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JP3785126B2 - 半導体装置 - Google Patents

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JP3785126B2 JP2002264014A JP2002264014A JP3785126B2 JP 3785126 B2 JP3785126 B2 JP 3785126B2 JP 2002264014 A JP2002264014 A JP 2002264014A JP 2002264014 A JP2002264014 A JP 2002264014A JP 3785126 B2 JP3785126 B2 JP 3785126B2
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Sanyo Electric Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子部品を搭載した複数の基板を有する半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、大電力電子部品モジュールとして使用される半導体装置には、パワートランジスタモジュールやスイッチング電源モジュール等がある。従来、このような半導体装置は、図3に示すように、箱状部材100と、箱状部材100の底部に配置され、下面に放熱部材との接続面を有するベース基板101と、ベース基板101の上面に実装された電子部品102と、ベース基板101の上方に箱状部材100に支えられるように配置された制御基板104と、制御基板104の上面に実装された電子部品105とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ベース基板101の上面側には電子部品102を埋没させる第1の樹脂部107が形成されており、この第1の樹脂部107の上面側には第2の樹脂部108が形成されている。第1の樹脂部107としてはゲル状のシリコーン樹脂が使用され、第2の樹脂部108としてはエポキシ樹脂が使用されている。なお、ゲル状のシリコーン樹脂は、エポキシ樹脂と比較して熱膨張係数が大きい。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−210758号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の半導体装置においては、シリコーン樹脂の熱膨張係数はエポキシ樹脂よりも大きく、また、シリコーン樹脂からなる第1の樹脂部107は、ベース基板101と第2の樹脂部108との間の空間に隙間なく満たされている。このため、モジュール全体の温度上昇に伴って第1の樹脂部107、第2の樹脂部108が膨張する場合には、この熱膨張係数の違いに基づいてベース基板101に応力が働き、ベース基板101に反りやクラックが発生して強度的信頼性が損なわれるという問題があった。
【0006】
また、上記従来の半導体装置では、この種の応力を緩和するために、第1の樹脂部107の上部にその一部を収納する空間を設けていたが、シリコーン樹脂の上面にエポキシ樹脂を充填していたため、この空間から離れた位置では応力を有効に緩和できず、上記の問題を依然解決することができなかった。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、ベース基板のクラック、反りを防止して強度信頼性の向上を図ることができる半導体装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、エポキシ樹脂よりも熱膨張係数が大きいゲル状の樹脂部により被覆される半導体チップを搭載した第1の基板と、該第1の基板に電気的に接続される第2の基板と、これら第1、第2の基板を厚み方向に離した状態で固定するケース部材とを備え、該ケース部材は、前記第1および第2の基板間を仕切る板状の仕切壁を有し、該仕切壁と前記樹脂部との間に間隔をあけた状態で前記第1の基板を収容する凹部とを備え、前記第1の基板が、前記凹部の開口を閉塞し、前記ケース部材の外方の空間と、前記仕切壁と前記樹脂部との間に形成された内部空間とを連通する貫通孔が、前記ケース部材に設けられている半導体装置を提案している。
【0008】
この発明に係る半導体装置によれば、樹脂部と仕切壁との間に空間が形成されているため、ヒートサイクルに起因して樹脂部が膨張収縮しても、第1の基板に応力が働くことがない。
また、第1の基板が凹部の開口を閉塞しているため、第1の基板に形成されるゲル状の樹脂部が凹部の開口からケース部材の外方に漏れ出すことがない。
また、この発明に係る半導体装置によれば、仕切壁と樹脂部との間に形成された内部空間が、ケース部材の外側の空間に連通しているため、ヒートサイクルに起因して樹脂部が膨張収縮したり、内部空間内の温度が変化したりしても、この内部空間内の気圧がケース部材外側の空間の気圧と等しい状態に保持され、第1の基板に応力が働くことがない。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の半導体装置において、前記貫通孔が、前記樹脂部に対向する前記凹部の底面に開口している半導体装置を提案している。
【0010】
また、請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の半導体装置において、前記第1の基板が金属板からなり、該第1の基板に、放熱部材が直接取り付けられている半導体装置を提案している。
この発明に係る半導体装置によれば、半導体装置の内部、特に、第1の基板に搭載された半導体チップから発生した熱は、金属板を備えた第1の基板を介して放熱部材から外方に放熱することになるため、効率よく外部に放熱することが可能となる。
【0011】
また、請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の半導体装置において、前記第2の基板を被覆すると共に、該第2の基板を前記ケース部材に一体的に固定する前記樹脂部よりも硬度の高い樹脂からなる硬質樹脂部を備える半導体装置を提案している。
この発明によれば、第2の基板が硬質樹脂部により被覆されているため、外方からの衝撃に対して第2の基板の損傷を防止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1および図2はこの発明に係る一実施形態を示す。この実施の形態に係る半導体装置1は、図1に示すように、箱状部材(ケース部材)2と、ベース基板(第1の基板)3と、制御基板(第2の基板)4とを備えている。
箱状部材2は、ポリブチレンテレフタレートから形成されており、図2に示すように、平面視略矩形の薄板状に形成された薄板壁部(仕切壁)5と、薄板壁部5の周囲を取り囲む4つの側壁部6とを備えている。対向に配置された一対の側壁部6の間には、薄板壁部5の裏面5a側に突出する突出壁部7が形成されている。これら薄板壁部5と、側壁部6と、突出壁部7とにより、第1の凹部(凹部)9が形成されている。また、薄板壁部5の表面5b側には、薄板壁部5と側壁部6とにより第2の凹部11が形成されている。
【0013】
第1の凹部9を形成する側壁部6および突出壁部7の下端部には切欠部12が形成されている。この切欠部12にベース基板3を嵌め込むことにより、ベース基板3により第1の凹部9の開口9bを閉塞すると共に、箱状部材2に対するベース基板3の位置決めが行われることになる。
薄板壁部5の表面5bには、1つの側壁部6の内面6aから延在する段部13が形成されている。また、側壁部6に隣接する別の側壁部6の内面6aから突出する突出部14が形成されており、突出部14の上面14aは、段部13の上面13aと同じ高さに位置している。制御基板4は、箱状部材2に取り付けられる際に、これら段部13および突出部14の上面13a,14aに当接するように配置されることになる。
【0014】
段部13および薄板壁部5には、その表面13aから裏面5aまで貫通する複数の貫通孔15が形成されており、これら貫通孔15は、ベース基板3と制御基板4とを電気的に接続するための接続導線を挿通させるためのものである。
また、薄板壁部5のうち、第1の凹部9を構成する部分には、裏面5aから表面5bに貫通する貫通孔31が形成されている。この貫通孔31は、ベース基板3を第1の凹部9の切欠部12に嵌めた状態で後述するシリコーン樹脂を流し込むためのものである。なお、この貫通孔31は、図1に示す状態においては、粘着テープ等のシール部材32により閉塞されている。
さらに、段部13、薄板壁部5およびこれらに隣接する側壁部6には、第1の凹部9の底面9aから外面6bに貫通する貫通孔16が形成されている。
【0015】
ベース基板3は、その表面3aに半導体チップ21がボンディングワイヤによりベース基板3の回路と電気的に接続されると共に、制御基板4の回路と電気的に接続するための金属製の接続導線22がベース基板3の回路と電気的に接続されたものである。また、このベース基板3は、金属板の表面に絶縁シートを形成し、この絶縁シートの表面3aに回路を形成したものであり、この金属板の裏面3bに直接放熱部材(図示せず)を設けることで、半導体チップ21から発生する熱が、金属板を介して放熱部材から効率よく外方に放熱できるようになっている。
【0016】
半導体チップ21は、埃等から保護するために第1の樹脂部(樹脂部)24の内部に埋没しており、この第1の樹脂部24は、ゲル状のシリコーン樹脂から形成されている。
このベース基板3は、半導体チップ21および第1の樹脂部24を第1の凹部9の底面9aに間隔を空けて対向させた状態で、第1の凹部9の開口9bを閉塞して箱状部材2に固定されている。この状態では、接続導線22が、貫通孔15に挿入されると共に、その先端部が段部13の表面13aから突出することになる。そして、第1の凹部9の底面9aと第1の樹脂部24との間に内部空間S1が形成されることになり、この内部空間S1は、箱状部材2の外側の空間と貫通孔16により連通している。
【0017】
制御基板4は、その表面4aおよび裏面4bに電子部品25を半田により制御基板4の回路と電気的に接続したものである。この電子部品25は、第2の凹部11に充填された第2の樹脂部(硬質樹脂部)26の内部に埋没している。第2の樹脂部26は、電気的絶縁性の高いエポキシ樹脂から形成されており、制御基板4と箱状部材2とを一体化させている。
【0018】
以下、上記のように構成された半導体装置1の製造方法について説明する。
はじめに、ベース基板3の表面3aに半導体チップ21および接続導線22を装着する。次いで、切欠部12にベース基板3を嵌め込んで、第1の凹部9の開口9bを閉塞させた状態で箱状部材2にベース基板3を固定すると共に、接続導線22を貫通孔15に挿入して段部13の表面13a側に貫通させる。この状態では、ベース基板3の裏面3bが箱状部材2の外側に向けて位置する。
【0019】
そして、貫通孔31から第1の凹部9の内部にシリコーン樹脂を流し込み、シリコーン樹脂によりベース基板3に搭載された半導体チップ21をボンディングワイヤと共に埋没させる第1の樹脂部24を形成する。その後、この貫通孔31をシール部材32により閉塞する。この状態では、第1の樹脂部24の表面が第1の凹部9の底面9aに当接しないようになっている。
【0020】
そして、制御基板4の表面4aおよび裏面4bに電子部品25を装着する。その後、第2の凹部11内に制御基板4を配置して、制御基板4の回路と接続導線22とを半田等により固定して、ベース基板3と制御基板4とを電気的に接続する。最後に、第2の凹部11内にエポキシ樹脂を充填することにより、制御基板4を埋没させると共に、箱状部材2と制御基板4とを一体化させる第2の樹脂部26を形成する。以上により、半導体装置1の製造が終了する。
【0021】
上記のように、この半導体装置1によれば、ベース基板3および制御基板4が薄板壁部5により仕切られた状態で箱状部材2に配置されるため、第1、第2の樹脂部24,26が互いに接触することがない。そして、第1の樹脂部24と、第1の凹部9の底面9aとの間に内部空間S1が形成されているため、ヒートサイクルに起因して第1の樹脂部24が膨張収縮しても、ベース基板3に応力が働くことがない。
【0022】
さらに、内部空間S1と箱状部材2の外側の空間とが貫通孔16により連通されるため、ヒートサイクルに起因して第1の樹脂部24が膨張収縮したり、内部空間S1内の温度が変化したりしても、この内部空間S1内の気圧が箱状部材2外側の空間の気圧と等しい状態に保持され、ベース基板3に応力が働くことがない。
以上のことから、ベース基板3のクラック、反りを防止して強度信頼性の向上を図ることができる。
【0023】
また、ベース基板3が、ベース基板3は、金属板から構成されると共に、この金属板の裏面3bに直接放熱部材を設けるため、半導体装置1の内部、特に、ベース基板3に実装された半導体チップ21からの発熱を効率よく外方に放熱することが可能となる。
さらに、第2の樹脂部26が、薄板壁部5の表面5b側に配置された制御基板4を被覆すると共に、制御基板4を箱状部材2に一体的に固定するため、外方からの衝撃に対して制御基板4の損傷を防止できる。
【0024】
なお、上記の実施の形態においては、箱状部材2は、平面視略矩形状に形成されるとしたが、これに限ることはなく、少なくともベース基板3を設置するための第1の凹部9が形成された形状であればよい。また、第2の凹部11を形成する必要はなく、制御基板4は、第2の樹脂部26により箱状部材2と一体化されていればよい。
【0025】
さらに、箱状部材2に突出壁部7を設けるとしたが、突出壁部7を設けなくてもよい。この場合には、4つの側壁部6および薄板壁部5により第1の凹部9を形成し、第1の樹脂部24を第1の凹部9の底面9aに間隔を空けて対向させた状態で、第1の凹部9に嵌め込むことができる大きさのベース基板3を用意すればよい。
【0026】
また、内部空間S1と箱状部材2の外側の空間とを連通する貫通孔16は、第1の凹部9の底面9aから側壁部6bの外面6bに貫通しているとしたが、これに限ることはなく、例えば、側壁部6bの内面6aから外面6bに貫通するとしてもよい。ただし、この場合には、貫通孔16が内部空間S1を画定する側壁部の内面6aに開口している必要がある。
【0027】
さらに、シリコーン樹脂を流し込むための貫通孔31を薄板壁部5に形成するとしたが、形成しなくてもよい。この場合には、半導体チップ21を搭載したベース基板3を箱状部材2に固定する前に、シリコーン樹脂をベース基板3の表面3aに塗布して、半導体チップ21をボンディングワイヤと共に埋没させる第1の樹脂部24を形成しておけばよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、ヒートサイクルに起因して樹脂部が膨張収縮しても、第1の基板に応力が働くことがないため、第1の基板のクラック、反りを防止して強度信頼性の向上を図ることができる。
【0029】
また、請求項2に係る発明によれば、内部空間とケース部材外側の空間とが連通する貫通孔が形成されているため、内部空間内の気圧がケース部材外側の空間の気圧と等しい状態に保持されて、第1の基板に応力が働くことがない。したがって、第1の基板の強度信頼性向上をさらに図れる。
【0030】
また、請求項3に係る発明によれば、第1の基板の表面に放熱部材が設けられているため、半導体装置の内部、特に、第1の基板に搭載された半導体チップから発生した熱を効率よく外部に放熱することが可能となる。
【0031】
また、請求項4に係る発明によれば、硬質樹脂部により仕切壁の他面側に配置された第2の基板を被覆すると共に、第2の基板をケース部材に一体的に固定するため、外方からの衝撃に対して第2の基板の損傷を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態に係る半導体装置の側断面図である。
【図2】 図1の半導体装置において、箱状部材を示す斜視図である。
【図3】 従来の半導体装置の一例を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 半導体装置
2 箱状部材(ケース部材)
3 ベース基板(第1の基板)
4 制御基板(第2の基板)
5 薄板壁部(仕切壁)
9 第1の凹部(凹部)
9b 開口
16 貫通孔
21 半導体チップ
24 第1の樹脂部(樹脂部)
26 第2の樹脂部(硬質樹脂部)
S1 内部空間

Claims (4)

  1. エポキシ樹脂よりも熱膨張係数が大きいゲル状の樹脂部により被覆される半導体チップを搭載した第1の基板と、
    該第1の基板に電気的に接続される第2の基板と、
    これら第1、第2の基板を厚み方向に離した状態で固定するケース部材とを備え、
    該ケース部材は、前記第1および第2の基板間を仕切る板状の仕切壁を有し、該仕切壁と前記樹脂部との間に間隔をあけた状態で前記第1の基板を収容する凹部とを備え、
    前記第1の基板が、前記凹部の開口を閉塞し、
    前記ケース部材の外方の空間と、前記仕切壁と前記樹脂部との間に形成された内部空間とを連通する貫通孔が、前記ケース部材に設けられている半導体装置。
  2. 前記貫通孔が、前記樹脂部に対向する前記凹部の底面に開口している請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第1の基板が金属板からなり、
    該第1の基板に、放熱部材が直接取り付けられている請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記第2の基板を被覆すると共に、該第2の基板を前記ケース部材に一体的に固定する前記樹脂部よりも硬度の高い樹脂からなる硬質樹脂部を備える請求項1から請求項3のいずれかに記載の半導体装置。
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