JP3774347B2 - 防音パネルを構造物の壁面に取付けるための取付金具及びその取付金具を用いた防音パネルの取付構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として、車両等の走行に伴う騒音を遮音、吸音するために、防音パネルを構造物の壁面に取付けるための取付金具及びその取付金具を用いた防音パネルの取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両などの走行に伴う騒音を低減させるために、高架橋や橋梁、掘割道路、トンネル等の構造物の桁裏面や、天井、側壁等、構造物の壁面に防音パネルが取付けられる。従来、かかる防音パネルの取付構造は、例えば図3に示される如く、中央部に沿って固定部aを背面側に突出させた平板状の取付金具bを使用したものであり、この取付金具bを、構造物cの壁面dの固定したアンカーボルトeに固定部aを締着することによって、壁面dに固定すると共に、左右の平板部fで隣接する防音パネルgの相対向するそれぞれの端部を支持するようになされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、防音パネルgによって低減すべき車両からの騒音は防音パネルgに垂直方向から入射してくるものだけでなく、大半は斜め方向から入射してくるものであるところ、従来の前記の如き取付金具bを使用した取付構造にあっては、特に斜め方向から入射してくる騒音が、前記取付金具bに到達すると、取付金具bが平板状であるために、その取付金具bや防音パネルgの端面で反射し、それらの反射が、斜入射する騒音に対する吸音率、すなわち斜入射吸音率を低下させる要因になっていた。
【0004】
そこで本発明は上記の如き問題を解決し、斜入射吸音率を向上させた防音パネルを構造物の壁面に取付けるための取付金具及びその取付金具を用いた防音パネルの取付構造を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、次のような構成としている。
すなわち、本発明に係る防音パネルを構造物の壁面に取付けるための取付金具は、固定部を形成した底部の左右両側より側壁部が前面方向に突出され、さらにその左右の側壁部の上部より前面壁部が相対向してそれぞれ内方に突出されて、前面が開口されたボックス構造となされ、固定部によって構造物の壁面に取付けられると共に、底部の左右両側で防音パネルの端部を支持させるようになされたことを特徴とするものであり、
又本発明に係る防音パネルの取付構造は、前記発明に係る防音パネルを構造物の壁面に取付けるための取付金具によって、防音パネルが構造物の壁面に取付けられたことを特徴とするものである。
【0006】
本発明によれば、取付金具は前面が開口されたボックス構造となされているので、斜め方向から入射してくる騒音が、取付金具に到達すると、一部はその取付金具の前面壁部によって反射されるものの、大半は開口よりボックス内に入射され、そのボックス内で乱反射を繰り返して減衰されること等から、斜入射吸音率が向上する。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照し、具体的に説明する。
先ず、図1は本発明に係る取付金具を用いて防音パネルを構造物の壁面に取付けた実施の一形態を示す断面図、図2は取付金具の実施の一形態を示す斜視図である。
【0008】
図1で示された形態の防音パネルAは、ほぼ全面に多数の開口部11が形成された前面部1と、遮音性を有する背面部2とによって形成された中空内に、吸音材3が内装され、そして吸音材3と背面部2との間に背面空気層4が形成されると共に、前面部1と吸音材3との間に前面空気層5が形成されたものであって、前面部1の開口部11より中空内に入射した騒音が吸音材3により吸音されると共に、背面部2により遮音され、且つ背面空気層4内の乱反射等により低周波域の騒音が効果的に減衰され、さらに前面部1と吸音材3との間の前面空気層5内で乱反射を繰り返し、それが吸音材3により吸音されると共に互いに干渉する等して減衰され、それらの相乗効果によって斜入射吸音率が高められているものである。さらにこの形態での防音パネルAの両端部には、その奥位置には中空状の張出部6が外方に向けて張り出されている。
【0009】
前記防音パネルAの前面部1は、一般にはアルミニウム合金板、鉄板、ステンレス板から形成され、適宜それらの表面に耐食性を向上させるための塗装等が施されるが、特に限定されるものではない。又開口部11は、庇部を設けたスリット孔であってもよく、特に限定されるものではないが、パンチング孔にすれば、スリット孔に比べて前面部1の表面がほぼ平坦となるので、清掃や洗浄が容易となる。なお、開口部11を形成した前面部1の開口率は、好ましくは15〜50%とされるが、特に限定されるものではない。
【0010】
吸音材3は、一般にはグラスウール等の繊維状のものが適宜用いられるが特に限定されるものではない。この吸音材3は、耐候性を高め、さらに雨水から保護するために、保護材で包んでおくのが好ましい。保護材としては、一般には防水性や耐久性に優れたポリフッ化ビニールフイルムや四フッ化フロロエチレンフイルム等が用いられるが、これも限定するものではなく、ガラスクロス等であってもよく、さらに前記例示のフイルム等を内部保護材としてこの内部保護材でまず包み、さらにガラスクロス等の外部保護材で覆うようにしてもよい。なお、吸音材3の厚さは、好ましくは50〜100mmとされるが、特に限定されるものではない。
【0011】
背面部2は、騒音が背面部2から外部に透過しないように、要求する透過損失を満足できるような厚みの前記前面部1で例示したような金属板からなる板材等を使用して背面部2を形成し、前面部1と背面部2とによって中空のパネル体を形成し、その背面部2と吸音材3との間に背面空気層4を形成してもよいが、本発明においては、例えば高架橋や橋梁、掘割道路、トンネル等の構造物の桁裏面や、天井、側壁等、すなわち構造物7の壁面71に取付けられるので、背面部2は特に他の板材等によって形成せず、その取付けられる構造物7の壁面71を背面部2としてもよい。なお、背面空気層4の奥行き寸法は、好ましくは5〜50mmとされるが、特に限定されるものではない。
【0012】
また、前面部1と吸音材3との間に、前面空気層5を形成するために、側面部52が凹溝状となされた、例えば断面が略逆Z字状となされたスペーサー51が、前面部1と吸音材3との間に介在されている。なお、スペーサー51の側面部52を凹溝状としたのは、斜入射してこのスペーサー51の側面部52に到達した騒音が、凹溝状側面部52の相対向する内壁間で反射させ、減衰させるためである。前記スペーサー51によって確保される前面空気層5の奥行き寸法は、好ましくは5〜50mmとされるが、特に限定されるものではない。
【0013】
8は前記防音パネルAを構造物7の壁面71に取付けるための取付金具であって、取付金具8は、ほぼ中央に沿って固定部81が背面側に突出された底部82の左右両側より側壁部83が前面方向に突出され、さらにその左右の側壁部83の上部より前面壁部84が相対向してそれぞれ内方に突出されて、前面が開口85されたボックス構造となされており、そして構造物7の壁面71に固定されたアンカーボルト72に前記固定部81を螺着することにより、取付金具8は壁面71に固定され、そしてこの固定された取付金具8の底部82の左右両側で、隣接する防音パネルAの端部に張り出された各張出部6を支持させることにより、防音パネルAは構造物7の壁面71に取付けられる。なお、86はクッション材である。
【0014】
さらに取付金具8には、落下防止ワイヤー9を挿通して取付けるための取付孔87が穿設された取付部88が、取付金具8の下部より背面方向に突出され、この取付孔87に挿通して取付金具8に係止した落下防止ワイヤー9を、防音パネルAの前記中空状の張出部6に挿通することにより、防音パネルAの落下防止が図られていると共に、取付部88が防音パネルAの張出部6を受けるようになされている。
【0015】
なお、かようにして取付金具8により構造物7の壁面71に取付けられる防音パネルAに対して、取付金具8の前面壁部84が防音パネルAの前面部1とほぼ面一となるように、取付金具8の側壁部83の高さを設定しておくのが好ましく、不必要な段差を生じるとその段差部で騒音が反射する。又左右の側壁部83間の寸法を隣接する防音パネルAの間隔より僅か小さい寸法とし、側壁部83と防音パネルAの端部との間の隙間をできるだけ小さくするのが好ましく、隙間が大きいと騒音が防音パネルAの端部と側壁部83との間に入り込んで、防音パネルAの端部や側壁部83で反射する。
【0016】
次に本発明による前記形態の取付金具8を使用した防音パネルAの取付構造と、図3に示された従来の取付金具bを使用した防音パネルgの取付構造について、それぞれ平均斜入射吸音率を測定したところ、従来の取付構造についての平均斜入射吸音率の平均値は0.822であったが、本発明の取付構造についての平均斜入射吸音率の平均値は0.879であり、本発明による取付金具8を使用すれば、平均斜入射吸音率が改善されることが確かめられた。
【0017】
平均斜入射吸音率とは、騒音の入射角度を0度(垂直入射)、15度、30度、45度の4種類とし、その角度毎に測定して得られる吸音率を算術平均した値であり、1/3オクターブ中心周波数Hz毎にその値を測定したものであり、平均斜入射吸音率の平均値はそれらの値を加重平均したものである。
【0018】
なお、本発明においては、防音パネルA及び取付金具8の形態は、前記例示した形態に限定されるものではなく、例えば、前面空気層4及び背面空気層4は、設けなくてもよく、又前面空気層4を設けずに背面空気層4を設けてもよく、逆に前面空気層4を設けて背面空気層4を設けないようにしてもよく、本発明の範囲において、任意の形態が採用される。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、取付金具は前面が開口されたボックス構造となされているので、斜め方向から入射してくる騒音が、取付金具に到達すると、一部はその取付金具の前面壁部によって反射されるものの、大半は開口よりボックス内に入射され、そのボックス内で乱反射を繰り返して減衰されること等から、斜入射吸音率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る取付金具を用いて防音パネルを構造物の壁面に取付けた実施の一形態を示す断面図である。
【図2】図1の取付金具を示す斜視図である。
【図3】従来の防音パネルの取付構造を示す断面図である。
【符号の説明】
A 防音パネル
1 前面部
11 開口部
2 背面部
3 吸音材
4 背面空気層
5 前面空気層
51 スペーサー
52 側面部
6 張出部
7 構造体
71 壁面
72 アンカーボルト
8 取付金具
81 固定部
82 底部
83 側壁部
84 前面壁部
85 開口
86 クッション材
87 取付孔
88 取付部
9 落下防止ワイヤー
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として、車両等の走行に伴う騒音を遮音、吸音するために、防音パネルを構造物の壁面に取付けるための取付金具及びその取付金具を用いた防音パネルの取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両などの走行に伴う騒音を低減させるために、高架橋や橋梁、掘割道路、トンネル等の構造物の桁裏面や、天井、側壁等、構造物の壁面に防音パネルが取付けられる。従来、かかる防音パネルの取付構造は、例えば図3に示される如く、中央部に沿って固定部aを背面側に突出させた平板状の取付金具bを使用したものであり、この取付金具bを、構造物cの壁面dの固定したアンカーボルトeに固定部aを締着することによって、壁面dに固定すると共に、左右の平板部fで隣接する防音パネルgの相対向するそれぞれの端部を支持するようになされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、防音パネルgによって低減すべき車両からの騒音は防音パネルgに垂直方向から入射してくるものだけでなく、大半は斜め方向から入射してくるものであるところ、従来の前記の如き取付金具bを使用した取付構造にあっては、特に斜め方向から入射してくる騒音が、前記取付金具bに到達すると、取付金具bが平板状であるために、その取付金具bや防音パネルgの端面で反射し、それらの反射が、斜入射する騒音に対する吸音率、すなわち斜入射吸音率を低下させる要因になっていた。
【0004】
そこで本発明は上記の如き問題を解決し、斜入射吸音率を向上させた防音パネルを構造物の壁面に取付けるための取付金具及びその取付金具を用いた防音パネルの取付構造を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、次のような構成としている。
すなわち、本発明に係る防音パネルを構造物の壁面に取付けるための取付金具は、固定部を形成した底部の左右両側より側壁部が前面方向に突出され、さらにその左右の側壁部の上部より前面壁部が相対向してそれぞれ内方に突出されて、前面が開口されたボックス構造となされ、固定部によって構造物の壁面に取付けられると共に、底部の左右両側で防音パネルの端部を支持させるようになされたことを特徴とするものであり、
又本発明に係る防音パネルの取付構造は、前記発明に係る防音パネルを構造物の壁面に取付けるための取付金具によって、防音パネルが構造物の壁面に取付けられたことを特徴とするものである。
【0006】
本発明によれば、取付金具は前面が開口されたボックス構造となされているので、斜め方向から入射してくる騒音が、取付金具に到達すると、一部はその取付金具の前面壁部によって反射されるものの、大半は開口よりボックス内に入射され、そのボックス内で乱反射を繰り返して減衰されること等から、斜入射吸音率が向上する。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照し、具体的に説明する。
先ず、図1は本発明に係る取付金具を用いて防音パネルを構造物の壁面に取付けた実施の一形態を示す断面図、図2は取付金具の実施の一形態を示す斜視図である。
【0008】
図1で示された形態の防音パネルAは、ほぼ全面に多数の開口部11が形成された前面部1と、遮音性を有する背面部2とによって形成された中空内に、吸音材3が内装され、そして吸音材3と背面部2との間に背面空気層4が形成されると共に、前面部1と吸音材3との間に前面空気層5が形成されたものであって、前面部1の開口部11より中空内に入射した騒音が吸音材3により吸音されると共に、背面部2により遮音され、且つ背面空気層4内の乱反射等により低周波域の騒音が効果的に減衰され、さらに前面部1と吸音材3との間の前面空気層5内で乱反射を繰り返し、それが吸音材3により吸音されると共に互いに干渉する等して減衰され、それらの相乗効果によって斜入射吸音率が高められているものである。さらにこの形態での防音パネルAの両端部には、その奥位置には中空状の張出部6が外方に向けて張り出されている。
【0009】
前記防音パネルAの前面部1は、一般にはアルミニウム合金板、鉄板、ステンレス板から形成され、適宜それらの表面に耐食性を向上させるための塗装等が施されるが、特に限定されるものではない。又開口部11は、庇部を設けたスリット孔であってもよく、特に限定されるものではないが、パンチング孔にすれば、スリット孔に比べて前面部1の表面がほぼ平坦となるので、清掃や洗浄が容易となる。なお、開口部11を形成した前面部1の開口率は、好ましくは15〜50%とされるが、特に限定されるものではない。
【0010】
吸音材3は、一般にはグラスウール等の繊維状のものが適宜用いられるが特に限定されるものではない。この吸音材3は、耐候性を高め、さらに雨水から保護するために、保護材で包んでおくのが好ましい。保護材としては、一般には防水性や耐久性に優れたポリフッ化ビニールフイルムや四フッ化フロロエチレンフイルム等が用いられるが、これも限定するものではなく、ガラスクロス等であってもよく、さらに前記例示のフイルム等を内部保護材としてこの内部保護材でまず包み、さらにガラスクロス等の外部保護材で覆うようにしてもよい。なお、吸音材3の厚さは、好ましくは50〜100mmとされるが、特に限定されるものではない。
【0011】
背面部2は、騒音が背面部2から外部に透過しないように、要求する透過損失を満足できるような厚みの前記前面部1で例示したような金属板からなる板材等を使用して背面部2を形成し、前面部1と背面部2とによって中空のパネル体を形成し、その背面部2と吸音材3との間に背面空気層4を形成してもよいが、本発明においては、例えば高架橋や橋梁、掘割道路、トンネル等の構造物の桁裏面や、天井、側壁等、すなわち構造物7の壁面71に取付けられるので、背面部2は特に他の板材等によって形成せず、その取付けられる構造物7の壁面71を背面部2としてもよい。なお、背面空気層4の奥行き寸法は、好ましくは5〜50mmとされるが、特に限定されるものではない。
【0012】
また、前面部1と吸音材3との間に、前面空気層5を形成するために、側面部52が凹溝状となされた、例えば断面が略逆Z字状となされたスペーサー51が、前面部1と吸音材3との間に介在されている。なお、スペーサー51の側面部52を凹溝状としたのは、斜入射してこのスペーサー51の側面部52に到達した騒音が、凹溝状側面部52の相対向する内壁間で反射させ、減衰させるためである。前記スペーサー51によって確保される前面空気層5の奥行き寸法は、好ましくは5〜50mmとされるが、特に限定されるものではない。
【0013】
8は前記防音パネルAを構造物7の壁面71に取付けるための取付金具であって、取付金具8は、ほぼ中央に沿って固定部81が背面側に突出された底部82の左右両側より側壁部83が前面方向に突出され、さらにその左右の側壁部83の上部より前面壁部84が相対向してそれぞれ内方に突出されて、前面が開口85されたボックス構造となされており、そして構造物7の壁面71に固定されたアンカーボルト72に前記固定部81を螺着することにより、取付金具8は壁面71に固定され、そしてこの固定された取付金具8の底部82の左右両側で、隣接する防音パネルAの端部に張り出された各張出部6を支持させることにより、防音パネルAは構造物7の壁面71に取付けられる。なお、86はクッション材である。
【0014】
さらに取付金具8には、落下防止ワイヤー9を挿通して取付けるための取付孔87が穿設された取付部88が、取付金具8の下部より背面方向に突出され、この取付孔87に挿通して取付金具8に係止した落下防止ワイヤー9を、防音パネルAの前記中空状の張出部6に挿通することにより、防音パネルAの落下防止が図られていると共に、取付部88が防音パネルAの張出部6を受けるようになされている。
【0015】
なお、かようにして取付金具8により構造物7の壁面71に取付けられる防音パネルAに対して、取付金具8の前面壁部84が防音パネルAの前面部1とほぼ面一となるように、取付金具8の側壁部83の高さを設定しておくのが好ましく、不必要な段差を生じるとその段差部で騒音が反射する。又左右の側壁部83間の寸法を隣接する防音パネルAの間隔より僅か小さい寸法とし、側壁部83と防音パネルAの端部との間の隙間をできるだけ小さくするのが好ましく、隙間が大きいと騒音が防音パネルAの端部と側壁部83との間に入り込んで、防音パネルAの端部や側壁部83で反射する。
【0016】
次に本発明による前記形態の取付金具8を使用した防音パネルAの取付構造と、図3に示された従来の取付金具bを使用した防音パネルgの取付構造について、それぞれ平均斜入射吸音率を測定したところ、従来の取付構造についての平均斜入射吸音率の平均値は0.822であったが、本発明の取付構造についての平均斜入射吸音率の平均値は0.879であり、本発明による取付金具8を使用すれば、平均斜入射吸音率が改善されることが確かめられた。
【0017】
平均斜入射吸音率とは、騒音の入射角度を0度(垂直入射)、15度、30度、45度の4種類とし、その角度毎に測定して得られる吸音率を算術平均した値であり、1/3オクターブ中心周波数Hz毎にその値を測定したものであり、平均斜入射吸音率の平均値はそれらの値を加重平均したものである。
【0018】
なお、本発明においては、防音パネルA及び取付金具8の形態は、前記例示した形態に限定されるものではなく、例えば、前面空気層4及び背面空気層4は、設けなくてもよく、又前面空気層4を設けずに背面空気層4を設けてもよく、逆に前面空気層4を設けて背面空気層4を設けないようにしてもよく、本発明の範囲において、任意の形態が採用される。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、取付金具は前面が開口されたボックス構造となされているので、斜め方向から入射してくる騒音が、取付金具に到達すると、一部はその取付金具の前面壁部によって反射されるものの、大半は開口よりボックス内に入射され、そのボックス内で乱反射を繰り返して減衰されること等から、斜入射吸音率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る取付金具を用いて防音パネルを構造物の壁面に取付けた実施の一形態を示す断面図である。
【図2】図1の取付金具を示す斜視図である。
【図3】従来の防音パネルの取付構造を示す断面図である。
【符号の説明】
A 防音パネル
1 前面部
11 開口部
2 背面部
3 吸音材
4 背面空気層
5 前面空気層
51 スペーサー
52 側面部
6 張出部
7 構造体
71 壁面
72 アンカーボルト
8 取付金具
81 固定部
82 底部
83 側壁部
84 前面壁部
85 開口
86 クッション材
87 取付孔
88 取付部
9 落下防止ワイヤー
Claims (3)
- 固定部を形成した底部の左右両側より側壁部が前面方向に突出され、さらにその左右の側壁部の上部より前面壁部が相対向してそれぞれ内方に突出されて、前面が開口されたボックス構造となされ、固定部によって構造物の壁面に取付けられると共に、底部の左右両側で防音パネルの端部を支持させるようになされたことを特徴とする防音パネルを構造物の壁面に取付けるための取付金具。
- 防音パネルを係止する落下防止ワイヤーを取付けるための取付部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の防音パネルを構造物の壁面に取付けるための取付金具。
- 請求項1又は2記載の防音パネルを構造物の壁面に取付けるための取付金具によって、防音パネルが構造物の壁面に取付けられたことを特徴とする防音パネルの取付構造。
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KR101750250B1 (ko) * | 2017-02-01 | 2017-06-29 | 주식회사 우영산업 | 터널 방음벽 |
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