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JP3786447B2 - C型肝炎の予防・治療剤 - Google Patents

C型肝炎の予防・治療剤 Download PDF

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JP3786447B2
JP3786447B2 JP07547695A JP7547695A JP3786447B2 JP 3786447 B2 JP3786447 B2 JP 3786447B2 JP 07547695 A JP07547695 A JP 07547695A JP 7547695 A JP7547695 A JP 7547695A JP 3786447 B2 JP3786447 B2 JP 3786447B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、抗C型肝炎剤として有用なベンゾピラノン骨格を有する化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分とするC型肝炎の予防・治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
<発明の背景>
1964年のBlumbergのオーストラリア抗原〔後にB型肝炎ウイルス(HBV:Hepatitis B Virus) の外皮蛋白質であることがわかる〕の発見によりHBVの研究が進み、次いで1973年にA型肝炎ウイルス(HAV:Hepatitis A Virus) が発見された。しかし、これらA型、B型の肝炎ウイルスマーカーを使用しても特定できないウイルス性の肝炎が存在し注目を集めていた。この非A非B型肝炎は除外診断(現在では他の肝炎ウイルスマーカーが陰性で、C型肝炎ウイルス抗体の陽性により判断される)によるのみで、なかなかウイルスを特定することができなかった。
その原因は血液中のウイルス量及び抗原量がHBVに比して極めて少なく、ウイルスが感染した際の免疫反応が弱いことなどから、正体を解明するまでには長い時間が必要であった。
【0003】
1988年にChooらが非A非B型肝炎の血友病患者の血液を接種し感染させたチンパンジーの血液からC型肝炎ウイルス(HCV:Hepatitis C Virus) のcDNA断片5−1−1をイムノスクリーニングによって取り出すことに成功した。この断片から遺伝子工学的手法を用いてHCVの核酸の同定が進み、HCV抗体検査、HCV核酸検出が可能となってきた。
現在では非A非B型肝炎とされていたもののほとんどが、C型肝炎であることがわかっており、その他にもD型、E型を含め5種類の肝炎ウイルスが知られている。
A型、B型、C型肝炎の特徴を下記表1にまとめた。
【0004】
【表1】
Figure 0003786447
【0005】
HCVは、ウイルスそのものによる細胞障害性は低く、かつ抗原性も低いため、宿主中で持続感染し慢性化する場合が多い。実際、中和抗体(抗原特異的に結合して、ウイルスの生物学的活性を消失又は減退させる抗体)の標的となるC型肝炎ウイルスエンベロープの抗原部分は変異速度が速く、抗体による認識を回避している可能性がある。
一般にHCV感染が持続すると、急性肝炎に続き肝障害が生じるが数年で沈静化する。その後20〜30年の無症候性の持続感染が続くと再び肝炎が再発する。さらに強い肝障害が持続すると慢性活動性肝炎から肝硬変へと進行して、最終的には肝細胞癌が生じることになる。
【0006】
<従来の技術>
従って、HCVの感染初期に原因療法を行い、慢性化を防ぐ必要性がある。理想的にはまずウイルスの増殖を抑制する選択毒性の優れた治療薬(抗ウイルス剤)が待望される。
現在、その原因療法薬としてのインターフェロン(IFN)が、C型肝炎治療の第一選択薬として用いられている。
IFNは、もともとウイルス増殖を抑制する物質として発見され、当初からウイルス病治療への応用が期待されていた。しかし、極微量で抗ウイルス作用を発揮し、しかも多様な生理作用を示すために、長い間その実体を把握することが困難であった。また、大量生産系の開発に多くの時間が費やされたため、実際にウイルス病治療に用いられるまでには予想外に長い期間を必要とした。
IFNの作用機序は、一般的には、IFN分子が細胞表面のレセプターに特異的に結合することにより細胞内に二次的シグナルが生じ、これが細胞内の抗ウイルス作用物質遺伝子群に働いて遺伝子が発現することによると考えられている。その他のC型肝炎治療薬には、対症療法薬として肝庇護剤(肝炎を沈静化させ肝病変の進展を阻止することが期待できる)である甘草抽出物成分のグリチルリチンが用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、現在ほとんど唯一の治療薬としてIFNが多用されているが、この薬も万能ではなく、全般的にみれば治療効果があるのはおよそ半数程度の患者である。またそのうちの半数は、病状が改善されたケースでも投与を中止すると半年以内に再発する。さらにIFNの投与によっても改善されない例もかなり多い。この様なIFNが効かないケースに対する薬物はまだ開発されるに至っていない。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特にIFNと作用機序が異なることによりIFN無効例などにも有用である薬物の創出と、以上の問題点の解決を目指し抗C型肝炎剤の研究を鋭意重ねた結果、中国産薬用植物であるキダチキンバイから抽出した下記式で表されるエラグ酸が抗C型肝炎活性を有することを発見し、その誘導体であるベンゾピラノン骨格を有する化合物が新規な作用メカニズムの下、強力な抗C型肝炎活性を有し、医薬として有用であることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
【化14】
Figure 0003786447
【0010】
すなわち本発明は、下記一般式(I)、(II)又は (III)
【0011】
【化15】
Figure 0003786447
【0012】
【化16】
Figure 0003786447
【0013】
【化17】
Figure 0003786447
【0015】
〔式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8,R9,R10,R11,R12,R13,R14, R 17 ,R 18 ,R 19 及び R 20 は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、-OCOCH3、-OQ(ここで Qは水素原子又は低級アルキル基を示す)、-NO2 又は -NH 2 を示す。
【0017】
R 15 及び R 16 は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、又は置換基として水酸基及びアルコキシ基から選ばれる一以上を有していてもよい芳香環基あるいは複素環基をそれぞれ示す。〕
で表される化合物群から選択されるベンゾピラノン骨格を有する化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分とするC型肝炎の予防・治療剤に関する。
【0018】
本明細書中に使用されている語句について以下詳細に説明する。
R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8,R9,R10,R11,R12,R13,R14, R 17 ,R 18 ,R 19 及び R 20 は、それぞれ同一又は異なって、、水素原子、-OCOCH3、-OQ(ここで Qは水素原子又は低級アルキル基を示す)、-NO2 又は -NH 2 を示す。
【0020】
R 15 及び R 16 は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、又は置換基として水酸基及びアルコキシ基から選ばれる一以上を有していてもよい芳香環基あるいは複素環基をそれぞれ示す。
ここで、 -OCOCH3はアセトキシ基を、-NO2はニトロ基を、-NH2はアミノ基をそれぞれ示す。
また、 -OQは、 Qが水素原子の時は水酸基を、 Qが低級アルキル基のときは低級アルコキシ基をそれぞれ示す。
【0021】
低級アルキル基とは、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基を示し、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、 sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、 sec−ペンチル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、i−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基などが挙げられる。
【0022】
低級アルコキシ基とは、前記低級アルキル基に対応するものを示し、具体的には、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、 sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、i−ペンチルオキシ基、 sec−ペンチルオキシ基、t−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、1−メチルブトキシ基、2−メチルブトキシ基、1,1−ジメチルプロポキシ基、1,2−ジメチルプロポキシ基、n−ヘキシルオキシ基、i−ヘキシルオキシ基、1−メチルペンチルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、1,1−ジメチルブトキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、2,2−ジメチルブトキシ基、1,3−ジメチルブトキシ基、2,3−ジメチルブトキシ基、3,3−ジメチルブトキシ基、1−エチルブトキシ基、2−エチルブトキシ基、1,1,2−トリメチルプロポキシ基、1,2,2−トリメチルプロポキシ基、1−エチル−1−メチルプロポキシ基、1−エチル−2−メチルプロポキシ基などが挙げられる。
【0026】
一以上の置換基を有していてもよい芳香環基あるいは複素環基における置換基としては、具体的には、例えば水酸基;低級アルキル基に対応するメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基等を挙げることができる。一以上の置換基を有していてもよいとは、これら基を任意に組み合わせて有していてもよいことを意味する。
【0027】
また、芳香環基としては、具体的には、フェニル基、ナフチル基など、複素環基としては、具体的にはピラニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、フリル基、チエニル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、フラザニル基、チアジアゾリル基などが挙げられ、好ましくはフェニル基、ピリジル基が挙げられる。
従って一以上の置換基を有していてもよい芳香環基あるいは複素環基としての具体例としては、例えば、フェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、3,4−ヒドロキシフェニル基、2−ピリジル基、3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル基、3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基などが挙げられる。
【0028】
薬理学的に許容できる塩としては、特に種類は限定されないが、例えば塩酸塩、硫酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩などの無機酸の付加塩;酢酸塩、マレイン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、トリフルオロ酢酸塩などの有機カルボン酸の付加塩;メタンスルホン酸塩、ヒドロキシメタンスルホン酸塩、ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、タウリン塩などの有機スルホン酸の付加塩;トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、プロカイン塩、ピコリン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、N−メチルグルカミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、トリス(ヒドロキシメチルアミノ)メタン塩、フェネチルベンジルアミン塩などのアミンの付加塩;アルギニン塩、リジン塩、セリン塩、グリシン塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩などのアミノ酸の付加塩などを挙げることができる。
全ての互変異生体及び幾何異性体などの異性体も本発明に含まれる。
【0029】
次に本願発明にかかる化合物の製造法について説明する。
エラグ酸は、キダチキンバイからの抽出により得ることができる。具体的には、キダチキンバイの全草や根、茎、葉などを水、低級脂肪族アルコール類、含水低級脂肪族アルコール類、芳香族アルコール類、含ハロゲン溶媒及びこれらの混合溶媒を用いて0℃付近より沸点に至る範囲内で減圧、常圧、又は加圧下に抽出操作を行い、活性物質を含むエキスを得ることができる。本エキスを種々の分離精製法を用いることにより、活性本体であるエラグ酸を得ることができる。
【0030】
また、本願発明にかかる化合物は公知化合物であり、公知の技術により製造が可能であるが、参考として以下に一般的な製造法を例示する。
一般式(I)
【0031】
【化22】
Figure 0003786447
【0032】
〔式中、R1,R2,R3,R4,R5及びR6は、前記定義に同じ基をそれぞれ示す。〕
で表されるベンゾピラノン骨格を有する化合物又はその薬理学的に許容される塩は、上記抽出によって得られたエラグ酸を直接官能基変換、例えばアルキル化剤による水酸基のアルキル化、無水カルボン酸などによる水酸基のアシル化等、を行うことにより得ることができる。
このようにエラグ酸に対して慣用手段による官能基変換を行うことにより、例えば、
【0033】
【化23】
Figure 0003786447
【0034】
〔式中、Meはメチル基、Acはアセチル基を示す。〕
などの化合物を簡単に得ることが可能である。
また、次の反応式
【0035】
【化24】
Figure 0003786447
【0036】
〔式中、R1,R2,R3,R4,R5及びR6は、前記定義に同じ基をそれぞれ示す。〕
で表される製造法によっても、上記一般式(I)で表される化合物を得ることができる。
例えば、下記反応式
【0037】
【化25】
Figure 0003786447
【0038】
で表される反応を行うことにより、上記一般式(I)に包含される2つの化合物を得ることができる。この反応はジフェン酸をニトロ化し、次いで縮合によりラクトン環を形成させ、さらにニトロ基をアミノ基に還元する工程を含むものである。
【0039】
更にまた、次の反応式
【0040】
【化26】
Figure 0003786447
【0041】
〔式中、 R1,R2,R3,R4,R5,R6及びMeは、前記定義に同じ基をそれぞれ示す。〕
で表される製造法によっても、上記一般式(I)で表される化合物を得ることができる。
これは安息香酸誘導体のカルボキシル基を4,4−ジメチルオキサゾリン化し、次いでハロゲン化により化合物(A)を得、同様に化合物(B)を得、このようにして得られた化合物(A),(B)を反応させ、慣用手段により官能基変換を行い、上記一般式(I)で表される化合物を得る方法である。
具体的な化合物で例示すれば、下記反応式
【0042】
【化27】
Figure 0003786447
【0043】
〔式中、Meは前記定義に同じ基を示す。〕
で表される反応を行うことにより、上記一般式(I)に包含される化合物を得ることができる。
【0044】
一般式(II)
【0045】
【化28】
Figure 0003786447
【0046】
〔式中、R7,R8,R9,R10,R11,R12,R13及び R14は、前記定義に同じ基をそれぞれ示す。〕
で表されるベンゾピラノン骨格を有する化合物又はその薬理学的に許容される塩は、以下の反応式で表される方法により合成することができる。
【0047】
【化29】
Figure 0003786447
【0048】
〔式中、R7,R8,R9,R10,R11,R12,R13,R14及びMeは、前記定義に同じ基をそれぞれ示し、Etはエチル基を示す。〕
これは、安息香酸誘導体のカルボキシル基をジエチルアミンを用いてアミド化し、次いでハロゲン化により化合物(C)を得、一方、メトキシベンゼン誘導体をハロゲン化し、次いでそのハロゲン原子を水酸化ホウ素で置換することにより、化合物(D)を得る工程である。
このようにして得られた化合物(C),(D)を以下の反応式
【0049】
【化30】
Figure 0003786447
【0050】
〔式中、R7,R8,R9,R10,R11,R12,R13,R14,Me 及びEtは、前記定義に同じ基をそれぞれ示す。〕
で表されるように反応させることにより、上記一般式(II)で表される化合物を製造することができる。
具体的な化合物で例示すれば、反応式
【0051】
【化31】
Figure 0003786447
【0052】
〔式中、Me及びEtは前記定義に同じ基を示し、nは1又は2である。〕
で表される反応により得られる化合物(C'),(D')を用い、反応式
【0053】
【化32】
Figure 0003786447
【0054】
〔式中、Me, Et及びnは前記定義に同じ基を示す。〕
で表される反応を行うことにより、前記一般式(II)に包含される化合物を製造することができる。
また、一般式(II)で表される化合物は以下の反応式で表される方法によっても合成することができる。
【0055】
【化33】
Figure 0003786447
【0056】
〔式中、R7,R8,R9,R10,R11,R12,R13,R14,Me 及びEtは、前記定義に同じ基をそれぞれ示す。〕
これは、安息香酸誘導体のカルボキシル基をジエチルアミンを用いてアミド化し、次いで三臭化ホウ素を反応させることにより化合物(E)を得、一方、メトキシベンゼン誘導体をハロゲン化することにより、化合物(F)を得る工程である。
このようにして得られた化合物(E),(F)を以下の反応式
【0057】
【化34】
Figure 0003786447
【0058】
〔式中、R7,R8,R9,R10,R11,R12,R13,R14,Me 及びEtは、前記定義に同じ基をそれぞれ示す。〕
で表されるように反応させることにより、上記一般式(II)で表される化合物を製造することができる。
具体的な化合物で例示すれば、反応式
【0059】
【化35】
Figure 0003786447
【0060】
〔式中、Me, Et及びnは前記定義に同じ基を示す。〕
で表される反応を行うことにより、前記一般式(II)に包含される化合物を製造することができる。
上記のような製造法により、例えば、式
【0061】
【化36】
Figure 0003786447
【0062】
で表される化合物などを製造することができる。
【0063】
一般式(III)
【0064】
【化37】
Figure 0003786447
【0065】
〔式中、R15,R16,R17,R18,R19及びR20は、前記定義に同じ基をそれぞれ示す。〕
で表されるベンゾピラノン骨格を有する化合物又はその薬理学的に許容される塩は、以下の反応式で表される方法により合成することができる。
【0066】
【化38】
Figure 0003786447
【0067】
〔式中、R15,R16,R17,R18,R19,R20 及びEtは、前記定義に同じ基をそれぞれ示す。〕
これはフェノール誘導体とβ−ケトエステル誘導体を反応させることにより、一般式(III) で表される化合物を製造する工程である。
具体的には、反応式
【0068】
【化39】
Figure 0003786447
【0069】
〔式中、Me及びEtは前記定義に同じ基を示す。〕
で表される反応により、前記一般式(III) に包含される化合物を製造することができる。
例えば、式
【0070】
【化40】
Figure 0003786447
【0071】
で表される化合物などを製造することができる。
【0072】
また、一般式(III) に包含される化合物は、次の合成法によっても製造される。
反応式
【0073】
【化41】
Figure 0003786447
【0074】
〔式中、R17,R18,R19 及びR20 は前記定義に同じ基を、 Xは N又はCHを、Y1,Y2,Y3及びY4は水素原子又は前記の一以上の置換基を有していてもよい芳香環基あるいは複素環基における置換基をそれぞれ示す。〕
これは2つの化合物を閉環反応させることにより、本願発明にかかる化合物を製造する工程を含むものである。
具体的には、反応式
【0075】
【化42】
Figure 0003786447
【0076】
〔式中、Me及び Xは前記定義に同じ基を示す。〕
で表される反応により、以下の式
【0077】
【化43】
Figure 0003786447
【0078】
で表される化合物などが製造可能である。
【0079】
また、一般式(III) に包含される化合物は、以下の式
【0080】
【化44】
Figure 0003786447
【0081】
で表される市販化合物を、従来技術により修飾することによっても製造することができる。例えば、式
【0082】
【化45】
Figure 0003786447
【0083】
〔式中、Meは前記定義に同じ基を示す。〕
で表される化合物などである。
【0087】
上記の反応には、必要により官能基に有機合成において通常用いられる保護基などを用いて合成し、適当なシリカゲル等によりカラムクロマトグラフィー等によって常法により精製後脱保護反応に付すことも可能である。
【0088】
本発明に係る抗C型肝炎剤の投与量は症状の程度、年齢、性別、体重、投与形態、疾患の種類等により異なるが、通常成人1日当たり1mg〜5gであり、1〜数回に分けて投与する。
本発明に係る抗C型肝炎剤の投与形態は特に限定されず、通常用いられる方法により経口又は非経口的に投与することができる。
【0089】
これら製剤化には通常用いられる賦形剤、結合剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤等、及び必要により安定化剤、乳化剤、吸収促進剤、界面活性剤等を使用することができ、一般に医薬品製剤の原料として用いられる成分を配合して常法により製剤化される。
【0090】
これらの成分としては、例えば、動植物油(大豆油、牛脂、合成グリセライドなど)、炭化水素(流動パラフィン、スクワラン、固形パラフィンなど)、エステル油(ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピルなど)、高級アルコール(セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなど)、シリコン樹脂、シリコン油、界面活性剤(ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーなど)、水溶性高分子(ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロースなど)、アルコール(エタノール、イソプロパノールなど)、多価アルコール(グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトールなど)、糖(グルコース、ショ糖など)、無機粉体(無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸アルミニウムなど)、精製水などが挙げられる。pH調整のためには、無機塩(塩酸、リン酸など)、無機酸のアルカリ金属塩(リン酸ナトリウムなど)、無機塩基(水酸化ナトリウムなど)、有機酸(低級脂肪酸、クエン酸、乳酸など)、有機酸のアルカリ金属塩(クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウムなど)、有機塩基(アルギニン、エタノールアミンなど)などを用いることができる。また、必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤などを添加することができる。
【0091】
本願発明の作用効果に関して述べれば、本願発明にかかる化合物は、IFNと異なる新規な作用メカニズムに基づき、抗C型肝炎作用を奏する。本発明者等はHCV遺伝子の翻訳段階を阻害することによりHCVの発現を抑制することに成功したものである。
【0092】
真核細胞の90%以上のmRNAでは、40Sリボソームが5'末端のキャップ構造に結合後、1番近いAUGまで移動して翻訳を開始するキャップ依存性蛋白質合成を行っている。
しかし、ポリオウイルスを始めとするピコナウイルス属のウイルスゲノムはプラス1本鎖RNAで、5'末端にキャップ構造を欠き、長い5'側非翻訳領域(5'UTR)を持っている(ポリオウイルスでは約 750塩基)。さらに5'UTRの中には複数のAUGが存在しており、HCV−RNAの5'UTRも約 340塩基と長く、その中には2〜3個のAUGが存在している。
これらのウイルスにおける翻訳は、5'UTRの構造が原核生物(prokaryote)のShine-Dargano 配列のようにリボソームの認識に関与する機構で、すなわちリボソームが5'UTRの内部を認識して開始するinternal initiation というキャップ非依存性の新たなメカニズムにより行われることがわかっている。
HCV−RNA5'UTRの構造上の特徴は、キャップ依存性蛋白質合成よりもinternal initiation を行うmRNAのものに近いと考えられている。
【0093】
ところで、中国産の薬用植物、水仙桃(Jussiaea suffruticosa., 毛草竜、キダチキンバイ)は、感冒や口腔炎などに対して中国で用いられている。本発明者等は新規なメカニズムに基づく抗C型肝炎剤を検討する中で、このキダチキンバイの抽出物中に抗C型肝炎活性を有する化合物が含まれることを見出し、その活性本体の単離に成功した。この化合物がエラグ酸であり、エラグ酸は様々な生理活性を有することが知られている。
例えば、Human immunodeficiency virus(HIV)の逆転写酵素とDNAポリメラーゼの活性の抑制、マウスの癌の増殖の抑制、その他抗菌作用、抗カビ作用、抗酸化作用などの活性が報告されている。
本願発明にかかるエラグ酸及びその誘導体は、ウイルスの増殖過程において、リボソームがRNAを認識する部位(internal ribosome entry site;IRES)を阻害することにより、抗C型肝炎活性を発揮する。
【0094】
以下に本発明にかかる化合物の薬理実験例を示し、本発明にかかる化合物の有用性を明らかにする。
薬理実験例
下記方法によりエラグ酸及びその誘導体のIRES依存翻訳阻害活性による抗C型肝炎活性を測定した。結果を表2に示す。
【0095】
<インビトロ・トランスレーションによるエラグ酸及びその誘導体のキャップ依存的翻訳及びIRES依存的翻訳に対する阻害活性の測定法>
1) バックグランドの反応性(Capped-globin mRNAあるいはIRES−HCV
mRNAが入っていない試験管)を見る試験
マスターカクテル(無細胞翻訳系に必要な因子のうち、細胞内の宿主蛋白、mRNAや塩以外に必要な成分をあらかじめ混ぜてストックしたもので、ATP、GTP、ジチオスレイトール、クレアチンリン酸、クレアチンキナーゼ、スペルミン四塩酸が含まれる)、Mg(CH3COO)2 、CH3COOK 、35Sメチオニンなどを混入させた反応液に蛋白質の翻訳鋳型を加えることなく、宿主因子のRRL(ウサギ網状赤血球溶血液、ウサギにフェニルヒドラジンを数回皮下注射後、全採血して調製する)を加えて30℃、50分インキュベーションする。
ここでは、本来mRNAが存在しないので、蛋白の翻訳は全く起こらないが、バックグラウンドの反応として、僅かに翻訳産物が現れることがある。ここでの値を“A”とする。
【0096】
2) positiveコントロールとしての(Capped-globin mRNAあるいはIRES−HCV mRNAを加えた)反応性を見る試験
マスターカクテル、Mg(CH3COO)2 、CH3COOK 、35Sメチオニンと、capped-globin mRNA又はIRES−HCV mRNAを混入させた反応液について、上記1)と同様に反応性を測定した。
ここではmRNAが存在しており、薬物は一切入れていないので反応が 100%進行しているものとみなす。今ここで現れた蛋白質合成反応値を“B”とした場合、ここでの真の翻訳反応値“C”はBからAを差し引いた値となる。
すなわち、C=B−A
3) 被検薬の阻害活性を見る試験
マスターカクテル、Mg(CH3COO)2 、CH3COOK 、35Sメチオニンと、capped-globin mRNA又はIRES−HCV mRNAと、被検薬を混入させた反応液について、上記1)と同様に反応性を測定した。
【0097】
ここで得られた蛋白質合成反応値を“D”とした場合、真の翻訳反応値“E”はDからAを差し引いた値となる。
すなわち、E=D−A
よって被検薬の阻害活性は次の式を用いて求められる。
阻害活性(% of inhibition) =(1−E/C)×100
なお、mRNAとしてcapped-globin を用いた場合、globinに対する阻害となり、IRES−HCVを用いた場合はHCVに対する阻害活性となる。
【0098】
【表2】
Figure 0003786447
【0099】
表中、「Globin阻害率」はグロビンのキャップ依存的な翻訳の阻害率を示し、「IRES−HCV阻害率」はC型肝炎ウイルスのIRES依存的な翻訳の阻害率を示す。また、化合物1〜3は以下の構造式で表されるものである。
【0100】
【化47】
Figure 0003786447
【0101】
従って、本願発明にかかる化合物は、IRES依存的な翻訳を強力に阻害し、しかもキャップ依存的な翻訳は阻害しないという選択性を有することがわかる。このように、本願発明にかかる化合物は優れた抗C型肝炎活性を有し、C型肝炎の予防及び治療に有用である。
【0102】
【実施例】
以下に本発明を更に詳しく説明するために、本願発明にかかる化合物のいくつかの実施例を示すが、本発明はこれらのものに限定されるものではない。実施例中1H−NMRスペクトラムはVarian社FT NMR(400MHz)で測定した。
また、本願発明にかかる化合物の合成に用いられる原料化合物の製造例も併せて示す。
尚、以下の例中において、Meはメチル基、Etはエチル基、Acはアセチル基、Bnはベンジル基を示す。また、実施例4及び5は参考例として示す。
【0103】
製造例1
N,N−ジエチル−3−メトキシベンズアミド
【0104】
【化48】
Figure 0003786447
【0105】
3−メトキシ安息香酸 5.0gをトルエン 100mlに懸濁させ、塩化チオニル 4.4mlとジメチルホルムアミドを数滴滴下した。60℃で3.25時間攪拌後、室温まで冷却した。この溶液にテトラヒドロフラン 100mlとジエチルアミン 6.8mlを加え、室温にて45分間攪拌した後、さらにジエチルアミン 5.7mlを加え、一晩室温にて攪拌した。反応混合物を水に加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を水、飽和食塩水にて順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル系)により精製し、標題化合物 4.0g(収率58%)を油状物として得た。
【0106】
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
1.08〜1.23(6H,m), 3.19〜3.28(2H,m), 3.42〜3.58(2H,m), 3.78(3H,s),
6.83〜6.94(3H,m), 7.26(1H,dd,J=7.7Hz,7.7Hz)
製造例2
N,N−ジエチル−2−ブロモ−5−メトキシベンズアミド
【0107】
【化49】
Figure 0003786447
【0108】
N,N−ジエチル−3−メトキシベンズアミド 2.0gを酢酸20mlに溶解し、氷冷下、臭素0.55mlを加え、室温まで昇温し、4時間攪拌した。反応混合物を水に加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル系)により精製し、標題化合物2.60g(収率94%)を油状物として得た。
【0109】
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
1.07(3H,t,J=7.1Hz), 1.25(3H,t,J=6.2Hz), 3.05〜3.10(2H,m),
3.22〜3.37(1H,m), 3.78(3H,s), 3.78〜3.83(1H,m), 6.74〜6.79(2H,m),
7.40〜7.44(1H,m)
製造例3
2,4−ジメトキシフェニルホウ酸
【0110】
【化50】
Figure 0003786447
【0111】
2,4−ジメトキシブロモベンゼン 1.0gを無水テトラヒドロフラン 5.0mlに溶解し、窒素気流下、−78℃に冷却した。この溶液にn−ブチルリチウムの 1.6Mヘキサン溶液3.17mlを滴下した。−78℃にて40分間攪拌した後、トリメトキシボラン1.57mlを加え、ゆっくりと室温まで昇温させ、一晩攪拌した。氷冷下、1N塩酸を溶液が澄むまで加え、ジクロロメタンにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮し、標題化合物0.94gを無色結晶として得た。このものは精製することなく、次の反応に用いた。
【0112】
製造例4
2−ジエチルカルバモイル−2 ', 4, 4' −トリメトキシビフェニル
【0113】
【化51】
Figure 0003786447
【0114】
窒素雰囲気下、パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン 145mgをジメトキシエタン40mlに溶解し、その中へN,N−ジエチル−2−ブロモ−5−メトキシベンズアミド 685mgのジメトキシエタン溶液を加え、室温にて1時間攪拌した。その後、この溶液に2,4−ジメトキシフェニルホウ酸 940mgのエタノール(6ml)溶液と、 4.2mlの2M炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、22時間加熱還流した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル系)により精製し、ヘキサン−酢酸エチルにより結晶化して、標題化合物 320mg(収率39%)を結晶として得た。
【0115】
・融点;98〜98.5℃
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
0.82(3H,t,J=7.2Hz), 0.83(3H,t,J=6.8Hz), 2.64〜2.79(1H,m),
2.86〜3.00(1H,m), 3.08〜3.22(1H,m), 3.66〜3.78(1H,m), 3.72(3H,s),
3.80(3H,s), 3.83(3H,s), 6.46(1H,dd,J=8.4Hz,2.5Hz),
6.48(1H,d,J=2.4Hz), 6.90(1H,dd,J=8.8Hz,2.4Hz), 6.92(1H,d,J=2.5Hz),
7.20(1H,d,J=8.8Hz), 7.26(1H,d,J=8.4Hz)
実施例1
3,8−ジヒドロキシ−6H−ジベンゾ〔b,d〕ピラン−6−オン
【0116】
【化52】
Figure 0003786447
【0117】
窒素雰囲気下、2−ジエチルカルバモイル−2',4,4'−トリメトキシビフェニル 320mgを無水ジクロロメタン10mlに懸濁させ、−78℃に冷却した。この懸濁液に三臭化ホウ素の1Mジクロロメタン溶液 4.2mlを加え、ゆっくり室温に昇温し、一晩攪拌した。−78℃に冷却し、メタノール2mlを加えた後、室温に昇温し、1N塩酸を加え、pHを1にした。生じた不溶物を濾過し、標題化合物78mg(収率37%)を結晶として得た。
【0118】
・融点;>300℃
1H−NMR(DMSO-d6) δ ppm;
6.70(1H,d,J=2.4Hz), 6.79(1H,dd,J=8.6Hz,2.4Hz),
7.30(1H,dd,J=8.8Hz,2.7Hz), 7.49(1H,d,J=2.7Hz), 8.00(1H,d,J=8.6Hz),
8.10(1H,d,J=8.8Hz)
・MS (FAB);229(MH+)
製造例5
N,N−ジエチル−2−メトキシベンズアミド
【0119】
【化53】
Figure 0003786447
【0120】
2−メトキシ安息香酸 5.0gをトルエン70mlに懸濁させ、塩化チオニル 4.4mlとジメチルホルムアミドを数滴滴下した。60℃で2時間攪拌後、室温まで冷却した。この溶液にテトラヒドロフラン 100mlとジエチルアミン12.5mlを加え、一晩室温にて攪拌した。反応混合物を水に加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を水、飽和食塩水にて順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル系)により精製し、標記化合物 4.3g(収率63%) を油状物として得た。
【0121】
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
1.02(3H,t,J=7.1Hz), 1.23(3H,t,J=7.1Hz), 3.13(2H,q,J=7.1Hz),
3.48〜3.64(2H,m), 3.81(3H,s), 6.89(1H,d,J=8.4Hz),
6.96(1H,ddd,J=7.5Hz,7.5Hz,0.9Hz), 7.23(1H,dd,J=7.5Hz,2.0Hz),
7.30(1H,ddd,J=8.4Hz,7.5Hz,2.0Hz)
製造例6
2−ジエチルカルバモイル−3−メトキシフェニルホウ酸
【0122】
【化54】
Figure 0003786447
【0123】
窒素雰囲気下、テトラメチルエチレンジアミン 4.3mlを無水テトラヒドロフラン 130mlに溶解し、−60℃に冷却した。S−ブチルリチウムの 1.3Mシクロヘキサン溶液22.2mlをゆっくり滴下した後、−60℃にて10分間攪拌した。この溶液にN,N−ジエチル−2−メトキシベンズアミド 5.0gのテトラヒドロフラン(13ml)溶液を滴下した後、−65℃にて1時間攪拌した。この中へトリメトキシボラン 7.5mlを加え、ゆっくりと室温まで昇温させ、一晩攪拌した。氷冷下、1N塩酸を 100ml加え、反応混合物を減圧濃縮後、ジクロロメタンにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチルとメタノール系)により精製し、標記化合物 5.2g(収率85%)を油状物として得た。
【0124】
製造例7
2−ジエチルカルバモイル−2 ', 3,4’−トリメトキシビフェニル
【0125】
【化55】
Figure 0003786447
【0126】
窒素雰囲気下、パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン 286mgをジメトキシエタン40mlに溶解し、その中へ2,4−ジメトキシブロモベンゼン 896mgを加え、室温にて40分間攪拌した。その後、この溶液に前反応により得られた2−ジエチルカルバモイル−3−メトキシフェニルホウ酸1140mgのエタノール(6ml)溶液と、 2.3mlの2M炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、9時間加熱還流した。9時間後、パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン 100mgを加え、さらに20時間加熱還流した。反応混合物を水に加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル系)により精製し、標記化合物 500mg(収率32%)を油状物として得た。
【0127】
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
0.73(3H,t,J=7.1Hz), 0.89(3H,t,J=7.1Hz), 2.66〜2.82(1H,m),
2.86〜2.92(1H,m), 3.13〜3.24(1H,m), 3.72(3H,s), 3.76〜3.88(1H,m),
3.81(3H,s), 3.84(3H,s), 6.46〜6.50(2H,m), 6.88(1H,d,J=8.2Hz),
6.93(1H,dd,J=7.7Hz,0.9Hz), 7.24〜7.34(2H,m)
実施例2
3,7−ジヒドロキシ−6H−ジベンゾ〔b,d〕ピラン−6−オン
【0128】
【化56】
Figure 0003786447
【0129】
窒素雰囲気下、2−ジエチルカルバモイル−2',3,4’−トリメトキシビフェニル 500mgを無水ジクロロメタン15mlに懸濁させ、−78℃に冷却した。この懸濁液に三臭化ホウ素の1Mジクロロメタン溶液 6.6mlを加え、ゆっくり室温に昇温し、一晩攪拌した。−78℃に冷却し、メタノールを加えた後、室温に昇温し、1N塩酸を加え、pHを1にした。水層をジクロロメタンにて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗結晶をヘキサンにて洗浄し、標記化合物48mg(収率14%)を結晶として得た。
【0130】
・融点;229.5〜230.0℃
1H−NMR(DMSO-d6) δ ppm;
6.77(1H,d,J=2.4Hz), 6.85(1H,dd,J=8.8Hz,2.4Hz), 6.96(1H,d,J=8.4Hz),
7.68(1H,d,J=8.0Hz), 7.75(1H,dd,J=8.4Hz,8.0Hz), 8.11(1H,d,J=8.4Hz)
・MS (FAB);229(MH+)
製造例8
2−ブロモ−6−メトキシフェノール
【0131】
【化57】
Figure 0003786447
【0132】
t−ブチルアミン34mlをトルエン1200mlに溶解し、−30℃に冷却し、30分間かけて臭素 8.8mlを滴下した。反応混合物を−60℃に冷却し、グアイアコール20gのジクロロメタン(100ml) 溶液を10分間かけて滴下した。その後、ゆっくり室温まで昇温させ、5時間攪拌した。反応混合物にエーテル 500mlを加え、1N塩酸、水にて順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮すると、標記化合物16.5g(収率50%) を固体として得た。
【0133】
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
3.90(3H,s), 6.75(1H,dd,J=8.2Hz,8.0Hz), 6.81(1H,dd,J=8.2Hz,1.4Hz),
7.09(1H,dd,J=8.0Hz,1.4Hz)
製造例9
2,3−ジメトキシブロモベンゼンの合成
【0134】
【化58】
Figure 0003786447
【0135】
2−ブロモ−6−メトキシフェノール 5.0gをメタノール50mlに溶解し、硫酸ジメチル 4.1mlと水酸化カリウム 1.7gを加え、5時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却し、水を加え、エーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル系)により精製し、標記化合物 3.3g(収率62%)を油状物として得た。
【0136】
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
3.85(3H,s), 3.86(3H,s), 6.85(1H,dd,J=8.4Hz,1.2Hz),
6.92(1H,dd,J=8.4Hz,8.0Hz), 7.12(1H,dd,J=8.0Hz,1.2Hz)
製造例10
N,N−ジエチル−4−メトキシベンズアミド
【0137】
【化59】
Figure 0003786447
【0138】
4−メトキシ安息香酸10gをトルエン 140mlに懸濁させ、塩化チオニル 8.9mlとジメチルホルムアミドを数滴滴下した。60℃で2時間攪拌後、室温まで冷却した。この溶液にテトラヒドロフラン 200mlとジエチルアミン25mlを加え、一晩室温にて攪拌した。反応混合物を水に加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を水、飽和食塩水にて順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル系)により精製し、標記化合物14.1g(収率:定量的)を油状物として得た。
【0139】
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
1.00〜1.60(6H,m), 3.20〜3.65(4H,m), 3.81(3H,s), 6.88(2H,d,J=8.8Hz),
7.33(2H,d,J=8.8Hz)
製造例11
2−ジエチルカルバモイル−5−メトキシフェニルホウ酸
【0140】
【化60】
Figure 0003786447
【0141】
窒素雰囲気下、テトラメチルエチレンジアミン4.18mlを無水テトラヒドロフラン 150mlに溶解し、−60℃に冷却した。S−ブチルリチウム 1.3Mシクロヘキサン溶液27.6mlを10分間かけて滴下した後、−60℃にて10分間攪拌した。この溶液にN,N−ジエチル−4−メトキシベンズアミド 6.0gのテトラヒドロフラン(15ml) 溶液を15分間かけて滴下した後、−65℃にて45分間攪拌した。この中へトリメトキシボラン8.63mlを加え、ゆっくりと室温まて昇温させ、一晩攪拌した。氷冷下、1N塩酸を加え、pH5にした後、反応混合物を減圧濃縮後、ジクロロメタンにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮し、標記化合物を油状物として得た。このものは精製することなく次の反応に用いた。
【0142】
製造例12
2−ジエチルカルバモイル−2 ', ', 5−トリメトキシビフェニル
【0143】
【化61】
Figure 0003786447
【0144】
窒素雰囲気下、パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン 532mgをジメトキシエタン 270mlに溶解し、その中へ2,3−ジメトキシブロモベンゼン3.33gを加え、室温にて30分間攪拌した。その後、この溶液に前反応により得られた2−ジエチルカルバモイル−5−メトキシフェニルホウ酸のエタノール(16ml) 溶液と、15.3mlの2M炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、21時間加熱還流した。反応混合物を水に加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル系)により精製し、標記化合物2.81g(二段階収率30%)を油状物として得た。
【0145】
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
0.83(3H,t,J=7.1Hz), 0.95(3H,t,J=7.0Hz), 3.20〜3.80(4H,m),
3.74(3H,s), 3.84(3H,s), 3.89(3H,s), 6.86〜6.94(4H,m),
7.01(1H,dd,J=8.0Hz,7.6Hz), 7.29(1H,dd,J=8.4Hz,0.4Hz)
製造例13
2−ジエチルカルバモイル−2 ', ', 5−トリヒドロキシビフェニル
【0146】
【化62】
Figure 0003786447
【0147】
窒素雰囲気下、2−ジエチルカルバモイル−2',3',5−トリメトキシビフェニル 565mgを無水ジクロロメタン12mlに懸濁させ、−60℃に冷却した。この懸濁液に三臭化ホウ素の1Mジクロロメタン溶液7.96mlを加え、ゆっくり室温に昇温し、一晩攪拌した。−60℃に冷却し、メタノール5mlを加えた後、室温に昇温し、1N塩酸を加え、pHを1にした。水層をジクロロメタンにて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮すると、標記化合物 493mg(収率:定量的)を固体として得た。このものは精製することなく次の反応に用いた。
【0148】
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
0.90〜0.99(6H,m), 3.01〜3.07(2H,m), 3.20〜3.50(2H,m),
6.60(1H,dd,J=8.2Hz,1.6Hz), 6.72(1H,d,J=2.4Hz), 6.78〜6.90(2H,m),
6.93(1H,dd,J=7.6Hz,1.6Hz), 7.10(1H,d,J=8.2Hz)
実施例3
4,9−ジヒドロキシ−6H−ジベンゾ〔b,d〕ピラン−6−オン
【0149】
【化63】
Figure 0003786447
【0150】
2−ジエチルカルバモイル−2',3',5−トリヒドロキシビフェニル 493mgを酢酸25mlに溶解し、一晩加熱還流した。生じた不溶物を濾別したところ、標記化合物 150mgを得た。また、濾液を減圧濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン−メタノール系)により精製し、標記化合物 115mgを結晶として得た(合計収率71%)。
【0151】
・融点;110〜112℃
1H−NMR(DMSO-d6) δ ppm;
7.02(1H,dd,J=8.0Hz,1.2Hz), 7.06(1H,dd,J=8.8Hz,2.2Hz),
7.15(1H,dd,J=8.0Hz,8.0Hz), 7.54(1H,d,J=2.2Hz),
7.56(1H,dd,J=8.0Hz,1.2Hz), 8.10(1H,d,J=8.8Hz)
製造例14
4−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸エチルエステル
【0152】
【化64】
Figure 0003786447
【0153】
4−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸 5.0gをエタノール50mlに溶解し、硫酸1gを加え、22時間加熱還流した。反応混合物を室温まで放冷し、約半量まで濃縮し、5倍量の水を加え、固体の炭酸水素ナトリウムを加え、中和した。反応混合物を酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル系)により精製し、標記化合物 4.9g(収率85%)を油状物として得た。
【0154】
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
1.37(3H,t,J=7.0Hz), 3.94(3H,s), 4.34(2H,q,J=7.0Hz), 6.07(1H, br-s),
6.93(1H,d,J=8.2Hz), 7.54(1H,d,J=2.0Hz), 7.64(1H,dd,J=8.2Hz,2.0Hz)
製造例15
4−ベンジルオキシ−3−メトキシ安息香酸エチルエステル
【0155】
【化65】
Figure 0003786447
【0156】
4−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸エチルエステル 4.9gをアセトン80mlに溶解し、ベンジルブロミド3.60mlと炭酸カリウム10.8gを加え、3時間加熱還流した。反応混合物をセライト濾過し、減圧濃縮した。1N塩酸を加え、エーテルにて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗結晶をヘキサン−石油エーテルにて洗浄し、標記化合物5.02g(収率73%)を結晶として得た。
【0157】
・融点;78.0〜79.5℃
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
1.37(3H,t,J=7.0Hz), 3.94(3H,s), 4.34(2H,q,J=7.0Hz), 5.22(2H,s),
6.89(1H,d,J=8.4Hz), 7.28〜7.43(5H,m), 7.56(1H,d,J=1.6Hz),
7.61(1H,dd,J=8.4Hz,1.6Hz)
製造例16
4−ベンジルオキシ−3−メトキシ安息香酸
【0158】
【化66】
Figure 0003786447
【0159】
4−ベンジルオキシ−3−メトキシ安息香酸エチルエステル5.02gをジメチルスルホキシド90mlに溶解し、水18mlと水酸化ナトリウム 4.0gを加え、 100℃にて16時間攪拌した。反応混合物を氷冷下、1N塩酸を加えpHを1とし、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮すると、標記化合物(収率:定量的)が結晶として得られた。このものは精製することなく、次の反応に用いた。
【0160】
・融点;173.0〜173.5℃
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
3.95(3H,s), 5.24(2H,s), 6.93(1H,d,J=8.4Hz), 7.28〜7.46(5H,m),
7.61(1H,d,J=2.0Hz), 7.70(1H,dd,J=8.4Hz,2.0Hz)
製造例17
ビス−〔4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシ安息香酸〕無水物
【0161】
【化67】
Figure 0003786447
【0162】
4−ベンジルオキシ−3−メトキシ安息香酸 700mgを1,2−ジクロロエタン10mlに懸濁させ、塩化チオニル0.23mlを加え、60℃にて 3.5時間攪拌した。この中へさらに塩化チオニル0.30mlを加え、60℃にて1時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮した。一方、4−ベンジルオキシ−3−メトキシ安息香酸 700mgをテトラヒドロフラン12mlに溶解し、トリエチルアミン0.40mlを加え、続いて調製した4−ベンジルオキシ−5−メトキシベンゾイルクロリドを加え、室温にて1時間攪拌した。反応混合物を濾過した後、濾液を減圧濃縮すると、標記化合物1456mg(定量的)が固体として得られた。得られた固体は精製することなく、次の反応に用いた。
【0163】
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
3.95(6H,s), 5.25(4H,s), 6.93(2H,d,J=8.4Hz), 7.30〜7.46(10H,m),
7.63(1H,d,J=2.0Hz), 7.69(1H,dd,J=8.4Hz,2.0Hz)
製造例18
', ' −ジヒドロキシ−2,4’−ジメトキシアセトフェノン
【0164】
【化68】
Figure 0003786447
【0165】
5−メトキシレゾルシナール1000mgをジクロロメタン 150mlに溶解し、−5℃に冷却した。この溶液にチタニウムクロリド(IV)の1Mジクロロメタン溶液7.85mlを加えた後、−15℃にて 5.5時間攪拌した。一晩−20℃に放置した後、反応混合物に氷と1N塩酸を加え、ジクロロメタンにて抽出した。有機層を水、飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去し、残留物をメタノールに溶解し、シリカゲルに吸着させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル系)により精製し、標記化合物 772mg(収率51%)を油状物として得た。
【0166】
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
3.40(3H,s), 3.75(3H,s), 4.62(2H,s), 5.92(2H,s)
実施例4
4’−(ベンジルオキシ)−5−ヒドロキシ−3,3 ', 7−トリメトキシフラボン
【0167】
【化69】
Figure 0003786447
【0168】
2',6' −ジヒドロキシ−2,4’−ジメトキシアセトフェノン 202mg、ビス−〔(4−ベンジルオキシ)−3−メトキシ安息香酸〕無水物1005mg、及び4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシ安息香酸ナトリウム塩 301mgの混合物を減圧下、 180〜185 ℃にて3時間加熱した。反応混合物を水に加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残留物をメタノールに溶解し、ジアゾメタン処理した後、溶媒を減圧留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル系)により精製し、目的物を含むフラクションを減圧留去した。得られた残留物をエタノール 3.0mlに溶解し、水酸化カリウムの10%エタノール溶液を加え、窒素雰囲気下、30分間加熱還流した。放冷後、1N塩酸を2ml加え、クロロホルムにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン−メタノール系)により精製し、標記化合物38mg(収率 9.2%)を固体として得た。
【0169】
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
3.86(3H,s), 3.88(3H,s), 3.98(3H,s), 5.22(2H,s), 6.36(2H,d,J=1Hz),
6.44(2H,d,J=1Hz), 7.00(1H,d,J=4Hz), 7.30〜7.48(5H,m),
7.66(1H,dd,J=4Hz,1Hz), 7.72(1H,d,J=1Hz)
実施例5
', 5−ジヒドロキシ−3,3 ', 7−トリメトキシフラボン
【0170】
【化70】
Figure 0003786447
【0171】
4’−(ベンジルオキシ)−5−ヒドロキシ−3,3',7−トリメトキシフラボン38mgをエタノール10mlに懸濁させ、5%パラジウム担持活性炭10gの存在下、常圧にて室温で一晩水素添加した。反応混合物をセライト濾過し、エタノール洗浄し、濾液を減圧濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン−メタノール系)により精製し、標記化合物 5.5mg(収率18%)を結晶として得た。
【0172】
・融点;169〜171℃
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
3.86(3H,s), 3.88(3H,s), 4.00(3H,s), 6.04(1H,br-s),
6.36(1H,d,J=2.4Hz), 6.50(1H,d,J=2.4Hz), 7.05(1H,d,J=8.4Hz),
7.67(1H,dd,J=8.4Hz,2.0Hz), 7.70(1H,d,J=2.0Hz)
・MS (FAB);345(MH+)
製造例19
N,N−ジエチル−3,4−ジメトキシベンズアミド(ベラトルム酸ジエチルア ミド)
【0173】
【化71】
Figure 0003786447
【0174】
ベラトルム酸22.5gをジクロロメタン 200mlに溶解し、そこに塩化チオニル90mlを室温でゆっくりと加えて4時間加熱還流した。減圧下溶媒留去した後、残渣をテトラヒドロフラン 100mlに溶解し、0℃に冷却した。そこにジエチルアミン46gのテトラヒドロフラン 200ml溶液を加え、室温に昇温して 2.5時間攪拌した。その後反応液を氷水中に流し込み有機層を抽出し、水洗した後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次いで減圧下溶媒留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール= 100/1)で精製し、標記化合物22.023g(収率75%)を油状物として得た。
【0175】
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
6.96(1H,dd,J=8.8Hz,2.0Hz), 6.96(1H,d,J=2.0Hz), 6.86(1H,d,J=8.8Hz),
3.90(3H,s), 3.90(3H,s), 3.60〜3.30(4H,br), 1.28〜1.15(6H,br)
製造例20
N,N−ジエチル−2−ブロモ−4,5−ジメトキシベンズアミド
【0176】
【化72】
Figure 0003786447
【0177】
ベラトルム酸ジエチルアミド 997mgを酢酸10mlに溶解し、臭素0.25mlを加えて室温で2時間、次いで50℃で17時間攪拌した。そこにさらに臭素0.23mlを加え、50℃で7時間攪拌した後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣を酢酸エチルで溶解し、水洗、次いでチオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、さらに水、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール= 100/1)で精製して、標記化合物 1.223g(収率92%)をろう状固体として得た。
【0178】
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
7.00(1H,s), 6.75(1H,s), 3.89(3H,s), 3.86(3H,s), 3.37〜3.16(4H,br),
1.27(3H,t,J=7.0Hz), 1.08(3H,t,J=7.0Hz)
製造例21
2,3,4−トリメトキシブロモベンゼン
【0179】
【化73】
Figure 0003786447
【0180】
1,2,3−トリメトキシベンゼン10gをクロロホルム 100mlに溶解し、47%臭化水素酸水溶液を触媒量加えた。そこに臭素3mlを加え、室温で35分間攪拌した後、反応液を水中にあけ、炭酸水素ナトリウムで中和した。有機層を分離し、水洗、次いで飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=20/1)で精製して、標記化合物12.908g(収率88%)を油状物として得た。
【0181】
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
7.21(1H,d,J=9.2Hz), 6.59(1H,d,J=9.2Hz), 3.91(3H,s), 3.89(3H,s),
3.85(3H,s)
製造例22
2,3,4−トリメトキシフェニルホウ酸
【0182】
【化74】
Figure 0003786447
【0183】
窒素気流下、2,3,4−トリメトキシブロモベンゼン5.05gをテトラヒドロフラン50mlに溶解し、n−ブチルリチウム(1.66Nヘキサン溶液)14mlを−78℃でゆっくり加えた。同温で15分間攪拌した後、トリメトキシボラン10mlをゆっくり加え、室温に昇温して終夜攪拌した。1N塩酸を加え、反応を停止した後、酢酸エチルで抽出し、水洗、次いで飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒留去して、標記化合物3.15gを油状物として得た。これは精製せずに次の反応に用いた。
【0184】
製造例23
N,N−ジエチル−2 ', ', ', 4,5−ペンタメトキシ−2−ビフェニルカルボキシアミド
【0185】
【化75】
Figure 0003786447
【0186】
N,N−ジエチル−2−ブロモ−4,5−ジメトキシベンズアミド2.94gを1,2−ジメトキシエタン30mlに溶解し、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム 538mgを加え、室温で10分間攪拌した。そこに2,3,4−トリメトキシフェニルホウ酸3.15g、次いで炭酸ナトリウムの2規定水溶液10mlを加え加熱還流した。還流開始後 2.5時間及び 4.5時間後に2,3,4−トリメトキシフェニルホウ酸をそれぞれ 1.5g、 280mgずつ加え、27時間後に還流を停止した。反応液をフロリジルパッドで濾過し、溶媒留去した後、残渣を酢酸エチルで溶解し、水洗、次いで飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/2)で精製して、標記化合物 1.601gをろう状固体として得た。
【0187】
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
7.01(1H,d,J=8.8Hz), 6.89(1H,s), 6.87(1H,s), 6.64(1H,d,J=8.8Hz),
3.92(3H,s), 3.90(3H,s), 3.88(3H,s), 3.86(3H,s), 3.81(3H,s),
3.38〜2.71(4H,br), 0.98〜0.84(6H,m)
実施例6
3,4,8,9−テトラヒドロキシ−6H−ジベンゾ〔b,d〕ピラン−6−オン
【0188】
【化76】
Figure 0003786447
【0189】
N,N−ジエチル−2',3',4',4,5−ペンタメトキシ−2−ビフェニルカルボキシアミド 1.6gをジクロロメタン15mlに溶解し、−78℃に冷却した。そこに三臭化ホウ素(1.0Mジクロロメタン溶液)30mlを加え、室温に昇温して3時間攪拌した。再び−78℃に冷却し、メタノール10ml、次いで水10mlを加えた後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣を酢酸20mlに溶解し、終夜加熱還流した。次いで減圧下溶媒留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、標記化合物 730mgを針状結晶として得た。
【0190】
・融点;>290℃
1H−NMR(DMSO-d6) δ ppm;
10.58〜8.82(4H,br), 7.48(1H,s), 7.39(1H,s), 7.29(1H,d,J=8.8Hz),
6.77(1H,d,J=8.8Hz)
13C−NMR(DMSO-d6) δ ppm;
160.650, 153.815, 147.132, 146.585, 140.934, 133.136, 130.086,
114.626, 112.692, 112.662, 111.220, 111.053, 107.526
・MS;261(MH+)
実施例7
7,8−ジメトキシクマリン及び7(8)−メトキシ−8(7)ヒドロキシクマリン
【0191】
【化77】
Figure 0003786447
【0192】
【化78】
Figure 0003786447
【0193】
【化79】
Figure 0003786447
【0194】
水素化ナトリウム(60%鉱油分散)176mgのジメチルホルムアミド 3.5ml溶液に、7,8−ジヒドロキシクマリン(Aust. J. Chem., vol.27, pp.2697に従い合成)356mg を加え、室温で5分間攪拌した。ここに、ヨウ化メチル 156mlを加え、1時間氷冷下で攪拌した。水にて希釈、酢酸 300μlを加えて中和し、酢酸エチルにて抽出し、有機層を2回水洗、飽和食塩水にて1回洗った後、硫酸マグネシウムにて乾燥、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1にて溶出)にて生成物を分離し、7,8−ジメトキシクマリン及び7(8)−ヒドロキシ−8(7)メトキシクマリン(可能な位置異性体の一方(a))を含む低極性分画(205mg) 及び7(8)−ヒドロキシ−8(7)メトキシクマリン(可能な位置異性体のもう一方(b))からなる高極性分画(79mg) をそれぞれ得た。低極性分画はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル=9:1にて溶出)にてさらに分離し、7,8−ジメトキシクマリン(72mg)及び7(8)−ヒドロキシ−8(7)−メトキシクマリン(位置異性体(a))(58mg) をそれぞれ得た。
【0195】
7,8−ジメトキシクマリン
【0196】
【化80】
Figure 0003786447
【0197】
・性状;結晶
・融点;118.7〜119.6℃
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
3.95(3H,s), 4.00(3H,s), 6.26(1H,d,J=9.6Hz), 6.87(1H,d,J=8.8Hz),
7.17(1H,d,J=8.8Hz), 7.62(1H,d,J=9.6Hz)
7(8)−ヒドロキシ−8(7)メトキシクマリン(b)
【0198】
【化81】
Figure 0003786447
【0199】
・性状;結晶
・融点;160.4〜160.9℃
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
4.00(3H,s), 5.83(1H,br-s), 6.27(1H,d,J=9.4Hz), 6.87(1H,d,J=8.4Hz),
7.02(1H,d,J=8.4Hz), 7.64(1H,d,J=9.4Hz)
7(8)−ヒドロキシ−8(7)メトキシクマリン(a)
【0200】
【化82】
Figure 0003786447
【0201】
・性状;結晶
・融点;158.3〜159.1℃
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
4.13(3H,s), 6.24(1H,d,J=9.6Hz), 6.24(1H,s), 6.90(1H,d,J=8.6Hz),
7.11(1H,d,J=8.6Hz), 7.63(1H,d,J=9.6Hz)
実施例8
4−フェニル−7,8−ジヒドロキシクマリン
【0202】
【化83】
Figure 0003786447
【0203】
ピロガロール2.52g、ベンゾイル酢酸エチル3.46mlをトリフルオロ酢酸5mlに溶解し、2時間加熱還流した。室温に冷却後、水50mlを加え、生じた沈殿を濾取し、水、次いでヘキサンで洗った。減圧乾燥した後、ジクロロメタン 100mlに分散し、沈殿を濾取して、標記化合物2.04gを結晶として得た。
【0204】
・融点;116.4〜118.8℃
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
6.22(1H,s), 6.86(1H,d,J=8.8Hz), 7.00(1H,d,J=8.8Hz),
7.43〜7.47(2H,m), 7.50〜7.54(3H,m)
実施例9
4−(3,4−ジメトキシフェニル)−7,8−ジヒドロキシクマリン
【0205】
【化84】
Figure 0003786447
【0206】
3,4−ジメトキシベンゾイル酢酸エチル4.33gとピロガロール2.16gをトリフルオロ酢酸45mlに加え、8時間加熱還流した。氷水 150ml中にあけ、生じた沈殿を濾取し、水、ジイソプロピルエーテル、水にて順次洗った。室温にて減圧乾燥し、粗成績体 1.7gを得た。メタノールより再結晶して、純粋な標記化合物350mg を結晶として得た。
【0207】
・融点;274.1〜274.4℃(分解)
1H−NMR(DMSO-d6) δ ppm;
3.79(3H,s), 3.81(3H,s), 6.12(1H,s), 6.77(1H,d,J=8.8Hz),
6.90(1H,d,J=8.8Hz), 7.04(1H,dd,J=1.8Hz,8.4Hz), 7.07(1H,d,J=1.8Hz),
7.09(1H,d,J=8.4Hz), 9.36(1H,br-s), 10.14(1H,br-s)
実施例10
4−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−7,8−ジヒドロキシクマリン
【0208】
【化85】
Figure 0003786447
【0209】
4−(3,4−ジメトキシフェニル)−7,8−ジヒドロキシクマリン 157mg(0.5mmol) をジクロロメタン3mlに懸濁し、窒素気流下、三臭化ホウ素ジクロロメタン溶液(1.0M)1.5mlを滴下した。室温にて1.25時間攪拌後、三臭化ホウ素ジクロロメタン溶液(1.0M)1.0mlをさらに滴下した。室温にて15分間攪拌後、水を加えて析出した固体を濾取し、水洗して、標記化合物 137mgを結晶として得た。
【0210】
・融点;288℃(分解)
1H−NMR(DMSO-d6) δ ppm;
5.98(1H,s), 6.75〜6.80(2H,m), 6.84〜6.86(2H,m), 6.91(1H,d,J=8.8Hz),
8.30(1H,dd,J=10.8Hz), 9.25(1H,s), 9.33(1H,s), 9.39(1H,s),
10.09(1H,s)
実施例11
3−(3,4−ジメトキシフェニル)−7,8−ジメトキシクマリン
【0211】
【化86】
Figure 0003786447
【0212】
3,4−ジメトキシ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド 394mgのジクロロメタン11ml溶液に炭酸カリウム20%水溶液30mlと硫酸水素テトラブチルアンモニウム 220mg、次いで3,4−ジメトキシフェニルアセチルクロライド 511mgのジクロロメタン11ml溶液を加え、室温で3時間激しく攪拌した。有機層を分取し、水槽はジクロロメタンにてさらに1回抽出した。有機層を合わせて水洗、飽和食塩水洗いし、硫酸マグネシウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1→1:1→酢酸エチルにて溶出)にて精製し、標記化合物 220mgを固体として得た。
【0213】
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
3.93(3H,s), 3.95(3H,s), 3.97(3H,s), 4.04(3H,s), 6.90(1H,d,J=8.8Hz),
6.93(1H,d,J=8.4Hz), 7.23(1H,d,J=8.8Hz), 7.26(1H,dd,J=8.4Hz,2.0Hz),
7.29(1H,d,J=2.0Hz), 7.71(1H,s)
実施例12
3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−7,8−ジヒドロキシクマリン
【0214】
【化87】
Figure 0003786447
【0215】
3−(3,4−ジメトキシフェニル)−7,8−ジメトキシクマリン 220mgのジクロロメタン 4.4ml溶液に、三臭化ホウ素ジクロロメタン溶液(1.0M)3.86mlを滴下し、室温にて1時間攪拌した。水と酢酸エチルを加え、不溶物を濾去、有機層を水洗、飽和食塩水洗いし、硫酸マグネシウムにて乾燥、溶媒を減圧留去した。残渣にジクロロメタンを加えて析出した結晶を濾取し、標記化合物 140mgを結晶として得た。
【0216】
・融点;297℃(分解)
1H−NMR(DMSO-d6) δ ppm;
7.05(1H,d,J=8.4Hz), 7.16(1H,d,J=2.4Hz), 7.93(1H,s),
6.75(1H,d,J=8.4Hz), 6.79(1H,d,J=8.4Hz), 6.97(1H,dd,J=2.4Hz,8.4Hz),
9.00(1H,br-s), 9.10(1H,br-s), 9.33(1H,br-s), 10.02(1H,br-s)
実施例13
4−(4−メトキシフェニル)−7−ヒドロキシクマリン
【0217】
【化88】
Figure 0003786447
【0218】
レゾルシノール2.22g及び(4−メトキシフェニル)アセト酢酸エチル1.21gをトリフルオロ酢酸11mlに溶解し、2時間加熱還流した。反応液を冷却後、水及びジイソプロピルエーテルを加え、析出した固体を濾取し、ジエチルエーテルにて洗浄して、標記化合物1.00gを結晶として得た。
【0219】
・融点;268.2〜268.7℃
1H−NMR(DMSO-d6) δ ppm;
3.82(3H,s), 6.08(1H,s), 6.76(2H,d,J=9.2Hz), 6.77(1H,s),
7.09(2H,dd,J=6.5Hz,2.2Hz), 7.33(1H,d,J=9.2Hz),
7.46(2H,dd,J=2.2Hz,6.5Hz), 10.60(1H,br-s)
実施例14
4−(4−ヒドロキシフェニル)−7−ヒドロキシクマリン
【0220】
【化89】
Figure 0003786447
【0221】
4−(4−メトキシフェニル)−7−ヒドロキシクマリン 536mgを窒素雰囲気下ジクロロメタン10.7mlに懸濁し、三臭化ホウ素ジクロロメタン溶液(1.0M)7.2mlを室温にて滴下した。30分間室温にて攪拌後、三臭化ホウ素ジクロロメタン溶液(1.0M)2.0mlを滴下し、1時間室温にて攪拌した。水を加えて反応を停止し、生じた結晶を濾取、水とジエチルエーテルで順次洗浄し、乾燥して、標記化合物363mg を結晶として得た。
【0222】
・融点;248.6〜249.1℃
1H−NMR(DMSO-d6) δ ppm;
6.05(1H,s), 6.74〜6.78(2H,m), 6.90(2H,dd,J=6.8Hz,2.0Hz),
7.34(2H,dd,J=6.8Hz,2.0Hz), 7.37(1H,d,J=9.2Hz), 9.93(1H,s),
10.59(1H,br-s)
実施例15
3−(4−ヒドロキシフェニル)−7−ヒドロキシクマリン
【0223】
【化90】
Figure 0003786447
【0224】
3−(4−メトキシフェニル)−7−メトキシクマリン1.00g(3.55mmol)をジクロロメタン10mlに懸濁し、三臭化ホウ素ジクロロメタン溶液(1.0M)14.2mlを滴下して、室温にて1時間攪拌した。さらにジクロロメタン10mlと三臭化ホウ素ジクロロメタン溶液(1.0M)4.0mlを加え、1時間室温にて攪拌した。水を滴下して反応を終結させ、析出した固体を濾取し、乾燥、さらにメタノールより再結晶して、標記化合物 538mgを結晶として得た。
【0225】
・融点;>300℃
1H−NMR(DMSO-d6) δ ppm;
6.71(1H,d,J=2.4Hz), 6.78〜6.80(3H,m), 7.51(2H,m),
7.54(1H,d,J=8.4Hz), 8.00(1H,s), 9.64(1H,br-s), 10.50(1H,br-s)
実施例16
3−(4−メトキシフェニル)−8−メトキシクマリン
【0226】
【化91】
Figure 0003786447
【0227】
2−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド 1.754gのジクロロメタン20ml溶液に20%炭酸カリウム水溶液150mlと硫酸水素テトラブチルアンモニウム1.0gを加え、4−メトキシフェニルアセチルクロライド 2.694gのジクロロメタン20ml溶液を滴下して、室温にて一夜攪拌した。ジクロロメタンにて2回抽出し、有機層を水洗、飽和食塩水洗い、硫酸マグネシウム乾燥し、溶媒を減圧留去した。メタノールにて再結晶し、標記化合物 1.235gを結晶として得た。
【0228】
・融点;145.2〜146.1℃
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
3.86(3H,s), 3.99(3H,s), 6.97(2H,m), 7.06(1H,dd,J=1.2Hz,8.0Hz),
7.10(1H,dd,J=1.2Hz,8.0Hz), 7.21(1H,t,J=8.0Hz), 7.60(2H,m),
7.74(1H,s)
実施例17
3−(2−ピリジル)−7−メトキシクマリン
【0229】
【化92】
Figure 0003786447
【0230】
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンズアルデヒド1.00g、(2−ピリジル)−酢酸エチル0.66g、ピペリジン 0.1mlをイソプロパノール20mlに溶解し、 100℃にて19時間加熱した。室温まで冷却し、析出した結晶を濾取、イソプロパノールにて洗浄し、標記化合物 980mgを結晶として得た。
【0231】
・融点;149.3〜149.7℃
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
3.90(3H,s), 6.87(1H,d,J=2.4Hz), 6.89(1H,dd,J=2.4Hz,8.4Hz),
7.27(1H,ddd,J=1.0Hz,4.2Hz,8.8Hz), 7.55(1H,d,J=8.4Hz),
7.77(1H,dt,J=2.0Hz,4.2Hz), 8.40(1H,td,J=1.0Hz,8.4Hz),
8.67(1H,qd,J=1.0Hz,4.2Hz), 8.73(1H,s)
実施例18
3−(2−ピリジル)−7−ヒドロキシクマリン
【0232】
【化93】
Figure 0003786447
【0233】
3−(2−ピリジル)−7−メトキシクマリン 510mgとピリジン塩酸塩 2.0gを混合し、 210℃にて30分間加熱した。反応混合物を室温まで冷却後、水を加え、析出した固体を濾取、水洗、乾燥して、標記化合物 479mgを結晶として得た。
【0234】
・融点;>300℃
1H−NMR(DMSO-d6) δ ppm;
6.81(1H,d,J=2.0Hz), 6.88(1H,dd,J=2.0Hz,8.4Hz),
7.55(1H,dd,J=5.6Hz,6.8Hz), 7.74(1H,d,J=8.4Hz),
8.08(1H,dd,J=6.8Hz,8.4Hz), 8.30(1H,d,J=8.4Hz), 8.73(1H,d,J=5.6Hz),
8.82(1H,s)
実施例19
3−(4−ヒドロキシフェニル)−8−ヒドロキシクマリン
【0235】
【化94】
Figure 0003786447
【0236】
3−(4−メトキシフェニル)−8−メトキシクマリン 1.128gをジクロロメタン22mlに懸濁し、窒素気流下、三臭化ホウ素ジクロロメタン溶液(1.0M)を滴下した。室温にて5時間攪拌した後、水を滴下して反応を停止させ、析出した固体を濾取、水洗して、標記化合物 804mgを結晶として得た。
【0237】
・融点;257.7℃(分解)
1H−NMR(DMSO-d6) δ ppm;
6.82(2H,d,J=8.6Hz), 7.04(1H,dd,J=3.2Hz,6.4Hz), 7.10〜7.15(2H,m),
7.57(1H,d,J=8.6Hz), 8.06(1H,s), 9.70(1H,br-s), 10.16(1H,br-s)
製造例24
2−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4−ジメチルオキサゾリン
【0238】
【化95】
Figure 0003786447
【0239】
3,4−ジメトキシ安息香酸9.11gのジクロロメタン90ml溶液にチオニルクロリド4.35ml(60mmol)を加え、50℃にて1時間加熱した。減圧留去した後、残渣をジクロロメタン20mlに溶解し、氷冷下、2,2−ジメチルアミノエタノール11.4mlのジクロロメタン20ml溶液を滴下し、氷冷下1時間攪拌した。不溶物を濾去し、濾液を減圧乾固した。残渣をジクロロメタン40mlに溶解し、チオニルクロリド8.7ml を氷冷下滴下し、5分間攪拌後、減圧留去した。残渣を水に溶解し、炭酸水素ナトリウムにてpH=8に調整した。酢酸エチルにて2回抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄、硫酸マグネシウムにて乾燥し、粗成績体11.7gを得た。残渣をジクロロメタン−ヘキサンより再結晶し、標記化合物 9.5gを結晶として得た。
【0240】
・融点;63.0〜63.5℃
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
1.38(6H,s), 3.92(3H,s), 3.94(3H,s), 4.09(2H,s), 6.87(1H,d,J=8.4Hz),
7.46(1H,d,J=2.0Hz), 7.53(1H,dd,J=2.0Hz,8.4Hz)
製造例25
2−(3,4−ジメトキシ−2−ヨードフェニル)−4,4−ジメチルオキサゾリン
【0241】
【化96】
Figure 0003786447
【0242】
2−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4−ジメチルオキサゾリン3.00gをテトラヒドロフラン 100mlに溶解し、窒素気流下、寒剤にて冷却しながら、ノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M)8.8mlを内温−15℃から−11℃にて滴下した。 1.5時間攪拌し、ヨウ素3.78gのテトラヒドロフラン60ml溶液を滴下し、室温に昇温させて 1.5時間攪拌した。冷却下、水5ml、次いでチオ硫酸ナトリウム水溶液(5.4g/30ml) を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水洗、飽和食塩水洗い、硫酸マグネシウム乾燥し、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1→3:2にて溶出)にて精製し、標記化合物 2.585gを油状物として得た。
【0243】
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
1.41(6H,s), 3.82(3H,s), 3.88(3H,s), 4.12(2H,s), 6.88(1H,d,J=8.5Hz),
7.31(1H,d,J=8.5Hz)
製造例26
2,2’−ビス(2−(4,4−ジメチルオキサゾリニル))−3,3 ', 4, 4' −テトラメトキシビフェニル
【0244】
【化97】
Figure 0003786447
【0245】
2−(3,4−ジメトキシ−2−ヨードフェニル)−4,4−ジメチルオキサゾリン1.04gをジメチルホルムアミド 1.5mlに溶解し、銅粉1.01gを加えて 110℃にて 2.5時間、 140℃にて 1.5時間攪拌した。ジクロロメタン20mlを加えて不溶物を濾去し、残渣は 180mlのジクロロメタンで洗った。洗液と濾液をあわせてアンモニア水(100ml×3)で洗い、水洗、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール= 100:1→50:1→10:1にて溶出)にて精製し、標記化合物 364mgを結晶として得た。
【0246】
・融点;90.6〜92.4℃
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
1.14(6H,s), 1.26(6H,s), 3.57(2H,d,J=8.2Hz), 3.65(6H,s),
3.74(1H,d,J=8.2Hz), 3.93(6H,s), 6.92(2H,d,J=8.8Hz),
7.62(2H,d,J=8.8Hz)
実施例20
5,10−ジヒドロキシ−1,6−ジオキサ−2,7−ジオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロピロン
【0247】
【化98】
Figure 0003786447
【0248】
2,2’−ビス(2−(4,4−ジメチルオキサゾリニル))−3,3',4,4’−テトラメトキシビフェニル 120mgとピリジン塩酸塩 490mgを混合し、200 ℃にて20分間加熱した。室温まで冷却後、水5mlを加え、析出した固体を遠心分離(2500rps, 5min) にて分離した。エチルエーテル、水にて洗った後、乾燥し、標記化合物50mgを結晶として得た。
【0249】
・融点;>300℃
1H−NMR(DMSO-d6) δ ppm;
7.31(2H,d,J=8.6Hz), 7.96(2H,d,J=8.6Hz), 11.4〜12.0(2H,br-s)
13C−NMR(DMSO-d6) δ ppm;
110.3, 119.6, 127.0, 137.0, 150.9, 159.3
実施例21
エラグ酸テトラアセテート
【0250】
【化99】
Figure 0003786447
【0251】
エラグ酸2水和物 5.0gをピリジン 125mlに懸濁させ、無水酢酸50mlを加え3時間加熱還流した。析出している生成物を熱時濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥すると、標記化合物4.47gが淡黄色結晶として得られた。さらに、冷却した母液より析出した結晶を濾過し、0.58gの標記化合物を得た。
【0252】
・融点;>300℃
1H−NMR(CDCl3) δ ppm;
2.39(6H,s), 2.47(6H,s), 8.07(2H,s)
・MS;471(M+H)+
実施例22
エラグ酸4,4’−ジアセテート
【0253】
【化100】
Figure 0003786447
【0254】
エラグ酸テトラアセテート 2.0gをピリジン10mlに懸濁させ加熱した。還流を始めると同時に水5mlを加え、その後4分間加熱還流した。この間一旦溶解後析出した結晶を冷後濾過し、水、メタノール、アセトンで洗浄し、乾燥した。ジメチルホルムアミドより再結晶すると、標記化合物 800mgが無色の結晶として得られた。
【0255】
・融点;>300℃
1H−NMR(DMSO-d6) δ ppm;
2.89(6H,s), 7.95(2H,s)
・MS;387(M+H)+
製造例27
4,4 ', 6,6’−テトラニトロ−2,2’−ビフェニルジカルボン酸
【0256】
【化101】
Figure 0003786447
【0257】
濃硫酸 165mlに氷冷下発煙硝酸 220mlを加えると、内温が35℃まで上昇した。これに2,2’−ビフェニルジカルボン酸 22.22gを少しずつ加え、内温が85℃になるまで加熱した。同温度にて7時間攪拌後、反応液を冷却し、氷水2リットル中に加え、酢酸エチル 500mlで2回抽出した。抽出液を飽和食塩水 500mlで2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を留去すると、標記化合物 33.43gが黄色不定形固体として得られた。
【0258】
1H−NMR(DMSO-d6) δ ppm;
9.11(2H,d,J=2.5Hz), 8.94(2H,d,J=2.5Hz)
実施例23
4,4’−ジニトロ−6,6’−ジヒドロキシジフェニル酸 2,6,2 ', 6’−ジラクトン
【0259】
【化102】
Figure 0003786447
【0260】
4,4',6,6’−テトラニトロ−2,2’−ビフェニルジカルボン酸29.8gをジメチルホルムアミド50mlに溶解させ、 130℃にて9時間攪拌した。冷後、反応液より溶媒を留去し、メタノール 100mlを加え、析出した結晶を濾過した。エタノール、続いてn−ヘキサンで洗浄し、乾燥すると、標記化合物 14.74gが褐色の粉末として得られた。
【0261】
・融点;>300℃
1H−NMR(DMSO-d6) δ ppm;
8.84(2H,d,J=2.0Hz), 8.76(2H,d,J=2.0Hz)
・MS (EI) ;328(M+)
実施例24
3,3’−ジ−O−メチルエラグ酸 (R R' H) 及び3,3 ', 4−トリ−O−メチルエラグ酸 (R H, R' Me)
【0262】
【化103】
Figure 0003786447
【0263】
エラグ酸 2.0gをジメチルホルムアミド30mlに懸濁し、炭酸カリウム 2.0gを加え、室温にて30分間攪拌した。これにヨウ化メチル 3.5gを加え、60℃にて5時間攪拌した。冷後、反応溶液に1N塩酸を加えて酸性とし、酢酸エチル 300mlと氷水 300mlの混液中に加え、有機層を分取した。硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒を留去し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=98:2)にて精製すると、ジメチル体が黄色粉末として35mg、トリメチル体が黄色粉末として58mg得られた。
【0264】
3,3’−ジ−O−メチルエラグ酸
1H−NMR(DMSO-d6) δ ppm;7.51(2H,s), 4.02(6H,s)
・融点;>320℃
・MS;331(M+H)+
3,3 ', 4−トリ−O−メチルエラグ酸
1H−NMR(DMSO-d6) δ ppm;
7.55(1H,s), 7.50(1H,s), 4.02(3H,s), 4.01(3H,s), 4.00(3H,s)
・融点;>320℃
・MS;345(M+H)+
実施例25
4,4’−ジアミノ−6,6’−ジヒドロキシジフェニル酸 2,6,2 ', 6’−ジラクトン
【0265】
【化104】
Figure 0003786447
【0266】
パラジウム−炭素(10%)330mgをテトラヒドロフラン10ml、水5ml、酢酸5mlの混液に懸濁させ、これに4,4’−ジニトロ−6,6’−ジヒドロキシジフェニル酸 2,6,2',6’−ジラクトン1.42gのテトラヒドロフラン 100ml懸濁液を加え、水素気流下、常温常圧にて接触還元を一夜行った。溶媒の3分の2を注意して留去し、これにジメチルホルムアミド 200mlを加え、加熱して析出した生成物を溶解した。熱時濾過してパラジウム−炭素を濾去し、母液を濃縮した。得られた残渣にメタノール20mlを加え、不溶の固体を濾取すると、標記化合物 400mgが赤褐色の粉末として得られた。
【0267】
・融点;>300℃
1H−NMR(DMSO-d6) δ ppm;
7.18(2H,d,J=2.0Hz), 6.91(2H,d,J=2.0Hz), 6.02(4H,s)
・MS (EI) ;268(M+)

Claims (8)

  1. 下記一般式(I)、(II)又は (III)
    Figure 0003786447
    Figure 0003786447
    Figure 0003786447
    〔式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8,R9,R10,R11,R12,R13,R14, R 17 ,R 18 ,R 19 及び R 20 は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、-OCOCH3、-OQ(ここで Qは水素原子又は低級アルキル基を示す)、-NO2 又は -NH 2 を示す。 R 15 及び R 16 は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、又は置換基として水酸基及びアルコキシ基から選ばれる一以上を有していてもよい芳香環基あるいは複素環基をそれぞれ示す。〕
    で表される化合物群から選択されるベンゾピラノン骨格を有する化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分とするC型肝炎の予防・治療剤。
  2. 一般式(I)
    Figure 0003786447
    〔式中、R1,R2,R3,R4,R5及びR6は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、-OCOCH3、-OQ(ここで Qは水素原子又は低級アルキル基を示す)、-NO2 又は -NH 2 を示す。
    で表されるベンゾピラノン骨格を有する化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分とするC型肝炎の予防・治療剤。
  3. 一般式(II)
    Figure 0003786447
    〔式中、R7,R8,R9,R10,R11,R12,R13及びR14は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、-OCOCH3、-OQ(ここで Qは水素原子又は低級アルキル基を示す)、-NO2 又は -NH 2 を示す。
    で表されるベンゾピラノン骨格を有する化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分とするC型肝炎の予防・治療剤。
  4. 一般式(III)
    Figure 0003786447
    〔式中、R 17 ,R18,R19及びR20は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、-OCOCH3、-OQ(ここで Qは水素原子又は低級アルキル基を示す)、-NO2 又は -NH 2 を示す。 R 15 及び R 16 は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、又は置換基として水酸基及びアルコキシ基から選ばれる一以上を有していてもよい芳香環基あるいは複素環基をそれぞれ示す。〕
    で表されるベンゾピラノン骨格を有する化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分とするC型肝炎の予防・治療剤。
  5. 一般式(I)において、R1,R2,R5及びR6が水酸基であり、R3及びR4が水素原子である請求項1又は2記載のC型肝炎の予防・治療剤。
  6. 一般式(II)において、R7,R8,R12及びR13が水酸基であり、R9,R10,R11及び R14が水素原子である請求項1又は3記載のC型肝炎の予防・治療剤。
  7. 一般式(III) において、R19及びR20が水酸基であり、 R16,R17及びR18が水素原子であり、R15が3,4−ジヒドロキシフェニル基である請求項1又は4記載のC型肝炎の予防・治療剤。
  8. 一般式(III) において、R19及びR20が水酸基であり、 R15,R17及びR18が水素原子であり、R16が3,4−ジヒドロキシフェニル基である請求項1又は4記載のC型肝炎の予防・治療剤。
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