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JP3775276B2 - 静電アクチュエータ - Google Patents

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JP3775276B2
JP3775276B2 JP2001326102A JP2001326102A JP3775276B2 JP 3775276 B2 JP3775276 B2 JP 3775276B2 JP 2001326102 A JP2001326102 A JP 2001326102A JP 2001326102 A JP2001326102 A JP 2001326102A JP 3775276 B2 JP3775276 B2 JP 3775276B2
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H59/00Electrostatic relays; Electro-adhesion relays
    • H01H59/0009Electrostatic relays; Electro-adhesion relays making use of micromechanics

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  • Micromachines (AREA)
  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、MEMS(Micro Electro-Mechanical Systems)技術を利用して作製する静電アクチュエータに関し、特に、DCから数百GHzまでの広い信号周波数をオン/オフするマイクロスイッチ、ミラーの傾きによって光信号の方向を切り替える光スイッチ、無線アンテナの方向を切り替えるスキャナなどに応用される静電アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術として、東京大学LIMMS/SNRS−IISのドミニク・ショーベル(Dominique Chauver)らがIEEE第10回MicroElectroMechanicalSystems国際会議にて発表した「静電型空間スキャナと集積したマイクロマシンマイクロウェーブアンテナ(A Micro-Machined Microwave Antenna Integrated with its Electrostatic Spatial Scanning )」(Proceedings of IEEE Micro Electro Mechanical Systems,Nagoya,pp.84-89,1997 )に記載の技術・装置を例にして説明する。
【0003】
この装置の斜視図を図6に示す。この装置では、石英基板610を加工して、捩り振動板611と、この両端を支えるばね613とが作製されている。捩り振動板611の上側表面にはクロム・金からなる上部電極612が設けられており、配線615を通して、コンタクトパッド614に電気的に接続されている。一方、シリコン基板620には、傾斜構造621が作製されている。ショーベルらは、(110)Si結晶面を持つシリコン基板を異方性ウェットエッチングして35.3°の2つの傾斜面を持つ傾斜構造621を作製した。この2つの傾斜面のそれぞれにクロムからなる下部電極622aおよび622bの2つの電極パターンを作製した。これら下部電極622aおよびbは、コンタクトパッド624aおよびbにそれぞれ電気的に接続されている。これら石英基板610とシリコン基板620は、捩り振動板611が傾斜構造621の上に位置するように目合わせされて互いに接着されている(接着方法は述べられていない)。
【0004】
上部電極612と下部電極622aあるいはbとの間に電圧を印加すると、静電引力により捩り振動板611に基板方向(下側)の引力が働く。このため、ばね613が捩れ変形して捩り振動板611がばね613を軸に回転して傾く。上部電極612と下部電極622aあるいはbとに印加する電圧を変化させることによって、捩り振動板611の回転角度を調節することができ、また、下部電極622aとbのいずれに電圧を印加するかを選択することによって捩り振動板611の回転方向を変化させることが可能である。
【0005】
この従来技術では、捩り振動板611の回転方向を変化させて無線信号の送信・受信の方向を変化させるアンテナとしての応用が述べられていた。特に注目する点は、下部電極を傾斜構造上に作製することによって、印加電圧を低減させることができるということである。これは、静電引力は、2つの構造体の間の距離の2乗に反比例して減少するため、もし上部電極と下部電極の距離を小さく設計することができれば印加電圧を減少させることができるという原理に基づいている。捩り振動板611の回転角度がゼロのときには、傾斜構造体621の頂点に近い位置に設けられた下部電極622a/bの領域との間に大きな静電引力が発生する。捩り振動板611が回転するに従って、下部電極622a/bのその他の領域に対しても大きな静電引力が発生してゆく。もし傾斜構造体621を持たない平坦な面の上に下部電極622a/bが設けられる場合には、上部電極と下部電極との間の距離が大きいために、捩り振動板611を回転させるのに大きな電圧を必要とする。ショーベルらは、傾斜構造体のこの効果を具体的には示していないが、35.3°の傾斜構造に対して静電引力の計算を行うと、平坦構造に対して印加電圧を約30%程度低減できることがわかった。
【0006】
また、ショーベルらは述べていないが、傾斜構造621の第2の効果は、捩り振動板611のばね613を中心にした回転運動を生じやすくすることである。上部電極612と下部電極622a/bとの間に電圧を印加すると、上部電極612に対して下部電極方向への力が発生する。しかし、ばね613の曲げ変形の剛性が回転(捩り)の剛性に比べて小さいときには回転よりもシリコン基板620側に垂直に変形しようとする傾向が起こりやすい。傾斜構造621は、この垂直変形を防止して捩り振動板611に回転運動のみを生じさせる役割を持っている。
【0007】
図7は、この従来技術のシリコン基板側の製造方法を示す断面図である。(110)Si結晶面を主面にするシリコン基板71の両面に低圧気相成長(LP−CVD)装置を用いてシリコン窒化膜72aおよびbを堆積し、一方の面をフォトリソグラフィー技術を用いて窒化膜72aのパターニングを行う(同図a)。この基板を33%KOH液の中に入れ、シリコン基板71を異方性エッチングする。平面に対して35.3°の傾斜を持つ傾斜構造73が作製される(同図b)。続いて、この傾斜構造73を持つシリコン基板側に、スパッタリングにより、シリコン酸化膜を堆積させる。金属マスク76をこのシリコン基板の上に配置し、クロムの蒸着を行う。このとき、金属マスク76に設けられた開口を通してクロムが傾斜構造上に堆積し、下部電極75を作製することができる(同図c)。その後、再びスパッタリングによりシリコン酸化膜77をクロム下部電極75の上に堆積させる(同図d)。最後に、石英基板を加工して作製した捩り振動板をこのシリコン基板71の上に接着することによって、図6に示すデバイスが作製される。
【0008】
この従来技術では、捩り振動板は1×2×0.1mmの寸法を持っていた。特に2mmも幅のある捩り振動板を±10°傾かせる設計から、傾斜構造の高さを175μm以上に構成する必要があった。ショーベルらは、このような大きな段差を持つ基板上に下部電極パターンを作製するために、図7に示すような金属マスク76を利用したクロム蒸着方法を採用した。しかし、金属マスク76と傾斜構造75との間に設けられた隙間により、下部電極75を設計通りの寸法と位置に作製することは困難である。これは、蒸着装置のターゲットから出たクロム粒子がある広がり角度をもって基板に衝突するため、基板とターゲットの距離が異なると衝突位置がずれてくるためである。この従来例では傾斜構造の高さが大きいために、傾斜構造の頂点から離れるに従って傾斜面とターゲットとの距離が増大してくるので金属マスクとパターンが異なってくるという問題が生じた。静電駆動アクチュエータは、上下電極の形状および位置関係に対して非常に敏感に特性が影響される。このため、上記従来技術のデバイスを用いて駆動電圧に対する捩れ角度を評価したところ、デバイス間で大きく特性がばらつくことがわかった。
【0009】
下部電極パターンがマスクに忠実に作製されないという問題は、傾斜構造に直接レジストパターンを作製するという方法を用いても解決することができない。この場合、フォトマスクパターンを傾斜構造の斜面に忠実に転写することが露光装置の光学系の焦点距離の制限から極めて困難であるからである。また、傾斜構造に均一にレジストを塗布することも困難である。
【0010】
以上の理由から、傾斜構造は印加電圧を低減できるという利点があるにも関わらず、傾斜構造上に電極パターンを正確に形成させることが困難であるために信頼性のある特性の揃ったデバイスを作製することが困難であるという問題があった。このため、量産品として品質の揃った製品を多量に供給することができないばかりか、多数のアレイ配置が必要とされる高機能アンテナ、多数の信号を切り替える光スイッチおよび電気的スイッチの用途に対して傾斜構造を利用することが困難であるという深刻な問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、傾斜構造の利点を持ちつつ、量産品として信頼性のある特性の揃ったデバイスを作製することのできる静電アクチュエータを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、請求項1記載の発明は、基板上に設けられた支持台にアームを介して接続され、基板上の空間に支持された上部構造体と、上部構造体に対向して基板位置に設けられた下部構造体と、を有し、上部構造体および下部構造体のいずれか一方の構造体に、互いの距離を小さくする傾斜構造が設けられると共に、他方の構造体の平坦面には、一方の構造体の該傾斜構造に対応した1つ以上の電極が設けられ、電極と、傾斜構造を持つ一方の構造体と、の間に電圧が印加されることにより、上部構造体が下部構造体の側に傾くことを特徴としている。
【0014】
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、他方の構造体の平坦面の上に絶縁膜が設けられ、絶縁膜上に電極が導電性材料を用いて作製されることを特徴としている。
【0015】
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、平坦面を持つ構造体は半導体材料から構成され、構造体の表面に、半導体材料の導電性のタイプと反対の導電性のタイプの不純物を注入して、電極が作製されることを特徴としている。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の発明において、下部構造体に、傾斜構造が設けられ、電極は、上部構造体における、上部構造体と下部構造体の互いに対向する面の反対側の面に設けられることを特徴としている。
請求項5記載の発明は、基板上に設けられた支持台にアームを介して接続され、基板上の空間に支持された上部構造体と、上部構造体に対向して基板位置に設けられた下部構造体と、を有し、上部構造体に、下部構造体との距離を小さくする傾斜構造が設けられると共に、下部構造体における、上部構造体の傾斜構造と対向する平坦面には、上部構造体の傾斜構造に対応した1つ以上の電極が設けられ、電極と上部構造体との間に電圧が印加されることにより、上部構造体が下部構造体の側に傾くことを特徴としている。
【0017】
請求項6記載の発明は、ガラス基板からなる基板上に設けられた支持台にアームを介して接続され、基板上の空間に支持された上部構造体と、上部構造体に対向して基板位置に設けられた下部構造体と、を有し、上部構造体および下部構造体のいずれか一方の構造体に、互いの距離を小さくする傾斜構造が設けられると共に、他方の構造体の平坦面には、一方の構造体の傾斜構造に対応した1つ以上の電極が設けられ、電極と、傾斜構造を持つ一方の構造体と、の間に電圧が印加されることにより、上部構造体が下部構造体の側に傾くことを特徴としている。
【0018】
請求項記載の発明は、請求項1からのいずれか1項に記載の発明において、支持台およびアームは2個1組で構成され、アームは捩りばねの機能を持ち、アームにより上部構造体が両端から支持され、一方、電極は2つ以上設けられ、電圧の印加される電極の切り替えがなされることによって上部構造体の傾く方向が制御されることを特徴としている。請求項記載の発明は、請求項1からのいずれか1項に記載の発明において、上部構造体と下部構造体の互いに対向する面のいずれか一方の面に、電極と傾斜構造の接触による短絡を防止するための絶縁膜が設けられることを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。本発明では、静電アクチュエータ(マイクロ構造体デバイス、特に、静電駆動型アクチュエータ)において、電極パターンを、傾斜構造を持つ基板の側ではなく、他方の基板側に作製する。この他方の基板は平坦であるか、あるいは、平坦ではなくともパターニングがなされる領域に傾斜構造のような突起形状を持たないものである。従って、この電極パターンは、通常のフォトリソグラフィー技術を用いてフォトマスクに忠実に作製することが可能である。一方、傾斜構造を持つ基板は、傾斜構造全体が等電位に置かれるようになされ、傾斜構造側に電極パターンを作製する必要がない。このため、傾斜構造を用いることの利点を活かしつつ、特性の揃ったデバイスを供給することが可能となる。
【0020】
図1は、本発明の第1の実施の形態における静電アクチュエータの構造を示す図である。図1(a)は、上から見た平面構造を示す。また、同図のAA’断面とBB’断面をそれぞれ(b)および(c)に示す。本発明では、ガラス基板100上にシリコンからなる支持台10およびチタン・金からなる下部電極101aとbが設けられている。2つの支持台10の一端からは、シリコンからなる片持ちアーム11が延びており、捩り振動板12の両端に接続され、これをガラス基板100上の空間に支えている。
【0021】
一対の片持ちアーム11は、捩り振動板12を基板上の空間に支持する役割と、捩りのばねとしての役割を担う。片持ちアーム11は、デバイス全体の寸法を小さく抑えつつ、ねじりのばね剛性を小さくするために、同図に示すように平面上で折れ曲がる構造を持たせている。この形状は一例であって、従来例のような直線的な構造・その他の構造を持たせることも可能である。捩り振動板12は、この片持ちアーム11のある軸を中心にして回転することができる(後述)。さらに、捩り振動板12は、図1(c)に示すように下面に傾斜構造14を持っている。この傾斜構造14は、その傾斜面が下部電極101aおよびbに対向するように位置するように配置されている。
【0022】
捩り振動板12のガラス基板100に対向する側と反対の表面は一般に平坦であることが要求される。例えば、本発明を、光マイクロスイッチとして応用する場合、この捩り振動板12の表面を、光を反射させるミラーとして用いる。このとき、捩り振動板12の厚さを厚くすると剛性が大きくなり、回転しても平坦性が保たれるという特徴があるので都合がよい。一方、片持ちアーム11は、剛性を小さくする方が回転のための印加電圧を減少させるのに役立つ。このため、本実施例では、捩り振動板12と片持ちアーム10の厚さを変えた構造を示した。
【0023】
また、二酸化シリコンあるいは窒化シリコン膜などの絶縁膜からなる絶縁膜102が、下部電極101aおよびbの上に形成されている。これは、捩り振動板12と下部電極101とが接触した場合に電気的な短絡が起こらないようにするためである。さらに、両者の付着を防止するという機能を持っている。絶縁膜102の一部には、コンタクトパッド103が作製されている。このパッドを通して下部電極101に電圧を印加することができる。なお、絶縁膜102は、本実施例のように、下部電極101の面に必ずしも作製する必要はなく、捩り振動板12の下側面に設けても良く、さらには両者に共に設けても良い。また、付着を防止するために、表面に凹凸を設けたり、フッ素含有系の絶縁膜で表面を覆っても良い。
【0024】
捩り振動板12への電圧の印加については、支持台10に例えばワイアボンディングにより外部の電源との電気的接続を行うことにより、捩り振動板12を片持ちアーム11を通して電源に等しい電位とすることができる。静電駆動型アクチュエータでは、電流を流すわけではないため抵抗を小さくする必要はないが、支持台10、片持ちアーム11、および捩り振動板12を、p型またはn型の不純物を注入したシリコンで構成することにより抵抗を下げることも可能である。さらに、これらを金属材料によって作製したり、あるいは、表面に金属などの導電性材料をコーティングすることなどにより電気的導通をとることも可能である。後者の場合には、石英、セラミックなどの絶縁材料によって支持台10、片持ちアーム11、および捩り振動板12を作製することが可能である。
【0025】
また、本実施例では、支持台10、片持ちアーム11、および捩り振動板12が作製される基板としてガラス基板100を用いた。これは、シリコンとガラスの静電接着を利用することができるという特徴を持っているためである。しかしながら、ガラスに限ることなく、セラミック、金属、あるいは半導体基板を用いることも可能である。金属や半導体基板を用いる場合には、下部電極101と基板100との間に絶縁膜を設けておけば、両者の電気的絶縁をとることが容易にできる。
【0026】
支持台10と下部電極101aあるいはbとの間に0〜50Vの電圧を印加すると、静電引力により捩り振動板12に基板方向(下側)への引力が働く。電圧が増大するに従って、アーム11の回転および捩り振動板12の回転が大きくなる。このようにして、印加電圧の大きさを変化させたり、電圧を印加する下部電極を切り替えることによって、捩り振動板12の回転角度および方向を制御することができる。
【0027】
また、本実施例では、2つのアーム11により両側から振動板12を支持する構造を示したが、これに限らず例えば、図8のように、1つのアーム(振動板の1部位に接続されるアーム)により振動板を支持する構造にすることもできる。この場合、上部構造体と下部構造体との間の印加電圧を制御することにより、振動板が基板側へ傾く。図8で、アームは、曲がりばね、あるいは、捩ればねの構造および役割をとり、それぞれに応じて本発明の主旨に従って傾斜構造および電極が形成される。
【0028】
また、本発明において、電極101aおよびbは、必ずしも両方使用する必要もなく、用途に応じて片側のみ使用あるいは作製する構成にしても良い。その場合、傾斜構造14は作製する電極101に対応する側のみ作製すれば良い。
【0029】
図2は、本発明の第1の実施例の静電アクチュエータの製造方法の一例を示した図である。この図はAA’断面を例にした製造工程図ある。ここでは、シリコン基板上に構造体を作製する場合を示す。まず、(110)Si結晶面を主面にするシリコン基板200の一方の表面にボロン(B)を3μm拡散してp型拡散層21を形成する(同図(a))。
【0030】
次に、シリコン基板200の反対面にパイレックスガラスを3μm拡散してパターニングを行い、接着層22を形成する。続いてシリコン酸化膜を堆積し、これをパターニングしてエッチングパターン23を作製する。一方、拡散層21を含む面にシリコン酸化膜を堆積し、これをパターニングしてばねパターン24を作製する(同図(b))。
【0031】
次に、シリコン基板200をエチレンジアミン・ピロカテコール・水(EPW)の混合液の中に入れて異方性エッチングを行う。このようにしてエッチングパターン23を通してエッチングを行い、2つの面が35.3°の傾斜を持つ傾斜構造26が作製される。EPWは拡散層21をエッチングしないため、ばねとなる拡散層21の厚さを正確に制御することができる(同図(c))。
【0032】
シリコン酸化膜23を除去し、シリコン基板200を、既に下部電極パターンなどが作製されている(※非図示)他のシリコン基板210に静電接着する(同図(d))。このとき、ガラス接着層22がシリコン基板210と結合して強固な接着が実現される。
【0033】
続いて、ばねパターン24を介して拡散層21に対してプラズマ中でのSF6などのガスを用いたエッチングを行うことによって、ばね27を作製する(同図(e))。最後に、シリコン酸化膜24をプラズマ中でのCH4などのガスを用いたエッチングを行って除去する。
【0034】
本実施例の代表的な寸法は以下のようになる。アーム11が、{幅5μm、長さ100μm、厚さ3μm}となり、捩り振動板12が、{直径500μm、最小厚さ20μm、平面に対して35.3°の傾斜構造}を持つ。下部電極101が捩り振動板12よりも10μm程度外側に位置するように作製され、0.3μm厚のチタン・金材料からなっている。この上に、絶縁膜102が0.3μmの厚さで設けられている。支持台10は、高さが80μmあり、捩り振動板12が±10°回転しても下部電極101に接触しないようになっている。
【0035】
図3は、本発明の第2の実施の形態における静電アクチュエータの構造を示す図である。図3(a)は、上から見た平面構造を示す。また、同図の断面AA’と断面BB’をそれぞれ(b)および(c)に示す。図中、図1の第1の実施例と同一の番号を持つ要素は、同一の構成要素を示している。第2の実施例では、傾斜構造312がシリコン基板300側に作製されており、また、上部電極35aおよびbが捩り振動板32側に作製されていることが第1の実施例と大きく異なる点である。
【0036】
第2の実施例では、傾斜構造312がシリコン基板300上に作製されている。しかし、従来例とは異なり、下部電極パターンはこの傾斜構造312上には作製されず、傾斜構造全体が1つの等電位電極となっている。また、傾斜構造312上には、絶縁膜302が電気的短絡を防ぐために設けられている。一方、捩り振動板32は、第1の実施例と異なり傾斜構造を持たない形状となっている。捩り振動板32の両側の表面は、酸化膜36で覆われている(図3(c))。この酸化膜36上の一方の面上(図3では下側面)に上部電極35aおよびbが作製されている。
【0037】
この上部電極35aおよびbの電気的配線を捩り振動板32の上側にもってくるために、捩り振動板32の一部に貫通穴34が作製されており、この貫通穴34を介して上部電極35aおよびbの配線が片持ちアーム11上を通って支持台10上に設けられたコンタクトパッド33に接続されている。貫通穴34の側壁は、酸化膜によって覆われており(※非図示)、上部電極35aおよびbの配線が捩り振動板32と電気的短絡を起こさないようにされている。
【0038】
シリコン基板300と電源との接続については、表面の絶縁膜302の一部を除去して接続口とするか、あるいは、基板300の裏面を通してとることができる。基板300とコンタクトパッド33の一つとの間に電圧を印加することによって捩り振動板32を回転させることができる。
【0039】
なお、本実施例では、上部電極35aおよびbを捩り振動板32の下側面に作製した例を示したが、上部電極35aおよびbを捩り振動板の上側面に作製してもよい。この場合、貫通穴34が不要であるために構造が簡略化されるという利点がある。また、静電型アクチュエータでは電流を流すわけではないため抵抗を小さくする必要はないので、支持台10、片持ちアーム(ばね)11、および捩り振動板32の上部電極35aおよびbの領域を、上部電極35aおよびb間の境界領域39と異なる型(※導電性のタイプ)の不純物を注入した半導体材料で作製することも可能である。このとき、特に上部電極35aおよびb、また、ばね11上の金属配線を設けることが不要となる。ばね11上に金属配線を無くすことは、ばね11を設計通りに作製するという点に対して非常に有効である。
【0040】
また、捩り振動板32、ばね11、および支持台10は、シリコン材料に限定されることはなく、これらを金属材料によって作製したり、あるいは、石英、セラミックなどの絶縁材料の表面に金属などの導電性材料をコーティングするなどして作製することも可能である。また、本実施例では、支持台10、アーム11、および捩り振動板32が作製される基板として、シリコン基板300を用いた。これは、シリコンに対して異方性エッチング技術を利用して傾斜構造312を作製することができるという特徴があるためである。しかし、シリコンに限ることなく、セラミック、金属、あるいは他の半導体基板を用いることも可能である。
【0041】
第2の実施例の代表的な寸法は、第1の実施例で示したものとほぼ同様である。
【0042】
図4は、第2の実施例の静電アクチュエータの製造方法を示したものである。まず、(100)Si結晶面を主面にするシリコン基板400の一方の表面に0.5μmのシリコン酸化膜を形成する。そして、その上にチタン・金の薄膜0.2μmを堆積させて電気接続用配線43を作製する(同図(a))。
【0043】
この電気接続用配線43の上に、プラズマCVDによりシリコン酸化膜を堆積させ、通常のフォトリソグラフィーを用いてばねパターン401を作製する。基板400の反対面にパイレックスガラスを3μm拡散させてパターニングを行い、接着層42を作製する。続いてこれをマスクにしてシリコン基板400をSF6などのガスで約80μmの深さだけプラズマエッチングを行い、溝402を作製する(同図(b))。
【0044】
溝402のある側のシリコン基板400の面に、レジストマスクを用いて貫通穴404をシリコンドライエッチングによって作製する。そして、この面にプラズマCVDによりシリコン酸化膜を堆積し、酸化膜ドライエッチングによって絶縁膜パターン403を作製する。このとき、貫通穴404の測壁にも酸化膜405が作製されている(同図(c))。
【0045】
続いて、この面にチタン・金を1μmスパッタリングして貫通穴404の埋め込みを行う。そして、このチタン・金をパターニングして上部電極パターン45を作製する。一方、(110)Si結晶面を主面とするシリコン基板410を用いて、傾斜構造412を異方性エッチングにより作製する。この表面をシリコン酸化膜により覆った後、このシリコン基板412とシリコン基板400とを静電接着する。このとき、ガラス接着層42が接着材としての役割を果たす(同図(d))。
【0046】
最後に、シリコン基板400に対し、プラズマ中でSF6などのガスを用いてばねパターン401を通してエッチングを行い、ばね411を作製する。また、ばねパターン401の一部をエッチングして電気接続用配線43の一部を露出させてコンタクトパッド33とする(同図(e))。
【0047】
この作製方法では、シリコン溝402の中に上部電極45を作製するためのフォトリソグラフィーが使用されている。しかし、溝402の底面は平坦であるために従来例で直面した傾斜面の側壁にパターンを作製することに比べてはるかに容易かつ正確にパターンを作製することができる。
【0048】
図5は、本発明の第3の実施の形態における静電アクチュエータの構造を示す図である。図5(a)は、上から見た平面図である。また、同図のAA’断面とBB’断面をそれぞれ(b)と(c)に示す。第3の実施例では、捩り振動板52が外周板522を介して二組のアーム51および511によって支持されており、この二組のアームの軸それぞれを中心に回転制御を行うことにより、振動板52の2次元的な傾きの制御ができるようになっていることが第1および第2の実施例と大きく異なる点である。
【0049】
第3の実施例では、ガラス基板500上に、シリコンからなる支持台50およびチタン・金からなる4個の下部電極501a・b・c・dが設けられている。2つの支持台50の一端からはシリコンからなる片持ちアーム51が延びており、外周板522の両端に接続している。さらにこの外周板522の内側にはシリコンからなる片持ちアーム511がアーム51と垂直の位置に設けられている。この片持ちアーム511は、捩り振動板52の両端に接続してこれをガラス基板500上の空間に支えている。片持ちアーム511および51は、デバイス全体の寸法を小さく抑えながらねじりのばね剛性を小さくするために同図に示すように折れ曲がった構造をしている。勿論、従来例のように直線的な構造を持つことも可能である。
【0050】
捩り振動板52は、二組のアーム51および511を中心軸にして互いに垂直方向に回転することができる。さらに、捩り振動板52および外周板522は、図5(b)および(c)に示すように、四辺に傾斜構造53を持っている。この傾斜構造53は、下部電極501に対向するようその傾斜面が位置するように構成・配置されている。捩り振動板52のガラス基板500側に向く面と反対側の表面は一般に平坦であることが要求される。例えば、本発明を光ミラーとして応用する場合、この捩り振動板52の表面が光を反射させるミラーとなる。このとき、捩り振動板52の厚さを厚くすると、剛性が大きくなって回転しても平坦性が保たれるという特徴があり都合がよい。一方、片持ちアーム51および511は、剛性を小さくする方が回転のための印加電圧を減少させるのに役立つ。このため、本実施例では、捩り振動板52と片持ちアーム51および511との厚さを変えた構造を示した。
【0051】
また、二酸化シリコンあるいは窒化シリコンなどの絶縁膜からなる絶縁膜502が、下部電極501上に形成されている。これは、捩り振動板52あるいは外周板522と下部電極501とが接触したときに電気的な短絡が起こらないようにするためである。さらに、両者の付着を防止するという機能を持っている。絶縁膜502の一部には、コンタクトパッド503が作製されている。このパッド503を通して電源との接続をとることにより下部電極501に電圧を印加することができる。なお、絶縁膜502は、本実施例のように必ずしも下部電極501に作製する必要はなく、捩り振動板52および外周板522の下側に設けても良く、さらに両者に共に設けても良い。また、付着を防止するために、表面に凹凸を設けたり、フッ素含有系の絶縁膜で表面を覆っても良い。
【0052】
捩り振動板52への電圧の印加は、支持台50に例えばワイアボンディングにより外部の電源と電気的接続を行うことにより、片持ちアーム51および511を通して電源に等しい電位とすることができる。静電型アクチュエータでは電流を流すわけではないため抵抗を小さくする必要はないが、支持台50、片持ちアーム51および511、捩り振動板52、および外周板522を、p型またはn型の不純物を注入したシリコンで構成することにより抵抗を下げることも可能である。さらに、これらを金属材料によって作製したり、あるいは、表面に金属などの導電性材料をコーティングすることなどにより電気的導通をとることも可能である。後者の場合には、石英、セラミックなどの絶縁材料によって支持台50、片持ちアーム52および511、捩り振動板52、および外周板522を作製することが可能である。
【0053】
また、本実施例では、支持台50、片持ちアーム51および511、捩り振動板52、および外周板522が作製される基板としてガラス基板500を用いた。これは、シリコンとガラスの静電接着を利用することができるという特徴を持っているためである。しかしながら、ガラスに限ることなく、セラミック、金属、あるいは半導体基板などを用いることも可能である。金属や半導体基板を用いる場合には、下部電極501と基板500との間に絶縁膜を設けておけば、両者の電気的絶縁をとることが容易にできる。
【0054】
支持台50と4個の下部電極501a〜dのいずれか一つとの間に0〜50Vの電圧を印加すると、静電引力により捩り振動板52および外周板522に基板方向(下側)への引力が働く。電圧が増大するに従って、電圧が印加される下部電極501に応じて、アーム51および外周板522、あるいは、アーム511および捩り振動板52の回転が大きくなる。このようにして、印加電圧の大きさを変化させたり、電圧を印加する下部電極501を切り替えることによって最終的に捩り振動板52の回転角度および方向を制御することができる。
【0055】
第3の実施例の静電アクチュエータの製造方法は、基本的に図2に示した第1の実施例の場合と同様である。ただ、傾斜構造53が4個の傾斜面を持つことが異なる。このような構造を作製するには、例えば、(110)Si結晶面を主面にするシリコン基板に(100)Si結晶軸方向の正方形のパターンを作製してEPWなどの異方性エッチング液を用いてエッチングを行うと、45°の傾斜を持つ4個の傾斜面に囲まれた構造を作製することが可能である。
【0056】
第3の実施例の代表的な寸法は以下のようになる。アーム51および511が、{幅5μm、長さ100μm、厚さ3μm}となり、捩り振動板52が、{直径500μm、最小厚さが20μm、45°の傾斜構造}を持つ。また、外周板512は、直径550μmと700μmの同心円の形状を持つ。下部電極501が外周板512よりも10μm程度外側に位置するように作製され、0.3μm厚のチタン・金材料からなっている。この上に、絶縁膜502が0.3μmの厚さで設けられている。支持台10は、高さが130μmあり、捩り振動板52および外周板512が±10°回転しても下部電極501に接触しないようになっている。
【0057】
なお、第3の実施例では、傾斜構造53を、第1の実施例と同じ基板側(上部構造体)に作製した例を示したが、第2の実施例と同じ基板側(下部構造体)に作製することも可能である。
【0058】
本発明の実施例では、上部電極あるいは下部電極を2つあるいは4つに分けた構造を示したが、電極の数はこれに限られるものではなく、これ以上の数を構成しても本発明の効果を得ることが可能である。また、これら複数の電極に対しての電圧の印加は、いくつか同時に行っても、あるいは、最初にある電極に印加した後に他の電極に電圧を印加するという方法を用いても、本発明の効果を得ることができる。
【0059】
また、第3の実施例のアーム51および511の長さは同一にする必要はない。また、傾斜構造53の傾斜面の角度を同じにする必要もない。例えば、図のAA’を軸にする回転を±10°、BB’を軸にする回転を±5°とする構成にする場合に、アーム51の方のの剛性を大きくしたり、傾斜面の角度を小さくするなどすることも有効である。
【0060】
また、捩り振動板52および外周板522に穴を開口して下部電極501との間に存在する空気によるスクイーズ効果を減少させたり、下部電極501およびその基板500の一部に穴を開口して同様の効果を得る手法を用いても良い。本実施例では、振動板がばね(アーム)に対して厚くなっているため構造の強度を補強することが容易である。このため、内部に複数個の穴を設けたとしても、可動部全体の剛性は十分に大きく保つことが可能である。
【0061】
以上の実施例で詳述したような構造を持つマイクロデバイスを、光スイッチ、DC〜高周波用スイッチ、および、アンテナに応用することが以下のようにしてできる。光スイッチに用いる場合、捩り振動板の表面に例えば0.2μmの金を堆積させて反射膜(ミラー)とすることができる。このとき、捩り振動板に上部電極が設けられているときには、これと電気的短絡を起こさないように上部電極と反射膜との間に絶縁膜を挿入するか、あるいは、両者のパターンを平面的に分離することで容易に実現することができる。また、DC〜高周波用スイッチの用途では、捩り振動板の下側に接触電極を設け、下側基板上に設けられた信号線との間で接触・非接触を行わせるとよい。さらに、アンテナなどの高周波デバイス用途では、捩り振動板の上側面にコプレナー回路パターンを作製すると良い。
【0062】
以上の光スイッチおよびアンテナ用途では、捩り振動板の上側の平坦面にパターンが作製されるために通常のフォトリソグラフィー技術を利用して正確なパターニングを行うことが可能である。一方、DC〜高周波用スイッチの用途では、接触電極を捩り振動板の下側の平坦ではない面に作製するために正確なパターンを作製できないという問題が残る。しかし、デバイス特性に非常に敏感に影響するのは下部/上部電極と傾斜構造との位置関係および形状であり、接触電極の形状および位置は敏感には影響しない。このため、本発明の構造を用いて、これらの種々の用途に対して特性の優れたデバイスを作製することが可能である。
【0063】
以上により本発明の実施形態について説明した。なお、上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
【0064】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、傾斜構造による静電引力の有効利用ができるため、平面構造に比べて印加電圧を30%程低減させることが可能となる。さらに傾斜面の角度を小さく構成すれば印加電圧を半分以下に減少させることも可能である。しかも、上部電極あるいは下部電極は平坦面に作製されるため、電極パターンの作製を正確に行うことができ、品質の揃ったデバイスを量産し供給することができる。このため、印加電圧に対する振動板の回転角度の制御の精度が著しく向上する。
【0065】
以上の利点が生まれたために、本発明の静電アクチュエータは、単純に個々ばらばらにして使用するスイッチへの応用に留まらず、大面積の基板上に数万個のオーダーで集積化することが要求されるフェーズドアレイ・アンテナや、光クロスコネクト用スイッチのような新たな応用を可能とするものである。以上の効果は大変著しいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における静電アクチュエータの構成を示す図(平面図および断面図)である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における静電アクチュエータの製造方法を示す図(製造工程図)である。
【図3】本発明の第2の実施の形態における静電アクチュエータの構成を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における静電アクチュエータの製造方法を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態における静電アクチュエータの構成を示す図である。
【図6】参照従来技術の構成を示す斜視図である。
【図7】参照従来技術の製造方法を示す図である。
【図8】本発明の別の構成(アーム1つの構成)を示す図である。
【符号の説明】
100 ガラス基板
101a、b 下部電極
102 絶縁膜
103 コンタクトパッド
10 支持台
11 片持ちアーム
12 捩り振動板
14 傾斜構造
200 基板
210 他方の基板
21 p型拡散層
22 接着層
23 シリコン酸化膜パターン
24 シリコン酸化膜(ばねパターン)
26 傾斜構造
27 ばね(アーム)
300 シリコン基板
302 絶縁膜
312 傾斜構造
32 捩り振動板
33 コンタクトパッド
34 貫通穴
35a、b 上部電極
36 酸化膜
37 境界領域
400 シリコン基板
401 ばねパターン
402 溝
403 絶縁膜パターン
404 貫通穴
405 酸化膜
410 シリコン基板
411 ばね(アーム)
412 傾斜構造
42 接着層
43 配線
44 配線(貫通穴部分)
45 上部電極
46 シリコン酸化膜
500 ガラス基板
501a、b、c、d 下部電極
502 絶縁膜
503 コンタクトパッド
511 片持ちアーム(内側)
522 外周板
50 支持台
51 片持ちアーム(外側)
52 捩り振動板
53 傾斜構造
610 石英基板
611 捩り振動板
612 上部電極
613 捩りばね
614 コンタクトパッド
615 配線
620 シリコン基板
621 傾斜構造
622a、b 下部電極
624a、b コンタクトパッド
71 シリコン基板
72a、b シリコン窒化膜
73 傾斜構造
74 シリコン酸化膜
75 下部電極パターン
76 金属マスク
77 シリコン酸化膜

Claims (8)

  1. 基板上に設けられた支持台にアームを介して接続され、基板上の空間に支持された上部構造体と、該上部構造体に対向して基板位置に設けられた下部構造体と、を有し、
    前記上部構造体および下部構造体のいずれか一方の構造体に、互いの距離を小さくする傾斜構造が設けられると共に、他方の構造体の平坦面には、前記一方の構造体の該傾斜構造に対応した1つ以上の電極が設けられ、
    該電極と、前記傾斜構造を持つ一方の構造体と、の間に電圧が印加されることにより、前記上部構造体が前記下部構造体の側に傾くことを特徴とする静電アクチュエータ。
  2. 前記他方の構造体の平坦面の上に絶縁膜が設けられ、該絶縁膜上に前記電極が導電性材料を用いて作製されることを特徴とする請求項1記載の静電アクチュエータ。
  3. 前記平坦面を持つ構造体は半導体材料から構成され、該構造体の表面に、前記半導体材料の導電性のタイプと反対の導電性のタイプの不純物を注入して、前記電極が作製されることを特徴とする請求項1記載の静電アクチュエータ。
  4. 前記下部構造体に、前記傾斜構造が設けられ、
    前記電極は、前記上部構造体における、前記上部構造体と下部構造体の互いに対向する面の反対側の面に設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の静電アクチュエータ。
  5. 基板上に設けられた支持台にアームを介して接続され、基板上の空間に支持された上部構造体と、該上部構造体に対向して基板位置に設けられた下部構造体と、を有し、
    前記上部構造体に、前記下部構造体との距離を小さくする傾斜構造が設けられると共に、前記下部構造体における、前記上部構造体の傾斜構造と対向する平坦面には、前記上部構造体の該傾斜構造に対応した1つ以上の電極が設けられ、
    該電極と前記上部構造体との間に電圧が印加されることにより、前記上部構造体が前記下部構造体の側に傾くことを特徴とする静電アクチュエータ。
  6. ガラス基板からなる基板上に設けられた支持台にアームを介して接続され、基板上の空間に支持された上部構造体と、該上部構造体に対向して基板位置に設けられた下部構造体と、を有し、
    前記上部構造体および下部構造体のいずれか一方の構造体に、互いの距離を小さくする傾斜構造が設けられると共に、他方の構造体の平坦面には、前記一方の構造体の該傾斜構造に対応した1つ以上の電極が設けられ、
    該電極と、前記傾斜構造を持つ一方の構造体と、の間に電圧が印加されることにより、前記上部構造体が前記下部構造体の側に傾くことを特徴とする静電アクチュエータ。
  7. 前記支持台およびアームは2個1組で構成され、該アームは捩りばねの機能を持ち、該アームにより前記上部構造体が両端から支持され、一方、前記電極は2つ以上設けられ、電圧の印加される電極の切り替えがなされることによって前記上部構造体の傾く方向が制御されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の静電アクチュエータ。
  8. 前記上部構造体と下部構造体の互いに対向する面のいずれか一方の面に、前記電極と前記傾斜構造の接触による短絡を防止するための絶縁膜が設けられることを特徴する請求項1から7のいずれか1項に記載の静電アクチュエータ。
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