JP3791032B2 - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各気筒毎に吸気系に燃料噴射弁を備える一方、各気筒の燃焼サイクルに同期したタイミングで各気筒毎に燃料噴射を行わせると共に、所定の運転条件で燃料噴射を停止(燃料カット)させるようにした内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、自動車用内燃機関に対する要求が高度化しており、有害な排出ガスの低減、高出力、低燃費等の互いに相反する課題について何れも高レベルでその達成が求められる傾向にある。また、このような要求は燃料噴射量の制御における壁流補正についても同様であり、壁流補正の精度向上が望まれる。
【0003】
特に、燃料噴射停止状態(燃料カット状態)からの燃料噴射再開時(リカバー時)には、壁流の影響を十分に考慮した補正を行わないと、空燃比が目標空燃比(理論空燃比)に復帰するまでに時間がかかり、リーン失火による回転落ち等を生じる。
すなわち、燃料カット前に付着していた壁流分の多くは、燃料カット中にシリンダ内へ流入する。たのため、リカバー時には壁流がほとんど付着していない状態となる。このとき、供給された燃料の一部は壁流分として多く取られるため、空燃比が目標空燃比に復帰するまでに時間がかかるのである。
【0004】
そこで、従来の内燃機関の燃料噴射制御装置では、シリンダに吸入される空気量に対応するシリンダ空気量相当燃料噴射量を演算する一方、各気筒毎に、シリンダ空気量相当燃料噴射量の変化量を演算し、この変化量と、機関の冷却水温に応じた水温補正係数とから、気筒別壁流補正量を演算し、シリンダ空気量相当燃料噴射量と気筒別壁流補正量とに基づいて、最終的な気筒別燃料噴射量を演算するようにしている(特開平5−71402号公報等参照)。
【0005】
このように、シリンダ空気量相当燃料噴射量の変化量に基づく壁流補正を行うことで、燃料噴射量を適正化でき、燃料カット状態からのリカバー時にもシリンダ内の空燃比を理論空燃比とすることで、リーン失火による回転落ち等を防止できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の内燃機関の燃料噴射制御装置にあっては、燃料カット状態からのリカバー時には、燃料カット中に燃焼が行われないことから、自己EGR分(バルブオーバーラップ時の吹戻し分)が全て新気に置き換わる。このため、シリンダ内の空燃比を理論空燃比とするように制御すると、トルク発生量が大きくなり過ぎて、ショックが発生するという問題点があった。
【0007】
ところで、こうしたショック対策として、点火時期の遅角により、トルク低減を図ることが考えられるが、これは燃費悪化等のはね返りがある。
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、燃料カット状態からのリカバー時の壁流補正を更に改善して、燃費を悪化させることなく、回転落ちの防止とショック発生の防止とを両立させて、運転性を更に向上させることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1又は請求項2に係る発明では、図2に示すように、各気筒毎に吸気系に燃料噴射弁を備える一方、各気筒の燃焼サイクルに同期したタイミングで各気筒毎に燃料噴射を行わせる燃料噴射制御手段と、所定の運転条件で燃料噴射を停止させる燃料カット手段とを備える内燃機関の燃料噴射制御装置において、機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、運転状態検出手段の出力に基づいて、シリンダに吸入される空気量に対応するシリンダ空気量相当燃料噴射量(AVTP)を演算するシリンダ空気量相当燃料噴射量演算手段と、各気筒毎にシリンダ空気量相当燃料噴射量の変化量(ΔAVTPn )を演算するシリンダ空気量相当燃料噴射量変化量演算手段と、運転状態検出手段の出力に基づいて、機関の冷却水温に応じた水温補正係数(GZTWC)を演算する水温補正係数演算手段と(但し、請求項2の場合)、燃料カット状態からのリカバー時に燃料噴射量を減少補正すべく、リカバー時とそれ以外の時とで異なり、リカバー時の方が小さくそれ以外の時の方が大きいリカバー時補正係数(FCRATE)を演算するリカバー時補正係数演算手段と、シリンダ空気量相当燃料噴射量の変化量(ΔAVTPn )に、リカバー時補正係数(FCRATE)、又は、水温補正係数(GZTWC)とリカバー時補正係数(FCRATE)とを乗じて、気筒別壁流補正量(CHOSn )を演算する気筒別壁流補正量演算手段と、シリンダ空気量相当燃料噴射量(AVTP)に、気筒別壁流補正量(CHOSn )を加算して、最終的な気筒別燃料噴射量(CTIn )を演算する気筒別燃料噴射量演算手段と、を設ける構成とする。
【0010】
すなわち、下式のごとく、壁流補正量(CHOSn )の算出式に、リカバー時補正係数(FCRATE)を追加し、リカバー時とそれ以外の時とで、このリカバー時補正係数(FCRATE)の値を変化させることにより、リカバー時に燃料噴射量を減量補正して、回転落ちの防止とショック発生の防止との両立を図るのである。
【0011】
CHOSn =ΔAVTPn ・GZTWC・FCRATE
請求項3に係る発明では、前記シリンダ空気量相当燃料噴射量変化量演算手段は、図3に示すように、各気筒毎の前回の燃料噴射タイミングにおけるシリンダ空気量相当燃料噴射量(AVTPOn )を記憶する記憶手段と、燃料カット中に、前記記憶値(AVTPOn )を徐々に小さくするように、各気筒の燃焼サイクルに同期して気筒毎に前記記憶値(AVTPOn )を更新する更新手段と、各気筒毎に今回のシリンダ空気量相当燃料噴射量(AVTP)と前記記憶値(AVTPOn )との差値(ΔAVTPn =AVTP−AVTPOn )を演算する差値演算手段と、からなることを特徴とする。
【0012】
すなわち、シリンダ空気量相当燃料噴射量の変化量(ΔAVTPn )を演算するために、各気筒毎の前回の燃料噴射タイミングにおけるシリンダ空気量相当燃料噴射量(AVTPOn )を記憶するが、燃料カット中は、この記憶値(AVTPOn )を徐々に小さくするように更新していくことで、各気筒毎に今回のシリンダ空気量相当燃料噴射量(AVTP)と前記記憶値(AVTPOn )との差値として演算されるシリンダ空気量相当燃料噴射量の変化量(ΔAVTPn )を燃料カット状態からのリカバー時の壁流状態に良好に対応させることができる。
【0013】
請求項4に係る発明では、前記リカバー時補正係数演算手段は、燃料カット状態からのリカバー時に、変速機のギヤ位置を検出するギヤ位置検出手段からの信号に基づいて、ギヤ位置によりリカバー時補正係数(FCRATE)の値を異ならせるものであることを特徴とする(図2参照)。
例えばニュートラル位置ではショックがほとんど問題とならないので回転落ち防止を重視(燃料増量)し、また低速段ほどショックが問題となるのでショック防止を重視(燃料減量)するように、リカバー時補正係数(FCRATE)を設定するのである。
【0014】
請求項5に係る発明では、前記リカバー時補正係数演算手段は、燃料カット状態からのリカバー時に、ロックアップクラッチの作動状態を検出するロックアップ検出手段からの信号に基づいて、ロックアップクラッチの作動状態によりリカバー時補正係数(FCRATE)の値を異ならせるものであることを特徴とする(図2参照)。
【0015】
ロックアップ時(ロックアップクラッチの締結時)にはショックが伝わり易いのでショック防止を重視(燃料減量)し、逆に非ロックアップ時(スリップ時)にはショックがほとんど問題とならないので回転落ち防止を重視(燃料増量)するように、リカバー時補正係数(FCRATE)を設定するのである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図4は本発明の一実施例を示すシステム図である。
機関1には、エアクリーナ2から、アクセルペダルに連動するスロットル弁3を介し、さらに吸気マニホールド4を介して、空気が吸入される。
【0017】
吸気マニホールド4のブランチ部には各気筒毎に燃料噴射弁(インジェクタ)5が設けられている。燃料噴射弁5はソレノイドに通電されて開弁し通電停止されて閉弁する電磁式燃料噴射弁であって、後述するコントロールユニット10からの駆動パルス信号により通電されて開弁し、図示しない燃料ポンプにより圧送されてプレッシャレギュレータにより所定の圧力に調整された燃料を噴射する。
【0018】
機関1の各燃焼室には点火栓6が設けられていて、これにより火花点火して混合気を着火燃焼させる。排気は排気マニホールド7を介して触媒コンバータ8に導入され、触媒コンバータ8内で三元触媒により排気中の有害成分(CO,HC,NOx )が清浄化される。
コントロールユニット10は、マイクロコンピュータを内蔵しており、各種のセンサから信号が入力されている。
【0019】
前記各種のセンサとしては、スロットル弁3上流の吸気通路に熱線式のエアフローメータ11が設けられていて、吸入空気流量Qを検出する。
また、クランク角センサ12が設けられていて、例えば4気筒の場合、クランク角 180°毎の基準信号REFとクランク角1〜2°毎の単位信号POSとを出力する。ここで、基準信号REFの周期、あるいは所定時間内における単位信号POSの発生数を計測することにより、機関回転数Nを算出可能である。
【0020】
また、スロットル弁3にポテンショメータ式のスロットルセンサ13が付設されていて、スロットル弁開度TVOを検出する。スロットルセンサ13はまたスロットル弁3の全閉位置でONとなるアイドルスイッチを内蔵している。
また、機関1のウォータジャケットに臨ませて水温センサ14が設けられていて、冷却水温TWを検出する。
【0021】
更に、排気マニホールド7内に酸素センサ15が設けられていて、排気中の酸素濃度を介して、空燃比のリッチ・リーンを検出する。
上記エアフローメータ11、クランク角センサ12、スロットルセンサ(アイドルスイッチ)13、水温センサ14、酸素センサ15等は運転状態検出手段を構成している。
【0022】
この他、必要により、変速機のギヤ位置を検出するギヤ位置センサ16や、自動変速機の場合に所定の運転条件でトルクコンバータの前後を直結するロックアップクラッチの作動状態を検出するロックアップスイッチ17が設けられていて、これらの信号もコントロールユニット10に入力されている。
ここにおいて、コントロールユニット10に内蔵されたマイクロコンピュータ(CPU)は、図5〜図9に示すフローチャートに基づくプログラムに従って、演算処理を行い、燃料噴射弁5による燃料噴射を制御する。
【0023】
次に図5〜図9のフローチャートを参照しつつコントロールユニット10内のマイクロコンピュータの演算処理内容を説明する。
図5はシリンダ空気量相当燃料噴射量(AVTP)演算ルーチンであり、所定時間(例えば10ms)毎に実行される。本ルーチンがシリンダ空気量相当燃料噴射量演算手段に相当する。
【0024】
ステップ1(図にはS1と記してある。以下同様)では、エアフローメータ11からの信号に基づいて検出される吸入空気流量Qと、クランク角センサ12からの信号に基づいて算出される機関回転数Nとから、次式により、基本燃料噴射量TPを算出する。
TP=K・Q/N (但し、Kは定数)
ステップ2では、次式のごとく、基本燃料噴射量TPを一次遅れで平滑化して、シリンダに吸入される空気量に対応するシリンダ空気量相当燃料噴射量AVTPを算出する。
【0025】
AVTP=TP・FLOAD+AVTP・(1−FLOAD)
尚、FLOADは0〜1の範囲の加重平均係数であり、スロットル弁開度TVOや機関回転数Nによって設定される。
実際のシリンダ空気量相当燃料噴射量AVTPの演算には、この他、過渡補正や先取り補正もなされるが、ここでは説明を省略する。
【0026】
図6は気筒別燃料噴射量(CTIn )演算ルーチンであり、所定時間(例えば10ms)毎に実行される。本ルーチンが燃料噴射量演算手段(気筒別燃料噴射量演算手段)に相当する。
ステップ11では、シリンダ空気量相当燃料噴射量AVTPに基づいて、次式により、燃料噴射量(パルス幅)TIを演算する。
【0027】
TI=AVTP・TFBYA・(ALPHA+LALPHA−1)+TS
尚、TFBYAは燃空比補正係数、ALPHAは空燃比フィードバック補正係数、LALPHAは学習補正係数、TSはバッテリ電圧に基づく電圧補正分(無効パルス幅)である。
ステップ12では、次式のごとく、燃料噴射量TIに、後述する図9のルーチンにより演算される気筒別壁流補正量CHOSn (4気筒の場合、n=1〜4)を加算して、全ての気筒について、最終的な気筒別燃料噴射量CTIn を演算する。
【0028】
CTIn =TI+CHOSn (4気筒の場合、n=1〜4)
図7は燃料カット判定ルーチンであり、所定時間毎に実行される。
ステップ21では、燃料カット中(燃料カットフラグFC=1)か否かを判定する。
燃料カット中でない場合(FC=0の場合)は、ステップ22でアイドルスイッチがONか否かを判定し、またステップ23で機関回転数Nが所定の燃料カット回転数Nfc以上か否かを判定する。
【0029】
これにより、アイドルスイッチがON(スロットル弁全閉)で、かつ機関回転数Nが所定の燃料カット回転数Nfc以上であることをトリガとして、ステップ24へ進み、燃料カットフラグFC=1として、燃料カットに入る。
燃料カット中の場合(FC=1の場合)は、ステップ25でアイドルスイッチがOFFになっか否かを判定し、またステップ26で機関回転数Nが所定のリカバー回転数Nrcを下回ったか否かを判定する。
【0030】
これにより、アイドルスイッチがOFFとなるか(言い換えればアクセルペダルが踏み込まれるか)、機関回転数Nが所定のリカバー回転数Nrcを下回ったときに、ステップ27へ進み、燃料カットフラグFC=0として、燃料カット状態を解除し、燃料噴射を再開(リカバー)する。
図8は燃料噴射制御ルーチンであり、噴射タイミング毎に実行される。
【0031】
ステップ31では、噴射気筒(n)を判別する。
ステップ32では、燃料カット中(燃料カットフラグFC=1)か否かを判定する。
燃料カット中でない場合(FC=0の場合)は、ステップ33へ進み、噴射気筒(n)の燃料噴射弁5に対し、気筒別燃料噴射量CTIn に相当するパルス幅の駆動パルス信号を出力して、燃料噴射を行わせる。従って、ステップ31〜33の部分が燃料噴射制御手段に相当する。
【0032】
そして、このときは、更にステップ34へ進み、今回のシリンダ空気量相当燃料噴射量AVTPを各気筒毎の前回の燃料噴射タイミングにおけるシリンダ空気量相当燃料噴射量の記憶値AVTPOn に代入して(AVTPOn =AVTP)、記憶保持する。この部分が記憶手段に相当する。
燃料カット中の場合(FC=1の場合)は、ステップ35へ進み、噴射タイミングの気筒(n)の燃料噴射弁5に対し、無効パルス幅TSの信号を出力するだけで、燃料噴射は停止させる(燃料カット)。従って、この部分が図7のルーチンと共に燃料カット手段に相当する。
【0033】
そして、このときは、更にステップ36へ進み、当該気筒(n)の前回の燃料噴射タイミングにおけるシリンダ空気量相当燃料噴射量の記憶値AVTPOn を徐々に小さくするように、記憶値AVTPOn を所定量ΔT減少させて(AVTPOn =AVTPOn −ΔT)、記憶値AVTPOn を更新する。この部分が更新手段に相当する。但し、ステップ37で更新後の記憶値AVTPOn を0と比較し、AVTPOn <0になった場合は、ステップ38で記憶値AVTPOn =0に規制する。
【0034】
図9は気筒別壁流補正量(CHOSn )演算ルーチンであり、所定時間(例えば10ms)毎に実行される。
ステップ41では、燃料カット中(燃料カットフラグFC=1)か否かを判定し、燃料カット中でない場合(FC=0の場合)のみ、ステップ42以降へ進む。
ステップ42では、各気筒毎のシリンダ空気量相当燃料噴射量の変化量ΔAVTPn (4気筒の場合、n=1〜4)として、次式のごとく、今回のシリンダ空気量相当燃料噴射量AVTPと各気筒毎の前回の燃料噴射タイミングにおけるシリンダ空気量相当燃料噴射量の記憶値AVTPOn (4気筒の場合、n=1〜4)との差値を演算する。
【0035】
ΔAVTPn =AVTP−AVTPOn (4気筒の場合、n=1〜4)
従って、この部分がシリンダ空気量相当燃料噴射量変化量演算手段(差値演算手段)に相当する。
ステップ43では、冷却水温TWより、テーブル検索して、水温補正係数GZTWCを算出する。この部分が水温補正係数演算手段に相当する。
【0036】
具体的には、ΔAVTPn ≧0(定常及び加速)の場合は、図10のTGZTWPのテーブルより、水温補正係数GZTWCを設定する。また、ΔAVTPn <0(減速)の場合は、図10のTGZTWMのテーブルより、水温補正係数GZTWCを設定する。いずれのテーブルも低温時ほど水温補正係数GZTWCが大となっている。
【0037】
ステップ44では、燃料カット状態からのリカバー時(初回)か否かを判定し、リカバー時でない場合は、ステップ45へ進んで、例えば、リカバー時補正係数FCRATE=1.0 とする。
リカバー時の場合は、ステップ46へ進んで、例えば、リカバー時補正係数FCRATE=0.6 とする。
【0038】
従って、ステップ44〜46の部分がリカバー時補正係数演算手段に相当する。
ステップ51では、次式のごとく、各気筒毎のシリンダ空気量相当燃料噴射量の変化量ΔAVTPn と、水温補正係数GZTWCと、リカバー時補正係数FCRATEとから、これらの積として、気筒別壁流補正量CHOSn を演算する。
CHOSn =ΔAVTPn ・GZTWC・FCRATE
(4気筒の場合、n=1〜4)
この部分が気筒別壁流補正量演算手段に相当する。
【0039】
このように、気筒別壁流補正量CHOSn の算出式に、リカバー時補正係数FCRATEを追加し、リカバー時とそれ以外の時とで、このリカバー時補正係数FCRATEの値を変化させることにより、リカバー時の気筒別壁流補正量CHOSn を小さくして、気筒別燃料噴射量CTIn を減量補正することで、回転落ちの防止とショック発生の防止との両立を図るのである。
【0040】
本発明の効果は図1に示される。
図1において、点線aは、気筒別壁流補正量CHOSn による補正なしの場合であり、壁流補正がないので、大きくリーンになり、機関回転数も落ち込んでいる。
鎖線bは、気筒別壁流補正量CHOSn による補正はするが、リカバー時補正係数FCRATEがない場合であり、燃料増量することで、機関回転数の落ち込みは防止できるが、内部EGRの多くが新気に置き換わるため、リカバー時にトルクの増大を招く。
【0041】
実線cは、気筒別壁流補正量CHOSn にリカバー時補正係数FCRATEを加えて補正した場合(本発明)であり、リカバー時補正係数FCRATEにより機関回転数の落ち込みを招くことなく、トルクの増大を抑えることができる。よって、回転落ち防止とショック防止との両立を図ることができる。
次に本発明の他の実施例について説明する。
【0042】
図 11は気筒別壁流補正量(CHOSn )演算ルーチンの他の実施例であり、図9に代えて実行される。
リカバー時補正係数FCRATEの演算部分のみが異なるので、この部分について説明する。
ステップ44では、燃料カット状態からのリカバー時(初回)か否かを判定し、リカバー時でない場合は、ステップ45へ進んで、例えば、リカバー時補正係数FCRATE=1.0 とする。
【0043】
リカバー時の場合は、ステップ47へ進んで、ギヤ位置センサ16からの信号に基づいてギヤ位置を検出する。
そして、ステップ48へ進んで、下記の例のごとく、ギヤ位置に応じて、リカバー時補正係数FCRATEを設定する。
ニュートラル: FCRATE=1.0
1速: FCRATE=0.3
2速: FCRATE=0.4
3速: FCRATE=0.6
4速: FCRATE=0.6
5速: FCRATE=0.6
ニュートラル位置ではショックがほとんど問題とならないので回転落ち防止を重視し、また低速段ほどショックが問題となるのでショック防止を重視するように、リカバー時補正係数FCRATEを設定するのである。
【0044】
すなわち、ニュートラル位置では、リカバー時補正係数FCRATEによる燃料の減量は行わず、一方、低速段では、リカバー時のトルク増大が運転者にショックとして伝わりやすいので、リカバー時補正係数FCRATEを小さな値として、燃料を減量補正して、トルクの増大を防止するのである。
本実施例では、ステップ44,45,47,48の部分がリカバー時補正係数演算手段に相当し、ギヤ位置センサ16がギヤ位置検出手段として用いられる。
【0045】
図 12は気筒別壁流補正量(CHOSn )演算ルーチンの更に他の実施例であり、図9に代えて実行される。
リカバー時補正係数FCRATEの演算部分のみが異なるので、この部分について説明する。
ステップ44では、燃料カット状態からのリカバー時(初回)か否かを判定し、リカバー時でない場合は、ステップ45へ進んで、例えば、リカバー時補正係数FCRATE=1.0 とする。
【0046】
リカバー時の場合は、ステップ49へ進んで、ロックアップスイッチ17からの信号に基づいてロックアップクラッチの作動状態(ロックアップ、非ロックアップ)を検出する。
そして、ステップ50へ進んで、下記の例のごとく、ロックアップクラッチの作動状態に応じて、リカバー時補正係数FCRATEを設定する。
【0047】
ロックアップ時: FCRATE=0.6
非ロックアップ時: FCRATE=1.0
ロックアップ時にはショックが伝わり易いのでショック防止を重視し、逆に非ロックアップ時にはショックがほとんど問題とならないので回転落ち防止を重視するように、リカバー時補正係数FCRATEを設定するのである。
【0048】
すなわち、ロックアップ時には、リカバー時補正係数FCRATEに基づいて燃料を減量し、一方、非ロックアップ時には、減量補正を行わないのである。ここで、非ロックアップ時にショックがほとんど問題とならないのは、エンジンの発生トルクはトルクコンバータを介して駆動輪に伝わるためで、このとき、リカバー時のトルクの増大は運転者にショックとして伝わりにくいのである。
【0049】
本実施例では、ステップ44,45,49,50の部分がリカバー時補正係数演算手段に相当し、ロックアップスイッチ17がロックアップ検出手段として用いられる。
尚、以上では、機関回転に同期して所定の燃料噴射タイミングでなされる燃料噴射についての壁流補正について説明したが、リカバー時の割込み噴射についても、同様の壁流補正を行うようにしてもよい。
【0050】
また、以上で例示したリカバー時補正係数FCRATEの値は理解しやすくするために示したもので、これに限定されるものではない。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、燃料カット状態からのリカバー時とそれ以外の時とで異なるリカバー時補正係数を設けて、壁流補正量をより適正化することにより、回転落ちの防止とショック発生の防止とを両立させて、運転性を更に向上させることかできるという効果が得られる。また、点火時期の遅角によりショック防止を図るものと比べ、燃費が向上するという効果も得られる。
【0052】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る発明の効果に加え、更に壁流補正を適正化することができるという効果が得られる。。
請求項3に係る発明によれば、シリンダ空気量相当燃料噴射量の変化量を燃料カット状態からのリカバー時の壁流状態に良好に対応させることができるという効果が得られる。
【0053】
請求項4に係る発明によれば、変速機のギヤ位置を考慮してリカバー時補正係数を設定することにより、運転者が実際に感じるショックを基準にして、回転落ち防止とショック防止とをより良好に両立させることができるという効果が得られる。
請求項5に係る発明によれば、ロックアップクラッチの作動状態を考慮してリカバー時補正係数を設定することにより、運転者が実際に感じるショックを基準にして、回転落ち防止とショック防止とをより良好に両立させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の効果を示す図
【図2】 本発明の構成を示す機能ブロック図(1)
【図3】 本発明の構成を示す機能ブロック図(2)
【図4】 本発明の一実施例のシステム図
【図5】 シリンダ空気量相当燃料噴射量演算ルーチンのフローチャート
【図6】 気筒別燃料噴射量演算ルーチンのフローチャート
【図7】 燃料カット判定ルーチンのフローチャート
【図8】 燃料噴射制御ルーチンのフローチャート
【図9】 気筒別壁流補正量ルーチンのフローチャート
【図10】 水温補正係数の検索テーブルを示す図
【図11】 気筒別壁流補正量ルーチンの他の実施例のフローチャート
【図12】 気筒別壁流補正量ルーチンの更に他の実施例のフローチャート
【符号の説明】
1 機関
5 燃料噴射弁
10 コントロールユニット
11 エアフローメータ
12 クランク角センサ
13 スロットルセンサ
14 水温センサ
15 酸素センサ
16 ギヤ位置センサ
17 ロックアップスイッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、各気筒毎に吸気系に燃料噴射弁を備える一方、各気筒の燃焼サイクルに同期したタイミングで各気筒毎に燃料噴射を行わせると共に、所定の運転条件で燃料噴射を停止(燃料カット)させるようにした内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、自動車用内燃機関に対する要求が高度化しており、有害な排出ガスの低減、高出力、低燃費等の互いに相反する課題について何れも高レベルでその達成が求められる傾向にある。また、このような要求は燃料噴射量の制御における壁流補正についても同様であり、壁流補正の精度向上が望まれる。
【0003】
特に、燃料噴射停止状態(燃料カット状態)からの燃料噴射再開時(リカバー時)には、壁流の影響を十分に考慮した補正を行わないと、空燃比が目標空燃比(理論空燃比)に復帰するまでに時間がかかり、リーン失火による回転落ち等を生じる。
すなわち、燃料カット前に付着していた壁流分の多くは、燃料カット中にシリンダ内へ流入する。たのため、リカバー時には壁流がほとんど付着していない状態となる。このとき、供給された燃料の一部は壁流分として多く取られるため、空燃比が目標空燃比に復帰するまでに時間がかかるのである。
【0004】
そこで、従来の内燃機関の燃料噴射制御装置では、シリンダに吸入される空気量に対応するシリンダ空気量相当燃料噴射量を演算する一方、各気筒毎に、シリンダ空気量相当燃料噴射量の変化量を演算し、この変化量と、機関の冷却水温に応じた水温補正係数とから、気筒別壁流補正量を演算し、シリンダ空気量相当燃料噴射量と気筒別壁流補正量とに基づいて、最終的な気筒別燃料噴射量を演算するようにしている(特開平5−71402号公報等参照)。
【0005】
このように、シリンダ空気量相当燃料噴射量の変化量に基づく壁流補正を行うことで、燃料噴射量を適正化でき、燃料カット状態からのリカバー時にもシリンダ内の空燃比を理論空燃比とすることで、リーン失火による回転落ち等を防止できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の内燃機関の燃料噴射制御装置にあっては、燃料カット状態からのリカバー時には、燃料カット中に燃焼が行われないことから、自己EGR分(バルブオーバーラップ時の吹戻し分)が全て新気に置き換わる。このため、シリンダ内の空燃比を理論空燃比とするように制御すると、トルク発生量が大きくなり過ぎて、ショックが発生するという問題点があった。
【0007】
ところで、こうしたショック対策として、点火時期の遅角により、トルク低減を図ることが考えられるが、これは燃費悪化等のはね返りがある。
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、燃料カット状態からのリカバー時の壁流補正を更に改善して、燃費を悪化させることなく、回転落ちの防止とショック発生の防止とを両立させて、運転性を更に向上させることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1又は請求項2に係る発明では、図2に示すように、各気筒毎に吸気系に燃料噴射弁を備える一方、各気筒の燃焼サイクルに同期したタイミングで各気筒毎に燃料噴射を行わせる燃料噴射制御手段と、所定の運転条件で燃料噴射を停止させる燃料カット手段とを備える内燃機関の燃料噴射制御装置において、機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、運転状態検出手段の出力に基づいて、シリンダに吸入される空気量に対応するシリンダ空気量相当燃料噴射量(AVTP)を演算するシリンダ空気量相当燃料噴射量演算手段と、各気筒毎にシリンダ空気量相当燃料噴射量の変化量(ΔAVTPn )を演算するシリンダ空気量相当燃料噴射量変化量演算手段と、運転状態検出手段の出力に基づいて、機関の冷却水温に応じた水温補正係数(GZTWC)を演算する水温補正係数演算手段と(但し、請求項2の場合)、燃料カット状態からのリカバー時に燃料噴射量を減少補正すべく、リカバー時とそれ以外の時とで異なり、リカバー時の方が小さくそれ以外の時の方が大きいリカバー時補正係数(FCRATE)を演算するリカバー時補正係数演算手段と、シリンダ空気量相当燃料噴射量の変化量(ΔAVTPn )に、リカバー時補正係数(FCRATE)、又は、水温補正係数(GZTWC)とリカバー時補正係数(FCRATE)とを乗じて、気筒別壁流補正量(CHOSn )を演算する気筒別壁流補正量演算手段と、シリンダ空気量相当燃料噴射量(AVTP)に、気筒別壁流補正量(CHOSn )を加算して、最終的な気筒別燃料噴射量(CTIn )を演算する気筒別燃料噴射量演算手段と、を設ける構成とする。
【0010】
すなわち、下式のごとく、壁流補正量(CHOSn )の算出式に、リカバー時補正係数(FCRATE)を追加し、リカバー時とそれ以外の時とで、このリカバー時補正係数(FCRATE)の値を変化させることにより、リカバー時に燃料噴射量を減量補正して、回転落ちの防止とショック発生の防止との両立を図るのである。
【0011】
CHOSn =ΔAVTPn ・GZTWC・FCRATE
請求項3に係る発明では、前記シリンダ空気量相当燃料噴射量変化量演算手段は、図3に示すように、各気筒毎の前回の燃料噴射タイミングにおけるシリンダ空気量相当燃料噴射量(AVTPOn )を記憶する記憶手段と、燃料カット中に、前記記憶値(AVTPOn )を徐々に小さくするように、各気筒の燃焼サイクルに同期して気筒毎に前記記憶値(AVTPOn )を更新する更新手段と、各気筒毎に今回のシリンダ空気量相当燃料噴射量(AVTP)と前記記憶値(AVTPOn )との差値(ΔAVTPn =AVTP−AVTPOn )を演算する差値演算手段と、からなることを特徴とする。
【0012】
すなわち、シリンダ空気量相当燃料噴射量の変化量(ΔAVTPn )を演算するために、各気筒毎の前回の燃料噴射タイミングにおけるシリンダ空気量相当燃料噴射量(AVTPOn )を記憶するが、燃料カット中は、この記憶値(AVTPOn )を徐々に小さくするように更新していくことで、各気筒毎に今回のシリンダ空気量相当燃料噴射量(AVTP)と前記記憶値(AVTPOn )との差値として演算されるシリンダ空気量相当燃料噴射量の変化量(ΔAVTPn )を燃料カット状態からのリカバー時の壁流状態に良好に対応させることができる。
【0013】
請求項4に係る発明では、前記リカバー時補正係数演算手段は、燃料カット状態からのリカバー時に、変速機のギヤ位置を検出するギヤ位置検出手段からの信号に基づいて、ギヤ位置によりリカバー時補正係数(FCRATE)の値を異ならせるものであることを特徴とする(図2参照)。
例えばニュートラル位置ではショックがほとんど問題とならないので回転落ち防止を重視(燃料増量)し、また低速段ほどショックが問題となるのでショック防止を重視(燃料減量)するように、リカバー時補正係数(FCRATE)を設定するのである。
【0014】
請求項5に係る発明では、前記リカバー時補正係数演算手段は、燃料カット状態からのリカバー時に、ロックアップクラッチの作動状態を検出するロックアップ検出手段からの信号に基づいて、ロックアップクラッチの作動状態によりリカバー時補正係数(FCRATE)の値を異ならせるものであることを特徴とする(図2参照)。
【0015】
ロックアップ時(ロックアップクラッチの締結時)にはショックが伝わり易いのでショック防止を重視(燃料減量)し、逆に非ロックアップ時(スリップ時)にはショックがほとんど問題とならないので回転落ち防止を重視(燃料増量)するように、リカバー時補正係数(FCRATE)を設定するのである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図4は本発明の一実施例を示すシステム図である。
機関1には、エアクリーナ2から、アクセルペダルに連動するスロットル弁3を介し、さらに吸気マニホールド4を介して、空気が吸入される。
【0017】
吸気マニホールド4のブランチ部には各気筒毎に燃料噴射弁(インジェクタ)5が設けられている。燃料噴射弁5はソレノイドに通電されて開弁し通電停止されて閉弁する電磁式燃料噴射弁であって、後述するコントロールユニット10からの駆動パルス信号により通電されて開弁し、図示しない燃料ポンプにより圧送されてプレッシャレギュレータにより所定の圧力に調整された燃料を噴射する。
【0018】
機関1の各燃焼室には点火栓6が設けられていて、これにより火花点火して混合気を着火燃焼させる。排気は排気マニホールド7を介して触媒コンバータ8に導入され、触媒コンバータ8内で三元触媒により排気中の有害成分(CO,HC,NOx )が清浄化される。
コントロールユニット10は、マイクロコンピュータを内蔵しており、各種のセンサから信号が入力されている。
【0019】
前記各種のセンサとしては、スロットル弁3上流の吸気通路に熱線式のエアフローメータ11が設けられていて、吸入空気流量Qを検出する。
また、クランク角センサ12が設けられていて、例えば4気筒の場合、クランク角 180°毎の基準信号REFとクランク角1〜2°毎の単位信号POSとを出力する。ここで、基準信号REFの周期、あるいは所定時間内における単位信号POSの発生数を計測することにより、機関回転数Nを算出可能である。
【0020】
また、スロットル弁3にポテンショメータ式のスロットルセンサ13が付設されていて、スロットル弁開度TVOを検出する。スロットルセンサ13はまたスロットル弁3の全閉位置でONとなるアイドルスイッチを内蔵している。
また、機関1のウォータジャケットに臨ませて水温センサ14が設けられていて、冷却水温TWを検出する。
【0021】
更に、排気マニホールド7内に酸素センサ15が設けられていて、排気中の酸素濃度を介して、空燃比のリッチ・リーンを検出する。
上記エアフローメータ11、クランク角センサ12、スロットルセンサ(アイドルスイッチ)13、水温センサ14、酸素センサ15等は運転状態検出手段を構成している。
【0022】
この他、必要により、変速機のギヤ位置を検出するギヤ位置センサ16や、自動変速機の場合に所定の運転条件でトルクコンバータの前後を直結するロックアップクラッチの作動状態を検出するロックアップスイッチ17が設けられていて、これらの信号もコントロールユニット10に入力されている。
ここにおいて、コントロールユニット10に内蔵されたマイクロコンピュータ(CPU)は、図5〜図9に示すフローチャートに基づくプログラムに従って、演算処理を行い、燃料噴射弁5による燃料噴射を制御する。
【0023】
次に図5〜図9のフローチャートを参照しつつコントロールユニット10内のマイクロコンピュータの演算処理内容を説明する。
図5はシリンダ空気量相当燃料噴射量(AVTP)演算ルーチンであり、所定時間(例えば10ms)毎に実行される。本ルーチンがシリンダ空気量相当燃料噴射量演算手段に相当する。
【0024】
ステップ1(図にはS1と記してある。以下同様)では、エアフローメータ11からの信号に基づいて検出される吸入空気流量Qと、クランク角センサ12からの信号に基づいて算出される機関回転数Nとから、次式により、基本燃料噴射量TPを算出する。
TP=K・Q/N (但し、Kは定数)
ステップ2では、次式のごとく、基本燃料噴射量TPを一次遅れで平滑化して、シリンダに吸入される空気量に対応するシリンダ空気量相当燃料噴射量AVTPを算出する。
【0025】
AVTP=TP・FLOAD+AVTP・(1−FLOAD)
尚、FLOADは0〜1の範囲の加重平均係数であり、スロットル弁開度TVOや機関回転数Nによって設定される。
実際のシリンダ空気量相当燃料噴射量AVTPの演算には、この他、過渡補正や先取り補正もなされるが、ここでは説明を省略する。
【0026】
図6は気筒別燃料噴射量(CTIn )演算ルーチンであり、所定時間(例えば10ms)毎に実行される。本ルーチンが燃料噴射量演算手段(気筒別燃料噴射量演算手段)に相当する。
ステップ11では、シリンダ空気量相当燃料噴射量AVTPに基づいて、次式により、燃料噴射量(パルス幅)TIを演算する。
【0027】
TI=AVTP・TFBYA・(ALPHA+LALPHA−1)+TS
尚、TFBYAは燃空比補正係数、ALPHAは空燃比フィードバック補正係数、LALPHAは学習補正係数、TSはバッテリ電圧に基づく電圧補正分(無効パルス幅)である。
ステップ12では、次式のごとく、燃料噴射量TIに、後述する図9のルーチンにより演算される気筒別壁流補正量CHOSn (4気筒の場合、n=1〜4)を加算して、全ての気筒について、最終的な気筒別燃料噴射量CTIn を演算する。
【0028】
CTIn =TI+CHOSn (4気筒の場合、n=1〜4)
図7は燃料カット判定ルーチンであり、所定時間毎に実行される。
ステップ21では、燃料カット中(燃料カットフラグFC=1)か否かを判定する。
燃料カット中でない場合(FC=0の場合)は、ステップ22でアイドルスイッチがONか否かを判定し、またステップ23で機関回転数Nが所定の燃料カット回転数Nfc以上か否かを判定する。
【0029】
これにより、アイドルスイッチがON(スロットル弁全閉)で、かつ機関回転数Nが所定の燃料カット回転数Nfc以上であることをトリガとして、ステップ24へ進み、燃料カットフラグFC=1として、燃料カットに入る。
燃料カット中の場合(FC=1の場合)は、ステップ25でアイドルスイッチがOFFになっか否かを判定し、またステップ26で機関回転数Nが所定のリカバー回転数Nrcを下回ったか否かを判定する。
【0030】
これにより、アイドルスイッチがOFFとなるか(言い換えればアクセルペダルが踏み込まれるか)、機関回転数Nが所定のリカバー回転数Nrcを下回ったときに、ステップ27へ進み、燃料カットフラグFC=0として、燃料カット状態を解除し、燃料噴射を再開(リカバー)する。
図8は燃料噴射制御ルーチンであり、噴射タイミング毎に実行される。
【0031】
ステップ31では、噴射気筒(n)を判別する。
ステップ32では、燃料カット中(燃料カットフラグFC=1)か否かを判定する。
燃料カット中でない場合(FC=0の場合)は、ステップ33へ進み、噴射気筒(n)の燃料噴射弁5に対し、気筒別燃料噴射量CTIn に相当するパルス幅の駆動パルス信号を出力して、燃料噴射を行わせる。従って、ステップ31〜33の部分が燃料噴射制御手段に相当する。
【0032】
そして、このときは、更にステップ34へ進み、今回のシリンダ空気量相当燃料噴射量AVTPを各気筒毎の前回の燃料噴射タイミングにおけるシリンダ空気量相当燃料噴射量の記憶値AVTPOn に代入して(AVTPOn =AVTP)、記憶保持する。この部分が記憶手段に相当する。
燃料カット中の場合(FC=1の場合)は、ステップ35へ進み、噴射タイミングの気筒(n)の燃料噴射弁5に対し、無効パルス幅TSの信号を出力するだけで、燃料噴射は停止させる(燃料カット)。従って、この部分が図7のルーチンと共に燃料カット手段に相当する。
【0033】
そして、このときは、更にステップ36へ進み、当該気筒(n)の前回の燃料噴射タイミングにおけるシリンダ空気量相当燃料噴射量の記憶値AVTPOn を徐々に小さくするように、記憶値AVTPOn を所定量ΔT減少させて(AVTPOn =AVTPOn −ΔT)、記憶値AVTPOn を更新する。この部分が更新手段に相当する。但し、ステップ37で更新後の記憶値AVTPOn を0と比較し、AVTPOn <0になった場合は、ステップ38で記憶値AVTPOn =0に規制する。
【0034】
図9は気筒別壁流補正量(CHOSn )演算ルーチンであり、所定時間(例えば10ms)毎に実行される。
ステップ41では、燃料カット中(燃料カットフラグFC=1)か否かを判定し、燃料カット中でない場合(FC=0の場合)のみ、ステップ42以降へ進む。
ステップ42では、各気筒毎のシリンダ空気量相当燃料噴射量の変化量ΔAVTPn (4気筒の場合、n=1〜4)として、次式のごとく、今回のシリンダ空気量相当燃料噴射量AVTPと各気筒毎の前回の燃料噴射タイミングにおけるシリンダ空気量相当燃料噴射量の記憶値AVTPOn (4気筒の場合、n=1〜4)との差値を演算する。
【0035】
ΔAVTPn =AVTP−AVTPOn (4気筒の場合、n=1〜4)
従って、この部分がシリンダ空気量相当燃料噴射量変化量演算手段(差値演算手段)に相当する。
ステップ43では、冷却水温TWより、テーブル検索して、水温補正係数GZTWCを算出する。この部分が水温補正係数演算手段に相当する。
【0036】
具体的には、ΔAVTPn ≧0(定常及び加速)の場合は、図10のTGZTWPのテーブルより、水温補正係数GZTWCを設定する。また、ΔAVTPn <0(減速)の場合は、図10のTGZTWMのテーブルより、水温補正係数GZTWCを設定する。いずれのテーブルも低温時ほど水温補正係数GZTWCが大となっている。
【0037】
ステップ44では、燃料カット状態からのリカバー時(初回)か否かを判定し、リカバー時でない場合は、ステップ45へ進んで、例えば、リカバー時補正係数FCRATE=1.0 とする。
リカバー時の場合は、ステップ46へ進んで、例えば、リカバー時補正係数FCRATE=0.6 とする。
【0038】
従って、ステップ44〜46の部分がリカバー時補正係数演算手段に相当する。
ステップ51では、次式のごとく、各気筒毎のシリンダ空気量相当燃料噴射量の変化量ΔAVTPn と、水温補正係数GZTWCと、リカバー時補正係数FCRATEとから、これらの積として、気筒別壁流補正量CHOSn を演算する。
CHOSn =ΔAVTPn ・GZTWC・FCRATE
(4気筒の場合、n=1〜4)
この部分が気筒別壁流補正量演算手段に相当する。
【0039】
このように、気筒別壁流補正量CHOSn の算出式に、リカバー時補正係数FCRATEを追加し、リカバー時とそれ以外の時とで、このリカバー時補正係数FCRATEの値を変化させることにより、リカバー時の気筒別壁流補正量CHOSn を小さくして、気筒別燃料噴射量CTIn を減量補正することで、回転落ちの防止とショック発生の防止との両立を図るのである。
【0040】
本発明の効果は図1に示される。
図1において、点線aは、気筒別壁流補正量CHOSn による補正なしの場合であり、壁流補正がないので、大きくリーンになり、機関回転数も落ち込んでいる。
鎖線bは、気筒別壁流補正量CHOSn による補正はするが、リカバー時補正係数FCRATEがない場合であり、燃料増量することで、機関回転数の落ち込みは防止できるが、内部EGRの多くが新気に置き換わるため、リカバー時にトルクの増大を招く。
【0041】
実線cは、気筒別壁流補正量CHOSn にリカバー時補正係数FCRATEを加えて補正した場合(本発明)であり、リカバー時補正係数FCRATEにより機関回転数の落ち込みを招くことなく、トルクの増大を抑えることができる。よって、回転落ち防止とショック防止との両立を図ることができる。
次に本発明の他の実施例について説明する。
【0042】
図 11は気筒別壁流補正量(CHOSn )演算ルーチンの他の実施例であり、図9に代えて実行される。
リカバー時補正係数FCRATEの演算部分のみが異なるので、この部分について説明する。
ステップ44では、燃料カット状態からのリカバー時(初回)か否かを判定し、リカバー時でない場合は、ステップ45へ進んで、例えば、リカバー時補正係数FCRATE=1.0 とする。
【0043】
リカバー時の場合は、ステップ47へ進んで、ギヤ位置センサ16からの信号に基づいてギヤ位置を検出する。
そして、ステップ48へ進んで、下記の例のごとく、ギヤ位置に応じて、リカバー時補正係数FCRATEを設定する。
ニュートラル: FCRATE=1.0
1速: FCRATE=0.3
2速: FCRATE=0.4
3速: FCRATE=0.6
4速: FCRATE=0.6
5速: FCRATE=0.6
ニュートラル位置ではショックがほとんど問題とならないので回転落ち防止を重視し、また低速段ほどショックが問題となるのでショック防止を重視するように、リカバー時補正係数FCRATEを設定するのである。
【0044】
すなわち、ニュートラル位置では、リカバー時補正係数FCRATEによる燃料の減量は行わず、一方、低速段では、リカバー時のトルク増大が運転者にショックとして伝わりやすいので、リカバー時補正係数FCRATEを小さな値として、燃料を減量補正して、トルクの増大を防止するのである。
本実施例では、ステップ44,45,47,48の部分がリカバー時補正係数演算手段に相当し、ギヤ位置センサ16がギヤ位置検出手段として用いられる。
【0045】
図 12は気筒別壁流補正量(CHOSn )演算ルーチンの更に他の実施例であり、図9に代えて実行される。
リカバー時補正係数FCRATEの演算部分のみが異なるので、この部分について説明する。
ステップ44では、燃料カット状態からのリカバー時(初回)か否かを判定し、リカバー時でない場合は、ステップ45へ進んで、例えば、リカバー時補正係数FCRATE=1.0 とする。
【0046】
リカバー時の場合は、ステップ49へ進んで、ロックアップスイッチ17からの信号に基づいてロックアップクラッチの作動状態(ロックアップ、非ロックアップ)を検出する。
そして、ステップ50へ進んで、下記の例のごとく、ロックアップクラッチの作動状態に応じて、リカバー時補正係数FCRATEを設定する。
【0047】
ロックアップ時: FCRATE=0.6
非ロックアップ時: FCRATE=1.0
ロックアップ時にはショックが伝わり易いのでショック防止を重視し、逆に非ロックアップ時にはショックがほとんど問題とならないので回転落ち防止を重視するように、リカバー時補正係数FCRATEを設定するのである。
【0048】
すなわち、ロックアップ時には、リカバー時補正係数FCRATEに基づいて燃料を減量し、一方、非ロックアップ時には、減量補正を行わないのである。ここで、非ロックアップ時にショックがほとんど問題とならないのは、エンジンの発生トルクはトルクコンバータを介して駆動輪に伝わるためで、このとき、リカバー時のトルクの増大は運転者にショックとして伝わりにくいのである。
【0049】
本実施例では、ステップ44,45,49,50の部分がリカバー時補正係数演算手段に相当し、ロックアップスイッチ17がロックアップ検出手段として用いられる。
尚、以上では、機関回転に同期して所定の燃料噴射タイミングでなされる燃料噴射についての壁流補正について説明したが、リカバー時の割込み噴射についても、同様の壁流補正を行うようにしてもよい。
【0050】
また、以上で例示したリカバー時補正係数FCRATEの値は理解しやすくするために示したもので、これに限定されるものではない。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、燃料カット状態からのリカバー時とそれ以外の時とで異なるリカバー時補正係数を設けて、壁流補正量をより適正化することにより、回転落ちの防止とショック発生の防止とを両立させて、運転性を更に向上させることかできるという効果が得られる。また、点火時期の遅角によりショック防止を図るものと比べ、燃費が向上するという効果も得られる。
【0052】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る発明の効果に加え、更に壁流補正を適正化することができるという効果が得られる。。
請求項3に係る発明によれば、シリンダ空気量相当燃料噴射量の変化量を燃料カット状態からのリカバー時の壁流状態に良好に対応させることができるという効果が得られる。
【0053】
請求項4に係る発明によれば、変速機のギヤ位置を考慮してリカバー時補正係数を設定することにより、運転者が実際に感じるショックを基準にして、回転落ち防止とショック防止とをより良好に両立させることができるという効果が得られる。
請求項5に係る発明によれば、ロックアップクラッチの作動状態を考慮してリカバー時補正係数を設定することにより、運転者が実際に感じるショックを基準にして、回転落ち防止とショック防止とをより良好に両立させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の効果を示す図
【図2】 本発明の構成を示す機能ブロック図(1)
【図3】 本発明の構成を示す機能ブロック図(2)
【図4】 本発明の一実施例のシステム図
【図5】 シリンダ空気量相当燃料噴射量演算ルーチンのフローチャート
【図6】 気筒別燃料噴射量演算ルーチンのフローチャート
【図7】 燃料カット判定ルーチンのフローチャート
【図8】 燃料噴射制御ルーチンのフローチャート
【図9】 気筒別壁流補正量ルーチンのフローチャート
【図10】 水温補正係数の検索テーブルを示す図
【図11】 気筒別壁流補正量ルーチンの他の実施例のフローチャート
【図12】 気筒別壁流補正量ルーチンの更に他の実施例のフローチャート
【符号の説明】
1 機関
5 燃料噴射弁
10 コントロールユニット
11 エアフローメータ
12 クランク角センサ
13 スロットルセンサ
14 水温センサ
15 酸素センサ
16 ギヤ位置センサ
17 ロックアップスイッチ
Claims (5)
- 各気筒毎に吸気系に燃料噴射弁を備える一方、各気筒の燃焼サイクルに同期したタイミングで各気筒毎に燃料噴射を行わせる燃料噴射制御手段と、所定の運転条件で燃料噴射を停止させる燃料カット手段とを備える内燃機関の燃料噴射制御装置において、
機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
運転状態検出手段の出力に基づいて、シリンダに吸入される空気量に対応するシリンダ空気量相当燃料噴射量を演算するシリンダ空気量相当燃料噴射量演算手段と、
各気筒毎にシリンダ空気量相当燃料噴射量の変化量を演算するシリンダ空気量相当燃料噴射量変化量演算手段と、
燃料カット手段による燃料噴射停止状態からの燃料噴射再開時に燃料噴射量を減少補正すべく、燃料噴射再開時とそれ以外の時とで異なり、燃料噴射再開時の方が小さくそれ以外の時の方が大きいリカバー時補正係数を演算するリカバー時補正係数演算手段と、
シリンダ空気量相当燃料噴射量の変化量に、リカバー時補正係数を乗じて、気筒別壁流補正量を演算する気筒別壁流補正量演算手段と、
シリンダ空気量相当燃料噴射量に、気筒別壁流補正量を加算して、最終的な気筒別燃料噴射量を演算する気筒別燃料噴射量演算手段と、
を設けたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 各気筒毎に吸気系に燃料噴射弁を備える一方、各気筒の燃焼サイクルに同期したタイミングで各気筒毎に燃料噴射を行わせる燃料噴射制御手段と、所定の運転条件で燃料噴射を停止させる燃料カット手段とを備える内燃機関の燃料噴射制御装置において、
機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
運転状態検出手段の出力に基づいて、シリンダに吸入される空気量に対応するシリンダ空気量相当燃料噴射量を演算するシリンダ空気量相当燃料噴射量演算手段と、
各気筒毎にシリンダ空気量相当燃料噴射量の変化量を演算するシリンダ空気量相当燃料噴射量変化量演算手段と、
運転状態検出手段の出力に基づいて、機関の冷却水温に応じた水温補正係数を演算する水温補正係数演算手段と、
燃料カット手段による燃料噴射停止状態からの燃料噴射再開時に燃料噴射量を減少補正すべく、燃料噴射再開時とそれ以外の時とで異なり、燃料噴射再開時の方が小さくそれ以外の時の方が大きいリカバー時補正係数を演算するリカバー時補正係数演算手段と、
シリンダ空気量相当燃料噴射量の変化量に、水温補正係数とリカバー時補正係数とを乗じて、気筒別壁流補正量を演算する気筒別壁流補正量演算手段と、
シリンダ空気量相当燃料噴射量に、気筒別壁流補正量を加算して、最終的な気筒別燃料噴射量を演算する気筒別燃料噴射量演算手段と、
を設けたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 前記シリンダ空気量相当燃料噴射量変化量演算手段は、
各気筒毎の前回の燃料噴射タイミングにおけるシリンダ空気量相当燃料噴射量を記憶する記憶手段と、
燃料カット手段による燃料噴射停止中に、前記記憶値を徐々に小さくするように、各気筒の燃焼サイクルに同期して気筒毎に前記記憶値を更新する更新手段と、
各気筒毎に今回のシリンダ空気量相当燃料噴射量と前記記憶値との差値を演算する差値演算手段と、
からなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 前記リカバー時補正係数演算手段は、燃料カット手段による燃料噴射停止状態からの燃料噴射再開時に、変速機のギヤ位置を検出するギヤ位置検出手段からの信号に基づいて、ギヤ位置によりリカバー時補正係数の値を異ならせるものであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 前記リカバー時補正係数演算手段は、燃料カット手段による燃料噴射停止状態からの燃料噴射再開時に、ロックアップクラッチの作動状態を検出するロックアップ検出手段からの信号に基づいて、ロックアップクラッチの作動状態によりリカバー時補正係数の値を異ならせるものであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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