JP3778609B2 - 半導体素子の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
GaN、AlGaN、InGaN、又はInAlGaN等のIII−V族窒化物 系半導体からなる発光ダイオードや半導体レーザ等の発光素子は、直接遷移によって発光強度の大きい青色から紫外領域の発光、特に青色発光が可能なことから注目されている。
【0003】
図4は従来のIII−V族窒化物系半導体発光ダイオードを示す模式断面図であ る。
【0004】
図4中、101はサファイヤ基板、102はGaNバッファ層、103はn型クラッド層でもあるn型GaNコンタクト層、104はInGaN活性層、105はp型AlGaNクラッド層、106はp型GaNコンタクト層、107はp側電極、108はn側電極である。
【0005】
斯る発光ダイオードの各層は以下のように形成される。
【0006】
まず、サファイヤ基板101上に、600℃の成長温度で非単結晶のGaNバッファ層102をMOCVD法(有機金属気相成長法)により形成する。
【0007】
次に、n型GaNコンタクト層103を成長するために温度1150℃まで昇温する。これによりGaNバッファ層102を単結晶化し、層102内に種単結晶を成長させる。その後、この種単結晶を有するGaNバッファ層102上に、n型GaNコンタクト層103(成長温度:1150℃)、InGaN活性層104(成長温度:860℃)、p型AlGaNクラッド層105(成長温度:1150℃)、及びp型GaNコンタクト層106(成長温度:1150℃)をMOCVD法によりこの順序で成長する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記GaNバッファ層102にはピット(穴等)が多数発生し、表面性(表面モフォロジー)が悪く、このバッファ層102上に形成した成長層、即ちn型コンタクト層103、活性層104、p型クラッド層105、及びp型コンタクト層106にピットが発生し、平坦性が著しく低下する。この結果、リーク電流が発生する他、特に、GaNバッファ層102上に形成した層はアンドープ状態でn−キャリア濃度が1×1018cm-3以上となり、p型化することが困難であった。従って、殆ど発光しない等の特性劣化が生じ、製造歩留まりが非常に悪いという問題があった。
【0009】
この様な問題は、バッファ層2として、GaN層に代えて非単結晶のAlN層、AlGaN層を用いても同様に生じる。
【0010】
本発明は上述の問題点を鑑み成されたものであり、ピット数を低減し且つ平坦な成長層が得られる半導体素子の製造方法を提供することが目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明による半導体素子の製造方法は、III−V族窒化物系半導体からなる半導体素子を気相成長法を用いて製造する半導体素子の製造方法において、基板上に、非単結晶成長温度でIII−V族窒化物系半導体からなる非単結晶のバッファ層を成長させる工程と、バッファ層上に続いて、1000〜1200℃の単結晶成長温度でアンドープのAlGaN層又はGaN層である単結晶下地層を成長させる工程と、単結晶下地層上に続いて、1000〜1200℃の単結晶成長温度で単結晶のn型AlGaN層又はn型GaN層であるn型コンタクト層を成長させる工程と、n型コンタクト層上に続いて、700〜950℃の単結晶成長温度で単結晶のInGaN層である活性層を成長させる工程と、活性層上に続いて、キャップ層を成長させる工程と、キャップ層上に続いて、1000〜1200℃の単結晶成長温度で単結晶のp型AlGaN層であるp型クラッド層を成長させる工程と、p型クラッド層上に続いて、1000〜1200℃の単結晶成長温度で単結晶のp型GaNであるp型コンタクト層を成長させる工程と、p型コンタクト層上に続いてp側電極を形成する工程とを含み、活性層が量子井戸層と量子障壁層とからなることを特徴とする。本発明の半導体素子は、ウェハ、発光ダイオードや半導体レーザなどの発光素子、フォトダイオードなどの受光素子等を意味する。
【0014】
更に、前記バッファ層はAlN層からなることを特徴とする。
【0015】
更に、前記バッファ層はAlGaN層からなることを特徴とする。
【0022】
更に、前記単結晶下地層上に、III−V族窒化物系半導体からなる第1導電型 のクラッド層、III−V族窒化物系半導体からなる活性層、及びIII−V族窒化物系半導体からなる第2導電型のクラッド層をこの順序で気相成長法で形成して、発光ダイオードや半導体レーザ等の発光素子を形成してもよい。
【0023】
上記第1、第2導電型のクラッド層は、AlGaN層又はGaN層がよい。
【0024】
上記バッファ層がAlxGa1-xN(0<x≦1)からなる場合、Al組成比xは0.4以上1以下がよく、更に好ましいのは、0.5以上0.6以下である。
【0025】
また、上記AlxGa1-xN(0<x≦1)バッファ層の層厚は、80Å以上180Å以下の範囲が非常に好ましく、90Å以上160Å以下が更に好ましく、更に好ましいのは90Å以上140Å以下である。
【0026】
特に、バッファ層としては、層厚100Å以上130Å以下、より好ましくは略110〜120ÅのAlxGa1-xN(xは略0.5)層がよい。
【0027】
特に、前記活性層から構成元素が脱離するのを抑制するために、前記活性層上全面に密接してIII−V族窒化物系半導体からなるキャップ層を形成することが 好ましい。このキャップ層は気相成長法により形成するのが好ましい。
【0029】
特に、前記キャップ層は前記活性層よりバンドギャップが大きいことが好ましい。このキャップ層のバンドギャップは、活性層と第2導電型のクラッド層のバンドギャップの中間の大きさであるのがより好ましい。
【0030】
更に、前記キャップ層はアンドープ層であることが好ましい。
【0031】
また、前記キャップ層は量子効果を略有しない層厚以上の層厚を有することが好ましい。
【0032】
特に、前記キャップ層は、GaN層であることを特徴とする。
【0033】
また、InGaNからなる活性層を有するIII−V族窒化物系半導体発光素子 を気相成長法を用いて製造する発光素子の製造方法において、前記活性層上に700℃以上950℃以下の成長温度でGaNからなるキャップ層を気相成長法により形成してもよい。
【0034】
更に、前記キャップ層の結晶成長温度は、活性層が単結晶成長可能な温度以下であるのがよく、好ましくは活性層の成長温度と略同じ温度である。
【0035】
前記キャップ層は前記活性層の形成に連続して形成するのが、活性層から構成元素が脱離しえる時間が殆どなくなるので好ましい。
【0036】
上記気相成長法としては、MOCVD法が好ましい。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態であるIII−V族窒化物系半導体発光ダイオードを図1 を用いて詳細に説明する。
【0038】
図1中、1はサファイヤ絶縁基板、2は基板1上に形成された層厚tÅのアンドープのAlxGa1-xN(0<x≦1)非単結晶バッファ層、3はバッファ層2上に形成された層厚0.2μmのアンドープのGaN単結晶下地層、4は下地層3上に形成された層厚1.4μmのn型クラッド層を兼用するSiドープのn型GaNコンタクト層、5はn型コンタクト層4上に形成された層厚0.2μmのZn及びSiがドープされたInqGa1-qN(q=0.05)活性層、6は活性層5上に形成されたInGaN活性層5の結晶劣化を防止する層厚200ÅのアンドープのGaNキャップ層、7はキャツプ層6上に形成された層厚0.15μmのMgがドープされたp型AlzGa1-zN(z=0.2)クラッド層、8はp型クラッド層7上に形成された層厚0.3μmのMgがドープされたp型GaNコンタクト層である。
【0039】
9はp型コンタクト層8上の一部に形成されたAuからなるp側電極、10はp型コンタクト層8からn型コンタクト層4の層中の所定位置に至って除去されn型コンタクト層4が露出したn側電極形成領域上に形成されたAlからなるn側電極である。
【0040】
斯る発光ダイオードの製造方法を説明する。本実施形態では有機金属化学気相成長法(MOCVD法)により各層が形成される。
【0041】
まず、有機金属化学気相成長装置内に基板1を設置した後、非単結晶成長温度、例えば600℃の成長温度(基板温度)に保持した状態にして、キャリアガスとしてH2、N2、原料ガスとしてアンモニア、トリメチルガリウム(TMG)、又はトリメチルアルミニウム(TMA)を用い、基板1上に非単結晶のAlGaN又はAlNバッファ層2を成長させる。
【0042】
その後、バッファ層2上に、単結晶成長温度、好ましくは1000〜1200℃、例えば1150℃の成長温度に保持した状態にして、キャリアガスとしてH2、N2、原料ガスとしてアンモニア、トリメチルガリウム(TMG)を用い、単結晶のアンドープのGaN下地層3を成長させる。
【0043】
続いて、下地層3上に、単結晶成長温度、好ましくは1000〜1200℃、例えば1150℃の成長温度に保持した状態で、キャリアガスとしてH2、N2、原料ガスとしてアンモニア、トリメチルガリウム(TMG)、ドーパントガスとしてSiH4を用い、単結晶のSiドープのn型GaNコンタクト層4を成長さ せる。
【0044】
次に、n型コンタクト層4上に、単結晶成長温度、好ましくは700〜950℃、例えば860℃の成長温度に保持した状態にして、キャリアガスとしてH2 、N2、原料ガスとしてアンモニア、トリエチルガリウム(TEG)、トリメチ ルインジウム(TMI)、ドーパントガスとしてSiH4、ジエチル亜鉛(DE Z)を用いて、単結晶のSi及びZnドープのInGaN活性層5を成長させる。
【0045】
引き続いて、InGaN活性層5上に、単結晶成長温度、好ましくは700〜950℃、例えば860℃の活性層5と同じ成長温度に保持した状態で、キャリアガスとしてH2、N2、原料ガスとしてアンモニア、トリメチルガリウム(TMG)を用い、活性層5の成長に連続して単結晶のアンドープのGaNキャップ層6を成長させる。
【0046】
その後、GaNキャップ層6上に、単結晶成長温度、好ましくは1000〜1200℃、例えば1150℃の成長温度に保持した状態にして、キャリアガスとしてH2、N2、原料ガスとしてアンモニア、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、ドーパントガスとしてCp2Mg(シクロペ ンタジエニルマグネシウム)用い、単結晶のMgドープのp型AlGaNクラッド層7を成長させる。
【0047】
次に、p型クラッド層7上に、単結晶成長温度、好ましくは1000〜1200℃、例えば1150℃の成長温度に保持した状態にして、キャリアガスとしてH2、N2、原料ガスとしてアンモニア、トリメチルガリウム(TMG)、ドーパントガスとしてCp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)用い、単結晶 のMgドープのp型GaNコンタクト層8を成長させる。
【0048】
上記結晶成長後、基板1を上記装置から取り出し、p型コンタクト層8からn型コンタクト層4の層途中までを反応性イオンビームエッチング法(RIE法)によりエッチング除去して、n型コンタクト層4が露出したn側電極形成領域を作製する。
【0049】
そして、p型コンタクト層8及びp型クラッド層7のドーパントを活性化して高キャリア濃度にすると共に、n型コンタクト層4のエッチングによる結晶劣化を回復するために、窒素雰囲気中、700〜800℃で30〜60分間熱処理を行う。
【0050】
その後、p型コンタクト層8上にAuからなるp側電極9を蒸着法等により形成すると共に、n型コンタクト層4の上記n側電極形成領域上にAlからなるn側電極10を蒸着法等により形成した後、500℃で熱処理してp側、n側電極9、10をそれぞれオーミック接触させて、図1に示す発光ダイオードを形成する。
【0051】
図2は、上記発光ダイオード作製条件と同条件で、サファイヤ基板1上に、バッファ層2として層厚tのアンドープのAlxGa1-xN(0<x<1)非単結晶層、及びアンドープのGaN単結晶下地層3をこの順序で形成したウエハの下地層3上へX線照射して求めたX線ロッキングカーブのFWHM(半値幅)の値を示し、図3は、上記同条件で、サファイヤ基板1上に、バッファ層2として層厚tのアンドープのAlN非単結晶層、及びアンドープのGaN単結晶下地層3をこの順序で成したウエハの下地層3上へX線照射することにより求めたX線ロッキングカーブのFWHMの値を示す。
【0052】
この図2及び図3から、バッファ層2がAlxGa1-xN(0<x≦1)からなる場合には、Al組成比xは0.4以上1以下がよく、更に好ましいのは、0.5以上0.6以下である。
【0053】
また、上記AlxGa1-xN(0<x≦1)バッファ層2は、80Å以上180Å以下の範囲で極小点を有するので、この範囲が非常に好ましく、90Å以上160Å以下が更に好ましく、更に好ましいのは90Å以上140Å以下である。
【0054】
特に、バッファ層2としては、層厚100Å以上130Å以下、より好ましくは略110〜120ÅのAlxGa1-xN(xは略0.5)層がよい。
【0055】
上記AlxGa1-xN(0<x≦1)バッファ層2上の形成されたGaN下地層3は、上述から判るようにFWHMがよく、しかもピットが低減され、平坦性及び表面モフォロジーが非常に良好であった。
【0056】
例えば、バッファ層2として、層厚110ÅのアンドープのAl0.5Ga0.5N層を用いた発光ダイオードは、下地層3上に成長された各成長層にはピットがなく、平坦性、表面性に非常に優れており、ピットに起因したリーク電流による特性不良の発生がなく、しかも良好なp型層が得られ、製造歩留まりが非常によい。
【0057】
更に、本実施形態の発光ダイオードでは高出力発光が実現できた。その理由は、良好な下地層3により活性層5の結晶性が良くななったためである。
【0058】
加えて、本実施形態では、InGaN活性層5に密接して形成されたアンドープのGaNキャップ層6を有する構成により、活性層5の形成中又は形成後に活性層5からIn等が脱離するのが抑制され、活性層5の結晶欠陥の数が低減し、結晶性の劣化が抑制されるためであり、更には、上記活性層5は結晶欠陥が少ないので、この活性層5へ不所望な不純物が拡散するのが抑制されたためと考えられるからである。
【0059】
更に、本実施形態のキャップ層6は、故意にドーパントを使用することなく形成される、所謂アンドープ層であるので、活性層5への不所望な不純物の拡散が十分に抑制され、更に活性層5を良好な状態にできるため、より高出力化が図れている。即ち、本実施形態の場合、活性層5からの構成元素の脱離が抑制されて活性層5の結晶欠陥数の低減したことによる活性層5への不純物の拡散抑制効果と、キャップ層6がアンドープ層であることによる活性層5への不純物の拡散抑制効果の両効果により、活性層5への不所望な不純物拡散が顕著に抑制されるので、より高出力化が実現できるのである。
【0060】
このように、本実施形態の発光ダイオードは、発光波長のバラツキが小さく、不発光になる恐れも殆どなく、しかも、発光強度が顕著に大きく、製造歩留まりも非常によい。
【0061】
一方、サファイヤ基板1上に層厚200Å(最適値)のアンドープの非単結晶GaNバッファ層及び層厚1.2μmのアンドープの単結晶のGaN下地層をMOCVD法で成長したウエハのGaN下地層上へX線照射することにより求めたX線ロッキングカーブのFWHMは、約410secと非常に小さい値を得られたが、ピットが多数発生し、このウエハを用いた素子製造歩留まりは著しく悪かった。
【0062】
また、下地層を用いずにアンドープのGaN非単結晶バッファ層、アンドープのAlGaN非単結晶バッファ層、又はアンドープのAlN非単結晶バッファ層を用いた場合も素子製造歩留まりは著しく悪かった。
【0063】
上述の発光ダイオードの製造方法では、基板1上に非単結晶成長温度で非単結晶のバッファ層2を密接して形成した後、単結晶成長温度に昇温保持した状態でバッファ層2上にアンドープのGaN単結晶下地層3を密着形成するので、ピット数を低減でき、結晶性、表面性、及び平坦性が非常に優れた単結晶下地層3を形成できる。この結果、この下地層3上に形成する各層の結晶性、平坦性、及び表面性が非常に良好になるので、歩留まりが向上する共に、良好なp型層も得られる。
【0064】
特に、斯る発光ダイオードの製造は、InGaN活性層5全面直上に、アンドープのGaNキャップ層6をInGaN活性層5の結晶成長可能な温度以下で成長するので、このキャップ層6を形成する際に、InGaN活性層5の構成元素の脱離を抑制できると共に、キャップ層6を形成した後にInGaN活性層5からの構成元素の脱離を防止できるので、好ましい製造方法である。
【0065】
特に、本実施形態では、活性層5とキャップ層6の成長温度を略同じとして連続的に成長するので、活性層5からの構成元素の脱離を十分に抑制できる。
【0066】
なお、上述では、キャップ層6の層厚を200Åとした時の発光強度が340(任意単位)であるのに対して、キャップ層6の層厚を100Åとした時は、キャップ層6がない場合よりは大きいが、発光強度が36(任意単位)と略10分の1となった。また、キャップ層6の層厚を300Åとした時は、層厚を200Åとした時の1.4倍、層厚を400Åとした時は、0.8倍であった。このことから、キャップ層6の層厚は、200〜400Åで好ましい効果があることが判り、キャップ層6の層厚は量子効果が略生じない層厚以上が好ましいと言える。
【0067】
尚、アンドープの単結晶下地層3としては、GaN層のほか、AlGaN層でもよいが、AlN層は好ましくない。
【0068】
次に、本発明の第2の実施形態に係るIII−V族窒化物系半導体発光ダイオー オを説明する。
【0069】
本実施形態が第1の形態と異なる点は、キャップ層6として、アンドープのGaN層に代えて層厚200ÅのアンドープのAluGa1-uN層(uは略0.1、0.2)を用いた点である。このAluGa1-uN層もMOCVD法により形成され、成長温度は、単結晶成長温度、好ましくは700〜950℃、例えば860℃であり、キャリアガスはH2、N2、原料ガスはアンモニア、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)である。
【0070】
この場合も、キャップ層6がない場合に比べて発光強度は顕著に大きくなり、製造歩留まりも向上した。
【0071】
しかしながら、第1実施形態でアンドープのGaNキャップ層6が200Åの時の発光強度が450(任意単位)であるとした時に比べて、uが約0.1であるアンドープのAluGa1-uNキャップ層6の場合の発光強度は、半分以下の190(任意単位)であった。
【0072】
更に、uが約0.2であるアンドープのAluGa1-uNキャップ層6の場合の発光強度は、uが0.1の場合の3分の1であった。
【0073】
上述のことから、キャップ層6のバンドギャップの大きさは活性層5とp型クラッド層7のバンドギャップの間にあるのが好ましく、しかもキャップ層6はGaNが最も好ましく、AluGa1-uN層を使用する場合にもp型クラッド層7のバンドギャップより小さくするのがよい。
【0074】
また、上述では、n型コンタクト層4直上に活性層5を形成しているが、上記n型コンタクト層4と活性層5の間にn型AlGaNクラッド層を介在させてもよい。
【0075】
上記各実施形態では、活性層5として量子井戸構造でない、非量子井戸構造の活性層を用いたが、勿論、単一量子井戸構造、多重量子井戸構造を用いてもよく、例えば、InsGa1-sN(1>s>0)量子井戸層からなる単一量子井戸構造、InsGa1-sN(1>s>0)量子井戸層とInrGa1-rN(1>s>r≧0)量子障壁層をからなる多重量子井戸構造としてもよい。
【0076】
上記各実施形態では、絶縁基板上に半導体層を備えた発光素子について述べたが、SiC基板等の導電性基板上に半導体層を備え、この半導体層の最上層と基板の下面に電極を有する発光素子にしてもよい。
【0077】
また、上述では、n型クラッド層上に活性層、p型クラッド層をこの順序で形成したが、p型クラッド層上に活性層、n型クラッド層をこの順序で形成するようにしてもよく、即ち上述とは逆導電型としてもよい。
【0078】
また、上記各実施形態では、ダブルヘテロ構造の発光ダイオードについて述べたが、本発明は単純なpn接合からなる発光ダイオードにも適用できる他、発光ダイオード以外の半導体レーザ等の発光素子、フォトダイオードなどの受光素子などの半導体素子にも応用できる。
【0079】
尚、上述では下地層3として、0.2μmの層厚を用いたが、数百Å〜数千Åの範囲で適宜変更可能である。
【0080】
【発明の効果】
本発明により製造される半導体素子は、III−V族窒化物系半導体からなる半導体素子において、基板上に、III−V族窒化物系半導体からなるバッファ層及びアンドープのIII−V族窒化物系半導体からなる単結晶下地層をこの順序で備えるので、この単結晶下地層はピット数が低減し、結晶性、平坦性、及び表面性が良好になる。この結果、この単結晶上に形成されるIII−V族窒化物系半導体からなる成長層の結晶性、平坦性、及び表面性が良好となると共に、良好なp型層も得られる。
【0081】
従って、半導体素子の製造歩留まりを大幅に向上できる。そして、半導体素子が発光素子の場合、高い光出力が可能である。
【0082】
特に、前記単結晶下地層上に、III−V族窒化物系半導体からなる第1導電型 のクラッド層、III−V族窒化物系半導体からなる活性層、及びIII−V族窒化物系半導体からなる第2導電型のクラッド層をこの順序で備える場合、ピットに起因したリーク電流の発生をなくすことができ、製造歩留まりを大幅に向上できると共に、発光強度の大きい発光ダイオードや半導体レーザなどの発光素子を提供できる。
【0083】
特に、前記バッファ層は非単結晶層からなる場合に、バッファ層として十分に機能するので、製造歩留まりを顕著に向上できる。
【0084】
更に、前記バッファ層はAlN層からなる場合、製造歩留まりをより向上できる。
【0085】
特に、前記バッファ層はAlGaN層からなる場合、製造歩留まりをより好ましく向上できる。
【0086】
更に、前記下地層はGaN層である場合、製造歩留まりを好ましく向上できる。
【0087】
また、前記下地層はAlGaN層である場合、製造歩留まりを好ましく向上できる。
【0088】
また、本発明の半導体素子の製造方法は、III−V族窒化物系半導体からなる 半導体素子を気相成長法を用いて製造する半導体素子の製造方法において、基板上に、III−V族窒化物系半導体からなるバッファ層及びアンドープのIII−V族窒化物系半導体からなる単結晶下地層をこの順序で成長するので、単結晶下地層の結晶性及び表面性を良好にできる。この結果、この単結晶下地層上に形成されるIII−V族窒化物系半導体からなる成長層の結晶性、平坦性、及び表面性が良 好となるので、半導体素子の製造歩留まりを向上できる。
【0089】
特に、前記III−V族窒化物系半導体からなるバッファ層の成長温度が、非単 結晶成長温度である場合、好ましく半導体素子の製造歩留まりを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の発光ダイオードの模式断面図である。
【図2】基板上にアンドープのAlGaNバッファ層及びアンドープのGaN下地層をこの順に被着形成したウエハにおいて、バッファ層の層厚とX線ロッキングカーブのFWHMの関係を示す図である。
【図3】基板上にアンドープのAlNバッファ層及びアンドープのGaN下地層をこの順に被着形成したウエハにおいて、バッファ層の層厚とX線ロッキングカーブのFWHMの関係を示す図である。
【図4】従来の発光ダイオードの模式断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 アンドープのAlGaNバッファ層
3 アンドープのGaN単結晶下地層
4 n型GaNコンタクト層(n型クラッド層)
5 InGaN活性層
6 アンドープのGaNキャップ層
7 p型AlGaNクラッド層
Claims (1)
- III−V族窒化物系半導体からなる半導体素子を気相成長法を用いて製造する半導体素子の製造方法において、
基板上に、非単結晶成長温度でIII−V族窒化物系半導体からなる非単結晶のバッファ層を成長させる工程と、
前記バッファ層上に続いて、1000〜1200℃の単結晶成長温度でアンドープのAlGaN層又はGaN層である単結晶下地層を成長させる工程と、
前記単結晶下地層上に続いて、1000〜1200℃の単結晶成長温度で単結晶のn型AlGaN層又はn型GaN層であるn型コンタクト層を成長させる工程と、
前記n型コンタクト層上に続いて、700〜950℃の単結晶成長温度で単結晶のInGaN層である活性層を成長させる工程と、
前記活性層上に続いて、キャップ層を成長させる工程と、
前記キャップ層上に続いて、1000〜1200℃の単結晶成長温度で単結晶のp型AlGaN層であるp型クラッド層を成長させる工程と、
前記p型クラッド層上に続いて、1000〜1200℃の単結晶成長温度で単結晶のp型GaNであるp型コンタクト層を成長させる工程と、
前記p型コンタクト層上に続いてp側電極を形成する工程と、
を含み、
前記活性層が量子井戸層と量子障壁層とからなることを特徴とする半導体素子の製造方法。
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