JP3767914B2 - 油圧建設機械の制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば油圧ショベル等の建設機械に搭載される油圧回路の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数個の油圧ポンプと、各油圧ポンプの吐出管路ごとに設けられた複数個の多連弁と、1の多連弁に含まれる少なくとも1つの制御弁並びに他の多連弁に含まれる少なくとも1つの制御弁の出口ポートを接続してなる合流管路に接続された1のアクチュエータと、他の同様の合流管路に接続された他のアクチュエータと、これらのアクチュエータへの圧油の供給量を制御する操作装置とを有する油圧回路に備えられ、前記各アクチュエータに供給される圧油の流量を制御する油圧建設機械の制御装置が知られている。
【0003】
図12は、従来より知られているこの種の油圧回路及びその制御装置の第1例を示す図であって、1は第1の油圧ポンプ、2は第2の油圧ポンプ、3は第1の油圧ポンプ1の吐出管路1aに設けられた第1の多連弁、4は第2の油圧ポンプ2の吐出管路2aに設けられた第2の多連弁、5は第1の多連弁3に含まれる第1のブーム用制御弁、6は第2の多連弁4に含まれる第2のブーム用制御弁、7は第1の多連弁3に含まれる第2のアーム用制御弁、8は第2の多連弁4に含まれる第1のアーム用制御弁を示している。また、9は第1及び第2のブーム用制御弁5,6の出口管路を合流してなる第1の合流管路、10は該第1の合流管路9に接続されたブームシリンダ、11は第1及び第2のアーム用制御弁7,8の出口管路を合流してなる第2の合流管路、12は該第2の合流管路11に接続されたアームシリンダ、13はブームシリンダ10への圧油の供給量を制御するブーム操作装置、14はアームシリンダ12への圧油の供給量を制御するアーム操作装置を示している。
【0004】
ブーム操作装置13及びアーム操作装置14には、図示しない油圧パイロット弁が内蔵されており、ブームレバー13a又はアームレバー14aを操作することによって、図示しないパイロット用油圧源から当該油圧パイロット弁を介してパイロット管路16,17に供給される圧油量、すなわち前記各制御弁5〜8のパイロット圧を調整できるようになっている。
【0005】
したがって、ブームレバー13a又はアームレバー14aを操作すると、その操作量に応じたパイロット圧がパイロット管路16又は17に立ち、各制御弁5〜8の開度がパイロット圧に応じて調整される。そして、ブームシリンダ10又はアームシリンダ12に各制御弁5〜8の開度に応じた量の圧油が供給され、結局、ブームシリンダ10又はアームシリンダ12がブームレバー13a又はアームレバー14aの操作量に応じた速度で駆動される。
【0006】
図13に、従来より知られている合流管路を有する油圧回路及びその制御装置の第2例を示す。本例は、前記した油圧式の制御装置に代えて、電気油圧式の制御装置を備えたものであって、21はブーム操作装置13に備えられた第1のレバーストロークセンサ、22はアーム操作装置14に備えられた第2のレバーストロークセンサ、23は第1のパイロット管路16に接続された第1の比例弁、24は第2のパイロット管路17に接続された第2の比例弁、25は前記第1及び第2のレバーストロークセンサ21,22から出力されるレバーストローク信号を入力し、それに応じた前記第1及び第2の比例弁23,24の制御信号を出力するコントローラを示し、その他、前出の図12と同一の部分には、それと同一の符号が表示されている。
【0007】
本例の装置は、ブームレバー13a又はアームレバー14aを操作すると、その操作量に応じた電気信号(レバーストローク信号)がレバーストロークセンサ21,22から出力される。コントローラ25は、前記レバーストローク信号に応じた前記第1及び第2の比例弁23,24の制御信号を演算し、各比例弁23,24に出力する。これによって、各比例弁23,24の開度が調整され、その開度に応じたパイロット圧がパイロット管路16又は17に立って、各制御弁5〜8の開度がパイロット圧に応じて調整される。そして、ブームシリンダ10又はアームシリンダ12に各制御弁5〜8の開度に応じた量の圧油が供給され、結局、ブームシリンダ10又はアームシリンダ12がブームレバー13a又はアームレバー14aの操作量に応じた速度で駆動される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、前記した従来の制御装置は、いずれも、第1の油圧ポンプ1に第1のブーム用制御弁5と第2のアーム用制御弁7とを接続すると共に、第2の油圧ポンプ2に第2のブーム用制御弁6と第1のアーム用制御弁8とを接続し、かつ第1及び第2のブーム用制御弁5,6の開度を第1のパイロット管路16に立てられたパイロット圧にて同時に制御すると共に、第1及び第2のアーム用制御弁7,8の開度を第2のパイロット管路16に立てられたパイロット圧にて同時に制御するようにしたので、▲1▼ブーム操作装置13及びアーム操作装置14を同時に操作すると、各制御弁5〜8を流れる圧油量に干渉を生じ、より低圧側のアクチュエータに圧油が流れて高圧側アクチュエータの動きが遅くなるので、操作フィーリングが悪いという不都合がある。また、▲2▼かかる不都合は、所定の管路にしぼりを設けることによってある程度改善されるが、このようにすると、全体の動きが遅くなったり、第1及び第2の油圧ポンプを駆動する原動機の燃費が悪くなるといった別異の不都合を生じる。さらに、▲3▼実際の作業時には、作業の内容に応じて、ブームあるいはアームの一方を他方に優先させて駆動したい場合があるが、従来の制御装置では各アクチュエータのマッチングを自由に設定することができないため、かかる優先動作を行うことができないという不都合がある。
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、動作速度の低下や燃費の悪化を伴うことなく、良好な操作フィーリングで作業内容に応じた特定のアクチュエータの優先動作を行うことができる油圧建設機械の制御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の目的を達成するため、合流管路への圧油の流れを制御する各制御弁ごとにコントローラからの指令を伝える比例弁を付設し、各制御弁を独立に制御するようにした。
【0011】
より具体的には、コントローラ内に、前記操作装置から出力される操作信号と前記アクチュエータへの圧油の流れを制御する第1、第2の多連弁の各制御弁の開度との関係を示すマップが予め記憶された記憶部と、前記操作信号を入力する入力部と、前記操作信号並びに前記記憶部に記憶されたマップとから求められる値に前記各制御弁の開度を設定するための制御信号を求める演算部と、求められた制御信号を前記第1、第2の多連弁の少なくとも各1つずつに設けられたパイロット圧発生用の比例弁に出力する出力部とを備え、該制御信号にて前記各比例弁を個別に操作し、前記各制御弁を流れる圧油の流量を個別に制御する構成とした。
【0012】
また、前記記憶部又は他の記憶部に、前記操作装置から出力される操作信号と、前記第1の油圧ポンプ及び前記合流管路の双方に接続された制御弁の第2の操作装置から出力される第2の操作信号に対するゲインとの関係を示す補正用マップを予め記憶しておき、前記操作装置が操作されたとき、前記記憶部から前記マップ並びに前記補正用マップを前記演算部に読出して、前記第1の油圧ポンプから前記合流管路に流れる圧油の流量を制限する構成にした。
【0013】
【作用】
合流管路への圧油の流れを制御する各制御弁ごとにコントローラからの指令を伝える比例弁を付設し、各制御弁を独立に制御すると、記憶部に適宜の記憶情報(マップ)を記憶することによって、各アクチュエータのマッチングを自由に設定することができるので、優先的に動作させるアクチュエータが異なる各種の作業を行うことができる。また、1つの油圧ポンプから合流管路に流れる圧油の流量を制限すると、例えばブーム操作装置及びアーム操作装置を同時に操作した場合に、各制御弁を流れる圧油量に干渉を生じにくくなるので、高圧側アクチュエータの動きが遅くなるということがなく、操作フィーリングが改善される。この場合、管路内にしぼりを設けないので、全体の動きが遅くなったり、原動機の燃費が悪くなることもない。
【0014】
【実施例】
〈第1実施例〉
図1に、第1実施例に係る制御装置を備えた油圧回路の回路図を示す。この図において、30はコントローラ、31〜34は第1ないし第4の比例弁を示し、その他、前出の図13と同一の部分には、それと同一の符号が表示されている。
【0015】
第1の比例弁31は、図示しないパイロット用油圧源と第1のブーム用制御弁5とをつなぐ第1のパイロット管路35に介設されており、コントローラ30からの制御信号によって操作される。第2の比例弁32は、パイロット用油圧源と第2のブーム用制御弁6とをつなぐ第2のパイロット管路36に介設されており、コントローラ30からの制御信号によって操作される。第3の比例弁33は、パイロット用油圧源と第1のアーム用制御弁8とをつなぐ第3のパイロット管路37に介設されており、コントローラ30からの制御信号によって操作される。第4の比例弁34は、パイロット用油圧源と第2のアーム用制御弁7とをつなぐ第4のパイロット管路38に介設されており、コントローラ30からの制御信号によって操作される。
【0016】
コントローラ30には、記憶部30aと、前記第1のレバーストロークセンサ21から出力されるブームレバーストローク信号a1 及び前記第2のレバーストロークセンサ22から出力されるアームレバーストローク信号a2 とを入力する入力部30bと、前記各ストローク信号a1 ,a2 及び前記記憶部30aに記憶されたマップとから求められる前記ブームシリンダ10及びアームシリンダ12に流れる圧油の流量値に、前記各制御弁5〜8の開度を合致させるための制御信号b1 ,b2 ,b3 ,b4 を求める演算部30cと、求められた制御信号b1 〜b4 を前記第1〜第4の比例弁31〜34に出力する出力部30dとからなる。
【0017】
図2に、記憶部30aに記憶されるマップの一例を示す。この図から明らかなように、記憶部30aには、ブームレバーストローク信号a1 の大きさと第1のブーム用制御弁5の開度との関係を示すマップ{図2(c)参照}、ブームレバーストローク信号a1 の大きさと第2のブーム用制御弁6の開度との関係を示すマップ{図2(d)参照}、それにアームレバーストローク信号a2 と第1のアーム用制御弁8の開度との関係を示すマップ{図2(a)参照}、アームレバーストローク信号a2 と第2のアーム用制御弁7の開度との関係を示すマップ{図2(b)参照}がそれぞれ予め記憶されている。
【0018】
演算部30cは、図3に示すように、入力部30bに入力されたブームレバーストローク信号a1 及びアームレバーストローク信号a2 、並びに記憶部30aから読みだされた各マップを取り込み、第1〜第4の比例弁31〜34の制御信号b1 〜b4 を求める。例えば、ブームレバーストローク信号a1 と図2(c)のマップとから、当該ブームレバーストローク信号a1 の大きさに応じた第1のブーム用制御弁5の開度を求め、次いで、第1のブーム用制御弁5の開度をかかる所定の値にするために必要な第1の比例弁31の開度を求め、さらには、第1の比例弁31の開度をかかる所定の値にするために必要な制御信号b1 を求める。他の制御信号b2 ,b3 ,b4 についても、これと同様にして求められる。このようにして求められた各制御信号b1 ,b2 ,b3 ,b4 は、出力部30dから第1〜第4の比例弁31〜34に出力される。
【0019】
本例の制御装置は、第1及び第2の合流管路9,11への圧油の流れを制御する各制御弁5〜8ごとにコントローラ30からの指令を伝える比例弁31〜34を付設したので、各制御弁5〜8を独立に制御することができる。したがって、記憶部30aに適宜のマップを予め記憶しておくことによって、ブームシリンダ10及びアームシリンダ12のマッチングを自由に設定することができるので、優先的に動作させるアクチュエータが異なる各種の作業を行うことができる。
【0020】
〈第2実施例〉
次に、本発明の第2実施例を、前出の第1図及び第2図、それに図4及び図5に基づいて説明する。図4は記憶部に記憶される補正用マップの内容を示す図であり、図5は演算部における演算のアルゴリズムを示す図である。第2実施例の制御装置は、図1の記憶部30aに図4(a),(b)の補正用マップを併せて記憶し、かつ図5のアルゴリズムにしたがって演算を行うことを特徴とする。
【0021】
第1の補正用マップは、図4(a)に示すように、ブームレバーストローク信号a1 と、第2のアーム用制御弁7のアームレバーストローク信号a2 に対するゲインとの関係を示すものであって、図の例では、ブームレバーストローク信号a1 が大きくなるにしたがって、第2のアーム用制御弁7のアームレバーストローク信号a2 に対するゲインがほぼ比例的に小さくなるように設定されている。一方、第2の補正用マップは、図4(b)に示すように、アームレバーストローク信号a2 と、第2のブーム用制御弁6のブームレバーストローク信号a1 に対するゲインとの関係を示すものであって、図の例では、アームレバーストローク信号a2 が大きくなるにしたがって、第2のブーム用制御弁6のブームレバーストローク信号a1 に対するゲインがほぼ比例的に小さくなるように設定されている。これらの補正用マップは、図2に示した第1及び第2のマップを記憶した記記憶部30a又は他の記憶部に記憶される。
【0022】
演算部30cは、図5に示すように、入力部30bに入力されたブームレバーストローク信号a1 及びアームレバーストローク信号a2 、並びに記憶部30aから読みだされたマップ(図2参照)及び補正用マップ(図4参照)を取り込み、第1〜第4の比例弁31〜34の制御信号b1 〜b4 を求める。以下に、その演算のアルゴリズムを示す。まず、ブームレバーストローク信号a1 と図2(c)のマップとから、前記第1実施例の場合と同様にして、当該ブームレバーストローク信号a1 の大きさに応じた第1のブーム用制御弁5の開度を求める。また、これと共に、図4(a)に示した第1の補正用マップから、その時のブームレバーストローク信号a1 に応じた第2のアーム用制御弁7のアームレバーストローク信号a2 に対するゲインを求める。このとき、第2のアーム用制御弁7は、第1の油圧ポンプ1に対して1種のしぼりとして作用するので、第1の油圧ポンプ1から第1のブーム用制御弁5に供給可能な圧油量が増加する。そこで、演算部30cは、第1の補正用マップを加味して、第1のブーム用制御弁5の開度を補正する。そして、第1のブーム用制御弁5の開度をかかる所定の値にするために必要な第1の比例弁31の開度を求め、さらには、第1の比例弁31の開度をかかる所定の値にするために必要な制御信号b1 を求める。また、図4(a)の補正用マップと図2(b)のマップとから、第2のアーム用制御弁7の開度を求める。そして、第2のアーム用制御弁7の開度をかかる所定の値にするために必要な第4の比例弁34の開度を求め、さらには、第4の比例弁34の開度をかかる所定の値にするために必要な制御信号b4 を求める。第1のアーム用制御弁8の開度を制御するための制御信号b3 及び第2のブーム用制御弁6の開度を制御するための制御信号b2 についても、これと同様にして求められる。このようにして求められた各制御信号b1 ,b2 ,b3 ,b4 は、出力部30dから第1〜第4の比例弁31〜34に出力される。
【0023】
本例の制御装置は、ブームレバーストローク信号a1 に応じて第2のアーム用制御弁7の開度を制限し、また、アームレバーストローク信号a2 に応じて第2のブーム用制御弁6の開度を制限したので、ブーム操作装置13及びアーム操作装置14を同時に操作した場合に、各制御弁5〜8を流れる圧油量に干渉を生じにくく、高圧側アクチュエータの動きが遅くなるといった不都合が防止されて、操作フィーリングが改善される。この場合、管路内にしぼりを設けないので、全体の動きが遅くなったり、原動機の燃費が悪くなることもない。
【0024】
〈第3実施例〉
次に、本発明の第3実施例を、図6及び図7に基づいて説明する。図6は本例に係る制御装置の構成図であり、図7は記憶部に記憶されるマップの説明図である。第3実施例の制御装置は、記憶部に図7に例示される複数組のマップを記憶しておき、各種作業の内容に応じてブームシリンダ及びアームシリンダを好適に制御できるようにしたことを特徴とする。
【0025】
油圧ショベルを用いて行う作業には、例えば、アームよりもブームを優先的にすなわち高速で動作することを要する作業、反対にブームよりもアームを優先的に動作することを要する作業、メータリングでの微操作性を優先する作業など、各種モードの作業がある。かかる各種の作業を1台の油圧ショベルで効率良く行えるようにするため、本実施例では、図6のコントローラ30内に備えられた記憶部30a(図1参照)に、ブームレバーストローク信号a1 又はアームレバーストローク信号a2 の大きさと第1及び第2のブーム用制御弁5,6の開度又は第1及び第2のアーム用制御弁7,8との関係を示す、図7に掲げる4種類のマップを予め記憶した。
【0026】
図7の作業モードAは、アームのメータリングでの微操作性が良好で、かつアームレバーストローク信号a2 がある程度大きくなった段階ではアームが充分な速度で駆動することを要する作業モードである。この場合には、かかる要求に対応するため、アームレバーストローク信号a2 に対して第1のアーム用制御弁8の開度を滑らかに上昇させると共に、第2のアーム用制御弁7をアームレバーストローク信号a2 がある程度大きくなった段階で急激に開くように、マップが調整される。
【0027】
作業モードBは、ブームレバーストローク信号a1 及びアームレバーストローク信号a2 の変化に対してブーム及びアームの速度変化が滑らかに行われることを要する作業モードである。この場合には、かかる要求に対応するため、ブームレバーストローク信号a1 に対して第1及び第2のブーム用制御弁5,6の開度を滑らかに上昇させるようにマップが調整され、また、アームレバーストローク信号a2 に対して第1及び第2のアーム用制御弁7,8の開度を滑らかに上昇させるようにマップが調整される。
【0028】
作業モードCは、アームよりもブームを優先的に動作することを要する作業であって、この場合には、アームレバーストローク信号a2 がある程度大きくなった段階から第1のアーム用制御弁8の開度を滑らかに上昇させ、かつ当該アームレバーストローク信号a2 に対して第2のアーム用制御弁7の開度を滑らかに上昇させると共に、ブームレバーストローク信号a1 が入力されたときに第1のブーム用制御弁5の開度を急激に上昇するようにマップが調整される。
【0029】
作業モードDは、通常の作業に適用される標準モードであって、ブームレバーストローク信号a1 に対して第1のブーム用制御弁5の開度が比較的急激に上昇し、第2のブーム用制御弁6の開度が比較的滑らかに上昇するようにマップが調整される。また、これと共に、アームレバーストローク信号a2 に対して第1のアーム用制御弁8の開度が比較的滑らかに上昇し、第2のアーム用制御弁7の開度が比較的急激に上昇するようにマップが調整される。
【0030】
図6の符号41は、作業モード選択スイッチを示す。この作業モード選択スイッチ41は、前記記憶部30aに記憶された作業モードの数と同数の切り換え段数を有し、スイッチ本体に備えられたキー等を択一的に操作することによって、前記記憶部30aに記憶された各種の作業モードから所望の作業モードを選択するための選択信号cを出力する。この作業モード選択スイッチ41は、コントローラ30中の入力部30bに接続される。
【0031】
以下、前記のように構成された本例制御装置の動作について説明する。
作業モード選択スイッチ41を操作する以前においては、自動的に前記の作業モードDが選択されており、記憶部30aに記憶されたマップに応じた各制御弁5〜8の開度制御が行われる。この開度制御方法については、前記第1実施例にて説明したと同じであるので、重複を避けるため説明を省略する。
【0032】
作業モード選択スイッチ41を操作すると、操作キー等に応じた選択信号cが作業モード選択スイッチ41から出力される。この選択信号cは、入力部30bを介して演算部30cに取り込まれ、演算部30cは、取り込まれた選択信号cに対応するマップを記憶部30aから読みだす。また、ブームレバー13a又はアームレバー14aを操作すると、ブームレバーストロークセンサ21又はアームレバーストロークセンサ22から各レバーの操作量に応じたブームレバーストローク信号a1 又はアームレバーストローク信号a2 が出力される。これらの各レバー変位信号a1 ,a2 は、入力部30bを介して演算部30cに取り込まれ、演算部30cは、これらの信号a1 ,a2 及び前記の読みだされたマップとから、制御信号b1 〜b4 を演算して、第1〜第4の比例弁31〜34に出力する。演算部30cにおける演算アルゴリズムについては、前記第1実施例にて説明したと同じであるので、重複を避けるため説明を省略する。
【0033】
なお、本例の場合にも、第2実施例にて説明したように、ブームレバー13a及びアームレバー14aを複合操作した場合における干渉を防止するため、記憶部30a又は他の記憶部に記憶された補正用のマップに基づいて、各制御弁5〜8の開度を補正することもできる。
【0034】
本例の制御装置は、第1実施例の制御装置と同様の効果を奏するほか、記憶部30aに4種類の作業モードに応じた4組のマップを予め記憶しておき、作業モード選択スイッチ41を操作して所望のマップを選択的に演算部30cに取り込むようにしたので、選択された作業モードに応じて各アクチュエータ10,12の駆動速度を常に好適に調整することができ、各種の作業を効率良くしかも安全に行うことができる。
【0035】
〈第4実施例〉
本発明の第4実施例を、図8及び図9に基づいて説明する。図8は本例に係る制御装置の構成図、図9は演算部における演算アルゴリズムを示す図である。これらの図において、符号51は第1及び第2の油圧ポンプ1,2を駆動するための原動機(エンジン)、符号52はこの原動機51に設けられた回転数センサ、符号53は回転数センサ52の出力信号線を示し、その他、前出の図1と対応する部分には、同一の符号が表示されている。
【0036】
図8に示すように、回転数センサ52にて検出された原動機51の回転数信号dは、信号線53によってコントローラ30の入力部30bに入力される。
コントローラ30の記憶部30aには、図9に示すように、原動機51の回転数Nと第1及び第2の油圧ポンプ1,2の吐出量Qとの関係が予め記憶されており、コントローラ30の演算部30cは、原動機51の回転数信号dの大きさに応じて、算出された制御信号b1 〜b4 (第1実施例〜第3実施例参照)に補正をかける。すなわち、油圧ポンプの吐出量Qは、油圧ポンプの容量をq、原動機51の回転数をNとしたとき、Q=q×Nの関係にあるので、回転数Nが上昇したときには各アクチュエータ10,12に供給可能な圧油量が増加する。そこで、原動機51の回転数Nが上昇した場合には、それに応じて各制御弁5〜8の開度を上昇し、圧油の無駄を防止すべく、制御信号b1 〜b4 を補正する。反対に、回転数Nが低下したときには、各アクチュエータ10,12に供給可能な圧油量が減少する。そこで、原動機51の回転数Nが低下した場合には、それに応じて各制御弁5〜8の開度を低下し、原動機51のエンストを防止すべく、制御信号b1 〜b4 を補正する。
【0037】
本例の制御装置は、第1実施例の制御装置と同様の効果を奏するほか、原動機回転数Nの変動に応じて、コントローラ30から出力される比例弁31〜34の制御信号b1 〜b4 を補正するようにしたので、燃費の無駄を防止及び原動機51のエンスト防止等を図ることができる。
【0038】
〈第5実施例〉
本発明の第5実施例を、図10及び図11に基づいて説明する。図10は本例に係る制御装置の構成図、図11は演算部における演算アルゴリズムを示す図である。これらの図において、符号54はブームシリンダ10に付設された第1の圧力センサ、符号55は第1の圧力センサ54の出力信号線、符号56はアームシリンダ12に付設された第2の圧力センサ、符号57は第2の圧力センサ56の出力信号線を示し、その他、前出の図8と対応する部分には、同一の符号が表示されている。
【0039】
第1の圧力センサ54は、ブームシリンダ10のボトム室10aに設定され、その出力端子は信号線55によりコントローラ30の入力部30bに接続されている。第2の圧力センサ56は、アームシリンダ12のボトム室12aに設定され、その出力端子は信号線57によりコントローラ30の入力部30bに接続されている。
【0040】
コントローラ30の記憶部30aには、ブームシリンダ10のボトム室10aに接続された管路10bに設けられた図示しないリリーフ弁の設定圧と、アームシリンダ12のボトム室12aに接続された管路12bに設けられた図示しないリリーフ弁の設定圧とが予め記憶されており、コントローラ30の演算部30cは、この記憶部30aに記憶されたリリーフ弁の設定圧(リリーフ圧)と前記第1及び第2の圧力センサ54,56にて検出された圧力とを常時比較する。そして、演算部30cは、第1の圧力センサ54の検出圧(ブーム圧力)とリリーフ圧との差圧が予め定められた値になったとき、当該演算部30cにて算出された制御信号b1 ,b2 (第1実施例〜第3実施例参照)を低下するように補正する。同様に、演算部30cは、第2の圧力センサ56の検出圧(アーム圧力)とリリーフ圧との差圧が予め定められた値になったとき、当該演算部30cにて算出された制御信号b3 ,b4 (第1実施例〜第3実施例参照)を低下するように補正する。
【0041】
本例の制御装置は、第1実施例の制御装置と同様の効果を奏するほか、ブームシリンダ10又はアームシリンダ12の駆動圧が各管路のリリーフ圧近傍まで上昇したときに、各制御弁5〜8の開度を低下するように制御信号b1 〜b4 を補正するので、リリーフ管路を通って圧油タンクに戻る圧油の流量を低減することができ、原動機の燃料消費量の低減及び騒音の緩和等を図ることができる。
【0042】
なお、前記実施例においては、ブームシリンダ10とアームシリンダ12を複合操作する場合を例にとって説明したが、制御するアクチュエータの種類や数量については何ら制限があるものではなく、任意の種類及び数量の油圧アクチュエータを複合操作する油圧建設機械の制御装置に応用することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、合流管路への圧油の流れを制御する各制御弁ごとにコントローラからの指令を伝える比例弁を付設し、各制御弁を独立に制御するようにしたので、各アクチュエータのマッチングを自由に設定することができ、優先的に動作させるアクチュエータが異なる各種の作業を行うことができる。また、第1の油圧ポンプから第2の合流管路に流れる圧油の流量を制限すると共に、第2の油圧ポンプから第1の合流管路に流れる圧油の流量を制限するようにしたので、ブーム操作装置及びアーム操作装置を同時に操作した場合に、各制御弁を流れる圧油量に干渉を生じにくくなり、操作フィーリングが改善される。さらに、この場合、管路内にしぼりを設けないので、全体の動きが遅くなったり、原動機の燃費が悪くといった不都合が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る制御装置を備えた油圧回路の回路図である。
【図2】第1実施例に係る制御装置に記憶されるマップを例示するグラフ図である。
【図3】第1実施例に係る制御装置で行われる演算のアルゴリズムを示す図である。
【図4】第2実施例に係る制御装置に記憶される補正用マップを例示するグラフ図である。
【図5】第2実施例に係る制御装置で行われる演算のアルゴリズムを示す図である。
【図6】第3実施例に係る制御装置を備えた油圧回路の回路図である。
【図7】第3実施例に係る制御装置に記憶されるマップを例示する表図である。
【図8】第4実施例に係る制御装置を備えた油圧回路の回路図である。
【図9】第4実施例に係る制御装置で行われる演算のアルゴリズムを示す図である。
【図10】第5実施例に係る制御装置を備えた油圧回路の回路図である。
【図11】第5実施例に係る制御装置で行われる演算のアルゴリズムを示す図である。
【図12】第1従来例に係る制御装置を備えた油圧回路の回路図である。
【図13】第2従来例に係る制御装置を備えた油圧回路の回路図である。
【符号の説明】
1,2 油圧ポンプ
3,4 多連弁
5 第1のブーム用制御弁
6 第2のブーム用制御弁
7 第2のアーム用制御弁
8 第1のアーム用制御弁
9 第1の合流管路
10 ブームシリンダ
11 第2の合流管路
12 アームシリンダ
13 ブーム操作装置
14 アーム操作装置
30 コントローラ
31〜34 比例弁
a1 ブームレバーストローク信号
a2 アームレバーストローク信号
b1〜b4 制御信号
c 選択信号
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば油圧ショベル等の建設機械に搭載される油圧回路の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数個の油圧ポンプと、各油圧ポンプの吐出管路ごとに設けられた複数個の多連弁と、1の多連弁に含まれる少なくとも1つの制御弁並びに他の多連弁に含まれる少なくとも1つの制御弁の出口ポートを接続してなる合流管路に接続された1のアクチュエータと、他の同様の合流管路に接続された他のアクチュエータと、これらのアクチュエータへの圧油の供給量を制御する操作装置とを有する油圧回路に備えられ、前記各アクチュエータに供給される圧油の流量を制御する油圧建設機械の制御装置が知られている。
【0003】
図12は、従来より知られているこの種の油圧回路及びその制御装置の第1例を示す図であって、1は第1の油圧ポンプ、2は第2の油圧ポンプ、3は第1の油圧ポンプ1の吐出管路1aに設けられた第1の多連弁、4は第2の油圧ポンプ2の吐出管路2aに設けられた第2の多連弁、5は第1の多連弁3に含まれる第1のブーム用制御弁、6は第2の多連弁4に含まれる第2のブーム用制御弁、7は第1の多連弁3に含まれる第2のアーム用制御弁、8は第2の多連弁4に含まれる第1のアーム用制御弁を示している。また、9は第1及び第2のブーム用制御弁5,6の出口管路を合流してなる第1の合流管路、10は該第1の合流管路9に接続されたブームシリンダ、11は第1及び第2のアーム用制御弁7,8の出口管路を合流してなる第2の合流管路、12は該第2の合流管路11に接続されたアームシリンダ、13はブームシリンダ10への圧油の供給量を制御するブーム操作装置、14はアームシリンダ12への圧油の供給量を制御するアーム操作装置を示している。
【0004】
ブーム操作装置13及びアーム操作装置14には、図示しない油圧パイロット弁が内蔵されており、ブームレバー13a又はアームレバー14aを操作することによって、図示しないパイロット用油圧源から当該油圧パイロット弁を介してパイロット管路16,17に供給される圧油量、すなわち前記各制御弁5〜8のパイロット圧を調整できるようになっている。
【0005】
したがって、ブームレバー13a又はアームレバー14aを操作すると、その操作量に応じたパイロット圧がパイロット管路16又は17に立ち、各制御弁5〜8の開度がパイロット圧に応じて調整される。そして、ブームシリンダ10又はアームシリンダ12に各制御弁5〜8の開度に応じた量の圧油が供給され、結局、ブームシリンダ10又はアームシリンダ12がブームレバー13a又はアームレバー14aの操作量に応じた速度で駆動される。
【0006】
図13に、従来より知られている合流管路を有する油圧回路及びその制御装置の第2例を示す。本例は、前記した油圧式の制御装置に代えて、電気油圧式の制御装置を備えたものであって、21はブーム操作装置13に備えられた第1のレバーストロークセンサ、22はアーム操作装置14に備えられた第2のレバーストロークセンサ、23は第1のパイロット管路16に接続された第1の比例弁、24は第2のパイロット管路17に接続された第2の比例弁、25は前記第1及び第2のレバーストロークセンサ21,22から出力されるレバーストローク信号を入力し、それに応じた前記第1及び第2の比例弁23,24の制御信号を出力するコントローラを示し、その他、前出の図12と同一の部分には、それと同一の符号が表示されている。
【0007】
本例の装置は、ブームレバー13a又はアームレバー14aを操作すると、その操作量に応じた電気信号(レバーストローク信号)がレバーストロークセンサ21,22から出力される。コントローラ25は、前記レバーストローク信号に応じた前記第1及び第2の比例弁23,24の制御信号を演算し、各比例弁23,24に出力する。これによって、各比例弁23,24の開度が調整され、その開度に応じたパイロット圧がパイロット管路16又は17に立って、各制御弁5〜8の開度がパイロット圧に応じて調整される。そして、ブームシリンダ10又はアームシリンダ12に各制御弁5〜8の開度に応じた量の圧油が供給され、結局、ブームシリンダ10又はアームシリンダ12がブームレバー13a又はアームレバー14aの操作量に応じた速度で駆動される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、前記した従来の制御装置は、いずれも、第1の油圧ポンプ1に第1のブーム用制御弁5と第2のアーム用制御弁7とを接続すると共に、第2の油圧ポンプ2に第2のブーム用制御弁6と第1のアーム用制御弁8とを接続し、かつ第1及び第2のブーム用制御弁5,6の開度を第1のパイロット管路16に立てられたパイロット圧にて同時に制御すると共に、第1及び第2のアーム用制御弁7,8の開度を第2のパイロット管路16に立てられたパイロット圧にて同時に制御するようにしたので、▲1▼ブーム操作装置13及びアーム操作装置14を同時に操作すると、各制御弁5〜8を流れる圧油量に干渉を生じ、より低圧側のアクチュエータに圧油が流れて高圧側アクチュエータの動きが遅くなるので、操作フィーリングが悪いという不都合がある。また、▲2▼かかる不都合は、所定の管路にしぼりを設けることによってある程度改善されるが、このようにすると、全体の動きが遅くなったり、第1及び第2の油圧ポンプを駆動する原動機の燃費が悪くなるといった別異の不都合を生じる。さらに、▲3▼実際の作業時には、作業の内容に応じて、ブームあるいはアームの一方を他方に優先させて駆動したい場合があるが、従来の制御装置では各アクチュエータのマッチングを自由に設定することができないため、かかる優先動作を行うことができないという不都合がある。
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、動作速度の低下や燃費の悪化を伴うことなく、良好な操作フィーリングで作業内容に応じた特定のアクチュエータの優先動作を行うことができる油圧建設機械の制御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の目的を達成するため、合流管路への圧油の流れを制御する各制御弁ごとにコントローラからの指令を伝える比例弁を付設し、各制御弁を独立に制御するようにした。
【0011】
より具体的には、コントローラ内に、前記操作装置から出力される操作信号と前記アクチュエータへの圧油の流れを制御する第1、第2の多連弁の各制御弁の開度との関係を示すマップが予め記憶された記憶部と、前記操作信号を入力する入力部と、前記操作信号並びに前記記憶部に記憶されたマップとから求められる値に前記各制御弁の開度を設定するための制御信号を求める演算部と、求められた制御信号を前記第1、第2の多連弁の少なくとも各1つずつに設けられたパイロット圧発生用の比例弁に出力する出力部とを備え、該制御信号にて前記各比例弁を個別に操作し、前記各制御弁を流れる圧油の流量を個別に制御する構成とした。
【0012】
また、前記記憶部又は他の記憶部に、前記操作装置から出力される操作信号と、前記第1の油圧ポンプ及び前記合流管路の双方に接続された制御弁の第2の操作装置から出力される第2の操作信号に対するゲインとの関係を示す補正用マップを予め記憶しておき、前記操作装置が操作されたとき、前記記憶部から前記マップ並びに前記補正用マップを前記演算部に読出して、前記第1の油圧ポンプから前記合流管路に流れる圧油の流量を制限する構成にした。
【0013】
【作用】
合流管路への圧油の流れを制御する各制御弁ごとにコントローラからの指令を伝える比例弁を付設し、各制御弁を独立に制御すると、記憶部に適宜の記憶情報(マップ)を記憶することによって、各アクチュエータのマッチングを自由に設定することができるので、優先的に動作させるアクチュエータが異なる各種の作業を行うことができる。また、1つの油圧ポンプから合流管路に流れる圧油の流量を制限すると、例えばブーム操作装置及びアーム操作装置を同時に操作した場合に、各制御弁を流れる圧油量に干渉を生じにくくなるので、高圧側アクチュエータの動きが遅くなるということがなく、操作フィーリングが改善される。この場合、管路内にしぼりを設けないので、全体の動きが遅くなったり、原動機の燃費が悪くなることもない。
【0014】
【実施例】
〈第1実施例〉
図1に、第1実施例に係る制御装置を備えた油圧回路の回路図を示す。この図において、30はコントローラ、31〜34は第1ないし第4の比例弁を示し、その他、前出の図13と同一の部分には、それと同一の符号が表示されている。
【0015】
第1の比例弁31は、図示しないパイロット用油圧源と第1のブーム用制御弁5とをつなぐ第1のパイロット管路35に介設されており、コントローラ30からの制御信号によって操作される。第2の比例弁32は、パイロット用油圧源と第2のブーム用制御弁6とをつなぐ第2のパイロット管路36に介設されており、コントローラ30からの制御信号によって操作される。第3の比例弁33は、パイロット用油圧源と第1のアーム用制御弁8とをつなぐ第3のパイロット管路37に介設されており、コントローラ30からの制御信号によって操作される。第4の比例弁34は、パイロット用油圧源と第2のアーム用制御弁7とをつなぐ第4のパイロット管路38に介設されており、コントローラ30からの制御信号によって操作される。
【0016】
コントローラ30には、記憶部30aと、前記第1のレバーストロークセンサ21から出力されるブームレバーストローク信号a1 及び前記第2のレバーストロークセンサ22から出力されるアームレバーストローク信号a2 とを入力する入力部30bと、前記各ストローク信号a1 ,a2 及び前記記憶部30aに記憶されたマップとから求められる前記ブームシリンダ10及びアームシリンダ12に流れる圧油の流量値に、前記各制御弁5〜8の開度を合致させるための制御信号b1 ,b2 ,b3 ,b4 を求める演算部30cと、求められた制御信号b1 〜b4 を前記第1〜第4の比例弁31〜34に出力する出力部30dとからなる。
【0017】
図2に、記憶部30aに記憶されるマップの一例を示す。この図から明らかなように、記憶部30aには、ブームレバーストローク信号a1 の大きさと第1のブーム用制御弁5の開度との関係を示すマップ{図2(c)参照}、ブームレバーストローク信号a1 の大きさと第2のブーム用制御弁6の開度との関係を示すマップ{図2(d)参照}、それにアームレバーストローク信号a2 と第1のアーム用制御弁8の開度との関係を示すマップ{図2(a)参照}、アームレバーストローク信号a2 と第2のアーム用制御弁7の開度との関係を示すマップ{図2(b)参照}がそれぞれ予め記憶されている。
【0018】
演算部30cは、図3に示すように、入力部30bに入力されたブームレバーストローク信号a1 及びアームレバーストローク信号a2 、並びに記憶部30aから読みだされた各マップを取り込み、第1〜第4の比例弁31〜34の制御信号b1 〜b4 を求める。例えば、ブームレバーストローク信号a1 と図2(c)のマップとから、当該ブームレバーストローク信号a1 の大きさに応じた第1のブーム用制御弁5の開度を求め、次いで、第1のブーム用制御弁5の開度をかかる所定の値にするために必要な第1の比例弁31の開度を求め、さらには、第1の比例弁31の開度をかかる所定の値にするために必要な制御信号b1 を求める。他の制御信号b2 ,b3 ,b4 についても、これと同様にして求められる。このようにして求められた各制御信号b1 ,b2 ,b3 ,b4 は、出力部30dから第1〜第4の比例弁31〜34に出力される。
【0019】
本例の制御装置は、第1及び第2の合流管路9,11への圧油の流れを制御する各制御弁5〜8ごとにコントローラ30からの指令を伝える比例弁31〜34を付設したので、各制御弁5〜8を独立に制御することができる。したがって、記憶部30aに適宜のマップを予め記憶しておくことによって、ブームシリンダ10及びアームシリンダ12のマッチングを自由に設定することができるので、優先的に動作させるアクチュエータが異なる各種の作業を行うことができる。
【0020】
〈第2実施例〉
次に、本発明の第2実施例を、前出の第1図及び第2図、それに図4及び図5に基づいて説明する。図4は記憶部に記憶される補正用マップの内容を示す図であり、図5は演算部における演算のアルゴリズムを示す図である。第2実施例の制御装置は、図1の記憶部30aに図4(a),(b)の補正用マップを併せて記憶し、かつ図5のアルゴリズムにしたがって演算を行うことを特徴とする。
【0021】
第1の補正用マップは、図4(a)に示すように、ブームレバーストローク信号a1 と、第2のアーム用制御弁7のアームレバーストローク信号a2 に対するゲインとの関係を示すものであって、図の例では、ブームレバーストローク信号a1 が大きくなるにしたがって、第2のアーム用制御弁7のアームレバーストローク信号a2 に対するゲインがほぼ比例的に小さくなるように設定されている。一方、第2の補正用マップは、図4(b)に示すように、アームレバーストローク信号a2 と、第2のブーム用制御弁6のブームレバーストローク信号a1 に対するゲインとの関係を示すものであって、図の例では、アームレバーストローク信号a2 が大きくなるにしたがって、第2のブーム用制御弁6のブームレバーストローク信号a1 に対するゲインがほぼ比例的に小さくなるように設定されている。これらの補正用マップは、図2に示した第1及び第2のマップを記憶した記記憶部30a又は他の記憶部に記憶される。
【0022】
演算部30cは、図5に示すように、入力部30bに入力されたブームレバーストローク信号a1 及びアームレバーストローク信号a2 、並びに記憶部30aから読みだされたマップ(図2参照)及び補正用マップ(図4参照)を取り込み、第1〜第4の比例弁31〜34の制御信号b1 〜b4 を求める。以下に、その演算のアルゴリズムを示す。まず、ブームレバーストローク信号a1 と図2(c)のマップとから、前記第1実施例の場合と同様にして、当該ブームレバーストローク信号a1 の大きさに応じた第1のブーム用制御弁5の開度を求める。また、これと共に、図4(a)に示した第1の補正用マップから、その時のブームレバーストローク信号a1 に応じた第2のアーム用制御弁7のアームレバーストローク信号a2 に対するゲインを求める。このとき、第2のアーム用制御弁7は、第1の油圧ポンプ1に対して1種のしぼりとして作用するので、第1の油圧ポンプ1から第1のブーム用制御弁5に供給可能な圧油量が増加する。そこで、演算部30cは、第1の補正用マップを加味して、第1のブーム用制御弁5の開度を補正する。そして、第1のブーム用制御弁5の開度をかかる所定の値にするために必要な第1の比例弁31の開度を求め、さらには、第1の比例弁31の開度をかかる所定の値にするために必要な制御信号b1 を求める。また、図4(a)の補正用マップと図2(b)のマップとから、第2のアーム用制御弁7の開度を求める。そして、第2のアーム用制御弁7の開度をかかる所定の値にするために必要な第4の比例弁34の開度を求め、さらには、第4の比例弁34の開度をかかる所定の値にするために必要な制御信号b4 を求める。第1のアーム用制御弁8の開度を制御するための制御信号b3 及び第2のブーム用制御弁6の開度を制御するための制御信号b2 についても、これと同様にして求められる。このようにして求められた各制御信号b1 ,b2 ,b3 ,b4 は、出力部30dから第1〜第4の比例弁31〜34に出力される。
【0023】
本例の制御装置は、ブームレバーストローク信号a1 に応じて第2のアーム用制御弁7の開度を制限し、また、アームレバーストローク信号a2 に応じて第2のブーム用制御弁6の開度を制限したので、ブーム操作装置13及びアーム操作装置14を同時に操作した場合に、各制御弁5〜8を流れる圧油量に干渉を生じにくく、高圧側アクチュエータの動きが遅くなるといった不都合が防止されて、操作フィーリングが改善される。この場合、管路内にしぼりを設けないので、全体の動きが遅くなったり、原動機の燃費が悪くなることもない。
【0024】
〈第3実施例〉
次に、本発明の第3実施例を、図6及び図7に基づいて説明する。図6は本例に係る制御装置の構成図であり、図7は記憶部に記憶されるマップの説明図である。第3実施例の制御装置は、記憶部に図7に例示される複数組のマップを記憶しておき、各種作業の内容に応じてブームシリンダ及びアームシリンダを好適に制御できるようにしたことを特徴とする。
【0025】
油圧ショベルを用いて行う作業には、例えば、アームよりもブームを優先的にすなわち高速で動作することを要する作業、反対にブームよりもアームを優先的に動作することを要する作業、メータリングでの微操作性を優先する作業など、各種モードの作業がある。かかる各種の作業を1台の油圧ショベルで効率良く行えるようにするため、本実施例では、図6のコントローラ30内に備えられた記憶部30a(図1参照)に、ブームレバーストローク信号a1 又はアームレバーストローク信号a2 の大きさと第1及び第2のブーム用制御弁5,6の開度又は第1及び第2のアーム用制御弁7,8との関係を示す、図7に掲げる4種類のマップを予め記憶した。
【0026】
図7の作業モードAは、アームのメータリングでの微操作性が良好で、かつアームレバーストローク信号a2 がある程度大きくなった段階ではアームが充分な速度で駆動することを要する作業モードである。この場合には、かかる要求に対応するため、アームレバーストローク信号a2 に対して第1のアーム用制御弁8の開度を滑らかに上昇させると共に、第2のアーム用制御弁7をアームレバーストローク信号a2 がある程度大きくなった段階で急激に開くように、マップが調整される。
【0027】
作業モードBは、ブームレバーストローク信号a1 及びアームレバーストローク信号a2 の変化に対してブーム及びアームの速度変化が滑らかに行われることを要する作業モードである。この場合には、かかる要求に対応するため、ブームレバーストローク信号a1 に対して第1及び第2のブーム用制御弁5,6の開度を滑らかに上昇させるようにマップが調整され、また、アームレバーストローク信号a2 に対して第1及び第2のアーム用制御弁7,8の開度を滑らかに上昇させるようにマップが調整される。
【0028】
作業モードCは、アームよりもブームを優先的に動作することを要する作業であって、この場合には、アームレバーストローク信号a2 がある程度大きくなった段階から第1のアーム用制御弁8の開度を滑らかに上昇させ、かつ当該アームレバーストローク信号a2 に対して第2のアーム用制御弁7の開度を滑らかに上昇させると共に、ブームレバーストローク信号a1 が入力されたときに第1のブーム用制御弁5の開度を急激に上昇するようにマップが調整される。
【0029】
作業モードDは、通常の作業に適用される標準モードであって、ブームレバーストローク信号a1 に対して第1のブーム用制御弁5の開度が比較的急激に上昇し、第2のブーム用制御弁6の開度が比較的滑らかに上昇するようにマップが調整される。また、これと共に、アームレバーストローク信号a2 に対して第1のアーム用制御弁8の開度が比較的滑らかに上昇し、第2のアーム用制御弁7の開度が比較的急激に上昇するようにマップが調整される。
【0030】
図6の符号41は、作業モード選択スイッチを示す。この作業モード選択スイッチ41は、前記記憶部30aに記憶された作業モードの数と同数の切り換え段数を有し、スイッチ本体に備えられたキー等を択一的に操作することによって、前記記憶部30aに記憶された各種の作業モードから所望の作業モードを選択するための選択信号cを出力する。この作業モード選択スイッチ41は、コントローラ30中の入力部30bに接続される。
【0031】
以下、前記のように構成された本例制御装置の動作について説明する。
作業モード選択スイッチ41を操作する以前においては、自動的に前記の作業モードDが選択されており、記憶部30aに記憶されたマップに応じた各制御弁5〜8の開度制御が行われる。この開度制御方法については、前記第1実施例にて説明したと同じであるので、重複を避けるため説明を省略する。
【0032】
作業モード選択スイッチ41を操作すると、操作キー等に応じた選択信号cが作業モード選択スイッチ41から出力される。この選択信号cは、入力部30bを介して演算部30cに取り込まれ、演算部30cは、取り込まれた選択信号cに対応するマップを記憶部30aから読みだす。また、ブームレバー13a又はアームレバー14aを操作すると、ブームレバーストロークセンサ21又はアームレバーストロークセンサ22から各レバーの操作量に応じたブームレバーストローク信号a1 又はアームレバーストローク信号a2 が出力される。これらの各レバー変位信号a1 ,a2 は、入力部30bを介して演算部30cに取り込まれ、演算部30cは、これらの信号a1 ,a2 及び前記の読みだされたマップとから、制御信号b1 〜b4 を演算して、第1〜第4の比例弁31〜34に出力する。演算部30cにおける演算アルゴリズムについては、前記第1実施例にて説明したと同じであるので、重複を避けるため説明を省略する。
【0033】
なお、本例の場合にも、第2実施例にて説明したように、ブームレバー13a及びアームレバー14aを複合操作した場合における干渉を防止するため、記憶部30a又は他の記憶部に記憶された補正用のマップに基づいて、各制御弁5〜8の開度を補正することもできる。
【0034】
本例の制御装置は、第1実施例の制御装置と同様の効果を奏するほか、記憶部30aに4種類の作業モードに応じた4組のマップを予め記憶しておき、作業モード選択スイッチ41を操作して所望のマップを選択的に演算部30cに取り込むようにしたので、選択された作業モードに応じて各アクチュエータ10,12の駆動速度を常に好適に調整することができ、各種の作業を効率良くしかも安全に行うことができる。
【0035】
〈第4実施例〉
本発明の第4実施例を、図8及び図9に基づいて説明する。図8は本例に係る制御装置の構成図、図9は演算部における演算アルゴリズムを示す図である。これらの図において、符号51は第1及び第2の油圧ポンプ1,2を駆動するための原動機(エンジン)、符号52はこの原動機51に設けられた回転数センサ、符号53は回転数センサ52の出力信号線を示し、その他、前出の図1と対応する部分には、同一の符号が表示されている。
【0036】
図8に示すように、回転数センサ52にて検出された原動機51の回転数信号dは、信号線53によってコントローラ30の入力部30bに入力される。
コントローラ30の記憶部30aには、図9に示すように、原動機51の回転数Nと第1及び第2の油圧ポンプ1,2の吐出量Qとの関係が予め記憶されており、コントローラ30の演算部30cは、原動機51の回転数信号dの大きさに応じて、算出された制御信号b1 〜b4 (第1実施例〜第3実施例参照)に補正をかける。すなわち、油圧ポンプの吐出量Qは、油圧ポンプの容量をq、原動機51の回転数をNとしたとき、Q=q×Nの関係にあるので、回転数Nが上昇したときには各アクチュエータ10,12に供給可能な圧油量が増加する。そこで、原動機51の回転数Nが上昇した場合には、それに応じて各制御弁5〜8の開度を上昇し、圧油の無駄を防止すべく、制御信号b1 〜b4 を補正する。反対に、回転数Nが低下したときには、各アクチュエータ10,12に供給可能な圧油量が減少する。そこで、原動機51の回転数Nが低下した場合には、それに応じて各制御弁5〜8の開度を低下し、原動機51のエンストを防止すべく、制御信号b1 〜b4 を補正する。
【0037】
本例の制御装置は、第1実施例の制御装置と同様の効果を奏するほか、原動機回転数Nの変動に応じて、コントローラ30から出力される比例弁31〜34の制御信号b1 〜b4 を補正するようにしたので、燃費の無駄を防止及び原動機51のエンスト防止等を図ることができる。
【0038】
〈第5実施例〉
本発明の第5実施例を、図10及び図11に基づいて説明する。図10は本例に係る制御装置の構成図、図11は演算部における演算アルゴリズムを示す図である。これらの図において、符号54はブームシリンダ10に付設された第1の圧力センサ、符号55は第1の圧力センサ54の出力信号線、符号56はアームシリンダ12に付設された第2の圧力センサ、符号57は第2の圧力センサ56の出力信号線を示し、その他、前出の図8と対応する部分には、同一の符号が表示されている。
【0039】
第1の圧力センサ54は、ブームシリンダ10のボトム室10aに設定され、その出力端子は信号線55によりコントローラ30の入力部30bに接続されている。第2の圧力センサ56は、アームシリンダ12のボトム室12aに設定され、その出力端子は信号線57によりコントローラ30の入力部30bに接続されている。
【0040】
コントローラ30の記憶部30aには、ブームシリンダ10のボトム室10aに接続された管路10bに設けられた図示しないリリーフ弁の設定圧と、アームシリンダ12のボトム室12aに接続された管路12bに設けられた図示しないリリーフ弁の設定圧とが予め記憶されており、コントローラ30の演算部30cは、この記憶部30aに記憶されたリリーフ弁の設定圧(リリーフ圧)と前記第1及び第2の圧力センサ54,56にて検出された圧力とを常時比較する。そして、演算部30cは、第1の圧力センサ54の検出圧(ブーム圧力)とリリーフ圧との差圧が予め定められた値になったとき、当該演算部30cにて算出された制御信号b1 ,b2 (第1実施例〜第3実施例参照)を低下するように補正する。同様に、演算部30cは、第2の圧力センサ56の検出圧(アーム圧力)とリリーフ圧との差圧が予め定められた値になったとき、当該演算部30cにて算出された制御信号b3 ,b4 (第1実施例〜第3実施例参照)を低下するように補正する。
【0041】
本例の制御装置は、第1実施例の制御装置と同様の効果を奏するほか、ブームシリンダ10又はアームシリンダ12の駆動圧が各管路のリリーフ圧近傍まで上昇したときに、各制御弁5〜8の開度を低下するように制御信号b1 〜b4 を補正するので、リリーフ管路を通って圧油タンクに戻る圧油の流量を低減することができ、原動機の燃料消費量の低減及び騒音の緩和等を図ることができる。
【0042】
なお、前記実施例においては、ブームシリンダ10とアームシリンダ12を複合操作する場合を例にとって説明したが、制御するアクチュエータの種類や数量については何ら制限があるものではなく、任意の種類及び数量の油圧アクチュエータを複合操作する油圧建設機械の制御装置に応用することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、合流管路への圧油の流れを制御する各制御弁ごとにコントローラからの指令を伝える比例弁を付設し、各制御弁を独立に制御するようにしたので、各アクチュエータのマッチングを自由に設定することができ、優先的に動作させるアクチュエータが異なる各種の作業を行うことができる。また、第1の油圧ポンプから第2の合流管路に流れる圧油の流量を制限すると共に、第2の油圧ポンプから第1の合流管路に流れる圧油の流量を制限するようにしたので、ブーム操作装置及びアーム操作装置を同時に操作した場合に、各制御弁を流れる圧油量に干渉を生じにくくなり、操作フィーリングが改善される。さらに、この場合、管路内にしぼりを設けないので、全体の動きが遅くなったり、原動機の燃費が悪くといった不都合が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る制御装置を備えた油圧回路の回路図である。
【図2】第1実施例に係る制御装置に記憶されるマップを例示するグラフ図である。
【図3】第1実施例に係る制御装置で行われる演算のアルゴリズムを示す図である。
【図4】第2実施例に係る制御装置に記憶される補正用マップを例示するグラフ図である。
【図5】第2実施例に係る制御装置で行われる演算のアルゴリズムを示す図である。
【図6】第3実施例に係る制御装置を備えた油圧回路の回路図である。
【図7】第3実施例に係る制御装置に記憶されるマップを例示する表図である。
【図8】第4実施例に係る制御装置を備えた油圧回路の回路図である。
【図9】第4実施例に係る制御装置で行われる演算のアルゴリズムを示す図である。
【図10】第5実施例に係る制御装置を備えた油圧回路の回路図である。
【図11】第5実施例に係る制御装置で行われる演算のアルゴリズムを示す図である。
【図12】第1従来例に係る制御装置を備えた油圧回路の回路図である。
【図13】第2従来例に係る制御装置を備えた油圧回路の回路図である。
【符号の説明】
1,2 油圧ポンプ
3,4 多連弁
5 第1のブーム用制御弁
6 第2のブーム用制御弁
7 第2のアーム用制御弁
8 第1のアーム用制御弁
9 第1の合流管路
10 ブームシリンダ
11 第2の合流管路
12 アームシリンダ
13 ブーム操作装置
14 アーム操作装置
30 コントローラ
31〜34 比例弁
a1 ブームレバーストローク信号
a2 アームレバーストローク信号
b1〜b4 制御信号
c 選択信号
Claims (6)
- 第1及び第2の油圧ポンプと、前記第1の油圧ポンプの吐出管路に設けられた第1の多連弁と、前記第2の油圧ポンプの吐出管路に設けられた第2の多連弁と、前記第1の多連弁に含まれる少なくとも1つの第1の制御弁及び前記第2の多連弁に含まれる少なくとも1つの第2の制御弁の出口ポートを接続してなる第1及び第2の合流管路と、これら第1及び第2の合流管路に接続されたアクチュエータと、このアクチュエータへの圧油の供給量を制御する1つの操作装置とを有する油圧回路に備えられ、前記アクチュエータに供給される圧油の流量を制御する油圧建設機械の制御装置において、
前記1つの操作装置から出力される操作信号の入力部と、前記操作信号と前記第1及び第2の制御弁の開度との関係を示す第1及び第2のマップが予め記憶された記憶部と、前記入力部に入力された操作信号と前記記憶部に記憶された前記第1及び第2のマップとから求められる値に前記第1及び第2の制御弁の開度を設定するための制御信号を求める演算部と、求められた制御信号の出力部とを備え、
前記出力部は、前記第1及び第2の制御弁ごとに付設されたパイロット圧発生用の比例弁に前記制御信号を個別に出力し、前記1つの操作装置が操作された場合、前記第1の油圧ポンプから前記第2の合流管路に流れる圧油の流量及び前記第2の油圧ポンプから前記第1の合流管路に流れる圧油の流量を個別に制御して、前記第1及び第2の制御弁から前記第1及び第2の合流管路に流れる圧油の流量を個別に制御することを特徴とする油圧建設機械の制御装置。 - 請求項1に記載の油圧建設機械の制御装置において、前記記憶部に作業モードに応じた複数種類の前記マップを記憶すると共に、前記入力部に作業モード選択スイッチを接続し、該作業モード選択スイッチが操作されたとき、該作業モード選択スイッチから出力される選択信号に応じたマップを前記記憶部から演算部に読出して前記制御信号を求めることを特徴とする油圧建設機械の制御装置。
- 請求項1に記載の油圧建設機械の制御装置において、前記記憶部又は他の記憶部に、前記操作装置から出力される操作信号と、前記第1の油圧ポンプ及び合流管路の双方に接続された制御弁の第2の操作装置から出力される第2の操作信号に対するゲインとの関係を示す補正用マップを予め記憶しておき、前記操作装置が操作されたとき、前記記憶部から前記マップ並びに前記補正用マップを前記演算部に読出して、前記第1の油圧ポンプから前記合流管路に流れる圧油の流量を制限することを特徴とする油圧建設機械の制御装置。
- 請求項1に記載の油圧建設機械の制御装置において、前記入力部に前記第1及び第2の油圧ポンプを駆動する原動機の回転数に応じた信号を入力し、前記原動機の回転数が高いときには前記第1及び第2の制御弁群を流通可能な圧油量の最大値を高めるように前記制御信号を補正し、原動機の回転数が低いときには前記第1及び第2の制御弁群を流通可能な圧油量の最大値を低めるように前記制御信号を補正することを特徴とする油圧建設機械の制御装置。
- 請求項1に記載の油圧建設機械の制御装置において、前記入力部に前記アクチュエータの駆動圧に応じた信号を入力し、前記演算部にて、これらの駆動圧と前記第1及び第2の油圧ポンプの出口管路のリリーフ圧とを常時比較し、前記第1又は第2のアクチュエータの駆動圧が前記第1又第2の油圧ポンプから吐出される圧油のリリーフ圧付近になったとき、前記操作信号を低めるように補正し、前記各パイロット圧発生用の比例弁に出力することを特徴とする油圧建設機械の制御装置。
- 請求項1に記載の油圧建設機械の制御装置において、
前記入力部に前記第1及び第2の油圧ポンプを駆動する原動機の回転数に応じた信号を入力し、前記原動機の回転数が高いときには前記第1及び第2の制御弁群を流通可能な圧油量の最大値を高めるように前記制御信号を補正し、原動機の回転数が低いときには前記第1及び第2の制御弁群を流通可能な圧油量の最大値を低めるように前記制御信号を補正すると共に、
前記入力部に前記アクチュエータの駆動圧に応じた信号を入力し、前記演算部にて、これらの駆動圧と前記第1及び第2の油圧ポンプの出口管路のリリーフ圧とを常時比較し、前記第1又は第2のアクチュエータの駆動圧が前記第1又第2の油圧ポンプから吐出される圧油のリリーフ圧付近になったとき、前記操作信号を低めるように補正し、前記各パイロット圧発生用の比例弁に出力することを特徴とする油圧建設機械の制御装置。
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