JP3769457B2 - ローカル時刻符号化方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、独立して符号化された複数のオーディオビジュアル対象をプレゼンテーションのために同期させることが必要なディジタルオーディオビジュアルマテリアルの符号化に有効である。本発明は、オーディオビジュアルマテリアルの時間的サンプリングが同一でない場合に特に役立つものである。
【0002】
【従来の技術】
MPEG1およびMPEG2において、入力ビデオは、規則的な時間間隔でサンプリングされた画像フレームからなる。これは、その入力ビデオのもっとも緻密な時間解像度を表現する。図1は、画像フレームが規則的な間隔でサンプリングされる一定のフレームレートによるビデオシーケンスを示す。MPEG1規格およびMPEG2規格を用いたビデオシーケンスの符号化表現においては、復号化されたフレームの表示順序は参照時刻(temporal reference)によって表される。このパラメータは、ビットストリームシンタックスのピクチャーヘッダーに記述される。このパラメータの値は、表示順序を検査するときにそれぞれの復号化されるフレームごとに1つだけインクリメントされる。
【0003】
H.263規格においては、フレームをスキップしてもよく、したがって、可変フレームレートビデオシーケンスを復号化することができる。しかしながら、フレームのサンプリングは不変のままである。このように、MPEG1およびMPEG2において用いられる時刻参照方法は依然として適切なものであり、1だけインクリメントするのではなく(1+入力フレームレートにおける非転送ピクチャー数)だけインクリメントするような修正が必要なだけである。
【0004】
現在、多重ビデオ対象画においてビデオを独立した対象として符号化する研究開発がなされている。これは、それぞれのビデオ対象の復号化と同期とにおける新しい概念を表現するものである。これらの個々のビデオ対象画は、複数のソースから発生してもよく、また、まったく異なるフレームレートを有してもよいことが期待されている。対象のあるものは、ほぼ連続的な時間的サンプリングレートを有してもよい。これらのビデオ対象画は、組み合わせられ、表示される際には、合成画像となる。したがって、この合成のためにはある種の同期が必要となる。表示フレームレートは、どのビデオ対象画のフレームレートとも異なっていてもよい。図2は、互いに異なったフレームレートを有する2つのビデオ対象画の例を示す。たとえ2つのビデオ対象画の間の共通のフレームレートを捜し出すことができたとしても、必然的にそのフレームレートが合成処理装置の出力フレームレートと同じものになることはない。
【0005】
以下、ビデオの領域における問題について述べるが、同様の本発明の原理は、オーディオの領域にも拡張することができ、また、この2つを組み合わせた領域にも拡張することができる。
【0006】
この技術分野における現在の状況は、ビデオ対象画の同期に関する要求を満たしていないことは上述したことから明らかである。また、この技術分野における現在の状況は、異なったビデオ対象画が互いの倍数ではない異なったフレームレートを有する場合に、共通の参照時刻を提供しない。
【0007】
第1の問題は、共通のローカル時刻基準メカニズムをそれぞれのビデオ対象画にどのように提供するかである。この時刻基準は、非常に緻密な時間的粒度(temporal granularity)を提供することができるとともに、ビデオ対象画の2つの連続する時点(instance)の間に非常に長い間隔があり得ることにも対処することができなければならない。
【0008】
第2の問題は、異なったフレームレートを有するビデオ対象画を同期させるためのメカニズムをどのようにして提供するかである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述の問題は、すべてのローカル時刻基準に対して使用される共通の時間解像度を導入することによって解決することができる。広い範囲にわたる時間的粒度を提供するために、ローカル時刻基準は2つの異なった部分に分割される。第1の部分は、短い時刻基準を提供する緻密な粒度を有する時間解像度を含む。第2の部分は、長い時刻基準を提供する粗な粒度を有する時間解像度を含む。短い時刻基準は、それぞれのビデオ対象画に含まれ、ビデオ対象画の時点に参照時刻を提供する。そして、この短い時刻基準が、すべてのビデオ対象画に共通の長い時刻基準に同期させられる。この長い時刻基準は、すべての様々なビデオ対象画を、マスタークロックによって提供される共通の時刻基準に同期させるのに使用される。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、VOPのローカル時刻を符号化する方法であって、前記ローカル時刻の開始時刻を表す、1秒の単位で示された時刻符号を符号化し、前記VOPが最初のVOPである場合には、前記最初のVOPのローカル時刻に対しては、前記時刻符号からの1秒を単位とする時刻増分をモジュロ時刻基準増分として符号化すると共に、前記最初のVOPのローカル時刻の1秒より短い時刻増分をVOP時刻増分として符号化し、前記VOPが前記最初のVOPの後に続く符号化対象VOPである場合には、前記符号化対象VOPのローカル時刻に対しては、符号化順序において前記符号化対象VOPの直前に位置するVOPのローカル時刻の内、1秒の単位で示された時刻部分からの1秒を単位とする時刻増分をモジュロ時刻基準増分として符号化すると共に、前記符号化対象VOPのローカル時刻の1秒より短い時刻増分をVOP時刻増分として符号化し、符号化された前記時刻符号と、符号化された前記VOPのモジュロ時刻基準増分とVOP時刻増分を、前記VOPの符号化データと共に多重化し、前記VOPのローカル時刻を、前記時刻符号、前記モジュロ時刻基準増分と前記VOP時刻増分との組合せで表現することを特徴とするVOPのローカル時刻符号化方法である。
本発明の第1の側面によれば、圧縮データにおけるビジュアルシーケンスのローカル時刻基準を符号化する方法であって、 時間的なサンプリングによってビジュアルシーケンスの時点を得る段階と、 圧縮データの中に符号化されるべき前記時点のローカル時刻基準を決定する段階と、 ローカル時刻基準において均等な時間間隔毎に付与された一連の参照時刻の発生を表すモジュロ時刻基準と、前記均等な時間間隔内に付与された時刻基準増分とからなる2つの部分により前記ローカル時刻基準を符号化する段階と、 前記時間間隔が経過する毎にモジュロ時刻基準を圧縮データに挿入する段階と、 時刻基準増分をビジュアルシーケンスの前記時点の圧縮データに挿入する段階を有することを特徴とする方法である。
【0011】
本発明の第2の側面によれば、圧縮データにおけるビジュアルシーケンスのローカル時刻基準を符号化する方法であって、 時間的なサンプリングによってビジュアルシーケンスの時点を得る段階と、 圧縮データの中に符号化されるべき前記時点のローカル時刻基準を判定する段階と、 将来のいかなる時点も参照することのない第1の圧縮方法と、将来再生される時点を参照する第2の圧縮方法とからなる2つの方法の一方で前記時点を符号化する段階と、 ローカル時刻基準において特定の間隔で均等に配置された一連の参照時刻の発生を表すモジュロ時刻基準と時刻基準増分とからなる2つの部分でもって前記ローカル時刻基準を符号化する段階と、 第1の圧縮方法を用いて圧縮された時点に対する時刻基準増分を、前記均等に配置された参照時刻に基づく絶対値として符号化する段階と、 第2の圧縮方法を用いて圧縮された時点に対する時刻基準増分を、以前に前記第1の圧縮方法を用いて圧縮された時点のローカル時刻基準の関連した値として符号化する段階と、 前記特定の間隔が経過するたびにモジュロ時刻基準を圧縮データに挿入する段階と、 時刻基準増分を前記ビジュアルシーケンスの前記時点の圧縮データに挿入する段階とを備えた方法である。
【0012】
本発明の第3の側面によれば、符号化されたローカル時刻基準情報をその中に含んだ複数の圧縮ビットストリームが多重化され、多重化するために、 時刻基準オフセットを符号化して多重化ビットストリームに挿入することによって、個々の圧縮ビットストリームのローカル時刻基準を共通時刻基準に同期させる段階と、 すべての圧縮ビットストリームがモジュロ時刻基準に到達してしまうまで、多重化されるビットストリームに配置されるべき次の圧縮時点があるかどうかそれぞれの圧縮ビットストリームを検査する段階と、
共通モジュロ時刻基準を多重化されるビットストリームに挿入し、圧縮ビットストリームのモジュロ時刻基準をスキップする段階と、 すべての圧縮ビットストリームが処理されるまで、最後の2つの段階を反復する段階と、 をさらに備えた方法である。
【0013】
本発明の第4の側面によれば、符号化されたローカル時刻基準情報をその中に含んだ複数の圧縮ビットストリームが多重化され、そして、多重分離され、多重分離するために、
個々の圧縮ビットストリームの時刻基準オフセットを復号化する段階と、 多重化ビットストリームにおいてモジュロ時刻基準が検出されるまで、次の圧縮時点があるかどうか多重化ビットストリームを検査し、前記時点を適切な圧縮ビットストリームに配置する段階と、 モジュロ時刻基準をそれぞれの圧縮ビットストリームに挿入する段階と、 多重化ビットストリームがすべて処理されるまで、最後の2つの段階を反復する段階と、 をさらに備えた方法である。
【0014】
本発明の第5の側面によれば、符号化された圧縮データの時刻基準からビジュアルシーケンスのローカル時刻基準を復号化する方法であって、 時刻基準オフセットを考慮して参照時刻基準を初期化する段階と、 それぞれの復号化されたモジュロ時刻基準に対して特定の間隔だけ参照時刻基準をインクリメントする段階と、 圧縮時点の時刻基準増分を復号化する段階と、 前記復号化された時刻基準増分の値を参照時刻基準に加算することによって、前記時点の復号化時刻基準を決定する段階と、 を備えた方法である。
【0015】
本発明の第6の側面によれば、符号化された圧縮データの時刻基準からビジュアルシーケンスのローカル時刻基準を復号化する方法であって、 時刻基準オフセットを考慮して参照時刻基準を初期化する段階と、 それぞれの復号化されたモジュロ時刻基準に対して特定の間隔だけ参照時刻基準をインクリメントする段階と、 圧縮時点の時刻基準増分を復号化する段階と、 第1の圧縮方法が時点を符号化するのに使用された場合には、時刻基準増分が絶対であると判定し、第2の圧縮方法が時点を符号化するのに使用された場合には、時刻基準増分が相対であると判定する段階と、 時刻基準増分が絶対であると判定した場合には、前記復号化された時刻基準増分の値を参照時刻基準に加算することによって前記時点の復号化時刻基準を決定する段階と、 時刻基準増分が相対であると判定した場合には、前記復号化された時刻基準増分の値を第1の圧縮方法を用いて符号化された以前の時点の復号化時刻基準に加算することによって前記時点の復号化時刻基準を決定する段階と、 を備えた方法である。
【0016】
本発明の第7の側面によれば、個々の圧縮ビットストリームそのものが多重化されたビットストリームである複数の圧縮ビットストリームを多重化する方法である。
【0017】
本発明の第8の側面によれば、ローカル時刻基準と、時刻基準増分と、時刻基準オフセットとは単位がミリ秒であり、特定の間隔は1000ミリ秒の期間を有する時刻基準を符号化する方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明は2つの時刻表示形式を用いることにより動作する。その第1の時刻表示形式は、ビデオ対象画に付加される短い時刻基準である。以下、この時刻基準をVOP(Video Object Plane すなわちビデオ対象画)時刻増分と呼ぶ。このVOP時刻増分は、復号化され互いに合成されるビデオ対象画のグループに付加される長い時刻基準と関連してビデオ対象画に用いられるタイミングとして作用する。この長い時刻基準をモジュロ時刻基準と呼ぶ。そして、これらのVOP時刻増分とモジュロ時刻基準とが連係して使用され、ビデオ対象画を表示のための最終的な合成シーケンスに合成するのに使用するための実際の時刻基準を決定する。
【0019】
ビットストリームを編集し、異なったソースからの異なったビデオ対象画を新しいグループのビデオ対象画に合成するのを容易にするためには、共通時刻基準から個々のビデオ対象画のローカル時刻基準までの一定のオフセット値を提供する第3の成分が必要となる。以下では、このオフセットはVOP時刻オフセットと呼ばれる。これは、異なった対象画がモジュロ時刻基準の間隔に等しい粒度で同期しなければならないことを防止する。この成分は、一緒に多重化されるビデオ対象画が属するグループの中のそれぞれのビデオ対象画に対して不変のものであるべきである。
【0020】
まず最初に、モジュロ時刻基準について説明する。
【0021】
モジュロ時刻基準は、ローカル時刻基準の粗な解像度を表現する。それは、VOP時刻増分のような値を有するものではない。実際には、それは、VOP時刻増分をビデオ対象画のローカル時刻基準に同期させるためのより重要な同期メカニズムである。それは符号化されたビットストリームにマーカーとして配置され、それに続くビデオ対象画のVOP時刻増分がリセットされなければならないことを表し、また、ローカル時刻基準の参照は1つかまたはそれ以上のモジュロ時刻基準の間隔の単位でインクリメントされなければならないことを表す。図3、図4、図5ないし図10、および、図11において、モジュロ時刻基準は、ビットストリームヘッダーにおいて、VOP時刻増分の前に挿入された連続する“1”とそれに続く“0”で表される。連続する“1”の数は、ゼロかそれ以上である。ビットストリームに挿入される“1”の数は、最後のI−VOPまたはP−VOPから経過したモジュロ時刻基準の単位数に依存する。符号器および復号器では、モジュロ時刻基準のカウンターは、“1”を検出するたびに1だけインクリメントされる。モジュロ時刻基準のカウンターは長さが有限であり、したがって、実際のシステムでは、モジュロ時刻基準は、その最大値を越えた場合には0にリセットされる。典型的なビデオシーケンスにおいては、ビデオ対象画はVOPのグループを形成する。したがって、モジュロ時刻基準は、通常、このVOPグループの開始点でリセットされる。
【0022】
つぎに、VOP時刻増分について説明する。
【0023】
VOP時刻増分は、ビデオ対象画のもっとも短い時間的サンプリングを利用することのできる単位によるものでなければならない。それは、対象画に用いられる負の時刻基準であってもよい。したがって、それは、要求されるもっとも緻密な時間解像度の粒度あるいは利用することのできるもっとも緻密な時間解像度の粒度を表現する。
【0024】
そして、VOP時刻増分は、グローバル時刻基準の間隔/ローカル時刻基準の解像度の比よりも大きいかまたは等しい有限長の数によって表されてもよい。図3は、IおよびP−ビデオ対象画に用いられるVOP時刻増分およびモジュロ時刻基準の参照の例を示す。絶対時刻基準が使用される。VOP時刻増分は、モジュロ時刻基準が検出されるたびに毎回リセットされる。図4は、I、P、および、B−ビデオ対象画を用いたもう1つの例を示す。B−ビデオ対象画においてモジュロ時刻基準が同じように繰り返されることを除けば動作は同じである。もしB−ビデオ対象画においてモジュロ時刻基準が同じように繰り返されなければ、復号化およびプレゼンテーションの順序の相違による曖昧さが発生する。このことは以下で詳述される。
【0025】
VOP時刻増分はプレゼンテーション時刻基準に対応するので、符号化の順序がプレゼンテーションの順序と異なる場合に潜在的な問題が発生する。これは、B−ビデオ対象画によって発生する。MPEG−1およびMPEG−2のB−ピクチャーと同じように、B−ビデオ対象画は、たとえそれらのプレゼンテーション順序が参照I−ビデオ対象画および参照P−ビデオ対象画より前であったとしても、それらの参照ビデオ対象画の後に符号化される。VOP時刻増分は有限でありかつモジュロ時刻基準に基づく相対的なものなので、モジュロ時刻基準が検出された場合にはVOP時刻増分はリセットされる。しかしながら、B−ビデオ対象画に対する符号化の順序は遅れたままである。図5ないし図8は起こり得る曖昧さを示す。いつVOP時刻増分がリセットされるべきかを判定することはできない。実際に、図5に示されるような符号化されるイベントのシーケンスが与えられた場合、それが、図6、図7、および、図8のどのタイミング位置を表現しようとしているのかを知ることはできない。この問題は、異なった符号化の順序とプレゼンテーションの順序とが混在するすべての異なったタイプのビデオ対象画に共有される1つのモジュロ時刻基準を使用するために起こるのである。符号化の順序に対してなすことができることはなにもない。なぜなら、この参照情報はB−ビデオ対象画が必要とするからである。また、異なった予測形態のそれぞれが、独自のモジュロ時刻基準を有することは好ましくない。
【0026】
つぎに、VOP時刻オフセットについて説明する。
【0027】
上述したことに加えて、モジュロ時刻基準はすべてのビデオ対象画の間で共有される。これは、異なったビデオ対象画間の同期がモジュロ時刻基準の間隔に等しい粒度を有することを意味する。これは、異なったグループからのビデオ対象画が組み合わせられてビデオ対象画の新しいグループを形成する場合には特に受け入れることができない。図11は、互いにずれた2つの異なるローカル時刻基準によって符号化された2つの異なるビデオ対象画の例を示す。このように、これらのビデオ対象画が多重化される場合、ビデオ対象画の同期もまたずれたものとなる。個々のビデオ対象画のそれぞれにVOP時刻オフセットを持たせることによってより緻密な粒度が達成される。このことは、ビデオ対象画が操作され多重化される場合に、この値だけが変更されることを意味する。VOP時刻増分を変更する必要がないだけでなく、粗な粒度を有するタイミング差を用いることなく異なったビデオ対象画を多重化することができる。図11は、この時刻基準オフセットの使用を説明する。
【0028】
本発明の好ましい実施例は、個々のビデオ対象画ビットストリームのそれぞれに用いられる時刻基準を符号化する方法と、異なったビデオ対象画を多重化して共通の時刻基準にする方法と、多重化されたビットストリームを成分に多重分離する方法と、成分ビットストリームから時刻基準を再生する方法とを含む。
【0029】
つぎに、時刻基準の符号化を説明する。
【0030】
時刻基準を符号化する実施例のフローチャートが図12に示される。符号器においては、ステップ1において、まずローカル時刻基準がローカル開始時刻に初期化される。処理はステップ2に移り、そこで、符号器がローカル時刻基準の現在の値を判定する。ステップ3において、得られたローカル時刻基準があらかじめ符号化されたモジュロ時刻基準と比較され、その間隔がモジュロ時刻基準の間隔を越えているかどうかを検査する。もしその間隔を越えていれば、制御はステップ4に移り、そこで、必要な数のモジュロ時刻基準がビットストリームに挿入される。もしその間隔を越えていなければ、特別の処理は必要とされない。そして、処理はステップ5に進み、そこで、VOP時刻増分がビットストリームに挿入される。つぎに、ステップ6において、対象画が符号化されてビットストリームに挿入される。そして、符号器は、ステップ7において、符号化されるべきさらなる対象画があるかどうかを判定するための検査を行う。もし符号化されるべき対象画があれば、処理はステップ2に戻り、そこで、ローカル時刻基準を得る。もし符号化されるべき対象画がなければ、処理は終了する。
【0031】
I/P−ビデオ対象画およびB−ビデオ対象画のそれぞれに対する絶対および相対のVOP時刻増分を決定するために、以下の式が使用される。
tGTBn=n×tGTBI+tGTB0 (n=0,1,2,3,..) (1)
tAVTI=tETBI/P−tGTBn (2)
tRVTI=tETBB−tETBI/P (3)
ここで、
tGTBnは、n番目の符号化されたモジュロ時刻基準によって表される符号器時刻基準である。
【0032】
tGTBIは、予め定められたモジュロ時刻基準の間隔である。
【0033】
tGTB0は、符号器時刻基準の開始時刻である。
【0034】
tAVTIは、IまたはP−ビデオ対象画に対する絶対VOP時刻増分である。
【0035】
tETBI/Pは、IまたはP−ビデオ対象画の符号化の開始点での符号器時刻基準である。
【0036】
tRVTIは、B−ビデオ対象画に対する相対VOP時刻増分である。
【0037】
tETBBは、B−ビデオ対象画の符号化の開始点での符号器時刻基準である。
つぎに、複数のビデオ対象画の多重化について説明する。
【0038】
複数のビデオ対象画が1つに多重化される場合、多重化装置は、多重ビデオ対象画のビットストリームを検査して同期だけでなく多重化の順序をも判定する。これに含まれる動作が図13に示される。ステップ11において、多重化されるべきそれぞれのビデオ対象画に対するVOP時刻オフセットがビットストリームに挿入される。つぎに、ステップ12において、多重化されるべきビデオ対象画のすべてのビットストリームが検査され、すべてのビデオ対象画がそれらのそれぞれのモジュロ時刻基準であるかどうかを判定する。もしそうであれば、処理はステップ13に進み、そこで、共通モジュロ時刻基準が、多重化されたビットストリームに挿入される。もしそうでなければ、処理はステップ14に進み、そこで、次の符号化されたビデオ対象画が、多重化されたビットストリームに挿入される。ステップ15において、多重化されるべきビデオ対象画のビットストリームが、多重化されるべきさらなるビデオ対象画があるかどうかを再度検査される。もしあれば、制御は再びステップ12に進む。もしなければ、この処理を終了する。
【0039】
つぎに、複数のビデオ対象画を含むビットストリームの多重分離について説明する。
【0040】
多重ビデオ対象画を含むビットストリームの多重分離が図14に示される。この処理はステップ21から始まり、そこで、VOP時刻オフセットが復号化され、同期に用いるために復号器に送られる。そして、ステップ22において、多重化されたビットストリームが検査され、モジュロ時刻基準が検出されたかどうかを判定する。もしモジュロ時刻基準が検出されたならば、処理はステップ23に進み、そこで、モジュロ時刻基準がすべてのビデオ対象画ビットストリームに挿入される。もしモジュロ時刻基準が検出されなければ、処理はステップ24に進み、そこで、次のビデオ対象画が検査されて適切なビデオ対象画ビットストリームに挿入される。最後に、多重化されたビットストリームが再度検査され、多重分離すべきさらなるビデオ対象画があるかどうかを判定する。もしあれば、処理は再びステップ22に進む。もしなければ、この処理は終了する。
【0041】
つぎに、時刻基準の再生について説明する。
【0042】
時刻基準を再生する実施例が図15に示される。ローカル時刻基準を再生するとき、処理はステップ31から始まり、そこで、多重分離装置によって復号化されたVOP時刻オフセットを考慮してローカル時刻基準が初期化される。そして、処理はステップ32に進み、そこで、ビットストリームを検査してモジュロ時刻基準が復号化されたかどうかを判定する。もしモジュロ時刻基準が復号化されていれば、処理はステップ33に進み、そこで、ローカル時刻基準がモジュロ時刻基準の増分だけインクリメントされる。そして、処理はステップ37に進む。もしモジュロ時刻基準が復号化されていなければ、処理はステップ34に進み、そこで、ビデオ対象画が検査され、それがB−ビデオ対象画かどうかが判定される。もしB−ビデオ対象画であれば、処理はステップ35に進み、そこで、式(6)に基づいてB−ビデオ対象画の復号化時刻基準が計算される。そして、処理はステップ37に進む。もしステップ34の結果がB−ビデオ対象画でなければ、処理はステップ36に進み、そこで、式(5)に基づいて復号化時刻基準が計算される。そして、処理はステップ37に進む。ステップ37において、ビットストリームが検査され、復号化すべきさらなるビデオ対象画があるかどうかが判定される。もしあれば、処理は再びステップ32に進む。もしなければ、この処理は終了する。
【0043】
ビデオ対象画のプレゼンテーションタイムスタンプを判定するために、以下の式が使用される。
tGTBn =n×tGTBI+tGTB0 (n=0,1,2,3,..) (4)
tDTBI/P=tAVTI+tGTBn (5)
tDTBB =tRVTI+tDTBI/P (6)
ここで、
tGTBnは、n番目の復号化されたモジュロ時刻基準によって表される復号化時刻基準である。
【0044】
tGTBIは、予め定められたモジュロ時刻基準の間隔である。
【0045】
tGTB0は、復号化時刻基準の開始時刻である。
【0046】
tDTBI/Pは、IまたはP−ビデオ対象画の復号化の開始点での復号化時刻基準である。
【0047】
tAVTIは、IまたはP−ビデオ対象画に対する復号化された絶対VOP時刻増分である。
【0048】
tDTBBは、B−ビデオ対象画の復号化の開始点での復号化時刻基準である。
【0049】
tRVTIは、B−ビデオ対象画に対する復号化された相対VOP時刻増分である。
【0050】
つぎに、ビットストリーム符号器の実施例について説明する。
【0051】
図16は、モジュロ時刻基準およびVOP時刻増分を符号化するためのビットストリーム符号器の実施例を説明するブロック構成図である。この説明のために、図4に示される例が使用される。双方向予測が使用されるので、符号化の順序は、図4に示されるプレゼンテーションの順序とは異なる。符号化の順序は、B−VOPよりも前に、I−VOPとそれに続くP−VOPから開始される。これを以下の3つの段落で説明する。
【0052】
処理はイニシャライザであるステップ41から始まり、そこで、ビットストリーム符号器は、ローカル時刻基準レジスタを時刻符号の初期値に初期化することから始める。これと同じ時刻符号の値がビットストリームの中に符号化される。次のI−VOPの符号化の開始点において、時刻符号比較器であるステップ42が、I−VOPのプレゼンテーション時刻をローカル時刻基準レジスタと比較する。その結果がモジュロ時刻基準符号器であるステップ43に送られる。モジュロ時刻基準符号器は、経過したモジュロ時刻基準増分の数に等しい必要な数の“1”をビットストリームに挿入する。そして、モジュロ時刻基準符号の終わりを示すためにこれにシンボル“0”が続く。ローカル時刻基準レジスタが現在のモジュロ時刻基準に更新される。そして、処理は、VOP時刻基準増分符号器であるステップ44に進み、そこで、I−VOPのプレゼンテーション時刻符号の残りの部分が符号化される。
【0053】
この処理が、P−VOPである次に符号化されるビデオ対象画に反復される。時刻符号比較器であるステップ42は、P−VOPのプレゼンテーション時刻をローカル時刻基準レジスタと比較する。その結果がモジュロ時刻基準符号器であるステップ43に送られる。モジュロ時刻基準符号器は、経過したモジュロ時刻基準増分の数に等しい必要な数の“1”を挿入する。そして、モジュロ時刻基準符号の終わりを示すためにこれにシンボル“0”が続く。B−VOP時刻基準レジスタがローカル時刻基準レジスタの値にセットされ、ローカル時刻基準レジスタは現在のモジュロ時刻基準に更新される。そして、処理はVOP時刻基準増分符号器であるステップ44に進み、そこで、P−VOPのプレゼンテーション時刻符号の残りの部分が符号化される。
【0054】
そして、この処理が、B−VOPである次に符号化されるビデオ対象画に反復される。時刻符号比較器であるステップ42は、B−VOPのプレゼンテーション時刻をB−VOP時刻基準レジスタと比較する。その結果がモジュロ時刻基準符号器であるステップ43に送られる。モジュロ時刻基準符号器は、経過したモジュロ時刻基準増分の数に等しい必要な数の“1”を挿入する。そして、モジュロ時刻基準符号の終わりを示すためにこれにシンボル“0”が続く。B−VOP時刻基準レジスタとローカル時刻基準レジスタのいずれもが、B−VOPの処理の後では変更されない。そして、処理はVOP時刻基準増分符号器であるステップ44に進み、そこで、B−VOPのプレゼンテーション時刻符号の残りの部分が符号化される。
【0055】
ローカル時刻基準レジスタは、次のVOPグループの始まりを表す次のI−VOPでリセットされる。
【0056】
つぎに、ビットストリーム復号器の実施例について説明する。
【0057】
図17は、プレゼンテーションタイムスタンプを再生するためにモジュロ時刻基準およびVOP時刻増分に用いられる復号器の実施例を説明するブロック構成図である。符号器の実施例のときと同じように、図4に示される例が使用される。復号化の順序は符号化の順序と同じであり、B−VOPよりも前に、I−VOPとそれに続くP−VOPが復号化される。これが以下の段落で説明される。
【0058】
処理はイニシャライザであるステップ51から始まり、そこで、ローカル時刻基準レジスタが、ビットストリームから復号化された時刻符号の値にセットされる。そして、処理はモジュロ時刻基準復号器であるステップ52に進み、そこで、モジュロ時刻基準増分が復号化される。復号化されるモジュロ時刻基準増分の総数は、シンボル“0”の前に復号化される“1”の数によって与えられる。次に、VOP時刻基準増分が、VOP時刻基準増分復号器であるステップ53において復号化される。時刻基準計算器であるステップ54において、I−VOPのプレゼンテーション時刻が再生される。復号化されたモジュロ時刻基準増分の合計値がローカル時刻基準レジスタに加算される。そして、VOP時刻基準増分が、ローカル時刻基準レジスタに加算され、I−VOPのプレゼンテーション時刻が得られる。そして、処理はビデオ対象画復号器であるステップ55に進み、そこで、ビデオ対象画が復号化される。
【0059】
P−VOPに対しては、モジュロ時刻基準復号器であるステップ52において処理が反復され、そこで、モジュロ時刻基準増分が復号化される。復号化されるモジュロ時刻基準増分の総数は、シンボル“0”の前に復号化される“1”の数によって与えられる。次に、VOP時刻基準増分が、VOP時刻基準増分復号器であるステップ53において復号化される。時刻基準計算器であるステップ54において、P−VOPのプレゼンテーション時刻が再生される。B−VOPモジュロ時刻基準レジスタが、ローカル時刻基準レジスタの値にセットされる。復号化されたモジュロ時刻基準増分の合計値がローカル時刻基準レジスタに加算される。そして、VOP時刻基準増分が、ローカル時刻基準レジスタに加算され、P−VOPのプレゼンテーション時刻が得られる。処理はビデオ対象画復号器に進み、そこで、ビデオ対象画が復号化される。
【0060】
B−VOPに対しては、モジュロ時刻基準復号器であるステップ52において処理が反復され、そこで、モジュロ時刻基準増分が復号化される。復号化されるモジュロ時刻基準増分の総数は、シンボル“0”の前に復号化される“1”の数によって与えられる。次に、VOP時刻基準増分が、VOP時刻基準増分復号器であるステップ53において復号化される。時刻基準計算器であるステップ54において、B−VOPのプレゼンテーション時刻が再生される。復号化されたモジュロ時刻基準増分の合計値とVOP時刻基準増分とが、B−VOP時刻基準レジスタに加算され、B−VOPのプレゼンテーション時刻が得られる。B−VOP時刻基準レジスタとローカル時刻基準レジスタのいずれもが変更されないままである。そして、処理はビデオ対象画復号器に進み、そこで、ビデオ対象画が復号化される。
【0061】
ローカル時刻基準レジスタは、次のVOPグループの始まりを表す次のI−VOPでリセットされる。
【0062】
つぎに、具体的な例を説明する。
【0063】
図18を参照すると、圧縮されたデータをビットストリームデータに符号化するステップの例が示される。図18の上側の行に示されるように、圧縮されたビデオデータVOPは、表示順に、I1、B1、B2、P1、B3、P2の順序で一列に並べられ、GOP(グループオブピクチャー)ヘッダーがVOPグループの開始点に挿入される。表示されるとともに、その表示が実行されるローカル時刻が、ローカル時刻クロックを用いてそれぞれのVOPに関して判定される。例えば、第1のVOP(I1−VOP)は、ビデオデータのまさに開始点からカウントされる1時23分45秒350ミリ秒(1:23:45:350)に表示され、第2のVOP(B1−VOP)は、1:23:45:750に表示され、また、第3のVOP(B2−VOP)は、1:23:46:15
0に表示され、以下も同様である。
【0064】
VOPを符号化するためには、それぞれのVOPに表示時刻データを挿入することが必要である。もし、時、分、秒、およびミリ秒を含む完全な形で時刻データを挿入するとすれば、それぞれのVOPのヘッダー部分にかなりのデータ領域が必要である。本発明の目的は、そのようなデータ領域を減少させることであり、また、それぞれのVOPに挿入されるべき時刻データを単純化することである。
【0065】
図18の1番上の横列に示されるVOPのそれぞれは、ミリ秒からなる表示時刻データをVOP時刻増分領域に記憶する。また、1番上の横列にあるVOPのそれぞれは、一時的に、時、分、秒からなる表示時刻データも記憶する。GOPヘッダーは、第1のVOP(I1−VOP)に用いられる時、分、秒からなる表示データを記憶する。
【0066】
図18の2番目の横列に示されるように、VOPは、バッファー(図示せず)を用いて予め定められた時間だけ遅延させられる。双方向予測方式によれば、バッファーからVOPが生成されるときにVOPの順序が変わるので、双方向のVOPすなわちB−VOPは、そのB−VOPが参照するP−VOPの後に位置すべきである。したがって、VOPは、I1、P1、B1、B2、P2、B3の順序で一列に並べられる。
【0067】
図18の3番目の横列に示されるように、時刻T1において、すなわち、GOPヘッダーがまさに符号化されるときに、GOPヘッダーに記憶された時、分、秒のデータがそのままローカル時刻基準レジスタに記憶される。図18に示される例では、ローカル時刻基準レジスタは、1:23:45を記憶する。そして、時刻T2よりも前において、GOPヘッダーに対応するビットストリームデータが得られ、図18の下側に示されるように時、分、秒のデータが挿入される。
【0068】
そして、時刻T2において、第1のVOP(I1−VOP)が取り込まれる。時刻符号比較器が、ローカル時刻基準レジスタに記憶された時刻(時、分、秒)を第1のVOP(I1−VOP)に一時的に記憶された時刻(時、分、秒)と比較する。この例によれば、比較結果は同じとなる。したがって、比較器は、第1のVOP(I1−VOP)がローカル時刻基準レジスタに保持されている秒と同じ秒において発生したことを表す“0”を生成する。比較器によって生成された“0”がそのまま第1のVOP(I1−VOP)のモジュロ時刻基準領域に付与される。それと同時に、第1のVOP(I1−VOP)に一時的に記憶された時、分、秒のデータは除去される。したがって、時刻T3よりも前において、第1のVOP(I1−VOP)に対応するビットストリームデータが得られ、“0”がモジュロ時刻基準領域に挿入され、“350”がVOP時刻増分領域に挿入される。
【0069】
次に、時刻T3において、第2のVOP(P1−VOP)が取り込まれる。時刻符号比較器が、ローカル時刻基準レジスタに記憶された時刻(時、分、秒)を第2のVOP(P1−VOP)に一時的に記憶された時刻(時、分、秒)と比較する。この例によれば、比較の結果は、第2のVOP(P1−VOP)に一時的に記憶された時刻は、ローカル時刻基準レジスタに記憶された時刻よりも1秒だけ大きいこととなる。したがって、比較器は、第2のVOP(P1−VOP)がローカル時刻基準レジスタに保持されている秒の次の1秒において発生したことを表す“10”を生成する。もし第2のVOP(P1−VOP)が、ローカル時刻基準レジスタに保持されている秒の次のさらにその次の秒において発生すれば、比較器は“110”を生成する。
【0070】
時刻T3よりも後において、B−VOP時刻基準レジスタは、時刻T3の直前にローカル時刻基準レジスタに保持されている時刻と等しい時刻がセットされる。この例では、B−VOP時刻基準レジスタには、1:23:45がセットされる。また、時刻T3よりも後において、ローカル時刻基準レジスタは、第2のVOP(P1−VOP)に一時的に記憶されている時刻に等しい時刻にインクリメントされる。したがって、この例においては、ローカル時刻基準レジスタは、1:23:46にインクリメントされる。
【0071】
比較器によって生成された結果として得られた“10”がそのまま第2のVOP(P1−VOP)のモジュロ時刻基準領域に付与される。それと同時に、第2のVOP(P1−VOP)に一時的に記憶された時、分、秒のデータが除去される。したがって、時刻T4よりも前において、第2のVOP(P1−VOP)に対応するビットストリームデータが得られ、“10”がモジュロ時刻基準領域に挿入され、“550”がVOP時刻増分領域に挿入される。
【0072】
そして、時刻T4において、第3のVOP(B1−VOP)が取り込まれる。時刻符号比較器が、B−VOP時刻基準レジスタに記憶された時刻(時、分、秒)を第3のVOP(B1−VOP)に一時的に記憶された時刻(時、分、秒)と比較する。この例によれば、比較の結果は同じとなる。したがって、比較器は、第3のVOP(B1−VOP)がB−VOP時刻基準レジスタに保持されている秒と同じ秒において発生したことを表す“0”を生成する。比較器によって生成された結果として得られた“0”がそのまま第3のVOP(B1−VOP)のモジュロ時刻基準領域に付与される。それと同時に、第1のVOP(I1−VOP)に一時的に記憶された時、分、秒のデータが除去される。したがって、時刻T5よりも前において、第3のVOP(B1−VOP)に対応するビットストリームデータが得られ、“0”がモジュロ時刻基準領域に挿入され、“750”がVOP時刻増分領域に挿入され。
【0073】
そして、時刻T5において、第4のVOP(B2−VOP)が取り込まれる。時刻符号比較器が、B−VOP時刻基準レジスタに記憶された時刻(時、分、秒)を第4のVOP(B2−VOP)に一時的に記憶された時刻(時、分、秒)と比較する。この例によれば、比較の結果は、第4のVOP(B2−VOP)に一時的に記憶された時刻がB−VOP時刻基準レジスタに記憶された時刻よりも1秒だけ大きいことになる。したがって、比較器は、第4のVOP(B2−VOP)がB−VOP時刻基準レジスタに保持されている秒の次の1秒において発生したことを表す“10”を生成する。
【0074】
BタイプのVOPを処理している間には、どのような結果を比較器が生成しようともそれに関係なく、ローカル時刻基準レジスタもB−VOP時刻基準レジスタもインクリメントされることはない。
【0075】
比較器によって生成された結果として得られた“10”がそのまま第4のVOP(B2−VOP)のモジュロ時刻基準領域に付与される。それと同時に、第4のVOP(B2−VOP)に一時的に記憶された時、分、秒のデータが除去される。したがって、時刻T6よりも前において、第4のVOP(B2−VOP)に対応するビットストリームデータが得られ、“10”がモジュロ時刻基準領域に挿入され、“150”がVOP時刻増分領域に挿入される。
【0076】
そして、時刻T6において、第5のVOP(P2−VOP)が取り込まれる。時刻符号比較器が、ローカル時刻基準レジスタに記憶された時刻(時、分、秒)を第5のVOP(P2−VOP)に一時的に記憶された時刻(時、分、秒)と比較する。この例によれば、比較の結果は、第5のVOP(P2−VOP)に一時的に記憶された時刻がローカル時刻基準レジスタに記憶された時刻よりも1秒だけ大きいことになる。したがって、比較器は、第5のVOP(P2−VOP)がローカル時刻基準レジスタに保持されている秒の次の1秒において発生したことを表す“10”を生成する。
【0077】
時刻T6よりも後において、B−VOP時刻基準レジスタは、時刻T6の直前にローカル時刻基準レジスタに保持されている時刻と等しい時刻にインクリメントされる。この例においては、B−VOP時刻基準レジスタは、1:23:46にインクリメントされる。さらに、時刻T6よりも後において、ローカル時刻基準レジスタは、第5のVOP(P2−VOP)に一時的に記憶された時刻と等しい時刻にインクリメントされる。したがって、この例では、ローカル時刻基準レジスタは、1:23:47にインクリメントされる。
【0078】
比較器によって生成された結果として得られた“10”がそのまま第5のVOP(P2−VOP)のモジュロ時刻基準領域に付与される。それと同時に、第5のVOP(P2−VOP)に一時的に記憶された時、分、秒のデータが除去される。したがって、時刻T7よりも前において、第5のVOP(P2−VOP)に対応するビットストリームデータが得られ、“10”がモジュロ時刻基準領域に挿入され、“350”がVOP時刻増分領域に挿入される。
【0079】
その後、同様の処理が実行され、それ以降のVOPに対するビットストリームデータが形成される。
【0080】
このビットストリームデータを復号化するために、上述の処理とは逆の処理が実行される。まず最初に、GOPヘッダーに保持される時刻(時、分、秒)が読み込まれる。読み込まれた時刻は、ローカル時刻基準レジスタに記憶される。
【0081】
IタイプまたはPタイプのVOPすなわちBタイプ以外のVOPを受けた場合、モジュロ時刻基準領域に記憶されたデータが読み込まれる。もし読み込まれたデータが“0”であれば、すなわち、0の前に1がなければ、ローカル時刻基準レジスタは変更されることはない。また、B−VOP時刻基準レジスタも変更されることはない。もし読み込まれたデータが“10”であれば、ローカル時刻基準レジスタに記憶された時刻が1秒だけインクリメントされる。もし読み込まれたデータが“110”であれば、ローカル時刻基準レジスタに記憶された時刻が2秒だけインクリメントされる。このように、インクリメントされるべき秒数は、0の前に挿入された1の数によって決定される。また、読み込まれたデータが“10”または“110”の場合には、メモリーであるB−VOP時刻基準レジスタは、ローカル時刻基準レジスタがインクリメント直前に保持していた時刻をコピーする。そして、ローカル時刻基準レジスタに保持された時刻(時、分、秒)がVOP時刻増分領域に保持された時刻(ミリ秒)と組み合わされ、IタイプまたはPタイプのVOPが生成されるべき時刻が確定される。
【0082】
BタイプのVOPを受けた場合は、モジュロ時刻基準領域に記憶されたデータが読み込まれる。もし読み込まれたデータが“0”であれば、B−VOP時刻基準レジスタに保持された時刻(時、分、秒)がVOP時刻増分領域に保持された時刻(ミリ秒)と組み合わされ、BタイプのVOPが生成されるべき時刻が確定される。もし読み込まれたデータが“10”であれば、B−VOP時刻基準レジスタに保持された時刻(時、分、秒)は1秒が加算され、この加算されて得られた時刻がVOP時刻増分領域に保持された時刻(ミリ秒)と組み合わされ、BタイプのVOPが生成されるべき時刻が確定される。もし読み込まれたデータが“110”であれば、B−VOP時刻基準レジスタに保持された時刻(時、分、秒)に2秒加算され、この加算されて得られた時刻がVOP時刻増分領域に保持された時刻(ミリ秒)と組み合わされ、BタイプのVOPが生成されるべき時刻が確定される。
【0083】
本発明の効果は、異なった符号器によって符号化されたビデオ対象画を多重化することができることである。さらに、本発明は、異なったソースから得られる圧縮データを対象画に基づいて操作して新しいビットストリームを生成することを容易にする。本発明は、オーディオビジュアル対象画を同期させる方法を提供する。
【0084】
このように本発明が説明されたが、上述されたものは様々な形態に変更することができる。そのような変形は本発明の精神および範囲を逸脱するものではなく、この分野に通常の知識を有する者には明白なように、そのような変更のすべては請求の範囲に包含されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ビデオシーケンスのフレームが一定間隔でサンプリングされる従来技術による時間的なサンプリングを説明する図である。
【図2】ビデオ対象画の概念およびその互いの関係を説明する図である。ビデオ対象画のサンプリングは不規則であってもよく、また、サンプリング周期は急激に変化してもよい。
【図3】ビデオ対象画の参照時刻がモジュロ時刻基準とVOP時刻増分とによって表される本発明を説明する図である。この説明では、I−VOPおよびP−VOPだけが使用されている。
【図4】ビデオ対象画の参照時刻がモジュロ時刻基準とVOP時刻増分とによって表される本発明を説明する図である。この説明では、I−VOP、P−VOP、および、B−VOPが使用されている。
【図5】B−ビデオ対象画のためにプレゼンテーション順序および符号化順序が異なる場合に発生することがある曖昧さの例を説明する図である。
【図6】B−ビデオ対象画のためにプレゼンテーション順序および符号化順序が異なる場合に発生することがある曖昧さの例を説明する図である。
【図7】B−ビデオ対象画のためにプレゼンテーション順序および符号化順序が異なる場合に発生することがある曖昧さの例を説明する図である。
【図8】B−ビデオ対象画のためにプレゼンテーション順序および符号化順序が異なる場合に発生することがある曖昧さの例を説明する図である。
【図9】絶対時刻基準および相対時刻基準を用いることによって曖昧さを解決することを説明する図である。
【図10】絶対時刻基準および相対時刻基準を用いることによって曖昧さを解決することを説明する図である。
【図11】2つのVOPの組み合わせと、VOP時刻オフセットを用いることによってそれらを共通時刻基準に同期させることとを説明する図である。
【図12】時刻基準の符号化を説明するフローチャートである。
【図13】複数のビデオ対象画の多重化を説明するフローチャートである。
【図14】複数のビデオ対象画の多重分離を説明するフローチャートである。
【図15】プレゼンテーションタイムスタンプの再生を説明するフローチャートである。
【図16】時刻基準を符号化するためのビットストリーム符号器の動作を説明するブロック構成図である。
【図17】時刻基準を復号化するためのビットストリーム復号器の動作を説明するブロック構成図である。
【図18】ビットストリームデータの形成を説明するタイムチャートである。
Claims (1)
- VOPのローカル時刻を符号化する方法であって、
前記ローカル時刻の開始時刻を表す、1秒の単位で示された時刻符号を符号化し、
前記VOPが最初のVOPである場合には、前記最初のVOPのローカル時刻に対しては、前記時刻符号からの1秒を単位とする時刻増分をモジュロ時刻基準増分として符号化すると共に、前記最初のVOPのローカル時刻の1秒より短い時刻増分をVOP時刻増分として符号化し、
前記VOPが前記最初のVOPの後に続く符号化対象VOPである場合には、前記符号化対象VOPのローカル時刻に対しては、符号化順序において前記符号化対象VOPの直前に位置するVOPのローカル時刻の内、1秒の単位で示された時刻部分からの1秒を単位とする時刻増分をモジュロ時刻基準増分として符号化すると共に、前記符号化対象VOPのローカル時刻の1秒より短い時刻増分をVOP時刻増分として符号化し、
符号化された前記時刻符号と、符号化された前記VOPのモジュロ時刻基準増分とVOP時刻増分を、前記VOPの符号化データと共に多重化し、
前記VOPのローカル時刻を、前記時刻符号、前記モジュロ時刻基準増分と前記VOP時刻増分との組合せで表現することを特徴とするVOPのローカル時刻符号化方法。
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