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JP3795699B2 - 流量分配装置 - Google Patents

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JP3795699B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二股に分岐した1系および2系の管路の流量比を、目標とする流量比に分配する流量分配装置に係り、特に総流量変化等の外乱時にも、振り分け流量の比を目標とする流量比となるようにオンラインで制御できるようにした流量分配装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、流量分配装置の一つとして、二股に分岐した1系および2系の管路の流量比を、1系および2系の管路に設置された振り分け弁の開度制御を行なうことにより、目標とする流量比に分配するものがある。
【0003】
この種の流量分配装置では、二股に分岐した1系および2系の管路の流量分配は、振り分け調節弁の特性から、目標とする比に対応する流量が出るような各振り分け弁の開度の組み合わせを調べ、流量比に対して振り分け弁の開度を一意に決めることにより、制御を行なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、流量比に対して振り分け弁の開度を一意に決める流量分配装置においては、管路を流れる総流量の変化により、あらかじめ決められた各振り分け弁の開度の組み合わせでは、所望の流量比を実現することができなくなる。
【0005】
また、管路内に空気が混入する等の理由により、流量バランスが崩れた場合には制御を行なうことができないという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、二股に分岐した1系および2系の管路の流量分配を行なう場合に、総流量変化等の外乱時にも、目標とする流量比に対応した比となるようにオンラインで制御を行なうことが可能な流量分配装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、二股に分岐した1系および2系の管路の流量比を、当該1系および2系の管路に設置された1系および2系の振り分け弁の開度制御を行なうことにより目標とする流量比に分配する流量分配装置において、請求項1の発明では、1系および2系の管路を流れる流量をそれぞれ計測する1系および2系の流量計測手段と、1系および2系の振り分け弁の開度をそれぞれ計測する1系および2系の振り分け弁開度計測手段と、目標とする流量比に基づいて、1系および2系の管路の流量目標比率を演算する流量目標比率演算手段と、1系および2系流量計測手段によりそれぞれ計測された流量計測値に基づいて、1系および2系の管路の流量計測値比率を演算する流量計測値比率演算手段と、流量目標比率演算手段により演算された流量目標比率と、流量計測値比率演算手段により演算された流量計測値比率とに基づいて、1系および2系の振り分け弁の操作量をそれぞれ演算する1系および2系の振り分け弁操作量演算手段と、2系振り分け弁開度計測手段により計測された2系振り分け弁開度が制御範囲最大開度でない場合、1系振り分け弁に対して出力する操作量を、制御範囲最大開度とすると判断し2系振り分け弁開度が制御範囲最大開度である場合、1系振り分け弁に対して出力する操作量を、1系振り分け弁操作量演算手段により演算された1系振り分け弁操作量とする判断する1系出力判断手段と、1系振り分け弁開度計測手段により計測された1系振り分け弁開度が制御範囲最大開度でない場合、2系振り分け弁に対して出力する操作量を、制御範囲最大開度とすると判断し1系振り分け弁開度が制御範囲最大開度である場合、2系振り分け弁に対して出力する操作量を、2系振り分け弁操作量演算手段により演算された2系振り分け弁操作量とする判断する2系出力判断手段とを備える。
【0008】
従って、請求項1の発明の流量分配装置においては、流量目標比率演算手段では、目標とする流量比を入力し、各系に相当する目標流量比率が求められる。流量計測値比率演算手段では、各系の流量計測値を入力し、各系に相当する流量計測値比率が求められる。1系振り分け弁操作量演算手段、および2系振り分け弁操作量演算手段では、それぞれの系に相当する目標流量比率と流量計測値比率とを入力し、例えばPID制御演算により、それぞれの統の振り分け弁操作量が求められる。
【0009】
自動制御投入時、両系の振り分け弁を一旦制御範囲最大開度(固定値)とする。そして、両系の振り分け弁開度が制御範囲最大開度となった時点から、制御が開始される。
【0010】
1系出力判断手段、および2系出力判断手段では、それぞれ相手の系の振り分け弁開度を入力とし、相手側の振り分け弁開度が制御範囲最大開度の時は、自側の振り分け弁は1系振り分け弁操作量演算手段または2系振り分け弁操作量演算手段にて演算された制御演算(例えばPID制御演算)出力値により制御が行なわれ、相手側の振り分け弁開度が制御範囲最大開度でない時は、自側の振り分け弁の開度を制御範囲最大開度(固定値)出力する判断が行なわれる。
【0011】
これにより、片方の系は制御範囲最大開度固定、もう片方の系は例えばPID制御を行なうことになり、振り分け流量のバランスが崩れた時にも、各系の流量比を目標とする流量比に制御することができる。
【0012】
また、請求項2の発明では、1系および2系の管路を流れる流量をそれぞれ計測する1系および2系の流量計測手段と、1系および2系の振り分け弁の開度をそれぞれ計測する1系および2系の振り分け弁開度計測手段と、目標とする流量比に基づいて、1系および2系の管路の流量目標比率を演算する流量目標比率演算手段と、流量目標比率演算手段により演算された流量目標比率と、1系および2系流量計測手段によりそれぞれ計測された流量計測値とに基づいて、1系および2系の管路の流量目標値を演算する流量目標値演算手段と、流量目標値演算手段により演算された1系および2系の管路の流量目標値と、1系および2系流量計測手段によりそれぞれ計測された流量計測値とに基づいて、1系および2系の振り分け弁の操作量をそれぞれ演算する1系および2系の振り分け弁操作量演算手段と、2系振り分け弁開度計測手段により計測された2系振り分け弁開度が制御範囲最大開度でない場合、1系振り分け弁に対して出力する操作量を、制御範囲最大開度とすると判断し2系振り分け弁開度が制御範囲最大開度である場合、1系振り分け弁に対して出力する操作量を、1系振り分け弁操作量演算手段により演算された1系振り分け弁操作量とする判断する1系出力判断手段と、1系振り分け弁開度計測手段により計測された1系振り分け弁開度が制御範囲最大開度でない場合、2系振り分け弁に対して出力する操作量を、制御範囲最大開度とすると判断し1系振り分け弁開度が制御範囲最大開度である場合、2系振り分け弁に対して出力する操作量を、2系振り分け弁操作量演算手段により演算された2系振り分け弁操作量とする判断する2系出力判断手段とを備える。
【0013】
従って、請求項2の発明の流量分配装置においては、流量目標比率演算手段では、目標とする流量比を入力し、各系に相当する目標流量比率が求められる。流量目標値演算手段では、流量目標比率演算手段により演算された流量目標比率と、各系の流量計測値とを入力し、各系の流量目標値が演算される。1系振り分け弁操作量演算手段、および2系振り分け弁操作量演算手段能では、それぞれの系統に相当する目標流量と流量計測値とを入力し、例えばPID制御演算により、それぞれの系の振り分け弁操作量が求められる。
【0014】
自動制御投入時、両系の振り分け弁を一旦制御範囲最大開度(固定値)とする。そして、両系の振り分け弁開度が制御範囲最大開度となった時点から、制御が開始される。
【0015】
1系出力判断手段、および2系出力判断手段では、それぞれ相手の系の振り分け弁開度を入力とし、相手側の振り分け弁開度が制御範囲最大開度の時は、自側の振り分け弁は1系振り分け弁操作量演算手段または2系振り分け弁操作量演算手段にて演算された制御演算(例えばPID制御演算)出力値により制御が行なわれ、相手側の振り分け弁開度が制御範囲最大開度でない時は、自側の振り分け弁の開度を制御範囲最大開度(固定値)出力する判断が行なわれる。
【0016】
これにより、上記請求項1の発明と同様の作用を奏するのに加えて、1系振り分け弁操作量演算手段、および2系振り分け弁操作量演算手段で用いる制御(例えばPID制御)が流量制御となる構成のため、制御ゲインを容易に決定することができる。
【0017】
さらに、請求項3の発明では、上記請求項2の発明の流量分配装置において、1系および2系の振り分け弁操作量演算手段の制御演算に用いる制御ゲインを、1系および2系の振り分け弁の非線形特性に対応してそれぞれ可変設定する1系および2系の振り分け弁特性データ手段を付加して、1系および2系の振り分け弁操作量演算手段の制御をオートチュ−ニング型とする。
【0018】
従って、請求項3の発明の流量分配装置においては、上記請求項2の発明において、1系振り分け弁操作量演算手段、および2系振り分け弁操作量演算手段の制御(例えばPID制御)をオートチュ−ニング型とすることにより、振り分け弁の非線形特性に対応して制御ゲインを変化させることで、制御の最適化を図ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明は、二股に分岐した1系および2系の管路の流量分配を、それぞれの系の管路に設置された振り分け弁の開度制御により行なう場合に、目標とする流量比から求めた流量目標比率にしたがって例えばPID制御演算を行ない、片方の系の振り分け弁操作量を制御範囲最大固定値とし、他方の系の振り分け弁操作量を制御演算(例えばPID制御演算)出力値とすることにより、振り分け流量の比を目標とする流量比となるようにオンラインで制御できるようにするものである。
【0020】
以下、上記のような考え方に基づく本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態による流量分配装置の構成例を示すブロック図である。
【0022】
図1において、二股に分岐した1系および2系の管路には、それぞれ1系振り分け弁1、および2系振り分け弁2が設置されている。
【0023】
また、1系および2系の管路には、それぞれ1系および2系の管路を流れる流量を計測する流量計測手段である1系流量計3、および2系流量計4が設置されている。
【0024】
さらに、1系振り分け弁1、および2系振り分け弁2には、それぞれ1系振り分け弁1、および2系振り分け弁2の開度を計測する1系および2系の振り分け弁開度計5および2系振り分け弁開度計6が設置されている。
【0025】
一方、コントローラは、流量目標比率演算手段7と、流量計測値比率演算手段8と、1系および2系の振り分け弁操作量演算手段91および92と、1系出力判断手段101と、2系出力判断手段102とから構成されている。
【0026】
流量目標比率演算手段7は、目標とする流量比に基づいて、1系および2系の管路の流量目標比率を演算する。
【0027】
流量計測値比率演算手段8は、1系流量計3、および2系流量計4によりそれぞれ計測された流量計測値に基づいて、1系および2系の管路の流量計測値比率を演算する。
【0028】
1系および2系の振り分け弁操作量演算手段91および92は、流量目標比率演算手段7により演算された流量目標比率と、流量計測値比率演算手段8により演算された流量計測値比率とに基づいて、1系および2系の振り分け弁1および2の操作量をそれぞれ演算する。
【0029】
1系出力判断手段101は、2系振り分け弁開度計6により計測された2系振り分け弁開度に基づいて、1系振り分け弁1に対して出力する操作量を、制御範囲最大開度とするか、1系振り分け弁操作量演算手段91により演算された1系振り分け弁操作量とするかを判断する。
【0030】
2系出力判断手段102は、1系振り分け弁開度計5により計測された1系振り分け弁開度に基づいて、2系振り分け弁2に対して出力する操作量を、制御範囲最大開度とするか、2系振り分け弁操作量演算手段92により演算された2系振り分け弁操作量とするかを判断する。
【0031】
次に、以上のように構成した本実施の形態の流量分配装置の作用について説明する。
【0032】
図1において、1系流量計3および2系流量計4により、それぞれ1系および2系の管路を流れる流量q1 およびq2 が計測される。また、1系振り分け弁開度計5および2系振り分け弁開度計6により、それぞれ1系振り分け弁1および2系振り分け弁2の弁開度v1 およびv2 が計測される。
【0033】
一方、コントローラの流量目標比率演算手段7では、目標流量比1系:2系=Q1 :Q2 を入力し、各系に相当する目標流量比率が、次のような式により求められる。
【0034】
SV1 =Q1 /(Q1 +Q2 ) ……(1)
SV2 =Q2 /(Q1 +Q2 ) ……(2)
SV1 ;1系PID制御目標値
SV2 ;2系PID制御目標値
1 :Q2 ;1系流量:2系流量目標比
流量計測値比率演算手段8では、1系流量計3で計測された1系流量計測値 q1 、および2系流量計4で計測された2系流量計測値q2 を入力し、各系に相当する流量計測値比率が、次のような式により求められる。
【0035】
PV1 =q1 /(q1 +q2 ) ……(3)
PV2 =q2 /(q1 +q2 ) ……(4)
PV1 ;1系PID制御プロセス値
PV2 ;2系PID制御プロセス値
1 ;1系流量計測値
2 ;2系流量計測値
1系振り分け弁操作量演算手段91では、上記SV1 、PV1 にしたがってPID制御演算を行ない、1系振り分け弁操作量mv1 が求められる。
【0036】
2系振り分け弁操作量演算手段92では、上記SV2 、PV2 にしたがってPID演算を行ない、2系振り分け弁操作量mv2 が求められる。
【0037】
自動制御投入時、両系の振り分け弁1および2を、一旦制御範囲最大開度(固定値)とする。そして、両系の振り分け弁1および2開度が制御範囲最大開度となった時点から、制御が開始される。
【0038】
1系出力判断手段101では、2系振り分け弁開度計6で計測された2系振り分け弁開度v2 を入力し、この2系振り分け弁開度v2 が2系振り分け弁制御範囲最大開度の時は、1系振り分け弁開度操作量の制御出力MV1 として、1系振り分け弁操作量演算手段91で演算されたPID制御演算値mv1 を用い、2系振り分け弁開度v2 が2系振り分け弁制御範囲最大開度でない時は、1系振り分け弁開度操作量の制御出力MV1 として、1系振り分け弁制御範囲最大開度(固定値)を用いるように、出力値切り替え判断が行なわれる。
【0039】
2系出力判断手段102では、1系振り分け弁開度計5で計測された1系振り分け弁開度v1 を入力し、この1系振り分け弁開度v1 が1系振り分け弁制御範囲最大開度の時は、2系振り分け弁開度操作量の制御出力MV2 として、2系振り分け弁操作量演算手段92で演算されたPID制御演算値mv2 を用い、1系振り分け弁開度v1 が1系振り分け弁制御範囲最大開度でない時は、2系振り分け弁開度操作量の制御出力MV2 として、2系振り分け弁制御範囲最大開度(固定値)を用いるように、出力値切り替え判断が行なわれる。
【0040】
上述したように、本実施の形態の流量分配装置では、二股に分岐した1系および2系の管路の流量分配を、それぞれの系の管路に設置された振り分け弁1および2の開度制御により行なう場合に、目標とする流量比から求めた流量目標比率にしたがってPID制御演算を行ない、片方の系の振り分け弁操作量を制御範囲最大固定値とし、他方の系の振り分け弁操作量をPID制御演算出力値とするようにしているので、片方の系は制御範囲最大開度固定、もう片方の系はPID制御を行なうことになるため、振り分け流量のバランスが崩れた時にも、各系の流量比を目標とする流量比に制御することが可能となる。
【0041】
(第2の実施の形態)
図2は、本実施の形態による流量分配装置の構成例を示すブロック図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0042】
図2において、コントローラは、流量目標比率演算手段7と、流量目標値演算手段11と、1系および2系の振り分け弁操作量演算手段121および122と、1系出力判断手段131と、2系出力判断手段132とから構成されている。
【0043】
流量目標値演算手段11は、流量目標比率演算手段7により演算された流量目標比率と、1系流量計3、および2系流量計4によりそれぞれ計測された流量計測値とに基づいて、1系および2系の管路の流量目標値を演算する。
【0044】
1系および2系の振り分け弁操作量演算手段121および122は、流量目標値演算手段11により演算された1系および2系の管路の流量目標値と、1系流量計3および2系流量計4によりそれぞれ計測された流量計測値とに基づいて、1系および2系の振り分け弁1および2の操作量をそれぞれ演算する。
【0045】
1系出力判断手段131は、2系振り分け弁開度計6により計測された2系振り分け弁開度に基づいて、1系振り分け弁1に対して出力する操作量を、制御範囲最大開度とするか、1系振り分け弁操作量演算手段121により演算された1系振り分け弁操作量とするかを判断する。
【0046】
2系出力判断手段132は、1系振り分け弁開度計5により計測された1系振り分け弁開度に基づいて、2系振り分け弁2に対して出力する操作量を、制御範囲最大開度とするか、2系振り分け弁操作量演算手段122により演算された2系振り分け弁操作量とするかを判断する。
【0047】
次に、以上のように構成した本実施の形態の流量分配装置の作用について説明する。
【0048】
図2において、1系流量計3および2系流量計4により、それぞれ1系および2系の管路を流れる流量q1 およびq2 が計測される。また、1系振り分け弁開度計5および2系振り分け弁開度計6により、それぞれ1系振り分け弁1および2系振り分け弁2の弁開度v1 およびv2 が計測される。
【0049】
一方、コントローラの流量目標比率演算手段7では、目標流量比1系:2系=Q1:Q2を入力し、各系に相当する目標流量比率が、
1系;Q1 /(Q1 +Q2 )、2系;Q2 /(Q1 +Q2
として求められる。
【0050】
流量目標値演算手段11では、流量目標比率演算手段7で演算された各系流量目標比率、1系流量計3で計測された1系流量計測値q1 、2系流量計4で計測された2系流量計測値q2 を入力し、各系に相当する流量目標値が、次のような式により求められる。
【0051】
SV1 =(q1 +q2 )×Q1 /(Q1 +Q2 ) ……(5)
SV2 =(q1 +q2 )×Q2 /(Q1 +Q2 ) ……(6)
1系振り分け弁操作量演算手段121では、上記SV1 、PV1 =q1 にしたがってPID制御演算を行ない、1系振り分け弁操作量mv1 が求められる。
【0052】
2系振り分け弁操作量演算手段122では、上記SV2 、PV2 =q2 にしたがってPID制御演算を行い、2系振り分け弁操作量mv2 が求められる。
【0053】
自動制御投入時、両系の振り分け弁1および2を、一旦制御範囲最大開度(固定値)とする。そして、両系の振り分け弁1および2開度が制御範囲最大開度となった時点から、制御が開始される。
【0054】
1系出力判断手段131では、2系振り分け弁開度計6で計測された2系振り分け弁開度v2 を入力し、この2系振り分け弁開度v2 が2系振り分け弁制御範囲最大開度の時は、1系振り分け弁開度操作量の制御出力MV1 として、1系振り分け弁操作量演算手段121で演算されたPID制御演算値mv1 を用い、2系振り分け弁開度v2 が2系振り分け弁制御範囲最大開度でない時は、1系振り分け弁開度操作量の制御出力MV1 として、1系振り分け弁最大開度(固定値)を用いるように、出力値切り替えの判断が行なわれる。
【0055】
2系出力判断手段132では、1系振り分け弁開度計5で計測された1系振り分け弁開度v1 を入力し、この1系振り分け弁開度v1 が1系振り分け弁制御範囲最大開度の時は、2系振り分け弁開度操作量の制御出力MV2 として、2系振り分け弁操作量演算手段122で演算されたPID制御演算値mv2 を用い、1系振り分け弁開度v1 が1系振り分け弁制御範囲最大開度でない時は、2系振り分け弁開度操作量の制御出力MV2 として、2系振り分け弁制御範囲最大開度 (固定値)を用いるように、出力値切り替え判断が行なわれる。
【0056】
上述したように、本実施の形態の流量分配装置では、前記第1の実施の形態の場合と同様の効果が得られるのに加えて、1系振り分け弁操作量演算手段121、および2系振り分け弁操作量演算手段122で用いるPID制御が流量制御となる構成のため、制御ゲインを容易に決定することが可能となる。
【0057】
(第3の実施の形態)
図3は、本実施の形態による流量分配装置の構成例を示すブロック図であり、図2と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0058】
図3において、コントローラは、流量目標比率演算手段7と、流量目標値演算手段11と、1系および2系の振り分け弁特性データ設定手段141および142と、1系および2系の振り分け弁操作量演算手段151および152と、1系出力判断手段161と、2系出力判断手段162とから構成されている。
【0059】
1系および2系の振り分け弁特性データ設定手段141および142は、1系および2系の振り分け弁操作量演算手段151および152の制御演算に用いる制御ゲインを、前記1系および2系の振り分け弁1および2の非線形特性に対応してそれぞれ可変設定する。
【0060】
1系および2系の振り分け弁操作量演算手段151および152は、流量目標値演算手段11により演算された1系および2系の管路の流量目標値と、1系流量計3および2系流量計4によりそれぞれ計測された流量計測値と、1系および2系の振り分け弁特性データ設定手段141および142により設定されたPID制御ゲインとに基づいて、1系および2系の振り分け弁1および2の操作量をそれぞれ演算する。
【0061】
すなわち、1系および2系の振り分け弁操作量演算手段151および152のPID制御を、オートチュ−ニング型としている。
【0062】
1系出力判断手段161は、2系振り分け弁開度計6により計測された2系振り分け弁開度に基づいて、1系振り分け弁1に対して出力する操作量を、制御範囲最大開度とするか、1系振り分け弁操作量演算手段151により演算された1系振り分け弁操作量とするかを判断する。
【0063】
2系出力判断手段162は、1系振り分け弁開度計5により計測された1系振り分け弁開度に基づいて、2系振り分け弁2に対して出力する操作量を、制御範囲最大開度とするか、2系振り分け弁操作量演算手段152により演算された2系振り分け弁操作量とするかを判断する。
【0064】
次に、以上のように構成した本実施の形態の流量分配装置においては、1系振り分け弁操作量演算手段151に1系振り分け弁特性データ設定手段141を備え、2系振り分け弁操作量演算手段152に2系振り分け弁特性データ設定手段142を備えて、1系振り分け弁操作量演算手段151、および2系振り分け弁操作量演算手段152のPID制御をオートチュ−ニング型としていることにより、1系および2系の振り分け弁1および2の非線形特性に対応して制御ゲインを変化させることで、制御の最適化を図ることができる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の流量分配装置によれば、目標とする流量比から求めた流量目標比率にしたがって制御演算を行ない、さらに制御出力の判断手段により、片方の系の振り分け弁開度操作量を制御範囲最大開度(固定値)とし、もう片方の系の振り分け弁開度操作量を制御演算値とようにしているので、振り分け流量の比を目標とする流量比となるように制御することができるため、二股に分岐した1系および2系の管路の流量分配を行なう場合に、総流量変化等の外乱時にも、目標とする流量比に対応した比となるようにオンラインで制御を行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による流量分配装置の第1の実施の形態を示すブロック図。
【図2】本発明による流量分配装置の第2の実施の形態を示すブロック図。
【図3】本発明による流量分配装置の第3の実施の形態を示すブロック図。
【符号の説明】
1…1系振り分け弁
2…2系振り分け弁
3…1系流量計
4…2系流量計
5…1系振り分け弁開度計
6…2系振り分け弁開度計
7…1系振り分け弁操作量演算手段
8…2系振り分け弁操作量演算手段
91…1系振り分け弁操作量演算手段
92…2系振り分け弁操作量演算手段
101…1系出力判断手段
102…2系出力判断手段
11…流量目標値演算手段
121…1系振り分け弁操作量演算手段
122…2系振り分け弁操作量演算手段
131…1系出力判断手段
132…2系出力判断手段
141…1系振り分け弁特性データ設定手段
142…2系振り分け弁特性データ設定手段
151…1系振り分け弁操作量演算手段
152…2系振り分け弁操作量演算手段
161…1系出力判断手段
162…2系出力判断手段。

Claims (3)

  1. 二股に分岐した1系および2系の管路の流量比を、当該1系および2系の管路に設置された1系および2系の振り分け弁の開度制御を行なうことにより目標とする流量比に分配する流量分配装置において、
    前記1系および2系の管路を流れる流量をそれぞれ計測する1系および2系の流量計測手段と、
    前記1系および2系の振り分け弁の開度をそれぞれ計測する1系および2系の振り分け弁開度計測手段と、
    前記目標とする流量比に基づいて、前記1系および2系の管路の流量目標比率を演算する流量目標比率演算手段と、
    前記1系および2系流量計測手段によりそれぞれ計測された流量計測値に基づいて、前記1系および2系の管路の流量計測値比率を演算する流量計測値比率演算手段と、
    前記流量目標比率演算手段により演算された流量目標比率と、前記流量計測値比率演算手段により演算された流量計測値比率とに基づいて、前記1系および2系の振り分け弁の操作量をそれぞれ演算する1系および2系の振り分け弁操作量演算手段と、
    前記2系振り分け弁開度計測手段により計測された2系振り分け弁開度が制御範囲最大開度でない場合、前記1系振り分け弁に対して出力する操作量を、制御範囲最大開度とすると判断し前記2系振り分け弁開度が制御範囲最大開度である場合、前記1系振り分け弁に対して出力する操作量を、前記1系振り分け弁操作量演算手段により演算された1系振り分け弁操作量とする判断する1系出力判断手段と、
    前記1系振り分け弁開度計測手段により計測された1系振り分け弁開度が制御範囲最大開度でない場合、前記2系振り分け弁に対して出力する操作量を、制御範囲最大開度とすると判断し前記1系振り分け弁開度が制御範囲最大開度である場合、前記2系振り分け弁に対して出力する操作量を、前記2系振り分け弁操作量演算手段により演算された2系振り分け弁操作量とする判断する2系出力判断手段と、
    を備えて成ることを特徴とする流量分配装置。
  2. 二股に分岐した1系および2系の管路の流量比を、当該1系および2系の管路に設置された1系および2系の振り分け弁の開度制御を行なうことにより目標とする流量比に分配する流量分配装置において、
    前記1系および2系の管路を流れる流量をそれぞれ計測する1系および2系の流量計測手段と、
    前記1系および2系の振り分け弁の開度をそれぞれ計測する1系および2系の振り分け弁開度計測手段と、
    前記目標とする流量比に基づいて、前記1系および2系の管路の流量目標比率を演算する流量目標比率演算手段と、
    前記流量目標比率演算手段により演算された流量目標比率と、前記1系および2系流量計測手段によりそれぞれ計測された流量計測値とに基づいて、前記1系および2系の管路の流量目標値を演算する流量目標値演算手段と、
    前記流量目標値演算手段により演算された1系および2系の管路の流量目標値と、前記1系および2系流量計測手段によりそれぞれ計測された流量計測値とに基づいて、前記1系および2系の振り分け弁の操作量をそれぞれ演算する1系および2系の振り分け弁操作量演算手段と、
    前記2系振り分け弁開度計測手段により計測された2系振り分け弁開度が制御範囲最大開度でない場合、前記1系振り分け弁に対して出力する操作量を、制御範囲最大開度とすると判断し前記2系振り分け弁開度が制御範囲最大開度である場合、前記1系振り分け弁に対して出力する操作量を、前記1系振り分け弁操作量演算手段により演算された1系振り分け弁操作量とする判断する1系出力判断手段と、
    前記1系振り分け弁開度計測手段により計測された1系振り分け弁開度が制御範囲最大 開度でない場合、前記2系振り分け弁に対して出力する操作量を、制御範囲最大開度とすると判断し前記1系振り分け弁開度が制御範囲最大開度である場合、前記2系振り分け弁に対して出力する操作量を、前記2系振り分け弁操作量演算手段により演算された2系振り分け弁操作量とする判断する2系出力判断手段と、
    を備えて成ることを特徴とする流量分配装置。
  3. 前記請求項2に記載の流量分配装置において、
    前記1系および2系の振り分け弁操作量演算手段の制御演算に用いる制御ゲインを、前記1系および2系の振り分け弁の非線形特性に対応してそれぞれ可変設定する1系および2系の振り分け弁特性データ手段を付加して、前記1系および2系の振り分け弁操作量演算手段の制御をオートチュ−ニング型とした
    ことを特徴とする流量分配装置。
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