JP3780435B2 - Process for producing α-tetrasubstituted phthalocyanine - Google Patents

Description

【０００３】
式（１）中、フタロシアニン骨格周辺の１〜１６の数字は炭素原子の位置番号を示す。フタロシアニン骨格に結合する置換基Ｘは式（３）で表される１，１，１，３，３，３，−ヘキサフルオロ−２−フェニル−２−プロポキシ基を意味し、１又は４のいずれか、５又は８のいずれか、９又は１２のいずれか、１３又は１６のいずれかの位置の炭素原子にそれぞれ結合しているものとする。
【０００４】
【化４】

【０００５】
【従来の技術】
α−テトラ置換フタロシアニンの製法としては特開平５−１７７００号公報にみられる様に３−置換フタロニトリルを直接環化する方法と、特開平５−２５１７７号公報にみられる様に３−置換フタロニリルから一旦ジイミノイソインドリンを得、このジイミノイソインドリンを環化する方法とが知られている。
α−テトラ置換フタロシアニンにはフタロシアニン骨格の４，８，１２，１６位（１，５，９，１３位でも同じ）に置換基が位置する有機溶剤溶解性の低い異性体とこの異性体以外の比較的有機溶剤溶解性の高い３つの異性体とが存在し、これらの混合比によって光記録用色素としての性能が微妙に変化する。
これら異性体の生成比は、置換基及び中心金属が同一のフタロシアニンを製造する場合であっても製法が上記のいずれの方法であるかによって相当に異なっている。しかし、いずれの製法による場合にも前記した従来のフタロシアニンの場合にはフタロシアニン骨格の４，８，１２，１６位に置換基を有する異性体が、常に１番目か又は２番目に多く生成している点で共通している。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
前記した公報によればフタロシアニンの製法のうち、前者の３−置換フタロニトリルを直接環化する方法は、収率、工程数などの点で後者に優る方法と考えられる。
ところが、目的物として式（１）で表される特定のフタロシアニンを得る為にこの方法を採用した際には、使用する三塩化バナジウムの品質によって目的物中の異性体比が相当に異なり、フタロシアニン骨格の４，８，１２，１６位に置換基が位置する有機溶剤溶解性の低い（１１）式の異性体が全異性体の８０％以上を占めることが多かった。
また、（１１）式以外の異性体混合物を合計で全異性体の２５〜３０％生成させることができても、その為には条件設定を相当に厳しくしなければならず、量産化する場合は未だ再現性の面で不安が残った。更にまた、この様な厳しい条件設定で（１１）式以外の異性体混合物の生成比を高めようとすると、３−置換フタロニトリルからの粗製フタロシアニンの収率が５０％台と相当に悪くなるという不都合もみられた。
【０００７】
【化５】

【０００８】
本発明者は、この様な検討を基に、式（１）で表されるフタロシアニンを高収率で容易に製造することができ、また、フタロシアニン骨格の４，８，１２，１６位に置換基が位置する有機溶剤溶解性の低い（１１）式の異性体以外の異性体を多く、確実に製造することのできる方法を提供せんと研究の結果、既にジイミノイソインドリンを経由する発明に到達し出願済みである。
【０００９】
即ち、ジイミノイソインドリンを経由する発明とは、式（２）で表される３−置換フタロニトリルを脂肪族アルコール中、ナトリウム（又はカリウム）メトキシド、ナトリウム（又はカリウム）エトキシド、ナトリウム（又はカリウム）ブトキシドなどのアルコキシドの存在下にアンモニア、尿素、カルバミン酸アンモニウム、ホルムアミド及びカルバミン酸エチルから選ばれる化合物と反応させて式（４）で表されるジイミノイソインドリンを得た後、これを反応系から単離することなく引き続き三塩化バナジウムと反応させることを特徴とする、式（１）で表されるα−テトラ置換フタロシアニンの製造法である。
【００１０】
【化６】

【００１１】
【化７】

【００１２】
このジイミノイソインドリンを経由する発明により、式（１１）の異性体以外の異性体が全異性体中に５０〜９０％を占めるフタロシアニンを収率よく得ることが可能となった。
本発明は、式（１１）の異性体以外の異性体が全異性体中に占める比率を更に異ならしめ、３種類の異性体を比較的均等に生成させることのできる方法について検討の結果到達したものであり、３−置換フタロニトリルを直接環化する前述の方法とジイミノイソインドリンを経由する出願済みの方法との中間に位置する新規な方法に係るものである。尚、α−テトラ置換フタロシアニンには理論的に４種類の異性体が考えられる。しかし、本発明のα−テトラ置換フタロシアニンの場合、いずれの方法によっても４種類の異性体は得られず、多くても３種類の異性体が得られのみである。
【００１３】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、式（２）で表される３−置換フタロニトリルを脂肪族アルコール中、１，８−ジアザビシクロ［５．４．０］−７−ウンデセン（以下ＤＢＵという）の存在下にアンモニア、尿素、カルバミン酸アンモニウム、ホルムアミド及びカルバミン酸エチルから選ばれる化合物と反応させた後、引き続き三塩化バナジウムと反応させることを特徴とする、式（１）で表されるα−テトラ置換フタロシアニンの製造法に係るものである。
【００１４】
本発明は、既述のジイミノイソインドリンを経由する発明で使用するアルコキシドに代えてＤＢＵを使用する。
アルコキシドを使用する場合、アンモニアなどの量が充分であれば原料の３−置換フタロニトリルはアンモニアなどとの３０〜６０℃の反応で完全になくなっていくことが薄層クロマトグラフィの経時観察でわかっている。ところが、ＤＢＵを使用する場合、ジイミノイソインドリンも一部生成するが、反応温度や反応時間を多少変化させても、３−置換フタロニトリルの多くが消費しきらずに残存する。
【００１５】
本発明の反応機構は不明であるが、上記の点から本発明においては前半の反応で生成したジイミノイソインドリンが環化してα−テトラ置換フタロシアニンに至る反応と、前半の反応で消費しきらずに残存した３−置換フタロニトリルが環化してα−テトラ置換フタロシアニンに至る反応の２種類が後半の反応で生起するものと思われる。
【００１６】
【発明の実施の形態】
（３）式で表される３−置換フタロニトリルとアンモニアとの反応は、３−置換フタロニトリルを仕込んだ反応容器中へアンモニアを継続的に導入しつつおこなっても、反応容器中へ当初にアンモニアを導入するのみ後は導入せずにおこなってもよい。
【００１７】
アンモニアの代りに尿素又はカルバミン酸アンモニウムを使用して３−置換フタロニトリルと反応させる場合は、３−置換フタロニトリルに対しその０．５倍モル程度の尿素又はカルバミン酸アンモニウムを仕込んで反応させればよい。またアンモニアの変わりにホルムアミド又はカルバミン酸エチルを使用する場合は、３−置換フタロニトリルに対し同モル程度のホルムアミド又はカルバミン酸エチルを仕込んで反応させればよい。
この３−置換フタロニトリルとアンモニア、尿素、カルバミン酸アンモニウム、ホルムアミド及びカルバミン酸エチルから選ばれる化合物との反応は、９０℃以下の低温でおこなえばよい。
【００１８】
３−置換フタロニトリルとアンモニア、尿素、カルバミン酸アンモニウム、ホルムアミド及びカルバミン酸エチルから選ばれる化合物との反応とこの反応に続くジイミノイソインドリン又は／及び３−置換フタロニトリルの環化反応を一浴でおこなうには、先の反応に使用する脂肪族アルコールとして炭素数５〜８の脂肪族アルコールを用いることが望ましい。先の反応に炭素数５〜８の脂肪族アルコールを用いた場合には、後の環化反応に必要な温度を常圧下に無理なく達成できるからである。
後半のジイミノイソインドリンなどの環化反応は、９０〜１５０℃、更に望ましくは１００〜１３０℃でおこなう。この温度が低くなればなるほど反応は進み難くなる。
一方、反応温度が高すぎると、目的とするフタロシアニン中、歪の大きい構造の異性体の比率が減少したり、各種の副生物が増大する危険性が大きくなる。
【００１９】
後半のジイミノイソインドリンなどの環化反応は、出発原料である３−置換フタロニトリルの仕込モル数のおよそ４分の１モルに相当する三塩化バナジウムを添加して反応させる。
この三塩化バナジウムの反応系への添加に際しては、残存するアンモニアなどによって三塩化バナジウムが消費したり、分解したりすることのない様に反応系へ事前に窒素を導入するとよい。
【００２０】
以上により、反応系中に溶存した状態で生成したフタロシアニンを固形粉末として得、光記録媒体などの用途に利用するに当たっては、反応溶液をメタノールなどで希釈した後、攪拌下に水を滴下して析出するフタロシアニン色素を濾集し、得られたペーストを常法により洗浄・乾燥して粗製のフタロシアニンとする。次いで粗製のフタロシアニンをシリカゲルカラムクロマトグラフィにかけ、適宜間隔で各種異性体からなるフタロシアニンを順次分取し、濃縮・乾燥して精製フタロシアニンとする。
分取した精製フタロシアニンについては、それぞれに含まれる異性体の種類や比率を適宜液体クロマトグラフィなどで確認し、適宜の分取区分を組み合わせて光記録媒体などの用途に供する。
【００２１】
以上の本発明の方法による（２）式の３−置換フタロニトリルからの粗製フタロシアニンの収率（粗製収率）は６０％台であり、粗製フタロシアニンからの精製フタロシアニンの収率（精製収率）は４０％台である。
ちなみに、３−置換フタロニトリルを直接環化して本発明のフタロシアニンを得る場合には、異性体生成比率を度外視した場合でも粗製フタロシアニンの収率は７０％台止まりであり、前記した様に式（１１）の異性体以外からなる異性体の生成比を２５〜３０％まで増大させようとするとその収率は５０％台止まりとなる。しかも、この場合は粗製フタロシアニンからの精製フタロシアニンの精製収率も３０％台と低い。
一方、ジイミノイソインドリンを経由する出願済みの方法による場合、（３）式の３−置換フタロニトリルからの粗製フタロシアニンの収率（粗製収率）は８０％台におよび、粗製フタロシアニンからの精製フタロシアニンの収率（精製収率）は７０％台におよぶ。特に前半の反応でホルムアミドを使用した場合には、粗製フタロシアニンの収率が８０％台におよぶだけでなく、精製フタロシアニンの収率も９０％台におよぶ。
また、収率に重点をおいてこの出願済みの方法により得たフタロシアニン中には、式（１１）の異性体以外の異性体が合計して５０〜９０％含まれており、多くの場合は式（１１）の異性体以外の異性体が７０％以上を占める。
【００２２】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。
実施例１
１）３−（１’，１’，１’，３’，３’，３’−ヘキサフルオロ−２’−フェニル−２’−プロポキシ）フタロニトリルの合成；
反応フラスコに１，１，１，３，３，３−ヘキサフルオロ−２−フェニル−２−プロパノール２９．３ｇ（０．１２０ｍｏｌ）、３−ニトロフタロニトリル１７．３ｇ（０．１００ｍｏｌ）、無水炭酸カリウム５５．２ｇ（０．４００ｍｏｌ）、及びジメチルスルホキシド１００ｍｌを仕込み、窒素気流下７０℃で６時間撹拌した。室温まで放冷後、反応混合物を水１００ｍｌ中に排出し、析出物をろ集、水洗、１００℃で乾燥して２５．９ｇの目的物結晶を得た（収率７０％）。この化合物の融点は１５０〜１５５℃であり、ＧＣ／ＭＳ分析の結果、分子量ピークＭ^＋＝３７０が確認された。
【００２３】
２）環化反応；
反応フラスコに上記で得られたフタロニトリル誘導体１８．５ｇ（０．０５００ｍｏｌ）、ＤＢＵ３．８０ｇ（０．０２５０ｍｏｌ）、ホルムアミド１．１２ｇ（０．０２５０ｍｏｌ）、１−ペンタノール１００ｍｌを仕込み、窒素気流下で撹拌しながら９０℃まで加熱し、この温度で１時間攪拌した。次いで、三塩化バナジウム２．２４ｇ（０．０１４３ｍｏｌ）を投入した。その後、１１０℃まで加熱し、この温度で４時間撹拌した。放冷後、反応混合物をメタノール２３０ｍｌ中に排出し、撹拌下で水１１５ｍｌを滴下して生成物を晶析させた。これをろ集、メタノール／水（２／１：容量比）３００ｍｌで洗浄、１００℃で乾燥して１２．６２ｇの粗製色素を得た（粗収率６５．２６％）。
ここで得られた粗製色素を液体クロマトグラフィーにより分析し（分析条件：カラム；ＮＵＣＬＥＯＳＩＬ ３００−５Ｃ１８ ９６ＹＢ−２，キャリア；ＴＨＦ／メタノール＝１０／９０）、次の表１のような結果を得た。
【００２４】
【表１】

【００２５】
表１中、ピークＮｏ．１、及び２は有機溶剤に対する溶解度が高い成分である。ピークＮｏ．３は、有機溶剤に対する溶解度が低い（１１）式の異性体と他の異性体の２種の異性体から成るピークであると推定される。シリカゲルカラムクロマトグラフィー（トルエン／ヘキサン＝７／３：容量比）により精製して、その異性体比を調査した結果、（１１）式の異性体と構造不明の色素成分に分離することができた。後者は、その吸収波長、及びＬＣ／ＭＳの結果より、環化反応中に置換基の一部が分解した成分であると推定されたが、その生成量は微量であった。
【００２６】
前記で得た粗製色素２．５０ｇをトルエンを溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した結果、精製色素１．１７ｇを得た（精製収率４６．８％）。
【００２７】
実施例２
ＤＢＵの仕込量を７．６０ｇ（０．０５００ｍｏｌ）とした以外は、すべて実施例１と同様にして目的とする粗製色素を得た。粗収量１１．７３ｇ（粗収率６０．６６％）。
ここで得た粗製色素を実施例１と同様に液体クロマトグラフィーにより分析し、次の表２のような結果を得た。
【００２８】
【表２】

【００２９】
さらに上記で得た粗製色素２．５０ｇをトルエンを溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した結果、精製色素０．９５ｇを得た（精製収率３８．０％）。
【００３０】
実施例３
ＤＢＵの仕込量を１１．４ｇ（０．０７５０ｍｏｌ）とした以外は、すべて実施例１と同様にして目的とする粗製色素を得た。粗収量１２．８８ｇ（粗収率６６．１３０％）。
ここで得た粗製色素を実施例１と同様に液体クロマトグラフィーにより分析し、次の表３のような結果を得た。
【００３１】
【表３】

【００３２】
さらに上記で得た粗製色素２．５０ｇをトルエンを溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した結果、精製色素１．００ｇを得た（精製収率４０．０％）。
以上の実施例１〜３で得た粗製色素について物性を調査した結果を表４に示す。
【００３３】
【表４】

【００３４】
実施例４
実施例１の１）と同様にして得たフタロニトニル誘導体１８．５ｇ（０．０５００ｍｏｌ）、ＤＢＵ３．８０ｇ（０．０２５０ｍｏｌ）、尿素１．５０ｇ（０．０２５０ｍｏｌ）、１−ペンタノール１００ｍｌを仕込み、窒素気流下で撹拌しながら９０℃まで加熱し、この温度で１時間攪拌した。次いで、三塩化バナジウム２．２４ｇ（０．０１４３ｍｏｌ）を投入した後、１１０℃まで加熱し、この温度で４時間撹拌した。放冷後、反応混合物をメタノール２３０ｍｌ中に排出し、撹拌下で水１１５ｍｌを滴下して生成物を晶析させた。これをろ集、メタノール／水（２／１：容量比）３００ｍｌで洗浄、１００℃で乾燥して１３．１０ｇの粗製色素を得た（粗収率６７．７４％）。
ここで得られた粗製色素を実施例１と同様に液体クロマトグラフィーにより分析したところ、ピークＮｏ１、ピークＮｏ２、ピークＮｏ３の濃度は順に２８．８％、２５．１％、１６．２％であった。
【００３５】
【発明の効果】
本発明によれば、３種類の異性体の生成比が比較的均等なα−テトラ置換フタロシアニンを再現性よく得ることができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a dye for optical recording, a dye for a color filter, a photoelectric conversion element, an electrophotographic photosensitive member, an organic semiconductor element, a catalyst and a gas sensor, and an α-tetra substitution represented by the formula (1) that can be used for a color filter. The present invention relates to a method for producing phthalocyanine.
[0002]
[Chemical 3]

[0003]
In the formula (1), the numbers 1 to 16 around the phthalocyanine skeleton indicate the position numbers of carbon atoms. The substituent X bonded to the phthalocyanine skeleton means a 1,1,1,3,3,3-hexafluoro-2-phenyl-2-propoxy group represented by the formula (3). Or 5 or 8, 9 or 12, or 13 or 16 at any position.
[0004]
[Formula 4]

[0005]
[Prior art]
The α-tetrasubstituted phthalocyanine can be produced by directly cyclizing 3-substituted phthalonitrile as seen in JP-A-5-17700, or 3-substituted phthalonylyl as seen in JP-A-5-25177. Is known to once obtain diiminoisoindoline and cyclize this diiminoisoindoline.
α-Tetra-substituted phthalocyanines include isomers with low solubility in organic solvents in which substituents are located at the 4,8,12,16 positions of the phthalocyanine skeleton (the same applies to the 1,5,9,13 positions). There are three isomers having relatively high solubility in organic solvents, and the performance as an optical recording dye slightly changes depending on the mixing ratio thereof.
The production ratio of these isomers varies considerably depending on which of the above methods is used, even in the case of producing a phthalocyanine having the same substituent and central metal. However, in any of the production methods, in the case of the above-described conventional phthalocyanine, the isomer having a substituent at the 4, 8, 12, 16 position of the phthalocyanine skeleton is always produced first or second most. In common.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
According to the above-mentioned publication, among the methods for producing phthalocyanine, the former method of directly cyclizing 3-substituted phthalonitrile is considered to be superior to the latter in terms of yield and number of steps.
However, when this method is adopted to obtain the specific phthalocyanine represented by the formula (1) as the target product, the isomer ratio in the target product varies considerably depending on the quality of the vanadium trichloride used. In many cases, the isomer of the formula (11) having a substituent located at the 4, 8, 12, 16 position of the skeleton and having low solubility in the organic solvent accounts for 80% or more of the total isomer.
In addition, even if a mixture of isomers other than the formula (11) can be produced in a total of 25 to 30% of all isomers, the condition setting must be made considerably strict for that purpose, and mass production There was still anxiety in terms of reproducibility. Furthermore, when trying to increase the production ratio of the isomer mixture other than the formula (11) under such severe conditions, the yield of the crude phthalocyanine from the 3-substituted phthalonitrile is considerably deteriorated to 50% level. There were also inconveniences.
[0007]
[Chemical formula 5]

[0008]
Based on such studies, the present inventor can easily produce the phthalocyanine represented by the formula (1) in a high yield, and substitutes the phthalocyanine skeleton at positions 4, 8, 12, and 16. As a result of research to provide a method capable of reliably producing many isomers other than the isomer of formula (11) having a low solubility in the organic solvent in which the group is located, as a result of research, the invention has already been made through diiminoisoindoline. Reached and filed.
[0009]
That is, the invention via diiminoisoindoline means that 3-substituted phthalonitrile represented by the formula (2) is mixed with aliphatic (alkaline) sodium, sodium (or potassium) methoxide, sodium (or potassium) ethoxide, sodium (or potassium). ) Reaction with a compound selected from ammonia, urea, ammonium carbamate, formamide and ethyl carbamate in the presence of an alkoxide such as butoxide to obtain a diiminoisoindoline represented by the formula (4) This is a process for producing an α-tetrasubstituted phthalocyanine represented by the formula (1), characterized in that it is subsequently reacted with vanadium trichloride without isolation from the system.
[0010]
[Chemical 6]

[0011]
[Chemical 7]

[0012]
According to the invention via diiminoisoindoline, it is possible to obtain a phthalocyanine in which the isomer other than the isomer of the formula (11) accounts for 50 to 90% in all isomers in a high yield.
The present invention has been achieved as a result of a study on a method capable of producing three types of isomers relatively evenly by further differentiating the ratio of isomers other than the isomer of formula (11) in the total isomers. And relates to a novel process that is intermediate between the above-described process for direct cyclization of 3-substituted phthalonitriles and the filed process via diiminoisoindoline. It should be noted that the α-tetrasubstituted phthalocyanine can theoretically have four types of isomers. However, in the case of the α-tetrasubstituted phthalocyanine of the present invention, any of the four isomers cannot be obtained by any method, and at most three types of isomers are obtained.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
That is, the present invention relates to 3-substituted phthalonitrile represented by the formula (2) in an aliphatic alcohol in the presence of 1,8-diazabicyclo [5.4.0] -7-undecene (hereinafter referred to as DBU). , Urea, ammonium carbamate, formamide and ethyl carbamate, followed by reaction with vanadium trichloride, followed by production of α-tetrasubstituted phthalocyanine represented by formula (1) It is related to the law.
[0014]
In the present invention, DBU is used in place of the alkoxide used in the above-described invention via diiminoisoindoline.
When alkoxide is used, if the amount of ammonia or the like is sufficient, the raw material 3-substituted phthalonitrile is completely eliminated by reaction with ammonia at 30 to 60 ° C. Yes. However, when DBU is used, a part of diiminoisoindoline is also produced, but even if the reaction temperature and reaction time are slightly changed, most of the 3-substituted phthalonitrile remains without being consumed.
[0015]
Although the reaction mechanism of the present invention is unclear, in the present invention from the above points, the diiminoisoindoline produced in the first half of the reaction cyclizes to α-tetrasubstituted phthalocyanine, and the first half of the reaction does not consume it. It is considered that two types of reactions in which the remaining 3-substituted phthalonitrile cyclizes to α-tetrasubstituted phthalocyanine occur in the latter reaction.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Even if the reaction of 3-substituted phthalonitrile represented by the formula (3) and ammonia is carried out while continuously introducing ammonia into a reaction vessel charged with 3-substituted phthalonitrile, it is initially introduced into the reaction vessel. You may carry out without introduce | transducing only after introduce | transducing ammonia.
[0017]
When using urea or ammonium carbamate instead of ammonia and reacting with 3-substituted phthalonitrile, about 0.5 times mole of urea or ammonium carbamate is charged with respect to 3-substituted phthalonitrile. That's fine. In addition, when formamide or ethyl carbamate is used instead of ammonia, the reaction may be carried out by adding about the same mole of formamide or ethyl carbamate to 3-substituted phthalonitrile.
The reaction between the 3-substituted phthalonitrile and a compound selected from ammonia, urea, ammonium carbamate, formamide, and ethyl carbamate may be performed at a low temperature of 90 ° C. or lower.
[0018]
One bath for the reaction of 3-substituted phthalonitrile with a compound selected from ammonia, urea, ammonium carbamate, formamide, and ethyl carbamate and the subsequent cyclization of diiminoisoindoline or / and 3-substituted phthalonitrile. In this case, it is desirable to use an aliphatic alcohol having 5 to 8 carbon atoms as the aliphatic alcohol used in the previous reaction. This is because, when an aliphatic alcohol having 5 to 8 carbon atoms is used in the previous reaction, the temperature necessary for the subsequent cyclization reaction can be easily achieved under normal pressure.
The latter cyclization reaction of diiminoisoindoline and the like is performed at 90 to 150 ° C, more preferably at 100 to 130 ° C. The lower this temperature, the less likely the reaction will proceed.
On the other hand, if the reaction temperature is too high, the ratio of isomers having a large strain in the target phthalocyanine is decreased, and the risk of increasing various by-products is increased.
[0019]
In the latter half of the cyclization reaction of diiminoisoindoline or the like, vanadium trichloride corresponding to about one-fourth of the charged mole number of 3-substituted phthalonitrile as a starting material is added and reacted.
When adding vanadium trichloride to the reaction system, nitrogen is preferably introduced into the reaction system in advance so that vanadium trichloride is not consumed or decomposed by residual ammonia or the like.
[0020]
As described above, phthalocyanine produced in a state dissolved in the reaction system is obtained as a solid powder, and when used for applications such as an optical recording medium, the reaction solution is diluted with methanol and then water is added dropwise with stirring. The precipitated phthalocyanine dye is collected by filtration, and the resulting paste is washed and dried by a conventional method to obtain crude phthalocyanine. Next, the crude phthalocyanine is subjected to silica gel column chromatography, and phthalocyanines consisting of various isomers are sequentially collected at appropriate intervals, concentrated and dried to obtain purified phthalocyanine.
For the purified phthalocyanine thus separated, the types and ratios of the isomers contained therein are appropriately confirmed by liquid chromatography or the like, and combined with appropriate fractionation categories for use as an optical recording medium.
[0021]
The yield (crude yield) of the crude phthalocyanine from the 3-substituted phthalonitrile of the formula (2) by the above-described method of the present invention is about 60%, and the yield of the purified phthalocyanine from the crude phthalocyanine (purification yield). Is in the 40% range.
Incidentally, when the phthalocyanine of the present invention is obtained by directly cyclizing 3-substituted phthalonitrile, the yield of the crude phthalocyanine is only about 70% even when the isomer formation ratio is ignored. If the production ratio of isomers other than the isomer of 11) is increased to 25-30%, the yield will be in the range of 50%. In this case, the purification yield of purified phthalocyanine from crude phthalocyanine is also as low as 30%.
On the other hand, in the case of using the filed method via diiminoisoindoline, the yield of crude phthalocyanine from 3-substituted phthalonitrile of formula (3) (crude yield) is in the 80% range, and purification from crude phthalocyanine. The yield of phthalocyanine (purification yield) is in the 70% range. In particular, when formamide is used in the first half of the reaction, not only the yield of crude phthalocyanine is in the 80% range, but the yield of purified phthalocyanine is in the 90% range.
In addition, the phthalocyanine obtained by this applied method with an emphasis on the yield contains a total of 50 to 90% of isomers other than the isomer of the formula (11). Isomers other than the isomer of formula (11) account for 70% or more.
[0022]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples.
Example 1
1) Synthesis of 3- (1 ′, 1 ′, 1 ′, 3 ′, 3 ′, 3′-hexafluoro-2′-phenyl-2′-propoxy) phthalonitrile;
In a reaction flask, 1,1,1,3,3,3-hexafluoro-2-phenyl-2-propanol 29.3 g (0.120 mol), 3-nitrophthalonitrile 17.3 g (0.100 mol), anhydrous carbonic acid 55.2 g (0.400 mol) of potassium and 100 ml of dimethyl sulfoxide were charged and stirred at 70 ° C. for 6 hours under a nitrogen stream. After allowing to cool to room temperature, the reaction mixture was discharged into 100 ml of water, and the precipitate was collected by filtration, washed with water and dried at 100 ° C. to obtain 25.9 g of the target crystal (yield 70%). The melting point of this compound was 150 to 155 ° C., and as a result of GC / MS analysis, a molecular weight peak M ⁺ = 370 was confirmed.
[0023]
2) cyclization reaction;
A reaction flask was charged with 18.5 g (0.0500 mol) of the phthalonitrile derivative obtained above, 3.80 g (0.0250 mol) of DBU, 1.12 g (0.0250 mol) of formamide, and 100 ml of 1-pentanol. The mixture was heated to 90 ° C. with stirring at rt and stirred at this temperature for 1 hour. Subsequently, 2.24 g (0.0143 mol) of vanadium trichloride was added. Then, it heated to 110 degreeC and stirred at this temperature for 4 hours. After cooling, the reaction mixture was discharged into 230 ml of methanol, and 115 ml of water was added dropwise with stirring to crystallize the product. This was collected by filtration, washed with 300 ml of methanol / water (2/1: volume ratio), and dried at 100 ° C. to obtain 12.62 g of a crude dye (crude yield 65.26%).
The crude dye obtained here was analyzed by liquid chromatography (analysis conditions: column; NUCLEOSIL 300-5C18 96YB-2, carrier; THF / methanol = 10/90), and the results shown in the following Table 1 were obtained. .
[0024]
[Table 1]

[0025]
In Table 1, peak no. 1 and 2 are components having high solubility in organic solvents. Peak No. 3 is presumed to be a peak composed of two isomers of the isomer of the formula (11) and other isomers having low solubility in an organic solvent. As a result of purifying by silica gel column chromatography (toluene / hexane = 7/3: volume ratio) and investigating the isomer ratio, it was possible to separate into the isomer of formula (11) and the dye component of unknown structure. . The latter was estimated from the absorption wavelength and LC / MS results to be a component in which a part of the substituent was decomposed during the cyclization reaction, but the amount produced was very small.
[0026]
As a result of purifying 2.50 g of the crude dye obtained above by silica gel column chromatography using toluene as a solvent, 1.17 g of purified dye was obtained (purification yield: 46.8%).
[0027]
Example 2
The target crude dye was obtained in the same manner as in Example 1 except that the amount of DBU charged was 7.60 g (0.0500 mol). Crude yield 11.73 g (crude yield 60.66%).
The crude dye obtained here was analyzed by liquid chromatography in the same manner as in Example 1, and the results shown in Table 2 below were obtained.
[0028]
[Table 2]

[0029]
Furthermore, as a result of purifying 2.50 g of the crude dye obtained above by silica gel column chromatography using toluene as a solvent, 0.95 g of a purified dye was obtained (purification yield 38.0%).
[0030]
Example 3
The target crude dye was obtained in the same manner as in Example 1 except that the amount of DBU charged was 11.4 g (0.0750 mol). Crude yield 12.88 g (crude yield 66.130%).
The crude pigment obtained here was analyzed by liquid chromatography in the same manner as in Example 1, and the results shown in the following Table 3 were obtained.
[0031]
[Table 3]

[0032]
Further, 2.50 g of the crude dye obtained above was purified by silica gel column chromatography using toluene as a solvent. As a result, 1.00 g of purified dye was obtained (purification yield 40.0%).
Table 4 shows the results of investigating the physical properties of the crude pigments obtained in Examples 1 to 3 above.
[0033]
[Table 4]

[0034]
Example 4
18.5 g (0.0500 mol) of a phthalonitonyl derivative obtained in the same manner as in 1) of Example 1, 3.80 g (0.0250 mol) of DBU, 1.50 g (0.0250 mol) of urea, and 100 ml of 1-pentanol were prepared. The mixture was heated to 90 ° C. with stirring under a nitrogen stream and stirred at this temperature for 1 hour. Next, after adding 2.24 g (0.0143 mol) of vanadium trichloride, the mixture was heated to 110 ° C. and stirred at this temperature for 4 hours. After cooling, the reaction mixture was discharged into 230 ml of methanol, and 115 ml of water was added dropwise with stirring to crystallize the product. This was collected by filtration, washed with 300 ml of methanol / water (2/1: volume ratio), and dried at 100 ° C. to obtain 13.10 g of a crude dye (crude yield 67.74%).
When the crude pigment | dye obtained here was analyzed by liquid chromatography similarly to Example 1, the density | concentration of peak No1, peak No2, and peak No3 was 28.8%, 25.1%, and 16.2% in order. It was.
[0035]
【The invention's effect】
According to the present invention, α-tetrasubstituted phthalocyanine having a relatively uniform production ratio of the three isomers can be obtained with good reproducibility.

Claims (2)

A 3-substituted phthalonitrile represented by the formula (2) in an aliphatic alcohol in the presence of 1,8-diazabicyclo [5.4.0] -7-undecene is ammonia, urea, ammonium carbamate, formamide and carbamine. A process for producing an α-tetrasubstituted phthalocyanine represented by the formula (1), characterized by reacting with a compound selected from ethyl acid and subsequently reacting with vanadium trichloride.
In the following formulas (2) and (1), the substituent X means a 1,1,1,3,3,3, -hexafluoro-2-phenyl-2-propoxy group. In the formula (1), the numbers 1 to 16 around the phthalocyanine skeleton indicate the position number of the carbon atom, and the substituent X is either 1 or 4, 5 or 8, 9 or 12 Or a carbon atom at any one of positions 13 and 16.

The method for producing an α-tetrasubstituted phthalocyanine according to claim 1, wherein an alcohol having 5 to 8 carbon atoms is used as the aliphatic alcohol, and all reactions are carried out at 130 ° C or lower under normal pressure.