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JP3793955B2 - 多重支保構築工法 - Google Patents

多重支保構築工法 Download PDF

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JP3793955B2
JP3793955B2 JP10789598A JP10789598A JP3793955B2 JP 3793955 B2 JP3793955 B2 JP 3793955B2 JP 10789598 A JP10789598 A JP 10789598A JP 10789598 A JP10789598 A JP 10789598A JP 3793955 B2 JP3793955 B2 JP 3793955B2
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tunnel
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太 楠本
彰男 長谷川
修一 江戸川
康介 垣見
孝広 石井
哲志 秋田
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Shimizu Corp
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Shimizu Corp
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネル掘削における多重支保構築工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
トンネル掘削工事において、特に初期地圧が高く、軟弱質で低強度の地山(地山強度比0.1以下)では掘削後に大変形が発生し、必要トンネル内空断面は侵され、支保構造体は不安定となるばかりか時には破壊され、何も手当てをしなければ掘削したトンネルは押し潰されてしまう。
このような悪条件下でのトンネル掘削工法としては、従来例えば▲1▼いなし効果を期待して導坑を先行させ、地圧を解放してから本トンネルを掘削する工法と、▲2▼大きい変形余裕とインパート工による断面閉合を考慮した工法等が適用されている。又、地山大変形により必要トンネル内空断面が侵された箇所は、縫い返し工即ち既設の支保工を解体撤去し、地山拡幅の後に支保工の再構築を行うことでトンネル内空断面を確保している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のトンネル掘削では、地山性状にもよるが、危険な作業を伴う縫い返し工を数回に亙って繰り返えすことがあり、地山とトンネルとの確実な安定化が望めないという問題がある。更に、縫い返し工は後ろ向き作業となることから、非能率的で資材等のロスが多く、工期と工費が多く掛かるといった問題もある。
【0004】
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされ、トンネル掘削工事において危険な縫い返し工を必要とせず、掘削時に解放地圧に見合う断面性能を有する支保構造を構築できるようにした多重支保構築工法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための具体的手段として、本発明は、ミニベンチ工法により地山のトンネル切羽位置で掘削した上半部に、アーチ部材からなる鋼材支保工を取り付け、この鋼材支保工の取付後に、トンネル切羽位置で掘削した下半部に、前記下半部の切羽位置からトンネル直径の約1.0倍の掘削範囲内で前記鋼材支保工に繋げて側壁部材を設置すると共に、前記側壁部材に繋げて底壁面に仮インバートを取り付けることで円形に近い形状の閉構造体を形成し、切羽の進行に伴い前記下半部の切羽位置からトンネル直径の約1〜5倍の長さ範囲内で、前記既施工の閉構造体の表面に鋼材支保工と吹き付けコンクリートを施工することにより、解放地圧に見合う支保剛性と支保耐力を有するトンネル支保構造を順次構築し、この後前記トンネル支保構造の内側に覆工コンクリートを打設すると共に、前記仮インバートの上に本インバートを打設してトンネル本体を形成するようにした多重支保構築工法を要旨とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳説する。
図1において、1は鋼材等によりほぼ半円弧状に形成されたH型鋼のアーチ部材であり、トンネル切羽位置で掘削した上半部の内壁面に取り付ける。その後に、この鋼材支保工間に吹き付けコンクリートを吹き付ける。
【0007】
このアーチ部材1の取付後に、トンネル切羽位置での下半部を掘削し、その側壁面に前記アーチ部材1の両下端部に繋げて鋼材等からなる側壁部材2を対設すると共に、底壁面には側壁部材2の両下端部に繋げて鋼製等の仮インバート3を取り付けることにより、円形に近い形状の閉構造体4を形成する。この後に、吹き付けコンクリートを吹き付ける。
【0008】
前記掘削はミニベンチ工法により行い、閉構造体4の形成作業は下半部の切羽位置からトンネル直径の約1.0倍の掘削範囲内で行い、閉構造体4の支保性能は解放地圧に見合う支保剛性と支保耐力を有するように施工する。この場合、トンネル掘削に伴って周辺地山は大きく挙動するため、変形余裕は大きめに取る。
【0009】
ここで、解放地圧に見合う閉構造体4の支保性能を検討すると、支保厚さとトンネル周方向発生応力との関係は図2に示す如くであり、掘削影響範囲を100〜200mと仮定すると、これに見合う支保性能は円形閉構造断面で支保厚約50cmの一軸圧縮強度約230〜460kgf/cm2 が必要である。
【0010】
このような支保性能を有する支保構造体が、トンネル掘削時に瞬時に地山内に構築できればトンネル内は安定するが、トンネルの直径は約10mであって大断面の掘削となることから、現実には施工不可能である。このため、ミニベンチ工法により上下半切り方式で掘削し、前記閉構造体4を形成するのである。
【0011】
トンネル切羽の進行に伴って閉構造体4には応力が発生するが、閉構造体4の長さが下半部の切羽位置からトンネル直径の約1〜5倍の範囲内であれば支保構造が健全に保たれるので、この健全時に既設の閉構造体4の表面に補強工程を実施する。補強工程は、図1のように鋼材支保工5と吹き付けコンクリート6を施工することで行い、これにより解放地圧に見合う支保剛性と支保耐力を備えたトンネル支持構造7を構築する。この場合、閉構造体4の形成後にトンネル挙動特性に応じた支保構造の耐力増が可能となり、合理的なトンネル支保工構造を形成することができる。
【0012】
このようにしてトンネル支保構造7を順次構築することで、トンネル内を安定化することができ、トンネル内空断面の確保が可能となると共に、地山大変形による支保工の破壊を未然に防止することができる。従って、従来のような危険作業を伴う縫い返し工は不要となる。
【0013】
この後、トンネル支保構造7の内側に覆工コンクリート8が打設されると共に、前記仮インバート3の上に本インバート9が打設されてトンネル本体10が形成される。この際、トンネル支保構造7と覆工コンクリート8との間には地山の変形余裕を見込んで隙間Sが設けられる。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、ミニベンチ工法により地山のトンネル切羽位置で掘削した上半部に、アーチ部材からなる鋼材支保工を取り付け、この鋼材支保工の取付後に、トンネル切羽位置で掘削した下半部に、前記下半部の切羽位置からトンネル直径の約1.0倍の掘削範囲内で前記鋼材支保工に繋げて側壁部材を設置すると共に、前記側壁部材に繋げて底壁面に仮インバートを取り付けることで円形に近い形状の閉構造体を形成し、切羽の進行に伴い前記下半部の切羽位置からトンネル直径の約1〜5倍の長さ範囲内で、前記既施工の閉構造体の表面に鋼材支保工と吹き付けコンクリートを施工することにより、解放地圧に見合う支保剛性と支保耐力を有するトンネル支保構造を順次構築し、この後前記トンネル支保構造の内側に覆工コンクリートを打設すると共に、前記仮インバートの上に本インバートを打設してトンネル本体を形成するようにしたので、地山の変形に伴うトンネル支保工の変形や破壊を未然に防止することができる。
これにより、必要トンネル内空断面を確保できると共に、危険な縫い返し工を回避することができ、施工能率の向上と資材の節減が図れることから工期の短縮及び工費の削減が可能となり、特に初期地圧が高く、軟弱質で低強度の地山トンネルの掘削に本発明工法を適用するとその効果はきわめて顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多重支保構築工法によるトンネルの断面図。
【図2】支保厚さとトンネル周方向発生応力との関係を示すグラフ図。
【符号の説明】
1…アーチ部材
2…側壁部材
3…仮インバート
4…閉構造体
5…鋼材支保工
6…吹き付けコンクリート
7…トンネル支保構造
8…覆工コンクリート
9…本インバート
10…トンネル本体

Claims (1)

  1. ミニベンチ工法により地山のトンネル切羽位置で掘削した上半部に、アーチ部材からなる鋼材支保工を取り付け、この鋼材支保工の取付後に、トンネル切羽位置で掘削した下半部に、前記下半部の切羽位置からトンネル直径の約1.0倍の掘削範囲内で前記鋼材支保工に繋げて側壁部材を設置すると共に、前記側壁部材に繋げて底壁面に仮インバートを取り付けることで円形に近い形状の閉構造体を形成し、切羽の進行に伴い前記下半部の切羽位置からトンネル直径の約1〜5倍の長さ範囲内で、前記既施工の閉構造体の表面に鋼材支保工と吹き付けコンクリートを施工することにより、解放地圧に見合う支保剛性と支保耐力を有するトンネル支保構造を順次構築し、この後前記トンネル支保構造の内側に覆工コンクリートを打設すると共に、前記仮インバートの上に本インバートを打設してトンネル本体を形成することを特徴とする多重支保構築工法。
JP10789598A 1998-04-17 1998-04-17 多重支保構築工法 Expired - Lifetime JP3793955B2 (ja)

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