JP3787024B2 - 超音波洗浄装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、長手状の振動伝達部材からその半径方向の超音波エネルギーを洗浄用液体内に放射して洗浄する超音波洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の超音波洗浄装置の一例を図7に示す。この超音波洗浄装置は特公平5−43437号公報において開示されているものである。
【0003】
図示のように、この超音波洗浄装置は、洗浄用流体101を貯留する処理槽102と、超音波エネルギー発生部104とを有している。前記超音波エネルギー発生部104は、長手状に形成されて一端側が前記洗浄用流体101に浸るように前記処理槽102に水平に装着された振動伝達部材106と、前記振動伝達部材106の他端に結合されて前記振動伝達部材の長手方向に超音波振動を発する振動子107とからなる。
【0004】
なお、振動伝達部材106は、取付フランジ109及び密封フランジ110によって処理槽102の側壁部に取り付けられている。
【0005】
前記振動子107は例えば電歪素子からなり、図示しない発振器によって所定周波数の電圧を印加されて作動し、この周波数の超音波振動を発する。前記振動伝達部材106は、その長さが、振動子107より付与される超音波振動の半波長の整数倍に設定され、共振する。
【0006】
このような構成の超音波洗浄装置においては、前記振動伝達部材106はそのポアッソン(Poisson)結合によって、振動子107より付与される長手方向の超音波振動(図7で矢印Uで示す)に基づく半径方向の超音波エネルギーを発する。図8は図7に関するD−D断面を示すものであるが、この図8に前記超音波エネルギーの放射方向を矢印Eで示す。この超音波エネルギーが洗浄用流体101に伝わることで、前記洗浄用流体内に浸漬されている被洗浄物(図示せず)が洗浄される。
【0007】
上述の超音波洗浄装置では、前記振動伝達部材106からの超音波エネルギーは全方向(360°)に向かい、しかも、それが処理槽102の内壁面で反射を繰り返すため、定在波音場とならずに拡散音場が形成される。すなわち、洗浄むらが生じ難いと言える。
【0008】
また、振動伝達部材106が長く、それ自体が比較的大きな音響インピーダンスを有するから、例えば洗浄用流体101が無い状態での作動、つまり空焚きの状態になっても出力の異常な上昇が防止されると考えられる。
【0009】
さらに、処理槽102の底部及び側壁にキャビテーションが生じにくく、エロージョンによる液漏れ等の懸念がない。
【0010】
その他、次のような優位点が前記公報(特公平5−43437号)に記載されている。
【0011】
第一に、振動伝達部材106が大きな放射面を有することから、負荷、すなわち洗浄用流体101に対して均質、かつ、効率的に超音波エネルギーが伝播されて、単一の振動子107でも充分な洗浄効果が得られる点。第2に、振動伝達部材106のみを顧客の求めに応じて製造し、振動子107は一種類を用意するだけでよいことから、製造コストが安く済む点である。
【0012】
上記のように数々の優位点を有する超音波洗浄装置であるが、次のような問題点がある。
【0013】
すなわち、振動子107から振動伝達部材106の長手方向に付与される超音波振動は、そのエネルギーの全てが半径方向の超音波エネルギーとして変換される訳ではなく、一部が前記振動伝達部材106の先端面から放射されてしまう。この先端面から放射される超音波エネルギーは洗浄に有効に作用せず、損失となる点である。
【0014】
そこで、本願出願人は、振動子からのエネルギーを高効率で半径方向の超音波に変換することができる超音波エネルギー放射装置および洗浄装置を発明し、先に出願(特願平8−297142号)している。なお、この先の発明による超音波エネルギー放射装置および洗浄装置の構成の詳細については本願発明による実施例の説明と重複するため後述する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
先の出願(特願平8−297142号)の洗浄装置が備える超音波エネルギー放射装置は、振動子からのエネルギーを高効率で半径方向の超音波に変換することが可能になっているが、振動伝達部材から放射される超音波のうち被洗浄物に直接照射されるのは、仮想水平面からの角度が一定範囲内に含まれる上方に向かう超音波(例えば、図3のE)に限られ、それ以外の仮想水平面と平行な方向、あるいは仮想水平面より下方向に向かう超音波(例えば、図3のF)は、被洗浄物に直接当たらずに処理槽の内壁面で反射を繰り返して拡散音場となる。
【0016】
上述のように、この洗浄装置は振動伝達部材から放射される超音波が処理槽の内壁面で反射を繰り返すことで被洗浄物の洗浄むらが生じにくいものになっているが、反射を繰り返すと超音波の減衰が生じ、被洗浄物に直接照射される超音波にくらべて洗浄効率が低下してしまう問題がある。
【0017】
そこで、本発明の目的は、振動子から付与される超音波振動のエネルギーを高効率で振動伝達部材の半径方向の超音波エネルギーに変換することができる超音波エネルギー放射装置を備え、かつ、より洗浄効果の高い超音波洗浄装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明による超音波洗浄装置は、洗浄用流体を貯留するとともに、被洗浄物を受け入れて洗浄する処理槽と、中実でかつ、長手状に形成されて一端側が前記洗浄用流体に浸るように前記処理槽に水平に装着された振動伝達部材と、前記振動伝達部材の他端に結合されて前記振動伝達部材の長手方向に超音波振動を発振する振動子と前記振動子に所定周波数の電圧を印可する発振器とを備え、前記超音波振動に基づいて前記振動伝達部材の半径方向に放射される超音波エネルギーによって前記被洗浄物を洗浄する超音波洗浄装置において、前記振動伝達部材は、均一に縮径された先端部分と、前記先端部分に空隙を形成するためのカバー部材とを有し、前記処理槽の底面に前記超音波エネルギーを上方に向けて反射する反射板を備えているものである。
【0019】
また、本発明による超音波洗浄装置は、前記反射板を中心角が約90度乃至約140度の角度に形成した略V字型にしたものである。
【0020】
また、本発明による超音波洗浄装置は、前記反射板を前記処理槽2の下方に凸となるように形成した断面半円形としたものである。
【0021】
また、本発明による超音波洗浄装置は前記反射板を断面波形に形成したものである。
【0022】
また、前記振動伝達部材の長さは、前記振動子が発振する超音波振動の半波長の整数倍に設定されている。
【0023】
また、前記振動伝達部材の前記先端部分が前記空隙を形成される長手方向の寸法は、前記振動子が発振する超音波振動の波長の約1/4である。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例を、図1乃至図4を参照して説明する。
【0025】
図1は本発明の第1実施例としての超音波洗浄装置(超音波エネルギー放射装置を含む)の縦断面図であり、図2は図1に示す超音波洗浄装置の左側面図である。図3はこの図1に関するA−A断面図であり、図4は図1に示す超音波洗浄装置が備える振動伝達部材6の一部を拡大した縦断面図である。
【0026】
図1および図2に示すように、本発明による超音波洗浄装置は、下台5、処理槽2、超音波エネルギー発生部4および反射板3を備えている。この超音波エネルギー発生部4は、振動伝達部材6と、前記振動伝達部材6に結合された振動子7とからなる。
【0027】
処理槽2は洗浄用流体1の排出用バルブ15を有する下台5上に備えられており、本実施例の場合、ステンレス等の金属で直方体の箱状に形成されている。そして、純水等の洗浄用流体1を貯留するとともに、被洗浄物を受け入れて超音波洗浄する洗浄槽になっている。
【0028】
前記処理槽2の底面全体はエネルギー発生部4から放射される超音波を上方に向けて反射して集中させる反射板3になっており、この場合、処理槽2の底面となる2枚のステンレス等の金属からなる長方形状の板をそれぞれ、仮想水平面から約20度〜約45度の角度、すなわち、全体として中心角が約90度〜約140度の略V字型になるように溶接により取り付けて形成している。
【0029】
前記振動伝達部材6はジュラルミン等を素材とし、本実施例の場合、中実になっており、断面形状が円形で、かつ長手状に形成されている。そして、一端側が前記洗浄用流体1に浸るように前記処理槽2に水平に装着されている。
【0030】
また、前記振動伝達部材6はノーダル・ポイント(振動の節)にフランジ6aが形成されており、前記処理槽2に次のように取り付けられている。
【0031】
▲1▼処理槽2の側壁部に設けた取付け用開口2aに、処理槽2の内壁側から雄ねじ部を有する略円筒状のアダプタ18aを取り付ける。
【0032】
▲2▼内周に雌ねじ部が形成された略円筒状のアダプタ18bを処理槽2の外側から前記アダプタ18aの雄ねじ部に螺合させて取り付ける。
【0033】
▲3▼前記振動部材6に形成されたフランジ6aと前記アダプタ18aの間にOリング22aを介装し、前記処理槽2の開口2aに取り付けた略筒状の前記アダプタ18a、18bに前記処理槽2の外側から振動伝達部材6を挿通する。
【0034】
▲4▼前記フランジ6aの他面側にもOリング22bを介装し、外周部に雄ねじ部を有する略円筒状のアダプタ18cを前記アダプタ18bの雌ねじ部に螺合させ、前記フランジ6aを前記アダプタ18aとアダプタ18cで挟み込むようにして固定する。
【0035】
上記のように、取り付けおよび取り外しが容易なアダプタ18a、18b、18cと液密性を保つOリング22a、22bにより振動部材6の処理槽2に対する取り付けが完了する。
【0036】
なお、前記フランジ6aの外周部に雄ねじを形成し、処理槽2の開口2aに雌ねじを形成して直接螺合結合するようにしてもよい。
【0037】
また、前記フランジ6aを設けずに、振動伝達部材6の外周部にそのまま雄ねじを形成してもよい。
【0038】
前記振動伝達部材6の他端、すなわち、前記処理槽2の外部側に位置する端面には、振動子7が、ねじ19a、ねじ19bで固着されている。
【0039】
前記振動子7は例えば電歪素子からなり、図示しない発振器によりコネクタ13、およびケーブル11を通じて所定周波数の電圧を印可されて作動し、この周波数の超音波振動を発振する。この超音波振動は、振動伝達部材6の長手方向に付与される。そして、前記振動伝達部材6と前記振動子7とで超音波エネルギー発生部4が構成され、この超音波エネルギー発生部4と前記発振器とを、超音波エネルギー放射装置と総称する。
【0040】
前記振動伝達部材6の前記振動子7が固着されている側には、四角柱状のケース14が取り付けられている。前記ケース14は、前記振動子7を内包するように取り付けられており、ねじ20により、前記アダプタ18cに3ヶ所(図1には1ヶ所のみ図示)で固着されている。そして、前記振動子7が取り付けられている側に位置する端面には、ケース14の内側に凸するように冷却ファンモータ12が取り付けられている。この冷却ファンモータ12は前記振動子7の過熱を防止するためのもので、前記コネクター13および前記ケーブル11を介して給電される。
【0041】
前記振動伝達部材6は、その長さLが、前記振動子7より付与される超音波振動の半波長(λ/2)の整数倍に設定されており、共振する。本実施例の場合、振動伝達部材6の長さLは379mm、直径dは66mmとなっている。前記振動子7より付与される超音波振動の1波長(λ)は本実施例では252mmであり、長さLおよび直径dはそれぞれ、この1波長の約1.5倍、および1波長の約1/4〜1/3倍になっている。
【0042】
また、図1および図4に示すように、振動伝達部材6の先端部分6eが均一に縮径されており、この先端部分に外形が振動伝達部材6の本体部分と略同径で、かつ、内径がこの先端部分6eよりも大きく形成されたカバー部材10が固着されている。前記カバー部材10によって振動伝達部材6の先端面、およびその近傍に空隙8が形成されている。
【0043】
このカバー部材10は、例えばジュラルミンなどの金属や合成樹脂を素材として形成される。
【0044】
前記振動伝達部材6と前記カバー部材10との間には、前記振動伝達部材6の長手方向においてパッキン10aが介装されている。このパッキン10aによって、前記空隙8の液密性が確保されている。パッキン10aを用いない場合には、カバー部材10を前記振動伝達部材6に液密性を持って溶接してもよい。
【0045】
上述の構成では、前記空隙8内の空気の音響インピーダンスが洗浄用流体1の音響インピーダンスにくらべて極めて小さいことから、前記空隙8側には振動エネルギーはほとんど伝わらない。したがって、前記振動子7から振動伝達部材6に付与される長手方向の振動エネルギーは前記振動伝達部材6の先端から無駄に放射されることがなく、ほとんど全てが半径方向の超音波エネルギーに変換されて洗浄用流体1中に効率的に放射される。すなわち、高い洗浄効果が得られる。
【0046】
ここで、図4において記号aで示す寸法、すなわち前記振動伝達部材6がカバー部材10によって前記空隙8を形成される長手方向の寸法は、前記振動子7から付与される超音波振動の波長の約1/4になっている。この範囲では前記振動伝達部材6に比較的大きな半径方向の振動が誘起され、前記洗浄用流体1への振動エネルギーの放射効率がさらに高められ、有効である。
【0047】
また、上述したように、カバー部材10と振動伝達部材6との間には、前記振動伝達部材6の長手方向において粘弾性部材としてのパッキン10aが介装されている。このパッキン10aは前記カバー部材内外の液密性を維持するだけでなく、前記振動子7から前記振動伝達部材6に付与される長手方向の超音波振動が前記カバー部材10に伝播しにくくする作用もする。すなわち、前記カバー部材10を通じた前記洗浄用流体1への振動エネルギーの伝達が抑止され、前記振動伝達部材6の半径方向のエネルギーに変換される効率をさらに高めている。
【0048】
次に、本発明による超音波洗浄装置の備える反射板の作用について説明する。
【0049】
振動子7に図示しない発振器からコネクタ13、およびケーブル11を通じて所定周波数の電圧が印可されて作動すると、振動伝達部材6はそのポアッソン(Poisson)結合によって、前記振動子7から付与される長手方向の超音波振動(図1で矢印Uで示す)に基づく半径方向の超音波エネルギーを放射する。図3は図1に関するA−A矢視図であるが、この図3において、前記振動伝達部材6から放射される超音波エネルギーの方向を矢印E、および矢印Fで示す。この超音波エネルギーが洗浄用流体1に伝わることで、前記振動伝達部材6の上方に浸漬されている被洗浄物(図示せず)の洗浄が行われる。
【0050】
前記振動伝達部材6の半径方向に放射される超音波エネルギーは全方向(360 )に向かい、例えば図3のEの超音波のように、仮想水平面からの角度が一定範囲内の上方に向かう超音波は、振動部材6の上方に浸漬されている被洗浄物(図示せず)に直接照射されて被洗浄物を強力に洗浄する。
【0051】
一方、例えば図3のFの超音波のように、前記振動部材6から仮想水平面と平行な方向や仮想水平面より下方向に向かう超音波は、図2に示すように、処理槽2の底面全体に形成されている反射板3に当たって、その入射角に応じた角度で前記振動部材6の上方に浸漬された被洗浄物(図示せず)に向けて反射する。そして、この超音波は被洗浄物に至近距離から集中的に照射されて、高い洗浄効果をあらわす。
【0052】
処理槽2の底面である前記反射板3は、本実施例では、2枚の長方形状のステンレス等の金属板を、それぞれ仮想水平面から約20度〜約45度の角度、すなわち、全体として中心角が約90度〜約140度の略V字型に形成しているが、この角度の範囲に取り付けることによって、特に超音波の上方への反射が効率よく行われるものになっている。
【0053】
また、前記超音波Fは、前記反射板3への入射角が90度より大きくなると、上方に向かわずに処理槽2の下方や左右方向に反射されるが、これらの超音波も略V字型を形成する2枚の反射板間、処理槽2の槽壁と反射板3の間等の概ね短距離間で反射を繰り返して全体として上方に浸漬された被洗浄物(図示せず)に向けて照射される。
【0054】
このように、前記反射板3を設けたことによって、前記振動伝達部材6の上方に浸漬された被洗浄物(図示せず)に直接照射されない超音波Fを上方に向けて反射し、集中させることができる。しかも、被洗浄物(図示せず)に対して至近距離から照射することができるため、高い洗浄効果が得られる構成になっている。
【0055】
また、前記超音波Fの反射板3、反射板3どうしの間、あるいは、反射板3と処理槽2の槽壁の間で生じる反射は、概ね短い距離の間で行われるため、超音波の減衰が少なく、より洗浄効果を高める構成になっている。
【0056】
【実施例】
次に、本発明の超音波洗浄装置の第2実施例、および第3実施例について、図5、および図6を用いて説明する。ただし、上述した第1実施例の超音波洗浄装置と同一の構造および機能を有する部分については同じ参照符号を付しており、説明が重複するため、要部のみの説明とする。
【0057】
図5に示すように、本発明の第2実施例としての超音波洗浄装置は処理槽2の底面全体が下方に凸となるように形成された断面半円形の反射板16になっており、その他の構成は第1実施例と同一になっている。
【0058】
例えば図5のFの超音波のように、前記振動部材6から仮想水平面と平行な方向や仮想水平面より下方向に向かう超音波は、処理槽2の底面全体に下方に凸するように形成されている断面半円形の反射板16に当たって、その入射角に応じた角度で反射され、一部は反射板16の断面半円形の曲面内で反射を繰り返して前記振動部材6の上方に浸漬された被洗浄物(図示せず)に向けて反射される。ここで、反射板16は、処理槽2の下方に凸となるように断面半円形に形成されているため、超音波Fが反射される方向は反射板16の曲面が有する曲率に応じて、その略中心方向になる。そして、この超音波は被洗浄物に至近距離から集中的に照射されて、高い洗浄効果をあらわす。
【0059】
前記反射板16は、浸漬した被洗浄物がその略中心に位置するような曲率で適宜形成することにより、より洗浄効果を高めることができる。
【0060】
図6に本発明の第3実施例としての超音波洗浄装置を示す。
【0061】
この本発明の第3実施例としての超音波洗浄装置は、処理槽2の底面全体が断面波形の反射板16になっており、その他の構成は第1実施例と同一になっている。
【0062】
この断面波形の反射板16は、前記振動伝達部材6から全方向(360°)に放射される超音波の方向を効果的に散乱させる作用をする。
【0063】
前記振動伝達部材6から放射される超音波は、前記反射板16に形成された波形により、前記反射板16の表面や前記反射板16の表面と前記処理槽2の槽壁の間で複雑に反射を繰り返す。すなわち、前記反射板16により様々な方向に効果的に散乱され、全体として、前記振動伝達部材6の上方に浸漬した被洗浄物(図示せず)に有効に作用する。そして、上述した第1実施例および第2実施例と異なり、前記洗浄槽2の上方にせり上がって形成されていないことから、被洗浄物を受け入れ可能な体積を大きくすることができる。
【0064】
上記各実施例において、振動伝達部材6の断面形状を円形としているが、角形や楕円形など他の形状の断面形状としてもよい。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による超音波洗浄装置は、振動伝達部材の先端にカバー部材によって空隙が形成されている。これによって、振動子から前記振動伝達部材に付与される長手方向の振動エネルギーを先端から無駄に放射することなく、半径方向の超音波エネルギーに効率的に変換して放射することができる。
【0066】
また、処理槽の底面に反射板を設けたことによって、前記振動伝達部材から、仮想水平面と平行な方向や仮想水平面より下方に照射される超音波を概ね短距離間で効率的に反射して、被洗浄物に至近距離から集中的に照射することができ、高い洗浄効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施例としての超音波洗浄装置の縦断面図である。
【図2】図1に示す超音波洗浄装置の左側面図である。
【図3】図3は、図1に関するA−A矢視図である。
【図4】図4は、図1に示す超音波洗浄装置が備える振動伝達部材6の一部を拡大した縦断面図である。
【図5】 図5は、本発明の第2実施例としての超音波洗浄装置の縦断面図である。
【図6】図6は、本発明の第3実施例としての超音波洗浄装置の縦断面図である。
【図7】図7は、従来の超音波洗浄装置の縦断面図である。
【図8】図8は、図7に関するD−D断面図である。
【符号の説明】
1 洗浄用流体
2 処理槽
3 反射板
4 超音波エネルギー発生部
6 振動伝達部材
7 振動子
8 空隙
10 カバー部材
10a パッキン(粘弾性部材)
13 コネクター
14 ケース
16 (半円形)反射板
17 (波形)反射板
Claims (6)
- 洗浄用流体を貯留するとともに、被洗浄物を受け入れて洗浄する処理槽と、
中実でかつ、長手状に形成されて一端側が前記洗浄用流体に浸るように前記処理槽に水平に装着された振動伝達部材と、
前記振動伝達部材の他端に結合されて前記振動伝達部材の長手方向に超音波振動を発振する振動子と、
前記振動子に所定周波数の電圧を印可する発振器とを備え、
前記超音波振動に基づいて前記振動伝達部材の半径方向に放射される超音波エネルギーによって前記被洗浄物を洗浄する超音波洗浄装置において、
前記振動伝達部材は、均一に縮径された先端部分と、前記先端部分に空隙を形成するためのカバー部材とを有し、
前記処理槽の底面に前記超音波エネルギーを上方に向けて反射する反射板を備えていること
を特徴とする超音波洗浄装置。 - 前記反射板は中心角が約90度乃至約140度の角度に形成した略V字型であること
を特徴とする請求項1記載の超音波洗浄装置。 - 前記反射板は前記処理槽2の下方に凸となるように形成した断面半円形であること
を特徴とする請求項1記載の超音波洗浄装置。 - 前記反射板は断面波形に形成されていること
を特徴とする請求項1記載の超音波洗浄装置。 - 前記振動伝達部材の長さは、前記振動子が発振する超音波振動の半波長の整数倍に設定されていること
を特徴とする請求項1記載の超音波洗浄装置。 - 前記振動伝達部材の前記先端部分が前記空隙を形成される長手方向の寸法は、前記振動子が発振する超音波振動の波長の約1/4であること
を特徴とする請求項1記載の超音波洗浄装置。
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