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JP3784763B2 - 水平角度測定用の光発生器及びそれを用いた水平角度測定方法並びに墨出方法 - Google Patents

水平角度測定用の光発生器及びそれを用いた水平角度測定方法並びに墨出方法 Download PDF

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JP3784763B2 JP2002281253A JP2002281253A JP3784763B2 JP 3784763 B2 JP3784763 B2 JP 3784763B2 JP 2002281253 A JP2002281253 A JP 2002281253A JP 2002281253 A JP2002281253 A JP 2002281253A JP 3784763 B2 JP3784763 B2 JP 3784763B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、測点間の水平角度を測定する場合に、各測点の高さが異なるときや、測点が溝底部等に位置する時でも、簡単にその水平角度を測定できる水平角度測定用光発生器及びそれを用いた水平角度測定方法に関し、また、この水平角度測定方法を利用して、建築現場において基礎及び地中梁を形成するために、基礎中心位置及び地中梁の中心線を決定し、墨出するのに適した墨出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
トランシットで測点間の水平角度を測定する場合には、各測点を容易に視認できる箇所にトランシットを据え付ける必要がある。特に、掘削穴の穴底に測点が存在したり、また、障害物が存在するような場合には、トランシットの据え付け点が狭い範囲に限定されてしまう。
【0003】
また水角度の測定が必要となる基礎の施工において、建築予定領域の全面を総堀りにすると、後で埋め戻す部分も総て掘削することになり、無駄な作業を行わなければならず、しかも、埋め戻し時には掘削土の密度が粗になっていることから、土が余り、無駄に土を捨てることになる。
【0004】
これに対し、図1のように基礎及び地中梁を埋め込む箇所に相当する領域だけを碁盤の目状に掘削し、この碁盤の目状の掘削穴の底面に、図2に示すように、ぐり石2及び捨てコンクリート3を敷き、捨てコンクリート面上に基礎5及び地中梁をコンクリート成形する基礎成形工法がある。上記掘削時には、未掘削域として縦と横の通りに囲まれた裁頭四角錐台状の山1が残る。
【0005】
このような基礎及び地中梁を形成する場合における従来の墨出方法の一例を簡単に説明する。
(1)図14において、更地の状態の時に、ベンチマークB1,B2からの距離及び方向(方位)を測定することにより、建築予定領域の外縁に沿うように、2つの基準定規30を互いに直角な状態として地面上に固定する。各定規30には、縦通り及び横通りを形成すべき所定位置にそれぞれ目印Mを付す。
【0006】
(2)定規30の各目印Mにトランシットを順次据え付け、定規30と直角方向(他の定規と平行)となるように縦の通りと横の通りを割り出し、各通りに対応する綱を張り、該張り綱にしたがって石灰により地面上に碁盤状の線を描く。すなわち、定規により「遣り方」を行う。
【0007】
(3)更地上に描いた石灰線に対応させてユンボ等により碁盤の目状に掘削し、掘削穴の底部に地盤強化コンクリート杭を打設すると共に、捨てコンクリート面を形成する。
【0008】
(4)定規30の目印Mにトランシットを再び据え付け、再度縦通りと横通りを割り出して、両通りの交点となる基礎中心位置を今度は捨てコンクリート面に墨出する。すなわち、捨てコンクリート面上の各通りの交差点に目印を描く。
【0009】
(5)捨てコンクリート面に墨出した縦の通り及び横の通りの墨出線並びにそれらの交点である基礎中心位置に合わせて、基礎及び地中梁を所定位置に形成する。
【0010】
(6)各基礎及び地中梁を形成後、再々度、定規30の各目印Mにトランシットを順次セットし、基礎の上端面に縦の通り及び横の通りを墨出すると共に前記基礎中心位置に対応する柱中心位置を墨出する。
【0011】
(7)基礎上端面の墨出線及び柱中心位置の目印を基準として、鉄骨柱のベースプレートを基礎上面の所定位置に位置決めし、固定する。
【0012】
なお、水平角度測定方法の従来技術としては、上下に直線状の鉛直光波を発生する鉛直光波発生器を利用し、上向きに発生する鉛直光波を直接検出する方法(たとえば特許文献1)もある。
【0013】
【特許文献1】
特開平11−94540号公報。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
通常のトランシットによる水平角度測定方法において、たとえば上記掘削後の穴底の測点を測定し、あるいは墨出する場合には、途中の山が邪魔になるため、各測点を視認できる箇所にトランシットを据え付けることは極めて困難であり、したがって、測点間の間の水平角度を測定することも極めて困難である。
【0015】
このため、図1のような碁盤の目状の縦横の通り及び基礎中心位置を割り出す場合には、上記図14のような墨出方法により行われている。
【0016】
ところが、上記ような従来の墨出方法では、トランシットにより碁盤の目状の縦横の通り及び基礎中心位置を割り出す作業を、更地に墨出する工程、捨てコンクリート面に墨出する工程(地墨み工程)及び基礎の上面に墨出する工程の各工程においてそれぞれ行わなければならない。すなわち、各工程において、各基準定規の各目印に、トランシットを順次据え付けていかなければならない。
【0017】
このように、各工程毎にトランシットを定規の各目印に合わせて据え付け、整準及び求心をしなければならないので、墨出作業に非常に手間がかかる。また、作業員の癖により、トランシットの据え付け姿勢及び据付け位置に個人差がでてくるため、同一の器械を使用していても、最終的に基礎の天端に描く柱心の位置が、当初の基礎中心位置からずれることが多い。
【0018】
詳しく説明すると、各墨出工程において、基準定規30の各目印Mにトランシットをセットする毎に、トランシットの水平調節作業(整準作業)及び下げ振りによる心合わせ作業(求心作業)を行わなければならないので、トランシットの据え作業に非常に作業時間が多く取られる。しかも、作業員の水準器の読取り癖あるいは下げ振りの視認癖の相違によって、水平精度あるいは求心精度の変化は避けがたく、水平度合い及び求心度合いに狂いが生じる機会が増加する。
【0019】
また、基準定規30間の角度を直角に調節する作業や、各基準定規30の各目印から定規30に対して90°の角度を割り出し、各縦の通り及び横の通りを決定する作業にも手間がかかる。さらに、上記定規30は更地の時から基礎が完成するまで、同じ位置を保つように地面に固定しておかなければならないが、建築現場においては、各種作業中に作業員が踏んだり、作業用機械が触れたりする機会が多く、それにより定規の位置がずれることがある。
【0020】
なお、特許文献1に記載されたような直線状の鉛直光波を直接視認する方法は、鉛直光波を検知しにくい場合があり、特に、薄暗い環境や、夜間の測量では鉛直光波をトランシットで検知することが困難である。
【0021】
【発明の目的】
水平角測定方法において、測点の高さが異なる場合、測点が穴底に有る場合、途中に障害物がある場合あるいは暗い場合でも正確に測定できるようにし、また、各種墨出工程において、基準定規を備えて各目印に一々トランシットを据える必要をなくし、更地時及び地面掘削後において同じ測点を正確に墨出できるようにすることを目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本願請求項1記載の水平角度測定用の光発生器は、下向きに直線状の鉛直光波を発生する鉛直光波発生部と、該鉛直光波発生部より上方位置で鉛直光波と同一直線上に配置されると共に光を発散する発光体を備え、上記発光体を、鉛直光波と同一直線上に張設された線状部材で構成している。上記構成により、測点が穴底にある場合や途中に障害物がある場合あるいは暗い環境でも、上方位置の発光体を目印として測ることにより、容易に測点の方位を測定できる。また、発光体として線条部材を利用しているので、図11のような円筒形の発光体と比べ、測定点が少なくて済むと共に測定値を直接利用でき、構造も簡単になる。
【0023】
請求項2記載の水平角度測定用の光発生器は、下向きの鉛直光波及び該鉛直光波と同一直線上の上向きの直線状の鉛直光波を発生する鉛直光波発生部と、上記上向きの鉛直光波が当接することにより光を発散する発光体を備えていることを特徴としている。この構成によると、図11のような円筒形の発光体を備える場合に比べ、測定点が少なくて済むと共に測定値を直接利用でき、構造も簡単になる。
【0024】
請求項3記載の発明は、水平角度測定方法であって、各測点に、上記請求項1又は2記載の光発生器を、下向きの鉛直光波が各測点に一致するように設置し、トランシットを任意の点に据え付け、各測点で光発生器の発光体をトランシットで検知することにより、測点間の水平角度あるいは既知点との間の水平角度を測定することを特徴としている。
【0025】
請求項4記載の発明は、墨出し補法であって、2つのトランシットを任意の2カ所に据え付け、 ベンチマーク等の既知点に、請求項1又は2記載の光発生器を、その鉛直光波が既知点に一致するように設置し、各トランシットでもって、各既知点での水平角度測定用光発生器の発光体を検知すると共に両トランシット間の距離及び相対的方位を測定することにより、既知点に対する両トランシットの位置を演算し、光発生器を真の墨出点と予想される点に置き、各トランシットでもって、上記各予想点で発せられた発光体を検出し、該検出値と墨出点の値とのずれを、経緯距の差として算出し、このずれをなくすように光発生器を移動調節して、墨出点を決定することを特徴としている。
【0028】
【発明の実施の形態1】
[水平角度測定用の光発生器]
図10は本願発明を適用した水平角度測定用の光発生器13であり、この水平角度測定用光発生器13は、高さ調節自在な三脚14の上端に本体13bが設置されており、該本体13b内にはジャイロ方式の自己水平保持機能並びに半導体レーザーよりなる鉛直光波発生部13aが内蔵されており、光発生器本体13bが非水平姿勢で設置された場合でも、鉛直光波発生部13aは水平に保たれ、常に鉛直下方に直線状の鉛直光波L1を発生するようになっている。
【0029】
鉛直光波発生部13aの上面にはコの字形のブラケット20が設けられ、該ブラケット20には針金、ワイヤ、ニクロム線あるいはグラスファイバー等の直線状(糸状)部材からなる発光体21が、上記鉛直光波L1の上方延長線上に鉛直姿勢に張設されている。上記ブラケット20は鉛直光波発生部13aと共にジャイロ方式水平保持機構により水平に保たれており、これにより糸状(直線状)の発光体21は鉛直光波の鉛直線上に常時鉛直姿勢で保たれるようになっている。
【0030】
直線状の発光体21の発光機能としては、たとえばニクロム線では通電により自ら発光するように構成したり、針金又はワイヤでは表面に蛍光塗料を塗布して外部から光を当てることにより間接的に発光させるように構成したり、透明のグラスファイバーでは内部に前記鉛直光波に用いた半導体レーザー光を照射することにより発光する構成等がある。その他にも各種直線状の発光体を利用可能であるが、少なくとも光を発散させることにより、いずれの方位並びに俯角及び仰角からでも直線状の発光体21が目視できるように構成されている。
【0031】
[水平角度測定方法]
図9において、2つの測点F1,F2の水平角αを計測する場合には、各測点F1,F2にそれぞれ水平角度測定用の光発生器13を設置し、任意の位置にトランシット10を据え付ける。水平角度測定用の光発生器13を設置する場合は、図10のように、下向きの鉛直光波L1を測点F1(又はF2)に一致させる。これにより、上方の直線状の発光体21は測点F1(F2)を通る鉛直線上に位置する。
【0032】
トランシット10により、各測点F1,F2に設置された光発生器13の発光体21を目視し、照準を合わせることにより、図9の両測点F1,F2間の角度αを測定する。この測定作業において、図10のように三脚14を介して一定の高さに水平角度測定用光発生器13の本体13bをセットし、かつ、鉛直光波L1の上方位置の同一鉛直線上に直線状の発光体21を設けているので、たとえ測点F1(又はF2)が穴底に位置していたり、トランシット10との間に障害物が存在していても、各測点F1,F2の水平方向位置を簡単に検知することができる。また、発光体21の上下方向幅の範囲内にトランシット10が設置されていなくとも、発光体21からは略全仰角及び俯角に光が発散しているので、発光体21の水平方向位置を確実に検知することができる。さらに発光体21を目視するので、夜間でも測定可能である。
【0033】
[光発生器の参考例]
図11は、本発明による水平角度測定用光発生器ではないが、参考例として説明する。図10の構造と同様に、一定の高さを有すると共にその高さ調節が自在な三脚14の上に光発生器本体13bを設置し、該本体13b内にジャイロ方式の自己水平保持機能を備えると共に半導体レーザーよりなる鉛直光波発生部13aを備え、光発生器本体13bが非水平姿勢で設置された場合でも、鉛直光波発生部13aは水平に保たれ、常に鉛直下方に直線状の鉛直光波L1を発生するようになっている。
【0034】
鉛直光波発生部13aの上部には、真円筒形の発光体22が直立姿勢で設けられており、真円筒形発光体22の筒芯C1は、鉛直光波L1と同一直線上に揃えられている。真円筒形発光体22は半透明部材で製作されると共に内部に電球等が収納されており、全周面が光るようになっている。なお、電球を内蔵する代わりに、真円筒形発光体22の表面に蛍光塗料を塗ったものでもよく、全周面が発光する構造のものを採用している。
【0035】
図11の光発生器13を用いて水平角度を測定する方法は、基本的には図10の光発生器13を利用して図9で説明した場合と同様であるが、図12のようにトランシット10により、真円筒形発光体22の両側端K1,K2を測定し、それら両値の相加平均を測点F1等の位置とする。
【0036】
【発明の実施の形態2】
図13は水平角度測定用光発生器13の別の実施の形態を示しており、発生器本体13bを地面近くに設置し、本体13bより一定高さ上方位置(真上位置)に、発光体として白色の樹脂板23を傾斜姿勢で配置している。
【0037】
光発生器本体13b内には、ジャイロ方式の自己水平保持機能を備えると共に同一直線上の鉛直下方と鉛直上方にそれぞれ鉛直光波L1,L2を発生する鉛直光波発生部13aを備えている。
【0038】
白色の樹脂板23の表面は鏡面仕上げではなく、上向き鉛直光波L2が乱反射する程度の粗度で仕上げられており、これにより光を発散させるようになっている。
【0039】
下向きの鉛直光波L1を地面の測点F1(又はF2)の目印に合わせることにより、該測点F1(又はF2)に立てた鉛直線上に上向きの鉛直光波L2が生じ、この上向きの鉛直光波L2が樹脂板23に当たることにより、樹脂板23の表面のうち、測点F1(又はF2)と同一鉛直線上の一点G1が照らされ、光が発散する。この発光点G1をトランシット10で検知する。
【0040】
【発明の実施の形態3】
前実施の形態1及び2で説明した水平角度測定用光発生器13による水平角度測定方法を利用して、図1及び図2のような建物の基礎を構築する場合の墨出の方法を説明する。
【0041】
この基礎の構築は、図1において建築予定領域Eを碁盤の目状に掘削し、掘削穴の底に図2のようにぐり石2及び捨てコンクリート面3を形成し、捨てコンクリート面3上に基礎4及び地中梁5をコンクリート成形し、各基礎4の上端面に柱鉄骨7を立設するものであり、図1のように地中梁5及び各基礎4の中心線となる複数の縦の通りX1,X2,…,X6、これらに直交する複数の横の通りY1,Y2,Y3,Y4と、両通りX,Yの交点となる基礎中心位置O11,O12,…,Oxy,…,O61,…,O64を、更地面、捨てコンクリー面及び基礎の上端面にそれぞれ墨出する。すなわち、上記基礎中心位置Oxyが墨出点となる。
【0042】
(1)掘削前の更地面に墨出する工程。
▲1▼ 図3において、敷地の境界線などには既知点としてベンチマークB1,B2が地面に記されており、両ベンチマークB1,B2を基準として、コンピューターにより各基礎中心位置O11,O12,…,Oxy,…となる墨出点(通りXとYの交点)の座標を演算し、入力し、記憶しておく。
【0043】
▲2▼ 建築予定領域(掘削予定領域)Eの外側であって任意の2点P1,P2にトランシット10をそれぞれ据え付け、各ベンチマークB1,B2には、それぞれ水平角度測定用光発生器13を据え付ける。
【0044】
各トランシット10には、光波式あるいは電波式の測距儀並びに相手側のトランシット10から発せられた光波あるいは電波を反射する反射機構が備えられており、これにより、両トランシット10同士の距離及び相対的方向を測定できるようになっている。さらに両トランシット10には、コンピューター11が接続しており、トランシット10で測定した各測定値は、コンピュータ11に入力され、測定値あるいは適宜演算処理された数値を記憶し、モニター12の画面に表示できるようになっている。
【0045】
▲3▼ 各トランシット10によりベンチマークB1,B2に設置された水平角度測定用光発生器13の発光体21を検知すると共に相手側のトランシット10の位置(方位)を検知する。それにより、両トランシット10の据付け点P1,P2を結ぶ第1の基準線S1上のトランシット間距離を測定すると共に、第1の据付け点P1から見て、第1の基準線S1と第1のベンチマークB1とのなす水平角度∠B1P1P2(角度α01)と、第1の基準線S1と第2のベンチマークB2とのなす水平角度∠B2P1P2(角度α02)と、第2の据付け点P2から見て、第1の基準線S1と第1のベンチマークB1とのなす水平角度∠B1P2P1(角度β01)と、第1の基準線S1と第2のベンチマークB2とのなす水平角度∠B2P2P1(角度β02)とを測定する。これらにより、ベンチマークB1,B2に対する2つのトランシット10の据付け位置P1,P2が認識され、コンピュータに入力される。
【0046】
▲4▼ コンピュータ処理により、コンピューター内の図面上において、予め記録されている各基礎中心位置(墨出点)O11,O12,…,Oxy,…O64の座標上の数値を、第1の据付け点P1から見て第1の基準線S1とのなす水平角度α(xy)と、第2の据付け点P2から見て第1の基準線S1とのなす水平角度β(xy)に変換処理する。
【0047】
▲5▼ 図4において、墨出点の任意の一点、たとえばX3とY3との交点O(33)の近傍と予想される点O(33)'に取り敢えず水平角度測定用光発生器13を置く。第1のトランシット10で水平角度測定用光発生器13の発光体21を検知し、それにより第1の基準線S1に対する水平角度αを測定し、同時に、第2のトランシット10で水平角度測定用光発生器13の発光体21を検知し、第1の基準線S1に対する水平角度βを測定する。これらの測定値は、前述のように予め演算された墨出点O(33)に対応する角度α(33),β(33)と比較され、その差が演算されてX軸及びY軸方向の距離の差としてコンピューター11のモニター12に表示される。上記検出された差分だけ水平角度測定用光発生器13を移動調節することにより、目標の墨出点O(33)に一致させ、地面に目印を記す。これにより、1つの基礎中心位置となる墨出点0(33)が地面上に決定され、墨出される。
【0048】
▲6▼ 次に図5において、墨出点O(33)と同じ縦の通りX3上の別の墨出点O(32)と予想される点O(32)'に水平角度測定用光発生器13を置き、第1のトランシット10で水平角度測定用光発生器13の発光体21を検知することにより、第1の基準線S1に対する水平角度αを測定し、同時に、第2のトランシット10で水平角度測定用光発生器13の発光体を検知し、第1の基準線S1に対する水平角度βを測定する。これらの測定値は、前述のように予め演算された目標墨出点O(32)に対応する角度α(32),β(32)と比較され、その差が演算されてX軸及びY軸方向の距離の差としてコンピューター11のモニター12に表示される。上記検出された差分だけ水平角度測定用光発生器13を移動調節することにより、目標の墨出点O(32)に一致させ、地面に目印を記す。これにより、縦の通りX3上に2つ目の墨出点0(32)が地面上に決定され、墨出される。
【0049】
上記2つの基礎中心位置となる墨出点(33)、O(32)が地面上に決定されると、縦の通りX3が決定でき、この縦の通りX3を墨出することができる。
【0050】
▲7▼ 図6において、墨出点O(33)と同じ横の通りY3上の別の墨出点(53)と予想される点O(53)'に水平角度測定用光発生器13を置き、第1のトランシット10で鉛直水平角度測定用光発生器13の発光体21を検知することにより、第1の基準線S1に対する水平角度αを測定し、同時に、第2のトランシット10で水平角度測定用光発生器13の検知用光波を検知し、第1の基準線S1に対する水平角度βを測定する。これらの測定値は、これらの測定値は、前述のように予め演算された目標墨出点O(53)に対応する角度α(53),β(53)と比較され、その差が演算されてX軸及びY軸方向の距離の差としてコンピューター11のモニター12に表示される。上記検出された差分だけ水平角度測定用光発生器13を移動調節することにより、目標の墨出点O(53)に一致させ、地面に目印を記す。これにより、横の通りY3上に2つ目の墨出点0(53)が地面上に決定され、墨出される。
【0051】
上記2つの基礎中心位置となる墨出点O(33),O(53)が地面上に決定されると、横の通りY3が決定でき、この横の通りY3を墨出することができる。
【0052】
▲8▼ 以下同様にして、残りの縦の通りX1,…,X6 並びに横の通りY1,…Y4を決定し、それらを地面上に墨出する。これら縦と横のすべての通りの墨出において、両トランシット10は、最初に据え付けた点P1,P2から移動する必要はなく、水平調節などを再度する必要はない。そして、上記決定された縦と横の通りX,Yに応じ、石灰により更地上に碁盤の目状に線を描き、掘削する。
【0053】
(2)掘削後、掘削穴の底部に形成した捨てコンクリート面上に、上記更地時の場合と同じ位置に縦と横の通り及び基礎中心位置を墨出する工程。
【0054】
▲1▼ 上記掘削作業中は、一旦両トランシット10を図6の据付け点P1,P2から除去し、掘削後には図7のように再度任意の点P3,P4に据え付ける。この据付け点P3,P4は、前記更地時の据付け点P1,P2とは関係なく設定する。
【0055】
▲2▼ 前記更地の場合と同様に、トランシット10により、水平角度測定用光発生器13の発光体21を検知すると共に相手側のトランシット10の位置(方位)を検知し、それにより、両トランシット10を結ぶ第2の基準線S2の器械間距離を測定すると共に、第2の基準線S2に対する各ベンチマークB1,B2の水平角度∠B1P3P4(角度α03)、∠B2P3P4(角度α04)、∠B1P4P3(角度β03)及び∠B2P4P3(角度β04)を測定する。これらにより、ベンチマークB1,B2に対する2つのトランシット10の据付け点P3,P4が認識され、コンピュータに入力される。
【0056】
▲3▼ 予め記録されている各基礎中心位置(墨出点)O11,O12,…,Oxy,…O64の座標上の数値を、コンピューターにより、第3の据付け点P3から見て第2の基準線S2とのなす水平角度α(xy),と、第4の据付け点P4から見て第2の基準線S2とのなす水平角度β(xy)に変換処理する。なお、この各水平角度α(xy),β(xy)は、第3、第4の据付け点P3,P4及び第2の基準線S2を基に演算したものであるから、当然、図4の場合の第1、第2の据付け点P1,P2及び第1の基準線S1を基にして演算した数値とは異なっている。
【0057】
▲4▼ 図8において、墨出点の任意の一点、X3とY3との交点O(33)の近傍と予想される点O(33)'に取り敢えず水平角度測定用光発生器13を置く。
第1のトランシット10で水平角度測定用光発生器13の発光体21を検知し、それにより第2の基準線S2に対する水平角度αを測定し、同時に、第2のトランシット10で水平角度測定用光発生器13の発光体を検知し、第2の基準線S2に対する水平角度βを測定する。これらの測定値は予め演算された目標墨出点O(33)に対応する角度α(33),β(33)と比較され、その差が演算されてX軸及びY軸方向の距離の差としてコンピューター11のモニター12に表示される。上記検出された差分だけ水平角度測定用光発生器13を移動調節することにより、目標の墨出点O(33)に一致させ、地面に目印を記す。これにより、1つの基礎中心位置となる墨出点0(33)が捨てコンクリート上に決定され、墨出される。
【0058】
▲5▼ その後は前記更地の場合(1)の工程▲6▼〜▲8▼と同様であり、要所の基礎中心位置に対応する墨出点O(xy)を決定して、各縦の通りXと横の通りYを決定し、捨てコンクリート面上に墨出する。
【0059】
(3)基礎を構築後、基礎の上端面に碁盤状の縦横の通り及び基礎中心位置を墨出する場合も、前記更地時及び掘削後の墨出方法と同じであり、特に説明は記載しない。
【0060】
【別の実施の形態】
線状の鉛直光波上に配置する発光体としては、可視光線を発するものに限らず、たとえば赤外線感知装置を用いて確認することができる赤外線を発散させる発光体等、何等かの装置で確認できる非可視光線を発散させるものでも可能である。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように本願発明による水平角度測定用の光発生器13及びそれを用いた水平角度測定方法によると、下向きの鉛直光波L1により、水平角度測定用光発生器13を測点に一致させ、上記鉛直光波L1と同一鉛直線上に配置された発光体21をトランシットで検知することにより、測点の方位角等を測定するので、測点の高さが異なっていたり、穴底に測点があったり、あるいは測点とトランシット据付け点との間に障害物が存在していても、トランシットの垂直角度を大きく変更することなく、それらの測点を正確に測定することができる。また、発光体を検知することにより、薄暗い環境又は夜間でも簡単かつ正確に測定することができる。また、発光体として線条部材を利用しているので、図11のような円筒形の発光体と比べ、測定点が少なく済むと共に測定地を直接利用でき、さらに構造も簡単になる。
【0063】
特に、掘削穴底の捨てコンクリート面に墨出する場合に、たとえ碁盤の目状に掘削した穴であっても、水平角度測定用光発生器を利用して水平角度を測定することにより、据付け点に関係なく、各測点の鉛直線上の発光体を検知することは可能となり、トランシットの据付け範囲の自由度が大きくなる。
【0064】
また本願発明による墨出方法によると、トランシットを任意の2点に据え付ければ、該据付け位置を変更することなく、多数の墨出点を決定し、墨出することができる。
したがって、従来の基準定規方式のように、各通り毎にトランシットを新たな位置に据え付けて水平調節及び求心調節する場合に比べ、誤差の発生を大幅に縮減でき、精度のよい建築物等を施工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明による墨出方法が適用された基礎及び地中梁の平面図である。
【図2】 図1のII−II断面部分拡大図である。
【図3】 本願発明による墨出方法であって、更地面に墨出する場合の一工程を示す平面図である。
【図4】 図3の次の工程を示す平面図である。
【図5】 図4の次の工程を示す平面図である。
【図6】 図5の次の工程を示す平面図である。
【図7】 本願発明による墨出方法で捨てコンクリート面に墨出する場合の一工程を示す平面図である。
【図8】 図7の次の工程を示す平面図である。
【図9】 本願発明による水平角度測定方法を示す平面図である。
【図10】 図9のトランシット及び水平角度測定用光発生器の平面図である。
【図11】水平確度速測定用光発生器の参考例を示す側面図である。
【図12】 水平角度測定用光発生器の別の例を示す側面図である。
【図13】 図12の測定方法を示す平面図である。
【図14】 従来例の平面図である。
【符号の説明】
5 基礎
6 地中梁
10 トランシット
13 水平角度測定用光発生器
13a 鉛直光波発生部
13b 光発生器本体
14 三脚
21,22,23 発光体

Claims (4)

  1. 下向きに直線状の鉛直光波を発生する鉛直光波発生部と、該鉛直光波発生部より上方位置で鉛直光波と同一直線上に配置されると共に光を発散する発光体を備え
    上記発光体を、鉛直光波と同一直線上に張設された線状部材で構成していることを特徴とする水平角度測定用の光発生器。
  2. 下向きの鉛直光波と上向きの鉛直光波を同一直線上に発生する鉛直光波発生部と、上記上向きの鉛直光波が当接することにより光を発散する発光体を備えていることを特徴とする水平角度測定用の光発生器。
  3. 各測点に、上記請求項1又は2記載の光発生器を、下向きの鉛直光波が各測点に一致するように設置し、
    トランシットを任意の点に据え付け、
    各測点で光発生器の発光体をトランシットで検知することにより、測点間の水平角度あるいは既知点との間の水平角度を測定することを特徴とする水平角度測定方法。
  4. 2つのトランシットを任意の2カ所に据え付け、
    ベンチマーク等の既知点に、請求項1又は2記載の光発生器を、その鉛直光波が既知点に一致するように設置し、
    各トランシットでもって、各既知点での水平角度測定用光発生器の発光体を検知すると共に両トランシット間の距離及び相対的方位を測定することにより、既知点に対する両トランシットの位置を演算し、
    光発生器を真の墨出点と予想される点に置き、各トランシットでもって、上記各予想点で発せられた発光体を検出し、
    該検出値と墨出点の値とのずれを、経緯距の差として算出し、
    このずれをなくすように光発生器を移動調節して、墨出点を決定することを特徴とする建築現場における墨出方法。
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