JP3791693B1 - 種苗育成体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 公園や道路の路肩等の花壇に苗木を植付ける場合に、植付けが容易であると共に、環境に配慮しつつ、苗木の周りに雑草が生えることを防止することができ、苗木の乾燥を防止することができる種苗育成堆肥形成体を提供することを目的とする。
【解決手段】 培養土を圧縮して形成された錐体形状からなり、上端部に苗木または種子を植え付ける堆肥形成部20と、凹部の中央に孔が設けられた凹レンズ形状からなり、前記上端部の外周縁と前記孔とが接合されているマルチング材10とを有する種苗育成堆肥形成体である。
【選択図】 図1
【解決手段】 培養土を圧縮して形成された錐体形状からなり、上端部に苗木または種子を植え付ける堆肥形成部20と、凹部の中央に孔が設けられた凹レンズ形状からなり、前記上端部の外周縁と前記孔とが接合されているマルチング材10とを有する種苗育成堆肥形成体である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、公園や道路の路肩等の花壇に苗木を植付ける場合等に用いる種苗育成体に関する。
従来、公園や道路の路肩等の花壇においては、季節に応じて、公共工事(緑化工事)として苗木の植え替えが行われている。
図4は、従来の種まきから定植までのプロセスの概略を示す図である。
一般的に、公園や道路の路肩等の花壇に苗木を植付ける場合、定植をするまでには、図4に示すように、主に、(1)播種(は種)→(2)育苗→(3)鉢上げ→(4)定植という4段階の作業工程を行う必要がある。
一般的に、公園や道路の路肩等の花壇に苗木を植付ける場合、定植をするまでには、図4に示すように、主に、(1)播種(は種)→(2)育苗→(3)鉢上げ→(4)定植という4段階の作業工程を行う必要がある。
なお、播種の工程では播種専用の培養土を使い、鉢上げの工程では鉢上げ専用の培養土を使う。播種専用の培養土は、肥料分が少なく殺菌や滅菌されている土であり、鉢上げ専用の培養土は、肥料分が多く保水・排水性の良い土であって定植する際に丈夫な根を作ることができる土である。
上記で示す各作業工程の中で、鉢上げ工程は、専用のポリ鉢等を準備したり、専用の培養土を用いたりする必要があるので、特に気を使うことが多い。また、定植の工程は、移植ゴテで地面を掘り、鉢上げ用ポリ鉢から苗木を抜き取り、抜き取った苗木を掘った地面に植え付ける作業工程である。このため、この作業に慣れるまでに時間がかかると共に、作業時間が長いという問題がある。つまり、公園や道路の路肩等の花壇に苗木を植付ける場合、定植の工程において作業時間・労力の面でコストを抑えることが困難であるという問題がある。
この問題を解決する技術として特許文献1には、結合手段により組み合わせ状態が保持された2個の半割部材の組み合わせからなる育苗ポットが開示されている。当該半割部材には、開口上部を閉じる半割形状の蓋部分が一体成形され、この蓋部分のほぼ中央部に苗木の茎部分を導き出す孔部が設けられている。また、当該育苗ポットには、半割部材の上端の外周縁の全長に一定幅のフランジが略水平に設けられている。
なお、特許文献1に記載の育苗ポットの上端部には窪みが設けられ、この窪みに雨水を溜めて苗木に水分を供給する(段落0029)。しかし、上端部に設けられた窪みは小さく上端の外周縁に設けられたフランジが略水平であるので、苗木に雨水を充分集めることができない場合がある。そうすると、降水量が少ない時期等には、苗木に供給される水分が不足し、苗木を乾燥から守ることができないという問題がある。
また、緑化工事の現場において、地面に敷設した防草シート等のシート材の上から育苗ポットを地面へ埋込んだ際に、シート材の破断が生じても、半割部材の上端の外周縁に設けられたフランジが当該シート材を押さえるので、地面の露出を防止し雑草の発生を抑制する(段落0031)。しかし、地面がデコボコしている花壇にシート材を使用せずに特許文献1に記載の育苗ポットを用いて植付けをする場合、フランジが略水平に設けられているので、植付け後に、地面とフランジとの間から太陽の光が入り込み、フランジの下部に雑草が発生するという問題がある。つまり、苗木の近傍に発生する雑草の発生を防止することができないという問題がある。
特開2004−254604号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、公園や道路の路肩等の花壇に苗木を植付ける場合に、植付けが容易であると共に、環境に配慮しつつ、苗木の周りに雑草が生えることを防止することができ、苗木の乾燥を防止することができる種苗育成体を提供することを目的とする。
本発明は、公園や道路の路肩等の花壇に苗木を植付ける場合に、植付けが容易であると共に、植付け後に苗木の成長を視覚的に楽しむことができる種苗育成体を提供することを目的とする。
本発明は、例えば、図1、2に示すように、培養土を圧縮して形成された錐体形状からなり、上端部に苗木または種子を植え付ける本体部(堆肥形成部20)と、凹部の底部に孔が設けられた凹レンズ形状からなり、前記上端部の外周縁と前記孔とが接合されているマルチング部(マルチング材10)とを有し、前記本体部において、前記上端部から前記本体部の先端部に進むに従って、前記本体部を構成する培養土の圧縮比率を高めることを特徴とする種苗育成体である。
また、本発明は、例えば、図1、2に示すように、培養土を圧縮して形成された錐体形状からなり、上端部に苗木または種子を植え付ける本体部(堆肥形成部20)と、凹部の底部に孔が設けられた凹レンズ形状からなり、前記上端部の外周縁と前記孔とが接合されているマルチング部(マルチング材10)とを有し、前記本体部における他の部分よりも圧縮率を高くし水を吸収した際の膨張率を高くした部分である膨張部を、前記本体部の先端部に設けたことを特徴とする種苗育成体である。
また、本発明は、例えば、図1、2に示すように、培養土を圧縮して形成された錐体形状からなり、上端部に苗木または種子を植え付ける本体部(堆肥形成部20)と、両面共に凹部となる凹レンズ形状からなり、当該凹部の底部に孔が設けられ、前記上端部の外周縁と前記孔とが接合されているマルチング部(マルチング材10)とを有することを特徴とする種苗育成体である。
また、本発明は、例えば、図1、2に示すように、培養土を圧縮して形成された錐体形状からなり、上端部に苗木または種子を植え付ける本体部(堆肥形成部20)と、凹部の底部に孔が設けられた凹レンズ形状からなり、前記上端部の外周縁と前記孔とが接合されているマルチング部(マルチング材10)とを有し、前記本体部における他の部分よりも圧縮率を高くし水を吸収した際の膨張率を高くした部分である膨張部を、前記本体部の先端部に設けたことを特徴とする種苗育成体である。
また、本発明は、例えば、図1、2に示すように、培養土を圧縮して形成された錐体形状からなり、上端部に苗木または種子を植え付ける本体部(堆肥形成部20)と、両面共に凹部となる凹レンズ形状からなり、当該凹部の底部に孔が設けられ、前記上端部の外周縁と前記孔とが接合されているマルチング部(マルチング材10)とを有することを特徴とする種苗育成体である。
なお、前記マルチング部は、生物分解性物質から構成されることを特徴とする。また、前記本体部において、前記上端部から前記本体部の先端部に進むに従って、前記本体部を構成する培養土の圧縮比率を高めることを特徴とする。さらに、前記上端部に植え付けられた苗木または種子の周りに、殺虫剤、木酢液、銀色塗料の少なくとも1を塗布することを特徴とする。また、前記マルチング部の一の凹部の表面に、所定の印刷がされていることを特徴とする。また、前記凹部の孔は、前記凹部の中央に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、公園や道路の路肩等の花壇に苗木を植付ける場合に、植付けが容易であると共に、環境に配慮しつつ、苗木の周りに雑草が生えることを防止することができ、苗木の乾燥を防止することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、公園や道路の路肩等の花壇に苗木を植付ける場合に、植付けが容易であると共に、植付け後に苗木の成長を視覚的に楽しむことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、公園や道路の路肩等の花壇に苗木を植付ける場合に、植付けが容易であると共に、植付け後に苗木の成長を視覚的に楽しむことができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態である種苗育成堆肥形成体について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態である種苗育成堆肥形成体100を示す図である。図1(1)は、種苗育成堆肥形成体100の外観を示す斜視図であり、図1(2)は、種苗育成堆肥形成体100の断面図である。
種苗育成堆肥形成体100は、マルチング材(マルチング部)10と、堆肥形成部(本体部)20と、セル部30とで構成されている。
図2は、種苗育成堆肥形成体100を構成するマルチング材10と、堆肥形成部20と、セル部30とをそれぞれに分解した場合の外観を示す斜視図である。
図3は、種苗育成堆肥形成体100を地面に設置した場合における種苗育成堆肥形成体100の断面を示す断面図である。
図3は、種苗育成堆肥形成体100を地面に設置した場合における種苗育成堆肥形成体100の断面を示す断面図である。
マルチング材10は、再生紙を原料とするプラスチック状に固めた円柱の紙部材であって、上端面と下端面とに相当する部分がすり鉢状に凹形状となっている。また、すり鉢状になっている凹部11、12の底部に相当する部分(真中部分)に円形の孔部10aが設けられている。つまり、マルチング材10は、凹部に円形の孔部10aが設けられた凹レンズ形状の紙部材である。なお、マルチング材10は、基本的には再生紙のような生物分解性物質から構成されるが、凹部11の表面11aに直接印刷ができるものが好ましい。
マルチング材10の凹部11は、上向きに開いたすり鉢状であるので、凹部11の表面11aに降った雨水が中央の孔部10aに集まり、孔部10aの中に流れる。このように、凹部11の表面11aに降った雨水を集めて苗木40に供給する水分にすることができるので、苗木40の水分不足を防止する。また、特に水分を必要とする苗木40が小さい頃には、マルチング材10が分解される前であるので、苗木40の水分不足を防止する効果が高い。なお、凹部11の表面11aに降った雨水を中央の孔部10aに集めることができる形状であれば、すり鉢状以外の椀状形状等の他の凹形状とするようにしてもよい。
マルチング材10の凹部12は、下向きに開いたすり鉢状であるので、マルチング材10と地面との間から太陽の光が入り込むことを防止すると共に、雑草の種が新たに進入し定着することを防止する。これによって、マルチング材10の下部に雑草が発生することを防止することができる。つまり、苗木40の近傍に発生する雑草の発生を防止することができる。さらに、雨水による苗木40へのドロはねを防止することができる。また、種苗育成堆肥形成体100を地面に挿し込んだ場合には、図3に示すように、地面と凹部12とで空間12bを形成する。このため、保温作用があり、苗木40の近傍の地温を生育適温近くに保つことができる。さらに、地面を凹部12で覆うので、地面から水分の蒸発を防止し、苗木40の近傍(マルチング材10の下部)の土の乾燥を防止する。
なお、地面がデコボコしている花壇にシート材を使用しないで種苗育成堆肥形成体100を使用する場合であっても、凹部12の外周縁12aが地面の凹凸に応じて食い込むので、凹部12の外周縁12aと地面とが密着する。このため、植付け後に、マルチング材10の下部に太陽の光が入り込むことを防止すると共に、マルチング材10の下部に雑草の種が新たに進入し定着することを防止する。なお、凹部12の外周縁12aと地面とを密着することができる形状であれば、すり鉢状以外の他の凹形状とするようにしてもよい。また、マルチング材10が適度の可撓性を有するようにしてもよく、凹部12の外周縁12aが地面の凹凸に応じて任意に変形可能とするようにしてもよい。
凹部11の表面11aには、銀色塗布部13と殺虫剤塗布部14とが設けられている。銀色塗布部13と殺虫剤塗布部14とのそれぞれは、孔部10aの周りにリング状に形成されている。また、マルチング材10の孔部10aには、脱落防止部15が設けられている。
銀色塗布部13は、アブラムシが嫌がる銀色をリング状に塗布した部分である。なお、銀色塗布部13には、環境に害の少ない塗料やインク等を使用して銀色を付する。
殺虫剤塗布部14は、リング状に殺虫剤を塗布した部分である。苗木40が小さい時には害虫の影響を受けやすいので、殺虫剤塗布部14に殺虫剤を塗布することによって、苗木40が小さい時の害虫の影響を防止する。なお、殺虫剤塗布部14には害虫の影響を防止することができる程度の殺虫剤を塗布する。また、殺虫剤を塗布する代わりに、殺虫剤塗布部14には、木酢液等の害虫除去剤を浸透させるようにしてもよい。
脱落防止部15は、孔部10aに堆肥形成部20を挿し込んだときに脱落を防止するための部分である。具体的には、孔部10aの径の大きさを堆肥形成部20の上端面20aの径よりも小さくし、脱落防止部15には切目を入れたひだ状のものを設けている。これによって、孔部10aに堆肥形成部20を挿し込んだ際に、孔部10aに堆肥形成部20が密着し、マルチング材10と堆肥形成部20とが離れることを防止し、マルチング材10と堆肥形成部20とを接合させることができる。
凹部11の表面11aには、苗木40に関する花の名前や性質等の説明を印刷する。または、苗木40に関する花の成長過程を示す写真等を印刷したり、苗木40に関する育て方や注意書き等を印刷する。このように、凹部11の表面11aに、苗木40に関する情報を表示することによって、苗木40を見た人が、苗木40の種類等を容易に把握することができ、苗木40の成長を楽しむことができる。また、1箇所の花壇に複数種類の苗木を植える場合、苗木毎にその説明が付されているので、植え付けの間違えを防止すると共に、定植後の管理を容易にすることができる。また、表面11aに企業の広告情報を記載することができる。このように、凹部11の表面11aを企業の広告として使用すれば、広告収入を得ることができる。なお、凹部11の表面11aの一部を苗木40に関する説明に使用し、残りの部分を広告として使用することができる。
マルチング材10の素材として、バーク堆肥、チップ、ワラ、落ち葉、コモ、腐葉土、木炭、動植物残渣、樹皮マルチに使用される針葉樹の樹皮等を原料としたプラスチック状に固めたものを用いる(植物プラスチック)ようにしてもよい。このように、マルチング材10の素材として、紙、バーク堆肥等の生物分解性の物質、または、太陽光で分解される物質を使用するので、植物が生長する頃の3〜6月経過後にマルチング材10自体は分解され、自然に土に還る。このため、苗木40が小さい時には、乾燥を防止し雑草の発生を防止し苗木の成長を促進することができ、植物が生長する頃には、分解されるので、環境汚染を防止することができる。なお、マルチング材10の素材の関係で、マルチング材10自体に文字等の印刷を施すことができないような場合には、凹部11の表面11aに紙を貼付し、貼付した紙に文字等の印刷を施すようにする。
堆肥形成部20は、下端部(先端部)が尖った円錐型の形状をした、バーク堆肥、チップ、腐葉土、ピートモス、木炭等を主成分とする二重構造の圧縮培養土であって、第一形成部21と第二形成部22とセル部収納部23と膨張部24とで構成される。なお、苗木40の根は、先端部付近では細くなり、葉に近い上端部付近では広く根を伸ばし成長するので、堆肥形成部20の形状は円錐または三角錐が適している。ただし、堆肥形成部20の形状は、下端部を地面に挿し込む際に適する形状であれば、他の形状とするようにしてもよい。例えば、三角錐、四角錐等の多角錐型の形状や、円柱体の下端部を斜めに切断した形状とするようにしてもよい。このように堆肥形成部20の形状を他の形状にする場合には、マルチング材10の孔部10aの形状を堆肥形成部20の上端部の形状に合わせる。なお、堆肥形成部20は、上端部側から先端側に進むに従って、圧縮比率を高めて形成する。堆肥形成部20の素材として、基本的に、苗木40の根の育成を害するようなものは使用しない。
具体的に、堆肥形成部20の素材は、バーク堆肥、チップ、腐葉土、ピートモス、木炭等に、赤土(粘土質系の土)を混ぜて圧縮したものである。なお、第一形成部21と第二形成部22との混合比率は、互いに異なる比率を使用する。また、アンカーとなる膨張部24には、膨張しやすい素材と根の発育を促す素材とを使用する。
なお、バーク堆肥は、広葉樹や針葉樹の樹皮(バーク)を主原料とする、微生物の働きを利用して作られる有機質土壌改良材である。ピートモスは、水苔等の寒冷地の湿地帯の草本植物が堆積している体積層から採取された園芸、栽培用土である。
第一形成部21の上端部には、セル部30を収納するセル部収納部23を設ける。また、第一形成部21は発芽した苗木40に近い部分であるので、第一形成部21の成分として肥料を多くしてはいけないが、苗木40の根が張り易いようにセル部30よりも肥料を多くし、赤土等の土を少量混合する。
第二形成部22は、第一形成部21を覆うように形成する。また、第二形成部22は、苗木40が大きくなりつつある場合に、強い根を張っていく必要がある部分であるので、通常の土に近い培養土を主成分とすることが好ましい。ただし、培養土の圧縮比率を、先端部に進むに従って高くするので、第二形成部22の先端部付近は、ピートモス・バーク堆肥等の弾力に富んだ成分で構成する。
セル部収納部23は、セル部30を収納する、第一形成部21の上端部に設けられた穴であり、セル部30の外形とほぼ同様の形状である。
膨張部24は、第二形成部22の先端部分にある、圧縮率が高い部分であり、水を吸収した際の膨張率が他の部分よりも高い。このため、種苗育成堆肥形成体100を地面に差し込んだ際に、堆肥形成部20が土壌の水分を吸収し、この吸収によって各部が膨張する。この場合、図2において破線で示すように、特に、膨張部24の膨張率が高いので、膨張した膨張部24がアンカーの役割を果たし、種苗育成堆肥形成体100が風等で引き抜かれることを防止する。また、地面に種苗育成堆肥形成体100を直接挿し込むので、膨張部24の圧縮比率を高くして強度を高め、先端部が折れるのを防止する。
セル部30は、花の種や野菜の種を入れるものであり、その主成分は、ピートモスであり、肥料成分が低く保水力に富んだものである。セル部30に苗木40を入れる方法として、発芽させた苗木を培養土にセットする方法(図2の左側30)と、培養土に種を直接セットした後に多くの水を与えて苗木を生育させる方法(図2の右側30)との二通りの方法がある。なお、セル部30を保存する場合には、花の種等にカビや湿気の影響で種子の発芽等に問題がないように乾燥・殺菌保存とする。なお、図2に示すセル部30の高さ、直径の数値は一例である。
上記で示したように、種苗育成堆肥形成体100を三層構造にすることによって、定植作業における「播種→鉢上げ→定植」という一連の作業を一体化することができる。このため、定植作業の作業時間や労力等を低減させることができる。なお、セル部30は、肥料があると苗木40の発芽が悪くなる部分であり、第一形成部21は、苗木40に徐々に肥料を与えて苗木40の根に力をつける部分であり、第二形成部22は、第一形成部21よりも肥料の比率を高くし、苗木40の根にさらに力をつける部分である。このため、種苗育成堆肥形成体100の構造は、上記で示した三層構造が最適である。なお、種苗育成堆肥形成体100の構造については、上記で示した肥料の構成比率になるようにすれば、一層、二層、または四層以上の構成にするようにしてもよい。
次に、種苗育成堆肥形成体100の製造方法について説明する。
バーク堆肥に赤土を混ぜて堆肥形成部20を製造する場合について説明する。最初に、赤土をペースト状に解かし、解かした赤土をバーク堆肥に絡める。続いて、バーク堆肥に赤土を絡めたものに熱を加えながら乾燥・圧縮し、第一形成部21を形成する(加熱・乾燥圧縮法)。続いて、上記と同様に、バーク堆肥に赤土を絡めたものに熱を加えながら乾燥・圧縮し、第一形成部21の周りに第二形成部22を形成する(加熱・乾燥圧縮法)。このように、各製造工程において、バーク堆肥に赤土を絡めたものを加熱することによって、雑草の種や用土中の殺菌をすることができる。また、かん水・雨水によって、用土が根の育成を阻害しないものとする必要がある。なお、上記と同様に、バーク堆肥に赤土を絡めたものを型に入れることによって、第一形成部21及び第二形成部22を形成し、形成した第一形成部21及び第二形成部22を接合することによって、堆肥形成部20を製造するようにしてもよく、その他の製造方法を使用して堆肥形成部20を製造するようにしてもよい。
バーク堆肥に赤土を混ぜて堆肥形成部20を製造する場合について説明する。最初に、赤土をペースト状に解かし、解かした赤土をバーク堆肥に絡める。続いて、バーク堆肥に赤土を絡めたものに熱を加えながら乾燥・圧縮し、第一形成部21を形成する(加熱・乾燥圧縮法)。続いて、上記と同様に、バーク堆肥に赤土を絡めたものに熱を加えながら乾燥・圧縮し、第一形成部21の周りに第二形成部22を形成する(加熱・乾燥圧縮法)。このように、各製造工程において、バーク堆肥に赤土を絡めたものを加熱することによって、雑草の種や用土中の殺菌をすることができる。また、かん水・雨水によって、用土が根の育成を阻害しないものとする必要がある。なお、上記と同様に、バーク堆肥に赤土を絡めたものを型に入れることによって、第一形成部21及び第二形成部22を形成し、形成した第一形成部21及び第二形成部22を接合することによって、堆肥形成部20を製造するようにしてもよく、その他の製造方法を使用して堆肥形成部20を製造するようにしてもよい。
次に、種苗育成堆肥形成体100の使用方法について説明する。
公園や道路の路肩等の花壇に苗木40を植付ける場合、当該花壇における所定の位置に種苗育成堆肥形成体100の先端部を挿し込む。続いて、図3に示すように、凹部12の外周縁12aが地面と密着し外周縁12aと地面とに隙間がなくなる程度まで種苗育成堆肥形成体100を地面に挿し込む。この場合に、凹部11の表面11aに記載された説明等を、この花壇の近くを通る人が見易いように挿し込む。
公園や道路の路肩等の花壇に苗木40を植付ける場合、当該花壇における所定の位置に種苗育成堆肥形成体100の先端部を挿し込む。続いて、図3に示すように、凹部12の外周縁12aが地面と密着し外周縁12aと地面とに隙間がなくなる程度まで種苗育成堆肥形成体100を地面に挿し込む。この場合に、凹部11の表面11aに記載された説明等を、この花壇の近くを通る人が見易いように挿し込む。
本実施の形態によれば、培養土(播種用・鉢上げ用)が少なくて済むので、育苗と鉢上げを省力化することができる。また、殺虫・殺菌剤を塗布するので、害虫等を除去でき、苗木の管理が容易である。さらに、公園や道路の路肩等の花壇に苗木40を植付ける場合、ワン・プッシュで押し込むことができるので、作業時間や労力の面でのコストを低減させることができる。また、花壇の植替え時にマルチング材が表面に残ることもなく、廃棄物の発生を防止することができる。
また、本実施の形態によれば、公園や道路の路肩等の花壇に苗木40を植付ける場合に、植付けが容易であると共に、環境に配慮しつつ、苗木40の周りに雑草が生えることを防止することができ、苗木40の乾燥を防止することができる。
また、本実施の形態によれば、公園や道路の路肩等の花壇に苗木40を植付ける場合に、植付けが容易であると共に、植付け後に苗木40の成長を視覚的に楽しむことができる。
なお、セルや圧縮培養土の混合比を変えることによって、植木等にも本実施の形態を適用することができ、緑化工事にも適用することができる。
次に、本発明の一実施例である実施例1について説明する。
種苗育成堆肥形成体100において、マルチング材10として紙を使用し、堆肥形成部20の第一形成部21としてバーク堆肥及び赤土を使用し、第二形成部22としてバーク堆肥及び赤土を使用し、セル部30としてピートモスを使用する。なお、第一形成部21及び第二形成部22に使用するバーク堆肥及び赤土の混合比は、変更している。
種苗育成堆肥形成体100において、マルチング材10として紙を使用し、堆肥形成部20の第一形成部21としてバーク堆肥及び赤土を使用し、第二形成部22としてバーク堆肥及び赤土を使用し、セル部30としてピートモスを使用する。なお、第一形成部21及び第二形成部22に使用するバーク堆肥及び赤土の混合比は、変更している。
また、種苗育成堆肥形成体100において、セル部30を高さ25mm、直径15mmの円柱とし、堆肥形成部20の上端面の直径を50mm、高さ100mmとし、マルチング材10の直径を120mmとした。また、セル部30には苗木としてベゴニアを植えた。なお、他の苗木として、花壇苗では、マリーゴールド、サルビア、パンジー、ヒマワリ等を植えることができ、野菜苗では、キャベツ、ハクサイ、ニンジン、ダイコン、スイカ、トマト、ナス等を植えることができる。
種苗育成堆肥形成体100を用いて公園や道路の路肩等の花壇に苗木を植付ける場合、種苗育成堆肥形成体100を花壇にワン・プッシュで押し込み、図3に示すように、花壇に苗木を植付けることができる。このため、植付け作業が容易である。
公園や道路の路肩等の花壇に苗木を植付ける場合等に用いる苗育ポットに、本発明を利用することができる。
100……種苗育成堆肥形成体、
10……マルチング材、
20……堆肥形成部、
30……セル部。
10……マルチング材、
20……堆肥形成部、
30……セル部。
Claims (8)
- 培養土を圧縮して形成された錐体形状からなり、上端部に苗木または種子を植え付ける本体部と、
凹部の底部に孔が設けられた凹レンズ形状からなり、前記上端部の外周縁と前記孔とが接合されているマルチング部と、
を有し、前記本体部において、前記上端部から前記本体部の先端部に進むに従って、前記本体部を構成する培養土の圧縮比率を高めることを特徴とする種苗育成体。 - 培養土を圧縮して形成された錐体形状からなり、上端部に苗木または種子を植え付ける本体部と、
凹部の底部に孔が設けられた凹レンズ形状からなり、前記上端部の外周縁と前記孔とが接合されているマルチング部と、
を有し、前記本体部における他の部分よりも圧縮率を高くし水を吸収した際の膨張率を高くした部分である膨張部を、前記本体部の先端部に設けたことを特徴とする種苗育成体。 - 培養土を圧縮して形成された錐体形状からなり、上端部に苗木または種子を植え付ける本体部と、
両面共に凹部となる凹レンズ形状からなり、当該凹部の底部に孔が設けられ、前記上端部の外周縁と前記孔とが接合されているマルチング部と、
を有することを特徴とする種苗育成体。 - 前記本体部において、前記上端部から前記本体部の先端部に進むに従って、前記本体部を構成する培養土の圧縮比率を高めることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の種苗育成体。
- 前記マルチング部は、生物分解性物質から構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の種苗育成体。
- 前記上端部に植え付けられた苗木または種子の周りに、殺虫剤、木酢液、銀色塗料の少なくとも1を塗布することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の種苗育成体。
- 前記マルチング部の一の凹部の表面に、所定の印刷がされていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の種苗育成体。
- 前記凹部の孔は、前記凹部の中央に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の種苗育成体。
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