JP3782540B2 - アンカーボルト支持部材 - Google Patents
アンカーボルト支持部材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3782540B2 JP3782540B2 JP07648897A JP7648897A JP3782540B2 JP 3782540 B2 JP3782540 B2 JP 3782540B2 JP 07648897 A JP07648897 A JP 07648897A JP 7648897 A JP7648897 A JP 7648897A JP 3782540 B2 JP3782540 B2 JP 3782540B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- anchor bolt
- support
- support portion
- support member
- interval holding
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Foundations (AREA)
- Joining Of Building Structures In Genera (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアンカーボルト支持部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、アンカーボルトの支持部材としては、例えば実公昭56−28276号公報に記載されたコンクリート仮枠支持金物における上場用部材がある。該支持金物における上場用部材は、アンカーボルト支持筒を貫通固定してなり、該支持筒には、横一文字の切込みを施してこの切込みに外側より線状バネの途中を嵌入させ、このバネに常時入り込み方向の復元弾性を付与してなるものである。
【0003】
上記上場用部材は、バネにより支持筒内に挿通されたアンカーボルトをその復元弾性によって支持筒内において支持筒内面に押しつけて固定状態とし、アンカーボルトの高さを定めることができるものである。
【0004】
通常、アンカーボルトを設置する場合は、基礎コンクリート内に埋め込む鉄筋に結わえ付けて固定する。しかしこれはアンカーボルトがある程度長い場合に可能な方法であり、アンカーボルトが短く、そのボルト部分を基礎コンクリート上面から突出させるようにすると反対側端部が下方に位置する鉄筋に届かず宙に浮いた状態となり、この状態で位置固定するには工夫が必要であった。この点、上記実公昭56−28276号公報のアンカーボルト支持部材は有用といえる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の支持部材は、基礎コンクリートの上面が、施工用枠板の天場(上面)よりもかなり低い場合、基礎コンクリート上方へ突出するボルト部分の長さを適当なようにしようとすると、アンカーボルト上端が支持部材に届かず支持部材で支持することができないという問題があったり、またアンカーボルト下端が土台にも届かない場合はアンカーボルトを支持することが不可能であるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、上記従来の欠点を解消し、長さが短く下端が土台にも鉄筋にも届かないアンカーボルトを使用した場合でも、また、基礎コンクリートの上面が施工枠板の天場よりもかなり下方に位置していても、基礎コンクリート上面に適当長さにアンカーボルト上部を突出させ得るような位置にアンカーボルトを確実に支持することができるアンカーボルト支持部材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(1)建築における基礎コンクリート用のアンカーボルト支持部材であって、アンカーボルトを支持するための、透孔を有する支持部と、該支持部から外側の少なくとも2方向へ向かって設けられた腕部と、上記支持部の一方の先端に回転自在に設けられ且つアンカーボルトをそれに螺入可能に構成されたナット部材と、該ナット部材に連結され且つ上記支持部の透孔を通りその一端が上記支持部の透孔を挟んで他方の先端に臨ませられて支持部に回転自在に設けられた摘み部材とからなり、アンカーボルトを腕部よりも下方に配置した状態で支持することができるように構成されていることを特徴とするアンカーボルト支持部材、(2)支持部の透孔が、アンカーボルトを挿通できる径を有していると共に、ナット部材と摘み部材とが別部材からなる別体として構成されていて相互に着脱自在であり、上記両者の連結状態を解いた時は支持部から取り外すことができるように構成されている上記(1)記載のアンカーボルト支持部材、(3)支持部は、その上下端が腕部よりも上下方向に突出していると共に上下の突出長さが異なっている上記(1)又は(2)記載のアンカーボルト支持部材、(4)腕部が、その長さを同一ピッチで段階的に変化させることができるように構成されている上記(1)〜(3)のいずれかに記載のアンカーボルト支持部材、(5)支持部から外側へ対称方向に向かって設けられた各腕部が、支持部の外側の対称位置に設けられた取着間隔保持部と、該各取着間隔保持部の外側の非上下端位置に設けられた取着部と、上記取着間隔保持部と支持部とを連結する連結部とからなるものであり、上記各取着間隔保持部は上記支持部側とは反対側に相互に平行な平面を有しており、上記各取着部は上記各取着間隔保持部における上記相互に平行な平面に対して直角な平面を上下に有している上記(1)〜(3)のいずれかに記載のアンカーボルト支持部材、(6)連結部が、その長さを同一ピッチで段階的に変化させることができるように構成されている上記(5)記載のアンカーボルト支持部材を要旨とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明のアンカーボルト支持部材の一例を示す斜視図、図2は図1のA−A線断面図である。アンカーボルト支持部材1は、建築において基礎コンクリート内に、その上端ボルト部分を基礎コンクリート上面に突出させるようにしてその下端を埋設されて用いられるアンカーボルトを、基礎コンクリート打設のために、その面間に所定間隔を保持して組まれる型枠板の間に配置して支持するための支持部材である。
【0009】
アンカーボルト支持部材1は、透孔2を有する支持部3と、該支持部3から外側へ対称方向に向かって設けられた腕部4と、上記支持部3の一方の先端5に回転自在に設けられたナット部材6と、該ナット部材6に連結され且つ支持部3の透孔2を通りその一端が支持部3の透孔2を挟んで他方の先端7に臨ませられて支持部3に回転自在に設けられた摘み部材8とからなる。透孔2は摘み部材8を挿通できる、好ましくは嵌挿できる径を有している。上記支持部3は、ナット部材6を介してアンカーボルト9を、腕部4よりも下方に配置した状態で支持することができるようになっている。
【0010】
アンカーボルト9を、腕部4から比較的長距離の下方にて支持できるようにするためには、ナット部材6が比較的長い所定長さを有しているか、又は支持部3が少なくとも下方に向かっては比較的長い所定長さを有しているか、少なくともいずれかの必要があるが、図1に示す本実施例では、ナット部材6としては特別長いものを用いず、その代わりに支持部3は腕部4より下方に長く突出した略円筒状に構成されている。尚、図では支持部3は腕部4の上方にも所定長さを有している。支持部3の腕部4よりも下方へ突出させる突出長さとしては任意であり、通常、枠板天場と基礎コンクリート上面との距離が比較的長くなる施工例としては該距離が110mmの場合が多く、また、基礎コンクリート上面からのアンカーボルト先端の突出長さを90mmとする場合が多いので、支持部3の腕部4との付け根からナット部材下端までの距離が20mmより大きくなるようにする。支持部3下端からナット部材6下端までの長さが10mmとなるようなナット部材を用いた場合、支持部3の腕部4より下方部分の長さは10mm超、通常、12〜13mmより大きくする。上記支持部3の下方部分の長さは、長さの異なるナット部材を使用する場合を考慮して、好ましくは20〜40mm、更に好ましくは25〜35mmとする。図1のように支持部が腕部の上下方向へ突出していていてその突出長さが異なっている場合、支持部のどちら側を上下どちらに向けてもよい。ナット部材6としては通常、支持部下端側への突出長さが10mm程度のものが用いられるが、これに限られない。
【0011】
腕部4は、基礎コンクリートとして形成されるための生コンクリートが流し込まれる空間を形成して所定間隔を隔てて配置される2列で1組を構成する枠板の、2列の間に支持部3を位置させるようにして両側の枠板の上面(天場という)に懸架させられるなどして仮固定に用いられる部分である。通常、該腕部4は枠板天場に釘等にて仮固定されて用いられる。4aは枠板への固定用の釘孔である。尚、腕部4の長さは左右共に同一でも、或いは異なっていてもよい。各腕部4の長さは任意であるが、腕部4面上の支持部3中心から100〜130mm程度とすることができる。各腕部4の長さが異なっている場合としては、例えば一方は支持部3中心から120mm、他方は105mmとすることができる。
【0012】
上記ナット部材6と摘み部材8とは、両者が連結された状態では支持部3から離脱しないように構成されている。具体的には例えば図1に示すように、支持部3の下端に透孔2よりも大径の凹陥部10が設けられ、該凹陥部10の中にナット部材6が嵌挿されるようになっており、ナット部材6の上端は凹陥部10の上面に当接されることによりそれ以上支持部3の内方へは進入しないようになっている。或いは、ナット部材6の下端部周囲に鍔部11を設け、該鍔部11の上面が支持部3下端面に当接されて引っ掛かることにより、ナット部材6がそれ以上支持部3の内方へは進入しないように構成してもよい。またそれと共に、摘み部材8の上端には広径部12が設けられており、該広径部12の下面が支持部3の上端面に当接して引っ掛かることにより、摘み部材8がそれ以上支持部3の内方へは進入しないようになっている。尚、支持部3下端部に凹陥部10を設けず、図3に示すように、支持部3の下端面にナット部材6の上面が当接するように、透孔2の径よりも大きい外径を有するナット部材を用いるようにしてもよい。また、ナット部材全体が支持部下端に嵌入されるようにしてもよい。支持部3の上下方向を変更可能とするため、ナット部材6と支持部3との当接部或いは嵌合部の形状と、摘み部材8と支持部3との当接部或いは嵌合部の形状とを同一としておくのが好ましい。
【0013】
摘み部材8の広径部12の周囲には、指で摘んで回転させる際の滑り止めとして、複数の凸条乃至凹状が所定間隔で設けられている。
【0014】
上記ナット部材6と摘み部材8とは別部材からなる別体として構成されており、支持部3の一端側に配置したナット部材6と、透孔2を挟んだ支持部3の他端側から透孔2に挿通した摘み部材8とを連結できるように構成されている。例えば、摘み部材8のナット部材側先端に、ナット部材6のネジ孔13の径とほぼ同径であって、ナット部材のネジ孔13にネジ込むには多少きつめの大きさの外径を有する雄螺子を形成したネジ部14を設けておき、ナット部材6を挿通部下方に配置し、摘み部材8を挿通部上方から透孔2に挿通し、ネジ部14をネジ孔13に強引に螺入することによりナット部材6と摘み部材8とを固定的に連結する。この状態では、ナット部材6と摘み部材8とを支持部3から抜き出すことはできない。
【0015】
摘み部材8をナット部材6に螺合する時のために、摘み部材8の広径部12の上面には六角レンチを用いて摘み部材8を回すことができるレンチ孔12aが設けられており、更に、ナット部材6の外形はスパナで該ナット部材が回せるように六角ナット状に形成されている。
【0016】
ナット部材6と摘み部材8とは、それらの螺合状態を解くことにより、それらの連結状態を解くことができ、両者を支持部3から取り外すことができる。このように構成されていれば、ナット部材と摘み部材とだけを交換して使用することができる。また、後述するような、ナット部材6と摘み部材8とを取り外した状態で使用することもできる。また、アンカーボルトの、基礎コンクリート上面からの突出長さを変えて使用したい場合にも、支持部3の上下方向を反転させて変えることによって対応できる。
【0017】
本発明においては、ナット部材6と摘み部材8とは必ずしも相互に着脱自在に構成されていなくともよい。即ち、当初両者を別体として構成し、支持部3を挟んだ形で両者を連結した後は、再び両者を取り外すことができなくなるような、接着剤による接着等の方法で連結してもよい。
【0018】
本発明のアンカーボルト支持部材1を用いてアンカーボルト9を支持するためには、図4に示すように、アンカーボルト9のボルト部分先端を支持部3下端のナット部材6のネジ孔13の端部にあてがい、摘み部材8を締め付け方向へ指で回転させると、摘み部材8の回転に伴いナット部材6も回転し、それによりアンカーボルト9はナット部材6のネジ孔13内へと、図中矢印a方向に螺入させられる。アンカーボルト9を支持部3から取り外すには、上記と逆の手順で行なえばよい。この、アンカーボルトの取り外しの際、摘み部材8を回転させてナット部材6を回転せしめるが、ナット部材6と摘み部材8とが螺合により連結されていた場合でも、この程度の操作では両者の連結状態は解かれないように両者はきつめに締結されている。
【0019】
本発明において、アンカーボルト支持部材1の少なくとも支持部3及び腕部4はプラスチック製であると、プラスチック成形にて一体成形できるので大量生産に好適である。ナット部材6と摘み部材8とは金属製でもプラスチック製でもよいが、生産性を考慮すればやはりプラスチック製が好ましい。上記プラスチックとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、フッ素樹脂、シリコン樹脂等、従来公知の材料を用いることができる。
【0020】
本発明においては、透孔2はアンカーボルト9が挿通できる径、好ましくは嵌挿できる径を有している態様とするのが好ましい。このように構成されていれば、長さの充分に長いアンカーボルトを用いる場合や、基礎コンクリートの上面から枠板の天場までの距離が非常に短い(即ち、枠板の高さが低めの)場合にも本発明品を使用できる。つまり、上記の場合はアンカーボルトのボルト部分が枠板よりもかなりの長さで上方へ突出することとなるが、支持部の中にアンカーボルトが通されるようになっているとアンカーボルトを支持部で直接、確実に支持することができるため、上記のような場合にも本発明品を適用することができて適用範囲が広くなる。
【0021】
上記のような構造とした場合、図1、図2に示すように、支持部3は、その上下端を腕部4よりも上下方向に突出させると共に上下の突出長さを異ならしめたものとするのが好ましい。このように構成すれば、基礎コンクリート上面と枠板の天場との距離が短い場合は、支持部3の、腕部4からの突出長さの短い方を下側に向けて使用し、支持部3が基礎コンクリートに埋没しないようにすることができる。基礎コンクリートに埋没するか否かの点だけでみれば、基礎コンクリート上面と枠板天場との距離が長い場合は支持部3のどちら側を下側に向けても構わない。また、万一、支持部3が基礎コンクリートに埋没してしまった時の引き抜き易さを考慮して、支持部3を離型性の良いプラスチックにて、腕部4から離れるに従い漸次細径となるようにテーパー状に形成するのが好ましい。
【0022】
図5は、本発明の別の実施例を示す図である。本発明においては、腕部4を図5に示すように構成することもできる。即ち、図に基づき説明すれば、腕部4としては、支持部3の外側の対称位置に設けられた取着間隔保持部15と、該各取着間隔保持部15の外側の非上下端位置に設けられた取着部16と、上記取着間隔保持部15と支持部3とを連結する連結部17とから構成し、上記各取着間隔保持部15は上記支持部3側とは反対側に相互に平行な平面18を有しており、上記各取着部16は上記各取着間隔保持部15における上記相互に平行な平面18に対して直角な平面19を上下に有しているものである。
【0023】
連結部17は、支持部3の透孔2の方向に対して直角に設けられた2本の平板状部材からなる。連結部17は、支持部3及び取着間隔保持部15とそれより外側の部分を保持するためのものである。支持部3を挟んで対称な連結部17の長さは、通常、同一とされる。
【0024】
また、各連結部17の先端に設けられている各取着間隔保持部15においては、支持部3側とは反対側に位置して設けられている平面18,18が相互に平行である。取着間隔保持部15は図5に示すように平板状とすることができる。そして、平面18,18は連結部17に対して直角となるように位置している。該平面18,18は支持部3の透孔2の長さ方向(軸方向)に対して平行である。取着間隔保持部15は、アンカーボルト支持部材1を基礎コンクリート打設用の2枚の枠板上に配置した時、取着間隔保持部15の外側面18,18を各枠板の内面に当接させて型枠間隔を保持するためのものである。取着間隔保持部15の、連結部17との結合部基部20からの上下方向長さは、通常、同じ長さとされるが、これに限られない。
【0025】
また、各取着間隔保持部15の外側の上下方向中央位置に設けられている取着部16は、取着間隔保持部15における平面18,18に対して直角な平面19,19を上下両方に有しており、通常、図5に示すような平板状とされる。該平面19,19は連結部17と平行であり、支持部3の透孔2の長さ方向(軸方向)に対して直角である。取着部16は、それを基礎コンクリート打設用の2枚の枠板の上端面に載置することにより、アンカーボルト支持部材1を所定高さに位置固定するためのものである。
【0026】
上記各部は全て前記した如きプラスチックで構成されているが、金属で構成されていてもよい。尚、図5において支持部3はその上下端が連結部17よりも上下方向へ突出していると共に、上下の突出長さが相互に異なったものとして構成されている。
【0027】
また、本発明においては、図5に示すように、取着部16の幅方向両端が、取着間隔保持部15の幅方向両端よりも突出しているのが好ましい。このように構成されていると、図14、図15に示すように、取着部16における取着間隔保持部15の幅方向両端部より外側の突出部21,21の上面側から、従来から用いられている、基礎コンクリート打設用型枠の幅止め金具22で押さえるようにして取り付けることにより、アンカーボルト支持部材1をより強固に型枠に固定することができる。尚、本発明においては、このような態様に限られるものではなく、またこのような使用方法に限られない。尚、23は枠板への取り付けの際に釘等が挿通される孔である。
【0028】
図6〜図8は本発明の更に別の実施例を示す図である。図7は図6の支持部材を斜め方向から見た分解斜視図である。また図8は腕部4の一部を構成する連結部17を最大に延ばした状態を示す図である。本発明においては、腕部4の長さを、後述する連結部17と同様に構成することにより同一ピッチで段階的に変化させることができるように構成することができる(図示せず)。尚、腕部4の長さを可変にしない代わりに、図1に一点鎖線で示すように腕部4の幅方向中央位置で且つ長手方向に沿って所定ピッチで釘孔4bを設けてもよい。釘孔4bは例えば支持部3の中心から45mm離れた位置から始まり、外方へ7.5mmピッチで数個設けることができる。腕部4が取着間隔保持部15と取着部16と連結部17とからなる場合は、図6〜図8に示すように、連結部17が、その長さを同一ピッチで段階的に変化させることが可能であり、かつ支持部3を挟んで対称な各連結部17の長さを同一にすることができるように構成されたものとすることができる。
【0029】
図6〜図8において、連結部17は、支持部3に設けられた固定部24と、該固定部24の上方に重なるようにして設けられた可動部25とからなり、可動部25の外側先端には取着間隔保持部15が設けられている。固定部24と可動部25にはそれぞれ孔24a、25aが設けられており、24aは支持部3と取着間隔保持部15とを結ぶ方向に長い長孔である。尚、孔25aが長孔であっても、両方の孔が長孔であってもよい。上記いずれかの孔に雌螺子が切ってあり、雄螺子を通すことによるか、或いは上記両孔24a、25aにボルトを挿通して反対側をナットで締結することにより、固定部24と可動部25とを締結できるようになっている。図6〜図8においては、固定部24の長孔24aにビス26を通し、該ビス26を更に可動部25のネジ孔25aに通して該ネジ孔25aに螺合させて締結し、それによって可動部25を固定部24に対して固定した状態となるように構成されている。
【0030】
固定部24の下面には側面視山切り状の凸条24bが設けられており、また該固定部24の凸条24bに面する、可動部25の上面にも側面視山切り状の凸条25bが設けられており、両者における山切り状の凸条の凹凸ピッチは同一である。尚、固定部24と可動部25の噛み合う面の形状は必ずしも山切り状でなくとも、両者が互いに噛み合うことができるように、所定の一定ピッチの凸条と、それに噛み合うことができる上記と同一ピッチの凹条を結果的に有する凸条とから構成されていてもよい。図6〜図8では、支持部3はその長い方が固定部24の凸条24bとは反対側に、短い方が固定部24の凸条24b側になるように設けられているが、この逆でもよい。
【0031】
連結部17の長さを変化させるには、まず、ビス26を充分緩める。次いで、可動部25を長孔24aの長径の方向にスライドさせる。支持部3に対して対称方向の可動部についても同様にし、対称方向にある連結部17の長さが同一となるようにする。その後、各連結部17におけるビス26をネジ孔25aにネジ込み締結して可動部25を固定部24に対して固定状態とする。この固定状態では、支持部3を挟んで両側に配置された取着間隔保持部15の間において、支持部3は取着間隔保持部15,15の丁度中間に位置している。このように、図6〜図8の如き態様を採用すれば、支持部3を取着間隔保持部15,15の丁度中間位置に容易に位置させることが可能であり、また中間位置に精度よく位置させることが可能である。尚、支持部3を取着間隔保持部15,15の中間位置から偏らせた状態で固定することもできる。この場合、対称方向にある連結部17の長さを異ならしめるように変化させる。
【0032】
図9〜図11は、本発明の更に別の例を示す図であり、図9、図10は連結部17を最も縮めた状態のそれぞれ平面図、側面図であり、図11は連結部17を最大に延ばした状態の側面図である。本発明においては、図9〜図11に示すように、連結部17を2つの相互にスライド可能な可動部27,28から構成し、該可動部27,28に対してスライド可能に支持部3を設けて構成することもできる。図において、可動部27,28とは相対向する面が相互に噛み合うように、凹凸ピッチが同一の山切り状の凸条27b,28bがそれぞれ設けられている。可動部27にも28にも、支持部3と取着間隔保持部15とを結ぶ方向に長い長径を有し、短径は支持部3が挿通可能な大きさの長孔27a,28aがそれぞれ設けられており、該長孔27a,28aに支持部3が長孔27a,28aの長径方向にスライド可能に挿通されている。支持部3の長手方向途中には、鍔部29が設けられており、該鍔部29が可動部27の上面に位置するように設けられている。
【0033】
鍔部29において支持部3を挟んで対称位置にはビス孔30,30が設けられている。一方、上記可動部27,28において長孔27a、28aの短径方向両側には、該長孔27a,28aと平行であって長径方向を同一とするビス長孔27c,27c、及び28c,28cが設けられている。そして、ビス31が、ビス孔30と長孔28aと長孔27aとに通され、長孔27aから突出したビス31の先端側にナット32を螺合して締結されることにより、支持部3に設けられた鍔部29と、可動部28と、可動部27とが固定状態となるように構成されている。連結部17の長さを変化させるには、前記図6〜図8に基づき説明したのと同様の要領で行なう。尚、支持部3は、連結部17(可動部27及び28)の基部からの上下方向の長さが相互に異なっており、また、鍔部29から上下端側に行くにつれて漸次細径となるように構成されている。
【0034】
上記図9〜図11の如き態様を採用すれば、取着間隔保持部15,15の間隔をより広範囲に変化させることが可能であり、また支持部3の偏芯の程度を顕著なものとすることが可能である。
【0035】
尚、図9〜図11の態様の支持部材において、図12に示すように、支持部材1の片側において、ビス孔27cと28cのうち、内側即ち支持部3側寄りの縁端部e1 と、取着間隔保持部15の外側面における取着部16との結合基部f1 との間の長さw1 が、反対側における上記と同様の部分であるe2 とf2 との間の長さw2 と等しくなるように構成されていれば、支持部3を容易に中央位置に位置させることも可能である。即ち、図12に示すように、鍔部29を斜めにして、各ビス31がビス孔27c(28c)の縁端部に当接するように鍔部29を位置させることにより、必然的にf1 とf2 との真ん中に支持部3が位置することとなり、容易に、支持部3を真ん中に位置させることができる。
【0036】
図9において、32は定規として用いる目盛り線であり、裏面にも付いている。この目盛り線32があれば、図13に使用状態を示す平面図として示すように、土台33の端面34などの、アンカーボルト設置基準となる線に対して目盛り線32を適宜位置合わせすることにより、例えばアンカーボルトを土台33の中央などの所望の位置に位置決めすることが容易となる。このような目盛り線は、前記したどの実施例にも設けることができる。35は枠板を表わす。
【0037】
また、図5〜図11に示す態様において、取着部16を図14に示すように、少なくとも片側の取着間隔保持部15との付け根部16aから取着間隔保持部15の両側方向へわたって切り欠いた形とし、該切り欠き部縁辺16bが取着間隔保持部15の外側面18と相互に平行となるように構成してもよい。このようにしておけば、枠板間隔が広く腕部4(連結部17)を最大に延ばしても対応できない場合でも、上記切り欠き部縁辺16bを枠板内面上辺に位置合わせすることにより適正位置に取り付けることができる。
【0038】
図15、図16は本発明アンカーボルト支持部材の使用方法を説明するための説明図である。本発明のアンカーボルト支持部材を用いるに当たっては、例えば図15、図16に示すように、支持部材1を枠板35,35の上面に載置する。具体的には、取着部16を枠板35の上面に載せるようにする。その際、取着間隔保持部15,15が枠板35,35の内側に当接するように、腕部4(連結部17)の長さを前記した如き手順によって調節する。
【0039】
支持部材1として、その取着部の幅方向両端が、取着間隔保持部の幅方向両端よりも突出しているものを用いた場合は、次いで、図15〜図16に示すように、従来公知の基礎コンクリート打設用枠板の幅止め金具22を取着部16の突出部21,21の上面側から釘36等を打ち込むことにより取り付けて、該幅止め金具22で取着部16を押さえるようにすることにより、アンカーボルト支持部材1をより強固に枠板35に固定する。尚、幅止め金具22を用いずに取着部16を枠板35上面に取り付けるだけでもよい。また、図15(b)に示すように、枠板35が桟39を有するメタルホームのようなものである場合、取着部16をバイス(小型の簡易万力である)40を用いて桟39に固定することもできる。この方法は、腕部4が単に平板状のものでも適用できる。37は主筋である。アンカーボルトは主筋37に固定してもしなくともよい。
【0040】
本発明のアンカーボルト支持部材1の使用態様としては、支持部材1の取り付けに際しては、支持部3が2列の枠板の間になるように腕部4の両端を両枠板の上面に載置、固定した後、図4に示すように、アンカーボルト9の上部先端ボルト部分をナット部材6にあてがって摘み部材8を回すことによりナット部材6のネジ孔13に螺入させる。腕部4の長さが調節できるようになっている場合は、更に、両枠板間の間隔に合わせて腕部4の長さを調節する。上記操作手順は必要に応じて任意に変更可能である。
【0041】
本発明のアンカーボルト支持部材の別の使用態様として、図17に示すように、基礎コンクリート38の上面が充分に下方であるが基礎コンクリート上面へのボルト部分の突出長さも充分に長くする必要があって腕部よりも上方にボルト部分先端が突出するような場合に対しては、ナット部材と摘み部材とを取り外した形で使用する態様が挙げられる。この場合、支持部3の長い方を下側にしても、或いはその逆向きで使用してもどちらでもよい。また、基礎コンクリート38の上面がかなり上方であり枠板上面に近く、しかもボルト部分のコンクリート面からの突出長さを長くする必要があってボルト部分先端が枠板上面よりも上方へ突出する場合に対しては、図18に示すように、ナット部材と摘み部材とを取り外した形で支持部3の短い方を下側に向けて使用するのが望ましい。このようにすれば、コンクリート38の上面が支持部材1の下方間際まで到達しても、支持部3がコンクリートに埋没することがない。但し、図19に示すように、コンクリート38の上面がかなり上方にきても、支持部3の上下先端部が先細に形成されていれば、たとえコンクリート38内に支持部3が埋没しても容易に抜き取ることができるので、支持部の長い方がどちらの向きとなる使用法も可能である。尚、透2がアンカーボルト9を嵌挿できる径を有していると、支持部3下方がコンクリートに埋没してもアンカーボルト9と透孔2内壁との間に浸入しないので、支持部材1をコンクリートから一層抜き取り易い。
【0042】
【発明の効果】
本発明のアンカーボルト支持部材は以上のように構成されているので、長さが短く下端が土台にも鉄筋にも届かないアンカーボルトを使用した場合でも、また、基礎コンクリートの上面が施工枠板の天場よりもかなり下方に位置していても、基礎コンクリート上面に適当長さにアンカーボルト上部を突出させ得るような位置にアンカーボルトを確実に支持することができるという効果を奏する。
【0043】
また、支持部の透孔がアンカーボルトを挿通できる径を有していると共に、ナット部材と摘み部材とが相互に着脱自在に構成されており、両者を支持部から取り外すことができるように構成されている場合は、両者を支持部から取り外すことにより、アンカーボルトを支持部に通して支持部上方へ突出させた態様で使用できるので、基礎コンクリートの上面と施工枠板の天場との距離が小さくなる場合においても、基礎コンクリート上面に適当長さにアンカーボルト上部を突出させ得るような位置にアンカーボルトを支持する形で適用することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアンカーボルト支持部材の一例を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】ナット部材の支持部端部への取り付け態様を示す縦断面図である。
【図4】本発明アンカーボルト支持部材へのアンカーボルトの取り付け方法の説明図である。
【図5】本発明のアンカーボルト支持部材の別の例を示す斜視図である。
【図6】本発明のアンカーボルト支持部材の更に別の例を示す斜視図である。
【図7】図6のアンカーボルト支持部材の下方斜視図である。
【図8】図6のアンカーボルト支持部材の連結部伸長状態の下方斜視図である。
【図9】本発明のアンカーボルト支持部材の更に別の例を示す平面図である。
【図10】図9のアンカーボルト支持部材の側面図である。
【図11】図9のアンカーボルト支持部材の連結部伸長状態の側面図である。
【図12】本発明のアンカーボルト支持部材の更に別の例を示す平面図である。
【図13】図9と図12のアンカーボルト支持部材の使用方法を示す平面図である。
【図14】取着部の形状の例を示す平面図である。
【図15】本発明のアンカーボルト支持部材の使用方法について説明するための説明図であり、(a)はその一例、(b)は別の例を示す図である。
【図16】図15(a)の要部拡大図である。
【図17】本発明のアンカーボルト支持部材の一使用態様を示す図である。
【図18】ナット部材と摘み部材とを取り外したアンカーボルト支持部材の一使用態様を示す図である。
【図19】ナット部材と摘み部材とを取り外したアンカーボルト支持部材の別の使用態様を示す図である。
【符号の説明】
1 アンカーボルト支持部材
2 透孔
3 支持部
4 腕部
6 ナット部材
8 摘み部材
9 アンカーボルト
【発明の属する技術分野】
本発明はアンカーボルト支持部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、アンカーボルトの支持部材としては、例えば実公昭56−28276号公報に記載されたコンクリート仮枠支持金物における上場用部材がある。該支持金物における上場用部材は、アンカーボルト支持筒を貫通固定してなり、該支持筒には、横一文字の切込みを施してこの切込みに外側より線状バネの途中を嵌入させ、このバネに常時入り込み方向の復元弾性を付与してなるものである。
【0003】
上記上場用部材は、バネにより支持筒内に挿通されたアンカーボルトをその復元弾性によって支持筒内において支持筒内面に押しつけて固定状態とし、アンカーボルトの高さを定めることができるものである。
【0004】
通常、アンカーボルトを設置する場合は、基礎コンクリート内に埋め込む鉄筋に結わえ付けて固定する。しかしこれはアンカーボルトがある程度長い場合に可能な方法であり、アンカーボルトが短く、そのボルト部分を基礎コンクリート上面から突出させるようにすると反対側端部が下方に位置する鉄筋に届かず宙に浮いた状態となり、この状態で位置固定するには工夫が必要であった。この点、上記実公昭56−28276号公報のアンカーボルト支持部材は有用といえる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の支持部材は、基礎コンクリートの上面が、施工用枠板の天場(上面)よりもかなり低い場合、基礎コンクリート上方へ突出するボルト部分の長さを適当なようにしようとすると、アンカーボルト上端が支持部材に届かず支持部材で支持することができないという問題があったり、またアンカーボルト下端が土台にも届かない場合はアンカーボルトを支持することが不可能であるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、上記従来の欠点を解消し、長さが短く下端が土台にも鉄筋にも届かないアンカーボルトを使用した場合でも、また、基礎コンクリートの上面が施工枠板の天場よりもかなり下方に位置していても、基礎コンクリート上面に適当長さにアンカーボルト上部を突出させ得るような位置にアンカーボルトを確実に支持することができるアンカーボルト支持部材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(1)建築における基礎コンクリート用のアンカーボルト支持部材であって、アンカーボルトを支持するための、透孔を有する支持部と、該支持部から外側の少なくとも2方向へ向かって設けられた腕部と、上記支持部の一方の先端に回転自在に設けられ且つアンカーボルトをそれに螺入可能に構成されたナット部材と、該ナット部材に連結され且つ上記支持部の透孔を通りその一端が上記支持部の透孔を挟んで他方の先端に臨ませられて支持部に回転自在に設けられた摘み部材とからなり、アンカーボルトを腕部よりも下方に配置した状態で支持することができるように構成されていることを特徴とするアンカーボルト支持部材、(2)支持部の透孔が、アンカーボルトを挿通できる径を有していると共に、ナット部材と摘み部材とが別部材からなる別体として構成されていて相互に着脱自在であり、上記両者の連結状態を解いた時は支持部から取り外すことができるように構成されている上記(1)記載のアンカーボルト支持部材、(3)支持部は、その上下端が腕部よりも上下方向に突出していると共に上下の突出長さが異なっている上記(1)又は(2)記載のアンカーボルト支持部材、(4)腕部が、その長さを同一ピッチで段階的に変化させることができるように構成されている上記(1)〜(3)のいずれかに記載のアンカーボルト支持部材、(5)支持部から外側へ対称方向に向かって設けられた各腕部が、支持部の外側の対称位置に設けられた取着間隔保持部と、該各取着間隔保持部の外側の非上下端位置に設けられた取着部と、上記取着間隔保持部と支持部とを連結する連結部とからなるものであり、上記各取着間隔保持部は上記支持部側とは反対側に相互に平行な平面を有しており、上記各取着部は上記各取着間隔保持部における上記相互に平行な平面に対して直角な平面を上下に有している上記(1)〜(3)のいずれかに記載のアンカーボルト支持部材、(6)連結部が、その長さを同一ピッチで段階的に変化させることができるように構成されている上記(5)記載のアンカーボルト支持部材を要旨とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明のアンカーボルト支持部材の一例を示す斜視図、図2は図1のA−A線断面図である。アンカーボルト支持部材1は、建築において基礎コンクリート内に、その上端ボルト部分を基礎コンクリート上面に突出させるようにしてその下端を埋設されて用いられるアンカーボルトを、基礎コンクリート打設のために、その面間に所定間隔を保持して組まれる型枠板の間に配置して支持するための支持部材である。
【0009】
アンカーボルト支持部材1は、透孔2を有する支持部3と、該支持部3から外側へ対称方向に向かって設けられた腕部4と、上記支持部3の一方の先端5に回転自在に設けられたナット部材6と、該ナット部材6に連結され且つ支持部3の透孔2を通りその一端が支持部3の透孔2を挟んで他方の先端7に臨ませられて支持部3に回転自在に設けられた摘み部材8とからなる。透孔2は摘み部材8を挿通できる、好ましくは嵌挿できる径を有している。上記支持部3は、ナット部材6を介してアンカーボルト9を、腕部4よりも下方に配置した状態で支持することができるようになっている。
【0010】
アンカーボルト9を、腕部4から比較的長距離の下方にて支持できるようにするためには、ナット部材6が比較的長い所定長さを有しているか、又は支持部3が少なくとも下方に向かっては比較的長い所定長さを有しているか、少なくともいずれかの必要があるが、図1に示す本実施例では、ナット部材6としては特別長いものを用いず、その代わりに支持部3は腕部4より下方に長く突出した略円筒状に構成されている。尚、図では支持部3は腕部4の上方にも所定長さを有している。支持部3の腕部4よりも下方へ突出させる突出長さとしては任意であり、通常、枠板天場と基礎コンクリート上面との距離が比較的長くなる施工例としては該距離が110mmの場合が多く、また、基礎コンクリート上面からのアンカーボルト先端の突出長さを90mmとする場合が多いので、支持部3の腕部4との付け根からナット部材下端までの距離が20mmより大きくなるようにする。支持部3下端からナット部材6下端までの長さが10mmとなるようなナット部材を用いた場合、支持部3の腕部4より下方部分の長さは10mm超、通常、12〜13mmより大きくする。上記支持部3の下方部分の長さは、長さの異なるナット部材を使用する場合を考慮して、好ましくは20〜40mm、更に好ましくは25〜35mmとする。図1のように支持部が腕部の上下方向へ突出していていてその突出長さが異なっている場合、支持部のどちら側を上下どちらに向けてもよい。ナット部材6としては通常、支持部下端側への突出長さが10mm程度のものが用いられるが、これに限られない。
【0011】
腕部4は、基礎コンクリートとして形成されるための生コンクリートが流し込まれる空間を形成して所定間隔を隔てて配置される2列で1組を構成する枠板の、2列の間に支持部3を位置させるようにして両側の枠板の上面(天場という)に懸架させられるなどして仮固定に用いられる部分である。通常、該腕部4は枠板天場に釘等にて仮固定されて用いられる。4aは枠板への固定用の釘孔である。尚、腕部4の長さは左右共に同一でも、或いは異なっていてもよい。各腕部4の長さは任意であるが、腕部4面上の支持部3中心から100〜130mm程度とすることができる。各腕部4の長さが異なっている場合としては、例えば一方は支持部3中心から120mm、他方は105mmとすることができる。
【0012】
上記ナット部材6と摘み部材8とは、両者が連結された状態では支持部3から離脱しないように構成されている。具体的には例えば図1に示すように、支持部3の下端に透孔2よりも大径の凹陥部10が設けられ、該凹陥部10の中にナット部材6が嵌挿されるようになっており、ナット部材6の上端は凹陥部10の上面に当接されることによりそれ以上支持部3の内方へは進入しないようになっている。或いは、ナット部材6の下端部周囲に鍔部11を設け、該鍔部11の上面が支持部3下端面に当接されて引っ掛かることにより、ナット部材6がそれ以上支持部3の内方へは進入しないように構成してもよい。またそれと共に、摘み部材8の上端には広径部12が設けられており、該広径部12の下面が支持部3の上端面に当接して引っ掛かることにより、摘み部材8がそれ以上支持部3の内方へは進入しないようになっている。尚、支持部3下端部に凹陥部10を設けず、図3に示すように、支持部3の下端面にナット部材6の上面が当接するように、透孔2の径よりも大きい外径を有するナット部材を用いるようにしてもよい。また、ナット部材全体が支持部下端に嵌入されるようにしてもよい。支持部3の上下方向を変更可能とするため、ナット部材6と支持部3との当接部或いは嵌合部の形状と、摘み部材8と支持部3との当接部或いは嵌合部の形状とを同一としておくのが好ましい。
【0013】
摘み部材8の広径部12の周囲には、指で摘んで回転させる際の滑り止めとして、複数の凸条乃至凹状が所定間隔で設けられている。
【0014】
上記ナット部材6と摘み部材8とは別部材からなる別体として構成されており、支持部3の一端側に配置したナット部材6と、透孔2を挟んだ支持部3の他端側から透孔2に挿通した摘み部材8とを連結できるように構成されている。例えば、摘み部材8のナット部材側先端に、ナット部材6のネジ孔13の径とほぼ同径であって、ナット部材のネジ孔13にネジ込むには多少きつめの大きさの外径を有する雄螺子を形成したネジ部14を設けておき、ナット部材6を挿通部下方に配置し、摘み部材8を挿通部上方から透孔2に挿通し、ネジ部14をネジ孔13に強引に螺入することによりナット部材6と摘み部材8とを固定的に連結する。この状態では、ナット部材6と摘み部材8とを支持部3から抜き出すことはできない。
【0015】
摘み部材8をナット部材6に螺合する時のために、摘み部材8の広径部12の上面には六角レンチを用いて摘み部材8を回すことができるレンチ孔12aが設けられており、更に、ナット部材6の外形はスパナで該ナット部材が回せるように六角ナット状に形成されている。
【0016】
ナット部材6と摘み部材8とは、それらの螺合状態を解くことにより、それらの連結状態を解くことができ、両者を支持部3から取り外すことができる。このように構成されていれば、ナット部材と摘み部材とだけを交換して使用することができる。また、後述するような、ナット部材6と摘み部材8とを取り外した状態で使用することもできる。また、アンカーボルトの、基礎コンクリート上面からの突出長さを変えて使用したい場合にも、支持部3の上下方向を反転させて変えることによって対応できる。
【0017】
本発明においては、ナット部材6と摘み部材8とは必ずしも相互に着脱自在に構成されていなくともよい。即ち、当初両者を別体として構成し、支持部3を挟んだ形で両者を連結した後は、再び両者を取り外すことができなくなるような、接着剤による接着等の方法で連結してもよい。
【0018】
本発明のアンカーボルト支持部材1を用いてアンカーボルト9を支持するためには、図4に示すように、アンカーボルト9のボルト部分先端を支持部3下端のナット部材6のネジ孔13の端部にあてがい、摘み部材8を締め付け方向へ指で回転させると、摘み部材8の回転に伴いナット部材6も回転し、それによりアンカーボルト9はナット部材6のネジ孔13内へと、図中矢印a方向に螺入させられる。アンカーボルト9を支持部3から取り外すには、上記と逆の手順で行なえばよい。この、アンカーボルトの取り外しの際、摘み部材8を回転させてナット部材6を回転せしめるが、ナット部材6と摘み部材8とが螺合により連結されていた場合でも、この程度の操作では両者の連結状態は解かれないように両者はきつめに締結されている。
【0019】
本発明において、アンカーボルト支持部材1の少なくとも支持部3及び腕部4はプラスチック製であると、プラスチック成形にて一体成形できるので大量生産に好適である。ナット部材6と摘み部材8とは金属製でもプラスチック製でもよいが、生産性を考慮すればやはりプラスチック製が好ましい。上記プラスチックとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、フッ素樹脂、シリコン樹脂等、従来公知の材料を用いることができる。
【0020】
本発明においては、透孔2はアンカーボルト9が挿通できる径、好ましくは嵌挿できる径を有している態様とするのが好ましい。このように構成されていれば、長さの充分に長いアンカーボルトを用いる場合や、基礎コンクリートの上面から枠板の天場までの距離が非常に短い(即ち、枠板の高さが低めの)場合にも本発明品を使用できる。つまり、上記の場合はアンカーボルトのボルト部分が枠板よりもかなりの長さで上方へ突出することとなるが、支持部の中にアンカーボルトが通されるようになっているとアンカーボルトを支持部で直接、確実に支持することができるため、上記のような場合にも本発明品を適用することができて適用範囲が広くなる。
【0021】
上記のような構造とした場合、図1、図2に示すように、支持部3は、その上下端を腕部4よりも上下方向に突出させると共に上下の突出長さを異ならしめたものとするのが好ましい。このように構成すれば、基礎コンクリート上面と枠板の天場との距離が短い場合は、支持部3の、腕部4からの突出長さの短い方を下側に向けて使用し、支持部3が基礎コンクリートに埋没しないようにすることができる。基礎コンクリートに埋没するか否かの点だけでみれば、基礎コンクリート上面と枠板天場との距離が長い場合は支持部3のどちら側を下側に向けても構わない。また、万一、支持部3が基礎コンクリートに埋没してしまった時の引き抜き易さを考慮して、支持部3を離型性の良いプラスチックにて、腕部4から離れるに従い漸次細径となるようにテーパー状に形成するのが好ましい。
【0022】
図5は、本発明の別の実施例を示す図である。本発明においては、腕部4を図5に示すように構成することもできる。即ち、図に基づき説明すれば、腕部4としては、支持部3の外側の対称位置に設けられた取着間隔保持部15と、該各取着間隔保持部15の外側の非上下端位置に設けられた取着部16と、上記取着間隔保持部15と支持部3とを連結する連結部17とから構成し、上記各取着間隔保持部15は上記支持部3側とは反対側に相互に平行な平面18を有しており、上記各取着部16は上記各取着間隔保持部15における上記相互に平行な平面18に対して直角な平面19を上下に有しているものである。
【0023】
連結部17は、支持部3の透孔2の方向に対して直角に設けられた2本の平板状部材からなる。連結部17は、支持部3及び取着間隔保持部15とそれより外側の部分を保持するためのものである。支持部3を挟んで対称な連結部17の長さは、通常、同一とされる。
【0024】
また、各連結部17の先端に設けられている各取着間隔保持部15においては、支持部3側とは反対側に位置して設けられている平面18,18が相互に平行である。取着間隔保持部15は図5に示すように平板状とすることができる。そして、平面18,18は連結部17に対して直角となるように位置している。該平面18,18は支持部3の透孔2の長さ方向(軸方向)に対して平行である。取着間隔保持部15は、アンカーボルト支持部材1を基礎コンクリート打設用の2枚の枠板上に配置した時、取着間隔保持部15の外側面18,18を各枠板の内面に当接させて型枠間隔を保持するためのものである。取着間隔保持部15の、連結部17との結合部基部20からの上下方向長さは、通常、同じ長さとされるが、これに限られない。
【0025】
また、各取着間隔保持部15の外側の上下方向中央位置に設けられている取着部16は、取着間隔保持部15における平面18,18に対して直角な平面19,19を上下両方に有しており、通常、図5に示すような平板状とされる。該平面19,19は連結部17と平行であり、支持部3の透孔2の長さ方向(軸方向)に対して直角である。取着部16は、それを基礎コンクリート打設用の2枚の枠板の上端面に載置することにより、アンカーボルト支持部材1を所定高さに位置固定するためのものである。
【0026】
上記各部は全て前記した如きプラスチックで構成されているが、金属で構成されていてもよい。尚、図5において支持部3はその上下端が連結部17よりも上下方向へ突出していると共に、上下の突出長さが相互に異なったものとして構成されている。
【0027】
また、本発明においては、図5に示すように、取着部16の幅方向両端が、取着間隔保持部15の幅方向両端よりも突出しているのが好ましい。このように構成されていると、図14、図15に示すように、取着部16における取着間隔保持部15の幅方向両端部より外側の突出部21,21の上面側から、従来から用いられている、基礎コンクリート打設用型枠の幅止め金具22で押さえるようにして取り付けることにより、アンカーボルト支持部材1をより強固に型枠に固定することができる。尚、本発明においては、このような態様に限られるものではなく、またこのような使用方法に限られない。尚、23は枠板への取り付けの際に釘等が挿通される孔である。
【0028】
図6〜図8は本発明の更に別の実施例を示す図である。図7は図6の支持部材を斜め方向から見た分解斜視図である。また図8は腕部4の一部を構成する連結部17を最大に延ばした状態を示す図である。本発明においては、腕部4の長さを、後述する連結部17と同様に構成することにより同一ピッチで段階的に変化させることができるように構成することができる(図示せず)。尚、腕部4の長さを可変にしない代わりに、図1に一点鎖線で示すように腕部4の幅方向中央位置で且つ長手方向に沿って所定ピッチで釘孔4bを設けてもよい。釘孔4bは例えば支持部3の中心から45mm離れた位置から始まり、外方へ7.5mmピッチで数個設けることができる。腕部4が取着間隔保持部15と取着部16と連結部17とからなる場合は、図6〜図8に示すように、連結部17が、その長さを同一ピッチで段階的に変化させることが可能であり、かつ支持部3を挟んで対称な各連結部17の長さを同一にすることができるように構成されたものとすることができる。
【0029】
図6〜図8において、連結部17は、支持部3に設けられた固定部24と、該固定部24の上方に重なるようにして設けられた可動部25とからなり、可動部25の外側先端には取着間隔保持部15が設けられている。固定部24と可動部25にはそれぞれ孔24a、25aが設けられており、24aは支持部3と取着間隔保持部15とを結ぶ方向に長い長孔である。尚、孔25aが長孔であっても、両方の孔が長孔であってもよい。上記いずれかの孔に雌螺子が切ってあり、雄螺子を通すことによるか、或いは上記両孔24a、25aにボルトを挿通して反対側をナットで締結することにより、固定部24と可動部25とを締結できるようになっている。図6〜図8においては、固定部24の長孔24aにビス26を通し、該ビス26を更に可動部25のネジ孔25aに通して該ネジ孔25aに螺合させて締結し、それによって可動部25を固定部24に対して固定した状態となるように構成されている。
【0030】
固定部24の下面には側面視山切り状の凸条24bが設けられており、また該固定部24の凸条24bに面する、可動部25の上面にも側面視山切り状の凸条25bが設けられており、両者における山切り状の凸条の凹凸ピッチは同一である。尚、固定部24と可動部25の噛み合う面の形状は必ずしも山切り状でなくとも、両者が互いに噛み合うことができるように、所定の一定ピッチの凸条と、それに噛み合うことができる上記と同一ピッチの凹条を結果的に有する凸条とから構成されていてもよい。図6〜図8では、支持部3はその長い方が固定部24の凸条24bとは反対側に、短い方が固定部24の凸条24b側になるように設けられているが、この逆でもよい。
【0031】
連結部17の長さを変化させるには、まず、ビス26を充分緩める。次いで、可動部25を長孔24aの長径の方向にスライドさせる。支持部3に対して対称方向の可動部についても同様にし、対称方向にある連結部17の長さが同一となるようにする。その後、各連結部17におけるビス26をネジ孔25aにネジ込み締結して可動部25を固定部24に対して固定状態とする。この固定状態では、支持部3を挟んで両側に配置された取着間隔保持部15の間において、支持部3は取着間隔保持部15,15の丁度中間に位置している。このように、図6〜図8の如き態様を採用すれば、支持部3を取着間隔保持部15,15の丁度中間位置に容易に位置させることが可能であり、また中間位置に精度よく位置させることが可能である。尚、支持部3を取着間隔保持部15,15の中間位置から偏らせた状態で固定することもできる。この場合、対称方向にある連結部17の長さを異ならしめるように変化させる。
【0032】
図9〜図11は、本発明の更に別の例を示す図であり、図9、図10は連結部17を最も縮めた状態のそれぞれ平面図、側面図であり、図11は連結部17を最大に延ばした状態の側面図である。本発明においては、図9〜図11に示すように、連結部17を2つの相互にスライド可能な可動部27,28から構成し、該可動部27,28に対してスライド可能に支持部3を設けて構成することもできる。図において、可動部27,28とは相対向する面が相互に噛み合うように、凹凸ピッチが同一の山切り状の凸条27b,28bがそれぞれ設けられている。可動部27にも28にも、支持部3と取着間隔保持部15とを結ぶ方向に長い長径を有し、短径は支持部3が挿通可能な大きさの長孔27a,28aがそれぞれ設けられており、該長孔27a,28aに支持部3が長孔27a,28aの長径方向にスライド可能に挿通されている。支持部3の長手方向途中には、鍔部29が設けられており、該鍔部29が可動部27の上面に位置するように設けられている。
【0033】
鍔部29において支持部3を挟んで対称位置にはビス孔30,30が設けられている。一方、上記可動部27,28において長孔27a、28aの短径方向両側には、該長孔27a,28aと平行であって長径方向を同一とするビス長孔27c,27c、及び28c,28cが設けられている。そして、ビス31が、ビス孔30と長孔28aと長孔27aとに通され、長孔27aから突出したビス31の先端側にナット32を螺合して締結されることにより、支持部3に設けられた鍔部29と、可動部28と、可動部27とが固定状態となるように構成されている。連結部17の長さを変化させるには、前記図6〜図8に基づき説明したのと同様の要領で行なう。尚、支持部3は、連結部17(可動部27及び28)の基部からの上下方向の長さが相互に異なっており、また、鍔部29から上下端側に行くにつれて漸次細径となるように構成されている。
【0034】
上記図9〜図11の如き態様を採用すれば、取着間隔保持部15,15の間隔をより広範囲に変化させることが可能であり、また支持部3の偏芯の程度を顕著なものとすることが可能である。
【0035】
尚、図9〜図11の態様の支持部材において、図12に示すように、支持部材1の片側において、ビス孔27cと28cのうち、内側即ち支持部3側寄りの縁端部e1 と、取着間隔保持部15の外側面における取着部16との結合基部f1 との間の長さw1 が、反対側における上記と同様の部分であるe2 とf2 との間の長さw2 と等しくなるように構成されていれば、支持部3を容易に中央位置に位置させることも可能である。即ち、図12に示すように、鍔部29を斜めにして、各ビス31がビス孔27c(28c)の縁端部に当接するように鍔部29を位置させることにより、必然的にf1 とf2 との真ん中に支持部3が位置することとなり、容易に、支持部3を真ん中に位置させることができる。
【0036】
図9において、32は定規として用いる目盛り線であり、裏面にも付いている。この目盛り線32があれば、図13に使用状態を示す平面図として示すように、土台33の端面34などの、アンカーボルト設置基準となる線に対して目盛り線32を適宜位置合わせすることにより、例えばアンカーボルトを土台33の中央などの所望の位置に位置決めすることが容易となる。このような目盛り線は、前記したどの実施例にも設けることができる。35は枠板を表わす。
【0037】
また、図5〜図11に示す態様において、取着部16を図14に示すように、少なくとも片側の取着間隔保持部15との付け根部16aから取着間隔保持部15の両側方向へわたって切り欠いた形とし、該切り欠き部縁辺16bが取着間隔保持部15の外側面18と相互に平行となるように構成してもよい。このようにしておけば、枠板間隔が広く腕部4(連結部17)を最大に延ばしても対応できない場合でも、上記切り欠き部縁辺16bを枠板内面上辺に位置合わせすることにより適正位置に取り付けることができる。
【0038】
図15、図16は本発明アンカーボルト支持部材の使用方法を説明するための説明図である。本発明のアンカーボルト支持部材を用いるに当たっては、例えば図15、図16に示すように、支持部材1を枠板35,35の上面に載置する。具体的には、取着部16を枠板35の上面に載せるようにする。その際、取着間隔保持部15,15が枠板35,35の内側に当接するように、腕部4(連結部17)の長さを前記した如き手順によって調節する。
【0039】
支持部材1として、その取着部の幅方向両端が、取着間隔保持部の幅方向両端よりも突出しているものを用いた場合は、次いで、図15〜図16に示すように、従来公知の基礎コンクリート打設用枠板の幅止め金具22を取着部16の突出部21,21の上面側から釘36等を打ち込むことにより取り付けて、該幅止め金具22で取着部16を押さえるようにすることにより、アンカーボルト支持部材1をより強固に枠板35に固定する。尚、幅止め金具22を用いずに取着部16を枠板35上面に取り付けるだけでもよい。また、図15(b)に示すように、枠板35が桟39を有するメタルホームのようなものである場合、取着部16をバイス(小型の簡易万力である)40を用いて桟39に固定することもできる。この方法は、腕部4が単に平板状のものでも適用できる。37は主筋である。アンカーボルトは主筋37に固定してもしなくともよい。
【0040】
本発明のアンカーボルト支持部材1の使用態様としては、支持部材1の取り付けに際しては、支持部3が2列の枠板の間になるように腕部4の両端を両枠板の上面に載置、固定した後、図4に示すように、アンカーボルト9の上部先端ボルト部分をナット部材6にあてがって摘み部材8を回すことによりナット部材6のネジ孔13に螺入させる。腕部4の長さが調節できるようになっている場合は、更に、両枠板間の間隔に合わせて腕部4の長さを調節する。上記操作手順は必要に応じて任意に変更可能である。
【0041】
本発明のアンカーボルト支持部材の別の使用態様として、図17に示すように、基礎コンクリート38の上面が充分に下方であるが基礎コンクリート上面へのボルト部分の突出長さも充分に長くする必要があって腕部よりも上方にボルト部分先端が突出するような場合に対しては、ナット部材と摘み部材とを取り外した形で使用する態様が挙げられる。この場合、支持部3の長い方を下側にしても、或いはその逆向きで使用してもどちらでもよい。また、基礎コンクリート38の上面がかなり上方であり枠板上面に近く、しかもボルト部分のコンクリート面からの突出長さを長くする必要があってボルト部分先端が枠板上面よりも上方へ突出する場合に対しては、図18に示すように、ナット部材と摘み部材とを取り外した形で支持部3の短い方を下側に向けて使用するのが望ましい。このようにすれば、コンクリート38の上面が支持部材1の下方間際まで到達しても、支持部3がコンクリートに埋没することがない。但し、図19に示すように、コンクリート38の上面がかなり上方にきても、支持部3の上下先端部が先細に形成されていれば、たとえコンクリート38内に支持部3が埋没しても容易に抜き取ることができるので、支持部の長い方がどちらの向きとなる使用法も可能である。尚、透2がアンカーボルト9を嵌挿できる径を有していると、支持部3下方がコンクリートに埋没してもアンカーボルト9と透孔2内壁との間に浸入しないので、支持部材1をコンクリートから一層抜き取り易い。
【0042】
【発明の効果】
本発明のアンカーボルト支持部材は以上のように構成されているので、長さが短く下端が土台にも鉄筋にも届かないアンカーボルトを使用した場合でも、また、基礎コンクリートの上面が施工枠板の天場よりもかなり下方に位置していても、基礎コンクリート上面に適当長さにアンカーボルト上部を突出させ得るような位置にアンカーボルトを確実に支持することができるという効果を奏する。
【0043】
また、支持部の透孔がアンカーボルトを挿通できる径を有していると共に、ナット部材と摘み部材とが相互に着脱自在に構成されており、両者を支持部から取り外すことができるように構成されている場合は、両者を支持部から取り外すことにより、アンカーボルトを支持部に通して支持部上方へ突出させた態様で使用できるので、基礎コンクリートの上面と施工枠板の天場との距離が小さくなる場合においても、基礎コンクリート上面に適当長さにアンカーボルト上部を突出させ得るような位置にアンカーボルトを支持する形で適用することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアンカーボルト支持部材の一例を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】ナット部材の支持部端部への取り付け態様を示す縦断面図である。
【図4】本発明アンカーボルト支持部材へのアンカーボルトの取り付け方法の説明図である。
【図5】本発明のアンカーボルト支持部材の別の例を示す斜視図である。
【図6】本発明のアンカーボルト支持部材の更に別の例を示す斜視図である。
【図7】図6のアンカーボルト支持部材の下方斜視図である。
【図8】図6のアンカーボルト支持部材の連結部伸長状態の下方斜視図である。
【図9】本発明のアンカーボルト支持部材の更に別の例を示す平面図である。
【図10】図9のアンカーボルト支持部材の側面図である。
【図11】図9のアンカーボルト支持部材の連結部伸長状態の側面図である。
【図12】本発明のアンカーボルト支持部材の更に別の例を示す平面図である。
【図13】図9と図12のアンカーボルト支持部材の使用方法を示す平面図である。
【図14】取着部の形状の例を示す平面図である。
【図15】本発明のアンカーボルト支持部材の使用方法について説明するための説明図であり、(a)はその一例、(b)は別の例を示す図である。
【図16】図15(a)の要部拡大図である。
【図17】本発明のアンカーボルト支持部材の一使用態様を示す図である。
【図18】ナット部材と摘み部材とを取り外したアンカーボルト支持部材の一使用態様を示す図である。
【図19】ナット部材と摘み部材とを取り外したアンカーボルト支持部材の別の使用態様を示す図である。
【符号の説明】
1 アンカーボルト支持部材
2 透孔
3 支持部
4 腕部
6 ナット部材
8 摘み部材
9 アンカーボルト
Claims (6)
- 建築における基礎コンクリート用のアンカーボルト支持部材であって、アンカーボルトを支持するための、透孔を有する支持部と、該支持部から外側の少なくとも2方向へ向かって設けられた腕部と、上記支持部の一方の先端に回転自在に設けられ且つアンカーボルトをそれに螺入可能に構成されたナット部材と、該ナット部材に連結され且つ上記支持部の透孔を通りその一端が上記支持部の透孔を挟んで他方の先端に臨ませられて支持部に回転自在に設けられた摘み部材とからなり、アンカーボルトを腕部よりも下方に配置した状態で支持することができるように構成されていることを特徴とするアンカーボルト支持部材。
- 支持部の透孔が、アンカーボルトを挿通できる径を有していると共に、ナット部材と摘み部材とが別部材からなる別体として構成されていて相互に着脱自在であり、上記両者の連結状態を解いた時は支持部から取り外すことができるように構成されている請求項1記載のアンカーボルト支持部材。
- 支持部は、その上下端が腕部よりも上下方向に突出していると共に上下の突出長さが異なっている請求項1又は2記載のアンカーボルト支持部材。
- 腕部が、その長さを同一ピッチで段階的に変化させることができるように構成されている請求項1〜3のいずれかに記載のアンカーボルト支持部材。
- 支持部から外側へ対称方向に向かって設けられた各腕部が、支持部の外側の対称位置に設けられた取着間隔保持部と、該各取着間隔保持部の外側の非上下端位置に設けられた取着部と、上記取着間隔保持部と支持部とを連結する連結部とからなるものであり、上記各取着間隔保持部は上記支持部側とは反対側に相互に平行な平面を有しており、上記各取着部は上記各取着間隔保持部における上記相互に平行な平面に対して直角な平面を上下に有している請求項1〜3のいずれかに記載のアンカーボルト支持部材。
- 連結部が、その長さを同一ピッチで段階的に変化させることができるように構成されている請求項5記載のアンカーボルト支持部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07648897A JP3782540B2 (ja) | 1997-03-12 | 1997-03-12 | アンカーボルト支持部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07648897A JP3782540B2 (ja) | 1997-03-12 | 1997-03-12 | アンカーボルト支持部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10252274A JPH10252274A (ja) | 1998-09-22 |
JP3782540B2 true JP3782540B2 (ja) | 2006-06-07 |
Family
ID=13606612
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07648897A Expired - Fee Related JP3782540B2 (ja) | 1997-03-12 | 1997-03-12 | アンカーボルト支持部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3782540B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6003802B2 (ja) * | 2013-05-21 | 2016-10-05 | Jfeエンジニアリング株式会社 | アンカーボルト取り付け工法 |
JP6682245B2 (ja) * | 2015-11-25 | 2020-04-15 | 大和ハウス工業株式会社 | アンカーボルト位置決め定規およびその取付方法 |
JP7182383B2 (ja) * | 2018-06-28 | 2022-12-02 | 大和ハウス工業株式会社 | 建物の基礎の施工方法 |
-
1997
- 1997-03-12 JP JP07648897A patent/JP3782540B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10252274A (ja) | 1998-09-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3782540B2 (ja) | アンカーボルト支持部材 | |
JP3490497B2 (ja) | 土壌区画装置 | |
JP4191011B2 (ja) | 植栽用トレー設置構造 | |
JP3718012B2 (ja) | アンカーボルト支持部材 | |
US20070251177A1 (en) | Tile Which Is To Be Used For Covering Surfaces | |
JP2951283B2 (ja) | 簡易構造物用締結型接続子 | |
JP4061616B2 (ja) | 床板の取付用金具、床板の取付構造、床板の取付方法 | |
JP2889500B2 (ja) | フロアレベル | |
JP3837052B2 (ja) | パッキング材及び床下換気構造の構築方法 | |
JPH0756350Y2 (ja) | コンクリートの補強要素用スペーサ | |
JPS5922179Y2 (ja) | 縦形型枠支持材と型枠の結合具 | |
JPH0220355Y2 (ja) | ||
KR20190001817U (ko) | 거푸집 간격유지 고정장치 | |
JPS6036659Y2 (ja) | 小屋束装置 | |
KR950008947Y1 (ko) | 천정 판재 조립구 | |
KR200320198Y1 (ko) | 지하옹벽용 거푸집 고정구 | |
JP2569266B2 (ja) | 縦葺き屋根板およびこの屋根板を用いた屋根構造 | |
KR200411588Y1 (ko) | 외나사 유볼트 장치 | |
KR200316260Y1 (ko) | 핸드레일과 중간 지지봉의 비용접식 결합구조 | |
JPS6241075Y2 (ja) | ||
JPS6223867Y2 (ja) | ||
JPH071415Y2 (ja) | タイル用下地材 | |
JPH0635046Y2 (ja) | タイル張設部材 | |
JPS6223868Y2 (ja) | ||
JPS625475Y2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040114 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060210 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060222 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060310 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |