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JP3792632B2 - 無線lan通信方式 - Google Patents

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JP3792632B2
JP3792632B2 JP2002288536A JP2002288536A JP3792632B2 JP 3792632 B2 JP3792632 B2 JP 3792632B2 JP 2002288536 A JP2002288536 A JP 2002288536A JP 2002288536 A JP2002288536 A JP 2002288536A JP 3792632 B2 JP3792632 B2 JP 3792632B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各ステーションがアクセスポイントを介して通信するインフラストラクチャモードと近距離のステーション同士で直接通信するアドホックモードとの両者を有する無線LAN通信方式に関し、特に、一つのステーションが通信相手ステーションとの間でアクセスポイントを不用とする近距離通信が可能な場合にはアドホックモードで通信し、アドホックモード通信が不可能な場合にはインフラストラクチャモードで通信することを状況により自動的に切換えできる無線LAN通信方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常の無線LANでは、一般に各ステーションがアクセスポイントを介して通信するインフラストラクチャネットワークと近距離のステーション同士で直接通信するアドホックネットワークとを有している。
【0003】
従来、この種の無線LAN通信方式では、例えば、ステーションである無線端末が通信相手となる無線端末とアドホックネットワークを介して通信可能であるとの情報を自己のキャッシュメモリに記録している。したがって、各無線端末は、記録された無線端末を相手無線端末とする際、アクセスポイントであるベースステーションを介することなく、相手無線端末との通信にアドホックモードを通信開始当初から自動的に選択できる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この無線端末であるステーションは、通信開始に際して通信相手のステーションをデータベースで検索し、このステーションが記録されていて、アドホックネットワークで通信できるか否かを調べる。記録されていないステーションに対しては、まず、アドホックモードで送受信の可能性が確認される。アドホックモードで通信可能な場合にはデータベースに記録して通信が確立される。不可能な場合は、インフラストラクチャモードに切換えて通信手順が開始される。
【0005】
既に記録されている通信相手ステーションに対しては、アドホックモードで通信手順を開始して通信が確立されるが、既にその状態でないため通信が不能な場合にはインフラストラクチャモードに切換えて通信手順が開始される。同様に、通信中のステーションが移動のためアドホックネットワークから外れた際に、このステーションは、アクセスポイントのベースステーションを介したインフラストラクチャモードに自動的に切換えて可能な限り通信を維持している。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−303105号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の無線LAN通信方式では、無線端末のステーションがアドホックモードでの通信からインフラストラクチャモードでの通信に自動的に切換えることは可能だが、インフラストラクチャモードで通信中のステーションがアドホックモードに自動的に切換えるような、状況に応じた木目細かい適切なモード切換えを自動的に実行することはできないという問題点がある。
【0008】
その理由は、通信開始の当初はデータベースへの記録保持の有無に無関係にアドホックモードにより通信手順を開始しているからである。
【0009】
本発明の課題は、このような問題点を解決し、インフラストラクチャモードとアドホックモードとを所定の条件で適切なモードに自動的に切換えることができる無線LAN通信方式を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による無線LAN通信方式は、ステーションがインフラストラクチャモードで通信手順を開始し、送信元ステーションからアクセスポイントへのデータを終着先となるステーションで傍受できた際に、この通信がアドホックモードで可能であると判断してモードをアドホックモードに自動的に切換えている。このアドホックモードへの切換えに必要なアドホックネットワークでのチャネル決定は、データを傍受したステーションまたはこのステーションから通知を受けたアクセスポイントにより実行することができる。この場合のデータは、信号またはメッセージであってもよく、その形態はパケットに限定されない。
【0011】
この結果、インフラストラクチャモードからアドホックモードに、またアドホックモードからインフラストラクチャモードに、その状況に応じて適切にかつ自動的に切換えることができる。
【0012】
ステーションがアドホック用チャネルを決定する本発明による具体的な一つの無線LAN通信方式は、各ステーションがアクセスポイントを介して通信するインフラストラクチャモードと近距離のステーション同士で直接通信するアドホックモードとの両者を有するものであって、前記ステーションのみがモードの切換制御手段を備えている。
【0013】
この切換制御手段は、自己のステーションがインフラストラクチャモードで受信中のデータを終着先とする場合、送信元から前記アクセスポイント宛てに自己を終着先とするデータを、インフラストラクチャネットワークで飛び交うデータの中から探索する。この切換制御手段は、このデータを傍受した際にこの通信がアドホックネットワークで可能と判断し、受けたデータを一時記憶すると共にアドホックモード通信を実行するための一つの空きチャネルを予約選択する。次いで、この切換制御手段は、通信中の前記アクセスポイントを介して送信元ステーションに前記選択チャネルによるアドホックモードへの切換えを打診し、切換えの承諾を受けた際に通信チャネルを前記選択チャネルに切換えている。
【0014】
また、この切換制御手段は、インフラストラクチャモードでデータの送信元となる場合、前記終着先ステーションからアドホックモードへの切換えの打診を受けた際には、送信予定データを一時記憶して切換えの承諾を返信し、通信チャネルを同一チャネルの前記選択チャネルに切換えている。
【0015】
また、アクセスポイントがアドホック用チャネルを決定する本発明による上述とは別の無線LAN通信方式は、インフラストラクチャモードでデータを中継する前記アクセスポイントが第一のデータ送受信手段と第一の切換制御手段とを有し、ステーションは第二のデータ送受信手段と第二の切換制御手段とを有している。
【0016】
アクセスポイントの第一のデータ送受信手段は、受信するデータを一時記憶してこのデータに対する肯定応答を発信元へ返すと共にこのデータを宛先へ向け送出して肯定応答を受ける。第一の切換制御手段は、一時記憶した前記データに対して終着先へデータ送出する以前に終着先から肯定応答を受けた際には、このデータ通信に対してアドホック用のチャネルの一つを選択して一時記憶のデータを宛先に送出する。第一の切換制御手段は、肯定応答を受けて送信元及び終着先へアドホックチャネルへの切換えを打診し、この切換え打診の受諾応答を受けてこのデータ中継を切離している。
【0017】
ステーションの第二のデータ送受信手段は、インフラストラクチャモードで前記アクセスポイントからデータを受けた際にはこのデータ受付けに対し肯定応答を返している。また、第二の切換制御手段は、送信元から前記アクセスポイントへの自己を終着先とするデータを探索してこのデータを傍受した際には、このデータ送信に対する肯定応答を前記アクセスポイント宛てに送る。また、第二の切換制御手段は、データの送信・受信にかかわらず、前記アクセスポイントからアドホックチャネルへの切換え打診を受けた際には、この切換え打診の受諾応答を返してこの通信をアドホックモードに設定している。
【0018】
また、この構成を有するアクセスポイントでは、アクセスポイントが自己のインフラストラクチャネットワーク領域内のアドホックネットワーク情報を記憶保持できるので、更に、通信領域内のステーションに対して、ビーコンを利用してインフラストラクチャモードとアドホックモードとを周期的に切換えさせることができる。この結果、移動するステーションに対するローミング、またはアドホックモードで通信中のステーションに他のステーションからのデータを着信させ、もしくは他のステーションを参加させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図面では本発明に関する主要部分を示すものであり、詳細は以下の記載による。
【0020】
図1は本発明の実施の一形態を示す機能ブロック図である。
【0021】
図1の無線LAN通信方式では、二つのステーション(以後、STと略称する)10と一つの汎用アクセスポイント(以後、汎用APと略称する)20とが示されている。ディストリビューションシステム(以後、DSと呼称する)30は、例えばイーサネット(登録商標)のような有線LANである。図では一つの汎用AP20のみしか示されていないが、一般にESS(拡張サービスセット)として複数の汎用AP20が接続されている。
【0022】
インフラストラクチャネットワーク(以後、インフラネットと略称する)31とアドホックネットワーク(以後、アドホックネットと略称する)32とは無線LANを形成している。インフラネット31は汎用AP20がステーション10とアクセス可能な通信領域である。アドホックネット32はステーション10が通信チャネルを相互に直接接続できる通信領域である。インフラネット31及びアドホックネット32により無線LANが構成される。
【0023】
ステーション10は、例えばパーソナルコンピュータ、携帯電話機のような無線端末であり、このケースでは、移動可能な通信端末である。また、それぞれのアドレスとして、データ送信元のST10にはMAC(メディア・アクセス・コントロール)アドレスとして「SA:ソース・アドレス」が、また、データ終着先のST10にはMACアドレスとして「DA:デスティネーション・アドレス」が、それぞれ付与されているものとする。したがって、送信元を示す際にはST10(SA)とし、また終着先を示す場合にはST10(DA)とする。
【0024】
ST10は、データ送受信部11、無線LANIF(LANインタフェース)12、ヘッダ解析部13、切換制御部14、データ一時記憶部15、及びCH(チャネル)サーチ部16を備えている。従来との相違は、ステーションがインフラストラクチャモードで通信中のアクセスポイント経由のパケットを傍受し、ヘッダ解析によりアドホックモードを実行可能と判断した際に、アドホックモードを実行するためのチャネルを選定してアドホックモードを実行する点である。
【0025】
また、汎用AP20は、従来と同様の機能を有しており、MACアドレスとして「BSSID:ベース・サービス・セット・アイデンティファイア」を有しているものとする。図示される無線LANIF(LANインタフェース)21は内部の構成要素を無線LANのインフラネット31と接続するインタフェースであり、インフラネット31を介してST10と通信する。無線LANではパケットによりデータが送受信される。このパケットのフォーマットはインフラネット31とアドホックネット32とで相違している。したがって、パケットのヘッダ情報でインフラネット31での通信のものか、またはアドホックネット32での通信のものかを判断できる。
【0026】
データ送受信部11は、図示されてない全体の制御手段及び切換制御部14の制御を受け、無線LANIF12を介してインフラネット31とアドホックネット32とのそれぞれに対して相違するヘッダを有する所定のパケットを送受信する。無線LANIF12は内蔵する構成要素と無線LANとの間で信号及びパケットを送受信する。
【0027】
ヘッダ解析部13は、無線LANIF13を介して無線LANを飛び交っている所定の信号及びパケットを傍受し、汎用AP20を介さずにインフラネット31を介して自己のST10に終着するパケットを検出した際にはこれを切換制御部14に通知している。ちなみに、それぞれのアドレスを併記したST10(SA)から汎用AP20(BSSID)を介してST10(DA)に送られるインフラネット31におけるパケットは「送信先アドレス・送信元アドレス・終着先アドレスまたは発信元アドレス」を有するヘッダを有している。他方で、ST10(SA)からST10(DA)に直接送られるアドホックネット32におけるパケットはネットワークのハイアラーキを示すビットがクリアされ「終着先アドレス・発信元アドレス」のヘッダ「DA/SA」のみを有している。
【0028】
更に具体的には、ST10(SA)から汎用AP20(BSSID)を介してST10(DA)に送られるインフラネット31におけるパケットでは、ST10(SA)から汎用AP20(BSSID)へのヘッダにはアドレス「BSSID/SA/DA」が、また汎用AP20(BSSID)からST10(DA)へのヘッダにはアドレス「DA/BSSID/SA」が、それぞれ挿入される。
【0029】
切換制御部14は、ヘッダ解析部13で傍受により検出された、自己ステーションを終着先とするインフラネット31におけるパケットの通知を受ける。通知を受けた切換制御部14は、そのパケットのデータをデータ一時記憶部15に記憶すると共にCHサーチ部16にアドホック通信用チャネルの探索を指示する。切換制御部14は、他に通信する相手がいないことを確認すると共に探索された空きチャネルの一つをCHサーチ部16から通知を受け、選択して使用するチャネルに決定する。
【0030】
データ一時記憶部15は切換制御部14の制御によりデータを一時記憶する。CHサーチ部16は切換制御部14の指示を受けチャネルを探索してインフラネット31からアドホックネット32に設定を切換えるためのチャネルを選択し決定する。
【0031】
以降の説明ではST10(SA)及びST10(DA)それぞれで相違する機能を説明するが、それぞれの構成要素は、上述するような同一のものであり、従って双方の機能を具備しているものである。
【0032】
次に、図2に図1を併せ参照してST10(SA)が、インフラネット31を介してST10(DA)と通信するインフラストラクチャモードから、アドホックネット32を介して直接ST10(SA/DA)同士が通信するアドホックモードに切換える主要手順について説明する。
【0033】
まず、ST10(SA)ではデータ送受信部11が、インフラストラクチャモードにより無線LANIF13からインフラネット31を介してST10(DA)へパケット(以後、PKTと略称する)を送信(手順S101)する。このPKTはヘッダとしてアドレス「BSSID/SA/DA」を有しており、データ送受信部11は、アドレス「BSSID」の汎用AP20が正常に受取った際に送出する肯定応答PKT(以後、ACKと略称する)を受取る。データ送受信部11はこのACKの受信で次のPKTを送信(手順S102)する。
【0034】
アドレス「BSSID」を有する汎用AP20は、ヘッダにアドレス「BSSID/SA/DA」を有するPKTを受信して取込み、送信元ステーションにACKを返送する一方、ヘッダのアドレスに従って、終着先のST10(DA)へヘッダにアドレス「DA/BSSID/SA」を挿入して送る。
【0035】
この間、PKT終着先のST10(DA)では、ヘッダ解析部13が無線LANIF12を介して無線LANの各チャネルを探索しインフラネット31から自己宛てのPKT、すなわち、ヘッダとしてアドレス「BSSID/SA/DA」を有するPKTを傍受して切換制御部14にこの傍受を通知すると共に傍受データを送る。切換制御部14は、この傍受により、発信元のST10(SA)がアドホックネット32内に存在すると理解し、受けた傍受データをデータ一時記憶部15に記憶(手順S103)すると共にアドホック用チャネルの探索と一つの空き選択とをCHサーチ部16に指示する。CHサーチ部16はアドホック用チャネルを探索して一つのチャネルを選択(手順S104)する。
【0036】
次いで、ST10(DA)では、PKT傍受のヘッダ解析部13が、汎用AP20からヘッダにアドレス「DA/BSSID/SA」を有するPKTを受けた際に受信データを正規に記憶して汎用AP20にACKを返信(手順S105)してこれを切換制御部14に通知する。この結果、切換制御部14は、無線LANIF12を介して選択したチャネル情報と共にアドホックモードへの切換えの打診PKTを汎用AP20へ送信(手順S106)する。
【0037】
ST10(SA)では、無線LANIF12を介して切換制御部14が、汎用AP20で中継された打診PKTを受け、送信予定のデータを送出保留しかつST10(DA)以外の相手ステーションとの通信がないことを確認して切換えの受諾PKTを汎用AP20に返信(手順S107)すると共に受けたチャネル情報により設定を変更してST10(DA)とのアドホック通信を開始(手順S108)する。
【0038】
また、ST10(DA)では、切換制御部が、切換えの受諾PKTを受けた際に、一時記憶されたデータで正規記憶されていない分のデータを正規に記憶し、汎用AP20から受け選択決定したチャネルに設定を変更してST10(SA)とのアドホック通信を開始(手順S109)する。
【0039】
AP20は打診PKT及び受諾PKTの中継により両者間の通信取扱いを終了する。
【0040】
次に、図3に図1及び図2を併せ参照してST10(SA)の動作の流れについて詳細に説明する。
【0041】
ST10(SA)では、データ送受信部11が、無線LANIF12を介してAP20へインフラストラクチャモードでST10(DA)宛てのPKTをヘッダにアドレス「BSSID/SA/DA」を挿入して送出(手順S11)し、送出PKTに対するACKを受取り(手順S12)する。図示されないが、所定時間内にACKの受取りがない場合には再度このPKTの送信がある。この手順S11,12の繰返しの最中にアドホックチャネルの通知を持つ切換えの打診PKTを受取り(手順S13のYES)したデータ送受信部11は、送信予定のデータの送出を保留し宛先ST10(DA)以外のステーションとの通信を探索(手順S14)する。データ送受信部11は、他に通信がないこと(手順S15のNO)を確認してチャネル切換えの受諾PKTを返信し、切換制御部14にこれを通知してアドホックモードへの切換を実行(手順S16)する。
【0042】
次に、図4に図1及び図2を併せ参照してST10(DA)の動作の流れについて詳細に説明する。
【0043】
ST10(DA)では、データ送受信部11が、インフラストラクチャモードで無線LANIF12及び汎用AP20を介してST10(SA)から、ヘッダにアドレス「DA/BSSID/SA」を有するPKTを受信し、受信データを記憶してこのPKTに対するACKを返信(手順S21)する動作をPKT受信の都度、繰り返す。
【0044】
この間、ヘッダ解析部13は、無線LANIF12を介して無線LANを飛び交うインフラネット31のPKTを傍受し、自己ST10(DA)を終着とする汎用AP20(BSSID)宛ての、ヘッダにアドレス「BSSID/SA/DA」を有するPKTを探索(手順S22)している。
【0045】
ヘッダ解析部13が自己を終着とするPKTを検出(手順S23のYES)した際にはこれを切換制御部14に通知する。切換制御部14は、受信PKTのデータを一時記憶部15に記憶してCHサーチ部16に指示しアドホックモードのために空きチャネルを探索(手順S24)する。手順S23が「NO」でPKTの検出がない場合には手順S21に戻って手順は繰り替えされる。
【0046】
手順S24において空きチャネルがある場合(手順S25のYES)に切換制御部14は、データ送受信部11が次のPKTをインフラストラクチャモードで受信した際にその受信データを記憶してACKを返信(手順S26)する。このデータは傍受により一時記憶されている場合には一時記憶から抹消される。次いで、切換制御部14は、アドホックモードへの切換え打診PKTを形成してインフラネット31へ送信(手順S27)する。
【0047】
切換制御部14が、切換えの打診PKTに対する応答として受諾PKTを受信(手順S28のYES)した際には一時記憶されたデータを正規記憶に移動し、選定されたチャネルによりアドホックモードに設定を切換え(手順S29)して通信を開始する。
【0048】
上記手順S25が「NO」及び上記手順S28が「NO」の場合、手順は手順S21に戻り上記手順を繰り返す。
【0049】
次に、図5を参照して上述とは別の実施の形態について説明する。上述した方式との相違は、ステーションがアドホックモードへの切換えを決定した場合、アクセスポイントがアドホックネットで用いるチャネルを決定する点である。
【0050】
図5では、ST40(SA,DA)とSpAP(スペシャルAP)50(BSSID)とが示されている。番号符号に続く括弧内の文字はアドレスを示すものとする。
【0051】
ST40は、データ送受信部41、無線LANIF42、ヘッダ解析部43、及び切換制御部44を備えている。SpAP50は、無線LANIF51、データ送受信部52、CHサーチ部53、切換制御部54、及びデータ一時記憶部55を備えている。すなわち、ステーションだけでなくアクセスポイントまで従来と相違があるが、CHサーチ部とデータ一時記憶部とが多数のステーションから少数のアクセスポイントへ移動している。
【0052】
データ送受信部41、無線LANIF42、及びヘッダ解析部43は基本的に図1を参照して説明した同一名称のものと同様である。切換制御部44は図1を参照して説明した同一名称のものからチャネル選択及びアドホックモードへの切換え打診PKTの送信、及びその受諾PKTの受信それぞれの機能が除かれる。
【0053】
SpAP50のデータ送受信部52は、図示されない全体の制御手段及び切換制御部54の制御を受け、無線LANIF51を介して無線LANとの間でデータPKTを送信しACKを受信する通常の機能の他に、切換制御部54を介して受信データを一時記憶部55に記憶する。CHサーチ部53は、無線LANIF51を介してアドホックモードのためのチャネルを探索している。
【0054】
切換制御部54は、ST40(DA)から受けるACKがアドホックモード切換え条件の際に、CHサーチ部53で探索されたチャネルの一つをアドホックモードのために選択する。更に、切換制御部54は、対象となるST10(SA,DA)以外に通信がないことを確認して一時記憶したデータをST40(DA)に送信してACKを受ける一方で、ST40(SA.DA)に対してアドホックモードへの切換え打診PKTを送り、その受諾PKTを受けてその切換えを制御する。
【0055】
一時記憶部55は、切換制御部54の制御を受け、受けたPKTのデータを一時記憶するが、ST40(DA)へ送信したPKTのACKが返信された際には該当するデータは抹消される。
【0056】
次に、図6に図5を併せ参照してST40(SA)が、インフラネット31を介してST40(DA)と通信するインフラストラクチャモードから、アドホックネット32を介して直接ST40(SA/DA)同士が通信するアドホックモードに切換える主要手順について説明する。
【0057】
まず、ST40(SA)ではデータ送受信部41が、インフラストラクチャモードで無線LANIF42からインフラネット31を介してST40(DA)へPKTを送信(手順S120)する。このPKTはヘッダとしてアドレス「BSSID/SA/DA」を有しており、データ送受信部41は、アドレス「BSSID」のSpAP50(BSSID)が正常に受取った際に送出する肯定応答PKT(以後、ACKと略称する)を受取る。データ送受信部41はこのACKの受信で次のPKTを送信する。
【0058】
SpAP50(BSSID)ではデータ送受信部52が、図示されていない制御部の制御を受け、ST40(SA)からPKTを受けた際、PKTに含まれるデータを一時記憶して、このPKTに対するACKをST40(SA)に返信(手順S121)する。この記憶データはPKTにより送ったST40(DA)からACKの返信を受けた際に抹消される。
【0059】
通常、データ送受信部52は、ヘッダにアドレス「DA/BSSID/SA」を挿入して受けたPKTのデータを新たなPKTに形成してST40(DA)へ送りこの応答としてACKを受ける。しかし、本発明では、データ送受信部52は、PKT送出以前に、ST40(SA)から受けたPKTに対するACKをST40(DA)から受ける場合がある。
【0060】
その理由は、本発明の機能によりST40(DA)がインフラネット31のPKTを傍受し、自己を終着先とするPKTを探索して検出し、この傍受PKTに対するACKをSpAP50(BSSID)に返信(手順S122)するからである。
【0061】
SpAP50(BSSID)ではこのACKを、データ送受信部52を介して切換制御部54が受ける。切換制御部54は、ST40(DA)からのACK受信によりCHサーチ部53から得た空きチャネル情報から、アドホックネット32用に一つのチャネルを選択し、かつST40(SA,DA)以外との通信のないことを確認(手順S123)する。切換制御部54は、手順S123の確認により、一時記憶されたデータをPKTに形成してST40(DA)に送信(手順S124)する。
【0062】
ST40(DA)ではデータ送受信部41が、このPKTを受取り、これに対するACKを返信(手順S125)する。
【0063】
SpAP50(BSSID)では切換制御部54が、無線LANIF51を介してST40(DA)からのACKを受取った際に、ST40(SA,DA)両者へ、上記選択した秋チャネルへの切換えを打診するPKTを送信(手順S126)する。
【0064】
ST40(SA,DA)それぞれでは、切換制御部44が打診PKTを受けてアドホックチャネルへの切換えを受諾する応答を受諾PKTでSpAP50(BSSID)へ返信(手順S127)し、アドホックモードに設定を変更して通信を開始(手順S129)する。
【0065】
受諾PKTを受けたSpAP50(BSSID)では、切換制御部54がST40(SA,DA)間の通信チャネルを開放(手順S129)する。
【0066】
次に、図7に図5及び図6を併せ参照してSpAP50(BSSID)の動作の流れについて詳細に説明する。
【0067】
SpAP50(BSSID)では、データ送受信部52が、図示されない制御手段により、インフラネット31でST40(SA)からST40(DA)を終着先とするPKTを受信するので切離制御部54を介してこのデータを一時記憶部55に記憶し、応答のACKを返信(手順S31)する。
【0068】
一時記憶部55に記憶されているデータのPKTが未だ終着先のST40(DA)に送信しこのACKを受ける以前に、データ送受信部52が一時記憶されているデータのPKTに対するACKをその終着先のST40(DA)から受けた場合(手順S32のYES)には、切離制御部54がCHサーチ部53に指示して空きチャネルを探索(手順S33)する。上記手順S32が「NO」でACKの受信がない場合には上記手順S31に戻って受信を末。所定時間受信のない場合には、図示されていないが障害としてこの通信を打ち切る。
【0069】
上記手順S33の探索で空きチャネルが在った場合(手順S34のYES)には、切離制御部54が、CHサーチ部53から空きチャネル情報を得てST40(SA,DA)以外のステーションとの通信がないことを確認(手順S35のYES)する。上記手順S34,35が「NO」で空きチャネルがない、またはST40(SA,DA)以外のステーションとの通信が在る場合に、手順は、上記手順S31に戻って、空きチャネルが生じるまでまたはST40(SA,DA)以外のステーションとの通信がなくなるまで繰返される。
【0070】
上記手順S35が「YES」の場合、切離制御部54は、一つのチャネルをアドホックネット32用に決定して上記一時記憶されたデータをPKTに形成してST40(DA)へ送信(手順S36)してそのACKを待つ。このACKを受取った切離制御部54は、上記アドホック用に決定したチャネルへの切換え打診PKTを形成してST40(SA,DA)それぞれへ送信(手順S37)する。この打診PKTに応答する切換え受諾PKTをST40(SA,DA)それぞれから受けた際に、切離制御部54は、ST40(SA,DA)かんの通信を開放(手順S38)する。
【0071】
次に、図8に図5及び図6を併せ参照してST40(SA)の動作の流れについて詳細に説明する。
【0072】
ST40(SA)では、データ送受信部41が、無線LANIF42を介してSpAP50(BSSID)へインフラストラクチャモードでST40(DA)宛てのPKTをヘッダにアドレス「BSSID/SA/DA」を挿入して送出(手順S41)し、送出PKTに対するACKを受取り(手順S42)する。図示されないが、所定時間内にACKの受取りがない場合には再度上記手順S41によるPKTの送信がある。この手順S41,42の繰返しの最中にデータ送受信部41を介してアドホックチャネルの通知を持つ切換えの打診PKTを受取り(手順S43のYES)した切換制御部44は、チャネル切換えの受諾PKTを返信(手順S44)し、アドホックモードへの設定切換を実行(手順S45)する。
【0073】
次に、図9に図5及び図6を併せ参照してST40(DA)の動作の流れについて詳細に説明する。
【0074】
ST40(DA)では、データ送受信部41が、インフラストラクチャモードで無線LANIF42及びSpAP50を介してST40(SA)から、ヘッダにアドレス「DA/BSSID/SA」を有するPKTを受信し、受信データを記憶してこのPKTに対するACKを返信(手順S51)する動作をPKT受信の都度、繰り返す。
【0075】
この間、ヘッダ解析部43は、無線LANIF42を介して無線LANを飛び交うインフラネット31のPKTを傍受し、自己ST40(DA)を終着とするSpAP50(BSSID)宛ての、ヘッダにアドレス「BSSID/SA/DA」を有するPKTを探索(手順S52)している。
【0076】
ヘッダ解析部43が自己を終着とするPKTを検出(手順S53のYES)した際にはこれを切換制御部44に通知し、切換制御部44がこのPKTに対するACKをSpAP50(BSSID)に送信(手順S54)する。次いで、切換制御部54は、SpAP50(BSSID)からデータPKTを受信するので、このデータを記憶した後、ACKをSpAP50(BSSID)へ返信(手順S55)する。次いで、切換制御部54は、データ送受信部41を介してアドホックチャネルの通知を持つ切換えの打診PKTを受取るので、チャネル切換えの受諾PKTを返信(手順S56)し、アドホックモードへの設定切換を実行(手順S57)する。
【0077】
次に、図10に図1または図5を併せ参照してアドホックモードで通信中のステーションが通信を終了した際の動作手順について説明する。図10では図1における条件で示されているが、図5に対しても同様な手順である。
【0078】
データの送信元のST10(SA)がアドホックモードで通信を終了(手順S131)した際、切換制御部14は、インフラストラクチャモードへの切換要求PKTをST10(DA)へ送信(手順S132)する。切換要求PKTを受けたST10(DA)では、切換制御部14が切換受諾PKTをST10(SA)へ返信(手順S133)すると共にインフラストラクチャモードへ設定を切換えて次ぎの通信を開始(手順S134)する。ST10(SA)では、切換受諾PKTを受けた切換制御部14がインフラストラクチャモードへ設定を切換えて次ぎの通信を開始(手順S135)する。
【0079】
次に、図11に図1を併せ参照して通信状態が悪化したためステーションがアドホックモードでの通信が不可能になった場合について説明する。
【0080】
図11での図1との相違は、ST10に電波強度検出部17が追加され備えられている点である。電波強度検出部17は、無線LANIF12を介して無線LANから受ける信号の受信レベルの強度であるRSSI(受信信号強度)を計測し、所定値を割って低下したことを検出した場合、通信の悪化と見なして切換制御部14に通知する。
【0081】
次に、図12に図1及びず11を併せ参照して通信状態の悪化をRSSIのレベル低下により検出した場合について説明する。
【0082】
データPKT受信中のST10(DA)で、電波強度検出部17が受信信号の強度の所定値以下への低下を検出した際、切換制御部14は、これを受けて通信悪化状態の検出(手順S141)と判断し、インフラストラクチャモードへの切換要求PKTを形成して信号発信元のST10(SA)へ送信(手順S142)する。
【0083】
この切換要求PKTを受信したST10(SA)の切換制御部14は、切換受諾PKTを形成してST10(DA)へ返信(手順S143)すると共に送信データを一時記憶部15に記憶(手順S144)する。
【0084】
切換受諾PKTを受信したST10(DA)の切換制御部14は、送信データがある場合、これを一時記憶部15に記憶(手順S145)する。
【0085】
上記手順S144及びS145に次いでST10(SA,DA)それぞれでは切換制御部14が汎用AP20とのインフラネット31でのチャネルを探索して一つの空きチャネルを設定し汎用AP20を呼出し(手順S146)してインフラストラクチャモードによる所定の通信手順を開始(手順S147)する。
【0086】
次に、図13及び図14を参照してステーションがアドホックモードに在る場合でも、インフラストラクチャモードとアドホックモードとを交互に実行して、送受信データを順次捌くことができる構成について説明する。
【0087】
図13では、上記図5に示される構成に、ST40(SA,DA)ではタイマ部45が、またSpAP50(BSSID)にはモード期間記憶部56が、それぞれ追加されている。更に、SpAP50(BSSID)ではデータ一時記憶部54が切換制御部の制御を受け、アドホックネット32でアドホックモードにより通信するステーションの情報を記憶しているものとする。
【0088】
タイマ部45には、図14に示されるように、SpAP50のモード期間記憶部56で予め記憶される、ビーコンタイミングに基づくインフラストラクチャモード及びアドホックモードそれぞれの期間が設定される。これらモード期間はモード期間記憶部56にSpAP50から定期的に送信されるビーコン周期に対してビーコン待ち時間が得られるように設定され記憶される。
【0089】
次に、図15に図13及び図14を併せ参照してこの主要動作手順について説明する。手順はSpAP50の主導によりST40(SA,DA)それぞれが同一動作を行う。従って、説明ではST40の動作手順とする。
【0090】
SpAP50は、上述したように、切換制御部54からアドホックネット31への切換えのため空きチャネル情報を含む切換え打診PKTを接続されるST40(SA,DA)それぞれに送信する。この際、切換制御部54は、モード期間記憶部56に記憶されるインフラストラクチャモード及びアドホックモードそれぞれの期間を読み出して同時に送信(手順S150)すると共に、アドホックネット32に接続するST40(SA,DA)両者間以外の送受信データを一時記憶部55に記憶(手順S151)する。また、切換制御部54は、インフラストラクチャモード及びアドホックモードそれぞれの切換通信のため、ST40(SA,DA)両者の通信関連情報をデータ位置時期億部54に記憶保持している。さらにこれらデータは更新されている。
【0091】
上記打診PKTを受けたST40では、切換制御部44が、受けたモード期間をタイマ45に設定すると共に、チャネルの切換え受諾PKTを形成してSpAP5に返信(手順S152)すると共に、受けたチャネルによりアドホックモードの設定して通信を開始(手順S153)する。アドホックモード期間の終了でビーコン待ち(手順S154)を経過した後、SpAP50が、従来と同様、ビーコンを送信(手順S155)する。ST40では、データ送受信部41がビーコンを受けてインフラストラクチャモードに設定切換えし、SpAP50にアクセスしてインフラネット31の接続となると共にタイマ部45でインフラストラクチャモード期間の時限計測が開始(手順S156)される。
【0092】
インフラネット31の接続により、SpAP50の切換制御部54は上記手順S151で一時記憶されたデータを宛先ST40へ送信(手順S157)することができる。次いで、インフラストラクチャモード期間の時限計測中(手順S158)はインフラネット31での通信が実行される。インフラストラクチャモード期間の時限終了でアドホック期間開始となるので、ST40の切換制御部44は所定のアドホックチャネルに接続を切換え(手順S159)することによりアドホックモード期間中アドホックモードで通信ができ、手順は上記手順S153に戻って動作を繰り返す。
【0093】
上記説明では、最初のビーコン送信までにアドホックモードで通信するとしたが、最初はインフラストラクチャモードで最初のビーコン待ちとする手順であってもよい。
【0094】
次に図16に図13を併せ参照してローミング動作について説明する。図16ではローミングのため例えば代表して二つのSpAP50−1,50−2がDS30に接続されている。SpAP50−1,50−2同士はビーコン同期がとれているものとする。
【0095】
例えばST40(DA)がインフラストラクチャモードで所定のローミング条件の発生(手順S160)を検出した場合、切換制御部44は、所定のローミング要求PKTを作成して切換え先のSpAP50−2へ送信(手順S161)する。
【0096】
SpAP50−2では、切換制御部54がローミング要求PKTを受けてその応答PKTをST40(DA)へ返信(手順S162)すると共にステーションの移動通知PKTを移動元のSpAP50−1へ送信(手順S163)する。上記手順S163による応答PKTを受けたST40(DA)はSpAP50−2との接続切換準備を行って、ビーコン待ち状態にある。
【0097】
手順S163の移動通知PKTをSpAP50−2から受けたSpAP50−1は、応答PKTを形成してSpAP50−2へ返信(手順S164)する。この応答PKTには、SpAP50−1で記憶されていた一時記憶データ及びモード期間データが含まれ、ST40(DA)はローミング後も同等のサービスを受けることができる。応答PKTを返信したSpAP50−1はSpAP50−2との間で通信設定し、SpAP50−2は受けた一時記憶データ及びモード期間データを所定領域に記憶してSpAP50−1との間で相互に通信設定(手順S165)する。
【0098】
ここで、SpAP50−2がビーコンを送信(手順S166)するので、ST40(DA)はこのビーコンを受けて設定をインフラストラクチャモードに切換え(手順S167)してSpAP50−2にアクセスする。SpAP50−2はST40(DA)からのアクセスを受けて、データ一時記憶部55に記憶されたデータをPKTに形成してST40(DA)に送信(手順S168)し、ST40(DA)はSpAP50−2とインフラストラクチャモードによる通信を開始(手順S169)できる。
【0099】
この状態でなお、ST40(DA)がST40(SA)とアドホックネット32に共通に接続する場合にはST40(SA)もST40(DA)と同様な手順でSpAP50−1からSpAP50−2にローミング移動することができる。
【0100】
次に、図18及び図19を併せ参照して図13の構成がアドホックネット32で通信中のST40(SA,DA)に第三者でMACアドレス「AA」を付与されたST40(AA)をこの通信に参加させることが可能であることについて説明する。
【0101】
例えば、ST40(AA)がSpAP50(BSSID)を介してインフラネット31によりST40(DA)を終着先とするデータPKTを送信(手順S171)したものとする。
【0102】
SpAP50(BSSID)では、データ一時記憶部55が関連するST40(SA,DA)の通信情報を保持している。従って、切換制御部54は、同一のアドホックネット32に在るST40(AA)からST40(DA)宛てのデータを受信した際に、データ一時記憶部55からST40(DA)のアドホックチャネルを読み出して通知することができる。すなわち、切換制御部54は、アドホックチャネルを通知するCH通知PKTをST40(AA)に送信(手順S172)する。
【0103】
ST40(AA)では、切換制御部44が受信したアドホックチャネルによりアドホックモードに切換えてアクセス要求PKTをST40(DA)へ送信(手順S173)することにより参加の可否を尋ねることができる。
【0104】
ST40(DA)がこのアクセス要求PKTを受諾する場合、受諾PKTをST40(AA)へ返送(手順S174)するので、切換制御部44によりST40(AA)がアドホックネット32の同一チャネルにアクセスしてST40(SA/DA/AA)の三者通信(手順S175)が実現する。
【0105】
上記説明では、切換の際に切換制御部がPKTを送受信する手順もあるが、切換制御部の制御によりデータ送受信部が実行することが望ましい。また、上記説明ではデータまたは信号の形態をパケットとしたが、セル形式など他の形態でもよい。
【0106】
上記説明では、図示された機能ブロックおよび手順を参照しているが、機能の分離併合による配分または手順の前後入替えなどの変更は上記機能を満たす限り自由であり、上記説明が本発明を限定するものではなく、更に、無線LANの方式全般に適用可能なものである。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、無線端末のようなステーションがインフラストラクチャモードとアドホックモードとを所定の条件で自動的に切換えることができるという効果を得ることができる。
【0108】
その理由は、ステーションがインフラストラクチャモードから通信を開始し、インフラストラクチャネットワークを飛び交うパケットを探索し、自己ステーションを終着先とするアクセスポイント宛てのパケットを傍受した際に、通信相手がどういつのアドホックネットワークを使用して通信できると判断するからである。
【0109】
アドホックネットワークのチャネルをステーションが決定する場合は、アクセスポイントにコスト負担がかからないが、アクセスポイントで決定する場合にはステーション側でコスト負担が少ない。また、少数側のアクセスポイントに負担をかける場合、多くの情報を一時記憶させることにより、多岐にわたるサービスの向上を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の機能ブロックとその接続とにおける実施の一形態を示す図である。
【図2】本発明の図1におけるモード切換え手順の実施の一形態を示すシーケンスチャートである。
【図3】本発明の図1のST(SA)におけるモード切換え手順の実施の一形態を示すフローチャートである。
【図4】本発明の図1のST(DA)におけるモード切換え手順の実施の一形態を示すフローチャートである。
【図5】本発明の図1と異なる機能ブロックとその接続とにおける実施の一形態を示す図である。
【図6】本発明の図5におけるモード切換え手順の実施の一形態を示すシーケンスチャートである。
【図7】本発明の図5のSpAP(BSSID)におけるモード切換え手順の実施の一形態を示すフローチャートである。
【図8】本発明の図5のST(SA)におけるモード切換え手順の実施の一形態を示すフローチャートである。
【図9】本発明の図5のST(DA)におけるモード切換え手順の実施の一形態を示すフローチャートである。
【図10】本発明のアドホックモードにおける通信終了手順の実施の一形態を示すシーケンスチャートである。
【図11】本発明の図1におけるSTと異なる機能ブロック構成の実施の一形態を示す図である。
【図12】本発明の図11におけるモード切換え手順の実施の一形態を示すシーケンスチャートである。
【図13】本発明の図1及び図5と異なる機能ブロックとその接続とにおける実施の一形態を示す図である。
【図14】本発明の図13におけるモード期間の実施の一形態をを説明するタイムチャートである。
【図15】本発明の図13におけるモード切換え手順の実施の一形態を示すシーケンスチャートである。
【図16】本発明によるローミングを説明するブロックとその接続とにおける実施の一形態を示す図である。
【図17】本発明の図16における主要手順の実施の一形態を示すシーケンスチャートである。
【図18】本発明によるアドホックネットワークにおけるチャネル参加を説明するブロックとその接続とにおける実施の一形態を示す図である。
【図19】本発明の図18における主要手順の実施の一形態を示すシーケンスチャートである。
【符号の説明】
10、40 ST(ステーション)
11、41,52 データ送受信部
12、21、42、51 無線LANIF(LANインタフェース)部
13、43 ヘッダ解析部
14、44,54 切換制御部
15、55 データ一時記憶部
16、53 CH(チャネル)サーチ部
17 電波強度検出部
20 汎用AP(汎用アクセスポイント)
30 DS(ディストリビューションシステム)
31 インフラネット(インフラストラクチャネットワーク)
32 アドホックネット(アドホックネットワーク)
45 タイマ部
50 SpAP(スペシャルアクセスポイント)
56 モード期間記憶部

Claims (12)

  1. 各ステーションがアクセスポイントを介して通信するインフラストラクチャモードと近距離のステーション同士で直接通信するアドホックモードとの両者を有する際の方式であって、
    前記ステーションが、インフラストラクチャモードでデータを受信中の際、このデータの送信元から前記アクセスポイント宛てであり終着先が自己の送信データを探索してこの送信データを傍受した際に送信元とアドホックモード通信が可能と判断し、
    当該ステーションと当該ステーションからアドホックモード通信可能の通知を受けたアクセスポイントとのうちの一つが、紛失する懸念のあるデータを一時記憶保持すると共にアドホックモード通信を実行するための一つの空きチャネルを予約選択し、この選択チャネルをデータ送信元のステーションに通知して、
    データの終着先となるステーションと送信元であるステーションとの両者が選択チャネルによるアドホックモードへの切換えを実行する
    ことを特徴とする無線LAN通信方式。
  2. 各ステーションがアクセスポイントを介して通信するインフラストラクチャモードと近距離のステーション同士で直接通信するアドホックモードとの両者を有する際の方式であって、前記ステーションが切換制御手段を備え、当該切換制御手段は、
    自己ステーションがインフラストラクチャモードで受信中のデータの終着先となる場合、送信元から前記アクセスポイントへの自己宛て送信データを探索し、この送信データを傍受した際には、受けたデータを一時記憶すると共にアドホックモード通信を実行するための一つの空きチャネルを予約選択して、通信中の前記アクセスポイントを介して送信元ステーションに前記選択チャネルによるアドホックモードへの切換えを打診し、切換えの承諾を受けた際に通信チャネルを前記選択チャネルに切換え、また
    自己ステーションがインフラストラクチャモードで送信中のデータの送信元である場合、前記終着先ステーションからアドホックモードへの切換え打診を受けた際には、送信予定データを一時記憶して切換えの承諾を返信し、通信チャネルを同一チャネルの前記選択チャネルに切換える
    ることを特徴とする無線LAN通信方式。
  3. 請求項2において、前記送信元となるステーションの切換制御手段は、送信予定データを一時記憶する際、更に前記終着先ステーション以外との通信予定無しを確認することを特徴とする無線LAN通信方式。
  4. 請求項2において、前記切換制御手段は、自己ステーションが一方の送信元である場合には、アドホックモードで通信を終了した際に、インフラストラクチャモードへの切換え要求を終着先へ送り、この終着先から承諾の応答を得て通信状態を終了し、他方の終着先である場合では、送信元から前記切変え要求を受けた際に承諾の応答を送って通信状態を終了することを特徴とする無線LAN通信方式。
  5. 請求項2において、前記ステーションは通信状態が所定条件より悪化したことを検出する通信状態悪化検出手段を更に有し、
    前記切換制御手段は、アドホックモードで受信中の信号に対し、前記通信状態悪化検出手段から所定の通信悪化状態検出の通知を受けた際に、通信相手の送信元にインフラストラクチャモードへの切換え要求を送り、この送信元から承諾の応答を得た際に、送信データを一時記憶し、他方、送信元では、前記データの終着先から前記切変え要求を受けた際に、切換えの承諾応答を送って送信データを一時記憶し、次いで、送信元及び終着先の何れの場合も、通常のインフラストラクチャモードへの切換え手順によりアクセスポイントとの一つのチャネルを選択してアクセスポイントにアクセスし、通信をインフラストラクチャモードに切換えることを特徴とする無線LAN通信方式。
  6. 請求項5において、前記所定の通信悪化状態は、受信信号強度が所定値より低下した状態であることを特徴とする無線LAN通信方式。
  7. 各ステーションがアクセスポイントを介して通信するインフラストラクチャモードと近距離のステーション同士で直接通信するアドホックモードとの両者を有する際の方式であって、
    インフラストラクチャモードでデータ中継する前記アクセスポイントは、受信するデータを一時記憶してこのデータに対する肯定応答を発信元へ返すと共にこのデータを終着先へ向け送出して肯定応答を受ける第一のデータ送受信手段と、一時記憶した前記データに対して終着先へデータ送出する以前に終着先から肯定応答を受けた際には、このデータ通信に対してアドホック用のチャネルの一つを選択して一時記憶のデータを宛先に送出し、この肯定応答を受けて送信元及び宛先へアドホックチャネルへの切換えを打診し、この切換え打診の受諾応答を受けてこのデータ中継を切離す第一の切換制御手段とを有し、
    前記ステーションは、インフラストラクチャモードで前記アクセスポイントからデータを受けた際にはこのデータ受付けに対し肯定応答を返す第二のデータ送受信手段と、送信元から前記アクセスポイントへの自己を終着先とする送信データを探索してこの送信データを傍受した際には、このデータ送信に対する肯定応答を前記アクセスポイント宛てに送り、データの送信・受信にかかわらず、前記アクセスポイントからアドホックチャネルへの切換え打診を受けた際には、この切換え打診の受諾応答を返してこの通信をアドホックモードに設定する第二の切換制御手段とを有する
    ことを特徴とする無線LAN通信方式。
  8. 請求項7において、前記アクセスポイントは、アドホック用のチャネルの一つを選択した際に、更に、前記送信元及び前記終着先のステーションでこれ以外のステーションとの通信予定無しを確認することを特徴とする無線LAN通信方式。
  9. 請求項7において、前記アクセスポイントは、アドホックモードで通信中の一つのステーションを送信先とするデータを第三のステーションから受けた際には、その終着先ステーションが使用するアドホックチャネルを前記第三のステーションに通知し、前記第三のステーションはこの通知で受けたチャネルを用いてデータの終着先ステーションとアドホックモードで通信を行うことを特徴とする無線LAN通信方式。
  10. 請求項7において、前記ステーションの第二の切換制御手段は、一方では、送信元としてアドホックモードでデータの送出を終了した際にインフラストラクチャモードへの切換え要求を終着先ステーションへ送り、この終着先から承諾の応答を得て通信状態を終了し、他方では、終着先として送信元から前記切変え要求を受けた際に承諾の応答を送って通信状態を終了することを特徴とする無線LAN通信方式。
  11. 請求項7において、前記アクセスポイントは、更にビーコン送出タイミングを基準としたインフラストラクチャモード及びアドホックモードそれぞれの期間を記憶するモード期間記憶手段を有し、
    前記アクセスポイントの第一の切換制御手段は、アドホック用のチャネルの一つを選択した際に、前記モード期間記憶部手段に記憶された期間情報を関連するステーションに送ると共にこの関連ステーション宛てに他のステーションから受けたデータを一時記憶し、所定のビーコン送信に対してこの関連ステーションから受けるインフラストラクチャモードへの切換えで上記一時記憶したデータを該当ステーションに送り、前記期間情報に基づく切換えによりアドホックモードで通信中の関連ステーションに他のステーションから受けた着信データを一時記憶し、かつ所定の時期にビーコンを送出する手順を繰返し、
    前記ステーションの第二の切換制御手段は、前記アクセスポイントからモード切換えの打診を受けた際には受諾応答してアドホックモードに切換えると共に前記期間情報に基づくアドホックモード期間終了後、前記アクセスポイントからのビーコンを待ち、ビーコンの受信で通信をインフラストラクチャモードに切換えてこれを前記アクセスポイントに通知し、次いで当該アクセスポイントから一時記憶されたデータを受け、次いで前記期間情報に基づく期間でインフラストラクチャモードとアドホックモードとを実行して次に送られてくるビーコンを待ち、かつ所定の時期にビーコンを受ける手順を繰返す
    ことを特徴とする無線LAN通信方式。
  12. 請求項11において、複数の前記アクセスポイントが相互にビーコン同期をとってローミングに備え、移動ステーションが移動元から移動先のアクセスポイントへ移動する場合、
    前記アクセスポイントは、一方で、前記移動ステーションからローミング要求を受け移動先アクセスポイントとなる際には、移動ステーションに応答すると共にこの移動ステーションとアクセス中の移動元アクセスポイントに移動通知を送り、この移動通知の応答として受ける一時記憶されたデータ及びモード期間情報を内部記憶手段に記憶し、次いで、所定時期にビーコンを送信し、更に、前記移動ステーションからインフラストラクチャモードとしてアクセスを受けた際に一時記憶された前記データをこの移動ステーションに送り、他方で、移動先アクセスポイントから移動通知を受けた際には、この応答に一時記憶されたデータとモード期間情報とを前記アクセスポイントへ送る手順を有し、かつ、
    前記ステーションは、インフラストラクチャモードで所定のローミング条件が発生した際には移動先アクセスポイントへローミング要求を送り、この要求に対する応答を受けてアクセスポイントの切換えを準備し、移動先アクセスポイントのビーコンを受けた際に再度、インフラストラクチャモードに切換えて移動先アクセスポイントへのアクセスを開始し、移動先アクセスポイントから一時記憶された前記データを受けて通信を開始する手順を有する
    ことを特徴とする無線LAN通信方式。
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