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JP3766651B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents

洗浄剤組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は洗浄時の泡立ちや速泡性に優れた、パール外観を有する洗浄剤組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シャンプーや全身洗浄料等の洗浄剤組成物には、洗浄性能やコンディショニング性が要求されるほか、外観面での製品価値を高めるため、多くの製品において、パール外観が付与されている。
【0003】
外観にパール光沢を与えるための真珠光沢剤としては、長鎖脂肪酸グリコールエステルが多く用いられている。パール外観を有する洗浄剤組成物を調製する方法としては、常温で固体状の真珠光沢剤を洗浄剤製造時に添加し、加熱、融解後、再び冷却し晶析させる方法、真珠光沢剤を予め融解し再冷却して得たパール光沢を有する濃厚分散液を常温で洗浄剤成分と混合する方法等がとられている。従っていずれの方法によっても最終組成物中では真珠光沢剤が微細な結晶状となって分散している。
【0004】
洗浄剤組成物は、洗浄性能・コンディショニング性・外観の要素を高いレベルで満たし、長期間安定に保つ必要があるが、外観を向上させるために真珠光沢剤を多く配合すると、泡立ち及び速泡性、特に洗浄時において汚れ成分を含んだ状態での泡性能が低下してしまうという問題がある。このため、従来は、配合成分の選択及び組合せと、それらの配合量の細かい検討により最適な組成を決定しているが、全ての要素を満足させる組成を決定することは非常に困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、泡性能を低下させることなく、美しいパール外観を付与した洗浄剤組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、真珠光沢剤である長鎖脂肪酸グリコールエステル分散液を、カチオン性ポリマーの水溶液と混合することにより、プレミックスを調製し、その他の洗浄剤成分にそのプレミックスを混合することで、洗浄時の泡立ちや速泡性などの洗いやすさに優れた、パール外観を有する洗浄剤組成物が得られることを見出した。
【0007】
本発明は、カチオン性ポリマー水溶液に対し、別途調製された長鎖脂肪酸グリコールエステル分散液を添加して得られたプレミックスを、その他の洗浄剤成分と混合する洗浄剤組成物の製造法、及びこれにより得られる洗浄剤組成物を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるカチオン性ポリマーとしては、カチオン化セルロース誘導体、カチオン性澱粉、カチオン化グアーガム誘導体、ジアリル4級アンモニウム塩のホモポリマー、ジアリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物、4級化ポリビニルピロリドン誘導体、ポリグリコールポリアミン縮合物、ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン/4級ジメチルアミノエチルメタアクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート共重合体、ビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム共重合体、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルエチレントリアミン共重合体(米国サンドス社製カルタレチン)、特開昭53-139734号公報、特開昭60-36407号公報に記載されているカチオン性ポリマー等が挙げられる。これらのうち、カチオン化セルロース誘導体、カチオン化グアーガム誘導体が好ましい。カチオン性ポリマーは、2種以上を併用することもできる。
【0009】
長鎖脂肪酸グリコールエステルとしては、炭素数13〜23のアルキル基を1個又は2個有するものが好ましく、例えばエチレングリコールモノステアリン酸エステル、エチレングリコールモノパルミチン酸エステル、エチレングリコールジステアリン酸エステル、エチレングリコールジベヘン酸エステル、ジエチレングリコールモノステアリン酸エステル、ジエチレングリコールモノパルミチン酸エステル、ジエチレングリコールジステアリン酸エステル、トリエチレングリコールモノステアリン酸エステル等が挙げられる。これらのうち、特にエチレングリコールジステアリン酸エステルが好ましい。長鎖脂肪酸グリコールエステルは、2種以上を併用することもできる。
【0010】
洗浄剤組成物に配合されるその他の成分としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリルエーテル誘導体等の非イオン界面活性剤、アミドプロピルベタイン等の両性界面活性剤、セチルトリメチルアンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤;長鎖脂肪酸アルカノールアミド、シリコーン化合物及びその誘導体等のコンディショニング成分;プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ソルビトール、パンテノール等の保湿剤;染料、顔料等の着色剤;メチルセルロース、ポリエチレングリコール、エタノール等の粘度調整剤;クエン酸、水酸化カリウム等のpH調整剤;塩化ナトリウム等の塩類;その他、防腐剤、殺菌剤、キレート剤、ビタミン剤、抗炎症剤、抗フケ剤、植物エキス類、香料、色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤等が挙げられる。
【0011】
本発明の洗浄剤組成物は、主に下記の4つの工程を経て製造される。
【0012】
〔工程1〕 カチオン性ポリマー水溶液の調製
カチオン性ポリマー水溶液を調製し、60〜80℃に加温、溶解し、60℃以下に保持する。カチオン性ポリマーの濃度は溶解できる濃度であれば制限はないが、0.2〜5重量%、特に0.5〜3重量%が好ましい。カチオン性ポリマーの使用量は、洗浄剤組成物全量に対し、0.01〜2重量%、特に0.05〜0.8重量%が好ましい。冷却保持する温度は、40〜55℃が好ましい。また、カチオン性ポリマーを溶解する水分量は、洗浄剤組成物全体の5〜20重量%が好ましい。
【0013】
〔工程2〕 長鎖脂肪酸グリコールエステル分散液の調製
長鎖脂肪酸グリコールエステルを界面活性剤水溶液に混合し、加熱・溶融後、冷却して再結晶させ、長鎖脂肪酸グリコールエステルの分散液を調製する。界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等のアニオン界面活性剤、アミドプロピルベタイン等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン界面活性剤、長鎖脂肪酸アルカノールアミド等から選ばれるものが好ましく、また界面活性剤水溶液の濃度は、3〜30重量%が好ましい。長鎖脂肪酸グリコールエステルの濃度は高いほうが良いが、洗浄剤組成物の製造上、分散液には適度な流動性がある方が望ましく、10〜30重量%が好ましい。長鎖脂肪酸グリコールエステルと界面活性剤の比率(重量比)は、1:0.3〜1:1.5が好ましい。加熱温度は、長鎖脂肪酸グリコールエステルが溶融する温度以上であることが必要であり、70〜80℃で溶融できる。冷却速度と攪拌速度は特に限定されるものではない。長鎖脂肪酸グリコールエステル分散液には、長鎖脂肪酸グリコールエステル、上記界面活性剤のほか、必要に応じてpH調整剤、防腐剤等を配合できる。冷却後は、20〜50℃に保持することが好ましい。
【0014】
また、長鎖脂肪酸グリコールエステル分散液として、一般的に化粧品原料として市販されている真珠様光沢剤濃厚物を用いることもできる。真珠様光沢剤濃厚物としては、例えばコグニス社製オイパーランPK810(ジステアリン酸エチレングリコールエステルを約20重量%含有し、高級アルコールエーテル硫酸塩で分散されたもの)やオイパーランPK3000(ジステアリン酸エチレングリコールエステルを約25重量%含有し、両性界面活性剤で分散されたもの)などが挙げられる。
【0015】
〔工程3〕 界面活性剤及びその他の添加剤の混合物の調製
この工程は、目的とする洗浄剤組成物に配合される、前記したその他の成分(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリルエーテル誘導体等の非イオン界面活性剤、アミドプロピルベタイン等の両性界面活性剤、グリセリン等の保湿剤、染料等)の混合物の調製であり、配合方法は特に限定されるものではない。
【0016】
〔工程4〕 プレミックスの調製と洗浄剤組成物の調製
工程1で得られたカチオン性ポリマー水溶液に、工程2で得られた長鎖脂肪酸グリコールエステル分散液を全組成中の5〜20重量%混合し、十分に攪拌することでプレミックスを調製する。攪拌の温度は工程1でカチオン性ポリマー水溶液を保持していた温度(40〜55℃)が望ましく、長鎖脂肪酸グリコールエステルの融点を超える温度は、結晶の再融解を招き、望ましくない。なお、このプレミックスは、カチオン性ポリマーの長鎖脂肪酸グリコールエステルへの吸着を効率的に行うため、油剤を含有せず、かつ界面活性剤の含有量が、長鎖脂肪酸グリコールエステルの2重量倍以下であることが好ましい。更に、界面活性剤の含有量は、長鎖脂肪酸グリコールエステル分散液において分散剤として用いられる量に止めるのが好ましく、長鎖脂肪酸グリコールエステルの0.3〜1.5重量倍が好ましい。
【0017】
このプレミックスを、工程3で得られた混合物に加え、均一になるまで攪拌を行う。工程3で得られた混合物の温度は、プレミックスの温度(40〜55℃)に近いことが望ましく、長鎖脂肪酸グリコールエステルの融点を超える温度は、結晶の再融解を招き、望ましくない。また、前記したその他の成分のうち、エタノール、香料等の揮発性成分や、調整を目的に配合するpH調整剤、粘度調整剤は、プレミックスを混合した後、揮発性成分が揮発しない温度まで冷却してから混合するのが望ましい。
【0018】
【実施例】
実施例1
以下に示す組成の洗浄剤組成物を本発明の製造法及び従来の製造法により製造し、泡立ち性能及び外観を評価した。結果を表2に示す。
【0019】
Figure 0003766651
【0020】
<本発明品の製造方法>
〔工程1〕 表1の成分1及び2を70℃で加熱攪拌し、溶解後50℃まで攪拌冷却し保持する。
〔工程2〕 表1の成分3〜7を80℃で加熱し、30℃まで攪拌冷却して、長鎖脂肪酸グリコールエステル分散液を得る。
〔工程3〕 表1の成分8〜12を70℃で加熱攪拌し、溶解後50℃まで攪拌冷却し保持する。
〔工程4〕 工程1で得たカチオン性ポリマー水溶液に工程2で得た長鎖脂肪酸グリコールエステル分散液を添加し、50℃で30分攪拌しプレミックスを得る。このプレミックスを工程3で得た混合物に加えてさらに30分間攪拌する。その後30℃まで冷却する。
【0021】
【表1】
Figure 0003766651
【0022】
<比較品の製造方法>
前記組成の全成分を80℃で加熱攪拌し、30℃まで攪拌冷却した。
【0023】
<評価方法>
(1)泡立ち評価
健常な20代日本人女性の毛髪20g(15cm)からなるトレスに、ラノリン2.0gと洗浄剤組成物1gを塗布し、30秒間泡立てる。この操作を専門パネラー10名により行い、その時の泡立ち性を以下の基準で官能評価し、平均スコアを求めた。平均スコア3.5以上を◎、2.5〜3.4を○、1.5〜2.4を△、1.4以下を×として判定した。
【0024】
非常に良好な泡立ちを示す・・・・・・スコア4
十分な泡立ちを示す・・・・・・・・・・・・スコア3
泡立つが不足と感じる・・・・・・・・・・スコア2
ほとんど泡立たない・・・・・・・・・・・・スコア1
【0025】
(2)外観評価
100mL容の透明ガラス容器に試料を入れ、肉眼にて真珠光沢の外観を観察し、以下の基準で評価した。
○:真珠光沢が均一である。
×:濁り、エマルション様、又は真珠光沢が不均一である。
【0026】
【表2】
Figure 0003766651
【0027】
実施例2
以下に示す組成のシャンプーを実施例1の「本発明品」と同様の方法で製造した。このシャンプーは、泡立ちが良好であり、真珠光沢に優れたものであった。
【0028】
【表3】
Figure 0003766651
【0029】
実施例3
以下に示す組成のシャンプーを実施例1の「本発明品」と同様の方法で製造した。このシャンプーは、泡立ちが良好であり、真珠光沢に優れたものであった。
【0030】
【表4】
Figure 0003766651
【0031】
【発明の効果】
本発明の洗浄剤組成物は、パール外観を有し、洗浄時の泡立ちや速泡性に優れたものである。

Claims (4)

  1. カチオン性ポリマー水溶液に対し、別途長鎖脂肪酸グリコールエステルを界面活性剤水溶液に混合し、加熱・溶融後、冷却・再結晶させて調製された長鎖脂肪酸グリコールエステル分散液を添加し、得られたプレミックスを、その他の洗浄剤成分と混合する洗浄剤組成物の製造法。
  2. 長鎖脂肪酸グリコールエステル分散液中の長鎖脂肪酸グリコールエステルと界面活性剤の比率(重量比)が、1: 0.3 〜1: 1.5 である請求項1記載の製造法。
  3. カチオン性ポリマー水溶液に対し、別途長鎖脂肪酸グリコールエステルを界面活性剤水溶液に混合し、加熱・溶融後、冷却・再結晶させて調製された長鎖脂肪酸グリコールエステル分散液を添加し、得られたプレミックスを、その他の洗浄剤成分と混合して得られた洗浄剤組成物。
  4. 長鎖脂肪酸グリコールエステル分散液中の長鎖脂肪酸グリコールエステルと界面活性剤の比率(重量比)が、1: 0.3 〜1: 1.5 である請求項3記載の洗浄剤組成物。
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