JP3769947B2 - Olefin polymerization catalyst, and method for producing catalyst and olefin polymer - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多孔質担体に遷移金属化合物ならびに有機ホウ素化合物および/または有機アルミニウムオキシ化合物が担持されたオレフィン重合用触媒、この触媒の製造方法、ならびに前記触媒を用いるオレフィン重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
オレフィン重合体は、従来から幅広い用途に用いられている。近年、これまで用いられてきたオレフィン重合用の不均一系触媒である固体状チタン触媒などに代わり、有機溶媒に可溶な均一系触媒、例えばメタロセン系触媒などの均一系錯体触媒が用いられるようになり、このため均一系触媒から得られる特有のオレフィン重合体、例えば分子量分布が狭いなど生成ポリマーの構造が均一なオレフィン重合体が合成されるようになった。
このような均一系触媒を現在工業的に行われているスラリー法、気相法などに適用するためには、これらの触媒をシリカなどの多孔性担体に担持するなどして固体化することが望ましい。
【0003】
メタロセン系触媒をはじめとする均一系錯体触媒は、多くの場合メタロセンとともに、共触媒としてアルモキサン類や、フッ素化された芳香環を有するボランまたはボレートなどのホウ素化合物等が用いられる。これらの触媒成分のうち、アルモキサン類は比較的容易にシリカなどの担体の表面に化学的に結合して担持され得るためよく用いられている。
しかしながら、固体上に担持されたアルモキサン類を用いてメタロセンなどの錯体触媒を活性化すると、担持しない均一系の場合に比較して活性などの触媒性能が低下し、また生成ポリマーの分子量や立体規則性も多くの場合低下する。
【0004】
一方、メタロセンなどの錯体触媒、あるいは共触媒のボランやボレート類を担持する試みも行われているが、これらは担体と化学的に結合する官能基を持たないので重合条件下では重合媒体中に溶出し、このため生成ポリマーの粒子性状の著しい悪化や重合器壁面等への不定形ポリマーの付着などを引き起こしてしまう。
またメタロセンなどの錯体触媒、あるいは共触媒のボランやボレート類に官能基を導入し、これらの成分を共有結合により担持する試みも行われているが、これらの触媒は汎用の触媒成分に比べてコスト高になり、また重合に本来関係ない官能基が導入されるため触媒性能が低下する場合がある。
【0005】
このため、担持触媒であっても均一系触媒の性能を損なわず、嵩密度が高く、しかも粒子性状の良いオレフィン重合体を得ることができる高活性のオレフィン重合用触媒の出現が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、担持触媒であっても均一系触媒の性能を損なうことなく、嵩密度が高く、粒度分布の狭い粒状のオレフィン重合体を効率よく製造することができる高活性のオレフィン重合用触媒を提供することである。
本発明の別の課題は、上記オレフィン重合用触媒を効率よく低コストで製造することができるオレフィン重合用触媒の製造方法を提案することである。
本発明の他の課題は、上記オレフィン重合用触媒を用いて、嵩密度が高く、しかも粒度分布の狭い粒状のオレフィン重合体を効率よく製造することができるオレフィン重合体の製造方法を提案することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は次のオレフィン重合用触媒、このオレフィン重合用触媒の製造方法およびオレフィン重合体の製造方法である。
(1) 多孔質担体(a)に、遷移金属化合物(b)、ならびに有機ホウ素化合物(c)および/または有機アルミニウムオキシ化合物(d)が担持された固体触媒成分の存在下に、遷移金属化合物(b)が実質的に溶解しない媒体中で、重合性二重結合を有するモノマー(e)を前重合してなり、前記実質的に遷移金属化合物(b)が溶解しない媒体が、フッ素含有有機化合物(f)であるオレフィン重合用触媒。
(2) 多孔質担体(a)が、細孔内にポリマーが充填されてなる担体である上記(1)記載のオレフィン重合用触媒。
(3) 遷移金属化合物(b)が、周期表第4族の遷移金属を含む化合物である上記(1)または(2)記載のオレフィン重合用触媒。
(4) 重合性二重結合を有するモノマー(e)が、α−オレフィン、極性基含有化合物、ビニル系化合物およびポリエン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒。
(5) 多孔質担体(a)に、遷移金属化合物(b)、ならびに有機ホウ素化合物(c)および/または有機アルミニウムオキシ化合物(d)が担持された固体触媒成分の存在下に、遷移金属化合物(b)が実質的に溶解しない媒体中で、重合性二重結合を有するモノマー(e)を前重合する方法であって、前記実質的に触媒成分が溶解しない媒体が、フッ素含有有機化合物(f)であることを特徴とするオレフィン重合用触媒の製造方法。
(6) 上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒の存在下に、オレフィンを重合することを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
【0008】
《多孔質担体(a)》
本発明で用いられる多孔質担体(以下、単に担体という場合がある)(a)としては、従来から触媒の担体として使用されている固体状の担体であって、多孔質の担体が制限なく使用できる。多孔質担体(a)としては、多孔質の無機化合物からなる担体が好ましく、特に多孔質の無機酸化物からなる担体が好ましい。多孔質担体(a)の具体的なものとしてはSiO2、Al2O3、MgO、ZrO、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、BaOおよびThO2などの無機酸化物、ならびにこれらを含む混合物、例えばSiO2−MgO、SiO2−Al2O3、SiO2−TiO2、SiO2−V2O5、SiO2−Cr2O3およびSiO2−TiO2−MgOなどがあげられる。これらの無機酸化物は、少量のNa2CO3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4、Al2(SO4)3、BaSO4、KNO3、Mg(NO3)2、Al(NO3)3、Na2O、K2OおよびLi2Oなどの炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩または酸化物成分を含有していても差しつかえない。上記多孔質担体(a)の中ではSiO2(シリカ)、Al2O3(アルミナ)およびTiO2(チタニア)からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機酸化物を主成分とする担体が好ましく、特にシリカが好ましい。
【0009】
多孔質担体(a)の粒径および形状は特に限定されないが、粒径が10〜300μm、好ましくは20〜200μmの顆粒状ないし微粒子状の担体が好ましい。
多孔質担体(a)は種類および製法によりその性状は異なるが、本発明で好ましく用いられる多孔質担体(a)は、比表面積が50〜1000m2/g、好ましくは100〜700m2/gの範囲にあり、細孔容積が0.3〜2.5ml/gの範囲にあるものが望ましい。また嵩密度は0.1〜0.6g/ml、好ましくは0.2〜0.5g/mlの範囲にあるものが望ましい。多孔質担体(a)は、必要に応じて100〜1000℃、好ましくは150〜700℃で焼成して用いられる。
【0010】
本発明で使用する多孔質担体(a)としては、細孔内にポリマーが充填されている担体を使用することもできる。細孔内にポリマーが充填されている担体を使用した場合、触媒成分が強固に担持されるので、粒度や粒径などのモルフォロジーにより優れたオレフィン重合体を得ることができ、また活性のより優れたオレフィン重合用触媒を得ることができる。
【0011】
細孔内に充填されるポリマー(以下、充填ポリマーという場合がある)は遷移金属化合物(b)、有機ホウ素化合物(c)および有機アルミニウムオキシ化合物(d)と親和性を有するポリマーが好ましい。このような充填ポリマーの具体的なものとしては、芳香環および/または極性基を含有するモノマーを重合させて得られる芳香環および/または極性基を含有するポリマーなどがあげられる。細孔内に充填される充填ポリマーの体積は多孔質担体(a)の細孔容積と同程度以下であることが好ましい。
【0012】
前記芳香環を含有する充填ポリマーとしては、主鎖に芳香環を有するポリマーでも、主鎖以外の部分に芳香環を有するポリマーでも使用することができるが、主鎖以外の部分に芳香環を有するポリマーが好ましく、その中でも特に主鎖に対してペンダント状に芳香環を有するポリマーが、担体への担持が容易であるので好ましい。主鎖に対してペンダント状に芳香環を有するポリマーとしては、核置換スチレン、α−位置が置換されたスチレン誘導体などを含むモノマーを重合または共重合して得られるポリマーなどがあげられる。
【0013】
上記核置換スチレンとしては、例えばハロゲン、ビニル基、アルコキシ基、アルキル基、シリル基、シロキシ基、トリフルオロメチル基などのハロゲン化アルキル基、フェニル基、インデニル基などのアリール基でベンゼン核が置換された核置換スチレン等があげられる。α−位置換スチレン誘導体としては、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン等があげられる。
【0014】
主鎖以外の部分に芳香環を有する充填ポリマーの具体的なものとしては、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、スチレン・α−メチルスチレン共重合体などのスチレン系ポリマー等があげられる。主鎖に芳香環を有する充填ポリマーの具体的なものとしては、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等があげられる。
【0015】
前記極性基を含有する充填ポリマーとしては、極性基含有モノマーを重合して得られるポリマーなどがあげられる。極性基含有モノマーとしては、アクリロニトリル、メタクリル酸エステル類、アクリル酸エステル類、エチレンオキシド、プロピレンオキシドなどのエポキシド類等があげられる。その他にも極性基含有モノマーとしては、H2C=CH−OX、H2C=CH−OCH2CH2O−X(ただし、Xはアルキル、シリル、シロキシ、トリフルオロメチル、2−クロロエチルなどのハロゲン化アルキル、フェニル、置換フェニル基などの芳香環含有基、エーテル、チオール、エステル等である)で表されるビニルエーテル誘導体等があげられる。
極性基を含有する充填ポリマーの具体的なものとしては、ポリアクリロニトリル;ポリメタクリル酸メチル、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体などの(メタ)アクリル酸系ポリマー;前記ビニルエーテル誘導体をモノマーとするエーテル系ポリマー等があげられる。
【0016】
芳香環および極性基を含有する充填ポリマーの具体的なものとしては、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、スチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン・N−フェニルマレイミド共重合体、スチレン・α−メチルスチレン・アクリロニトリル三元共重合体、スチレン・アクリロニトリル・メタクリル酸メチル三元共重合体、スチレン・無水マレイン酸・アクリロニトリル三元共重合体、スチレン・N−マレイミド共重合体などのスチレン系ポリマー等があげられる。
充填ポリマーとしては、ポリスチレン、スチレン系ポリマー、(メタ)アクリル酸系ポリマーおよびエーテル系ポリマーが好適に用いられる。
【0017】
多孔質担体(a)の細孔内に充填ポリマーが担持された担体を調製する方法としては、例えば多孔質担体(a)の細孔部に、芳香環および/または極性基を含有するモノマーを含浸させた後、このモノマーを重合させる方法があげられる。より具体的には、次の方法が例示される。まず、多孔質担体(a)と不活性媒体とを混合してスラリーとする。別の容器に芳香環および/または極性基を含有するモノマー、ならびに重合開始剤等を加え、モノマー溶液を調製する。このモノマー溶液を前記スラリーに加えた後、得られた混合液を加熱して不活性媒体を除去し、多孔質担体(a)の細孔部にモノマーが含浸された固体成分を得る。次に、この多孔質担体(a)細孔部のモノマーを重合させることにより、多孔質担体(a)の細孔部に、芳香環および/または極性基を含有するポリマーが担持(充填)された多孔質担体(a)が得られる。
【0018】
上記の方法において、芳香環および/または極性基を含有するモノマーを重合させる方法は特に制限されず、例えばアゾイソブチルニトリル(AIBN)等の重合開始剤を用いたラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、配位重合等があげられる。また、重合に際して必要に応じてジビニルベンゼン等の架橋性モノマーを併用することもできる。
【0019】
多孔質担体(a)をスラリー化する前記不活性媒体としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素;これらの混合物等があげられる。
【0020】
本発明で用いられる多孔質担体(a)としては、後述するような有機金属化合物(g)、例えばトリイソブチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物と接触させて処理することにより、多孔質担体(a)の表面の極性基の量を調節して用いることもできるが、処理しなくてもよい。
【0021】
《遷移金属化合物(b)》
本発明で用いられる遷移金属化合物(b)は、周期表第3族〜第12族(IUPAC無機化学命名法改訂版(1989)による族番号1〜18で表示される族番号)、好ましくは第3族〜第10族、さらに好ましくは第4族の遷移金属原子を含む化合物である。
【0022】
本発明で用いられる遷移金属化合物(b)としては、下記式(1)で表される遷移金属化合物が好ましい。
M1L1x …(1)
(式(1)中、M1は遷移金属原子、xは遷移金属原子M1の原子価、L1は遷移金属原子に配位する配位子を示す。)
【0023】
前記式(1)中、M1で示される遷移金属原子の具体的なものとしては、ジルコニウム、チタンまたはハフニウムなどの周期表第4族の遷移金属原子等があげられる。これらの中ではジルコニウムが好ましい。
前記式(1)中、xは遷移金属原子M1の原子価であり、遷移金属原子M1に配位する配位子L1の個数を示す。
【0024】
前記式(1)中、L1は遷移金属原子M1に配位する配位子を示し、少なくとも1個のL1はシクロペンタジエニル骨格を有する配位子であり、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外のL1は、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、ハロゲン原子または水素原子である。
【0025】
L1の内シクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては、例えばシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、メチルエチルシクロペンタジエニル基、プロピルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、ブチルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニル基、ヘキシルシクロペンタジエニル基などのアルキル置換シクロペンタジエニル基、あるいはインデニル基、4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などを例示することができる。これらの基は、炭素数1〜20の(ハロゲン化)炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、ハロゲン原子などで置換されていてもよい。
【0026】
前記式(1)で表される遷移金属化合物(b)がシクロペンタジエニル骨格を有する配位子L1を2個以上含む場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子同士がアルキレン基、置換アルキレン基、シリレン基または置換シリレン基などの2価の結合基を介して結合されていてもよい。このようなシクロペンタジエニル骨格を有する2個の配位子が2価の結合基を介して結合されている遷移金属化合物(b)としては、後述の式(3)で表される遷移金属化合物(b)があげられる。
【0027】
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子L1としては、具体的に下記のものがあげられる。
配位子L1としての炭素数1〜20の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基、アリール基などがあげられ、より具体的には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシルなどのアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチルなどのシクロアルキル基;ビニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどのアルケニル基;ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピルなどのアリールアルキル基;フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニリル、ナフチル、メチルナフチル、アントリル、フェナントリルなどのアリール基等があげられる。
【0028】
配位子L1としての炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基としては、前記炭素数1〜20の炭化水素基にハロゲンが置換した基等があげられる。
配位子L1としての酸素含有基としてはヒドロキシ基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどのアルコキシ基;フェノキシ、メチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシなどのアリーロキシ基;フェニルメトキシ、フェニルエトキシなどのアリールアルコキシ基等があげられる。
【0029】
配位子L1としてのイオウ含有基としては前記酸素含有基の酸素がイオウに置換した置換基、ならびにメチルスルフォネート、トリフルオロメタンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジルスルフォネート、p−トルエンスルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼンスルフォネート、p−クロルベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスルフォネートなどのスルフォネート基;メチルスルフィネート、フェニルスルフィネート、ベンゼンスルフィネート、p−トルエンスルフィネート、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネートなどのスルフィネート基等があげられる。
【0030】
配位子L1としてのケイ素含有基としてはメチルシリル、フェニルシリルなどのモノ炭化水素置換シリル;ジメチルシリル、ジフェニルシリルなどのジ炭化水素置換シリル;トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリシクロヘキシルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、メチルジフェニルシリル、トリトリルシリル、トリナフチルシリルなどのトリ炭化水素置換シリル;トリメチルシリルエーテルなどの炭化水素置換シリルのシリルエーテル;トリメチルシリルメチルなどのケイ素置換アルキル基;トリメチルシリルフェニルなどのケイ素置換アリール基等があげられる。
配位子L1としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などがあげられる。
【0031】
前記式(1)で表される遷移金属化合物(b)において、遷移金属の原子価が4である場合、遷移金属化合物(b)はより具体的には下記式(2)で示される。
R1R2R3R4M1 …(2)
(式(2)中、M1は周期表第4族から選ばれる遷移金属原子を示し、好ましくはジルコニウム原子である。R1はシクロペンタジエニル骨格を有する配位子(基)、R2、R3およびR4は互いに同一でも異なっていてもよく、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子(基)、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、ハロゲン原子または水素原子を示す。)
【0032】
本発明では、前記式(2)で示される遷移金属化合物(b)において、R2、R3およびR4のうち少なくとも1個がシクロペンタジエニル骨格を有する配位子(基)であるメタロセン、例えばR1およびR2がシクロペンタジエニル骨格を有する配位子(基)であるメタロセンが特に好ましく用いられる。また、R1およびR2がシクロペンタジエニル骨格を有する配位子(基)である場合、R3およびR4はシクロペンタジエニル骨格を有する基、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、トリアルキルシリル基、スルフォネート基、ハロゲン原子または水素原子であることが好ましい。
【0033】
前記式(1)または(2)で表される遷移金属化合物(b)において、遷移金属原子M1がジルコニウムである遷移金属化合物の具体的なものを以下に例示する。
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムフェノキシモノクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(オクチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメトキシクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキシクロリド、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナト)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(p−トルエンスルホナト)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
【0034】
ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(メチルエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(メチルプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(メチルブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(エチルブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルベンジルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(エチルヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルシクロヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)エチルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)シクロヘキシルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)フェニルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ベンジルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムモノハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジフェニルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジベンジルジルコニウム、ビス(インデニル)ジルコニウムビス(p−トルエンスルホナト)、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキシクロリド、ビス(メチルエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(メタンスルフォネート)、ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなど。
【0035】
なお上記例示の遷移金属化合物において、シクロペンタジエニル環の二置換体は、1,2−および1,3−置換体を含み、三置換体は1,2,3−および1,2,4−置換体を含む。またプロピル、ブチルなどのアルキル基はn−、i−、sec−、tert−などの異性体を含む。
また上記のような遷移金属化合物において、ジルコニウムを、チタンまたはハフニウムに置き換えた化合物をあげることもできる。
【0036】
前記式(1)または(2)で表される遷移金属化合物(b)において、シクロペンタジエニル骨格を有する2個の配位子が2価の結合基を介して結合されているブリッジタイプの遷移金属化合物(b)化合物としては、例えば下記式(3)で表される化合物があげられる。
【化1】
【0037】
式(3)中、M1は周期表第4族の遷移金属原子を示し、具体的にはジルコニウム、チタニウムまたはハフニウムであり、好ましくはジルコニウムである。
R1、R2、R3およびR4は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、リン含有基、水素原子またはハロゲン原子を示す。R1、R2、R3およびR4で示される基のうち、互いに隣接する基の一部が結合してそれらの基が結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。環が形成されることにより、縮合環が形成される。なお、R1、R2、R3およびR4が各々2ヶ所に表示されているが、それぞれ例えばR1とR1などは、同一の基でもよくまた相異なる基でもよい。Rで示される基のうち同一のサフィックスのものは、それらを継いで、環を形成する場合の好ましい組み合せを示している。
【0038】
前記式(3)においてR1〜R4で示される炭素数1〜20の炭化水素基の具体的なものとしては、前記式(1)におけるL1と同じアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基、アリール基などがあげられる。
R1〜R4で示される炭化水素基が結合して形成される環としてはベンゼン環;ナフタレン環、アセナフテン環、インデン環などの縮合環等があげられる。これら環はメチル、エチル、プロピル、ブチルなどのアルキル基等で置換されていてもよい。
【0039】
前記式(3)においてR1〜R4で示される炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基としては、前記炭素数1〜20の炭化水素基にハロゲンが置換した基等があげられる。
前記式(3)においてR1〜R4で示されるケイ素含有基の具体的なものとしては、前記式(1)におけるL1と同じモノ炭化水素置換シリル、ジ炭化水素置換シリル、トリ炭化水素置換シリル、炭化水素置換シリルのシリルエーテル、ケイ素置換アルキル基、ケイ素置換アリール基などがあげられる。
【0040】
前記式(3)においてR1〜R4で示される酸素含有基の具体的なものとしては、前記式(1)におけるL1と同じヒドロキシ基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アリールアルコキシ基などがあげられる。
前記式(3)においてR1〜R4で示されるイオウ含有基としては前記酸素含有基の酸素がイオウに置換した置換基などがあげられる。
【0041】
前記式(3)においてR1〜R4で示される窒素含有基としてはアミノ基;メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノなどのアルキルアミノ基;フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メチルフェニルアミノなどのアリールアミノ基またはアルキルアリールアミノ基等があげられる。
【0042】
前記式(3)においてR1〜R4で示されるリン含有基としてはジメチルフォスフィノ、ジフェニルフォスフィノなどのフォスフィノ基等があげられる。
前記式(3)においてR1〜R4で示されるハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などがあげられる。
【0043】
前記式(3)においてR1〜R4で示される基の中では炭素数1〜20の炭化水素基であることが好ましく、特にメチル、エチル、プロピル、ブチルの炭素数1〜4の炭化水素基、炭化水素基が結合して形成されたベンゼン環、炭化水素基が結合して形成されたベンゼン環上の水素原子がメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチルなどのアルキル基で置換された基であることが好ましい。
【0044】
前記式(3)中、X1またはX2は互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、水素原子またはハロゲン原子を示す。
【0045】
前記式(3)においてX1またはX2で示される炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基およびハロゲン原子としては、前記R1〜R4と同じ基および原子をあげることができる。
【0046】
前記式(3)においてX1またはX2で示されるイオウ含有基としては、前記R1〜R4と同じ基、ならびにメチルスルフォネート、トリフルオロメタンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジルスルフォネート、p−トルエンスルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼンスルフォネート、p−クロルベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスルフォネートなどのスルフォネート基;メチルスルフィネート、フェニルスルフィネート、ベンゼンスルフィネート、p−トルエンスルフィネート、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネートなどのスルフィネート基等が例示できる。
【0047】
前記式(3)においてX1またはX2で示されるケイ素含有基としては、前記R1〜R4と同じケイ素置換アルキル基、ケイ素置換アリール基等があげられる。
前記式(3)においてX1またはX2で示される基の中では、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基またはスルフォネート基であることが好ましい。
【0048】
前記式(3)中、Y1は炭素数1〜20の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−Ge−、−Sn−、−NR5−、−P(R5)−、−P(O)(R5)−、−BR5−または−AlR5−〔ただし、R5は互いに同一でも異なっていてもよく、前記R1〜R4と同じ炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、水素原子またはハロゲン原子である〕を示す。
【0049】
前記式(3)においてY1で示される炭素数1〜20の2価の炭化水素基の具体的なものとしては、メチレン、ジメチルメチレン、1,2−エチレン、ジメチル−1,2−エチレン、1,3−トリメチレン、1,4−テトラメチレン、1,2−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキシレンなどのアルキレン基;ジフェニルメチレン、ジフェニル−1,2−エチレンなどのアリールアルキレン基等があげられる。
前記式(3)においてY1で示される炭素数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基としては、クロロメチレンなどの上記炭素数1〜20の2価の炭化水素基をハロゲン化した基等があげられる。
【0050】
前記式(3)においてY1で示される2価のケイ素含有基としては、シリレン、メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n−プロピル)シリレン、ジ(i−プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジ(p−トリル)シリレン、ジ(p−クロロフェニル)シリレンなどのアルキルシリレン基;アルキルアリールシリレン基;アリールシリレン基;テトラメチル−1,2−ジシリレン、テトラフェニル−1,2−ジシリレンなどのアルキルジシリレン基;アルキルアリールジシリレン基;アリールジシリレン基等があげられる。
前記式(3)においてY1で示される2価のゲルマニウム含有基としては、上記2価のケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した基等があげられる。
【0051】
前記式(3)においてY1で示される2価のスズ含有基としては、上記2価のケイ素含有基のケイ素をスズに置換した基等があげられる。
前記式(3)においてY1で示される基の中では、ジメチルシリレン、ジフェニルシリレンまたはメチルフェニルシリレンなどの置換シリレン基が特に好ましい。
【0052】
前記式(3)で表される遷移金属化合物(b)の具体的なものを以下に例示する。
エチレン−ビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレン−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン−ビス(インデニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、エチレン−ビス(インデニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナト)、エチレン−ビス(インデニル)ジルコニウムビス(p−トルエンスルホナト)、エチレン−ビス(インデニル)ジルコニウムビス(p−クロルベンゼンスルホナト)、エチレン−ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン−ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン−ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン−ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン−ビス(インデニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ジメチルシリレン−ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0053】
ジフェニルシリレン−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリレン−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2,4,7−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2−メチル−4−tert−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(3−tert−ブチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(4−メチルシクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(4−tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(4−tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(4−メチルシクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(4−tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(4−tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(3−tert−ブチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−tert−ブチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリドなど。
【0054】
また上記のような遷移金属化合物中のジルコニウムを、チタニウムまたはハフニウムに代えた化合物をあげることもできる。
【0055】
前記式(3)で表される遷移金属化合物(b)において、縮合環が形成された遷移金属化合物の具体的なものとして、下記式(4)で表される遷移金属化合物があげられる。
【化2】
【0056】
式(4)中、M1は周期表第4族の遷移金属原子を示し、具体的にはチタニウム、ジルコニウムまたはハフニウムであり、好ましくはジルコニウムである。
前記式(4)において、R1は互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜6の炭化水素基を示し、具体的にはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルなどのアルキル基;ビニル、プロペニルなどのアルケニル基等があげられる。これらの中ではインデニル基に結合した炭素原子が1級のアルキル基が好ましく、さらに炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、特にメチル基およびエチル基が好ましい。
【0057】
前記式(4)中、R2、R4、R5およびR6は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子またはR1と同じ炭素数1〜6の炭化水素基を示す。R3は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素数6〜16のアリール基を示し、具体的にはフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、アントリル、フェナントリル、ピレニル、アセナフチル、フェナレニル、アセアントリレニル、テトラヒドロナフチル、インダニルおよびビフェニリルなどがあげられる。これらの中ではフェニル、ナフチル、アントリルおよびフェナントリルが好ましい。
【0058】
前記式(4)においてR3で示されるアリール基は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子;
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマンチルなどのアルキル基;ビニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどのアルケニル基;ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピルなどのアリールアルキル基;フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、α−またはβ−ナフチル、メチルナフチル、アントリル、フェナントリル、ベンジルフェニル、ピレニル、アセナフチル、フェナレニル、アセアントリレニル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニリルなどのアリール基などの炭素数1〜20の炭化水素基;
トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリフェニルシリルなどの有機シリル基等で置換されていてもよい。
【0059】
前記式(4)中、X1およびX2は互いに同一でも異なっていてもよく、前記式(3)におけるX1およびX2と同じである。これらの中では、ハロゲン原子または炭素数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。
【0060】
前記式(4)中、Y1は前記式(3)におけるY1と同じである。式(4)のY1は、2価のケイ素含有基または2価のゲルマニウム含有基が好ましく、特に2価のケイ素含有基が好ましく、具体的にはアルキルシリレン、アルキルアリールシリレンまたはアリールシリレンが好ましい。
【0061】
以下に、前記式(4)で表される遷移金属化合物(b)の具体的なものを例示する。
rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−(α−ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−(β−ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−(1−アントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−(2−アントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−(9−アントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−(9−フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−(p−フルオロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−(ペンタフルオロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−(p−クロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−(m−クロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−(o−クロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−(o,p−ジクロロフェニル)フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−(p−ブロモフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−(p−トリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−(m−トリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−(o−トリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
【0062】
rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−(o,o’−ジメチルフェニル)−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−(p−エチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−(p−i−プロピルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−(p−ベンジルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−(p−ビフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−(m−ビフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−(p−トリメチルシリレンフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−(m−トリメチルシリレンフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−フェニル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジエチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジ−(i−プロピル)シリレン−ビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジ−(n−ブチル)シリレン−ビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジシクロヘキシルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−メチルフェニルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジフェニルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジ(p−トリル)シリレン−ビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジ(p−クロロフェニル)シリレン−ビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−メチレン−ビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−エチレン−ビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルゲルミレン−ビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルスタニレン−ビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジブロミド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジメチル、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムメチルクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムクロリドSO2Me、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムクロリドOSO2Me、
【0063】
rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(α−ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(β−ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(2−メチル−1−ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(5−アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(9−アントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(9−フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(o−メチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(m−メチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(p−メチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(2,3−ジメチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(2,4−ジメチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(2,5−ジメチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(2,4,6−トリメチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(o−クロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(m−クロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(p−クロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(2,3−ジクロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(2,6−ジクロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
【0064】
rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(3,5−ジクロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(2−ブロモフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(3−ブロモフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(4−ブロモフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(4−ビフェニリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−n−プロピル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−n−プロピル−4−(α−ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−n−プロピル−4−(β−ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−n−プロピル−4−(2−メチル−1−ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−n−プロピル−4−(5−アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−n−プロピル−4−(9−アントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−n−プロピル−4−(9−フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−i−プロピル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−i−プロピル−4−(α−ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−i−プロピル−4−(β−ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−i−プロピル−4−(8−メチル−9−ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−i−プロピル−4−(5−アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−i−プロピル−4−(9−アントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−i−プロピル−4−(9−フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
【0065】
rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−s−ブチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−s−ブチル−4−(α−ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−s−ブチル−4−(β−ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−s−ブチル−4−(2−メチル−1−ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−s−ブチル−4−(5−アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−s−ブチル−4−(9−アントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−s−ブチル−4−(9−フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−n−ペンチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−n−ペンチル−4−(α−ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−n−ブチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−n−ブチル−4−(α−ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−n−ブチル−4−(β−ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−n−ブチル−4−(2−メチル−1−ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−n−ブチル−4−(5−アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−n−ブチル−4−(9−アントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−n−ブチル−4−(9−フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
【0066】
rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−i−ブチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−i−ブチル−4−(α−ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−i−ブチル−4−(β−ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−i−ブチル−4−(2−メチル−1−ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−i−ブチル−4−(5−アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−i−ブチル−4−(9−アントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−i−ブチル−4−(9−フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−ネオペンチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−ネオペンチル−4−(α−ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−n−ヘキシル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−n−ヘキシル−4−(α−ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−メチルフェニルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−メチルフェニルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(α−ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−メチルフェニルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(9−アントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−メチルフェニルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(9−フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジフェニルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジフェニルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(α−ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジフェニルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(9−アントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジフェニルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(9−フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジフェニルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−(4−ビフェニリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−メチレン−ビス{1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−メチレン−ビス{1−(2−エチル−4−(α−ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−エチレン−ビス{1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−エチレン−ビス{1−(2−エチル−4−(α−ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−エチレン−ビス{1−(2−n−プロピル−4−(α−ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルゲルミル−ビス{1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルゲルミル−ビス{1−(2−エチル−4−(α−ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルゲルミル−ビス{1−(2−n−プロピル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリドなど。
【0067】
また上記のような遷移金属化合物中のジルコニウムをチタニウムまたはハフニウムに代えた化合物をあげることもできる。
本発明では、炭素数3以上のオレフィンを重合する場合には、前記式(4)で表される遷移金属化合物(b)のラセミ体が触媒成分として好ましく用いられる。
前記式(4)で表される遷移金属化合物(b)は、Journal of Organometallic Chem.288(1985)、第63〜67頁、ヨーロッパ特許出願公開第320,762号明細書および実施例に準じて製造することができる。
【0068】
前記式(3)で表される遷移金属化合物(b)において、縮合環が形成された遷移金属化合物の具体的なものとして、下記式(5)で表される遷移金属化合物をあげることもできる。
【化3】
【0069】
式(5)中、M1は周期表第4族の遷移金属原子を示し、具体的にはチタニウム、ジルコニウムまたはハフニウムであり、好ましくはジルコニウムである。
前記式(5)中、R1およびR2は互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、リン含有基、水素原子またはハロゲン原子を示す。これらの具体的なものとしては、前記式(3)のR1〜R4と同じ原子または基があげられる。
【0070】
前記式(5)中、R1は炭素数1〜20の炭化水素基であることが好ましく、特にメチル、エチル、プロピルの炭素数1〜3の炭化水素基であることが好ましい。
前記式(5)中、R2は水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基であることが好ましく、特に水素原子、あるいはメチル、エチル、プロピルの炭素数1〜3の炭化水素基であることが好ましい。
【0071】
前記式(5)中、R3およびR4は互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜20のアルキル基を示す。具体的なものとしては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマンチルなどがあげられる。これらの中では、R3は2級または3級アルキル基であることが好ましい。
【0072】
前記式(5)において、X1およびX2は互いに同一でも異なっていてもよく、前記式(3)におけるX1およびX2と同じである。
前記式(5)において、Y1は前記式(3)におけるY1と同じである。
【0073】
以下に、前記式(5)で表される遷移金属化合物(b)の具体的なものを例示する。
rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,7−ジメチル−4−エチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,7−ジメチル−4−n−プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,7−ジメチル−4−i−プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,7−ジメチル−4−n−ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,7−ジメチル−4−sec−ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,7−ジメチル−4−t−ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,7−ジメチル−4−n−ペンチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,7−ジメチル−4−n−ヘキシルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,7−ジメチル−4−シクロヘキシルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,7−ジメチル−4−メチルシクロヘキシルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,7−ジメチル−4−フェニルエチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,7−ジメチル−4−フェニルジクロロメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,7−ジメチル−4−クロロメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,7−ジメチル−4−トリメチルシリルメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,7−ジメチル−4−トリメチルシロキシメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジエチルシリレン−ビス{1−(2,7−ジメチル−4−i−プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジ(i−プロピル)シリレン−ビス{1−(2,7−ジメチル−4−i−プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジ(n−ブチル)シリレン−ビス{1−(2,7−ジメチル−4−i−プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジ(シクロヘキシル)シリレン−ビス{1−(2,7−ジメチル−4−i−プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−メチルフェニルシリレン−ビス{1−(2,7−ジメチル−4−i−プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
【0074】
rac−メチルフェニルシリレン−ビス{1−(2,7−ジメチル−4−t−ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジフェニルシリレン−ビス{1−(2,7−ジメチル−4−t−ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジフェニルシリレン−ビス{1−(2,7−ジメチル−4−i−プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジフェニルシリレン−ビス{1−(2,7−ジメチル−4−エチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジ(p−トリル)シリレン−ビス{1−(2,7−ジメチル−4−i−プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジ(p−クロロフェニル)シリレン−ビス{1−(2,7−ジメチル−4−i−プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−i−プロピル−7−エチルインデニル)}ジルコニウムジブロミド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,3,7−トリメチル−4−エチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,3,7−トリメチル−4−n−プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,3,7−トリメチル−4−i−プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,3,7−トリメチル−4−n−ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,3,7−トリメチル−4−sec−ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,3,7−トリメチル−4−t−ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,3,7−トリメチル−4−n−ペンチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,3,7−トリメチル−4−n−ヘキシルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,3,7−トリメチル−4−シクロヘキシルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,3,7−トリメチル−4−メチルシクロヘキシルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,3,7−トリメチル−4−トリメチルシリルメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,3,7−トリメチル−4−トリメチルシロキシメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,3,7−トリメチル−4−フェニルエチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,3,7−トリメチル−4−フェニルジクロロメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
【0075】
rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2,3,7−トリメチル−4−クロロメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジエチルシリレン−ビス{1−(2,3,7−トリメチル−4−i−プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジ(i−プロピル)シリレン−ビス{1−(2,3,7−トリメチル−4−i−プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジ(n−ブチル)シリレン−ビス{1−(2,3,7−トリメチル−4−i−プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジ(シクロヘキシル)シリレン−ビス{1−(2,3,7−トリメチル−4−i−プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−メチルフェニルシリレン−ビス{1−(2,3,7−トリメチル−4−i−プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−メチルフェニルシリレン−ビス{1−(2,3,7−トリメチル−4−t−ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジフェニルシリレン−ビス{1−(2,3,7−トリメチル−4−t−ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジフェニルシリレン−ビス{1−(2,3,7−トリメチル−4−i−プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジフェニルシリレン−ビス{1−(2,3,7−トリメチル−4−エチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジ(p−トリル)シリレン−ビス{1−(2,3,7−トリメチル−4−i−プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジ(p−クロロフェニル)シリレン−ビス{1−(2,3,7−トリメチル−4−i−プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−i−プロピル−7−メチルインデニル)}ジルコニウムジメチル、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−i−プロピル−7−メチルインデニル)}ジルコニウムメチルクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−i−プロピル−7−メチルインデニル)}ジルコニウム−ビス(メタンスルホナト)、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−i−プロピル−7−メチルインデニル)}ジルコニウム−ビス(p−フェニルスルフィナト)、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−3−メチル−4−i−プロピル−7−メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4,6−ジ−i−プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−i−プロピル−7−メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−フェニル−4−i−プロピル−7−メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−エチレン−ビス{1−(2,4,7−トリメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac−イソプロピリデン−ビス{1−(2,4,7−トリメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリドなど。
【0076】
また上記のような遷移金属化合物中のジルコニウムをチタニウムまたはハフニウムに代えた化合物をあげることもできる。
これらの中では、4位にi−プロピル、sec−ブチル、tert−ブチル基などの分岐アルキル基を有するものが特に好ましい。
【0077】
本発明では、炭素数3以上のオレフィンを重合する場合には、前記式(5)で表される遷移金属化合物(b)のラセミ体が触媒成分として好ましく用いられる。
前記式(5)で表される遷移金属化合物(b)は、インデン誘導体から既知の方法、例えば特開平4−268307号公報に記載されている方法により合成することができる。
【0078】
また本発明では、遷移金属化合物(b)として下記式(6)で表される化合物を用いることもできる。
L1M1X1 2 …(6)
式(6)中、M1は周期表第4族の遷移金属原子を示す。
【0079】
前記式(6)中、L1は非局在化π結合基の誘導体であり、金属M1活性サイトに拘束幾何形状を付与しており、
前記式(6)中、X1は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、または20個以下の炭素原子、ケイ素原子もしくはゲルマニウム原子を含有する炭化水素基、シリル基もしくはゲルミル基である。
【0080】
前記式(6)で表される遷移金属化合物(b)の中では、下記式(7)で表される遷移金属化合物が好ましい。
【化4】
【0081】
式(7)中、M1は周期表第4族の遷移金属原子を示し、具体的にはジルコニウム、チタンまたはハフニウムであり、好ましくはジルコニウムである。
前記式(7)中、CpはM1にπ結合しており、かつ置換基Zを有する置換シクロペンタジエニル基またはその誘導体を示す。
【0082】
前記式(7)中、Zは酸素原子、イオウ原子、ホウ素原子または周期表第14族の原子を含む配位子を示す。具体的なものとしては、−Si(R1 2)−、−C(R1 2)−、−Si(R1 2)Si(R1 2)−、−C(R1 2)C(R1 2)−、−C(R1 2)C(R1 2)C(R1 2)−、−C(R1)=C(R1)−、−C(R1 2)Si(R1 2)−、−Ge(R1 2)−などがあげられる。
【0083】
前記式(7)中、Y1は窒素原子、リン原子、酸素原子またはイオウ原子を含む配位子を示す。具体的なものとしては、−N(R2)−、−O−、−S−、−P(R2)−などがあげられる。
前記式(7)中、ZとY1とで縮合環を形成してもよい。
【0084】
上記R1は水素原子または20個までの非水素原子をもつアルキル基、アリール基、シリル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基およびこれらの組み合せから選ばれた基であり、R2は炭素数1〜10のアルキル、炭素数6〜10のアリール基もしくは炭素数7〜10のアラルキル基であるか、または1個もしくはそれ以上のR1と30個までの非水素原子の縮合環系を形成してもよい。
前記式(7)中、X1は前記式(6)のX1と同じである。
【0085】
以下に、前記式(7)で表される遷移金属化合物(b)の具体的なものを例示する。
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロリド、(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルチタンジクロリド、(メチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロリド、(メチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルチタンジクロリド、(エチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−メチレンチタンジクロリド、(tert−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタンジクロリド、(tert−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロリド、(ベンジルアミド)ジメチル−(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタンジクロリド、(フェニルホスフィド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジルなど。
【0086】
本発明においては、遷移金属化合物(b)として、下記式(8)で表される遷移金属イミド化合物も好ましく使用できる。
【化5】
【0087】
式(8)中、Mは周期表第8〜10族遷移金属原子を示し、好ましくはニッケル、パラジウムまた白金である。
前記式(8)中、R1〜R4は互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜50の炭化水素基、炭素数1〜50のハロゲン化炭化水素基、炭化水素置換シリル基または窒素、酸素、リン、イオウおよびケイ素から選ばれる少なくとも1種の元素を含む置換基で置換された炭化水素基を示す。R1〜R4で表される基は、これらのうち2個以上、好ましくは隣接する基が互いに連結して環を形成していてもよい。
前記式(8)中、qは0〜4の整数を示す。
【0088】
前記式(8)において、Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒素含有基を示し、qが2以上の場合には、Xで示される複数の基は互いに同一であっても、異なってもよい。
【0089】
本発明においては、遷移金属化合物(b)として、下記式(9)で表される遷移金属アミド化合物も好ましく使用できる。
【化6】
【0090】
式(9)中、Mは周期表第3〜6族の遷移金属原子を示し、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムであることが好ましい。
前記式(9)中、R1およびR2は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜50の炭化水素基、炭素数1〜50のハロゲン化炭化水素基、炭化水素置換シリル基、または窒素、酸素、硫黄およびケイ素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する置換基を示す。
【0091】
前記式(9)中、mは0〜2の整数であり、nは1〜5の整数である。
前記式(9)中、Aは周期表第13〜16族の原子を示し、具体的にはホウ素、炭素、窒素、酸素、ケイ素、硫黄、ゲルマニウム、セレン、スズなどがあげられ、炭素またはケイ素であることが好ましい。nが2以上の場合には、複数のAは互いに同一でも異なっていてもよい。
【0092】
前記式(9)中、Eは炭素、水素、酸素、ハロゲン、窒素、硫黄、リン、ホウ酸およびケイ素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する置換基である。mが2の場合、2個のEは互いに同一でも異なっていてもよく、あるいは互いに連結して環を形成していてもよい。
【0093】
前記式(9)中、qは0〜4の整数である。
前記式(9)中、Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒素含有基を示す。なおqが2以上の場合には、Xで示される複数の基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。前記式(9)において、Xはハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基またはスルホネート基であることが好ましい。
【0094】
本発明においては、遷移金属化合物(b)は1種単独使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
【0095】
《有機ホウ素化合物(c)および/または有機アルミニウムオキシ化合物(d)》
本発明で用いる有機ホウ素化合物(c)および/または有機アルミニウムオキシ化合物(d)としては、以下に記載するのものが好ましい。特に、有機ホウ素化合物(c)を用いることが好ましい。有機ホウ素化合物(c)および有機アルミニウムオキシ化合物(d)は両方を使用することもできるし、どちらか一方のみを使用することもできる。
【0096】
本発明で用いられる有機ホウ素化合物(c)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、USP−5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などがあげられる。このような有機ホウ素化合物(c)は、前記遷移金属化合物(b)と反応してイオン対を形成する化合物である。
【0097】
有機ホウ素化合物(c)として用いるルイス酸としては、BR3(ここで、Rはフッ素、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素である)で示される化合物があげられる。ルイス酸の具体的なものとしては、トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス{3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル}ボロン、トリス{3,5−ジ(トリフルオロメチル)−2,4,6−トリフルオロフェニル}ボロン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス(o−トリル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ボロンなどがあげられる。
【0098】
有機ホウ素化合物(c)として用いるイオン性化合物としては、例えば下記式(10)で表される化合物があげられる。
【化7】
【0099】
式(10)中、R1としてはH+、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンなどがあげられる。
【0100】
前記式(10)中、R2〜R5は互いに同一でも異なっていてもよく、有機基、好ましくはアリール基または置換アリール基である。
前記式(10)中においてR1で示されるカルボニウムカチオンの具体的なものとしては、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオンなどがあげられる。
【0101】
前記式(10)中においてR1で示されるアンモニウムカチオンの具体的なものとしては、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン;N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン;ジ(イソプロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオン等があげられる。
【0102】
前記式(10)中においてR1で示されるホスホニウムカチオンの具体的なものとしては、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニウムカチオン等があげられる。
【0103】
前記式(10)中、R1としてはカルボニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどが好ましく、特にトリフェニルカルボニウムカチオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオンが好ましい。
【0104】
また、有機ホウ素化合物(c)として用いるイオン性化合物としては、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,N−ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム塩などがあげられる。
【0105】
イオン性化合物として用いるトリアルキル置換アンモニウム塩の具体的なものとしては、トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(p−トリル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(o−トリル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(o,p−ジメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(m,m−ジメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(p−トリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(o−トリル)ホウ素などがあげられる。
【0106】
イオン性化合物として用いるN,N−ジアルキルアニリニウム塩の具体的なものとしては、N,N−ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N−ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素などがあげられる。
イオン性化合物として用いるジアルキルアンモニウム塩の具体的なものとしては、ジ(1−プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などがあげられる。
【0107】
さらに、有機ホウ素化合物(c)として用いるイオン性化合物としては、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス{3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル}ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス{3,5−ジ(トリフルオロメチル)−2,4,6−トリフルオロフェニル}ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス{3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル}ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス{3,5−ジ(トリフルオロメチル)−2,4,6−トリフルオロフェニル}ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、N,N−ジエチルアニリニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、下記式(11)または式(12)で表されるホウ素化合物などもあげられる。
【0108】
【化8】
(式(11)中、Etは−CH2CH3である。)
【0109】
有機ホウ素化合物(c)として用いるボラン化合物の具体的なものとしては、デカボラン(14);
ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ウンデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカクロロデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカクロロドデカボレートなどのアニオンの塩;
トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ドデカハイドライドドデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオンの塩などがあげられる。
【0110】
有機ホウ素化合物(c)として用いるカルボラン化合物の具体的なものとしては、4−カルバノナボラン(14)、1,3−ジカルバノナボラン(13)、6,9−ジカルバデカボラン(14)、ドデカハイドライド−1−フェニル−1,3−ジカルバノナボラン、ドデカハイドライド−1−メチル−1,3−ジカルバノナボラン、ウンデカハイドライド−1,3−ジメチル−1,3−ジカルバノナボラン、7,8−ジカルバウンデカボラン(13)、2,7−ジカルバウンデカボラン(13)、ウンデカハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボラン、ドデカハイドライド−11−メチル−2,7−ジカルバウンデカボラン、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−トリメチルシリル−1−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムブロモ−1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム6−カルバデカボレート(14)、トリ(n−ブチル)アンモニウム6−カルバデカボレート(12)、トリ(n−ブチル)アンモニウム7−カルバウンデカボレート(13)、トリ(n−ブチル)アンモニウム7,8−ジカルバウンデカボレート(12)、トリ(n−ブチル)アンモニウム2,9−ジカルバウンデカボレート(12)、トリ(n−ブチル)アンモニウムドデカハイドライド−8−メチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−エチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−ブチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−アリル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−9−トリメチルシリル−7,8−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−4,6−ジブロモ−7−カルバウンデカボレートなどのアニオンの塩;
トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−1,3−ジカルバノナボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)銅酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)金酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(トリブロモオクタハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)マンガン酸塩(IV)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩等があげられる。
【0111】
有機ホウ素化合物(c)は、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
【0112】
本発明で用いる有機アルミニウムオキシ化合物(d)は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
【0113】
従来公知のアルミノキサンは、例えば下記のような方法によって製造することができ、通常炭化水素溶媒の溶液として得られる。
(1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する塩類、例えば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化合物とを反応させる方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、氷または水蒸気を作用させる方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0114】
上記の方法で得られるアルミノキサンは、少量の有機金属成分を含有してもよい。また回収されたアルミノキサンの溶液から溶媒または未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解またはアルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
【0115】
アルミノキサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物としては、後述の有機金属化合物(g)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同じ有機アルミニウム化合物があげられる。アルミノキサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物としては、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、特にトリメチルアルミニウムが好ましい。アルミノキサンを調製するに際し、有機アルミニウム化合物は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
【0116】
アルミノキサンの調製に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油などの石油留分または上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩素化物、臭素化物などの炭化水素溶媒があげられる。さらにエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を用いることもできる。これらの中では芳香族炭化水素または脂肪族炭化水素が好ましい。
【0117】
有機アルミニウムオキシ化合物(d)として用いるベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換算で通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下、特に好ましくは2重量%以下であり、ベンゼンに対して不溶性または難溶性である。
【0118】
本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物(d)として、下記式(13)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物をあげることもでる。
【化9】
【0119】
式(13)中、R1は炭素数1〜10の炭化水素基を示す。
前記式(13)中、R2は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜10の炭化水素基を示す。
【0120】
前記式(13)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物(d)は、下記式(14)
R1−B−(OH)2 …(14)
(式(14)中、R1は前記と同じ基を示す。)
で表されるアルキルボロン酸と、有機アルミニウム化合物とを、不活性ガス雰囲気下に不活性溶媒中で、−80℃〜室温の温度で1分〜24時間反応させることにより製造できる。
【0121】
前記式(14)で表されるアルキルボロン酸の具体的なものとしては、メチルボロン酸、エチルボロン酸、イソプロピルボロン酸、n−プロピルボロン酸、n−ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、n−ヘキシルボロン酸、シクロヘキシルボロン酸、フェニルボロン酸、3,5−ジフルオロボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸などがあげられる。これらの中では、メチルボロン酸、n−ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸が好ましい。これらは1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
【0122】
前記式(14)で表されるアルキルボロン酸と反応させる有機アルミニウム化合物の具体的なものとしては、後述の有機金属化合物(g)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同じ有機アルミニウム化合物があげられる。アルキルボロン酸と反応させる有機アルミニウム化合物としては、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、特にトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが好ましい。
【0123】
《有機金属化合物(g)》
本発明では、前重合を行うに際して、必要に応じて、有機金属化合物(g)を添加することができる。有機金属化合物(g)を添加することにより、安定した前重合活性を得ることができる。本発明で必要に応じて用いられる有機金属化合物(g)としては、具体的には下記のような周期表第1、2族および第12、13族の有機金属化合物などがあげられる。
【0124】
(g−1) 式:R1mAl(OR2)nHpXq
(式中、R1およびR2は互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)
で表される有機アルミニウム化合物。
【0125】
(g−2) 式:M1AlR1 4
(式中、M1はLi、NaまたはKを示し、R1は炭素数1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す。)
で表される1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物。
【0126】
(g−3) 式:R1R2M1
(式中、R1およびR2は互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、M1はMg、ZnまたはCdである。)
で表される2族または12族金属のジアルキル化合物。
【0127】
前記(g−1)に属する有機アルミニウム化合物としては、次のような化合物などを例示できる。
R1 mAl(OR2)3-m
(式中、R1およびR2は互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、mは好ましくは1.5≦m≦3の数である。)
で表される有機アルミニウム化合物。
R1 mAlX3-m
(式中、R1は炭素数1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは好ましくは0<m<3である。)
で表される有機アルミニウム化合物。
R1 mAlH3-m
(式中、R1は炭素数1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、mは好ましくは2≦m<3である。)
で表される有機アルミニウム化合物。
R1 mAl(OR2)nXq
(式中、R1およびR2は互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+q=3である。)
で表される有機アルミニウム化合物。
【0128】
前記(g−1)に属する有機アルミニウム化合物としてより具体的には、
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリn−アルキルアルミニウム;
トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec−ブチルアルミニウム、トリtert−ブチルアルミニウム、トリ2−メチルブチルアルミニウム、トリ3−メチルブチルアルミニウム、トリ2−メチルペンチルアルミニウム、トリ3−メチルペンチルアルミニウム、トリ4−メチルペンチルアルミニウム、トリ2−メチルヘキシルアルミニウム、トリ3−メチルヘキシルアルミニウム、トリ2−エチルヘキシルアルミニウムなどのトリ分岐鎖アルキルアルミニウム;
トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロアルキルアルミニウム;
トリフェニルアルミニウム、トリトリルアルミニウムなどのトリアリールアルミニウム;
ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド;
(i−C4H9)xAly(C5H10)z(式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xである。)などで表されるトリイソプレニルアルミニウムなどのトリアルケニルアルミニウム;
イソブチルアルミニウムメトキシド、イソブチルアルミニウムエトキシド、イソブチルアルミニウムイソプロポキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド;
ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;
エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;
R1 2.5Al(OR2)0.5などで表される平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウム(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)、エチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)、ジイソブチルアルミニウム(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)、イソブチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)などのジアルキルアルミニウムアリーロキシド;
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド;
エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド;
エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウムジヒドリドなどその他の部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;
エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウム等があげられる。
【0129】
また前記(g−1)に類似する化合物も使用することができ、例えば窒素原子を介して2以上のアルミニウム化合物が結合した有機アルミニウム化合物があげられる。このような化合物として具体的には、(C2H5)2AlN(C2H5)Al(C2H5)2などがあげられる。
【0130】
前記(g−2)に属する化合物としては、LiAl(C2H5)4、LiAl(C7H15)4などがあげられる。
またその他にも、有機金属化合物(g)としては、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、ブチルリチウム、メチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムクロリド、プロピルマグネシウムブロミド、プロピルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムクロリド、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウムなどが使用できる。
【0131】
さらに重合系内で上記有機アルミニウム化合物が形成されるような化合物、例えばハロゲン化アルミニウムとアルキルリチウムとの組み合せ、またはハロゲン化アルミニウムとアルキルマグネシウムとの組み合せなどを使用することもできる。
【0132】
有機金属化合物(g)として例示した化合物の中で、アルキルアルミニウムは前重合の反応系のスカベンジャーとして利用することもできる。
【0133】
《オレフィン重合用触媒》
本発明のオレフィン重合用触媒は、前記多孔質担体(a)に、遷移金属化合物(b)、ならびに有機ホウ素化合物(c)および/または有機アルミニウムオキシ化合物(d)が担持された固体触媒成分の存在下に、遷移金属化合物(b)が実質的に溶解しない媒体中で、重合可能な二重結合を有するモノマー(e)を前重合してなり、前記実質的に遷移金属化合物(b)が溶解しない媒体が、フッ素含有有機化合物(f)であるオレフィン重合用の固体状の触媒である。前重合は、担体(a)に(b)〜(d)の触媒成分が担持された固体触媒成分と、重合可能な二重結合を有するモノマー(e)とを、遷移金属化合物(b)が実質的に溶解しない媒体中で接触させることにより行うことができる。
【0134】
重合可能な二重結合を有するモノマー(e)としては、α−オレフィン、極性基含有化合物、ビニル系化合物およびポリエン化合物などがあげられる。これらの中では、α−オレフィンが好ましい。重合可能な二重結合を有するモノマー(e)は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。なお、前重合に使用するモノマー(e)は、本重合で使用するオレフィンと同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。
【0135】
重合可能な二重結合を有するモノマー(e)として用いるα−オレフィンの具体的なものとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20、好ましくは2〜8の鎖状α−オレフィン;シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2−メチル1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンなどの炭素数3〜20、好ましくは5〜12の環状オレフィンがあげられる。
【0136】
重合可能な二重結合を有するモノマー(e)として用いる極性基含有化合物の具体的なものとしては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ〔2.2.1〕−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸などのα,β−不飽和カルボン酸、およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などの金属塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチルなどのα,β−不飽和カルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステルなどの不飽和グリシジル等があげられる。
【0137】
重合可能な二重結合を有するモノマー(e)として用いるビニル系化合物の具体的なものとしては、スチレン、ビニルシクロヘキサンなどがあげられる。
重合可能な二重結合を有するモノマー(e)として用いるポリエン化合物としては非共役ジエンまたはポリエンなどがあげられ、具体的なものとしてはブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、5,9−ジメチル−1,4,8,−デカトリエン、ジビニルベンゼンなどがあげられる。
【0138】
本発明において、前重合の際に用いる媒体は、前記遷移金属化合物(b)が実質的に溶解しない媒体であり、フッ素含有有機化合物(f)が使用できる。ここで、「実質的に溶解しない」とは、次のように定義される。すなわち、まず前重合で使用する遷移金属化合物(b)を0.3mg−遷移金属/mlの濃度になるようにトルエンなどの有機溶媒に溶解する。この有機溶媒溶液(例えばトルエン溶液)と、前重合で使用する媒体とを1:1の体積比で混合し、前重合を行う温度と同じ温度で10分間撹拌する。次に、この混合液を前重合を行う温度と同じ温度を維持した状態で10分間静置する。その後、前重合で使用する媒体相または前重合で使用する媒体を主として含む相から一部をサンプルとして抜き取る。このサンプルについて、ICP(高周波誘導結合プラズマ)発光分光分析法で遷移金属濃度を測定する。その結果、遷移金属化合物(b)に由来する遷移金属濃度が0.001mg/ml以下である場合に、前記媒体は「実質的に溶解しない」と定義する。
【0139】
なお上記方法において「実質的に溶解しない」と判定される媒体の場合、この媒体と遷移金属化合物(b)を溶解した有機溶媒溶液との混合液は通常懸濁状態となり、均一溶液にはならない。
また簡易的には、上記のような操作を行って得られたサンプルに、目視により着色が見られないことで「実質的に溶解しない」と推定できる。
【0140】
本発明において前重合の際に用いる遷移金属化合物(b)が実質的に溶解しない媒体として使用するフッ素含有有機化合物(f)としては、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素または芳香族炭化水素の一部またはすべての水素がフッ素で置換されたフッ素含有有機化合物などがあげられる。
【0141】
脂肪族炭化水素の一部またはすべての水素がフッ素で置換されたフッ素含有有機化合物(f)の具体的のものとしては、ペルフルオロヘキサン、ペルフルオロへプタン、ペルフルオロオクタン、ペルフルオロノナンなど、炭素数2〜20の脂肪族系フッ素含有有機化合物等が好ましくあげられる。
脂環族炭化水素の一部またはすべての水素がフッ素で置換されたフッ素含有有機化合物(f)の具体的のものとしては、ペルフルオロメチルシクロヘキサン、ペルフルオロ−1,3−ジメチルシクロヘキサン、ペルフルオロデカリンなど、環を構成する炭素数が6〜14の脂環族系フッ素含有有機化合物等をあげることができる。
【0142】
芳香族炭化水素の一部またはすべての水素がフッ素で置換されたフッ素含有有機化合物(f)の具体的のものとしては、ペルフルオロトルエンなど、環を構成する炭素数が6〜14の芳香族系フッ素含有有機化合物等をあげることができる。
遷移金属化合物(b)が実質的に溶解しない媒体として前重合に用いるフッ素含有有機化合物(f)のとしては、ペルフルオロヘキサン、ペルフルオロメチルシクロヘキサン、ペルフルオロオクタンなどが好ましい。
【0143】
前重合で用いる各成分の量は、多孔質担体(a)1グラムに対して遷移金属化合物(b)は0.0001〜0.1ミリモル、好ましくは0.005〜0.05ミリモルとするのが望ましい。また有機ホウ素化合物(c)は、有機ホウ素化合物(c)中のホウ素と遷移金属化合物(b)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔ホウ素/M〕が、通常0.1〜100、好ましくは1〜5となる量で用いるのが望ましい。有機アルミニウムオキシ化合物(d)は、有機アルミニウムオキシ化合物(d)中のアルミニウム原子(Al)と、遷移金属化合物(b)中の遷移金属原子(M)とのモル比(Al/M)が、通常10〜1000、好ましくは30〜300となる量で用いるのが望ましい。
また有機金属化合物(g)を用いる場合は、この有機金属化合物(g)中の金属原子と、遷移金属化合物(b)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔金属原子/M〕が、通常10〜1000、好ましくは30〜300となる量で用いるのが望ましい。遷移金属化合物(b)が実質的に溶解しない媒体の使用量は、多孔質担体(a)1gに対して1〜1000ml、好ましくは2〜200mlとするのが望ましい。
【0144】
前重合は、重合温度が通常−20〜80℃、好ましくは0〜30℃、重合圧力が通常常圧〜100kgf/cm2(ゲージ圧)、好ましくは常圧〜50kgf/cm2(ゲージ圧)、スラリー濃度が0.01〜1g/ml、好ましくは0.05〜0.5g/mlの条件で行うのが望ましい。前重合は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。また前重合は、反応条件の異なる2段以上の多段重合で行うことも可能である。
【0145】
前重合時には、必要に応じて、遷移金属化合物(b)を溶解することができる少量の炭化水素溶媒、例えばヘキサン、トルエンなどの有機溶媒を使用することもできる。また前重合時には、必要に応じて、少量の有機金属化合物(g)、分散安定剤などを使用することもできる。分散安定剤としては、フッ素含有有機化合物(f)などの媒体と、前記触媒成分(a)、(b)、(c)および(d)からなる群から選ばれる少なくとも1種の触媒成分とのそれぞれに対する親和性基を有する界面活性剤等が使用できる。
【0146】
前重合で重合する重合量(以下、前重合量という場合がある)は、1gの多孔質担体(a)に対する生成ポリマーのグラム数の比で0.1〜100、好ましくは1〜10とするのが望ましい。
遷移金属化合物(b)が実質的に溶解しない媒体で前重合を行うことにより、本発明のオレフィン重合用触媒がスラリーとして得られる。前重合した後は、このスラリーをそのまま本重合に使用することもできるし、オレフィン重合用触媒を分離して本重合に使用することもできる。
【0147】
本発明のオレフィン重合用触媒を製造する具体的な製造方法を以下に例示する。
(1)多孔質担体(a)に、遷移金属化合物(b)ならびに有機ホウ素化合物(c)および/または有機アルミニウムオキシ化合物(d)のトルエン溶液を添加して接触させる。このとき、有機金属化合物(g)に属する有機アルミニウム化合物を必要に応じて使用することもできる。その後トルエンを除去して、多孔質担体(a)の細孔部に、遷移金属化合物(b)ならびに有機ホウ素化合物(c)および/または有機アルミニウムオキシ化合物(d)、さらには必要に応じて用いた有機アルミニウム化合物が担持された固体触媒成分を得る。次に、反応器中に上記固体触媒成分と、遷移金属化合物(b)が実質的に溶解しない媒体とを加え、ここに重合可能な二重結合を有するモノマー(e)を導入して前重合を行う。
【0148】
(2)芳香環および/または極性基を含有するモノマーを多孔質担体(a)の細孔部で重合させ、多孔質担体(a)の細孔部に充填ポリマーが充填(担持)された固体成分を調製する。次に、この固体成分に、遷移金属化合物(b)ならびに有機ホウ素化合物(c)および/または有機アルミニウムオキシ化合物(d)のトルエン溶液を添加して接触させる。このとき、有機金属化合物(g)に属する有機アルミニウム化合物を必要に応じて使用することもできる。その後トルエンを除去して、多孔質担体(a)の細孔部に、充填ポリマー、遷移金属化合物(b)ならびに有機ホウ素化合物(c)および/または有機アルミニウムオキシ化合物(d)、さらには必要に応じて用いた有機アルミニウム化合物が担持された固体触媒成分を得る。次に、反応器中に上記固体触媒成分と、遷移金属化合物(b)が実質的に溶解しない媒体とを加え、ここに重合可能な二重結合を有するモノマー(e)を導入して前重合を行う。
【0149】
このようにして得られる本発明のオレフィン重合用触媒は、担持触媒であるにもかかわらず、均一系触媒と同様の性能が発揮される。このため本発明のオレフィン重合用触媒を用いてオレフィンを重合することにより、嵩密度が高く、しかも粒度分布の狭い粒状のオレフィン重合体を効率よく得ることができる。また、本発明のオレフィン重合用触媒は、(b)〜(d)の触媒成分が多孔質担体(a)に強固に担持されているので、オレフィン重合(本重合)中に触媒成分が反応媒体中に溶出することはなく、このため重合器壁面などへの不定形ポリマーの付着などは生じない。さらに、本発明のオレフィン重合用触媒は、(b)〜(d)の触媒成分を多孔質担体(a)に担持させるに際し、触媒成分に官能基などを導入しなくても強固に担持させることができるので、触媒活性が低下することはなく、高い触媒活性が発揮されるほか、低コストで製造することができる。
【0150】
《オレフィン重合体の製造》
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、上記のような本発明のオレフィン重合用触媒の存在下に、オレフィンを重合または共重合(以下、単に重合という)させることによりオレフィン重合体を製造する(本重合という場合がある)方法である。重合は公知の方法を採用することができ、例えば懸濁重合、スラリー重合、バルク重合などの液相重合法、または気相重合法などが採用できる。
【0151】
本重合を液相重合法で行う場合に用いられる不活性炭化水素媒体としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物等があげられる。また重合するオレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
【0152】
本発明のオレフィン重合用触媒により重合することができるオレフィンとしては、α−オレフィン、極性基および重合可能な二重結合を有する極性モノマー、ビニル系化合物、ならびにポリエン化合物などがあげられる。
【0153】
本発明のオレフィン重合用触媒により重合することができるα−オレフィンの具体的なものとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20の鎖状α−オレフィン;シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2−メチル1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンなどの炭素数3〜20の環状オレフィン等があげられる。
【0154】
本発明のオレフィン重合用触媒により重合することができる極性モノマーの具体的なものとしては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ〔2.2.1〕−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸などのα,β−不飽和カルボン酸、およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などの金属塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチルなどのα,β−不飽和カルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステルなどの不飽和グリシジル等があげられる。
【0155】
さらに本発明のオレフィン重合用触媒では、スチレン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル系化合物;ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、5,9−ジメチル−1,4,8,−デカトリエン、ジビニルベンゼンなどのポリエン化合物等を重合することもできる。
【0156】
本発明のオレフィン重合用触媒を用いてオレフィン重合体を製造する場合、オレフィン重合用触媒の使用量は、遷移金属化合物(b)が反応容積 liter当り、通常0.00001〜0.1ミリモル、好ましくは0.0001〜0.01ミリモルとなる量で用いるのが望ましい。このような量でオレフィン重合用触媒を用いた場合、他の触媒成分は通常次の量で使用されることになる。すなわち、有機ホウ素化合物(c)は、この有機ホウ素化合物(c)中のホウ素と、遷移金属化合物(b)中の遷移金属原子(M)とのモル比(ホウ素/M)が、通常0.1〜100、好ましくは1〜5となる量で用いられる。有機アルミニウムオキシ化合物(d)は、有機アルミニウムオキシ化合物(d)中のアルミニウム原子(Al)と、遷移金属化合物(b)中の遷移金属原子(M)とのモル比(Al/M)が、通常10〜10000、好ましくは30〜1000となる量で用いられる。また前重合に有機金属化合物(g)が用いられた場合は、この有機金属化合物(g)中の金属原子と、遷移金属化合物(b)中の遷移金属原子(M)とのモル比(金属原子/M)が、通常10〜10000、好ましくは100〜1000となる量で用いられる。
【0157】
本発明のオレフィン重合用触媒を用いたオレフィンの重合条件は、温度が通常−50〜200℃、好ましくは0〜170℃、圧力が通常常圧〜100kgf/cm2(ゲージ圧)、好ましくは常圧〜50kgf/cm2(ゲージ圧)とするのが望ましい。重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。また重合は、反応条件の異なる2段以上の多段重合で行うことも可能である。
【0158】
製造されるオレフィン重合体の分子量は、重合系に水素を存在させるか、または重合温度を選択するなどの方法によって調節することができる。また、使用する有機ホウ素化合物(c)や有機金属化合物(g)等の種類または量を選択することより調節することもできる。
【0159】
このようにしてオレフィンを重合することにより、担持触媒を用いても、均一系触媒と同様の性能が発揮され、しかも嵩密度が高く、粒度分布の狭い粒状のオレフィン重合体を効率よく得ることができる。また、本発明のオレフィン重合用触媒は、オレフィン重合中に触媒成分が反応媒体中に溶出することはなく、このため重合器壁面などへの不定形ポリマーの付着などは生じない。
【0160】
本発明のオレフィン重合用触媒を用いてオレフィンを重合する場合、本発明のオレフィン重合用触媒は担持触媒であるので、均一系触媒を使用する場合に比べて、粒度、粒形などのモルフォロジーに優れたオレフィン重合体を容易に得ることができる。
すなわち、本発明のオレフィン重合用触媒を用いてオレフィンを重合することにより、均一系触媒の性能を低下させることなく、嵩密度が高く、粒度分布の狭い粒状のオレフィン重合体であって、粒度、粒形などのモルフォロジーに優れたオレフィン重合体を容易に効率よく得ることができる。
【0161】
【発明の効果】
本発明のオレフィン重合用触媒は、多孔質担体(a)に、遷移金属化合物(b)、ならびに有機ホウ素化合物(c)および/または有機アルミニウムオキシ化合物(d)が担持された固体触媒成分の存在下に、遷移金属化合物(b)が実質的に溶解しない特定の媒体中で、重合可能な二重結合を有するモノマー(e)を前重合してなるオレフィン重合用触媒であるので、担持触媒であるにもかかわらず、均一系触媒と同様の性能が発揮される。しかも、本発明のオレフィン重合用触媒を使用することにより、嵩密度が高く、粒度分布の狭い粒状のオレフィン重合体であって、粒度、粒形などのモルフォロジーに優れたオレフィン重合体を容易に効率よく得ることができる。
【0162】
本発明のオレフィン重合用触媒の製造方法は、多孔質担体(a)に、遷移金属化合物(b)、ならびに有機ホウ素化合物(c)および/または有機アルミニウムオキシ化合物(d)が担持された固体触媒成分の存在下に、遷移金属化合物(b)が実質的に溶解しない特定の媒体中で、重合可能な二重結合を有するモノマー(e)を前重合しているので、上記オレフィン重合用触媒を効率よく低コストで得ることができる。
【0163】
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、上記オレフィン重合用触媒の存在下にオレフィンを重合しているので、均一系触媒の性能を低下させることなく、嵩密度が高く、粒度分布の狭い粒状のオレフィン重合体であって、粒度、粒形などのモルフォロジーに優れたオレフィン重合体を容易に効率よく製造することができる。
【0164】
【発明の実施の形態】
以下実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されることはない。なお、操作は全て乾燥窒素雰囲気下で行った。
【0165】
実施例1
1)担体の合成
シュレンクチューブに、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)を0.163g(0.99mmol)、スチレンを13.0ml、ジビニルベンゼン(異性体混合物、55%)を1.0ml加えて均一溶液とし、充填ポリマー用モノマー溶液を得た。攪拌機を備えた3口のフラスコを乾燥窒素で置換し、多孔質担体(a)としてシリカ(250℃で8時間焼成したシリカ、平均粒子径55μmの微粒子、比表面積300m2/g、細孔容積1.3ml/g)10.07gを装入し、乾燥ペンタン20mlを加えた。ここに上記の充填ポリマー用モノマー溶液を全量加えた。このスラリーを90℃まで昇温してペンタンを除去し、約1時間かけて流動性のパウダーにした。その後反応器の温度を90℃に保ち、攪拌下に8時間モノマーを反応させ、細孔に充填ポリマーが充填された多孔質担体(a)を得た。
【0166】
反応終了後、上記担体(a)を90℃のトルエンで3回洗浄し、その後全量を150mlのトルエンスラリーにした。このスラリーを0℃まで冷却し、31.5mmolのトリイソブチルアルミニウム(TIBAL)をトルエン溶液にして、滴下ロートからゆっくり滴下した。滴下後、スラリーの温度を室温に戻し、そのまま約12時間放置した。このスラリーをガラス性のフィルターで濾過し、100mlのトルエンで3回、100mlのヘキサンで2回洗浄した。このようにして得られた担体(a)はヘキサンスラリーとして保存した。
【0167】
2)固体触媒の調製
よく乾燥し窒素置換したシュレンクチューブに、遷移金属化合物(b)としてrac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリドを11.8mg入れた。ここに、1.0Mに調製したトリイソブチルアルミニウム(TIBAL)のトルエン溶液を0.60ml(0.60mmol)加え、さらに有機ホウ素化合物(c)として0.0040Mに調製したトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液4.69mlを加え、触媒溶液とした。この触媒溶液は濃い緑色の溶液であった。
【0168】
別の反応器に、前記1)で得られた担体(a)をシリカ重量にして1.37gになるようにヘキサンスラリーとして入れ、その後乾燥させた。ここに上記触媒溶液を4.23ml加えた。この薄緑色のスラリーを徐々に減圧にし、媒体を留去した。ここにヘキサン5.0mlを加えて再びスラリーにした後、もう一度真空にして、さらさらの粉体になるまで乾燥させ、固体触媒を得た。
【0169】
3)ペルフルオロオクタンへの遷移金属化合物(b)の溶解テスト
rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド(b)を0.3mg−ジルコニウム/mlの濃度になるようにトルエンに溶解した。このトルエン溶液と、前重合で使用する媒体(ペルフルオロオクタン)とを1:1の体積比で混合し、前重合を行う温度と同じ温度(25℃)で10分間撹拌した。このとき混合液は懸濁状態となり、均一溶液とはならなかった。次に、この混合液を25℃で10分間静置した。静置後は、ペルフルオロオクタン相とトルエン相とに相分離した。次に、ペルフルオロオクタン相から一部をサンプルとして抜き取り、このサンプルについてICP発光分光分析法でジルコニウム濃度を測定した。その結果、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリドに由来するジルコニウム濃度は0.001mg/ml以下であった。
【0170】
4)前重合
反応器に、上記2)で得られた固体触媒の全量、および反応媒体としてペルフルオロオクタン20mlを加え、良く攪拌した。ここに、テフロンチューブを通じてプロピレンガスを3 liter/hの速度で流通させ、25℃で1時間プロピレンの前重合を行い、オレフィン重合用触媒を得た。この際、反応器壁面などにポリマーの付着は認められず、オレフィン重合用触媒はペルフルオロオクタンのスラリーとして得られた。
【0171】
5)オレフィンの加圧スラリー重合
乾燥し窒素置換した1 literのオートクレーブに乾燥したヘプタン350mlを装入した。室温でプロピレンガスを流通させ溶媒をプロピレンガスで飽和させた。0.50ミリモルのトリイソブチルアルミニウム(TIBAL)、続いて上記4)で得られたオレフィン重合用触媒のペルフルオロオクタンのスラリーを5.0ml添加した。系をプロピレンガスにより5kgf/cm2(ゲージ圧)まで加圧するとすぐに温度は自然に60℃まで上がり、そのまま60℃で3時間プロピレンの本重合を行った。
【0172】
本重合後、モノマーの供給を止め、冷却、脱圧を行った。なお、重合器壁面に付着物は認められなかった。生成ポリマーをろ過、減圧乾燥により回収したところ収量は67.87gであった。生成ポリマーは半透明の球状で、嵩密度は0.33g/ml、融点は152.6℃、GPCにより測定した重量平均分子量は34万、GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は2.44であった。
【0173】
比較例1
実施例1において、前重合の反応媒体として用いたペルフルオロオクタンの代わりに、遷移金属化合物(b)を溶解するヘキサンを用いた以外は実施例1と同様にして前重合を行った。その結果、反応器の壁面に著しい不定形ポリマーの付着が見られ、オレフィン重合用触媒スラリーを得ることはできなかった。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a catalyst for olefin polymerization in which a transition metal compound and an organic boron compound and / or an organoaluminum oxy compound are supported on a porous carrier, a method for producing the catalyst, and a method for producing an olefin polymer using the catalyst.
[0002]
[Prior art]
Olefin polymers have been used for a wide range of applications. In recent years, a homogeneous catalyst such as a metallocene catalyst, which is soluble in an organic solvent, has been used in place of the solid titanium catalyst which is a heterogeneous catalyst for olefin polymerization which has been used so far. Therefore, a specific olefin polymer obtained from a homogeneous catalyst, for example, an olefin polymer having a uniform structure of the produced polymer such as a narrow molecular weight distribution has been synthesized.
In order to apply such a homogeneous catalyst to a slurry method, a gas phase method and the like which are currently carried out industrially, these catalysts may be solidified by being supported on a porous carrier such as silica. desirable.
[0003]
In homogeneous complex catalysts such as metallocene catalysts, alumoxanes and boron compounds such as borane or borate having a fluorinated aromatic ring are often used together with metallocene as a cocatalyst. Of these catalyst components, alumoxanes are often used because they can be supported by being chemically bonded to the surface of a carrier such as silica relatively easily.
However, if a complex catalyst such as metallocene is activated using alumoxanes supported on a solid, the catalytic performance such as activity is reduced as compared with the case of a homogeneous system not supported, and the molecular weight and stereoregulation of the produced polymer are reduced. Sexuality is also often reduced.
[0004]
On the other hand, attempts have been made to support complex catalysts such as metallocenes, or boranes and borates of cocatalysts, but these do not have a functional group chemically bonded to the support, so that they are not contained in the polymerization medium under polymerization conditions. Thus, the particle properties of the produced polymer are remarkably deteriorated, and the amorphous polymer adheres to the wall surface of the polymerization vessel.
Attempts have also been made to introduce functional groups into complex catalysts such as metallocenes, or boranes and borates of cocatalysts, and to support these components by covalent bonds, but these catalysts are compared to general-purpose catalyst components. The cost may be increased, and the catalyst performance may be reduced due to the introduction of functional groups that are not inherently involved in the polymerization.
[0005]
For this reason, the appearance of a highly active olefin polymerization catalyst capable of obtaining an olefin polymer having a high bulk density and good particle properties without impairing the performance of the homogeneous catalyst even if it is a supported catalyst is desired. .
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to solve the problems associated with the prior art as described above, and even with a supported catalyst, the bulk density is high without impairing the performance of the homogeneous catalyst, and the particle size distribution. An object is to provide a highly active olefin polymerization catalyst capable of efficiently producing a narrow granular olefin polymer.
Another object of the present invention is to propose a method for producing an olefin polymerization catalyst capable of producing the olefin polymerization catalyst efficiently and at low cost.
Another object of the present invention is to propose a method for producing an olefin polymer, which can efficiently produce a granular olefin polymer having a high bulk density and a narrow particle size distribution, using the olefin polymerization catalyst. It is.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
This invention is the following olefin polymerization catalyst, the manufacturing method of this olefin polymerization catalyst, and the manufacturing method of an olefin polymer.
(1) Porous carrier (a)In, Transition metal compounds (b), and organoboron compounds (c) and / or organoaluminum oxy compounds (d)Solid catalyst component on which is supportedIn the presence of, the monomer (e) having a polymerizable double bond is prepolymerized in a medium in which the transition metal compound (b) is not substantially dissolved.And the medium in which the transition metal compound (b) is not substantially dissolved is the fluorine-containing organic compound (f).Olefin polymerization catalyst.
(2) The olefin polymerization catalyst according to (1), wherein the porous carrier (a) is a carrier in which pores are filled with a polymer.
(3) The catalyst for olefin polymerization according to the above (1) or (2), wherein the transition metal compound (b) is a compound containing a transition metal of Group 4 of the periodic table.
(4) The monomer (e) having a polymerizable double bond is at least one monomer selected from the group consisting of an α-olefin, a polar group-containing compound, a vinyl compound and a polyene compound.(3)The catalyst for olefin polymerization according to any one of the above.
(5) Porous carrier (a)In, Transition metal compounds (b), and organoboron compounds (c) and / or organoaluminum oxy compounds (d)Solid catalyst component on which is supportedIn the presence of the monomer, the monomer (e) having a polymerizable double bond is prepolymerized in a medium in which the transition metal compound (b) is not substantially dissolved.In the method, the medium in which the catalyst component does not substantially dissolve is the fluorine-containing organic compound (f).The manufacturing method of the catalyst for olefin polymerization characterized by the above-mentioned.
(6) Above (1) to(4)An olefin polymer production method comprising polymerizing an olefin in the presence of the olefin polymerization catalyst according to any one of the above.
[0008]
<< Porous carrier (a) >>
The porous carrier used in the present invention (hereinafter sometimes simply referred to as a carrier) (a) is a solid carrier conventionally used as a catalyst carrier, and a porous carrier is used without limitation. it can. As the porous carrier (a), a carrier made of a porous inorganic compound is preferable, and a carrier made of a porous inorganic oxide is particularly preferable. Specific examples of the porous carrier (a) include SiO.2, Al2OThree, MgO, ZrO, TiO2, B2OThree, CaO, ZnO, BaO and ThO2Inorganic oxides such as, and mixtures containing these, for example SiO2-MgO, SiO2-Al2OThree, SiO2-TiO2, SiO2-V2OFive, SiO2-Cr2OThreeAnd SiO2-TiO2-MgO and the like. These inorganic oxides contain a small amount of Na2COThree, K2COThree, CaCOThree, MgCOThree, Na2SOFour, Al2(SOFour)Three, BaSOFour, KNOThree, Mg (NOThree)2, Al (NOThree)Three, Na2O, K2O and Li2Even if it contains carbonates such as O, sulfates, nitrates or oxide components, there is no problem. Among the porous carriers (a), SiO2(Silica), Al2OThree(Alumina) and TiO2A carrier mainly composed of at least one inorganic oxide selected from the group consisting of (titania) is preferable, and silica is particularly preferable.
[0009]
The particle size and shape of the porous carrier (a) are not particularly limited, but a granular or fine particle carrier having a particle size of 10 to 300 μm, preferably 20 to 200 μm is preferable.
The properties of the porous carrier (a) vary depending on the type and production method, but the porous carrier (a) preferably used in the present invention has a specific surface area of 50 to 1000 m.2/ G, preferably 100-700m2It is desirable that the pore volume be in the range of 0.3 to 2.5 ml / g. The bulk density is preferably in the range of 0.1 to 0.6 g / ml, preferably 0.2 to 0.5 g / ml. The porous carrier (a) is used after being calcined at 100 to 1000 ° C., preferably 150 to 700 ° C., if necessary.
[0010]
As the porous carrier (a) used in the present invention, a carrier having pores filled with a polymer can also be used. When a carrier filled with a polymer in the pores is used, the catalyst component is firmly supported, so that an excellent olefin polymer can be obtained by morphology such as particle size and particle size, and more excellent activity A catalyst for olefin polymerization can be obtained.
[0011]
The polymer filled in the pores (hereinafter sometimes referred to as filled polymer) is preferably a polymer having an affinity for the transition metal compound (b), the organoboron compound (c) and the organoaluminum oxy compound (d). Specific examples of such a filling polymer include an aromatic ring and / or a polymer containing a polar group obtained by polymerizing a monomer containing an aromatic ring and / or a polar group. The volume of the filled polymer filled in the pores is preferably not more than the same as the pore volume of the porous carrier (a).
[0012]
The filling polymer containing an aromatic ring may be a polymer having an aromatic ring in the main chain or a polymer having an aromatic ring in a portion other than the main chain, but has an aromatic ring in a portion other than the main chain. Polymers are preferable, and among them, polymers having an aromatic ring in a pendant shape with respect to the main chain are particularly preferable because they can be easily supported on a carrier. Examples of the polymer having an aromatic ring in a pendant form with respect to the main chain include polymers obtained by polymerizing or copolymerizing monomers including nucleo-substituted styrene and styrene derivatives substituted at the α-position.
[0013]
Examples of the nucleus-substituted styrene include a halogen atom, a halogen group such as a vinyl group, an alkoxy group, an alkyl group, a silyl group, a siloxy group, and a trifluoromethyl group, and an aryl group such as a phenyl group and an indenyl group. And nuclear substituted styrene. Examples of the α-substituted styrene derivative include α-methylstyrene and α-ethylstyrene.
[0014]
Specific examples of the filled polymer having an aromatic ring in a portion other than the main chain include styrene polymers such as polystyrene, poly α-methylstyrene, and styrene / α-methylstyrene copolymer. Specific examples of the filled polymer having an aromatic ring in the main chain include polyarylate, polyethylene terephthalate, and polyethylene naphthalate.
[0015]
Examples of the filling polymer containing a polar group include a polymer obtained by polymerizing a polar group-containing monomer. Examples of the polar group-containing monomer include acrylonitrile, methacrylic acid esters, acrylic acid esters, epoxides such as ethylene oxide and propylene oxide. Other polar group-containing monomers include H2C = CH-OX, H2C = CH-OCH2CH2O—X (where X is alkyl, silyl, siloxy, trifluoromethyl, alkyl halide such as 2-chloroethyl, aromatic ring-containing groups such as phenyl and substituted phenyl groups, ether, thiol, ester, etc.) And vinyl ether derivatives.
Specific examples of the filling polymer containing a polar group include polyacrylonitrile; (meth) acrylic acid-based polymers such as polymethyl methacrylate, ethylene / methyl methacrylate copolymer, and ethylene / methyl acrylate copolymer; And ether polymers having the vinyl ether derivative as a monomer.
[0016]
Specific examples of the filled polymer containing an aromatic ring and a polar group include styrene / acrylonitrile copolymer, styrene / maleic anhydride copolymer, styrene / methyl (meth) acrylate copolymer, styrene / N- Phenylmaleimide copolymer, styrene / α-methylstyrene / acrylonitrile terpolymer, styrene / acrylonitrile / methyl methacrylate terpolymer, styrene / maleic anhydride / acrylonitrile terpolymer, styrene / N- Examples thereof include styrenic polymers such as maleimide copolymers.
As the filling polymer, polystyrene, styrene polymer, (meth) acrylic acid polymer, and ether polymer are preferably used.
[0017]
As a method for preparing a carrier in which a filled polymer is supported in the pores of the porous carrier (a), for example, a monomer containing an aromatic ring and / or a polar group is added to the pores of the porous carrier (a). A method of polymerizing the monomer after impregnation is exemplified. More specifically, the following method is exemplified. First, the porous carrier (a) and an inert medium are mixed to form a slurry. A monomer containing an aromatic ring and / or a polar group, a polymerization initiator, and the like are added to another container to prepare a monomer solution. After this monomer solution is added to the slurry, the resulting mixed solution is heated to remove the inert medium, thereby obtaining a solid component in which the pores of the porous carrier (a) are impregnated with the monomer. Next, a polymer containing an aromatic ring and / or a polar group is supported (filled) in the pores of the porous carrier (a) by polymerizing the monomer in the pores of the porous carrier (a). A porous support (a) is obtained.
[0018]
In the above method, a method for polymerizing a monomer containing an aromatic ring and / or a polar group is not particularly limited. For example, radical polymerization using a polymerization initiator such as azoisobutyl nitrile (AIBN), cationic polymerization, anionic polymerization, Examples thereof include coordination polymerization. In addition, a crosslinkable monomer such as divinylbenzene can be used in combination as needed during the polymerization.
[0019]
Examples of the inert medium for slurrying the porous carrier (a) include aliphatic hydrocarbons such as propane, butane, pentane, hexane, heptane, octane, decane, dodecane, and kerosene; cyclopentane, cyclohexane, methylcyclopentane, and the like. And alicyclic hydrocarbons; aromatic hydrocarbons such as benzene, toluene and xylene; halogenated hydrocarbons such as ethylene chloride, chlorobenzene and dichloromethane; and mixtures thereof.
[0020]
As the porous carrier (a) used in the present invention, the porous carrier (a) is treated by contact with an organometallic compound (g) as described later, for example, an organoaluminum compound such as triisobutylaluminum. Although the amount of the polar group on the surface can be adjusted, it may not be treated.
[0021]
<< Transition metal compound (b) >>
The transition metal compound (b) used in the present invention is a group of Group 3 to Group 12 of the periodic table (group numbers represented by group numbers 1 to 18 according to the revised IUPAC inorganic chemical nomenclature (1989)), preferably A compound containing a transition metal atom of Group 3 to Group 10, more preferably Group 4.
[0022]
The transition metal compound (b) used in the present invention is preferably a transition metal compound represented by the following formula (1).
M1L1x (1)
(In formula (1), M1Is a transition metal atom, x is a transition metal atom M1Valence of L1Represents a ligand coordinated to a transition metal atom. )
[0023]
In the formula (1), M1Specific examples of the transition metal atom represented by the formula include transition metal atoms of Group 4 of the periodic table such as zirconium, titanium, and hafnium. Of these, zirconium is preferred.
In the formula (1), x is a transition metal atom M1Of the transition metal atom M1Ligand L coordinated to1The number of
[0024]
In the formula (1), L1Is a transition metal atom M1Represents a ligand coordinated to at least one L1Is a ligand having a cyclopentadienyl skeleton, and L other than a ligand having a cyclopentadienyl skeleton1Is a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, a halogenated hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, an oxygen-containing group, a sulfur-containing group, a silicon-containing group, a halogen atom or a hydrogen atom.
[0025]
L1Examples of the ligand having a cyclopentadienyl skeleton include, for example, a cyclopentadienyl group, a methylcyclopentadienyl group, a dimethylcyclopentadienyl group, a trimethylcyclopentadienyl group, and a tetramethylcyclopentadienyl group. , Pentamethylcyclopentadienyl group, ethylcyclopentadienyl group, methylethylcyclopentadienyl group, propylcyclopentadienyl group, methylpropylcyclopentadienyl group, butylcyclopentadienyl group, methylbutylcyclopenta Examples thereof include alkyl-substituted cyclopentadienyl groups such as dienyl group and hexylcyclopentadienyl group, indenyl group, 4,5,6,7-tetrahydroindenyl group, fluorenyl group and the like. These groups may be substituted with a (halogenated) hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, an oxygen-containing group, a sulfur-containing group, a silicon-containing group, a halogen atom, or the like.
[0026]
Ligand L in which the transition metal compound (b) represented by the formula (1) has a cyclopentadienyl skeleton1In which two or more of the ligands having a cyclopentadienyl skeleton are bonded through a divalent linking group such as an alkylene group, a substituted alkylene group, a silylene group, or a substituted silylene group. It may be. Examples of the transition metal compound (b) in which two ligands having such a cyclopentadienyl skeleton are bonded via a divalent linking group include a transition metal represented by the formula (3) described later. A compound (b) is mention | raise | lifted.
[0027]
Ligand L other than the ligand having a cyclopentadienyl skeleton1Specific examples include the following.
Ligand L1Examples of the hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms include an alkyl group, a cycloalkyl group, an alkenyl group, an arylalkyl group, an aryl group, and more specifically, methyl, ethyl, propyl, butyl, hexyl, and the like. Alkyl groups such as cyclopentyl, cyclohexyl, norbornyl and adamantyl; alkenyl groups such as vinyl, propenyl and cyclohexenyl; arylalkyl groups such as benzyl, phenylethyl and phenylpropyl; Examples thereof include aryl groups such as phenyl, tolyl, dimethylphenyl, trimethylphenyl, ethylphenyl, propylphenyl, biphenylyl, naphthyl, methylnaphthyl, anthryl and phenanthryl.
[0028]
Ligand L1Examples of the halogenated hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms include a group in which a halogen is substituted for the hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms.
Ligand L1Examples of oxygen-containing groups include hydroxy groups; alkoxy groups such as methoxy, ethoxy, propoxy and butoxy; aryloxy groups such as phenoxy, methylphenoxy, dimethylphenoxy and naphthoxy; arylalkoxy groups such as phenylmethoxy and phenylethoxy .
[0029]
Ligand L1As the sulfur-containing group, a substituent in which oxygen of the oxygen-containing group is substituted with sulfur, methyl sulfonate, trifluoromethane sulfonate, phenyl sulfonate, benzyl sulfonate, p-toluene sulfonate, Sulfonate groups such as trimethylbenzene sulfonate, triisobutyl benzene sulfonate, p-chlorobenzene sulfonate, pentafluorobenzene sulfonate; methyl sulfinate, phenyl sulfinate, benzene sulfinate, p-toluene Examples thereof include sulfinate groups such as sulfinate, trimethylbenzene sulfinate and pentafluorobenzene sulfinate.
[0030]
Ligand L1Examples of silicon-containing groups include monohydrocarbon-substituted silyl such as methylsilyl and phenylsilyl; dihydrocarbon-substituted silyl such as dimethylsilyl and diphenylsilyl; trimethylsilyl, triethylsilyl, tripropylsilyl, tricyclohexylsilyl, triphenylsilyl, dimethyl Trihydrocarbon-substituted silyl such as phenylsilyl, methyldiphenylsilyl, tolylsilylsilyl, trinaphthylsilyl; hydrocarbon-substituted silyl silyl ethers such as trimethylsilyl ether; silicon-substituted alkyl groups such as trimethylsilylmethyl; silicon-substituted aryl such as trimethylsilylphenyl Group and the like.
Ligand L1Examples of the halogen atom include fluorine atom, chlorine atom, bromine atom and iodine atom.
[0031]
In the transition metal compound (b) represented by the formula (1), when the valence of the transition metal is 4, the transition metal compound (b) is more specifically represented by the following formula (2).
R1R2RThreeRFourM1 ... (2)
(In formula (2), M1Represents a transition metal atom selected from Group 4 of the periodic table, preferably a zirconium atom. R1Is a ligand (group) having a cyclopentadienyl skeleton, R2, RThreeAnd RFourMay be the same as or different from each other, a ligand (group) having a cyclopentadienyl skeleton, a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, a halogenated hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, an oxygen-containing group, A sulfur-containing group, a silicon-containing group, a halogen atom or a hydrogen atom is shown. )
[0032]
In the present invention, in the transition metal compound (b) represented by the formula (2), R2, RThreeAnd RFourAt least one of which is a ligand (group) having a cyclopentadienyl skeleton, such as R1And R2A metallocene in which is a ligand (group) having a cyclopentadienyl skeleton is particularly preferably used. R1And R2Is a ligand (group) having a cyclopentadienyl skeleton, RThreeAnd RFourIs a group having a cyclopentadienyl skeleton, an alkyl group, a cycloalkyl group, an alkenyl group, an arylalkyl group, an aryl group, an alkoxy group, an aryloxy group, a trialkylsilyl group, a sulfonate group, a halogen atom or a hydrogen atom preferable.
[0033]
In the transition metal compound (b) represented by the formula (1) or (2), a transition metal atom M1Specific examples of the transition metal compound in which is zirconium is exemplified below.
Bis (cyclopentadienyl) zirconium monochloride monohydride, bis (cyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (cyclopentadienyl) zirconium dibromide, bis (cyclopentadienyl) methyl zirconium monochloride, bis (cyclopenta Dienyl) zirconium phenoxymonochloride, bis (methylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (ethylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (propylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (butylcyclopentadienyl) zirconium Dichloride, bis (hexylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (octylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (indeni ) Zirconium dichloride, bis (4,5,6,7-tetrahydroindenyl) zirconium dichloride, bis (indenyl) zirconium dibromide, bis (cyclopentadienyl) zirconium dimethyl, bis (cyclopentadienyl) zirconium methoxychloride, Bis (cyclopentadienyl) zirconium ethoxy chloride, bis (fluorenyl) zirconium dichloride, bis (cyclopentadienyl) zirconium bis (methanesulfonate), bis (cyclopentadienyl) zirconium bis (p-toluenesulfonate), Bis (cyclopentadienyl) zirconium bis (trifluoromethanesulfonate), bis (methylcyclopentadienyl) zirconium bis (trifluoromethanesulfonate), bis (ethyl Pentadienyl) zirconium bis (trifluoromethanesulfonate), bis (propyl cyclopentadienyl) zirconium bis (trifluoromethanesulfonate),
[0034]
Bis (butylcyclopentadienyl) zirconium bis (trifluoromethanesulfonate), bis (hexylcyclopentadienyl) zirconium bis (trifluoromethanesulfonate), bis (dimethylcyclopentadienyl) zirconium bis (trifluoromethanesulfonate) Bis (methylethylcyclopentadienyl) zirconium bis (trifluoromethanesulfonate), bis (methylpropylcyclopentadienyl) zirconium bis (trifluoromethanesulfonate), bis (methylbutylcyclopentadienyl) zirconium bis (trifluoro) Lomethanesulfonate), bis (dimethylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (methylpropylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (methyl Tilcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (methylhexylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (ethylbutylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (trimethylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (tetramethylcyclopenta Dienyl) zirconium dichloride, bis (pentamethylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (methylbenzylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (ethylhexylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (methylcyclohexylcyclopentadienyl) Zirconium dichloride, bis (cyclopentadienyl) ethyl zirconium monochloride, bis (cyclopentadienyl) Rohexyl zirconium monochloride, bis (cyclopentadienyl) phenyl zirconium monochloride, bis (cyclopentadienyl) benzyl zirconium monochloride, bis (cyclopentadienyl) methyl zirconium monohydride, bis (cyclopentadienyl) diphenyl Zirconium, bis (cyclopentadienyl) dibenzylzirconium, bis (indenyl) zirconium bis (p-toluenesulfonate), bis (dimethylcyclopentadienyl) zirconium ethoxy chloride, bis (methylethylcyclopentadienyl) zirconium dichloride Bis (propylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (methylbutylcyclopentadienyl) zirconium bis (methanesulfonate), bis (Trimethylsilylcyclopentadienyl) zirconium dichloride and the like.
[0035]
In the transition metal compounds exemplified above, the disubstituted product of the cyclopentadienyl ring includes 1,2- and 1,3-substituted products, and the trisubstituted product is 1,2,3- and 1,2,4. -Including substitutions. Alkyl groups such as propyl and butyl include isomers such as n-, i-, sec- and tert-.
In addition, in the transition metal compound as described above, a compound in which zirconium is replaced with titanium or hafnium can be exemplified.
[0036]
In the transition metal compound (b) represented by the above formula (1) or (2), a bridge type compound in which two ligands having a cyclopentadienyl skeleton are bonded through a divalent linking group. Examples of the transition metal compound (b) compound include a compound represented by the following formula (3).
[Chemical 1]
[0037]
In formula (3), M1Represents a transition metal atom of Group 4 of the periodic table, specifically zirconium, titanium or hafnium, preferably zirconium.
R1, R2, RThreeAnd RFourMay be the same or different from each other, and are a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, a halogenated hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, a silicon-containing group, an oxygen-containing group, a sulfur-containing group, a nitrogen-containing group, phosphorus A containing group, a hydrogen atom or a halogen atom; R1, R2, RThreeAnd RFourAmong the groups represented by the formula, a part of the groups adjacent to each other may be bonded to form a ring together with the carbon atom to which these groups are bonded. By forming a ring, a condensed ring is formed. R1, R2, RThreeAnd RFourAre displayed in two places each, for example R1And R1These may be the same group or different groups. Of the groups represented by R, those having the same suffix represent preferred combinations in the case of forming a ring.
[0038]
In the formula (3), R1~ RFourSpecific examples of the hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms represented by the formula (1) include L1And the same alkyl group, cycloalkyl group, alkenyl group, arylalkyl group, aryl group and the like.
R1~ RFourExamples of the ring formed by combining the hydrocarbon groups represented by benzene include a benzene ring; a condensed ring such as a naphthalene ring, an acenaphthene ring and an indene ring. These rings may be substituted with alkyl groups such as methyl, ethyl, propyl and butyl.
[0039]
In the formula (3), R1~ RFourExamples of the halogenated hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms represented by the above include groups in which a halogen atom is substituted on the hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms.
In the formula (3), R1~ RFourSpecific examples of the silicon-containing group represented by L 1 in the formula (1)1The same monohydrocarbon-substituted silyl, dihydrocarbon-substituted silyl, trihydrocarbon-substituted silyl, silyl ether of hydrocarbon-substituted silyl, silicon-substituted alkyl group, silicon-substituted aryl group and the like.
[0040]
In the formula (3), R1~ RFourSpecific examples of the oxygen-containing group represented by the formula (1) include L1And the same hydroxy group, alkoxy group, aryloxy group, arylalkoxy group and the like.
In the formula (3), R1~ RFourExamples of the sulfur-containing group represented by the above include a substituent in which oxygen of the oxygen-containing group is substituted with sulfur.
[0041]
In the formula (3), R1~ RFourThe nitrogen-containing group represented by is an amino group; an alkylamino group such as methylamino, dimethylamino, diethylamino, dipropylamino, dibutylamino, dicyclohexylamino; phenylamino, diphenylamino, ditolylamino, dinaphthylamino, methylphenylamino, etc. An arylamino group or an alkylarylamino group.
[0042]
In the formula (3), R1~ RFourExamples of the phosphorus-containing group represented by the formula include phosphino groups such as dimethylphosphino and diphenylphosphino.
In the formula (3), R1~ RFourExamples of the halogen atom represented by are fluorine atom, chlorine atom, bromine atom and iodine atom.
[0043]
In the formula (3), R1~ RFourIs preferably a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, particularly formed by bonding of hydrocarbon groups and hydrocarbon groups having 1 to 4 carbon atoms such as methyl, ethyl, propyl, and butyl. The hydrogen atom on the benzene ring formed by bonding of the benzene ring and hydrocarbon group is substituted with an alkyl group such as methyl, ethyl, n-propyl, iso-propyl, n-butyl, iso-butyl, tert-butyl, etc. It is preferred that
[0044]
In the formula (3), X1Or X2May be the same or different and each represents a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, a halogenated hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, an oxygen-containing group, a sulfur-containing group, a silicon-containing group, a hydrogen atom or a halogen atom. Show.
[0045]
In the formula (3), X1Or X2As the hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, the halogenated hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, the oxygen-containing group and the halogen atom represented by the above R1~ RFourThe same groups and atoms can be mentioned.
[0046]
In the formula (3), X1Or X2As the sulfur-containing group represented by1~ RFourAs well as methyl sulfonate, trifluoromethane sulfonate, phenyl sulfonate, benzyl sulfonate, p-toluene sulfonate, trimethyl benzene sulfonate, triisobutyl benzene sulfonate, p-chlorobenzene Sulfonate groups such as sulfonate and pentafluorobenzene sulfonate; methyl sulfinate, phenyl sulfinate, benzene sulfinate, p-toluene sulfinate, trimethylbenzene sulfinate, pentafluorobenzene sulfinate, etc. Examples of the sulfinate group are as follows.
[0047]
In the formula (3), X1Or X2As the silicon-containing group represented by1~ RFourAnd the same silicon-substituted alkyl group, silicon-substituted aryl group, and the like.
In the formula (3), X1Or X2Of these groups, a halogen atom, a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, or a sulfonate group is preferable.
[0048]
In the formula (3), Y1Is a divalent hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, a divalent halogenated hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, a divalent silicon-containing group, a divalent germanium-containing group, a divalent tin-containing group, -O-, -CO-, -S-, -SO-, -SO2-, -Ge-, -Sn-, -NRFive-, -P (RFive)-, -P (O) (RFive)-, -BRFive-Or -AlRFive-[However, RFiveMay be the same as or different from each other, and R1~ RFourAnd the same hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, halogenated hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, hydrogen atom or halogen atom].
[0049]
Y in the formula (3)1Specific examples of the divalent hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms represented by: methylene, dimethylmethylene, 1,2-ethylene, dimethyl-1,2-ethylene, 1,3-trimethylene, 1, Examples include alkylene groups such as 4-tetramethylene, 1,2-cyclohexylene and 1,4-cyclohexylene; arylalkylene groups such as diphenylmethylene and diphenyl-1,2-ethylene.
Y in the formula (3)1Examples of the divalent halogenated hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms represented by the above include groups obtained by halogenating the divalent hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms such as chloromethylene.
[0050]
Y in the formula (3)1As the divalent silicon-containing group represented by the formula, silylene, methylsilylene, dimethylsilylene, diethylsilylene, di (n-propyl) silylene, di (i-propyl) silylene, di (cyclohexyl) silylene, methylphenylsilylene, diphenyl Alkylsilylene groups such as silylene, di (p-tolyl) silylene, di (p-chlorophenyl) silylene; alkylarylsilylene groups; arylsilylene groups; tetramethyl-1,2-disilylene, tetraphenyl-1,2-disilylene, etc. Alkyl disilylene group; alkyl aryl disilylene group; aryl disilylene group and the like.
Y in the formula (3)1Examples of the divalent germanium-containing group represented by the formula include groups in which the silicon of the divalent silicon-containing group is replaced with germanium.
[0051]
Y in the formula (3)1Examples of the divalent tin-containing group represented by the formula include groups in which the silicon of the divalent silicon-containing group is substituted with tin.
Y in the formula (3)1Among these groups, a substituted silylene group such as dimethylsilylene, diphenylsilylene or methylphenylsilylene is particularly preferred.
[0052]
Specific examples of the transition metal compound (b) represented by the formula (3) are exemplified below.
Ethylene-bis (indenyl) dimethylzirconium, ethylene-bis (indenyl) zirconium dichloride, ethylene-bis (indenyl) zirconium bis (trifluoromethanesulfonate), ethylene-bis (indenyl) zirconium bis (methanesulfonate), ethylene-bis (Indenyl) zirconium bis (p-toluenesulfonate), ethylene-bis (indenyl) zirconium bis (p-chlorobenzenesulfonate), ethylene-bis (4,5,6,7-tetrahydroindenyl) zirconium dichloride, isopropyl Liden (cyclopentadienyl) (fluorenyl) zirconium dichloride, isopropylidene (cyclopentadienyl) (methylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, dimethylsilylene Bis (cyclopentadienyl) zirconium dichloride, dimethylsilylene-bis (methylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, dimethylsilylene-bis (dimethylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, dimethylsilylene-bis (trimethylcyclopentadienyl) zirconium Dichloride, dimethylsilylene-bis (indenyl) zirconium dichloride, dimethylsilylene-bis (indenyl) zirconium bis (trifluoromethanesulfonate), dimethylsilylene-bis (4,5,6,7-tetrahydroindenyl) zirconium dichloride, dimethylsilylene (Cyclopentadienyl) (fluorenyl) zirconium dichloride,
[0053]
Diphenylsilylene-bis (indenyl) zirconium dichloride, methylphenylsilylene-bis (indenyl) zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis (2,3,5-trimethylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis ( 2,4,7-trimethylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis (2-methyl-4-tert-butylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, isopropylidene (cyclopentadienyl) (fluorenyl) Zirconium dichloride, dimethylsilylene (3-tert-butylcyclopentadienyl) (indenyl) zirconium dichloride, isopropylidene (4-methylcyclopentadienyl) 3-methylindenyl) zirconium dichloride, isopropylidene (4-tert-butylcyclopentadienyl) (3-methylindenyl) zirconium dichloride, isopropylidene (4-tert-butylcyclopentadienyl) (3-tert- Butylindenyl) zirconium dichloride, dimethylsilylene (4-methylcyclopentadienyl) (3-methylindenyl) zirconium dichloride, dimethylsilylene (4-tert-butylcyclopentadienyl) (3-methylindenyl) zirconium dichloride , Dimethylsilylene (4-tert-butylcyclopentadienyl) (3-tert-butylindenyl) zirconium dichloride, dimethylsilylene (3-tert-butylcyclopentadienyl) (fluorine) ) Zirconium dichloride, isopropylidene (3-tert-butylcyclopentadienyl) (fluorenyl) zirconium dichloride and the like.
[0054]
Moreover, the compound which replaced the zirconium in the above transition metal compounds with titanium or hafnium can also be mentioned.
[0055]
In the transition metal compound (b) represented by the formula (3), specific examples of the transition metal compound in which a condensed ring is formed include a transition metal compound represented by the following formula (4).
[Chemical formula 2]
[0056]
In formula (4), M1Represents a transition metal atom of Group 4 of the periodic table, specifically titanium, zirconium or hafnium, preferably zirconium.
In the formula (4), R1May be the same as or different from each other, and represents a hydrocarbon group having 1 to 6 carbon atoms, specifically, methyl, ethyl, n-propyl, isopropyl, n-butyl, isobutyl, sec-butyl, tert-butyl, Examples thereof include alkyl groups such as n-pentyl, neopentyl, n-hexyl and cyclohexyl; alkenyl groups such as vinyl and propenyl. Among these, a primary alkyl group having a carbon atom bonded to an indenyl group is preferable, an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms is more preferable, and a methyl group and an ethyl group are particularly preferable.
[0057]
In the formula (4), R2, RFour, RFiveAnd R6May be the same or different from each other, and may be a hydrogen atom, a halogen atom or R1The same C1-C6 hydrocarbon group is shown. RThreeMay be the same or different and each represents a hydrogen atom or an aryl group having 6 to 16 carbon atoms, specifically phenyl, α-naphthyl, β-naphthyl, anthryl, phenanthryl, pyrenyl, acenaphthyl, phenalenyl, aceanthryl. Nyl, tetrahydronaphthyl, indanyl, biphenylyl and the like. Of these, phenyl, naphthyl, anthryl and phenanthryl are preferred.
[0058]
In the formula (4), RThreeAn aryl group represented by is a halogen atom such as fluorine, chlorine, bromine or iodine;
Alkyl groups such as methyl, ethyl, propyl, butyl, hexyl, cyclohexyl, octyl, nonyl, dodecyl, eicosyl, norbornyl, adamantyl; alkenyl groups such as vinyl, propenyl, cyclohexenyl; arylalkyls such as benzyl, phenylethyl, phenylpropyl Groups; phenyl, tolyl, dimethylphenyl, trimethylphenyl, ethylphenyl, propylphenyl, biphenyl, α- or β-naphthyl, methylnaphthyl, anthryl, phenanthryl, benzylphenyl, pyrenyl, acenaphthyl, phenalenyl, aceanthrylenyl, tetrahydronaphthyl, A hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms such as an aryl group such as indanyl and biphenylyl;
It may be substituted with an organic silyl group such as trimethylsilyl, triethylsilyl, triphenylsilyl and the like.
[0059]
In the formula (4), X1And X2May be the same or different from each other, and X in the formula (3)1And X2Is the same. In these, it is preferable that they are a halogen atom or a C1-C20 hydrocarbon group.
[0060]
In the formula (4), Y1Is Y in the formula (3)1Is the same. Y in formula (4)1Is preferably a divalent silicon-containing group or a divalent germanium-containing group, more preferably a divalent silicon-containing group, and specifically alkylsilylene, alkylarylsilylene or arylsilylene.
[0061]
Specific examples of the transition metal compound (b) represented by the formula (4) are shown below.
rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4-phenylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4- (α-naphthyl) indenyl)} zirconium dichloride Rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4- (β-naphthyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4- (1-anthryl) indenyl )} Zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4- (2-anthryl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4- (9) -Anthryl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilyle -Bis {1- (2-methyl-4- (9-phenanthryl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4- (p-fluorophenyl) indenyl)} zirconium Dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4- (pentafluorophenyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4- (p-chlorophenyl) Indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4- (m-chlorophenyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4- ( o-chlorophenyl) indenyl)} zirconium dichloride rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4- (o, p-dichlorophenyl) phenylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4- (p- Bromophenyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4- (p-tolyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-) 4- (m-tolyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4- (o-tolyl) indenyl)} zirconium dichloride,
[0062]
rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4- (o, o'-dimethylphenyl) -1-indenyl) zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4- ( p-ethylphenyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4- (pi-propylphenyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-Methyl-4- (p-benzylphenyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4- (p-biphenyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene -Bis {1- (2-methyl-4- (m-biphenyl) indeni )} Zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4- (p-trimethylsilylenephenyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4-) (M-trimethylsilylenephenyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-phenyl-4-phenylindenyl)} zirconium dichloride, rac-diethylsilylene-bis {1- (2-methyl) -4-phenylindenyl)} zirconium dichloride, rac-di- (i-propyl) silylene-bis {1- (2-methyl-4-phenylindenyl)} zirconium dichloride, rac-di- (n-butyl) Silylene-bis {1- (2-methyl-4-pheny Indenyl)} zirconium dichloride, rac-dicyclohexylsilylene-bis {1- (2-methyl-4-phenylindenyl)} zirconium dichloride, rac-methylphenylsilylene-bis {1- (2-methyl-4-phenylindenyl) )} Zirconium dichloride, rac-diphenylsilylene-bis {1- (2-methyl-4-phenylindenyl)} zirconium dichloride, rac-di (p-tolyl) silylene-bis {1- (2-methyl-4-) Phenylindenyl)} zirconium dichloride, rac-di (p-chlorophenyl) silylene-bis {1- (2-methyl-4-phenylindenyl)} zirconium dichloride, rac-methylene-bis {1- (2-methyl-) 4-phenylindenyl)} zirconium dichloro Rac-ethylene-bis {1- (2-methyl-4-phenylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylgermylene-bis {1- (2-methyl-4-phenylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylstannylene-bis {1- (2-methyl-4-phenylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4-phenylindenyl)} zirconium dibromide, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4-phenylindenyl)} zirconium dimethyl, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4-phenylindenyl)} zirconium methyl chloride, rac -Dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4-phenyl) Denier)} zirconium dichloride SO2Me, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4-phenylindenyl)} zirconium chloride OSO2Me,
[0063]
rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-ethyl-4-phenylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-ethyl-4- (α-naphthyl) indenyl)} zirconium dichloride Rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-ethyl-4- (β-naphthyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-ethyl-4- (2-methyl-1) -Naphthyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-ethyl-4- (5-acenaphthyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-ethyl- 4- (9-anthryl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-di Methylsilylene-bis {1- (2-ethyl-4- (9-phenanthryl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-ethyl-4- (o-methylphenyl) indenyl)} Zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-ethyl-4- (m-methylphenyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-ethyl-4- (p- Methylphenyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-ethyl-4- (2,3-dimethylphenyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2 -Ethyl-4- (2,4-dimethylphenyl) indenyl)} zyl Nium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-ethyl-4- (2,5-dimethylphenyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-ethyl-4- ( 2,4,6-trimethylphenyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-ethyl-4- (o-chlorophenyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1 -(2-ethyl-4- (m-chlorophenyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-ethyl-4- (p-chlorophenyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene -Bis {1- (2-ethyl-4- (2 3-dichlorophenyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac- dimethylsilylene - bis {1- (2-ethyl-4- (2,6-dichlorophenyl) indenyl)} zirconium dichloride,
[0064]
rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-ethyl-4- (3,5-dichlorophenyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-ethyl-4- (2-bromophenyl) ) Indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-ethyl-4- (3-bromophenyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-ethyl-4) -(4-Bromophenyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-ethyl-4- (4-biphenylyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- ( 2-Ethyl-4- (4-trimethylsilylphenyl) ind )} Zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-n-propyl-4-phenylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-n-propyl-4-) (Α-naphthyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-n-propyl-4- (β-naphthyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- ( 2-n-propyl-4- (2-methyl-1-naphthyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-n-propyl-4- (5-acenaphthyl) indenyl)} zirconium Dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-n-propyl-4 (9-anthryl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-n-propyl-4- (9-phenanthryl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- ( 2-i-propyl-4-phenylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-i-propyl-4- (α-naphthyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene- Bis {1- (2-i-propyl-4- (β-naphthyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-i-propyl-4- (8-methyl-9-naphthyl) ) Indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis 1- (2-i-propyl-4- (5-acenaphthyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-i-propyl-4- (9-anthryl) indenyl)} zirconium dichloride Rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-i-propyl-4- (9-phenanthryl) indenyl)} zirconium dichloride,
[0065]
rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-s-butyl-4-phenylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-s-butyl-4- (α-naphthyl) indenyl )} Zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-s-butyl-4- (β-naphthyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-s-butyl-) 4- (2-methyl-1-naphthyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-s-butyl-4- (5-acenaphthyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene -Bis {1- (2-s-butyl-4- (9-anthryl) indenyl)} zirconium Mudichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-s-butyl-4- (9-phenanthryl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-n-pentyl-4-phenyl) Indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-n-pentyl-4- (α-naphthyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-n- Butyl-4-phenylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-n-butyl-4- (α-naphthyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-n-butyl-4- (β-naphthyl) indenyl)} zirconium Chloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-n-butyl-4- (2-methyl-1-naphthyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-n-butyl) -4- (5-acenaphthyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-n-butyl-4- (9-anthryl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis { 1- (2-n-butyl-4- (9-phenanthryl) indenyl)} zirconium dichloride,
[0066]
rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-i-butyl-4-phenylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-i-butyl-4- (α-naphthyl) indenyl )} Zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-i-butyl-4- (β-naphthyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-i-butyl-) 4- (2-methyl-1-naphthyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-i-butyl-4- (5-acenaphthyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene -Bis {1- (2-i-butyl-4- (9-anthryl) indenyl)} zirconium Mudichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-i-butyl-4- (9-phenanthryl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-neopentyl-4-phenylindenyl) )} Zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-neopentyl-4- (α-naphthyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-n-hexyl-4-) Phenylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-n-hexyl-4- (α-naphthyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-methylphenylsilylene-bis {1- (2- Ethyl-4-phenylindenyl)} zirconium di Chloride, rac-methylphenylsilylene-bis {1- (2-ethyl-4- (α-naphthyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-methylphenylsilylene-bis {1- (2-ethyl-4- (9- Anthryl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-methylphenylsilylene-bis {1- (2-ethyl-4- (9-phenanthryl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-diphenylsilylene-bis {1- (2-ethyl-) 4-phenylindenyl)} zirconium dichloride, rac-diphenylsilylene-bis {1- (2-ethyl-4- (α-naphthyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-diphenylsilylene-bis {1- (2-ethyl) -4- (9-anthryl) indenyl)} zirconi Um dichloride, rac-diphenylsilylene-bis {1- (2-ethyl-4- (9-phenanthryl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-diphenylsilylene-bis {1- (2-ethyl-4- (4-biphenylyl) ) Indenyl)} zirconium dichloride, rac-methylene-bis {1- (2-ethyl-4-phenylindenyl)} zirconium dichloride, rac-methylene-bis {1- (2-ethyl-4- (α-naphthyl)] Indenyl)} zirconium dichloride, rac-ethylene-bis {1- (2-ethyl-4-phenylindenyl)} zirconium dichloride, rac-ethylene-bis {1- (2-ethyl-4- (α-naphthyl) indenyl )} Zirconium dichloride, rac-ethylene-bis {1- (2-n- Propyl-4- (α-naphthyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylgermyl-bis {1- (2-ethyl-4-phenylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylgermyl-bis {1- (2-ethyl-4- (α-naphthyl) indenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylgermyl-bis {1- (2-n-propyl-4-phenylindenyl)} zirconium dichloride, and the like.
[0067]
Moreover, the compound which replaced the zirconium in the above transition metal compounds with titanium or hafnium can also be mentioned.
In the present invention, when an olefin having 3 or more carbon atoms is polymerized, a racemate of the transition metal compound (b) represented by the formula (4) is preferably used as a catalyst component.
The transition metal compound (b) represented by the formula (4) is prepared according to Journal of Organometallic Chem. 288 (1985), pp. 63-67, European Patent Application No. 320,762, and Examples. Can be manufactured.
[0068]
In the transition metal compound (b) represented by the formula (3), the transition metal compound represented by the following formula (5) can be given as a specific example of the transition metal compound in which a condensed ring is formed. .
[Chemical Formula 3]
[0069]
In formula (5), M1Represents a transition metal atom of Group 4 of the periodic table, specifically titanium, zirconium or hafnium, preferably zirconium.
In the formula (5), R1And R2May be the same as or different from each other, a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, a halogenated hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, a silicon-containing group, an oxygen-containing group, a sulfur-containing group, a nitrogen-containing group, and a phosphorus-containing group A group, a hydrogen atom or a halogen atom; Specific examples thereof include R in the formula (3).1~ RFourAnd the same atom or group.
[0070]
In the formula (5), R1Is preferably a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, and particularly preferably a hydrocarbon group having 1 to 3 carbon atoms such as methyl, ethyl, and propyl.
In the formula (5), R2Is preferably a hydrogen atom or a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, and particularly preferably a hydrogen atom or a hydrocarbon group having 1 to 3 carbon atoms such as methyl, ethyl, and propyl.
[0071]
In the formula (5), RThreeAnd RFourMay be the same or different and each represents an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms. Specific examples include methyl, ethyl, n-propyl, isopropyl, n-butyl, isobutyl, sec-butyl, tert-butyl, n-pentyl, neopentyl, n-hexyl, cyclohexyl, octyl, nonyl, dodecyl, eicosyl. , Norbornyl, adamantyl and the like. Among these, RThreeIs preferably a secondary or tertiary alkyl group.
[0072]
In the formula (5), X1And X2May be the same or different from each other, and X in the formula (3)1And X2Is the same.
In the formula (5), Y1Is Y in the formula (3)1Is the same.
[0073]
Specific examples of the transition metal compound (b) represented by the formula (5) are shown below.
rac-dimethylsilylene-bis {1- (2,7-dimethyl-4-ethylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2,7-dimethyl-4-n-propylindenyl) } Zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2,7-dimethyl-4-i-propylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2,7-dimethyl-4-) n-butylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2,7-dimethyl-4-sec-butylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2, 7-dimethyl-4-tert-butylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethyl. Silylene-bis {1- (2,7-dimethyl-4-n-pentylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2,7-dimethyl-4-n-hexylindenyl)} Zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2,7-dimethyl-4-cyclohexylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2,7-dimethyl-4-methylcyclohexylindene) Nyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2,7-dimethyl-4-phenylethylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2,7-dimethyl-4) -Phenyldichloromethylindenyl)} zirconium dichloride rac-dimethylsilylene-bis {1- (2,7-dimethyl-4-chloromethylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2,7-dimethyl-4-trimethylsilylmethylindenyl) } Zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2,7-dimethyl-4-trimethylsiloxymethylindenyl)} zirconium dichloride, rac-diethylsilylene-bis {1- (2,7-dimethyl-4- i-propylindenyl)} zirconium dichloride, rac-di (i-propyl) silylene-bis {1- (2,7-dimethyl-4-i-propylindenyl)} zirconium dichloride, rac-di (n-butyl) ) Silylene-bis {1- (2,7-dimethyl-4-i-propylin) Denyl)} zirconium dichloride, rac-di (cyclohexyl) silylene-bis {1- (2,7-dimethyl-4-i-propylindenyl)} zirconium dichloride, rac-methylphenylsilylene-bis {1- (2, 7-dimethyl-4-i-propylindenyl)} zirconium dichloride,
[0074]
rac-methylphenylsilylene-bis {1- (2,7-dimethyl-4-tert-butylindenyl)} zirconium dichloride, rac-diphenylsilylene-bis {1- (2,7-dimethyl-4-tert-butyl) Indenyl)} zirconium dichloride, rac-diphenylsilylene-bis {1- (2,7-dimethyl-4-i-propylindenyl)} zirconium dichloride, rac-diphenylsilylene-bis {1- (2,7-dimethyl) -4-ethylindenyl)} zirconium dichloride, rac-di (p-tolyl) silylene-bis {1- (2,7-dimethyl-4-i-propylindenyl)} zirconium dichloride, rac-di (p- Chlorophenyl) silylene-bis {1- (2,7-dimethyl-4-i-propylindenyl)} zyl Nium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4-i-propyl-7-ethylindenyl)} zirconium dibromide, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2,3,7- Trimethyl-4-ethylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2,3,7-trimethyl-4-n-propylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1 -(2,3,7-trimethyl-4-i-propylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2,3,7-trimethyl-4-n-butylindenyl)} zirconium Dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2,3,7-trimethyl-4-sec- Tilindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2,3,7-trimethyl-4-tert-butylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2,3, 7-trimethyl-4-n-pentylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2,3,7-trimethyl-4-n-hexylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene -Bis {1- (2,3,7-trimethyl-4-cyclohexylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2,3,7-trimethyl-4-methylcyclohexylindenyl)} Zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2,3,7-trimethyl-4-trimethylsilylmethylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2,3,7-trimethyl-4-trimethylsiloxymethylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2,3,7-trimethyl-4-phenylethylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2,3,7-trimethyl-4-phenyl) Dichloromethylindenyl)} zirconium dichloride,
[0075]
rac-dimethylsilylene-bis {1- (2,3,7-trimethyl-4-chloromethylindenyl)} zirconium dichloride, rac-diethylsilylene-bis {1- (2,3,7-trimethyl-4-i) -Propylindenyl)} zirconium dichloride, rac-di (i-propyl) silylene-bis {1- (2,3,7-trimethyl-4-i-propylindenyl)} zirconium dichloride, rac-di (n- Butyl) silylene-bis {1- (2,3,7-trimethyl-4-i-propylindenyl)} zirconium dichloride, rac-di (cyclohexyl) silylene-bis {1- (2,3,7-trimethyl-) 4-i-propylindenyl)} zirconium dichloride, rac-methylphenylsilylene-bis {1- (2,3,7- Limethyl-4-i-propylindenyl)} zirconium dichloride, rac-methylphenylsilylene-bis {1- (2,3,7-trimethyl-4-tert-butylindenyl)} zirconium dichloride, rac-diphenylsilylene- Bis {1- (2,3,7-trimethyl-4-tert-butylindenyl)} zirconium dichloride, rac-diphenylsilylene-bis {1- (2,3,7-trimethyl-4-i-propylindenyl) )} Zirconium dichloride, rac-diphenylsilylene-bis {1- (2,3,7-trimethyl-4-ethylindenyl)} zirconium dichloride, rac-di (p-tolyl) silylene-bis {1- (2, 3,7-trimethyl-4-i-propylindenyl)} zirconium dichloride, rac-di p-chlorophenyl) silylene-bis {1- (2,3,7-trimethyl-4-i-propylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4-i-propyl) -7-methylindenyl)} zirconium dimethyl, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4-i-propyl-7-methylindenyl)} zirconium methyl chloride, rac-dimethylsilylene-bis {1 -(2-Methyl-4-i-propyl-7-methylindenyl)} zirconium-bis (methanesulfonate), rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4-i-propyl-7- Methylindenyl)} zirconium-bis (p-phenylsulfinato), rac-dimethylsilylene-bis {1- (2 -Methyl-3-methyl-4-i-propyl-7-methylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4,6-di-i-propylindenyl)} Zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-ethyl-4-i-propyl-7-methylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-phenyl-4-i) -Propyl-7-methylindenyl)} zirconium dichloride, rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methylindenyl)} zirconium dichloride, rac-ethylene-bis {1- (2,4,7-trimethylindene) Nyl)} zirconium dichloride, rac-isopropylidene-bis {1- (2,4,7-trime Etc. Ruindeniru)} zirconium dichloride.
[0076]
Moreover, the compound which replaced the zirconium in the above transition metal compounds with titanium or hafnium can also be mentioned.
Among these, those having a branched alkyl group such as i-propyl, sec-butyl, and tert-butyl group at the 4-position are particularly preferable.
[0077]
In the present invention, when an olefin having 3 or more carbon atoms is polymerized, a racemate of the transition metal compound (b) represented by the formula (5) is preferably used as a catalyst component.
The transition metal compound (b) represented by the formula (5) can be synthesized from an indene derivative by a known method, for example, a method described in JP-A-4-268307.
[0078]
In the present invention, a compound represented by the following formula (6) can also be used as the transition metal compound (b).
L1M1X1 2 ... (6)
In formula (6), M1Represents a transition metal atom of Group 4 of the periodic table.
[0079]
In the formula (6), L1Is a derivative of a delocalized π bond group, and the metal M1A constraining geometry is given to the active site,
In the formula (6), X1May be the same or different from each other and are a hydrogen atom, a halogen atom, or a hydrocarbon group, a silyl group or a germanyl group containing up to 20 carbon atoms, silicon atoms or germanium atoms.
[0080]
Among the transition metal compounds (b) represented by the formula (6), transition metal compounds represented by the following formula (7) are preferable.
[Formula 4]
[0081]
In formula (7), M1Represents a transition metal atom of Group 4 of the periodic table, specifically zirconium, titanium or hafnium, preferably zirconium.
In the formula (7), Cp is M1Represents a substituted cyclopentadienyl group having a substituent Z and a derivative thereof.
[0082]
In the formula (7), Z represents an oxygen atom, a sulfur atom, a boron atom, or a ligand containing a group 14 atom of the periodic table. Specifically, -Si (R1 2)-, -C (R1 2)-, -Si (R1 2) Si (R1 2)-, -C (R1 2) C (R1 2)-, -C (R1 2) C (R1 2) C (R1 2)-, -C (R1) = C (R1)-, -C (R1 2) Si (R1 2)-, -Ge (R1 2)-And the like.
[0083]
In the formula (7), Y1Represents a ligand containing a nitrogen atom, phosphorus atom, oxygen atom or sulfur atom. Specifically, -N (R2)-, -O-, -S-, -P (R2)-And the like.
In the formula (7), Z and Y1And a condensed ring may be formed.
[0084]
R above1Is a group selected from a hydrogen atom or an alkyl group having up to 20 non-hydrogen atoms, an aryl group, a silyl group, a halogenated alkyl group, a halogenated aryl group, and combinations thereof;2Is an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, an aryl group having 6 to 10 carbon atoms or an aralkyl group having 7 to 10 carbon atoms, or one or more R1May form a fused ring system of up to 30 non-hydrogen atoms.
In the formula (7), X1Is X in the formula (6)1Is the same.
[0085]
Specific examples of the transition metal compound (b) represented by the formula (7) are shown below.
(Tert-Butylamide) (Tetramethyl-ηFive-Cyclopentadienyl) -1,2-ethanediylzirconium dichloride, (tert-butylamide) (tetramethyl-ηFive-Cyclopentadienyl) -1,2-ethanediyltitanium dichloride, (methylamide) (tetramethyl-ηFive-Cyclopentadienyl) -1,2-ethanediylzirconium dichloride, (methylamide) (tetramethyl-ηFive-Cyclopentadienyl) -1,2-ethanediyltitanium dichloride, (ethylamide) (tetramethyl-ηFive-Cyclopentadienyl) -methylenetitanium dichloride, (tert-butylamido) dimethyl (tetramethyl-ηFive-Cyclopentadienyl) silane titanium dichloride, (tert-butylamido) dimethyl (tetramethyl-ηFive-Cyclopentadienyl) silanezirconium dichloride, (benzylamido) dimethyl- (tetramethyl-ηFive-Cyclopentadienyl) silane titanium dichloride, (phenylphosphide) dimethyl (tetramethyl-ηFive-Cyclopentadienyl) silane zirconium dibenzyl and the like.
[0086]
In the present invention, a transition metal imide compound represented by the following formula (8) can also be preferably used as the transition metal compound (b).
[Chemical formula 5]
[0087]
In formula (8), M represents a group 8-10 transition metal atom in the periodic table, preferably nickel, palladium or platinum.
In the formula (8), R1~ RFourMay be the same as or different from each other and are selected from a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a halogenated hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydrocarbon-substituted silyl group, or nitrogen, oxygen, phosphorus, sulfur and silicon. The hydrocarbon group substituted by the substituent containing an at least 1 sort (s) of element is shown. R1~ RFour2 or more of these groups, preferably adjacent groups may be connected to each other to form a ring.
In said Formula (8), q shows the integer of 0-4.
[0088]
In the formula (8), X is a hydrogen atom, a halogen atom, a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, a halogenated hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, an oxygen-containing group, a sulfur-containing group, a silicon-containing group or nitrogen. When a containing group is shown and q is 2 or more, a plurality of groups represented by X may be the same as or different from each other.
[0089]
In the present invention, a transition metal amide compound represented by the following formula (9) can also be preferably used as the transition metal compound (b).
[Chemical 6]
[0090]
In formula (9), M represents a transition metal atom of Groups 3 to 6 of the periodic table, and is preferably titanium, zirconium or hafnium.
In the formula (9), R1And R2May be the same or different from each other, and may be a hydrogen atom, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a halogenated hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydrocarbon-substituted silyl group, or nitrogen, oxygen, sulfur and silicon. A substituent having at least one selected element is shown.
[0091]
In said Formula (9), m is an integer of 0-2, n is an integer of 1-5.
In the formula (9), A represents an atom of Groups 13 to 16 of the periodic table, and specific examples include boron, carbon, nitrogen, oxygen, silicon, sulfur, germanium, selenium, tin, and the like. It is preferable that When n is 2 or more, the plurality of A may be the same or different from each other.
[0092]
In the formula (9), E is a substituent having at least one element selected from carbon, hydrogen, oxygen, halogen, nitrogen, sulfur, phosphorus, boric acid and silicon. When m is 2, two E's may be the same or different from each other, or may be connected to each other to form a ring.
[0093]
In said Formula (9), q is an integer of 0-4.
In the formula (9), X is a hydrogen atom, a halogen atom, a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, a halogenated hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, an oxygen-containing group, a sulfur-containing group, a silicon-containing group or nitrogen. A containing group is shown. When q is 2 or more, the plurality of groups represented by X may be the same as or different from each other. In the formula (9), X is preferably a halogen atom, a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, or a sulfonate group.
[0094]
In the present invention, the transition metal compound (b) can be used alone or in combination of two or more.
[0095]
<< Organic boron compound (c) and / or organoaluminum oxy compound (d) >>
As the organic boron compound (c) and / or the organic aluminum oxy compound (d) used in the present invention, those described below are preferable. In particular, it is preferable to use an organic boron compound (c). Both the organoboron compound (c) and the organoaluminum oxy compound (d) can be used, or only one of them can be used.
[0096]
Examples of the organic boron compound (c) used in the present invention include JP-A-1-501950, JP-A-1-502036, JP-A-3-179005, JP-A-3-179006, and JP-A-3-17956. Examples thereof include Lewis acids, ionic compounds, borane compounds and carborane compounds described in JP-A-207703, JP-A-3-207704, USP-5321106 and the like. Such an organic boron compound (c) is a compound that reacts with the transition metal compound (b) to form an ion pair.
[0097]
As the Lewis acid used as the organoboron compound (c), BRThree(Here, R is a phenyl group or fluorine which may have a substituent such as fluorine, methyl group, trifluoromethyl group, etc.). Specific examples of the Lewis acid include trifluoroboron, triphenylboron, tris (4-fluorophenyl) boron, tris {3,5-di (trifluoromethyl) phenyl} boron, tris {3,5-di (Trifluoromethyl) -2,4,6-trifluorophenyl} boron, tris (3,5-difluorophenyl) boron, tris (4-fluoromethylphenyl) boron, tris (pentafluorophenyl) boron, tris (p -Tolyl) boron, tris (o-tolyl) boron, tris (3,5-dimethylphenyl) boron and the like.
[0098]
Examples of the ionic compound used as the organic boron compound (c) include a compound represented by the following formula (10).
[Chemical 7]
[0099]
In formula (10), R1As H+Carbonium cation, oxonium cation, ammonium cation, phosphonium cation, cycloheptyltrienyl cation, ferrocenium cation having a transition metal, and the like.
[0100]
In the formula (10), R2~ RFiveMay be the same as or different from each other, and are an organic group, preferably an aryl group or a substituted aryl group.
In the formula (10), R1Specific examples of the carbonium cation represented by the formula include trisubstituted carbonium cations such as a triphenylcarbonium cation, a tri (methylphenyl) carbonium cation, and a tri (dimethylphenyl) carbonium cation.
[0101]
In the formula (10), R1Specific examples of the ammonium cation represented by the above formula include trialkylammonium cations such as trimethylammonium cation, triethylammonium cation, tripropylammonium cation, tributylammonium cation, and tri (n-butyl) ammonium cation; N, N-dimethyl N, N-dialkylanilinium cations such as anilinium cation, N, N-diethylanilinium cation, N, N-2,4,6-pentamethylanilinium cation; di (isopropyl) ammonium cation, dicyclohexylammonium cation, etc. And dialkylammonium cations.
[0102]
In the formula (10), R1Specific examples of the phosphonium cation represented by the formula include triarylphosphonium cations such as triphenylphosphonium cation, tri (methylphenyl) phosphonium cation, and tri (dimethylphenyl) phosphonium cation.
[0103]
In the formula (10), R1Carbonium cation, ammonium cation and the like are preferable, and triphenylcarbonium cation, N, N-dimethylanilinium cation and N, N-diethylanilinium cation are particularly preferable.
[0104]
Examples of the ionic compound used as the organoboron compound (c) include trialkyl-substituted ammonium salts, N, N-dialkylanilinium salts, dialkylammonium salts, and triarylphosphonium salts.
[0105]
Specific examples of the trialkyl-substituted ammonium salt used as the ionic compound include triethylammonium tetra (phenyl) boron, tripropylammonium tetra (phenyl) boron, tri (n-butyl) ammonium tetra (phenyl) boron, and trimethylammonium. Tetra (p-tolyl) boron, trimethylammonium tetra (o-tolyl) boron, tri (n-butyl) ammonium tetra (pentafluorophenyl) boron, tripropylammonium tetra (o, p-dimethylphenyl) boron, tri (n -Butyl) ammonium tetra (m, m-dimethylphenyl) boron, tri (n-butyl) ammonium tetra (p-trifluoromethylphenyl) boron, tri (n-butyl) ammonium tetra (3,5- Trifluoromethylphenyl) boron, tri (n- butyl) ammonium tetra (o-tolyl) boron and the like.
[0106]
Specific examples of the N, N-dialkylanilinium salt used as the ionic compound include N, N-dimethylanilinium tetra (phenyl) boron, N, N-diethylanilinium tetra (phenyl) boron, and N, N. -2,4,6-pentamethylanilinium tetra (phenyl) boron and the like.
Specific examples of the dialkylammonium salt used as the ionic compound include di (1-propyl) ammonium tetra (pentafluorophenyl) boron and dicyclohexylammonium tetra (phenyl) boron.
[0107]
Furthermore, as an ionic compound used as the organic boron compound (c), triphenylcarbenium tetrakis (pentafluorophenyl) borate, triphenylcarbeniumtetrakis {3,5-di (trifluoromethyl) phenyl} borate, triphenyl Carbenium tetrakis {3,5-di (trifluoromethyl) -2,4,6-trifluorophenyl} borate, N, N-dimethylanilinium tetrakis (pentafluorophenyl) borate, N, N-dimethylanilinium tetrakis {3,5-di (trifluoromethyl) phenyl} borate, N, N-dimethylanilinium tetrakis {3,5-di (trifluoromethyl) -2,4,6-trifluorophenyl} borate, ferrocenium Tetra (pentafluorophenyl Borate, triphenylcarbenium pentaphenyl cyclopentadienyl complexes, N, N-diethyl anilinium pentaphenyl cyclopentadienyl complexes, it may be mentioned such as a boron compound represented by the following formula (11) or formula (12).
[0108]
[Chemical 8]
(In the formula (11), Et is —CH.2CHThreeIt is. )
[0109]
Specific examples of the borane compound used as the organoboron compound (c) include decaborane (14);
Bis [tri (n-butyl) ammonium] nonaborate, bis [tri (n-butyl) ammonium] decaborate, bis [tri (n-butyl) ammonium] undecaborate, bis [tri (n-butyl) ammonium] dodecaborate Salts of anions such as bis [tri (n-butyl) ammonium] decachlorodecaborate, bis [tri (n-butyl) ammonium] dodecachlorododecaborate;
Of metal borane anions such as tri (n-butyl) ammonium bis (dodecahydridododecaborate) cobaltate (III) and bis [tri (n-butyl) ammonium] bis (dodecahydridododecaborate) nickate (III) Examples include salt.
[0110]
Specific examples of the carborane compound used as the organoboron compound (c) include 4-carbanonaborane (14), 1,3-dicarbanonaborane (13), 6,9-dicarbadecarborane (14), dodeca Hydride-1-phenyl-1,3-dicarbanonaborane, dodecahydride-1-methyl-1,3-dicarbanonaborane, undecahydride-1,3-dimethyl-1,3-dicarbanonaborane, 7,8-dicarbaound decaborane (13), 2,7-dicarbaound decaborane (13), undecahydride-7,8-dimethyl-7,8-dicarboundecarborane, dodecahydride-11-methyl- 2,7-dicarbaundecaborane, tri (n-butyl) ammonium 1-carbadecaborate, tri (n-butyl) ammonium 1-carbaundecaborate, tri (n-butyl) ammonium 1-carbadodecaborate, tri (n-butyl) ammonium 1-trimethylsilyl-1-carbadecaborate, tri (n-butyl) ammonium bromo-1-carbadodeca Borate, tri (n-butyl) ammonium 6-carbadecaborate (14), tri (n-butyl) ammonium 6-carbadecaborate (12), tri (n-butyl) ammonium 7-carbaundecaborate (13) , Tri (n-butyl) ammonium 7,8-dicarbaundecaborate (12), tri (n-butyl) ammonium 2,9-dicarbaundecaborate (12), tri (n-butyl) ammonium dodecahydride-8 -Methyl-7,9-dicarbaundecaborate, tri (n- Til) ammonium undecahydride-8-ethyl-7,9-dicarbaundecaborate, tri (n-butyl) ammonium undecahydride-8-butyl-7,9-dicarbaundecaborate, tri (n-butyl) Ammonium undecahydride-8-allyl-7,9-dicarbaundecaborate, tri (n-butyl) ammonium undecahydride-9-trimethylsilyl-7,8-dicarbaundecaborate, tri (n-butyl) ammonium A salt of an anion such as decahydride-4,6-dibromo-7-carbaundecaborate;
Tri (n-butyl) ammonium bis (nonahydride-1,3-dicarbanonaborate) cobaltate (III), tri (n-butyl) ammonium bis (undecahydride-7,8-dicarbaundecaborate) Ferrate (III), tri (n-butyl) ammonium bis (undecahydride-7,8-dicarbaundecaborate) cobaltate (III), tri (n-butyl) ammonium bis (undecahydride-7) , 8-dicarbaundecaborate) nickelate (III), tri (n-butyl) ammonium bis (undecahydride-7,8-dicarbundecaborate) cuprate (III), tri (n-butyl) Ammonium bis (undecahydride-7,8-dicarbaundecaborate) aurate (III), tri (n-butyl) a Monium bis (nonahydride-7,8-dimethyl-7,8-dicarbaundecaborate) ferrate (III), tri (n-butyl) ammonium bis (nonahydride-7,8-dimethyl-7,8-dicar (Boundecaborate) chromate (III), tri (n-butyl) ammonium bis (tribromooctahydride-7,8-dicarboundeborate) cobaltate (III), tris [tri (n-butyl) ammonium Bis (undecahydride-7-carbaundecaborate) chromate (III), bis [tri (n-butyl) ammonium] bis (undecahydride-7-carbaundecaborate) manganate (IV) Bis [tri (n-butyl) ammonium] bis (undecahydride-7-carbaundecaborate Cobaltate (III), bis [tri (n- butyl) ammonium] bis salt of a metal carborane anions such as (carborane borate) nickelate (IV) and the like.
[0111]
An organic boron compound (c) can also be used individually by 1 type, and can also be used in combination of 2 or more type.
[0112]
The organoaluminum oxy compound (d) used in the present invention may be a conventionally known aluminoxane or a benzene-insoluble organoaluminum oxy compound as exemplified in JP-A-2-78687. .
[0113]
A conventionally well-known aluminoxane can be manufactured, for example with the following method, and is normally obtained as a solution of a hydrocarbon solvent.
(1) Compounds containing adsorbed water or salts containing water of crystallization, such as magnesium chloride hydrate, copper sulfate hydrate, aluminum sulfate hydrate, nickel sulfate hydrate, first cerium chloride hydrate, etc. A method of reacting adsorbed water or crystal water with an organoaluminum compound by adding an organoaluminum compound such as trialkylaluminum to the above suspension of the hydrocarbon medium.
(2) A method of allowing water, ice or water vapor to act directly on an organoaluminum compound such as trialkylaluminum in a medium such as benzene, toluene, ethyl ether or tetrahydrofuran.
(3) A method in which an organotin oxide such as dimethyltin oxide or dibutyltin oxide is reacted with an organoaluminum compound such as trialkylaluminum in a medium such as decane, benzene, or toluene.
[0114]
The aluminoxane obtained by the above method may contain a small amount of an organometallic component. Further, after removing the solvent or the unreacted organoaluminum compound from the recovered aluminoxane solution by distillation, it may be redissolved in a solvent or suspended in a poor aluminoxane solvent.
[0115]
Examples of the organoaluminum compound used in preparing the aluminoxane include the same organoaluminum compounds as those exemplified as the organoaluminum compound belonging to the organometallic compound (g) described later. As the organoaluminum compound used in preparing the aluminoxane, trialkylaluminum and tricycloalkylaluminum are preferable, and trimethylaluminum is particularly preferable. In preparing the aluminoxane, the organoaluminum compound can be used alone or in combination of two or more.
[0116]
Solvents used for the preparation of aluminoxane include aromatic hydrocarbons such as benzene, toluene, xylene, cumene, and cymene, aliphatic hydrocarbons such as pentane, hexane, heptane, octane, decane, dodecane, hexadecane, and octadecane, and cyclopentane. , Cycloaliphatic hydrocarbons such as cyclohexane, cyclooctane and methylcyclopentane, petroleum fractions such as gasoline, kerosene and light oil, or halides of the above aromatic hydrocarbons, aliphatic hydrocarbons and alicyclic hydrocarbons, especially chlorine And hydrocarbon solvents such as bromide and bromide. Furthermore, ethers such as ethyl ether and tetrahydrofuran can also be used. Of these, aromatic hydrocarbons or aliphatic hydrocarbons are preferred.
[0117]
The benzene-insoluble organoaluminum oxy compound used as the organoaluminum oxy compound (d) is such that the Al component dissolved in benzene at 60 ° C. is usually 10% by weight or less, preferably 5% by weight or less, particularly preferably 2% by weight in terms of Al atoms. % Or less and insoluble or hardly soluble in benzene.
[0118]
Examples of the organoaluminum oxy compound (d) used in the present invention include an organoaluminum oxy compound containing boron represented by the following formula (13).
[Chemical 9]
[0119]
In formula (13), R1Represents a hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms.
In the formula (13), R2May be the same or different and each represents a hydrogen atom, a halogen atom or a hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms.
[0120]
The organoaluminum oxy compound (d) containing boron represented by the formula (13) is represented by the following formula (14).
R1-B- (OH)2 ... (14)
(In formula (14), R1Represents the same group as described above. )
And an organoaluminum compound in an inert solvent under an inert gas atmosphere at a temperature of −80 ° C. to room temperature for 1 minute to 24 hours.
[0121]
Specific examples of the alkyl boronic acid represented by the formula (14) include methyl boronic acid, ethyl boronic acid, isopropyl boronic acid, n-propyl boronic acid, n-butyl boronic acid, isobutyl boronic acid, and n-hexyl boronic acid. Cyclohexylboronic acid, phenylboronic acid, 3,5-difluoroboronic acid, pentafluorophenylboronic acid, 3,5-bis (trifluoromethyl) phenylboronic acid, and the like. Among these, methyl boronic acid, n-butyl boronic acid, isobutyl boronic acid, 3,5-difluorophenyl boronic acid, and pentafluorophenyl boronic acid are preferable. These can be used individually by 1 type, and can also be used in combination of 2 or more type.
[0122]
Specific examples of the organoaluminum compound to be reacted with the alkylboronic acid represented by the formula (14) include the same organoaluminum compounds exemplified as the organoaluminum compounds belonging to the organometallic compound (g) described later. It is done. As the organoaluminum compound to be reacted with the alkylboronic acid, trialkylaluminum and tricycloalkylaluminum are preferable, and trimethylaluminum, triethylaluminum, and triisobutylaluminum are particularly preferable.
[0123]
<< Organic metal compound (g) >>
In this invention, when performing prepolymerization, an organometallic compound (g) can be added as needed. A stable prepolymerization activity can be obtained by adding the organometallic compound (g). Specific examples of the organometallic compound (g) used as necessary in the present invention include the following organometallic compounds of Groups 1, 2 and 12, 13 of the periodic table.
[0124]
(G-1) Formula: R1mAl (OR2nHpXq
(Wherein R1And R2May be the same or different and each represents a hydrocarbon group having 1 to 15 carbon atoms, preferably 1 to 4 carbon atoms, X represents a halogen atom, m is 0 <m ≦ 3, and n is 0 ≦ n <3. , P is a number 0 ≦ p <3, q is a number 0 ≦ q <3, and m + n + p + q = 3. )
An organoaluminum compound represented by
[0125]
(G-2) Formula: M1AlR1 Four
(Where M1Represents Li, Na or K, R1Represents a hydrocarbon group having 1 to 15 carbon atoms, preferably 1 to 4 carbon atoms. )
A complex alkylated product of a Group 1 metal and aluminum represented by the formula:
[0126]
(G-3) Formula: R1R2M1
(Wherein R1And R2May be the same as or different from each other, and represents a hydrocarbon group having 1 to 15 carbon atoms, preferably 1 to 4 carbon atoms;1Is Mg, Zn or Cd. )
A dialkyl compound of a group 2 or group 12 metal represented by:
[0127]
Examples of the organoaluminum compound belonging to (g-1) include the following compounds.
R1 mAl (OR2)3-m
(Wherein R1And R2May be the same or different and each represents a hydrocarbon group having 1 to 15 carbon atoms, preferably 1 to 4 carbon atoms, and m is preferably a number of 1.5 ≦ m ≦ 3. )
An organoaluminum compound represented by
R1 mAlX3-m
(Wherein R1Represents a hydrocarbon group having 1 to 15 carbon atoms, preferably 1 to 4 carbon atoms, X represents a halogen atom, and m is preferably 0 <m <3. )
An organoaluminum compound represented by
R1 mAlH3-m
(Wherein R1Represents a hydrocarbon group having 1 to 15 carbon atoms, preferably 1 to 4 carbon atoms, and m is preferably 2 ≦ m <3. )
An organoaluminum compound represented by
R1 mAl (OR2)nXq
(Wherein R1And R2May be the same or different and each represents a hydrocarbon group having 1 to 15 carbon atoms, preferably 1 to 4 carbon atoms, X represents a halogen atom, m is 0 <m ≦ 3, and n is 0 ≦ n <3. , Q is a number 0 ≦ q <3 and m + n + q = 3. )
An organoaluminum compound represented by
[0128]
More specifically, as the organoaluminum compound belonging to the above (g-1),
Tri-n-alkylaluminums such as trimethylaluminum, triethylaluminum, tri-n-butylaluminum, tripropylaluminum, tripentylaluminum, trihexylaluminum, trioctylaluminum, tridecylaluminum;
Triisopropylaluminum, triisobutylaluminum, trisec-butylaluminum, tritert-butylaluminum, tri-2-methylbutylaluminum, tri-3-methylbutylaluminum, tri-2-methylpentylaluminum, tri-3-methylpentylaluminum, tri-4 A tri-branched alkylaluminum such as methylpentylaluminum, tri-2-methylhexylaluminum, tri-3-methylhexylaluminum, tri-2-ethylhexylaluminum;
Tricycloalkylaluminum such as tricyclohexylaluminum, tricyclooctylaluminum;
Triarylaluminums such as triphenylaluminum and tolylylaluminum;
Dialkylaluminum hydrides such as diisobutylaluminum hydride, diisobutylaluminum hydride;
(I-CFourH9) xAly (CFiveHTen) z (wherein x, y, z are positive numbers, z ≧ 2x), and the like, trialkenylaluminum such as triisoprenylaluminum;
Alkyl aluminum alkoxides such as isobutyl aluminum methoxide, isobutyl aluminum ethoxide, isobutyl aluminum isopropoxide;
Dialkylaluminum alkoxides such as dimethylaluminum methoxide, diethylaluminum ethoxide, dibutylaluminum butoxide;
Alkylaluminum sesquialkoxides such as ethylaluminum sesquiethoxide and butylaluminum sesquibutoxide;
R1 2.5Al (OR2)0.5A partially alkoxylated alkylaluminum having an average composition represented by:
Diethylaluminum phenoxide, diethylaluminum (2,6-di-t-butyl-4-methylphenoxide), ethylaluminum bis (2,6-di-t-butyl-4-methylphenoxide), diisobutylaluminum (2,6- Dialkylaluminum aryloxides such as di-t-butyl-4-methylphenoxide), isobutylaluminum bis (2,6-di-t-butyl-4-methylphenoxide);
Dialkylaluminum halides such as dimethylaluminum chloride, diethylaluminum chloride, dibutylaluminum chloride, diethylaluminum bromide, diisobutylaluminum chloride;
Alkyl aluminum sesquihalides such as ethylaluminum sesquichloride, butylaluminum sesquichloride, ethylaluminum sesquibromide; partially halogenated alkylaluminums such as alkylaluminum dihalides such as ethylaluminum dichloride, propylaluminum dichloride, butylaluminum dibromide ;
Dialkylaluminum hydrides such as diethylaluminum hydride, dibutylaluminum hydride;
Other partially hydrogenated alkylaluminums such as alkylaluminum dihydrides such as ethylaluminum dihydride, propylaluminum dihydride;
Examples thereof include partially alkoxylated and halogenated alkylaluminums such as ethylaluminum ethoxy chloride, butylaluminum butoxychloride, and ethylaluminum ethoxybromide.
[0129]
Moreover, the compound similar to said (g-1) can also be used, for example, the organoaluminum compound which two or more aluminum compounds couple | bonded through the nitrogen atom is mention | raise | lifted. Specific examples of such compounds include (C2HFive)2AlN (C2HFive) Al (C2HFive)2Etc.
[0130]
Examples of the compound belonging to the above (g-2) include LiAl (C2HFive)Four, LiAl (C7H15)FourEtc.
In addition, as the organometallic compound (g), methyl lithium, ethyl lithium, propyl lithium, butyl lithium, methyl magnesium bromide, methyl magnesium chloride, ethyl magnesium bromide, ethyl magnesium chloride, propyl magnesium bromide, propyl magnesium chloride, Butyl magnesium bromide, butyl magnesium chloride, dimethyl magnesium, diethyl magnesium, dibutyl magnesium, butyl ethyl magnesium and the like can be used.
[0131]
Further, a compound that can form the organoaluminum compound in the polymerization system, for example, a combination of aluminum halide and alkyl lithium, or a combination of aluminum halide and alkyl magnesium can be used.
[0132]
Among the compounds exemplified as the organometallic compound (g), alkylaluminum can be used as a scavenger for the prepolymerization reaction system.
[0133]
《Olefin polymerization catalyst》
The catalyst for olefin polymerization of the present invention is the porous carrier (a).In, Transition metal compounds (b), and organoboron compounds (c) and / or organoaluminum oxy compounds (d)In the presence of a solid catalyst component loaded withThe monomer (e) having a polymerizable double bond is prepolymerized in a medium in which the transition metal compound (b) is not substantially dissolved.And the medium in which the transition metal compound (b) is not substantially dissolved is the fluorine-containing organic compound (f).It is a solid catalyst for olefin polymerization. Pre-polymerization isA solid catalyst component in which the catalyst components (b) to (d) are supported on the carrier (a);It can be performed by bringing the monomer (e) having a polymerizable double bond into contact with a medium in which the transition metal compound (b) is not substantially dissolved.
[0134]
Examples of the monomer (e) having a polymerizable double bond include α-olefins, polar group-containing compounds, vinyl compounds, and polyene compounds. Of these, α-olefins are preferred. Monomers (e) having a polymerizable double bond can be used alone or in combination of two or more. The monomer (e) used for prepolymerization may be the same as or different from the olefin used in the main polymerization.
[0135]
Specific examples of the α-olefin used as the monomer (e) having a polymerizable double bond include ethylene, propylene, 1-butene, 1-pentene, 3-methyl-1-butene, 1-hexene, 4 2-20 carbon atoms such as -methyl-1-pentene, 3-methyl-1-pentene, 1-octene, 1-decene, 1-dodecene, 1-tetradecene, 1-hexadecene, 1-octadecene, 1-eicocene, Preferably 2-8 linear α-olefins; cyclopentene, cycloheptene, norbornene, 5-methyl-2-norbornene, tetracyclododecene, 2-methyl 1,4,5,8-dimethano-1,2,3 Examples thereof include cyclic olefins having 3 to 20, preferably 5 to 12, carbon atoms such as 4,4a, 5,8,8a-octahydronaphthalene.
[0136]
Specific examples of the polar group-containing compound used as the monomer (e) having a polymerizable double bond include acrylic acid, methacrylic acid, fumaric acid, maleic anhydride, itaconic acid, itaconic anhydride, bicyclo [2. 2.1] α, β-unsaturated carboxylic acids such as-5-heptene-2,3-dicarboxylic acid, and metal salts such as sodium, potassium, lithium, zinc, magnesium and calcium salts thereof Methyl acrylate, ethyl acrylate, n-propyl acrylate, isopropyl acrylate, n-butyl acrylate, isobutyl acrylate, tert-butyl acrylate, 2-ethylhexyl acrylate, methyl methacrylate, ethyl methacrylate, methacryl N-propyl acid, isopropyl methacrylate, n-butyl methacrylate, Α, β-unsaturated carboxylic acid esters such as isobutyl tacrylate; vinyl esters such as vinyl acetate, vinyl propionate, vinyl caproate, vinyl caprate, vinyl laurate, vinyl stearate, vinyl trifluoroacetate; acrylic acid And unsaturated glycidyl such as glycidyl, glycidyl methacrylate, and monoglycidyl itaconate.
[0137]
Specific examples of the vinyl compound used as the monomer (e) having a polymerizable double bond include styrene and vinylcyclohexane.
Examples of the polyene compound used as the monomer (e) having a polymerizable double bond include non-conjugated dienes or polyenes. Specific examples include butadiene, isoprene, 1,4-pentadiene, 1,4-hexadiene, 1,5-hexadiene, 1,4-octadiene, 1,5-octadiene, 1,6-octadiene, 1,7-octadiene, ethylidene norbornene, vinyl norbornene, dicyclopentadiene, 7-methyl-1,6-octadiene, 4-ethylidene-8-methyl-1,7-nonadiene, 5,9-dimethyl-1,4,8, -decatriene, divinylbenzene, and the like.
[0138]
In the present invention, the medium used in the prepolymerization is a medium in which the transition metal compound (b) is not substantially dissolved.And the fluorine-containing organic compound (f) isCan be used. Here, “substantially does not dissolve” is defined as follows. That is, first, the transition metal compound (b) used in the prepolymerization is dissolved in an organic solvent such as toluene so as to have a concentration of 0.3 mg-transition metal / ml. This organic solvent solution (for example, toluene solution) and the medium used in the prepolymerization are mixed at a volume ratio of 1: 1, and stirred for 10 minutes at the same temperature as the temperature at which the prepolymerization is performed. Next, this mixed solution is allowed to stand for 10 minutes while maintaining the same temperature as the temperature at which prepolymerization is performed. Then, a part is extracted as a sample from the medium phase used in the prepolymerization or the phase mainly containing the medium used in the prepolymerization. For this sample, the transition metal concentration is measured by ICP (High Frequency Inductively Coupled Plasma) emission spectroscopy. As a result, when the concentration of the transition metal derived from the transition metal compound (b) is 0.001 mg / ml or less, the medium is defined as “substantially insoluble”.
[0139]
In the case of a medium determined to be “substantially insoluble” in the above method, the mixed solution of the medium and the organic solvent solution in which the transition metal compound (b) is dissolved is usually in a suspended state and does not become a uniform solution. .
In addition, it can be presumed that the sample obtained by performing the above operation is “substantially undissolved” because the sample is not colored by visual observation.
[0140]
Used in pre-polymerization in the present inventionTransitionMedium in which transfer metal compound (b) is not substantially dissolvedUse asExamples of the fluorine-containing organic compound (f) include fluorine-containing organic compounds in which a part or all of the hydrogen of the aliphatic hydrocarbon, alicyclic hydrocarbon or aromatic hydrocarbon is substituted with fluorine.
[0141]
Specific examples of the fluorine-containing organic compound (f) in which part or all of the aliphatic hydrocarbon is substituted with fluorine include perfluorohexane, perfluoroheptane, perfluorooctane, perfluorononane, and the like. Preferred examples include 20 aliphatic fluorine-containing organic compounds.
Specific examples of the fluorine-containing organic compound (f) in which part or all of the alicyclic hydrocarbons are substituted with fluorine include perfluoromethylcyclohexane, perfluoro-1,3-dimethylcyclohexane, perfluorodecalin, and the like. Examples thereof include alicyclic fluorine-containing organic compounds having 6 to 14 carbon atoms constituting the ring.
[0142]
Specific examples of the fluorine-containing organic compound (f) in which a part or all of the aromatic hydrocarbons are substituted with fluorine include aromatic groups having 6 to 14 carbon atoms constituting the ring, such as perfluorotoluene. Examples thereof include fluorine-containing organic compounds.
As the fluorine-containing organic compound (f) used for the prepolymerization as a medium in which the transition metal compound (b) is not substantially dissolved, perfluorohexane, perfluoromethylcyclohexane, perfluorooctane and the like are preferable.
[0143]
The amount of each component used in the prepolymerization is 0.0001 to 0.1 mmol, preferably 0.005 to 0.05 mmol for the transition metal compound (b) with respect to 1 gram of the porous carrier (a). Is desirable. The organoboron compound (c) has a molar ratio [boron / M] of boron in the organoboron compound (c) and transition metal atom (M) in the transition metal compound (b) of usually 0.1-100. It is desirable to use it in an amount of preferably 1 to 5. The organoaluminum oxy compound (d) has a molar ratio (Al / M) between the aluminum atom (Al) in the organoaluminum oxy compound (d) and the transition metal atom (M) in the transition metal compound (b). Usually, it is desirable to use in an amount of 10 to 1000, preferably 30 to 300.
When the organometallic compound (g) is used, the molar ratio [metal atom / M] of the metal atom in the organometallic compound (g) and the transition metal atom (M) in the transition metal compound (b) is Usually, it is desirable to use in an amount of 10 to 1000, preferably 30 to 300. The amount of the medium in which the transition metal compound (b) is not substantially dissolved is 1 to 1000 ml, preferably 2 to 200 ml, with respect to 1 g of the porous carrier (a).
[0144]
In the prepolymerization, the polymerization temperature is usually −20 to 80 ° C., preferably 0 to 30 ° C., and the polymerization pressure is usually normal pressure to 100 kgf / cm.2(Gauge pressure), preferably normal pressure to 50 kgf / cm2(Gauge pressure) and the slurry concentration is 0.01 to 1 g / ml, preferably 0.05 to 0.5 g / ml. The prepolymerization can be performed in any of batch, semi-continuous and continuous methods. The prepolymerization can also be carried out by two or more multistage polymerizations having different reaction conditions.
[0145]
At the time of prepolymerization, if necessary, a small amount of a hydrocarbon solvent capable of dissolving the transition metal compound (b), for example, an organic solvent such as hexane or toluene can be used. Moreover, a small amount of organometallic compound (g), a dispersion stabilizer, etc. can also be used at the time of prepolymerization as needed. The dispersion stabilizer includes a medium such as a fluorine-containing organic compound (f) and at least one catalyst component selected from the group consisting of the catalyst components (a), (b), (c) and (d). A surfactant having an affinity group for each can be used.
[0146]
The amount of polymerization by pre-polymerization (hereinafter sometimes referred to as pre-polymerization amount) is 0.1 to 100, preferably 1 to 10 in terms of the ratio of the number of grams of the produced polymer to 1 g of the porous carrier (a). Is desirable.
By performing prepolymerization in a medium in which the transition metal compound (b) is not substantially dissolved, the olefin polymerization catalyst of the present invention is obtained as a slurry. After the prepolymerization, this slurry can be used for the main polymerization as it is, or the olefin polymerization catalyst can be separated and used for the main polymerization.
[0147]
The specific manufacturing method which manufactures the catalyst for olefin polymerization of this invention is illustrated below.
(1) Toluene solution of transition metal compound (b) and organoboron compound (c) and / or organoaluminum oxy compound (d) is added to and contacted with porous carrier (a). At this time, an organoaluminum compound belonging to the organometallic compound (g) can be used as necessary. Thereafter, the toluene is removed, and the transition metal compound (b) and the organoboron compound (c) and / or the organoaluminum oxy compound (d) are used in the pores of the porous carrier (a), if necessary. A solid catalyst component carrying the organoaluminum compound was obtained. Next, the solid catalyst component and a medium in which the transition metal compound (b) is not substantially dissolved are added to the reactor, and a monomer (e) having a polymerizable double bond is introduced into the reactor to perform prepolymerization. I do.
[0148]
(2) A solid in which a monomer containing an aromatic ring and / or a polar group is polymerized in the pores of the porous carrier (a), and the pores of the porous carrier (a) are filled (supported) with a filled polymer. Prepare ingredients. Next, a toluene solution of the transition metal compound (b) and the organoboron compound (c) and / or the organoaluminum oxy compound (d) is added to and brought into contact with the solid component. At this time, an organoaluminum compound belonging to the organometallic compound (g) can be used as necessary. Thereafter, toluene is removed, and the filled polymer, transition metal compound (b), organoboron compound (c) and / or organoaluminum oxycompound (d), and further into the pores of the porous carrier (a), as necessary A solid catalyst component carrying the organoaluminum compound used accordingly is obtained. Next, the solid catalyst component and a medium in which the transition metal compound (b) is not substantially dissolved are added to the reactor, and a monomer (e) having a polymerizable double bond is introduced into the reactor to perform prepolymerization. I do.
[0149]
Although the olefin polymerization catalyst of the present invention thus obtained is a supported catalyst, it exhibits the same performance as a homogeneous catalyst. Therefore, by polymerizing an olefin using the olefin polymerization catalyst of the present invention, a granular olefin polymer having a high bulk density and a narrow particle size distribution can be obtained efficiently. In the olefin polymerization catalyst of the present invention, since the catalyst components (b) to (d) are firmly supported on the porous carrier (a), the catalyst component is a reaction medium during olefin polymerization (main polymerization). It does not elute into the inside, and therefore, the amorphous polymer does not adhere to the wall surface of the polymerization vessel. Furthermore, the catalyst for olefin polymerization of the present invention can support the catalyst component (b) to (d) firmly without introducing a functional group or the like into the catalyst component when the catalyst component is supported on the porous carrier (a). Therefore, the catalytic activity does not decrease, a high catalytic activity is exhibited, and it can be produced at a low cost.
[0150]
<Manufacture of olefin polymer>
The method for producing an olefin polymer of the present invention produces an olefin polymer by polymerizing or copolymerizing (hereinafter, simply referred to as polymerization) an olefin in the presence of the olefin polymerization catalyst of the present invention as described above ( This may be referred to as “main polymerization”. For the polymerization, a known method can be employed. For example, a liquid phase polymerization method such as suspension polymerization, slurry polymerization, bulk polymerization, or a gas phase polymerization method can be employed.
[0151]
As the inert hydrocarbon medium used when the main polymerization is performed by a liquid phase polymerization method, aliphatic hydrocarbons such as propane, butane, pentane, hexane, heptane, octane, decane, dodecane, kerosene; cyclopentane, cyclohexane, Examples thereof include alicyclic hydrocarbons such as methylcyclopentane; aromatic hydrocarbons such as benzene, toluene and xylene; halogenated hydrocarbons such as ethylene chloride, chlorobenzene and dichloromethane, or mixtures thereof. Moreover, the olefin itself to be polymerized can be used as a solvent.
[0152]
Examples of olefins that can be polymerized by the olefin polymerization catalyst of the present invention include α-olefins, polar monomers having a polar group and a polymerizable double bond, vinyl compounds, and polyene compounds.
[0153]
Specific examples of the α-olefin that can be polymerized by the olefin polymerization catalyst of the present invention include ethylene, propylene, 1-butene, 1-pentene, 3-methyl-1-butene, 1-hexene, 4- Chains having 2 to 20 carbon atoms such as methyl-1-pentene, 3-methyl-1-pentene, 1-octene, 1-decene, 1-dodecene, 1-tetradecene, 1-hexadecene, 1-octadecene, 1-eicocene Α-olefin: cyclopentene, cycloheptene, norbornene, 5-methyl-2-norbornene, tetracyclododecene, 2-methyl 1,4,5,8-dimethano-1,2,3,4,4a, 5,8 , 8a-octahydronaphthalene and the like, and cyclic olefins having 3 to 20 carbon atoms.
[0154]
Specific examples of the polar monomer that can be polymerized by the olefin polymerization catalyst of the present invention include acrylic acid, methacrylic acid, fumaric acid, maleic anhydride, itaconic acid, itaconic anhydride, bicyclo [2.2.1. ] Α, β-unsaturated carboxylic acids such as-5-heptene-2,3-dicarboxylic acid, and metal salts such as sodium, potassium, lithium, zinc, magnesium and calcium salts thereof; acrylic acid Methyl, ethyl acrylate, n-propyl acrylate, isopropyl acrylate, n-butyl acrylate, isobutyl acrylate, tert-butyl acrylate, 2-ethylhexyl acrylate, methyl methacrylate, ethyl methacrylate, n-methacrylic acid n- Propyl, isopropyl methacrylate, n-butyl methacrylate, meta Α, β-unsaturated carboxylic acid esters such as isobutyl crylate; vinyl esters such as vinyl acetate, vinyl propionate, vinyl caproate, vinyl caprate, vinyl laurate, vinyl stearate, vinyl trifluoroacetate; acrylic acid And unsaturated glycidyl such as glycidyl, glycidyl methacrylate, and monoglycidyl itaconate.
[0155]
Furthermore, in the olefin polymerization catalyst of the present invention, vinyl compounds such as styrene and vinylcyclohexane; butadiene, isoprene, 1,4-pentadiene, 1,4-hexadiene, 1,5-hexadiene, 1,4-octadiene, 1, 5-octadiene, 1,6-octadiene, 1,7-octadiene, ethylidene norbornene, vinyl norbornene, dicyclopentadiene, 7-methyl-1,6-octadiene, 4-ethylidene-8-methyl-1,7-nonadiene, Polyene compounds such as 5,9-dimethyl-1,4,8, -decatriene and divinylbenzene can also be polymerized.
[0156]
In the case of producing an olefin polymer using the olefin polymerization catalyst of the present invention, the amount of the olefin polymerization catalyst used is usually 0.00001 to 0.1 mmol, preferably 0.00001 to 0.1 mmol per reaction volume liter of the transition metal compound (b). Is preferably used in an amount of 0.0001 to 0.01 mmol. When the olefin polymerization catalyst is used in such an amount, the other catalyst components are usually used in the following amounts. That is, in the organic boron compound (c), the molar ratio (boron / M) of boron in the organic boron compound (c) to the transition metal atom (M) in the transition metal compound (b) is usually 0.00. It is used in an amount of 1 to 100, preferably 1 to 5. The organoaluminum oxy compound (d) has a molar ratio (Al / M) between the aluminum atom (Al) in the organoaluminum oxy compound (d) and the transition metal atom (M) in the transition metal compound (b). Usually, it is used in an amount of 10 to 10,000, preferably 30 to 1,000. When the organometallic compound (g) is used for prepolymerization, the molar ratio of the metal atom in the organometallic compound (g) to the transition metal atom (M) in the transition metal compound (b) (metal Atom / M) is usually used in an amount of 10 to 10000, preferably 100 to 1000.
[0157]
The polymerization conditions of the olefin using the catalyst for olefin polymerization of the present invention are as follows. The temperature is usually −50 to 200 ° C., preferably 0 to 170 ° C., and the pressure is usually normal pressure to 100 kgf / cm.2(Gauge pressure), preferably normal pressure to 50 kgf / cm2(Gauge pressure) is desirable. The polymerization reaction can be carried out in any of batch, semi-continuous and continuous methods. Polymerization can also be carried out by two or more stages of polymerization with different reaction conditions.
[0158]
The molecular weight of the olefin polymer produced can be adjusted by a method such as the presence of hydrogen in the polymerization system or the selection of the polymerization temperature. Moreover, it can also adjust by selecting the kind or quantity of an organic boron compound (c), an organometallic compound (g), etc. to be used.
[0159]
By polymerizing olefins in this way, even if a supported catalyst is used, the same performance as a homogeneous catalyst is exhibited, and a bulk olefin polymer having a high bulk density and a narrow particle size distribution can be efficiently obtained. it can. In the olefin polymerization catalyst of the present invention, the catalyst component does not elute into the reaction medium during the olefin polymerization, and therefore, the amorphous polymer does not adhere to the wall surface of the polymerization vessel.
[0160]
When the olefin polymerization catalyst of the present invention is used to polymerize olefins, the olefin polymerization catalyst of the present invention is a supported catalyst, so it has excellent morphology such as particle size and particle shape compared to the case of using a homogeneous catalyst. Olefin polymer can be easily obtained.
That is, by polymerizing an olefin using the olefin polymerization catalyst of the present invention, a granular olefin polymer having a high bulk density and a narrow particle size distribution without reducing the performance of the homogeneous catalyst, An olefin polymer having excellent morphology such as particle shape can be obtained easily and efficiently.
[0161]
【The invention's effect】
The olefin polymerization catalyst of the present invention comprises a porous carrier (a).In, Transition metal compounds (b), and organoboron compounds (c) and / or organoaluminum oxy compounds (d)Solid catalyst component on which is supportedThe transition metal compound (b) does not substantially dissolve in the presence ofspecificSince it is a catalyst for olefin polymerization obtained by prepolymerizing a monomer (e) having a polymerizable double bond in a medium, the same performance as that of a homogeneous catalyst is exhibited in spite of being a supported catalyst. . In addition, by using the olefin polymerization catalyst of the present invention, a granular olefin polymer having a high bulk density and a narrow particle size distribution, and having an excellent morphology such as particle size and particle shape, can be easily converted into efficiency. Can get well.
[0162]
The process for producing an olefin polymerization catalyst of the present invention comprises a porous carrier (a).In, Transition metal compounds (b), and organoboron compounds (c) and / or organoaluminum oxy compounds (d)Solid catalyst component on which is supportedThe transition metal compound (b) does not substantially dissolve in the presence ofspecificSince the monomer (e) having a polymerizable double bond is prepolymerized in the medium, the above olefin polymerization catalyst can be obtained efficiently and at low cost.
[0163]
In the method for producing an olefin polymer of the present invention, the olefin is polymerized in the presence of the olefin polymerization catalyst. Therefore, the bulk density is high and the particle size distribution is narrow without reducing the performance of the homogeneous catalyst. An olefin polymer that is excellent in morphology such as particle size and particle shape can be easily and efficiently produced.
[0164]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
EXAMPLES The present invention will be specifically described below based on examples, but the present invention is not limited to the following examples. All operations were performed in a dry nitrogen atmosphere.
[0165]
Example 1
1) Carrier synthesis
To a Schlenk tube, add 0.163 g (0.99 mmol) of 2,2′-azobis (isobutyronitrile) (AIBN), 13.0 ml of styrene, and 1.0 ml of divinylbenzene (isomer mixture, 55%). To obtain a monomer solution for filled polymer. A three-necked flask equipped with a stirrer was replaced with dry nitrogen, and silica (silica baked at 250 ° C. for 8 hours, fine particles with an average particle diameter of 55 μm, specific surface area of 300 m was used as the porous carrier (a)2/ G, pore volume 1.3 ml / g) was charged 10.07 g, and 20 ml of dry pentane was added. The whole amount of the above monomer solution for filled polymer was added thereto. The slurry was heated to 90 ° C. to remove pentane, and turned into a fluid powder over about 1 hour. Thereafter, the temperature of the reactor was kept at 90 ° C., and the monomer was reacted for 8 hours with stirring to obtain a porous carrier (a) having pores filled with a filled polymer.
[0166]
After completion of the reaction, the carrier (a) was washed three times with 90 ° C. toluene, and then the whole amount was made into 150 ml toluene slurry. This slurry was cooled to 0 ° C., and 31.5 mmol of triisobutylaluminum (TIBAL) was made into a toluene solution and slowly dropped from a dropping funnel. After the dropping, the temperature of the slurry was returned to room temperature and left as it was for about 12 hours. The slurry was filtered through a glass filter and washed three times with 100 ml of toluene and twice with 100 ml of hexane. The carrier (a) thus obtained was stored as a hexane slurry.
[0167]
2) Preparation of solid catalyst
11.8 mg of rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4-phenylindenyl)} zirconium dichloride was added as a transition metal compound (b) to a Schlenk tube that had been thoroughly dried and purged with nitrogen. To this, 0.60 ml (0.60 mmol) of a toluene solution of triisobutylaluminum (TIBAL) prepared to 1.0 M was added, and triphenylcarbenium tetrakis (penta) prepared to 0.0040 M as an organoboron compound (c). 4.69 ml of a toluene solution of fluorophenyl) borate was added to form a catalyst solution. This catalyst solution was a dark green solution.
[0168]
In another reactor, the carrier (a) obtained in 1) was added as a hexane slurry so as to have a silica weight of 1.37 g, and then dried. 4.23 ml of the catalyst solution was added thereto. The light green slurry was gradually reduced in pressure, and the medium was distilled off. To this, 5.0 ml of hexane was added to form a slurry again, and then vacuumed once again, and dried to a free-flowing powder to obtain a solid catalyst.
[0169]
3) Dissolution test of transition metal compound (b) in perfluorooctane
rac-Dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4-phenylindenyl)} zirconium dichloride (b) was dissolved in toluene to a concentration of 0.3 mg-zirconium / ml. This toluene solution and the medium (perfluorooctane) used in the prepolymerization were mixed at a volume ratio of 1: 1, and stirred for 10 minutes at the same temperature (25 ° C.) as the prepolymerization temperature. At this time, the mixed solution was in a suspended state and did not become a homogeneous solution. Next, this mixed solution was allowed to stand at 25 ° C. for 10 minutes. After standing, the phases were separated into a perfluorooctane phase and a toluene phase. Next, a part of the perfluorooctane phase was extracted as a sample, and the zirconium concentration of this sample was measured by ICP emission spectroscopy. As a result, the concentration of zirconium derived from rac-dimethylsilylene-bis {1- (2-methyl-4-phenylindenyl)} zirconium dichloride was 0.001 mg / ml or less.
[0170]
4) Prepolymerization
To the reactor, the total amount of the solid catalyst obtained in 2) above and 20 ml of perfluorooctane as a reaction medium were added and stirred well. Here, propylene gas was passed through a Teflon tube at a rate of 3 liter / h, and propylene was prepolymerized at 25 ° C. for 1 hour to obtain an olefin polymerization catalyst. At this time, no adhesion of the polymer was observed on the reactor wall surface and the like, and the olefin polymerization catalyst was obtained as a slurry of perfluorooctane.
[0171]
5) Pressure slurry polymerization of olefins
350 ml of dry heptane was charged into a 1 liter autoclave which had been dried and purged with nitrogen. Propylene gas was circulated at room temperature to saturate the solvent with propylene gas. 0.5 ml of 0.50 mmol of triisobutylaluminum (TIBAL) was added, followed by 5.0 ml of the perfluorooctane slurry of the olefin polymerization catalyst obtained in 4) above. The system is 5 kgf / cm with propylene gas.2As soon as the pressure was increased to (gauge pressure), the temperature naturally rose to 60 ° C., and propylene main polymerization was carried out at 60 ° C. for 3 hours.
[0172]
After the main polymerization, the monomer supply was stopped, and cooling and depressurization were performed. In addition, no deposit was observed on the wall of the polymerization vessel. The produced polymer was recovered by filtration and drying under reduced pressure, and the yield was 67.87 g. The resulting polymer is a semi-transparent sphere, the bulk density is 0.33 g / ml, the melting point is 152.6 ° C., the weight average molecular weight measured by GPC is 340,000, and the molecular weight distribution (Mw / Mn) measured by GPC is 2. 44.
[0173]
Comparative Example 1
In Example 1, prepolymerization was performed in the same manner as in Example 1 except that hexane dissolving the transition metal compound (b) was used instead of perfluorooctane used as the prepolymerization reaction medium. As a result, remarkable amorphous polymer adhesion was observed on the wall of the reactor, and an olefin polymerization catalyst slurry could not be obtained.
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