JP3767659B2 - Ink jet printer, and recording head drive apparatus and method for ink jet printer - Google Patents
Ink jet printer, and recording head drive apparatus and method for ink jet printer Download PDFInfo
- Publication number
- JP3767659B2 JP3767659B2 JP34835097A JP34835097A JP3767659B2 JP 3767659 B2 JP3767659 B2 JP 3767659B2 JP 34835097 A JP34835097 A JP 34835097A JP 34835097 A JP34835097 A JP 34835097A JP 3767659 B2 JP3767659 B2 JP 3767659B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink
- ink chamber
- droplets
- nozzle
- generating means
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41J—TYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
- B41J2/00—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
- B41J2/005—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
- B41J2/01—Ink jet
- B41J2/135—Nozzles
- B41J2/14—Structure thereof only for on-demand ink jet heads
- B41J2002/14338—Multiple pressure elements per ink chamber
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はノズル部からインク滴を吐出して記録用紙に記録を行うインクジェットプリンタ、ならびにインクジェットプリンタ用記録ヘッドの駆動装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インク室に連通したノズル部からインク滴を吐出して記録用紙に記録を行うインクジェットプリンタが普及している。従来、この種のインクジェットプリンタでは、1つのノズルに対応して1つの圧電素子が設けられていた。この圧電素子は、例えば、インク流路を介してインクが供給されるインク室の外壁をなす振動板に固設されており、印加される駆動信号の電圧波形に応じて撓むことでインク室の容積を変化させて吐出圧力を生じさせ、この吐出圧力によってノズルからインク滴を吐出させることができるようになっていた。
【0003】
この種のインクジェットプリンタにおいては、上記のようにインク室の容積を変化させて吐出圧力を発生させるようになっているので、ノズルから吐出されたインクが柱状になって(尾を引く形で)飛翔し、この飛翔するインクの先頭部分と後尾部分との間に時間差や速度差が生ずる。このため、先行する主たるインク滴に付随して、微小な衛星状の不要なインク小滴(以下、サテライト滴という。)が発生し、これが記録用紙上に着弾することによって好ましくない印字結果が生ずる。この場合、比較的大きなインク滴で記録を行う濃い画像ではサテライト滴の発生は画品位にあまり大きな影響を与えないが、濃度の淡い画像や中間階調画像を表現する場合のように小さいインク滴で記録を行う場合には、サテライト滴の発生による画品位の低下が著しくなることが予想される。したがって、特に、小さいサイズのインク滴を吐出する場合におけるサテライト滴の発生が大きな問題となる。
【0004】
この問題に対処するため、従来よりいくつかの方策が提案されている。例えば、特開平7−76087号公報には、1つのノズルについて1つの圧電素子を設け、この圧電素子に印加する吐出用電圧の変化速度を2段階に切り替えてインク滴吐出を行う方法が提案されている。この方法は、図9に示したように、当初は第1の電圧変化速度v1をもって吐出用電圧を増加させ、途中からv1よりも大きい第2の電圧変化速度v2をもって吐出用電圧を増加させるものである。なお、図9で、縦軸は電圧、横軸は時間を表す。この方法によれば、先に吐出されたインクの先頭部分を追いかける形で引き続いてインクが噴射されるようになるので、インク柱の先頭部分と後尾部分との間の速度差が小さくなり、サテライト滴が生じにくくなる。
【0005】
また、例えば、特開昭59−133067号公報には、1つのノズルについて1つの圧電素子を設け、この圧電素子に互いに独立した2つの電圧パルスを印加してインク滴吐出を行う方法が提案されている。この方法は、図10に示したように、まず、第1のパルスP1を圧電素子に加えて第1の圧力変動を生じさせてノズルからのインク滴の噴射を開始し、その後、第1のパルスP1を終了させたのちノズルからインク滴が射出される前に第2のパルスP2を圧電素子に加えて第2の圧力変動を生じさせるようにしたものである。なお、図10で、縦軸は電圧、横軸は時間を表す。この方法によれば、ノズルから噴射されたインク柱が早期に破断され、サテライト滴が生じにくくなる。
【0006】
なお、例えば、特開昭51−45931号公報には、1つのノズルに対して2つの圧力発生手段を設け、これらの2つの圧力発生手段からの振動の重ね合わせによってインクを振動させてインク滴を吐出させるようにしたインク滴吐出装置が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特開平7−76087号公報に記載された方法では、第1の電圧変化速度v1を第2の電圧変化速度v2よりも必ず小さくしなければならない。このため、全吐出行程にわたって高速の電圧変化速度v2で電圧を変化させた場合に比べると、吐出されるインク滴の飛翔速度が低下せざるを得なくなる。インク滴の飛翔速度の低下は、その飛翔ルートの直線性の悪化や飛翔速度のばらつき等、吐出の不安定性を招くことから、記録ドットのずれが生じて印字品質を低下させるおそれがある。
【0008】
また、上記の特開昭59−133067号公報に記載された方法では、第1のパルスP1を終了させたのち、ある時間間隔Tiをおいて第2のパルスP2を印加するようになっているので、この時間間隔Tiが大きいと、インク柱の尾引きが長くなってサテライト滴の発生を防止しにくくなる。一方、時間間隔Tiが小さいと、圧電素子が電圧変化に追随できず、所期の動作が得られなくなる。一般に、圧電素子は固有の振動特性を有し、その固有振動数以上の周波数では動作し得ないからである。この点は、高い固有振動数をもつ圧電素子を製作することで解決できると考えられるが、圧電素子の固有振動数を高めるにしてもそれには限度があり、しかも製造技術上の困難性を伴ってコスト高にもつながることから、現実的ではない。また、上記公報の記載では、第1のパルスP1の電圧値V1よりも第2のパルスP2の電圧値V2の方が小さくなっているが、インク柱の先頭部分に後尾部分を追い付かせて一体化させるためには、第1のパルスP1の電圧値V1よりも第2のパルスP2の電圧値V2の方を大きくする必要がある。ところが、圧電素子への印加電圧を大きくすることは、圧電素子およびこの圧電素子によって励振される振動板の寿命を縮める要因になると共に、残留振動が大きくなって周波数特性が悪化することが予想される。
【0009】
また、上記の特開昭51−45931号公報に記載されたインク滴吐出装置は小さい電源入力で効率よくインク滴を吐出させることを目的としたものであり、この目的を達成するために、2つの圧力発生手段に高周波駆動信号をそれぞれ印加すると共に、これらの高周波駆動信号の位相差や振幅を変化させることで2つの圧力発生手段からの振動をうまく重ね合わせてインクを振動させ、これによりインク滴を吐出させるようにしている。すなわち、このインク滴吐出装置は、サテライト滴の発生を防止することを目的とはしておらず、また、そのための構成を備えていない。また、そのような示唆もない。
【0010】
このように、従来は、吐出されるインク滴の飛翔速度の低下や装置寿命の短縮、あるいは周波数特性の悪化等を伴うことなく、また、圧電素子の固有振動特性による制約を受けることなく、サテライト滴の発生を十分に抑制することは困難であった。
【0011】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、上記のような諸問題を克服しつつインク滴吐出時のサテライト滴の発生を抑制することができるインクジェットプリンタ、ならびにインクジェットプリンタ用記録ヘッドの駆動装置および方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るインクジェットプリンタは、インク滴を吐出するためのノズル部と、ノズル部にインクを供給するインク室と、各ノズル部ごとに設けられ、変位することによりインク室の容積を変化させてノズル部からインク滴を吐出させるための圧力を発生する吐出用圧力発生手段と、各ノズル部ごとに設けられ、変位することによりインク室の容積を変化させてノズル部からのインク滴吐出時における付随的なインク小滴の発生を抑制するための圧力を発生する付随小滴防止用圧力発生手段と、予め付随小滴防止用圧力発生手段をインク室収縮方向に変位させておくと共に、インク滴の吐出のために吐出用圧力発生手段をインク室収縮方向に変位させ、この吐出用圧力発生手段のインク室収縮方向への変位動作によってインク室が収縮状態にあるときに、付随小滴防止用圧力発生手段をインク室膨張方向に変位させる制御を行う吐出制御手段とを備えている。ここで、「収縮状態にある」とは、主として収縮完了状態をいう。
【0013】
本発明に係るインクジェットプリンタ用記録ヘッドの駆動装置は、インク滴を吐出するためのノズル部と、ノズル部にインクを供給するインク室と、各ノズル部ごとに設けられ、変位することによりインク室の容積を変化させてノズル部からインク滴を吐出させるための圧力を発生する吐出用圧力発生手段と、各ノズル部ごとに設けられ、変位することによりインク室の容積を変化させてノズル部からのインク滴吐出時における付随的なインク小滴の発生を抑制するための圧力を発生する付随小滴防止用圧力発生手段とを備えたインクジェットプリンタ用記録ヘッドを駆動する装置であって、予め付随小滴防止用圧力発生手段をインク室収縮方向に変位させておくと共に、インク滴の吐出のために吐出用圧力発生手段をインク室収縮方向に変位させ、この吐出用圧力発生手段のインク室収縮方向への変位動作によってインク室が収縮状態にあるときに、付随小滴防止用圧力発生手段をインク室膨張方向に変位させる制御を行う吐出制御手段を備えたものである。
【0014】
本発明に係るインクジェットプリンタ用記録ヘッドの駆動方法は、インク滴を吐出するためのノズル部と、ノズル部にインクを供給するインク室と、各ノズル部ごとに設けられ、変位することによりインク室の容積を変化させてノズル部からインク滴を吐出させるための圧力を発生する吐出用圧力発生手段と、各ノズル部ごとに設けられ、変位することによりインク室の容積を変化させてノズル部からのインク滴吐出時における付随的なインク小滴の発生を抑制するための圧力を発生する付随小滴防止用圧力発生手段とを備えたインクジェットプリンタ用記録ヘッドを駆動する方法であって、予め付随小滴防止用圧力発生手段をインク室収縮方向に変位させておく工程と、インク滴の吐出のために吐出用圧力発生手段をインク室収縮方向に変位させる工程と、吐出用圧力発生手段のインク室収縮方向への変位動作によってインク室が収縮状態にあるときに、付随小滴防止用圧力発生手段をインク室膨張方向に変位させる工程とを含んでいる。
【0015】
本発明に係るインクジェットプリンタ、またはインクジェットプリンタ用記録ヘッドの駆動装置もしくは方法では、予め付随小滴防止用圧力発生手段がインク室収縮方向に変位している状態で、インク滴の吐出のために吐出用圧力発生手段がインク室収縮方向に変位させる動作が行われると共に、この吐出用圧力発生手段のインク室収縮方向への変位動作によってインク室が収縮状態にあるときに、付随小滴防止用圧力発生手段をインク室膨張方向に変位させる動作が行われる。これにより、吐出用圧力発生手段の変位によってノズル部から押し出されたインクの後尾部分が、付随小滴防止用圧力発生手段の変位によって引き戻され、インク滴が長く尾を引く前に早期に断ち切られる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明の一実施の形態に係るインクジェットプリンタの要部の概略構成を表すものである。本実施の形態では、複数のノズルを有するマルチノズルヘッドを備えたインクジェットプリンタについて説明するが、本発明は単一のノズルを有するシングルノズルヘッドを備えたインクジェットプリンタについても適用可能である。なお、本発明の実施の形態に係るインクジェットプリンタ用記録ヘッドの駆動装置および方法は本実施の形態に係るインクジェットプリンタによって具現化されるので、以下併せて説明する。
【0018】
このインクジェットプリンタ1は、記録用紙2に対してインク滴を吐出して記録を行う記録ヘッド11と、この記録ヘッド11にインクを供給するインクカートリッジ12と、記録ヘッド11の位置と記録用紙2の紙送りとを制御するヘッド位置・紙送りコントローラ13と、駆動信号21により記録ヘッド11のインク滴吐出動作を制御するヘッドコントローラ14と、入力される画像データに所定の画像処理を行い、印画データ22としてヘッドコントローラ14に供給する画像処理部15と、制御信号23,24,25によってそれぞれヘッド位置・紙送りコントローラ13、ヘッドコントローラ14および画像処理部15を制御するシステムコントローラ16とを備えている。ここで、ヘッドコントローラ14が本発明における「吐出制御手段」に対応する。
【0019】
図2は図1における記録ヘッド11の斜視断面構造を表し、図3は図2における記録ヘッド11を矢印Zの方向から見た断面構造を表すものである。これらの図に示したように、記録ヘッド11は、薄いノズルプレート板111と、ノズルプレート111上に積層された流路プレート112と、流路プレート112上に積層された振動プレート113とを備えて構成されている。これらの各プレートは、例えば、図示しない接着剤により相互に貼り合わされている。
【0020】
流路プレート112の上面側には選択的に凹部が形成されており、これらの凹部と振動プレート113とによって、複数のインク室114とこれらのインク室に連通する共同流路115とを構成している。共同流路115と各インク室114との連通部分は挟路となっており、ここから各インク室114の方向に向かうに従って流路幅が拡がるような構造となっている。各インク室114の真上部分の振動プレート113上には、それぞれ、例えばピエゾ素子等からなる一対の圧電素子116a,116bが互いに一定距離を隔てて固着されている。各圧電素子116a,116bの上下面には、図示しない電極がそれぞれ積層配置されており、これらの電極にヘッドコントローラ14(図1)からの駆動信号を印加して各圧電素子116a,116b、ひいては振動プレート113をたわませることで、インク室114の容積を増大(膨張)させたり減少(収縮)させることができるようになっている。ここで、インク室114が本発明における「インク室」に対応する。
【0021】
本実施の形態において、圧電素子116a,116bは、同じ印加電圧に対する変位量(以下、変位能力という。)が等しくなるように構成されている。そのために本実施の形態では、圧電素子116a,116bの材質、厚さおよび面積を等しく形成している。これにより、同一の印加電圧に対して同じ容積変化をインク室114に与えることができる。但し、2つの圧電素子116a,116bの面積や厚さ等を変えて、両者の変位能力を異ならせるように構成してもよい。ここで、圧電素子116aが本発明における「吐出用圧力発生手段」に対応し、圧電素子116bが本発明における「付随小滴防止用圧力発生手段」に対応する。
【0022】
各インク室114における共同流路115に連通した側と反対側の部分は、流路幅が次第に狭まっていく構造になっており、その終端部の流路プレート112には、厚み方向に穿たれた流路孔117が設けられている。そして、この流路孔117は、最下層のノズルプレート111に形成された微小なノズル118へと連通しており、このノズル118からインク滴が吐出されるようになっている。本実施の形態では、記録ヘッド11には、記録用紙2(図1)の紙送り方向(図2の矢印X)に沿って、複数のノズル118が1列に等間隔で形成されている。但し、その他の配列(例えば千鳥状の二列配列)としてもよい。ここで、ノズル118が本発明における「ノズル部」に対応する。
【0023】
共同流路115は、図1に示したインクカートリッジ12(図2および図3では図示せず)に連通している。そして、このインクカートリッジ12から共同流路115を経て各インク室114に常時一定速度でインクが供給されるようになっている。このインクの供給は、例えば毛細管現象を利用して行うことができるが、そのほか、インクカートリッジ12に所定の加圧機構を設けて加圧することで行うようにしてもよい。
【0024】
このような構成の記録ヘッド11は、図示しないキャリッジ駆動モータおよびこれに付随するキャリッジ機構によって記録用紙2の紙送り方向Xと直交する方向Y(図2)に往復移動しながらインク滴を吐出することにより、記録用紙2に画像を記録するようになっている。
【0025】
図1に示したヘッドコントローラ14は、例えば、いずれも図示しないが、マイクロプロセッサと、このマイクロプロセッサが実行するプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)と、マイクロプロセッサによる所定の演算や一時的なデータ記憶等に用いられるワークメモリとしてのRAM(Random Access Memory)と、不揮発性メモリからなる駆動波形記憶部と、駆動波形記憶部から読み出されたディジタルデータをアナログに変換するためのディジタルアナログ(D/A)コンバータと、D/Aコンバータの出力を増幅するアンプとを備えて構成される。ここで、駆動波形記憶部は、記録ヘッド11の各ノズルの圧電素子116a,116bをそれぞれ駆動するための駆動信号21a,21bの各電圧波形を示す波形データを組の形で記憶している。これらの波形データは、例えば図4に示した各種のパラメータ(時間パラメータおよび電圧パラメータ)を様々な値に設定して作成されたものである。但し、各組の駆動信号21aと駆動信号21bとの間には、後述するような一定の関係が保たれている。これらの波形データはマイクロプロセッサによってそれぞれ読み出され、D/Aコンバータでアナログ信号に変換されたのちアンプで増幅され、ノズル数nと同数の駆動信号21a,21bの組として出力される。なお、ヘッドコントローラ14は、上記のような構成に限られることはなく、これと異なる構成とすることも可能である。
【0026】
これらの駆動信号の組のうち、各駆動信号21aは対応するノズルの圧電素子116aに印加され、各駆動信号21bは対応するノズルの圧電素子116bに印加されようになっている。なお、図1では、n組の駆動信号21a,21bをまとめて駆動信号21として描いている。
【0027】
図4は駆動信号21a,21bの各一周期分(T)の波形の一例を表すものである。この図の(a)は駆動信号21a、(b)は駆動信号21bを表す。ここで、縦軸は電圧、横軸は時間を表し、時間は図の左から右方向へと進むものとする。これらのうち、駆動信号21aは、インク滴を吐出する圧力を発生させるための吐出用駆動信号であり、基準電圧0Vのほかに引込電圧Vpおよび吐出電圧Vaを取り得るようになっている。駆動信号21bは、インク滴吐出時のサテライト滴の発生を抑制する圧力を発生させるための補助駆動信号であり、基準電圧0Vと引込電圧Vpとを取り得る。駆動信号21a,21bの組は、ヘッドコントローラ14によって各吐出周期ごとに適宜切り替えられて、対応するノズルに供給されるようになっている。
【0028】
ここで、図5を参照して、駆動信号21aの波形の意義について説明する。この図5は、駆動信号の波形と、この駆動信号が印加される圧電素子116aの挙動と、ノズル118内におけるインクの先端部の位置(以下、メニスカス位置という。)の変化との関係を表すものである。この図の(a)は、駆動信号21aを一般化した波形のほぼ1周期分を表し、同図(b)は(a)のような波形の駆動信号が圧電素子116aに印加されたときのインク室114の状態の変化を表し、同図(c)はそのときのノズル118内におけるメニスカス位置の変化を表す。
【0029】
図5(a)において、まず、駆動電圧を基準電圧0Vから引込電圧Vpに変化させる行程(AからBまで)を第1の前行程とし、引込電圧Vpを一定時間保持する行程(BからCまで)を第2の前行程とする。また、駆動電圧を引込電圧Vp1から基準電圧0Vに変化させる行程(CからDまで)を第1行程とし、これに要する時間をt1とする。また、基準電圧0Vを保持して待機する行程(DからEまで)を第2行程とし、これに要する時間をt2とする。さらに、基準電圧0Vから吐出電圧Vaに変化させる行程(EからFまで)を第3行程とし、これに要する時間をt3とする。
【0030】
本実施の形態において、第3行程の開始時点である時点Eは、吐出が開始されるタイミングであり、このタイミングに先立って第1の前行程、第2の前行程、第1行程、および第2行程が行われるようになっている。
【0031】
まず、時点Aおよびそれ以前においては、圧電素子116aへの印加電圧は0Vであるので、図5(b)の状態PA のように、振動プレート113にたわみはなく、インク室114の容積は最大となっている。時点Aにおいて、ノズル118内におけるメニスカス位置は、図5(c)の状態MA に示したように、ノズル開口端から所定距離だけ後退した所に位置しているものとする。
【0032】
次に、時点Aの電圧0Vから時点Bの引込電圧Vpへと駆動電圧をゆっくりと増加させる第1の前行程を行うと、振動プレート113が内側にたわみ、インク室114は収縮する(図5(b)の状態PB )。このときのインク室114の収縮速度はゆっくりとしたものなので、インク室114の容積の減少分は、ノズル118内のメニスカス位置を前進させると同時に、図2に示した共同流路115へのインクの逆流をも引き起こす。このときのインクの前進量と逆流量との比は、主として、ノズル118内の流路抵抗と、インク室114と共同流路115とをつなぐ狭路における流路抵抗との比によって決まるが、これを最適化することにより、図5(c)の状態MB で示したように、時点Bでのメニスカス位置がノズル開口端から突出することなく、ノズル開口端とほぼ同じ位置にくるように設定することができる。
【0033】
次に、時点Bから時点Cまでの間、駆動電圧を引込電圧Vpに保持することでインク室114の容積を一定に保つ第2の前行程を行う。ところが、この間もインクカートリッジ12からのインク供給は連続的に行われているので、ノズル118内におけるメニスカス位置はノズル開口端に向かって変位し、時点Cでは、例えば図5(c)の状態MC で示したように、ノズル開口端よりもやや突出した位置まで前進する。
【0034】
次に、時点Cの引込電圧Vpから時点Bの基準電圧0Vへと駆動電圧を減少させる第1行程を行うと、圧電素子116への印加電圧が0になるので振動プレート113のたわみがなくなり、インク室114は膨張する(図5(b)の状態PD )。このため、ノズル118内のメニスカスはインク室114の方向に引き込まれ、時点Dでは、例えば図5(c)の状態MD に示したように後退する(すなわち、ノズル開口端から遠ざかる)。なお、時点Cと時点Dとの電位差である引込電圧Vpの大きさを変更することにより第1行程におけるメニスカスの引き込み量が変化するので、これによりインク滴のサイズを制御することが可能である。インク滴のサイズは吐出開始時点のメニスカス位置に依存し、メニスカス位置が深いほどインク滴サイズが小さくなるからである。
【0035】
次に、時点Dから時点Eまでの時間t2の間、駆動電圧を基準電圧0Vに固定して振動プレート113cをたわみがない状態に維持することでインク室114の容積を一定に保つ第2行程を行う(図5(c)の状態PD 〜PE )。ところが、この間もインクカートリッジ12からのインク供給は連続的に行われているので、ノズル118内のメニスカス位置はノズル開口端に向かって変位し、時点Eでは、例えば図5(c)の状態ME に示した位置まで前進する。なお、第2行程の所要時間t2を変更することによりメニスカス位置の前進量が変化し、第3行程の開始時点におけるメニスカス位置を調整することができるので、これにより、吐出されるインク滴のサイズを制御することが可能である。
【0036】
次に、時点Eの電圧0Vから時点Fの吐出電圧Vaへと駆動電圧を急激に増大させる第3行程を行う。ここで、時点Eは、上記したように、吐出開始タイミングである。このとき、時点Fにおいて振動プレート113は、図5(b)の状態PF に示したように内側に大きくたわみ、インク室114は急激に収縮するので、図5(c)の状態MF に示したように、ノズル118内のメニスカスはノズル開口端に向かって一気に押され、ここからインク滴として吐出される。吐出されたインク滴は空気中を飛翔し、記録用紙2(図2)上に着弾する。
【0037】
その後、駆動電圧を吐出電圧Vaに保ったまま所定時間経過した時点Gで、再び基準電圧0Vまで減少させる。これにより時点Hでは、図5(b)の状態PH に示したように、振動プレート113はたわみのない状態に戻る。この状態を次の吐出動作における第1前行程の開始時点Iまで維持する。駆動電圧を再び0Vに減少させた直後の時点Hにおいては、図5(c)の状態MH に示したように、吐出されたインク滴の体積とインク室114の容積の増加分とを加えた体積に相当する分だけメニスカス位置が後退した状態となるが、その後も行われるインクの充填(リフィル)により、次回の吐出動作における第1の前行程の開始時点Iにおけるメニスカス位置は、図5(c)の状態MI に示したように、当初の時点Aにおける状態MA と同じになる。
【0038】
このようにして1回の吐出動作が終了する。以下、このようなサイクル動作を各ノズル118ごとに並行してそれぞれ繰り返し行うことで、記録用紙2(図2)への画像記録が連続的に行われる。
【0039】
なお、本実施の形態において、第2行程の所要時間t2は第1行程で引き込まれたメニスカスがノズル開口端に到達するまでの所要時間以下であるとし、第3行程の吐出電圧Vaはインク滴を吐出させるに足る範囲に入っているものとしている。また、図4(a)で、上記の行程CD,DE,EF以外の行程の所要時間については、それぞれ次のように表記する。AB=τ1,BC=τ2,FG=t4,GH=t5。
【0040】
次に、再び図4に戻って、駆動信号21bの波形について説明する。本実施の形態では、駆動信号21bは行程ABで駆動信号21aと同じく基準電圧0Vから引込電圧Vpに変化する。そして、この引込電圧Vpを、駆動信号21aが吐出電圧Vaに立ち上がり終わった時点F以降の所定の時点C′まで保持し、ここから急速に基準電圧0Vに立ち下げるようにしている。この図で、駆動信号21aの吐出開始タイミングte(すなわち、基準電圧0Vから吐出電圧Vaへの立ち上がり開始時点E)を起算点として、駆動信号21bの引込電圧Vpから基準電圧0Vへの立ち下がり開始時点C′までの時間をtdとすると、引込電圧Vpを保持する行程BC′の所要時間はt1+t2+tdとなる。ここで、td>t3である。なお、図4(b)では、駆動信号21bが引込電圧Vpから基準電圧0Vに変化する行程C′D′の所要時間をt6と表記する。ここで、遅延時間tdを適切に設定する点が本発明の1つの特徴をなしているが、これについては後述する。
【0041】
次に、図1のインクジェットプリンタ1の全体動作を簡単に説明する。
【0042】
図1において、図示しないパーソナルコンピュータ等の情報処理装置から印刷データがインクジェットプリンタ1に入力されると、画像処理部15は、この入力データに対して所定の画像処理(例えば圧縮されたデータの伸長等)を行ったのち、これを印画データ22としてヘッドコントローラ14に送出する。
【0043】
ヘッドコントローラ14は、記録ヘッド11のノズル数に対応したnドット分の印画データ22を取得すると、これらの印画データ22を基に、n個のノズルのそれぞれについて、ドットを形成するためのインク滴サイズを判定し、この判定結果から、各ノズルに供給すべき各1組の駆動信号21a,21bを選択する。例えば、高濃度を表現する場合にはインク滴サイズを大きくし得るような駆動波形(t2,Vaが大きく、Vpが小さい波形)の組を選択し、低濃度を表現する場合や高解像度表現を行う場合にはインク滴サイズを小さくし得るような駆動波形(t2,Vaが小さく、Vpが大きい波形)の組を選択する。また、微妙な中間階調を表現する場合には、隣接するドット間でインク滴サイズを少しずつ異ならせるようにし、また、例えば、各ノズル間でインク吐出特性がばらついている場合には、これを補正し得るような駆動波形の組を選択する。
【0044】
さて、ヘッドコントローラ14は、nドット分の駆動信号(すなわち、n個のノズル118に供給する駆動信号)の組を選択したのち、吐出周期の切替タイミングにおいて、記録ヘッド11における各ノズル118の圧電素子116aに対し、選択した駆動信号21aを供給すると同時に、各ノズル118の圧電素子116bに対し、選択した駆動信号21bを供給する。各ノズルにおける圧電素子116aは、供給された駆動信号21aの電圧波形に従って図5で説明したような各行程を行い、インク滴を吐出する。このとき、各ノズルの圧電素子116bは、供給された駆動信号21bの電圧波形に従って後述するように変位し、圧電素子116aによる吐出動作を補助するための動作を行う。
【0045】
次に、図4、図6および図7を参照して、本実施の形態に係るインクジェットプリンタの特徴的な作用を説明する。
【0046】
従来技術の項において述べたように、インク滴の吐出の際に生ずる付随的なインク小滴であるサテライト滴は、圧電素子により吐出圧力を発生させてインク滴吐出を行う方式において多く発生するもので、柱状になって飛翔するインクの先頭部分と後尾部分との間に生ずる時間差や速度差に起因して先頭部分から後尾部分が分離し、この後尾部分が微小なインク小滴となったものと考えられる。
【0047】
本実施の形態では、このようなサテライト滴の発生を防止するため、図4に示したように、予め補助用(サテライト滴防止用)の駆動信号21bを引込電圧Vpに保持してインク室114を収縮状態にしておき、この状態で吐出用の駆動信号21aにより上記の第1〜第3行程(図5)を行うと共に、吐出用の駆動信号21aによって圧電素子116aがインク室収縮方向に変位している状態において、補助用の駆動信号21bを立ち下げて圧電素子116bをインク室膨張方向に変位させるようにしている。この点をさらに図6を参照して説明する。
【0048】
図6は駆動信号21a,21bの電圧波形の変化と圧電素子116a,116bの変位との関係を表すものである。具体的には、この図の(a)は駆動信号21aの要部波形を表し、(b)は圧電素子116aの変位を表し、(c)は駆動信号21bの要部波形を表し、(d)は圧電素子116bの変位を表す。ここで、横軸は時間を示し、また、(a),(c)における縦軸は電圧を示し、(b),(d)における縦軸は変位量を示す。
【0049】
図6(c),(d)に示したように、予め駆動信号21bを引込電圧Vpに保持しておくことによりノズル側の圧電素子116bはインク室収縮方向に変位した状態を保っている。この状態で、同図(a),(b)に示したように、供給側の圧電素子116aは、時点Eから駆動信号21aの電圧増加と共にインク室収縮方向への変位を開始する。そして、圧電素子116aは、慣性力により、電圧が吐出電圧Vaに達した時点Fをオーバーランした時点Pで最大変位状態となる。一方、図6(c),(d)に示したように、駆動信号21bは駆動信号21aが吐出電圧Vaに達した時点F以降の所定の時点C′(すなわち、吐出開始タイミングtc(=時点E)から時間tdだけ経過した時点)において、引込電圧Vpから基準電圧0Vへの立ち下がりを開始し、時点D′で基準電圧0Vとなる。これにより、圧電素子116bはインク室膨張方向に急激に変位する。
【0050】
図6(a),(b)に示したように、時点Eで駆動信号21aの吐出電圧Vaの印加が開始された圧電素子116aは、インク室収縮方向に変位することによりインク室114内に圧力を発生させ、この圧力によりノズル118からインクを押し出す。この時点では、ノズル118から押し出されたインクはまだ尾を引いており、インク柱の状態をなしている。一方、圧電素子116aの変位開始から時間tdを経過した時点C′において印加電圧が引込電圧Vpから基準電圧0Vへと立ち下げられた圧電素子116bは、インク室膨張方向に急激に変位することによりインク室114内に負の圧力を発生させる。そして、この負の圧力により、既にノズル118から押し出されつつあるインク柱の後尾部分が引き戻される。このため、インクの流れに不連続性が発生し、インク柱の先頭部分と後尾部分との間が断ち切られる。これにより、インク柱の尾が長く伸びることが抑制され、サテライト滴の発生が抑制される。
【0051】
なお、圧電素子116aは、吐出電圧Vaが保たれている間、固有振動をするが、駆動信号21aが時点Gの吐出電圧Vaから時点Hの基準電圧0Vへと変化すると、圧電素子116aの変位は0に戻り、さらに、次第に減衰する固有振動を行う。また、圧電素子116bは、電圧が基準電圧0Vに達した時点D′以降、所期変位位置を中心として次第に減衰する固有振動を行う。
【0052】
図7は吐出開始タイミングte(時点E)から駆動信号21bの立ち下げのタイミングC′までの遅延時間tdを様々に変えた場合のインク滴の吐出状態を表すものである。この図の(a)は、遅延時間tdをそれぞれ10,9,8,7μsecに設定した場合のインク滴の尾の切断時点の変化を表し、(b)は、駆動信号21aによって圧電素子116aのみを変位させて吐出した場合および遅延時間tdをそれぞれ10,9,8,7μsecに設定した場合における吐出開始タイミングteから32μsec経過後のインク滴の状態を表すものである。なお、このときの圧電素子116a,116bの厚さは25μm、振動プレート113の厚さは25μmとし、また、図4に示した駆動信号21a,21bの各時間パラメータおよび電圧パラメータは次のように設定している。なお、時間パラメータの単位はいずれもμsecであり、電圧パラメータの単位はいずれもボルトである。
【0053】
τ1=30,τ2=10,
t1=9,t2=2,t3=5,t4=50,t5=50,t6=1,
td=9,
Vp=35,Va=35,Vb=35
【0054】
図7(a)に示したように、遅延時間tdをそれぞれ10,9,8,7μsecに設定したときのインク滴の各切断タイミングは、吐出開始タイミングteからそれぞれ23,21.8,22.8,36μsecだけ経過した時点となっている。また、同図(b)に示したように、吐出開始タイミングteから32μsec経過後の状態を見てみると、遅延時間tdを10,9,8μsecに設定したいずれの場合においても、インク滴の尾は圧電素子116aのみで吐出を行った場合よりも早く断ち切られている。特に、遅延時間tdを9μsecに設定したときには、遅延時間tdを他の値に設定した場合と異なりサテライト滴の発生がない。但し、遅延時間tdを7μsec以下に設定したときには、圧電素子116aによる吐出圧力が圧電素子116bによる負の圧力と相殺されて、吐出されるインク滴の速度が低下し、特に、遅延時間tdを5μsecに設定したときには、インク滴が吐出されなくなる。
【0055】
以上のことから、駆動信号21bを圧電素子116bに印加することによってインク滴の尾の切断時期を早めることができ、サテライト滴の発生が抑制されることが判る。特に、遅延時間tdを9μsecに設定した場合にはインク滴の尾が最も早く断ち切られ、サテライト滴の発生を最も効果的に抑制し得ることが判る。本実施の形態において、この9μsecという遅延時間は、圧電素子116aが変位を開始してから最大変位位置P(図6(b))に到達するまでの所要時間にほぼ等しくなっている。すなわち、駆動信号21aの吐出電圧Vaによって圧電素子116aの変位量が最大になった時点で駆動信号21bを立ち下げて圧電素子116bのインク室膨張方向への変位を開始させるようにすることにより、サテライト滴の発生を最も効果的に抑制することができるのである。
【0056】
このように、本実施の形態によれば、各ノズルに対応した各インク室114ごとに2つの圧電素子116a,116bを設けると共に、予めノズル側の圧電素子116bをインク室収縮方向に変位させておき、この状態でインク供給側の圧電素子116aをインク室収縮方向に変位させてインク滴の吐出を開始したのち、他方の圧電素子116bをインク室膨張方向に変位させてインク室114内に負の圧力を発生させるようにしたので、インク滴の尾を早期に細くして断ち切ることができ、この結果、サテライト滴の発生を抑制することが可能となる。特に、圧電素子116aがインク室収縮方向に最も大きく変位した時点で圧電素子116bのインク室膨張方向への変位を開始させることにより、サテライト滴の発生を最も効果的に抑制することが可能となる。
【0057】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されず、種々変更可能である。
【0058】
例えば図6に示した例では、圧電素子116aが最も大きく変位した時点で圧電素子116bの変位を開始させるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、圧電素子116aの平開始後の他のタイミングで圧電素子116bの変位を開始させるようにしても、相当の効果は得られる。
【0059】
また、図4における各時間パラメータおよび電圧パラメータの設定値は、上に例示した値に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、本実施の形態では、駆動信号21a,21bの双方における引込電圧を同じVpとしたが、両者を異ならせてもよい。
【0060】
また、上記実施の形態では、吐出用圧力発生手段としてインク供給側の圧電素子116aを用いると共に、サテライト滴防止用圧力発生手段としてノズル側の圧電素子116bを用いることとしたが、これとは逆に、吐出用圧力発生手段としてノズル側の圧電素子116bを用いると共に、サテライト滴防止用圧力発生手段としてインク供給側の圧電素子116aを用いるようにしてもよい。
【0061】
また、上記実施の形態では、1つのノズルについて2つの圧電素子を設ける場合について説明したが、1つのノズルについて3つ以上の圧電素子を設け、これらの圧電素子を吐出用とサテライト滴抑制用とに区分し、吐出用圧電素子に吐出用の駆動信号21aを加えると共に、サテライト滴抑制用圧電素子にサテライト滴抑制用の駆動信号21bを印加するようにしてもよい。この場合、3つ以上の圧電素子の変位能力は、互いに等しくしてもよいし、あるいは異ならせてもよい。こうすることにより、よりきめ細かく、サテライト滴の抑制制御を行うことができる。
【0062】
また、上記実施の形態では、1つのノズル118に対して1つのインク室114を設けると共に、この1つのインク室114に対応して2つの圧電素子116a,116bを設けるようにしたが、例えば、図8に示したように、1つのノズル118に対して2つのインク室114a,114bを設けると共に、各インク室114a,114bに対応させて圧電素子116a,116bを設けるようにしてもよい。なお、図8は、記録ヘッド11の一部を真上から見た状態を表すものであり、図2に示した要素と同一要素には同一の符号を付し、また、振動プレート113の図示を省略している。この図に示した構成によれば、一方のインク室114aにおける圧電素子116aの挙動が他方のインク室114bの状態に与える影響が少ないので、圧電素子116a,116bの相互間のクロストークを低減することができ、より高精度の印字品質を得ることができる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載のインクジェットプリンタ、請求項2記載のインクジェットプリンタ用記録ヘッドの駆動装置、または請求項3記載のインクジェットプリンタ用記録ヘッドの駆動方法によれば、各ノズル部ごとに吐出用圧力発生手段と付随小滴防止用圧力発生手段とを設け、予め付随小滴防止用圧力発生手段がインク室収縮方向に変位している状態で、インク滴の吐出のために吐出用圧力発生手段がインク室収縮方向に変位させる動作を行うと共に、この吐出用圧力発生手段のインク室収縮方向への変位動作によってインク室が収縮状態にあるときに、付随小滴防止用圧力発生手段をインク室膨張方向に変位させるようにしたので、吐出用圧力発生手段の変位によってノズル部から押し出されたインクの後尾部分が、付随小滴防止用圧力発生手段の変位によって引き戻され、インク滴が長く尾を引く前に早期に断ち切られる。このため、付随的なインク小滴の発生を抑制することができ、記録される画像の品質の低下を防止することができる。特に、小さいインク滴を用いて表現する必要がある淡い画像や中間階調画像のように、不要なインク小滴の影響を受け易い画像においても、画質の低下を効果的に防止することができる。しかも、1つのノズル部に対して設けた2つの吐出用圧力発生手段および付随小滴防止用圧力発生手段を独立して制御するようにしていることから、吐出されるインク滴の飛翔速度の低下や装置寿命の短縮、あるいは周波数特性の悪化等を伴うことがなく、また、これらの圧力発生手段が有する固有振動特性による制約を受けにくくなるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るインクジェットプリンタの概略構成を表すブロック図である。
【図2】記録ヘッドの一構造例を表す斜視断面図である。
【図3】記録ヘッドの一構造例を表す断面図である。
【図4】図1におけるヘッドコントローラから出力される駆動信号の波形の一例を表す図である。
【図5】図4に示した吐出用の駆動信号波形と、インク室の状態およびノズル内のメニスカス位置の変化との関係を説明するための図である。
【図6】図4に示した駆動信号波形と圧電素子の変位量との関係の一例を表す図である。
【図7】図4に示した駆動信号波形によるインク滴の吐出状態の一例を表す図である。
【図8】本実施の形態に係るインクジェットプリンタに用いられる記録ヘッドの変形例を表す平面図である。
【図9】従来のインクジェットプリンタの駆動方法を説明するための説明図である。
【図10】従来の他のインクジェットプリンタの駆動方法を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1…インクジェットプリンタ、11…記録ヘッド、14…ヘッドコントローラ、21a,21b…駆動信号、22…印画データ、113…振動プレート、114…インク室、115…共同流路、116a,116b…圧電素子、118…ノズル、Vp…引込電圧、Va…吐出電圧、Vb…補助電圧、td…遅延時間、te…吐出開始タイミング[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an inkjet printer that performs recording on a recording sheet by ejecting ink droplets from a nozzle portion, and a recording head driving apparatus and method for an inkjet printer.
[0002]
[Prior art]
In recent years, ink jet printers that perform recording on recording paper by ejecting ink droplets from nozzle portions that communicate with an ink chamber have become widespread. Conventionally, in this type of ink jet printer, one piezoelectric element is provided corresponding to one nozzle. For example, the piezoelectric element is fixed to a vibration plate that forms an outer wall of an ink chamber to which ink is supplied via an ink flow path, and is bent in accordance with a voltage waveform of an applied drive signal, whereby the ink chamber The volume of the ink was changed to generate a discharge pressure, and the ink pressure could be discharged from the nozzle by this discharge pressure.
[0003]
In this type of ink jet printer, the volume of the ink chamber is changed to generate the discharge pressure as described above, so that the ink discharged from the nozzles has a columnar shape (with a tail). The flying ink causes a time difference and a speed difference between the head portion and the tail portion of the flying ink. For this reason, minute satellite-like unnecessary ink droplets (hereinafter referred to as satellite droplets) are generated in association with the preceding main ink droplets, and an undesired printing result is generated by landing on the recording paper. . In this case, the generation of satellite droplets in a dark image that is recorded with relatively large ink droplets does not have a significant effect on the image quality, but small ink droplets are used as in the case of expressing an image with a low density or an intermediate gradation image. When recording is performed, it is expected that the image quality will be significantly lowered due to the generation of satellite droplets. Therefore, the generation of satellite droplets becomes a big problem especially when ejecting small-sized ink droplets.
[0004]
In order to deal with this problem, several measures have been proposed in the past. For example, Japanese Patent Laid-Open No. 7-76087 proposes a method in which one piezoelectric element is provided for each nozzle, and ink droplet ejection is performed by switching the change rate of the ejection voltage applied to the piezoelectric element in two stages. ing. In this method, as shown in FIG. 9, the discharge voltage is initially increased at the first voltage change rate v1, and the discharge voltage is increased from the middle at the second voltage change rate v2 that is larger than v1. It is. In FIG. 9, the vertical axis represents voltage, and the horizontal axis represents time. According to this method, since the ink is continuously ejected while following the head portion of the previously ejected ink, the speed difference between the head portion and the tail portion of the ink column is reduced, and the satellite is reduced. Drops are less likely to occur.
[0005]
For example, Japanese Patent Laid-Open No. 59-133067 proposes a method in which one piezoelectric element is provided for one nozzle, and two voltage pulses independent of each other are applied to the piezoelectric element to eject ink droplets. ing. In this method, as shown in FIG. 10, first, the first pulse P1 is applied to the piezoelectric element to cause a first pressure fluctuation to start ejecting ink droplets from the nozzle, and then the first pulse After the pulse P1, the second pulse P2 is applied to the piezoelectric element before the ink droplet is ejected from the nozzle to cause the second pressure fluctuation. In FIG. 10, the vertical axis represents voltage and the horizontal axis represents time. According to this method, the ink column ejected from the nozzle is broken early, and satellite droplets are less likely to be generated.
[0006]
For example, in Japanese Patent Application Laid-Open No. 51-45931, two pressure generating means are provided for one nozzle, and ink is vibrated by superimposing vibrations from these two pressure generating means. There has been proposed an ink droplet discharge device that discharges ink.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the method described in the above-mentioned Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-76087, the first voltage change rate v1 must be made smaller than the second voltage change rate v2. For this reason, compared with the case where the voltage is changed at a high voltage change rate v2 over the entire discharge stroke, the flying speed of the ejected ink droplets has to be reduced. A decrease in the flying speed of the ink droplets causes ejection instability such as a deterioration in the linearity of the flying route and a variation in the flying speed, and therefore there is a possibility that a recording dot shift occurs and print quality is deteriorated.
[0008]
Further, in the method described in the above Japanese Patent Application Laid-Open No. 59-133067, after the first pulse P1 is finished, the second pulse P2 is applied at a certain time interval Ti. Therefore, if this time interval Ti is large, the tail of the ink column becomes long and it becomes difficult to prevent the generation of satellite droplets. On the other hand, if the time interval Ti is small, the piezoelectric element cannot follow the voltage change and the desired operation cannot be obtained. This is because, in general, a piezoelectric element has inherent vibration characteristics and cannot operate at a frequency higher than its natural frequency. This point can be solved by manufacturing a piezoelectric element having a high natural frequency. However, even if the natural frequency of the piezoelectric element is increased, there is a limit to this, and there is a difficulty in manufacturing technology. This is not realistic because it leads to high costs. In the description of the above publication, the voltage value V2 of the second pulse P2 is smaller than the voltage value V1 of the first pulse P1, but the trailing part is caught up with the head part of the ink column and integrated. In order to achieve this, it is necessary to make the voltage value V2 of the second pulse P2 larger than the voltage value V1 of the first pulse P1. However, increasing the voltage applied to the piezoelectric element is expected to shorten the life of the piezoelectric element and the diaphragm excited by the piezoelectric element, and increase the residual vibration to deteriorate the frequency characteristics. The
[0009]
In addition, the ink droplet ejection apparatus described in the above Japanese Patent Application Laid-Open No. 51-45931 is intended to efficiently eject ink droplets with a small power input. High-frequency drive signals are respectively applied to the two pressure generating means, and the phase difference and amplitude of these high-frequency drive signals are changed, so that the vibrations from the two pressure generating means are superposed to vibrate the ink. Drops are ejected. That is, this ink droplet ejection device is not intended to prevent the generation of satellite droplets, and does not have a configuration for that purpose. There is no such suggestion.
[0010]
Thus, conventionally, satellites are not subject to reductions in the flying speed of ejected ink droplets, shortening of device life, deterioration of frequency characteristics, etc., and without being restricted by the natural vibration characteristics of piezoelectric elements. It was difficult to sufficiently suppress the generation of droplets.
[0011]
The present invention has been made in view of such problems, and an object of the present invention is to provide an inkjet printer capable of suppressing the generation of satellite droplets during ink droplet ejection while overcoming the above-described problems, and an inkjet printer. It is an object to provide a recording head driving apparatus and method.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
An ink jet printer according to the present invention includes a nozzle unit for ejecting ink droplets, an ink chamber that supplies ink to the nozzle unit, and a nozzle unit that changes the volume of the ink chamber by being displaced. Discharge pressure generating means for generating a pressure for discharging ink droplets from the nozzle portion, and provided for each nozzle portion, the volume of the ink chamber is changed by displacing the ink droplet when discharging ink droplets from the nozzle portion. The accompanying droplet preventing pressure generating means for generating pressure for suppressing the accompanying ink droplet generation, and the accompanying droplet preventing pressure generating means are previously displaced in the ink chamber contraction direction, and the ink droplet The discharge pressure generating means is displaced in the ink chamber contraction direction for discharging the ink, and the ink chamber is contracted by the displacement operation of the discharge pressure generating means in the ink chamber contraction direction. In some case, and a discharge control means for performing control to displace the associated drop prevention pressure generating means in the ink chamber expands direction. Here, “in a contracted state” mainly means a contracted state.
[0013]
A recording head driving device for an ink jet printer according to the present invention includes a nozzle unit for ejecting ink droplets, an ink chamber for supplying ink to the nozzle unit, and an ink chamber provided for each nozzle unit by being displaced. A discharge pressure generating means for generating pressure for discharging ink droplets from the nozzle portion by changing the volume of the ink chamber, and provided for each nozzle portion, and changing the volume of the ink chamber by displacing from the nozzle portion An apparatus for driving a recording head for an ink-jet printer, comprising an accompanying droplet prevention pressure generating means for generating a pressure for suppressing the occurrence of an accompanying ink droplet when the ink droplet is discharged, The droplet generation pressure generating means is displaced in the ink chamber contraction direction, and the discharge pressure generation means is changed in the ink chamber contraction direction for discharging ink droplets. Discharge control means for controlling the displacement of the accompanying droplet preventing pressure generating means in the ink chamber expansion direction when the ink chamber is in a contracted state by the displacement operation of the discharge pressure generating means in the ink chamber contracting direction. It is equipped with.
[0014]
A recording head driving method for an ink jet printer according to the present invention includes a nozzle unit for ejecting ink droplets, an ink chamber for supplying ink to the nozzle unit, and an ink chamber provided for each nozzle unit by being displaced. A discharge pressure generating means for generating pressure for discharging ink droplets from the nozzle portion by changing the volume of the ink chamber, and provided for each nozzle portion, and changing the volume of the ink chamber by displacing from the nozzle portion A method for driving a recording head for an ink jet printer comprising an accompanying droplet prevention pressure generating means for generating pressure for suppressing the occurrence of incidental ink droplets during ink droplet ejection. The step of displacing the droplet generating pressure generating means in the ink chamber contraction direction, and the ejection pressure generating means changing in the ink chamber contracting direction for discharging ink droplets. And a step of displacing the accompanying droplet preventing pressure generating means in the ink chamber expansion direction when the ink chamber is in a contracted state by the displacement operation of the ejection pressure generating means in the ink chamber contracting direction. Yes.
[0015]
In the ink jet printer or the recording head drive apparatus or method according to the present invention, the ink droplets are ejected for ejecting ink droplets in a state where the accompanying droplet preventing pressure generating means is previously displaced in the ink chamber contraction direction. When the pressure generating means is displaced in the ink chamber contraction direction and the ink chamber is contracted by the displacement of the discharge pressure generating means in the ink chamber contraction direction, the accompanying droplet prevention pressure An operation of displacing the generating means in the ink chamber expansion direction is performed. As a result, the tail portion of the ink pushed out from the nozzle portion by the displacement of the discharge pressure generating means is pulled back by the displacement of the accompanying droplet preventing pressure generating means, and the ink droplet is cut off early before the tail is pulled long. .
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0017]
FIG. 1 shows a schematic configuration of a main part of an ink jet printer according to an embodiment of the present invention. In this embodiment, an inkjet printer including a multi-nozzle head having a plurality of nozzles will be described. However, the present invention can also be applied to an inkjet printer having a single nozzle head having a single nozzle. The recording head driving apparatus and method for an ink jet printer according to the embodiment of the present invention is embodied by the ink jet printer according to the present embodiment, and will be described below.
[0018]
The
[0019]
2 shows a perspective sectional structure of the
[0020]
Concave portions are selectively formed on the upper surface side of the
[0021]
In the present embodiment, the
[0022]
The portion of each
[0023]
The
[0024]
The
[0025]
The
[0026]
Of these sets of drive signals, each drive signal 21a is applied to the
[0027]
FIG. 4 shows an example of the waveform of one period (T) of the drive signals 21a and 21b. (A) of this figure represents the drive signal 21a, and (b) represents the
[0028]
Here, the significance of the waveform of the drive signal 21a will be described with reference to FIG. FIG. 5 shows the relationship between the waveform of the drive signal, the behavior of the
[0029]
In FIG. 5A, first, a process (from A to B) in which the drive voltage is changed from the reference voltage 0 V to the pull-in voltage Vp is a first previous process, and a process (B to C To the second previous process. Further, a process (from C to D) in which the drive voltage is changed from the pull-in voltage Vp1 to the reference voltage 0V is a first process, and a time required for this process is t1. Further, the stroke (from D to E) in which the reference voltage is held at 0V and is on standby is defined as the second stroke, and the time required for this is defined as t2. Further, a process (from E to F) for changing from the reference voltage 0 V to the discharge voltage Va is a third process, and a time required for this process is t3.
[0030]
In the present embodiment, the time point E, which is the start time point of the third stroke, is a timing at which the discharge is started. Prior to this timing, the first previous stroke, the second previous stroke, the first stroke, and the first stroke Two strokes are going to be done.
[0031]
First, at time A and earlier, the voltage applied to the
[0032]
Next, when the first forward stroke is performed in which the drive voltage is slowly increased from the voltage 0 V at time A to the pull-in voltage Vp at time B, the vibration plate 113 bends inward and the
[0033]
Next, during the period from time point B to time point C, a second previous stroke is performed in which the volume of the
[0034]
Next, when the first step of reducing the drive voltage from the pull-in voltage Vp at the time point C to the reference voltage 0 V at the time point B is performed, the applied voltage to the piezoelectric element 116 becomes 0, so the deflection of the vibration plate 113 is eliminated. The
[0035]
Next, during a time t2 from time point D to time point E, a second step of keeping the volume of the
[0036]
Next, a third step is performed in which the drive voltage is rapidly increased from the voltage 0 V at time E to the ejection voltage Va at time F. Here, the time point E is the discharge start timing as described above. At this time, the vibration plate 113 at the time F, the deflection increases inwardly as shown in state P F of FIG. 5 (b), the
[0037]
Thereafter, the voltage is decreased again to the reference voltage of 0 V at a time G when a predetermined time elapses while keeping the drive voltage at the discharge voltage Va. In this way the time H, as shown in state P H in FIG. 5 (b), the vibration plate 113 returns to the state with no deflection. This state is maintained until the start time I of the first previous stroke in the next discharge operation. At a time point H immediately after the drive voltage is reduced to 0 V again, as shown in the state MH in FIG. 5C, the volume of the ejected ink droplet and the increase in the volume of the
[0038]
In this way, one discharge operation is completed. Thereafter, by repeating such a cycle operation in parallel for each
[0039]
In the present embodiment, the required time t2 for the second stroke is less than the required time for the meniscus drawn in the first stroke to reach the nozzle opening end, and the ejection voltage Va for the third stroke is the ink droplet. It is assumed that it is in a range sufficient to discharge the water. In FIG. 4A, the time required for the processes other than the processes CD, DE, and EF is expressed as follows. AB = τ1, BC = τ2, FG = t4, GH = t5.
[0040]
Next, returning to FIG. 4 again, the waveform of the
[0041]
Next, the overall operation of the
[0042]
In FIG. 1, when print data is input to the
[0043]
When the
[0044]
The
[0045]
Next, with reference to FIG. 4, FIG. 6, and FIG. 7, the characteristic operation of the ink jet printer according to the present embodiment will be described.
[0046]
As described in the section of the prior art, satellite droplets, which are incidental ink droplets generated when ink droplets are ejected, are frequently generated in a method in which ejection pressure is generated by a piezoelectric element and ink droplets are ejected. In this case, the tail part is separated from the head part due to the time difference or speed difference that occurs between the head part and the tail part of the ink flying in a columnar shape, and this tail part becomes a minute ink droplet. it is conceivable that.
[0047]
In the present embodiment, in order to prevent the occurrence of such satellite droplets, as shown in FIG. 4, the auxiliary (satellite droplet prevention)
[0048]
FIG. 6 shows the relationship between the change in the voltage waveform of the drive signals 21a and 21b and the displacement of the
[0049]
As shown in FIGS. 6C and 6D, the nozzle-side
[0050]
As shown in FIGS. 6A and 6B, the
[0051]
The
[0052]
FIG. 7 shows the ink droplet ejection state when the delay time td from the ejection start timing te (time E) to the falling timing C ′ of the
[0053]
τ1 = 30, τ2 = 10,
t1 = 9, t2 = 2, t3 = 5, t4 = 50, t5 = 50, t6 = 1,
td = 9,
Vp = 35, Va = 35, Vb = 35
[0054]
As shown in FIG. 7A, the ink droplet cutting timings when the delay times td are set to 10, 9, 8, and 7 μsec are respectively 23, 21.8, 22. It is the time when 8,36 μsec has elapsed. Further, as shown in FIG. 5B, when the state after 32 μsec has elapsed from the ejection start timing te, the ink droplets are not detected in any case where the delay time td is set to 10, 9, 8 μsec. The tail is cut off earlier than when the ejection is performed only by the
[0055]
From the above, it can be seen that by applying the
[0056]
Thus, according to the present embodiment, two
[0057]
While the present invention has been described with reference to the embodiment, the present invention is not limited to this embodiment and can be variously changed.
[0058]
For example, in the example shown in FIG. 6, the displacement of the
[0059]
Further, the setting values of the time parameter and the voltage parameter in FIG. 4 are not limited to the values exemplified above, and can be changed as appropriate. For example, in the present embodiment, the pull-in voltages in both the drive signals 21a and 21b are set to the same Vp, but they may be different from each other.
[0060]
In the above embodiment, the ink supply side
[0061]
Further, in the above-described embodiment, the case where two piezoelectric elements are provided for one nozzle has been described. However, three or more piezoelectric elements are provided for one nozzle, and these piezoelectric elements are used for ejection and satellite droplet suppression. The ejection drive signal 21a may be added to the ejection piezoelectric element, and the satellite droplet
[0062]
In the above embodiment, one
[0063]
【The invention's effect】
As described above, according to the ink jet printer of
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a block diagram illustrating a schematic configuration of an inkjet printer according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a perspective cross-sectional view illustrating a structure example of a recording head.
FIG. 3 is a cross-sectional view illustrating a structural example of a recording head.
4 is a diagram illustrating an example of a waveform of a drive signal output from the head controller in FIG. 1. FIG.
FIG. 5 is a diagram for explaining the relationship between the ejection drive signal waveform shown in FIG. 4 and the change in the ink chamber state and the meniscus position in the nozzle.
6 is a diagram illustrating an example of a relationship between a drive signal waveform illustrated in FIG. 4 and a displacement amount of a piezoelectric element.
7 is a diagram illustrating an example of an ink droplet ejection state based on the drive signal waveform illustrated in FIG. 4;
FIG. 8 is a plan view illustrating a modified example of the recording head used in the ink jet printer according to the embodiment.
FIG. 9 is an explanatory diagram for explaining a driving method of a conventional inkjet printer.
FIG. 10 is an explanatory diagram for explaining another conventional method of driving an inkjet printer.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (3)
前記ノズル部にインクを供給するインク室と、
前記各ノズル部ごとに設けられ、変位することにより前記インク室の容積を変化させて前記ノズル部からインク滴を吐出させるための圧力を発生する吐出用圧力発生手段と、
前記各ノズル部ごとに設けられ、変位することにより前記インク室の容積を変化させて前記ノズル部からのインク滴吐出時における付随的なインク小滴の発生を抑制するための圧力を発生する付随小滴防止用圧力発生手段と、
予め前記付随小滴防止用圧力発生手段をインク室収縮方向に変位させておくと共に、インク滴の吐出のために前記吐出用圧力発生手段をインク室収縮方向に変位させ、この吐出用圧力発生手段のインク室収縮方向への変位動作によって前記インク室が収縮状態にあるときに、前記付随小滴防止用圧力発生手段をインク室膨張方向に変位させる制御を行う吐出制御手段と
を備えたことを特徴とするインクジェットプリンタ。A nozzle portion for ejecting ink droplets;
An ink chamber for supplying ink to the nozzle portion;
A discharge pressure generating means that is provided for each of the nozzle sections and generates a pressure for discharging ink droplets from the nozzle sections by changing the volume of the ink chamber by being displaced;
Attached to each nozzle part and generates a pressure for changing the volume of the ink chamber by displacing and suppressing the generation of an accompanying ink droplet when the ink drop is ejected from the nozzle part. Pressure generating means for preventing droplets;
The pressure generating means for preventing the accompanying droplets is displaced in the contraction direction of the ink chamber in advance, and the discharge pressure generating means is displaced in the contraction direction of the ink chamber for discharging the ink droplets. And an ejection control means for performing control to displace the accompanying droplet prevention pressure generating means in the ink chamber expansion direction when the ink chamber is in a contracted state by a displacement operation in the ink chamber contraction direction. Inkjet printer featuring.
予め前記付随小滴防止用圧力発生手段をインク室収縮方向に変位させておくと共に、インク滴の吐出のために前記吐出用圧力発生手段をインク室収縮方向に変位させ、この吐出用圧力発生手段のインク室収縮方向への変位動作によって前記インク室が収縮状態にあるときに、前記付随小滴防止用圧力発生手段をインク室膨張方向に変位させる制御を行う吐出制御手段
を備えたことを特徴とするインクジェットプリンタ用記録ヘッドの駆動装置。Nozzle portions for ejecting ink droplets, ink chambers for supplying ink to the nozzle portions, and provided for each of the nozzle portions, the volume of the ink chambers is changed by displacement to change the ink from the nozzle portions. A discharge pressure generating means for generating a pressure for discharging the droplets, and an accessory at the time of discharging the ink droplets from the nozzle portion by changing the volume of the ink chamber by being displaced for each nozzle portion. An apparatus for driving a recording head for an ink jet printer, comprising an accompanying droplet preventing pressure generating means for generating a pressure for suppressing generation of a typical ink droplet,
The pressure generating means for preventing the accompanying droplets is displaced in the contraction direction of the ink chamber in advance, and the discharge pressure generating means is displaced in the contraction direction of the ink chamber for discharging the ink droplets. When the ink chamber is in a contracted state due to a displacement operation in the ink chamber contraction direction, there is provided an ejection control means for performing control to displace the accompanying droplet prevention pressure generating means in the ink chamber expansion direction. A recording head drive device for an inkjet printer.
予め前記付随小滴防止用圧力発生手段をインク室収縮方向に変位させておく工程と、
インク滴の吐出のために前記吐出用圧力発生手段をインク室収縮方向に変位させる工程と、
前記吐出用圧力発生手段のインク室収縮方向への変位動作によって前記インク室が収縮状態にあるときに、前記付随小滴防止用圧力発生手段をインク室膨張方向に変位させる工程と
を含むことを特徴とするインクジェットプリンタ用記録ヘッドの駆動方法。Nozzle portions for ejecting ink droplets, ink chambers for supplying ink to the nozzle portions, and provided for each of the nozzle portions, the volume of the ink chambers is changed by displacement to change the ink from the nozzle portions. A discharge pressure generating means for generating a pressure for discharging the droplets, and an accessory at the time of discharging the ink droplets from the nozzle portion by changing the volume of the ink chamber by being displaced for each nozzle portion. A method for driving a recording head for an ink jet printer, comprising pressure generation means for preventing associated droplets for generating pressure for suppressing generation of typical ink droplets,
Displacing the accompanying droplet preventing pressure generating means in advance in the ink chamber contraction direction;
Displacing the discharge pressure generating means in the ink chamber contraction direction for discharging ink droplets;
Displacing the accompanying droplet prevention pressure generating means in the ink chamber expansion direction when the ink chamber is in a contracted state by the displacement operation of the ejection pressure generating means in the ink chamber contracting direction. A method of driving a recording head for an ink jet printer, characterized by the following.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34835097A JP3767659B2 (en) | 1997-12-17 | 1997-12-17 | Ink jet printer, and recording head drive apparatus and method for ink jet printer |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34835097A JP3767659B2 (en) | 1997-12-17 | 1997-12-17 | Ink jet printer, and recording head drive apparatus and method for ink jet printer |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11170526A JPH11170526A (en) | 1999-06-29 |
JP3767659B2 true JP3767659B2 (en) | 2006-04-19 |
Family
ID=18396441
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34835097A Expired - Fee Related JP3767659B2 (en) | 1997-12-17 | 1997-12-17 | Ink jet printer, and recording head drive apparatus and method for ink jet printer |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3767659B2 (en) |
-
1997
- 1997-12-17 JP JP34835097A patent/JP3767659B2/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11170526A (en) | 1999-06-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3159188B2 (en) | Driving method of inkjet recording head | |
KR100576810B1 (en) | Apparatus and method for driving recording head for ink-jet printer | |
JP2005014431A (en) | Image forming apparatus | |
JP2001150672A (en) | Ink-jet type recording apparatus, and, method for driving ink-jet type recording head | |
WO1999014050A1 (en) | Method of driving ink-jet head | |
JP3500692B2 (en) | Ink jet recording device | |
JP3661731B2 (en) | Inkjet recording device | |
JP3867806B2 (en) | Ink jet printer and method of driving recording head for ink jet printer | |
JP3767659B2 (en) | Ink jet printer, and recording head drive apparatus and method for ink jet printer | |
JP3767658B2 (en) | Ink jet printer, and recording head drive apparatus and method for ink jet printer | |
JP2008105265A (en) | Driving method of liquid jet head, and liquid jet apparatus | |
JP3827042B2 (en) | Ink jet printer, and recording head drive apparatus and method for ink jet printer | |
JP3978752B2 (en) | Ink jet printer, and recording head drive apparatus and method for ink jet printer | |
JP3978753B2 (en) | Ink jet printer, and recording head drive apparatus and method for ink jet printer | |
JP3797403B2 (en) | Ink jet printer, and recording head drive apparatus and method for ink jet printer | |
JP3260351B2 (en) | Ink jet head and ink jet recording apparatus | |
JP3413790B2 (en) | INK JET PRINTER, RECORDING HEAD DRIVE FOR INK JET PRINTER, DRIVING METHOD OF INK JET PRINTER RECORDING HEAD, AND INK DISCHARGE METHOD | |
JP3767143B2 (en) | Ink jet printer, and recording head drive apparatus and method for ink jet printer | |
JP3818466B2 (en) | Ink jet printer, and recording head drive apparatus and method for ink jet printer | |
JP3425113B2 (en) | Ink jet head and ink jet recording apparatus | |
JP2004322315A (en) | Recording head for ink-jet printer, and ink-jet printer | |
JP4284475B2 (en) | Ink jet printer and driving method of recording head for ink jet printer | |
JPH11170508A (en) | Ink-jet printer | |
JP3501285B2 (en) | Ink ejection method | |
JP3807526B2 (en) | Ink jet printer, and recording head drive apparatus and method for ink jet printer |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20040402 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051222 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060111 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060124 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 4 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100210 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 4 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100210 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110210 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 5 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110210 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 6 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120210 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120210 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 7 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130210 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |