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JP3764252B2 - カップ成型方法並びに複動機械プレスに使用される工具装置 - Google Patents

カップ成型方法並びに複動機械プレスに使用される工具装置 Download PDF

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JP3764252B2
JP3764252B2 JP18657997A JP18657997A JP3764252B2 JP 3764252 B2 JP3764252 B2 JP 3764252B2 JP 18657997 A JP18657997 A JP 18657997A JP 18657997 A JP18657997 A JP 18657997A JP 3764252 B2 JP3764252 B2 JP 3764252B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複動機械プレスの各ストロークで金属シートのストリップから一連のカップを成型するための方法、並びにその工具装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
缶工業においてカップや缶を製造する場合、例えば、米国特許No.4,020,670、No.4,248,076並びにNo.4,416,140にて開示されているような一般的な形式のカップ形成工具を備えた複動機械プレスが一般に使用されている。このようなカップ形成用プレスは、150ないし200ストローク/分(spm)の範囲内で一般に動作し、またプレスの各ストロークでカップのバッチを形成するように複数のカップ形成工具部品を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
缶工業における製造上の要求の向上に対応したために、例えば、220ないし25spmのような高速でカップ形成用プレスを作動させることが望まれるようになってきている。しかし、カップ形成用プレスの速度をこのように増加させると、プレスのダイナミック負荷、特に、複動プレスの外ラムにかかる圧縮並びに張力負荷が非常に大きくなる。このようなプレスへのダイナミック負荷の増加により、プレスに規定以上の負荷がかかり、プレスの構成部品が破損してしまう。
【0004】
シート状の金属ワークピースからプレスの各ストロークごとに、シート状の金属ワークピースの厚さに相当して僅かに上方に各ポンチを位置させることにより、複数の部品をブランキング並びにカッテングするようにポンチ並びにダイを構成することが工具並びに缶工業で知られている。これによれば、部品のブランキングもしくはポンチングは連続してできるが、ワークピースの支持は連続してではなく1枚の板ごとになされる。
【0005】
本発明は、プレス部品に過負荷がかからないで、高製造速度でプレスの各ストローク毎にカップ状の物品を成型することができるようにプレスのための工具を構成し動作させる、改良された方法並びに装置を提供する。例えば、本発明に従って構成された工具を備えたカップ成型プレスは、外ラムにかかる圧縮力もしくは負荷を50%以下に減じることができ、この結果、プレスの規定の負荷を声内で、プレス速度を約150spmから約250spmに増加させることができる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の参考例並びに一実施の形態に係われば、カップ形成用プレスは、マルチステージの工具を備え、各工具ステージは、対応した環状のブランク/ドローダイと対向した一連の環状のドローパットと、各ドローパットを囲む環状のカットエッジダイと、各ドローパッド内のダイ中心ポンチとを具備する。これら工具のステージは、プレスの各ストロークの間、カットエッジダイと、これに対応したブランク/ドローダイとの間の一連の円形のブランクを連続して絞る正確なタイミングシーケンスで金属シートが係合し、ドローパッドと、これに対応したブランク/ドローダイとの間にブランクを連続して保持し、そして、ダイ中心ポンチが、これと対応したブランク/ドローダイ中に延出することによりブランクをカップに連続して絞るように構成されている。また、本発明に係われば、既存のカップ形成用プレスの工具が、ドローパッドの幾つかに一連の環状の挿入部材とカットエッジダイのための保持部材とを設置し、ブランク/ドローダイの幾つかを支持した保持部材を低くすることにより、容易に変更され得る。各ステージでの工具は、各カップの底壁内に再成型ボスを形成するために、ブランク/ドローダイ内で底パネルパンチを囲む圧力スリーブを有し得る。また、本発明は、試用期間の後に、工具の保守点検のために工具の上並びに下構成要素を都合良くまた迅速に取り外すことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の参考例である14個のカップ成型工具のシステム15の下面図、即ち、底工具の平面図である。このシステム15は、複動機械プレスのベッド20(図2)に取着された下ダイシュ18を有する。このプレスは、また内ラム22と外ラム24とを具備し、内ラム22は、例えば、約5インチ(約12.7cm)の垂直ストロークを有し、また外ラム24は、例えば、2インチ(約5.08cm)のような比較的短いストロークを有する。図1に示すように、下ダイシュ18は、下ダイシュ18を貫通してカップ排出チヤンバ28へと垂直、即ち、下方に延びた14個の孔、即ち、ポケット26を有する。これらポケット26は、ポケット1,2,13,14が第1のステージを構成し、ポケット3.4.11.12が第2のステージを構成し、ポケット5,6,9,10が第3のステージを構成し、そしてポケット7,8が第4のステージを構成してなる4つのステージ(図1)に配設されている。
【0008】
前記内ラム22(図2)は、上、即ち、内ダイシュ32を支持している。一連の垂直立上がり部34が内ダイシュ32の底面に取着されて、対応したポケット26と垂直方向にアラインメントするように下方に延びている。ダイ中心ポンチ38(図3)が、中心ねじ39と精度位置決めピン41とにより、各垂直立上がり部34の下端部に取着されている。各ダイ中心ポンチ38は固化された耐磨耗性外スリーブ42を支持している。垂直立上がり部34と、これに対応したダイ中心ポンチ38との夫々は、垂直方向に延びた空気流路44を有し、この空気流路44には、ポンチからカップを取り除く時間タイミングで圧縮空気(圧力が加えられた空気)が供給される。図2から明らかなように、垂直立上がり部34と、これに対応したダイ中心ポンチ38とは、装着された内ダイシュ32を介して内ラム22により支持されて垂直方向に移動される。
【0009】
各ポケット26のための工具要素は実質的に同じなので、1つのポケットのための工具要素のみが図3に示されている。円筒状の案内スリーブ46(図3)が垂直立上がり部34の外周に設けられており、これは、上ダイシュ52に装着された環状プレート48に取着された上フランジを有する。この上ダイシュ52は、周方向に互いに離間した複数のねじ54(図2)により外ラム24に支持されている。円筒状のライナー57が、上ダイシュ52に形成された穴を内張しており、ピストン62のヘッド部を受ける流体、即ち空気チヤンバ59を規定するように案内スリーブ46並びに環状プレート48と共同する。ヘッド部は、周方向に互いに間隔を有して形成された複数の孔63内に耐磨耗性パッド(図示せず)を支持し、また、周方向に互いに離間した複数のねじ66と精度位置決めピン67とにより上ダイシュ52に取着された環状の保持部材64により空気チヤンバ59内に規定されている。
【0010】
2つのセクションからなるドローパッド(絞りパツト)70が、ピストン62の下方の保持部材64内で垂直方向に摺動するように支持されている。このドローパッド70の底面には、この面を不規則な面とするように一連の細い同心的な溝もしくは凹所が複数形成されている。また、このドローパッド70の下部は、ピストン62と係合しまた周方向に所定間隔を有して形成され中に耐磨耗性パッド(図示せず)を支持した複数の孔73を有する上部よりも硬いスチールで形成されている。このドローパッド70は、周方向に間隔を有して配設された複数のねじ77により保持部材64に取着された環状のカットエッジを有する保持部材74により環状の保持部材64内に支持されている。前記保持部材74は、ドローパッド70を囲む硬い環状のシアーダイ(剪断型)、即ち、カットエッジ78を支持している。硬い平坦なスペーサリング82が保持部材74の上部に形成された凹所に挿入されて、ドローパッド70の下方移動制限部材を形成している。
【0011】
図3に示すように、下ダイシュ18内の孔、即ちポケット26の夫々は、対応したダイ中心ポンチ38と垂直方向にアラインメントされ、これよりも径が僅かに大きい。下ダイシュ18内のポケット26の夫々と垂直方向にアラインメントするようにして2つの部分よりなるブランク/ドローダイ90が設けられている。このダイブランク/ドローダイ90は平坦な環状のスペーサ96により環状の保持部材93の円形凹所内で支持されている。各ブランク/ドローダイ90は、1組の互いに周方向に離間したねじ98により対応した保持部材93に取着されており、また他の1組のねじ101により各保持部材93は下ダイシュ18に取着されている。また、1組のねじ102により前記スペーサ96はブランク/ドローダイ90に取着されている。複数の位置付けピン並びにブッシュ(図示せず)が、また、各ブランク/ドローダイ90並びにその保持部材93を下ダイシュ18に精度良く位置付けるために使用されている。図3に示すように、ブランク/ドローダイ90の上部分は、これの下部分内に挿入されて強制的に保持された硬いリングにより構成されている。
【0012】
図4に示すように、上ダイシュの上工具を構成する前記ダイ中心ポンチ38と、ドローパッド70と、保持部材74と、カットエッジ78と、ピストン62と、保持部材64とは、中心ねじ39と、ねじ66と、ねじ77とを単に取り外すだけで上ダイシュ52から都合良く、また迅速に取り外すことができる。さらに、これら部材は、上ダイシュ52のさらに上方への移動や上工具のさらなる分解をしないで、耐磨耗性パッドやピストンシールリングのような部材を交換するために取り外され得る。
【0013】
図2並びに図3を参照して、平坦なストックプレート110は、底、即ち下工具の一部を構成し、ブランク/ドローダイ90の夫々を中に受けるための円形開口、即ち、間隙孔111を規定している。このストックプレート110は、一連のばね付勢ピストン115(図2)により、上面がブランク/ドローダイ90の上面とほぼ同一平面となるようにして支持されている。これらピストン115は、図1に示すように、ブランク/ドローダイ90間並びにこれらのまわりで下ダイシュ18内に配置されている。また、これらピストン115は、ストックプレート110を所定の力で上昇位置(図2並びに3)に付勢しているが、カットエッジ78並びに保持部材74の下方ーの移動により力が加えられたときには、少しの摩擦でストックプレート110が下方に移動できるように設定されている。
【0014】
次に、図5ないし図8に示すように、図1ないし図4を参照して説明したマルチステージ工具は、複数の組みの孔、即ち、ポケット26に関連して、連続したブランキング、ホールデング、ドローイング動作を果たすように操作される。これら連続した動作は、ブランク/ドローダイ90と、ドローパッド70と、ダイ中心ポンチ38との各ステージを、ベッド20に対して所定の高さに精度良く位置付けることにより行われる。例えば、ブランク/ドローダイ90を低くするように保持部材93の幾つかの底面を砥ぎ、また第2、第3並びに第4ステージの各々に対して上工具に1組の挿入部材を加えることにより、既存のカップ成型工具が変更され得る。
【0015】
図1並びに図2に示す工具のステージ4表す図3に示すように、平坦な環状の挿入部材120は、カットエッジ78に対する各ドローパッド70の下方移動を規定し、別の平坦な環状の挿入部材121は、所定の圧力でドローパッド70を押圧する空気で作動されるピストン62の下方への移動を規制する。また、別の平坦な環状の挿入部材122は、支持垂直立上がり部34に対するダイ中心ポンチ38に対してダイ中心ポンチ38の幾つかの各々を離間、即ち、下にさせ、ドローパッド70に対するダイ中心ポンチ38の高さを精度良く決定する。
【0016】
例えば、図8の表に示すように、第1並びに第2のステージの孔のためのブランク/ドローダイ90は、夫々0.012インチ(約0.030cm)だけ下げられている。このように低くすることは、ブランク/ドローダイ90を支持している保持部材93の底面を砥ぐことにより達成される。ステージ2のポケット3,4,11,12のための挿入部材120,121は0.020インチ(0.051cm)の厚さを有し、この結果、ステージ2のポケットのためのピストン62と、これに対応したドローパッド70とは、ステージ1のポケット1,2,13,14のためのピストン62並びにドローパッド70より0.20インチだけ上に位置する。ステージ2のポケット3.4.11.12のためのダイ中心挿入部材122は0.060インチ(0.152cm)の厚さを有し、この結果、これらポケットのためのダイ中心ポンチ38は、ステージ1のポケットのダイ中心ポンチ38に対して0.060インチだけ下方に位置する。
【0017】
図8の表から明らかなように、ステージ3のポケット5,6,9,10のための挿入部材120,121は0.052インチ(0.132cm)の厚さを有し、この結果、これらポケットのためのピストン62とドローパッド70とは、ステージ2のポケットのためのドローパッド70に対して0.040インチだけ上方に位置する。また、ステージ3のポケットのためのダイ中心挿入部材122は0.116インチ(0.295cm)の厚さを有し、この結果、これらポケットのためのダイ中心ポンチ38は、ステージ2のポケットのダイ中心ポンチ38に対して0.056インチだけ下方に位置する。同様に、ステージ4のポケット7,8のための挿入部材120,121は0.072インチ(0.183cm)の厚さを有し、またこれらポケットのためのダイ中心挿入部材122は0.198インチ(0.503cm)の厚さを有する。この結果、これらポケットのためのドローパッド70は、ステージ3のポケットのためのドローパッド70に対して0.072インチだけ上方に位置し、また、ステージ4のポケットのためのダイ中心ポンチ38は、ステージ3のポケットのダイ中心ポンチ38に対して0.082インチだけ下方に位置する。
【0018】
図5ないし図7に示すように、例えば、0.011インチ(0.028インチ)の厚さのアルミニウムのような金属シートSが、図1で下方の下工具と上工具との間に供給される。外ラム24並びに上ダイシュ52の下方への移動により、シートSは、第1ないしステージ4ための環状のカットエッジ78と環状のブランク/ドローダイ90との間で裁断、即ちブランクにされて平坦な環状のブランクBが連続して形成される。図5から明らかなように、挿入部材120,121の厚さが増している結果、ブランクBは、第1ないしステージ4のためのドローパッド70によりブランク/ドローダイ90に対して連続してクランプ、即ち、支持される。図6並びに図7から明らかなように、内ラム22並びに内ダイシュ32が下方に移動されることにより、第1ないしステージ4のためのダイ中心ポンチ38は連続してブランクBと係合し、ブランクを対応したカップCへと連続して絞る。図7から明らかなように、第1ないしステージ4のためのダイ中心ポンチ38上の中心挿入部材122の厚さが増していることにより、ステージ1でのカップの前にステージ2のためのカップに充分に絞られ、またステージ3のためのカップCに充分に絞られる前にステージ4のためのカップCに充分絞られるようにして、カップCは逆の順で連続して絞られる。
【0019】
図9は、図3並びに図4を参照して上述したカップ成型工具と同様の、本発明の他の参考例に従って構成されたカップ成型工具の部分断面図である。図9において、上ダイジュー130は、例えば、約2インチのストロークで垂直方向に往復移動するように、外ラム24に接続されている。円筒状のボア132が、工具の各ポケットもしくは位置のために上ダイシュ130内に形成されており、それぞれ対応した立上がり部134を摺動可能に支持している。この立上がり部134は、例えば、約5インチのストロークで垂直方向に往復移動するように、内ダイシュ32に接続されている。各立上がり部134の下端部は、環状ハブ138と中心ねじ141とにより、立上がり部134に装着された環状のダイ中心ポンチ136を支持している。環状のスペーサくさびもしくはリング143が、ダイ中心ポンチ136と、立上がり部134の環状の肩部との間に配置されている。このスペーサリング143は、周方向に互いに離間した一連のねじ144により立上がり部134に取着されている。空気流路147が、前記空気流路に関連して前述したように、圧縮空気パルスを受けるように、立上がり部134とハブ138との中を軸方向に延びている。
【0020】
環状体、即ち、保持部材150、が各立上がり部134と、これに対応したダイ中心ポンチ136とを囲んでおり、また、周方向に互いに離間し夫々が軸方向に延びた一連のばね153と、1セットの精度位置決めピン154とにより、前記上ダイシュ130の底面に装着されている。前記保持部材150は、上ダイシュ130内の流路159を介して圧縮空気を受ける環状チヤンバ158を中に規定している。環状ピストン165が、軸方向に移動可能に、チヤンバ158内に支持され、また、このピストンは、ダイ中心ポンチ136を囲む環状のドローパッド168に直接に接続された下部を有する。このドローパッド168は、ピストン165よりも硬い材料で好ましくは形成されており、圧力適合接続(嵌合)により取着されている。
【0021】
環状のカットエッヂダイ172が、ドローパッド168を囲んでおり、また、圧力適合接続(プレスフイット接続)により、環状のカットエッジ保持部材174に取着されている。平坦なスペーサリング177が、周方向に互いに離間した一連のネジねじ176により、カットエッジ保持部材174に取着され、また、保持リング182が、周方向に互いに離間し、それぞれが軸方向に延びた一連のねじ183により保持部材150に取着されている。この保持リング182は、ピストン165の座部を構成して、ピストン165の下方への移動を規制する。周方向に互いに離間した一連のねじ186が、カットエッジ保持部材174と、スペーサリング177と、保持リング182に互いにアラインメントするように形成された孔を貫通し、保持部材150中にねじ留めされている。図9から明らかなように、ねじ186を取り外すことにより、カットエッジダイ172とダイ保持部材174とが容易に取り外すことができ、そして、ねじ183を取り外すことにより、保持リングと、ドローパット168が取着されたピストン165とを容易に取り外すことができる。前記保持部材150は、ねじ153を取り外すことにより、外され得る。
【0022】
前記下ダイシュ18に装着された工具の構成要素は、図3を参照して上述した下工具構成要素と実質的に同じであるから、同じ参照符号が種々の構成要素や部分に使用ている。図9に示す上工具と図3に示されている上工具との比較から明らかなように、図9に示す工具は、同じような機能を奏するけれども、部品点数が少ない。図9に示す工具の構成要素は、ダイシュが引っ込んだときに、ねじ141,186,183,153を取り外すことにより、単に、上ダイシュ130から都合良く取り外される。
【0023】
上述した一連の工具装置並びにこの装置を使用する方法は、例えば、米国特許No.5,394,727に開示されているような、内方もしくは外方に突出したボスを備えた底を有する金属カップの製造もしくは成型のために実際に適している。この特許で示されているように、上方に突出したボスは、漏斗形状の断面の環状底壁部を形成するように再成型される。本発明の参考例に係われば、このようなカップを生産するための工具装置歯、図1に示し、前述したような、4つのステージのような複合ステージを含む。各ステージは、図1を参照して上述した各ポケット26において実質的に等しく、各々が図10に示すような本発明の一実施の形態に係わる装置の構造の複数の工具セットを好ましくは有する。従って、1セットの銅の工具のみを以下に説明する。
【0024】
図10に示すように、内リム22と外リム24とに接続された上工具構成要素は、図9を参照して説明した工具構成要素と実質的に同じで或る。従って、これら構成要素には同じ参照符号が付されている。しかし、このダイのセットは、図2を参照して説明した下ダイシュ18とは異なる構造で、下ダイシュ218(図10)に装着された、異なる下工具構成要素を含む。
【0025】
図10に示すように、下ダイシュ218は、各工具ステーションのためのブランク/ドローダイ220を支持している。このダイ220は、対応したダイポケット26(図1)を規定している、内方に突出した環状舌部222を有する。また、このブランク/ドローダイ220は、円筒コラムをほぼ形成するような実質的な高さを有し、さらに、環状のベース224を備えている。この環状のベース224は、下ダイシュ218内に形成された対向ーボア内に配置され、ここに位置付けピン227により位置された環状保持部材226に取着されている。ブランク/ドローダイ220は、1セットの環状のスペーサもしくはくさびプレート228,229の上に乗っており、周方向に互いに離間した複数のねじ231により保持部材に取着されている。
【0026】
横方向に延出したカップ排出開口もしくはポート233が、ブランク/ドローダイ220内に形成されており、また、これは、チューブ状の排出コンベヤもしくはダクト236に接続している。エアージェットチューブ238が、ブランク/ドローダイ220の反対側を介して圧力空気供給ダクト240から延出している。また、1セットの3つのストリップ指部242がブランク/ドローダイ220を通って横方向に延びている。各指部242は、ストリップ位置(図10並びに図15)へと内方にばねにより付勢されている。環状のエアーチヤンバ244が、工具保持部材226内に規定されており、また、これは、オバーストロークピストン248の円筒状のロッド部246により閉成されている。このピストン248は、下ダイシュ218内の対向ボアをライニングする円筒状のスリーブ254により規定されたエアチヤンバ252内で、垂直方向に移動可能に支持されている。円筒状の静止ハブ256が、チヤンバ252の中央に位置し、1セットのねじ257により下ダイシュ218に取着された底フランジを有する。この静止ハブ256は、前記オーバストロークピストン248内の円筒状のボア内へと上方に突出しており、圧縮空気が、後述するような目的のために、ポート259と、流路261と、ピストンロッド246内の流路263並びに排出ポート264に供給される。
【0027】
ほぼ円筒状の底パネルポンチ265が、1つの中心ねじ267により前記オーバストロークピストンロッド246に取着されている。また、環状のスペーサプレート269が、前記パネルポンチ265の環状肩部に、1セツトのねじ271により取着されている。下圧力スリーブ275がパネルポンチ265を囲んでおり、また、これは、ブランク/ドローダイ220の下部224内で垂直方向に移動可能に支持されている。この圧力スリーブ275は、前記エアーチヤンバ244内に摺動可能に支持された下環状ヘッドもしくはピストン278を有する。1セットの弾性Oーリングシールがピストン248,278、環状保持部材226,スリーブ254、並びにロッド256の対応した溝内に係合されており、この結果、環状のエアーチヤンバ244,252内に圧縮空気を閉じ込める流体気密シールが形成されている。
【0028】
図11に示すように、各ダイステーションもしくはポケットに対して図10を参照して説明した工具構成要素のセットは、ほぼ円形の金属シートブランクB1から引抜金属カップC1を効果的に製造する。各カップC1は、円筒状の側壁と、内方もしくは外方に突出したほぼ円筒状のボス285を備えた底壁とを有する。上述したように、ボス285は、米国特許No.5,394,727に開示されているように、再引抜並びに再成型動作で使用されて、この特許のFIG.8に示されている飲み物用のコンテナーでの底端部形態を形成する。二重作動プレスの各ストロークの間、カップC1は、対応したブランクB1から各ダイステーションで形成される。図12ないし図17は、種々のステーションにおける工具構成要素と、二重作動プレスの内ラム並びに外ラムの上下方向の移動に伴う、状態に対応した種々のカップとを示す。
図14並びに図15から明らかなように、ボス285は、内ラム22の底ストローク並びに接続されたダイ中心パンチ136に向かって各カップC1内に形成されている。ダイ中心パンチ136が、環状の圧力スリーブ275(図14)の上端に対してカップC1の底壁をプレスするのに従って、パネルパンチ265は、ダイ中心パンチ136のハブ部分(環状ハブ)138内の円形キャビティ288内へと上方に底壁の内部を連続的に押圧し(図15)、ボス285を形成する。好ましくは、チヤンバ244に供給される空気(図10)は、30ないし40psiの圧力範囲であり、一方、オーバストロークチヤンバ252に供給される圧力は、約400psiに維持される。かくして、パネルパンチ265(図15)は、ボス288が、ダイ中心パンチハブ138のキャビティ288内に形成された後のオーバストロークの間に、2〜3千インチの1のみ下方に移動する。
【0029】
内ラム22がプレスストロークの下限(図16)の後の上方の移動に従って、圧力スリーブ275により付勢される上方への力と、空気供給流路259,263並びにポート264を介してカップの下に供給される圧縮空気とにより、カップは、ダイ中心パンチ136と共に上方に移動する。カップC1が、図16並びに図17に示す位置へと上方に移動すると、ストリップ指部242は、カップの上縁と係合して、カップをダイ中心パンチ136に対して滑らせる。そして、ダイ中心パンチ136がカップC1の上方に移動し、カップが滑らされるとすぐに、図18に示すように、チューブ238からの空気ジェットは、ポート233を介して、空気搬送チューブ、即ち、ダクト236に、カップを吹き出す。かくして、各カッブは、ストックプレート110上に乗っているシートメタルブランクのレベルの下で、プレスから横方向に排出される。
【0030】
種々の4つのステージのためにシームワッシャ、即ち、プレート143,182,229,269の夫々の厚さを正確に選定することにより、ブランクB1は、カットエッジ172とこれと対応したブランク/ドローダイ220との間で切断、即ち、パンチされ、そして、ドローパット168とこれと対応したブランク/ドローダイ220との間で支持され、続いて、対応したブランク/ドローダイ220内に移動するダイ中心パンチ136によりドローされる(絞られる)。さらに、続いて、カップC1のボス285は、4つのステージで成型、即ち、ドローされる。
【0031】
図面並びに上記説明から、本発明に従って構成された工具を備えたカップ形成用機械プレスは望まし態様並びに効果を奏することは自明である。1つの重要な態様として、ステージ1ないしステージ4でドローパッド70もしくは168とブランク/ドローダイ90もしくは220との間に連続してブランクBもしくはB1を保持、即ち、把持することにより、外ラム24へのダイナミック負荷は実質的に減じられる。例えば、250spmで動作され、8つのポケットを持った工具を備えた150トン・プレスの外ラムにかかる98トンの圧縮負荷は、本発明に従って構成された工具を使用する場合には48トンの圧縮負荷に減じられる。このことは、50%以上の外ラムへの圧縮負荷の減少を示し、かくして、プレスに過負荷がかからないでプレスの速度を実質的に早くすることを可能とする。
【0032】
さらに、各ステーションで図10に示された工具構成要素で連続した動作を組合わせることにより、再成型されたボス285を有するカップC1は、2−インチ・ストロークを有する外ラムと5インチ・ストロークを有する内ラムとを有する既存のプレスを使用して高速度で製造され得る。この分野で知られている銅プレスは、図10に示されるような連続したステージの工具で再適合され得る。この結果、150トンのカップのプレスは、プレスの内ラムや外ラムのオーバロード無しで、毎分250トンで動作され得る。
【0033】
ブランクBもしくはB1の連続した保持はプレスへの負荷を非常に減少させるが、平坦な円形のブランクBもしくはB1を形成するためにシートSの連続したブランク形成は、また複動プレスの外ラムへの圧縮負荷をも減少させる。また、ブランクBもしくはB1を連続してカップCもしくはC1に絞ることは、内ラム22への負荷をさらに減少させる。工具の連続した使用により、ラムがその方向をストロークの底のところで変更するときにプレスの構成要素にかかる最大引張り負荷も減じる、ことは自明である。
【0034】
本発明は、既存の銅工具で一連のブランキング、ホールディング並びにドローイング動作を果たすために挿入部材(シーム)120,121,122もしくはシーム143,182,229,269を使用することとして説明したが、新規な銅工具が、挿入部材120,121,122の必要性をなくすデイメンションで構成され得ることは、自明である。さらに、図8の表は14のカップ、即ち、ポケットを備えた工具のための工程シーケンスを示しているが、第1ないしステージ4のための工程の相違は、ステージの数、ポケットの数、工具の形式並びに機械プレスの形式に従って変更され得る。また、ここで使用した“カップ状物品”とは、夫々が上方に延出した筒状壁と一体的な底壁を有する金属の絞り加工による種々の物品を含む。
【0035】
記載した方法並びに装置の形態は、本発明の好ましい実施の形態であるが、記載した方法並びに装置の形態だけに限定されることは無く、請求の範囲で規定するような範囲並びに精神から逸脱しないで種々の変化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の参考例に従って構成された下カップ成型工具を、ストックプレートを除去して示す概略的な平面図である。
【図2】 図2は、図1の2−2線に沿って切断して工具のマルチステージを示す、複動プレスの上並びに下カップ成型工具の部分断面図である。
【図3】 図3は、図2に示す工具ステージのうちの1つのステージの拡大部分断面図である。
【図4】 図4は、図3に示す上工具要素の集合体を示す分解図である。
【図5】 図5は、本発明の参考例に係わる一連のブランキング、ホールディング並びにドローイング動作を説明するための、最初の工程の図2並びに図3に示す工具要素の拡大断面図である。
【図6】 図6は、図5に続く工程の図2並びに図3に示す工具要素の拡大断面図である。
【図7】 図7は、図6に続く工程の図2並びに図3に示す工具要素の拡大断面図である。
【図8】 図8は、図2並びに図5ないし図7に示す、マルチステージと段階的な工具構成要素との関係を示す表の図である。
【図9】 図9は、工具ステージの変形例を示す、図3と同様の図である。
【図10】 図10は、本発明の一実施の形態に係わる装置の工具を示す、図3並びに図9と同様の図である。
【図11】 図11は、図10に示された工具を使用して、底に予め形成されたボスを備えたカップの引抜きを説明するための図である。
【図12】 図12は、図11に示すカップを形成するために一工程を示す図10の工具の構成要素の一部断面図である。
【図13】 図13は、図12に続く工程の図10の工具の構成要素の一部断面図である。
【図14】 図14は、図13に続く工程の図10の工具の構成要素の一部断面図である。
【図15】 図15は、図14に続く工程の図10の工具の構成要素の一部断面図である。
【図16】 図16は、図15に続く工程の図10の工具の構成要素の一部断面図である。
【図17】 図17は、図16に続く工程の図10の工具の構成要素の一部断面図である。
【図18】 図18は、図17に続く工程の図10の工具の構成要素の一部断面図である。
【符号の説明】
130…上ダイシュ、136…ダイ中心パンチ、138…ダイ中心パンチハブ、218…下ダイシュ、220…ブランク/ドローダイ、246…ピストンロッド、265…パネルポンチ、275…圧力スリーブ、278…ピストン、285…ボス、C1…カップ、B1…ブランク

Claims (9)

  1. 複動機械プレスの各ストロークで金属シートのストリップから一連のカップを成型するための方法であり、このプレスは、往復移動するように支持され、また、工具を支持し、この工具は、一連の、互いに水平方向に離間され、実質的に同じ複数のカップ成型ステーションを有し、各ステーションは、環状のドローパッドと、各ステーションでこのドローパッドに対向した環状のブランク/ドローダイと、各ステーションでドローパッドを囲む環状のカットエッジダイと、各ステーションでキャビティを規定し、ドローパッド内のダイ中心ポンチと、各ステーションでダイ中心ポンチと対向し、対応した底パネルパンチを囲む圧力スリーブとを具備し、この方法は、一連のディスク状ブランクを成型するステーションで、前記ストリップを前記環状のカットエッジダイと、これと対応したブランク/ドローダイとの間で切断する工程と、ステーションで環状のドローパッドとこれに対応した環状のブランク/ドローダイとの間で金属ブランクを保持する工程と、ブランクをカップにドローする工程とを有する方法において、
    続いて、環状のドローパッドとこれに対応した環状のブランク/ドローダイとの間の金属ブランクに保持力を付与して、プレスの各ストロークの間でのプレスへの力学的な負荷を減じる工程と、
    底パネルポンチを対応したダイ中心ポンチ内のキャビティ内に対応した底パネルポンチを移動させることにより、各ステーションで各カップの底内に内方に突出したボスを形成する工程とをさらに具備し、前記底パネルポンチの夫々は、内ラムのストロークの底近くで対応したダイ中心ポンチ内のキャビティ内に移動されて前記ボスを形成することを特徴とする方法。
  2. 夫々のステーションで前記底パネルポンチは、プレスの各ストロークの間、プレスへの負荷をさらに減じるように、対応したダイ中心ポンチ内のキャビティ内に続いて移動される請求項1の方法。
  3. 夫々のステーションでダイ中心ポンチは、続いて、プレスの各ストロークの間、プレスへの負荷をさらに減じるように、カップに金属ブランクをドローする請求項1の方法。
  4. 夫々のステーションでカットエッジダイと、対応したブランク/ドローダイとは、続いて、プレスの各ストロークの間、プレスへの負荷をさらに減じるように、夫々のステーションでストリップを切断する請求項1の方法。
  5. 続いてブランクをカップにドローするために夫々のステーションでダイ中心ポンチと対応したブランク/ドローダイとの間の間隔を変えるように僅かに異なる厚さのシーム部材を工具内に挿入する工程を具備する請求項1の方法。
  6. 往復動可能に支持された内ラムと外ラムとを具備し、これらラムは、の往復動で金属シートのストリップから一群のカップを連続して同時に形成する複動機械プレスに使用される工具装置であり、この工具装置は、一連の、互いに水平方向に離間され、実質的に同じカップ成型ステーションを有し、各ステーションは、前記外ラムと共に移動するように接続された環状のドローパッドと、前記ステーションの夫々でドローパッドに対向した環状のブランク/ドローダイと、各ドローパッドを囲み、外ラムと共に移動するように接続された環状のカットエッジダイと、各ドローパッド内にあり、前記内ラムと共に移動するように接続されたダイ中心ポンチと、各ステーションでダイ中心ポンチと対向し、底パネルポンチを囲む圧力スリーブとを含むカップ成型工具構成要素を具備し、前記環状のカットエッジダイとこれに対応したブランク/ドローダイとは、前記夫々のステーションで、前記外ラムの各ストロークで一連のほぼ環状のディスク状ブランクを成型するように共動し、また、前記夫々のステーションで、対応したブランク/ドローダイとこれに対向したドローパッドとは、外ラムの各ストロークでドローパッドとブランク/ドローダイとの間に金属シートを保持するように共同する互いに対向した面を有する工具装置において、
    前記夫々のステーションで、前記ダイ中心ポンチとこれに対応したブランク/ドローダイとは、前記内ラムの各ストロークでブランクをカップに連続してドローするために、これらの間に僅かに異なる間隔の互いに対向した面を有して、内ラムの各ストロークの間にプラスへの圧縮並びに引張り負荷を減少させ、また、前記夫々のステーションで底パネルポンチは、対応したダイ中心ポンチ内のキャビティと共同して、各カップの底内に内方に突出したボスを形成することを特徴とする工具装置。
  7. 前記ブランク/ドローダイとこれと対向したドローパッドとは、外ラムの各ストロークで、前記夫々のステーションでドローパッドとブランク/ドローダイとの間に続いて金属シートを保持するために前記夫々のステーションでブランク/ドローダイとドローパッドとの間に僅かに異なる間隔を有する互いに対向した面を有して、外ラムの各ストロークの間、プレスへの負荷をさらに減じる請求項6の装置。
  8. 前記カットエッジダイとブランク/ドローダイとは、外ラムの各ストロークで、一連のプランクを連続して成型するために各ステージで僅かに異なる間隔を有する互いに対向した面を有する請求項6の装置。
  9. 夫々が前記カップ形成ステーションを有する複数のカップ形成ステージを有し、各ステージのこれらカップ形成ステーションは、プレスの中心面に対して対称的に配置されている請求項7の装置。
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