JP3768327B2 - Ethylene polymer - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエチレン系重合体に関し、更に詳しくは、溶融時の流動特性及び偏肉精度などの成形加工特性と、成形体の固体物性を両立させたフィルム、中空成形体などの原料樹脂として好ましい特性を有するエチレン系重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
エチレン系重合体は様々な用途に広く使われており、要求される特性も多岐に渡っている。例えば、フィルムをインフレーション法により成形する場合、バブルのゆれ、或いはちぎれがなく、安定して高速成形を行うためには、溶融張力(メルトテンション)の大きいものを選択しなければならない。この特性は、ブロー成形法や発泡成形法などその他の多くの成形加工法においても重要であることが知られている。
メルトテンションが高い材料として、柔軟であり、且つ比較的透明性が良好である高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)が、フィルムを始め、各用途に使用されてきた。しかしながら、LDPEは、耐衝撃性、耐引裂性、耐環境応力亀裂性(ESCR)などに劣るという欠点があったため、これらの性能の要求される用途の分野では利用に制約を受けていた。
一方、中低圧法により製造される直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)は、LDPEに比べて、機械的強度やESCRに優れるため、LDPEを使用できなかった用途への利用が期待できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、LLDPEは、メルトテンションが低いため、LLDPEの優れた固体物性を維持したままで、メルトテンションを向上させる必要がある。
一般にメルトテンションは分子量依存性があり、高分子量化するほど(または分子量分布を広げる程)、メルトテンションは高くなることが知られている。しかし、その度合いは限られており、高分子量化は溶融時の流動特性を低下させ、押出量、つまり生産性の点で問題が生じてしまう。
また、特開平1−77516号公報には、LLDPEにLDPEをブレンドすることによりメルトテンションを向上させた組成物が開示されている。しかし、LDPEをブレンドする場合、その量に応じたメルトテンションの向上が見込めるが、フィルムインパクトなどの成形物の機械的強度が著しく低下してしまうため、用途が限定されてしまうのが実状であり、抜本的な解決法とはなっていない。
更に、特開平7−309908号公報には、特定のメタロセン系触媒により得られた2種類の重合体のブレンド物を用いた組成物が開示されている。しかし、まだメルトテンションが低く、フィルムに成形した場合の機械的強度も充分ではない上に、2成分をブレンドするため製造上の煩雑さや、混練に起因するゲルやフィッシュアイなどの問題も避けられない。
また、特開平7−278221号公報には、特定のチーグラー系触媒により得られる、メルトテンション(MT)とMFRの関係が、logMT≧−0.4logMFR+0.75で示される範囲にあるエチレン系重合体が開示されている。この重合体のメルトテンションは関係式から判断してかなり高く、良好な成形性が予想されるが、やはり機械的強度が充分でなく、両特性を両立させることは達成されていない。
更に、特開平8−34819号公報には、メルトテンション(MT)とメルトインデックス(MI)の関係が、logMT>−0.46logMI+0.5で示される範囲にあるエチレン系重合体が開示されている。しかし、この重合体はビニル基が多く、成形加工時の熱安定性に劣るという問題がある。
【0004】
本発明は、上記のような状況を鑑みなされたものであって、成形性に優れ、かつ機械的強度、光学特性、熱安定性に優れたフィルム等を製造し得るエチレン系重合体を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、上記の課題は、190℃におけるメルトテンション(MT)(g)と、190℃における周波数10-2rad/secでの粘度(η1)(poise)を102rad/secでの粘度(η2)(poise)で割った値(η1/η2)の関係が、次式を満たし、
η1/η2>0.85MT+6.3 (但し、MT≧1.5g)
GPC法により測定した数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比であるMw/Mnが3〜7であることを特徴とするエチレン系重合体により解決される。
この際、190℃、2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)に対する190℃、21.6kgにおけるメルトフローレート(HLMFR)の比(HLMFR/MFR)が、30〜100であることが望ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のエチレン系重合体は、次式▲1▼を満たすことが必要である。
η1/η2>0.85MT+6.3 (但し、MT≧1.5g) ・・・▲1▼
より好ましくは、η1/η2>0.85MT+7.0、
さらに好適には、η1/η2>0.85MT+7.8を満たすことが望ましい。
η1/η2がこの規定より低い場合は、成形性が大幅に劣る。
本発明に用いられている特定の周波数における粘度比(η1/η2)について説明する。この値は、市販のレオロジー測定装置によって測定することができるもので、簡易的に樹脂の流動特性を数値化したものである。
【0007】
具体的には、190℃における周波数10-2rad/secから102rad/secまでの粘度測定を、レオメトリクス社製RMS−800にて直径25mmのパラレルプレートを用いて行い、周波数10-2rad/secと102rad/secの粘度の比をとったもので、粘度カーブの傾きを表すパラメータである。この値が大きいほど粘度カーブの傾きが大きく、粘度の周波数依存性が大きいと言える。実際の成形加工を考えた場合、例えばインフレーション成形では生産性に大きく影響する吐出量は、押出機内での剪断速度の高い領域での粘度が低いことが必要であり、バブル安定性や偏肉精度などのダイスを出た後の低剪断速度領域では粘度が高いことが必要である。つまり、高剪断速度領域では低粘度化が、低剪断速度領域では高粘度化が、加工性向上のために樹脂に求められる特性である。これらは、相反する特性であるが、粘度カーブの傾きを大きくすることでこれらの問題を解決することができると考えられる。
【0008】
本発明のエチレン系重合体においては、190℃における周波数10-2rad/secでの粘度(η1)を、102rad/secでの粘度(η2)で割った値であるη1/η2が9〜90であり、好ましくは11〜75、さらに好適には15〜60であることが望ましい。η1/η2が9より小さい場合、成形安定性が著しく劣り、90より大きい場合は、分子量が高くなり、成形時に必要な流動性が確保できない。
本発明のエチレン系重合体は、190℃におけるメルトテンション(MT)が1.5〜30.0gであることが好ましく、より好ましくは3.0〜25.0g、さらに好適には3.2〜15.0gである。MTが1.5gより小さい場合は、張力がないためフィルム成形が不可能であり、30.0gより大きい場合は、分子量が高くなり、成形時に必要な流動性が確保できない。
【0009】
本発明のエチレン系重合体の190℃、2.16kgにおけるメルトフローレート(以下、MFRともいう。)は、0.01〜20g/10分、好ましくは0.05〜10g/10分であり、さらに好適には0.1〜5g/10分である。0.01g/10分よりMFRが小さい場合、溶融時の粘度が高いため、通常の成形条件では押出成形が出来ない。20g/10分よりMFRが大きい場合は、メルトテンションが低いためフィルム成形が出来ない。
本発明のエチレン系重合体の190℃、21.6kgにおけるメルトフローレート(以下、HLMFRともいう。)とMFRの比であるHLMFR/MFRは、30〜100であることが好ましく、より好ましくは40〜85、さらに好適には45〜75である。HLMFR/MFRが30未満である場合、押出時の流動性が悪く生産性が低くなるので実用的に不利である。また、HLMFR/MFRが100より大きい場合は、透明性が低下するため不利となる。
【0010】
本発明のエチレン系重合体は、メルトテンション(MT)とメルトフローレート(MFR)とが、次式▲2▼を満たすことが望ましい。
logMT<−0.4logMFR+0.75 ・・・▲2▼
式▲2▼を満足すると、良好な成形性と共に機械的強度が優れ、両特性のバランスがとれる。
本発明のエチレン系重合体は、GPC(Gel Permeation Chromatograph)法により測定した数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比であるMw/Mnについて、3≦Mw/Mn≦7を満たすことが必要であり、より好ましくは、3.5≦Mw/Mn≦6.5、さらに好適には、4<Mw/Mn≦6である。
Mw/Mnは、分子量分布の大きさを表す指標であり、この値が3より小さい場合、メルトテンションが低くなるため成形性が悪くなる。また7より大きい場合は、成形品の透明性が低下するため好ましくない。
【0011】
本発明のエチレン系重合体の密度は、0.890〜0.970g/cm3、好ましくは0.900〜0.960g/cm3、さらに好適には0.905〜0.955g/cm3である。0.890g/cm3より密度が低い場合は、実質的に製造が難しい。0.970g/cm3より密度が高い場合は、機械的強度に劣るため好ましくない。
本発明のエチレン系重合体は、エチレン単独重合体または、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとのランダム共重合体である。エチレンとの共重合に用いられる炭素原子数3〜20のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等が挙げられる。これらの中では炭素数3〜10のα−オレフィンが好ましく、3〜6のα−オレフィンがさらに好適である。
本発明のエチレン系重合体は、エチレンから導かれる構成単位は、50〜100重量%、好ましくは55〜99重量%、さらに好適には65〜98重量%の割合で存在し、炭素数3〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位は0〜50重量%、好ましくは1〜45重量%、さらに好適には2〜35重量%である。
【0012】
本発明のエチレン系重合体の製造に関し、マグネシウムを含有した無機質固体化合物に、チタンを担持してなる固体触媒成分(A)と、有機アルミニウム化合物(B)を組み合わせたものを、特定のマグネシウム化合物(C)で処理後に、特定のハロゲン含有化合物(D)で処理することにより得ることができる触媒を使用すると、本発明のエチレン系重合体を効率よく製造できる。
以下、(A)〜(D)として有効な材料、及び特定の処理条件を具体的に述べる。
固体触媒成分(A)は、例えば、金属マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、塩化マグネシウムなど、また珪素、アルミニウム、カルシウムから選ばれる金属とマグネシウム原子とを有する複塩、複酸化物、炭酸塩、塩化物あるいは水酸化物など、更にはこれらの無機質固体化合物を含酸素化合物、含硫黄化合物、芳香族炭化水素、含ハロゲン物質で処理または反応させたものなどのマグネシウムを含む無機質固体化合物に、チタン化合物を坦持したものが挙げられる。
【0013】
マグネシウムを含む無機質固体化合物としては、金属マグネシウムまたは他のマグネシウム化合物から誘導された固体状のものであってもよい。具体的には塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウムのようなハロゲン化マグネシウム、ラウリン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムのようなカルボン酸塩、炭酸マグネシウム、ホウ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムなどの無機酸塩類などを挙げることができる。この中でもハロゲン化マグネシウム、特に塩化マグネシウムが好ましい。
上記の含酸素化合物としては、例えば水、アルコール、フェノール、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、エステル、ポリシロキサン、酸アミド等の有機含酸素化合物、金属アルコキシド、金属のオキシ塩化物等の無機含酸素化合物を例示することができる。含硫黄化合物としては、チオール、チオエーテルの如き有機含硫黄化合物、二酸化硫黄、三酸化硫黄、硫酸の如き無機硫黄化合物を例示することができる。芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、アントラセン、フエナンスレンの如き各種単環または多環の芳香族炭化水素化合物を例示することができる。含ハロゲン物質としては、塩素、塩化水素、金属ハロゲン化物の如き化合物等を例示することができる。
【0014】
チタン化合物としては、チタンのハロゲン化物、アルコキシハロゲン化物、アルコキシド、ハロゲン化酸化物などを挙げることができる。チタン化合物としては4価のチタン化合物と3価のチタン化合物が好適である。
4価のチタン化合物としては、具体的には一般式Ti(OR)nX4-n(ここでRは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示す。nは0≦n≦4である)で示されるものが好ましい。具体的には、四塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタン、四フッ化チタンのようなテトラハロゲン化チタン、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタンのようなテトラアルコキシチタン、メトキシチタントリクロライド、エトキシチタントリクロライドのようなトリハロゲン化チタン化合物、ジメトキシチタンジクロライド、ジエトキシチタンジクロライドのようなジハロゲン化チタン化合物、トリメトキシチタンクロライド、トリエトキシチタンクロライドのようなモノハロゲン化チタン化合物などを挙げることができる。
【0015】
3価のチタン化合物としては、四塩化チタン、四臭化チタンなどの四ハロゲン化チタンを水素、アルミニウム、チタンあるいは周期律表第I〜III族金属の有機金属化合物により還元して得られる三ハロゲン化チタンが挙げられる。また一般式Ti(OR)mX4-m(ここでRは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示す。mは0≦m≦4である)で示される4価のハロゲン化アルコキシチタンを周期律表第I〜III族金属の有機金属化合物により還元して得られる3価のチタン化合物が挙げられる。これらのチタン化合物のうち、4価のチタン化合物が特に好ましく、テトラハロゲン化チタン、特に四塩化チタンがより好ましい。これらのチタン化合物は単独で用いてもよいし、2種類以上の混合物として用いてもよい。また、炭化水素、ハロゲン化炭化水素などの溶媒で希釈したものを用いてもよい。
上記マグネシウムを含む無機質固体化合物に、チタン化合物を坦持させる方法としては、公知の手段、例えば、特開昭58―225105号公報等に記載されている手段を適用することができる。したがって、例えば、無機質固体化合物に、チタン化合物を液相にて接触させれば良い。この場合、炭化水素系の溶媒の存在下での接触の他、チタン化合物が液状であれば、そのまま無溶媒で接触させてもよい。
炭化水素系溶媒の存在下で接触させる場合、その炭化水素としては、脂肪族炭化水素(例えば、イソブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、パラフィン)、脂環族炭化水素(例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン)が挙げられる。
また、マグネシウム化合物とチタン化合物の接触温度は、用いる溶媒などによるが、0〜200℃、好ましくは10〜150℃、さらに好適には20〜100℃である。
また、マグネシウムを含む無機質固体化合物に対してチタン化合物は、0.001〜100モル当量、好ましくは0.01〜10モル当量、さらに好適には0.05〜5モル当量用いる。
接触時間は、10分〜5時間が一般的である。10分未満だと、接触が不十分であり、5時間以上であると、不必要であるばかりでなく、失活するおそれがある。
接触反応後には、未反応のチタン化合物が含まれているおそれがあるので、固体触媒成分の精製を行なった方がよい。
【0016】
有機アルミニウム化合物(B)は、例えば、一般式R’nAlX3-n(式中のR’は炭素数1〜12の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子または水素原子を示し、nは1〜3である。)で示される有機アルミニウム化合物を例示できる。
上記の式においてR’の炭素数1〜12の炭化水素基としては、例えばアルキル基、シクロアルキル基、アリール基が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などである。
このような有機アルミニウム化合物(B)としてはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライドなどのハロゲン化ジアルキルアルミニウム、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライドなどのジハロゲン化アルキルアルミニウムなどを例示できる。
【0017】
マグネシウム化合物(C)は、金属マグネシウムや他のマグネシウム化合物から誘導したものでよいが、基本的には液状状態であることが必要である。また、液体のマグネシウム化合物だけでなくマグネシウム化合物の可溶液に溶解したものでもよい。具体的には塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、フッ化マグネシウムのようなハロゲン化マグネシウム、ラウリン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムのようなカルボン酸塩、炭酸マグネシウム、ホウ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムなどの無機酸塩類、ジエトキシマグネシウム、ジブトキシマグネシウム、ジイソプロポキシマグネシウム、ジオクトキシマグネシウムなどのジアルコキシマグネシウム、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウム(BEM)などのジアルキルマグネシウムなどを挙げることができる。これらの中で好ましいものは、炭化水素溶媒に可溶のものであり、特にブチルエチルマグネシウムが好ましい。
【0018】
ハロゲン含有化合物(D)は、ハロゲンがフッ素、塩素、臭素、またはヨウ素であり、好ましくは塩素であり、具体的には、四塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタン、四フッ化チタンのハロゲン化チタン、四塩化ケイ素、トリクロロシラン、ジクロロシランのようなハロゲン化ケイ素、三塩化リン、五塩化リンのハロゲン化リンが例示できるが、触媒調製法によってはハロゲン化炭化水素、ハロゲン分子、ハロゲン化水素を用いてもよい。これらの中でもハロゲン化チタン、特に四塩化チタンが好ましい。
【0019】
以下、触媒調製に関する処理条件について示す。
固体触媒成分(A)と有機アルミニウム化合物(B)を組み合わせる際の有機アルミニウム化合物(B)の使用量は、固体触媒成分(A)の調製で用いるチタン化合物に対し、0.1〜100モル当量、好ましくは0.5〜10モル当量、好適には1〜5モル当量である。有機アルミニウム化合物(B)の接触温度は、−78〜100℃、好ましくは−50〜50℃である。
【0020】
特定のマグネシウム化合物(C)の使用量は、固体触媒成分(A)の調製で用いるチタン化合物に対して、0.01〜10モル当量、好ましくは0.05〜5モル当量である。特定のマグネシウム化合物(C)の接触温度は、0〜100℃、好ましくは10〜70℃である。
特定のハロゲン含有化合物(D)の使用量は、特定のマグネシウム化合物(C)の使用量に対して0.01〜100モル当量、好ましくは0.1〜10モル当量、さらに好適には0.5〜5モル当量である。特定のハロゲン含有化合物(D)の接触温度は、−50〜150℃、好ましくは0〜100℃である。
【0021】
この触媒においては、固体触媒成分(A)と有機アルミニウム化合物(B)の混合物をマグネシウム化合物(C)で接触処理した後に、ハロゲン含有化合物(D)で接触処理することが必須である。こうすることで、ブチルエチルマグネシウム等のマグネシウム化合物(C)で、固体触媒成分(A)及び有機アルミニウム化合物(B)を包囲した後に、四塩化チタン等のハロゲン含有化合物(D)を再度反応させることで、触媒表面の重合反応を制御することができ、長鎖分岐を生成することができる。
重合反応時には、上記した触媒にさらに有機アルミニウム化合物(E)を組み合わせることができる。その際の有機アルミニウム化合物(E)は、触媒調製時に使用する有機アルミニウム化合物(B)と同じものを用いることができる。この化合物の具体的な例については既に記述しており、使用量は特に制限されないが通常触媒中のチタン化合物に対して、0.1〜1000当量倍使用することができる。
【0022】
重合反応方法としては、溶液重合、スラリー重合といった液相重合法、気相重合法などが可能である。また、バッチ重合のみならず、連続重合、回分式重合を行うこともできる。また反応条件を変えて2段以上で重合することもできる。
液相重合法では反応溶媒として不活性炭化水素を使用することができる。この際に使用できる溶媒としては、プロパン、ブタン、イソブタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素が挙げられる。これら不活性炭化水素は単独で用いてもよいし、2種類以上の混合物として用いてもよい。
重合の反応条件を次に挙げる。重合温度は0〜200℃、好ましくは30〜150℃である。重合圧力は大気圧〜100kg/cm2G、好ましくは2〜50kg/cm2Gである。重合時に分子量調節の目的で連鎖移動剤として水素などを用いることもできる。
【0023】
本発明のエチレン系重合体には、本発明の効果を損なわない範囲において、熱可塑性樹脂や、充填剤、顔料、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、離型剤、発泡剤、核剤などの公知の添加剤を配合してもよい。
本発明のエチレン系重合体は、合成樹脂の分野で一般に実施されているフィルム成形法、中空成形法、射出成形法、押出成形法、圧縮成形法のごとき成形方法を適用して所望の形状に成形させてもよい。特に、通常の空冷インフレーション成形、空冷2段冷却インフレーション成形、高速インフレーション成形、T−ダイフィルム成形、水冷インフレーション成形等で成形することにより、良好なフィルムを得ることができる。このようにして得られたフィルムは、優れた機械的強度、光学特性、熱安定性を有している。また、メルトテンションが適度に高いため、成形時のバブルの安定性が非常に良い。
本発明のエチレン系重合体を成形して得られるフィルムは、上記特性を有しているので、包装用フィルム、輸液バッグ、農業用資材として好適に用いられる。また、ナイロン、ポリエステル等の基材と組み合わせて、多層フィルムとして使用できる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、後述する各評価は以下の手法・条件により行った。
(1)メルトテンション(MT)
東洋精機社製キャピログラフICを用い、ノズル部のオリフィス径2.095mm、長さ8mm、温度190℃、押出速度15mm/min、引き取り速度6.5m/minの条件において測定した。
(2)η1/η2
レオメトリクス社製RMS−800にて直径25mmのパラレルプレートを用いて行い、設定温度190℃にて周波数10-2rad/secから102rad/secまでの粘弾性測定を行い、周波数10-2rad/secでの粘度の値(η1)を102rad/secでの粘度の値(η2)で除して(η1/η2)値を算出した。
【0025】
(3)Mw/Mn
GPC(Waters社製150型)を用いて、カラム(Shodex HT-806M)を2本用い、サンプル量が0.8mg/ml、温度140℃、流量が1ml/minの条件で、溶媒として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)が0.05重量%添加された1,2,4−トリクロロベンゼン(TBC)を使って測定した。
(4)MFR
JIS K-6760に従い、温度190℃にて、MFRは荷重2.16kg、HLMFRは荷重21.6kgの条件で測定した。
(5)密度
JIS K-6760に従い試験片を作成し、測定に適当な大きさに切り出して、エタノール中で脱気後に、水/エタノール混合溶媒で構成された密度勾配管法で測定した。
【0026】
(6)沸騰n−ヘキサン可溶分
重合フラフ5gを、予め秤量した円筒濾紙に入れ、2重管式ソックスレー抽出器を用いて、沸騰n−ヘキサンで6時間抽出を行い、n−ヘキサン不溶分を取り出し、一昼夜、60℃にて真空乾燥後、次式により沸騰n−ヘキサン可溶分を算出した。
沸騰n−ヘキサン可溶分=(抽出前重量−抽出後重量)×100/抽出前重量(重量%)
(7)バブル安定性
以下の実施例に示す手法、条件にてインフレーションフィルム成形を行った時のバブル安定性を、良好、成形可、不良の3段階で評価した。
(8)フィルムインパクト
振子式フィルム衝撃試験機(フィルムインパクトテスター:東洋精機製作所製)により測定した。
(9)全ヘイズ
ASTM-D-1003-61に従って測定した。
【0027】
〔実施例1〕
(1)触媒成分の調製
市販の無水塩化マグネシウム100gを、直径10mmのステンレスボールを見かけ容積で50%充填したポットを用いて、16時間振動ボールミルで粉砕した。この粉砕した無水塩化マグネシウム3.35gを35mlのヘキサンに窒素下で懸濁させた(以下、全ての操作は窒素下で行った)。この懸濁液を60℃に昇温後、四塩化チタン0.2ml(1.8mmol)を加えて、1時間攪拌した。
この反応液を−20℃以下に冷却し、0.5mmol/Lのジエチルアルミニウムクロライドのヘキサン溶液18ml(9.0mmol)をこの反応液にゆっくりと滴下した。滴下後、−20℃以下に保ち1時間攪拌し、室温に昇温後、更に1時間攪拌した。ジエチルアルミニウムクロライドを加えて昇温していくと、固体物質の色は白から褐色へと変化した。生成した褐色の固体成分を、35mlのヘキサンで5回洗浄した。
この固体成分にヘキサン35mlを加え、懸濁液として1.25mol/Lのブチルエチルマグネシウムのヘプタン溶液(東ソーアグゾ社製)を0.15ml(0.19mmol)を加えて1時間攪拌した。その後、四塩化チタンを0.04ml加え、さらに1時間攪拌した。固体成分を35mlのヘキサンで5回洗浄し、溶媒を留去して粉末状の触媒(I)を得た。
【0028】
(2)重合
内容積6Lの攪拌機付きステンレス製オートクレーブにトリイソブチルアルミニウム2.4mmol、1−ヘキセン260g、イソブタン2400mlを加え、攪拌しながら70℃に昇温した。水素分圧がオートクレーブに設置してある圧力計のゲージ圧力で3kg/cm2となるように水素を導入した。上記調製した触媒(I)200mgを少量のイソブタンでスラリーとした後、エチレンで加圧してオートクレーブ中に導入し、重合開始とした。また、エチレン分圧がオートクレーブに設置してある圧力計のゲージ圧力で5kg/cm2となるようにエチレンの供給を続けながら70℃で重合を行った。重合開始から60分後、エチレンの供給を停止し、攪拌を停止してオートクレーブ内の未反応ガスを排出し重合を停止した。生成した重合体を60℃で4時間真空乾燥し、780gの重合体を得た。重合活性(生成した重合体重量を触媒重量、エチレン分圧、重合時間で割った値)は780g/g・(kg/cm2)・hであった。
【0029】
(3)重合体の評価
以上のようにして得られたエチレン系重合体100重量部に対して、抗酸化剤としてイルガノックスB−225(チバガイギー社製)を0.2重量部添加して、15mmΦ単軸押出機(サーモプラスチック(株)社製)を用い、設定温度180℃で混練してペレット化した。
得られた樹脂に関して、前記の方法で評価を行った。評価結果を表1に示す。但し、n−ヘキサン可溶部は混練前のパウダーのまま測定した。
引き続き、得られた樹脂を用い、単軸押出機(スクリュー径20mmΦ、L/D=20、20mmΦのダイ、リップ幅0.7mm、エアリング)を用い、エア流量=90リットル/分、押出量=10g/分、ブロー比=1.5、引取速度=2.5m/分、設定温度200℃の条件下で、厚み30μmのフィルムをインフレーション成形した。成形時のバブルの安定性は良好であった。得られたフィルムに関する評価結果を表1に示す。流動性、成形性に優れ、光学特性及び強度に優れたフィルムが得られた。
【0030】
〔実施例2〜5〕
重合に用いる1−ヘキセン量、水素分圧を表1に示す他は、実施例1と同様にして重合及び重合体の評価を行った。評価結果を表1に示す。
〔比較例1〕
実施例1の触媒成分の調製(1)において、調製最終段階にて加える四塩化チタンを加えない他は、実施例1と同様にして触媒調製、重合、評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1に比較して、η1/η2、及びHLMFR/MFR、メルトテンションが小さく、バブル安定性も劣ることがわかった。
〔比較例2〕
市販のポリエチレン(「A607F」:日本ポリオレフィン(株)社製)を用いて同様の評価を実施した。評価結果を表1に示す。
実施例2に比較して、MT、HLMFR/MFR、全ヘイズが大幅に劣ることがわかった。
〔比較例3〕
市販のポリエチレン(「A208FS」:日本ポリオレフィン(株)社製)を用いて同様の評価を実施した。評価結果を表1に示す。
実施例3に比較して、MT、HLMFR/MFR、フィルムインパクトが劣ることがわかった。
【0031】
【表1】
【表2】
【0032】
【発明の効果】
本発明のエチレン系重合体は、溶融時の流動特性及び偏肉精度などの成形加工特性と、成形体の固体物性を両立させたフィルム、ブロー成形品などの原料樹脂として好ましい特性を発揮する。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an ethylene-based polymer, and more specifically, a preferable property as a raw material resin for a film, a hollow molded body, and the like, which are compatible with molding processing characteristics such as flow characteristics and uneven thickness accuracy during melting, and solid physical properties of the molded body. The present invention relates to an ethylene polymer having
[0002]
[Prior art]
Ethylene-based polymers are widely used in various applications and have various required properties. For example, when a film is formed by an inflation method, a film having a high melt tension must be selected in order to stably perform high-speed forming without bubble fluctuation or tearing. This property is known to be important in many other molding processes such as blow molding and foam molding.
As a material having a high melt tension, a high-pressure low-density polyethylene (LDPE) that is flexible and relatively good in transparency has been used for various applications including a film. However, LDPE has a drawback of being inferior in impact resistance, tear resistance, environmental stress crack resistance (ESCR), and the like, and thus has been restricted in use in the field of applications requiring these performances.
On the other hand, linear low density polyethylene (LLDPE) produced by the medium-low pressure method is excellent in mechanical strength and ESCR as compared with LDPE, and can be expected to be used for applications where LDPE could not be used.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, since LLDPE has a low melt tension, it is necessary to improve the melt tension while maintaining the excellent solid physical properties of LLDPE.
In general, melt tension is dependent on molecular weight, and it is known that the higher the molecular weight (or the wider the molecular weight distribution), the higher the melt tension. However, the degree thereof is limited, and high molecular weight lowers the flow characteristics at the time of melting, and causes problems in terms of extrusion amount, that is, productivity.
JP-A-1-77516 discloses a composition in which melt tension is improved by blending LDPE with LLDPE. However, when LDPE is blended, the melt tension can be improved according to the amount, but since the mechanical strength of the molded product such as film impact is remarkably lowered, the actual use is limited. It ’s not a radical solution.
Further, JP-A-7-309908 discloses a composition using a blend of two kinds of polymers obtained by a specific metallocene catalyst. However, the melt tension is still low and the mechanical strength when formed into a film is not sufficient, and since the two components are blended, problems such as gel and fish eyes caused by kneading can be avoided. Absent.
JP-A-7-278221 discloses an ethylene polymer obtained by a specific Ziegler-based catalyst in which the relationship between melt tension (MT) and MFR is in the range indicated by logMT ≧ −0.4 logMFR + 0.75. Is disclosed. The melt tension of this polymer is considerably high as judged from the relational expression, and good moldability is expected, but the mechanical strength is still insufficient, and it has not been achieved to achieve both properties.
Further, JP-A-8-34819 discloses an ethylene polymer in which the relationship between melt tension (MT) and melt index (MI) is in a range represented by logMT> −0.46 logMI + 0.5. . However, this polymer has many vinyl groups and has a problem that it is inferior in thermal stability during molding.
[0004]
The present invention has been made in view of the above situation, and provides an ethylene-based polymer capable of producing a film having excellent moldability and excellent mechanical strength, optical properties, and thermal stability. This is the issue.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies, the present inventors have found that the above-described problems are the melt tension (MT) (g) at 190 ° C. and the frequency 10 at 190 ° C.-2Viscosity at rad / sec (η1) (Poise) 102Viscosity at rad / sec (η2) (Poise) divided by (η1/ Η2) Satisfies the following formula,
η1/ Η2> 0.85MT + 6.3 (however, MT ≧ 1.5g)
This is solved by an ethylene polymer characterized in that Mw / Mn, which is the ratio of the number average molecular weight (Mn) and the weight average molecular weight (Mw) measured by the GPC method, is 3 to 7.
At this time, the ratio of the melt flow rate (HLMFR) at 190 ° C. and 21.6 kg (HLMFR / MFR) to the melt flow rate (MFR) at 190 ° C. and 2.16 kg is preferably 30 to 100.
[0006]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be specifically described.
The ethylene-based polymer of the present invention must satisfy the following formula (1).
η1/ Η2> 0.85MT + 6.3 (however, MT ≧ 1.5 g) (1)
More preferably, η1/ Η2> 0.85MT + 7.0,
More preferably, η1/ Η2It is desirable to satisfy> 0.85MT + 7.8.
η1/ Η2Is lower than this rule, the moldability is significantly inferior.
Viscosity ratio (η at a specific frequency used in the present invention)1/ Η2). This value can be measured with a commercially available rheology measuring device, and is a simple quantification of the flow characteristics of the resin.
[0007]
Specifically, the frequency at 190 ° C. is 10-2rad / sec to 102Viscosity measurement up to rad / sec is carried out using a parallel plate having a diameter of 25 mm with RMS-800 manufactured by Rheometrics, and a frequency of 10-2rad / sec and 102It is a parameter representing the slope of the viscosity curve, taking the viscosity ratio of rad / sec. It can be said that the larger this value, the larger the slope of the viscosity curve and the greater the frequency dependency of the viscosity. When considering the actual molding process, for example, in inflation molding, the discharge rate that greatly affects the productivity needs to have a low viscosity in the region where the shear rate is high in the extruder, and bubble stability and thickness deviation accuracy are required. The viscosity needs to be high in the low shear rate region after exiting the die. That is, low viscosity in the high shear rate region and high viscosity in the low shear rate region are characteristics required of the resin for improving processability. These are contradictory characteristics, but it is considered that these problems can be solved by increasing the slope of the viscosity curve.
[0008]
In the ethylene polymer of the present invention, the frequency at 190 ° C. is 10-2Viscosity at rad / sec (η1) 102Viscosity at rad / sec (η2) Divided by η1/ Η2Is 9 to 90, preferably 11 to 75, and more preferably 15 to 60. η1/ Η2Is smaller than 9, the molding stability is remarkably inferior, and when it is larger than 90, the molecular weight becomes high, and the fluidity required at the time of molding cannot be ensured.
The ethylene polymer of the present invention preferably has a melt tension (MT) at 190 ° C. of 1.5 to 30.0 g, more preferably 3.0 to 25.0 g, and even more preferably 3.2. 15.0 g. When MT is smaller than 1.5 g, film formation is impossible because there is no tension, and when it is larger than 30.0 g, molecular weight becomes high, and fluidity required at the time of molding cannot be ensured.
[0009]
The melt flow rate (hereinafter also referred to as MFR) at 190 ° C. and 2.16 kg of the ethylene-based polymer of the present invention is 0.01 to 20 g / 10 minutes, preferably 0.05 to 10 g / 10 minutes. More preferably, it is 0.1-5 g / 10min. When the MFR is smaller than 0.01 g / 10 minutes, the viscosity at the time of melting is high, and thus extrusion molding cannot be performed under normal molding conditions. When the MFR is larger than 20 g / 10 minutes, the film cannot be formed because the melt tension is low.
HLMFR / MFR, which is the ratio of the melt flow rate (hereinafter also referred to as HLMFR) at 190 ° C. and 21.6 kg of the ethylene polymer of the present invention to MFR, is preferably 30 to 100, more preferably 40. ˜85, more preferably 45˜75. When HLMFR / MFR is less than 30, the fluidity during extrusion is poor and the productivity is lowered, which is practically disadvantageous. On the other hand, if HLMFR / MFR is greater than 100, the transparency is lowered, which is disadvantageous.
[0010]
In the ethylene polymer of the present invention, it is desirable that the melt tension (MT) and the melt flow rate (MFR) satisfy the following formula (2).
logMT <−0.4 logMFR + 0.75 (2)
When the formula (2) is satisfied, the mechanical strength is excellent with good moldability, and both characteristics are balanced.
The ethylene-based polymer of the present invention satisfies 3 ≦ Mw / Mn ≦ 7 with respect to Mw / Mn, which is the ratio of the number average molecular weight (Mn) and the weight average molecular weight (Mw) measured by GPC (Gel Permeation Chromatograph) method. More preferably, 3.5 ≦ Mw / Mn ≦ 6.5, and more preferably 4 <Mw / Mn ≦ 6.
Mw / Mn is an index representing the size of the molecular weight distribution. When this value is smaller than 3, the melt tension becomes low and the moldability becomes poor. On the other hand, when it is larger than 7, the transparency of the molded product is lowered, which is not preferable.
[0011]
The density of the ethylene polymer of the present invention is from 0.890 to 0.970 g / cm.Three, Preferably 0.900-0.960 g / cmThreeMore preferably, 0.905 to 0.955 g / cmThreeIt is. 0.890 g / cmThreeIf the density is lower, manufacturing is substantially difficult. 0.970 g / cmThreeA higher density is not preferable because it is inferior in mechanical strength.
The ethylene polymer of the present invention is an ethylene homopolymer or a random copolymer of ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms. Examples of the α-olefin having 3 to 20 carbon atoms used for copolymerization with ethylene include propylene, 1-butene, 1-pentene, 1-hexene, 4-methyl-1-pentene, 1-octene and 1-decene. 1-dodecene, 1-tetradecene, 1-hexadecene, 1-octadecene, 1-eicosene and the like. Among these, an α-olefin having 3 to 10 carbon atoms is preferable, and an α-olefin having 3 to 6 carbons is more preferable.
In the ethylene-based polymer of the present invention, the structural unit derived from ethylene is present in a proportion of 50 to 100% by weight, preferably 55 to 99% by weight, and more preferably 65 to 98% by weight. The structural unit derived from 20 α-olefins is 0 to 50% by weight, preferably 1 to 45% by weight, and more preferably 2 to 35% by weight.
[0012]
Regarding the production of the ethylene-based polymer of the present invention, a combination of a solid catalyst component (A) formed by supporting titanium on an inorganic solid compound containing magnesium and an organoaluminum compound (B) is used as a specific magnesium compound. When the catalyst obtained by treating with the specific halogen-containing compound (D) after the treatment with (C) is used, the ethylene polymer of the present invention can be produced efficiently.
Hereinafter, materials effective as (A) to (D) and specific processing conditions will be specifically described.
The solid catalyst component (A) is, for example, metal magnesium, magnesium hydroxide, magnesium carbonate, magnesium oxide, magnesium chloride, etc., and a double salt, a double oxide having a metal selected from silicon, aluminum, calcium and a magnesium atom, Inorganic solid compounds containing magnesium such as carbonates, chlorides or hydroxides, and those inorganic solid compounds treated or reacted with oxygen-containing compounds, sulfur-containing compounds, aromatic hydrocarbons and halogen-containing substances. In addition, those carrying a titanium compound can be mentioned.
[0013]
The inorganic solid compound containing magnesium may be a solid compound derived from metallic magnesium or another magnesium compound. Specifically, magnesium halides such as magnesium chloride, magnesium bromide and magnesium iodide, carboxylates such as magnesium laurate and magnesium stearate, inorganic acid salts such as magnesium carbonate, magnesium borate and magnesium silicate And so on. Among these, magnesium halide, particularly magnesium chloride is preferable.
Examples of the oxygen-containing compound include organic oxygen-containing compounds such as water, alcohol, phenol, ketone, aldehyde, carboxylic acid, ester, polysiloxane, and acid amide, inorganic oxygen-containing compounds such as metal alkoxides and metal oxychlorides. Can be illustrated. Examples of the sulfur-containing compound include organic sulfur-containing compounds such as thiol and thioether, and inorganic sulfur compounds such as sulfur dioxide, sulfur trioxide, and sulfuric acid. Examples of the aromatic hydrocarbon include various monocyclic or polycyclic aromatic hydrocarbon compounds such as benzene, toluene, xylene, anthracene, and phenanthrene. Examples of the halogen-containing substance include compounds such as chlorine, hydrogen chloride and metal halides.
[0014]
Examples of titanium compounds include titanium halides, alkoxy halides, alkoxides, and halogenated oxides. As the titanium compound, a tetravalent titanium compound and a trivalent titanium compound are suitable.
As the tetravalent titanium compound, specifically, the general formula Ti (OR)nX4-nHere, R is an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, an aryl group or an aralkyl group, X is a halogen atom, and n is 0 ≦ n ≦ 4. Specifically, titanium tetrachloride, titanium tetrabromide, titanium tetraiodide, tetrahalogenated titanium such as titanium tetrafluoride, tetramethoxy titanium, tetraethoxy titanium, tetrapropoxy titanium, tetraisopropoxy titanium, tetrabutoxy Tetraalkoxytitanium such as titanium, trihalogenated titanium compounds such as methoxytitanium trichloride, ethoxytitanium trichloride, dihalogenated titanium compounds such as dimethoxytitanium dichloride, diethoxytitanium dichloride, trimethoxytitanium chloride, triethoxytitanium And monohalogenated titanium compounds such as chloride.
[0015]
Trivalent titanium compounds include trihalogenates obtained by reducing titanium tetrahalides such as titanium tetrachloride and titanium tetrabromide with hydrogen, aluminum, titanium, or organometallic compounds of Group I to III metals of the periodic table. Examples thereof include titanium fluoride. The general formula Ti (OR)mX4-m(Wherein R represents an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, an aryl group, or an aralkyl group, X represents a halogen atom, and m is 0 ≦ m ≦ 4). Examples thereof include trivalent titanium compounds obtained by reduction with organometallic compounds of Group I to III metals of the periodic table. Of these titanium compounds, tetravalent titanium compounds are particularly preferred, and titanium tetrahalides, particularly titanium tetrachloride, are more preferred. These titanium compounds may be used alone or as a mixture of two or more. Moreover, you may use what was diluted with solvents, such as a hydrocarbon and halogenated hydrocarbon.
As a method for supporting the titanium compound on the inorganic solid compound containing magnesium, known means, for example, means described in JP-A No. 58-225105 can be applied. Therefore, for example, a titanium compound may be brought into contact with an inorganic solid compound in a liquid phase. In this case, in addition to the contact in the presence of a hydrocarbon solvent, if the titanium compound is in a liquid state, it may be contacted as it is without a solvent.
When contacting in the presence of a hydrocarbon-based solvent, the hydrocarbon includes aliphatic hydrocarbons (for example, isobutane, n-pentane, n-hexane, n-heptane, paraffin), alicyclic hydrocarbons (for example, Cyclohexane, methylcyclohexane, dimethylcyclohexane) and aromatic hydrocarbons (for example, benzene, toluene, xylene).
Moreover, although the contact temperature of a magnesium compound and a titanium compound is based on the solvent etc. to be used, it is 0-200 degreeC, Preferably it is 10-150 degreeC, More preferably, it is 20-100 degreeC.
Further, the titanium compound is used in an amount of 0.001 to 100 molar equivalents, preferably 0.01 to 10 molar equivalents, and more preferably 0.05 to 5 molar equivalents with respect to the inorganic solid compound containing magnesium.
The contact time is generally 10 minutes to 5 hours. If it is less than 10 minutes, the contact is insufficient, and if it is 5 hours or more, it is not only unnecessary, but it may be deactivated.
Since the unreacted titanium compound may be contained after the contact reaction, it is better to purify the solid catalyst component.
[0016]
The organoaluminum compound (B) is, for example, represented by the general formula R ′nAlX3-n(In the formula, R ′ represents a hydrocarbon group having 1 to 12 carbon atoms, X represents a halogen atom or a hydrogen atom, and n represents 1 to 3).
In the above formula, examples of the hydrocarbon group having 1 to 12 carbon atoms of R ′ include an alkyl group, a cycloalkyl group, and an aryl group. Specific examples include a methyl group, an ethyl group, a propyl group, an isopropyl group, a butyl group, an isobutyl group, a pentyl group, a hexyl group, a cyclopentyl group, a cyclohexyl group, a phenyl group, and a tolyl group.
Examples of such organoaluminum compounds (B) include trialkylaluminums such as trimethylaluminum, triethylaluminum, triisobutylaluminum, trihexylaluminum, and trioctylaluminum, and dialkyl halides such as dimethylaluminum chloride, diethylaluminum chloride, and diisobutylaluminum chloride. Examples thereof include aluminum alkyl halides such as aluminum, methylaluminum dichloride, ethylaluminum dichloride, and isobutylaluminum dichloride.
[0017]
The magnesium compound (C) may be derived from metallic magnesium or other magnesium compounds, but basically needs to be in a liquid state. Moreover, what was melt | dissolved in the solution of a magnesium compound as well as a liquid magnesium compound may be used. Specifically, magnesium halides such as magnesium chloride, magnesium bromide, magnesium iodide, magnesium fluoride, carboxylates such as magnesium laurate and magnesium stearate, magnesium carbonate, magnesium borate, magnesium silicate, etc. Inorganic acid salts of the above, dialkoxymagnesium such as diethoxymagnesium, dibutoxymagnesium, diisopropoxymagnesium and dioctoxymagnesium, and dialkylmagnesiums such as dimethylmagnesium, diethylmagnesium and butylethylmagnesium (BEM) . Among these, preferred are those that are soluble in a hydrocarbon solvent, and butylethylmagnesium is particularly preferred.
[0018]
In the halogen-containing compound (D), the halogen is fluorine, chlorine, bromine or iodine, preferably chlorine. Specifically, titanium tetrachloride, titanium tetrabromide, titanium tetraiodide, titanium tetrafluoride Examples of the halogenated titanium halide, silicon tetrachloride, trichlorosilane, and dichlorosilane, such as silicon halide, phosphorus trichloride, phosphorus pentachloride, and halogenated hydrocarbons, halogen molecules, Hydrogen halide may be used. Of these, titanium halides, particularly titanium tetrachloride, are preferred.
[0019]
Hereinafter, processing conditions relating to catalyst preparation will be described.
The amount of the organoaluminum compound (B) used when combining the solid catalyst component (A) and the organoaluminum compound (B) is 0.1 to 100 molar equivalents relative to the titanium compound used in the preparation of the solid catalyst component (A). , Preferably 0.5 to 10 molar equivalents, preferably 1 to 5 molar equivalents. The contact temperature of the organoaluminum compound (B) is −78 to 100 ° C., preferably −50 to 50 ° C.
[0020]
The usage-amount of a specific magnesium compound (C) is 0.01-10 molar equivalent with respect to the titanium compound used by preparation of a solid catalyst component (A), Preferably it is 0.05-5 molar equivalent. The contact temperature of the specific magnesium compound (C) is 0 to 100 ° C, preferably 10 to 70 ° C.
The amount of the specific halogen-containing compound (D) used is 0.01 to 100 molar equivalents, preferably 0.1 to 10 molar equivalents, more preferably 0.1 to the specific magnesium compound (C). 5 to 5 molar equivalents. The contact temperature of the specific halogen-containing compound (D) is −50 to 150 ° C., preferably 0 to 100 ° C.
[0021]
In this catalyst, it is essential that the mixture of the solid catalyst component (A) and the organoaluminum compound (B) is contact-treated with the magnesium compound (C) and then contacted with the halogen-containing compound (D). In this way, after surrounding the solid catalyst component (A) and the organoaluminum compound (B) with a magnesium compound (C) such as butylethylmagnesium, the halogen-containing compound (D) such as titanium tetrachloride is reacted again. Thus, the polymerization reaction on the catalyst surface can be controlled, and a long chain branch can be generated.
In the polymerization reaction, an organoaluminum compound (E) can be further combined with the above-described catalyst. The same thing as the organoaluminum compound (B) used at the time of catalyst preparation can be used for the organoaluminum compound (E) in that case. Specific examples of this compound have already been described, and the amount used is not particularly limited, but it can be used in an amount of 0.1 to 1000 equivalents with respect to the titanium compound in the catalyst.
[0022]
As a polymerization reaction method, a liquid phase polymerization method such as solution polymerization and slurry polymerization, a gas phase polymerization method, and the like are possible. In addition to batch polymerization, continuous polymerization and batch polymerization can also be performed. Moreover, it can also superpose | polymerize in 2 steps or more, changing reaction conditions.
In the liquid phase polymerization method, an inert hydrocarbon can be used as a reaction solvent. Examples of the solvent that can be used at this time include aliphatic hydrocarbons such as propane, butane, isobutane, isopentane, hexane, heptane, octane, decane, and cyclohexane, and aromatic hydrocarbons such as benzene, toluene, and xylene. These inert hydrocarbons may be used alone or as a mixture of two or more.
The reaction conditions for the polymerization are listed below. The polymerization temperature is 0 to 200 ° C, preferably 30 to 150 ° C. Polymerization pressure is from atmospheric pressure to 100kg / cm2G, preferably 2-50 kg / cm2G. Hydrogen or the like can also be used as a chain transfer agent for the purpose of controlling the molecular weight during polymerization.
[0023]
The ethylene polymer of the present invention includes a thermoplastic resin, a filler, a pigment, a heat stabilizer, a light stabilizer, a flame retardant, a plasticizer, an antistatic agent, a mold release as long as the effects of the present invention are not impaired. You may mix | blend well-known additives, such as an agent, a foaming agent, and a nucleus agent.
The ethylene polymer of the present invention is formed into a desired shape by applying a molding method such as a film molding method, a hollow molding method, an injection molding method, an extrusion molding method, or a compression molding method, which is generally performed in the field of synthetic resins. It may be formed. In particular, a good film can be obtained by molding by ordinary air-cooled inflation molding, air-cooled two-stage cooling inflation molding, high-speed inflation molding, T-die film molding, water-cooled inflation molding, or the like. The film thus obtained has excellent mechanical strength, optical properties, and thermal stability. Further, since the melt tension is moderately high, the stability of the bubbles during molding is very good.
Since the film obtained by molding the ethylene polymer of the present invention has the above characteristics, it is suitably used as a packaging film, an infusion bag, and an agricultural material. Moreover, it can be used as a multilayer film in combination with a base material such as nylon or polyester.
[0024]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although this invention is demonstrated more concretely based on an Example, this invention is not limited to these Examples. In addition, each evaluation mentioned later was performed with the following method and conditions.
(1) Melt tension (MT)
Using a Capillograph IC manufactured by Toyo Seiki Co., Ltd., measurement was conducted under the conditions of an orifice diameter of 2.095 mm, a length of 8 mm, a temperature of 190 ° C., an extrusion speed of 15 mm / min, and a take-up speed of 6.5 m / min.
(2) η1/ Η2
Rheometrics RMS-800 is used with a parallel plate with a diameter of 25 mm, and the frequency is 10 at a set temperature of 190 ° C.-2rad / sec to 102Measures viscoelasticity up to rad / sec, frequency 10-2Viscosity value in rad / sec (η1) 102Viscosity value in rad / sec (η2) Divided by (η1/ Η2) The value was calculated.
[0025]
(3) Mw / Mn
Using GPC (Waters 150 model), two columns (Shodex HT-806M), a sample amount of 0.8 mg / ml, a temperature of 140 ° C., and a flow rate of 1 ml / min, It was measured using 1,2,4-trichlorobenzene (TBC) to which 0.05% by weight of 6-di-t-butyl-4-methylphenol (BHT) was added.
(4) MFR
According to JIS K-6760, at a temperature of 190 ° C., MFR was measured under a load of 2.16 kg, and HLMFR was measured under a load of 21.6 kg.
(5) Density
A test piece was prepared according to JIS K-6760, cut into a size suitable for measurement, degassed in ethanol, and measured by a density gradient tube method composed of a water / ethanol mixed solvent.
[0026]
(6) Boiling n-hexane soluble content
5 g of a polymerization fluff is placed in a pre-weighed cylindrical filter paper, and extracted with boiling n-hexane for 6 hours using a double tube type Soxhlet extractor. The n-hexane insoluble matter is taken out and vacuumed at 60 ° C. overnight. After drying, the boiling n-hexane soluble content was calculated by the following formula.
Boiling n-hexane soluble content = (weight before extraction−weight after extraction) × 100 / weight before extraction (% by weight)
(7) Bubble stability
The bubble stability when the inflation film was formed using the methods and conditions shown in the following examples was evaluated in three stages: good, moldable, and poor.
(8) Film impact
It was measured with a pendulum film impact tester (film impact tester: manufactured by Toyo Seiki Seisakusho).
(9) All haze
Measured according to ASTM-D-1003-61.
[0027]
[Example 1]
(1) Preparation of catalyst components
100 g of commercially available anhydrous magnesium chloride was ground in a vibrating ball mill for 16 hours using a pot filled with 50% apparent volume of stainless steel balls having a diameter of 10 mm. This pulverized anhydrous magnesium chloride (3.35 g) was suspended in 35 ml of hexane under nitrogen (hereinafter, all operations were performed under nitrogen). After raising the temperature of the suspension to 60 ° C., 0.2 ml (1.8 mmol) of titanium tetrachloride was added and stirred for 1 hour.
The reaction solution was cooled to −20 ° C. or lower, and 18 ml (9.0 mmol) of a 0.5 mmol / L diethylaluminum chloride hexane solution was slowly added dropwise to the reaction solution. After dropping, the mixture was kept at −20 ° C. or lower and stirred for 1 hour, warmed to room temperature, and further stirred for 1 hour. As diethyl aluminum chloride was added and the temperature was raised, the color of the solid substance changed from white to brown. The resulting brown solid component was washed 5 times with 35 ml of hexane.
To this solid component, 35 ml of hexane was added, and 0.15 ml (0.19 mmol) of a 1.25 mol / L butylethylmagnesium heptane solution (manufactured by Tosoh Aguso) was added as a suspension and stirred for 1 hour. Thereafter, 0.04 ml of titanium tetrachloride was added, and the mixture was further stirred for 1 hour. The solid component was washed 5 times with 35 ml of hexane, and the solvent was distilled off to obtain a powdery catalyst (I).
[0028]
(2) Polymerization
2.4 mmol of triisobutylaluminum, 260 g of 1-hexene and 2400 ml of isobutane were added to a stainless steel autoclave with a stirrer having an internal volume of 6 L, and the temperature was raised to 70 ° C. while stirring. The hydrogen partial pressure is 3 kg / cm at the gauge pressure of the pressure gauge installed in the autoclave.2Hydrogen was introduced so that 200 mg of the catalyst (I) prepared above was slurried with a small amount of isobutane, then pressurized with ethylene and introduced into an autoclave to initiate polymerization. The ethylene partial pressure is 5 kg / cm at the gauge pressure of the pressure gauge installed in the autoclave.2Polymerization was carried out at 70 ° C. while continuing to supply ethylene. Sixty minutes after the start of the polymerization, the ethylene supply was stopped, the stirring was stopped, the unreacted gas in the autoclave was discharged, and the polymerization was stopped. The produced polymer was vacuum-dried at 60 ° C. for 4 hours to obtain 780 g of a polymer. Polymerization activity (weight of polymer produced divided by catalyst weight, ethylene partial pressure, polymerization time) is 780 g / g · (kg / cm2) · H.
[0029]
(3) Evaluation of polymer
To 100 parts by weight of the ethylene polymer obtained as described above, 0.2 part by weight of Irganox B-225 (manufactured by Ciba Geigy) was added as an antioxidant, and a 15 mmφ single-screw extruder (Thermo) Using a plastic), the mixture was kneaded at a set temperature of 180 ° C. to be pelletized.
The obtained resin was evaluated by the method described above. The evaluation results are shown in Table 1. However, the n-hexane soluble part was measured as the powder before kneading.
Subsequently, using the obtained resin, using a single screw extruder (screw diameter 20 mmΦ, L / D = 20, 20 mmΦ die, lip width 0.7 mm, air ring), air flow rate = 90 liters / minute, extrusion rate A film having a thickness of 30 μm was blown under the conditions of 10 g / min, blow ratio = 1.5, take-off speed = 2.5 m / min, and set temperature 200 ° C. The stability of the bubbles during molding was good. The evaluation results regarding the obtained film are shown in Table 1. A film having excellent fluidity and moldability and excellent optical properties and strength was obtained.
[0030]
[Examples 2 to 5]
Polymerization and evaluation of the polymer were carried out in the same manner as in Example 1 except that the amount of 1-hexene used in the polymerization and the hydrogen partial pressure are shown in Table 1. The evaluation results are shown in Table 1.
[Comparative Example 1]
In preparation (1) of the catalyst component of Example 1, catalyst preparation, polymerization, and evaluation were performed in the same manner as in Example 1, except that titanium tetrachloride added in the final stage of preparation was not added. The evaluation results are shown in Table 1.
Compared to Example 1, η1/ η2, And HLMFR / MFR, the melt tension was small, and the bubble stability was inferior.
[Comparative Example 2]
The same evaluation was performed using commercially available polyethylene (“A607F”: manufactured by Nippon Polyolefin Co., Ltd.). The evaluation results are shown in Table 1.
Compared to Example 2, it was found that MT, HLMFR / MFR, and total haze were significantly inferior.
[Comparative Example 3]
The same evaluation was performed using a commercially available polyethylene (“A208FS”: manufactured by Nippon Polyolefin Co., Ltd.). The evaluation results are shown in Table 1.
Compared to Example 3, it was found that MT, HLMFR / MFR, and film impact were inferior.
[0031]
[Table 1]
[Table 2]
[0032]
【The invention's effect】
The ethylene polymer of the present invention exhibits preferable characteristics as a raw material resin for a film, a blow-molded product, and the like, which have both molding characteristics such as flow characteristics at the time of melting and uneven thickness accuracy and solid physical properties of the molded article.
Claims (2)
190℃におけるメルトテンション(MT)(g)と、190℃における周波数10-2rad/secでの粘度(η1)(poise)を102rad/secでの粘度(η2)(poise)で割った値(η1/η2)の関係が、次式を満たし、
η1/η2>0.85MT+6.3 (但し、MT≧1.5g)
GPC法により測定した数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比であるMw/Mnが3〜7であることを特徴とするエチレン系重合体。 A copolymer of ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms,
A melt tension (MT) (g) at 190 ° C., a viscosity of a viscosity at a frequency 10 -2 rad / sec at 190 ° C. The (η 1) (poise) 10 2 rad / sec (η 2) (poise) The relationship of the divided value (η 1 / η 2 ) satisfies the following equation:
η 1 / η 2 > 0.85MT + 6.3 (however, MT ≧ 1.5 g)
An ethylene polymer, wherein Mw / Mn, which is a ratio of a number average molecular weight (Mn) and a weight average molecular weight (Mw) measured by GPC method, is 3 to 7.
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