JP3782137B2 - 炭化水素接触分解触媒組成物およびそれを用いた接触分解方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化水素接触分解触媒組成物および接触分解方法に関し、さらに詳しくは炭化水素、特に重質炭化水素油の接触分解に使用して、分解活性が高く、コークやガスの生成が少なく、高沸点留分(残油)の分解能に優れた触媒組成物および接触分解方法に関する。
【0002】
【従来技術】
近年の石油事情の悪化は、バナジウム、ニッケル、鉄などの金属を多量に含む低品位の重質炭化水素油を、そのまま接触分解しなければならない事態を生じており、コークやガスの生成が少なく残油の分解能を向上させることが石油精製において望まれている。
多量の金属汚染物を含有する重質炭化水素油を、従来の結晶性アルミノシリケートゼオライト含有クラッキング触媒で処理した場合には、クラッキング触媒に金属が沈着するため、分解活性が損われるばかりでなく、沈着した金属により脱水素反応が促進され、その結果コークやガスの生成量が増加し、ガソリンの収率が低下する問題があった。
そこで、前述の問題を解決する方法として、結晶性アルミノシリケートゼオライトを含有するクラッキング触媒粒子と、アルミナ粒子(特開昭61−78897)、リン含有アルミナ粒子(特公平5−86439)やアンチモン、ビスマス、ボロン、マンガン、スズ、アルカリ土類金属及び希土類金属から選ばれる1種または2種以上の金属成分およびリン成分を固定したアルミナ粒子(特公平4−76399)などのアディティブ粒子との粒子混合物に、重質炭化水素油をクラッキング条件下で接触させることにより、クラッキング触媒粒子へのニッケルおよびバナジウムなどの沈着を少なくし、水素及びコークの生成が少なく、分解率およびガソリン収率の高い接触分解法が提案されている。
しかし、従来のアディティブ粒子とクラッキング触媒粒子の物理的混合物である触媒組成物では、水素およびコークの生成量が少ない点で一応の成果を収めているものの高沸点留分の分解能の点では必ずしも満足するものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ニッケルやバナジウムなどの金属汚染物を含む重質炭化水素油の接触分解に使用して、分解活性、ガソリン収率が高く、コークやガスの生成が少なく、残油(ボトム)の分解能に優れた炭化水素接触分解触媒組成物を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかわる炭化水素接触分解触媒組成物は、結晶性アルミノシリケートゼオライトを無機酸化物マトリックスに分散してなるクラッキング触媒粒子(A)と、アルミナ含有量が10〜35重量%である無定形シリカ−アルミナおよびリン成分をP 2 O 5 として0.1〜30重量%含有するアディティブ触媒粒子(B)との物理的混合であることを特徴とする。
前記アディティブ触媒粒子(B)は、さらにアルカリ土類金属成分を含有することが好ましく、また、無定形シリカ−アルミナを10〜95重量%の範囲で含有することが好ましい。
本発明の触媒組成物では、前記クラッキング触媒粒子(A)と、アディティブ触媒粒子(B)との混合割合(A)/(B)重量比が99/1〜50/50の範囲に有ることが好ましい。
また、本発明に係る接触分解方法は、前述の触媒組成物に、重質炭化水素油を接触分解条件下で接触させることを特徴とし、該接触分解方法によると、特に高沸点留分(残油)の分解率が向上する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を詳述する。
1.クラッキング触媒粒子(A)について
本発明におけるクラッキング触媒粒子(A)としては、無機酸化物マトリックスに結晶性アルミノシリケートゼオライトを実質的に均一に分散させた従来の各種クラッキング触媒がいずれも使用可能であるが、最も一般的には、無機酸化物マトリックスにシリカ又は、シリカ・アルミナにアンモニウムイオン交換されたY型ゼオライトを分散させた触媒が使用される。
本発明で使用する前記結晶性アルミノシリケートゼオライトには、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、モルデナイト、ZSM型ゼオライトおよび天然ゼオライトなどを使用することができ、これは通常の接触分解用触媒組成物の場合と同様、水素かアンモニウム及び多価金属から選ばれるカチオンでイオン交換された形で使用される。Y型ゼオライト、特に超安定性Y型ゼオライトは耐水熱安定性に優れているので好適である。
また、前記の無機酸化物マトリックスとしては、シリカ、シリカ−アルミナ、アルミナ、シリカ−マグネシア、アルミナ−マグネシア、リン−アルミナ、シリカ−ジルコニア、シリカ−マグネシア−アルミナなど結合剤として作用する通常の接触分解用触媒に使用される慣用の酸化物が挙げられる。
【0006】
無機酸化物マトリックスに分散させる結晶性アルミノシリケートゼオライトの量は、従来のクラッキング触媒の場合には10〜50重量、より一般的には20〜40重量%程度であるが、本発明の場合は、クラッキング触媒(A)と供に無定形シリカ−アルミナおよびリン化合物を含有するアディティブ触媒粒子(B)と混合する関係上、両者の混合比を考慮する必要がある。結晶性アルミノシリケートゼオライトの量が、クラッキング触媒粒子(A)と該アディティブ触媒粒子(B)の混合物基準〔(A)+(B)の混合物基準〕で少なくも5重量%、好ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは15〜40重量%になるようにあらかじめクラッキン触媒中の結晶性アルミノシリケートゼオライト量を調整しておくことが良い。ゼオライトの量が5重量%より少ない場合には所望のクラッキング活性が得られない事があるので好ましくない。50重量%を越えると水素、コークの生成量が増大するので好ましくない。
また、該結晶性アルミノシリケートゼオライトは、それを無機酸化物マトリックスに実質的に均一に分散させるために、その平均粒径は0.5〜5μm程度、好ましくは1〜2μm程度である。
前記クラッキング触媒粒子(A)は、無機酸化物マトリックスの前駆物質、例えばシリカヒドロゾル、シリカ−アルミナヒドロゲルなどに結晶性アルミノシリケートゼオライトを加えて均一に分散させ、得られた混合物スラリーを常法通り噴霧乾燥することによって製造することができる。そして、噴霧乾燥された粒子は必要に応じて洗浄され、洗浄後は、再び乾燥又は乾燥、焼成される。
該クラッキング触媒(A)の平均粒径は好ましくは20〜80μm、さらに好ましくは50〜70μmである。
また、嵩密度は、0.7〜1.0g/ml程度が好ましい。
【0007】
2.アディティブ触媒粒子(B)について
前記クラッキング触媒粒子(A)と混合されるアディティブ触媒粒子(B)は無定形シリカ−アルミナおよびリン成分を含有する粒子である。該アディティブ触媒粒子は、無機酸化物マトリックス中に無定形シリカ−アルミナを分散してなり、該無定形シリカ−アルミナは10〜95重量%の範囲にあることが好ましい。無定形シリカ−アルミナが10重量%より少ない場合には、十分な残油分解能がえられず、また95重量%よりも多い場合には、粒子の摩耗強度が弱くなることがある。該無定形シリカ−アルミナは、好ましくは30〜85重量%の範囲が望ましい。
また、該無定形シリカ−アルミナは固体酸の酸量、酸強度などの観点からアルミナを10〜35重量%の範囲で含有していることが必要である。
無機酸化物マトリックスとしては、クラッキング触媒に使用されるものと同様のものが使用可能である。
【0008】
本発明の炭化水素接触分解触媒組成物のアディティブ触媒粒子(B)中に含有されるリン成分は、P2O5として0.1〜30重量%、さらに好ましくは0.5〜20重量%の範囲である。
リン成分は、アディティブ触媒粒子(B)の強酸点を少なくし、弱酸点を増やし、炭化水素油の接触分解でのコークやガス(水素など)の生成を抑制する効果を有するものと思われる。リン成分が0.1重量%より少ない場合には、強酸点を弱酸点に変える作用が小さいためにコークやガスの生成を抑制する効果が小さく、また、30重量%より多い場合には、アディティブ触媒粒子(B)の全酸量が少なくなるため、残油の分解能が低下するので望ましくない。前記アディティブ触媒粒子(B)は、クラッキング触媒粒子(A)と混合状態で使用される関係上、両者が均一に混合することが可能なように、その平均粒径は、20〜80μm、さらに好ましくは50〜70μmである。
また、嵩密度は、0.7〜1.0g/mlの範囲にあるものが適当である。
また、アディティブ触媒粒子(B)は、固体酸の酸量、酸強度を調節するために、さらにアルカリ土類金属成分を含有することが好ましい。アルカリ土類金属としては、Mg,Ca,Sr,Baなどが例示される。該アルカリ土類金属成分は、少量でアディティブ触媒粒子(B)の強酸点を潰す作用を有することから、その含有量は、アルカリ金属酸化物(MeO)/P2O5モル比が3以下にすることが望ましい。アルカリ土類金属が、MeO/P2O5モル比3よりも過剰になると、フリーのアルカリ土類金属イオンが触媒組成物の使用中に移動してクラッキング触媒粒子(A)のゼオライトの骨格を破壊し、触媒組成物の分解活性選択性やオクタン価が低下することがある。
本発明のアディティブ触媒粒子(B)は、例えば次のようにして製造される。水硝子を硫酸に加えて調製したシリカヒドロゾルにカオリンクレーおよび水硝子にアルミン酸ソーダを加え、更に硫酸を加え別途調製したSiO2−Al2O3ヒドロゲルを加えて混合スラリーを調製する。
この混合スラリーを噴霧乾燥し微小球状粒子を得る。この微小球状粒子を洗浄した後、乾燥して得られた粒子に、リン酸水溶液を含浸した後、乾燥してアディティブ触媒粒子を得る。
また、所望により、リン酸水溶液を含浸した後、乾燥し、400〜900℃の温度範囲で焼成してもよい。この焼成または、反応塔、再生塔の処理によってリン成分は無定形シリカ−アルミナに固定される。
また、さらに、アルカリ土類金属成分を含有させる場合は、上記処方で調製したリン成分を含有する触媒組成物にアルカリ土類金属の硝酸化合物などの水溶液を使用して含浸した後、乾燥して目的の触媒組成物を得るか、または、予めアルカリ土類金属の硝酸化合物などの水溶液とリン酸水溶液を混合し、その混合液を使用して、前記処方の混合スラリーを噴霧乾燥して洗浄、乾燥して得られた粒子に含浸した後、乾燥して目的の触媒粒子を得ることができる。
前記本発明の触媒の調製には前記リン酸水溶液の他に、リン酸水素アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸エステルなどの各水溶液が使用可能である。
本発明のアディティブ触媒粒子(B)は、さらに希土類金属、ボロン、スズ、アンチモンなどのメタル不活性化成分を含有することも可能である。
【0009】
本発明の炭化水素接触分解触媒組成物では、前記クラッキング触媒粒子(A)とアディティブ触媒粒子(B)との混合割合は(A)/(B)重量比で99/1〜50/50の範囲にあることが望ましい。この範囲よりアディティブ触媒粒子(B)の量が少ない場合は、アディティブ触媒粒子の効果が発揮されず残油の分解能が低下するので望ましくない。また(A)/(B)重量比が50/50よりも小さい場合には、分解活性が低下し、コークやガスの生成が増加するので原料油を充分に接触分解することができない。好ましい(A)/(B)重量比は98/2〜70/30の範囲である。
本発明の接触分解方法では、上記したクラッキング触媒粒子(A)と上記アディティブ触媒粒子(B)との粒子混合物に重質炭化水素油がクラッキング条件下に接触せしめられる。
【0010】
重質炭化水素油としては、例えば、減圧軽油、常圧残油、減圧残油あるいはこれらのブレンド原料油などである。
クラッキング条件としては、従来当業界で慣用されているクラッキング条件が本発明でも採用可能であって、そうしたクラッキング条件の典型例を例示すれば、次の通りである。
反応温度 460〜540℃
WHSV 4〜30hr-1
cat/oil比 4〜12
また炭化水素油の流動接触分解法においては、コークの析出によって不活性化したクラッキング触媒を、カーボンバーニングによって再生し、クラッキング反応に再使用するが、本発明の方法でも従来の再生装置及び再生条件を使用して使用済みのクッキング触媒粒子(A)および該アディティブ触媒粒子(B)を再生し、これを再使用する。この再生は、通常600〜800℃で行われる。
【0011】
【実施例】
以下に実施例を示し本発明をさらに具体的に説明する。
【0012】
1.クラッキング触媒粒子の調製
水硝子を硫酸に加えて調製し12.5重量%のSiO2を含むシリカヒドロゾル4000gに、カオリンクレー500g(乾燥基準)、交換率65%でアンモニウムイオン交換されたY型結晶性アルミノシリケートゼオライト(NH4Yゼオライト)300g(乾燥基準)を加えて混合スラリーを調製した。
この混合スラリーを噴霧乾燥し微小球状粒子を得た。この微小球状粒子を洗浄した。洗浄時には、希土類金属(RE)を触媒重量あたり2.5重量%(酸化物基準)に相当するRECl3の水溶液を添加してREを担持した後、乾燥してクラッキング触媒粒子を得た。
このクラッキング触媒粒子はNH4Yゼオライトを22.5重量%、RE2O3を2.5重量%含有し、その平均粒子径は64μmであった。
このクラッキング触媒粒子を触媒aとする。
【0013】
2.アディティブ触媒粒子の調製
製造例1
水硝子に硫酸を加えて調製したシリカヒドロゲルを熟成した後、これにアルミン酸ソーダと硫酸アルミニウムを加えてSiO2/Al2O3重量比70/30のシリカ−アルミナヒドロゲルを調製した。
水硝子を硫酸に加えて調製した12.5重量%のSiO2を含むシリカヒドロゾル4000gに、カオリンクレー300g(乾燥基準)および前記に調製したSiO2−Al2O3ヒドロゲル500g(乾燥基準)を加えて混合スラリーを調製した。
この混合スラリーを噴霧乾燥し微小球状粒子を得た。この微小球状粒子を洗浄した後、乾燥してアディティブ触媒粒子を得た。
このアディティブ触媒粒子の平均粒子径は64μmであった。
この触媒粒子をb−0とする。
上記方法で得られた触媒粒子b−0に、リンをP2O5として触媒重量あたり1重量%に相当するリン酸水溶液を使用して含浸した後乾燥して、アディティブ触媒粒子(b−1)を得た。
【0014】
製造例2
製造例1で得られた触媒粒子b−0にリンをP2O5として触媒重量あたり5重量%に相当するリン酸水溶液を使用して含浸した後乾燥して、アディティブ触媒粒子(b−2)を得た。
【0015】
製造例3
製造例1で得られた触媒粒子b−0にリンをP2O5として触媒重量あたり20重量%に相当するリン酸水溶液を使用して含浸した後乾燥して、アディティブ触媒粒子(b−3)を得た。
【0016】
製造例4
製造例1で得られた触媒粒子b−0に、マグネシウムとリンをそれぞれMgOとして触媒重量あたり2重量%、P2O5として触媒重量あたり3重量%に相当する硝酸マグネシウム水溶液とリン酸水溶液の混合液を使用して含浸した後乾燥して、アディティブ触媒粒子(b−4)を得た。
【0017】
製造例5
製造例1で得られた触媒粒子b−0に、マグネシウムとリンをそれぞれMgOとして触媒重量あたり5重量%、P2O5として触媒重量あたり15重量%に相当する硝酸マグネシウム水溶液とリン酸水溶液の混合液を使用して含浸した後乾燥して、アディティブ触媒粒子(b−5)を得た。
【0018】
製造例6
製造例1で得られた触媒粒子b−0に、カルシウムとリンをそれぞれCaOとして触媒重量あたり2重量%、P2O5として触媒重量あたり3重量%に相当する硝酸カルシウム水溶液とリン酸水溶液の混合液を使用して含浸した後乾燥して、アディティブ触媒粒子(b−6)を得た。
【0019】
製造例7
製造例1で得られた触媒粒子b−0に、マグネシウムとカルシウムおよびリンをそれぞれMgOとして触媒重量あたり1重量%、CaOとして触媒重量あたり1重量%、P2O5として触媒重量あたり3重量%に相当する硝酸マグネシウム水溶液と硝酸カルシウム水溶液およびリン酸水溶液の混合液を使用して含浸した後乾燥して、アディティブ触媒粒子(b−7)を得た。
【0020】
製造例8
製造例1で得られた触媒粒子b−0に、マグネシウムをMgOとして触媒重量あたり5重量%に相当する硝酸マグネシウム水溶液を使用して含浸した後乾燥して、アディティブ触媒粒子(b−8)を得た。
【0021】
製造例9
製造例1で得られた触媒粒子b−0に、カルシウムをCaOとして触媒重量あたり5重量%に相当する硝酸カルシウム水溶液を使用して含浸した後乾燥して、アディティブ触媒粒子(b−9)を得た。
【0022】
実施例1〈性能試験〉
クラッキング触媒粒子(a)とアディティブ触媒粒子(b−1)〜(b−9)とを表1に示す混合割合で混合した触媒組成物について、触媒循環再生方式のMidget−2パイロットプラントを用いて性能評価した。
運転条件は次のとおりである。
原料油 : 脱硫常圧残さ油
重量空間速度 : 25 hr-1
触媒/油 : 7 重量比
反応温度 : 530 ℃
再生塔温度 : 670 ℃
ストリッピング温度: 530 ℃
再生触媒上のコーク: 0.05重量%
触媒組成物の性能を評価するのにあたり、以下のように触媒組成物の擬平衡化処理を行った。
クラッキング触媒粒子とアディティブ触媒粒子とを所定割合で混合した各触媒組成物にニッケル、バナジウムをそれぞれ1000ppm、1000ppm沈着させた。すなわち各触媒組成物を予め600℃で2時間焼成した後、所定量のナフテン酸ニッケル、ナフテン酸バナジウム溶液を、各触媒に吸収させ、次いで110℃で乾燥後、600℃で1.5時間焼成した。これらの触媒組成物を擬平衡化するため、810℃で6時間流動スチーム処理をした後、性能試験に供した。
測定結果を表1〜3に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
表1〜3から分る様に本発明の触媒組成物は転化率が高くガソリン及びLCO留分の収率が高く、HCO留分が少ない。即ちボトム分解能が高いことが分かる。またガソリンのオクタン価も高い特徴を有する。
【0026】
【発明の効果】
本発明の触媒組成物は、良好なボトム分解能をもちかつ水素、ガス、Coke生成を抑制する効果を有する。
これは、ボトム分解能をもつアディティブ触媒粒子(B)に適当な量のリン成分、さらにはアルカリ土類金属を組み入れたことによる効果である。
Claims (6)
- 結晶性アルミノシリケートゼオライトを無機酸化物マトリックスに分散してなるクラッキング触媒粒子(A)とアルミナ含有量が10〜35重量%である無定形シリカ−アルミナおよびリン成分をP 2 O 5 として0.1〜30重量%含有するアディティブ触媒粒子(B)との物理的混合物であることを特徴とする炭化水素接触分解触媒組成物。
- アディティブ触媒粒子(B)がさらにアルカリ土類金属成分を含有することを特徴とする請求項1記載の炭化水素接触分解触媒組成物。
- アディティブ触媒粒子(B)は無定形シリカ−アルミナを10〜95重量%の範囲で含有することを特徴とする請求項1または2記載の炭化水素接触分解触媒組成物。
- 結晶性アルミノシリケートゼオライトの量がクラッキング触媒粒子(A)とアディティブ触媒粒子(B)の混合物基準で5〜50重量%であることを特徴とする請求項1,2または3記載の炭化水素接触分解触媒組成物。
- クラッキング触媒粒子(A)と、アディティブ触媒粒子(B)との混合割合(A)/(B)の重量比が99/1〜50/50の範囲にあることを特徴とする請求項1,2,3または4記載の炭化水素接触分解組成物。
- 請求項1,2,3,4または5記載の炭化水素接触分解触媒組成物に重質炭化水素油を接触分解条件下で接触させる接触分解方法。
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