JP3761616B2 - 生煎餅製造システム - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、混練された生地玉を帯状の生地に成形し、次いで、型抜きして生煎餅とし、該生煎餅をパレットに載置して搬送する生煎餅製造システムに関するものである。なお、生煎餅は、その後、乾燥、焼き及び味付け等されて、最終製品である煎餅となる。
【0002】
【従来の技術】
従来、金網を外周枠により取着した金網パレットを収容した棚付き台車から、金網パレットを一つずつ取り出し、該金網パレットに、生地から型抜きされコンベヤー上に並べられた生煎餅を載置し、次いで、生煎餅が、多数、載置された金網パレットを、棚付き台車の棚に収容するようにした生煎餅製造システムが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の生煎餅製造システムにおいては、生煎餅が載置されていない空の金網パレットの棚付き台車からの取り出し及び生煎餅が載置された金網パレットの棚付き台車への収容等は、人手により行われており、従って、生煎餅の生産性が悪く、煎餅のコストアップを惹起している。
【0004】
また、従来の生煎餅製造システムにおいては、棚付き台車を使用しているために、棚への金網パレットの出し入れ作業の作業性が悪く、煎餅の製造コストが上昇したり、或いは、棚付き台車の棚への金網パレットの出し入れ作業を自動化しようとすると、複雑な動きを必要とする装置が必要となり、煎餅の製造コストが更に上昇するという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、上述した従来の生煎餅製造システムが有する課題を解決するとともに、作業性、生産性の向上した、且つ、自動化が可能な生煎餅製造システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、生煎餅製造システムにおいて、第1には、パレットが積み重ね可能な台車と、該台車に積み重ねられた空のパレットを台車から1つずつ取り出すパレット排出装置と、該パレット排出装置に隣接して配設された、パレットを搬送するパレット搬送装置と、該パレット搬送装置の上方に配設された生煎餅製造装置と、前記パレット搬送装置に隣接して配設された、生煎餅が載置されたパレットを台車に積み重ねるパレット積み重ね装置と、前記パレット排出装置により空のパレットが取り出されて空になった台車を、前記パレット積み重ね装置まで移動する台車搬送装置とを具備し、前記台車搬送装置により、前記パレット積み重ね装置まで移動された空の台車に、前記生煎餅製造装置により製造された生煎餅が載置されたパレットを積み重ねるように構成したものであり、第2には、台車に載置された空のパレットを支持するとともに空のパレットを台車から搬出する上下動可能な搬送部材と、パレットの長辺枠の側壁に形成された凹部に挿入可能な水平方向に進退可能なパレット支持部材とを有するパレット排出装置、及び、生煎餅が載置されたパレットを移動させるとともに生煎餅が載置されたパレットを支持する上下動可能な搬送部材と、パレットの長辺枠の側壁に形成された凹部に挿入可能な水平方向に進退可能なパレット支持部材とを有するパレット積み重ね装置とを具備したものであり、第3には、上記搬送装置を、パレット排出装置により取り出された空のパレットを、生煎餅製造装置へ搬送する第1搬送装置と、該第1搬送装置に隣接して配設されているとともに、生煎餅製造装置により製造された生煎餅を載置したパレットをパレット積み重ね装置まで搬送する、第1搬送装置より高速の高速搬送装置とにより構成したものである。
【0007】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0008】
先ず最初に、本発明の生煎餅製造システムにおいて使用されるパレットの斜視図である図1、該パレットの正面図である図2、該パレットの側面図である図3、該パレットの一部拡大斜視図である図4及び図5を用いて、本発明の生煎餅製造システムにおいて使用されるパレットについて説明する。
【0009】
平面形状が方形状のパレットPは、相対する一対の長辺枠p1、相対する一対の短辺枠p2及び長辺枠p1と短辺枠p2により囲まれた空間部に配設され、リブp3が縦横に交差して形成された生煎餅が載置される載置部p4とを有しており、長辺枠p1の上面p1’、短辺枠p2の上面p2’及び載置部p4が、同一平面を形成するように構成されている。なお、パレットPの材質は、木、金属等が考えられるが、合成樹脂で一体に形成されることが好ましい。
【0010】
長辺枠p1の長手方向に沿った上部角部には、長辺枠p1の中央部及び両端部を除いて、長辺枠p1の上面p1’から一段下がった段部p5が設けられており、段部p5の中央部には、上面が、長辺枠p1の上面p1’と略面一な嵌合凸部p6が設けられている。また、長辺枠p1の側壁には凹部p7が設けられており、凹部p7には、長辺枠p1の上板p8と下板p9とを連結する垂直リブp10が、所定の間隔を置いて配設されている。そして、上記嵌合凸部p6の下方に位置する下板p9の中央部には、嵌合凹部p11が設けられている。更に、長辺枠p1と短辺枠p2により形成されるパレットPの隅部の下部には、凹部p12が形成されており、従って、パレットPの隅部の下部に設けられた凹部p12と、長辺枠p1の下板p9の中央部に設けられた嵌合凹部p11との間に位置する長辺枠p1の下板p9には、長辺枠p1の長手方向に凸条p13が形成されることになる。なお、p14は、長辺枠p1の垂直壁に設けられた透孔である。
【0011】
上述したような構成を有するパレットPを、複数個、積み重ねる、即ち、スタッキングすると、下に位置するパレットPの長辺枠p1に設けられた段部p5には、上に位置するパレットPの長辺枠p1の下板p9に形成された凸条p13が嵌合し、また、下に位置するパレットPの嵌合凸部p6が、上に位置するパレットPの嵌合凹部p11に嵌合することになり、従って、パレットPの水平方向への移動が阻止されて、複数のパレットPを、安定した状態で、多段に積み重ねることができる。
【0012】
p15は、垂直な板状に形成されたパレットPの短辺枠p2の両端部に形成された脚部であり、脚部p15は、短辺枠p2の水平部p16と直交しており、また、脚部p15には、段差部p17が形成されている。また、図3に示されているように、パレットPを積み重ねた際には、下に位置するパレットPの上面角部に、上に位置するパレットPの脚部p15が載置され、上に位置するパレットPと下に位置するパレットPとの間に、所定の幅の間隙p18ができるように構成されている。上記のように、パレットP間に、所定の幅の間隙p18が形成されているので、載置部p4に生煎餅が並べられたパレットPを、多段に積み重ねた状態で乾燥室に入れて生煎餅を乾燥させる際には、上記の間隙p18に温風が入り、生煎餅の効率的な乾燥を行うことができる。
【0013】
次に、本発明の生煎餅製造システムにおいて使用される台車とパレットの斜視図である図6及び1つのパレットが載置された台車の斜視図である図7を用いて、本発明の生煎餅製造システムにおいて使用される台車について説明する。
【0014】
台車Cは、パレットPの長辺枠p1及び短辺枠p2と略同じ長さの相対する長辺杆c1及び同じく相対する短辺杆c2とから形成されており、また、長辺杆c1と短辺杆c2とにより形成された4つの角部に取着された板材c3の下部には、それぞれ、公知のキャスターc4が取り付けられている。台車Cの短辺杆c2の長さは、パレットPの短辺枠p2に形成された脚部p15の略幅分だけ短く形成されており、台車Cの短辺杆c2の両端部に、パレットPの段差部p17が載置されている。即ち、パレットPが台車Cに載置された際には、パレットPの脚部p15が、台車Cの短辺杆c2から外側に突出するように構成されている。
【0015】
次に、本発明の生煎餅製造システムの概略正面図である図8及び本発明の生煎餅製造システムの概略平面図である図9を用いて、本発明の生煎餅製造システムの全体構成について説明する。
【0016】
Uは、生煎餅が載置されていないパレットP(以下、単に、「空のパレット」という。)が多段に積み重ねられた台車Cから、1つずつ空のパレットPを取り出すパレット排出装置である。B1は、パレット排出装置Uから排出された空のパレットPを搬送する第1搬送装置であり、パレット排出装置Uに隣接して配設された軸b1に取着された一対のスプロケットb2、b2’と、後述する高速搬送装置B2に隣接して配設された軸b3に取着された一対のスプロケットb4、b4’と、スプロケットb2とスプロケットb4との間に張設された無端チエーンb5と、スプロケットb2’とスプロケットb4’との間に張設された無端チエーンb5’と、上記の軸b1と軸b3との間に配設された適当数の軸b6に取着された中間支持スプロケットb7とを有しており、軸b1或いは軸b3を、図示されていない駆動装置により回転駆動することにより、上方の無端チエーンb5、b5’に載置されたパレットPを、パレット排出装置Uから高速搬送装置B2まで搬送することができるように構成されている。上記のように中間支持スプロケットb7を設けることにより、無端チエーンb5、b5’が弛むことを防止することができる。
【0017】
上述した高速搬送装置B2は、第1搬送装置B1に隣接して配設された軸b8に取着された一対のスプロケットb9、b9’と、後述するパレット積み重ね装置S側に配設された軸b10に取着された一対のスプロケットb11、b11’と、スプロケットb9とスプロケットb11との間に張設された無端チエーンb12と、スプロケットb9’とスプロケットb11’との間に張設された無端チエーンb12’とを有している。軸b8或いは軸b10を、図示されていない駆動装置により回転駆動することにより、第1搬送装置B1の無端チエーンb5、b5’により搬送されてきたパレットPを、走行する無端チエーンb12、b12’に乗り換えて、無端チエーンb12、b12’により、パレットPをパレット積み重ね装置Sまで搬送することができるように構成されている。高速搬送装置B2は、第1搬送装置B1より高速で、パレットPを搬送することができるように構成されている。なお、無端チエーンb12、b12’が弛むのを防止するために、上記の軸b8と軸b10との間に配設された適当数の軸に、中間支持スプロケットを取着することもできる。なお、第1搬送装置B1の無端チエーンb5、b5’の幅と、高速搬送装置B2の無端チエーンb12、b12’の幅とは、略同じ幅に形成されており、そして、無端チエーンb5、b5’と無端チエーンb12、b12’には、それぞれ、パレットPの短辺杆c2の両端部に形成された脚部p15が載置される。
【0018】
Sは、高速搬送装置B2に隣接して配設されたパレット積み重ね装置であり、上述したパレット排出装置Uと同じ構造を有している。詳細については、後述する。
【0019】
次に、図8、図9及び本発明の生煎餅製造システムに使用されるパレット排出装置の斜視図である図10を用いて、台車搬送装置B3について説明する。
【0020】
b13は、パレット排出装置Uの端部付近に配設された軸であり、軸b13には、一対のスプロケットb14、b14’が取着されており、b15は、パレット積み重ね装置Sを越えた、所定の位置に配設された軸であり、軸b15には、一対のスプロケットb16、b16’が取着されている。そして、スプロケットb14とスプロケットb16との間及びスプロケットb14’とスプロケットb16’との間には、それぞれ、無端チエーンb17、b17’が張設されており、無端チエーンb17、b17’は、上述した第1搬送装置B1の無端チエーンb5、b5’及び高速搬送装置B2の無端チエーンb12、b12’の内側に配設されている。軸b13或いは軸b15を、図示されていない駆動装置により回転駆動することにより、上方の無端チエーンb17、b17’を、軸b13から軸b15方向へ、間欠移動することができるように構成されている。
【0021】
また、無端チエーンb17、b17’には、それぞれ、台車Cの短辺杆c2を挟持する一対の挟持片b18、b18’が、所定組、取着されており、上方に位置する無端チエーンb17、b17’に取着された挟持片b18、b18’間に、台車Cの短辺杆c2の挟持することにより、台車Cをパレット排出装置Uからパレット積み重ね装置Sを越えて軸b15の付近まで移動させることができるように構成されている。なお、必要に応じて、無端チエーンb17、b17’が弛むことを防止するために、適当数の中間支持スプロケットb19を配設する。
【0022】
r1及びr2は、台車搬送装置B3に沿って床に配設されたレール部材であり、長手方向と直交する垂直断面形状が略U字状に形成されており、レール部材r1、r2の凹部に台車Cのキャスターc4を嵌挿することにより、台車搬送装置B3により移動される台車Cを、パレット排出装置Uからパレット積み重ね装置Sを越えて軸b15の付近まで直線的に案内することができるように構成されている。
【0023】
次に、第1搬送装置B1の上方に配設された生煎餅製造装置Hについて説明する。
【0024】
h1は、生地玉を混練する混練機であり、生地玉を投入するホッパーh2、適当なモーターh3により回転される押し出しスクリューh4等により構成されている。ホッパーh2に投入された生地玉は、混練機h1の押し出しスクリューh4により押し出され、必要に応じて、混練機h1の下流側(なお、以下においては、便宜的に、図8において、左方向を「下流側」或いは「下流」と称し、また、右方向を「上流側」或いは「上流」と称する。)に配設された一対の回転ローラーh5により延ばされて帯状の生地Dに成形される。
【0025】
生地Dには、型抜きローラーh6により、所定の生煎餅Gの形状に切り目が入れられ、生煎餅Gの形状に切り目が入れられた生地Dは、型抜きローラーh6の出口近傍に配設された、支持ローラーh7、適当な一対の挟持ローラーh8、支持板h9により支持されたベルトコンベヤー等の搬送部材h10上に載置される。搬送部材h10の上面h10’は、型抜きローラーh6の出口近傍から、上述した第1搬送装置B1の上方の無端チエーンb5、b5’に載置され搬送される空のパレットPの上面付近まで延在するとともに、下方に傾斜している。
【0026】
搬送部材h10の型抜きローラーh6側端部には、一方の端部が、搬送部材h10に接近して配置されるとともに、垂直線より型抜きローラーh6側に傾斜した、適当な間隔で並設されたローラーh11、h11’により支持されたベルトコンベヤー等の型抜き生地搬送部材h12が配設されている。
【0027】
型抜きローラーh6により、生煎餅Gの形状に切り目が入れられた生地Dは、型抜きローラーh6の出口近傍に配設された搬送部材h10の上面h10’に載置され、次いで、型抜き生地搬送部材h12により、搬送部材h10の上面h10’からはぎ取られるように上方に屈曲される。この生煎餅Gの形状に切り目が入れられた生地Dの上方へに屈曲により、生煎餅Gの形状に切り目が入れられた生地Dから、生煎餅Gが型抜きされて、型抜きされた生煎餅Gは、搬送部材h10の上面h10’に残り、搬送部材h10により下流方向に搬送される。一方、生煎餅Gが型抜きされた型抜き生地D’は、型抜き生地搬送部材h12上に載置され、型抜き生地搬送部材h12により上方に移送され、更に、再利用のために、図示されていない箱等に収容される。
【0028】
生地Dから型抜きされ、搬送部材h10の上面h10’に載置された生煎餅Gは、搬送部材h10により下流方向に搬送される。搬送部材h10の下方には、上述した第1搬送装置B1の上方の無端チエーンb5、b5’に載置され搬送される空のパレットPの載置部p4が、搬送部材h10に近接して配置されているので、搬送部材h10により搬送される生煎餅Gは、搬送部材h10の端部から、パレットPの載置部p4に移される。
【0029】
混練機h1の駆動、型抜きローラーh6の駆動、第1搬送装置B1の駆動及び搬送部材h10の駆動等を、適当に制御することにより、パレットPの載置部p4に、所定の間隔を置いて、複数列、複数行に、整列して生煎餅Gを並べることができる。このように生煎餅Gが並列されたパレットPは、第1搬送装置B1により、更に下流方向に搬送される。上述した生煎餅製造装置Hの機台の下方に、上述した第1搬送装置B1、高速搬送装置B2及び台車搬送装置B3が配設されている。
【0030】
上述した生煎餅製造装置Hにより製造された生煎餅Gが載置されたパレットPは、第1搬送装置B1から、第1搬送装置B1より高速でパレットPを搬送する高速搬送装置B2に移される。高速搬送装置B2は、第1搬送装置B1より高速でパレットPを搬送するように構成されているので、第1搬送装置B1において接近して搬送されるパレットP間の間隔を、第1搬送装置B1から高速搬送装置B2に乗り移った際に、拡げることができる。従って、後述するパレット積み重ね装置Sにより、生煎餅Gが載置されたパレットPを、台車C上に、順次、積み重ねる際に、1つのパレットPの積み重ね作業が終わるまで、次に積み重ねるパレットPが、パレット積み重ね装置Sに干渉しないように、所定の時間的余裕を確保することができるように構成されている。
【0031】
次に、本発明の生煎餅製造システムに使用されるパレット排出装置Uの斜視図である図10及び本発明の生煎餅製造システムに使用されるパレット排出装置Uの側面図である図11を用いて、本発明の生煎餅製造システムに使用されるパレット排出装置Uについて説明する。
【0032】
パレット排出装置Uは、上述した台車搬送装置B3の搬送方向に沿って、その両側に配設された同一構造を有する一対のパレット排出ユニットU1、U1’から構成されており、以下においては、一方のパレット排出ユニットU1について説明する。なお、もう一方のパレット排出ユニットU1’のパレット排出ユニットU1に対応する部材には算用数字或いはアルファベットの小文字の後にダッシュ(’)が付されている。
【0033】
u1は、昇降フレームであり、横長の昇降フレームu1に取着された水平片u2には、床等に設置された垂直シリンダーu3のピストンロッドu4の先端部が取着されている。u5及びu6は、昇降フレームu1の両端部付近に取着された軸受けブロックであり、軸受けブロックu5、u6の縦孔には、パレット排出ユニットU1の機枠u7に配設された案内ロッドu8、u9が、それぞれ、挿着されている。
【0034】
u10及びu11は、昇降フレームu1の台車搬送装置B3側の両端部付近に、軸受けを介して配設された水平軸であり、水平軸u10、u11には、それぞれ、スプロケットu12、u13が取着されている。u14は、スプロケットu12、u13間に張設された無端チエーンである。u15は、上記の水平軸u10、u11の間の台車搬送装置B3側の昇降フレームu1に軸受けを介して配設された水平軸であり、該水平軸u15には、スプロケットu12、u13と同様のスプロケットu16が取着されており、無端チエーンu14の弛みを防止するとともに、上方の無端チエーンu14上に載置されるパレットPを、無端チエーンu14を介して支持する機能を有する。なお、スプロケットu12、u13、無端チエーンu14等により形成される搬送部材は、プーリー及び無端ベルト等により構成することも、また、無端ベルトを使用することなく、単に、複数のプーリーを連接することにより構成することもできる。
【0035】
u17は、一方の水平軸u11を減速駆動する減速器であり、u18は、減速器u17を介して水平軸u11を回転駆動させるモーターである。モーターu18を駆動し、減速器u17を介して、水平軸u11を回転させることにより、無端チエーンu14を、上方の無端チエーンu14上に載置される空のパレットPが第1搬送装置B1方向に搬送されるように走行させることができる。
【0036】
垂直シリンダーu3を作動させて、ピストンロッドu4を上下動させることにより、昇降フレームu1を介して、スプロケットu12、u13、u16に張設された無端チエーンu14を、上方に位置する無端チエーンu14の上面が、台車Cに載置されたパレットPの一番下のパレットPの脚部p15の下面より、若干、下に位置する最下位位置と、後述するパレット支持部材に支持されているパレットPを載置する最上位位置との間を上下動することができるように構成されている。
【0037】
u19は、台車搬送装置B3側に平坦部u19aを有するとともに、垂直部u19bを有するパレット支持部材であり、パレット支持部材u19は、無端チエーンu14に沿って配置された水平移動フレームu20に、所定の間隔を置いて、適当数、取着されている(図10に示されている実施例には、4個のパレット支持部材u19が取着された例が示されている。)。パレット支持部材u19は、上述した無端チエーンu14の上方に配設されている。u21は、パレット排出ユニットU1の機枠u7に配設された水平シリンダーであり、水平シリンダーu7のピストンロッドu22の先端部は、水平移動フレームu20に取着されている。u23及びu24は、機枠u7に取着された横孔が穿設された軸受けブロックであり、軸受けブロックu23、u24に穿設された横孔には、それぞれ、案内ロッドu25、u26が挿通されており、案内ロッドu25、u26の先端部は、水平移動フレームu20に取着されている。
【0038】
水平シリンダーu21を作動させて、ピストンロッドu22を左右方向に進退させることにより、軸受けブロックu23、u24の横孔に挿通された案内ロッドu25、u26に案内支持された水平移動フレームu20を、台車搬送装置B3方向に前進或いは後退させることができるように構成されている。水平移動フレームu20に取着されたパレット支持部材u19の最前進位置は、パレット支持部材u19の平坦部u19aが、無端チエーンu14上に載置されるパレットPの長辺枠p1の側壁に形成された凹部p7に係合される位置であり、また、パレット支持部材u19の最後位位置は、パレット支持部材u19の平坦部u19aが、無端チエーンu14上に載置されるパレットPの長辺枠p1の側壁に形成された凹部p7から抜け出た位置である。
【0039】
図11には、パレット支持部材u19の平坦部u19aにより支持されたパレットP1の上に2個のパレットP2、P3が支持され、また、第1搬送装置B1の無端チエーンb5と同じ高さの無端チエーンu14には、パレットP4が載置されている状態が示されており、無端チエーンu14を移動させることにより、パレットP4を、第1搬送装置B1の無端チエーンb5、b5’に移し変えることができる。
【0040】
次に、パレット排出装置Uの作動順序を示すパレット排出装置Uの側面図である図12及び図13を用いて、上述した構成を有するパレット排出装置Uの作動順序について説明する。
【0041】
図12(a)には、複数の空のパレットP5〜P8が多段に積み重ねられた台車Cが、レールr1、r2に案内されて、パレット排出ユニットU1、U1’間に移送された状態が示されている。この状態においては、無端チエーンu14は、上方に位置する無端チエーンu14の上面が、台車Cに載置されたパレットP5〜P8の一番下のパレットP5の脚部p15の下面より下に位置する最下位位置に位置しており、また、パレット支持部材u19の平坦部u19aは、パレットP5〜P8の長辺枠p1の側壁に形成された凹部p7から抜け出た位置にある。
【0042】
図12(a)に示されている状態から、垂直シリンダーu3を作動させて、ピストンロッドu4を上動させることにより、昇降フレームu1を介して、無端チエーンu14を、台車Cに載置されているパレットP5〜P8のうち下から2番目のパレットP6の長辺枠p1の側壁に形成された凹部p7の側方に、パレット支持部材u19の平坦部u19aが位置するまで上昇させるとともに、水平シリンダーu21を作動させて、ピストンロッドu22を進出させて、図12(b)に示されているように、パレット支持部材u19の平坦部u19aを、下から2番目のパレットP6の長辺枠p1の側壁に形成された凹部p7に挿入する。
【0043】
次いで、図12(c)に示されているように、垂直シリンダーu3を作動させて、一番下のパレットP5が載置されている無端チエーンu14を、第1搬送装置B1の無端チエーンb5、b5’と略同じ高さまで下降させる。この状態においては、一番下のパレットP5の段差部p17と台車Cの上面との間には、多少の間隙が存在することが好ましい。このような間隙を形成することにより、無端チエーンu14により、第1搬送装置B1方向に搬送されるパレットP5が、台車Cの上面に接触して、無用な摩擦抵抗をパレットP5に与えることが防止でき、パレットP5を、円滑に、第1搬送装置B1方向に搬送することができる。一番下のパレットP5より上方に位置するパレットP6〜P8は、パレットP6が、パレット支持部材u19の平坦部u19aに支持されているので、下方に移動することがない。
【0044】
次いで、モーターu18を駆動し、減速器u17を介して、上方に位置する無端チエーンu14を第1搬送装置B1方向に移動させて、一番下のパレットP5を、常時、移動している第1搬送装置B1の無端チエーンb5、b5’に載置する。無端チエーンb5、b5’に載置された一番下のパレットP5は、上述した生煎餅製造装置H方向に搬送され、パレットP5の載置部p4には、生煎餅製造装置Hにより製造された生煎餅Gが配列されることになる。
【0045】
パレット支持部材u19の平坦部u19aに支持されているパレットP6〜P8のうち、一番下に位置するパレットP6を、無端チエーンu14により、第1搬送装置B1の無端チエーンb5、b5’に載置するには、図13(a)に示されているように、垂直シリンダーu3を作動させて、パレットP6の脚部p15を、無端チエーンu14に載置する。
【0046】
次いで、図13(b)に示されているように、水平シリンダーu21を作動させて、ピストンロッドu22を後退させて、パレットP6の長辺枠p1の側壁に形成された凹部p7に挿入されていたパレット支持部材u19の平坦部u19aを抜き出す。
【0047】
次いで、垂直シリンダーu3を作動させて、無端チエーンu14を、図13(c)に示されているように、無端チエーンu14に載置されたパレットP6の上に位置するパレットP7の長辺枠p1の側壁に形成された凹部p7に、パレット支持部材u19の平坦部u19aが挿入可能な位置まで下降させる。
【0048】
次いで、図13(d)に示されているように、無端チエーンu14を、第1搬送装置B1の無端チエーンb5、b5’と略同じ高さまで下降させる。パレットP7、P8は、パレットP7が、パレット支持部材u19の平坦部u19aに支持されているので、下方に移動することがない。その後、上述したように、モーターu18を駆動し、減速器u17を介して、上方に位置する無端チエーンu14を第1搬送装置B1方向に移動させて、パレットP6を、常時、移動している第1搬送装置B1の無端チエーンb5、b5’に載置する。このようにして、台車Cに多段に積み重ねられているパレットPを、順次、下から、第1搬送装置B1の無端チエーンb5、b5’に移し変える。
【0049】
次に、パレット積み重ね装置Sの作動順序を示すパレットパレット積み重ね装置Sの側面図である図14を用いて、パレット排出装置Uと同じ構造を有しているパレット積み重ね装置Sの作動順序について説明する。なお、パレット積み重ね装置Sは、パレット排出装置Uと同じ構造を有しているで、パレット積み重ね装置Sを構成する各部材には、パレット排出装置Uと同じ符号を用いる。
【0050】
既に、パレット排出装置Uに位置する台車Cに載置されたパレットP9、P10は、パレット支持部材u19の平坦部u19aを、下に位置するパレットP10の長辺枠p1の側壁に形成された凹部p7に挿入することにより、図14(a)に示されているように、台車Cの上方に支持されている。
【0051】
次いで、パレット排出装置Uにより、台車Cから搬出された空のパレットPは、第1搬送装置B1により生煎餅製造装置H方向に搬送され、該空のパレットPには、生煎餅製造装置Hにより製造された生煎餅Gが配列される。このようにして生煎餅Gが配列されたパレットP11は、第1搬送装置B1から高速搬送装置B2に移され、図14(b)に示されているように、高速搬送装置B2の無端チエーンb12、b12’と同じ高さに配置されている無端チエーンu14に載置される。
【0052】
次いで、垂直シリンダーu3を作動させて、無端チエーンu14を、図14(c)に示されているように、無端チエーンu14に載置されたパレットP11が、パレット支持部材u19の平坦部u19aに支持されているパレットP10に接触するまで上昇させるとともに、水平シリンダーu21を作動させて、ピストンロッドu22を後退させて、パレット支持部材u19の平坦部u19aを、パレットP10の長辺枠p1の側壁に形成された凹部p7から抜き出す。
【0053】
次いで、垂直シリンダーu3を作動させて、無端チエーンu14を、更に上昇させて、一番下に位置する無端チエーンu14に載置されたパレットP11の長辺枠p1の側壁に形成された凹部p7の側方に、パレット支持部材u19の平坦部u19aを位置させるとともに、水平シリンダーu21を作動させて、ピストンロッドu22を進出させて、図14(d)に示されているように、パレット支持部材u19の平坦部u19aを、パレットP11の長辺枠p1の側壁に形成された凹部p7に挿入し、パレットP11より上方に位置するパレットP9、P10を支持する。
【0054】
次いで、垂直シリンダーu3を作動させて、無端チエーンu14を、図14(e)に示されているように、高速搬送装置B2の無端チエーンb12、b12’と同じ高さまで下降させて、高速搬送装置B2により、続いて搬送されてくる生煎餅Gが配列されたパレットPの受入れ準備が完了する。このようにして、高速搬送装置B2により、順次、搬送されてくる生煎餅Gが配列されたパレットPを、パレット積み重ね装置Sに配置された台車Cの上方に積み重ねる。
【0055】
台車Cに載置される最後のパレットPが、パレット積み重ね装置Sの無端チエーンu14に載置された後、垂直シリンダーu3を作動させて、無端チエーンu14を、無端チエーンu14に載置された最後のパレットPが、パレット支持部材u19の平坦部u19aに支持されている一番下のパレットPに接触するまで上昇させるとともに、水平シリンダーu21を作動させて、ピストンロッドu22を後退させて、パレット支持部材u19の平坦部u19aを、一番下のパレットPの長辺枠p1の側壁に形成された凹部p7から抜き出して、無端チエーンu14に全部のパレットPを載置する。その後、垂直シリンダーu3を作動させて、無端チエーンu14を、無端チエーンu14に載置された一番下のパレットPの段差部p17が、下方に位置する台車Cに載置されるまで下降させて、全部のパレットPを、台車Cに載置する。
【0056】
本実施例においては、パレット排出装置Uにより、台車Cから全ての空のパレットPが搬出され、台車Cから排出された最後の空のパレットPに生煎餅Gが配列され、該生煎餅Gが配列された最後の空のパレットPが、パレット積み重ね装置Sに位置する台車Cに積み重ねられた時点で、上述した台車搬送装置B3を作動させるように構成されており、以下に、生煎餅製造システムの概略正面図である図15を用いて、台車搬送装置B3の作動について説明する。
【0057】
図15(a)において、Cuは、パレット排出装置Uに配置された台車であり、該台車Cuに積み重ねられている空のパレットPが、順次、上述したパレット排出装置Uにより排出される。パレット排出装置Uに配置された台車Cuから、順次、排出された空のパレットPは、第1搬送装置B1に移され、生煎餅製造装置H方向に搬送されて、空のパレットPには、生煎餅製造装置Hにより製造された生煎餅Gが配列される。このようにして生煎餅Gが配列されたパレットPは、第1搬送装置B1から高速搬送装置B2に移され、パレット積み重ね装置Sに配置された台車Cs上に、順次、積み重ねられる。
【0058】
上述したようにして、パレット排出装置Uに配置された台車Cuから、全ての空のパレットPが排出され、該全ての空のパレットPに生煎餅Gが配列されたパレットPが、全て、パレット積み重ね装置Sに配置された台車Cs上に積み重ねられた後に、上述した台車搬送装置B3の無端チエーンb17、b17’を走行させる。
【0059】
パレット排出装置Uに配置された台車Cuの下流側に位置する短辺杆c2及びパレット積み重ね装置Sに配置された台車Csの下流側に位置する短辺杆c2は、図15(a)に示されているように、それぞれ、無端チエーンb17、b17’に配設された一対の挟持片b18、b18’に挟持されているので、台車搬送装置B3の上方に位置する無端チエーンb17、b17’を、パレット排出装置Uからパレット積み重ね装置S方向に移動させると、パレット積み重ね装置Sに配置された台車Csは、図15において、左方向に移動し、図15(b)に示されているように、挟持片b18、b18’が、下方に位置する無端チエーンb17、b17’に移動する無端チエーンb17、b17’の端部付近まで移動する。
【0060】
一方、パレット排出装置Uに配置され、空のパレットPが、全て、排出された台車Cuは、パレット積み重ね装置S方向に移動し、図15(b)に示されているように、台車Cuが、パレット積み重ね装置Sの手前に位置した時点で、無端チエーンb17、b17’を停止させる。
【0061】
次いで、無端チエーンb17、b17’が停止した時点で、パレット排出装置Uの上流側に搬送された、空のパレットPが、多数、積み重ねられた予備の台車Cpの短辺杆c2が、略垂直状態の下流側の挟持片b18’と、略水平状態の上流側の挟持片b18の間に位置するように、予備の台車Cpを、パレット排出装置U方向に移動させる。
【0062】
その後、無端チエーンb17、b17’を移動させることにより、図15(c)に示されているように、パレット積み重ね装置Sの手前に位置した時点で停止された、空のパレットPが全て排出された台車Cuを、パレット積み重ね装置Sまで移動させるとともに、予備の台車Cpを、パレット排出装置Uまで移動させる。上記のように、空のパレットPが全て排出された台車Cuが、パレット積み重ね装置Sに移動し、また、予備の台車Cpが、パレット排出装置Uに移動した時点で、無端チエーンb17、b17’の走行を停止させる。
【0063】
上述したようにして、パレット排出装置Uにより、全ての空のパレットPが排出された台車Cuを、パレット積み重ね装置Sまで移動させることができるとともに、パレット積み重ね装置Sにおいて、生煎餅Gが配列された台車Csを、下流側に移動させることができ、更に、パレット排出装置Uには、上流側に位置する予備の台車Cpを移動させることができる。
【0064】
次に、図9と同様の本発明の生煎餅製造システムの概略平面図である図16を用いて、台車搬送装置B3の別の実施例について説明する。
【0065】
この実施例においては、図9を用いて説明したスプロケットb14とスプロケットb16との間及びスプロケットb14’とスプロケットb16’との間に、張設された一対の無端チエーンb17、b17’を、それぞれ、三分割したものである。
【0066】
図9に示されているパレット排出装置Uの端部付近には配設されたスプロケットb14、b14’に代えてスプロケットb20、b20’が配設されており、また、パレット排出装置Uの下流側の所定位置にはスプロケットb21、b21’が配設されている。そして、スプロケットb20とb21間及びスプロケットb20’とb21’間には、それぞれ、無端チエーンb22、b22’が調節されている。上記のスプロケットb20、b20’、b21、b21’と一対の無端チエーンb22、b22’により、第1台車搬送部材B3aが形成されている。
【0067】
上述した第1台車搬送部材B3aのスプロケットb21、b21’の下流側には、スプロケットb21、b21’に隣接してスプロケットb23、b23’が配設されており、また、パレット積み重ね装置Sの上流側の所定の位置には、スプロケットb24、b24’載置されている。そして、スプロケットb23とb24間及びスプロケットb23’とb24’間には、それぞれ、無端チエーンb25、b25’が調節されている。上記のスプロケットb23、b23’、b24、b24’と一対の無端チエーンb25、b25’により、第2台車搬送部材B3bが形成されている。第2台車搬送部材B3bには、パレット積み重ね装置Sにおいて、生煎餅Gが配列されたパレットPが積み重ねられた台車Csが、下流側に移動させられた後に、パレット積み重ね装置Sに移送される空の予備台車Ceが配置されている。
【0068】
上述した第2台車搬送部材B3bのスプロケットb24、b24’の下流側には、スプロケットb24、b24’に隣接してスプロケットb26、b26’が配設されており、また、図9に示されているパレット積み重ね装置Sの下流側に配設されたスプロケットb16、b16’に代えて配設されたスプロケットb27、b27’が配設されている。そして、スプロケットb26とb27間及びスプロケットb26’とb27’間には、それぞれ、無端チエーンb28、b28’が調節されている。上記のスプロケットb26、b26’、b27、b27’と一対の無端チエーンb28、b28’により、第3台車搬送部材B3cが形成されている。
【0069】
上述したように、この実施例においては、台車搬送装置B3が、第1台車搬送部材B3a、第2台車搬送部材B3b及び第3台車搬送部材B3cの3つに分割されている。そして、第1台車搬送部材B3a、第2台車搬送部材B3b及び第3台車搬送部材B3cは、適当なスプロケットが取着されている軸を、図示されていないモーターにより回転駆動することにより、それぞれ、別個に独立して駆動できるように構成されている。なお、第1台車搬送部材B3a、第2台車搬送部材B3b及び第3台車搬送部材B3cの無端チエーンb22、b22’、b25、b25’、b28、b28’には、それぞれ、適当な間隔を置いて、上述した挟持片b18、b18’が取着されており、第1台車搬送部材B3a、第2台車搬送部材B3b及び第3台車搬送部材B3cを駆動させて、無端チエーンb22、b22’、b25、b25’、b28、b28’を、それぞれ、独立に走行させることにより、挟持片b18、b18’に、下流側に位置する短辺杆c2が挟持されている台車Cを、適宜、下流側に移動できるように構成されている。
【0070】
パレット排出装置Uに配置された台車Cuから、全ての空のパレットPが排出され、該全ての空のパレットPに生煎餅Gが配列されたパレットPが、全て、パレット積み重ね装置Sに配置された台車Cs上に積み重ねられた際には、第3台車搬送部材B3cを駆動して、パレット積み重ね装置Sにおいて、生煎餅Gが配列されたパレットPが積み重ねられた台車Csを、下流側に移動させる。
【0071】
次いで、第2台車搬送部材B3bを駆動して、第2台車搬送部材B3bに配置されている空の予備台車Ceを、パレット積み重ね装置S方向に移動させる。その後、空の予備台車Ceを、第2台車搬送部材B3bから第3台車搬送部材B3cに移し替えて、第3台車搬送部材B3cにより、空の予備台車Ceを、パレット積み重ね装置Sまで移動させるとともに、第3台車搬送部材B3cの駆動を停止させる。
【0072】
一方、パレット排出装置Uにおいて、空のパレットPが、全て、排出された台車Cuは、第1台車搬送部材B3aを駆動させることにより、下流側に移動させられ、第1台車搬送部材B3aから、第2台車搬送部材B3bに移し替えられる。第2台車搬送部材B3bに移し替えられた空の台車Cuは、次の台車搬送装置B3の台車搬送作業まで、上述した空の予備台車Ceとして、第2台車搬送部材B3bに配置されることになる。その後、第2台車搬送部材B3bの駆動を停止する。なお、第1台車搬送部材B3a及び第2台車搬送部材B3bの駆動により、空の台車Cuが排出されたパレット排出装置Uには、上述したと同様の作業により、新たに、空のパレットPが、多数、積み重ねられた予備の台車Cpが配置される。
【0073】
また、パレット排出装置Uに配置された台車Cuから、全ての空のパレットPが排出され、該全ての空のパレットPに生煎餅Gが配列されたパレットPが、全て、パレット積み重ね装置Sに配置された台車Cs上に積み重ねられた後に、先ず最初に、第1台車搬送部材B3aと第2台車搬送部材B3bを駆動させることにより、パレット排出装置Uにおいて、空のパレットPが、全て、排出された台車Cuを、パレット排出装置Uから排出して、第2台車搬送部材B3bに移し替えて、第2台車搬送部材B3bの駆動を停止させる。この際、第2台車搬送部材B3bに載置されている空の予備台車Ceは、第2台車搬送部材B3bの駆動により、下流側に移動するが、依然として、第2台車搬送部材B3bに載置されている。次いで、第3台車搬送部材B3cを駆動して、パレット積み重ね装置Sにおいて、生煎餅Gが配列されたパレットPが積み重ねられた台車Csを、下流側に移動させる。その後、再度、第2台車搬送部材B3bを駆動して、第2台車搬送部材B3bに載置されている空の予備台車Ceを、第3台車搬送部材B3cに移し替えるように構成することもできる。
【0074】
更に、パレット排出装置Uに配置された台車Cuから、全ての空のパレットPが排出され、該全ての空のパレットPに生煎餅Gが配列されたパレットPが、全て、パレット積み重ね装置Sに配置された台車Cs上に積み重ねられた後に、第1台車搬送部材B3a、第2台車搬送部材B3b及び第3台車搬送部材B3cを、同時に駆動して、パレット排出装置Uからの空の台車Cuの排出、該空の台車Cuの第2台車搬送部材B3bへの移し替え、パレット積み重ね装置Sからの生煎餅Gが配列されたパレットPが積み重ねられた台車Csの排出、空の予備台車Ceの第2台車搬送部材B3bから第3台車搬送部材B3cへの移し替えを、同時に、行うように構成することもできる。
【0075】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載する効果を奏する。
【0076】
多段に積み重ねられた空のパレットを、台車から、順次、自動的に搬出することができるので、従って、生煎餅の生産性を向上することができるとともに、煎餅のコストを低減することができる。
【0077】
多段に積み重ねられた空のパレットを、台車から、順次、自動的に搬出することができるとともに、生煎餅が載置されたパレットを、台車に、順次、自動的に積み重ねることができるので、従って、生煎餅の生産性を向上することができるとともに、煎餅のコストを低減することができる。
【0078】
第1搬送装置、高速搬送装置及び台車搬送装置を配置したので、生煎餅の製造工程を、一貫して、自動化することができる。
【0079】
パレットを台車に積み重ねるようにしたので、台車からのパレットの排出及び台車へのパレットの積み重ねが容易となり、従って、作業効率が向上し、煎餅の製造コストを低減化することができるとともに、パレットを台車に積み重ねるようにしたので、台車により多くのパレットを載置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の生煎餅製造システムにおいて使用されるパレットの斜視図である。
【図2】図2は本発明の生煎餅製造システムにおいて使用されるパレットの正面図である。
【図3】図3は本発明の生煎餅製造システムにおいて使用されるパレットの側面図である。
【図4】図4は本発明の生煎餅製造システムにおいて使用されるパレットの一部拡大斜視図である。
【図5】図5は本発明の生煎餅製造システムにおいて使用されるパレットの一部拡大斜視図である。
【図6】図6は本発明の生煎餅製造システムにおいて使用される台車とパレットの斜視図である。
【図7】図7は本発明の生煎餅製造システムにおいて使用される1つのパレットが載置された台車の斜視図である。
【図8】図8は本発明の生煎餅製造システムの概略正面図である。
【図9】図9は本発明の生煎餅製造システムの概略平面図である。
【図10】図10は本発明の生煎餅製造システムにおいて使用されるパレット排出装置の斜視図である。
【図11】図11は本発明の生煎餅製造システムにおいて使用されるパレット排出装置の側面図である。
【図12】図12は本発明の生煎餅製造システムにおいて使用されるパレット排出装置の作動順序を示すパレット排出装置の側面図である。
【図13】図13は同じく本発明の生煎餅製造システムにおいて使用されるパレット排出装置の作動順序を示すパレット排出装置の側面図である。
【図14】図14は本発明の生煎餅製造システムにおいて使用されるパレット積み重ね装置の作動順序を示すパレット積み重ね装置の側面図である。
【図15】図15は本発明の生煎餅製造システムの概略正面図である。
【図16】図16は本発明の別の実施例の生煎餅製造システムの概略平面図である。
【符号の説明】
B1・・・・・・・第1搬送装置
B2・・・・・・・高速搬送装置
B3・・・・・・・台車搬送装置
C・・・・・・・・台車
D・・・・・・・・生地
G・・・・・・・・生煎餅
H・・・・・・・・生煎餅製造装置
P・・・・・・・・パレット
S・・・・・・・・パレット積み重ね装置
U・・・・・・・・パレット排出装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、混練された生地玉を帯状の生地に成形し、次いで、型抜きして生煎餅とし、該生煎餅をパレットに載置して搬送する生煎餅製造システムに関するものである。なお、生煎餅は、その後、乾燥、焼き及び味付け等されて、最終製品である煎餅となる。
【0002】
【従来の技術】
従来、金網を外周枠により取着した金網パレットを収容した棚付き台車から、金網パレットを一つずつ取り出し、該金網パレットに、生地から型抜きされコンベヤー上に並べられた生煎餅を載置し、次いで、生煎餅が、多数、載置された金網パレットを、棚付き台車の棚に収容するようにした生煎餅製造システムが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の生煎餅製造システムにおいては、生煎餅が載置されていない空の金網パレットの棚付き台車からの取り出し及び生煎餅が載置された金網パレットの棚付き台車への収容等は、人手により行われており、従って、生煎餅の生産性が悪く、煎餅のコストアップを惹起している。
【0004】
また、従来の生煎餅製造システムにおいては、棚付き台車を使用しているために、棚への金網パレットの出し入れ作業の作業性が悪く、煎餅の製造コストが上昇したり、或いは、棚付き台車の棚への金網パレットの出し入れ作業を自動化しようとすると、複雑な動きを必要とする装置が必要となり、煎餅の製造コストが更に上昇するという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、上述した従来の生煎餅製造システムが有する課題を解決するとともに、作業性、生産性の向上した、且つ、自動化が可能な生煎餅製造システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、生煎餅製造システムにおいて、第1には、パレットが積み重ね可能な台車と、該台車に積み重ねられた空のパレットを台車から1つずつ取り出すパレット排出装置と、該パレット排出装置に隣接して配設された、パレットを搬送するパレット搬送装置と、該パレット搬送装置の上方に配設された生煎餅製造装置と、前記パレット搬送装置に隣接して配設された、生煎餅が載置されたパレットを台車に積み重ねるパレット積み重ね装置と、前記パレット排出装置により空のパレットが取り出されて空になった台車を、前記パレット積み重ね装置まで移動する台車搬送装置とを具備し、前記台車搬送装置により、前記パレット積み重ね装置まで移動された空の台車に、前記生煎餅製造装置により製造された生煎餅が載置されたパレットを積み重ねるように構成したものであり、第2には、台車に載置された空のパレットを支持するとともに空のパレットを台車から搬出する上下動可能な搬送部材と、パレットの長辺枠の側壁に形成された凹部に挿入可能な水平方向に進退可能なパレット支持部材とを有するパレット排出装置、及び、生煎餅が載置されたパレットを移動させるとともに生煎餅が載置されたパレットを支持する上下動可能な搬送部材と、パレットの長辺枠の側壁に形成された凹部に挿入可能な水平方向に進退可能なパレット支持部材とを有するパレット積み重ね装置とを具備したものであり、第3には、上記搬送装置を、パレット排出装置により取り出された空のパレットを、生煎餅製造装置へ搬送する第1搬送装置と、該第1搬送装置に隣接して配設されているとともに、生煎餅製造装置により製造された生煎餅を載置したパレットをパレット積み重ね装置まで搬送する、第1搬送装置より高速の高速搬送装置とにより構成したものである。
【0007】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0008】
先ず最初に、本発明の生煎餅製造システムにおいて使用されるパレットの斜視図である図1、該パレットの正面図である図2、該パレットの側面図である図3、該パレットの一部拡大斜視図である図4及び図5を用いて、本発明の生煎餅製造システムにおいて使用されるパレットについて説明する。
【0009】
平面形状が方形状のパレットPは、相対する一対の長辺枠p1、相対する一対の短辺枠p2及び長辺枠p1と短辺枠p2により囲まれた空間部に配設され、リブp3が縦横に交差して形成された生煎餅が載置される載置部p4とを有しており、長辺枠p1の上面p1’、短辺枠p2の上面p2’及び載置部p4が、同一平面を形成するように構成されている。なお、パレットPの材質は、木、金属等が考えられるが、合成樹脂で一体に形成されることが好ましい。
【0010】
長辺枠p1の長手方向に沿った上部角部には、長辺枠p1の中央部及び両端部を除いて、長辺枠p1の上面p1’から一段下がった段部p5が設けられており、段部p5の中央部には、上面が、長辺枠p1の上面p1’と略面一な嵌合凸部p6が設けられている。また、長辺枠p1の側壁には凹部p7が設けられており、凹部p7には、長辺枠p1の上板p8と下板p9とを連結する垂直リブp10が、所定の間隔を置いて配設されている。そして、上記嵌合凸部p6の下方に位置する下板p9の中央部には、嵌合凹部p11が設けられている。更に、長辺枠p1と短辺枠p2により形成されるパレットPの隅部の下部には、凹部p12が形成されており、従って、パレットPの隅部の下部に設けられた凹部p12と、長辺枠p1の下板p9の中央部に設けられた嵌合凹部p11との間に位置する長辺枠p1の下板p9には、長辺枠p1の長手方向に凸条p13が形成されることになる。なお、p14は、長辺枠p1の垂直壁に設けられた透孔である。
【0011】
上述したような構成を有するパレットPを、複数個、積み重ねる、即ち、スタッキングすると、下に位置するパレットPの長辺枠p1に設けられた段部p5には、上に位置するパレットPの長辺枠p1の下板p9に形成された凸条p13が嵌合し、また、下に位置するパレットPの嵌合凸部p6が、上に位置するパレットPの嵌合凹部p11に嵌合することになり、従って、パレットPの水平方向への移動が阻止されて、複数のパレットPを、安定した状態で、多段に積み重ねることができる。
【0012】
p15は、垂直な板状に形成されたパレットPの短辺枠p2の両端部に形成された脚部であり、脚部p15は、短辺枠p2の水平部p16と直交しており、また、脚部p15には、段差部p17が形成されている。また、図3に示されているように、パレットPを積み重ねた際には、下に位置するパレットPの上面角部に、上に位置するパレットPの脚部p15が載置され、上に位置するパレットPと下に位置するパレットPとの間に、所定の幅の間隙p18ができるように構成されている。上記のように、パレットP間に、所定の幅の間隙p18が形成されているので、載置部p4に生煎餅が並べられたパレットPを、多段に積み重ねた状態で乾燥室に入れて生煎餅を乾燥させる際には、上記の間隙p18に温風が入り、生煎餅の効率的な乾燥を行うことができる。
【0013】
次に、本発明の生煎餅製造システムにおいて使用される台車とパレットの斜視図である図6及び1つのパレットが載置された台車の斜視図である図7を用いて、本発明の生煎餅製造システムにおいて使用される台車について説明する。
【0014】
台車Cは、パレットPの長辺枠p1及び短辺枠p2と略同じ長さの相対する長辺杆c1及び同じく相対する短辺杆c2とから形成されており、また、長辺杆c1と短辺杆c2とにより形成された4つの角部に取着された板材c3の下部には、それぞれ、公知のキャスターc4が取り付けられている。台車Cの短辺杆c2の長さは、パレットPの短辺枠p2に形成された脚部p15の略幅分だけ短く形成されており、台車Cの短辺杆c2の両端部に、パレットPの段差部p17が載置されている。即ち、パレットPが台車Cに載置された際には、パレットPの脚部p15が、台車Cの短辺杆c2から外側に突出するように構成されている。
【0015】
次に、本発明の生煎餅製造システムの概略正面図である図8及び本発明の生煎餅製造システムの概略平面図である図9を用いて、本発明の生煎餅製造システムの全体構成について説明する。
【0016】
Uは、生煎餅が載置されていないパレットP(以下、単に、「空のパレット」という。)が多段に積み重ねられた台車Cから、1つずつ空のパレットPを取り出すパレット排出装置である。B1は、パレット排出装置Uから排出された空のパレットPを搬送する第1搬送装置であり、パレット排出装置Uに隣接して配設された軸b1に取着された一対のスプロケットb2、b2’と、後述する高速搬送装置B2に隣接して配設された軸b3に取着された一対のスプロケットb4、b4’と、スプロケットb2とスプロケットb4との間に張設された無端チエーンb5と、スプロケットb2’とスプロケットb4’との間に張設された無端チエーンb5’と、上記の軸b1と軸b3との間に配設された適当数の軸b6に取着された中間支持スプロケットb7とを有しており、軸b1或いは軸b3を、図示されていない駆動装置により回転駆動することにより、上方の無端チエーンb5、b5’に載置されたパレットPを、パレット排出装置Uから高速搬送装置B2まで搬送することができるように構成されている。上記のように中間支持スプロケットb7を設けることにより、無端チエーンb5、b5’が弛むことを防止することができる。
【0017】
上述した高速搬送装置B2は、第1搬送装置B1に隣接して配設された軸b8に取着された一対のスプロケットb9、b9’と、後述するパレット積み重ね装置S側に配設された軸b10に取着された一対のスプロケットb11、b11’と、スプロケットb9とスプロケットb11との間に張設された無端チエーンb12と、スプロケットb9’とスプロケットb11’との間に張設された無端チエーンb12’とを有している。軸b8或いは軸b10を、図示されていない駆動装置により回転駆動することにより、第1搬送装置B1の無端チエーンb5、b5’により搬送されてきたパレットPを、走行する無端チエーンb12、b12’に乗り換えて、無端チエーンb12、b12’により、パレットPをパレット積み重ね装置Sまで搬送することができるように構成されている。高速搬送装置B2は、第1搬送装置B1より高速で、パレットPを搬送することができるように構成されている。なお、無端チエーンb12、b12’が弛むのを防止するために、上記の軸b8と軸b10との間に配設された適当数の軸に、中間支持スプロケットを取着することもできる。なお、第1搬送装置B1の無端チエーンb5、b5’の幅と、高速搬送装置B2の無端チエーンb12、b12’の幅とは、略同じ幅に形成されており、そして、無端チエーンb5、b5’と無端チエーンb12、b12’には、それぞれ、パレットPの短辺杆c2の両端部に形成された脚部p15が載置される。
【0018】
Sは、高速搬送装置B2に隣接して配設されたパレット積み重ね装置であり、上述したパレット排出装置Uと同じ構造を有している。詳細については、後述する。
【0019】
次に、図8、図9及び本発明の生煎餅製造システムに使用されるパレット排出装置の斜視図である図10を用いて、台車搬送装置B3について説明する。
【0020】
b13は、パレット排出装置Uの端部付近に配設された軸であり、軸b13には、一対のスプロケットb14、b14’が取着されており、b15は、パレット積み重ね装置Sを越えた、所定の位置に配設された軸であり、軸b15には、一対のスプロケットb16、b16’が取着されている。そして、スプロケットb14とスプロケットb16との間及びスプロケットb14’とスプロケットb16’との間には、それぞれ、無端チエーンb17、b17’が張設されており、無端チエーンb17、b17’は、上述した第1搬送装置B1の無端チエーンb5、b5’及び高速搬送装置B2の無端チエーンb12、b12’の内側に配設されている。軸b13或いは軸b15を、図示されていない駆動装置により回転駆動することにより、上方の無端チエーンb17、b17’を、軸b13から軸b15方向へ、間欠移動することができるように構成されている。
【0021】
また、無端チエーンb17、b17’には、それぞれ、台車Cの短辺杆c2を挟持する一対の挟持片b18、b18’が、所定組、取着されており、上方に位置する無端チエーンb17、b17’に取着された挟持片b18、b18’間に、台車Cの短辺杆c2の挟持することにより、台車Cをパレット排出装置Uからパレット積み重ね装置Sを越えて軸b15の付近まで移動させることができるように構成されている。なお、必要に応じて、無端チエーンb17、b17’が弛むことを防止するために、適当数の中間支持スプロケットb19を配設する。
【0022】
r1及びr2は、台車搬送装置B3に沿って床に配設されたレール部材であり、長手方向と直交する垂直断面形状が略U字状に形成されており、レール部材r1、r2の凹部に台車Cのキャスターc4を嵌挿することにより、台車搬送装置B3により移動される台車Cを、パレット排出装置Uからパレット積み重ね装置Sを越えて軸b15の付近まで直線的に案内することができるように構成されている。
【0023】
次に、第1搬送装置B1の上方に配設された生煎餅製造装置Hについて説明する。
【0024】
h1は、生地玉を混練する混練機であり、生地玉を投入するホッパーh2、適当なモーターh3により回転される押し出しスクリューh4等により構成されている。ホッパーh2に投入された生地玉は、混練機h1の押し出しスクリューh4により押し出され、必要に応じて、混練機h1の下流側(なお、以下においては、便宜的に、図8において、左方向を「下流側」或いは「下流」と称し、また、右方向を「上流側」或いは「上流」と称する。)に配設された一対の回転ローラーh5により延ばされて帯状の生地Dに成形される。
【0025】
生地Dには、型抜きローラーh6により、所定の生煎餅Gの形状に切り目が入れられ、生煎餅Gの形状に切り目が入れられた生地Dは、型抜きローラーh6の出口近傍に配設された、支持ローラーh7、適当な一対の挟持ローラーh8、支持板h9により支持されたベルトコンベヤー等の搬送部材h10上に載置される。搬送部材h10の上面h10’は、型抜きローラーh6の出口近傍から、上述した第1搬送装置B1の上方の無端チエーンb5、b5’に載置され搬送される空のパレットPの上面付近まで延在するとともに、下方に傾斜している。
【0026】
搬送部材h10の型抜きローラーh6側端部には、一方の端部が、搬送部材h10に接近して配置されるとともに、垂直線より型抜きローラーh6側に傾斜した、適当な間隔で並設されたローラーh11、h11’により支持されたベルトコンベヤー等の型抜き生地搬送部材h12が配設されている。
【0027】
型抜きローラーh6により、生煎餅Gの形状に切り目が入れられた生地Dは、型抜きローラーh6の出口近傍に配設された搬送部材h10の上面h10’に載置され、次いで、型抜き生地搬送部材h12により、搬送部材h10の上面h10’からはぎ取られるように上方に屈曲される。この生煎餅Gの形状に切り目が入れられた生地Dの上方へに屈曲により、生煎餅Gの形状に切り目が入れられた生地Dから、生煎餅Gが型抜きされて、型抜きされた生煎餅Gは、搬送部材h10の上面h10’に残り、搬送部材h10により下流方向に搬送される。一方、生煎餅Gが型抜きされた型抜き生地D’は、型抜き生地搬送部材h12上に載置され、型抜き生地搬送部材h12により上方に移送され、更に、再利用のために、図示されていない箱等に収容される。
【0028】
生地Dから型抜きされ、搬送部材h10の上面h10’に載置された生煎餅Gは、搬送部材h10により下流方向に搬送される。搬送部材h10の下方には、上述した第1搬送装置B1の上方の無端チエーンb5、b5’に載置され搬送される空のパレットPの載置部p4が、搬送部材h10に近接して配置されているので、搬送部材h10により搬送される生煎餅Gは、搬送部材h10の端部から、パレットPの載置部p4に移される。
【0029】
混練機h1の駆動、型抜きローラーh6の駆動、第1搬送装置B1の駆動及び搬送部材h10の駆動等を、適当に制御することにより、パレットPの載置部p4に、所定の間隔を置いて、複数列、複数行に、整列して生煎餅Gを並べることができる。このように生煎餅Gが並列されたパレットPは、第1搬送装置B1により、更に下流方向に搬送される。上述した生煎餅製造装置Hの機台の下方に、上述した第1搬送装置B1、高速搬送装置B2及び台車搬送装置B3が配設されている。
【0030】
上述した生煎餅製造装置Hにより製造された生煎餅Gが載置されたパレットPは、第1搬送装置B1から、第1搬送装置B1より高速でパレットPを搬送する高速搬送装置B2に移される。高速搬送装置B2は、第1搬送装置B1より高速でパレットPを搬送するように構成されているので、第1搬送装置B1において接近して搬送されるパレットP間の間隔を、第1搬送装置B1から高速搬送装置B2に乗り移った際に、拡げることができる。従って、後述するパレット積み重ね装置Sにより、生煎餅Gが載置されたパレットPを、台車C上に、順次、積み重ねる際に、1つのパレットPの積み重ね作業が終わるまで、次に積み重ねるパレットPが、パレット積み重ね装置Sに干渉しないように、所定の時間的余裕を確保することができるように構成されている。
【0031】
次に、本発明の生煎餅製造システムに使用されるパレット排出装置Uの斜視図である図10及び本発明の生煎餅製造システムに使用されるパレット排出装置Uの側面図である図11を用いて、本発明の生煎餅製造システムに使用されるパレット排出装置Uについて説明する。
【0032】
パレット排出装置Uは、上述した台車搬送装置B3の搬送方向に沿って、その両側に配設された同一構造を有する一対のパレット排出ユニットU1、U1’から構成されており、以下においては、一方のパレット排出ユニットU1について説明する。なお、もう一方のパレット排出ユニットU1’のパレット排出ユニットU1に対応する部材には算用数字或いはアルファベットの小文字の後にダッシュ(’)が付されている。
【0033】
u1は、昇降フレームであり、横長の昇降フレームu1に取着された水平片u2には、床等に設置された垂直シリンダーu3のピストンロッドu4の先端部が取着されている。u5及びu6は、昇降フレームu1の両端部付近に取着された軸受けブロックであり、軸受けブロックu5、u6の縦孔には、パレット排出ユニットU1の機枠u7に配設された案内ロッドu8、u9が、それぞれ、挿着されている。
【0034】
u10及びu11は、昇降フレームu1の台車搬送装置B3側の両端部付近に、軸受けを介して配設された水平軸であり、水平軸u10、u11には、それぞれ、スプロケットu12、u13が取着されている。u14は、スプロケットu12、u13間に張設された無端チエーンである。u15は、上記の水平軸u10、u11の間の台車搬送装置B3側の昇降フレームu1に軸受けを介して配設された水平軸であり、該水平軸u15には、スプロケットu12、u13と同様のスプロケットu16が取着されており、無端チエーンu14の弛みを防止するとともに、上方の無端チエーンu14上に載置されるパレットPを、無端チエーンu14を介して支持する機能を有する。なお、スプロケットu12、u13、無端チエーンu14等により形成される搬送部材は、プーリー及び無端ベルト等により構成することも、また、無端ベルトを使用することなく、単に、複数のプーリーを連接することにより構成することもできる。
【0035】
u17は、一方の水平軸u11を減速駆動する減速器であり、u18は、減速器u17を介して水平軸u11を回転駆動させるモーターである。モーターu18を駆動し、減速器u17を介して、水平軸u11を回転させることにより、無端チエーンu14を、上方の無端チエーンu14上に載置される空のパレットPが第1搬送装置B1方向に搬送されるように走行させることができる。
【0036】
垂直シリンダーu3を作動させて、ピストンロッドu4を上下動させることにより、昇降フレームu1を介して、スプロケットu12、u13、u16に張設された無端チエーンu14を、上方に位置する無端チエーンu14の上面が、台車Cに載置されたパレットPの一番下のパレットPの脚部p15の下面より、若干、下に位置する最下位位置と、後述するパレット支持部材に支持されているパレットPを載置する最上位位置との間を上下動することができるように構成されている。
【0037】
u19は、台車搬送装置B3側に平坦部u19aを有するとともに、垂直部u19bを有するパレット支持部材であり、パレット支持部材u19は、無端チエーンu14に沿って配置された水平移動フレームu20に、所定の間隔を置いて、適当数、取着されている(図10に示されている実施例には、4個のパレット支持部材u19が取着された例が示されている。)。パレット支持部材u19は、上述した無端チエーンu14の上方に配設されている。u21は、パレット排出ユニットU1の機枠u7に配設された水平シリンダーであり、水平シリンダーu7のピストンロッドu22の先端部は、水平移動フレームu20に取着されている。u23及びu24は、機枠u7に取着された横孔が穿設された軸受けブロックであり、軸受けブロックu23、u24に穿設された横孔には、それぞれ、案内ロッドu25、u26が挿通されており、案内ロッドu25、u26の先端部は、水平移動フレームu20に取着されている。
【0038】
水平シリンダーu21を作動させて、ピストンロッドu22を左右方向に進退させることにより、軸受けブロックu23、u24の横孔に挿通された案内ロッドu25、u26に案内支持された水平移動フレームu20を、台車搬送装置B3方向に前進或いは後退させることができるように構成されている。水平移動フレームu20に取着されたパレット支持部材u19の最前進位置は、パレット支持部材u19の平坦部u19aが、無端チエーンu14上に載置されるパレットPの長辺枠p1の側壁に形成された凹部p7に係合される位置であり、また、パレット支持部材u19の最後位位置は、パレット支持部材u19の平坦部u19aが、無端チエーンu14上に載置されるパレットPの長辺枠p1の側壁に形成された凹部p7から抜け出た位置である。
【0039】
図11には、パレット支持部材u19の平坦部u19aにより支持されたパレットP1の上に2個のパレットP2、P3が支持され、また、第1搬送装置B1の無端チエーンb5と同じ高さの無端チエーンu14には、パレットP4が載置されている状態が示されており、無端チエーンu14を移動させることにより、パレットP4を、第1搬送装置B1の無端チエーンb5、b5’に移し変えることができる。
【0040】
次に、パレット排出装置Uの作動順序を示すパレット排出装置Uの側面図である図12及び図13を用いて、上述した構成を有するパレット排出装置Uの作動順序について説明する。
【0041】
図12(a)には、複数の空のパレットP5〜P8が多段に積み重ねられた台車Cが、レールr1、r2に案内されて、パレット排出ユニットU1、U1’間に移送された状態が示されている。この状態においては、無端チエーンu14は、上方に位置する無端チエーンu14の上面が、台車Cに載置されたパレットP5〜P8の一番下のパレットP5の脚部p15の下面より下に位置する最下位位置に位置しており、また、パレット支持部材u19の平坦部u19aは、パレットP5〜P8の長辺枠p1の側壁に形成された凹部p7から抜け出た位置にある。
【0042】
図12(a)に示されている状態から、垂直シリンダーu3を作動させて、ピストンロッドu4を上動させることにより、昇降フレームu1を介して、無端チエーンu14を、台車Cに載置されているパレットP5〜P8のうち下から2番目のパレットP6の長辺枠p1の側壁に形成された凹部p7の側方に、パレット支持部材u19の平坦部u19aが位置するまで上昇させるとともに、水平シリンダーu21を作動させて、ピストンロッドu22を進出させて、図12(b)に示されているように、パレット支持部材u19の平坦部u19aを、下から2番目のパレットP6の長辺枠p1の側壁に形成された凹部p7に挿入する。
【0043】
次いで、図12(c)に示されているように、垂直シリンダーu3を作動させて、一番下のパレットP5が載置されている無端チエーンu14を、第1搬送装置B1の無端チエーンb5、b5’と略同じ高さまで下降させる。この状態においては、一番下のパレットP5の段差部p17と台車Cの上面との間には、多少の間隙が存在することが好ましい。このような間隙を形成することにより、無端チエーンu14により、第1搬送装置B1方向に搬送されるパレットP5が、台車Cの上面に接触して、無用な摩擦抵抗をパレットP5に与えることが防止でき、パレットP5を、円滑に、第1搬送装置B1方向に搬送することができる。一番下のパレットP5より上方に位置するパレットP6〜P8は、パレットP6が、パレット支持部材u19の平坦部u19aに支持されているので、下方に移動することがない。
【0044】
次いで、モーターu18を駆動し、減速器u17を介して、上方に位置する無端チエーンu14を第1搬送装置B1方向に移動させて、一番下のパレットP5を、常時、移動している第1搬送装置B1の無端チエーンb5、b5’に載置する。無端チエーンb5、b5’に載置された一番下のパレットP5は、上述した生煎餅製造装置H方向に搬送され、パレットP5の載置部p4には、生煎餅製造装置Hにより製造された生煎餅Gが配列されることになる。
【0045】
パレット支持部材u19の平坦部u19aに支持されているパレットP6〜P8のうち、一番下に位置するパレットP6を、無端チエーンu14により、第1搬送装置B1の無端チエーンb5、b5’に載置するには、図13(a)に示されているように、垂直シリンダーu3を作動させて、パレットP6の脚部p15を、無端チエーンu14に載置する。
【0046】
次いで、図13(b)に示されているように、水平シリンダーu21を作動させて、ピストンロッドu22を後退させて、パレットP6の長辺枠p1の側壁に形成された凹部p7に挿入されていたパレット支持部材u19の平坦部u19aを抜き出す。
【0047】
次いで、垂直シリンダーu3を作動させて、無端チエーンu14を、図13(c)に示されているように、無端チエーンu14に載置されたパレットP6の上に位置するパレットP7の長辺枠p1の側壁に形成された凹部p7に、パレット支持部材u19の平坦部u19aが挿入可能な位置まで下降させる。
【0048】
次いで、図13(d)に示されているように、無端チエーンu14を、第1搬送装置B1の無端チエーンb5、b5’と略同じ高さまで下降させる。パレットP7、P8は、パレットP7が、パレット支持部材u19の平坦部u19aに支持されているので、下方に移動することがない。その後、上述したように、モーターu18を駆動し、減速器u17を介して、上方に位置する無端チエーンu14を第1搬送装置B1方向に移動させて、パレットP6を、常時、移動している第1搬送装置B1の無端チエーンb5、b5’に載置する。このようにして、台車Cに多段に積み重ねられているパレットPを、順次、下から、第1搬送装置B1の無端チエーンb5、b5’に移し変える。
【0049】
次に、パレット積み重ね装置Sの作動順序を示すパレットパレット積み重ね装置Sの側面図である図14を用いて、パレット排出装置Uと同じ構造を有しているパレット積み重ね装置Sの作動順序について説明する。なお、パレット積み重ね装置Sは、パレット排出装置Uと同じ構造を有しているで、パレット積み重ね装置Sを構成する各部材には、パレット排出装置Uと同じ符号を用いる。
【0050】
既に、パレット排出装置Uに位置する台車Cに載置されたパレットP9、P10は、パレット支持部材u19の平坦部u19aを、下に位置するパレットP10の長辺枠p1の側壁に形成された凹部p7に挿入することにより、図14(a)に示されているように、台車Cの上方に支持されている。
【0051】
次いで、パレット排出装置Uにより、台車Cから搬出された空のパレットPは、第1搬送装置B1により生煎餅製造装置H方向に搬送され、該空のパレットPには、生煎餅製造装置Hにより製造された生煎餅Gが配列される。このようにして生煎餅Gが配列されたパレットP11は、第1搬送装置B1から高速搬送装置B2に移され、図14(b)に示されているように、高速搬送装置B2の無端チエーンb12、b12’と同じ高さに配置されている無端チエーンu14に載置される。
【0052】
次いで、垂直シリンダーu3を作動させて、無端チエーンu14を、図14(c)に示されているように、無端チエーンu14に載置されたパレットP11が、パレット支持部材u19の平坦部u19aに支持されているパレットP10に接触するまで上昇させるとともに、水平シリンダーu21を作動させて、ピストンロッドu22を後退させて、パレット支持部材u19の平坦部u19aを、パレットP10の長辺枠p1の側壁に形成された凹部p7から抜き出す。
【0053】
次いで、垂直シリンダーu3を作動させて、無端チエーンu14を、更に上昇させて、一番下に位置する無端チエーンu14に載置されたパレットP11の長辺枠p1の側壁に形成された凹部p7の側方に、パレット支持部材u19の平坦部u19aを位置させるとともに、水平シリンダーu21を作動させて、ピストンロッドu22を進出させて、図14(d)に示されているように、パレット支持部材u19の平坦部u19aを、パレットP11の長辺枠p1の側壁に形成された凹部p7に挿入し、パレットP11より上方に位置するパレットP9、P10を支持する。
【0054】
次いで、垂直シリンダーu3を作動させて、無端チエーンu14を、図14(e)に示されているように、高速搬送装置B2の無端チエーンb12、b12’と同じ高さまで下降させて、高速搬送装置B2により、続いて搬送されてくる生煎餅Gが配列されたパレットPの受入れ準備が完了する。このようにして、高速搬送装置B2により、順次、搬送されてくる生煎餅Gが配列されたパレットPを、パレット積み重ね装置Sに配置された台車Cの上方に積み重ねる。
【0055】
台車Cに載置される最後のパレットPが、パレット積み重ね装置Sの無端チエーンu14に載置された後、垂直シリンダーu3を作動させて、無端チエーンu14を、無端チエーンu14に載置された最後のパレットPが、パレット支持部材u19の平坦部u19aに支持されている一番下のパレットPに接触するまで上昇させるとともに、水平シリンダーu21を作動させて、ピストンロッドu22を後退させて、パレット支持部材u19の平坦部u19aを、一番下のパレットPの長辺枠p1の側壁に形成された凹部p7から抜き出して、無端チエーンu14に全部のパレットPを載置する。その後、垂直シリンダーu3を作動させて、無端チエーンu14を、無端チエーンu14に載置された一番下のパレットPの段差部p17が、下方に位置する台車Cに載置されるまで下降させて、全部のパレットPを、台車Cに載置する。
【0056】
本実施例においては、パレット排出装置Uにより、台車Cから全ての空のパレットPが搬出され、台車Cから排出された最後の空のパレットPに生煎餅Gが配列され、該生煎餅Gが配列された最後の空のパレットPが、パレット積み重ね装置Sに位置する台車Cに積み重ねられた時点で、上述した台車搬送装置B3を作動させるように構成されており、以下に、生煎餅製造システムの概略正面図である図15を用いて、台車搬送装置B3の作動について説明する。
【0057】
図15(a)において、Cuは、パレット排出装置Uに配置された台車であり、該台車Cuに積み重ねられている空のパレットPが、順次、上述したパレット排出装置Uにより排出される。パレット排出装置Uに配置された台車Cuから、順次、排出された空のパレットPは、第1搬送装置B1に移され、生煎餅製造装置H方向に搬送されて、空のパレットPには、生煎餅製造装置Hにより製造された生煎餅Gが配列される。このようにして生煎餅Gが配列されたパレットPは、第1搬送装置B1から高速搬送装置B2に移され、パレット積み重ね装置Sに配置された台車Cs上に、順次、積み重ねられる。
【0058】
上述したようにして、パレット排出装置Uに配置された台車Cuから、全ての空のパレットPが排出され、該全ての空のパレットPに生煎餅Gが配列されたパレットPが、全て、パレット積み重ね装置Sに配置された台車Cs上に積み重ねられた後に、上述した台車搬送装置B3の無端チエーンb17、b17’を走行させる。
【0059】
パレット排出装置Uに配置された台車Cuの下流側に位置する短辺杆c2及びパレット積み重ね装置Sに配置された台車Csの下流側に位置する短辺杆c2は、図15(a)に示されているように、それぞれ、無端チエーンb17、b17’に配設された一対の挟持片b18、b18’に挟持されているので、台車搬送装置B3の上方に位置する無端チエーンb17、b17’を、パレット排出装置Uからパレット積み重ね装置S方向に移動させると、パレット積み重ね装置Sに配置された台車Csは、図15において、左方向に移動し、図15(b)に示されているように、挟持片b18、b18’が、下方に位置する無端チエーンb17、b17’に移動する無端チエーンb17、b17’の端部付近まで移動する。
【0060】
一方、パレット排出装置Uに配置され、空のパレットPが、全て、排出された台車Cuは、パレット積み重ね装置S方向に移動し、図15(b)に示されているように、台車Cuが、パレット積み重ね装置Sの手前に位置した時点で、無端チエーンb17、b17’を停止させる。
【0061】
次いで、無端チエーンb17、b17’が停止した時点で、パレット排出装置Uの上流側に搬送された、空のパレットPが、多数、積み重ねられた予備の台車Cpの短辺杆c2が、略垂直状態の下流側の挟持片b18’と、略水平状態の上流側の挟持片b18の間に位置するように、予備の台車Cpを、パレット排出装置U方向に移動させる。
【0062】
その後、無端チエーンb17、b17’を移動させることにより、図15(c)に示されているように、パレット積み重ね装置Sの手前に位置した時点で停止された、空のパレットPが全て排出された台車Cuを、パレット積み重ね装置Sまで移動させるとともに、予備の台車Cpを、パレット排出装置Uまで移動させる。上記のように、空のパレットPが全て排出された台車Cuが、パレット積み重ね装置Sに移動し、また、予備の台車Cpが、パレット排出装置Uに移動した時点で、無端チエーンb17、b17’の走行を停止させる。
【0063】
上述したようにして、パレット排出装置Uにより、全ての空のパレットPが排出された台車Cuを、パレット積み重ね装置Sまで移動させることができるとともに、パレット積み重ね装置Sにおいて、生煎餅Gが配列された台車Csを、下流側に移動させることができ、更に、パレット排出装置Uには、上流側に位置する予備の台車Cpを移動させることができる。
【0064】
次に、図9と同様の本発明の生煎餅製造システムの概略平面図である図16を用いて、台車搬送装置B3の別の実施例について説明する。
【0065】
この実施例においては、図9を用いて説明したスプロケットb14とスプロケットb16との間及びスプロケットb14’とスプロケットb16’との間に、張設された一対の無端チエーンb17、b17’を、それぞれ、三分割したものである。
【0066】
図9に示されているパレット排出装置Uの端部付近には配設されたスプロケットb14、b14’に代えてスプロケットb20、b20’が配設されており、また、パレット排出装置Uの下流側の所定位置にはスプロケットb21、b21’が配設されている。そして、スプロケットb20とb21間及びスプロケットb20’とb21’間には、それぞれ、無端チエーンb22、b22’が調節されている。上記のスプロケットb20、b20’、b21、b21’と一対の無端チエーンb22、b22’により、第1台車搬送部材B3aが形成されている。
【0067】
上述した第1台車搬送部材B3aのスプロケットb21、b21’の下流側には、スプロケットb21、b21’に隣接してスプロケットb23、b23’が配設されており、また、パレット積み重ね装置Sの上流側の所定の位置には、スプロケットb24、b24’載置されている。そして、スプロケットb23とb24間及びスプロケットb23’とb24’間には、それぞれ、無端チエーンb25、b25’が調節されている。上記のスプロケットb23、b23’、b24、b24’と一対の無端チエーンb25、b25’により、第2台車搬送部材B3bが形成されている。第2台車搬送部材B3bには、パレット積み重ね装置Sにおいて、生煎餅Gが配列されたパレットPが積み重ねられた台車Csが、下流側に移動させられた後に、パレット積み重ね装置Sに移送される空の予備台車Ceが配置されている。
【0068】
上述した第2台車搬送部材B3bのスプロケットb24、b24’の下流側には、スプロケットb24、b24’に隣接してスプロケットb26、b26’が配設されており、また、図9に示されているパレット積み重ね装置Sの下流側に配設されたスプロケットb16、b16’に代えて配設されたスプロケットb27、b27’が配設されている。そして、スプロケットb26とb27間及びスプロケットb26’とb27’間には、それぞれ、無端チエーンb28、b28’が調節されている。上記のスプロケットb26、b26’、b27、b27’と一対の無端チエーンb28、b28’により、第3台車搬送部材B3cが形成されている。
【0069】
上述したように、この実施例においては、台車搬送装置B3が、第1台車搬送部材B3a、第2台車搬送部材B3b及び第3台車搬送部材B3cの3つに分割されている。そして、第1台車搬送部材B3a、第2台車搬送部材B3b及び第3台車搬送部材B3cは、適当なスプロケットが取着されている軸を、図示されていないモーターにより回転駆動することにより、それぞれ、別個に独立して駆動できるように構成されている。なお、第1台車搬送部材B3a、第2台車搬送部材B3b及び第3台車搬送部材B3cの無端チエーンb22、b22’、b25、b25’、b28、b28’には、それぞれ、適当な間隔を置いて、上述した挟持片b18、b18’が取着されており、第1台車搬送部材B3a、第2台車搬送部材B3b及び第3台車搬送部材B3cを駆動させて、無端チエーンb22、b22’、b25、b25’、b28、b28’を、それぞれ、独立に走行させることにより、挟持片b18、b18’に、下流側に位置する短辺杆c2が挟持されている台車Cを、適宜、下流側に移動できるように構成されている。
【0070】
パレット排出装置Uに配置された台車Cuから、全ての空のパレットPが排出され、該全ての空のパレットPに生煎餅Gが配列されたパレットPが、全て、パレット積み重ね装置Sに配置された台車Cs上に積み重ねられた際には、第3台車搬送部材B3cを駆動して、パレット積み重ね装置Sにおいて、生煎餅Gが配列されたパレットPが積み重ねられた台車Csを、下流側に移動させる。
【0071】
次いで、第2台車搬送部材B3bを駆動して、第2台車搬送部材B3bに配置されている空の予備台車Ceを、パレット積み重ね装置S方向に移動させる。その後、空の予備台車Ceを、第2台車搬送部材B3bから第3台車搬送部材B3cに移し替えて、第3台車搬送部材B3cにより、空の予備台車Ceを、パレット積み重ね装置Sまで移動させるとともに、第3台車搬送部材B3cの駆動を停止させる。
【0072】
一方、パレット排出装置Uにおいて、空のパレットPが、全て、排出された台車Cuは、第1台車搬送部材B3aを駆動させることにより、下流側に移動させられ、第1台車搬送部材B3aから、第2台車搬送部材B3bに移し替えられる。第2台車搬送部材B3bに移し替えられた空の台車Cuは、次の台車搬送装置B3の台車搬送作業まで、上述した空の予備台車Ceとして、第2台車搬送部材B3bに配置されることになる。その後、第2台車搬送部材B3bの駆動を停止する。なお、第1台車搬送部材B3a及び第2台車搬送部材B3bの駆動により、空の台車Cuが排出されたパレット排出装置Uには、上述したと同様の作業により、新たに、空のパレットPが、多数、積み重ねられた予備の台車Cpが配置される。
【0073】
また、パレット排出装置Uに配置された台車Cuから、全ての空のパレットPが排出され、該全ての空のパレットPに生煎餅Gが配列されたパレットPが、全て、パレット積み重ね装置Sに配置された台車Cs上に積み重ねられた後に、先ず最初に、第1台車搬送部材B3aと第2台車搬送部材B3bを駆動させることにより、パレット排出装置Uにおいて、空のパレットPが、全て、排出された台車Cuを、パレット排出装置Uから排出して、第2台車搬送部材B3bに移し替えて、第2台車搬送部材B3bの駆動を停止させる。この際、第2台車搬送部材B3bに載置されている空の予備台車Ceは、第2台車搬送部材B3bの駆動により、下流側に移動するが、依然として、第2台車搬送部材B3bに載置されている。次いで、第3台車搬送部材B3cを駆動して、パレット積み重ね装置Sにおいて、生煎餅Gが配列されたパレットPが積み重ねられた台車Csを、下流側に移動させる。その後、再度、第2台車搬送部材B3bを駆動して、第2台車搬送部材B3bに載置されている空の予備台車Ceを、第3台車搬送部材B3cに移し替えるように構成することもできる。
【0074】
更に、パレット排出装置Uに配置された台車Cuから、全ての空のパレットPが排出され、該全ての空のパレットPに生煎餅Gが配列されたパレットPが、全て、パレット積み重ね装置Sに配置された台車Cs上に積み重ねられた後に、第1台車搬送部材B3a、第2台車搬送部材B3b及び第3台車搬送部材B3cを、同時に駆動して、パレット排出装置Uからの空の台車Cuの排出、該空の台車Cuの第2台車搬送部材B3bへの移し替え、パレット積み重ね装置Sからの生煎餅Gが配列されたパレットPが積み重ねられた台車Csの排出、空の予備台車Ceの第2台車搬送部材B3bから第3台車搬送部材B3cへの移し替えを、同時に、行うように構成することもできる。
【0075】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載する効果を奏する。
【0076】
多段に積み重ねられた空のパレットを、台車から、順次、自動的に搬出することができるので、従って、生煎餅の生産性を向上することができるとともに、煎餅のコストを低減することができる。
【0077】
多段に積み重ねられた空のパレットを、台車から、順次、自動的に搬出することができるとともに、生煎餅が載置されたパレットを、台車に、順次、自動的に積み重ねることができるので、従って、生煎餅の生産性を向上することができるとともに、煎餅のコストを低減することができる。
【0078】
第1搬送装置、高速搬送装置及び台車搬送装置を配置したので、生煎餅の製造工程を、一貫して、自動化することができる。
【0079】
パレットを台車に積み重ねるようにしたので、台車からのパレットの排出及び台車へのパレットの積み重ねが容易となり、従って、作業効率が向上し、煎餅の製造コストを低減化することができるとともに、パレットを台車に積み重ねるようにしたので、台車により多くのパレットを載置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の生煎餅製造システムにおいて使用されるパレットの斜視図である。
【図2】図2は本発明の生煎餅製造システムにおいて使用されるパレットの正面図である。
【図3】図3は本発明の生煎餅製造システムにおいて使用されるパレットの側面図である。
【図4】図4は本発明の生煎餅製造システムにおいて使用されるパレットの一部拡大斜視図である。
【図5】図5は本発明の生煎餅製造システムにおいて使用されるパレットの一部拡大斜視図である。
【図6】図6は本発明の生煎餅製造システムにおいて使用される台車とパレットの斜視図である。
【図7】図7は本発明の生煎餅製造システムにおいて使用される1つのパレットが載置された台車の斜視図である。
【図8】図8は本発明の生煎餅製造システムの概略正面図である。
【図9】図9は本発明の生煎餅製造システムの概略平面図である。
【図10】図10は本発明の生煎餅製造システムにおいて使用されるパレット排出装置の斜視図である。
【図11】図11は本発明の生煎餅製造システムにおいて使用されるパレット排出装置の側面図である。
【図12】図12は本発明の生煎餅製造システムにおいて使用されるパレット排出装置の作動順序を示すパレット排出装置の側面図である。
【図13】図13は同じく本発明の生煎餅製造システムにおいて使用されるパレット排出装置の作動順序を示すパレット排出装置の側面図である。
【図14】図14は本発明の生煎餅製造システムにおいて使用されるパレット積み重ね装置の作動順序を示すパレット積み重ね装置の側面図である。
【図15】図15は本発明の生煎餅製造システムの概略正面図である。
【図16】図16は本発明の別の実施例の生煎餅製造システムの概略平面図である。
【符号の説明】
B1・・・・・・・第1搬送装置
B2・・・・・・・高速搬送装置
B3・・・・・・・台車搬送装置
C・・・・・・・・台車
D・・・・・・・・生地
G・・・・・・・・生煎餅
H・・・・・・・・生煎餅製造装置
P・・・・・・・・パレット
S・・・・・・・・パレット積み重ね装置
U・・・・・・・・パレット排出装置
Claims (3)
- パレットが積み重ね可能な台車と、該台車に積み重ねられた空のパレットを台車から1つずつ取り出すパレット排出装置と、該パレット排出装置に隣接して配設された、パレットを搬送するパレット搬送装置と、該パレット搬送装置の上方に配設された生煎餅製造装置と、前記パレット搬送装置に隣接して配設された、生煎餅が載置されたパレットを台車に積み重ねるパレット積み重ね装置と、前記パレット排出装置により空のパレットが取り出されて空になった台車を、前記パレット積み重ね装置まで移動する台車搬送装置とを具備し、前記台車搬送装置により、前記パレット積み重ね装置まで移動された空の台車に、前記生煎餅製造装置により製造された生煎餅が載置されたパレットを積み重ねるように構成したことを特徴とする生煎餅製造システム。
- 台車に載置された空のパレットを支持するとともに空のパレットを台車から搬出する上下動可能な搬送部材と、パレットの長辺枠の側壁に形成された凹部に挿入可能な水平方向に進退可能なパレット支持部材とを有するパレット排出装置、及び、生煎餅が載置されたパレットを移動させるとともに生煎餅が載置されたパレットを支持する上下動可能な搬送部材と、パレットの長辺枠の側壁に形成された凹部に挿入可能な水平方向に進退可能なパレット支持部材とを有するパレット積み重ね装置とを具備することを特徴とする請求項1に記載の生煎餅製造システム。
- 上記パレット搬送装置が、パレット排出装置により取り出された空のパレットを、生煎餅製造装置へ搬送する第1搬送装置と、該第1搬送装置に隣接して配設されているとともに、生煎餅製造装置により製造された生煎餅を載置したパレットをパレット積み重ね装置まで搬送する、第1搬送装置より高速の高速搬送装置とにより構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の生煎餅製造システム。
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-
1995
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