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JP3776426B2 - 加湿器 - Google Patents

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本発明は、気化式の加湿器に関するものである。
従来の気化式加湿器において、特許文献1に示すように横長箱型の本体内にドラム型の加湿フィルターを水平に配設し、その下部を水槽内の水に浸漬させながらモータで回転し、その中に送風機からの風を送風して加湿する方式が古くから知られている。
一方、近年市場に出回っている加湿器は、本体を縦形デザインにして、水槽内の水に横長四角形の気化フィルターの下部を浸漬し、そのフィルターにカビ、臭い等が付着するのを防止するため気化フィルターを斜めに回転させて該気化フィルターを水から出た状態で乾燥する方式がある。
これらの従来例を以下図面に従って説明する。
まず、前者の基本となる気化式の加湿器を図8により説明する。
図において、1は横長箱型の加湿器本体、2は本体1内の下部に設けられた水槽で、カートリッジ式の給水用水タンク3等によって給水される。4は加湿ドラムで、外周にウレタンフォーム(発泡体)よりなる円筒状の加湿フィルター5を装着し、一方を閉じた閉止部6とし、他方を開口部7とし、中心軸8で本体1に回転軸として支えられ、加湿フィルター5の下部を水槽2の水面下に浸漬させている。
9はギヤモーターで、加湿ドラム4の中心軸8を回転させる駆動軸を有し、加湿ドラム4を回転させる。10は本体1内に取付けられた送風装置で、水槽2内の加湿ドラム4の開口部7から内部に送風する。11は中心軸8に取り付けた風向体で、加湿フィルター5の表面から出る空気の風速が弱まる点から終端まで加湿ドラム4のほぼ内径に沿うように円錐状に形成されている。
その動作は、まず、給水用水タンク3から水槽2に水が供給され、水槽2内の水は一定の水位に保たれる。水槽2の内部で加湿ドラム4が回転すると、加湿ドラム4の周囲に取付けた加湿フィルター5は発泡体であるため、その空砲部に水滴が付着したり、膜ができて水を含んだ状態となる。
次に、送風装置10を駆動して加湿ドラム4の開口部7から内部に送風すると、空気は加湿フィルター5を通過して外部に吹き出される。
加湿ドラム4の中を空気が通過すると、加湿フィルター5内の水滴や膜が壊れ加湿しなくなるため、加湿フィルター5は運転中常に連続回転していることで、常に水を含んだ状態となり、連続的に加湿される。この時、加湿ドラム4の内部に送風された空気は風向体11に沿って加湿フィルター5を通過し、表面から湿った空気が吹き出される。これが室内に放出されて室内を加湿する。
一方、後者の加湿器は、図9、図10、図11、図12及び図13に示す様な構成である。
図において、1は縦長箱型の本体、2はこの本体1の一側下部に配設された水槽、16は水槽2の横に並べて配設された水槽部で、両者は樹脂により一体に成形されており、ともに底部で連なって同一レベルの水を貯水する。そして、この水槽2と水槽部16は本体1の背面に設けた開口部1aを通して本体1の外に取り出し可能となっている。
3は給水用水タンクで、本体1の上面から本体1内に挿入され、水槽2上に載置されて該水槽2内に一定量の水を供給する。
12は室内の乾燥した空気を本体1内に取入れる吸込口12で、本体1の側面部に開口している。13は室内に湿った空気を送る吹出口で、本体1の上面に開口している。10は吸込口12から吹出口13に至る風路中に配設された送風装置で、その吐出口側には風を加熱するヒーター14と、全面に小穴15aが明けられた吸水性の良いシート状の素材をプリーツ折りした横長方形の気化フィルター15が配設され、その下端部が水槽部16内の水に浸漬されている。
そして、送風装置10によって吸込口12から吸い込まれた室内の乾燥した空気はヒーター14を通過後、水槽部16の水により湿潤した気化フィルター15部を通過し、吹出口13から室内へ湿った空気を放出する。
17は枠体よりなるフィルターケースで、水槽部16内で該水槽部16と一体に成形され、気化フィルター15の周囲を覆って該気化フィルター15を収納しており、両側面の略中間で、かつ後部側に回転用の支点18が設けられている。19はこの支点18を受ける支点受け部で、水槽部16の両側面の後部側に、該両側面の上面に開口するように設けられ、気化フィルター15をその開口部を通して取り外せるようになっている。
20はフィルターケース17の一方の側面に設けられた湾曲したリブで、一つの支点18と連なっている。
また、このリブ20は、給水用水タンク3の仕切り壁に取付けたギヤモーター9と連動するクランク21及びクランク22と係合しており、気化フィルター15を一定の角度まで回転させて気化フィルター15の下部を水槽部16の水面から出るようにし、この時点で切替えスイッチ23によりその回転を停止し、この状態で、気化フィルター15にヒーター14による温風を吹き付け、該気化フィルター15を乾燥するようにしている。
次に、その動作について説明する。
加湿器を運転するに当たっては、まず、給水用水タンク3に水を入れ、本体1の上面から水槽2に設置する。
これにより、水槽2と連通した水槽部16にも給水用水タンク3からの一定量の水が流れ出し、この水槽部16に浸漬された気化フィルター15の下部を満たし、気化フィルター15は水を吸上げ湿潤する。
この状態で送風装置10を駆動すると、吸込口12から吸い込まれた室内の乾燥した空気は、風路に設けたヒーター14により加熱され、さらに、加熱された温風は下部が水槽部16内の水に浸漬されて湿潤した気化フィルター15を通過し、気化フィルター15内の水を気化させるとともに、吹出口13へ吸込まれ、室内に放出される。
使用後は、運転を停止すると、ギヤモーター9が回転し、ギヤモーター9と連動するクランク21及びクランク22とリブ20の係合により気化フィルター15を図11に示すように一定の角度まで支点18を中心に回転させ、気化フィルター15が水面から出た時点で切替えスイッチ23により気化フィルター15の回転を停止する。
この状態で、ヒーター14により温風を吹き付け、気化フィルター15を乾燥する。
ここで、気化フィルター15について説明すると、該気化フィルター15は図12に示すように、全面に小穴15aが明けられた吸水性の良いシート状の素材をプリーツ折りした横長方形に形成されているため、水を吸上げる能力に限度があり、その性能は吸上げ高さHと時間Tの関係を表した図13(a)(b)に示すようになっていて、ある高さH′に達すると飽和して水を吸い上げなくなる。
つまり、気化フィルター15を高さ方向に大きくしても吸上げ高さの限度以上だと水分の気化、つまり加湿には寄与しない。このため、従来の気化フィルター15は高さを低くして横長の形状として使用しているのがほとんどである。
実開昭56−21138号
前者の気化式加湿器における加湿フィルター5は、ウレタンを発泡させ、その発泡で出来た空砲部を利用して加湿フィルター5を一度水没させることにより空砲に水滴を保持したり、膜を作り、この状態の中に風を通すことにより、風は水滴を破壊したり膜を破って風を湿潤させているものであった。このため、風が一度通過するとその後の風が素通りして加湿効率が悪かった。
また、例えば現在使用されているフィルター素材の吸上げ性能の良いシートを採用した場合には、通過抵抗が大きいため風量が採れず、同じ加湿量を出すためには加湿フィルター5の面積を大きくしなければならず、本体1も大きくなってしまう問題があった。
さらに、加湿フィルター5を水没させたままであるため、加湿フィルター5にカビ等が発生し、悪臭の原因となる問題もあった。
このため、近年では後者に示すように気化フィルター15を回転移動により、水面より出して乾燥する機能を設けたものが普及している。このものは場所を取らない薄形製品にできることも一つのメリットになっている。
しかしながら、この後者における気化フィルター15は、前記したようにプリーツ折りをして加湿面積を確保しているが、本体1の厚さが送風装置10からの風路と気化フィルター15と吹出口13の風路により規制される。これは、上記従来の技術で説明したように、気化フィルター15の吸上げ性能を考慮すると高さが規制され、それなりの加湿量を出すためには横幅及び厚み方向で、気化フィルター15の面積を確保する必要性がある。
また、吹出口13の風路が狭すぎると風量を減らす原因となり、加湿量が減ってくる。
また、送風装置10からの風路についても、吹出口13の風路と同様に気化フィルター15に合った面積が必要となり、本体1を薄形にするには、気化フィルター15の寸法と風路の確保がポイントとなる。
本発明の請求項1では、水槽部と、この水槽部に一定量の水を供給する給水用水タンクと、室内の乾燥した空気を取入れる吸込口と室内に湿った空気を送る吹出口と、両口間を連絡する風路中に配設された送風装置と、この送風装置の出口側に配設されたヒーターと、小穴のいた吸水性の良いシート状の素材をプリーツ折りして形成され、下端部を水槽部内の水に浸漬され、回転駆動される気化フィルターとにより構成され、送風装置によって吸込口から吸い込まれた室内の乾燥した空気をヒーターを通過させて加熱した後、水槽部の水により湿潤した気化フィルターを通過し、吹出口から吹き出される加湿器において、前記気化フィルターを縦長方形とすると共に、その上下の中間を支点にして回転自在とし、加湿運転終了後は水面と略水平に保持される状態で停止するものである。
上記本発明によれば、気化フィルターを回転してその両端を交互に水槽部内の水中に浸漬することにより、全体を水分の気化、すなわち加湿に寄与させることができる。
また、気化フィルターを縦長方形に形成したことにより横幅及び厚み方向で気化フィルターの面積を確保する必要性がなく、気化フィルターの寸法と風路の確保が容易であり、加湿量を減らすことなく本体をより薄形形状にすることが可能となる。
更に縦長方形の気化フィルターは、上下の中間を支点として回転し、加湿運転終了後には水面と略水平に保持されるので、水平時の水面との距離を一番遠くすることが出来、水濡れを防止出来るものである。
以下本発明の一実施例として添付図面中の図1から図3に基づいて説明する。
なお、これらの図において、本体1、水槽2、水槽2と一体に成形されてともに底部で連なって同一レベルの水を貯水する水槽部16、給水用水タンク3、送風装置10、ヒーター14、室内に湿った空気を噴出する吹出口13は上記図9で示したものと同様であり、その説明を省略する。
吸込口12は室内の乾燥した空気を本体1内に取入れるもので、送風装置10のモータ10a及び羽根10bと対向した本体1の前面と背面に設けられている。
15は気化フィルターで、全面に小穴が明けられた吸水性の良いシート状の素材をプリーツ折りしたもので、全体が縦長方形に形成されており、その下端部が水槽部16内の水に浸漬されている。
17は枠体よりなるフィルターケースで、気化フィルター15の周囲を覆って該気化フィルター15を収納しており、本体1の前面側と背面側の両面の略中間に回転用の支点18と回転用の歯車24が設けられており、さらに歯車24にはカム25が設けられている。
19は支点18を受ける支点受け部で、水槽部16の一側側面に設けられている。
9はギヤモーターで、歯車24と対向した本体1の背面内側に設けられ、その軸がジョイント30を介して歯車24に嵌合している。29はこのギヤモーター9を制御するタイマーである。
28は一端が枢支された駆動軸で、先端下面をカム25に対面させ、上面略中央部をギヤモーター9の切替えスイッチ23に対面させており、気化フィルター15が回転したとき、該気化フィルター15を指定の位置で停止するようにしている。すなわち、気化フィルター15が回転してその下端が水槽部16の水面に水没するように斜めに停止すると、切替えスイッチ23を開いて定期的に停止し、約180度回転するようにしている。
また、前記気化フィルター15が回転して指定の位置で停止してからタイマー29によりギヤモーター9を停止し、水面と略平行にし、気化フィルター15を水面から上げ、送風装置10により乾燥運転をするようにしている。
26は略クランク状の本体転倒防止脚で、本体1の外側底面の略中央部に回転軸27により回転自在に枢支されており、本体1が縦長薄形の箱型で転倒しやすいためにこれを回転させてその足を前後に伸ばし、本体1の転倒を防止するものである。
次に、前記動作について説明する。
加湿器を運転する際に、給水用水タンク3に水を入れ、水槽部16に設置することにより水槽部16には給水用水タンク3より一定水量の水が流れ出し、気化フィルター15の下端部を満たす。従って、気化フィルター15は水を吸上げ湿潤する。
このような状態で送風装置10を駆動することにより、吸込口12から得られた室内の乾燥した空気は、風路に設けたヒーター14により風が加熱される。そして、加熱された温風は図5(a)に示すように、一端を水槽部16の水に水没させることで湿潤した気化フィルター15部を通過し、気化フィルター15内の水を気化させるとともに吹出口13へ吸込まれ、該吹出口13から室内に放出される。このとき、気化フィルター15を図示するように幾分斜めになるように停止させると、水槽部16内の水に浸漬している部分が少なく風路中に露出している部分が多くなり、この多く露出している部分に送風装置10からの風が多く当たり、加湿量が多くなる。
また、この気化フィルター15の下端が水中に水没して斜めに停止すると同時にタイマー29により所定の時間をカウントし、その間、吸上げ性の良い気化フィルター15は加湿すると同時に水を吸上げ、気化フィルター15を湿潤させる。
次ぎに、気化フィルター15は図5(a)から図5(c)に示すように略180度回転してタイマー29により所定の時間をカウントする。その間、気化フィルター15は今まで水没していなかった他方の下端が水中に水没する状態で停止し、気化フィルター15内の水を気化させるとともに吹出口13へ吸込まれ、該吹出口13から室内に放出される。このときにも気化フィルター15を斜めに停止させて加湿量を多くする。
以後、この動作を繰り返して加湿を継続する。この時、気化フィルター15は正回転でも逆回転でも良い。
加湿終了後は、気化フィルター15を図5(c)の状態から矢印のように略90度回転して図5(b)に示すように、その全体を水槽部16の水面と略水平状態になるように水面上で保持し、同時にタイマー29により所定の時間をカウントし、その間、風路に設けたヒーター14によって加熱された風により乾燥する。
加湿停止後、気化フィルター15を含めて水槽2、水槽部16を本体1から取り出して清掃等する場合には本体1の開口部1aから矢印のように取り出せばよい。
なお、前記加湿に際し、気化フィルター15の吸上げ性能から、タイマー29で決定した時間、例えば3分で90mm吸上げるフィルター素材であれば、5分に一回約180度回転させることで、水槽2から湿潤した90mm部分が前記約180度回転することで上方に半回転し、5分間に加湿し乾燥した上方部のフィルター部は半回転して水槽2の中に水没し、水を吸上げる。
従って、従来の気化フィルターでは、図13に示すように、吸上げ高さ以上の気化フィルター15の高さにできず、また、寿命的にみても水あかなどの付着により性能が落ちてくると、気化フィルター15の上方では吸上げが追い付かない分加湿不足となり効率がおちてしまっていたが、本発明ではこれらの欠点を解決することができる。
また、前記気化フィルター15が回転して指定の位置で停止してからタイマー29によりギヤモーター9を停止し、例えば半回転に10秒かかるとしたら、5秒といった時間でギヤモーター9を停止し、水面と略平行に位置させ、風路に設けたヒーター14に通電して、気化フィルター15を乾燥運転する。この時、気化フィルター15は水面より一番遠く濡れにくいところで略平行に位置しているため、運搬時の水槽2内の水面揺れによっても気化フィルター15が濡れることはない。
さらに、従来品では、水槽2の着脱時に図11の状態からリブ20とクランク21が外れて、気化フィルター15が濡れてしまっていたが、本発明では、気化フィルター15を水平状態で引出すため、水に濡れにくく、そのまま気化フィルター15の収納なども可能となる。
また、縦長薄型の本体1が転倒性し易い点については、略クランク状の本体転倒防止脚26が本体1の外側底面の略中央部に回転軸27により回転自在に枢支されているため、図7矢印のようにこれを回転させてその脚部を前後に伸ばし、本体1の転倒を防止するものである。
本発明による使用状態の一実施例を示す概略正面図である。 本発明による使用状態の一実施例を示す概略側面断面図である。 本発明による気化フィルターの回転伝達部分の要部構造断面図である。 本発明による回転伝達部分の要部正面図である。 本発明による気化フィルターの動作説明図である。 本発明による本体底面部分の断面図である。 本発明による本体底面部分の平面図である。 従来例による使用状態の概略正面断面図である。 従来例による他の一例を示す概略正面図である。 従来例による他の一例を示す概略側面断面図である。 従来例による回転機構部分の説明図である。 従来例による気化フィルターの斜視説明図である。 従来例による気化フィルターの動作説明図である。
符号の説明
1 本体
2 水槽
3 給水用水タンク
9 ギヤモーター
10 送風装置
12 吸込口
13 吹出口
14 ヒーター
15 気化フィルター
16 水槽部
17 フィルターケース
18 支点
23 切替えスイッチ
24 歯車
25 カム
26 本体転倒防止脚
29 タイマー

Claims (1)

  1. 水槽部(16)と、この水槽部(16)に一定量の水を供給する給水用水タンク(3)と、室内の乾燥した空気を取入れる吸込口(12)と室内に湿った空気を送る吹出口(13)と、両口(12)(13)間を連絡する風路中に配設された送風装置(10)と、この送風装置(10)の出口側に配設されたヒーター(14)と、小穴のいた吸水性の良いシート状の素材をプリーツ折りして形成され、下端部を水槽部(16)内の水に浸漬され、回転駆動される気化フィルター(15)とにより構成され、送風装置(10)によって吸込口(12)から吸い込まれた室内の乾燥した空気をヒーター(14)を通過させて加熱した後、水槽部(16)の水により湿潤した気化フィルター(15)を通過し、吹出口(13)から吹き出される加湿器において、前記気化フィルター(15)を縦長方形とすると共に、その上下の中間を支点(18)にして回転自在とし、加湿運転終了後は水面と略水平に保持される状態で停止することを特徴とする加湿器。
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