JP3769766B2 - スパークプラグの製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は,中心電極の先端部の円弧状側面に設けた金属チップと,接地電極とが対向する,スパークプラグの製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
最近,内燃機関のメンテナンスフリーが求められていることに伴い,スパークプラグは長寿命化が要求されている。
長寿命のスパークプラグとしては,中心電極の放電面に耐火花消耗性に優れた金属チップを接合したものが多数提案されている。
【0003】
金属チップを接合したスパークプラグとしては,図13に示すごとく,中心電極91の側面の平面部911,912に金属チップ31,32を接合したものが知られている。中心電極91への金属チップ31,32の接合は,まず,中心電極の側面に平面部911,912を設け,次いで,2枚の金属チップ31,32を順次抵抗溶接により接合する方法が採られている。
【0004】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来のスパークプラグの製造方法においては,次の問題がある。
即ち,円弧状である中心電極91の側面に平面部911,912を設けるには,切削,研磨,塑性加工等が必要となり,コスト高となる。
【0005】
また,得られたスパークプラグは,図13に示すごとく,接地電極921,922に対して中心電極91の平面部911,912が角度θだけ回転ズレを生じた場合には,火花ギャップG2は,金属チップ31,32以外の場所で形成される。そのため,耐火花消耗性に劣る中心電極91が短期間で劣化し,スパークプラグの長寿命化を実現することができない。
【0006】
また,長寿命化を図るスパークプラグとして,中心電極に平面部を設けず,円弧状側面に直接金属チップを接合させ,金属チップ表面を円弧状にしたスパークプラグが提案されている(図3,図5参照)。このスパークプラグにおける中心電極への金属チップの接合方法としては,図14に示すごとく,平面状の第1溶接電極96と平面状の第2溶接電極97との間に中心電極1及び金属チップ31を挟み込み,抵抗溶接させる方法がある。
【0007】
この方法においては,図14に示すごとく,金属チップ31と中心電極1との接触部A1及び中心電極と上記第2溶接電極との接触部A2は,ともに線接触となり,接触面積が小さい。そのため,上記両接触部A1,A2は,加圧通電時には高抵抗となり,過度に加熱される。それ故,両接触部A1,A2においては,中心電極1及び金属チップ31が過度に溶融し,バリ,座屈,変形の発生といった不具合が発生する。この不具合を防止するには,通電電流を低下させることが考えられるが,この場合には安定した接合強度を得ることができない。
【0008】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,優れた耐火花消耗性を有し,かつ中心電極と金属チップとの接合部におけるバリ,座屈,変形がない優れた接合状態を有するスパークプラグを,低コストで製造することができる,スパークプラグの製造方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題の解決手段】
本発明は,先端部に円弧状側面を有する中心電極と,該中心電極の上記円弧状側面に対向配設した接地電極とを有し,かつ上記円弧状側面には上記中心電極に比較して耐火花消耗性に優れた金属又はその合金よりなる金属チップを接合してなるスパークプラグの製造方法において,
第1溶接電極と第2溶接電極との間に上記中心電極を挟持して,上記中心電極の上記円弧状側面に上記金属チップを抵抗溶接するに当たり,
上記第1溶接電極は上記金属チップに当接する第1凹部を有し,
また上記第2溶接電極は上記中心電極の先端部に直接当接する第2凹部を有しており,
かつ上記第1凹部及び第2凹部は,上記中心電極の先端部の上記円弧状側面と同形状を有しており,
また,上記中心電極の上記円弧状側面の曲率半径をR1mm,上記第1溶接電極の上記第1凹部の曲率半径をR2mmとしたとき,R2mmは次の関係式
R1mm−0.2mm≦R2mm≦R1mm+0.2mm
で示される範囲内にあることを特徴とするスパークプラグの製造方法にある。
【0010】
本発明において最も注目すべきことは,上記第1溶接電極は上記第1凹部を有し,また上記第2溶接電極は上記第2凹部を有しており,かつ上記第1凹部及び第2凹部は,上記中心電極の先端部の上記円弧状側面と同形状を有していることにある。
【0011】
また,上記同形状とは,寸法的に全く同一であることを意味するのではなく,寸法的にはほぼ同程度でありその形状が相似形であることを意味する。即ち,中心電極の上記円弧状側面の形状が略真円形状でれば,上記第1凹部及び第2凹部も略真円形状であり,上記円弧状側面が楕円形状であれば,上記第1凹部及び第2凹部も楕円形状であることを意味する。
【0012】
また,上記金属チップとしては,例えば白金(Pt),イリジウム(Ir),Pt−Ir合金,Pt−Ir−ニッケル(Ni)合金等の貴金属又はその合金,又は,クロム(Cr),Cr合金等がある。そして,上記金属チップは,ほぼ厚みが一定の平板状のものを用いるが,その形状は,ディスク状(円形状),四角形状等,種々の形状を適用できる。
【0013】
また,上記中心電極の上記円弧状側面の曲率半径をR1mm,上記第1溶接電極の上記第1凹部の曲率半径をR2mmとしたとき,R2mmは次の関係式
R1mm−0.2mm≦R2mm≦R1mm+0.2mm
で示される範囲内(単位はmm。以下同様)にある。
これにより,上記中心電極と金属チップとは,バリ,座屈,変形等を発生させることなく,強固に接合させることができる。
【0014】
また,上記R2がR1−0.2より小さい場合(図6参照)には,第1溶接電極は金属チップの周縁部の2か所のみに接触し,その接触面積が小さい(図6符号A3,A4参照)。そのため,上記接触部は,加圧通電時に過度に加熱され,バリ,座屈,変形等が発生するという問題がある。また,上記R2がR1+0.2より大きい場合(図7参照)には,上記第1溶接電極は金属チップの中央部に線接触し,その接触面積が小さい(図7符号A5参照)。そのため,第1凹部を持たない場合と同様に,接触部にバリ,座屈,変形等が発生するという問題がある。
【0015】
次に,先端部に円弧状側面を有する中心電極と,該中心電極の上記円弧状側面に対向配設した接地電極とを有し,かつ上記円弧状側面には上記中心電極に比較して耐火花消耗性に優れた金属又はその合金よりなる金属チップを接合してなるスパークプラグの製造方法において,
第1溶接電極と第2溶接電極との間に上記中心電極を挟持して,上記中心電極の上記円弧状側面に上記金属チップを抵抗溶接するに当たり,
上記第1溶接電極は上記金属チップに当接する第1凹部を有し,
また上記第2溶接電極は上記中心電極の先端部に直接当接する第2凹部を有しており,
かつ上記第1凹部及び第2凹部は,上記中心電極の先端部の上記円弧状側面と同形状を有しており,
また,上記中心電極の先端部の上記円弧状側面の曲率半径をR1,上記第2溶接電極の上記第2凹部の曲率半径をR3mm,上記第2溶接電極の上記第2凹部の深さをHmmとしたとき,R3mm及びHmmは次の関係式 R1mm−0.1mm≦R3mm≦R1mm+0.1mm
R1mm>Hmm≧(1/4)×R1mm
で示される範囲内にあることを特徴とするスパークプラグの製造方法がある。
上記関係式で示される範囲内にある場合には,上記中心電極と第2溶接電極との接触部分に,バリ,座屈,変形等を発生させることなく,上記金属チップと中心電極を抵抗溶接することができる。
【0016】
また,上記R3がR1−0.1より小さい場合(図8参照)には,中心電極は,上記第2凹部の2か所の頂部と線接触し,その接触面積が小さい(図8符号A6,A7参照)。そのため,上記接触部は,加圧通電時に過度に加熱され,バリ,座屈,変形等が発生するという問題がある。また,R3がR1+0.1より大きい場合(図9参照)には,上記第2凹部の底部が中心電極に線接触し,その接触面積が小さい(図9符号A8参照)。そのため,第2溶接電極が第2凹部を有さない場合と同様に,接触部にバリ,座屈,変形等が発生するという問題がある。
【0017】
また,上記HがR1以上の場合には,上記中心電極を第2凹部にセットすることができないという問題がある。また,上記Hが(1/4)×R1より小さい場合には,中心電極と第2溶接電極との接触面積が小さすぎる。そのため,上記接触部は,加圧通電時に過度に加熱され,接触部にバリ,座屈,変形等が発生するという問題がある。
【0018】
また,上記金属チップは,上記中心電極の先端部の上記円弧状側面に添った曲面形状に予め曲げ加工してあることが好ましい。これにより,抵抗溶接時のセッティングを容易にすることができる。
【0019】
【作用および効果】
本発明のスパークプラグの製造方法においては,上記第1溶接電極は上記第1凹部を有し,かつ該第1凹部は,上記中心電極の先端部の上記円弧状側面と同形状を有している。そのため,抵抗溶接における加圧通電の際には,第1溶接電極の第1凹部と金属チップ,及び金属チップと中心電極は,それぞれ比較的広い面積において面接触する。それ故,金属チップと中心電極とは,バリ,座屈,変形等を発生させることなく,強固に接合する。
【0020】
また,上記第2溶接電極は上記第2凹部を有し,かつ該第2凹部は,上記中心電極の先端部の上記円弧状側面と同形状を有している。そのため,抵抗溶接における加圧通電の際には,第2溶接電極の第2凹部と中心電極は,比較的広い面積において面接触する。それ故,中心電極の第2溶接電極との接触部には,バリ,座屈,変形等が発生することはない。
【0021】
従って,従来のように抵抗溶接前に予め中心電極の側面に平面部を設けるという工程を省略することができ,低コストでスパークプラグを製造することが出来るまた,得られたスパークプラグの中心電極と金属チップの接合部は優れた接合状態を有し,耐火花消耗性にも優れる。
【0022】
上述のごとく,本発明によれば,優れた耐火花消耗性を有し,かつ中心電極と金属チップとの接合部におけるバリ,座屈,変形がない優れた接合状態を有するスパークプラグを,低コストで製造することができる,スパークプラグの製造方法を提供することができる。
【0023】
【実施例】
実施例1
本発明の実施例にかかるスパークプラグの製造方法につき,図1〜図9を用いて説明する。
本例のスパークプラグの製造方法は,図1〜図5に示すごとく,先端部10に円弧状側面11,12を有する中心電極1と,該中心電極1の上記円弧状側面11,12に対向配設した接地電極21,22(図4)とを有し,かつ上記円弧状側面11,12には上記中心電極1に比較して耐火花消耗性に優れた金属チップ31,32を接合してなるスパークプラグの製造方法である。
【0024】
上記中心電極1に金属チップ31,32を接合するに当たっては,図1,図2に示すごとく,まず,第1溶接電極6と第2溶接電極7との間に上記中心電極1を挟持して,上記中心電極1の一方の円弧状側面11に上記一方の金属チップ31を抵抗溶接する。
【0025】
上記第1溶接電極6は,図1,図2に示すごとく,上記金属チップ31に当接する第1凹部61を有し,また上記第2溶接電極7は上記中心電極1の先端部10に直接当接する第2凹部71を有している。また,上記第1凹部61及び第2凹部71は,上記中心電極1の先端部10の上記円弧状側面11,12と同形状を有している。
【0026】
次いで,金属チップ31を接合した中心電極1を180度回転させて,第1溶接電極6と第2溶接電極7との間に挟持し,かつ上記中心電極1のもう一方の円弧状側面12に他方の上記金属チップ32を抵抗溶接する。この場合,第2凹部には,上記中心電極1と接合して一体化した金属チップ31が当接するが,その他は上記1回目の抵抗溶接時と同様である。
【0027】
なお,上記中心電極1は,Ni−Cr−Fe合金(商標:インコネル600)よりなり,その先端部10は,図1,図3,図4に示すごとく,脚部110に比べ細い円柱形状をなしている。そして,上述したごとく,この先端部10の直径方向の一対の円弧状側面11,12に金属チップ31,32を接合する。
また,上記金属チップ31,32としては,Pt−Ir−Ni合金よりなる,直径1.2mmφ,厚み0.3mmのディスク状のものを用いた。
【0028】
次に,上記金属チップ31,32を接合した中心電極1は,次のようにスパークプラグに組付ける。
まず,図4に示すごとく,碍子4の内孔40内に,上記中心電極1の脚部110を挿入した後,導電性ガラス134,内蔵抵抗135を投入し,次いで端子136を挿入する。
【0029】
次いで,上記碍子4を加熱し,上記導電性ガラス134を溶融固着させる。これにより,碍子4,中心電極1,導電性ガラス134,内蔵抵抗135,及び端子136が一体化する。
一方,接地電極21,22は,予め金属ハウジング5に溶接し,所定の形状及び方向に曲げ加工しておく。
【0030】
次に,中心電極1と一体化した碍子4を金属ハウジング5の内孔50内に挿入固定し,中心電極1の金属チップ31,32と接地電極21,22を対向配設させる。
このとき,碍子4と金属ハウジング5との間には,両者の気密性を確保するために,ガスケット131,132を組付ける。
【0031】
次いで,金属ハウジング5の上下両端に高電圧をかけると共に,金属ハウジング5の腹部51を押圧し,かしめる。
これにより,中心電極1と一体化した碍子4が金属ハウジング5に固定され,スパークプラグが得られる。
【0032】
また,本例においては,上記中心電極1の上記円弧状側面11,12の曲率半径をR1,上記第1凹部61の曲率半径をR2,上記第2凹部71の曲率半径をR3,第2凹部71の深さをHとし,それぞれの値を種々変化させ,比較例とともに,バリ,座屈,変形等の発生状況を調査した。
尚,抵抗溶接の条件はすべての場合において,印加電圧30kV,印加電流1250A,加圧力30kgとした。
【0033】
まず,上記R1=1mm,R3=1mm,H=0.5mmの値を,それぞれ一定とし,第1凹部61の曲率半径であるR2を0.7mm〜1.3mmまで0.1mmピッチで変化させた。そして,金属チップ31と円弧状側面11との接触部あるいは金属チップ31の表面における,バリ,座屈,変形等の発生状況を観察した。
【0034】
観察の結果,表1に示すごとく,上記R2が本発明の範囲内にある場合,即ち,R2=0.8〜1.2mmの場合においては,バリ,座屈,変形等の発生が見られなかった。一方,R2が本発明の範囲を外れる場合には以下のような不具合が見られた。
【0035】
即ち,R2=0.7mmの場合には,図6に示すごとく,第1凹部61と金属チップ31の周縁部の2か所の接触部A3,A4において,バリ,座屈,変形等の発生が見られた。また,R2=1.2mmの場合には,図7に示すごとく,金属チップ31の中央部と中心電極1との接触部A5において,バリ,座屈,変形等の発生が見られた。
【0036】
【表1】
【0037】
次に,上記R1=1mm,R2=1mm,H=0.5mmの値を,それぞれ一定とし,第2凹部71の曲率半径であるR3を0.8mm〜1.2mmまで0.1mmピッチで変化させた。そして,第2凹部61と円弧状側面12との接触部における中心電極1のバリ,座屈,変形等の発生状況を観察した。
【0038】
観察の結果,表2に示すごとく,上記R3が本発明の範囲内にある場合,即ち,R3=0.9〜1.1mmの場合においては,バリ,座屈,変形等の発生が見られなかった。一方,R3が本発明の範囲を外れる場合には,以下のような不具合が見られた。
【0039】
即ち,R3=0.8mmの場合には,図8に示すごとく,中心電極1と第2凹部71の2か所の頂部710との接触部A6,A7において,バリ,座屈,変形等の発生が見られた。また,R3=1.1mmの場合には,図9に示すごとく,中心電極1と第2凹部71の底部との接触部A8において,バリ,座屈,変形等の発生が見られた。
【0040】
【表2】
【0041】
次に,上記R1=1mm,R2=1mm,R3=1mmの値を,それぞれ一定とし,第2凹部71の深さであるHを種々変化させた。そして,第2凹部61と円弧状側面12との接触部における中心電極1のバリ,座屈,変形等の発生状況を観察した。
【0042】
観察の結果,上記Hが本発明の範囲内,即ち,0.25mm≦H<1mmの場合には,特に問題は発生しなかった。一方,上記Hが0.25mm未満,即ち,H<(1/4)×R1の場合には,中心電極1と第2凹部71との接触面積が小さすぎるため,熱伝導が悪化し,中心電極の座屈,変形が発生した。また,上記Hが1mm以上,即ちH≧R1の場合には,中心電極1を第2凹部71にうまくセットすることができなく,不適であった。
【0043】
上述のごとく,本例においては,上記第1溶接電極6は第1凹部61を有し,かつ該第1凹部61の曲率半径R2は,上記中心電極1の上記円弧状側面11,12の曲率半径R1に対して,R1−0.2≦R2≦R1+0.2の関係にある。そのため,2回の抵抗溶接における加圧通電の際には,第1溶接電極6の第1凹部61と金属チップ31,32,及び金属チップ31,32と中心電極1は,それぞれ比較的広い面積において面接触する。それ故,金属チップ31,32と中心電極1とはバリ,座屈,変形等を発生させることなく,強固に接合する。
【0044】
また,上記第2溶接電極7は第2凹部71を有し,かつ該第2凹部71の曲率半径R3は,上記中心電極1上記円弧状側面11,12の曲率半径R1に対して,R1−0.1≦R3≦R1+0.1の関係にある。そのため,2回の抵抗溶接における加圧通電の際には,第2溶接電極7の第2凹部71と中心電極1とは,比較的広い面積において面接触する。それ故,中心電極1における第2溶接電極7との接触部には,バリ,座屈,変形等が発生することはない。
【0045】
従って,本例においては,中心電極1の側面に特に平面部を設ける工程を,抵抗溶接前に採ることなく,低コストでスパークプラグを製造することができる。また,本例の製造方法において得られたスパークプラグは,図5に示すごとく,中心電極1の円弧状側面11,12に金属チップ31,32が接合されており,金属チップ31,32の表面も円弧状である。そのため,中心電極1と接地電極21,22とが角度θだけ回転ズレしても,火花ギャップG1は,殆どばらつかない。それ故,得られたスパークプラグは,優れた耐火花消耗性を発揮することができる。
【0046】
実施例2
本例のスパークプラグの製造方法においては,図10に示すごとく,中心電極1の先端部10の円弧状側面11,12に,金属チップ31の径よりも狭い極僅かの極小平面部115,125を設けた。また,この極小平面部115,125は,中心電極1の押し出し成形と同時に設けた。その他は,実施例1と同様である。
【0047】
本例においては,中心電極1の先端部10に上記極小平面部115,125を設けてある。そのため,中心電極1の円弧状側面11,12部分への金属チップ31,32のセッティングを簡単に行うことができる。また,この極小平面部115,125は,極僅かの幅である。そのため,金属チップ31,32の表面は,実施例1と同様に,中心電極1の円弧状側面11,12と同様の円弧状形状をなす。それ故,従来のように金属チップ31,32以外のところで火花ギャップを形成させるということはない。その他,実施例1と同様の効果が得られる。
【0048】
実施例3
本例のスパークプラグの製造方法においては,図11に示すごとく,実施例1における第1溶接電極6を下方に,第2溶接電極7を上方に配設し,金属チップ31を中心電極1の下方に挟持して抵抗溶接する。その他は,実施例1と同様である。
【0049】
本例においては,金属チップ31を中心電極1の下方に配置させて抵抗溶接するため,金属チップ31のセッティングが容易である。
その他,実施例1と同様の効果が得られる。
【0050】
実施例4
本例のスパークプラグの製造方法においては,図12に示すごとく,金属チップ310を,中心電極1の先端部10の円弧状側面11に沿った曲面形状に予め曲げ加工してある。その他は,実施例3と同様である。
【0051】
本例においては,金属チップ310が上記曲面形状に予め曲げ加工されている。そのため,金属チップ310は,第1溶接電極6の第1凹部61に載置してわずかな振動を与えることにより,上記第1凹部61に十分に面接触する。それ故,金属チップ310のセッティングが容易である。
その他,実施例3と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,抵抗溶接時のセッティング状態の斜視図。
【図2】実施例1における,抵抗溶接時のセッティング状態の正面図。
【図3】実施例1における,中心電極の金属チップ接合部の(a)平面図,(b)正面図。
【図4】実施例1における,スパークプラグの一部切欠断面図。
【図5】実施例1における,中心電極の金属チップと接地電極の配置状態を示す説明図。
【図6】実施例1の比較例における,抵抗溶接時の不具合の説明図。
【図7】実施例1の比較例における,抵抗溶接時の不具合の説明図。
【図8】実施例1の比較例における,抵抗溶接時の不具合の説明図。
【図9】実施例1の比較例における,抵抗溶接時の不具合の説明図。
【図10】実施例2における,抵抗溶接時のセッティング状態の正面図。
【図11】実施例3における,抵抗溶接時のセッティング状態の正面図。
【図12】実施例4における,抵抗溶接時のセッティング状態の正面図。
【図13】従来例における,中心電極の金属チップと接地電極の配置状態を示す説明図。
【図14】従来例における,抵抗溶接時のセッティング状態の(a)正面図,(b)側面図。
【符号の説明】
1...中心電極,
10...先端部,
11,12...円弧状側面,
21,22...接地電極,
31,32...金属チップ,
6...第1溶接電極,
61...第1凹部,
7...第2溶接電極,
71...第2凹部,
Claims (3)
- 先端部に円弧状側面を有する中心電極と,該中心電極の上記円弧状側面に対向配設した接地電極とを有し,かつ上記円弧状側面には上記中心電極に比較して耐火花消耗性に優れた金属又はその合金よりなる金属チップを接合してなるスパークプラグの製造方法において,
第1溶接電極と第2溶接電極との間に上記中心電極を挟持して,上記中心電極の上記円弧状側面に上記金属チップを抵抗溶接するに当たり,
上記第1溶接電極は上記金属チップに当接する第1凹部を有し,
また上記第2溶接電極は上記中心電極の先端部に直接当接する第2凹部を有しており,
かつ上記第1凹部及び第2凹部は,上記中心電極の先端部の上記円弧状側面と同形状を有しており,
また,上記中心電極の上記円弧状側面の曲率半径をR1mm,上記第1溶接電極の上記第1凹部の曲率半径をR2mmとしたとき,R2mmは次の関係式
R1mm−0.2mm≦R2mm≦R1mm+0.2mm
で示される範囲内にあることを特徴とするスパークプラグの製造方法。 - 先端部に円弧状側面を有する中心電極と,該中心電極の上記円弧状側面に対向配設した接地電極とを有し,かつ上記円弧状側面には上記中心電極に比較して耐火花消耗性に優れた金属又はその合金よりなる金属チップを接合してなるスパークプラグの製造方法において,
第1溶接電極と第2溶接電極との間に上記中心電極を挟持して,上記中心電極の上記円弧状側面に上記金属チップを抵抗溶接するに当たり,
上記第1溶接電極は上記金属チップに当接する第1凹部を有し,
また上記第2溶接電極は上記中心電極の先端部に直接当接する第2凹部を有しており,
かつ上記第1凹部及び第2凹部は,上記中心電極の先端部の上記円弧状側面と同形状を有しており,
また,上記中心電極の先端部の上記円弧状側面の曲率半径をR1mm,上記第2溶接電極の上記第2凹部の曲率半径をR3mm,上記第2溶接電極の上記第2凹部の深さをHmmとしたとき,R3mm及びHmmは次の関係式 R1mm−0.1mm≦R3mm≦R1mm+0.1mm
R1mm>Hmm≧(1/4)×R1mm
で示される範囲内にあることを特徴とするスパークプラグの製造方法。 - 請求項1又は2において,上記金属チップは,上記中心電極の先端部の上記円弧状側面に添った曲面形状に予め曲げ加工してあることを特徴とするスパークプラグの製造方法。
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