JP3789578B2 - 軸受の給脂装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、工作機械の主軸等、高速化と長寿命化が求められる軸受に応用される軸受の給脂装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の軸受は、コストおよびメンテナンスフリーの点からグリース潤滑が多く用いられている。しかし、グリース潤滑による軸受の高速化と長寿命化は、相反する性能であり、両立が難しい。
工作機主軸においては、生産性・加工精度の向上等の要求から高速化がますます進んでいる。軸受を高速で運転するには、潤滑方法によるところが大きく、エアオイル潤滑、ジェット潤滑、アンダレース潤滑等の潤滑方法を選択すればよい。しかしこれらの潤滑法は、給油装置等の付帯設備が必要であり、コスト高になってしまう欠点がある。そこで望まれるのが、安価でしかもメンテナンスフリーが可能な潤滑法での高速化がある。
グリース潤滑での高速長寿命化の工夫の一つに、図11に示すものがある。これは、二体部品51a,51bで構成される内輪間座51において、間座内部に潤滑剤溜め室52を形成してグリースを封入し、運転中に作用するグリースの遠心力と、二体部品51a,51bの嵌めあい部53の双方の面粗さで生じる微小隙間により、運転に必要な潤滑油(グリースの基油)を軸受に供給するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図11の従来例において、運転中の油量制御は、軸受回転数(グリースに作用する遠心力)と、二体部品51a,51bの嵌めあい部53の面粗さにより生じる微小なすきま量で行われる。このことから、油量を正確に制御するためには、2体部品51a,51bの嵌めあい面の粗さの管理と、嵌めあい時の締め代管理が重要となる。しかし、これら粗さおよび締め代の管理は非常に難しく、量産には対応できないのが現状である。
また、同図の従来例で用いる潤滑油には、グリース中の基油を利用している。即ち、潤滑剤溜め室52中の約30%しか潤滑油として利用できず、長寿命化を考えた場合、潤滑剤溜め室52の空間を大きくする必要がある。
【0004】
この発明は上記課題を解消するものであり、付帯設備を必要とせずに、メンテナンスフリーの油潤滑が可能で、軸受の高速,長寿命化が可能であり、さらに品質管理が容易な軸受の給脂装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の軸受の給脂装置は、内輪の端面に接する内輪間座内に、油を封入する油溜め室を設け、前記内輪間座の前記内輪と接触する端面に、回転時の吐出油量を制御する吐出溝を半径方向の途中部分から外径縁まで延びて設けたものである。油溜め室と吐出溝とは連通路を設けて連通させる。前記内輪の前記内輪間座側の端面と軌道面との間の外周面部分は、前記端面側が小径となるテーパ面に形成する。このテーパ面の前記端面側の外径寸法は、前記内輪間座の外径寸法よりも大きくする。前記内輪の幅寸法は外輪幅と同じであっても良い。
【0006】
この構成によると、油溜め室に封入された油には、間座を回転させることにより遠心力が生じ、圧力が発生する。この圧力により、油は連通路より吐出溝に圧送される。この圧送された油は、吐出溝で流量制御されて転動体に向けて吐出し、潤滑に供される。
吐出溝から吐出される油量は、回転数,使用油の粘度,および吐出溝の形状で定まる。回転数は、詳しくは、運転中の油に生じる遠心力に影響し、これが油溜め室内の圧力に影響して吐出油量に影響する。そのため、軸受回転数に応じた潤滑油量調整が可能となり、軸受の高速化が可能になる。
吐出溝の形状は、溝深さ,溝幅,溝長さ等で定まる。このように吐出溝の形状で吐出油量が制御でき、また溝形状は面粗さの調整や孔加工の場合に比べて精度良く加工することが容易であるため、品質管理が容易で、精度の良い微量供給が行える。また、油潤滑とするため、グリースの基油を利用する場合と異なり、油溜め室内の大部分を実際に潤滑に利用される油の収容に利用でき、油溜め室を大きくすることなく、封入油量を確保して長寿命を達成することができる。
さらに、内輪の油溜め室付き内輪間座側の端面と軌道面との間の外周面部分を、前記端面側が小径となるテーパ面に形成し、かつ前記テーパ面の前記端面側の外径寸法を、前記内輪間座の外径寸法よりも大きくしたため、吐出溝より吐出した油は、油の表面張力により、内輪端面からテーパ面へと付着しながら流れ、内輪の軌道面付近で飛散し、潤滑油として供される。そのため、吐出溝から吐出された油の転動体への供給が良好に行われ、潤滑性が向上する。また、このため、内輪幅を、端面が転動体幅内に入るような特殊な幅とすることなく、吐出溝からの油の供給が行え、各種形式の軸受にこの軸受の給脂装置を応用することができる。
【0007】
上記構成において、前記内輪間座は、外周部品と、この外周部品の内周に嵌合する内周部品とで構成され、前記外周部品の内径面に前記油溜め室が形成されたものとしても良い。これにより、油溜め室を有する内輪間座が容易に形成できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
この発明の基礎となる提案例を図1ないし図3と共に説明する。互いに離して配置した一対の軸受1,1の内輪2,2間、および外輪3,3間に、リング状の内輪間座6および外輪間座7が各々設けてある。各軸受1は、内輪2,外輪3、転動体4、および保持器5で構成されるアンギュラ玉軸受からなり、互いに背合せに設けてある。各軸受1の内輪2は、片方(接触角により偏った作用点から遠い方)の端面2aが、転動体4の幅Wの内側となるように形成してある。
【0012】
内輪間座6は、両端がこれら内輪2,2の転動体幅内の端面2aに押し付けられるように設けられる。この内輪間座6は、外周部品8と内周部品9とシール部材10とで構成され、外周部品8の内径面に、その両端付近まで延びる溝幅の円周溝状の油溜め室11が形成されている。この油溜め室11に、潤滑油を封入する。シール部材10は、Oリング等の弾性体からなり、外周部品8の内径部の両端に残された環状の鍔状部8aの内径面に円周溝を形成して嵌着され、内外の部品9,8間からの潤滑油の漏れを阻止する。
【0013】
内輪間座6の両側の端面には、吐出溝12が、この端面の半径方向の途中部分から外径縁まで半径方向に延びて設けられ、この吐出溝12に連通する小孔状の連通路13が、外周部品8の鍔状部8aを貫通して設けられている。吐出溝12は、内輪間座6の円周方向の1か所または複数箇所に設けられる。この例では、吐出溝12は各軸受1に対して1箇所とし、すなわち内輪間座6の両端に1か所ずつ設け、両端の吐出溝12は互いに180°離れた位置としてある。吐出溝12の形状は、例えば溝幅がミリ単位、溝深さがミクロン単位となるような微小深さの溝とされる。なお、内周部品9には、油溜め室11を内径面側に開口させる潤滑油封入口となる小孔14が形成してある。
【0014】
上記構成の作用を説明する。油溜め室11に封入された油には、内輪2と共に内輪間座6が回転することにより、遠心力が生じて圧力が発生する。この圧力により、油は連通路13より吐出溝12に圧送される。この圧送された油は、吐出溝12で流量制御され、転動体4に向けて吐出されて潤滑に供される。
運転中の油量制御は、回転数(運転中の油量に生じる遠心力)と使用油粘度及び吐出溝12の形状設計で行うことができる。ここで吐出油量は、ダルシーの式が適用でき、次の関係式により求めることができる。
【0015】
なお、溝長さLは有効長さであり、連通路13の開口中心から溝端部までの長さとなる。
【0016】
図3は、図1の軸受の給脂装置を組み込んだ工作機械または産業機械等のスピンドル装置の一例を示す。両側の軸受1およびその間の内輪間座6は、スピンドルとなる軸15の外周に嵌合させ、これら両軸受1および内輪間座6を、軸15の段面15aと軸15のねじ部に螺着されたナット16との間で挟み付けて固定してある。両軸受1の外輪3および外輪間座7は、ハウジング17の円筒面状の内径面に嵌合させ、ハウジング17の両端に各々ボルト等で固定したリング状の押え部材18間に締め付け固定してある。
このように、この軸受の給脂装置は、スピンドル装置における互いに離れて配置される軸受1,1間に内輪間座6を設ける場合に効果的に使用できる。
【0017】
図4は、この発明の軸受の給脂装置を応用したスピンドル装置の他の例を示す。この例は、工作機械の一般的な軸受配列であるアンギュラ玉軸受の並列背面組み合わせでの構成例である。この軸受配列で、内側の2個の軸受1、および外側2個の軸受1Aは、いずれも図1の例と同じ構成のものであり、内輪2の片方の端面2aが転動体4の幅W内となるものとしてある。これら各軸受1,1Aの前記内輪端面2aは、互いに内側に対向している。油溜め室付きの内輪間座6Aは、内側2個の軸受1の内輪2の間に、両端が前記端面2aに押し付けられる状態に設けてある。内側の軸受1と外側の軸受1Aの内輪2との間には、油路形成用内輪間座19を設けてある。
【0018】
油溜め室付きの内輪間座6Aは、内径面に円周溝状の油溜め室11Aを設け、図1の例と同様に、両端に吐出溝12および連通路13を形成して内側2個の軸受1,1に油を供給するようにしてある(同図では一端の吐出溝のみを図示)。外側2個の軸受1Aに対しては、各油路形成用内輪間座19に、油溜め室付き内輪間座6Aの吐出溝12と同様な吐出溝12Aを設け、油溜め室付き内輪間座6Aの油溜め室11Aから吐出溝12Aに連通する連通路13Aで油を供給する。この外側軸受用の連通路13Aは、油溜め室付き内輪間座6Aの鍔状部6aと、内側軸受1の内輪2と、油路形成用内輪間座19とに各々設けた連通路部分13Aa,13Ab,13Acで構成される。これら連通路部分13Aa,13Ab,13Ac間の接続部には、Oリングからなるシール部材21が設けられる。
また、この例の内輪間座6Aは、油溜め室11Aの容積を大きく確保するために、図1の例の内周部品9を無くし、外周部品8に相当する形状の部品とシール部材10とで構成してある。この内輪間座6Aでは、軸15に外嵌させ、シール部材10で密封することにより、油溜め室11A内に油が封入される。この内輪間座6Aは、外径面に栓付きの油注入口22を設け、外径面から油溜め室11Aへの油の封入作業を行う。また、外輪間座7には、油注入口17と対応する注入ノズル挿入孔23が設けてある。
【0019】
この構成の給脂装置の場合、一つの油溜め室付きの内輪間座6Aから内外両列の軸受1,1Aに各々吐出溝12,12Aから油の供給が行える。そのため、内外の軸受1,1A間に十分な容量の油溜め室が得られない軸受配置でありながら、複列ずつ設けられる4個の軸受1,1Aに、十分な量の油の供給が行え、寿命向上が図れる。
【0020】
図5,図6は、この発明の第1の実施形態を示す。この例は、図1の軸受の給脂装置において、内輪2の幅寸法を外輪幅と同じとなるまで広くし、かつ内輪2の外径面における円弧溝状の軌道面2bと油溜め室付き間座6側の端面2aとの間の外径面部分を、その端面2a側が小径となるテーパ面2cに形成したものである。テーパ面2cの端面2a側の側縁の外径寸法Dbは、内輪間座6の外径寸法Dsよりも大きくし、テーパ面2cの勾配は所定の勾配αとしてある。油溜め室付き間座6は、内輪2の端面2aとの間に潤滑油の流路である吐出溝12を形成する手段となる。
このように、(内輪外径寸法(Db))>(油溜め室付き内輪間座外径寸法Ds)とし、かつ内輪外径面をテーパ面2cとすることで、内輪2の端面2aへ潤滑油を吐出する手段である油溜め室付き内輪間座6から吐出された油は、油の表面張力により、内輪端面からテーパ面2cへと付着しながら流れ(矢印s)、軌道面2bの付近で飛散し、潤滑に供される。この付着流れは、テーパ面2cの傾斜角度に影響され、例えばα>5°とすることで生じる。このように、油溜め室付き内輪間座6から吐出した油の流れを制御し、効果的な潤滑を行うことができる。
【0021】
同図のアンギュラ玉軸受に応用した給脂装置につき、次の寸法および運転条件で実験したところ、100パーセントの付着流れが確認できた。
回転数 : 8000rpm
内輪内径: 100mm
Ds : 116mm
Db : 117mm
α : 5°以上
テーパ面の長さ :10mm
【0022】
図7は、この付着流れを利用し、円筒ころ軸受への給脂装置に応用した例を示す。円筒ころ軸受1Cは、両鍔付きの内輪2Cと、鍔無しの外輪3Cと、転動体であるころ4Cと、保持器5Cとで構成される。この軸受1Cにおける内輪2Cの両側の端面に各々接して、図1の例と同じ構成の油溜め室11,吐出溝12,連通路13を持つ内輪間座6を設けてある。内輪2Cの鍔部外径面はテーパ面2Ccとしてある。
この構成の場合、油溜め室付き内輪間座6から吐出された油は、内輪端面からテーパ面2Ccを付着して流れ、最終的にはころ端面への付着及び保持器内径面への付着流れとなって潤滑油として供される。
このように、この付着流れを利用することで、内輪幅を特殊幅とすることなく、この油溜め室付き内輪間座6および吐出溝12からなる微量給脂機構を用いることができる。また、このため各種形式の軸受に応用でき、それら軸受のメンテナンスフリーでの高速・長寿命化が可能となる等の効果が期待できる。
【0023】
【実施例】
つぎに、この発明の給油装置における設計方法と溝加工の方法につき説明する。この給油装置は、軸受サイズ、軸受の配列と配置、回転数、使用油粘度、必要潤滑油量、運転時間を基に、前記ダルシーの式を用いて設計することができる。図9は、図1〜図3の軸受構成での設計例で、運転時間と単位時間当たりの吐出油量の関係を示したものである。
設計条件は、つぎの条件としてある。
油溜め室内径 Di 104mm
油溜め室外径 De 110mm
油溜め室幅 B 60mm
吐出溝の幅 2・b 1.5mm
吐出溝の深さ 2・a 0.002mm
吐出溝の長さ L 3.5mm
連通路数 2個
油の動粘度 22 cSt
油の比重 0.9
回転数 10,000rpm
【0024】
この設計条件として、例えば要求運転時間が8000hで、必要潤滑油量が軸受1個当たり1mg/hとすると、油満杯時において14.5mg/hの吐出量になるような溝形状を求めればよい。即ちこの例での溝形状は、b=1.5mm,d=0.002mm,L=3.5mmとすればよい。
このように、この給脂装置での設計の重要点は溝形状にあり、特に吐出溝12の深さの管理が重要になる。この発明では、この溝加工をエッチングにより行い、深さをそのエッチング時間を調整することで、簡単にしかも精度良く管理できるものとした。参考までに説明すると、図10は、エッチングの加工時間と溝深さの関係を調べたものであり、加工時間に比例した溝深さが得られる。このように加工時間の管理で、微小深さの吐出溝12の溝深さを精度良く加工することができる。
【0025】
【発明の効果】
この発明の軸受の給脂装置は、次の各効果が得られる。
(1)付帯設備を使用せず、しかもメンテナンスフリーの油潤滑が可能となる。そのため、グリース潤滑時のような運転初期の慣らし運転が不要となる。
(2)軸受回転数に応じた潤滑油量調整が可能となるため、軸受の高速化が可能となる。
(3)油溜め室内の全てが実際の潤滑に使用されるため、軸受の潤滑寿命は油溜め室の容量により決定され、油溜め室の適正設計により要求寿命を満足させられる軸受設計が可能となる。
【0026】
また、内輪の油溜め室付き内輪間座と接する端面が、転動体の幅の内側である場合は、吐出溝から吐出された油が良好に転動体へ供給される。
軸受を2個並べて設ける場合に、前記のように同じ油溜め室付き内輪間座から各軸受の内輪端面に沿う吐出溝に油を供給するように構成した場合は、2個並べて設けられる軸受の片方にしか油溜め室の得られる内輪間座を配置することができない場合でも、両列の軸受に十分な油の供給が行える。そのため、工作機械等のスピンドル装置等への応用が容易となる。
さらに、内輪の外周面部分を端面側が小径となるテーパ面に形成した場合は、内輪幅を特殊な幅とすることなく、吐出溝から吐出された油の転動体への供給が良好に行われる。そのため、各種形式の軸受に、この軸受の給脂装置を応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の基礎となる提案例にかかる軸受の給脂装置の断面図である。
【図2】 (A)は図1のA部分内で軸受内輪および内輪間座を外径側から見た部分破断拡大展開図、(B)は同部分の拡大断面図である。
【図3】 同軸受の給脂装置を応用したスピンドル装置の断面図である。
【図4】 他の提案例にかかる軸受の給脂装置を応用したスピンドル装置の部分断面図である。
【図5】 この発明の第1の実施形態にかかる軸受の給脂装置の断面図である。
【図6】 (A)は同給脂装置の部分拡大破断展開図、(B)は同部分の拡大断面図である。
【図7】 さらに他の実施形態にかかる給脂装置の断面図である。
【図8】 同給脂装置のB部分の部分拡大断面図である。
【図9】 図1〜図3の給脂装置の実験例における運転時間と油吐出量の関係を示すグラフであるか。
【図10】 吐出溝をエッチングで加工する場合の加工時間と溝深さの関係を示すグラフである。
【図11】 従来例の断面図である。
【符号の説明】
1,1A…軸受
2…内輪
2a…端面
2c…テーパ面
3…端面
6…内輪間座
8…外周部品
9…内周部品
10…シール材
11…油溜め室
12…吐出溝
13…連通路
13A…連通路
19…油路形成用内輪間座
Claims (4)
- 内輪の端面に接する内輪間座内に、油を封入する油溜め室を設け、前記内輪間座の前記内輪と接触する端面に、吐出溝を半径方向の途中部分から外径縁まで延びて設け、前記油溜め室から前記吐出溝に連通する連通路を設け、前記内輪の前記内輪間座側の端面と軌道面との間の外周面部分を、前記端面側が小径となるテーパ面に形成し、このテーパ面の前記端面側の外径寸法を、前記内輪間座の外径寸法よりも大きくした軸受の給脂装置。
- 前記吐出溝は回転時の吐出油量を制限するものである請求項1記載の軸受の給脂装置。
- 前記内輪の幅寸法が外輪幅と同じである請求項1または請求項2記載の軸受の給脂装置。
- 前記内輪間座は、外周部品とこの外周部品の内周に嵌合する内周部品とで構成され、前記外周部品の内径面に前記油溜め室が形成された請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の軸受の給脂装置。
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