JP3786618B2 - 画像処理装置及びその方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載カメラから入力される時系列画像から、道路面上の白線、及び、ガードレール等の側壁と道路面との境界を安定かつ高速に検出し、また、これらの検出結果から自車両の走行レーンを安定して決定する画像処理装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動車に搭載したカメラから得られる時系列画像から自車両の走行レーンを検出する方法としてさまざまな画像処理技術が提案されている。
【0003】
“逆投影画像上での候補追跡処理による白線検出”(中山、窪田、谷口、小野口、電子情報通信学会技術研究報告書、Vol.101、No.302、pp.15−22、2001)や、特開平11−153406号において、一台のカメラを用いた走行レーンの検出方法が提案されている。
【0004】
この方法では、単眼カメラで撮影した道路画像から、路面上に描かれた走行レーンの境界線である白線を抽出し、自車両が走っている走行レーンを検出している。
【0005】
しかし、このような方法においては、単眼のカメラで撮影された輝度情報のみに基づいて白線検出が行われるため、路肩や、ガードレールといった白線と似た輝度情報を持つ対象物を道路面上の白線として誤認識してしまい、誤った走行レーンを検出するという問題がある。また、自車両と同じ走行レーンを走る前方車両によって、白線が大きく隠れると、走行レーンの検出が不安定になるという問題もある。
【0006】
単眼カメラを用いた走行レーンの検出方法の他に、特開平11−213138号に代表されるような、複数のカメラによるステレオ視を用いた方法がある。
【0007】
「ステレオ視」とは、視点の異なる複数のカメラによって得られる複数の画像から、対応点探索によって、同一対象物を表している特徴点の対応付けを行い、三角測量の原理を用いてカメラから対象物までの距離を計測する技術である。
【0008】
上記の方法は、このステレオ視によって得られる距離情報を統合して、道路の三次元形状を復元し、壁面と道路面の境界を検出することが可能である。
【0009】
しかし、このような方法においては、ステレオ視によって距離情報を得る処理や、距離情報から三次元形状を復元する処理が複雑になり、計算コストが大きくなるという問題がある。また、この方法には、ステレオ視における対応点探索の問題があり、対象物の形状によって、一方のカメラに撮影されている対象物がもう一方のカメラに撮影されないというオクルージョン領域(隠れ領域)により、誤対応を起こすという問題がある。
【0010】
さらに、ステレオ視を用いた走行レーン検出方法として、ステレオ視と白線検出を組み合わせた方法がある。
【0011】
特開平9−325026号では、一方のカメラで撮影された画像から白線領域を検出し、白線領域内の点と対応する点を、もう一方のカメラから求め、対応点の視差から、白線の路面からの高さを調べるという方法を用いて走行レーンを検出している。
【0012】
また、特開2001−92970号は、二つのカメラを用いたステレオ視によって距離情報を計算し、この距離情報と一方のカメラからの輝度情報から白線を検出することによって走行レーンを検出する方法をとっている。
【0013】
これらの方法により、単眼カメラでは困難だった道路面のみの白線を求める事が可能であり、また三次元モデルの復元を行わないため、計算コストの増加を防ぐことができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記ステレオ視と白線検出を組み合わせた方法においては、白線を一方の画像のみで検出するため、検出した白線領域が前方車両などによってオクルージョン領域になっていると、対応点探索時に誤対応を起こす恐れがある。
【0015】
また、対応点探索を特徴点近傍の局所領域のみに対して行うため、正しい対応点付近に輝度が類似している領域があると、容易に誤対応を起こす、という問題もある。
【0016】
そこで、本発明は、上記の点を考慮してなされたもので、複数のカメラで撮影された複数の画像上でそれぞれ境界線候補を検出し、画像間で求まった境界線候補同士の対応を取ることによって、視差を計算し、境界線候補の高さを推定する事によって、安定かつ高速に正しい走行レーンの境界線を検出することを目的とする画像処理装置とその方法を提供する。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、前記移動体が走行可能な領域を規定する境界線を、前記移動体に取り付けられた複数の撮影装置によって撮影し、この撮影した複数の画像から前記境界線を求める画像処理装置において、前記複数の画像を取り込む画像取得手段と、輝度情報に基づいて前記境界線の候補を境界線モデルとして前記複数の画像毎に検出する境界線モデル検出手段と、前記複数の画像の中で一の画像を基準画像とし、この基準画像から検出された境界線モデルを基準モデルとし、前記基準画像とは異なる他の画像を比較画像とし、前記基準モデルと前記比較画像から検出された境界線モデルとを比較し、前記基準モデルに対応する前記比較画像から検出された境界線モデルを対応モデルに決定する対応モデル決定手段と、前記基準画像上における前記基準モデルと前記対応モデルとの位置の違いから、前記基準モデルにおける前記移動体が移動する平面からの高さを推定する高さ推定手段と、前記平面からの高さを用いて、前記基準モデルを前記平面に投影して前記境界線を決定する境界線決定手段と、を有することを特徴とする画像処理装置である。
【0018】
請求項2の発明は、前記対応モデル決定手段は、前記基準画像上での前記基準モデルと前記比較画像から検出された境界線モデルとの位置関係から、前記対応モデルの候補である対応モデル候補を選択する対応モデル候補選択手段と、前記基準モデルと前記対応モデル候補の位置関係と画素情報に基づいて、前記基準モデルと前記対応モデル候補との類似度を計算するモデル間類似度計算手段と、前記類似度に基づいて対応モデル候補の中から前記対応モデルを選択する対応モデル選択手段とを有することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置である。
【0019】
請求項3の発明は、前記モデル間類似度計算手段は、前記境界線モデルは、前記境界線の候補の画像上での特徴を表す複数のモデル構成領域によって構成され、前記基準画像上のモデル構成領域が、前記比較画像上にも存在するかを判定し、存在する場合には、その比較画像上のモデル構成領域を対応モデル構成領域として選択する対応モデル構成領域選択手段と、前記対応モデル構成領域において、前記基準画像上のモデル構成領域を基準モデル構成領域とし、この対応モデル構成領域周辺の画素値を用いた所定の評価値を使って、前記対応モデル構成領域周辺にもっとも評価値の高い点を探索し、その評価値を前記対応モデル構成領域の評価値と決定する対応モデル構成領域探索手段と、前記各対応モデル構成領域の評価値を集計して前記対応モデルの類似度を計算する類似度計算手段と、を有することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置である。
【0020】
請求項4の発明は、前記対応モデル決定手段は 前記基準モデルと前記対応モデルを所定の評価値によって比較し、前記基準モデルより安定して検出されている対応モデルを選択する安定境界線モデル選択手段と、前記選択した対応モデルによって前記基準モデルを修正する境界線モデル修正手段と、を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像処理装置である。
【0021】
請求項5の発明は、前記高さ推定手段は 前記撮影装置に撮影されている境界線の候補は全て平面内にあると仮定して、平面に対する前記撮影装置の取り付け位置及び角度から、前記比較画像の座標を、前記基準画像の座標に変換する座標変換を用いて、前記対応モデルを前記基準画像の座標に変換する座標変換手段と、前記基準画像上での前記変換した対応モデルと前記基準モデルとの距離を視差として計算し、この視差から高さを推定する視差計算手段と、を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像処理装置である。
【0022】
請求項6の発明は、前記境界線決定手段は、前記平面からの高さによって、前記基準モデルが前記平面内にあるかどうかを判定し、前記平面内にあれば前記基準モデルを平面内境界線モデルとして決定する平面内境界線モデル決定手段と、前記基準モデルが、前記平面にないと判断された場合、その基準モデルを、前記平面からの高さに応じて前記平面に投影して、投影境界線モデルを決定する投影境界線モデル決定手段と、前記平面内の基準モデルと、前記投影境界線モデルから、前記移動体が走行可能な領域を規定する境界線を選択する境界線選択手段と、を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像処理装置である。
【0023】
請求項7の発明は、移動体が走行可能な領域を規定する境界線を、前記移動体に取り付けられた複数の撮影装置によって撮影し、この撮影した複数の画像から前記境界線を求める画像処理方法において、前記複数の画像を取り込む画像取得ステップと、輝度情報に基づいて前記境界線の候補を境界線モデルとして前記複数の画像毎に検出する境界線モデル検出ステップと、前記複数の画像の中で一の画像を基準画像とし、この基準画像から検出された境界線モデルを基準モデルとし、前記基準画像とは異なる他の画像を比較画像とし、前記基準モデルと前記比較画像から検出された境界線モデルとを比較し、前記基準モデルに対応する前記比較画像から検出された境界線モデルを対応モデルに決定する対応モデル決定ステップと、前記基準画像上における前記基準モデルと前記対応モデルとの位置の違いから、前記基準モデルにおける移動体が走行する平面の高さを推定する高さ推定ステップと、前記平面からの高さを用いて、前記基準モデルを前記平面に投影して前記境界線を決定する境界線決定ステップとを有することを特徴とする画像処理方法である。
【0024】
請求項8の発明は、移動体が走行可能な領域を規定する境界線を、前記移動体に取り付けられた複数の撮影装置によって撮影し、この撮影した複数の画像から前記境界線を求める画像処理方法をコンピュータによって実現するプログラムにおいて、前記複数の画像を取り込む画像取得機能と、輝度情報に基づいて前記境界線の候補を境界線モデルとして前記複数の画像毎に検出する境界線モデル検出機能と、前記複数の画像の中で一の画像を基準画像とし、この基準画像から検出された境界線モデルを基準モデルとし、前記基準画像とは異なる他の画像を比較画像とし、前記基準モデルと前記比較画像から検出された境界線モデルとを比較し、前記基準モデルに対応する前記比較画像から検出された境界線モデルを対応モデルに決定する対応モデル決定機能と、前記基準画像上における前記基準モデルと前記対応モデルとの位置の違いから、前記基準モデルにおける移動体が走行する平面の高さを推定する高さ推定機能と、前記平面からの高さを用いて、前記基準モデルを前記平面に投影して前記境界線を決定する境界線決定機能と、を実現することを特徴とする画像処理方法のプログラムである。
【0025】
本発明は、視点の異なる複数の撮影装置、例えば、カメラによって撮影された、画像(例えば時系列画像)を用いそれぞれの画像上で境界線の候補である境界線候補の検出を行い、画像間で対応付けを行うことによって、検出した境界線候補の路面からの高さを推定し、その高さを用いて、境界線候補を平面上に投影することによって、正しい道路面上の境界線の検出を行うものである。
【0026】
例えば、車両に搭載したステレオカメラから得られる二つの時系列画像を入力画像として、一方の時系列画像を基準画像、もう一方の時系列画像を比較画像として、基準画像、比較画像それぞれについて境界線のモデルを検出する。
【0027】
また、本発明は、基準画像と比較画像の間で境界線モデルの対応付けを行うため、一般的なステレオ視である画像局所情報を用いた対応付けより、オクルージョンによる誤対応や、隣接する類似度の高い輝度値による、誤対応が少なく、かつ対応づけの計算コストも低い。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態である画像処理装置について図1から図12を用いて説明する。
【0029】
(1)本実施形態における前提の説明
本実施形態の画像処理装置20においては、以下のように定義する。
【0030】
・「平面」とは、道路面のことである。
【0031】
・「平面内の境界線」とは、例えば、平面に描かれた境界線や、投影された境界線をいう。これは「平面上の境界線」とすると、平面から上方に位置する境界線も含まれるため、そのあいまいさをなくすために、本明細書では「平面内の境界線」とする。
【0032】
・「立体物」とは、路肩、ガードレール、壁等の、走行レーンに沿って延びる平面からある高さを持つものである。
【0033】
・「境界線」とは、白線など、道路面に描かれた道路標識、または、立体物と平面の境界であり、車両が走行可能な領域を規定するものである。
【0034】
・「境界線候補」とは、白線、路肩、ガードレール、側壁の梁等の、消失点に向かって延びる直線、または曲線のことであり、車両が走行可能な領域を規定する境界線の候補のことである。
【0035】
・「境界線モデル」とは、画像上で、境界線候補を表す特徴点の集合のことであり、この特徴点が点状のモデル構成領域であり、本実施形態では「モデル点」という。
【0036】
・「消失点」とは、車両の進行方向を撮影した時系列画像においては、無限遠点を表す。
【0037】
なお、環境を屋内に限定した場合には、平面は床、通路などの面である。立体物は壁、机、書棚を表す。境界線とは、床、通路と壁との境界を表す。境界線候補は、机の縁や、壁に取り付けられた配管などを表す。
【0038】
・「アフィン変換」とは下記のような内容である。
【0039】
すなわち、実空間上の点Pが、視点の異なる二つのカメラによって撮影された時、一方のカメラでは画像上の点a(xa,ya)に、もう一方のカメラでは画像上の点b(xb,yb)にそれぞれ撮影されたとする。点Pが道路平面にあると仮定すると、f(x)=Fx+tで表されるアフィン変換によって、bはaと同じ座標に変換できる。Fは2×2の行列、tは2×1のベクトルであり、カメラ配置が決まれば前もって求めておける。
【0040】
もし、点Pが平面上になければ、bはaとずれた位置に変換される。つまり点Pが平面に近ければ近いほどf(b)はaに近付く。詳しくは“Stereo without Depth Search and Metric Calibration”H.Hattori,et.al,InProc.CVPR,Vol.1,pp177−184,2000)を参照されたい。
【0041】
(2)画像処理装置20の構成
図1に本実施形態の画像処理装置20の構成を示す。
【0042】
画像処理装置20は、画像取得部1、境界線モデル検出部2、対応モデル決定部3、高さ推定部4、境界線決定部5より構成され、各部1〜5の各機能は、パソコンなどのコンピュータに記憶されたプログラムによって実現する。
【0043】
まず、画像取得部1では、視点の異なる二つのカメラから二つの時系列画像を取り込む。
【0044】
次に、境界線モデル検出部2では、それぞれの時系列画像について、輝度情報に基づいて境界線モデルを検出する。
【0045】
次に、対応モデル決定部3では、二視点の境界線モデル間で、同一の境界線候補を表す境界線モデルのペアを選択する。
【0046】
次に、高さ推定部4では、境界線モデルのペアの画像上での位置の違いから、境界線モデルの道路面からの高さを推定する。
【0047】
次に、境界線決定部5では、境界線モデルの道路面からの高さを用いて、正しい道路面内の境界線を決定する。
【0048】
以下、各部の具体的な構成について述べる。
【0049】
(3)画像取得部1
画像取得部1は、時系列画像が取得可能な、視点の異なる二つのTVカメラであり、道路を走行する車両の前方に取り付けられ、進行方向を撮影している。
【0050】
本実施形態においては、二つのカメラの光軸は互いに平行であり、かつ、撮影面の水平軸が同じライン上に揃うように設置されているものとする。
【0051】
しかし、本発明においては、上記カメラ配置に限定されるのではなく、複数のカメラの中で二つのカメラが一定の距離をおいて配置され、同じ道路面を撮影してさえいればよい。
【0052】
(4)境界線モデル検出部2
境界線モデル検出部2では、画像取得部1によって得られる二つの時系列画像のそれぞれから境界線モデルを検出する。
【0053】
例えば、“逆投影画像上での候補追跡処理による白線検出”(中山、窪田、谷口、小野口、電子情報通信学会技術研究報告書、Vol.101、No.302、pp.15−22、2001)に記載されている方法を用いる。
【0054】
この方法によって検出される境界線モデルの詳細を図5を用いて説明する。
【0055】
各境界線モデルは、図5の複数の破線で示されるように、境界線候補に対して生成され、境界線候補領域に設置される点列によって構成される。この点列が境界線モデルのモデル点である。
【0056】
また、図5の境界線モデル2のように、境界線候補が不連続なものであるときは、境界線候補が存在する画像上の領域のみにモデル点が設置される。
【0057】
(5)対応モデル決定部3
対応モデル決定部3では、図6に示すように、二視点の境界線モデルから、同一の境界線候補を表している一組の境界線候補を選択する。手順の流れを図2に示す。
【0058】
対応モデル決定部3は、図2に示すように、対応する境界線モデルの候補を選択する対応モデル候補選択部6と、候補毎にモデル間類似度を計算するモデル間類似度計算部7と、類似度に基づいて対応する境界線モデルを決定する対応モデル決定部8とから構成され、また、安定境界線モデル選択部15と境界線モデル修正部16も有している。
【0059】
(5−1)対応モデル候補選択部6
図7を用いて、対応モデル候補選択部6の処理を説明する。
【0060】
対応モデル候補選択部6では、まずどちらか一方のカメラで撮影された画像(以下、基準画像という)から検出された境界線モデルを、基準モデルに設定する(図7のL1,L2,L3)。
【0061】
次に、もう一方のカメラで撮影された画像(以下、比較画像という)から検出された境界線モデル(R1,R2,R3)を比較モデルとして、アフィン変換によって基準モデルの座標系に変換する(R1’,R2’,R3’)。
【0062】
図8を用いて、基準モデルL1とR1’に注目して説明する。
【0063】
いま、L1のi番目のモデル点(以下、基準モデル点という)をlpiとして、基準モデル点lpiを通る水平ライン上にR1’のモデル点が存在する時、このモデル点をlpiに対する対応モデル点rpiとする。
【0064】
以降、基準モデルの基準モデル点に対する対応モデル点を多用するため、対応関係を保持しておく。
【0065】
lpiとrpi間の水平距離を計算し対応モデル点間距離diとする。ここで対応モデル点がR1’に存在しない時、di=0とする。この計算をL1の全ての基準モデル点について行う。
【0066】
つづいて、図8にあるように、消失点からの垂直距離hに比例して小さくなるA(h)、L1のモデル点数N、R1’の対応モデル点数M、lpiの消失点からの垂直距離Hiを用いて、以下の計算を行いL1−R1’間の距離D1を計算する。
【0067】
【数1】
消失点から垂直距離が大きくなると、モデル点間の距離が大きくなる不公平さをこの重みA(h)によって補正する。A(h)はカメラ配置によって決まるため、前もって求めておく。
【0068】
同様の処理をR2’,R3’についても行いD2,D3を計算し、最後に最も小さい上位2モデルを選択して、対応モデル候補とする。すなわち、基準画像上での基準モデルに対応するであろう比較画像上での比較モデルを対応モデル候補という。
【0069】
図8の例でいうと、R1’とR2’がL1の対応モデル候補となる。
【0070】
以上の処理をすべての基準モデルに対して行い対応モデル候補を選択する。
【0071】
但し、一つの比較モデルが、複数の基準モデルから重複して選択されることがあるが、ここでは重複させておく。
【0072】
(5−2)モデル間類似度計算部7
図9に示すように、モデル間類似度計算部7では対応モデル候補の各対応モデル点毎に相関値を計算し、それらを集計して、各候補間の類似度を計算する。
【0073】
まず、モデル点間の相関値の計算方法を述べる。
【0074】
基準モデルのi番目のモデル点をlpi、対応モデル候補の対応モデル点をrpiとして、画像上の座標をそれぞれ、(xl,yl)、(xr,yr)とする。また、Il(m,n)、Ir(m,n)を、モデル点座標からの相対座標(m,n)における輝度値とする。相関値は、二つのモデル点周辺領域に設定されたウインドウ内の、輝度値の差の絶対値和(SAD)を計算することによって得られる。このSADが小さいほどモデル点間の相関が高いことを意味している。モデル点間の相関値siを以下の式で定義する。
【0075】
【数2】
ここで、Whiは水平方向のウインドウサイズで、後に記述する方法により、モデル点の消失点からの垂直距離によって決まる変数であり、Wvは垂直方向のウインドウサイズを表し、Wiはウインドウの面積であり、Wi=Whi×Wvとする。
【0076】
図10に示すように、lpiとrpiが必ずしも同一の特徴点を表しているとは限らないので、対応モデル点rpi近傍に、より相関が高い輝度値を持つ場所を探索する必要がある。この探索によって求まる最も相関が高い場所、すなわち、下記の式(3)では最も低い相関値Siを、最終的な対応モデル点の相関値とする。
【0077】
そこで、まずsiを、si(x,y)、つまりrpi近傍の点(x,y)における相関値として再定義する。このsi(x,y)を用いたSiの計算式を以下に示す。
【0078】
【数3】
但し、lpiに対応するrpiが存在しない時Si=0とする。ここで、dは水平方向の探索距離である。また、Diはその探索範囲であり、Whiと同様に消失点からの垂直距離によって決まる変数で、ここではウインドウサイズに同期させて、Di=Whiとする。siが最小となるdを考慮した座標(x+d,y)をモデル点を修正した修正モデル点の座標として保存しておく。
【0079】
相関値を計算するための、ウインドウサイズWhiとDiの説明を行う。
【0080】
境界線候補である白線やガードレールは画像上では消失点に近付くほど小さくなる。このためウインドウサイズを固定してSADを計算すると、消失点付近ではウインドウ内の輝度情報のほとんどが、白線ではなく道路面などの白線以外の特徴を表してしまい、マッチングの精度が落ちるという問題がある。また、探索範囲を固定すると消失点付近では細い白線に対して、広すぎる範囲を探索してしまい、誤対応を起こす要因ともなる。
【0081】
そのため、消失点までの垂直距離が小さくなるにしたがって、ウインドウサイズと探索範囲を小さくすることにより、上記の問題に対処する。モデル間類似度計算部では相関値を計算する前処理として、この消失点までの距離毎のウインドウサイズを計算する。本実施形態では図9のように、垂直方向のウインドウサイズは3画素で一定にし、水平方向のウインドウサイズは最大20画素、最小3画素で、消失点までの垂直距離に比例して変化させた。
【0082】
基準モデルの全てのlpiについて同様の計算を行い、対応モデル候補間での類似度を決定する。モデル間の類似度Sは基準モデルのモデル点数をN、対応モデル点数をMとして、以下の式で表す。
【0083】
【数4】
以上の手順で全ての対応モデル候補間の類似度を計算する。
【0084】
(5−3)対応モデル選択部8
対応モデル選択部8は、対応モデル候補の中で、類似度が所定の閾値以上であり、かつ、最も高い類似度をもつ対応モデル候補を、対応モデルとして選択する。
【0085】
この時一つの比較モデルが、複数の基準モデルによって、対応モデルに選ばれる場合がある。
【0086】
このような場合、重複する比較モデルと最も高い類似度を持つ基準モデルを選び、この基準モデルと比較モデルの組み合わせを対応モデルと決定する。そして、対応モデルを失った基準モデルは、対応モデル候補の次の候補(2番目に類似度が高いモデル)の類似度が閾値以上の場合に、そのモデルを最終的な対応モデルとして決定する。上記の条件を満たさない場合は、対応モデルなしと判断する。
【0087】
(5−4)安定境界線モデル選択部15と境界線モデル修正部16
ここで、図12に示すように基準モデルのカメラから撮影される道路面の白線(白線1)が、前方車両によって大きく隠れてしまう状況を考慮して以下の処理を基準モデルに対して安定境界線モデル選択部15と境界線モデル修正部16で行う。
【0088】
安定境界線モデル選択部15において、境界線の長さを評価値として、対応モデルの長さと基準モデルの長さを比較する。
【0089】
そして、境界線モデル修正部16では、対応モデルの長さの方が、基準モデルの長さより長いと判断される場合、対応モデルの各モデル点を基準モデルの画像上にアフィン変換し、アフィン変換後のモデル点を、基準モデルのモデル点として再設定する。
【0090】
これにより、図12に示すように一方のカメラから撮影される道路面の白線が(白線1)、前方車両によって大きく隠れてしまうような状況であっても、視点の異なるもう一方のカメラから撮影された白線(白線2)と対応をとることにより、白線2を用いて、白線1の隠れた領域を補間し、より正確な境界線を設定することができる。
【0091】
(6)高さ推定部4
高さ推定部4では、基準モデルと対応モデルの視差を用いて、道路面からの高さを推定する。手順の流れを図3に示す。
【0092】
まず、対応モデルを、基準モデルの画像上にアフィン変換する。変換するのは、対応モデルのモデル点(x,y)ではなく、モデル間類似度計算部7で求めた修正モデル点(x+d,y)である。
【0093】
基準モデル点をlpiとし、この基準モデル点lpiと同じ水平ライン上に存在するアフィン変換後の対応モデルの修正モデル点をrp’iとする。
【0094】
lpiとrp’iのx座標をそれぞれxli,xr’iとすると、lpiとrp’iの視差diは、
【数5】
と表される。
【0095】
図11に示すように、もしこの基準モデルと対応モデルが道路面に存在する境界線候補を表しているなら、全てのdiは0になるはずである。また、境界線候補の路面上からの高さに比例してdiは大きくなり、もし境界線候補が路面の下に存在するならば、di<0となる。つまり視差diをもつモデル点の、画像上での高さは
【数6】
で表すことができる。ここで、定数aはアフィン変換のパラメータによって決まる定数であり、前もって求めておく。
【0096】
(7)境界線決定部5
境界線決定部5は、図4に示すように、平面に描かれた境界線モデルを決定する平面内境界線モデル決定部12と、平面に投影した境界線モデルを決定する投影境界線モデルを決定する投影境界線モデル決定部13と、移動体が走行可能な領域を規定する境界線を決定する境界線決定部14からなる。
【0097】
(7−1)平面内境界線モデル決定部12
平面内境界線モデル決定部12では、対応モデル決定部3で対応モデルが見つかった基準モデルについて、高さ推定部4で求めたモデル点の高さhiを用いて、境界線モデルが路面にあるかどうかの判断を行う。
【0098】
hiは、画像上での路面からの高さを表しており、実際の高さが同じであっても、消失点付近の高さは画像上では低く検出される。このため、i番目のモデル点の消失点までの垂直距離をHiとして、Hiに比例して小さくなる重みB(Hi)を用いた重み付き平均によって、境界線モデルの路面からの高さMHを以下の式で求める。
【0099】
【数7】
ここで、Nはモデル点の総数、Mは対応モデル点の総数である。誤差を考慮してMHが一定の範囲内にあれば、そのモデルを道路面に描かれた白線に決定する。
【0100】
(7−2)投影境界線モデル決定部13
投影境界線モデル決定部13では、対応モデル決定部3で対応モデルが見つかり、かつ、平面内境界線モデル決定部12で、道路面にないと判断された境界線モデルについて処理を行う。
【0101】
前記平面内境界線モデル決定部12で求めた、境界線モデルの高さHが負である場合、そのモデルは道路面への写り込み、もしくは対応モデルが誤対応を起こしていると判断して棄却する。
【0102】
しかし、境界線モデルの高さHが正である場合、この基準モデルは路面内にない、ガードレール等立体物の境界線モデルであると判断する。
【0103】
この境界線モデルは路面から浮いているため、路面内の正しい境界線候補ではない。そこでhiを用いて立体物と道路面の境界線を求める。
【0104】
この基準モデルのi番目の基準モデル点の座標を(xi,yi)とすると、道路面に投影される平面境界点は(xi,yi−hi)となる。
【0105】
この計算を全ての基準モデル点について行い、この平面境界点を道路面と立体物の境界線である投影境界線モデルとする。
【0106】
(7−3)境界線決定部14
境界線決定部14では、平面内境界線モデル決定部12によって道路面内にある境界線候補と判断された基準モデル(すなわち、平面内の基準モデルである)と、投影境界線モデル決定部13で立体物と判断された基準モデルの投影境界線モデルから、最終的な道路面内の境界線を決定する。
【0107】
消失点より左にある平面内の境界線モデル、または、投影境界線モデルのうち、最も右側にある平面内の境界線モデル、または、投影境界線モデルを左の境界線とする。
【0108】
また、消失点より右側にある平面内の境界線モデル、または、投影境界線モデルのうち、最も左にある平面内の境界線モデル、または、投影境界線モデルを、右にある境界線に決定する。
【0109】
なお、本発明は前記実施形態で記載した内容に限定されるものではない。
【0110】
(変更例1)
対応モデル決定部3において、類似度計算にモデル点同士の相関値を用いているが、モデル全体の輝度値の相関値を用いてもよい。
【0111】
例えば、モデルを形成する全モデル点の輝度平均を計算し、この輝度平均の差の絶対値をモデル間の類似度としてもよい。
【0112】
また、上記の実施形態では、輝度情報を用いてモデル間の類似度を計算しているが、他にモデルの特徴をよく表している属性があれば、類似度計算にその属性を用いることも可能である。
【0113】
例えば、モデルが生成されてからの時間(生存時間)の差の絶対値をモデル間の類似度としてもよい。
【0114】
さらに、モデルの特徴を表す様々な属性について類似度を計算し、所定の方法でそれら類似度を統合し、モデル間の類似度としてもよい。
【0115】
例えば、前記輝度平均の差の絶対値と、前記生存時間の差の絶対値と、上記の実施形態で用いたSADによる相関値の重みつき平均を、モデル間の類似度としてもよい。
【0116】
(変更例2)
境界線モデル検出部2において、どちらか一方の画像全体をアフィン変換した後に境界線モデル検出しても良い。これにより平面上の境界線候補の形状は両画像間でほぼ同じ形状になるため、SADの精度が向上する。
【0117】
また、境界線モデルの各モデル点を画像上での境界線候補上に設置しているが、境界線候補を道路面上から見た画像(逆投影画像)に変換して、その逆投影画像上の境界線候補に各モデル点を設置してもよい。
【0118】
(変更例3)
対応モデル候補選択部6において、対応モデル候補を上位2つでなく、より多くの候補を残しても良い。
【0119】
白線が複数本、密集して道路に描かれているような状況では、より多くの候補を残した方が、誤対応の可能性が低くなる。
【0120】
(変更例4)
対応モデル決定部3において、二つの時系列画像において、どちらか一方の画像を基準画像として、その基準画像からの境界線モデルを基準モデルにする必要はない。
【0121】
例えば、消失点の左側のモデルの対応モデルを探す時には、左側のカメラからのモデルを基準モデルに設定し、消失点右側のモデルの対応モデルを探すときは、右側に位置するカメラからのモデルを基準モデルにすれば、前方車両による隠れ領域が少ないモデルを基準モデルに設定可能であるので、より安定して対応モデルを決定することができる。
【0122】
(変更例5)
モデル間類似度計算部7において、SADを計算する時、水平方向ウインドウサイズを消失点までの垂直距離に応じて変化させているが、さらに垂直方向に変化させてもよい。
【0123】
(変更例6)
安定境界線モデル選択部15において、境界線が撮影されている時間の長さを評価値として、対応モデルの撮影時間と基準モデルの撮影時間を比較する。
【0124】
そして、境界線モデル修正部16では、対応モデルの撮影時間の長さの方が、基準モデルの撮影時間の長さより長いと判断される場合、対応モデルの各モデル点を基準モデルの画像上にアフィン変換し、アフィン変換後のモデル点を、基準モデルのモデル点として再設定することもできる。
【0125】
【発明の効果】
本発明を用いることにより、道路上の白線と、ガードレールなどの立体物から正しい境界線を検出することが可能である。
【0126】
また、モデル同士の対応をとることによって、一般的なステレオ視よりも安定して視差を検出し、計算量も低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の画像処理装置の構成である。
【図2】対応モデル選択部の構成例である。
【図3】高さ推定部の構成例である。
【図4】境界線選択部の構成例である。
【図5】入力画像と検出された境界線モデルについて示す。
【図6】対応する境界線モデルの例である。
【図7】対応モデル候補の選択方法について示す。
【図8】モデル間の距離計算の方法について示す。
【図9】モデル点同士のテンプレートマッチングを示す。
【図10】テンプレートマッチングの探索範囲を示す。
【図11】道路面からの高さと視差の関係を示す。
【図12】前方車両によって白線が隠れる様子を示す。
【符号の説明】
1 画像取得部
2 境界線モデル検出部
3 対応モデル決定部
4 高さ推定部
5 境界線決定部
6 対応モデル候補決定部
7 モデル間類似度計算部
8 対応モデル選択部
9 座標変換部
10 視差計算部
11 高さ推定部
12 平面内境界線モデル決定部
13 投影境界線モデル決定部
14 境界線決定部
15 安定境界線モデル選択部
16 境界線モデル修正部
20 画像処理装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載カメラから入力される時系列画像から、道路面上の白線、及び、ガードレール等の側壁と道路面との境界を安定かつ高速に検出し、また、これらの検出結果から自車両の走行レーンを安定して決定する画像処理装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動車に搭載したカメラから得られる時系列画像から自車両の走行レーンを検出する方法としてさまざまな画像処理技術が提案されている。
【0003】
“逆投影画像上での候補追跡処理による白線検出”(中山、窪田、谷口、小野口、電子情報通信学会技術研究報告書、Vol.101、No.302、pp.15−22、2001)や、特開平11−153406号において、一台のカメラを用いた走行レーンの検出方法が提案されている。
【0004】
この方法では、単眼カメラで撮影した道路画像から、路面上に描かれた走行レーンの境界線である白線を抽出し、自車両が走っている走行レーンを検出している。
【0005】
しかし、このような方法においては、単眼のカメラで撮影された輝度情報のみに基づいて白線検出が行われるため、路肩や、ガードレールといった白線と似た輝度情報を持つ対象物を道路面上の白線として誤認識してしまい、誤った走行レーンを検出するという問題がある。また、自車両と同じ走行レーンを走る前方車両によって、白線が大きく隠れると、走行レーンの検出が不安定になるという問題もある。
【0006】
単眼カメラを用いた走行レーンの検出方法の他に、特開平11−213138号に代表されるような、複数のカメラによるステレオ視を用いた方法がある。
【0007】
「ステレオ視」とは、視点の異なる複数のカメラによって得られる複数の画像から、対応点探索によって、同一対象物を表している特徴点の対応付けを行い、三角測量の原理を用いてカメラから対象物までの距離を計測する技術である。
【0008】
上記の方法は、このステレオ視によって得られる距離情報を統合して、道路の三次元形状を復元し、壁面と道路面の境界を検出することが可能である。
【0009】
しかし、このような方法においては、ステレオ視によって距離情報を得る処理や、距離情報から三次元形状を復元する処理が複雑になり、計算コストが大きくなるという問題がある。また、この方法には、ステレオ視における対応点探索の問題があり、対象物の形状によって、一方のカメラに撮影されている対象物がもう一方のカメラに撮影されないというオクルージョン領域(隠れ領域)により、誤対応を起こすという問題がある。
【0010】
さらに、ステレオ視を用いた走行レーン検出方法として、ステレオ視と白線検出を組み合わせた方法がある。
【0011】
特開平9−325026号では、一方のカメラで撮影された画像から白線領域を検出し、白線領域内の点と対応する点を、もう一方のカメラから求め、対応点の視差から、白線の路面からの高さを調べるという方法を用いて走行レーンを検出している。
【0012】
また、特開2001−92970号は、二つのカメラを用いたステレオ視によって距離情報を計算し、この距離情報と一方のカメラからの輝度情報から白線を検出することによって走行レーンを検出する方法をとっている。
【0013】
これらの方法により、単眼カメラでは困難だった道路面のみの白線を求める事が可能であり、また三次元モデルの復元を行わないため、計算コストの増加を防ぐことができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記ステレオ視と白線検出を組み合わせた方法においては、白線を一方の画像のみで検出するため、検出した白線領域が前方車両などによってオクルージョン領域になっていると、対応点探索時に誤対応を起こす恐れがある。
【0015】
また、対応点探索を特徴点近傍の局所領域のみに対して行うため、正しい対応点付近に輝度が類似している領域があると、容易に誤対応を起こす、という問題もある。
【0016】
そこで、本発明は、上記の点を考慮してなされたもので、複数のカメラで撮影された複数の画像上でそれぞれ境界線候補を検出し、画像間で求まった境界線候補同士の対応を取ることによって、視差を計算し、境界線候補の高さを推定する事によって、安定かつ高速に正しい走行レーンの境界線を検出することを目的とする画像処理装置とその方法を提供する。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、前記移動体が走行可能な領域を規定する境界線を、前記移動体に取り付けられた複数の撮影装置によって撮影し、この撮影した複数の画像から前記境界線を求める画像処理装置において、前記複数の画像を取り込む画像取得手段と、輝度情報に基づいて前記境界線の候補を境界線モデルとして前記複数の画像毎に検出する境界線モデル検出手段と、前記複数の画像の中で一の画像を基準画像とし、この基準画像から検出された境界線モデルを基準モデルとし、前記基準画像とは異なる他の画像を比較画像とし、前記基準モデルと前記比較画像から検出された境界線モデルとを比較し、前記基準モデルに対応する前記比較画像から検出された境界線モデルを対応モデルに決定する対応モデル決定手段と、前記基準画像上における前記基準モデルと前記対応モデルとの位置の違いから、前記基準モデルにおける前記移動体が移動する平面からの高さを推定する高さ推定手段と、前記平面からの高さを用いて、前記基準モデルを前記平面に投影して前記境界線を決定する境界線決定手段と、を有することを特徴とする画像処理装置である。
【0018】
請求項2の発明は、前記対応モデル決定手段は、前記基準画像上での前記基準モデルと前記比較画像から検出された境界線モデルとの位置関係から、前記対応モデルの候補である対応モデル候補を選択する対応モデル候補選択手段と、前記基準モデルと前記対応モデル候補の位置関係と画素情報に基づいて、前記基準モデルと前記対応モデル候補との類似度を計算するモデル間類似度計算手段と、前記類似度に基づいて対応モデル候補の中から前記対応モデルを選択する対応モデル選択手段とを有することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置である。
【0019】
請求項3の発明は、前記モデル間類似度計算手段は、前記境界線モデルは、前記境界線の候補の画像上での特徴を表す複数のモデル構成領域によって構成され、前記基準画像上のモデル構成領域が、前記比較画像上にも存在するかを判定し、存在する場合には、その比較画像上のモデル構成領域を対応モデル構成領域として選択する対応モデル構成領域選択手段と、前記対応モデル構成領域において、前記基準画像上のモデル構成領域を基準モデル構成領域とし、この対応モデル構成領域周辺の画素値を用いた所定の評価値を使って、前記対応モデル構成領域周辺にもっとも評価値の高い点を探索し、その評価値を前記対応モデル構成領域の評価値と決定する対応モデル構成領域探索手段と、前記各対応モデル構成領域の評価値を集計して前記対応モデルの類似度を計算する類似度計算手段と、を有することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置である。
【0020】
請求項4の発明は、前記対応モデル決定手段は 前記基準モデルと前記対応モデルを所定の評価値によって比較し、前記基準モデルより安定して検出されている対応モデルを選択する安定境界線モデル選択手段と、前記選択した対応モデルによって前記基準モデルを修正する境界線モデル修正手段と、を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像処理装置である。
【0021】
請求項5の発明は、前記高さ推定手段は 前記撮影装置に撮影されている境界線の候補は全て平面内にあると仮定して、平面に対する前記撮影装置の取り付け位置及び角度から、前記比較画像の座標を、前記基準画像の座標に変換する座標変換を用いて、前記対応モデルを前記基準画像の座標に変換する座標変換手段と、前記基準画像上での前記変換した対応モデルと前記基準モデルとの距離を視差として計算し、この視差から高さを推定する視差計算手段と、を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像処理装置である。
【0022】
請求項6の発明は、前記境界線決定手段は、前記平面からの高さによって、前記基準モデルが前記平面内にあるかどうかを判定し、前記平面内にあれば前記基準モデルを平面内境界線モデルとして決定する平面内境界線モデル決定手段と、前記基準モデルが、前記平面にないと判断された場合、その基準モデルを、前記平面からの高さに応じて前記平面に投影して、投影境界線モデルを決定する投影境界線モデル決定手段と、前記平面内の基準モデルと、前記投影境界線モデルから、前記移動体が走行可能な領域を規定する境界線を選択する境界線選択手段と、を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像処理装置である。
【0023】
請求項7の発明は、移動体が走行可能な領域を規定する境界線を、前記移動体に取り付けられた複数の撮影装置によって撮影し、この撮影した複数の画像から前記境界線を求める画像処理方法において、前記複数の画像を取り込む画像取得ステップと、輝度情報に基づいて前記境界線の候補を境界線モデルとして前記複数の画像毎に検出する境界線モデル検出ステップと、前記複数の画像の中で一の画像を基準画像とし、この基準画像から検出された境界線モデルを基準モデルとし、前記基準画像とは異なる他の画像を比較画像とし、前記基準モデルと前記比較画像から検出された境界線モデルとを比較し、前記基準モデルに対応する前記比較画像から検出された境界線モデルを対応モデルに決定する対応モデル決定ステップと、前記基準画像上における前記基準モデルと前記対応モデルとの位置の違いから、前記基準モデルにおける移動体が走行する平面の高さを推定する高さ推定ステップと、前記平面からの高さを用いて、前記基準モデルを前記平面に投影して前記境界線を決定する境界線決定ステップとを有することを特徴とする画像処理方法である。
【0024】
請求項8の発明は、移動体が走行可能な領域を規定する境界線を、前記移動体に取り付けられた複数の撮影装置によって撮影し、この撮影した複数の画像から前記境界線を求める画像処理方法をコンピュータによって実現するプログラムにおいて、前記複数の画像を取り込む画像取得機能と、輝度情報に基づいて前記境界線の候補を境界線モデルとして前記複数の画像毎に検出する境界線モデル検出機能と、前記複数の画像の中で一の画像を基準画像とし、この基準画像から検出された境界線モデルを基準モデルとし、前記基準画像とは異なる他の画像を比較画像とし、前記基準モデルと前記比較画像から検出された境界線モデルとを比較し、前記基準モデルに対応する前記比較画像から検出された境界線モデルを対応モデルに決定する対応モデル決定機能と、前記基準画像上における前記基準モデルと前記対応モデルとの位置の違いから、前記基準モデルにおける移動体が走行する平面の高さを推定する高さ推定機能と、前記平面からの高さを用いて、前記基準モデルを前記平面に投影して前記境界線を決定する境界線決定機能と、を実現することを特徴とする画像処理方法のプログラムである。
【0025】
本発明は、視点の異なる複数の撮影装置、例えば、カメラによって撮影された、画像(例えば時系列画像)を用いそれぞれの画像上で境界線の候補である境界線候補の検出を行い、画像間で対応付けを行うことによって、検出した境界線候補の路面からの高さを推定し、その高さを用いて、境界線候補を平面上に投影することによって、正しい道路面上の境界線の検出を行うものである。
【0026】
例えば、車両に搭載したステレオカメラから得られる二つの時系列画像を入力画像として、一方の時系列画像を基準画像、もう一方の時系列画像を比較画像として、基準画像、比較画像それぞれについて境界線のモデルを検出する。
【0027】
また、本発明は、基準画像と比較画像の間で境界線モデルの対応付けを行うため、一般的なステレオ視である画像局所情報を用いた対応付けより、オクルージョンによる誤対応や、隣接する類似度の高い輝度値による、誤対応が少なく、かつ対応づけの計算コストも低い。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態である画像処理装置について図1から図12を用いて説明する。
【0029】
(1)本実施形態における前提の説明
本実施形態の画像処理装置20においては、以下のように定義する。
【0030】
・「平面」とは、道路面のことである。
【0031】
・「平面内の境界線」とは、例えば、平面に描かれた境界線や、投影された境界線をいう。これは「平面上の境界線」とすると、平面から上方に位置する境界線も含まれるため、そのあいまいさをなくすために、本明細書では「平面内の境界線」とする。
【0032】
・「立体物」とは、路肩、ガードレール、壁等の、走行レーンに沿って延びる平面からある高さを持つものである。
【0033】
・「境界線」とは、白線など、道路面に描かれた道路標識、または、立体物と平面の境界であり、車両が走行可能な領域を規定するものである。
【0034】
・「境界線候補」とは、白線、路肩、ガードレール、側壁の梁等の、消失点に向かって延びる直線、または曲線のことであり、車両が走行可能な領域を規定する境界線の候補のことである。
【0035】
・「境界線モデル」とは、画像上で、境界線候補を表す特徴点の集合のことであり、この特徴点が点状のモデル構成領域であり、本実施形態では「モデル点」という。
【0036】
・「消失点」とは、車両の進行方向を撮影した時系列画像においては、無限遠点を表す。
【0037】
なお、環境を屋内に限定した場合には、平面は床、通路などの面である。立体物は壁、机、書棚を表す。境界線とは、床、通路と壁との境界を表す。境界線候補は、机の縁や、壁に取り付けられた配管などを表す。
【0038】
・「アフィン変換」とは下記のような内容である。
【0039】
すなわち、実空間上の点Pが、視点の異なる二つのカメラによって撮影された時、一方のカメラでは画像上の点a(xa,ya)に、もう一方のカメラでは画像上の点b(xb,yb)にそれぞれ撮影されたとする。点Pが道路平面にあると仮定すると、f(x)=Fx+tで表されるアフィン変換によって、bはaと同じ座標に変換できる。Fは2×2の行列、tは2×1のベクトルであり、カメラ配置が決まれば前もって求めておける。
【0040】
もし、点Pが平面上になければ、bはaとずれた位置に変換される。つまり点Pが平面に近ければ近いほどf(b)はaに近付く。詳しくは“Stereo without Depth Search and Metric Calibration”H.Hattori,et.al,InProc.CVPR,Vol.1,pp177−184,2000)を参照されたい。
【0041】
(2)画像処理装置20の構成
図1に本実施形態の画像処理装置20の構成を示す。
【0042】
画像処理装置20は、画像取得部1、境界線モデル検出部2、対応モデル決定部3、高さ推定部4、境界線決定部5より構成され、各部1〜5の各機能は、パソコンなどのコンピュータに記憶されたプログラムによって実現する。
【0043】
まず、画像取得部1では、視点の異なる二つのカメラから二つの時系列画像を取り込む。
【0044】
次に、境界線モデル検出部2では、それぞれの時系列画像について、輝度情報に基づいて境界線モデルを検出する。
【0045】
次に、対応モデル決定部3では、二視点の境界線モデル間で、同一の境界線候補を表す境界線モデルのペアを選択する。
【0046】
次に、高さ推定部4では、境界線モデルのペアの画像上での位置の違いから、境界線モデルの道路面からの高さを推定する。
【0047】
次に、境界線決定部5では、境界線モデルの道路面からの高さを用いて、正しい道路面内の境界線を決定する。
【0048】
以下、各部の具体的な構成について述べる。
【0049】
(3)画像取得部1
画像取得部1は、時系列画像が取得可能な、視点の異なる二つのTVカメラであり、道路を走行する車両の前方に取り付けられ、進行方向を撮影している。
【0050】
本実施形態においては、二つのカメラの光軸は互いに平行であり、かつ、撮影面の水平軸が同じライン上に揃うように設置されているものとする。
【0051】
しかし、本発明においては、上記カメラ配置に限定されるのではなく、複数のカメラの中で二つのカメラが一定の距離をおいて配置され、同じ道路面を撮影してさえいればよい。
【0052】
(4)境界線モデル検出部2
境界線モデル検出部2では、画像取得部1によって得られる二つの時系列画像のそれぞれから境界線モデルを検出する。
【0053】
例えば、“逆投影画像上での候補追跡処理による白線検出”(中山、窪田、谷口、小野口、電子情報通信学会技術研究報告書、Vol.101、No.302、pp.15−22、2001)に記載されている方法を用いる。
【0054】
この方法によって検出される境界線モデルの詳細を図5を用いて説明する。
【0055】
各境界線モデルは、図5の複数の破線で示されるように、境界線候補に対して生成され、境界線候補領域に設置される点列によって構成される。この点列が境界線モデルのモデル点である。
【0056】
また、図5の境界線モデル2のように、境界線候補が不連続なものであるときは、境界線候補が存在する画像上の領域のみにモデル点が設置される。
【0057】
(5)対応モデル決定部3
対応モデル決定部3では、図6に示すように、二視点の境界線モデルから、同一の境界線候補を表している一組の境界線候補を選択する。手順の流れを図2に示す。
【0058】
対応モデル決定部3は、図2に示すように、対応する境界線モデルの候補を選択する対応モデル候補選択部6と、候補毎にモデル間類似度を計算するモデル間類似度計算部7と、類似度に基づいて対応する境界線モデルを決定する対応モデル決定部8とから構成され、また、安定境界線モデル選択部15と境界線モデル修正部16も有している。
【0059】
(5−1)対応モデル候補選択部6
図7を用いて、対応モデル候補選択部6の処理を説明する。
【0060】
対応モデル候補選択部6では、まずどちらか一方のカメラで撮影された画像(以下、基準画像という)から検出された境界線モデルを、基準モデルに設定する(図7のL1,L2,L3)。
【0061】
次に、もう一方のカメラで撮影された画像(以下、比較画像という)から検出された境界線モデル(R1,R2,R3)を比較モデルとして、アフィン変換によって基準モデルの座標系に変換する(R1’,R2’,R3’)。
【0062】
図8を用いて、基準モデルL1とR1’に注目して説明する。
【0063】
いま、L1のi番目のモデル点(以下、基準モデル点という)をlpiとして、基準モデル点lpiを通る水平ライン上にR1’のモデル点が存在する時、このモデル点をlpiに対する対応モデル点rpiとする。
【0064】
以降、基準モデルの基準モデル点に対する対応モデル点を多用するため、対応関係を保持しておく。
【0065】
lpiとrpi間の水平距離を計算し対応モデル点間距離diとする。ここで対応モデル点がR1’に存在しない時、di=0とする。この計算をL1の全ての基準モデル点について行う。
【0066】
つづいて、図8にあるように、消失点からの垂直距離hに比例して小さくなるA(h)、L1のモデル点数N、R1’の対応モデル点数M、lpiの消失点からの垂直距離Hiを用いて、以下の計算を行いL1−R1’間の距離D1を計算する。
【0067】
【数1】
消失点から垂直距離が大きくなると、モデル点間の距離が大きくなる不公平さをこの重みA(h)によって補正する。A(h)はカメラ配置によって決まるため、前もって求めておく。
【0068】
同様の処理をR2’,R3’についても行いD2,D3を計算し、最後に最も小さい上位2モデルを選択して、対応モデル候補とする。すなわち、基準画像上での基準モデルに対応するであろう比較画像上での比較モデルを対応モデル候補という。
【0069】
図8の例でいうと、R1’とR2’がL1の対応モデル候補となる。
【0070】
以上の処理をすべての基準モデルに対して行い対応モデル候補を選択する。
【0071】
但し、一つの比較モデルが、複数の基準モデルから重複して選択されることがあるが、ここでは重複させておく。
【0072】
(5−2)モデル間類似度計算部7
図9に示すように、モデル間類似度計算部7では対応モデル候補の各対応モデル点毎に相関値を計算し、それらを集計して、各候補間の類似度を計算する。
【0073】
まず、モデル点間の相関値の計算方法を述べる。
【0074】
基準モデルのi番目のモデル点をlpi、対応モデル候補の対応モデル点をrpiとして、画像上の座標をそれぞれ、(xl,yl)、(xr,yr)とする。また、Il(m,n)、Ir(m,n)を、モデル点座標からの相対座標(m,n)における輝度値とする。相関値は、二つのモデル点周辺領域に設定されたウインドウ内の、輝度値の差の絶対値和(SAD)を計算することによって得られる。このSADが小さいほどモデル点間の相関が高いことを意味している。モデル点間の相関値siを以下の式で定義する。
【0075】
【数2】
ここで、Whiは水平方向のウインドウサイズで、後に記述する方法により、モデル点の消失点からの垂直距離によって決まる変数であり、Wvは垂直方向のウインドウサイズを表し、Wiはウインドウの面積であり、Wi=Whi×Wvとする。
【0076】
図10に示すように、lpiとrpiが必ずしも同一の特徴点を表しているとは限らないので、対応モデル点rpi近傍に、より相関が高い輝度値を持つ場所を探索する必要がある。この探索によって求まる最も相関が高い場所、すなわち、下記の式(3)では最も低い相関値Siを、最終的な対応モデル点の相関値とする。
【0077】
そこで、まずsiを、si(x,y)、つまりrpi近傍の点(x,y)における相関値として再定義する。このsi(x,y)を用いたSiの計算式を以下に示す。
【0078】
【数3】
但し、lpiに対応するrpiが存在しない時Si=0とする。ここで、dは水平方向の探索距離である。また、Diはその探索範囲であり、Whiと同様に消失点からの垂直距離によって決まる変数で、ここではウインドウサイズに同期させて、Di=Whiとする。siが最小となるdを考慮した座標(x+d,y)をモデル点を修正した修正モデル点の座標として保存しておく。
【0079】
相関値を計算するための、ウインドウサイズWhiとDiの説明を行う。
【0080】
境界線候補である白線やガードレールは画像上では消失点に近付くほど小さくなる。このためウインドウサイズを固定してSADを計算すると、消失点付近ではウインドウ内の輝度情報のほとんどが、白線ではなく道路面などの白線以外の特徴を表してしまい、マッチングの精度が落ちるという問題がある。また、探索範囲を固定すると消失点付近では細い白線に対して、広すぎる範囲を探索してしまい、誤対応を起こす要因ともなる。
【0081】
そのため、消失点までの垂直距離が小さくなるにしたがって、ウインドウサイズと探索範囲を小さくすることにより、上記の問題に対処する。モデル間類似度計算部では相関値を計算する前処理として、この消失点までの距離毎のウインドウサイズを計算する。本実施形態では図9のように、垂直方向のウインドウサイズは3画素で一定にし、水平方向のウインドウサイズは最大20画素、最小3画素で、消失点までの垂直距離に比例して変化させた。
【0082】
基準モデルの全てのlpiについて同様の計算を行い、対応モデル候補間での類似度を決定する。モデル間の類似度Sは基準モデルのモデル点数をN、対応モデル点数をMとして、以下の式で表す。
【0083】
【数4】
以上の手順で全ての対応モデル候補間の類似度を計算する。
【0084】
(5−3)対応モデル選択部8
対応モデル選択部8は、対応モデル候補の中で、類似度が所定の閾値以上であり、かつ、最も高い類似度をもつ対応モデル候補を、対応モデルとして選択する。
【0085】
この時一つの比較モデルが、複数の基準モデルによって、対応モデルに選ばれる場合がある。
【0086】
このような場合、重複する比較モデルと最も高い類似度を持つ基準モデルを選び、この基準モデルと比較モデルの組み合わせを対応モデルと決定する。そして、対応モデルを失った基準モデルは、対応モデル候補の次の候補(2番目に類似度が高いモデル)の類似度が閾値以上の場合に、そのモデルを最終的な対応モデルとして決定する。上記の条件を満たさない場合は、対応モデルなしと判断する。
【0087】
(5−4)安定境界線モデル選択部15と境界線モデル修正部16
ここで、図12に示すように基準モデルのカメラから撮影される道路面の白線(白線1)が、前方車両によって大きく隠れてしまう状況を考慮して以下の処理を基準モデルに対して安定境界線モデル選択部15と境界線モデル修正部16で行う。
【0088】
安定境界線モデル選択部15において、境界線の長さを評価値として、対応モデルの長さと基準モデルの長さを比較する。
【0089】
そして、境界線モデル修正部16では、対応モデルの長さの方が、基準モデルの長さより長いと判断される場合、対応モデルの各モデル点を基準モデルの画像上にアフィン変換し、アフィン変換後のモデル点を、基準モデルのモデル点として再設定する。
【0090】
これにより、図12に示すように一方のカメラから撮影される道路面の白線が(白線1)、前方車両によって大きく隠れてしまうような状況であっても、視点の異なるもう一方のカメラから撮影された白線(白線2)と対応をとることにより、白線2を用いて、白線1の隠れた領域を補間し、より正確な境界線を設定することができる。
【0091】
(6)高さ推定部4
高さ推定部4では、基準モデルと対応モデルの視差を用いて、道路面からの高さを推定する。手順の流れを図3に示す。
【0092】
まず、対応モデルを、基準モデルの画像上にアフィン変換する。変換するのは、対応モデルのモデル点(x,y)ではなく、モデル間類似度計算部7で求めた修正モデル点(x+d,y)である。
【0093】
基準モデル点をlpiとし、この基準モデル点lpiと同じ水平ライン上に存在するアフィン変換後の対応モデルの修正モデル点をrp’iとする。
【0094】
lpiとrp’iのx座標をそれぞれxli,xr’iとすると、lpiとrp’iの視差diは、
【数5】
と表される。
【0095】
図11に示すように、もしこの基準モデルと対応モデルが道路面に存在する境界線候補を表しているなら、全てのdiは0になるはずである。また、境界線候補の路面上からの高さに比例してdiは大きくなり、もし境界線候補が路面の下に存在するならば、di<0となる。つまり視差diをもつモデル点の、画像上での高さは
【数6】
で表すことができる。ここで、定数aはアフィン変換のパラメータによって決まる定数であり、前もって求めておく。
【0096】
(7)境界線決定部5
境界線決定部5は、図4に示すように、平面に描かれた境界線モデルを決定する平面内境界線モデル決定部12と、平面に投影した境界線モデルを決定する投影境界線モデルを決定する投影境界線モデル決定部13と、移動体が走行可能な領域を規定する境界線を決定する境界線決定部14からなる。
【0097】
(7−1)平面内境界線モデル決定部12
平面内境界線モデル決定部12では、対応モデル決定部3で対応モデルが見つかった基準モデルについて、高さ推定部4で求めたモデル点の高さhiを用いて、境界線モデルが路面にあるかどうかの判断を行う。
【0098】
hiは、画像上での路面からの高さを表しており、実際の高さが同じであっても、消失点付近の高さは画像上では低く検出される。このため、i番目のモデル点の消失点までの垂直距離をHiとして、Hiに比例して小さくなる重みB(Hi)を用いた重み付き平均によって、境界線モデルの路面からの高さMHを以下の式で求める。
【0099】
【数7】
ここで、Nはモデル点の総数、Mは対応モデル点の総数である。誤差を考慮してMHが一定の範囲内にあれば、そのモデルを道路面に描かれた白線に決定する。
【0100】
(7−2)投影境界線モデル決定部13
投影境界線モデル決定部13では、対応モデル決定部3で対応モデルが見つかり、かつ、平面内境界線モデル決定部12で、道路面にないと判断された境界線モデルについて処理を行う。
【0101】
前記平面内境界線モデル決定部12で求めた、境界線モデルの高さHが負である場合、そのモデルは道路面への写り込み、もしくは対応モデルが誤対応を起こしていると判断して棄却する。
【0102】
しかし、境界線モデルの高さHが正である場合、この基準モデルは路面内にない、ガードレール等立体物の境界線モデルであると判断する。
【0103】
この境界線モデルは路面から浮いているため、路面内の正しい境界線候補ではない。そこでhiを用いて立体物と道路面の境界線を求める。
【0104】
この基準モデルのi番目の基準モデル点の座標を(xi,yi)とすると、道路面に投影される平面境界点は(xi,yi−hi)となる。
【0105】
この計算を全ての基準モデル点について行い、この平面境界点を道路面と立体物の境界線である投影境界線モデルとする。
【0106】
(7−3)境界線決定部14
境界線決定部14では、平面内境界線モデル決定部12によって道路面内にある境界線候補と判断された基準モデル(すなわち、平面内の基準モデルである)と、投影境界線モデル決定部13で立体物と判断された基準モデルの投影境界線モデルから、最終的な道路面内の境界線を決定する。
【0107】
消失点より左にある平面内の境界線モデル、または、投影境界線モデルのうち、最も右側にある平面内の境界線モデル、または、投影境界線モデルを左の境界線とする。
【0108】
また、消失点より右側にある平面内の境界線モデル、または、投影境界線モデルのうち、最も左にある平面内の境界線モデル、または、投影境界線モデルを、右にある境界線に決定する。
【0109】
なお、本発明は前記実施形態で記載した内容に限定されるものではない。
【0110】
(変更例1)
対応モデル決定部3において、類似度計算にモデル点同士の相関値を用いているが、モデル全体の輝度値の相関値を用いてもよい。
【0111】
例えば、モデルを形成する全モデル点の輝度平均を計算し、この輝度平均の差の絶対値をモデル間の類似度としてもよい。
【0112】
また、上記の実施形態では、輝度情報を用いてモデル間の類似度を計算しているが、他にモデルの特徴をよく表している属性があれば、類似度計算にその属性を用いることも可能である。
【0113】
例えば、モデルが生成されてからの時間(生存時間)の差の絶対値をモデル間の類似度としてもよい。
【0114】
さらに、モデルの特徴を表す様々な属性について類似度を計算し、所定の方法でそれら類似度を統合し、モデル間の類似度としてもよい。
【0115】
例えば、前記輝度平均の差の絶対値と、前記生存時間の差の絶対値と、上記の実施形態で用いたSADによる相関値の重みつき平均を、モデル間の類似度としてもよい。
【0116】
(変更例2)
境界線モデル検出部2において、どちらか一方の画像全体をアフィン変換した後に境界線モデル検出しても良い。これにより平面上の境界線候補の形状は両画像間でほぼ同じ形状になるため、SADの精度が向上する。
【0117】
また、境界線モデルの各モデル点を画像上での境界線候補上に設置しているが、境界線候補を道路面上から見た画像(逆投影画像)に変換して、その逆投影画像上の境界線候補に各モデル点を設置してもよい。
【0118】
(変更例3)
対応モデル候補選択部6において、対応モデル候補を上位2つでなく、より多くの候補を残しても良い。
【0119】
白線が複数本、密集して道路に描かれているような状況では、より多くの候補を残した方が、誤対応の可能性が低くなる。
【0120】
(変更例4)
対応モデル決定部3において、二つの時系列画像において、どちらか一方の画像を基準画像として、その基準画像からの境界線モデルを基準モデルにする必要はない。
【0121】
例えば、消失点の左側のモデルの対応モデルを探す時には、左側のカメラからのモデルを基準モデルに設定し、消失点右側のモデルの対応モデルを探すときは、右側に位置するカメラからのモデルを基準モデルにすれば、前方車両による隠れ領域が少ないモデルを基準モデルに設定可能であるので、より安定して対応モデルを決定することができる。
【0122】
(変更例5)
モデル間類似度計算部7において、SADを計算する時、水平方向ウインドウサイズを消失点までの垂直距離に応じて変化させているが、さらに垂直方向に変化させてもよい。
【0123】
(変更例6)
安定境界線モデル選択部15において、境界線が撮影されている時間の長さを評価値として、対応モデルの撮影時間と基準モデルの撮影時間を比較する。
【0124】
そして、境界線モデル修正部16では、対応モデルの撮影時間の長さの方が、基準モデルの撮影時間の長さより長いと判断される場合、対応モデルの各モデル点を基準モデルの画像上にアフィン変換し、アフィン変換後のモデル点を、基準モデルのモデル点として再設定することもできる。
【0125】
【発明の効果】
本発明を用いることにより、道路上の白線と、ガードレールなどの立体物から正しい境界線を検出することが可能である。
【0126】
また、モデル同士の対応をとることによって、一般的なステレオ視よりも安定して視差を検出し、計算量も低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の画像処理装置の構成である。
【図2】対応モデル選択部の構成例である。
【図3】高さ推定部の構成例である。
【図4】境界線選択部の構成例である。
【図5】入力画像と検出された境界線モデルについて示す。
【図6】対応する境界線モデルの例である。
【図7】対応モデル候補の選択方法について示す。
【図8】モデル間の距離計算の方法について示す。
【図9】モデル点同士のテンプレートマッチングを示す。
【図10】テンプレートマッチングの探索範囲を示す。
【図11】道路面からの高さと視差の関係を示す。
【図12】前方車両によって白線が隠れる様子を示す。
【符号の説明】
1 画像取得部
2 境界線モデル検出部
3 対応モデル決定部
4 高さ推定部
5 境界線決定部
6 対応モデル候補決定部
7 モデル間類似度計算部
8 対応モデル選択部
9 座標変換部
10 視差計算部
11 高さ推定部
12 平面内境界線モデル決定部
13 投影境界線モデル決定部
14 境界線決定部
15 安定境界線モデル選択部
16 境界線モデル修正部
20 画像処理装置
Claims (8)
- 移動体が走行可能な領域を規定する境界線を、前記移動体に取り付けられた複数の撮影装置によって撮影し、この撮影した複数の画像から前記境界線を求める画像処理装置において、
前記複数の画像を取り込む画像取得手段と、
輝度情報に基づいて前記境界線の候補を境界線モデルとして前記複数の画像毎に検出する境界線モデル検出手段と、
前記複数の画像の中で一の画像を基準画像とし、この基準画像から検出された境界線モデルを基準モデルとし、前記基準画像とは異なる他の画像を比較画像とし、前記基準モデルと前記比較画像から検出された境界線モデルとを比較し、前記基準モデルに対応する前記比較画像から検出された境界線モデルを対応モデルに決定する対応モデル決定手段と、
前記基準画像上における前記基準モデルと前記対応モデルとの位置の違いから、前記基準モデルにおける前記移動体が移動する平面からの高さを推定する高さ推定手段と、
前記平面からの高さを用いて、前記基準モデルを前記平面に投影して前記境界線を決定する境界線決定手段と、
を有する
ことを特徴とする画像処理装置。 - 前記対応モデル決定手段は、
前記基準画像上での前記基準モデルと前記比較画像から検出された境界線モデルとの位置関係から、前記対応モデルの候補である対応モデル候補を選択する対応モデル候補選択手段と、
前記基準モデルと前記対応モデル候補の位置関係と画素情報に基づいて、前記基準モデルと前記対応モデル候補との類似度を計算するモデル間類似度計算手段と、
前記類似度に基づいて対応モデル候補の中から前記対応モデルを選択する対応モデル選択手段と、
を有する
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 - 前記モデル間類似度計算手段は、
前記境界線モデルは、前記境界線の候補の画像上での特徴を表す複数のモデル構成領域によって構成され、
前記基準画像上のモデル構成領域が、前記比較画像上にも存在するかを判定し、存在する場合には、その比較画像上のモデル構成領域を対応モデル構成領域として選択する対応モデル構成領域選択手段と、
前記対応モデル構成領域において、前記基準画像上のモデル構成領域を基準モデル構成領域とし、この対応モデル構成領域周辺の画素値を用いた所定の評価値を使って、前記対応モデル構成領域周辺にもっとも評価値の高い点を探索し、その評価値を前記対応モデル構成領域の評価値と決定する対応モデル構成領域探索手段と、
前記各対応モデル構成領域の評価値を集計して前記対応モデルの類似度を計算する類似度計算手段と、
を有する
ことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。 - 前記対応モデル決定手段は
前記基準モデルと前記対応モデルを所定の評価値によって比較し、前記基準モデルより安定して検出されている対応モデルを選択する安定境界線モデル選択手段と、
前記選択した対応モデルによって前記基準モデルを修正する境界線モデル修正手段と、
を有する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像処理装置。 - 前記高さ推定手段は
前記撮影装置に撮影されている境界線の候補は全て平面内にあると仮定して、平面に対する前記撮影装置の取り付け位置及び角度から、前記比較画像の座標を、前記基準画像の座標に変換する座標変換を用いて、前記対応モデルを前記基準画像の座標に変換する座標変換手段と、
前記基準画像上での前記変換した対応モデルと前記基準モデルとの距離を視差として計算し、この視差から高さを推定する視差計算手段と、
を有する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像処理装置。 - 前記境界線決定手段は、
前記平面からの高さによって、前記基準モデルが前記平面内にあるかどうかを判定し、前記平面内にあれば前記基準モデルを平面内境界線モデルとして決定する平面内境界線モデル決定手段と、
前記基準モデルが前記平面にないと判断された場合、その基準モデルを、前記平面からの高さに応じて前記平面に投影して、投影境界線モデルを決定する投影境界線モデル決定手段と、
前記平面内の基準モデルと、前記投影境界線モデルから、前記移動体が走行可能な領域を規定する境界線を選択する境界線選択手段と、
を有する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像処理装置。 - 移動体が走行可能な領域を規定する境界線を、前記移動体に取り付けられた複数の撮影装置によって撮影し、この撮影した複数の画像から前記境界線を求める画像処理方法において、
前記複数の画像を取り込む画像取得ステップと、
輝度情報に基づいて前記境界線の候補を境界線モデルとして前記複数の画像毎に検出する境界線モデル検出ステップと、
前記複数の画像の中で一の画像を基準画像とし、この基準画像から検出された境界線モデルを基準モデルとし、前記基準画像とは異なる他の画像を比較画像とし、前記基準モデルと前記比較画像から検出された境界線モデルとを比較し、前記基準モデルに対応する前記比較画像から検出された境界線モデルを対応モデルに決定する対応モデル決定ステップと、
前記基準画像上における前記基準モデルと前記対応モデルとの位置の違いから、前記基準モデルにおける移動体が走行する平面の高さを推定する高さ推定ステップと、
前記平面からの高さを用いて、前記基準モデルを前記平面に投影して前記境界線を決定する境界線決定ステップと、
を有する
ことを特徴とする画像処理方法。 - 移動体が走行可能な領域を規定する境界線を、前記移動体に取り付けられた複数の撮影装置によって撮影し、この撮影した複数の画像から前記境界線を求める画像処理方法をコンピュータによって実現するプログラムにおいて、
前記複数の画像を取り込む画像取得機能と、
輝度情報に基づいて前記境界線の候補を境界線モデルとして前記複数の画像毎に検出する境界線モデル検出機能と、
前記複数の画像の中で一の画像を基準画像とし、この基準画像から検出された境界線モデルを基準モデルとし、前記基準画像とは異なる他の画像を比較画像とし、前記基準モデルと前記比較画像から検出された境界線モデルとを比較し、前記基準モデルに対応する前記比較画像から検出された境界線モデルを対応モデルに決定する対応モデル決定機能と、
前記基準画像上における前記基準モデルと前記対応モデルとの位置の違いから、前記基準モデルにおける移動体が走行する平面の高さを推定する高さ推定機能と、
前記平面からの高さを用いて、前記基準モデルを前記平面に投影して前記境界線を決定する境界線決定機能と、
を実現する
ことを特徴とする画像処理方法のプログラム。
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