[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP3766600B2 - Magnetic sensing element and manufacturing method thereof - Google Patents

Magnetic sensing element and manufacturing method thereof Download PDF

Info

Publication number
JP3766600B2
JP3766600B2 JP2001083181A JP2001083181A JP3766600B2 JP 3766600 B2 JP3766600 B2 JP 3766600B2 JP 2001083181 A JP2001083181 A JP 2001083181A JP 2001083181 A JP2001083181 A JP 2001083181A JP 3766600 B2 JP3766600 B2 JP 3766600B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
hard bias
magnetic
multilayer film
glc
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001083181A
Other languages
Japanese (ja)
Other versions
JP2002280644A (en
Inventor
直也 長谷川
由紀恵 中澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP2001083181A priority Critical patent/JP3766600B2/en
Publication of JP2002280644A publication Critical patent/JP2002280644A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3766600B2 publication Critical patent/JP3766600B2/en
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Magnetic Variables (AREA)
  • Magnetic Heads (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気抵抗効果を利用して磁界を検出する磁気検出素子に係り、特に、実効トラック幅を狭くして高記録密度化に対応することのできる磁気検出素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図27は従来の磁気検出素子を記録媒体との対向面側からみた断面図である。
【0003】
図27に示す磁気検出素子では、下部シールド層8上に下部ギャップ層9が積層され、下部ギャップ層9上に下地層10を介して反強磁性層11が、図示X方向に長く形成され、X方向の中心では反強磁性層11が高さ寸法d1だけ突出して形成されている。そしてこの突出した反強磁性層11上に、固定磁性層12、非磁性導電層13、フリー磁性層14、及び保護層15が形成され、下地層10から保護層15までの積層体が多層膜16として構成されている。
【0004】
反強磁性層11はPt−Mn(白金−マンガン)合金などの反強磁性材料により形成されている。
【0005】
前記固定磁性層12およびフリー磁性層14は、Ni−Fe(ニッケル−鉄)合金、Co(コバルト)、Co−Fe(コバルト−鉄)合金、Co−Fe−Ni合金などで形成されており、前記非磁性導電層13は、Cu(銅)などの電気抵抗の低い非磁性導電材料で形成されている。
【0006】
そして図27に示すように、図示X方向に延ばされて形成された反強磁性層11の幅寸法T8上から、固定磁性層12、非磁性導電層13、及びフリー磁性層14の側面にかけて、Crなどで形成された緩衝膜及び配向膜となる金属膜17が形成されており、この金属膜17の形成によって、後述するハードバイアス層18から発生するバイアス磁界を増大させることができる。
【0007】
金属膜17の上には、例えばCo−Pt(コバルト−白金)合金やCo−Cr−Pt(コバルト−クロム−白金)合金などで形成されたハードバイアス層18が形成されている。
【0008】
ハードバイアス層18は図示X方向(トラック幅方向)に着磁されており、ハードバイアス層18からのX方向へのバイアス磁界により、フリー磁性層14の磁化は図示X方向に揃えられている。
【0009】
またハードバイアス層18上には、Taなどの非磁性材料で形成された中間層19が形成され、この中間層19の上に、Cr、Au、Ta、Wなどで形成された電極層20が形成されている。
【0010】
さらに、多層膜16及び電極層20上に絶縁材料からなる上部ギャップ層21が積層され、上部ギャップ層21上に磁性材料からなる上部シールド層22が形成される。
【0011】
ここで、電極層20が形成されていない多層膜16の上面の幅寸法が、光学的トラック幅寸法O−Twである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
フリー磁性層14のうち、その側端部付近における磁化は、ハードバイアス層18,18からの強い磁界の影響を受けるため固定されやすく、外部磁界に対し磁化が変動しにくくなっており、図27に示すように、多層膜16の側端部付近には、再生感度の悪い不感領域dが形成される。この不感領域dは両側付近に再生出力にほとんど寄与せず、単に直流抵抗値(DCR)を上昇させる領域でしかない。
【0013】
近年、磁気記録媒体の高記録密度化が進み、それに対応するために薄膜磁気素子のトラック幅Twの極小化が進められており、トラック幅Twに対する不感領域の幅寸法の比率が大きくなり、磁気抵抗効果を発揮する感度領域eの幅寸法を正確に制御することが困難になってきた。また、トラック幅Twに対する不感領域の幅寸法の比率が大きくなると、再生出力も低下する。
【0014】
不感領域dの幅寸法を小さくする方法として、ハードバイアス層18の膜厚を薄くし、残留磁化×膜厚の値を小さくするという方法が考えられる。
【0015】
しかし、ハードバイアス層18を単純に薄くすると、ハードバイアス層18とフリー磁性層14の接合部付近におけるハードバイアス層18の保磁力Hcや角型比が低下し、フリー磁性層14を安定した単磁区化状態にしておくことができなくなる。
【0016】
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、フリー磁性層の単磁区化状態を安定に維持したまま、多層膜中の不感領域の幅寸法を小さくすることのできる磁気検出素子及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明における磁気検出素子は、
反強磁性層、前記反強磁性層との交換結合磁界により磁化方向が固定される固定磁性層、非磁性材料層、及び磁化が外部磁界に対し変動するフリー磁性層を有する多層膜を有し、
前記多層膜の両側部には、硬磁性材料で形成されて前記フリー磁性層の磁化方向を前記固定磁性層の固定磁化方向と交叉する方向へ揃える第1のハードバイアス層と、第1のハードバイアス層に重ねられて、硬磁性層で形成された第2のハードバイアス層とが設けられ、
前記第2のハードバイアス層は、前記第1のハードバイアス層よりも前記多層膜の側面から離れた位置にあり、前記多層膜の側面と前記第2のハードバイアス層との間で且つ前記第1のハードバイアス層と重なる位置に、非磁性層が介在していることを特徴とするものである。
【0018】
本発明では、前記第1ハードバイアス層の膜厚を薄くすることにより、前記フリー磁性層の磁化方向をそろえる前記第1ハードバイアス層の静磁界の強さを弱くすること、または前記フリー磁性層と第1ハードバイアス層の強磁性結合を弱くすることができる。すなわち、前記ハードバイアス層の前記フリー磁性層と近接している部分における残留磁化×膜厚の値を小さくできる。
【0019】
従って、前記多層膜に形成される不感領域の幅寸法を小さくし、感度領域を広くでき、磁気検出素子の感度を向上させることができる。
【0020】
さらに、前記多層膜の側面には前記第1のハードバイアス層と重なる位置に、非磁性層が形成され、前記非磁性層を介して前記多層膜の側面から離れた前記第1ハードバイアス層上に第2ハードバイアス層が形成されている。これによって前記ハードバイアス層の膜厚が厚くされており、前記ハードバイアス層の保磁力Hcや角型比を大きくできる。従って、外乱の磁界が存在していても、前記フリー磁性層を安定した単磁区化状態にしておくことができる。
【0021】
本発明では、前記多層膜に形成される不感領域の幅寸法を小さくしつつ、前記ハードバイアス層の保磁力Hcや角型比を大きくするために、前記第1ハードバイアス層の膜厚よりも前記第2ハードバイアス層の膜厚の方を厚くすることが好ましい。
【0022】
なお、前記第1ハードバイアス層多層膜側の側面は、前記フリー磁性層の側面と非磁性材料からなる膜厚1nm以下のバイアス下地層を介して対向していると、前記ハードバイアス層と前記フリー磁性層が強磁性結合によって磁気的に連続体となり、安定性が増すので好ましい。
【0023】
また、本発明では、前記多層膜及び前記ハードバイアス層は、基板上に形成された磁性材料からなる下部シールド上に積層される絶縁性材料からなる下部ギャップ層上に形成され、前記多層膜及び前記ハードバイアス層上には絶縁性材料からなる上部ギャップ層と、前記上部ギャップ層上に積層される磁性材料からなる上部シールド層が形成され、
前記第1ハードバイアス層と前記第2ハードバイアス層のうち、前記第1ハードバイアス層のみと重なる領域における前記上部シールド層と前記下部シールド層間の距離をGls、前記多層膜の中央と重なる位置における前記上部シールド層と前記下部シールド層間の距離をGlcとしたときに、
前記GlsとGlcの差の値を、磁気検出素子の実効トラック幅が0.17μmとなる値以下に設定することが好ましい。
【0024】
前記第1ハードバイアス層は、前記多層膜の両側に隣接して設けられるものなので、前記第1ハードバイアス層のみと重なる領域における前記上部シールド層と前記下部シールド層間の距離Glsは、前記多層膜の両側近傍における前記上部シールド層と前記下部シールド層間の距離ということになる。
【0025】
前記多層膜の両側近傍における前記上部シールド層と前記下部シールド層間の距離が大きくなると、前記上部シールド層と前記下部シールド層の間を通って、検出対象の記録トラックの両側の記録トラックから発生する記録媒体からの磁界が磁気検出素子に侵入しやすくなり、実効トラック幅が大きくなる。すなわち、記録トラック間のクロストークが発生しやすくなる。
【0026】
実際、後述するように、前記GlsとGlcの差の値が大きくなると、磁気検出素子の実効トラック幅も大きくなる。
【0027】
本発明では前記GlsとGlcの差の値を所定の値以下とすることによって、前記多層膜の両側近傍における前記上部シールド層と前記下部シールド層間の距離が大きくなることを抑え、実効トラック幅を小さくすることができる。
【0028】
また、前記第1ハードバイアス層上の一部と、前記第2ハードバイアス層上の全ての領域と重なる絶縁層が形成されることが好ましい。
【0029】
前記絶縁層が形成されたときには、前記第1ハードバイアス層と前記第2ハードバイアス層のうち、前記第1ハードバイアス層のみと重なる領域であって前記絶縁層と重ならない領域における、前記上部シールド層と前記下部シールド層間の距離をGls、前記多層膜の中央と重なる位置における前記上部シールド層と前記下部シールド層間の距離をGlcとしたときに、
前記GlsとGlcの差の値を、磁気検出素子の実効トラック幅が0.17μmとなる値以下に設定することが好ましい。
【0030】
また、前記Glsと前記Glcの値を、Glc−20nm≦Gls≦Glc+90nmを満たす範囲に設定することが好ましい。より好ましくは、前記Glsと前記Glcの値を、Glc−20nm≦Gls≦Glc+70nmを満たす範囲に設定することである。さらに好ましくは、前記Glsと前記Glcの値を、Glc−20nm≦Gls≦Glc+30nmを満たす範囲に設定することである。
【0031】
あるいは、前記Glsと前記Glcの値を、0.67≦Gls/Glc≦2.50を満たす範囲に設定することが好ましい。より好ましくは、前記Glsと前記Glcの値を、0.67≦Gls/Glc≦2.17を満たす範囲に設定することである。さらに好ましくは、前記Glsと前記Glcの値を、0.67≦Gls/Glc≦1.50を満たす範囲に設定することである。
【0032】
なお、上述した前記Glsと前記Glcの値の範囲で、前記Glsと前記Glcの値を、Gls>Glcとしても、Gls=Glcとしても、Gls<Glcとしてもよい。
【0033】
Gls>Glcであれば、前記多層膜の両側近傍における前記上部シールド層と前記下部シールド層間の距離は、前記多層膜に重なる領域における前記上部シールド層と前記下部シールド層間の距離(ギャップ長)より大きい。
【0034】
Gls=Glcであれば、前記多層膜の両側近傍における前記上部シールド層と前記下部シールド層間の距離は、前記多層膜に重なる領域における前記上部シールド層と前記下部シールド層間の距離(ギャップ長)に等しい。
【0035】
Gls<Glcであれば、前記多層膜の両側近傍における前記上部シールド層と前記下部シールド層間の距離は、前記多層膜に重なる領域における前記上部シールド層と前記下部シールド層間の距離(ギャップ長)より小さい。
【0036】
本発明では、前記非磁性層は、第1電極層であり、前記第1電極層は、前記多層膜と直接電気的に接続されていることにより、前記多層膜に効果的に電流を与えることができる。
【0037】
さらに、前記第2ハードバイアス層に重なる位置に形成され、前記第1電極層と直接電気的に接続されている第2電極層を有することが好ましい。
【0038】
実効トラック幅を小さくするために、前記第1ハードバイアス層と前記第1電極層の膜厚を小さくして、前記多層膜の両側近傍における前記上部シールド層と前記下部シールド層間の距離を小さくすると、磁気検出素子の直流抵抗値が大きくなってしまう。
【0039】
前記第2ハードバイアス層に重なる位置に前記第2電極層が形成されると、前記多層膜の両側近傍における前記上部シールド層と前記下部シールド層間の距離を小さくしつつ、磁気検出素子の直流抵抗値を小さくできる。
【0040】
なお、前記多層膜表面に平行な平面と前記第2電極層の前端縁の接平面とがなす角度は、前記多層膜表面に平行な平面と前記第1電極層の前端縁の接平面とがなす角度より小さいことが好ましい。また、前記第2電極層は前記第1電極層より膜厚が厚いことが好ましい。
【0041】
また、本発明では、第1電極層のハイト方向の奥行長さを、前記多層膜のハイト方向の奥行長さより長くすることにより、磁気検出素子の直流抵抗値を小さくできる。
【0042】
なお、前記第1電極層は、磁気検出素子の記録媒体との対向面を研磨して直流抵抗値を調節する工程においてスメアが発生しにくいように、W、Ta、Rh、Ir、Ruのいずれか1種または2種以上を用いて形成し、前記第2電極層の材料をCr、Cu、Au、Taのいずれか1種または2種以上などの比抵抗の小さい材料を用いて形成することが好ましい。
また、前記非磁性層は、前記多層膜上から前記第1ハードバイアス層上及び第2ハードバイアス層上にかけて形成される上部ギャップ層であってもよい。
【0043】
実効トラック幅は、フルトラックプロファイル法あるいはマイクロトラックプロファイル法などによって測定される。以下、フルトラックプロファイル法について図26を参照しながら説明する。
【0044】
記録媒体上に磁気検出素子Rの素子幅よりも幅広の記録トラック幅Wwの記録トラックで信号を記録しておき、磁気検出素子Rを、記録トラック上でトラック幅方向(X方向)に走査させて、磁気検出素子Rの記録トラック幅方向(X方向)の位置と再生出力との関係を測定する。その測定結果は、図26の上側に示されている。
【0045】
この測定結果の再生波形を見ると、記録トラックの中央付近では、再生出力が高くなり、記録トラックの中央から離れるにつれて再生出力は低くなることがわかる。
【0046】
再生波形上の再生出力が最大値の50%となる点Pa及び点Pbにおける接線とX軸との交点を、それぞれ点Pc、点Pdとする。点Pcと点Pdの間の距離Aと点Paと点Pb間の距離(半値幅)Bの差が磁気検出素子の実効トラック幅となる。ここで、X軸の単位は、半値幅B=記録トラック幅Wwとなるように規格化する。
【0047】
本発明の磁気検出素子の製造方法は、
(a)基板上に下部シールド層、下部ギャップ層、及び磁気抵抗効果を発揮する多層膜を成膜する工程と、
(b)前記多層膜上に、第1のレジスト層を形成する工程と、
(c)前記多層膜の前記第1のレジスト層によって覆われていない領域を削る工程と、
(d)前記多層膜の両側領域に、第1ハードバイアス層を成膜し、さらに前記第1ハードバイアス層上に第1電極層を成膜する工程と、
(e)前記第1のレジスト層を除去する工程と、
(f)切り込み部の形成されたリフトオフ用の第2のレジスト層を前記多層膜及び前記第1電極層に重なる領域上に形成する工程と、
(g)前記第2のレジスト層によってマスクされていない前記第1電極層を削るとともに、前記第1ハードバイアス層を所定厚さ削る工程と、
(h)所定厚さ削られた前記第1ハードバイアス層上に、第2ハードバイアス層を積層する工程と、
(i)前記第2のレジスト層を除去する工程と、
を有することを特徴とするものである。
または本発明の磁気検出素子の製造方法は、
(j)基板上に下部シールド層、下部ギャップ層、及び磁気抵抗効果を発揮する多層膜を成膜する工程と、
(k)前記多層膜上に、第1のレジスト層を形成する工程と、
(l)前記多層膜の前記第1のレジスト層によって覆われていない領域を削る工程と、
(m)前記多層膜の両側領域に、第1ハードバイアス層を成膜する工程と、
(n)前記第1のレジスト層を除去する工程と、
(o)切り込み部の形成されたリフトオフ用の第2のレジスト層を前記多層膜及び前記第1ハードバイアス層に重なる領域上に形成する工程と、
(p)前記第2のレジスト層によってマスクされていない前記第1ハードバイアス層を所定厚さ削る工程と、
(q)所定厚さ削られた前記第1ハードバイアス層上に、第2ハードバイアス層を積層する工程と、
(r)前記第2のレジスト層を除去する工程と、
(s) 前記多層膜上から、前記第1ハードバイアス層上及び第2ハードバイアス層上にかけて上部ギャップ層を形成する工程と、
を有することを特徴とするものである。
【0048】
なお、前記(h)工程、あるいは前記(q)工程において、前記第1ハードバイアス層の膜厚よりも前記第2ハードバイアス層の膜厚の方を厚く形成することが好ましい。
【0049】
また、前記(d)工程あるいは前記(m)工程において前記第1ハードバイアス層を成膜する前に、非磁性材料からなるバイアス下地層を基板の法線方向から成膜する工程を有すると、前記第1ハードバイアス層の前記多層膜側の側面を前記フリー磁性層の側面と直接接するようにでき、または前記第1ハードバイアス層の前記多層膜側の側面を前記フリー磁性層の側面と非磁性材料からなる膜厚1nm以下のバイアス下地層を介して対向するようにでき、前記ハードバイアス層と前記フリー磁性層とを強磁性結合による磁気的な連続体とすることができるので好ましい。
【0050】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施の形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側からみた断面図である。
【0051】
図1では、下地層33、反強磁性層34、第1固定磁性層35a、非磁性中間層35b、第2固定磁性層35cからなるシンセティックフェリピンド型の固定磁性層35、非磁性材料層36、第2フリー磁性層37a、非磁性中間層37b、第1フリー磁性層37cからなるシンセティックフェリフリー型のフリー磁性層37、保護層38が積層された多層膜Tが形成されている。
【0052】
多層膜Tの下層には、基板(図示せず)上に、アルミナなどの絶縁性材料からなる下地層(図示せず)を介して、下部シールド層31、下部ギャップ層32が成膜されている。
【0053】
多層膜T中の反強磁性層34は図示X方向に延長され、この延出部34bの上面と固定磁性層35の側面、非磁性材料層36の側面、及び第2フリー磁性層37aの側面に接してCr、Ti、Mo、W50Mo50などによってバイアス下地層39が形成されている。
【0054】
バイアス下地層39の上には、第1ハードバイアス層40が形成されている。第1ハードバイアス層40は、多層膜T側の側面40aが、バイアス下地層39を介して多層膜Tの側面Tsに対向している。
【0055】
第1ハードバイアス層40の上層には、第2ハードバイアス層42が積層されている。第2ハードバイアス層42の多層膜T側の側面42aは、多層膜Tの側面Tsから所定距離Spだけ離れた位置に設けられる。所定距離Spは、第2ハードバイアス層42から発生する磁界が多層膜T中のフリー磁性層37に直接的に作用しない距離として設定される。なお、第2ハードバイアス層42は第1ハードバイアス層40上に直接接して積層されている。
【0056】
第1ハードバイアス層40及び第2ハードバイアス層42は例えば、Co−Pt(コバルト−白金)合金やCo−Cr−Pt(コバルト−クロム−白金)合金などで形成されており、図示X方向(トラック幅方向)に着磁されている。
【0057】
第1ハードバイアス層40上には、Taなどの非磁性材料で形成された中間層41が形成され、この中間層41の上に、Cr,Au,Ta,W、Rh、Ir、Ruなどで形成された電極層(第1電極層)43が形成されている。
【0058】
電極層43は、第1ハードバイアス層40に重なる位置に形成され、多層膜Tと直接電気的に接続されているので、多層膜Tに効果的に電流を与えることができる。
【0059】
多層膜Tの表面、電極層43の表面、及び第2ハードバイアス層42の表面には、上部ギャップ層44が成膜され、上部ギャップ層44上には上部シールド45が形成されている。上部シールド層45は、無機絶縁材料からなる保護層46によって覆われる。また、上部シールド層45の上に記録用のインダクティプヘッドを形成してから全体を保護層で覆ってもよい。
【0060】
下部シールド層31、下部ギャップ層32、下地層33、反強磁性層34、固定磁性層35、非磁性材料層36、フリー磁性層37、保護層38、バイアス下地層39、第1ハードバイアス層40、中間層41、第2ハードバイアス層42電極層43、上部ギャップ層44、上部シールド層45、及び保護層46はスパッタ法や蒸着法などの薄膜形成プロセスによって形成される。
【0061】
下部シールド層31及び上部シールド層45はNiFeなどの磁性材料を用いて形成される。なお、下部シールド層31及び上部シールド層45は磁化容易軸がトラック幅方向(図示X方向)を向いていることが好ましい。なお、下部シールド層31及び上部シールド層45は、電解メッキプロセスによって形成されてもよい。
【0062】
下部ギャップ層32、上部ギャップ層44、及び保護層46はAl23やSiO2などの非磁性無機材料を用いて形成される。
下地層33はTaやNiFeCrなどを用いて形成する。
【0063】
反強磁性層34は、PtMn合金、または、X―Mn(ただしXは、Pd,Ir,Rh,Ru,Os,Ni,Feのいずれか1種または2種以上の元素である)合金で、あるいはPt―Mn―X′(ただしX′は、Pd,Ir,Rh,Ru,Au,Ag,Os,Cr,Ni,Ar,Ne,Xe,Krのいずれか1または2種以上の元素である)合金で形成する。
【0064】
これらの合金は、成膜直後の状態では、不規則系の面心立方構造(fcc)であるが、熱処理によってCuAuI型の規則型の面心正方構造(fct)に構造変態する。
【0065】
反強磁性層34の膜厚は、トラック幅方向の中心付近において80〜300Å、例えば200Åである。
【0066】
ここで、反強磁性層34を形成するための、前記PtMn合金及び前記X−Mnの式で示される合金において、PtあるいはXが37〜63at%の範囲であることが好ましい。また、前記PtMn合金及び前記X−Mnの式で示される合金において、PtあるいはXが47〜57at%の範囲であることがより好ましい。特に規定しない限り、〜で示す数値範囲の上限と下限は以下、以上を意味する。
【0067】
また、Pt−Mn−X’の式で示される合金において、X’+Ptが37〜63at%の範囲であることが好ましい。また、前記Pt−Mn−X’の式で示される合金において、X’+Ptが47〜57at%の範囲であることがより好ましい。さらに、前記Pt−Mn−X’の式で示される合金において、X’が0.2〜10at%の範囲であることが好ましい。ただし、X’がPd,Ir,Rh,Ru,Os,Ni,Feのいずれか1種または2種以上の元素である場合には、X’は0.2〜40at%の範囲であることが好ましい。
【0068】
これらの合金を使用し、これを熱処理することにより、第1固定磁性層35aとの間で大きな交換結合磁界を発生する反強磁性層34を得ることができる。特に、PtMn合金であれば、48kA/m以上、例えば64kA/mを越える交換結合磁界を有し、前記交換結合磁界を失うブロッキング温度が380℃と極めて高い優れた反強磁性層34を得ることができる。
【0069】
第1固定磁性層35a及び第2固定磁性層35cは、強磁性材料により形成されるもので、例えばNiFe合金、Co、CoFeNi合金、CoFe合金、CoNi合金などにより形成されるものであり、特にCoFe合金またはCoにより形成されることが好ましい。また、第1固定磁性層35a及び第2固定磁性層35cは同一の材料で形成されることが好ましい。
【0070】
また、非磁性中間層35bは、非磁性材料により形成されるもので、Ru、Rh、Ir、Cr、Re、Cuのうち1種またはこれらの2種以上の合金で形成されている。特にRuによって形成されることが好ましい。
【0071】
非磁性材料層36は、固定磁性層35とフリー磁性層37との磁気的な結合を防止し、またセンス電流が主に流れる層であり、Cu,Cr,Au,Agなど導電性を有する非磁性材料により形成されることが好ましい。特にCuによって形成されることが好ましい。
【0072】
第1フリー磁性層37c及び第2フリー磁性層37aは、強磁性材料により形成されるもので、例えばNiFe合金、Co、CoFeNi合金、CoFe合金、CoNi合金などにより形成されるものであり、特にNiFe合金またはCoFeNi合金、CoFe合金により形成されることが好ましい。
【0073】
非磁性中間層37bは、非磁性材料により形成されるもので、Ru、Rh、Ir、Cr、Re、Cuのうち1種またはこれらの2種以上の合金で形成されている。特にRuによって形成されることが好ましい。
【0074】
保護層38はTaなどを用いて形成される。
バイアス下地層39を結晶構造がbcc(体心立方格子)構造であるCr、Ti、Mo、W50Mo50などを用いて下地層を形成すると、第1ハードバイアス層40及び第2ハードバイアス層42の保磁力及び角形比が大きくなりバイアス磁界を大きくできる。
【0075】
第1ハードバイアス層40の多層膜Tと対向する側の側面40aは、固定磁性層35の側面、非磁性材料層36の側面、及び第2フリー磁性層37aの側面とのみ対向しており、第1フリー磁性層37cの側面とは対向していない。ハードバイアス層40からのX方向へのバイアス磁界により、第2フリー磁性層37aの磁化は図示X方向に揃えられる。
【0076】
フリー磁性層37は、磁気モーメントの大きさが異なる第2フリー磁性層37aと第1フリー磁性層37cが、非磁性中間層37bを介して積層され、第2フリー磁性層37aと第1フリー磁性層37cの磁化方向が反平行となるフェリ磁性状態である。このとき、磁気モーメントが大きい方、例えば、第2フリー磁性層37aの磁化方向が、第1ハードバイアス層40から発生する磁界の方向に向き、第1フリー磁性層37cの磁化方向が、180度反対方向に向いた状態になる。
【0077】
第2フリー磁性層37aと第1フリー磁性層37cの磁化方向が180度異なる反平行のフェリ磁性状態になると、フリー磁性層37の膜厚を薄くすることと同等の効果が得られ、単位面積あたりの実効的な磁気モーメントが小さくなり、フリー磁性層37の磁化が変動しやすくなって、磁気検出素子の磁界検出感度が向上する。
【0078】
第2フリー磁性層37aの磁気モーメントと第1フリー磁性層37cの磁気モーメントを足し合わせた合成磁気モーメントの方向がフリー磁性層37の磁化方向となる。
【0079】
ただし、固定磁性層35の磁化方向との関係で出力に寄与するのは第2フリー磁性層37aの磁化方向のみである。
【0080】
第1ハードバイアス層40は、フリー磁性層37を構成する第2フリー磁性層37aと第1フリー磁性層37cのうち、一方の磁化方向を揃えるだけでよい。図1では、第2フリー磁性層37aの磁化方向のみをそろえている。第2フリー磁性層37aの磁化方向が一定方向に揃えられると、第1フリー磁性層37cは磁化方向が反平行となるフェリ磁性状態となり、フリー磁性層37全体の磁化方向が一定方向に揃えられる。
【0081】
本実施の形態では、第1ハードバイアス層40は図示X方向の静磁界を、主に第2フリー磁性層37aに与える。従って、第1ハードバイアス層40から発生する図示X方向の静磁界によって、第1フリー磁性層37cの磁化方向(図示X方向と逆向き)が乱されることを抑えることができる。
【0082】
また、図1では、磁気モーメントが異なる第1固定磁性層35aと第2固定磁性層35cが、非磁性中間層35bを介して積層されたものが、一つの固定磁性層35として機能する。
【0083】
第1固定磁性層35aは反強磁性層34と接して形成され、磁場中アニールが施されることにより、第1固定磁性層35aと反強磁性層34との界面にて交換結合による交換異方性磁界が生じ、第1固定磁性層35aの磁化方向が図示Y方向に固定される。第1固定磁性層35aの磁化方向が図示Y方向に固定されると、非磁性中間層35bを介して対向する第2固定磁性層35cの磁化方向が、前記第1固定磁性層35aの磁化方向と反平行の状態で固定される。
【0084】
このように、第1固定磁性層35aと第2固定磁性層35cの磁化方向が、反平行となるフェリ磁性状態になっていると、第1固定磁性層35aと第2固定磁性層35cとが互いに他方の磁化方向を固定しあうので、全体として固定磁性層35の磁化方向を一定方向に強力に固定することができる。
【0085】
なお、第1固定磁性層35aの磁気モーメントと第2固定磁性層35cの磁気モーメントを足し合わせた合成磁気モーメントの方向が固定磁性層35の磁化方向となる。
【0086】
図1では、第1固定磁性層35a及び第2固定磁性層35cを同じ材料を用いて形成し、さらに、それぞれの膜厚を異ならせることにより、それぞれの磁気モーメントを異ならせている。
【0087】
また、第1固定磁性層35a及び第2固定磁性層35cの固定磁化による反磁界(双極子磁界)を、第1固定磁性層35a及び第2固定磁性層35cの静磁界結合同士が相互に打ち消し合うことによりキャンセルできる。これにより、固定磁性層35の固定磁化による反磁界(双極子磁界)からの、フリー磁性層37の変動磁化への寄与を減少させることができる。
【0088】
従って、フリー磁性層37の変動磁化の方向を所望の方向に補正することがより容易になり、アシンメトリーの小さい対称性の優れたスピンバルブ型薄膜磁気素子を得ることが可能になる。
【0089】
ここで、アシンメトリーとは、再生出力波形の非対称性の度合いを示すものであり、再生出力波形が与えられた場合、波形が対称であればアシンメトリーが小さくなる。従って、アシンメトリーが0に近づく程再生出力波形が対称性に優れていることになる。
【0090】
前記アシンメトリーは、フリー磁性層37の磁化の方向と固定磁性層35の固定磁化の方向とが直交しているときに0となる。アシンメトリーが大きくずれるとメディアからの情報の読み取りが正確にできなくなり、エラーの原因となる。このため、前記アシンメトリーが小さいものほど、再生信号処理の信頼性が向上することになり、スピンバルブ薄膜磁気素子として優れたものとなる。
【0091】
また、固定磁性層の固定磁化による反磁界(双極子磁界)Hdは、素子高さ方向において、その端部で大きく中央部で小さいという不均一な分布を持ち、フリー磁性層37内における単磁区化が妨げられる場合があるが、固定磁性層35を上記の積層構造とすることにより双極子磁界HdをほぼHd=0とすることができ、これによってフリー磁性層37内に磁壁ができて磁化の不均一が発生しバルクハウゼンノイズなどが発生することを防止することができる。
【0092】
なお、電極層43と第1ハードバイアス層40との間に、TaまたはCrからなる中間層41が設けられると、熱拡散を防ぐことができ、第1ハードバイアス層40の磁気特性の劣化を防止できる。
【0093】
電極層43としてTaを用いる場合には、Crの中間層41を設けることによってCrの上層に積層されるTaの結晶構造を低抵抗の体心立方構造にしやすくなる。
【0094】
また、電極層43としてCrを用いる場合には、Taの中間層41を設けることにより、Crがエピタキシャルに成長して、抵抗値を低減できる。
【0095】
図1に示された磁気検出素子は、いわゆるスピンバルブ型磁気検出素子であり、固定磁性層35の磁化方向が、適正に図示Y方向に平行な方向に固定され、しかもフリー磁性層37の磁化が適正に図示X方向に揃えられており、固定磁性層35とフリー磁性層37の磁化が直交関係にある。そして記録媒体からの外部磁界に対し、フリー磁性層37の磁化が感度良く変動し、この磁化方向の変動と、固定磁性層35の固定磁化方向との関係で電気抵抗が変化し、この電気抵抗値の変化に基づく電圧変化により、記録媒体からの漏れ磁界が検出される。
【0096】
ただし、電気抵抗値の変化(出力)に直接寄与するのは第2固定磁性層35cの磁化方向と第2フリー磁性層37aの磁化方向の相対角であり、これらの相対角が検出電流が通電されている状態かつ信号磁界が印加されていない状態で直交していることが好ましい。
【0097】
本実施の形態の磁気検出素子では、第1ハードバイアス層40の膜厚t1を薄くすることにより、第2フリー磁性層37aの磁化方向をそろえる第1ハードバイアス層40が発生する磁界の強さを弱くすることができる。すなわち、第2フリー磁性層37aと近接している部分における第1ハードバイアス層40の残留磁化×膜厚の値を小さくできる。
【0098】
従って、多層膜Tに形成される不感領域の幅寸法を小さくし、感度領域を広くでき、磁気検出素子の感度を向上させることができる。
【0099】
さらに、多層膜Tの側面Tsから所定距離Spだけ離れた位置に、第2ハードバイアス層42が第1ハードバイアス層40の上層に直接接して積層されることによってハードバイアス層Hの膜厚が厚くされており、ハードバイアス層Hの保磁力Hcや角型比を大きくできる。従って、外乱の磁界が存在していても、フリー磁性層37を安定した単磁区化状態にしておくことができる。
【0100】
本実施の形態では、多層膜Tに形成される不感領域の幅寸法を小さくしつつ、ハードバイアス層Hの保磁力Hcや角型比を大きくするために、第1ハードバイアス層40の膜厚t1よりも第2ハードバイアス層の膜厚t2の方を厚くしている。
【0101】
また図1では、第1ハードバイアス層40の上層に第2ハードバイアス層42が積層されているが、第1ハードバイアス層40の下層に直接接して第2ハードバイアス層42が積層されてもよい。
【0102】
図2は本発明の第2の実施の形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側からみた断面図である。
【0103】
図2の磁気検出素子では、第2ハードバイアス層42の膜厚t2が図1の磁気検出素子よりも厚くされており、その結果上部シールド層45の両側部が図示上方(Y方向)に折曲がり、上部シールド層45と下部シールド層31間の距離が大きくなっている点でのみ図1の磁気検出素子と異っている。
【0104】
多層膜Tの両側近傍における上部シールド層45と下部シールド層31間の距離が大きくなると、上部シールド層45と下部シールド層31の間を通って、磁界が入り込みやすくなり、実効トラック幅E−Twが大きくなる。すると、検出対象の記録トラックの両側の記録トラックから発生する記録媒体からの磁界が磁気検出素子に侵入しやすくなり、記録トラック間のクロストークが発生しやすくなる。
【0105】
そこで、本実施の形態では、第1ハードバイアス層40と第2ハードバイアス層42のうち、第1ハードバイアス層40のみと重なる領域S1における上部シールド層45と下部シールド層31間の距離をGls、多層膜の中央Cと重なる位置における上部シールド層45と下部シールド層31間の距離をGlcとしたときに前記GlsとGlcの差の値を所定の値以下とすることによって、多層膜Tの両側近傍における上部シールド層45と下部シールド層31間の距離が大きくなることを抑え、実効トラック幅E−Twを小さくすることができるようにしている。
【0106】
後述するように、前記GlsとGlcの差の値を小さくすると、磁気検出素子の実効トラック幅E−Twも小さくなる。ここで、前記GlsとGlcの差の値を磁気検出素子の実効トラック幅E−Twが0.17μmとなる値以下に設定することが好ましい。
【0107】
なお、第2ハードバイアス層42の上面42bが、第1電極層43の上面43aの延長線Bよりも、図示下方向(Y反対方向)に位置してもよい。
【0108】
図3は本発明の第3の実施の形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側からみた断面図である。
【0109】
図3に示された磁気検出素子では、第1ハードバイアス層40に重なる位置に形成された電極層(第1電極層)43に加えて、第2電極層51が第2ハードバイアス層42に重なる位置に形成されている点が図1に示された磁気検出素子と異っている。なお、第2電極層51と第1電極層43は、直接電気的に接続されている。
【0110】
実効トラック幅E−Twを小さくするために、第1ハードバイアス層40と第1電極層43の膜厚を小さくして、多層膜Tの両側近傍における上部シールド層45と下部シールド層31間の距離を小さくすると、磁気検出素子の直流抵抗値が大きくなってしまう。そこで、図3のように、第2ハードバイアス層42に重なる位置に第2電極層51が形成されるようにすると、多層膜Tの両側近傍における上部シールド層45と下部シールド層31間の距離を小さくしつつも、磁気検出素子の直流抵抗値を小さくすることができる。
【0111】
第2電極層51と第2ハードバイアス層42との間に、TaまたはCrからなる中間層50が設けられると、熱拡散を防ぐことができ、第2ハードバイアス層42の磁気特性の劣化を防止できる。
【0112】
第2電極層51としてTaを用いる場合には、Crの中間層50を設けることによってCrの上層に積層されるTaの結晶構造を低抵抗の体心立方構造にしやすくなる。
【0113】
また、第2電極層51としてCrを用いる場合には、Taの中間層50を設けることにより、Crがエピタキシャルに成長して、抵抗値を低減できる。
【0114】
なお、多層膜T表面に平行な平面と第2電極層51の前端縁の接平面とがなす角度θ2は、多層膜T表面に平行な平面と第1電極層43の前端縁の接平面とがなす角度θ1より小さいことが好ましい。θ1>θ2とすると、多層膜Tに直接接続される第1電極層43から多層膜Tへの電流の供給を安定化することができる。
【0115】
また、多層膜Tの両側近傍における上部シールド層45と下部シールド層31間の距離が大きくなることを抑え、かつ磁気検出素子の直流抵抗値を小さくするためには、第2電極層51の膜厚t4を、第1電極層43の膜厚t3より厚くすることが好ましい。
【0116】
なお、第1電極層43及び第2電極層51はW,Ta,Cr,Cu,Rh,Ir,Ru,Auなどを材料として用いて形成することができる。特に、多層膜Tと電気的に接続される第1電極層43を、磁気検出素子の記録媒体との対向面を研磨して直流抵抗値を調節する工程においてスメアが発生しにくいように、W,Ta,Rh,Ir,Ruなどの硬性の材料を用いて形成し、第2電極層51をCr、Cu,Au,Taなどの比抵抗の小さい材料を用いて形成することが好ましい。
【0117】
また、図3では前記第1ハードバイアス層40上の一部と、前記第2ハードバイアス層42上の全ての領域と重なる絶縁層52が形成されており、これによって第2電極層51と上部シールド層45間の電気的絶縁をより確実にとることができる。
【0118】
絶縁層52が形成されたときには、第1ハードバイアス層40と第2ハードバイアス層42のうち、第1ハードバイアス層40のみと重なる領域であって絶縁層52と重ならない領域S1における、上部シールド層45と下部シールド層31間の距離をGls、多層膜Tの中央Cと重なる位置における上部シールド層45と下部シールド層31間の距離をGlcとしたときに、前記GlsとGlcの差の値を、磁気検出素子の実効トラック幅E−Twが0.17μmとなる値以下に設定することが好ましい。
【0119】
第2電極層51と第1電極層43を直接電気的に接続するためには、第2電極層51の下面51aが第1電極層43の上面43aの延長線Bよりも、図示下方向(Y反対方向)に位置していることが好ましい。ただし、第2電極層51の下面51aが、第1電極層43の上面43aの延長線Bと同じ高さ位置に形成されていてもよいし、第1電極層43の上面43aの延長線Bよりも、図示上方向(Y方向)に位置してもよい。この場合、第2電極層51に流された電流は、第2ハードバイアス層42を通って第1電極層43に流れる。
【0120】
また、図4に示されるように、第2ハードバイアス層42に重なる位置に形成される第2電極層51のみ形成され、第1電極層が形成されなくともよい。
【0121】
なお、図1から図4に示した実施の形態の磁気検出素子では、反強磁性層34の中央部分には隆起部34aが形成され、隆起部34aのトラック幅方向(図示X方向)における両側端面の基端からは、トラック幅方向に長く延びる延出部34bが形成されている。
【0122】
反強磁性層34に延出部34bを形成し、この延出部34bの上にバイアス下地層39を介して第1ハードバイアス層40を積層する構造では、第1ハードバイアス層40を、フリー磁性層37の両側端面に十分な体積を有して対向させることができる。
【0123】
ただし、図5に示されるように、反強磁性層34に延出部34bが形成されなくてもよい。また、図5において、下地層33が反強磁性層34の下面のみに接して形成され、バイアス下地層39が下部ギャップ層32に直接接する構造としてもよい。
【0124】
また、図1から図5に示した実施の形態の磁気検出素子では、第1ハードバイアス層40の多層膜Tの側面Tsと対向する側の側面40aは、固定磁性層35の側面、非磁性材料層36の側面、及び第2フリー磁性層37aの側面とのみ対向しており、第1フリー磁性層37cの側面とは対向していない。ただし、図6に示すように、ハードバイアス層40の側面40aが、固定磁性層35の側面、非磁性材料層36の側面、第2フリー磁性層37a、非磁性中間層37b、及び第1フリー磁性層37cの側面と対向してもよい。
【0125】
図7は、本発明の第7の実施の形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側からみた断面図である。
【0126】
図7に示される実施の形態の磁気検出素子は、第1電極層43が、多層膜Tの不感領域d上にまで延ばされて形成されている点でのみ図3の磁気検出素子と異なっている。
【0127】
ハードバイアス層HからのX方向へのバイアス磁界により、フリー磁性層37の磁化は図示X方向に揃えられている。
【0128】
ところで図7に示すように多層膜Tの中央に位置する領域は、感度領域eであり、その両側は、不感領域d,Dである。
【0129】
感度領域eでは、固定磁性層35の磁化が、適正に図示Z方向に固定され、しかもフリー磁性層37の磁化が適正に図示X方向に揃えられており、固定磁性層35とフリー磁性層37の磁化が直交関係にある。そして記録媒体からの外部磁界に対し、フリー磁性層37の磁化が感度良く変動し、この磁化方向の変動と、固定磁性層35の固定磁化方向との関係で電気抵抗が変化し、この電気抵抗値の変化に基づく電圧変化により、記録媒体からの漏れ磁界が検出される。
【0130】
すなわち多層膜Tの感度領域eは、実質的に磁気抵抗効果が発揮される部分であり、この部分で良好に再生機能が働く。
【0131】
これに対し、感度領域eの両側に位置する不感領域d,Dでは、固定磁性層35及びフリー磁性層37の磁化が、第1ハードバイアス層40,40からの磁化の影響を強く受け、フリー磁性層37の磁化は、外部磁界に対し変動しにくくなっている。すなわち不感領域dは、磁気抵抗効果が弱く、再生機能が低下した領域である。
【0132】
図7では、第1電極層43が、多層膜Tの不感領域d上にまで延ばされて形成されているので、第1電極層43からのセンス電流が、第1ハードバイアス層40に流れにくくなり、第1ハードバイアス層40を介さずに、直接多層膜Tに、前記センス電流を流す割合を多くでき、しかも第1電極層43を不感領域d上にまで延ばして形成することにより、多層膜Tと、第1電極層43との接合面積も大きくなるため直流抵抗値(DCR)を下げることができ、再生特性を向上させることが可能である。
【0133】
また、第1電極層43が不感領域d上に延ばされて形成されると、センス電流が不感領域dに多く流れ込みノイズを発生させることを抑えることができる。
【0134】
図8は、本発明の第8の実施の形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側からみた断面図である。
【0135】
図8に示された磁気検出素子では、バイアス下地層39が、反強磁性層34の延出部34b上にのみ成膜されている。従って、第1ハードバイアス層40は、多層膜T側の側面40aが、第2フリー磁性層37aの側面と直接接している。すると、第1ハードバイアス層40と第2フリー磁性層37aが磁気的に連続体となり、第2フリー磁性層37aの側端部において反磁界が発生することを防ぐことができ、安定性が増す。
【0136】
バイアス下地層39が、多層膜Tの側面上に形成された場合でも、第2フリー磁性層37aの側面上に形成されなければ、第1ハードバイアス層40と第2フリー磁性層37aの側面を直接接触させられる。
【0137】
または、第1ハードバイアス層40と第2フリー磁性層37aとの間にバイアス下地層39が形成された場合でも、第1ハードバイアス層40と第2フリー磁性層37a間のバイアス下地層39の膜厚が1nm以下であれば、バイアス下地層39に生じたピンホールを通じて、第1ハードバイアス層40と第2フリー磁性層37aが磁気的に連続体となり、第2フリー磁性層37aの側端部において反磁界が発生することを防ぐことができ、安定性が増す。
【0138】
図9は、本発明の第9の実施の形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側からみた断面図である。
【0139】
図9に示された磁気検出素子は、多層膜T1が図1ないし図8に示す磁気検出素子の多層膜Tの積層の順番を逆にしたものである。つまり、図9では、下地層33の上に、第1フリー磁性層37c、非磁性中間層37b、第2フリー磁性層37aからなるシンセティックフェリフリー型のフリー磁性層37、非磁性材料層36、第2固定磁性層35c、非磁性中間層35b、第1固定磁性層35aからなるシンセティックフェリピンド型の固定磁性層35、反強磁性層34、保護層38が連続して積層されている。
【0140】
下地層33の上面と第2フリー磁性層37aの側面に接してCrなどによってバイアス下地層60が形成されている。バイアス下地層60の上には、第1ハードバイアス層61が形成されている。第1ハードバイアス層61は、多層膜T1側の側面61aが、バイアス下地層60を介して対向している。
【0141】
第1ハードバイアス層61の上層には、第2ハードバイアス層63が積層されている。第2ハードバイアス層63の多層膜T1側の側面63aは、多層膜T1の側面T1sから所定距離Sp1だけ離れた位置に設けられる。所定距離Sp1は、第2ハードバイアス層63から発生する磁界が多層膜T1中のフリー磁性層37に直接的に作用しない距離として設定される。なお、第2ハードバイアス層63は第1ハードバイアス層61上に直接接して積層されている。
【0142】
第1ハードバイアス層61及び第2ハードバイアス層63は例えば、Co−Pt(コバルト−白金)合金やCo−Cr−Pt(コバルト−クロム−白金)合金などで形成されており、図示X方向(トラック幅方向)に着磁されている。
【0143】
第1ハードバイアス層61上には、Taなどの非磁性材料で形成された中間層62が形成され、この中間層62の上に第1電極層64が形成されている。
【0144】
さらに、第2ハードバイアス層63に重なる位置に第2電極層66が形成されている。なお、第2電極層66と第1電極層64は、直接電気的に接続されている。
【0145】
第1電極層64と第1ハードバイアス層61との間及び第2電極層66と第2ハードバイアス層63との間に、TaまたはCrからなる中間層62,65が設けられると、熱拡散を防ぐことができ、第1ハードバイアス層61と第2ハードバイアス層63の磁気特性の劣化を防止できる。
【0146】
第1電極層64,第2電極層66としてTaを用いる場合には、Crの中間層62,65を設けることによってCrの上層に積層されるTaの結晶構造を低抵抗の体心立方構造にしやすくなる。
【0147】
また、第1電極層64,第2電極層66としてCrを用いる場合には、Taの中間層62,65を設けることにより、Crがエピタキシャルに成長して、抵抗値を低減できる。
【0148】
なお、第1電極層64及び第2電極層66はW,Ta,Cr,Cu,Rh,Ir,Ru,Auなどを材料として用いて形成することができる。特に、多層膜T1と電気的に接続される第1電極層64を、磁気検出素子の記録媒体との対向面を研磨して直流抵抗値を調節する工程においてスメアが発生しにくいように、W,Ta,Rh,Ir,Ruなどの硬性の材料を用いて形成し、第2電極層66をCr,Cu,Au,Taなどの比抵抗の小さい材料を用いて形成することが好ましい。
【0149】
多層膜T1の表面、第1電極層64の表面、及び第2電極層66の表面には、上部ギャップ層44が成膜され、上部ギャップ層44上には上部シールド45が形成されている。上部シールド層45は、無機絶縁材料からなる保護層46によって覆われる。
【0150】
第1ハードバイアス層61は、フリー磁性層37を構成する第2フリー磁性層37aと第1フリー磁性層37cのうち、一方の磁化方向を揃えるだけでよい。図9では、第1フリー磁性層37cの磁化方向のみをそろえている。第1フリー磁性層37cの磁化方向が一定方向に揃えられると、第2フリー磁性層37aは磁化方向が反平行となるフェリ磁性状態となり、フリー磁性層37全体の磁化方向が一定方向に揃えられる。
【0151】
本実施の形態では、第1ハードバイアス層61は図示X方向の静磁界を、主に第1フリー磁性層37cに与える。従って、ハードバイアス層61から発生する図示X方向の静磁界によって、第2フリー磁性層37aの磁化方向(図示X方向と逆向き)が乱されることを抑えることができる。
【0152】
この実施例においては、多層膜T1の第1フリー磁性層37cは、反強磁性層34よりも下方に形成されており、第1ハードバイアス層61の膜厚の厚い部分と隣接しており、従って第1フリー磁性層37cの磁化は容易にX方向に揃えられる。これにより、バルクハウゼンノイズの発生を低減させることができる。
【0153】
図10は、本発明の第10の実施の形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側からみた断面図である。
【0154】
この磁気検出素子は、非磁性材料層106を中心として、その上下に第1フリー磁性層105、第2フリー磁性層107、非磁性導電層104,108、第1固定磁性層103,第3固定磁性層109、非磁性材料層102,110、第2固定磁性層101,第4固定磁性層111及び反強磁性層100,112が形成された、いわゆるデュアルスピンバルブ型薄膜素子と呼ばれるものであり、図1ないし図9に示すスピンバルブ型薄膜素子(シングルスピンバルブ型薄膜素子と呼ばれる)よりも高い再生出力を得ることが可能である。なお最も下側に形成されている層が下地層33で、最も上側に形成されている層が保護層38であり、下地層33から保護層38までの積層体によって多層膜T2が構成されている。
【0155】
本発明では、反強磁性層100,112がPt−Mn(白金−マンガン)合金膜により形成されている。あるいは前記Pt−Mn合金に代えて、X―Mn(ただしXは、Pd,Ir,Rh,Ruのいずれか1種または2種以上の元素である)で、あるいはPt―Mn―X′(ただしX′は、Pd,Ir,Rh,Ru,Au,Agのいずれか1種または2種以上の元素である)で形成されていてもよい。
【0156】
前記第1フリー磁性層105、前記第2フリー磁性層107、前記第1固定磁性層103、前記第2固定磁性層101、前記第3固定磁性層109、前記第4固定磁性層111は、Ni−Fe(ニッケル−鉄)合金、Co(コバルト)、Co−Fe(コバルト−鉄)合金、Co−Fe−Ni合金などで形成されており、前記非磁性導電層104,108は、Cu(銅)などの電気抵抗の低い非磁性導電材料で形成されている。
【0157】
下地層33上から、第2固定磁性層101、非磁性材料層102、第1固定磁性層103、非磁性導電層104、第1フリー磁性層105の側面にかけて、Crなどで形成された緩衝膜及び配向膜となるバイアス下地層113,113が形成されており、このバイアス下地層113,113の形成によって、後述する第1ハードバイアス層114,114から発生するバイアス磁界を増大させることができる。
【0158】
バイアス下地層113の上には、第1ハードバイアス層114が形成されている。第1ハードバイアス層114は、多層膜T2側の側面114aが、バイアス下地層113を介して対向している。
【0159】
第1ハードバイアス層114の上層には、第2ハードバイアス層116が積層されている。第2ハードバイアス層116の多層膜T側の側面116aは、多層膜Tの側面T2sから所定距離Sp2だけ離れた位置に設けられる。所定距離Sp2は、第2ハードバイアス層116から発生する磁界が多層膜T2中のフリー磁性層Fに直接的に作用しない距離として設定される。なお、第2ハードバイアス層116は第1ハードバイアス層114上に直接接して積層されている。
【0160】
第1ハードバイアス層114及び第2ハードバイアス層116は例えば、Co−Pt(コバルト−白金)合金やCo−Cr−Pt(コバルト−クロム−白金)合金などで形成されており、図示X方向(トラック幅方向)に着磁されている。
【0161】
第1ハードバイアス層114上には、Taなどの非磁性材料で形成された中間層115が形成され、この中間層115の上に第1電極層117が形成されている。
【0162】
さらに、第2ハードバイアス層116に重なる位置に、中間層118を介して第2電極層119が形成されている。なお、第2電極層119と第1電極層117は、直接電気的に接続されている。
【0163】
第1電極層117と第1ハードバイアス層114との間及び第2電極層119と第2ハードバイアス層116との間に、TaまたはCrからなる中間層115,118が設けられると、熱拡散を防ぐことができ、第1ハードバイアス層114と第2ハードバイアス層116の磁気特性の劣化を防止できる。
【0164】
第1電極層117、第2電極層119としてTaを用いる場合には、Crの中間層115,118を設けることによってCrの上層に積層されるTaの結晶構造を低抵抗の体心立方構造にしやすくなる。
【0165】
また、第1電極層117、第2電極層119としてCrを用いる場合には、Taの中間層115,118を設けることにより、Crがエピタキシャルに成長して、抵抗値を低減できる。
【0166】
なお、第1電極層117及び第2電極層119はW,Ta,Cr,Cu,Rh,Ir,Ru,Auなどを材料として用いて形成することができる。特に、多層膜T2と電気的に接続される第1電極層117を、磁気検出素子の記録媒体との対向面を研磨して直流抵抗値を調節する工程においてスメアが発生しにくいように、W,Ta,Rh,Ir,Ruなどの硬性の材料を用いて形成し、第2電極層119をCr,Cu,Au,Taなどの比抵抗の小さい材料を用いて形成することが好ましい。
【0167】
多層膜T2の表面、第1電極層117の表面、及び第2電極層119の表面には、上部ギャップ層44が成膜され、上部ギャップ層44上には上部シールド45が形成されている。上部シールド層45は、無機絶縁材料からなる保護層46によって覆われる。
【0168】
また、図10では、磁気モーメントが異なる前記第1固定磁性層103と前記第2固定磁性層101が、前記非磁性材料層102を介して積層されたものが、一つの固定磁性層P1として機能する。また、磁気モーメントが異なる前記第3固定磁性層109と前記第4固定磁性層111が、前記非磁性材料層110を介して積層されたものが、一つの固定磁性層P2として機能する。
【0169】
前記第1固定磁性層103と前記第2固定磁性層101の磁化方向は、180度異なる反平行のフェリ磁性状態になっており、前記第1固定磁性層103と前記第2固定磁性層101とが互いに他方の磁化方向を固定しあうので、全体として固定磁性層P1の磁化方向を一定方向に安定させることができる。
【0170】
図10では、前記第1固定磁性層103及び前記第2固定磁性層101を同じ材料を用いて形成し、さらに、それぞれの膜厚を異ならせることにより、それぞれの磁気モーメントを異ならせている。
【0171】
また、前記第3固定磁性層109と前記第4固定磁性層111の磁化方向も、180度異なる反平行のフェリ磁性状態になっており、前記第3固定磁性層109と前記第4固定磁性層111とが互いに他方の磁化方向を固定しあっている。
【0172】
なお、前記非磁性材料層102、110は、Ru、Rh、Ir、Cr、Re、Cuのうち1種あるいは2種以上の合金で形成されている。
【0173】
前記第2固定磁性層101及び第4固定磁性層111は、それぞれ反強磁性層100及び112と接して形成され、磁場中アニールが施されることにより、前記第2固定磁性層101及び反強磁性層100との界面並びに前記第4固定磁性層111及び反強磁性層112との界面にて交換結合による交換異方性磁界が生じる。
【0174】
前記第2固定磁性層101の磁化方向は、図示Z方向に固定される。前記第2固定磁性層101の磁化方向が図示Y方向に固定されると、前記非磁性材料層102を介して対向する第1固定磁性層103の磁化方向が、前記第2固定磁性層101の磁化方向と反平行の状態で固定される。なお前記第2固定磁性層101の磁気モーメントと前記第1固定磁性層103の磁気モーメントを足し合わせた合成磁気モーメントの方向が前記固定磁性層P1の磁化方向となる。
【0175】
前記第2固定磁性層101の磁化方向が図示Z方向に固定されるとき、前記第4固定磁性層111の磁化方向は、図示Z方向と反平行方向に固定されることが好ましい。このとき、前記非磁性材料層110を介して対向する第3固定磁性層109の磁化方向が、前記第4固定磁性層111の磁化方向と反平行方向に、すなわち、Z方向に固定される。なお前記第4固定磁性層111の磁気モーメントと前記第3固定磁性層109の磁気モーメントを足し合わせた合成磁気モーメントの方向が前記固定磁性層P2の磁化方向となる。
【0176】
すると、前記第1フリー磁性層105、前記非磁性材料層106、前記第2フリー磁性層107を介して対向する、前記第1固定磁性層103と前記第3固定磁性層109の磁化方向は、互いに180度異なる反平行状態になる。
【0177】
図10では、後述するように、フリー磁性層Fが前記第1フリー磁性層105と前記第2フリー磁性層107が、前記非磁性材料層106を介して積層されたものとして形成され、前記第1フリー磁性層105と前記第2フリー磁性層107の磁化方向が反平行となるフェリ磁性状態になっている。
【0178】
前記第1フリー磁性層105と前記第2フリー磁性層107は、外部磁界の影響を受けて、フェリ磁性状態を保ったまま磁化方向を変化させる。このとき、前記第1固定磁性層103と前記第3固定磁性層109の磁化方向が、互いに180度異なる反平行状態になっていると、フリー磁性層Fより上層部分の抵抗変化率とフリー磁性層Fより下層部分の抵抗変化率の位相が等しくなる。
【0179】
さらに、前記固定磁性層P1の磁化方向と前記固定磁性層P2の磁化方向が、反平行方向であることが好ましい。
【0180】
例えば、磁化方向が図示Z方向に固定されている前記第2固定磁性層101の磁気モーメントの大きさを前記第1固定磁性層103の磁気モーメントの大きさよりも大きくし、固定磁性層P1の磁化方向を図示Z方向にする。一方、磁化方向が図示Z方向に固定されている前記第3固定磁性層109の磁気モーメントの大きさを前記第4固定磁性層111の磁気モーメントの大きさよりも小さくし、固定磁性層P2の磁化方向を図示Z方向と反平行方向にする。
【0181】
すると、センス電流を図示X方向と反対の方向に流したときに発生するセンス電流磁界の方向と、固定磁性層P1の磁化方向及び固定磁性層P2の磁化方向が一致し、前記第1固定磁性層103と前記第2固定磁性層101のフェリ磁性状態、及び前記第3固定磁性層109と前記第4固定磁性層111のフェリ磁性状態が安定する。
【0182】
また、前記第1フリー磁性層105及び前記第2フリー磁性層107は、それぞれの磁気モーメントが異なるように形成されている。ここでも、前記第1フリー磁性層105及び前記第2フリー磁性層107を同じ材料を用いて形成し、さらに、それぞれの膜厚を異ならせることにより、前記第1フリー磁性層105及び前記第2フリー磁性層107の磁気モーメントを異ならせている。
【0183】
さらに、非磁性材料層102,106,116は、Ru、Rh、Ir、Cr、Re、Cuのうち1種あるいは2種以上の合金で形成されている。
【0184】
図10では、前記第1フリー磁性層105と前記第2フリー磁性層107が、前記非磁性材料層106を介して積層されたものが、一つのフリー磁性層Fとして機能する。
【0185】
前記第1フリー磁性層105と前記第2フリー磁性層107の磁化方向は、反平行となるフェリ磁性状態になっており、フリー磁性層Fの膜厚を薄くすることと同等の効果が得られ、フリー磁性層F全体の単位面積あたりの実効的な磁気モーメントが小さくなって磁化が変動しやすくなり、磁気抵抗効果素子の磁界検出感度が向上する。
【0186】
前記第1フリー磁性層105の磁気モーメントと前記第2フリー磁性層107の磁気モーメントを足し合わせた合成磁気モーメントの方向が前記フリー磁性層Fの磁化方向となる。
【0187】
前記第1ハードバイアス層114は図示X方向(トラック幅方向)に着磁されており、第1ハードバイアス層114からのX方向へのバイアス磁界により、フリー磁性層Fの磁化方向は図示X方向になっている。
【0188】
そして記録媒体からの外部磁界に対し、前記フリー磁性層Fの磁化が感度良く変動し、この磁化方向の変動と、固定磁性層P1、P2の固定磁化方向との関係で電気抵抗が変化し、この電気抵抗値の変化に基づく電圧変化により、記録媒体からの漏れ磁界が検出される。ただし、電気抵抗値の変化(出力)に直接寄与するのは第1固定磁性層103の磁化方向と第1フリー磁性層105の磁化方向の相対角、及び第3固定磁性層109の磁化方向と第2フリー磁性層107の磁化方向の相対角であり、これらの相対角が検出電流が通電されている状態かつ信号磁界が印加されていない状態で直交していることが好ましい。
【0189】
ハードバイアス層114は、フリー磁性層Fを構成する第1フリー磁性層105と第2フリー磁性層107のうち、一方の磁化方向を揃えるだけでよい。図10では、第2フリー磁性層107の磁化方向のみをそろえている。第2フリー磁性層107の磁化方向が一定方向に揃えられると、第1フリー磁性層105は磁化方向が反平行となるフェリ磁性状態となり、フリー磁性層F全体の磁化方向が一定方向に揃えられる。
【0190】
本実施の形態では、第1ハードバイアス層114は図示X方向の静磁界を、主に第2フリー磁性層107に与える。従って、ハードバイアス層114から発生する図示X方向の静磁界によって、第1フリー磁性層105の磁化方向(図示X方向と逆向き)が乱されることを抑えることができる。
【0191】
図2から図10に示された磁気検出素子においても、第1ハードバイアス層40、61、114の膜厚t1、t5、t7を薄くすることにより、フリー磁性層37、Fの磁化方向をそろえる第1ハードバイアス層40、61、114が発生する磁界の強さを弱くすることができる。すなわち、フリー磁性層37、Fと近接している部分における第1ハードバイアス層40、61、114の残留磁化×膜厚の値を小さくできる。
【0192】
従って、多層膜T、T1、T2に形成される不感領域の幅寸法を小さくし、感度領域を広くでき、磁気検出素子の感度を向上させることができる。
【0193】
さらに、多層膜T、T1、T2の側面から所定距離Sp、Sp1、Sp2だけ離れた位置に、第2ハードバイアス層42、63、116が第1ハードバイアス40、61、114の上層に直接接して積層されることによってハードバイアス層Hの膜厚が厚くされており、ハードバイアス層Hの保磁力Hcや角型比を大きくできる。従って、外乱の磁界が存在していても、フリー磁性層37、Fを安定した単磁区化状態にしておくことができる。
【0194】
本実施の形態では、多層膜Tに形成される不感領域の幅寸法を小さくしつつ、ハードバイアス層Hの保磁力Hcや角型比を大きくするために、第1ハードバイアス層40、61の膜厚t1、t5よりも第2ハードバイアス層42、63の膜厚t2、t6の方を厚くしている。ただし、図10のように、第1ハードバイアス層114の膜厚t7よりも第2ハードバイアス層116の膜厚t8の方を薄くしてもよい。
【0195】
また図2から図10では、第1ハードバイアス層40、61、114の上層に第2ハードバイアス層42、63、116が積層されているが、第1ハードバイアス層40、61、114の下層に直接接して第2ハードバイアス層42、63、116が積層されてもよい。
【0196】
また、図4から図10の磁気検出素子においても、第1ハードバイアス層40、61、114と第2ハードバイアス層42、63、116のうち、第1ハードバイアス層40、61、114のみと重なる領域であって絶縁層52と重ならない領域S1における、上部シールド層45と下部シールド層31間の距離をGls、多層膜Tの中央Cと重なる位置における上部シールド層45と下部シールド層31間の距離をGlcとしたときに、前記GlsとGlcの差の値を、磁気検出素子の実効トラック幅E−Twが0.17μmとなる値以下に設定することが好ましい。
【0197】
なお、図1から図10の磁気検出素子において、前記Glsと前記Glcの値を、Glc−20nm≦Gls≦Glc+90nmを満たす範囲に設定することが好ましい。より好ましくは、前記Glsと前記Glcの値を、Glc−20nm≦Gls≦Glc+70nmを満たす範囲に設定することである。さらに好ましくは、前記Glsと前記Glcの値を、Glc−20nm≦Gls≦Glc+30nmを満たす範囲に設定することである。
【0198】
あるいは、前記Glsと前記Glcの値を、0.67≦Gls/Glc≦2.50を満たす範囲に設定することが好ましい。より好ましくは、前記Glsと前記Glcの値を、0.67≦Gls/Glc≦2.17を満たす範囲に設定することである。さらに好ましくは、前記Glsと前記Glcの値を、0.67≦Gls/Glc≦1.50を満たす範囲に設定することである。
【0199】
なお、上述した前記Glsと前記Glcの値の範囲で、前記Glsと前記Glcの値を、Gls>Glcとしても、Gls=Glcとしても、Gls<Glcとしてもよい。
【0200】
Gls>Glcであれば、多層膜T、T1、T2の両側近傍における上部シールド層45と下部シールド層31間の距離は、多層膜T、T1、T2に重なる領域における上部シールド層45と下部シールド層31間の距離(ギャップ長)より大きい。
【0201】
Gls=Glcであれば、多層膜T、T1、T2の両側近傍における上部シールド層45と下部シールド層31間の距離は、多層膜T、T1、T2に重なる領域における上部シールド層45と下部シールド層31間の距離(ギャップ長)に等しい。
【0202】
Gls<Glcであれば、多層膜T、T1、T2の両側近傍における上部シールド層45と下部シールド層31間の距離は、多層膜T、T1、T2に重なる領域における上部シールド層45と下部シールド層31間の距離(ギャップ長)より小さい。
【0203】
また、図11は、図3に示された磁気検出素子の多層膜Tと第1電極層43と第2電極層51を図3の図示上方から見た平面図である。
【0204】
図11に示されるように、第1電極層43のハイト方向の奥行長さZ1が、多層膜Tのハイト方向の奥行長さZ2より長くされているので、磁気検出素子の直流抵抗値を小さくできる。
【0205】
なお、図3及び図5〜図10の磁気検出素子では、2層の電極層を有する構成のみ示したが、電極層が3層以上であってもよい。
【0206】
また、第2ハードバイアス層42、63、116上にさらに複数層のハードバイアス層が積層されてもよい。
【0207】
なお、フリー磁性層37,Fと固定磁性層35,P1,P2は、単層の磁性材料層あるいは2層の磁性材料層(CoFe/NiFeなど)として形成されてもよい。
【0208】
図3に示された磁気検出素子の製造方法を説明する。
まず図12に示すように、下部シールド層31、下部ギャップ層32を成膜する。下部シールド層31は、NiFeなどの磁性材料を用いて形成し、下部ギャップ層32はAl23、SiO2などの絶縁性材料を用いて形成する。下部シールド層31は、基板30上に、アルミナなどの絶縁性材料からなる図示しない下地層を介して積層されている。
【0209】
さらに、下部ギャップ層32上に、図3に示される下地層33、反強磁性層34、第1固定磁性層35a、非磁性中間層35b、第2固定磁性層35cからなるシンセティックフェリピンド型の固定磁性層35、非磁性材料層36、第2フリー磁性層37a、非磁性中間層37b、第1フリー磁性層37cからなるシンセティックフェリフリー型のフリー磁性層37、保護層38を積層し、多層膜Tを形成する。
【0210】
なおこの多層膜Tの代りに、図9に示すシングルスピンバルブ型薄膜素子の多層膜T1、図10に示すデュアルスピンバルブ型薄膜素子の多層膜T2であってもよい。
【0211】
なお多層膜T,T1,またはT2を構成する反強磁性層を、PtMn合金により形成することが好ましく、またはX―Mn(ただしXは、Pd,Ir,Rh,Ruのいずれか1種または2種以上の元素である)あるいはPt―Mn―X′(ただしX′は、Pd,Ir,Rh,Ru,Au,Agのいずれか1種または2種以上の元素である)で形成してもよい。前記反強磁性層を上述した材質で形成する場合、固定磁性層との界面で交換結合磁界を発生させるには熱処理を施す必要がある。
【0212】
次に、形成する磁気検出素子の光学トラック幅O−Twの領域を覆うリフトオフ用のレジスト層R1を、多層膜T上にパターン形成する。
【0213】
図12に示すように、レジスト層R1には、その下面に切り込み部R1a,R1aが形成されている。
【0214】
次に図13に示す工程では、エッチングにより多層膜Tの両側を削り込む。
本工程では、エッチングレート及びエッチング時間を制御し、反強磁性層34の側面を削り取らず残るようすることにより、反強磁性層34を図示X方向に長く形成している。なお、反強磁性層34の側面を完全に削ると、図5に示される磁気検出素子を形成することができる。
【0215】
さらに図14に示す工程では、多層膜Tの両側に、バイアス下地層39,39、第1ハードバイアス層40、中間層41を成膜する。バイアス下地層39はCr、Ti、Mo、またはW50Mo50のうちいずれか一種以上、好ましくはCrを、第1ハードバイアス層40はCo−Pt(コバルト−白金)合金やCo−Cr−Pt(コバルト−クロム−白金)合金などを、中間層41はTaを用いて形成した。本実施の形態では、バイアス下地層39、第1ハードバイアス層40、中間層41の成膜を異方性を有するスパッタ法を用いて行った。
【0216】
本実施の形態では、第1ハードバイアス層40は多層膜Tと対向する側の側面40aの最上部40bが第2フリー磁性層37aの上面37a3と重なる高さ位置に形成される。すなわち、第1ハードバイアス層40の多層膜Tと対向する側の側面40aは、及び第2フリー磁性層37aの側面と対向する高さ位置まで成膜され、第1フリー磁性層37cの側面とは対向しないように形成されている。ただし、図6に示されるように、第1ハードバイアス層40の側面40aが、固定磁性層35の側面、非磁性材料層36の側面、第2フリー磁性層37a、非磁性中間層37b、及び第1フリー磁性層37cの側面と対向するようにしてもよい。
【0217】
第1ハードバイアス層40は、フリー磁性層37を構成する第2フリー磁性層37aと第1フリー磁性層37cのうち、第2フリー磁性層37aの磁化方向のみをそろえている。第2フリー磁性層37aの磁化方向が一定方向に揃えられると、第1フリー磁性層37cは磁化方向が反平行となるフェリ磁性状態となり、フリー磁性層37全体の磁化方向が一定方向に揃えられる。
【0218】
本実施の形態では、第1ハードバイアス層40は図示X方向の静磁界を、主に第2フリー磁性層37aに与える。従って、第1ハードバイアス層40から発生する図示X方向の静磁界によって、第1フリー磁性層37cの磁化方向(図示X方向と逆向き)が乱されることを抑えることができる。
【0219】
次に図15に示す工程では、基板30表面の法線方向に対し所定の角度θ3から、中間層41,41上に第1電極層43を成膜する。第1電極層43は、多層膜Tの両側領域に、トラック幅方向に所定の間隔Sp3を開けて形成された一対の電極からなる。
【0220】
この際、第1電極層43を、多層膜T上に設けられたレジスト層R1の下面に形成された切り込み部R1a,R1a内にまで成膜してもよい。
【0221】
なお、第1電極層43を形成するときには、図11に示されるように、第1電極層43のハイト方向の奥行長さZ1を、多層膜Tのハイト方向の奥行長さZ2より長く形成することが好ましい。
【0222】
そしてレジスト層R1を、レジスト剥離液を用いながらリフトオフによって除去した後、図16に示すように、切り込み部R2a,R2aの形成されたリフトオフ用のレジスト層R2を多層膜T及び第1電極層43上に形成する。
【0223】
次に、エッチングにより第1電極層43、中間層41、第1ハードバイアス層40を削り込む。本工程では、エッチングレート及びエッチング時間を制御し、第1ハードバイアス層40を全て削り取らず残るようする。
【0224】
次に、基板30表面の法線方向に対し所定の角度θ4から、第1ハードバイアス層40上に第2ハードバイアス層42、中間層50、第2電極層51を連続成膜する。
【0225】
このようにして、第1ハードバイアス層40の上層に、多層膜T側の側面40aが多層膜Tの側面Tsから所定距離Spだけ離れた位置にある第2ハードバイアス層42が積層されている磁気検出素子を形成することができる。所定距離Spは、第2ハードバイアス層42から発生する磁界が多層膜T中のフリー磁性層37に直接的に作用しない距離として設定される。なお、第2ハードバイアス層42は第1ハードバイアス層40上に直接接して積層されている。
【0226】
第1ハードバイアス層40及び第2ハードバイアス層42は例えば、Co−Pt(コバルト−白金)合金やCo−Cr−Pt(コバルト−クロム−白金)合金などで形成される。 また、第1ハードバイアス層40及び第2ハードバイアス層42は成膜後、図示X方向(トラック幅方向)に着磁される。
【0227】
なお、第1ハードバイアス層40の膜厚t1よりも第2ハードバイアス層42の膜厚t2を厚くすることが好ましい。
【0228】
第2ハードバイアス層42、中間層50、第2電極層51を成膜するときには、例えば、多層膜Tが形成された基板30に対し、第2ハードバイアス層42、中間層50、第2電極層51の組成で形成されたターゲットを斜めに傾けて、前記ターゲットを前記基板30上で移動または回転させながら、イオンビームスパッタ法、ロングスロースパッタ法、コリメーションスパッタ法のいずれかまたはそれらを組み合わせたスパッタ法により成膜する。
【0229】
または、前記ターゲットを固定して基板30側を、前記ターゲットに対し斜め方向に移動または回転させてもよい。
【0230】
なお、第2ハードバイアス層42、中間層50、第2電極層51を成膜するときの成膜角度θ4を、第1電極層43を成膜するときの成膜角度θ3よりも大きくすることが好ましい。成膜角度θ4>成膜角度θ3とすることにより、多層膜T表面に平行な平面と第2電極層51の前端縁の接平面とがなす角度θ2を、多層膜T表面に平行な平面と第1電極層43の前端縁の接平面とがなす角度θ1より小さくできる。
【0231】
θ1>θ2とすると、多層膜Tに直接接続される第1電極層43から多層膜Tへの電流の供給を安定化することができる。
【0232】
また、多層膜Tの両側近傍における上部シールド層45と下部シールド層31間の距離が大きくなることを抑え、かつ磁気検出素子の直流抵抗値を小さくするために、第2電極層51の膜厚t4を、第1電極層43の膜厚t3より厚くすることが好ましい。
【0233】
また、多層膜Tと電気的に接続される第1電極層43を、磁気検出素子の記録媒体との対向面を研磨して直流抵抗値を調節する工程においてスメアが発生しにくいように、W,Ta,Rh,Ir,Ruなどの硬性の材料を用いて形成し、第2電極層51をCr、Cu,Au,Taなどの比抵抗の小さい材料を用いて形成することが好ましい。
【0234】
そしてレジスト層R2を、レジスト剥離液を用いながらリフトオフによって除去した後、多層膜T、第1電極層43及び第2電極層51上に、図18に示すように、上部ギャップ層44を成膜する。
【0235】
さらに、図19に示す工程では、多層膜T及び第1電極層43上の一部と重なる領域に、切り込み部の形成されたリフトオフ用のレジスト層R3を積層し、基板30に対し斜め方向から第1電極層43上の一部及び第2電極層51上の全ての領域と重なる絶縁層52を成膜する。
【0236】
レジスト層R3を、レジスト剥離液を用いながらリフトオフによって除去した後、図20に示すように、上部ギャップ層44及び絶縁層52上に上部シールド層45を成膜し、上部シールド層45上に保護層46を成膜する工程を経て、図3の磁気検出素子が完成する。
【0237】
なお、上記した磁気検出素子の製造方法において、第1電極層43と、第2電極層51のうち、第1電極層43のみと重なる領域であって、絶縁層52と重ならない領域S1,S1における上部シールド層45と下部シールド層31間の距離をGls、多層膜Tの中央Cと重なる位置における上部シールド層45と下部シールド層31間の距離をGlcとしたときに、前記Glsと前記Glcの差の値を、磁気検出素子の実効トラック幅が0.17μmとなる値以下となるように、磁気検出素子を構成する各層の膜厚を設定することが好ましい。
【0238】
具体的には、前記Glsと前記Glcの値を、Glc−20nm≦Gls≦Glc+90nmを満たす範囲に設定することが好ましい。より好ましくは、前記Glsと前記Glcの値を、Glc−20nm≦Gls≦Glc+70nmを満たす範囲に設定することである。さらに好ましくは、前記Glsと前記Glcの値を、Glc−20nm≦Gls≦Glc+30nmを満たす範囲に設定することである。
【0239】
あるいは、前記Glsと前記Glcの値を、0.67≦Gls/Glc≦2.50を満たす範囲に設定することが好ましい。より好ましくは、前記Glsと前記Glcの値を、0.67≦Gls/Glc≦2.17を満たす範囲に設定することである。さらに好ましくは、前記Glsと前記Glcの値を、0.67≦Gls/Glc≦1.50を満たす範囲に設定することである。
【0240】
前記GlsとGlcの差の値を所定の値以下とすることによって、多層膜Tの両側近傍における上部シールド層45と下部シールド層31間の距離が大きくなることを抑え、実効トラック幅E−Twを小さくすることができる。
【0241】
また、本実施の形態でも、多層膜T近傍においては薄い第1電極層を単層とし、多層膜Tから離れたところの膜厚を、第1電極層上に第2電極層を積層することによって大きくしている。
【0242】
この結果、多層膜Tの両側近傍における上部シールド層45と下部シールド層31間の距離を小さくしつつ、磁気検出素子の直流抵抗値を小さくすることができる。
【0243】
また、多層膜T近傍において、第1電極層43を薄く形成できるので、多層膜Tの表面と第1電極層43の側面42aとによって形成される段差Dを低くできる。従って、上部ギャップ層44の膜厚を小さくしても、この段差D上に上部ギャップ層44が確実に形成されるようにできる。すなわち、上部シールド層45と第2電極層51との間の電気的短絡をより確実に防止できるようになる。
【0244】
以上、図3に示された磁気検出素子の製造方法について説明した。
なお、上記製造工程において絶縁層52の形成を省略してもよい。また、前記Glsと前記Glcの値の上述した範囲内で、前記Glsと前記Glcの値をGls>Glcとしても、Gls=Glcとしても、Gls<Glcとしてもよい。
【0245】
また、図17の工程において、中間層50及び第2電極層51の形成を省略することにより図1または図2に示された磁気検出素子を形成できる。
【0246】
また、図15の工程において、中間層41及び第1電極層43の形成を省略することにより、図4の磁気検出素子を形成できる。
【0247】
図7の磁気検出素子を形成するときには、マイクロトラックプロファイル法などを用いて多層膜Tの不感領域dの幅寸法を、予め別の磁気ヘッドを用いて測定しておき、この不感領域d上のみを覆うように、リフトオフ用のレジスト層を形成し、第1電極層43を成膜するときに、前記レジスト層の切り込み部内にまで、第1電極層43を形成すればよい。
【0248】
図8に示された磁気検出素子を形成するときには、図21に示されるように、バイアス下地層39,39を基板30の表面に対する法線方向から成膜すればよい。例えば、バイアス下地層39,39をスパッタ成膜するためのターゲットを基板30に平行となるように対向させ、スパッタ粒子Saの角度分布が狭く直進性のよい方法(イオンビームスパッタ法、ロングスロースパッタ法、コリメーションスパッタ法のいずれかまたはそれらを組み合わせたスパッタ法)によって形成する。これにより、多層膜Tの側面に堆積するスパッタ粒子がほとんどなく、多層膜T中の反強磁性層34の延出部34b上にのみ成膜されるようにできる。
【0249】
さらに、第1ハードバイアス層40を等方性または異方性のスパッタ法を用いて成膜することにより、図8に示されるように、第1ハードバイアス層40多層膜T側の側面40aが、第2フリー磁性層37aの側面と直接接するようにできる。すると、第1ハードバイアス層40と第2フリー磁性層37aが磁気的に連続体となり、第2フリー磁性層37aの側端部において反磁界が発生することを防ぐことができ、安定性が増す。
【0250】
レジスト層R1の端部R1bの位置と、スパッタ粒子Saの角度分布及び直進性を設定することにより、バイアス下地層39が多層膜Tの側面上に全く形成されないようにすること、第2フリー磁性層37aの側面上に形成されない範囲でバイアス下地層39が多層膜Tの側面上に形成されるようにすること、第1ハードバイアス層40と第2フリー磁性層37a間のバイアス下地層39の膜厚が1nm以下となるようにバイアス下地層39が多層膜Tの側面上に形成されるようにすること、のうちいずれかになるようにできる。
【0251】
また、3層以上の電極層を形成するためには、切り込み部の形成されたリフトオフ用のレジスト層を多層膜Tから既に形成された複数層の電極層のうち最上層の電極層上にかけて形成し、前記最上層の電極層上にさらに別の電極層を、前記基板の法線方向に対し所定の成膜角度から成膜し、その後前記レジスト層を除去する工程を繰り返せばよい。
【0252】
図12から図15に示された工程において、多層膜Tをマスクするレジスト層を2層レジスト法、イメージリバース法などによって形成された切り欠き部R1a,R1aを有するリフトオフ用のレジスト層R1としている。
【0253】
ただし、本発明では、図22に示されるように、切り欠き部を有さないレジスト層R4を用いて、形成する磁気検出素子の光学トラック幅O−Twの領域を覆う領域をマスクしてもよい。光学トラック幅O−Twを0.2μm以下の幅寸法で形成するときには、電子ビームリソグラフィーなどを用いて、切り欠き部を有さないレジスト層R4を形成することが有効である。
【0254】
レジスト層R4の形成後、図23に示すごとくエッチングにより多層膜Tの両側を削り込む。
【0255】
さらに図24に示す工程では、多層膜Tの両側に、バイアス下地層39,39、第1ハードバイアス層40,40、中間層41,41、及び第1電極層43,43を成膜する。
【0256】
本発明では、多層膜T近傍において第1電極層43を薄く形成でき、多層膜Tの表面と第1電極層43の側面とによって形成される段差Dの高さ寸法を低くできる。従って、レジスト層R4が切り欠き部を有さなくとも、第1電極層43の成膜後にレジスト層R4を確実に除去できる。
【0257】
なお、本発明の磁気検出素子に記録用のインダクティブヘッドを積層して、記録再生複合型磁気ヘッドを構成してもよい。
【0258】
また、本発明のハードバイアス層の構成は、CPPGMR型磁気検出素子、TMR(トンネル効果磁気抵抗効果)型磁気検出素子のフリー磁性層を単磁区化するために用いることもできる。
【0259】
【実施例】
図3に示された構造の磁気検出素子を用いて浮上式磁気ヘッドを形成し、磁気検出素子の多層膜Tの中央Cと重なる位置における上部シールド層45と下部シールド層31間の距離Glcを固定し、第1電極層43のみと重なる領域であって、絶縁層52と重ならない領域S1,S1における上部シールド層45と下部シールド層31間の距離Glsを変化させたときの実効トラック幅(effective read width)E−Twを測定した。
【0260】
実効トラック幅E−Twの測定は、先に説明したフルトラックプロファイル法を用いて行った(図26参照)。
【0261】
測定に用いた磁気検出素子のGlcは60nm、光学的トラック幅O−Twを0.15μm、多層膜Tのハイト方向奥行長さZ2を0.1μm、記録媒体からの磁気的な浮上量を18nmとした。また、第1ハードバイアス層40の残留磁化×膜厚の値を7.5T・nmとしたときと21.7T・nmとしたときの2通りの場合について調べた。
【0262】
図25に、前記GlsとGlcの差の値と実効トラック幅E−Twとの関係を示すグラフを示す。
【0263】
図25のグラフから、前記Glsの値が小さくなると実効トラック幅E−Twが小さくなることが分かる。
【0264】
第1ハードバイアス層40の残留磁化×膜厚の値を7.5T・nmとした場合、実効トラック幅E−Twを0.17μm以下にするためには、前記GlsとGlcの差の値を90nm以下とすればよいことが分かる。さらに、前記GlsとGlcの差の値を70nm以下とすれば、実効トラック幅E−Twを0.167μm以下にでき、前記GlsとGlcの差の値を30nm以下とすれば、実効トラック幅E−Twを0.165μm以下にできる。
【0265】
また、第1ハードバイアス層40の残留磁化×膜厚の値を21.7T・nmとした場合、前記GlsとGlcの差の値を70nm以下とすれば、実効トラック幅E−Twを0.16μm以下にでき、前記GlsとGlcの差の値を30nm以下とすれば、実効トラック幅E−Twを0.157μm以下にできる。
【0266】
なお、充分な厚さの第1ハードバイアス層40を形成するためには、Gls−Glc≧−20nmとすることが好ましい。
【0267】
これらの結果から、本発明では、前記Glsと前記Glcの値を、Glc−20nm≦Gls≦Glc+90nmを満たす範囲に設定することが好ましいとし、より好ましくは、Glc−20nm≦Gls≦Glc+70nmを満たす範囲に設定すること、さらに好ましくは、Glc−20nm≦Gls≦Glc+30nmを満たす範囲に設定することとした。
【0268】
また、前記Glcが60nmであることと、上記前記Glsと前記Glcの好ましい値の範囲とから、前記Glsと前記Glcの値を、0.67≦Gls/Glc≦2.50を満たす範囲に設定することが好ましいとし、より好ましくは、0.67≦Gls/Glc≦2.17を満たす範囲に設定すること、さらに好ましくは、0.67≦Gls/Glc≦1.50を満たす範囲に設定することとした。
【0269】
【発明の効果】
以上詳細に説明した本発明では、第1ハードバイアス層の膜厚を薄くすることにより、前記フリー磁性層の磁化方向をそろえる前記第1ハードバイアス層の静磁界の強さを弱くすることができる。すなわち、前記ハードバイアス層の前記フリー磁性層と近接している部分における残留磁化×膜厚の値を小さくできる。
【0270】
従って、前記多層膜に形成される不感領域の幅寸法を小さくし、感度領域を広くでき、磁気検出素子の感度を向上させることができる。
【0271】
さらに、前記多層膜の側面から所定距離離れた位置では、前記第2ハードバイアス層が前記第1ハードバイアスの上層または下層に直接接して積層されることによって前記ハードバイアス層の膜厚が厚くされており、ハードバイアス層の保磁力Hcや角型比を大きくできる。従って、外乱の磁界が存在していても、前記フリー磁性層を安定した単磁区化状態にしておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側から見た断面図、
【図2】本発明の第2の実施の形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側から見た断面図、
【図3】本発明の第3の実施の形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側から見た断面図、
【図4】本発明の第4の実施の形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側から見た断面図、
【図5】本発明の第5の実施の形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側から見た断面図、
【図6】本発明の第6の実施の形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側から見た断面図、
【図7】本発明の第7の実施の形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側から見た断面図、
【図8】本発明の第8の実施の形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側から見た断面図、
【図9】本発明の第9の実施の形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側から見た断面図、
【図10】本発明の第10の実施の形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側から見た断面図、
【図11】図3に示された磁気検出素子の多層膜Tと第1電極層43と第2電極層51を図3の図示上方から見た平面図、
【図12】本発明の磁気検出素子の製造方法の実施の形態を示す一工程図、
【図13】本発明の磁気検出素子の製造方法の実施の形態を示す一工程図、
【図14】本発明の磁気検出素子の製造方法の実施の形態を示す一工程図、
【図15】本発明の磁気検出素子の製造方法の実施の形態を示す一工程図、
【図16】本発明の磁気検出素子の製造方法の実施の形態を示す一工程図、
【図17】本発明の磁気検出素子の製造方法の実施の形態を示す一工程図、
【図18】本発明の磁気検出素子の製造方法の実施の形態を示す一工程図、
【図19】本発明の磁気検出素子の製造方法の実施の形態を示す一工程図、
【図20】本発明の磁気検出素子の製造方法の実施の形態を示す一工程図、
【図21】本発明の磁気検出素子の製造方法の実施の形態を示す一工程図、
【図22】本発明の磁気検出素子の製造方法の実施の形態を示す一工程図、
【図23】本発明の磁気検出素子の製造方法の実施の形態を示す一工程図、
【図24】本発明の磁気検出素子の製造方法の実施の形態を示す一工程図、
【図25】前記GlsとGlcの差の値と実効トラック幅との関係を示すグラフ、
【図26】フルトラックプロファイル法を説明するためのグラフ、
【図27】従来の磁気検出素子を記録媒体との対向面側から見た断面図、
【符号の説明】
31 下部シールド層
32 下部ギャップ層
33 下地層
34 反強磁性層
35 固定磁性層
35a 第1固定磁性層
35b 非磁性中間層
35c 第2固定磁性層
36 非磁性材料層
37 フリー磁性層
37a 第2フリー磁性層
37b 非磁性中間層
37c 第1フリー磁性層
38 保護層
39 バイアス下地層
40 第1ハードバイアス層
41 中間層
42 第2ハードバイアス層
43 第1電極層
44 上部ギャップ層
45 上部シールド層
46 保護層
51 第2電極層
T、T1、T2 多層膜
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a magnetic detection element that detects a magnetic field using a magnetoresistive effect, and more particularly to a magnetic detection element that can reduce the effective track width and cope with a higher recording density and a method for manufacturing the same.
[0002]
[Prior art]
FIG. 27 is a cross-sectional view of a conventional magnetic detection element as seen from the side facing the recording medium.
[0003]
In the magnetic sensing element shown in FIG. 27, a lower gap layer 9 is stacked on the lower shield layer 8, and an antiferromagnetic layer 11 is formed on the lower gap layer 9 with an underlayer 10 interposed therebetween in the illustrated X direction. At the center in the X direction, the antiferromagnetic layer 11 is formed so as to protrude by a height dimension d1. A pinned magnetic layer 12, a nonmagnetic conductive layer 13, a free magnetic layer 14, and a protective layer 15 are formed on the protruding antiferromagnetic layer 11, and the laminate from the underlayer 10 to the protective layer 15 is a multilayer film. 16.
[0004]
The antiferromagnetic layer 11 is made of an antiferromagnetic material such as a Pt—Mn (platinum-manganese) alloy.
[0005]
The fixed magnetic layer 12 and the free magnetic layer 14 are formed of a Ni—Fe (nickel-iron) alloy, Co (cobalt), a Co—Fe (cobalt-iron) alloy, a Co—Fe—Ni alloy, or the like. The nonmagnetic conductive layer 13 is formed of a nonmagnetic conductive material having a low electrical resistance such as Cu (copper).
[0006]
27, from the width T8 of the antiferromagnetic layer 11 formed to extend in the X direction in the drawing to the side surfaces of the pinned magnetic layer 12, the nonmagnetic conductive layer 13, and the free magnetic layer 14. A buffer film made of Cr, etc. and a metal film 17 serving as an alignment film are formed. By forming the metal film 17, a bias magnetic field generated from a hard bias layer 18 described later can be increased.
[0007]
A hard bias layer 18 made of, for example, a Co—Pt (cobalt-platinum) alloy or a Co—Cr—Pt (cobalt-chromium-platinum) alloy is formed on the metal film 17.
[0008]
The hard bias layer 18 is magnetized in the X direction (track width direction) in the figure, and the magnetization of the free magnetic layer 14 is aligned in the X direction in the figure by a bias magnetic field from the hard bias layer 18 in the X direction.
[0009]
An intermediate layer 19 formed of a nonmagnetic material such as Ta is formed on the hard bias layer 18, and an electrode layer 20 formed of Cr, Au, Ta, W, or the like is formed on the intermediate layer 19. Is formed.
[0010]
Further, an upper gap layer 21 made of an insulating material is laminated on the multilayer film 16 and the electrode layer 20, and an upper shield layer 22 made of a magnetic material is formed on the upper gap layer 21.
[0011]
Here, the width dimension of the upper surface of the multilayer film 16 on which the electrode layer 20 is not formed is the optical track width dimension O-Tw.
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
In the free magnetic layer 14, the magnetization in the vicinity of the side end thereof is easily fixed because it is affected by the strong magnetic field from the hard bias layers 18 and 18, and the magnetization is less likely to fluctuate with respect to the external magnetic field. As shown in FIG. 2, a dead area d with low reproduction sensitivity is formed near the side edge of the multilayer film 16. This insensitive area d hardly contributes to the reproduction output in the vicinity of both sides, and is merely an area for increasing the direct current resistance (DCR).
[0013]
In recent years, the recording density of magnetic recording media has been increased, and the track width Tw of the thin film magnetic element has been minimized in order to cope with it, and the ratio of the width dimension of the insensitive area to the track width Tw has increased. It has become difficult to accurately control the width dimension of the sensitivity region e that exhibits a resistance effect. Further, when the ratio of the width dimension of the insensitive area to the track width Tw increases, the reproduction output also decreases.
[0014]
As a method of reducing the width dimension of the dead region d, a method of reducing the thickness of the hard bias layer 18 and reducing the value of residual magnetization × film thickness is conceivable.
[0015]
However, when the hard bias layer 18 is simply thinned, the coercive force Hc and the squareness ratio of the hard bias layer 18 near the junction between the hard bias layer 18 and the free magnetic layer 14 are reduced, and the free magnetic layer 14 is stabilized. It will not be possible to keep it in a magnetic domain.
[0016]
The present invention is to solve the above-described conventional problems, and a magnetic detection element capable of reducing the width of a dead region in a multilayer film while stably maintaining a single magnetic domain state of a free magnetic layer, and It aims at providing the manufacturing method.
[0017]
[Means for Solving the Problems]
  The present inventionMagnetic sensing element inIs
  Multilayer film having an antiferromagnetic layer, a fixed magnetic layer whose magnetization direction is fixed by an exchange coupling magnetic field with the antiferromagnetic layer, a nonmagnetic material layer, and a free magnetic layer whose magnetization fluctuates with respect to an external magnetic fieldHave
On both sides of the multilayer film, a first hard bias layer is formed of a hard magnetic material and aligns the magnetization direction of the free magnetic layer in a direction crossing the fixed magnetization direction of the fixed magnetic layer, and a first hard bias layer A second hard bias layer formed of a hard magnetic layer is provided on the bias layer,
The second hard bias layer is located farther from the side surface of the multilayer film than the first hard bias layer, and between the side surface of the multilayer film and the second hard bias layer and the first hard bias layer. A non-magnetic layer is interposed at a position overlapping the hard bias layer 1It is characterized by that.
[0018]
In the present invention, by reducing the film thickness of the first hard bias layer, the static magnetic field strength of the first hard bias layer that aligns the magnetization direction of the free magnetic layer is reduced, or the free magnetic layer And the ferromagnetic coupling of the first hard bias layer can be weakened. That is, the value of the residual magnetization × film thickness in the portion of the hard bias layer close to the free magnetic layer can be reduced.
[0019]
Therefore, the width of the dead area formed in the multilayer film can be reduced, the sensitivity area can be widened, and the sensitivity of the magnetic detection element can be improved.
[0020]
  Further, the side surface of the multilayer filmIncludes a nonmagnetic layer formed at a position overlapping the first hard bias layer, and a second hard bias layer is formed on the first hard bias layer away from the side surface of the multilayer film via the nonmagnetic layer. Is formed. thisThus, the thickness of the hard bias layer is increased, and the coercive force Hc and the squareness ratio of the hard bias layer can be increased. Therefore, even if a disturbance magnetic field exists, the free magnetic layer can be kept in a stable single domain state.
[0021]
In the present invention, in order to increase the coercive force Hc and the squareness ratio of the hard bias layer while reducing the width dimension of the insensitive region formed in the multilayer film, the film thickness of the first hard bias layer is increased. It is preferable to increase the thickness of the second hard bias layer.
[0022]
  The first hard bias layerofMulti-layer sideIsA side surface of the free magnetic layer;,It is preferable that the hard bias layer and the free magnetic layer are opposed to each other via a bias underlayer made of a nonmagnetic material and having a film thickness of 1 nm or less because the magnetic field becomes a magnetic continuum due to ferromagnetic coupling and stability is increased.
[0023]
  In the present invention, the multilayer film and the hard bias layer are a lower shield made of a magnetic material formed on a substrate.layerAn upper gap layer made of an insulating material is formed on the lower gap layer made of an insulating material and is laminated on the multilayer film and the hard bias layer, and a magnetic material is laminated on the upper gap layer. An upper shield layer made of
  Of the first hard bias layer and the second hard bias layer, a distance between the upper shield layer and the lower shield layer in a region overlapping only the first hard bias layer is Gls, and a position overlapping the center of the multilayer film. When the distance between the upper shield layer and the lower shield layer is Glc,
  It is preferable that the difference between Gls and Glc is set to be equal to or less than a value at which the effective track width of the magnetic detection element is 0.17 μm.
[0024]
Since the first hard bias layer is provided adjacent to both sides of the multilayer film, the distance Gls between the upper shield layer and the lower shield layer in a region overlapping only the first hard bias layer is the multilayer film. That is, the distance between the upper shield layer and the lower shield layer in the vicinity of both sides.
[0025]
When the distance between the upper shield layer and the lower shield layer in the vicinity of both sides of the multilayer film is increased, the distance is generated from the recording tracks on both sides of the recording track to be detected through the upper shield layer and the lower shield layer. The magnetic field from the recording medium easily enters the magnetic detection element, and the effective track width increases. That is, crosstalk between recording tracks tends to occur.
[0026]
In fact, as will be described later, as the difference between Gls and Glc increases, the effective track width of the magnetic detection element also increases.
[0027]
In the present invention, by setting the difference between Gls and Glc to be equal to or less than a predetermined value, the distance between the upper shield layer and the lower shield layer in the vicinity of both sides of the multilayer film is suppressed, and the effective track width is reduced. Can be small.
[0028]
Further, it is preferable that an insulating layer is formed so as to overlap a part on the first hard bias layer and all the regions on the second hard bias layer.
[0029]
When the insulating layer is formed, the upper shield in a region of the first hard bias layer and the second hard bias layer that overlaps only the first hard bias layer and does not overlap the insulating layer. When the distance between the upper shield layer and the lower shield layer is Glc, and the distance between the upper shield layer and the lower shield layer at the position overlapping the center of the multilayer film is Glc,
It is preferable that the difference between Gls and Glc is set to be equal to or less than a value at which the effective track width of the magnetic detection element is 0.17 μm.
[0030]
Moreover, it is preferable to set the values of Gls and Glc in a range satisfying Glc−20 nm ≦ Gls ≦ Glc + 90 nm. More preferably, the values of Gls and Glc are set in a range satisfying Glc−20 nm ≦ Gls ≦ Glc + 70 nm. More preferably, the values of Gls and Glc are set in a range satisfying Glc−20 nm ≦ Gls ≦ Glc + 30 nm.
[0031]
Or it is preferable to set the value of the said Gls and the said Glc in the range which satisfy | fills 0.67 <= Gls / Glc <= 2.50. More preferably, the values of Gls and Glc are set in a range satisfying 0.67 ≦ Gls / Glc ≦ 2.17. More preferably, the values of Gls and Glc are set in a range satisfying 0.67 ≦ Gls / Glc ≦ 1.50.
[0032]
Note that the Gls and Glc values may be Gls> Glc, Gls = Glc, or Gls <Glc within the above-described range of the Gls and Glc values.
[0033]
If Gls> Glc, the distance between the upper shield layer and the lower shield layer in the vicinity of both sides of the multilayer film is greater than the distance (gap length) between the upper shield layer and the lower shield layer in the region overlapping the multilayer film. large.
[0034]
If Gls = Glc, the distance between the upper shield layer and the lower shield layer in the vicinity of both sides of the multilayer film is the distance (gap length) between the upper shield layer and the lower shield layer in the region overlapping the multilayer film. equal.
[0035]
If Gls <Glc, the distance between the upper shield layer and the lower shield layer in the vicinity of both sides of the multilayer film is greater than the distance (gap length) between the upper shield layer and the lower shield layer in the region overlapping the multilayer film. small.
[0036]
  In the present invention,The nonmagnetic layer is a first electrode layer, and the first electrode layer isDirectly electrically connected to the multilayer filmRukoThus, an electric current can be effectively applied to the multilayer film.
[0037]
Furthermore, it is preferable to have a second electrode layer which is formed at a position overlapping the second hard bias layer and is directly electrically connected to the first electrode layer.
[0038]
In order to reduce the effective track width, the thickness of the first hard bias layer and the first electrode layer is reduced, and the distance between the upper shield layer and the lower shield layer in the vicinity of both sides of the multilayer film is reduced. As a result, the DC resistance value of the magnetic detection element increases.
[0039]
When the second electrode layer is formed at a position overlapping the second hard bias layer, the DC resistance of the magnetic sensing element is reduced while reducing the distance between the upper shield layer and the lower shield layer in the vicinity of both sides of the multilayer film. The value can be reduced.
[0040]
The angle formed between the plane parallel to the surface of the multilayer film and the tangent plane of the front edge of the second electrode layer is such that the plane parallel to the surface of the multilayer film and the tangent plane of the front edge of the first electrode layer are It is preferably smaller than the angle formed. The second electrode layer is preferably thicker than the first electrode layer.
[0041]
In the present invention, the DC resistance value of the magnetic detection element can be reduced by making the depth length in the height direction of the first electrode layer longer than the depth length in the height direction of the multilayer film.
[0042]
  The first electrode layer may be any one of W, Ta, Rh, Ir, and Ru so that smear is less likely to occur in the step of adjusting the DC resistance value by polishing the surface of the magnetic detection element facing the recording medium. Or a material having a low specific resistance such as one or more of Cr, Cu, Au and Ta. Is preferred.
The nonmagnetic layer may be an upper gap layer formed over the multilayer film, the first hard bias layer, and the second hard bias layer.
[0043]
The effective track width is measured by a full track profile method or a micro track profile method. The full track profile method will be described below with reference to FIG.
[0044]
A signal is recorded on a recording medium with a recording track having a recording track width Ww wider than the element width of the magnetic detection element R, and the magnetic detection element R is scanned in the track width direction (X direction) on the recording track. Then, the relationship between the position of the magnetic detection element R in the recording track width direction (X direction) and the reproduction output is measured. The measurement result is shown on the upper side of FIG.
[0045]
Looking at the reproduction waveform of this measurement result, it can be seen that the reproduction output increases near the center of the recording track, and the reproduction output decreases as the distance from the center of the recording track increases.
[0046]
Intersections of the tangent line at point Pa and point Pb where the reproduction output on the reproduction waveform is 50% of the maximum value and the X axis are point Pc and point Pd, respectively. The difference between the distance A between the points Pc and Pd and the distance (half-value width) B between the points Pa and Pb is the effective track width of the magnetic detection element. Here, the unit of the X axis is normalized so that the half-value width B = the recording track width Ww.
[0047]
  The method of manufacturing the magnetic detection element of the present invention includes:
  (A) forming a lower shield layer, a lower gap layer, and a multilayer film exhibiting a magnetoresistive effect on the substrate;
  (B) forming a first resist layer on the multilayer film;
  (C) cutting the region of the multilayer film that is not covered by the first resist layer;
  (D) A first hard bias layer is formed on both sides of the multilayer film.Further, a first electrode layer is formed on the first hard bias layer.And a process of
  (E) removing the first resist layer;
  (F) The second resist layer for lift-off in which the cut portion is formed is used as the multilayer film and the first film.electrodeForming on a region overlapping the layer;
  (G) masked by the second resist layerScraping off the first electrode layer that is not,Scraping the first hard bias layer to a predetermined thickness;
  (H) laminating a second hard bias layer on the first hard bias layer cut to a predetermined thickness;
  (I) removing the second resist layer;
It is characterized by having.
Or the manufacturing method of the magnetic sensing element of the present invention comprises
(J) forming a lower shield layer, a lower gap layer, and a multilayer film exhibiting a magnetoresistive effect on the substrate;
(K) forming a first resist layer on the multilayer film;
(L) a step of cutting a region of the multilayer film that is not covered by the first resist layer;
(M) forming a first hard bias layer on both side regions of the multilayer film;
(N) removing the first resist layer;
(O) forming a lift-off second resist layer in which a cut portion is formed on a region overlapping the multilayer film and the first hard bias layer;
(P) scraping the first hard bias layer not masked by the second resist layer to a predetermined thickness;
(Q) laminating a second hard bias layer on the first hard bias layer cut to a predetermined thickness;
  (R) removing the second resist layer;
(S) forming an upper gap layer over the multilayer film, over the first hard bias layer and the second hard bias layer;
It is characterized by having.
[0048]
  Note that (h)Process, or (q)In the processSaidPreferably, the second hard bias layer is formed thicker than the first hard bias layer.
[0049]
  The above (d) Step or (m)In the step, before forming the first hard bias layer, a step of forming a bias underlayer made of a non-magnetic material from the normal direction of the substrate has a step of forming the first hard bias layer on the multilayer film side. The side surface of the free magnetic layer can be in direct contact with the side surface of the free magnetic layer, or the side surface on the multilayer film side of the first hard bias layer can be the bias underlayer having a thickness of 1 nm or less made of the side surface of the free magnetic layer It is preferable that the hard bias layer and the free magnetic layer can be made a magnetic continuum by ferromagnetic coupling.
[0050]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1 is a cross-sectional view of the magnetic detection element according to the first embodiment of the present invention as viewed from the side facing the recording medium.
[0051]
In FIG. 1, a synthetic ferri-pinned pinned magnetic layer 35 and a nonmagnetic material layer 36 comprising an underlayer 33, an antiferromagnetic layer 34, a first pinned magnetic layer 35a, a nonmagnetic intermediate layer 35b, and a second pinned magnetic layer 35c. A multilayer film T in which a synthetic ferrifree type free magnetic layer 37 composed of a second free magnetic layer 37a, a nonmagnetic intermediate layer 37b, a first free magnetic layer 37c, and a protective layer 38 are laminated is formed.
[0052]
Under the multilayer film T, a lower shield layer 31 and a lower gap layer 32 are formed on a substrate (not shown) via a base layer (not shown) made of an insulating material such as alumina. Yes.
[0053]
The antiferromagnetic layer 34 in the multilayer film T is extended in the X direction in the drawing, and the upper surface of the extension 34b, the side surface of the pinned magnetic layer 35, the side surface of the nonmagnetic material layer 36, and the side surface of the second free magnetic layer 37a. In contact with Cr, Ti, Mo, W50Mo50A bias underlayer 39 is formed by the above.
[0054]
A first hard bias layer 40 is formed on the bias base layer 39. In the first hard bias layer 40, the side surface 40 a on the multilayer film T side faces the side surface Ts of the multilayer film T with the bias base layer 39 interposed therebetween.
[0055]
A second hard bias layer 42 is stacked on the first hard bias layer 40. The side surface 42a on the multilayer film T side of the second hard bias layer 42 is provided at a position separated from the side surface Ts of the multilayer film T by a predetermined distance Sp. The predetermined distance Sp is set as a distance at which the magnetic field generated from the second hard bias layer 42 does not directly act on the free magnetic layer 37 in the multilayer film T. The second hard bias layer 42 is stacked on and in direct contact with the first hard bias layer 40.
[0056]
The first hard bias layer 40 and the second hard bias layer 42 are made of, for example, a Co—Pt (cobalt-platinum) alloy, a Co—Cr—Pt (cobalt-chromium-platinum) alloy, or the like in the X direction ( Magnetized in the track width direction).
[0057]
An intermediate layer 41 made of a nonmagnetic material such as Ta is formed on the first hard bias layer 40. On the intermediate layer 41, Cr, Au, Ta, W, Rh, Ir, Ru, or the like is formed. The formed electrode layer (first electrode layer) 43 is formed.
[0058]
Since the electrode layer 43 is formed at a position overlapping the first hard bias layer 40 and is directly electrically connected to the multilayer film T, a current can be effectively applied to the multilayer film T.
[0059]
An upper gap layer 44 is formed on the surface of the multilayer film T, the surface of the electrode layer 43, and the surface of the second hard bias layer 42, and an upper shield 45 is formed on the upper gap layer 44. The upper shield layer 45 is covered with a protective layer 46 made of an inorganic insulating material. Further, after forming an inductive head for recording on the upper shield layer 45, the whole may be covered with a protective layer.
[0060]
Lower shield layer 31, lower gap layer 32, underlayer 33, antiferromagnetic layer 34, pinned magnetic layer 35, nonmagnetic material layer 36, free magnetic layer 37, protective layer 38, bias underlayer 39, first hard bias layer 40, the intermediate layer 41, the second hard bias layer 42, the electrode layer 43, the upper gap layer 44, the upper shield layer 45, and the protective layer 46 are formed by a thin film formation process such as sputtering or vapor deposition.
[0061]
The lower shield layer 31 and the upper shield layer 45 are formed using a magnetic material such as NiFe. The lower shield layer 31 and the upper shield layer 45 preferably have easy axes of magnetization oriented in the track width direction (X direction in the drawing). The lower shield layer 31 and the upper shield layer 45 may be formed by an electrolytic plating process.
[0062]
The lower gap layer 32, the upper gap layer 44, and the protective layer 46 are made of Al.2OThreeAnd SiO2It is formed using a nonmagnetic inorganic material.
The underlayer 33 is formed using Ta, NiFeCr, or the like.
[0063]
The antiferromagnetic layer 34 is a PtMn alloy or an X—Mn alloy (where X is one or more elements of Pd, Ir, Rh, Ru, Os, Ni, and Fe), Alternatively, Pt—Mn—X ′ (where X ′ is one or more elements of Pd, Ir, Rh, Ru, Au, Ag, Os, Cr, Ni, Ar, Ne, Xe, Kr) ) Made of alloy.
[0064]
These alloys have an irregular face-centered cubic structure (fcc) immediately after film formation, but undergo structural transformation to a CuAuI-type ordered face-centered tetragonal structure (fct) by heat treatment.
[0065]
The film thickness of the antiferromagnetic layer 34 is 80 to 300 mm, for example 200 mm, near the center in the track width direction.
[0066]
Here, in the PtMn alloy and the X-Mn alloy for forming the antiferromagnetic layer 34, it is preferable that Pt or X is in the range of 37 to 63 at%. In the PtMn alloy and the alloy represented by the formula of X—Mn, it is more preferable that Pt or X is in the range of 47 to 57 at%. Unless otherwise specified, the upper and lower limits of the numerical range indicated by means the following.
[0067]
In the alloy represented by the formula of Pt—Mn—X ′, X ′ + Pt is preferably in the range of 37 to 63 at%. In the alloy represented by the formula of Pt—Mn—X ′, X ′ + Pt is more preferably in the range of 47 to 57 at%. Further, in the alloy represented by the formula of Pt—Mn—X ′, X ′ is preferably in the range of 0.2 to 10 at%. However, when X ′ is one or more elements of Pd, Ir, Rh, Ru, Os, Ni, and Fe, X ′ may be in the range of 0.2 to 40 at%. preferable.
[0068]
An antiferromagnetic layer 34 that generates a large exchange coupling magnetic field with the first pinned magnetic layer 35a can be obtained by using these alloys and heat-treating them. In particular, in the case of a PtMn alloy, an excellent antiferromagnetic layer 34 having an exchange coupling magnetic field of 48 kA / m or more, for example, exceeding 64 kA / m, and an extremely high blocking temperature of 380 ° C. at which the exchange coupling magnetic field is lost is obtained. Can do.
[0069]
The first pinned magnetic layer 35a and the second pinned magnetic layer 35c are formed of a ferromagnetic material, for example, NiFe alloy, Co, CoFeNi alloy, CoFe alloy, CoNi alloy, etc. It is preferably formed of an alloy or Co. The first pinned magnetic layer 35a and the second pinned magnetic layer 35c are preferably formed of the same material.
[0070]
The nonmagnetic intermediate layer 35b is formed of a nonmagnetic material, and is formed of one kind of Ru, Rh, Ir, Cr, Re, or Cu or an alloy of two or more kinds thereof. In particular, it is preferably formed of Ru.
[0071]
The nonmagnetic material layer 36 is a layer that prevents the magnetic coupling between the pinned magnetic layer 35 and the free magnetic layer 37 and that mainly causes a sense current to flow. The nonmagnetic material layer 36 is a non-conductive material such as Cu, Cr, Au, or Ag. Preferably, it is formed of a magnetic material. In particular, it is preferably formed of Cu.
[0072]
The first free magnetic layer 37c and the second free magnetic layer 37a are formed of a ferromagnetic material, for example, NiFe alloy, Co, CoFeNi alloy, CoFe alloy, CoNi alloy, etc. It is preferably formed of an alloy, a CoFeNi alloy, or a CoFe alloy.
[0073]
The nonmagnetic intermediate layer 37b is formed of a nonmagnetic material, and is formed of one kind of Ru, Rh, Ir, Cr, Re, or Cu or an alloy of two or more kinds thereof. In particular, it is preferably formed of Ru.
[0074]
The protective layer 38 is formed using Ta or the like.
The bias underlayer 39 has a crystal structure of bcc (body-centered cubic lattice), Cr, Ti, Mo, W50Mo50When the underlayer is formed using, for example, the coercive force and the squareness ratio of the first hard bias layer 40 and the second hard bias layer 42 are increased, and the bias magnetic field can be increased.
[0075]
The side surface 40a of the first hard bias layer 40 on the side facing the multilayer film T faces only the side surface of the pinned magnetic layer 35, the side surface of the nonmagnetic material layer 36, and the side surface of the second free magnetic layer 37a. It does not face the side surface of the first free magnetic layer 37c. Due to the bias magnetic field in the X direction from the hard bias layer 40, the magnetization of the second free magnetic layer 37a is aligned in the X direction in the drawing.
[0076]
In the free magnetic layer 37, a second free magnetic layer 37a and a first free magnetic layer 37c having different magnetic moments are stacked via a nonmagnetic intermediate layer 37b, and the second free magnetic layer 37a and the first free magnetic layer 37c are stacked. This is a ferrimagnetic state in which the magnetization direction of the layer 37c is antiparallel. At this time, the direction with a larger magnetic moment, for example, the magnetization direction of the second free magnetic layer 37a is directed to the direction of the magnetic field generated from the first hard bias layer 40, and the magnetization direction of the first free magnetic layer 37c is 180 degrees. It will be in the opposite direction.
[0077]
When the anti-parallel ferrimagnetic state in which the magnetization directions of the second free magnetic layer 37a and the first free magnetic layer 37c are 180 degrees different from each other is obtained, an effect equivalent to that of reducing the film thickness of the free magnetic layer 37 is obtained. The effective magnetic moment is reduced, the magnetization of the free magnetic layer 37 is easily changed, and the magnetic field detection sensitivity of the magnetic detection element is improved.
[0078]
The direction of the combined magnetic moment obtained by adding the magnetic moment of the second free magnetic layer 37 a and the magnetic moment of the first free magnetic layer 37 c becomes the magnetization direction of the free magnetic layer 37.
[0079]
However, only the magnetization direction of the second free magnetic layer 37 a contributes to the output in relation to the magnetization direction of the pinned magnetic layer 35.
[0080]
The first hard bias layer 40 only needs to align one of the magnetization directions of the second free magnetic layer 37a and the first free magnetic layer 37c constituting the free magnetic layer 37. In FIG. 1, only the magnetization direction of the second free magnetic layer 37a is aligned. When the magnetization direction of the second free magnetic layer 37a is aligned in a certain direction, the first free magnetic layer 37c is in a ferrimagnetic state in which the magnetization direction is antiparallel, and the entire magnetization direction of the free magnetic layer 37 is aligned in a certain direction. .
[0081]
In the present embodiment, the first hard bias layer 40 mainly applies a static magnetic field in the illustrated X direction to the second free magnetic layer 37a. Therefore, it is possible to suppress the magnetization direction (opposite to the X direction shown in the drawing) of the first free magnetic layer 37c from being disturbed by the static magnetic field in the X direction shown from the first hard bias layer 40.
[0082]
In FIG. 1, the first pinned magnetic layer 35 a and the second pinned magnetic layer 35 c having different magnetic moments are stacked via the nonmagnetic intermediate layer 35 b to function as one pinned magnetic layer 35.
[0083]
The first pinned magnetic layer 35 a is formed in contact with the antiferromagnetic layer 34, and is subjected to annealing in a magnetic field, whereby an exchange difference due to exchange coupling occurs at the interface between the first pinned magnetic layer 35 a and the antiferromagnetic layer 34. A isotropic magnetic field is generated, and the magnetization direction of the first pinned magnetic layer 35a is pinned in the Y direction in the figure. When the magnetization direction of the first pinned magnetic layer 35a is pinned in the Y direction in the figure, the magnetization direction of the second pinned magnetic layer 35c opposed via the nonmagnetic intermediate layer 35b is the magnetization direction of the first pinned magnetic layer 35a. And fixed in an antiparallel state.
[0084]
As described above, when the magnetization directions of the first pinned magnetic layer 35a and the second pinned magnetic layer 35c are antiparallel, the first pinned magnetic layer 35a and the second pinned magnetic layer 35c are separated from each other. Since the other magnetization direction is fixed to each other, the magnetization direction of the fixed magnetic layer 35 can be strongly fixed in a fixed direction as a whole.
[0085]
The direction of the combined magnetic moment obtained by adding the magnetic moment of the first pinned magnetic layer 35 a and the magnetic moment of the second pinned magnetic layer 35 c is the magnetization direction of the pinned magnetic layer 35.
[0086]
In FIG. 1, the first pinned magnetic layer 35a and the second pinned magnetic layer 35c are formed using the same material, and the respective magnetic moments are varied by varying the film thicknesses.
[0087]
Further, the demagnetizing field (dipole magnetic field) caused by the fixed magnetization of the first pinned magnetic layer 35a and the second pinned magnetic layer 35c cancels each other out of the static magnetic field coupling of the first pinned magnetic layer 35a and the second pinned magnetic layer 35c. Cancel by matching. Thereby, the contribution to the variable magnetization of the free magnetic layer 37 from the demagnetizing field (dipole magnetic field) due to the fixed magnetization of the fixed magnetic layer 35 can be reduced.
[0088]
Therefore, it becomes easier to correct the direction of the variable magnetization of the free magnetic layer 37 to a desired direction, and it is possible to obtain a spin valve thin film magnetic element with small asymmetry and excellent symmetry.
[0089]
Here, the asymmetry indicates the degree of asymmetry of the reproduction output waveform. When the reproduction output waveform is given, the asymmetry becomes small if the waveform is symmetric. Therefore, the closer the asymmetry is to 0, the better the reproduced output waveform is.
[0090]
The asymmetry is 0 when the direction of magnetization of the free magnetic layer 37 and the direction of fixed magnetization of the fixed magnetic layer 35 are orthogonal to each other. If the asymmetry deviates greatly, the information cannot be read accurately from the media, which causes an error. For this reason, the smaller the asymmetry, the more reliable the reproduction signal processing, and the better the spin valve thin film magnetic element.
[0091]
Further, the demagnetizing field (dipole magnetic field) Hd due to the fixed magnetization of the fixed magnetic layer has a non-uniform distribution that is large at the end and small at the center in the element height direction, and is a single magnetic domain in the free magnetic layer 37. However, if the pinned magnetic layer 35 has the above-described laminated structure, the dipole magnetic field Hd can be made substantially Hd = 0, thereby forming a domain wall in the free magnetic layer 37 and magnetizing. It is possible to prevent the occurrence of non-uniformity and Barkhausen noise.
[0092]
If an intermediate layer 41 made of Ta or Cr is provided between the electrode layer 43 and the first hard bias layer 40, thermal diffusion can be prevented, and the magnetic characteristics of the first hard bias layer 40 are deteriorated. Can be prevented.
[0093]
When Ta is used as the electrode layer 43, by providing the Cr intermediate layer 41, the crystal structure of Ta stacked on the upper layer of Cr can be easily changed to a low-resistance body-centered cubic structure.
[0094]
When Cr is used as the electrode layer 43, by providing the Ta intermediate layer 41, Cr grows epitaxially and the resistance value can be reduced.
[0095]
The magnetic detection element shown in FIG. 1 is a so-called spin-valve type magnetic detection element. The magnetization direction of the fixed magnetic layer 35 is appropriately fixed in a direction parallel to the Y direction in the figure, and the magnetization of the free magnetic layer 37. Are properly aligned in the illustrated X direction, and the magnetizations of the pinned magnetic layer 35 and the free magnetic layer 37 are orthogonal to each other. Then, the magnetization of the free magnetic layer 37 fluctuates with high sensitivity to an external magnetic field from the recording medium, and the electric resistance changes depending on the relationship between the fluctuation of the magnetization direction and the fixed magnetization direction of the fixed magnetic layer 35. A leakage magnetic field from the recording medium is detected by a voltage change based on the value change.
[0096]
However, it is the relative angle between the magnetization direction of the second pinned magnetic layer 35c and the magnetization direction of the second free magnetic layer 37a that directly contributes to the change (output) of the electrical resistance value. It is preferable that they are orthogonal in a state where the signal magnetic field is not applied.
[0097]
In the magnetic sensing element of the present embodiment, the strength of the magnetic field generated by the first hard bias layer 40 that aligns the magnetization directions of the second free magnetic layer 37a by reducing the film thickness t1 of the first hard bias layer 40. Can be weakened. That is, the value of the residual magnetization × film thickness of the first hard bias layer 40 in the portion close to the second free magnetic layer 37a can be reduced.
[0098]
Accordingly, the width of the insensitive area formed in the multilayer film T can be reduced, the sensitivity area can be widened, and the sensitivity of the magnetic detection element can be improved.
[0099]
Further, the second hard bias layer 42 is laminated in direct contact with the upper layer of the first hard bias layer 40 at a position separated from the side surface Ts of the multilayer film T by a predetermined distance Sp, whereby the film thickness of the hard bias layer H is increased. The thickness is increased and the coercive force Hc and the squareness ratio of the hard bias layer H can be increased. Therefore, even if a disturbance magnetic field exists, the free magnetic layer 37 can be kept in a stable single domain state.
[0100]
In the present embodiment, the thickness of the first hard bias layer 40 is increased in order to increase the coercive force Hc and the squareness ratio of the hard bias layer H while reducing the width dimension of the dead region formed in the multilayer film T. The film thickness t2 of the second hard bias layer is made thicker than t1.
[0101]
In FIG. 1, the second hard bias layer 42 is stacked on the upper layer of the first hard bias layer 40. However, even if the second hard bias layer 42 is stacked in direct contact with the lower layer of the first hard bias layer 40. Good.
[0102]
FIG. 2 is a cross-sectional view of the magnetic detection element according to the second embodiment of the present invention as viewed from the side facing the recording medium.
[0103]
In the magnetic detection element of FIG. 2, the film thickness t2 of the second hard bias layer 42 is made thicker than that of the magnetic detection element of FIG. 1, and as a result, both side portions of the upper shield layer 45 are folded upward (Y direction) in the figure. It differs from the magnetic sensing element of FIG. 1 only in that it is bent and the distance between the upper shield layer 45 and the lower shield layer 31 is increased.
[0104]
When the distance between the upper shield layer 45 and the lower shield layer 31 in the vicinity of both sides of the multilayer film T increases, a magnetic field easily enters between the upper shield layer 45 and the lower shield layer 31, and the effective track width E-Tw Becomes larger. Then, the magnetic field from the recording medium generated from the recording tracks on both sides of the recording track to be detected easily enters the magnetic detection element, and crosstalk between the recording tracks easily occurs.
[0105]
Therefore, in the present embodiment, the distance between the upper shield layer 45 and the lower shield layer 31 in the region S1 of the first hard bias layer 40 and the second hard bias layer 42 that overlaps only the first hard bias layer 40 is defined as Gls. When the distance between the upper shield layer 45 and the lower shield layer 31 at the position overlapping the center C of the multilayer film is Glc, the difference value between the Gls and Glc is set to a predetermined value or less, whereby the multilayer film T An increase in the distance between the upper shield layer 45 and the lower shield layer 31 in the vicinity of both sides is suppressed, and the effective track width E-Tw can be reduced.
[0106]
As will be described later, when the value of the difference between Gls and Glc is reduced, the effective track width E-Tw of the magnetic detection element is also reduced. Here, it is preferable to set the value of the difference between Gls and Glc to be equal to or less than a value at which the effective track width E-Tw of the magnetic detection element is 0.17 μm.
[0107]
Note that the upper surface 42b of the second hard bias layer 42 may be located in the downward direction of the drawing (the direction opposite to Y) with respect to the extension line B of the upper surface 43a of the first electrode layer 43.
[0108]
FIG. 3 is a cross-sectional view of the magnetic detection element according to the third embodiment of the present invention as viewed from the side facing the recording medium.
[0109]
In the magnetic detection element shown in FIG. 3, in addition to the electrode layer (first electrode layer) 43 formed at a position overlapping the first hard bias layer 40, the second electrode layer 51 becomes the second hard bias layer 42. The magnetic detecting element shown in FIG. 1 is different from the magnetic detecting element shown in FIG. The second electrode layer 51 and the first electrode layer 43 are directly electrically connected.
[0110]
In order to reduce the effective track width E-Tw, the film thicknesses of the first hard bias layer 40 and the first electrode layer 43 are reduced, so that the space between the upper shield layer 45 and the lower shield layer 31 in the vicinity of both sides of the multilayer film T is reduced. When the distance is reduced, the DC resistance value of the magnetic detection element is increased. Therefore, if the second electrode layer 51 is formed at a position overlapping the second hard bias layer 42 as shown in FIG. 3, the distance between the upper shield layer 45 and the lower shield layer 31 in the vicinity of both sides of the multilayer film T. It is possible to reduce the DC resistance value of the magnetic detection element while reducing the.
[0111]
When the intermediate layer 50 made of Ta or Cr is provided between the second electrode layer 51 and the second hard bias layer 42, thermal diffusion can be prevented, and the magnetic characteristics of the second hard bias layer 42 are deteriorated. Can be prevented.
[0112]
In the case where Ta is used as the second electrode layer 51, by providing the Cr intermediate layer 50, the crystal structure of Ta stacked on the upper layer of Cr can be easily changed to a low-resistance body-centered cubic structure.
[0113]
When Cr is used as the second electrode layer 51, by providing the Ta intermediate layer 50, Cr grows epitaxially and the resistance value can be reduced.
[0114]
The angle θ2 formed between the plane parallel to the surface of the multilayer film T and the tangent plane of the front edge of the second electrode layer 51 is the plane parallel to the surface of the multilayer film T and the tangent plane of the front edge of the first electrode layer 43. Is preferably smaller than the angle θ1 formed by. If θ1> θ2, the supply of current from the first electrode layer 43 directly connected to the multilayer film T to the multilayer film T can be stabilized.
[0115]
In order to suppress an increase in the distance between the upper shield layer 45 and the lower shield layer 31 in the vicinity of both sides of the multilayer film T and to reduce the DC resistance value of the magnetic detection element, the film of the second electrode layer 51 is used. The thickness t4 is preferably made larger than the film thickness t3 of the first electrode layer 43.
[0116]
The first electrode layer 43 and the second electrode layer 51 can be formed using W, Ta, Cr, Cu, Rh, Ir, Ru, Au, or the like as materials. In particular, the first electrode layer 43 that is electrically connected to the multilayer film T is subjected to W so that smear does not easily occur in the process of adjusting the DC resistance value by polishing the surface of the magnetic detection element facing the recording medium. , Ta, Rh, Ir, and Ru are preferably used, and the second electrode layer 51 is preferably formed using a material having a low specific resistance such as Cr, Cu, Au, and Ta.
[0117]
Further, in FIG. 3, an insulating layer 52 is formed so as to overlap a part on the first hard bias layer 40 and all the regions on the second hard bias layer 42, whereby the second electrode layer 51 and the upper part are formed. Electrical insulation between the shield layers 45 can be obtained more reliably.
[0118]
When the insulating layer 52 is formed, the upper shield in the region S1 of the first hard bias layer 40 and the second hard bias layer 42 that overlaps only the first hard bias layer 40 and does not overlap the insulating layer 52. When the distance between the layer 45 and the lower shield layer 31 is Gls, and the distance between the upper shield layer 45 and the lower shield layer 31 at the position overlapping the center C of the multilayer T is Glc, the difference between Gls and Glc Is preferably set to be equal to or less than a value at which the effective track width E-Tw of the magnetic detection element is 0.17 μm.
[0119]
In order to directly electrically connect the second electrode layer 51 and the first electrode layer 43, the lower surface 51a of the second electrode layer 51 is lower than the extension line B of the upper surface 43a of the first electrode layer 43 (see FIG. It is preferably located in the direction opposite to Y). However, the lower surface 51 a of the second electrode layer 51 may be formed at the same height as the extension line B of the upper surface 43 a of the first electrode layer 43, or the extension line B of the upper surface 43 a of the first electrode layer 43. Rather, it may be positioned in the upward direction (Y direction). In this case, the current passed through the second electrode layer 51 flows through the second hard bias layer 42 to the first electrode layer 43.
[0120]
Further, as shown in FIG. 4, only the second electrode layer 51 formed at a position overlapping the second hard bias layer 42 is formed, and the first electrode layer may not be formed.
[0121]
In the magnetic sensor of the embodiment shown in FIGS. 1 to 4, a raised portion 34a is formed in the central portion of the antiferromagnetic layer 34, and both sides of the raised portion 34a in the track width direction (X direction in the drawing). From the base end of the end surface, an extending portion 34b extending in the track width direction is formed.
[0122]
In the structure in which the extension portion 34b is formed in the antiferromagnetic layer 34 and the first hard bias layer 40 is laminated on the extension portion 34b via the bias base layer 39, the first hard bias layer 40 is free. The both side end surfaces of the magnetic layer 37 can be opposed to each other with a sufficient volume.
[0123]
However, as shown in FIG. 5, the extension 34 b may not be formed in the antiferromagnetic layer 34. In FIG. 5, the base layer 33 may be formed in contact with only the lower surface of the antiferromagnetic layer 34, and the bias base layer 39 may be in direct contact with the lower gap layer 32.
[0124]
1 to 5, the side surface 40a on the side facing the side surface Ts of the multilayer film T of the first hard bias layer 40 is the side surface of the fixed magnetic layer 35, which is nonmagnetic. It faces only the side surface of the material layer 36 and the side surface of the second free magnetic layer 37a, and does not face the side surface of the first free magnetic layer 37c. However, as shown in FIG. 6, the side surface 40a of the hard bias layer 40 includes the side surface of the pinned magnetic layer 35, the side surface of the nonmagnetic material layer 36, the second free magnetic layer 37a, the nonmagnetic intermediate layer 37b, and the first free layer. You may oppose the side surface of the magnetic layer 37c.
[0125]
FIG. 7 is a cross-sectional view of a magnetic detection element according to a seventh embodiment of the present invention as viewed from the side facing the recording medium.
[0126]
The magnetic detection element of the embodiment shown in FIG. 7 differs from the magnetic detection element of FIG. 3 only in that the first electrode layer 43 is formed to extend to the dead region d of the multilayer film T. ing.
[0127]
Due to the bias magnetic field in the X direction from the hard bias layer H, the magnetization of the free magnetic layer 37 is aligned in the X direction in the drawing.
[0128]
By the way, as shown in FIG. 7, the region located at the center of the multilayer film T is a sensitivity region e, and both sides thereof are insensitive regions d and D.
[0129]
In the sensitivity region e, the magnetization of the pinned magnetic layer 35 is appropriately pinned in the Z direction in the figure, and the magnetization of the free magnetic layer 37 is properly aligned in the X direction in the figure. Are perpendicular to each other. Then, the magnetization of the free magnetic layer 37 fluctuates with high sensitivity to an external magnetic field from the recording medium, and the electric resistance changes depending on the relationship between the fluctuation of the magnetization direction and the fixed magnetization direction of the fixed magnetic layer 35. A leakage magnetic field from the recording medium is detected by a voltage change based on the value change.
[0130]
That is, the sensitivity region e of the multilayer film T is a portion where the magnetoresistive effect is substantially exhibited, and the reproducing function works well in this portion.
[0131]
On the other hand, in the insensitive regions d and D located on both sides of the sensitivity region e, the magnetizations of the pinned magnetic layer 35 and the free magnetic layer 37 are strongly affected by the magnetization from the first hard bias layers 40 and 40, and are free. The magnetization of the magnetic layer 37 is less likely to fluctuate with respect to the external magnetic field. That is, the insensitive area d is an area where the magnetoresistive effect is weak and the reproduction function is lowered.
[0132]
In FIG. 7, since the first electrode layer 43 is formed to extend over the dead region d of the multilayer film T, the sense current from the first electrode layer 43 flows to the first hard bias layer 40. By increasing the proportion of the sense current flowing directly through the multilayer film T without passing through the first hard bias layer 40, and by extending the first electrode layer 43 to the dead region d, Since the junction area between the multilayer film T and the first electrode layer 43 is also increased, the direct current resistance value (DCR) can be lowered, and the reproduction characteristics can be improved.
[0133]
In addition, when the first electrode layer 43 is formed to extend on the insensitive region d, it is possible to suppress generation of noise due to a large amount of sense current flowing into the insensitive region d.
[0134]
FIG. 8 is a cross-sectional view of the magnetic detection element according to the eighth embodiment of the present invention as viewed from the side facing the recording medium.
[0135]
In the magnetic detection element shown in FIG. 8, the bias underlayer 39 is formed only on the extending portion 34 b of the antiferromagnetic layer 34. Accordingly, in the first hard bias layer 40, the side surface 40a on the multilayer film T side is in direct contact with the side surface of the second free magnetic layer 37a. Then, the first hard bias layer 40 and the second free magnetic layer 37a become a magnetic continuum, and it is possible to prevent a demagnetizing field from being generated at the side end portion of the second free magnetic layer 37a, thereby increasing stability. .
[0136]
Even when the bias underlayer 39 is formed on the side surface of the multilayer film T, the side surfaces of the first hard bias layer 40 and the second free magnetic layer 37a are not formed on the side surface of the second free magnetic layer 37a. Directly contacted.
[0137]
Alternatively, even if the bias underlayer 39 is formed between the first hard bias layer 40 and the second free magnetic layer 37a, the bias underlayer 39 between the first hard bias layer 40 and the second free magnetic layer 37a If the film thickness is 1 nm or less, the first hard bias layer 40 and the second free magnetic layer 37a become magnetically continuous through pinholes generated in the bias underlayer 39, and the side edges of the second free magnetic layer 37a. It is possible to prevent a demagnetizing field from being generated in the portion, and stability is increased.
[0138]
FIG. 9 is a cross-sectional view of the magnetic detection element according to the ninth embodiment of the present invention as viewed from the side facing the recording medium.
[0139]
In the magnetic detection element shown in FIG. 9, the multilayer film T1 is obtained by reversing the order of the multilayer films T of the magnetic detection elements shown in FIGS. In other words, in FIG. 9, a synthetic ferrifree free magnetic layer 37 including a first free magnetic layer 37c, a nonmagnetic intermediate layer 37b, and a second free magnetic layer 37a on the underlayer 33, a nonmagnetic material layer 36, A synthetic ferri-pinned pinned magnetic layer 35 comprising a second pinned magnetic layer 35c, a nonmagnetic intermediate layer 35b, and a first pinned magnetic layer 35a, an antiferromagnetic layer 34, and a protective layer 38 are laminated in succession.
[0140]
A bias underlayer 60 is formed of Cr or the like in contact with the upper surface of the underlayer 33 and the side surface of the second free magnetic layer 37a. A first hard bias layer 61 is formed on the bias underlayer 60. In the first hard bias layer 61, the side surface 61 a on the multilayer film T 1 side is opposed to the bias base layer 60.
[0141]
A second hard bias layer 63 is stacked on the first hard bias layer 61. The side surface 63a on the multilayer film T1 side of the second hard bias layer 63 is provided at a position separated from the side surface T1s of the multilayer film T1 by a predetermined distance Sp1. The predetermined distance Sp1 is set as a distance at which the magnetic field generated from the second hard bias layer 63 does not directly act on the free magnetic layer 37 in the multilayer film T1. The second hard bias layer 63 is stacked on and in direct contact with the first hard bias layer 61.
[0142]
The first hard bias layer 61 and the second hard bias layer 63 are made of, for example, a Co—Pt (cobalt-platinum) alloy, a Co—Cr—Pt (cobalt-chromium-platinum) alloy, or the like in the X direction ( Magnetized in the track width direction).
[0143]
An intermediate layer 62 made of a nonmagnetic material such as Ta is formed on the first hard bias layer 61, and a first electrode layer 64 is formed on the intermediate layer 62.
[0144]
Further, a second electrode layer 66 is formed at a position overlapping the second hard bias layer 63. The second electrode layer 66 and the first electrode layer 64 are directly electrically connected.
[0145]
When intermediate layers 62 and 65 made of Ta or Cr are provided between the first electrode layer 64 and the first hard bias layer 61 and between the second electrode layer 66 and the second hard bias layer 63, thermal diffusion is performed. And the deterioration of the magnetic characteristics of the first hard bias layer 61 and the second hard bias layer 63 can be prevented.
[0146]
When Ta is used as the first electrode layer 64 and the second electrode layer 66, the intermediate layer 62, 65 of Cr is provided to change the crystal structure of Ta stacked on the upper layer of Cr to a low-resistance body-centered cubic structure. It becomes easy.
[0147]
Further, when Cr is used as the first electrode layer 64 and the second electrode layer 66, by providing the Ta intermediate layers 62 and 65, Cr grows epitaxially, and the resistance value can be reduced.
[0148]
The first electrode layer 64 and the second electrode layer 66 can be formed using W, Ta, Cr, Cu, Rh, Ir, Ru, Au, or the like as materials. In particular, the first electrode layer 64 that is electrically connected to the multilayer film T1 is subjected to WW so that smear is less likely to occur in the step of adjusting the DC resistance value by polishing the surface of the magnetic detection element facing the recording medium. , Ta, Rh, Ir, Ru, and the like, and the second electrode layer 66 is preferably formed using a material having a small specific resistance, such as Cr, Cu, Au, Ta.
[0149]
An upper gap layer 44 is formed on the surface of the multilayer film T 1, the surface of the first electrode layer 64, and the surface of the second electrode layer 66, and an upper shield 45 is formed on the upper gap layer 44. The upper shield layer 45 is covered with a protective layer 46 made of an inorganic insulating material.
[0150]
The first hard bias layer 61 only needs to align one of the magnetization directions of the second free magnetic layer 37a and the first free magnetic layer 37c constituting the free magnetic layer 37. In FIG. 9, only the magnetization direction of the first free magnetic layer 37c is aligned. When the magnetization direction of the first free magnetic layer 37c is aligned in a certain direction, the second free magnetic layer 37a is in a ferrimagnetic state in which the magnetization direction is antiparallel, and the entire magnetization direction of the free magnetic layer 37 is aligned in a certain direction. .
[0151]
In the present embodiment, the first hard bias layer 61 applies a static magnetic field in the X direction shown mainly to the first free magnetic layer 37c. Therefore, it is possible to suppress the magnetization direction (opposite to the X direction shown in the figure) of the second free magnetic layer 37a from being disturbed by the static magnetic field in the X direction shown from the hard bias layer 61.
[0152]
In this embodiment, the first free magnetic layer 37c of the multilayer film T1 is formed below the antiferromagnetic layer 34 and is adjacent to the thick part of the first hard bias layer 61. Therefore, the magnetization of the first free magnetic layer 37c is easily aligned in the X direction. Thereby, generation of Barkhausen noise can be reduced.
[0153]
FIG. 10 is a sectional view of the magnetic detection element according to the tenth embodiment of the present invention as viewed from the side facing the recording medium.
[0154]
This magnetic detection element has a first free magnetic layer 105, a second free magnetic layer 107, nonmagnetic conductive layers 104 and 108, a first pinned magnetic layer 103, and a third pinned layer above and below the nonmagnetic material layer 106. This is a so-called dual spin-valve type thin film element in which the magnetic layer 109, the nonmagnetic material layers 102 and 110, the second pinned magnetic layer 101, the fourth pinned magnetic layer 111, and the antiferromagnetic layers 100 and 112 are formed. It is possible to obtain a higher reproduction output than the spin valve thin film element (referred to as a single spin valve thin film element) shown in FIGS. The lowermost layer is the underlayer 33, the uppermost layer is the protective layer 38, and the multilayer film T2 is composed of a laminate from the underlayer 33 to the protective layer 38. Yes.
[0155]
In the present invention, the antiferromagnetic layers 100 and 112 are formed of a Pt—Mn (platinum-manganese) alloy film. Alternatively, instead of the Pt—Mn alloy, X—Mn (where X is one or more of Pd, Ir, Rh, and Ru) or Pt—Mn—X ′ (wherein X ′ may be formed of any one of Pd, Ir, Rh, Ru, Au, and Ag, or two or more elements.
[0156]
The first free magnetic layer 105, the second free magnetic layer 107, the first pinned magnetic layer 103, the second pinned magnetic layer 101, the third pinned magnetic layer 109, and the fourth pinned magnetic layer 111 are made of Ni. -Fe (nickel-iron) alloy, Co (cobalt), Co-Fe (cobalt-iron) alloy, Co-Fe-Ni alloy, etc., and the nonmagnetic conductive layers 104 and 108 are made of Cu (copper). ) And the like.
[0157]
A buffer film formed of Cr or the like from the underlayer 33 to the side surfaces of the second pinned magnetic layer 101, the nonmagnetic material layer 102, the first pinned magnetic layer 103, the nonmagnetic conductive layer 104, and the first free magnetic layer 105. In addition, bias base layers 113 and 113 serving as alignment films are formed. By forming the bias base layers 113 and 113, a bias magnetic field generated from first hard bias layers 114 and 114 described later can be increased.
[0158]
A first hard bias layer 114 is formed on the bias base layer 113. In the first hard bias layer 114, the side surface 114 a on the multilayer film T 2 side is opposed to the bias base layer 113.
[0159]
A second hard bias layer 116 is stacked on the first hard bias layer 114. The side surface 116a on the multilayer film T side of the second hard bias layer 116 is provided at a position separated from the side surface T2s of the multilayer film T by a predetermined distance Sp2. The predetermined distance Sp2 is set as a distance at which the magnetic field generated from the second hard bias layer 116 does not directly act on the free magnetic layer F in the multilayer film T2. The second hard bias layer 116 is laminated directly on the first hard bias layer 114.
[0160]
The first hard bias layer 114 and the second hard bias layer 116 are formed of, for example, a Co—Pt (cobalt-platinum) alloy, a Co—Cr—Pt (cobalt-chromium-platinum) alloy, or the like in the X direction ( Magnetized in the track width direction).
[0161]
An intermediate layer 115 made of a nonmagnetic material such as Ta is formed on the first hard bias layer 114, and a first electrode layer 117 is formed on the intermediate layer 115.
[0162]
Further, a second electrode layer 119 is formed via an intermediate layer 118 at a position overlapping the second hard bias layer 116. Note that the second electrode layer 119 and the first electrode layer 117 are directly electrically connected.
[0163]
When intermediate layers 115 and 118 made of Ta or Cr are provided between the first electrode layer 117 and the first hard bias layer 114 and between the second electrode layer 119 and the second hard bias layer 116, thermal diffusion is performed. And the deterioration of the magnetic characteristics of the first hard bias layer 114 and the second hard bias layer 116 can be prevented.
[0164]
In the case where Ta is used as the first electrode layer 117 and the second electrode layer 119, by providing the Cr intermediate layers 115 and 118, the crystal structure of Ta stacked on the upper layer of Cr is changed to a low-resistance body-centered cubic structure. It becomes easy.
[0165]
Further, when Cr is used as the first electrode layer 117 and the second electrode layer 119, by providing the Ta intermediate layers 115 and 118, Cr grows epitaxially, and the resistance value can be reduced.
[0166]
Note that the first electrode layer 117 and the second electrode layer 119 can be formed using W, Ta, Cr, Cu, Rh, Ir, Ru, Au, or the like as a material. In particular, the first electrode layer 117 that is electrically connected to the multilayer film T2 is subjected to WW so that smear is less likely to occur in the step of adjusting the DC resistance value by polishing the surface of the magnetic detection element facing the recording medium. , Ta, Rh, Ir, and Ru are preferably used, and the second electrode layer 119 is preferably formed using a material having a low specific resistance such as Cr, Cu, Au, and Ta.
[0167]
An upper gap layer 44 is formed on the surface of the multilayer film T2, the surface of the first electrode layer 117, and the surface of the second electrode layer 119, and an upper shield 45 is formed on the upper gap layer 44. The upper shield layer 45 is covered with a protective layer 46 made of an inorganic insulating material.
[0168]
In FIG. 10, the first pinned magnetic layer 103 and the second pinned magnetic layer 101 having different magnetic moments are stacked via the nonmagnetic material layer 102 to function as one pinned magnetic layer P1. To do. In addition, a structure in which the third pinned magnetic layer 109 and the fourth pinned magnetic layer 111 having different magnetic moments are stacked via the nonmagnetic material layer 110 functions as one pinned magnetic layer P2.
[0169]
The magnetization directions of the first pinned magnetic layer 103 and the second pinned magnetic layer 101 are in an antiparallel ferrimagnetic state different by 180 degrees, and the first pinned magnetic layer 103, the second pinned magnetic layer 101, Since the other magnetization directions are fixed to each other, the magnetization direction of the fixed magnetic layer P1 can be stabilized in a fixed direction as a whole.
[0170]
In FIG. 10, the first pinned magnetic layer 103 and the second pinned magnetic layer 101 are formed using the same material, and the respective magnetic moments are varied by varying the film thicknesses.
[0171]
The magnetization directions of the third pinned magnetic layer 109 and the fourth pinned magnetic layer 111 are also antiparallel to each other by 180 degrees, and the third pinned magnetic layer 109 and the fourth pinned magnetic layer are in the antiparallel state. 111 and the other magnetization direction are mutually fixed.
[0172]
The nonmagnetic material layers 102 and 110 are made of one or more alloys of Ru, Rh, Ir, Cr, Re, and Cu.
[0173]
The second pinned magnetic layer 101 and the fourth pinned magnetic layer 111 are formed in contact with the antiferromagnetic layers 100 and 112, respectively, and are annealed in a magnetic field, whereby the second pinned magnetic layer 101 and the antiferromagnetic layer 101 are antiferromagnetic. An exchange anisotropic magnetic field is generated by exchange coupling at the interface with the magnetic layer 100 and at the interfaces with the fourth pinned magnetic layer 111 and the antiferromagnetic layer 112.
[0174]
The magnetization direction of the second pinned magnetic layer 101 is pinned in the Z direction shown in the figure. When the magnetization direction of the second pinned magnetic layer 101 is pinned in the Y direction in the figure, the magnetization direction of the first pinned magnetic layer 103 opposed via the nonmagnetic material layer 102 is changed to that of the second pinned magnetic layer 101. It is fixed in an antiparallel state with the magnetization direction. The direction of the combined magnetic moment obtained by adding the magnetic moment of the second pinned magnetic layer 101 and the magnetic moment of the first pinned magnetic layer 103 is the magnetization direction of the pinned magnetic layer P1.
[0175]
When the magnetization direction of the second pinned magnetic layer 101 is fixed in the Z direction shown in the drawing, the magnetization direction of the fourth pinned magnetic layer 111 is preferably fixed in a direction antiparallel to the Z direction shown in the drawing. At this time, the magnetization direction of the third pinned magnetic layer 109 facing through the nonmagnetic material layer 110 is pinned in an antiparallel direction to the magnetization direction of the fourth pinned magnetic layer 111, that is, in the Z direction. The direction of the combined magnetic moment obtained by adding the magnetic moment of the fourth pinned magnetic layer 111 and the magnetic moment of the third pinned magnetic layer 109 is the magnetization direction of the pinned magnetic layer P2.
[0176]
Then, the magnetization directions of the first pinned magnetic layer 103 and the third pinned magnetic layer 109 facing each other through the first free magnetic layer 105, the nonmagnetic material layer 106, and the second free magnetic layer 107 are: The antiparallel states are 180 degrees different from each other.
[0177]
In FIG. 10, as will be described later, the free magnetic layer F is formed by laminating the first free magnetic layer 105 and the second free magnetic layer 107 with the nonmagnetic material layer 106 interposed therebetween. The first free magnetic layer 105 and the second free magnetic layer 107 are in a ferrimagnetic state in which the magnetization directions are antiparallel.
[0178]
The first free magnetic layer 105 and the second free magnetic layer 107 change the magnetization direction while maintaining the ferrimagnetic state under the influence of an external magnetic field. At this time, if the magnetization directions of the first pinned magnetic layer 103 and the third pinned magnetic layer 109 are antiparallel to each other by 180 degrees, the rate of change in resistance and the free magnetic layer in the layer above the free magnetic layer F are free. The phase of the resistance change rate in the lower layer portion than the layer F becomes equal.
[0179]
Further, the magnetization direction of the pinned magnetic layer P1 and the magnetization direction of the pinned magnetic layer P2 are preferably antiparallel.
[0180]
For example, the magnitude of the magnetic moment of the second pinned magnetic layer 101 whose magnetization direction is pinned in the Z direction shown in the figure is made larger than the magnitude of the magnetic moment of the first pinned magnetic layer 103, and the magnetization of the pinned magnetic layer P1 The direction is the Z direction shown in the figure. On the other hand, the magnitude of the magnetic moment of the third pinned magnetic layer 109 whose magnetization direction is pinned in the Z direction in the drawing is made smaller than the magnitude of the magnetic moment of the fourth pinned magnetic layer 111, and the magnetization of the pinned magnetic layer P2 is made. The direction is antiparallel to the Z direction shown in the figure.
[0181]
Then, the direction of the sense current magnetic field generated when a sense current is passed in the direction opposite to the X direction in the figure matches the magnetization direction of the pinned magnetic layer P1 and the magnetization direction of the pinned magnetic layer P2, and the first pinned magnetic layer The ferrimagnetic state of the layer 103 and the second pinned magnetic layer 101 and the ferrimagnetic state of the third pinned magnetic layer 109 and the fourth pinned magnetic layer 111 are stabilized.
[0182]
The first free magnetic layer 105 and the second free magnetic layer 107 are formed so that their magnetic moments are different from each other. Also in this case, the first free magnetic layer 105 and the second free magnetic layer 107 are formed using the same material, and the thicknesses of the first free magnetic layer 105 and the second free magnetic layer 107 are different from each other. The magnetic moment of the free magnetic layer 107 is varied.
[0183]
Furthermore, the nonmagnetic material layers 102, 106, and 116 are formed of one or more alloys of Ru, Rh, Ir, Cr, Re, and Cu.
[0184]
In FIG. 10, the first free magnetic layer 105 and the second free magnetic layer 107 laminated with the nonmagnetic material layer 106 function as one free magnetic layer F.
[0185]
The magnetization directions of the first free magnetic layer 105 and the second free magnetic layer 107 are in a ferrimagnetic state in which they are antiparallel, and an effect equivalent to reducing the thickness of the free magnetic layer F is obtained. The effective magnetic moment per unit area of the free magnetic layer F as a whole is reduced, and the magnetization is likely to fluctuate, and the magnetic field detection sensitivity of the magnetoresistive effect element is improved.
[0186]
The direction of the combined magnetic moment obtained by adding the magnetic moment of the first free magnetic layer 105 and the magnetic moment of the second free magnetic layer 107 becomes the magnetization direction of the free magnetic layer F.
[0187]
The first hard bias layer 114 is magnetized in the X direction (track width direction) in the drawing, and the magnetization direction of the free magnetic layer F is in the X direction in the drawing by the bias magnetic field from the first hard bias layer 114 in the X direction. It has become.
[0188]
Then, the magnetization of the free magnetic layer F fluctuates with high sensitivity to an external magnetic field from the recording medium, and the electrical resistance changes due to the relationship between the fluctuation of the magnetization direction and the fixed magnetization directions of the fixed magnetic layers P1 and P2. The leakage magnetic field from the recording medium is detected by the voltage change based on the change in the electrical resistance value. However, it is the relative angle between the magnetization direction of the first pinned magnetic layer 103 and the magnetization direction of the first free magnetic layer 105 and the magnetization direction of the third pinned magnetic layer 109 that directly contribute to the change (output) of the electrical resistance value. The relative angles of the magnetization directions of the second free magnetic layer 107 are preferably orthogonal in the state where the detection current is applied and the signal magnetic field is not applied.
[0189]
The hard bias layer 114 only needs to align the magnetization direction of one of the first free magnetic layer 105 and the second free magnetic layer 107 constituting the free magnetic layer F. In FIG. 10, only the magnetization direction of the second free magnetic layer 107 is aligned. When the magnetization direction of the second free magnetic layer 107 is aligned in a certain direction, the first free magnetic layer 105 is in a ferrimagnetic state in which the magnetization direction is antiparallel, and the magnetization direction of the entire free magnetic layer F is aligned in a certain direction. .
[0190]
In the present embodiment, the first hard bias layer 114 mainly applies a static magnetic field in the X direction to the second free magnetic layer 107. Therefore, it is possible to suppress the magnetization direction (opposite to the X direction in the figure) of the first free magnetic layer 105 from being disturbed by the static magnetic field in the X direction shown in the figure generated from the hard bias layer 114.
[0191]
Also in the magnetic sensing elements shown in FIGS. 2 to 10, the magnetization directions of the free magnetic layers 37 and F are aligned by reducing the film thicknesses t 1, t 5, and t 7 of the first hard bias layers 40, 61, and 114. The strength of the magnetic field generated by the first hard bias layers 40, 61, and 114 can be reduced. That is, it is possible to reduce the value of the residual magnetization × film thickness of the first hard bias layers 40, 61, 114 in the portions close to the free magnetic layers 37, F.
[0192]
Therefore, the width dimension of the dead area formed in the multilayer films T, T1, and T2 can be reduced, the sensitivity area can be widened, and the sensitivity of the magnetic detection element can be improved.
[0193]
Further, the second hard bias layers 42, 63, 116 are in direct contact with the upper layers of the first hard bias 40, 61, 114 at positions separated from the side surfaces of the multilayer films T, T1, T2 by a predetermined distance Sp, Sp1, Sp2. Thus, the hard bias layer H is made thicker, and the coercive force Hc and the squareness ratio of the hard bias layer H can be increased. Therefore, even if a disturbance magnetic field exists, the free magnetic layers 37 and F can be kept in a stable single domain state.
[0194]
In the present embodiment, in order to increase the coercive force Hc and the squareness ratio of the hard bias layer H while reducing the width dimension of the insensitive region formed in the multilayer film T, The film thicknesses t2 and t6 of the second hard bias layers 42 and 63 are made thicker than the film thicknesses t1 and t5. However, as shown in FIG. 10, the thickness t8 of the second hard bias layer 116 may be made thinner than the thickness t7 of the first hard bias layer 114.
[0195]
2 to 10, the second hard bias layers 42, 63, and 116 are stacked on the upper layers of the first hard bias layers 40, 61, and 114, but the lower layers of the first hard bias layers 40, 61, and 114 are stacked. The second hard bias layers 42, 63, 116 may be stacked in direct contact with each other.
[0196]
4 to 10 also, only the first hard bias layers 40, 61, 114 out of the first hard bias layers 40, 61, 114 and the second hard bias layers 42, 63, 116 are used. The distance between the upper shield layer 45 and the lower shield layer 31 in the region S1 that does not overlap with the insulating layer 52 is Gls, and between the upper shield layer 45 and the lower shield layer 31 at the position overlapping the center C of the multilayer film T. When the distance is Glc, it is preferable to set the difference between Gls and Glc to be equal to or less than the value at which the effective track width E-Tw of the magnetic detection element is 0.17 μm.
[0197]
1 to 10, it is preferable to set the values of Gls and Glc in a range satisfying Glc−20 nm ≦ Gls ≦ Glc + 90 nm. More preferably, the values of Gls and Glc are set in a range satisfying Glc−20 nm ≦ Gls ≦ Glc + 70 nm. More preferably, the values of Gls and Glc are set in a range satisfying Glc−20 nm ≦ Gls ≦ Glc + 30 nm.
[0198]
Or it is preferable to set the value of the said Gls and the said Glc in the range which satisfy | fills 0.67 <= Gls / Glc <= 2.50. More preferably, the values of Gls and Glc are set in a range satisfying 0.67 ≦ Gls / Glc ≦ 2.17. More preferably, the values of Gls and Glc are set in a range satisfying 0.67 ≦ Gls / Glc ≦ 1.50.
[0199]
Note that the Gls and Glc values may be Gls> Glc, Gls = Glc, or Gls <Glc within the above-described range of the Gls and Glc values.
[0200]
If Gls> Glc, the distance between the upper shield layer 45 and the lower shield layer 31 in the vicinity of both sides of the multilayer films T, T1, and T2 is the upper shield layer 45 and the lower shield in the region overlapping the multilayer films T, T1, and T2. It is larger than the distance (gap length) between the layers 31.
[0201]
If Gls = Glc, the distance between the upper shield layer 45 and the lower shield layer 31 in the vicinity of both sides of the multilayer films T, T1, T2 is the upper shield layer 45 and the lower shield in the region overlapping the multilayer films T, T1, T2. It is equal to the distance (gap length) between the layers 31.
[0202]
If Gls <Glc, the distance between the upper shield layer 45 and the lower shield layer 31 in the vicinity of both sides of the multilayer films T, T1, and T2 is the upper shield layer 45 and the lower shield in the region overlapping the multilayer films T, T1, and T2. It is smaller than the distance (gap length) between the layers 31.
[0203]
11 is a plan view of the multilayer film T, the first electrode layer 43, and the second electrode layer 51 of the magnetic detection element shown in FIG. 3, as viewed from above in FIG.
[0204]
As shown in FIG. 11, since the depth length Z1 in the height direction of the first electrode layer 43 is longer than the depth length Z2 in the height direction of the multilayer film T, the DC resistance value of the magnetic detection element is reduced. it can.
[0205]
3 and 5 to 10, only the configuration having two electrode layers is shown, but the number of electrode layers may be three or more.
[0206]
Further, a plurality of hard bias layers may be further stacked on the second hard bias layers 42, 63, 116.
[0207]
The free magnetic layers 37, F and the pinned magnetic layers 35, P1, P2 may be formed as a single magnetic material layer or two magnetic material layers (CoFe / NiFe, etc.).
[0208]
A method of manufacturing the magnetic detection element shown in FIG. 3 will be described.
First, as shown in FIG. 12, a lower shield layer 31 and a lower gap layer 32 are formed. The lower shield layer 31 is formed using a magnetic material such as NiFe, and the lower gap layer 32 is made of Al.2OThree, SiO2It is formed using an insulating material such as. The lower shield layer 31 is laminated on the substrate 30 via a base layer (not shown) made of an insulating material such as alumina.
[0209]
Further, on the lower gap layer 32, a synthetic ferri-pinned type comprising the underlayer 33, the antiferromagnetic layer 34, the first pinned magnetic layer 35a, the nonmagnetic intermediate layer 35b, and the second pinned magnetic layer 35c shown in FIG. A synthetic ferrifree free magnetic layer 37 and a protective layer 38, each of which includes a fixed magnetic layer 35, a nonmagnetic material layer 36, a second free magnetic layer 37a, a nonmagnetic intermediate layer 37b, and a first free magnetic layer 37c, are laminated. A film T is formed.
[0210]
Instead of the multilayer film T, a multilayer film T1 of a single spin valve thin film element shown in FIG. 9 or a multilayer film T2 of a dual spin valve thin film element shown in FIG. 10 may be used.
[0211]
The antiferromagnetic layer constituting the multilayer film T, T1, or T2 is preferably formed of a PtMn alloy, or X—Mn (where X is one of Pd, Ir, Rh, Ru, or 2 Or Pt—Mn—X ′ (where X ′ is any one or more of Pd, Ir, Rh, Ru, Au, and Ag). Good. When the antiferromagnetic layer is formed of the above-described material, heat treatment must be performed to generate an exchange coupling magnetic field at the interface with the pinned magnetic layer.
[0212]
Next, a lift-off resist layer R1 covering the region of the optical track width O-Tw of the magnetic detection element to be formed is patterned on the multilayer film T.
[0213]
As shown in FIG. 12, the resist layer R1 has cut portions R1a and R1a formed on the lower surface thereof.
[0214]
Next, in the process shown in FIG. 13, both sides of the multilayer film T are etched away by etching.
In this step, the antiferromagnetic layer 34 is formed long in the X direction in the figure by controlling the etching rate and etching time so that the side surfaces of the antiferromagnetic layer 34 remain without being scraped. If the side surface of the antiferromagnetic layer 34 is completely cut, the magnetic detection element shown in FIG. 5 can be formed.
[0215]
Further, in the step shown in FIG. 14, the bias underlayers 39 and 39, the first hard bias layer 40 and the intermediate layer 41 are formed on both sides of the multilayer film T. The bias underlayer 39 is made of Cr, Ti, Mo, or W50Mo501 or more, preferably Cr, the first hard bias layer 40 is a Co—Pt (cobalt-platinum) alloy, a Co—Cr—Pt (cobalt-chromium-platinum) alloy, and the intermediate layer 41 is Ta. Formed using. In the present embodiment, the bias underlayer 39, the first hard bias layer 40, and the intermediate layer 41 are formed by using an anisotropic sputtering method.
[0216]
In the present embodiment, the first hard bias layer 40 is formed at a height position where the uppermost portion 40b of the side surface 40a facing the multilayer film T overlaps the upper surface 37a3 of the second free magnetic layer 37a. That is, the side surface 40a on the side facing the multilayer film T of the first hard bias layer 40 is formed up to a height position facing the side surface of the second free magnetic layer 37a and the side surface of the first free magnetic layer 37c. Are formed so as not to face each other. However, as shown in FIG. 6, the side surface 40 a of the first hard bias layer 40 includes the side surface of the pinned magnetic layer 35, the side surface of the nonmagnetic material layer 36, the second free magnetic layer 37 a, the nonmagnetic intermediate layer 37 b, and You may make it oppose the side surface of the 1st free magnetic layer 37c.
[0217]
The first hard bias layer 40 has only the magnetization direction of the second free magnetic layer 37a out of the second free magnetic layer 37a and the first free magnetic layer 37c constituting the free magnetic layer 37. When the magnetization direction of the second free magnetic layer 37a is aligned in a certain direction, the first free magnetic layer 37c is in a ferrimagnetic state in which the magnetization direction is antiparallel, and the entire magnetization direction of the free magnetic layer 37 is aligned in a certain direction. .
[0218]
In the present embodiment, the first hard bias layer 40 mainly applies a static magnetic field in the illustrated X direction to the second free magnetic layer 37a. Therefore, it is possible to suppress the magnetization direction (opposite to the X direction shown in the drawing) of the first free magnetic layer 37c from being disturbed by the static magnetic field in the X direction shown from the first hard bias layer 40.
[0219]
Next, in the process shown in FIG. 15, the first electrode layer 43 is formed on the intermediate layers 41 and 41 from a predetermined angle θ3 with respect to the normal direction of the surface of the substrate 30. The first electrode layer 43 is composed of a pair of electrodes formed on both sides of the multilayer film T with a predetermined interval Sp3 in the track width direction.
[0220]
At this time, the first electrode layer 43 may be formed even in the notches R1a and R1a formed on the lower surface of the resist layer R1 provided on the multilayer film T.
[0221]
When forming the first electrode layer 43, as shown in FIG. 11, the depth length Z1 of the first electrode layer 43 in the height direction is formed longer than the depth length Z2 of the multilayer film T in the height direction. It is preferable.
[0222]
Then, after removing the resist layer R1 by lift-off using a resist stripping solution, as shown in FIG. 16, the lift-off resist layer R2 in which the cut portions R2a and R2a are formed is formed in the multilayer film T and the first electrode layer 43. Form on top.
[0223]
Next, the first electrode layer 43, the intermediate layer 41, and the first hard bias layer 40 are etched away by etching. In this step, the etching rate and etching time are controlled so that the first hard bias layer 40 remains without being cut away.
[0224]
Next, the second hard bias layer 42, the intermediate layer 50, and the second electrode layer 51 are successively formed on the first hard bias layer 40 from a predetermined angle θ4 with respect to the normal direction of the surface of the substrate 30.
[0225]
In this manner, the second hard bias layer 42 in which the side surface 40a on the multilayer film T side is separated from the side surface Ts of the multilayer film T by the predetermined distance Sp is laminated on the first hard bias layer 40. A magnetic detection element can be formed. The predetermined distance Sp is set as a distance at which the magnetic field generated from the second hard bias layer 42 does not directly act on the free magnetic layer 37 in the multilayer film T. The second hard bias layer 42 is stacked on and in direct contact with the first hard bias layer 40.
[0226]
The first hard bias layer 40 and the second hard bias layer 42 are formed of, for example, a Co—Pt (cobalt-platinum) alloy or a Co—Cr—Pt (cobalt-chromium-platinum) alloy. Further, the first hard bias layer 40 and the second hard bias layer 42 are magnetized in the X direction (track width direction) in the figure after being formed.
[0227]
Note that it is preferable that the film thickness t2 of the second hard bias layer 42 is larger than the film thickness t1 of the first hard bias layer 40.
[0228]
When forming the second hard bias layer 42, the intermediate layer 50, and the second electrode layer 51, for example, the second hard bias layer 42, the intermediate layer 50, and the second electrode are formed on the substrate 30 on which the multilayer film T is formed. A target formed with the composition of the layer 51 is tilted, and the target is moved or rotated on the substrate 30, and any one of ion beam sputtering, long throw sputtering, collimation sputtering, or a combination thereof is used. A film is formed by sputtering.
[0229]
Alternatively, the target may be fixed and the substrate 30 side may be moved or rotated in an oblique direction with respect to the target.
[0230]
The film formation angle θ4 when forming the second hard bias layer 42, the intermediate layer 50, and the second electrode layer 51 is set to be larger than the film formation angle θ3 when forming the first electrode layer 43. Is preferred. By setting the film formation angle θ4> the film formation angle θ3, the angle θ2 formed by the plane parallel to the surface of the multilayer film T and the tangential plane of the front edge of the second electrode layer 51 is defined as the plane parallel to the surface of the multilayer film T. The angle θ <b> 1 formed by the tangent plane of the front edge of the first electrode layer 43 can be made smaller.
[0231]
If θ1> θ2, the supply of current from the first electrode layer 43 directly connected to the multilayer film T to the multilayer film T can be stabilized.
[0232]
Further, in order to suppress an increase in the distance between the upper shield layer 45 and the lower shield layer 31 in the vicinity of both sides of the multilayer film T and to reduce the DC resistance value of the magnetic detection element, the film thickness of the second electrode layer 51 is reduced. It is preferable to make t4 thicker than the film thickness t3 of the first electrode layer 43.
[0233]
Further, the first electrode layer 43 electrically connected to the multilayer film T is subjected to W so that smear does not easily occur in the step of adjusting the DC resistance value by polishing the surface of the magnetic detection element facing the recording medium. , Ta, Rh, Ir, and Ru are preferably used, and the second electrode layer 51 is preferably formed using a material having a low specific resistance such as Cr, Cu, Au, and Ta.
[0234]
Then, after removing the resist layer R2 by lift-off using a resist stripping solution, an upper gap layer 44 is formed on the multilayer film T, the first electrode layer 43, and the second electrode layer 51 as shown in FIG. To do.
[0235]
Further, in the step shown in FIG. 19, a lift-off resist layer R <b> 3 having a cut portion is stacked in a region overlapping with a part on the multilayer film T and the first electrode layer 43, and obliquely with respect to the substrate 30. An insulating layer 52 is formed so as to overlap a part on the first electrode layer 43 and the entire region on the second electrode layer 51.
[0236]
After removing the resist layer R3 by lift-off using a resist stripping solution, an upper shield layer 45 is formed on the upper gap layer 44 and the insulating layer 52 as shown in FIG. The magnetic detecting element shown in FIG. 3 is completed through the step of forming the layer 46.
[0237]
In the above-described method for manufacturing a magnetic detection element, regions S1 and S1 of the first electrode layer 43 and the second electrode layer 51 that overlap only with the first electrode layer 43 and do not overlap with the insulating layer 52. When the distance between the upper shield layer 45 and the lower shield layer 31 at Gls is Gls, and the distance between the upper shield layer 45 and the lower shield layer 31 at the position overlapping the center C of the multilayer film T is Glc, the Gls and Glc It is preferable to set the film thickness of each layer constituting the magnetic detection element so that the value of the difference is equal to or less than the value at which the effective track width of the magnetic detection element is 0.17 μm.
[0238]
Specifically, the values of Gls and Glc are preferably set in a range satisfying Glc−20 nm ≦ Gls ≦ Glc + 90 nm. More preferably, the values of Gls and Glc are set in a range satisfying Glc−20 nm ≦ Gls ≦ Glc + 70 nm. More preferably, the values of Gls and Glc are set in a range satisfying Glc−20 nm ≦ Gls ≦ Glc + 30 nm.
[0239]
Or it is preferable to set the value of the said Gls and the said Glc in the range which satisfy | fills 0.67 <= Gls / Glc <= 2.50. More preferably, the values of Gls and Glc are set in a range satisfying 0.67 ≦ Gls / Glc ≦ 2.17. More preferably, the values of Gls and Glc are set in a range satisfying 0.67 ≦ Gls / Glc ≦ 1.50.
[0240]
By setting the difference between Gls and Glc to a predetermined value or less, the distance between the upper shield layer 45 and the lower shield layer 31 in the vicinity of both sides of the multilayer film T is suppressed, and the effective track width E−Tw is suppressed. Can be reduced.
[0241]
Also in the present embodiment, the thin first electrode layer is a single layer in the vicinity of the multilayer film T, and the second electrode layer is laminated on the first electrode layer so that the film thickness is away from the multilayer film T. By making it bigger.
[0242]
As a result, the DC resistance value of the magnetic detection element can be reduced while the distance between the upper shield layer 45 and the lower shield layer 31 in the vicinity of both sides of the multilayer film T is reduced.
[0243]
Further, since the first electrode layer 43 can be formed thin in the vicinity of the multilayer film T, the step D formed by the surface of the multilayer film T and the side surface 42a of the first electrode layer 43 can be lowered. Therefore, even if the thickness of the upper gap layer 44 is reduced, the upper gap layer 44 can be reliably formed on the step D. That is, an electrical short circuit between the upper shield layer 45 and the second electrode layer 51 can be prevented more reliably.
[0244]
The manufacturing method of the magnetic detection element shown in FIG. 3 has been described above.
Note that the formation of the insulating layer 52 may be omitted in the manufacturing process. Further, within the above-described range of the values of Gls and Glc, the values of Gls and Glc may be Gls> Glc, Gls = Glc, or Gls <Glc.
[0245]
Further, in the step of FIG. 17, the magnetic detection element shown in FIG. 1 or FIG. 2 can be formed by omitting the formation of the intermediate layer 50 and the second electrode layer 51.
[0246]
In addition, in the step of FIG. 15, the formation of the intermediate layer 41 and the first electrode layer 43 is omitted, whereby the magnetic detection element of FIG. 4 can be formed.
[0247]
When forming the magnetic sensing element of FIG. 7, the width dimension of the dead region d of the multilayer film T is measured in advance using another magnetic head using a microtrack profile method or the like, and only on the dead region d. When the lift-off resist layer is formed so as to cover the first electrode layer 43 and the first electrode layer 43 is formed, the first electrode layer 43 may be formed even in the cut portion of the resist layer.
[0248]
When forming the magnetic detection element shown in FIG. 8, the bias underlayers 39 and 39 may be formed from the normal direction to the surface of the substrate 30 as shown in FIG. For example, the bias base layers 39 and 39 are sputter-deposited so as to face each other so as to be parallel to the substrate 30, and the angle distribution of the sputtered particles Sa is narrow and good in straightness (ion beam sputtering, long throw sputtering). Or a collimation sputtering method, or a sputtering method combining them). As a result, almost no sputtered particles are deposited on the side surfaces of the multilayer film T, and the film can be formed only on the extended portion 34b of the antiferromagnetic layer 34 in the multilayer film T.
[0249]
Further, by forming the first hard bias layer 40 by using an isotropic or anisotropic sputtering method, as shown in FIG. 8, the side surface 40a on the first hard bias layer 40 multilayer T side is changed. The second free magnetic layer 37a can be in direct contact with the side surface. Then, the first hard bias layer 40 and the second free magnetic layer 37a become a magnetic continuum, and it is possible to prevent a demagnetizing field from being generated at the side end portion of the second free magnetic layer 37a, thereby increasing stability. .
[0250]
By setting the position of the end portion R1b of the resist layer R1, the angular distribution of the sputtered particles Sa, and straightness, the bias underlayer 39 is not formed on the side surface of the multilayer film T, and the second free magnetic The bias underlayer 39 is formed on the side surface of the multilayer film T as long as it is not formed on the side surface of the layer 37a, and the bias underlayer 39 between the first hard bias layer 40 and the second free magnetic layer 37a is formed. The bias underlayer 39 can be formed on the side surface of the multilayer film T so that the film thickness becomes 1 nm or less.
[0251]
Further, in order to form three or more electrode layers, a lift-off resist layer in which cut portions are formed is formed on the uppermost electrode layer among the plurality of electrode layers already formed from the multilayer film T. Then, another electrode layer may be formed on the uppermost electrode layer at a predetermined film formation angle with respect to the normal direction of the substrate, and then the resist layer may be removed.
[0252]
In the steps shown in FIGS. 12 to 15, the resist layer masking the multilayer film T is a lift-off resist layer R1 having notches R1a and R1a formed by a two-layer resist method, an image reverse method, or the like. .
[0253]
However, in the present invention, as shown in FIG. 22, a region covering the region of the optical track width O-Tw of the magnetic detection element to be formed may be masked using the resist layer R4 having no notch. Good. When the optical track width O-Tw is formed with a width dimension of 0.2 μm or less, it is effective to form the resist layer R4 having no notch using electron beam lithography or the like.
[0254]
After the formation of the resist layer R4, both sides of the multilayer film T are etched by etching as shown in FIG.
[0255]
Further, in the step shown in FIG. 24, bias underlayers 39 and 39, first hard bias layers 40 and 40, intermediate layers 41 and 41, and first electrode layers 43 and 43 are formed on both sides of the multilayer film T.
[0256]
In the present invention, the first electrode layer 43 can be formed thin in the vicinity of the multilayer film T, and the height dimension of the step D formed by the surface of the multilayer film T and the side surface of the first electrode layer 43 can be reduced. Therefore, even if the resist layer R4 does not have a notch, the resist layer R4 can be reliably removed after the first electrode layer 43 is formed.
[0257]
Note that a recording / reproducing composite magnetic head may be configured by stacking a recording inductive head on the magnetic detection element of the present invention.
[0258]
The configuration of the hard bias layer of the present invention can also be used to make a free magnetic layer of a CPPGMR type magnetic detecting element and a TMR (tunnel effect magnetoresistive) type magnetic detecting element into a single magnetic domain.
[0259]
【Example】
A floating magnetic head is formed using the magnetic sensing element having the structure shown in FIG. 3, and the distance Glc between the upper shield layer 45 and the lower shield layer 31 at a position overlapping the center C of the multilayer film T of the magnetic sensing element is set. The effective track width when the distance Gls between the upper shield layer 45 and the lower shield layer 31 in the regions S1 and S1 that are fixed and overlap only with the first electrode layer 43 but not the insulating layer 52 is changed ( effective read width) E-Tw was measured.
[0260]
The effective track width E-Tw was measured using the full track profile method described above (see FIG. 26).
[0261]
Glc of the magnetic detection element used for the measurement is 60 nm, the optical track width O-Tw is 0.15 μm, the depth Z2 in the height direction of the multilayer film T is 0.1 μm, and the magnetic flying height from the recording medium is 18 nm. It was. Further, two cases were investigated when the value of the residual magnetization × film thickness of the first hard bias layer 40 was 7.5 T · nm and 21.7 T · nm.
[0262]
FIG. 25 is a graph showing the relationship between the difference between Gls and Glc and the effective track width E-Tw.
[0263]
From the graph of FIG. 25, it can be seen that the effective track width E-Tw decreases as the value of Gls decreases.
[0264]
When the value of the residual magnetization × film thickness of the first hard bias layer 40 is 7.5 T · nm, in order to make the effective track width E-Tw 0.17 μm or less, the value of the difference between Gls and Glc is set to It can be seen that the thickness should be 90 nm or less. Further, if the difference between Gls and Glc is 70 nm or less, the effective track width E-Tw can be 0.167 μm or less, and if the difference between Gls and Glc is 30 nm or less, the effective track width E -Tw can be 0.165 micrometer or less.
[0265]
In addition, when the value of the residual magnetization × film thickness of the first hard bias layer 40 is 21.7 T · nm, the effective track width E−Tw is set to 0. 0 when the difference between Gls and Glc is 70 nm or less. If the difference between Gls and Glc is 30 nm or less, the effective track width E-Tw can be 0.157 μm or less.
[0266]
In order to form the first hard bias layer 40 having a sufficient thickness, it is preferable that Gls−Glc ≧ −20 nm.
[0267]
From these results, in the present invention, the values of Gls and Glc are preferably set in a range satisfying Glc-20 nm ≦ Gls ≦ Glc + 90 nm, and more preferably in a range satisfying Glc−20 nm ≦ Gls ≦ Glc + 70 nm. More preferably, it is set to a range satisfying Glc-20 nm ≦ Gls ≦ Glc + 30 nm.
[0268]
Further, the value of Gls and Glc is set to a range satisfying 0.67 ≦ Gls / Glc ≦ 2.50 from the fact that Glc is 60 nm and the range of preferable values of Gls and Glc. More preferably, it is set in a range satisfying 0.67 ≦ Gls / Glc ≦ 2.17, and more preferably in a range satisfying 0.67 ≦ Gls / Glc ≦ 1.50. It was decided.
[0269]
【The invention's effect】
In the present invention described in detail above, by reducing the film thickness of the first hard bias layer, the strength of the static magnetic field of the first hard bias layer that aligns the magnetization direction of the free magnetic layer can be reduced. . That is, the value of the residual magnetization × film thickness in the portion of the hard bias layer close to the free magnetic layer can be reduced.
[0270]
Therefore, the width of the dead area formed in the multilayer film can be reduced, the sensitivity area can be widened, and the sensitivity of the magnetic detection element can be improved.
[0271]
Further, at a position away from the side surface of the multilayer film by a predetermined distance, the second hard bias layer is laminated in direct contact with the upper layer or the lower layer of the first hard bias, thereby increasing the film thickness of the hard bias layer. The coercive force Hc and the squareness ratio of the hard bias layer can be increased. Therefore, even if a disturbance magnetic field exists, the free magnetic layer can be kept in a stable single domain state.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of a magnetic detection element according to a first embodiment of the present invention as viewed from the side facing a recording medium;
FIG. 2 is a cross-sectional view of a magnetic detection element according to a second embodiment of the present invention as viewed from the side facing a recording medium;
FIG. 3 is a cross-sectional view of a magnetic detection element according to a third embodiment of the present invention as viewed from the side facing a recording medium;
FIG. 4 is a cross-sectional view of a magnetic detection element according to a fourth embodiment of the present invention as viewed from the side facing a recording medium;
FIG. 5 is a cross-sectional view of a magnetic detection element according to a fifth embodiment of the present invention as viewed from the side facing a recording medium;
FIG. 6 is a cross-sectional view of a magnetic detection element according to a sixth embodiment of the present invention viewed from the side facing the recording medium;
FIG. 7 is a cross-sectional view of a magnetic detection element according to a seventh embodiment of the present invention viewed from the side facing a recording medium;
FIG. 8 is a cross-sectional view of a magnetic detection element according to an eighth embodiment of the present invention viewed from the side facing a recording medium;
FIG. 9 is a cross-sectional view of a magnetic sensing element according to a ninth embodiment of the present invention as viewed from the side facing the recording medium;
FIG. 10 is a cross-sectional view of a magnetic detection element according to a tenth embodiment of the present invention as viewed from the side facing a recording medium;
11 is a plan view of the multilayer film T, the first electrode layer 43, and the second electrode layer 51 of the magnetic detection element shown in FIG. 3, as viewed from above in FIG.
FIG. 12 is a process diagram showing an embodiment of a method for producing a magnetic sensing element of the present invention;
FIG. 13 is a process diagram showing an embodiment of a method for producing a magnetic sensing element of the present invention;
FIG. 14 is a process diagram showing an embodiment of a method for producing a magnetic sensing element of the present invention;
FIG. 15 is a process diagram showing an embodiment of a method for producing a magnetic sensing element of the present invention;
FIG. 16 is a process diagram showing an embodiment of a method for producing a magnetic sensing element of the present invention;
FIG. 17 is a process diagram showing an embodiment of a method for producing a magnetic sensing element of the present invention;
FIG. 18 is a process diagram showing an embodiment of a method for producing a magnetic sensing element of the present invention;
FIG. 19 is a process diagram showing an embodiment of a method for producing a magnetic sensing element of the present invention;
FIG. 20 is a process diagram showing an embodiment of a method for producing a magnetic sensing element of the present invention;
FIG. 21 is a process diagram showing an embodiment of a method for producing a magnetic sensing element of the present invention;
FIG. 22 is a process diagram showing an embodiment of a method for producing a magnetic sensing element of the present invention;
FIG. 23 is a process diagram showing an embodiment of a method for producing a magnetic sensing element of the present invention;
FIG. 24 is a process diagram showing an embodiment of a method for producing a magnetic sensing element of the present invention;
FIG. 25 is a graph showing the relationship between the value of the difference between Gls and Glc and the effective track width;
FIG. 26 is a graph for explaining the full track profile method;
FIG. 27 is a cross-sectional view of a conventional magnetic detection element as viewed from the side facing the recording medium;
[Explanation of symbols]
31 Lower shield layer
32 Lower gap layer
33 Underlayer
34 Antiferromagnetic layer
35 Fixed magnetic layer
35a First pinned magnetic layer
35b Nonmagnetic intermediate layer
35c Second pinned magnetic layer
36 Non-magnetic material layer
37 Free magnetic layer
37a Second free magnetic layer
37b Nonmagnetic intermediate layer
37c First free magnetic layer
38 Protective layer
39 Bias Underlayer
40 First hard bias layer
41 middle class
42 Second hard bias layer
43 First electrode layer
44 Upper gap layer
45 Upper shield layer
46 Protective layer
51 Second electrode layer
T, T1, T2 multilayer film

Claims (22)

反強磁性層、前記反強磁性層との交換結合磁界により磁化方向が固定される固定磁性層、非磁性材料層、及び磁化が外部磁界に対し変動するフリー磁性層を有する多層膜を有し、
前記多層膜の両側部には、硬磁性材料で形成されて前記フリー磁性層の磁化方向を前記固定磁性層の固定磁化方向と交叉する方向へ揃える第1のハードバイアス層と、第1のハードバイアス層に重ねられて、硬磁性層で形成された第2のハードバイアス層とが設けられ、
前記第2のハードバイアス層は、前記第1のハードバイアス層よりも前記多層膜の側面から離れた位置にあり、前記多層膜の側面と前記第2のハードバイアス層との間で且つ前記第1のハードバイアス層と重なる位置に、非磁性層が介在していることを特徴とする磁気検出素子。
The antiferromagnetic layer has the fixed magnetic layer whose magnetization direction by an exchange coupling magnetic field of the antiferromagnetic layer is fixed, a nonmagnetic material layer, and a multilayer film having a free magnetic layer varying magnetization in response to an external magnetic field ,
On both sides of the multilayer film, a first hard bias layer is formed of a hard magnetic material and aligns the magnetization direction of the free magnetic layer in a direction crossing the fixed magnetization direction of the fixed magnetic layer, and a first hard bias layer A second hard bias layer formed of a hard magnetic layer is provided on the bias layer,
The second hard bias layer is located farther from the side surface of the multilayer film than the first hard bias layer, and between the side surface of the multilayer film and the second hard bias layer and the first hard bias layer. a position overlapping the first hard bias layer, the magnetic sensor nonmagnetic layer is characterized that you have interposed.
前記第1ハードバイアス層の膜厚よりも前記第2ハードバイアス層の膜厚のほうが厚い請求項1記載の磁気検出素子。  The magnetic sensing element according to claim 1, wherein the film thickness of the second hard bias layer is larger than the film thickness of the first hard bias layer. 前記第1ハードバイアス層多層膜側の側面は、前記フリー磁性層の側面と、非磁性材料からなる膜厚1nm以下のバイアス下地層を介して対向している請求項1または2記載の磁気検出素子。3. The magnetism according to claim 1 , wherein a side surface on the multilayer film side of the first hard bias layer is opposed to a side surface of the free magnetic layer via a bias underlayer made of a nonmagnetic material and having a thickness of 1 nm or less. Detection element. 前記第1ハードバイアス層上の一部と、前記第2ハードバイアス層上の全ての領域と重なる絶縁層が形成される請求項1ないし3のいずれかに記載の磁気検出素子。  4. The magnetic sensing element according to claim 1, wherein an insulating layer is formed to overlap a part on the first hard bias layer and all regions on the second hard bias layer. 5. 前記多層膜及び前記ハードバイアス層は、基板上に形成された磁性材料からなる下部シールド上に積層される絶縁性材料からなる下部ギャップ層上に形成され、前記多層膜及び前記ハードバイアス層上には絶縁性材料からなる上部ギャップ層と、前記上部ギャップ層上に積層される磁性材料からなる上部シールド層が形成され、
前記第1ハードバイアス層と前記第2ハードバイアス層のうち、前記第1ハードバイアス層のみと重なる領域における前記上部シールド層と前記下部シールド層間の距離をGls、前記多層膜の中央と重なる位置における前記上部シールド層と前記下部シールド層間の距離をGlcとしたときに、
前記GlsとGlcの差の値を、磁気検出素子の実効トラック幅が0.17μmとなる値以下に設定する請求項1ないし3のいずれかに記載の磁気検出素子。
The multilayer film and the hard bias layer are formed on a lower gap layer made of an insulating material laminated on a lower shield layer made of a magnetic material formed on a substrate, and the multilayer film and the hard bias layer are formed on the multilayer film and the hard bias layer. An upper gap layer made of an insulating material and an upper shield layer made of a magnetic material laminated on the upper gap layer are formed.
Of the first hard bias layer and the second hard bias layer, a distance between the upper shield layer and the lower shield layer in a region overlapping only the first hard bias layer is Gls, and a position overlapping the center of the multilayer film. When the distance between the upper shield layer and the lower shield layer is Glc,
The magnetic detection element according to any one of claims 1 to 3, wherein a value of a difference between the Gls and Glc is set to be equal to or less than a value at which an effective track width of the magnetic detection element is 0.17 µm.
前記第1ハードバイアス層と前記第2ハードバイアス層のうち、前記第1ハードバイアス層のみと重なる領域であって前記絶縁層と重ならない領域における、前記上部シールド層と前記下部シールド層間の距離をGls、前記多層膜の中央と重なる位置における前記上部シールド層と前記下部シールド層間の距離をGlcとしたときに、
前記GlsとGlcの差の値を、磁気検出素子の実効トラック幅が0.17μmとなる値以下に設定する請求項4に記載の磁気検出素子。
A distance between the upper shield layer and the lower shield layer in a region of the first hard bias layer and the second hard bias layer that overlaps only the first hard bias layer and does not overlap the insulating layer. Gls, when the distance between the upper shield layer and the lower shield layer at the position overlapping the center of the multilayer film is Glc,
The magnetic detection element according to claim 4, wherein a value of a difference between Gls and Glc is set to be equal to or less than a value at which an effective track width of the magnetic detection element is 0.17 μm.
前記Glsと前記Glcの値を、Glc−20nm≦Gls≦Glc+90nmを満たす範囲に設定する請求項5または6に記載の磁気検出素子。  The magnetic detection element according to claim 5, wherein the values of Gls and Glc are set in a range satisfying Glc−20 nm ≦ Gls ≦ Glc + 90 nm. 前記Glsと前記Glcの値を、0.67≦Gls/Glc≦2.50を満たす範囲に設定する請求項5ないし7のいずれかに記載の磁気検出素子。  The magnetic detection element according to claim 5, wherein the values of Gls and Glc are set in a range satisfying 0.67 ≦ Gls / Glc ≦ 2.50. 前記Glsと前記Glcの値を、Gls>Glcとする請求項5ないし8いずれかに記載の磁気検出素子。The value of the said Gls Glc, magnetic sensing element according to any one of claims 5 to 8, Gls> Glc. 前記Glsと前記Glcの値を、Gls=Glcとする請求項5ないし8いずれかに記載の磁気検出素子。  The magnetic detection element according to claim 5, wherein the values of Gls and Glc are Gls = Glc. 前記Glsと前記Glcの値を、Gls<Glcとする請求項5ないし8いずれかに記載の磁気検出素子。  The magnetic detection element according to claim 5, wherein the values of Gls and Glc satisfy Gls <Glc. 前記非磁性層は、第1電極層であり、前記第1電極層は、前記多層膜と直接電気的に接続されている求項1ないし11のいずれかに記載の磁気検出素子。 The non-magnetic layer is a first electrode layer, the first electrode layer, the magnetic sensing element according to any one of the multilayer film and electrically directly the attached Motomeko 1 to 11. 前記第1電極層のハイト方向の奥行長さが、前記多層膜のハイト方向の奥行長さより長い請求項1ないし12に記載の磁気検出素子。  The magnetic detection element according to claim 1, wherein a depth length of the first electrode layer in a height direction is longer than a depth length of the multilayer film in a height direction. 前記第2ハードバイアス層に重なる位置に形成され、前記第1電極層と直接電気的に接続されている第2電極層を有する請求項12または13記載の磁気検出素子。  14. The magnetic sensing element according to claim 12, further comprising a second electrode layer that is formed at a position overlapping the second hard bias layer and is directly electrically connected to the first electrode layer. 前記多層膜表面に平行な平面と前記第2電極層の前端縁の接平面とがなす角度は、前記多層膜表面に平行な平面と前記第1電極層の前端縁の接平面とがなす角度より小さい請求項14に記載の磁気検出素子。  The angle formed by the plane parallel to the multilayer film surface and the tangent plane of the front edge of the second electrode layer is the angle formed by the plane parallel to the multilayer film surface and the tangent plane of the front edge of the first electrode layer The magnetic sensing element according to claim 14, which is smaller. 前記第2電極層は前記第1電極層より膜厚が厚い請求項14または15に記載の磁気検出素子。  The magnetic detection element according to claim 14, wherein the second electrode layer is thicker than the first electrode layer. 前記第1電極層の材料をW、Ta、Rh、Ir、Ruのいずれか1種または2種以上とし、第2電極層の材料をCr、Cu、Au、Taのいずれか1種または2種以上とする請求項14ないし16のいずれかに記載の磁気検出素子。  The material for the first electrode layer is one or more of W, Ta, Rh, Ir, and Ru, and the material for the second electrode layer is one or two of Cr, Cu, Au, and Ta. The magnetic detection element according to any one of claims 14 to 16, which is as described above. 前記非磁性層は、前記多層膜上から前記第1ハードバイアス層上及び第2ハードバイアス層上にかけて形成される上部ギャップ層である請求項1ないし11のいずれかに記載の磁気検出素子。The magnetic sensing element according to claim 1, wherein the nonmagnetic layer is an upper gap layer formed from the multilayer film to the first hard bias layer and the second hard bias layer. (a)基板上に下部シールド層、下部ギャップ層、及び磁気抵抗効果を発揮する多層膜を成膜する工程と、
(b)前記多層膜上に、第1のレジスト層を形成する工程と、
(c)前記多層膜の前記第1のレジスト層によって覆われていない領域を削る工程と、
(d)前記多層膜の両側領域に、第1ハードバイアス層を成膜し、さらに前記第1ハードバイアス層上に第1電極層を成膜する工程と、
(e)前記第1のレジスト層を除去する工程と、
(f)切り込み部の形成されたリフトオフ用の第2のレジスト層を前記多層膜及び前記第1電極層に重なる領域上に形成する工程と、
(g)前記第2のレジスト層によってマスクされていない前記第1電極層を削るとともに、前記第1ハードバイアス層を所定厚さ削る工程と、
(h)所定厚さ削られた前記第1ハードバイアス層上に、第2ハードバイアス層を積層する工程と、
(i)前記第2のレジスト層を除去する工程と、
を有することを特徴とする磁気検出素子の製造方法。
(A) forming a lower shield layer, a lower gap layer, and a multilayer film exhibiting a magnetoresistive effect on the substrate;
(B) forming a first resist layer on the multilayer film;
(C) cutting the region of the multilayer film that is not covered by the first resist layer;
(D) forming a first hard bias layer on both sides of the multilayer film , and further forming a first electrode layer on the first hard bias layer;
(E) removing the first resist layer;
(F) forming a lift-off second resist layer in which a cut portion is formed on a region overlapping the multilayer film and the first electrode layer;
(G) cutting the first electrode layer not masked by the second resist layer, and cutting the first hard bias layer to a predetermined thickness;
(H) laminating a second hard bias layer on the first hard bias layer having a predetermined thickness; and
(I) removing the second resist layer;
A method for manufacturing a magnetic sensing element, comprising:
(j)基板上に下部シールド層、下部ギャップ層、及び磁気抵抗効果を発揮する多層膜を成膜する工程と、  (J) forming a lower shield layer, a lower gap layer, and a multilayer film exhibiting a magnetoresistive effect on the substrate;
(k)前記多層膜上に、第1のレジスト層を形成する工程と、  (K) forming a first resist layer on the multilayer film;
(l)前記多層膜の前記第1のレジスト層によって覆われていない領域を削る工程と、  (L) a step of cutting a region of the multilayer film that is not covered by the first resist layer;
(m)前記多層膜の両側領域に、第1ハードバイアス層を成膜する工程と、  (M) forming a first hard bias layer on both side regions of the multilayer film;
(n)前記第1のレジスト層を除去する工程と、  (N) removing the first resist layer;
(o)切り込み部の形成されたリフトオフ用の第2のレジスト層を前記多層膜及び前記第1ハードバイアス層に重なる領域上に形成する工程と、  (O) forming a lift-off second resist layer in which a cut portion is formed on a region overlapping the multilayer film and the first hard bias layer;
(p)前記第2のレジスト層によってマスクされていない前記第1ハードバイアス層を所定厚さ削る工程と、  (P) scraping the first hard bias layer not masked by the second resist layer to a predetermined thickness;
(q)所定厚さ削られた前記第1ハードバイアス層上に、第2ハードバイアス層を積層する工程と、  (Q) laminating a second hard bias layer on the first hard bias layer cut to a predetermined thickness;
(r)前記第2のレジスト層を除去する工程と、(R) removing the second resist layer;
(s) 前記多層膜上から、前記第1ハードバイアス層上及び第2ハードバイアス層上にかけて上部ギャップ層を形成する工程と、  (S) forming an upper gap layer over the multilayer film, over the first hard bias layer and the second hard bias layer;
を有することを特徴とする磁気検出素子の製造方法。A method for manufacturing a magnetic sensing element, comprising:
前記(h)工程、あるいは前記(q)工程において、前記第1ハードバイアス層の膜厚よりも前記第2ハードバイアス層の膜厚の方を厚く形成する請求項19または20に記載の磁気検出素子の製造方法。The magnetic detection according to claim 19 or 20 , wherein in the step (h) or the step (q) , the second hard bias layer is formed thicker than the first hard bias layer. Device manufacturing method. 前記(d)工程あるいは前記(m)工程において前記第1ハードバイアス層を成膜する前に、非磁性材料からなるバイアス下地層を基板の法線方向から成膜する工程を有する請求項19ないし21のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。Wherein before forming the first hard bias layer in step (d) or the (m) step, the bias underlayer made of non-magnetic material to 19 claims comprising the step of forming the normal direction of the substrate 21. A method for manufacturing a magnetic detection element according to any one of items 21 to 21 .
JP2001083181A 2001-03-22 2001-03-22 Magnetic sensing element and manufacturing method thereof Expired - Fee Related JP3766600B2 (en)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001083181A JP3766600B2 (en) 2001-03-22 2001-03-22 Magnetic sensing element and manufacturing method thereof

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001083181A JP3766600B2 (en) 2001-03-22 2001-03-22 Magnetic sensing element and manufacturing method thereof

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002280644A JP2002280644A (en) 2002-09-27
JP3766600B2 true JP3766600B2 (en) 2006-04-12

Family

ID=18939035

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001083181A Expired - Fee Related JP3766600B2 (en) 2001-03-22 2001-03-22 Magnetic sensing element and manufacturing method thereof

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3766600B2 (en)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004206842A (en) 2002-12-26 2004-07-22 Tdk Corp Thin film magnetic head, thin film magnetic head assembly, storage device and manufacturing method for thin film magnetic head
JP2004311686A (en) * 2003-04-07 2004-11-04 Alps Electric Co Ltd Magnetically sensitive element and its manufacturing method
JP6199730B2 (en) 2013-12-25 2017-09-20 株式会社東芝 Current sensor and current sensor module

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002280644A (en) 2002-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3939503B2 (en) Magnetic sensing element and manufacturing method thereof
US6714388B2 (en) Magnetic sensing element having improved magnetic sensitivity
JP2003264324A (en) Magnetic detecting element
JP3703348B2 (en) Spin valve thin film element and thin film magnetic head including the spin valve thin film element
JP2003332649A (en) Magnetic detecting element
JP3908554B2 (en) Method for manufacturing magnetic sensing element
US6867952B2 (en) Magnetic sensing element with ESD resistance improved by adjusting the lengths of antiferromagnetic layers and free layer in the height direction
US6731479B2 (en) Spin-valve thin-film magnetic element with a ferromagnetic underlayer of hard bias
KR100354687B1 (en) Spin-valve type thin film magnetic element and manufacturing method thereof
JP2002151757A (en) Thin film magnetic element and its manufacturing method
US20020081458A1 (en) Magnetic sensing element with improved sensitivity and method for making the same
US7079362B2 (en) Giant magnetoresistive element
US10249329B1 (en) Current-perpendicular-to-the-plane (CPP) magnetoresistive (MR) sensor with wedge shaped free layer
JP3699000B2 (en) Spin valve thin film element and method for manufacturing the same
JP4185528B2 (en) Thin film magnetic head
JP3774375B2 (en) Magnetic detection element, method of manufacturing the same, and thin film magnetic head using the magnetic detection element
JP2001160208A (en) Magneto-resistive element and method for manufacturing the same
JP3766600B2 (en) Magnetic sensing element and manufacturing method thereof
JP3766605B2 (en) Magnetic sensing element and manufacturing method thereof
JP3774374B2 (en) Magnetic sensing element and manufacturing method thereof
JP3889276B2 (en) Magnetic detection element
JP3939519B2 (en) Magnetic sensing element and manufacturing method thereof
JP2002151755A (en) Magnetoresistive effect element, its manufacturing method, and thin film magnetic head using it
JPH06325329A (en) Thin film magnetic head
JP3961251B2 (en) Method for manufacturing magnetic sensing element

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040811

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051025

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060117

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060127

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090203

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100203

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100203

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100203

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees