, h and k are coefficients, which are also obtained in advance by experiments or the like.
[0021]
In the present invention, specific numerical values are obtained for the coefficients of the empirical formulas (i) to (iii) described above, and the preheating magnitude E · I and the upset amount U are determined by the formulas (1) to (2). Then, the laser irradiation position X is determined from the equations (3) to (4). Thereafter, the necessary laser output P (kW) and welding speed v (m / min) are obtained from the equations (5) to (6) according to the thickness t (mm) of the steel sheet to be used. At that time, the welding speed only needs to be equal to or greater than the value satisfying Equation (5), and in order to improve the productivity, the maximum output of the laser oscillation device possessed is required. By substituting into equation (6), it is possible to obtain the maximum speed without any problem in welding quality. The above formulas (1) to (6) will be described in detail in the section “Embodiments of the Invention”.
[0022]
Finally, with regard to the inner and outer bead, the gas remaining in the molten metal may remain as a blow hole in the bead due to upsetting with the squeeze roll, so the inner and outer beads are cut.
[0023]
In this way, by performing laser welding at an appropriate welding position and welding conditions, not only welding defects such as blow holes are suppressed and toughness is improved, but also insufficient penetration or the like is suppressed. As a result, it is possible to reduce the work of weld weld repair (TIG welding, etc.) and reduce non-conforming products.
[0024]
In these inventions, the welded portion of the steel pipe after welding is further heated to a temperature of Ac 1 point or higher and 830 ° C. or lower, and then cooled to a temperature of 150 ° C. or lower at an air cooling or higher cooling rate, and again 550 ° C. or higher. It is good also as a manufacturing method of the laser welding martensitic stainless steel pipe characterized by heating to the temperature below Ac 1 point.
[0025]
According to the present invention, a high-temperature tempering treatment for improving the toughness of the welded portion is performed by online short-time heat treatment. In the first heating, it is partially austenitized by heating to Ac 1 point or higher, and transformed to a complete martensitic structure by cooling to a temperature of 150 ° C. or lower at a cooling rate of air cooling or higher.
[0026]
The subsequent second heating is a tempering process. Regarding the processing conditions of this tempering treatment, sufficient tempering is not performed when the heating temperature is lower than 550 ° C, and when it exceeds the Ac 1 point, it is partially austenitized again, and a martensitic structure that remains as quenched is generated by subsequent cooling. Deteriorates the toughness significantly. Accordingly, the tempering temperature is 550 ° C. or higher and Ac 1 point or lower.
[0027]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In carrying out the invention, the marten invention implementation stainless steel sheet is continuously formed into an open pipe shape through a breakdown roll group, a cage roll group, a fin pass roll group, etc., and both edges of the open pipe are formed. Heat by high frequency heating method using induction heating coil or contact tip. Then, a laser beam is irradiated from above, upset is applied with a squeeze roll, and inner and outer beads are cut. In this manufacturing process, in order to obtain a weld with good productivity and soundness, it is necessary to satisfy the conditions of the above-mentioned formulas (1) to (6) from many experimental results. The reason is described below.
[0028]
(1) 90 ≦ E ・ I ≦ 250 (1)
This formula defines an appropriate range for high-frequency heating. When E · I, that is, the power (kW) of preheating is less than 90 kW, the effect of preheating is very small, and the welding speed is slow, so the productivity is poor. When the preheating power exceeds 250 kW, overheating is applied, and the butt edge surfaces subjected to the preheating are significantly oxidized to deteriorate the welding quality and the edge surface is melted. Therefore, an appropriate edge surface shape cannot be maintained, and stable laser welding cannot be performed.
[0029]
(2) 0.2 ≦ U ≦ 1.0 (2)
This formula stipulates the appropriate upset amount with a squeeze roll. If the upset amount is less than 0.2 mm, blowholes may remain in the molten metal irradiated with laser, and an undercut will occur in the bead cutting part. easy. On the other hand, if the upset is added beyond 1.0 mm, the rising angle of the metal flow increases, and defects such as hook cracks are likely to occur after bead cutting.
[0030]
(3) Xa = (30 + E · I / 15 + 10U) / exp (0.2α) (3)
This formula is a specific example of the above-described general formula, and indicates the distance Xa (mm) from the center of the squeeze roll at the optimum butt edge portion to which the laser is irradiated. In general, in laser welding, it is expressed that a butt position is irradiated with a laser, but a clear position is not defined. Therefore, repeated experiments were conducted to quantify the optimal irradiation position. First, when a martensitic steel sheet is formed with a forming roll and passed through the squeeze roll, the butt edge portion on the upstream side of the squeeze roll exhibits a V-shaped shape (V shape). The angle formed by the edge portion is called a V angle (α °).
[0031]
However, α here refers to the edge within 40 mm upstream from the center of the squeeze roll, whereas the V angle generally used in ERW steel pipes was mainly defined by the geometric positional relationship such as rolls. The opening angle. The V angle in the prior art means a fin pass roll or seam guide roll caliber, a fin pass roll or seam guide roll fin, a squeeze roll body diameter, and a fin pass roll or seam guide roll center and a squeeze roll center or V convergence point. The angle is determined by the distance.
[0032]
At this time, the I-shaped butt shape is preferable. As a laser irradiation position, a position having a slight gap at the edge butt portion is optimal from the experimental result. In addition, the optimum position changes due to heat input by high frequency preheating and upset by squeeze rolls. That is, the gap is narrowed when the heat input power by high-frequency preheating is increased, and the gap is narrowed when the amount of upset is increased. Therefore, the optimal laser irradiation position can be arranged by the relational expression of E · I, U, and α, and Equation (3) is obtained from many experimental results.
[0033]
(4) 0.8Xa ≤ X ≤ 1.2Xa (4)
In the description of the above formula (3), it has been described from the experimental results that the position with a slight gap at the edge butt portion is optimal as the laser irradiation position Xa, but the allowable range before and after that is shown. Equation (4). First, when the laser is irradiated to a position that is more than 1.2Xa (mm) away from the center point of the squeeze roll, the gap of the butt portion is too wide, and a portion where the edge melting with the laser beam is insufficient occurs, It may pierce and easily cause welding defects.
[0034]
On the other hand, in the position from the squeeze roll center point to 0.8Xa (mm), the gap is too narrow, the increase in the thickness near the edge due to the effect of preheating and squeeze upset, and the inner surface side is not melted. Sufficient places are generated.
[0035]
(5) v ≧ 0.17X (5)
In order to prevent laser weld solidification cracking of martensitic stainless steel, it is necessary to make the time from laser irradiation to applying upset with a squeeze roll within 0.35 sec. For that purpose, since the irradiation position is determined, it is necessary to weld at a welding speed equal to or higher than the speed of equation (5).
[0036]
(6) 0.5 ≦ P · exp {(250 + E · I) / 500} / (v · t) (6)
This is the result of many experiments to determine the relationship between laser power, preheating power, welding speed, and steel plate thickness. When the value on the right side of equation (6) is less than 0.5, insufficient penetration occurs. In addition, the upper limit of the value on the right side of Equation (6) is not specified because the laser output can be increased to the maximum value of the equipment capacity, and the lower limit of the welding speed is given by Equation (5). It is because it is prescribed.
[0037]
In this way, by performing laser welding at an appropriate welding position and welding conditions, not only welding defects such as blow holes are suppressed and toughness is improved, but also insufficient penetration or the like is suppressed. As a result, it is possible to reduce the work of weld weld repair (TIG welding, etc.) and reduce non-conforming products.
[0038]
Furthermore, after heat-treating the martensitic stainless welded steel pipe manufactured by the above-described method at an Ac 1 point or higher and 830 ° C. or lower, the martensitic stainless welded steel pipe is cooled to 150 ° C. or lower at a speed higher than air cooling, and again 550 ° C. or higher and Ac 1 point or lower. You may heat-process. This is a high-temperature tempering process that improves the toughness of the welded part by online short-time heat treatment. After the temperature is raised from Ac 1 point to 830 ° C in the first heat treatment, it is cooled to 150 ° C or less at a rate faster than air cooling. This is because a complete martensite structure is formed after partial austenitization.
[0039]
Thereafter, the temperature is raised to 550 ° C. or higher and Ac 1 point or lower in order to improve toughness by tempering. When it exceeds the Ac 1 point, it is partially austenitic, and martensite that is insufficiently tempered is formed by subsequent cooling, and the toughness is significantly deteriorated. On the other hand, if the temperature is lower than 550 ° C., sufficient tempering is not performed and the toughness cannot be improved, so the temperature is set to 550 ° C. or higher and Ac 1 point or lower.
[0040]
【Example】
Next, examples of the present invention will be described. Three types of steel pipes with outer diameter of 273.0mm x pipe thickness of 5.0 mm, outer diameter of 323.8 mm x pipe thickness of 6.0 mm, outer diameter of 406.4 mm x pipe thickness of 9.5 mm are manufactured using hot-rolled steel sheets with chemical components shown in Table 1. did.
[0041]
[Table 1]
Figure 0003797105
[0042]
Table 2 shows the welding conditions for laser welding. In this table, Nos. 1 to 7 are invention examples that satisfy the conditions of the present invention, and Nos. 8 to 14 are comparative examples. In Comparative Example No. 8, the irradiation position is too close to the squeeze roll, and X / Xa is 0.76, which is smaller than the lower limit of 0.8. In Comparative Example No. 9, the heat input of welding is small, and the value on the right side of the above-described equation (6) is lower than 0.5, and in Comparative Example No. 10, the upset amount is higher than 1.0 mm. In Comparative Example No. 11, the preheating power exceeds the upper limit of 250 kW, and in Comparative Example No. 12, the heat input of welding is small (value on the right side of Equation (6) <0.5). In Comparative Example No. 13, the welding speed is too slow (the expression (5) v ≧ 0.17X is not satisfied), and in Comparative Example No. 14, the upset amount is 0 and the lower limit is less than 0.1 mm.
[0043]
[Table 2]
Figure 0003797105
[0044]
These steel pipes were subjected to a radiation transmission test in accordance with JIS standard Z3104 and an ultrasonic flaw detection test in accordance with JIS standard G0582 over the entire length of 20 m of the welded part under each welding condition.
[0045]
In Table 2, as a method for evaluating the test results, in the radiation transmission test, ◎ is less than 5 blowholes of φ0.4 mm or less, and 5 or less and less than 10 blowholes of φ0.4 mm or less or φ0. ○ indicates that there are less than 5 blowholes of 8 mm or less, and △ indicates that there are 10 or more blowholes of φ0.4 mm or less, or 5 or less and less than 10 blowholes of φ0.8 mm or less. The following blowholes have 10 or more blowholes with a diameter exceeding 0.8 mm, those with cracks, or those with insufficient penetration are indicated by x.
[0046]
As for the ultrasonic flaw detection test, for an artificial defect of φ1.6 drill hole, the peak indication height is 10% or less ◎, 20% or less ○, 40% or less △, Those exceeding 40% are represented by x. The test results are also shown in Table 2. From Table 2 it is clear that the weld quality of the steel pipe produced according to the invention is very good.
[0047]
Moreover, the steel pipe manufactured by the manufacturing method of the present invention was heat-treated under various conditions, processed into a 5 mm sub-size test piece according to JIS standard Z2202, and subjected to an impact test according to JIS standard Z2242. The test temperature was −60 ° C., and the number of test pieces was three. Table 3 shows the heat treatment conditions and the results.
[0048]
[Table 3]
Figure 0003797105
[0049]
Here, Nos. 21 to 24 are invention examples that satisfy the conditions of the present invention, and Nos. 25 to 28 are comparative examples. In Comparative Examples No. 25 and 26, the first heat treatment temperature is less than the lower limit Ac 1 point of the invention and exceeds the upper limit temperature of 830 ° C., and in Comparative Examples No. 27 and 28, the second heat treatment temperature is the lower limit temperature of 550 ° C., respectively. Less than and upper limit Ac is more than 1 point. From Table 3, it is clear that the weld toughness of the steel pipe heat-treated according to the present invention is very good.
[0050]
【The invention's effect】
In this invention, in the manufacture of martensitic stainless welded steel pipe, the position where the laser is irradiated in the vicinity of the squeeze roll is the optimum position determined by the size of the preheating, the amount of upset, and the angle formed by both edge portions. Therefore, it is possible to greatly suppress the occurrence of weld defects such as blow holes and improve the welded portion toughness. As a result, it is possible to improve yield and productivity by reducing welding repair and reducing reject materials as well as improving quality, which contributes to industrial development.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing an example of an embodiment of the invention.
[Explanation of symbols]
1 Open pipe 2 Preheating high frequency power supply 3 Laser beam 4 Squeeze roll 5 Butt edge 6 V angle

Claims (2)

マルテンサイト系ステンレス鋼板を成形ロールで円筒状のオープンパイプに成形してスクイズロールでアプセット加圧しつつレーザー溶接を行うマルテンサイト系ステンレス溶接鋼管の製造方法において、オープンパイプの相対する両エッジ部を、高周波加熱法により予熱した後、スクイズロールの近傍の前記両エッジ部がV字型に突き合わされている部分で、予熱の大きさE・I、アプセット量、および前記両エッジ部のなす角度αにより決定される位置Xが式(4)を、溶接速度v、板厚tおよびレーザー出力Pが式(5)、(6)を満足する条件でレーザー照射し、スクイズロールで加圧後、内外ビードを切削することを特徴とするマルテンサイト系ステンレス溶接鋼管の製造方法。
90≦E・I≦250 (1)
0.1≦U≦1.0 (2)
Xa=(30+E・I/15+10U)/exp(0.2α) (3)
0.8Xa≦X≦1.2Xa (4)
v≧0.17X (5)
0.5≦P・exp{(250+E・I)/500}/(v・t) (6)
ここで、 E:高周波加熱電圧(kV) I:高周波加熱電流(A) U:スクイズロールでのアプセット量(mm) α:V角(°)(予熱前のスクイズ点より40mm以内での鋼板エッジ部開口部角度) X:レーザー照射位置適正範囲(mm)(スクイズ ロール中心点から上流側への距離) P:レーザー出力(kW) v:溶接速度(m/min) t:鋼板厚(mm)
In the manufacturing method of a martensitic stainless steel pipe that performs laser welding while forming a martensitic stainless steel sheet into a cylindrical open pipe with a forming roll and upset pressurizing with a squeeze roll, After preheating by the high frequency heating method, at the portion where the both edge portions in the vicinity of the squeeze roll are abutted in a V shape, the preheating magnitude E · I , the upset amount U 1 , and the angle α formed by the both edge portions The position X determined by the equation (4) is irradiated with laser under the conditions that the welding speed v, the plate thickness t and the laser output P satisfy the equations (5) and (6), and after pressing with a squeeze roll, the inside and outside A method for producing a martensitic stainless steel welded pipe characterized by cutting a bead.
90 ≦ E ・ I ≦ 250 (1)
0.1 ≦ U ≦ 1.0 (2)
Xa = (30 + E · I / 15 + 10U) / exp (0.2α) (3)
0.8Xa≤X≤1.2Xa (4)
v ≧ 0.17X (5)
0.5 ≦ P · exp {(250 + E · I) / 500} / (v · t) (6)
Where: E: high frequency heating voltage (kV) I: high frequency heating current (A) U: upset amount on squeeze roll (mm) α: V angle (°) (steel plate edge within 40 mm from squeeze point before preheating) X: Laser irradiation position appropriate range (mm) (distance from squeeze roll center point to upstream side) P: Laser power (kW) v: Welding speed (m / min) t: Steel plate thickness (mm)
溶接後の鋼管の溶接部をThe welded part of the steel pipe after welding AcAc 11 点以上More than points 830830 ℃以下の温度に加熱した後、空冷又はそれ以上の冷却速度でAfter heating to a temperature of ℃ or less, with air cooling or higher cooling rate 150150 ℃以下の温度まで冷却し、再びCool to a temperature below ℃ and again 550550 ℃以上℃ or more AcAc 11 点以下の温度に加熱することを特徴とする請求項1記載のマルテンサイト系ステンレス溶接鋼管の製造方法。The method for producing a martensitic stainless steel welded pipe according to claim 1, wherein the steel is heated to a temperature below the point.
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