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JP3786348B2 - 光ピックアップ用高周波重畳モジュール - Google Patents

光ピックアップ用高周波重畳モジュール Download PDF

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JP3786348B2 JP2001240596A JP2001240596A JP3786348B2 JP 3786348 B2 JP3786348 B2 JP 3786348B2 JP 2001240596 A JP2001240596 A JP 2001240596A JP 2001240596 A JP2001240596 A JP 2001240596A JP 3786348 B2 JP3786348 B2 JP 3786348B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、DVD、MD、CD等のような光記録媒体を用いた情報記録再生装置に備えられる光ピックアップ用高周波重畳モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
光ピックアップによる再生動作時には、戻り光ノイズによりレーザノイズが誘起される。このレーザノイズの発生を防止するため、特公昭59-9086号公報には、レーザダイオードを駆動する直流電流に高周波電流を重畳してマルチモードで駆動することが開示されている。図5(A)はこの高周波電流を重畳して駆動する高周波重畳モジュールの従来の回路構成を示すブロック図である。
【0003】
図5(A)において、1はレーザダイオード、2はこれらを駆動するための高周波重畳モジュールである。高周波重畳モジュール2は、レーザダイオード1にフィルタ3を介して直流電流を供給するための電源端子4と、レーザダイオード1に高周波電流を供給するための発振回路5と、該発振回路5の直流電源端子6と、発振した高周波が電源端子6側に戻ることを防止するフィルタ7と、発振回路とレーザダイオード1側の回路とのインピーダンス整合をとり反射を防止するためのインピーダンス整合回路8とを有している。
【0004】
発振回路5は、LC共振現象を用いた発振回路を構成するもので、数百MHzの周波数で発振し、電源端子4からの直流電流に高周波電流を重畳してレーザダイオード1を駆動する。これにより、レーザダイオード1により発生する光出力は一定波長間隔の複数の波長においてピークが存在してそのピークの包絡線が山状をなす出力が得られる。すなわちレーザ光の縦モードがマルチ化され、前記モードポッピングノイズが防止される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
1つの光ピックアップの中にDVD用、CD用など出力レーザー光の波長が異なる複数のレーザダイオードを備える必要がある。このような複数のレーザダイオードを有する場合、2つのレーザダイオードを配置する場合と、図5(B)に示すように、1つの基板9に接着層10を介してDVD用レーザダイオード1AとCD用レーザダイオード1Bを配置したものと、図5(C)に示すように、1つの基板11上にDVD用レーザダイオード1AとCD用レーザダイオード1Bとを一体に形成し、これを基板9に取付けたものとがある。図5(B)、(C)に示すように、1つの基板上に2つのレーザダイオードを設けたものは、小型化する上で有効であり、また、直交するレーザー光を同方向に導くための素子が不要になるという利点がある。
【0006】
なかでも、図5(C)のように、1つの基板11上に2つのレーザダイオード1A、1Bを形成したものは、これらのレーザダイオード1A、1B間の間隔を狭くしかも正確に設定することができ、このために図5(B)に示すように接着による場合に比較して、位置調整等のための手段が不要になるという利点がある。
【0007】
出力レーザー光が直交するように2つのレーザダイオードを配置する場合と、図5(B)に示すレーザダイオードの配置の場合、個々のレーザダイオードは独立に作製される。このような場合、CD用レーザダイオード1Bについては、自励発振を利用することにより、前記発振回路5が必ずしも必要でない場合が生じるが、図5(C)に示すように、同一基板上に2つのレーザダイオード1A、1Bを形成する場合、材質等の関係上、CD用のレーザダイオード1Bも発振回路5により発生する高周波電流を直流電流に重畳して該レーザダイオード1Bに供給する必要がある。この場合、各レーザダイオードごとにレーザダイオードに対応する発振回路を設けると、構成する部品数が多くなり、コストアップになる上、小型化が困難になるという問題点があった。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑み、光ピックアップ用の複数のレーザダイオードを備え、直流電流に高周波電流を重畳してレーザダイオードに流す光ピックアップ用高周波重畳モジュールにおいて、構成が簡略化され、小型化、コスト削減が図れるものを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の光ピックアップ用高周波重畳モジュールは、異なる波長のレーザ光を出力する複数の光ピックアップ用レーザダイオードを備えると共に、
1つの発振回路を、前記複数のレーザダイオードに対する高周波電流供給源として共用し、
前記発振回路を構成するインダクタと、前記各レーザダイオードに接続されて電源側への高周波の戻りを防止するインダクタの少なくとも一部のものとを誘導結合してレーザダイオードへ高周波を加える構成とした
ことを特徴とする。
【0010】
請求項2の光ピックアップ用高周波重畳モジュールは、異なる波長のレーザ光を出力する複数の光ピックアップ用レーザダイオードを備えると共に、
1つの発振回路を、前記複数のレーザダイオードに対する高周波電流供給源として共用し、
前記発振回路の電源側への高周波の戻りを防止するインダクタと、前記各レーザダイオードに接続されて電源側への高周波の戻りを防止するインダクタの少なくとも一部のものとを誘導結合してレーザダイオードへ高周波を加える構成とした
ことを特徴とする。
【0011】
このように、1つの発振回路により発生する高周波電流を複数のレーザダイオードに流すように構成すれば、発振回路が1つですみ、部品点数が減少すると共に構成が簡略化され、小型化とコスト削減が図れる。
【0012】
また、発振回路あるいは発生高周波の電源への戻りを防止するインダクタと、レーザダイオードに直列に接続されたインダクタとを誘導結合することによってレーザダイオードへ高周波を加えるように構成したので、さらに部品点数を減少させることが可能になると共に、構成が簡略化され、小型化とコスト削減が図れる。
【0013】
請求項3の光ピックアップ用高周波重畳モジュールは、請求項1または2において、
前記複数のレーザダイオードが、同一基板に各レーザダイオードを一体に形成した構造を有する
ことを特徴とする。
【0014】
このように、前記発振回路の構成を基板に複数のレーザダイオードを形成したものに適用することにより、全体として構成部材のさらなる削減が可能となり、さらなる小型化、コスト削減が可能になる。
【0015】
請求項4の光ピックアップ用高周波重畳モジュールは、請求項1から4までのいずれかにおいて、
前記発振回路の出力である高周波を、少なくとも一部のレーザダイオードに対してコンデンサを介して加える構成とした
ことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による光ピックアップ用高周波重畳モジュールの一実施の形態を示すブロック図、図2はその参考例を示す回路図である。図1において、1Aは光ピックアップ用レーザダイオード、13はこれらを駆動するための高周波重畳モジュールである。高周波重畳モジュール13は、それぞれレーザダイオード1A、1Bにフィルタ3A、3Bを介して直流電流を供給するための電源端子4A、4Bと、レーザダイオード1A、1Bに共通に高周波電流を供給するための発振回路5と、該発振回路5の直流電源端子6と、発振した高周波が電源端子6側に戻ることを防止するフィルタ7と、発振回路とレーザダイオード1側の回路とを電気的に結合するインピーダンス整合回路12とからなる。
【0017】
図2に示すように、前記レーザダイオード1A、1Bに接続されたフィルタ3A、3Bはインダクタにより構成される。また、発振回路5に接続された前記フィルタ7は、インダクタL1とコンデンサC1とからなる。前記発振回路5は、トランジスタQからなる能動素子と、コンデンサC2〜C4、インダクタL2および抵抗R1〜R3の受動素子からなる。該発振回路5は、インダクタL2とコンデンサC2〜C4からなる共振現象を利用したものである。インピーダンス整合回路12は、レーザダイオード1Aに対して発振回路5の出力を加えるためのコンデンサC5、C6と、レーザダイオード1Bに対して発振回路5の出力を加えるためのコンデンサC7、C8とからなる。
【0018】
この構成において、DVD用として光ピックアップを用いる場合は、直流電源端子4Aよりレーザダイオード1Aに直流電流を供給すると同時に、電源端子6より発振回路5に電源を供給して発振させる。該発振回路5は数百MHzの高周波で発振し、コンデンサC5、C6からなるインピーダンス整合回路を介してレーザダイオード1Aに高周波電流を供給する。これにより、レーザダイオード1Aにより発生するレーザ光の縦モードがマルチ化し、レーザノイズの発生が防止される。この場合、コンデンサC7、C8を介してCD用レーザダイオード1Bにも高周波電流が供給されるが、直流電源端子4Bから直流電流が供給されないので発光しない。
【0019】
CD用として光ピックアップを用いる場合は、直流電源端子4Bよりレーザダイオード1Bに直流電流を供給すると同時に、電源端子6より発振回路5に電源を供給して発振させる。発振回路5の出力高周波電流は、コンデンサC7、C8を介してCD用レーザダイオード1Bに供給され、レーザノイズの発生が防止される。
【0020】
このように、発振回路5をDVD用、CD用レーザダイオード1A、1Bに共用することにより、発振回路が1つですみ、部品点数が減少すると共に構成が簡略化され、小型化とコスト削減が図れる。
【0021】
特に図5(C)に示したように、1つの基板11に複数のレーザーダイオード1A、1Bを形成した構成のものは、構成部材が削減できるから、このレーザーダイオードの構成に本発明の発振回路5の数の削減を加えることにより、さらなる部品点数の削減、小型化、コスト削減が図れる。
【0022】
図3は本発明の一実施例を示す回路図であり、この実施例でもインダクタL2とコンデンサC2〜C4からなる共振現象を利用する。この発振回路においては、発振回路5を構成するインダクタL2と、レーザダイオード1A、1Bに直列に接続されたインダクタ3A、3Bと誘導結合(M)により結合してレーザダイオード1A、1Bに高周波電流を供給するものである。
【0023】
本実施例においても前記と同様のレーザノイズ低減効果を奏することができる。さらに、本実施例においては、共振現象を起こすインダクタL2と、電源側への高周波の戻りを防止するインダクタ3A、3Bとを誘導結合して高周波をレーザダイオード1A、1Bに加えているので、図2の参考例に比較して、前記インピーダンス整合回路12の一部のコンデンサC5、C7とが削減でき、さらなる部品点数の削減、構成の簡略化、小型化、コスト削減が可能になるという長所がある。なお、レーザダイオード1A、1Bの一方については、図2の構成のように、コンデンサC5またはC7による容量結合容量によって高周波をレーザダイオード1Aまたは1Bに加えるようにしてもよい。
【0024】
図4は本発明の他の実施例を示す回路図であり、この実施例は、前記レーザダイオード1Aと発振回路5とをコンデンサC5、C6により結合し、発振回路5とレーザダイオード1Bとは、前記フィルタ7を構成するインダクタL1と、レーザダイオード1Bに直列に接続したインダクタ3Bとを誘導結合により結合してなるものである。この構成においても、インダクタ3Bに誘起される高周波により、レーザダイオード1Bに高周波電流が供給される。
【0025】
本実施例においても前記と同様のレーザノイズ効果を奏することができる。また、本実施例においても、図2の参考例に比較して、コンデンサC7が省略でき、部品点数の削減、構成の簡略化、小型化、コスト削減が可能になるという長所がある。なお、図4において、インダクタL1とインダクタ3Aも誘導結合させてもよい。
【0026】
本発明は、レーザダイオードがDVD用、CD用のレーザダイオードのみならず、MD用あるいはその他のレーザダイオードを含む複数のレーザダイオードを備えた光ピックアップにも適用することができる。
【0027】
【発明の効果】
請求項1、2、4によれば、発振回路が1つですみ、部品点数が減少すると共に構成が簡略化され、小型化とコスト削減が図れる。
【0028】
また、発振回路あるいは発生高周波の電源への戻りを防止するインダクタと、レーザダイオードに直列に接続されたインダクタとを誘導結合することによってレーザダイオードへ高周波を加えるように構成したので、さらに部品点数が削減できると共に構成が簡略化され、小型化とコスト削減が図れる。
【0029】
請求項3によれば、前記発振回路の構成を基板に複数のレーザダイオードを形成したものに適用することにより、全体として構成部材のさらなる削減が可能となり、さらなる小型化、コスト削減が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高周波重畳モジュールの一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図1の高周波重畳モジュールの参考例を示す回路図である。
【図3】本発明による高周波重畳モジュールの一実施例を示すブロック図である。
【図4】本発明による高周波重畳モジュールの他の実施例を示すブロック図である。
【図5】(A)は従来の高周波重畳モジュールの一例を示すブロック図、(B)、(C)はそれぞれ従来の複数のレーザダイオードの組み合わせ構造を示す側面図である。
【符号の説明】
1A、1B:レーザダイオード、3A、3B:フィルタ(インダクタ)、4A、4B:直流電源端子、5:発振回路、6:電源端子、7:フィルタ、9、11:基板、10:接着部、12:インピーダンス整合回路、13:高周波重畳モジュール

Claims (4)

  1. 異なる波長のレーザ光を出力する複数の光ピックアップ用レーザダイオードを備えると共に、
    1つの発振回路を、前記複数のレーザダイオードに対する高周波電流供給源として共用し、
    前記発振回路を構成するインダクタと、前記各レーザダイオードに接続されて電源側への高周波の戻りを防止するインダクタの少なくとも一部のものとを誘導結合してレーザダイオードへ高周波を加える構成とした
    ことを特徴とする光ピックアップ用高周波重畳モジュール。
  2. 異なる波長のレーザ光を出力する複数の光ピックアップ用レーザダイオードを備えると共に、
    1つの発振回路を、前記複数のレーザダイオードに対する高周波電流供給源として共用し、
    前記発振回路の電源側への高周波の戻りを防止するインダクタと、前記各レーザダイオードに接続されて電源側への高周波の戻りを防止するインダクタの少なくとも一部のものとを誘導結合してレーザダイオードへ高周波を加える構成とした
    ことを特徴とする光ピックアップ用高周波重畳モジュール。
  3. 請求項1または2の光ピックアップ用高周波重畳モジュールにおいて、
    前記複数のレーザダイオードが、同一基板に各レーザダイオードを一体に形成した構造を有する
    ことを特徴とする光ピックアップ用高周波重畳モジュール。
  4. 請求項1から3までのいずれかの光ピックアップ用高周波重畳モジュールにおいて、
    前記発振回路の出力である高周波を、少なくとも一部のレーザダイオードに対してコンデンサを介して加える構成とした
    ことを特徴とする光ピックアップ用高周波重畳モジュール。
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